JP2009051086A - 画像形成装置および画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コントローラと画像形成部との間におけるシリアル送信の同期を実現して、良好な画像形成を可能とする技術を提供する。
【解決手段】ビデオデータに基づいて画像を形成する画像形成部と、画像信号に信号処理を施して生成したビデオデータに対して8B10B変換を行なうとともに、8B10B変換後のビデオデータを画像形成部に向けてシリアル送信するメインコントローラとを備え、メインコントローラは、8B10B変換後のビデオデータにシリアル送信の同期を取るための特殊符号を挿入したデータを記憶手段に記憶するとともに、特殊符号が挿入されたビデオデータを記憶手段から読み出して画像形成部にシリアル送信する。
【選択図】図11
【解決手段】ビデオデータに基づいて画像を形成する画像形成部と、画像信号に信号処理を施して生成したビデオデータに対して8B10B変換を行なうとともに、8B10B変換後のビデオデータを画像形成部に向けてシリアル送信するメインコントローラとを備え、メインコントローラは、8B10B変換後のビデオデータにシリアル送信の同期を取るための特殊符号を挿入したデータを記憶手段に記憶するとともに、特殊符号が挿入されたビデオデータを記憶手段から読み出して画像形成部にシリアル送信する。
【選択図】図11
Description
この発明は、ビデオデータに基づいて画像を形成する画像形成部に対して、該ビデオデータをシリアル送信する画像形成装置および画像処理方法に関するものである。
従来、画像信号に信号処理を施して生成したビデオデータに基づいて、画像を形成する画像形成装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の画像形成装置では、コントローラは画像信号から生成したビデオデータをプリンタエンジンに送信するとともに、プリンタエンジンは受け取ったビデオデータに基づいて画像を形成する。
ところで、近年の画像の高解像度化・高精細化に伴って、コントローラから画像形成部(特許文献1におけるプリンタエンジン)に向けてビデオデータをより高速に送信する必要が出てきている。この送信速度の高速化に応えるために、シリアル送信によりビデオデータを送信することが考えられる。しかしながら、このシリアル送信は、コントローラと画像形成部との間で同期を取りつつ実行される必要がある。つまり、同期を取らずにシリアル送信が実行されると、画像形成部がビデオデータを正しく認識できず、良好に画像が形成されない可能性がある。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、コントローラと画像形成部との間におけるシリアル送信の同期を実現して、良好な画像形成を可能とする技術の提供を目的とする。
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するために、ビデオデータに基づいて画像を形成する画像形成部と、画像信号に信号処理を施して生成したビデオデータに対して8B10B変換を行なうとともに、8B10B変換後のビデオデータを画像形成部に向けてシリアル送信するメインコントローラとを備え、メインコントローラは、8B10B変換後のビデオデータにシリアル送信の同期を取るための特殊符号を挿入したデータを記憶手段に記憶するとともに、特殊符号が挿入されたビデオデータを記憶手段から読み出して画像形成部にシリアル送信することを特徴としている。
また、この発明にかかる画像処理方法は、上記目的を達成するために、画像信号に信号処理を施して生成したビデオデータに対して8B10B変換を行なうとともに、8B10B変換後のビデオデータを画像形成部に向けてシリアル送信するデータ生成送信工程と、画像形成部においてビデオデータに基づいて画像を形成する画像形成工程とを備え、データ生成送信工程では、8B10B変換後のビデオデータにシリアル送信の同期を取るための特殊符号を挿入したデータが記憶手段に記憶されるとともに、記憶手段から読み出された特殊符号が挿入されたビデオデータが画像形成部にシリアル送信されることを特徴としている。
このように構成された発明(画像形成装置、画像処理方法)は、8B10B変換後のビデオデータにシリアル送信の同期を取るための特殊符号を挿入したデータを記憶手段に記憶する。そして、特殊符号が挿入されたビデオデータが記憶手段から読み出されて画像形成部にシリアル送信される。つまり、ビデオデータに挿入された特殊符号に基づいてシリアル送信を実行することで、コントローラと画像形成部との間におけるシリアル送信の同期が実現されている。したがって、画像形成部は、受け取ったビデオデータを正しく認識することができ、このビデオデータに基づいて良好に画像を形成することができる。
さらに、上記発明は記憶手段を有しているため、特殊符号が挿入されたビデオデータを記憶手段に予め記憶しておくことができる。したがって、ビデオデータを送信する必要が生じた場合は、既に特殊符号が挿入されたビデオデータを記憶手段から読み出して直ちにシリアル送信することが可能であり、高速シリアル送信をより確実に行なうことが可能となっている。
また、メインコントローラは、画像形成部からの要求信号をトリガーとして、特殊符号が挿入されたビデオデータを記憶手段からを読み出して画像形成部にシリアル送信するように構成しても良い。かかる構成は記憶手段を有しているため、画像形成部からの要求信号に先立って、特殊符号が挿入されたビデオデータを記憶手段に予め記憶しておくことができる。したがって、要求信号が出た場合は、既に特殊符号が挿入されたビデオデータを記憶手段から読み出して直ちにシリアル送信することが可能であり、高速シリアル送信をより確実に行なうことが可能となっている。
また、記憶手段は、各番地にデータを格納するメモリであるとともに、所定の番地に予め特殊符号を格納しており、メインコントローラは、特殊符号が格納されていない番地にビデオデータを格納することで、ビデオデータに特殊符号を挿入するように構成しても良い。かかる構成では、記憶手段としてのメモリの所定の番地に予め特殊符号が格納されている。したがって、特殊符号が格納されていない番地にビデオデータを格納するだけで、ビデオデータに特殊符号を簡便に挿入することが可能となる。
