JP2009051332A - 車両のトランクションコントロール装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータ駆動輪側の出力制限分だけエンジン駆動輪側を出力上昇させる時における、エンジン駆動輪のトランクションコントロール性能が低下するのを防止する。
【解決手段】後輪駆動モータが出力制限中で、それを前輪駆動用エンジンの出力増大で補償する時、前輪速Vwfがトランクションコントロール(TCS)用設定スリップ相当駆動輪速Vwsを越えようとしたら(前輪が加速スリップしそうになったら)、エンジン出力を低下するトランクションコントロールにより当該スリップを防止する。ところでVwsを実線で示す固定値とせず、波線で示すように、モータ出力制限量が大きいほど(エンジン出力増大量が大きいほど)小さくなるよう変更する。よって、出力増大されるエンジンがVwfを図示のごとくVwsに向け急上昇させても、Vwfが変更後のVwsに直ぐに到達してこれを越えることがなく、Vwfを速やかにVwsに収束させ得る。
【選択図】図6

Description

本発明は、前後輪の一方を内燃機関(エンジン)などの主動力源により駆動し、他方の車輪を電動モータからの動力により駆動する電動モータ式4輪駆動車両のような車両に用いるトランクションコントロール装置に関するものである。
上記のような車両のトランクションコントロール装置としては従来、例えば特許文献1に記載のごときものが知られている。
このトランクションコントロール装置は、主動力源としてエンジンを搭載し、これにより左右前輪または左右後輪(主駆動輪)を駆動され、副動力源として電動モータを搭載し、これにより左右後輪または左右前輪(副駆動輪)を駆動される車両において、
副動力源(電動モータ)および副駆動輪を含む副駆動輪駆動系が発熱や、バッテリ容量不足や、連続モータ運転制限制御や、故障などにより予定の通りに出力を発生し得ず、出力を制限されることとなった場合は、該出力制限分だけ主動力源(エンジン)の出力を増大して、運転状態に応じて決まる要求駆動力を、副駆動輪駆動系の出力制限時も補償し得るようにすると共に、主動力源(エンジン)および主駆動輪を含む主駆動輪駆動系の駆動力を、主駆動輪のスリップ状態がトランクションコントロール(TCS)用に設定した設定スリップ状態よりも大きくならないよう制限するものである。
このTCS用設定スリップ状態は従来、図7のごとくに車速相当車輪速が時系列変化する場合につき「TCS用設定スリップ相当駆動輪速」として例示するように、0発進当初において相当に大きなスリップ率(車速相当車輪速からの乖離が大きいほど大きなスリップ率)に定めていた。
主駆動輪のスリップ状態が、かように大きく定めたTCS用設定スリップ状態よりも大きくならないよう主駆動輪駆動系の駆動力を制限するトランクションコントロール装置にあっては、主駆動輪駆動系の駆動力を制限するトランクションコントロールの開始を遅らせることができる。
従って、深雪道路や、ぬかるみ道路などでの発進に際し、トランクションコントロールが開始される前に、車輪を滑らせながら車両を力強く発進させることができ、発進性能を向上させることができる。
特開2002−227679号公報
しかし、副駆動輪駆動系が発熱や、バッテリ容量不足や、連続モータ運転制限制御や、故障などにより出力を制限され、この出力制限分だけ主動力源(エンジン)の出力を増大して要求駆動力を補償する場合、図7に例示するごとくに大きく定めたTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速)が、以下の問題を生じさせる。
つまり、上記のごとく出力増大された主動力源(エンジン)が主駆動輪を、上記の大きなTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速)に達するまで、トランクションコントロールなしにスリップさせながら一気に回転上昇させる。
このため、主駆動輪速が図7の時系列変化により示すごとく、TCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速)を一旦大きく越えてオーバーシュートし(ハッチングを付して示す)、主駆動輪速がTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速)に収束するまでに要する時間が長くなって、トランクションコントロール性能が悪くなるという問題を生ずる。
