JP2009051190A - インサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法及び同方法により成型された異材種複合成型体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 シラン原子等の改質剤化合部を含む火炎を、各種プレ成型加工された被着体となる被モールド面に吹き付け処理し、当該界面活性化処理を施された各種プレ成型加工された被着体をインサートモールド装置に界面活性化処理面がモールド面となるようにセッティングした上で、熱硬化性樹脂或いはゴム及び熱硬化性エラストマー樹脂を射出成型することを特徴とするインサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法、及び前記方法に基づき成型された異材種複合成型体。
【選択図】図1
Description
図1にその全体像を示す界面改質装置は、ケイ素原子、チタン原子、アルミニウム原子を含む界面改質剤化合物であって、アルキルシラン化合物、アルコキシシラン化合物、シロキサン化合物、シラザン化合物、アルキルチタン化合物、アルコキシチタン化合物、アルキルアルミニウム化合物、およびアルコキシアルミニウム化合物からなる群から選択された界面改質剤化合物101を貯蔵するための貯蔵タンク部102と、加熱手段103にて気化させて噴射部(バーナー)104に移送するための移送路105と、プロパンガス・LPGガス等の燃料ガスの貯蔵タンク106、そして、当該燃料ガスの燃焼用空気並びに界面改質剤化合物を搬送する為の空気を供給する圧縮空気源107とで構成されている。また、前記移送路105には第1のサブミキサ108が、また、気化された界面改質剤化合物と空気との混合ガスと前記貯蔵タンク106より送出される燃料ガスとを均一に混合するための第2のメインミキサ109とにより構成されている。さらには、前記界面改質剤化合物101を貯蔵するための貯蔵タンク部102と、空気を供給する圧縮空気源107および燃料ガスの貯蔵タンク106のそれぞれの送出先出口には、それぞれの送出流量をコントロールするための流量計付き流量調節バルブ、110、111、112、がそれぞれ設けられ、界面改質装置を構成している。次に前記各主要構成部材(パーツ)の詳細を説明する。
図1に示すように、界面改質剤化合物用貯蔵タンク部102の下部には、加熱用ヒーター等の加熱手段103が備えられており、常温・常圧状態では液状の界面改質剤化合物101を気化するよう構成されている。そして、当該加熱手段103はCPU(図示せず)によりコントロールされている。すなわち、同CPUは界面改質剤化合物の液量センサー、・液温センサー等の各センサーに電気的に接続されていて、前記界面改質剤化合物の液量および液温が規定の範囲内に収まるように加熱手段をコントロールしている。
なお、本発明では液状の界面改質化合物を使用した例を挙げているが、気体または固体状の化合物も使用できる。気体状の界面改質剤化合物を使用する場合には、前記界面改質剤化合物用貯蔵タンク部にはあえてヒーターを備える必要はなく、代わりに圧力調整弁等の流量調節手段を設ければよい。また、固体状の界面改質剤化合物を使用する場合には、例えば、その固体状化合物を溶媒に溶解するか、熱で溶融させ、本例の貯蔵タンクからバーナーの火炎近傍迄配管した液輸送管中を通らせて、直接バーナー中に送り込むことで界面改質を行うこともできる。
移送部105には、通常「管」構造であって、図1に示すように、前記圧縮空気源107より供給され燃焼用空気と前記貯蔵タンク102より送出される気化された界面改質剤化合物とを混合するための第1のサブミキサ108と、当該第1のサブミキサ108により混合された混合ガスと、前記燃料ガスの貯蔵タンク106より送出される燃料ガスとを均一に混合するための第2のメインミキサ109が設けられている。
噴射部(バーナー)104は、図1に示すように、移送部105を経て送られてきた燃焼ガスを燃焼し、得られた火炎113を、被改質処理面(図示せず)に吹き付け被改質処理面を界面改質するものであって、かかる火炎113の状態は、前記した気化された界面改質剤化合物101の流量および圧縮空気源107より送出される燃焼用空気量並びに燃料ガスの貯蔵タンク106より送出される燃料ガス量の各流量を、それぞれのガスの流路に設けられている流量計付き流量調節バルブ110、111、112の開度を調節することで最適に調整される。なお、バーナーの種類は特に制限されるものではないが、例えば、予混合型バーナー、拡散型バーナー、部分予混合型バーナー、噴霧バーナー、蒸発バーナー、等の何れであっても良い。また、バーナーの形態についても特に制限されるものではない。
