JP2009051190A - インサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法及び同方法により成型された異材種複合成型体 - Google Patents

インサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法及び同方法により成型された異材種複合成型体 Download PDF

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Abstract

【課題】 インサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法及び同方法により成型された異材種複合成型体。
【解決手段】 シラン原子等の改質剤化合部を含む火炎を、各種プレ成型加工された被着体となる被モールド面に吹き付け処理し、当該界面活性化処理を施された各種プレ成型加工された被着体をインサートモールド装置に界面活性化処理面がモールド面となるようにセッティングした上で、熱硬化性樹脂或いはゴム及び熱硬化性エラストマー樹脂を射出成型することを特徴とするインサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法、及び前記方法に基づき成型された異材種複合成型体。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種金属成型物、各種金属合金成型物、各種プラスチック成型物、ガラス成型物、等々の成型物をオフライン加工プロセスに於けるインサートモールド成型技術にてモールド成型する方法であって、接着助剤となる高分子系プライマーを施すこと無く、又、アルミニウム合金系成型物にあっては、同アルミニウム合金系成型物をアルマイト化した上で、被接合部分の酸化物層被膜を破壊し酸性水溶液に接触させるエッチング工程、及びアンモニア、ヒドラジン及び水溶性アミン化合物から選択される1種以上と接触させる工程を経ること無く、前記各種モールド被着体に、ケイ素原子、チタン原子またはアルミニウム原子を含む改質剤化合物であって、それぞれ沸点が10℃〜105℃である改質剤化合物を含む燃料ガスの火炎を、全面または部分的に吹き付け、前記各被着体表面が濡れ指数で73dny/cm以上となるよう界面活性化処理を施して後、当該界面活性化処理を施された前記各種被着体をインサートモールド装置に界面活性化処理面がモールド面となるようにセッティングした上で、熱硬化性樹脂或いは天然ゴム及び各種合成ゴムなら成る熱硬化性エラストマーを射出成型することを特徴とするインサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法、及び前記方法に基づき成型された異材種複合成型体に関する。
現在、インサートモールド成型技術を用いて、アルミニウム合金成型体或いはステンレススチール成型体等の成型体に、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等の汎用エンジニヤリング樹脂或いはポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等のスーパーエンジニヤリング樹脂等々、所謂、エンジニヤリング樹脂系コンパンウンドをモールディングしての異材種一体成型技術、或いはマグネシウム合金とナイロン(PA)樹脂との異材種一体成型技術、また、シリコンン(Si)樹脂とガラス、ステンレススチール、アルミニウム、更にはポリカーボネート(PC)樹脂等々との異材種一体成型技術が広く知られ汎用されるに至っている。そして、これら異材種一体成型技術の活用分野としては、ノート型パソコン、プロジェクター、携帯電話、ゲーム機器等々の各種エレクトロニクス製品のハウジング用途に、そして、例えば液晶・プラズマテレビ或いはパラボラアンテナ等々の家電関連各種製品向けハウジング及び構成パーツとして、また、自動車関連各種パーツとして、異材種複合成型体が多種・他分野・多用途向けに供用され活用されている。この様にインサートモールド成型技術が活用・多用されるに至っている優位性は、例えば意匠性及び機械的強度特性等の機能を各種金属合金成型体により具現させ、一方、金属製では目的を解決し得ない熱的・電気的絶縁性或いは軽量性確保等の機能実現を各種エンジニヤリング関連樹脂にて目的機能を発揮させる等、それぞれの素材の特性を上手く組み合わせることが出来得る点にあるものと理解される。