また、上記の現象が車両の旋回走行中に発生すると、主駆動輪が左右前輪である場合はこれら左右前輪のコーナリングフォースが低下して、強アンダーステア傾向を惹起し、主駆動輪が左右後輪である場合はこれら左右後輪のコーナリングフォースが低下して、車両挙動の不安定を招くオーバーステア傾向を惹起し、いずれにしてもステア特性が違和感のあるものになるという問題を生ずる。
本発明は、一方の車輪駆動系が発熱や、バッテリ容量不足や、連続モータ運転制限制御や、故障などにより出力を制限され、この出力制限分だけ他方の車輪駆動系の出力を増大して要求駆動力を補償しようとする場合に上記の問題を生ずる、との事実認識に基づき、
また、前記のように大きく定めたトランクションコントロール(TCS)用設定スリップ状態が図7に示すごとく、上記他方の車輪駆動系の出力増大時も不変のままに保たれることに起因して上記の問題を生ずる、との事実認識に基づき、
上記一方の車輪駆動系の出力制限時に、これを補佐するよう出力増大される上記他方の車輪駆動系に係わるトランクションコントロール(TCS)用設定スリップ状態を変更することにより、上記の問題を解消し得るようにした車両のトランクションコントロール装置を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明による車両のトランクションコントロール装置は、請求項1に記載のごとき以下の構成とする。
先ず前提となる車両は、
主動力源からの動力により駆動される主駆動輪と、副動力源からの動力により駆動される副駆動輪とを具え、
これら動力源のうち一方の動力源が出力制限を受けるとき、他方の動力源を該出力制限分だけ出力増大して要求駆動力を発生し得るようになすと共に、該出力増大させる系の車輪駆動力を、対応車輪のスリップ状態が設定スリップ状態となるよう制御するトランクションコントロール装置を設けたものである。
本発明によるトランクションコントロール装置は、かかる車両において、
上記一方の動力源の出力制限状態に応じ、上記出力増大させた駆動輪に係わる上記設定スリップ状態を変更するよう構成したことを特徴とするものである。
かかる本発明のトランクションコントロール装置によれば、
上記出力制限される一方の動力源の出力制限状態に応じ、この出力制限分を補償するよう出力増大させた駆動輪に係わるトランクションコントロール用の上記設定スリップ状態を変更することから、
上記一方の動力源の出力制限分を補償するよう出力増大させた他方の動力源が、これに係わる駆動輪速を大きな出力で急上昇させようとしても、上記のごとくに変更された設定スリップ状態に基づくトランクションコントロールにより当該駆動輪速の急上昇を直ちに抑制することができる。
よって当該駆動輪速が、トランクションコントロール用の上記変更した設定スリップ状態を大きく越えてオーバーシュートすることがなく、当該駆動輪速がトランクションコントロール用の上記変更した設定スリップ状態に収束するまでに要する時間が短くなって、トランクションコントロール性能の悪化に関する前記の問題を解消することができる。
また、上記のとおりトランクションコントロール性能に優れることから、上記一方の動力源の出力制限分を補償するよう出力増大させた他方の動力源に係わる駆動車輪の旋回時コーナリングフォースが比較的大きく保たれ、
強アンダーステア傾向や、オーバーステア傾向を回避することができ、ステア特性が違和感のあるものになるという前記の問題も解消することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になるトランクションコントロール装置を具えた電動モータ式4輪駆動車両の駆動系を略示し、
本実施例においては、左右前輪1L,1R(主駆動輪)を主動力源としてのエンジン(内燃機関)2によって駆動されるフロントエンジン・フロントホイールドライブ車(F/F車)をベース車両として用い、
この車両を所謂電動モータ式4輪駆動車両に改造すべく、左右後輪3L,3R(副駆動輪)を必要に応じ電動式の後輪駆動モータ4(副動力源)によって駆動可能にしたものとする。
エンジン2は、運転者がアクセルペダル(図示せず)を踏み込む程度および車速に応じて決まる要求駆動力を、後輪駆動モータ4との共働により発生するよう出力を、電子制御スロットルバルブにより加減されるものとする。
そしてこのエンジン2は、自動変速機5およびディファレンシャルギヤ装置6を一体ユニットに構成したトランスアクスルを介し左右前輪(主駆動輪)1L,1Rに駆動結合し、エンジン2の出力トルクが自動変速機5およびディファレンシャルギヤ装置6を経て左右前輪1L,1Rに伝達されて車両の走行に供されるものとする。
次に電動式後輪駆動モータ4による後輪駆動系を説明する。
エンジン2の出力トルクの一部により無端ベルト7を介して駆動される発電機8からの電力をバッテリ9に蓄電しておき、これからのバッテリ電力を用い、インバータ11によるモータ出力制御下で電動式後輪駆動モータ4を駆動するものとする。