アルキルシラン化合物の好適例としては、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、テトラエチルシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジフェニルシラン、ジエチルジクロロシラン、ジエチルジフェニルシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリフェニルシラン、ジメチルジエチルシランなどの置換基を有していてもよいモノシラン化合物、ヘキサメチルジシラン、ヘキサエテルジシラン、クロロヘプタメチルジシランなどの置換基を有していても良いジシラン化合物、オクタメチルトリシランなどの置換基を有していても良いトリシラン化合物などが挙げられる。
アルコキシシラン化合物の好適例としては、メトキシシラン、ジメトキシシラン、トリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、エトキシシラン、ジエトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジクロロジメトキシシラン、ジクロロジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリクロロメトキシシラン、トリクロロエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
シロキサン化合物の好適例としては、テトラメチルジシロキサン、ペンタメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどが挙げられる。
シラザン化合物の好適例としては、ヘキサメチルジシラザンなどが挙げられる。また、アルキルチタン化合物の好適例としては、テトラメチルチタン、テトラエチルチタン、テトラプロピルチタンなどが挙げられる。アルコキシチタン化合物の好適例としては、チタニウムメトキシド、チタニウムエトキシドなどが挙げられる。アルキルアルミニウム化合物の好適例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウムなどが挙げられる。アルコキシアルミニウム化合物の好適例としては、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシドなどが挙げられる。これらの化合物は単独で用いても混合して用いても良い。
以上の好適例の中でも、ケイ素化合物、アルコキシシラン化合物、シロキサン化合物、およびシラザン化合物は、取り扱いが容易であり、気化させやすく、また、入手もしやすいことからより好ましい。
グ剤が有効となる。
<マグネシウム合金と液状シリコーンゴムとのインサートモールド成型事例>
マグネシウム合金(Mg−AL−Zn系)をチキソキャスティング成型手法にて、図2に例示する箱形の筐体を得た。次に、以下に示すプロセスを経てマグネシウム合金−液状シリコーンゴムの異材種インサートモールド成型体を得た。
(1)マグネシウム系合金筐体の前処理
ワーク投入→弱アルカリ脱脂→水洗→水切り乾燥
(2)モールド界面活性化処理
水切り乾燥を終えた図2に示すマグネシウム系合金筐体21の内周面全面22を対象に、図1に示す界面改質装置を用いて図3に示す様に界面改質31を行った。同界面活性化処理に於ける改質剤化合物は、ヘキサメチルジシロキサンを使用し、火炎処理用の燃料はプロパンガスを使用した。なお、活性化終了後に於ける活性化度は、濡れ指数(JIS K6768)表示で73dny/cm以上であった。
(3)インサートモールド成型
次に、界面活性化処理を終了したマグネシウム系合金筐体21を、インサートモールド成型機内に予めセッティングされている射出成型用金型に、界面活性化処理面31がモールド面となるようにセッティングし、液状シリコーンゴム:信越化学工業製:(信越シリコーン:KEG−2000−40(A/B))をインサートモールド成型し、目的とするマグネシウム合金−液状シリコーンゴムの異材種複合成型体を得た。なお、マグネシウム合金−液状シリコーンゴム界面に於ける接着密着強度は、引張強度試験器にて確認した結果、液状シリコーンゴム・モールド面が材破しており接着界面強度は十分と判断した。
[実施例2]
<ステンレススチールと液状フッ素エラストマーとのインサートモールド成型事例>
ステンレススチール(SUS304)をプレス成形手法にて、図2に例示する箱形の筐体を得た。次に、以下に示すプロセスを経てステンレススチール−液状フッ素エラストマーの異材種インサートモールド成型体を得た。
(1)SUS304筐体の前処理
ワーク投入→弱アルカリ脱脂→水洗→水切り乾燥
(2)モールド界面活性化処理
水切り乾燥を終えた図2に示すSUS304筐体21の内周面全面22を対象に、図1に示す界面改質装置を用いて図3に示す様に界面改質31を行った。同界面活性化処理に於ける改質剤化合物は、ヘキサメチルジシロキサンを使用し、火炎処理用の燃料はプロパンガスを使用した。なお、活性化終了後に於ける活性化度は、濡れ指数(JIS K6768)表示で73dny/cm以上であった。
(3)インサートモールド成型