また、1画素に対応するビデオデータをドットデータとしたとき、特殊符号は所定個のドットデータ毎にビデオデータに挿入されるように構成しても良い。かかる構成は、例えば温度等の装置環境が変動した場合であっても、かかる変動による影響を抑制して、コントローラと画像形成部との間におけるシリアル送信の同期を安定的に実現することができる。
図1は本発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置における画像形成ステーションの配置を示す図である。さらに、図3は図1の画像形成装置の電気的構成を示す図である。この装置は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能な画像形成装置である。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリなどを有するメインコントローラMCに与えられると、このメインコントローラMCがエンジンコントローラECに制御信号を与え、これに基づき、エンジンコントローラECがエンジン部EGおよびヘッドコントロールユニットHUなど装置各部を制御して所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどの記録材たるシートに画像形成指令に対応する画像を形成する。
この実施形態にかかる画像形成装置が有するハウジング本体3内には、電源回路基板、メインコントローラMC、エンジンコントローラECおよびヘッドコントロールユニットHUを内蔵する電装品ボックス5が設けられている。また、画像形成ユニット2、転写ベルトユニット8および給紙ユニット7もハウジング本体3内に配設されている。また、図1においてハウジング本体3内右側には、二次転写ユニット12、定着ユニット13およびシート案内部材15が配設されている。なお、給紙ユニット7は、ハウジング本体3に対して着脱自在に構成されている。そして、該給紙ユニット7および転写ベルトユニット8については、それぞれ取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
画像形成ユニット2は、複数の異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーション2Y(イエロー用)、2M(マゼンタ用)、2C(シアン用)および2K(ブラック用)を備えている。なお、図1においては、画像形成ユニット2の各画像形成ステーションは構成が互いに同一のため、図示の便宜上一部の画像形成ステーションのみに符号を付し、他の画像形成ステーションについては符号を省略する。
各画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kには、それぞれの色のトナー像がその表面に形成される感光体ドラム21(感光体)が設けられている。各感光体ドラム21はそれぞれ専用の駆動モータに接続され図中矢印D21の方向に所定速度で回転駆動される。また、感光体ドラム21の周囲には、その回転方向に沿って帯電部23、ラインヘッド29、現像部25および感光体クリーナ27が配設されている。そして、これらの機能部によって帯電動作、潜像形成動作およびトナー現像動作が実行される。カラーモード実行時は、全ての画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kで形成されたトナー像を転写ベルトユニット8に設けた転写ベルト81に重ね合わせてカラー画像を形成する。また、モノクロモード実行時は、画像形成ステーション2Kのみを動作させてブラック単色画像を形成する。
帯電部23は、その表面が弾性ゴムで構成された帯電ローラを備えている。この帯電ローラは帯電位置で感光体ドラム21の表面と当接して従動回転するように構成されており、感光体ドラム21の回転動作に伴って従動回転する。また、この帯電ローラは帯電バイアス発生部(図示省略)に接続されており、帯電バイアス発生部からの帯電バイアスの給電を受けて帯電部23と感光体ドラム21が当接する帯電位置で感光体ドラム21の表面を所定の表面電位に帯電させる。
ラインヘッド29は、その長手方向LGDが感光体ドラム21の軸方向(図1の紙面に対して垂直な方向)に対応するとともに、その幅方向LTDが感光体ドラム21の回転方向D21に対応するように、配置されている。ラインヘッド29は、複数の発光素子を有しており、これらの発光素子から、帯電部23により帯電された感光体ドラム21の表面に向けて光を照射して該表面に静電潜像を形成する。
図4はラインヘッドの構成を示す図である。ラインヘッド29では、露光光源となる複数のLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)素子が長手方向LGDに配列されてなるLEDアレイ293が、長尺のハウジング中に保持されている。ヘッド基板294上のLEDアレイ293は、同じヘッド基板294上に形成されたドライバIC295により駆動される。ヘッドコントロールユニットHUからビデオデータが与えられると、該ビデオデータに基づきドライバIC295が作動してLEDアレイ293に設けられたLED素子が点灯する。屈折率分布型ロッドレンズアレイ296は結像光学系を構成し、LED素子の前面に配置される屈折率分布型ロッドレンズ297を俵積みしている。ハウジングは、ヘッド基板294の周囲を覆い、感光体ドラム21に面した側は開放する。このようにして、屈折率分布型ロッドレンズ297から感光体ドラム21に光線を射出する。これによって、ビデオデータに対応した静電潜像が感光体ドラム21の表面に形成される。
図1に戻って装置構成の説明を続ける。現像部25は、その表面にトナーが担持する現像ローラ251を有する。そして、現像ローラ251と電気的に接続された現像バイアス発生部(図示省略)から現像ローラ251に印加される現像バイアスによって、現像ローラ251と感光体ドラム21とが当接する現像位置において、帯電トナーが現像ローラ251から感光体ドラム21に移動してその表面に形成された静電潜像が顕像化される。
現像位置において顕在化されたトナー像は、感光体ドラム21の回転方向D21に搬送された後、後に詳述する転写ベルト81と各感光体ドラム21が当接する一次転写位置TR1において転写ベルト81に一次転写される。