後輪駆動モータ4の駆動軸は、減速機12およびこれに内蔵された4WDクラッチ13を介して左右後輪(副駆動輪)3L,3Rのディファレンシャルギヤ装置14に結合し、モータ4の出力トルクが減速機12によりギヤ比分で増大され、4WDクラッチ13が締結状態であれば、この増大されたトルクがディファレンシャルギヤ装置14により左右後輪3L,3Rに分配出力されるようになす。
4WDクラッチ13の締結・解放制御、インバータ11を介した電動モータ4の回転方向・モータ出力(トルク)制御、および、前記電子制御スロットルバルブを介したエンジン2の出力(トルク)制御は、共通なコントローラ15によってこれらを行う。
これらの制御を行うためにコントローラ15には、4輪駆動スイッチ21からの信号を入力するほかに、
左右前輪1L,1Rの車輪速(前輪速)VWFL,VWFRおよび左右後輪3L,3Rの車輪速(後輪速)VWRL,VWRRを個々に検出する車輪速センサ群22からの信号と、
車速VSPを検出する車速センサ23からの信号と、
アクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)APOを検出するアクセル開度センサ24からの信号と、
モータ4の駆動環境(発熱状態、バッテリ容量不足、連続運転制限状態、故障など)を判定してモータ4の要求トルクに対するトルク制限量Tmlimを検出するモータトルク制限量検出部25からの信号と、
操舵角などから車両の旋回半径Rを検出する旋回半径検出部26からの信号とを入力する。
コントローラ15は、運転者が4輪駆動スイッチ21をOFFにしている間、4WDクラッチ13の解放により左右後輪3L,3Rをモータ4から切り離してモータ4による後輪駆動を行わせないことで、左右前輪1L,1Rのエンジン駆動のみによる2輪駆動走行を継続的に行わせ、
運転者が4輪駆動スイッチ21をONにしている間、4WDクラッチ13の締結により左右後輪3L,3Rをモータ4に結合してモータ4による後輪駆動を行わせることで、左右前輪1L,1Rのエンジン駆動と相まって、4輪駆動走行を継続的に行わせるものとする。
以下、コントローラ15が行う基本的な4輪駆動制御を説明する。
まずコントローラ15は、アクセル開度APOおよび車速VSPから周知の方法で、現在の運転状態で必要としている車両の全体的な要求駆動力(トルク)を演算する。
次いで、車輪速センサ群22で検出した前輪速VWFL,VWFRから平均前輪速Vwfを求め、同じく車輪速センサ群22で検出した後輪速VWRL,VWRRから平均後輪速Vwrを求め、平均前輪速Vwfから平均後輪速Vwrを減算して得られる前後輪車輪速偏差ΔVfが微少設定値内の小さなものとなるよう、要求駆動力(トルク)のエンジン側トルク分担割合およびモータ側トルク分担割合を決定して、これらトルク分担割合と要求駆動力(トルク)とから目標エンジントルクtTeおよび目標モータトルクtTmを求める。
コントローラ15は一方で、目標エンジントルクtTeをエンジン2の電子制御スロットルバルブに指令して、エンジン2を目標エンジントルクtTeが達成されるよう出力制御し、コントローラ15は他方で、目標モータトルクtTmをインバータ11に指令して、これを介しモータ4を目標モータトルクtTmが達成されるよう出力制御する。
かくして車両は、エンジン2による前輪駆動と、モータ4による後輪駆動とで、要求駆動力(トルク)を発生しつつ、トルクの過不足なく4輪駆動走行を行うことができる。
しかもこの間、上記のごとく前後輪車輪速偏差ΔVfが微少設定値内の小さなものとなるよう要求駆動力(トルク)のエンジン側トルク分担割合およびモータ側トルク分担割合を決定するため、前後輪駆動力配分をほぼ理想の50:50にすることができる。
ところで後輪駆動用の電動モータ4は、発熱や、バッテリ容量不足や、連続モータ運転制限制御や、故障などにより、目標モータトルクtTmを予定の通りに出力を発生し得ず、出力を制限されることがある。
この場合コントローラ15は、目標モータトルクtTmに対するモータ出力制限量Tmlimを検出する検出部25からの信号を受けて、目標モータトルクtTmを出力制限量Tmlimだけ低下させて指令すると共に、目標エンジン出力(トルク)tTeをモータ出力(トルク)制限量Tmlimだけ増大して指令することにより、要求駆動力(トルク)が補償されるようにする。
しかして当該補償は、前後輪駆動力配分が理想の50:50から外れることを意味し、出力増大された前輪が加速スリップを生じ易くなる。