次に、界面活性化処理を終了したSUS304筐体21を、インサートモールド成型機内に予めセッティングされている射出成型用金型に、界面活性化処理面31がモールド面となるようにセッティングし、液状フッ素エラストマー(信越化学工業製:SHIN−ETSU SIFEL:シンエツ・サイフェル)をインサートモールド成型し、目的とするSUS304−液状フッ素エラストマーの異材種複合成型体を得た。なお、SUS304−液状フッ素エラストマー界面に於ける接着界面強度は、引張強度試験器にて確認した結果、液状フッ素エラストマーモールド面が材破しており接着密着強度は十分と判断した。
[実施例3]
<アルミニウム合金と液状シリコーンゴムとのインサートモールド成型事例>
アルミニウム合金をチキソキャスティング成型手法にて、図2に例示する箱形の筐体を得た。次に、以下に示すプロセスを経てアルミニウム合金−液状シリコーンゴムの異材種インサートモールド成型を得た。
(1)アルミニウム合金筐体の前処理
ワーク投入→弱アルカリ脱脂→水洗→水切り乾燥
(2)モールド界面活性化処理
水切り乾燥を終えた図2に示すアルミニウム合金系筐体21の内周面全面22を対象に、図1に示す界面改質装置を用いて図3に示す様に界面改質31を行った。同界面活性化処理に於ける改質剤化合物は、ヘキサメチルジシロキサンを使用し、火炎処理用の燃料はプロパンガスを使用した。なお、活性化終了後に於ける活性化度は、濡れ指数(JIS K6768)表示で73dny/cm以上であった。
(3)インサートモールド成型
次に、界面活性化処理を終了したアルミニウム合金筐体21を、インサートモールド成型機内に予めセッティングされている射出成型用金型に、界面活性化処理面31がモールド面となるようにセッティングし、液状シリコーンゴム:信越化学工業製(信越シリコーン:KEG−2000−40(A/B))をインサートモールド成型し、目的とするアルミニウム合金−液状シリコーンゴムの異材種複合成型体を得た。なお、アルミニウム合金−液状シリコーンゴム界面に於ける接着界面強度は、引張強度試験器にて確認した結果、液状シリコーンゴムモールド面が材破しており接着密着強度は十分と判断した。
102:貯蔵タンク部
103:加熱手段
104:噴射部(バーナー)
105:移送路
106:貯蔵タンク
107:圧縮空気源
108:サブミキサ
109:メインミキサ
110:流量計付き流量調節バルブ
111:流量計付き流量調節バルブ
112:流量計付き流量調節バルブ
113:火炎
21:箱形の筐体
22:箱形筐体内面
31:界面改質層
41:モールド樹脂
Claims (9)
- インサートモールド技術にてモールド成型する方法であって、各種金属成型物、各種金属合金成型物、各種プラスチック成型物、ガラス成型物、等々より成る各種モールド被着体に、オフライン加工プロセスにて、ケイ素原子、チタン原子またはアルミニウム原子を含む改質剤化合物であって、それぞれ沸点が10℃〜105℃である改質剤化合物を含む燃料ガスの火炎を、全面または部分的に吹き付け、前記各被着体表面が濡れ指数で73dny/cm以上となるよう界面活性化処理を施して後、当該界面活性化処理を施された前記各種被着体をインサートモールド装置に界面活性化処理面がモールド面となるようにセッティングした上で、熱硬化性樹脂或いはゴム及び熱硬化性エラストマー樹脂を射出成型することを特徴とするインサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法。
- 請求項1に記載のインサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法に基づき成型された異材種複合成型体。
- 請求項1に記載の界面改質剤化合物が、アルキルシラン化合物、アルコキシシラン化合物、シロキサン化合物、シラザン化合物、アルキルチタン化合物、アルコキシチタン化合物、アルキルアルミニウム化合物、およびアルコキシアルミニウム化合物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物であることを特徴とするインサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法。
- 請求項1記載の各種金属成型物が、アルミニウム、ステンレススチール等を代表とする異材種複合成型体。
- 請求項1記載の各種金属合金成型物が、マグネシウム合金、アルミニウム合金等を代表とする異材種複合成型体。
- 請求項1記載の成型物が、ガラス成型物を代表とする異材種複合成型体。
- 請求項1記載の各種化学組成の熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、から成る異材種複合成型体。
- 請求項1記載の各種化学組成の熱硬化性エラストマー樹脂が、シリコーン系エラストマー、フッ素系エラストマー、から成る異材種複合成型体。
- 請求項1記載の各種化学組成の熱硬化性樹脂が、天然ゴム、各種合成ゴム、から成る異材種複合成型体。
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