JP2009052151A - ラメ糸 - Google Patents

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寛 清田
Yasushi Hattori
靖志 服部
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Abstract

【課題】ラメ糸を改良して糸切れを無くし、デニム生地等の厚地の生地に種々の刺繍模様を施すことを可能として、装飾性、高級感、おしゃれ感等をアップし、普段着からおしゃれ着にまで刺繍糸や装飾模様糸として広く使用可能としたラメ糸を提供すること。
【解決手段】樹脂フィルムにアルミニウムなどの金属光沢を呈する金属薄膜を真空蒸着して細くテープ状に裁断したスリット糸1aを複数本撚り合わせてラメ撚糸1bとし、このラメ撚糸1bの外側に透明樹脂からなるカバー糸1cを巻き付けてラメ撚糸1bを被覆した透明被覆ラメ糸1dとしてある。
【選択図】図1

Description

本発明は、ラメ糸の改良に関するものである。
近時、ファッションの多様化に対応して種々の布製品が提供されてきている。例えば、衣類では、ジーンズの愛用者が増加し、普段着からおしゃれ着にまで広く用いられるようになってきており、普段着やおしゃれ着として用いる場合、装飾性や多様な趣味感が求められる傾向があり、そのための手段として、刺繍模様を施した製品が求められている。
ところで、生地に刺繍糸を用いて刺繍模様を施す技術は、古くから知られているが、ジーンズのようなデニム生地(厚地)に刺繍模様を施す場合、生地の地色(インジゴ染めによる藍色)に対して顕著な対照性を備える色彩の刺繍糸を用いることが、装飾性、高級感、おしゃれ感等をアップする上で好適であり、そのために、ラメ糸を刺繍糸に使用することが検討された。
しかし、ラメ糸は、樹脂フィルムにアルミニウムなどの金属光沢薄膜を真空蒸着して細くテープ状に裁断したスリット糸からなり、これをそのまま撚糸として刺繍ミシンに用いてデニム生地に刺繍を施そうとすると、頻繁に糸切れして満足な刺繍模様をデニム生地に施すことができなかった。
なお、従来、ラメ糸刺繍品というものが、特許文献1にて公知である。
特開平6−192956号公報
特許文献1で使用している刺繍糸は、ポリエステルフィルムに金属を蒸着させてなる平ラメ糸、または、該平ラメ糸を芯糸にカバリング撚糸した金銀糸であるが、これらの糸をデニム生地に用いると、頻繁に糸切れして満足な刺繍模様をデニム生地に施すことができない。特に、前記金銀糸は、ミシン針でデニム生地に刺し通されるとき、芯糸にカバリング撚糸された平ラメ糸が芯糸から切れてしまうことが多発し、芯糸だけの部分が斑状に発生して刺繍模様の美観が損なわれる欠点がある。
本発明は、従来のラメ糸を改良して糸切れを無くし、デニム生地等の厚地の生地に種々の刺繍模様を施すことを可能として、装飾性、高級感、おしゃれ感等をアップし、普段着からおしゃれ着にまで刺繍糸や装飾模様糸として広く使用可能としたラメ糸を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために本発明は、樹脂フィルムにアルミニウムなどの金属光沢を呈する金属薄膜を真空蒸着して細くテープ状に裁断したスリット糸を複数本撚り合わせてラメ撚糸とし、このラメ撚糸の外側に透明樹脂からなるカバー糸を巻き付けて前記ラメ撚糸を被覆して透明被覆ラメ糸としてあることを特徴としている。
この構成によれば、ラメ撚糸がカバー糸で被覆されているため、ラメ撚糸の糸切れがカバー糸によって防止され、ラメ撚糸の強度がアップされてデニム生地のような厚地の生地に刺し通されるときのラメ撚糸の糸切れが減少し刺繍模様の形成が能率良く円滑に行われ、しかも、カバー糸は透明な樹脂繊維糸からなるため、ラメ撚糸の金属光沢が損なわれることがない。従って、ラメ撚糸による金属光沢を備えて美観及び装飾性がアップされた刺繍模様の各種製品を提供することができ、従来の製品に豪華さや高級感を付与して付加価値を向上させることができ、これによって、販売促進や購買意欲の喚起が図れ、普段着からおしゃれ着にまで広く用いることが可能なラメ糸を提供することができる。
前記透明被覆ラメ糸は、2本の透明樹脂からなるカバー糸をラメ撚糸の外側にタスキ状に巻き付け被覆してダブルカバーし、さらに、前記ラメ撚糸とカバー糸とを透明接着性樹脂で付着処理してあることが望ましい。