また、感光体ドラム21の回転方向D21の一次転写位置TR1の下流側で且つ帯電部23の上流側に、感光体ドラム21の表面に当接して感光体クリーナ27が設けられている。この感光体クリーナ27は、感光体ドラムの表面に当接することで一次転写後に感光体ドラム21の表面に残留するトナーをクリーニング除去する。
転写ベルトユニット8は、駆動ローラ82と、図1において駆動ローラ82の左側に配設される従動ローラ83(ブレード対向ローラ)と、これらのローラに張架され駆動ローラ82の回転により図示矢印D81の方向(搬送方向)へ循環駆動される転写ベルト81とを備えている。また、転写ベルトユニット8は、転写ベルト81の内側に、カートリッジ装着時において各画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kが有する感光体ドラム21各々に対して一対一で対向配置される、4個の一次転写ローラ85Y、85M、85Cおよび85Kを備えている。これらの一次転写ローラは、それぞれ一次転写バイアス発生部(図示省略)と電気的に接続される。
カラーモード実行時は、図1および図2に示すように全ての一次転写ローラ85Y、85M、85Cおよび85Kを画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2K側に位置決めすることで、転写ベルト81を画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kそれぞれが有する感光体ドラム21に押し遣り当接させて、各感光体ドラム21と転写ベルト81との間に一次転写位置TR1を形成する。そして、適当なタイミングで一次転写バイアス発生部から一次転写ローラ85Y等に一次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、それぞれに対応する一次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写する。すなわち、カラーモードにおいては、各色の単色トナー像が転写ベルト81上において互いに重ね合わされてカラー画像が形成される(画像形成工程)。
いわゆるタンデム方式の画像形成装置では、感光体ドラム21から転写ベルト81にトナー像が一次転写される一次転写位置は、各画像形成ステーションごとに異なった位置となる。この実施形態においては、イエロー用画像形成ステーション2Y、マゼンタ用画像形成ステーション2M、シアン用画像形成ステーション2Cおよびブラック用画像形成ステーション2Kが転写ベルト81の移動方向に沿ってこの順番に配置されている。したがって、イエロー一次転写位置TR1yとマゼンタ一次転写位置TR1mとは距離Lym、マゼンタ一次転写位置TR1mとシアン一次転写位置TR1cとは距離Lmc、シアン一次転写位置TR1cとブラック一次転写位置TR1kとは距離Lckだけ離隔している。
一方、モノクロモード実行時は、4個の一次転写ローラのうち、一次転写ローラ85Y、85Mおよび85Cをそれぞれが対向する画像形成ステーション2Y、2Mおよび2Cから離間させるとともにブラック色に対応した一次転写ローラ85Kのみを画像形成ステーション2Kに当接させることで、モノクロ用の画像形成ステーション2Kのみを転写ベルト81に当接させる。その結果、一次転写ローラ85Kと画像形成ステーション2Kとの間にのみ一次転写位置TR1kが形成される。そして、適当なタイミングで一次転写バイアス発生部から一次転写ローラ85Kに一次転写バイアスを印加することで、画像形成ステーション2Kに設けられた感光体ドラム21の表面上に形成されたブラックトナー像を、一次転写位置TR1kにおいて転写ベルト81表面に転写してモノクロ画像を形成する。
さらに、転写ベルトユニット8は、ブラック用一次転写ローラ85Kの下流側で且つ駆動ローラ82の上流側に配設された下流ガイドローラ86を備える。この下流ガイドローラ86は、一次転写ローラ85Kが画像形成ステーション2Kの感光体ドラム21に当接して形成する一次転写位置TR1での一次転写ローラ85Kとブラック用感光体ドラム21(K)との共通接線上において、転写ベルト81に当接するように構成されている。
また、下流ガイドローラ86に巻き掛けられた転写ベルト81の表面に対向してパッチセンサ89が設けられている。パッチセンサ89は例えば反射型フォトセンサからなり、転写ベルト81表面の反射率の変化を光学的に検出することにより、必要に応じて転写ベルト81上に形成されるパッチ画像の位置やその濃度などを検出する。
給紙ユニット7は、シートを積層保持可能である給紙カセット77と、給紙カセット77からシートを一枚ずつ給紙するピックアップローラ79とを有する給紙部を備えている。ピックアップローラ79により給紙部から給紙されたシートは、レジストローラ対80によって給紙タイミングが調整された後、シート案内部材15に沿って、駆動ローラ82と二次転写ローラ121とが当接する二次転写位置TR2に給紙される。
二次転写ローラ121は、転写ベルト81に対して離当接自在に設けられ、二次転写ローラ駆動機構(図示省略)により離当接駆動される。定着ユニット13は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ131と、この加熱ローラ131を押圧付勢する加圧部132とを有している。そして、その表面に画像が二次転写されたシートは、シート案内部材15により、加熱ローラ131と加圧部132の加圧ベルト1323とで形成するニップ部に案内され、該ニップ部において所定の温度で画像が熱定着される。加圧部132は、2つのローラ1321,1322と、これらに張架される加圧ベルト1323とで構成されている。そして、加圧ベルト1323の表面のうち、2つのローラ1321,1322により張られたベルト張面を加熱ローラ131の周面に押し付けることで、加熱ローラ131と加圧ベルト1323とで形成するニップ部が広くとれるように構成されている。また、こうして定着処理を受けたシートはハウジング本体3の上面部に設けられた排紙トレイ4に搬送される。
