JP2009051379A - 船底防汚装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】、船底防汚装置の後部を水中に沈めたり、水中から引き上げる操作を容易に行なうことができ、また、横方向からも船舶を進入させることができる船底防汚装置を提供する。
【解決手段】船底防汚装置A1は、船底を囲む形状に形成されたホルダ本体5と、ホルダ本体5の底面の略中央に設けられ、水よりも比重が小さく形成されたフロートタンク20と、を有する。フロートタンク20は、内部が中空で密閉されたタンクにより形成されている。また、フロートタンク20の前側には、浮力調整タンク40が設けられ、後ろ側には、浮力調整タンク60が設けられている。
【選択図】図2
【解決手段】船底防汚装置A1は、船底を囲む形状に形成されたホルダ本体5と、ホルダ本体5の底面の略中央に設けられ、水よりも比重が小さく形成されたフロートタンク20と、を有する。フロートタンク20は、内部が中空で密閉されたタンクにより形成されている。また、フロートタンク20の前側には、浮力調整タンク40が設けられ、後ろ側には、浮力調整タンク60が設けられている。
【選択図】図2
Description
本発明は、モーターボート等の船底に貝類等の付着を防止する船底防汚装置に関するものである。
船舶を海上に停泊させておくと、船舶の船底にフジツボ等の貝類や海藻が付着してしまう。このような貝類や海藻が付着するのを防止するために、防汚塗料を塗装したり、電気導通を行なう方法がとられているが、いずれも高価であるために特に小型船舶においては現実的でない。また、特に、防汚塗料は有害な化学物質を含むことから、環境保全のためにも防汚塗料を使用しない方法が望まれている。
そのような問題を解決するために、出願人は、特許文献1と特許文献2に記載の船底の防汚装置を提案している。船舶の船底を囲む形状に成形したホルダ内の上方に船舶を配置させて、船底の防汚を行う。
特開2001−18889号公報
特開2001−39385号公報
しかし、特許文献1や特許文献2に記載の船底の防汚装置を使用する際には、船底の防汚装置としてのホルダの後部を水中に沈めたり、ホルダにおける水中に沈んだ後部を水面上に持ち上げるのであるが、その際の操作が困難であるという問題があった。つまり、特許文献1に記載の船底の防汚装置の場合には、浮沈タンクにポンプ装置により給排水する必要があり、また、特許文献2に記載の船底の防汚装置の場合には、ホルダの後部に設けられた錘を水中に入れたり、該錘を引き上げたりするので、ホルダの後部を水中に沈めたり、水中から引き上げたりする操作が困難であった。
そこで、本発明は、ホルダの後部を水中に沈めたり、水中から引き上げる操作を容易に行なうことができ、これにより、船舶の進入や退出を容易に行うことができる船底防汚装置を提供することを目的とするものである。
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、船舶の船底に貝類が付着するのを防止する船底防汚装置であって、船底を囲む形状に形成された本体部と、該本体部の底面の略中央に設けられたフロート部で、水よりも比重が小さく形成されたフロート部と、を有し、本体部の一方の端部を回動させる際に、該フロート部が回動中心となり本体部の回動を容易とすることを特徴とする。
この第1の構成の船底防汚装置においては、船舶を防汚装置内に進入させる場合には、本体部の後部を水中に沈めた状態として、船舶を防汚装置の上部に位置させ、その後、本体部の後部を引き上げる。本発明の船底防汚装置においては、フロート部が設けられているので、本体部の後部を水中に沈めたり引き上げたりする場合に、該フロート部が回動中心となって本体部の回動が容易となるので、容易に操作することが可能となる。以上のように、フロート部が設けられていることにより、船底防汚装置を回動させやすく、船舶の進入や退出を容易に行うことができる。
また、第2には、上記第1の構成において、フロート部が、前後方向には、前後方向の重心よりも前方に設けられていることを特徴とする。よって、フロート部が、前後方向には、前後方向の重心よりも前方に設けられているので、防汚装置の後部を水中に沈める場合や水中から引き上げる場合に、容易に操作を行なうことができる。
また、第3には、上記第1又は第2の構成において、上記フロート部が、内部が中空で密閉されたタンクにより形成され、内部の中空空間を含めてフロート部全体が水よりも比重が小さく形成されていることを特徴とする。
また、第4には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、本体部の外側における上記フロート部よりも前側に設けられ、ホルダの浮力を調整するためのタンク状を呈した第1浮力調整部で、内部を水を供給又は排出することにより浮力の調整が可能な第1浮力調整部と、本体部の外側における上記フロート部よりも後ろ側に設けられ、ホルダの浮力を調整するためのタンク状を呈した第2浮力調整部で、内部を水を供給又は排出することにより浮力の調整が可能な第2浮力調整部と、を有することを特徴とする。
よって、上記第1浮力調整部と第2浮力調整部とが設けられていることから、船底防汚装置の浮力を調整することができ、例えば、船舶の下方に位置させる場合に、予め第1浮力調整部と第2浮力調整部とに水を入れておくことにより、船底防汚装置の外側の面に貝類等が付着して重くなった際に、水を抜くことにより船底防汚装置が水中に沈むのを防止できる。また、特に、フロート部の前側と後ろ側にそれぞれ浮力調整部が設けられているので、前後方向に浮力を調整することができ、例えば、第2浮力調整部に入れる水の量を多くすることにより、船底防汚装置の後部を予め水中に沈めておくことができる。
また、第5には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、本体部は、底部と、底部の両側から起立した側壁部と、底部の後端から起立した後壁部を有し、側壁部の外側には、前後方向に設けられたレール部と、該レール部をスライド可能に設けられた錘とを有し、さらに、本体部の浮力を調整するための浮力調整部が設けられていることを特徴とする。