この構成によれば、透明被覆ラメ糸の撚り戻りをカバー糸で抑制すると共に、被覆補強して強度をアップさせることができる。従って、糸切れ防止をさらに高めることができ、耐洗濯性も向上し、刺繍模様の耐久性を向上させて金銀糸のような金属光沢をもつ刺繍模様を長期間保持させることができる。
前記透明被覆ラメ糸は、ジーンズパンツ、シャツ、スカート、ブルゾン等のデニム生地製衣類の刺繍糸に適用されていてもよく、また、カバン、帽子、靴、手袋、前掛け、エプロン、カーテン、テーブルクロス、座布団カバー、椅子カバー、日除け、内装用クロス等のデニム生地製布製品に適用してもよい。この構成によれば、ファッション性に富む衣類や布製品を提供することができる。
本発明によれば、ラメ糸を改良して糸切れを無くし、デニム生地等の厚地の生地に種々の刺繍模様を施すことを可能として、装飾性、高級感、おしゃれ感等をアップし、普段着からおしゃれ着にまで刺繍糸や装飾模様糸として広く使用可能としたラメ糸を提供することができる。
以下、本発明に係るラメ糸の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に用いるラメ糸1の概略側面図であり、図2は、そのラメ糸1を用いて刺繍模様2を施したデニム生地3の概略平面図である。
本発明のラメ糸1は、図1に示すように、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム等の樹脂フィルムにアルミニウム、銀等の金属光沢を呈する金属薄膜を真空蒸着して細くテープ状に裁断したスリット糸1aを複数本撚り合わせてラメ撚糸1bとし、このラメ撚糸1bの外側をウーリーナイロン等の透明樹脂からなるカバー糸1cを巻き付けて被覆した透明被覆ラメ糸1dとしたものである。
ラメ撚糸1bは、スリット糸1aの太さ(dtexで表される)、色彩の適当なものを用途、目的等に応じて組み合わせて複数本を撚り合わせて使用する。例えば、細いスリット糸1aを使用すれば、柔軟性が向上し、また、色彩については、同色、異色の組み合わせが自由に行われ、現在市販されているラメ糸は、太さが30〜770dtex程度まであり、色彩が白、黒、金、銀、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、これらの中間色(桃色、黄土色、茶色、ねずみ色、)まで多種類提供されている。
本発明の実施形態では、前記ラメ撚糸1bの外側に2本の透明樹脂(ウーリーナイロン等)からなるカバー糸1cをタスキ状(S撚り及びZ撚り)に巻き付け被覆してダブルカバーし、さらに、前記ラメ撚糸1bとカバー糸1cとを透明接着性樹脂(図示省略)で付着処理(吹き付け処理、または、浸漬処理等)してある。
刺繍模様2は、上記ラメ糸1を用いて刺繍ミシンにより、或いは、手縫い方式によりデニム生地3に施している。
刺繍模様2は、図2では、五稜星形状を例示しているが、これに限定されるものではなく、種々の図形(動物、植物、乗物、人物、人形、各種キャラクター、果実、樹木、山、川、海の景色、その他、抽象的乃至具象的図形等を含む)、幾何学模様、家紋、その他の文様、模様、記号、文字、これらの単独或いは組み合わせ等自由に選択適用することができる。
前記透明被覆ラメ糸1dによる刺繍模様2を施したデニム生地3は、ジーンズパンツ、シャツ、スカート、ブルゾン等の各種衣類に適用することができる。
図3及び図4は、代表例として、ジーンズパンツ4に適用した実施形態を示すもので、上記デニム生地3の刺繍模様2は、膝部、後ポケット部、ウエスト後部に配置してある場合を例示している。
刺繍模様2を施す位置は、ジーンズパンツやスカートの場合、膝部、大腿部、裾部、前ポケット部、後ポケット部、ウエスト部、その他任意の位置とすることができる。また、シャツやブルゾンに適用する場合では、胸部、背中部、肩部、袖部、胸ポケット部、襟部、その他任意の位置に刺繍模様2を施すことができる。
刺繍模様2は、裁断前のデニム生地3に施してもよく、裁断後の縫製前のデニム生地3に施してもよく、更に、縫製後の衣類製品の任意の位置に施しても良い。