そこでコントローラ15は、前記したごとく平均前輪速Vwfから平均後輪速Vwrを減算して得られる前後輪車輪速偏差ΔVfをもとに前輪の加速スリップ状態をモニタし、図7につき前述したごとく、この前輪加速スリップ状態がトランクションコントロール(TCS)用に設定した設定スリップ状態よりも大きくならないよう、目標エンジン出力(トルク)tTeを上昇制限する。
このTCS用設定スリップ状態を、図7のごとくに車速相当車輪速が時系列変化する場合につき「TCS用設定スリップ相当駆動輪速」として例示するように、0発進当初において相当に大きなスリップ率(車速相当車輪速からの乖離が大きいほど大きなスリップ率)に定める場合、
前輪スリップ状態がかかる大きなTCS用設定スリップ状態よりも大きくならないようエンジン出力を制限するトランクションコントロールの開始を遅らせることとなり、
深雪道路や、ぬかるみ道路などでの発進に際し、トランクションコントロールが開始される前に、前輪を滑らせながら車両を力強く発進させることができ、発進性能を向上させることができる。
しかしその反面、モータ4が発熱や、バッテリ容量不足や、連続モータ運転制限制御や、故障などにより出力を制限され、この出力制限分Tmlimだけエンジン2の出力を増大して要求駆動力を補償する場合に、
出力増大されたエンジン2が主駆動輪速(前輪速)を上記の大きなTCS用設定スリップ状態(図7のTCS用設定スリップ相当車輪速)に向け、トランクションコントロールなしに一気に上昇させる結果、主駆動輪速(前輪速)が図7の時系列変化により示すごとく、TCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速)を一旦大きく越えてオーバーシュートし(ハッチングを付して示す)、
主駆動輪速(前輪速)がTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速)に収束するまでに要する時間が長くなって、トランクションコントロール性能が悪くなるという問題を生ずる。
また、上記の現象が車両の旋回走行中に発生すると、主駆動輪が本実施例のように左右前輪である場合はこれら左右前輪のコーナリングフォースが低下して、強アンダーステア傾向を惹起し、主駆動輪が左右後輪である場合はこれら左右後輪のコーナリングフォースが低下して、車両挙動の不安定を招くオーバーステア傾向を惹起し、いずれにしてもステア特性が違和感のあるものになるという問題を生ずる。
本実施例においては特に、コントローラ15が図2に制御プログラムによりトランクションコントロールを実行するようにすることで上記の諸問題を解消する。
ステップS11においては、後輪駆動用電動モータ4が、発熱や、バッテリ容量不足や、連続モータ運転制限制御や、故障などにより、目標モータトルクtTmを予定の通りに出力を発生し得ず、目標モータトルクtTmに対しモータ出力制限量Tmlimだけ不足する場合において、このモータ出力制限量Tmlimを検出部25からの信号に基づき読み込む。
次のステップS12においては、モータ出力制限量TmlimがTmlim>0か否かによりモータ4が出力を制限されているか否かをチェックする。
モータ出力制限中であれば、ステップS13においてTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速)を図7のように固定とせず、図6にTCS用設定スリップ相当車輪速Vwsとして波線で示すように変更させる。
この変更に当たっては、図3に例示するマップをもとにモータ出力制限量TmlimからTCS用設定スリップ状態変更係数Km(0<Km≦1)を検索し、図7に示すTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速)にTCS用設定スリップ状態変更係数Kmを掛けて、本実施例におけるTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)を求める。
ところでTCS用設定スリップ状態変更係数Kmを、図3に例示するごとくモータ出力制限量Tmlimが大きいほど(エンジン出力増大量が大きいほど)1以下の小さな係数とするから、本実施例におけるTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)は図6に示すごとく、モータ出力制限量Tmlimが大きいほど(エンジン出力増大量が大きいほど)小さくなるよう変更される。
しかしステップS12においてモータ出力制限量TmlimがTmlim>0でないと判定する場合は、つまり、モータ4が出力を制限されていない場合は、ステップS13をスキップすることにより、TCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)の上記変更を行わず、TCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)を図6に実線で示すごとく、図7と同じレベルのままに保つ。