よって、船底防汚装置の後部を水中に沈める場合には、錘をレール部に対して後方にスライドさせ、船底防汚装置の後部を水中から引き上げる場合には、錘をレール部に対して前方にスライドさせればよい。このようにレール部と錘とが設けられているので、船底防汚装置を前後方向への傾斜を容易に行なうことができ、特に、船底防汚装置の後部を水中に沈める場合や水中から引き上げる場合に、容易に行うことができる。また、浮力調整部が設けられているので、船底防汚装置の浮力を調整することができ、例えば、船舶の下方に位置させる場合に、予め浮力調整部の浮力を小さくしておくことにより、船底防汚装置の外側の面に貝類等が付着して重くなった際に、浮力調整部の浮力を大きくすることにより船底防汚装置が水中に沈むのを防止できる。
また、第6には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、本体部は、底部と、底部の両側から起立した側壁部とを有し、側壁部の外側には、前後方向に設けられたレール部と、該レール部をスライド可能に設けられたフロート部とを有し、さらに、本体部の浮力を調整するための浮力調整部が設けられていることを特徴とする。
よって、船底防汚装置の後部を水中に沈める場合には、フロート部をレール部に対して前方にスライドさせ、船底防汚装置の後部を水中から引き上げる場合には、錘をレール部に対して後方にスライドさせればよい。このようにレール部とフロート部とが設けられているので、船底防汚装置を前後方向への傾斜を容易に行なうことができ、特に、船底防汚装置の後部を水中に沈める場合や水中から引き上げる場合に、容易に行うことができる。また、浮力調整部が設けられているので、船底防汚装置の浮力を調整することができ、例えば、船舶の下方に位置させる場合に、予め浮力調整部の浮力を小さくしておくことにより、船底防汚装置の外側の面に貝類等が付着して重くなった際に、浮力調整部の浮力を大きくすることにより船底防汚装置が水中に沈むのを防止できる。
また、第7には、上記第5又は第6の構成において、上記浮力調整部が、本体部の両側に設けられ、各浮力調整部が、管状を呈し、レール部に沿ってレール部の下方に設けられた横方向管部と、横方向管部の前端から連設され側壁部に沿って上方に形成された第1縦方向管部と、横方向管部の後端から連設され後壁部に沿って上方に形成された第2縦方向管部と、を有し、第1縦方向管部と第2縦方向管部の少なくともいずれかに水を供給・排出するための穴部が設けられている。
よって、穴部から浮力調整部に水を供給・排出することにより船底防汚装置の浮力を調整することが可能となる。また、浮力調整部は、横方向管部と第1縦方向管部と第2縦方向管部とで構成され、レール部を迂回した構成となっているので、浮力調整部がレール部の邪魔になることがない。
また、第8には、上記第1又は第2の構成において、上記フロート部が、内部が中空のタンクにより形成され、内部の中空空間を含めてフロート部全体が水よりも比重が小さく形成され、上記フロート部の両側から本体部の底部及び側壁部に沿って上方に形成され、その内部空間がフロート部の内部空間と連通している一対の管部が設けられ、該一対の管部のうちの少なくともいずれか一方に管部内に水を供給・排出するための穴部が設けられていることを特徴とする。
この第8の構成においては、本体部の後部を水中に沈めたり引き上げたりする場合に、該フロート部が回動中心となって本体部の傾斜が容易となるので、容易に操作することが可能となるが、フロート部内に予め水を入れておくことにより、例えば、船底防汚装置の後部を下方に傾斜させる場合には、フロート部内の水も後部に流れるために水中に沈めやすくなり、また、後部を上方に引き上げる場合には、後部を持ち上げると、その反動でフロート部内の水が前方に移動するので、持ち上げやすくなる。また、フロート部内の水を供給・排出できるので、フロート部により浮力調整を行なうことができ、フロート部により、船底防汚装置を回動させる際の中心としての機能と浮力調整の機能を兼ねることができ、船底防汚装置を低コストで製造することが可能となる。
なお、上記第8の構成において、フロート部が、前後方向には、前後方向の重心よりも前方に設けられ、船底防汚装置を水面(具体的には、海面)に放した状態では、船底防汚装置の後部が水中に沈み、船底防汚装置の先端が水面よりも浮上した状態となるものとするのが好ましい。
なお、以下の構成としてもよい。すなわち、第9の構成として、「上記第1から第8までのいずれかの構成において、本体部は、底部と、底部の両側から起立した側壁部と、底部の後端から起立した後壁部を有し、該側壁部の前側と後ろ側の上端近くには、貫通穴が設けられ、各貫通穴にはロープが結びつけられ、また、後壁部には、キャップ部により開閉可能な開口部が設けられていることを特徴とする。」としてもよい。
本発明に基づく船底防汚装置においては、船底を囲む形状に形成された本体部の底面の略中央にフロート部が設けられているので、本体部の後部を水中に沈めたり引き上げたりする場合に、該フロート部が回動中心となって本体部の傾斜が容易となるので、容易に操作することが可能となり、船舶の進入や退出を容易に行うことができる。
本発明においては、船底をホルダの後部を水中に沈めたり、水中から引き上げる操作を容易に行なうことができ、これにより、船舶の進入や退出を容易に行うことができる船底防汚装置を提供するという目的を以下のようにして実現した。
本発明に基づく実施例1の船底防汚装置としてのホルダA1は、船舶(例えば、モータボート)の船底に貝類等が付着するのを防止するものであり、図1〜図9に示すように構成され、ホルダ本体(本体部)5と、フロートタンク(フロート部)20と、浮力調整タンク(第1浮力調整部)40と、浮力調整タンク(第2浮力調整部)60とを有している。
ここで、ホルダ本体5は、底部8と、側壁部14、16と、後壁部18と、を有しており、全体にFRPにより形成されている。この底部8は、中央部を深くして両側を傾斜させるとともに、先部が幅狭で浅く成形されている。この底部8は、前後方向の中心線を介して対称に形成されていて、右側底部10と、左側底部12とにより構成されている。
また、側壁部14は、右側底部10の側方及び前方の上端部から略垂直に立設した板状部であり、ホルダ本体5の先端領域においては、徐々に幅が細くなるとともに、内側に湾曲した形状を呈している。つまり、側壁部14の先端領域よりも後方においては、上下幅が同一の板状を呈している。側壁部14の上端付近には貫通孔が設けられ、具体的には、側壁部14の前方には貫通穴14aが設けられ、後方には貫通穴14bが設けられている。