前記した駆動ローラ82は、転写ベルト81を図示矢印D81の方向に循環駆動するとともに、二次転写ローラ121のバックアップローラとしての機能も兼ねている。駆動ローラ82の周面には、厚さ3mm程度、体積抵抗率が1000kΩ・cm以下のゴム層が形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、図示を省略する二次転写バイアス発生部から二次転写ローラ121を介して供給される二次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラ82に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層を設けることにより、二次転写位置TR2へシートが進入する際の衝撃が転写ベルト81に伝達されることに起因する画質の劣化を防止することができる。
また、この装置では、ブレード対向ローラ83に対向してクリーナ部71が配設されている。クリーナ部71は、クリーナブレード711と廃トナーボックス713とを有する。クリーナブレード711は、その先端部を転写ベルト81を介してブレード対向ローラ83に当接することで、二次転写後に転写ベルト81に残留するトナーや紙粉等の異物を除去する。そして、このように除去された異物は、廃トナーボックス713に回収される。また、クリーナブレード711及び廃トナーボックス713は、ブレード対向ローラ83と一体的に構成されている。
なお、この実施形態においては、各画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kの感光体ドラム21、帯電部23、現像部25および感光体クリーナ27を一体的にカートリッジとしてユニット化している。そして、このカートリッジが装置本体に対し着脱可能に構成されている。また、各カートリッジには、該カートリッジに関する情報を記憶するための不揮発性メモリがそれぞれ設けられている。そして、エンジンコントローラECと各カートリッジとの間で無線通信が行われる。こうすることで、各カートリッジに関する情報がエンジンコントローラECに伝達されるとともに、各メモリ内の情報が更新記憶される。これらの情報に基づき各カートリッジの使用履歴や消耗品の寿命が管理される。
また、この実施形態では、メインコントローラMC、ヘッドコントロールユニットHUおよび各ラインヘッド29がそれぞれ別ブロックとして構成され、以下に説明するように、それらが互いにシリアル通信線を介して接続されている。ヘッドコントロールユニットHUをメインコントローラMCまたはラインヘッド29と一体に構成することも考えられるが、これらを別体に構成することで、次のような利点が生まれる。
まず、ラインヘッド29からヘッドコントロールユニットHUの機能を独立させることにより、ラインヘッド29を大幅に小型化することが可能となり、エンジン部EGおよび装置全体の小型化を図ることができる。また、ラインヘッドの構造に依存する処理機能をメインコントローラMCから切り離し専用ブロック化することにより、メインコントローラMC側ではヘッドの構成を考慮することなく、より汎用性の高い信号処理のみを行うことができるようになる。また、メインコントローラMCとヘッドコントロールユニットHUとの間の通信を規格化しておけば、異なる構成のヘッドを使用する場合にも、メインコントローラについては何ら変更することなく、使用するヘッドに対応するヘッドコントロールユニットHUのみを用意すればよいこととなる。これにより、共通のメインコントローラMCを異なる構成のヘッドを有する装置に共通して使用することが可能となり、1つのコントローラを用いた多機種展開が容易になる。
上記のように構成された装置各部の連携動作について、再び図3を参照しながら説明する。外部装置からメインコントローラMCに画像形成指令が与えられると、メインコントローラMCは、UART(汎用非同期送受信)通信線を介してエンジンコントローラECにエンジン部EGを起動させるための制御信号を送信する。また、メインコントローラMCに設けられた画像処理部100が、画像形成指令に含まれる画像データ(画像信号)に対して、所定の信号処理を行い、各トナー色ごとのビデオデータを生成する。
一方、制御信号を受けたエンジンコントローラECは、エンジン部EG各部の初期化およびウォームアップを開始する。これらが完了して画像形成動作を実行可能な状態になると、エンジンコントローラECは、各ラインヘッド29を制御するヘッドコントロールユニットHUに対し画像形成動作の開始のきっかけとなる同期信号VsyncをUART通信線を介して出力する。また、UART通信線を介したエンジンコントローラECとヘッドコントロールユニットHUとの通信においては、この他にラインヘッド29を制御するための種々の制御パラメータのやり取りが行われる。
ヘッドコントロールユニットHUには、各色に対応してヘッドコントローラHCが設けられており、具体的にはヘッドコントローラHC−Y(イエロー用),HC−M(マゼンタ用),HC−C(シアン用),HC−K(ブラック用)が設けられている。各色のヘッドコントローラHCは、メインコントローラMCと種々のデータをやり取りするとともに、対応する色のラインヘッド29の露光動作を制御する。一方、メインコントローラMCにはメイン側通信ユニット200Uが設けられており、このメイン側通信ユニット200Uを介してヘッドコントローラHCとデータのやり取りが行なわれる。このメイン側通信ユニット200Uには、各色に対応してメイン側通信モジュール200が設けられており、具体的には、メイン側通信モジュール200−Y(イエロー用)200−M(マゼンタ用),200−C(シアン用),200−K(ブラック用)が設けられている。このように、この実施形態では、色毎にヘッドコントローラHCとメイン側通信モジュール200とが設けられており、各ヘッドコントローラHCは、同じ色に対応するメイン側通信モジュール200を介して、メインコントローラMCとデータのやり取りを実行する。
ヘッドコントローラHCからメインコントローラMCに向けては、1ページ分の画像の先頭を示す垂直リクエスト信号VREQと、該画像を構成するラインのうち1ライン分のビデオデータを要求する水平リクエスト信号HREQとが送信される。一方、メインコントローラMCヘッドコントローラHCに向けては、これらのリクエスト信号に応じてビデオデータVDが送信される。より詳しくは、画像の先頭を示す垂直リクエスト信号を受信した後、水平リクエスト信号を受信する度に、画像の先頭部分から1ライン分ずつビデオデータVDを順次出力する。