ところで、インサートモールド成型技術にあっては、被着体となる各種金属成型物、各種金属合金成型物、各種プラスチック成型物、並びにガラス成型物等との接着特性を確保する為に、前記各種成型被着体の接着界面に高接着・高密着助剤となる高分子系プライマーを塗布しておく必要があり、とりわけ、熱硬化性樹脂或いは天然ゴム及び各種合成ゴムから成る熱硬化性エラストマーをモールディングする場合に於いては、金属系成型物と前記熱硬化性樹脂或いは天然ゴム及び各種合成ゴムなら成る熱硬化性エラストマーとのモールディング界面に於ける接着確保が十分では無く、接着性を確保する為に高接着・高密着助剤となる高分子系プライマーを事前に塗布することが必須要件であり、当事前のプライマー処理が広く実施されている。
一方、アルミニウム合金系成型物にあっては、高接着・高密着が難しいと言われている熱硬化性樹脂或いは天然ゴム及び各種合成ゴムから成る熱硬化性エラストマー並びに、とりわけ、難接着・難密着素材と言われているエンジニヤリング系樹脂コンパウンド等をモールディングする場合に於いては、同アルミニウム合金系成型物をアルマイト化した上で、被接合部分の酸化物層被膜を破壊し酸性水溶液に接触させるエッチング工程、及びアンモニア、ヒドラジン及び水溶性アミン化合物から選択される1種以上と接触させる工程を経ることで、エンジニヤリング系樹脂を確実に前記アルミニュウム合金系成型物に高接着・高密着状態でモールディングする代表的な技術が下記特許に紹介されている。
特開2003−170531 特開2004−50488 特開2006−1216
何れにしても、各種金属成型物、各種金属合金成型物、各種プラスチック成型物、並びにガラス成型物、等々の各種成型物被着体に熱硬化性樹脂或いは天然ゴム及び各種合成ゴムなら成る熱硬化性エラストマーをモールディングする場合に於いて接着・密着を確実に行うためには各種被着体側への事前のプライマー処理及びアルミニュウム合金系成型物にあっては、事前に前記した特殊処理を施す事が必須の要件であった。
そこで、本件発明者は、インサートモールド成型技術に於いて、被モールド成型体となる各種金属成型物、各種金属合金成型物、各種プラスチック成型物、及びガラス成型物、等々の各被モールド成型体と、熱硬化性樹脂或いは天然ゴム及び各種合成ゴムから成る熱硬化性エラストマーとの接着或いは密着確保に関し、本件発明者が既に開発し実用化を図っている下記特許文献に開示されている「界面改質技術」の活用を試みたところ、当該「界面改質技術」が、各種モールド成型体と熱硬化性樹脂或いは天然ゴム及び各種合成ゴムなら成る熱硬化性エラストマーとの密着・接着特性の改善にとって極めて有効裡に働くことを発見・確認し、本発明を完成するに至った。
特開2003−238710(特許第3557194号)
上記「特許文献4」には、固体物質の界面改質方法およびその装置の概略が開示されていて、ケイ素原子、チタン原子、アルミニウム原子を含む界面改質剤化合物であって、それぞれ沸点が10℃〜105℃である表面改質剤化合物を含む燃料ガスを貯蔵するための貯蔵タンクと、当該燃料ガスを噴射部に移送するための移送部と、当該燃料ガスの火炎を吹き付けるための噴射部(バーナー)とを含む界面改質装置を準備し、ケイ酸化炎等を固体物質の材料表面に対して、全面的或いは部分的に吹き付け処理し、当該処理部を活性化させる界面改質技術が開示されている。
しかしながら、前記特許文献4には、一般的な各固体物質の界面改質につき各種固体物質に共通する表面改質方法が述べられているに留まり、本発明が解決しようとする具体的な課題である、インサートモールド成型加工技術を用いて各種金属成型物、各種金属合金成型物、各種プラスチック成型物、並びにガラス成型物、等々の被モールド成型物における密着及び接着確保に関しする具体的方法論に関する技術開示は為されてはいない。
本発明は、前記特許文献4に開示されている各種固体物質表面の界面改質に関する基本的技術を活用することにより、インサートモールド成型加工技術に於いて、従来必須とされていた各種被着体への事前プライマー処理或いはアルミニウム合金系成型物にあっては、前記事前の特殊処理を一切施すことなく、各種被着体界面における密着・接着確保を確実なものとすることにある。以下本発明の詳細について説明する。
本発明は、前述した通り、インサートモールド成型加工技術に於いて、前記特許文献4に開示されている各種固体物質表面の界面改質に関する基本的技術を活用し、各種被着体の表面を本質的に界面改質し活性化させることで、従来必須とされていた各種被着体への事前プライマー処理或いはアルミニウム合金系成型物にあっては、事前の特殊処理を一切施こすことなく、各種被着体界面における熱硬化性樹脂或いは天然ゴム及び各種合成ゴムなら成る熱硬化性エラストマーとの密着・接着確保を確実なものとすることにある。
まず、各種被着体の界面改質に関しその方法論を説明する。図1は本発明に係る界面改質装置の概要を説明するためのフローチャートであり、同フローチャートに基づき説明する。