また、側壁部16は、左側底部12の側方及び前方の上端部から略垂直に立設した板状部であり、側壁部14に対して長手方向(X1−X2方向)の中心線を介して対称に形成されている。側壁部16の上端付近には貫通孔が設けられ、具体的には、側壁部16の前方には貫通穴16aが設けられ、後方には貫通穴16bが設けられている。なお、各貫通穴14a、14b、16a、16bは、ホルダA1の上端からの距離が同じに形成されている。また、各貫通穴14a、14b、16a、16bには、ロープL1〜L4がが結びつけられている。なお、側壁部14、16の上端付近に、上記貫通穴14a、14b、16a、16b以外にも複数の貫通穴を設けるのが好ましい。
また、後壁部18は、底部8の後端部から略垂直に立設した板状部であり、その下側の辺部は略U字状をなし、その上側部分の両側は側壁部14、16と連設されている。この側壁部14、16の上端と後壁部18の上端部とは、同一平面上に位置している。また、後壁部18の中央付近には略円形の開口部18aが設けられている。なお、この開口部18aの形成位置としては、開口部18aの下端が側壁部14、16の下端よりも下側にあり、開口部18aの上端が側壁部14、16の下端よりも上側にあるようになっている。また、この開口部18aには、ホルダ本体5の内側から着脱自在なキャップ部18bが設けられていて、このキャップ部18bにより開口部18aが開閉可能となっている。
また、フロートタンク20は、ホルダ本体5の底面に設けられ、具体的には、右側底部10と左側底部12とに下方から跨るようにして設けられている。このフロートタンク20は、ホルダ本体5の底面の形状に応じて上部が凹んでいる以外は略直方体形状に形成され、方形板状の底面部22と、上辺が略U字状に形成された方形板状の正面部24と、方形板状の側面部26と、方形板状の側面部28と、上辺が略U字状に形成された方形板状の背面部30と、底面に合わせて湾曲した板状を呈する上面部32、34とを有し、フロートタンク20を構成する上記各部は板状を呈し、内部は中空に形成されている。
このフロートタンク20は、ホルダ本体5の底面に固着されている。固着の方法としては、接着による方法(例えば、溶解した樹脂(FRP)をフロートタンク20とホルダ本体5間に塗布し、該樹脂を乾燥等により硬化させる方法)や、ホルダ本体5の底面とフロートタンク20の一方に凸部を設け、他方に凹部を設けて凸部と凹部とを互いに嵌入することにより固着する方法が考えられる。また、フロートタンク20の上面部32、34の構成を省略して、ホルダ本体5と一体成形する方法も考えられる。
このフロートタンク20は、ホルダ本体5の底面の略中央に設けられていて、具体的には、ホルダA1の左右方向(Y1−Y2方向)の中心位置(つまり、左右方向における重心位置)で、かつ、前後方向(X1−X2方向)には重心位置よりも前方に設けられている。つまり、左右方向には、フロートタンク20の左右方向の中心が左右方向における重心位置と略一致するように構成され、また、前後方向には、前後方向の重心位置とホルダ先端との距離をαとし、該重心位置とフロートタンク20の前後方向の中心位置との距離をβとした場合には、βは、0よりも大きく、0.3×α以下の範囲に設けられている。なお、フロートタンク20の大きさは、前後方向には、ホルダ本体5の前後方向の長さよりも短く形成され、具体的には、ホルダ本体5の前後の長さの5〜15%程度に形成され、また、左右方向には、ホルダ本体5の左右方向の長さよりも短く形成され、具体的には、ホルダ本体5の左右方向の長さの25〜45%程度に形成されている。
以上のように、フロートタンク20は、内部が中空に形成されているので、内部の中空空間を含めてフロート部全体が水よりも比重が小さく形成されている。
なお、フロートタンク20はホルダ本体5の底面に固着されているとして説明したが、フロートタンク20はホルダ本体5の底面に対して着脱自在としてもよい。例えば、図9に示すように、取付け部材38をホルダ本体5の底面に固着させ、フロートタンク20をこの取付け部材38に対して着脱自在とする。すなわち、取付け部材38は、帯板状の板状部38aの上面から両側を除いて突出した直方体形状の突出部38b(この板状部38a及び突出部38bには、ボルト39を螺着するためのネジ穴が設けられている)と、板状部38aの両側から上方に突出した略円柱状の突出部38cとを有し、ホルダ本体5の底面には、突出部38bと突出部38cが嵌装される穴部が設けられ、それらの穴部に嵌装されることにより、取付け部材38がホルダ本体5の底面に固着される。そして、フロートタンク20においては、両側の上端から帯板状部36(この帯板状部36には、ボルト39を通すための穴部36aが設けられている)が突出して形成されていて、穴部36aにボルト39を通すとともに、ネジ穴38dに螺着することにより、フロートタンク20をホルダ本体5の底部に固着することができる。
また、浮力調整タンク40は、フロートタンク20よりも前側に設けられていて、ホルダ本体5の外側の左右方向の一方の端部から他方の端部にまで形成されていて(つまり、側壁部14の外側から底部8の底面を経て側壁部16の外側にまで形成されている)、中空に形成されている。つまり、浮力調整タンク40は、帯板状部材を略U字状に形成した形状の底面部42と、略U字状の板状を呈する正面部44と、略U字状の板状を呈する背面部46と、右側の上面を形成する上面部48と、左側の上面を形成する上面部50とを有し、ホルダ本体5の底面に一体に形成されて、中空状に形成されている。上面部48、50は、側壁部14、16の上端の高さ(少なくとも貫通穴14a、14b、16a、16bの位置以上の高さ)に設けられ、上面部48と上面部50には、内部に水を供給・排出するための穴部が設けられているが、これらの穴部以外には、浮力調整タンク40内は水密状に密閉されている。また、該穴部を開閉するためのキャップ部52、54が設けられている。
また、浮力調整タンク60は、フロートタンク20よりも後側に設けられていて、ホルダ本体5の外側の左右方向の一方の端部から他方の端部にまで形成されていて(つまり、側壁部14の外側から底部8の底面を経て側壁部16の外側にまで形成されている)、中空に形成されている。つまり、浮力調整タンク60は、帯板状部材を略U字状に形成した形状の底面部62と、略U字状の板状を呈する正面部64と、略U字状の板状を呈する背面部66と、右側の上面を形成する上面部68と、左側の上面を形成する上面部70とを有し、ホルダ本体5の底面に一体に形成されて、中空状に形成されている。上面部68、70は、側壁部14、16の上端の高さ(少なくとも貫通穴14a、14b、16a、16bの位置以上の高さ)に設けられ、上面部68と上面部70には、内部に水を供給・排出するための穴部が設けられているが、これらの穴部以外には、浮力調整タンク60内は水密状に密閉されている。また、該穴部を開閉するためのキャップ部72、74が設けられている。