図5はメインコントローラとヘッドコントローラとの間の通信を示す図である。1ページの画像は、多数のドットを感光体ドラム21の軸方向(ラインヘッド29の長手方向LGD)に沿って一列に並べたラインをこれと直交する方向、すなわち感光体ドラム21の表面の移動方向D21に少しずつ位置を異ならせながら形成したものである。リクエスト信号VREQはページ先頭を示すものであり、メインコントローラMCは、リクエスト信号VREQの受信後に受信したリクエスト信号HREQを有効とし、このリクエスト信号HREQ(要求信号)を受信する度に、1ライン分のビデオデータVDをヘッドコントローラHCに送信する。
この実施形態では、1ラインを構成するドット数は最大6828である。また、解像度は600dpi(dots per inch)であり、ドットピッチもこれに等しい。したがって、1ラインの最大長さはおよそ11.4インチ(289mm)である。この長さは、日本工業規格A3版用紙の短辺寸法に対応している。各ドットの画像データは8ビットで多階調表現されており、1ライン分のビデオデータVDは、予め定められた特定の値(ここでは55h)のヘッドデータと、それに続く8ビット×6828ドットの画像データ列とからなっている。ヘッドデータはデータ列の先頭を示すためのものであり、ビデオデータVDを受信するヘッドコントローラ側では、値00hが続いた後に受信されたヘッドデータによりデータの先頭であることを認識することができる。言い換えれば、垂直リクエスト信号VREQを受信してから最初に受信された00h以外の値がヘッドデータとして決められているものと異なっていた場合には、通信エラーであると判断することができる。
こうして1ライン分のビデオデータを出力した後、続いてリクエスト信号HREQが与えられると、メインコントローラMCは次の1ライン分のデータを出力する。これを繰り返すことにより、1ページ分の画像に対応するビデオデータVDが、メインコントローラMCからヘッドコントローラHCに受け渡される。形成すべき次のページの画像がある場合には、先のページのデータ通信の終了後、ヘッドコントローラHCからメインコントローラMCに対し再び垂直リクエスト信号VREQが送信される。
この実施形態では、ヘッドコントローラHCとメインコントローラMCとの間におけるデータのやり取りは、シリアル通信により行なわれる。具体的には、リクエスト信号HREQ,VREQおよびビデオデータVDは、符号化された後にシリアル送信される。以下、本実施形態におけるデータ通信方式について説明する。この実施形態では、ヘッドコントローラHCからメインコントローラMCへ送られるリクエスト信号、そしてメインコントローラMCからヘッドコントローラHCへ送られるビデオデータのいずれもが、32ビットの信号として送受信されている。
図6はヘッドコントローラから送信されるデータの内容を示す図である。ヘッドコントローラHCから送信される32ビットデータは、8ビットを単位とする4セクションのデータから成り、各セクションにおいて、最上位ビットに垂直リクエスト信号VREQが割り当てられ、最上位ビットの次のビットに水平リクエスト信号HREQが割り当てられている。こうして、垂直リクエスト信号VREQと水平リクエスト信号HREQとは、時分割多重化されている。これを受信したメインコントローラMCでは、各ビット情報を取り出して時系列に沿って再配列することによって、シリアル信号に多重化されていたリクエスト信号を復元することができる。なお、リクエスト信号が割り当てられていないビットの設定値は任意であるが、この実施形態ではダミーデータとして0が設定されている。
図7はリクエスト信号の例を示すタイミングチャートである。また、図8は図7のパターンを符号化した結果を示す図である。これらの図を参照しながら、2種類のリクエスト信号を多重化して1つのシリアル信号として伝送する方法について説明する。なお、図7および図8に示すパターンは説明の便宜のために作成した仮想的なものであって、装置の動作において現実に生じうるパターンとは必ずしも一致しない。また、リクエスト信号を符号化するに際しては、Hレベルを値0で、Lレベルを値1で表すものとする。
ヘッドコントローラHCでは、送信すべきリクエスト信号を、1ワード分の転送周期の1/4、すなわち1セクション当たりの転送周期に相当するサンプリング周期でサンプリングして符号化する。時刻t=0を始点としたとき、第1サンプリング周期においては2種類のリクエスト信号が何れもHレベルであるため、この状態は「00000000d」すなわち「00h」で表すことができる。ここで、符号d、hはそれぞれ2進表記、16進表記であることを表す。この値が第1ワードの第1セクション(ビット31〜24)の値となる。第2サンプリング周期も同様に、「00h」と表すことができ、これが第2セクション(ビット23〜16)の値となる。
第3サンプリング周期では垂直リクエスト信号VREQがLレベルとなっているので、この状態を「10000000d」すなわち「80h」で表すことができる。したがって、第3セクション(ビット15〜8)の値は「80h」となる。第4サンプリング周期では再び何れの信号もLレベルであるので、「00h」により表すことができる。以上より、第1ないし第4サンプリング周期のサンプリング結果を1ワード(32ビット長)で「00008000h」と表すことができる。このようにして、この期間の各リクエスト信号を多重化し符号化することができる。
こうして符号化されたリクエスト信号は1ワード単位のシリアル信号としてヘッドコントローラHCからメインコントローラMCへ送信される。この信号を受信したメインコントローラMCでは、上記した符号化のルールを逆向きに適用することによって、受信データ「00008000h」から、「垂直リクエスト信号VREQが第3サンプリング周期においてLレベル、他はHレベル」というサンプリング前の状態を復元することができる。以後の各サンプリング周期についても同様にすることができ、これにより、図7に示すリクエスト信号の変化パターンは、図8に示すデータ列として表されることになる。こうして、ヘッドコントローラHCは2種類のリクエスト信号を1つのシリアル信号に多重化して送信することができ、これを受信したメインコントローラMCでは元のリクエスト信号の変化を過不足なく復元することができる。