図1にその全体像を示す界面改質装置は、ケイ素原子、チタン原子、アルミニウム原子を含む界面改質剤化合物であって、アルキルシラン化合物、アルコキシシラン化合物、シロキサン化合物、シラザン化合物、アルキルチタン化合物、アルコキシチタン化合物、アルキルアルミニウム化合物、およびアルコキシアルミニウム化合物からなる群から選択された界面改質剤化合物101を貯蔵するための貯蔵タンク部102と、加熱手段103にて気化させて噴射部(バーナー)104に移送するための移送路105と、プロパンガス・LPGガス等の燃料ガスの貯蔵タンク106、そして、当該燃料ガスの燃焼用空気並びに界面改質剤化合物を搬送する為の空気を供給する圧縮空気源107とで構成されている。また、前記移送路105には第1のサブミキサ108が、また、気化された界面改質剤化合物と空気との混合ガスと前記貯蔵タンク106より送出される燃料ガスとを均一に混合するための第2のメインミキサ109とにより構成されている。さらには、前記界面改質剤化合物101を貯蔵するための貯蔵タンク部102と、空気を供給する圧縮空気源107および燃料ガスの貯蔵タンク106のそれぞれの送出先出口には、それぞれの送出流量をコントロールするための流量計付き流量調節バルブ、110、111、112、がそれぞれ設けられ、界面改質装置を構成している。次に前記各主要構成部材(パーツ)の詳細を説明する。
「界面改質剤化合物用貯蔵タンク部」
図1に示すように、界面改質剤化合物用貯蔵タンク部102の下部には、加熱用ヒーター等の加熱手段103が備えられており、常温・常圧状態では液状の界面改質剤化合物101を気化するよう構成されている。そして、当該加熱手段103はCPU(図示せず)によりコントロールされている。すなわち、同CPUは界面改質剤化合物の液量センサー、・液温センサー等の各センサーに電気的に接続されていて、前記界面改質剤化合物の液量および液温が規定の範囲内に収まるように加熱手段をコントロールしている。
なお、本発明では液状の界面改質化合物を使用した例を挙げているが、気体または固体状の化合物も使用できる。気体状の界面改質剤化合物を使用する場合には、前記界面改質剤化合物用貯蔵タンク部にはあえてヒーターを備える必要はなく、代わりに圧力調整弁等の流量調節手段を設ければよい。また、固体状の界面改質剤化合物を使用する場合には、例えば、その固体状化合物を溶媒に溶解するか、熱で溶融させ、本例の貯蔵タンクからバーナーの火炎近傍迄配管した液輸送管中を通らせて、直接バーナー中に送り込むことで界面改質を行うこともできる。
「移送部」
移送部105には、通常「管」構造であって、図1に示すように、前記圧縮空気源107より供給され燃焼用空気と前記貯蔵タンク102より送出される気化された界面改質剤化合物とを混合するための第1のサブミキサ108と、当該第1のサブミキサ108により混合された混合ガスと、前記燃料ガスの貯蔵タンク106より送出される燃料ガスとを均一に混合するための第2のメインミキサ109が設けられている。
「噴射部(バーナー)」
噴射部(バーナー)104は、図1に示すように、移送部105を経て送られてきた燃焼ガスを燃焼し、得られた火炎113を、被改質処理面(図示せず)に吹き付け被改質処理面を界面改質するものであって、かかる火炎113の状態は、前記した気化された界面改質剤化合物101の流量および圧縮空気源107より送出される燃焼用空気量並びに燃料ガスの貯蔵タンク106より送出される燃料ガス量の各流量を、それぞれのガスの流路に設けられている流量計付き流量調節バルブ110、111、112の開度を調節することで最適に調整される。なお、バーナーの種類は特に制限されるものではないが、例えば、予混合型バーナー、拡散型バーナー、部分予混合型バーナー、噴霧バーナー、蒸発バーナー、等の何れであっても良い。また、バーナーの形態についても特に制限されるものではない。
前記界面改質剤化合物としては、ケイ素原子、チタン原子またはアルミニウム原子を含む化合物であり、且つ、一般的なガスバーナーの火炎中で燃焼し得るものであれば特に制限はない。そして、入手のし易さや取り扱いの容易さを考慮すると、例えば、アルキルシラン化合物、アルコキシシラン化合物、シロキサン化合物、シラザン化合物、アルキルチタン化合物、アルコキシチタン化合物、アルキルアルミニウム化合物、およびアルコキシアルミニウム化合物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