なお、浮力調整タンク40や浮力調整タンク60に水を供給しない状態では、ホルダA1は、その上端の縁部を水面(具体的には、海面(他においても同じ))と平行に浮くように形成されていて、貫通穴14a、14b、16a、16bが水面よりも上になるように形成されており、また、浮力調整タンク40と浮力調整タンク60にある程度の(例えば、容積中50〜80%)水を入れても、貫通穴14a、14b、16a、16bが水面よりも上になるように形成されている。また、当然、浮力調整タンク40よりも浮力調整タンク60に対して多くの水を入れると、ホルダA1の後部が水中に沈むようになる。なお、浮力調整タンク40、60は、チューブ等の管状部材により形成してもよい。つまり、軟質樹脂等により形成されたチューブをホルダ本体5の一方の側壁部から底部を介して他方の側壁部にまで形成することにより、浮力調整タンク40、60を形成してもよい。また、ホルダA1の前後方向の長さは、5〜7mに形成されている。
なお、フロートタンク20と、浮力調整タンク40と、浮力調整タンク60は、ホルダ本体5と同様に、FRPにより構成されている。また、上記構成のホルダA1は、長手方向(X1−X2方向)の中心線を介して左右対称に形成されている。
上記構成のホルダA1の使用状態について説明する。前側の浮力調整タンク40と後ろ側の浮力調整タンク60には、予め水を入れておき、特に、浮力調整タンク60には浮力調整タンク40よりも多く水を入れて、ホルダA1を水中に入れた際に、ホルダA1の後ろ側が図11(a)のように沈み、ホルダA1が水面に対して傾斜するようにしておく。つまり、水面と後壁部18の上端との距離Sが、略50cm〜100cmになるとともに、図11(c)のようにホルダA1の後部を持ち上げた際に、ホルダ本体5に設けられた貫通穴14a、14b、16a、16bが水面よりも上方にあるようにする。浮力調整タンク40にも水を入れるのは、船舶Mの下方にホルダA1を保持させておくうちにホルダA1の外側の面に貝類や海藻が付着して重くなった場合に、浮力調整タンク40、60から水を抜くことにより浮力を大きくしてホルダA1が沈まないようにするためである。
ホルダA1の後部が沈んでいる場合でも、フロートタンク20が設けられていることにより、ホルダA1の先端が持ち上げられやすくなり、ホルダA1の先端が水面よりも浮上しやすいので、ホルダA1の位置を確認でき、安全性を図ることができる。なお、ホルダ本体5の後壁部18の開口部18aは、開口させておく。
なお、実際には、図10に示すように、ロープL1が結びつけられている貫通穴14aには、ロープL11の端部が結びつけられ、ロープL2が結びつけられている貫通穴14bには、ロープL12の端部が結びつけられ、ロープL3が結びつけられている貫通穴16aには、ロープL13の端部が結びつけられ、ロープL4が結びつけられている貫通穴16bには、ロープL14の端部が結びつけられ(ロープL12、L14は、ロープL11、S13よりも長く形成されている)、ロープL11とロープL12の他方の端部は、岸壁に設けられた一方の柱状部88に結びつけられ、ロープL13とロープL14の他方の端部は、岸壁に設けられた他方の柱状部88に結びつけられる。また、ホルダA1の後端の両側には、ブイ80が浮かべてあり、このブイ80に固定されたロープ82の下端にはアンカーが設けられている。そして、ブイ80の下端から紐状部84を介して設けられたリング状部84に、ロープL12やロープL14が挿通された状態となっている。なお、リング状部84の代わりに、滑車を設ける構成としてもよい。以上のような構成とすることにより、ロープL11、L13を岸壁から引くとホルダA1が岸壁に近づき、ロープL12、L14を岸壁から引くとホルダA1が岸壁から遠ざかるので、ホルダA1を岸壁に対して所望の位置に設置することができる。なお、実際の使用状態において、図10に示すようにロープL11〜L14を用いる点は、実施例2、実施例3においても同様である。
なお、図11においては、ロープL11、L12、L13、L14の構成は省略して描かれている。
この状態から、図11(b)に示すように、船舶M(例えば、モータボート)をホルダA1の後方から進入させて、ホルダA1の上方に船舶Mを配置させ、エンジンを停止する。
その後、ホルダA1の後方に設けられたロープL2、L4を引き上げて(操作者は、船舶Mに乗った状態で引き上げる)、ホルダA1の後部を引き上げ、ホルダA1の後部が水面上に表れるようにする。その際、フロートタンク20が設けられていることから、このフロートタンク20が杆(てこ)の中心のような作用をすることから、ホルダA1をフロートタンク20の位置を中心に回動させやすく、ホルダA1の後部を容易に持ち上げて、ホルダA1を水面に対して傾斜した状態から略水平状態にすることができる。ホルダA1の後部を持ち上げて開口部18aの少なくとも一部を水面よりも上方に位置させるとホルダA1内の水の一部が開口部18aから外部に排出される。また、ホルダA1内の水は、貫通穴14a、14b、16a、16bからも排出される。なお、ホルダA1内の水は全部を排出させる必要はなく、貫通穴14a、14b、16a、16bが水面よりも上方になる程度に排出させればよい。
ホルダA1の後部を持ち上げたら、ロープL2、L4を船舶Mに縛り付けるとともに、後壁部18aの開口部18aをキャップ部18bで閉止する。このようにして、船舶Mの下方にホルダA1を設置することができる。なお、この状態では、船舶Mは、ホルダA1内の水に浮いており、ホルダA1と船舶Mとは接触していない。以上のようにして、船舶Mの船底がホルダA1内に囲まれた状態となるので、海水の潮流を遮断できるため貝類や海藻が船舶の船底に付着するのを防止することができる。
なお、雨等によりホルダA1内が増水する場合には、貫通穴14a、14b、16a、16bから排水されるので、貫通穴14a、14b、16a、16bが水面よりも下側になることはない。