次のステップS14においては、前輪速Vwfが、上記のごとくに可変のTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)を越えたか否かにより、トランクションコントロールを行うべきか否かをチェックする。
トランクションコントロールを行う必要がないと判定する時は、制御をそのまま終了してトランクションコントロールを行わないが、
Vwf> Vwsでトランクションコントロールを行うべきと判定する時は、ステップS15において、目標エンジントルクtTeを低下させることにより、前輪速VwfをTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)以下にするトランクションコントロールを実行する。
以上のトランクションコントロールにより前輪速Vwfは図6に例示するように、前記のごとくモータトルク制限量Tmlimが大きいほど小さくなるよう変更されたTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)に沿うように時系列変化する。
ところで、モータトルク制限量Tmlimが大きいほどTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)を小さくなるよう変更することから、
モータトルク制限量Tmlimだけ出力増大されるエンジン2が前輪速Vwfを図6に示すごとく変更後のTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)に向け急上昇させても、前輪速Vwfが変更後の小さなTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)に直ぐに到達してこれを越える(オーバーシュートする)ことがない。
従って、前輪速VwfがTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)に収束するまでに要する時間が短くなって、トランクションコントロール性能を向上させることができる。
また、モータトルク制限量Tmlimが大きいほど(これを補佐するエンジントルク増大量が大きいほど)TCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)を小さくなるよう変更することから、
モータトルク制限量Tmlimが大きいほど(これを補佐するエンジントルク増大量が大きいほど)、エンジン駆動される前輪のトランクションコントロールが早期に開始されることとなり、エンジントルクの増大で加速スリップを生じやすくなっている前輪の加速スリップを確実に防止することができる。
従って、モータトルク制限量Tmlimが大きくてこれを補佐すべくエンジン2がトルクを大きく増大されている場合でも、エンジン駆動される前輪の加速スリップを確実に防止することができ、車両の旋回中に前輪が加速スリップによりコーナリングフォースを低下されて、強アンダーステア傾向を惹起するような事態を回避することができる。
なお、上記の前輪加速スリップによる強アンダーステア傾向は、旋回半径Rが小さい小回り旋回時ほど顕著になり、これを回避するように行うTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)の低下変更は、旋回半径Rが小さいほどTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)を小さくするのがよい。
図4は、この目的を達成するようにした実施例を示し、本実施例においては、図2のステップS11およびステップS12間にステップS21を追加すると共に、図2のステップS12およびステップS13間にステップS22を追加し、ステップS13の実行内容を図2におけるとは一部を異ならせる。
ステップS11においては、後輪駆動用電動モータ4が、発熱や、バッテリ容量不足や、連続モータ運転制限制御や、故障などにより、目標モータトルクtTmを予定の通りに出力を発生し得ず、目標モータトルクtTmに対しモータ出力制限量Tmlimだけ不足する場合において、このモータ出力制限量Tmlimを検出部25からの信号に基づき読み込む。
ステップS21においては、車両の旋回半径Rを検出部26からの信号に基づき読み込む。
次のステップS12においては、モータ出力制限量TmlimがTmlim>0か否かによりモータ4が出力を制限されているか否かをチェックし、