図9はメインコントローラから送信されるデータの内容を示す図である。メインコントローラMCからヘッドコントローラHCに対しては、8ビットで表されたビデオデータVDが32ビットのシリアル信号に多重化されて送信されている。32ビットデータは8ビットを単位とする4つのセクションから成っており、1つのセクションに1ドット(つまり1画素)に対応するビデオデータ(ドットデータ)が割り当てられている。同図に示す例では、第1セクション〜第4セクションには、n番目〜(n+3)番目のドットのドットデータが割り当てられており、各セクションは、形成すべきドットが上寄せか下寄せか等の位置を表す情報(2ビット)、適用されるスクリーンの種類を示す情報(1ビット)および形成すべきドットの階調値を表す情報(5ビット)から構成されている。こうして、8ビット×4ドットのビデオデータは32ビットデータとしてヘッドコントローラHCにシリアル送信される。そして、これを受信したヘッドコントローラHCでは、受信データを1セクションごとに分割することにより、ビデオデータを復元することができる。
以上のように、この実施形態では、メインコントローラMCからヘッドコントローラHCへ送られるビデオデータ、および、ヘッドコントローラHCからコントローラMCへ送られる2種類のリクエスト信号を、いずれも1つのシリアル信号として送受信している。続いて、上記の通信方式を可能とするためのハードウェア構成について説明する。
図10はメインコントローラとヘッドコントローラとの接続を示す図である。メインコントローラMCには、メイン側通信モジュール200と電気的に接続された7ピンのプラグ201(以下「ホストプラグ」という)が設けられている。また、ヘッドコントローラHCにも、ヘッド側通信モジュール(詳細は後述する)と電気的に接続された7ピンのプラグ301(以下「デバイスプラグ」という)が設けられている。そして、両プラグ間は、両端にそれぞれホストプラグ201、デバイスプラグ301と嵌合する7ピンのコネクタ701a、701bを備えた通信ケーブル700によって接続されている。
信号伝送方式には高速伝送が可能なLVDS(Low Voltage Differential
Signaling;低電圧差動伝送)インターフェースが採用されており、メインコントローラMCからヘッドコントローラHCへの送信およびその逆方向の送信にはそれぞれ2本を1組とする差動信号線が使用される。2対の信号線対のうち1対は、メイン側通信モジュール200に設けられた後述する送信用のTX+端子およびTX−端子とヘッド側通信モジュールに設けられた受信用のRX+端子およびRX−端子とをコネクタを介してそれぞれ電気的に接続する。また、もう1対は、メイン側通信モジュール200に設けられた受信用のRX+端子およびRX−端子とヘッド側通信モジュールに設けられた送信用のTX+端子およびTX−端子とをそれぞれ電気的に接続する。各信号線対はそれぞれシールドされており、シールド導体およびGND線も、信号線対を挟んでそれぞれコネクタ701a、701bに接続されている。これらのシールド導体およびGND線は両通信モジュール内で接地されている。このように、この実施形態では、メインコントローラMCからヘッドコントローラHCへのデータ送信およびヘッドコントローラHCからメインコントローラMCへのデータ送信が、1組の通信ケーブルによって双方向に行われる。
Signaling;低電圧差動伝送)インターフェースが採用されており、メインコントローラMCからヘッドコントローラHCへの送信およびその逆方向の送信にはそれぞれ2本を1組とする差動信号線が使用される。2対の信号線対のうち1対は、メイン側通信モジュール200に設けられた後述する送信用のTX+端子およびTX−端子とヘッド側通信モジュールに設けられた受信用のRX+端子およびRX−端子とをコネクタを介してそれぞれ電気的に接続する。また、もう1対は、メイン側通信モジュール200に設けられた受信用のRX+端子およびRX−端子とヘッド側通信モジュールに設けられた送信用のTX+端子およびTX−端子とをそれぞれ電気的に接続する。各信号線対はそれぞれシールドされており、シールド導体およびGND線も、信号線対を挟んでそれぞれコネクタ701a、701bに接続されている。これらのシールド導体およびGND線は両通信モジュール内で接地されている。このように、この実施形態では、メインコントローラMCからヘッドコントローラHCへのデータ送信およびヘッドコントローラHCからメインコントローラMCへのデータ送信が、1組の通信ケーブルによって双方向に行われる。
ところで、この実施形態では、上記した各信号、すなわちヘッドコントローラHCからメインコントローラMCへ送られるリクエスト信号VREQ、HREQおよびメインコントローラMCからヘッドコントローラHCへ送られるビデオデータVDが、YMCK各色に対応して4組存在する。以下では、必要に応じて各信号にハイフンおよび色を表す符号を付すことで色の区別をする。例えば、イエロー用の垂直同期信号、水平同期信号およびビデオデータはそれぞれVREQ−Y、HREQ−YおよびVD−Yと表す。
図11はメインコントローラの構成を示す図である。メインコントローラMCは、外部装置から与えられる画像形成指令に含まれる画像データに信号処理を行う画像処理部100と、メイン側通信ユニット200Uとを備えている。画像処理部100には、RGB画像データを各トナー色に対応したCMYK画像データに展開する色変換処理ブロック101が設けられている。さらに、画像処理部100には、画像データに対しスクリーン処理、ガンマ補正などの処理を行ってビデオデータVDを生成する画像処理ブロック102が設けられている。画像処理ブロック102は、垂直リクエスト信号VREQの入力をきっかけとして1ページ分の画像について信号処理を開始し、生成した1ドット毎のビデオデータを8ビットデータとして順次出力する。画像処理ブロック102のこの処理は各色について実行され、例えば、イエロー(Y)の垂直リクエスト信号VREQ−Yが入力されると、イエローYの画像について信号処理が開始されて、1ドット毎のビデオデータVD−Yが8ビットのデータとして順次出力される。