ただし、船舶Mの下方にホルダA1を保持させた状態で長時間放置すると、ホルダA1の外側の面に貝類や海藻が付着してホルダA1が重くなり、ホルダA1の上端が水面の下方になってしまうと、船舶Mの船底に貝類や海藻が付着してしまうので、貫通穴14a、14b、16a、16bが水面近くになったら、浮力調整タンク40、60から水を抜くようにする。つまり、貫通穴14a、14b、16a、16bが水面よりも下側になった場合には、ホルダA1の上端が水面近くになってしまい、潮流がホルダA1内に侵入するおそれがあるため(潮流がホルダA1内に侵入すると、船舶Mの船底に貝類や海藻が付着するおそれがある)、浮力調整タンク40、60から水を抜いてホルダA1を水面に対して上昇させておく。なお、浮力調整タンク40、60から水を抜くには、汎用のポンプ(例えば、手動ポンプ)を用いればよい。
なお、ホルダA1の外側の面に付着した貝類は、一定量が付着したらそれ以上は付着せず、また、貝類は水の浄化に役立つので、ホルダA1から除去することなくそのままにしておく。
また、船舶MをホルダA1内から退出させる場合には、ロープL2、L4を船舶Mから外すことにより、ホルダA1の後方が沈むので、船舶Mを後方から出すことができる。
以上のように、本実施例のホルダA1によれば、フロートタンク20が設けられているので、ホルダA1を回動させやすく、船舶の進入や退出を容易に行うことができる。また、ホルダA1には、浮力調整タンク40、60が設けられているので、ホルダA1の浮力を調整することができ、特に、浮力調整タンクが前側と後ろ側に設けられているので、前後方向に浮力を調整することができる。
次に、本発明に基づく実施例2の船底防汚装置としてのホルダA2は、図12〜図16に示すように構成され、ホルダ本体5と、フロートタンク20と、錘スライド部90、94と、浮力調整管部(浮力調整部)120、130とを有している。
ここで、ホルダ本体5は、実施例1のホルダ本体5と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。つまり、ホルダ本体5は、底部8と、側壁部14、16と、後壁部18と、を有しており、全体にFRPにより形成されている。また、側壁部14には、貫通穴14a、14bが設けられ、側壁部16には、貫通穴16a、16bが設けられている。また、各貫通穴14a、14b、16a、16bには、ロープL1〜L4がが結びつけられている。
また、フロートタンク20は、実施例1のフロートタンク20と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
また、錘スライド部90、94は、錘を前後方向にスライドさせる構成であり、錘スライド部90と錘スライド部94とは対称(つまり、長手方向の中心面を介して面対称(他においても同じ))に形成されているので、錘スライド部94を例にとって説明すると、錘スライド部94は、レール部96と、錘110とを有している。
ここで、レール部96は、図14等に示すように断面略コ字状を呈する直線状のレールであり、側壁部16の上端辺に対して傾斜して形成されており、ホルダ本体5の後端側に向けて下方に傾斜して形成されている。このレール部96は、その前側の端部は、ホルダ本体5の先端領域の後端位置からフロートタンク20の先端位置の間の位置に設けられ、また、後ろ側の端部は、ホルダ本体5の後端近くにまで形成されている。なお、レール部96の後端位置は、錘110をレール部96の後端位置にスライドさせた場合に、ホルダA2の後部が十分水中に沈む位置である。
また、錘110は、レール部96に沿ってスライド可能に形成されていて、支持部112と、錘本体114とを有し、支持部112は、レール部96内にスライド可能に設けられた略直方体形状のスライド部112aと、連結部112bとを有し、該連結部112bは、全体に略コ字状を呈し、該スライド部112aに対してレール部96の開口部を介して上側の端部が接続されるとともに、下側の端部には、錘本体114が取り付けられている。つまり、連結部112bは、スライド部112aに接続され側方に伸びた棒状の横部材112b−1と、該横部材112b−1の端部から下方に伸びた棒状の縦部材112b−2と、該縦部材112b−2の下端から側方に伸びた棒状の横部材112b−3とを有していて、全体に略コ字状を呈している。
また、錘本体114は、略球状を呈し、横部材112b−3の端部に取り付けられている。連結部112bが上記のように略コ字状に形成されているので、錘本体114は、スライド部112aの下方位置に設けられることになる。
また、錘スライド部90は、レール部92と、錘100とを有しているが、レール部92は、レール部96と対称に形成されている以外は同様の構成であり、錘100は、錘110と対称に形成されている以外は同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。なお、錘100は、支持部102と、錘本体104とを有し、支持部102は、対称に形成されている以外は支持部112と同様の構成であり、錘本体104は、対称に形成されている以外は錘本体114と同様の構成である。
なお、ホルダA2を水面に浮かべた状態で、錘100をレール部92の後端に位置させ、また、錘110をレール部96の後端に位置させた状態では、ホルダA2の後部が水中に沈み、水面と後壁部18の上端との距離が、略50cm〜100cmになる。また、錘100をレール部92の前端に位置させ、また、錘110をレール部96の前端に位置させた状態では、ホルダA2の前端が後端よりも若干下方に位置するように構成されている。また、錘100と錘110とが前後方向においてフロートタンク20の位置にある場合には、ホルダA2の上端辺が水面と略平行に浮くように構成されている。
なお、レール部92、96は、ホルダ本体5の後端側に向けて下方に傾斜して形成されているとしたが、側壁部16の上端辺に対して略平行に形成してもよい。
また、浮力調整管部120、130は、ホルダ本体5の底面及び側部に設けられた管状部材であり、浮力調整管部120と浮力調整管部130とは対称に形成されているので、浮力調整管部130を例にとって説明すると、浮力調整管部130は、1本の管状部材により形成されていて、横方向管部132と、縦方向管部(第1縦方向管部)134と、縦方向管部(第2縦方向管部)136とを有している。
ここで、横方向管部132は、左側底部12の上側の外側に横方向に(つまり、左側底部12の上端辺に沿って)形成された管状部材であり、その前側の端部は、レール部96よりも前側にあり、その後ろ側の端部は、ホルダ本体5の後端位置にまで形成されている。なお、横方向管部132は、ホルダ本体5に設けられた支持部140により支持されている。つまり、支持部140は、略円弧状の板状を呈し、ホルダ本体5(特に、左側底部12)の外側の面に一体に形成されていて、横方向管部132を支持部140に通すことにより支持されている。