アルキルシラン化合物の好適例としては、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、テトラエチルシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジフェニルシラン、ジエチルジクロロシラン、ジエチルジフェニルシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリフェニルシラン、ジメチルジエチルシランなどの置換基を有していてもよいモノシラン化合物、ヘキサメチルジシラン、ヘキサエテルジシラン、クロロヘプタメチルジシランなどの置換基を有していても良いジシラン化合物、オクタメチルトリシランなどの置換基を有していても良いトリシラン化合物などが挙げられる。
アルコキシシラン化合物の好適例としては、メトキシシラン、ジメトキシシラン、トリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、エトキシシラン、ジエトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジクロロジメトキシシラン、ジクロロジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリクロロメトキシシラン、トリクロロエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
シロキサン化合物の好適例としては、テトラメチルジシロキサン、ペンタメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどが挙げられる。
シラザン化合物の好適例としては、ヘキサメチルジシラザンなどが挙げられる。また、アルキルチタン化合物の好適例としては、テトラメチルチタン、テトラエチルチタン、テトラプロピルチタンなどが挙げられる。アルコキシチタン化合物の好適例としては、チタニウムメトキシド、チタニウムエトキシドなどが挙げられる。アルキルアルミニウム化合物の好適例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウムなどが挙げられる。アルコキシアルミニウム化合物の好適例としては、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシドなどが挙げられる。これらの化合物は単独で用いても混合して用いても良い。
以上の好適例の中でも、ケイ素化合物、アルコキシシラン化合物、シロキサン化合物、およびシラザン化合物は、取り扱いが容易であり、気化させやすく、また、入手もしやすいことからより好ましい。
次に、前述した図1に示す界面改質装置を用いアルミニウム合金成型体にフッ素系エラストマーを事例として、インサートモールド成型技術を用いた本発明に係るモールド成型技術の概略を図2、図3及び図4にて説明する。
図2、図3、図4は何れも本発明の工程を説明する為の断面図であって、同図2は事前にプレス成型され、且つ陽極酸化処理(アルマイト処理)されたアルミニウム合金の成型体の構成を事例的且つ目視的に示す概略断面図であり、同図中21は、箱形の筐体である。
本発明に於いては、インサートモールド成型する前段階の工程として、先ず始めに、図1に示す界面改質装置を用いケイ素系改質剤化合物にて、前記図2に示すアルミニウム合金の成型体(箱形の筐体)21の内面全体22(改質面)に前記ケイ素系改質剤化合物を含む火炎にて処理を施したところ、図3に目視的に例示する通り数ナノ乃至数10ナノメートル膜厚の界面改質層(二酸化ケイ素膜層)31を形成することが出来た。因みに、当該アルミニウム合金の成型体(箱形の筐体)21の界面改質前の濡れ指数(JIS K6768)が42dyne/cmであったのに対し、当該図1に示す界面改質装置を用いて火炎処理した後の濡れ指数(JIS K6768)は73dyne/cm以上と界面改質前に比較して改質面が驚異的に活性化されることとなった。また、水接触角を測定すると限りなく0°となり超親水性現象が発現される状況を呈した。
次に、前記図3に例示した界面改質されたるアルミニウム合金の成型体(箱形の筐体)21を、インサートモールド成型機(図示せず)に事前にセッティングされている射出成型金型内に、前記アルミニウム合金の成型体(箱形の筐体)21の改質界面31面がモールディング面となるようセッティングし、続いて、フッ素系エラストマーをインサートモールドして、図4に示す様なアルミニウム合金とフッ素系エラストマー41との異材種接合体を得た。なお、アルミニウム合金とフッ素系エラストマー41との接合面での接着・密着強度は、引張り強度試験器に於ける試験結果に於いてフッ素系エラストマー41が材破する程の接着界面強度が確保されていて、要求される接着・密着強度を十分満足する物であった。
グ剤が有効となる。