画像処理ブロック102から順次出力される、1ドット辺り8ビットのビデオデータVDは、8B10Bエンコーダ103に入力されて、8B10B変換が実行される。これにより、1ドット辺り8ビットのビデオデータVDは、1ドット辺り10ビットのビデオデータVDに変換される。この8B10B変換は、主として、シリアル信号として送信されるビデオデータVDのDCバランスを良好にするために実行されるものであり、具体的には、例えば、米国特許第4486739号明細書に記載の技術により実行することができる。この結果、図9で示した1ワード辺り32ビットで構成されるビデオデータは、8B10B変換されて、1ワード辺り40ビットのビデオデータとしてシリアル送信されることとなる。
8B10Bエンコーダ103には特殊符号挿入回路104が接続されており、この特殊符号挿入回路104は、所定個のドットデータ毎にビデオデータVDに対して特殊符号SCを挿入する。この特殊符号SCは、メインコントローラMCからヘッドコントローラHCへのシリアル送信の同期を取るためにビデオデータVDに挿入される、10ビットのデータである。こうして特殊符号SCが挿入されたビデオデータVDは、画像メモリ105に記憶される。
図12は画像メモリおよび該メモリに記憶されるビデオデータの構造を示す図である。同図が示すように、画像メモリ105の各番地は10ビットで構成されるとともに、色毎に所定個数の番地が割り当てられており、例えば、イエロー(Y)のビデオデータVD−Yに対しては番地(0x0000)〜番地(0x3FFF)が割り当てられている。各番地には、1ドット辺りのビデオデータVD(ドットデータ)が1ドット目から順番に格納されるとともに、所定個のドットデータ毎に特殊符号SCが格納されている。なお、ここでは、イエロー(Y)を代表してビデオデータVD等の構成について説明を行なったが、マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)のビデオデータVD−M,VD−C,VD−Kも、イエロー(Y)と同様の構成を有する。
次に、メイン側通信ユニット200Uの構成について説明する。メイン側通信ユニットは、色毎にメイン側通信モジュール200を有しており、このメイン側通信モジュール200を介してヘッドコントローラHCとのデータのやり取りが実行される。これらメイン側通信モジュール200−Y,200−M,200−C,200−Kの構成は互いに等しいので、ここではイエロー(Y)を代表して説明を行なうこととする。メイン側通信モジュール200−Yは、画像処理部100から出力されるビデオデータVD−Yを上記原理に基づき多重化してヘッドコントローラHCにシリアル送信する送信ブロック210と、上記原理に基づき多重化されてヘッドコントローラHCから送られてくる各色の垂直および水平リクエスト信号VREQ、HREQを受信しそれぞれ元の信号に復元して出力する受信ブロック220とを備えている。
送信ブロック210には、FIFOバッファ211、シリアライザ212および送信バッファ213が設けられているとともに、これら各部に供給されるクロックを生成するためにクロック発生部214およびPLL215が設けられている。クロック発生部214にはPLL215が接続されており、クロック発生部214で発生されたクロックがPLL215により逓倍されて、基準クロックRFCLKが生成される。この基準クロックRFCLKは、シリアライザ212および送信バッファ213に供給される。FIFOバッファ211には、クロック発生部214で生成されたクロックが直接供給される。
FIFOバッファ211は、ビデオデータVDを多重化するタイミングを揃えるために設けられおり、復元されたイエロー(Y)の水平リクエスト信号HREQを受け取ると、1ライン分のビデオデータVD−Yを画像メモリ105から読み出す。FIFOバッファ211により読み出されたビデオデータVD−Yは、シリアライザ212に入力されて、シリアル信号として送信バッファ213に送られる。送信バッファ213では、基準クロックRFCLKがビデオデータVDに埋め込まれて、つまり基準クロックがビデオデータにより変調されて、該変調信号が差動シリアル信号としてTX+、Tx−端子から出力される(データ生成送信工程)。
図13は信号線上のビデオデータを模式的に示す図である。この実施形態において、基準クロック(REFCLK)の周波数は150MHzであり、これを2分周したデータ送信クロック(ワードクロック)の周波数は75MHzである。したがって、1ワードデータの送信周期は、基準クロック周期Trefの2倍、約13.3nsecである。データ長は40ビットであるから、データ転送レートは3Gbps(bits per second)となっている。クロック成分はデータに埋め込まれており、図示したクロック信号が別途伝送されているわけではない。
送信バッファ213からは、1ドット辺り10ビットのビデオデータVD−Y(ドットデータ)が順番にシリアル出力されるとともに、特殊符号SCがドットデータVD−Yの間に挿入されてシリアル出力される。図13に示す例では、1ワードの間で、3個のドットデータVD−Y(n),VD−Y(n+1),VD−Y(n+2)がシリアル出力されるとともに、特殊符号SCがドットデータVD−Y(n),VD−Y(n+1)との間に挿入されてシリアル出力されている。この実施形態では、この特殊符号SCは、所定個のドットデータ毎にシリアル出力される。
図11に戻って、受信ブロック220の構成および動作について説明する。コントローラHCから送られてくる信号も、クロック成分が埋め込まれた差動信号である。この差動信号はRX+端子、RX−端子間に入力され、受信された40ビットシリアルデータが受信バッファ221に入力される。なお、信号に埋め込まれたクロック成分は受信クロック復調部222によって復調され、復調されたクロックに基づきデータが受信される。受信された40ビットシリアルデータはデシリアライザ223によりパラレル化される。そして、8B10Bデコーダ224により32ビットデータに直される。この32ビットデータは別途設けられた出力クロックに同期してディストリビュータ225に与えられる。
ディストリビュータ225では、32ビットデータの各ビット情報を切り出し、時系列に沿って出力することによって、2種類のリクエスト信号を復元する。このうち、垂直リクエスト信号VREQ−Yは、画像処理の開始時期を知らせるべく画像処理ブロック102に与えられる。また、水平リクエスト信号HREQ−Yは、画像メモリ105から出力されるビデオデータVD−Yを所定のタイミングで多重化させるべく、データラッチのタイミング信号としてFIFOバッファ211に与えられている。