また、縦方向管部134は、横方向管部132の前側の端部から縦方向に連設されていて、その上端は、側壁部16の上端位置にまで形成されている。また、縦方向管部136は、横方向管部132の後ろ側の端部から縦方向に連設されていて、その上端は、後壁部18の上端位置にまで形成されている。なお、縦方向管部134、136は、ホルダ本体5に設けられた支持部140により支持されている。つまり、支持部140は、略円弧状の板状を呈し、ホルダ本体5(特に、側壁部16と後壁部18)の外側の面に一体に形成されていて、縦方向管部134、136を支持部140に通すことにより支持されている。
なお、縦方向管部134、136の上端の開口部には、該開口部を開閉するためのキャップ部138が設けられている。以上のように、浮力調整管部130は、レール部96を回避するように設けられている。
また、浮力調整管部120は、1本の管状部材により形成されていて、横方向管部122と、縦方向管部124と、縦方向管部126とを有しているが、横方向管部122は、横方向管部132と対称に形成されている以外は同様の構成であり、縦方向管部124は、縦方向管部134と対称に形成されている以外は同様の構成であり、縦方向管部126は、縦方向管部136と対称に形成されている以外は同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
なお、浮力調整管部120、130に水を供給しない状態では、ホルダA2は、貫通穴14a、14b、16a、16bが水面よりも上になるように形成されており、また、浮力調整管部120、130に満水の水を入れても、貫通穴14a、14b、16a、16bが水面よりも上になるように形成されている。
上記構成のホルダA2の使用状態について説明する。浮力調整管部120、130には、予め水を入れておく。これは、船舶の下方にホルダA2を保持させておくうちにホルダA2の外側の面に貝類や海藻が付着して重くなった場合に、浮力調整管部120、130から水を抜くことにより浮力を大きくして、ホルダA2が沈まないようにするためである。
まず、錘100、110をレール部92、96の後端にまでスライドさせて、ホルダA2の後部を水中に沈める。つまり、錘100、110をレール部92、96の後端にまでスライドさせることによりホルダA2の後部が重くなるので、ホルダA2の後部が水中に沈み、ホルダA2が水面に対して傾斜する。なお、ホルダA2を最初に水面に放す際に、予め錘100、110をレール部92、96の後端にまでスライドさせておく。なお、フロートタンク20が杆(てこ)の中心のような作用をすることもあり、ホルダA2をフロートタンク20の位置を中心に回動させやすく、容易にホルダA2の後部を水中に沈めることができ、また、ホルダA2の先端が持ち上げられやすくなり、ホルダA2の先端が水面よりも浮上しやすいので、ホルダA2の位置を確認でき、安全性を図ることができる。
この状態から、船舶をホルダA2の後方から進入させて、ホルダA2の上方に船舶を配置させ、エンジンを停止する。その後、錘100、110を前方にスライドさせて(操作者は、船舶Mに乗った状態でスライドさせる)、ホルダA2の後部を持ち上げる。その際、フロートタンク20が設けられていることから、このフロートタンク20が杆(てこ)の中心のような作用をすることから、ホルダA2をフロートタンク20の位置を中心に回動させやすく、ホルダA2の後部を容易に持ち上げて、ホルダA2を水面に対して傾斜した状態から略水平状態にすることができる。ホルダA2の後部を持ち上げて開口部18aの少なくとも一部を水面よりも上方に位置させるとホルダA2内の水の一部が開口部18aから外部に排出される。なお、ホルダA2内の水は全部を排出させる必要はなく、貫通穴14a、14b、16a、16bが水面よりも上方になる程度に排出させればよい。
ホルダA2の後部を持ち上げたら、ロープL2、L4を船舶に縛り付けるとともに、開口部18aをキャップ部18bで閉止する。このようにして、船舶の下方にホルダA2を設置することができる。なお、この状態では、船舶は、ホルダA2内の水に浮いており、ホルダA2と船舶とは接触していない。以上のようにして、船舶の船底がホルダA2内に囲まれた状態となるので、海水の潮流を遮断できるため貝類や海藻が船舶の船底に付着するのを防止することができる。
なお、雨等によりホルダA2内が増水する場合には、貫通穴14a、14b、16a、16bから排水されるので、貫通穴14a、14b、16a、16bが水面よりも下側になることはない。
ただし、船舶の下方にホルダA2を保持させた状態で長時間放置すると、ホルダA2の外側の面に貝類や海藻が付着してホルダA2が重くなり、ホルダA2の上端が水面の下方になってしまうと、船舶の船底に貝類や海藻が付着してしまうので、貫通穴14a、14b、16a、16bが水面近くになったら、浮力調整管部120、130から水を抜くようにする。つまり、貫通穴14a、14b、16a、16bが水面よりも下側になった場合には、ホルダA2の上端が水面近くになってしまい、潮流がホルダA2内に侵入するおそれがあるため、浮力調整管部120、130から水を抜いてホルダA2を水面に対して上昇させておく。なお、浮力調整管部120、130から水を抜くには、汎用のポンプ(例えば、手動ポンプ)を用いればよい。
また、船舶をホルダA2内から出す場合には、ロープL2、L4を船舶から外し、錘100、110を後端にスライドさせることにより、ホルダA2の後方が沈むので、船舶を後方から出すことができる。
以上のように、本実施例のホルダA2によれば、フロートタンク20が設けられているので、ホルダA2を回動させやすく、船舶の進入や退出を容易に行うことができる。
また、錘スライド部90、94が設けられているので、ホルダA2の後部を水中に沈める場合やホルダA2の後部を水中から引き上げる場合に、容易に行うことができる。
また、本実施例のホルダA2においては、錘本体がレール部の下方位置にあることから、錘におけるスライド部(錘110ではスライド部112a)に対して斜め下方に力が掛からず、スライド部がレール部内で傾くことがないので、スライド部を容易にスライドさせることができる。
また、ホルダA2には、浮力調整管部120、130が設けられているので、ホルダA2の浮力を調整することができる。また、浮力調整管部120、130は、レール部92、96を迂回した構成となっているので、レール部92、96の邪魔になることがない。