ステップS22においては、旋回半径Rの大きさから車両が旋回走行中か否かをチェックする。
ステップS12でモータ4が出力制限中であると判定し、且つ、ステップS22で車両が旋回走行中であると判定する場合は、ステップS13においてTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速)を図7のように固定とせず、図6にTCS用設定スリップ相当車輪速Vwsとして波線で示すように変更させる。
この変更に当たっては、図3に例示するマップをもとにモータ出力制限量TmlimからTCS用設定スリップ状態変更係数Km(0<Km≦1)を検索し、図5に例示するマップをもとに旋回半径RからTCS用設定スリップ状態変更係数Kr(0<Km≦1)を検索し、
図7に示すTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速)にTCS用設定スリップ状態変更係数KmおよびKrの乗算値(総合的なTCS用設定スリップ状態変更係数)を掛けて、本実施例におけるTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)を求める。
ところでTCS用設定スリップ状態変更係数Kmを、図3に例示するごとくモータ出力制限量Tmlimが大きいほど(エンジン出力増大量が大きいほど)1以下の小さな係数とするから、本実施例におけるTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)は図6に示すごとく、モータ出力制限量Tmlimが大きいほど(エンジン出力増大量が大きいほど)小さくなるよう変更される。
また、TCS用設定スリップ状態変更係数Krを、図5に例示するごとく旋回半径Rが小さいほど1以下の小さな係数とするから、本実施例におけるTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)は図6に示すごとく、旋回半径Rが小さいほど(小回り旋回ほど)小さくなるよう変更される。
しかしステップS12においてモータ出力制限量TmlimがTmlim>0でないと判定する場合や、つまり、モータ4が出力を制限されていない場合や、ステップS22において車両が旋回走行中でないと判定する場合は、ステップS13をスキップすることにより、TCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)の上記変更を行わず、TCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)を図6に実線で示すごとく、図7と同じレベルのままに保つ。
次のステップS14においては、前輪速Vwfが、上記のごとくに可変のTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)を越えたか否かにより、トランクションコントロールを行うべきか否かをチェックする。
トランクションコントロールを行う必要がないと判定する時は、制御をそのまま終了してトランクションコントロールを行わないが、
Vwf> Vwsでトランクションコントロールを行うべきと判定する時は、ステップS15において、目標エンジントルクtTeを低下させることにより、前輪速VwfをTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)以下にするトランクションコントロールを実行する。
以上のトランクションコントロールにより前輪速Vwfは図6に例示するように、前記のごとくモータトルク制限量Tmlimが大きいほど、また小回り旋回であるほど小さくなるよう変更されたTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)に沿うように時系列変化する。
ところで、モータトルク制限量Tmlimが大きいほどTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)を小さくなるよう変更することから、
モータトルク制限量Tmlimだけ出力増大されるエンジン2が前輪速Vwfを図6に示すごとく変更後のTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)に向け急上昇させても、前輪速Vwfが変更後の小さなTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)に直ぐに到達してこれを越える(オーバーシュートする)ことがない。