また、前記透明被覆ラメ糸1dによる刺繍模様2を施したデニム生地3は、前記衣類以外に、カバン、帽子、靴、手袋、前掛け、エプロン、カーテン、テーブルクロス、座布団カバー、椅子カバー、日除け、内装用クロス等の布製品に適用することもできる。この場合においても、それぞれの用途、目的に応じて、刺繍模様2の表示形態、表示位置を適宜選択して適用するものである。
本発明に係るラメ糸1の実施形態及び適用例は以上の通りであって、ラメ撚糸1bがカバー糸1cで被覆されているため、ラメ撚糸1bの糸切れがカバー糸1cによって防止され、ラメ撚糸1bの強度がアップされてデニム生地3に刺し通されるときのラメ撚糸1bの糸切れが減少し刺繍模様2の形成が能率良く円滑に行われる。また、カバー糸1cは、透明な樹脂繊維糸からなるため、ラメ撚糸1bの金属光沢が損なわれることがない。従って、ラメ撚糸1bによる金属光沢を備えて美観及び装飾性がアップされた刺繍模様2をもつデニム生地3を提供することができ、従来のデニム生地に豪華さや高級感を付与して付加価値を向上させることができる。これによって、販売促進や購買意欲の喚起が図れ、普段着からおしゃれ着等の各種衣類、さらに、各種の布製品にまで広く用いることが可能なデニム生地を提供することができる。
スリット糸1aとして、シルバーナイロンフィルムスリット糸(47dtex)を8本引き揃えたものを2組準備し、これら2組の引き揃え糸それぞれについて下撚り(120T/mでS撚り)した後、2組を引き揃えて上撚り(120T/mでZ撚り)してラメ撚糸1bとし、これに、カバー糸1cとして、ウーリーナイロン糸(12dtex)を使用して、タスキ状にダブルカバー(160T/mでS撚り及びZ撚り)し、これに透明接着性樹脂液(バイロナール:商標)を吹き付けて乾燥させ、ラメ撚糸1bとカバー糸1cとを付着処理させて銀色と金色の2種類のラメ糸1を作成した。
この場合、8本を引き揃えて下撚りするスリット糸1aの太さと色彩は、8本とも同じとし、これを2組上撚りする際、2組とも同一色調のもの同士を撚り合わせたものと、異なる色調のものを組み合わせて撚り合わせたものとを複数種類(金色の場合、明色調同士を組み合わせると明色調の金色ラメ撚糸となり、暗色調同士を組み合わせると暗色調の金色ラメ撚糸となり、明色調と暗色調を組み合わせると、それらの中間色調の金色ラメ糸となる。銀色ラメ撚糸の場合も同様な組み合わせとできる。)作成した。
このラメ糸1を用いて、図3に例示したジーンズパンツ用として裁断され、縫製する前の段階のデニム生地に刺繍模様2を刺繍ミシンにより作成し、その後、縫製してジーンズパンツ4を作成した。
この場合、刺繍ミシンによる作業中、糸切れは皆無であった。また、洗濯テストにおいても刺繍模様の劣化や糸切れは認められなかった。
本発明に用いるラメ糸の概略側面図である。 図1のラメ糸を用いて刺繍模様を施したデニム生地の概略平面図である。 図1のラメ糸により刺繍模様を施したジーンズパンツの概略正面図である。 図3のジーンズパンツの折り畳み状態の概略側面図である。
符号の説明
1 ラメ糸
1a スリット糸
1b ラメ撚糸
1c カバー糸
1d 透明被覆ラメ糸
2 刺繍模様
3 デニム生地
4 ジーンズパンツ

Claims (4)

  1. 樹脂フィルムにアルミニウムなどの金属光沢を呈する金属薄膜を真空蒸着して細くテープ状に裁断したスリット糸を複数本撚り合わせてラメ撚糸とし、このラメ撚糸の外側に透明樹脂からなるカバー糸を巻き付けて前記ラメ撚糸を被覆して透明被覆ラメ糸としてあることを特徴とするラメ糸。
  2. 前記透明被覆ラメ糸は、2本の透明樹脂からなるカバー糸をラメ撚糸の外側にタスキ状に巻き付け被覆してダブルカバーし、さらに、前記ラメ撚糸とカバー糸とを透明接着性樹脂で付着処理してあることを特徴とする請求項1に記載のラメ糸。
  3. 前記透明被覆ラメ糸が、ジーンズパンツ、シャツ、スカート、ブルゾン等のデニム生地製衣類の刺繍糸に適用されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のラメ糸。
  4. 前記透明被覆ラメ糸が、カバン、帽子、靴、手袋、前掛け、エプロン、カーテン、テーブルクロス、座布団カバー、椅子カバー、日除け、内装用クロス等のデニム生地製布製品の刺繍糸に適用されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のラメ糸。
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