なお、上記の説明では、錘スライド部には錘本体104、114が設けられているものとして説明したが、錘本体の代わりに、浮き(フロート部)を用いてもよい。浮きとしては、合成樹脂製の中空部材が挙げられる。なお、このように浮きを用いる場合には、ホルダA2の後部を沈める場合には、浮きをレール部の前側の端部にスライドさせ、ホルダA2の後部を沈んだ状態から押し上げる場合には、浮きをレール部の後ろ側の端部にスライドさせることになる。なお、このようにフロート部を用いる場合には、レール部を上記のようにホルダ本体5の後端側に向けて下方に傾斜して形成することにより、フロート部をレールの後端にスライドさせた場合に、フロート部が下方に位置するので、ホルダA2の後端を持ち上げやすい。
次に、本発明に基づく実施例3の船底防汚装置としてのホルダA3は、図17〜図20に示すように構成され、ホルダ本体5と、タンク220とを有している。
ここで、ホルダ本体5は、実施例1のホルダ本体5と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。つまり、ホルダ本体5は、底部8と、側壁部14、16と、後壁部18と、を有しており、全体にFRPにより形成されている。また、側壁部14には、貫通穴14a、14bが設けられ、側壁部16には、貫通穴16a、16bが設けられている。また、また、各貫通穴14a、14b、16a、16bには、ロープL1〜L4がが結びつけられている。
また、タンク220は、フロートタンク(フロート部)230と、管部240と、管部250とを有している。
このフロートタンク230は、ホルダ本体5の底面に設けられ、ホルダ本体5の底面の形状に応じて上部が凹んでいる以外は略直方体形状に形成され、両側に管部240、250と接続するための穴部が設けられている。この穴部は、フロートタンク230の両側の側壁の前側の端部の上端位置に設けられている。また、フロートタンク230の前後方向の長さは、実施例1のフロートタンク20よりも若干長く形成され、ホルダ本体5の前後の長さの10〜20%程度に形成されている。フロートタンク230の上記以外の構成は、実施例1のフロートタンク20と同様であるので詳しい説明を省略する。
また、管部240は、フロートタンク230の右側(Y2側)の側壁から横方向(Y1−Y2方向)にホルダ本体5の右側底部10の底面及び側壁部14の外側に沿って設けられた管状部材であり、また、管部250は、フロートタンク230の左側(Y1側)の側壁から横方向(Y1−Y2方向)にホルダ本体5の右側底部12の底面及び側壁部16の外側に沿って設けられた管状部材である。管部240の上面を形成する上面部242と、管部250の上面を形成する上面部252は、側壁部14、16の上端の高さ(少なくとも貫通穴14a、14b、16a、16bの位置以上の高さ)に設けられ、上面部242と上面部252には、内部に水を供給・排出するための穴部が設けられていて、また、該穴部を開閉するためのキャップ部244、254が設けられている。
以上のようにして、管部240、250の内部空間は、フロートタンク230の内部空間と連通しており、フロートタンク230は、上面部242の穴部と上面部252の穴部が設けられている以外には水密状に密閉されている。
なお、ホルダA3をそのまま水面に放すと、ホルダA3の後部が水中に沈んでホルダA3が水面に対して傾斜し、水面と後壁部18の上端との距離が、略50cm〜100cmになるように構成されている。つまり、フロートタンク230がホルダA3の重心よりも前方に設けられているので、ホルダA3の後部が水中に沈むように構成されている。また、タンク220に水を供給しない状態で、ホルダA3の後部を引き上げた場合には、ホルダA3は、貫通穴14a、14b、16a、16bが水面よりも上になるように形成されており、また、タンク220のフロートタンク230の容積の約半分(50〜60%)の水を入れた状態で、ホルダA3の後部を引き上げた場合でも、貫通穴14a、14b、16a、16bが水面よりも上になるように形成されている。
本実施例のホルダA3の上記以外の点は、実施例1のホルダA1と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
上記構成のホルダA3の使用状態について説明する。タンク220には、予め水を入れておく。例えば、フロートタンク230の容積の約半分(40〜50%)の水を上面部242の穴部又は上面部252の穴部から入れておく。これは、船舶の下方にホルダA3を保持させておくうちにホルダA3の外側の面に貝類や海藻が付着して重くなった場合に、タンク220から水を抜くことにより浮力を大きくして、ホルダA3が沈まないようにするためである。
まず、ホルダA3が水面に放された状態では、ホルダA3の後部が水中に沈み、また、、フロートタンク230が設けられていることにより、ホルダA3の先端が持ち上げられやすくなり、ホルダA3の先端が水面よりも浮上した状態となる。よって、ホルダA3の先端が水面よりも浮上するので、ホルダA3の位置を確認でき、安全性を図ることができる。
この状態から、船舶をホルダA3の後方から進入させて、ホルダA3の上方に船舶を配置させ、エンジンを停止する。その後、ホルダA3の後方に設けられたロープL2、L4を引き上げて、ホルダA3の後部を持ち上げる。その際、フロートタンク230が設けられていることから、このフロートタンク230が杆(てこ)の中心のような作用をすることから、ホルダA3をフロートタンク230の位置を中心に回動させやすく、ホルダA3の後部を容易に持ち上げて、ホルダA3を水面に対して傾斜した状態から略水平状態にすることができる。また、ホルダA3の後方を持ち上げると、その反動で、フロートタンク230内の水が前方に移動するので、これにより、ホルダA3の前側が重くなり、これによっても、ホルダA3の後部を持ち上げやすくなる。ホルダA3の後部を持ち上げて開口部18aの少なくとも一部を水面よりも上方に位置させるとホルダA3内の水の一部が開口部18aから外部に排出される。なお、ホルダA3内の水は全部を排出させる必要はなく、貫通穴14a、14b、16a、16bが水面よりも上方になる程度に排出させればよい。
ホルダA3の後部を持ち上げたら、ロープL2、L4を船舶に縛り付けるとともに、開口部18aをキャップ部18bで閉止する。このようにして、船舶の下方にホルダA3を設置することができる。なお、この状態では、船舶は、ホルダA3内の水に浮いており、ホルダA3と船舶とは接触していない。以上のようにして、船舶の船底がホルダA3内に囲まれた状態となるので、海水の潮流を遮断できるため貝類や海藻が船舶の船底に付着するのを防止することができる。