一般的に、インサートモールド成型機により、アルミニウム合金等の金属とフッ素系エラストマー等の異材種を同時成型する場合には、インサートモールド成型する前に、アルミニウム合金等の金属側にはエポキシ樹脂系のプライマー処理を施すか或いは前記した特許文献1、2、3に示すようなアルミニウム合金系成型物をアルマイト化した上で、被接合部分の酸化物層被膜を破壊し酸性水溶液に接触させるエッチング工程、及びアンモニア、ヒドラジン及び水溶性アミン化合物から選択される1種以上と接触させる特殊工程を予め加えて上で、インサートモールド成型しなければ、アルミニウム合金系成型物とフッ素系エラストマーとの間の強固な密着・接着は確保することは極めて困難であった。しかしながら、各種成型体被着体(基材)の改質界面に前記の様に本発明に係る第1図に示す界面改質装置を有効活用し界面改質を図ることにより、難接着・難密着と言われているあらゆる被着体表面(界面)を活性化させることが可能となり、従来必要とされていた接着・密着助剤としての高分子系プライマー処理並びにアルミニウム合金系成型物にあっては、同アルミニウム合金系成型物をアルマイト化した上で、被接合部分の酸化物層被膜を破壊し酸性水溶液に接触させるエッチング工程、及びアンモニア、ヒドラジン及び水溶性アミン化合物から選択される1種以上と接触させる、所謂特殊工程を確実に省くことが可能となり、しかも確実に接着或いは密着界面に於ける接着或いは密着を確実に行うことが出来、加えて従来必須とされていた高分子系プラーマー若しくは前記特殊前処理を省くことが出来ることによる時間的及び経済的メリットを提供することが可能となる。
[実施例1]
<マグネシウム合金と液状シリコーンゴムとのインサートモールド成型事例>
マグネシウム合金(Mg−AL−Zn系)をチキソキャスティング成型手法にて、図2に例示する箱形の筐体を得た。次に、以下に示すプロセスを経てマグネシウム合金−液状シリコーンゴムの異材種インサートモールド成型体を得た。
(1)マグネシウム系合金筐体の前処理
ワーク投入→弱アルカリ脱脂→水洗→水切り乾燥
(2)モールド界面活性化処理
水切り乾燥を終えた図2に示すマグネシウム系合金筐体21の内周面全面22を対象に、図1に示す界面改質装置を用いて図3に示す様に界面改質31を行った。同界面活性化処理に於ける改質剤化合物は、ヘキサメチルジシロキサンを使用し、火炎処理用の燃料はプロパンガスを使用した。なお、活性化終了後に於ける活性化度は、濡れ指数(JIS K6768)表示で73dny/cm以上であった。
(3)インサートモールド成型
次に、界面活性化処理を終了したマグネシウム系合金筐体21を、インサートモールド成型機内に予めセッティングされている射出成型用金型に、界面活性化処理面31がモールド面となるようにセッティングし、液状シリコーンゴム:信越化学工業製:(信越シリコーン:KEG−2000−40(A/B))をインサートモールド成型し、目的とするマグネシウム合金−液状シリコーンゴムの異材種複合成型体を得た。なお、マグネシウム合金−液状シリコーンゴム界面に於ける接着密着強度は、引張強度試験器にて確認した結果、液状シリコーンゴム・モールド面が材破しており接着界面強度は十分と判断した。
[実施例2]
<ステンレススチールと液状フッ素エラストマーとのインサートモールド成型事例>
ステンレススチール(SUS304)をプレス成形手法にて、図2に例示する箱形の筐体を得た。次に、以下に示すプロセスを経てステンレススチール−液状フッ素エラストマーの異材種インサートモールド成型体を得た。
(1)SUS304筐体の前処理
ワーク投入→弱アルカリ脱脂→水洗→水切り乾燥
(2)モールド界面活性化処理
水切り乾燥を終えた図2に示すSUS304筐体21の内周面全面22を対象に、図1に示す界面改質装置を用いて図3に示す様に界面改質31を行った。同界面活性化処理に於ける改質剤化合物は、ヘキサメチルジシロキサンを使用し、火炎処理用の燃料はプロパンガスを使用した。なお、活性化終了後に於ける活性化度は、濡れ指数(JIS K6768)表示で73dny/cm以上であった。
(3)インサートモールド成型
次に、界面活性化処理を終了したSUS304筐体21を、インサートモールド成型機内に予めセッティングされている射出成型用金型に、界面活性化処理面31がモールド面となるようにセッティングし、液状フッ素エラストマー(信越化学工業製:SHIN−ETSU SIFEL:シンエツ・サイフェル)をインサートモールド成型し、目的とするSUS304−液状フッ素エラストマーの異材種複合成型体を得た。なお、SUS304−液状フッ素エラストマー界面に於ける接着界面強度は、引張強度試験器にて確認した結果、液状フッ素エラストマーモールド面が材破しており接着密着強度は十分と判断した。