従って、前輪速VwfがTCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)に収束するまでに要する時間が短くなって、トランクションコントロール性能を向上させることができる。
また、モータトルク制限量Tmlimが大きいほど(これを補佐するエンジントルク増大量が大きいほど)、更に加えて小回り旋回であるほど、TCS用設定スリップ状態(TCS用設定スリップ相当車輪速Vws)を小さくなるよう変更することから、
モータトルク制限量Tmlimが大きいほど(これを補佐するエンジントルク増大量が大きいほど)、そして小回り旋回であるほど、エンジン駆動される前輪のトランクションコントロールが早期に開始されることとなる。
従って、エンジントルクの増大で加速スリップを生じやすくなっている前輪の加速スリップを確実に防止することができると共に、この前輪加速スリップによる強アンダーステア傾向が顕著になる小回り旋回時ほど前輪の加速スリップを確実に防止して当該違和感のあるステア特性の発生を防止することができる。
なお上記実施例ではいずれも、モータ4が出力制限され、エンジン駆動される前輪をトランクションコントロールする場合について述べたが、
逆に、エンジン2が出力制限され、モータ駆動される後輪をトランクションコントロールする場合についても、本発明の上記した着想は同様に適用して同様の作用効果を奏し得ること勿論である。
また主動力源としてエンジン2、副動力源として電動モータ4を用いる代わりに、両方ともエンジンを用いたり、両方とも電動モータを用いる場合も、本発明の着想は同様に適用することができる。
本発明の一実施例になるトランクションコントロール装置を具えた電動モータ式4輪駆動車両の駆動制御系を示す略線図である。 同車両の駆動制御系におけるコントローラが実行するトランクションコントロールを示すフローチャートである。 同トランクションコントロールにおいて用いる設定スリップ状態変更係数と、モータトルク制限量との関係を示す特性線図である。 本発明の他の実施例になるトランクションコントロール装置の制御プログラムを示す、図2と同様なフローチャートである。 同実施例のトランクションコントロールにおいて用いる設定スリップ状態変更係数と、旋回半径との関係を示す特性線図である。 本発明によるトランクションコントロールの動作タイムチャートである。 従来のトランクションコントロールを示す動作タイムチャートである。
符号の説明
1L,1R 左右前輪(主駆動輪)
2 エンジン(主動力源)
3L,3R 左右後輪(副駆動車輪)
4 後輪駆動モータ(電動モータ)
5 自動変速機
6 ディファレンシャルギヤ装置
7 無端ベルト
8 発電機
9 バッテリ
11 インバータ
12 減速機
13 4WDクラッチ
14 ディファレンシャルギヤ装置
21 4輪駆動スイッチ
22 車輪速センサ群
23 車速センサ
24 アクセル開度センサ
25 モータトルク制限量検出部
26 旋回半径検出部

Claims (4)

  1. 主動力源からの動力により駆動される主駆動輪と、副動力源からの動力により駆動される副駆動輪とを具え、
    これら動力源のうち一方の動力源が出力制限を受けるとき、他方の動力源を該出力制限分だけ出力増大して要求駆動力を発生し得るようになすと共に、該出力増大させる系の車輪駆動力を、対応車輪のスリップ状態が設定スリップ状態となるよう制御するトランクションコントロール装置を設けた車両において、
    前記一方の動力源の出力制限状態に応じ、前記出力増大させた駆動輪に係わる前記設定スリップ状態を変更するよう構成したことを特徴とする車両のトランクションコントロール装置。
  2. 請求項1に記載の、車両のトランクションコントロール装置において、
    前記一方の動力源の出力制限が強いほど、前記出力増大させる駆動輪に係わる前記設定スリップ状態を、小さなスリップ状態の時からトランクションコントロールが開始されるよう変更する構成としたことを特徴とする車両のトランクションコントロール装置。
  3. 請求項1または2に記載の、車両のトランクションコントロール装置において、
    前記設定スリップ状態の変更を、車両の旋回状態に応じて異ならせるよう構成したことを特徴とする車両のトランクションコントロール装置。
  4. 請求項3に記載の、車両のトランクションコントロール装置において、
    前記設定スリップ状態の変更は、車両が小回り旋回であるほど、小さなスリップ状態の時からトランクションコントロールが開始されるよう変更するものである車両のトランクションコントロール装置。
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