なお、雨等によりホルダA3内が増水する場合には、貫通穴14a、14b、16a、16bから排水されるので、貫通穴14a、14b、16a、16bが水面よりも下側になることはない。
ただし、船舶の下方にホルダA3を保持させた状態で長時間放置すると、ホルダA3の外側の面に貝類や海藻が付着してホルダA3が重くなり、ホルダA3の上端が水面の下方になってしまうと、船舶の船底に貝類や海藻が付着してしまうので、上記実施例1の場合と同様に、タンク220から水を抜く。具体的には、管部240、250の穴部から汎用のポンプ(例えば、手動ポンプ)により水を抜く。
また、船舶をホルダA3内から退出させる場合には、上記と同様に、ホルダA3の後部を水中に沈めて、船舶を後方から出すようにすればよい。
以上のように、本実施例のホルダA3によれば、フロートタンク230が設けられているので、ホルダA3を回動させやすく、船舶の進入や退出を容易に行うことができる。また、フロートタンク230を含めたタンク220内の水の量を調整することにより、タンク220の浮力を調整できるので、ホルダA3の浮力を調整することができる。特に、ホルダA3を回動させる際の中心としての機能と浮力調整の機能をタンク220のみで行なうことができ、別々に構成する必要がないので、ホルダA3を低コストで製造することが可能となる。
なお、実施例1、実施例2において、フロートタンク20は、内部が中空に形成されていて、内部の中空空間を含めてフロート部全体が水よりも比重が小さく形成されているとして説明したが、これには限られず、水よりも比重が小さい材質により中空ではなく中実の構成としてもよい。例えば、水よりも比重が小さい材質としての発泡プラスチックをフロートタンク20の外形に形成し(この場合には、中空ではなく中実である)、ホルダ本体5の底面に固定ことにより、水よりも比重が小さく形成されたフロート部を構成してもよい。
なお、上記の説明において、ホルダA1〜A3を構成する素材はFRPであるとして説明したが、これには限られず、他の素材としてもよい。
A1、A2、A3 ホルダ(船底防汚装置)
5 ホルダ本体(本体部)
8 底部
14、16 側壁部
18 後壁部
20、230 フロートタンク(フロート部)
40 浮力調整タンク(第1浮力調整部)
60 浮力調整タンク(第2浮力調整部)
90、94 錘スライド部
92、96 レール部
100、110 錘
120、130 浮力調整管部(浮力調整部)
220 タンク
240、250 管部
5 ホルダ本体(本体部)
8 底部
14、16 側壁部
18 後壁部
20、230 フロートタンク(フロート部)
40 浮力調整タンク(第1浮力調整部)
60 浮力調整タンク(第2浮力調整部)
90、94 錘スライド部
92、96 レール部
100、110 錘
120、130 浮力調整管部(浮力調整部)
220 タンク
240、250 管部
Claims (8)
- 船舶の船底に貝類が付着するのを防止する船底防汚装置であって、
船底を囲む形状に形成された本体部と、
該本体部の底面の略中央に設けられたフロート部で、水よりも比重が小さく形成されたフロート部と、
を有し、
本体部の一方の端部を回動させる際に、該フロート部が回動中心となり本体部の回動を容易とすることを特徴とする船底防汚装置。 - フロート部が、前後方向には、前後方向の重心よりも前方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の船底防汚装置。
- 上記フロート部が、内部が中空で密閉されたタンクにより形成され、内部の中空空間を含めてフロート部全体が水よりも比重が小さく形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の船底防汚装置。
- 本体部の外側における上記フロート部よりも前側に設けられ、ホルダの浮力を調整するためのタンク状を呈した第1浮力調整部で、内部を水を供給又は排出することにより浮力の調整が可能な第1浮力調整部と、本体部の外側における上記フロート部よりも後ろ側に設けられ、ホルダの浮力を調整するためのタンク状を呈した第2浮力調整部で、内部を水を供給又は排出することにより浮力の調整が可能な第2浮力調整部と、を有することを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の船底防汚装置。
- 本体部は、底部と、底部の両側から起立した側壁部と、底部の後端から起立した後壁部を有し、側壁部の外側には、前後方向に設けられたレール部と、該レール部をスライド可能に設けられた錘とを有し、さらに、本体部の浮力を調整するための浮力調整部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の船底防汚装置。
- 本体部は、底部と、底部の両側から起立した側壁部とを有し、側壁部の外側には、前後方向に設けられたレール部と、該レール部をスライド可能に設けられたフロート部とを有し、さらに、本体部の浮力を調整するための浮力調整部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の船底防汚装置。
- 上記浮力調整部が、本体部の両側に設けられ、各浮力調整部が、管状を呈し、レール部に沿ってレール部の下方に設けられた横方向管部と、横方向管部の前端から連設され側壁部に沿って上方に形成された第1縦方向管部と、横方向管部の後端から連設され後壁部に沿って上方に形成された第2縦方向管部と、を有し、第1縦方向管部と第2縦方向管部の少なくともいずれかに水を供給・排出するための穴部が設けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の船底防汚装置。
- 上記フロート部が、内部が中空のタンクにより形成され、内部の中空空間を含めてフロート部全体が水よりも比重が小さく形成され、上記フロート部の両側から本体部の底部及び側壁部に沿って上方に形成され、その内部空間がフロート部の内部空間と連通している一対の管部が設けられ、該一対の管部のうちの少なくともいずれか一方に管部内に水を供給・排出するための穴部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の船底防汚装置。
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