[実施例3]
<アルミニウム合金と液状シリコーンゴムとのインサートモールド成型事例>
アルミニウム合金をチキソキャスティング成型手法にて、図2に例示する箱形の筐体を得た。次に、以下に示すプロセスを経てアルミニウム合金−液状シリコーンゴムの異材種インサートモールド成型を得た。
(1)アルミニウム合金筐体の前処理
ワーク投入→弱アルカリ脱脂→水洗→水切り乾燥
(2)モールド界面活性化処理
水切り乾燥を終えた図2に示すアルミニウム合金系筐体21の内周面全面22を対象に、図1に示す界面改質装置を用いて図3に示す様に界面改質31を行った。同界面活性化処理に於ける改質剤化合物は、ヘキサメチルジシロキサンを使用し、火炎処理用の燃料はプロパンガスを使用した。なお、活性化終了後に於ける活性化度は、濡れ指数(JIS K6768)表示で73dny/cm以上であった。
(3)インサートモールド成型
次に、界面活性化処理を終了したアルミニウム合金筐体21を、インサートモールド成型機内に予めセッティングされている射出成型用金型に、界面活性化処理面31がモールド面となるようにセッティングし、液状シリコーンゴム:信越化学工業製(信越シリコーン:KEG−2000−40(A/B))をインサートモールド成型し、目的とするアルミニウム合金−液状シリコーンゴムの異材種複合成型体を得た。なお、アルミニウム合金−液状シリコーンゴム界面に於ける接着界面強度は、引張強度試験器にて確認した結果、液状シリコーンゴムモールド面が材破しており接着密着強度は十分と判断した。
界面改質装置の概略図 箱形の筐体断面図 界面改質処理後に於ける箱形の筐体断面図 インサートモールド成型後に於ける筐体断面図
符号の説明
101:界面改質剤化合物
102:貯蔵タンク部
103:加熱手段
104:噴射部(バーナー)
105:移送路
106:貯蔵タンク
107:圧縮空気源
108:サブミキサ
109:メインミキサ
110:流量計付き流量調節バルブ
111:流量計付き流量調節バルブ
112:流量計付き流量調節バルブ
113:火炎
21:箱形の筐体
22:箱形筐体内面
31:界面改質層
41:モールド樹脂

Claims (9)

  1. インサートモールド技術にてモールド成型する方法であって、各種金属成型物、各種金属合金成型物、各種プラスチック成型物、ガラス成型物、等々より成る各種モールド被着体に、オフライン加工プロセスにて、ケイ素原子、チタン原子またはアルミニウム原子を含む改質剤化合物であって、それぞれ沸点が10℃〜105℃である改質剤化合物を含む燃料ガスの火炎を、全面または部分的に吹き付け、前記各被着体表面が濡れ指数で73dny/cm以上となるよう界面活性化処理を施して後、当該界面活性化処理を施された前記各種被着体をインサートモールド装置に界面活性化処理面がモールド面となるようにセッティングした上で、熱硬化性樹脂或いはゴム及び熱硬化性エラストマー樹脂を射出成型することを特徴とするインサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法。
  2. 請求項1に記載のインサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法に基づき成型された異材種複合成型体。
  3. 請求項1に記載の界面改質剤化合物が、アルキルシラン化合物、アルコキシシラン化合物、シロキサン化合物、シラザン化合物、アルキルチタン化合物、アルコキシチタン化合物、アルキルアルミニウム化合物、およびアルコキシアルミニウム化合物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物であることを特徴とするインサートモールド技術に基づく異材種複合成型方法。
  4. 請求項1記載の各種金属成型物が、アルミニウム、ステンレススチール等を代表とする異材種複合成型体。
  5. 請求項1記載の各種金属合金成型物が、マグネシウム合金、アルミニウム合金等を代表とする異材種複合成型体。
  6. 請求項1記載の成型物が、ガラス成型物を代表とする異材種複合成型体。
  7. 請求項1記載の各種化学組成の熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、から成る異材種複合成型体。
  8. 請求項1記載の各種化学組成の熱硬化性エラストマー樹脂が、シリコーン系エラストマー、フッ素系エラストマー、から成る異材種複合成型体。
  9. 請求項1記載の各種化学組成の熱硬化性樹脂が、天然ゴム、各種合成ゴム、から成る異材種複合成型体。
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