図14はヘッドコントローラの構成を示す図である。図3に示したように、ヘッドコントローラHCは色毎に設けられているが、各ヘッドコントローラHCの構成は互いに等しいので、イエロー(Y)のヘッドコントローラHC−Yを代表して、ヘッドコントローラについての説明を以下に行なう。図14に示すように、ヘッドコントローラHC−Yは、ヘッド側通信モジュール300とヘッド制御モジュール400とを備えている。ヘッド側通信モジュール300の構成はメイン側通信モジュール200のそれと類似している。すなわち、ヘッド側通信モジュール300は、メインコントローラMCから符号化されてシリアル送信されてくるビデオデータを受信する受信ブロック320と、リクエスト信号を多重化してメインコントローラMCに送信する送信ブロック310とを備えている。メイン側通信モジュール200からシリアル信号として送信されてきたビデオデータVDは、受信バッファ321により受信される。クロック復調部322は、受信バッファ321が受信したシリアル信号に埋め込まれたクロックを復調する。受信バッファ321は、復調されたクロックに基づいてビデオデータVD−Yを受信する。この受信バッファ321による受信は、ビデオデータVDに挿入された特殊符号SCにより同期して実行される。つまり、受信バッファ321は、特殊符号SCを基点として何処から何処までの10ビットが1ドット辺りのビデオデータに相当するかを判断して、1ドット辺りのビデオデータ…,VD−Y(n),VD−Y(n+1),…のそれぞれを認識する。
こうして受信されたビデオデータVDは、デシリアライザ323により40ビットパラレルデータに変換され、さらに8B10Bデコーダ323により32ビットパラレルデータに変換される。このとき、ビデオデータVD−Yに挿入されていた特殊符号SCが抜き出されて、ビデオデータVD−Yが再構成される。再構成されたビデオデータVD−Yは、ディストリビュータ325に与えられ、ディストリビュータ325はデータを1セクションごとに分割することで1ドット辺り8ビットのビデオデータを復元しヘッド制御モジュール400に出力する。ヘッド制御モジュール400はビデオデータVDに基づいてラインヘッド29を発光させて、感光体ドラム21の表面に潜像が形成される。このように本実施形態では、ヘッドコントローラHCを有するコントロールユニットHU、ラインヘッドを有するエンジン部EG、およびエンジンコントローラECが、本発明の「画像形成部」として機能している。
ヘッド制御モジュール400は、画像形成ステーション2Yに設けられたラインヘッド29を制御するYヘッド制御ブロック410Yを備えており、このヘッド制御ブロック410YにビデオデータVD−Yは入力される。また、ヘッド制御ブロック410Yからは、所望のタイミングで垂直リクエスト信号VREQ−Yおよび水平リクエスト信号HREQ−Yがヘッド側通信モジュール300に入力されている。
ヘッド側通信モジュール300の送信ブロック310では、ヘッド制御ブロック410Y−Yから随時入力されるリクエスト信号を符号化し多重化してメイン側通信モジュール200に出力する。送信ブロック310では、FIFOバッファ311、8B10Bエンコーダ321、シリアライザ313および送信バッファ314が設けられているとともに、これら各部に供給されるクロックを生成するためにクロック発生部315およびPLL316が設けられている。クロック発生部315にはPLL316が接続されており、クロック発生部315で発生されたクロックがPLL316により逓倍されて、基準クロックRFCLKが生成される。この基準クロックRFCLKは、シリアライザ313および送信バッファ314に供給される。FIFOバッファ311には、クロック発生部315で生成されたクロックが直接供給される。
FIFOバッファ311は、リクエスト信号を多重化するタイミングを揃えるために設けられおり、2種類のリクエスト信号VREQ−Y、HREQ−Yを、8ビット×4セクションの32ビットデータとして出力する(図6参照)。この32ビットデータに対し、8B10Bエンコーダが40ビットデータに変換する。こうして得られた40ビットデータはシリアライザ313に送られ、シリアル変換されたデータが送信バッファ314に送られる。送信バッファ314は、基準クロックRFCLKに基づきクロック成分を埋め込んだ40ビットシリアルデータを差動通信線に出力する。このようにして、2種類のリクエスト信号は1つのシリアル信号に多重化されて、1対の差動通信線によって送信される。
このように上記実施形態にかかる画像形成装置は、8B10B変換後のビデオデータVDにシリアル送信の同期を取るための特殊符号SCを挿入したデータを画像メモリ105(記憶手段)に記憶する。そして、特殊符号SCが挿入されたビデオデータVDが画像メモリ105から読み出されてヘッドコントローラHC(画像形成部)にシリアル送信される。つまり、ビデオデータVDに挿入された特殊符号SCに基づいてシリアル送信を実行することで、メインコントローラMCとヘッドコントローラHCとの間におけるシリアル送信の同期が実現されている。したがって、ヘッドコントローラHCは、受け取ったビデオデータVDを正しく認識することができ、このビデオデータVDに基づいて良好に画像を形成することができる。
さらに、上記実施形態にかかる画像形成装置は画像メモリ105を有しているため、特殊符号SCが挿入されたビデオデータVDを画像メモリ105に予め記憶しておくことができる。したがって、ビデオデータVDを送信する必要が生じた場合は、既に特殊符号SCが挿入されたビデオデータVDを画像メモリ105から読み出して直ちにシリアル送信することが可能であり、高速シリアル送信をより確実に行なうことが可能となっている。
また、上記実施形態にかかる画像形成装置では、メインコントローラMCは、リクエスト信号HREQをトリガーとして、特殊符号SCが挿入されたビデオデータVDを画像メモリ105からを読み出してヘッドコントローラHCにシリアル送信している。この画像形成装置は画像メモリ105を有しているため、ヘッドコントローラHCからのリクエスト信号HREQに先立って、特殊符号SCが挿入されたビデオデータVDを画像メモリ105に予め記憶しておくことができる。したがって、リクエスト信号HREQが出た場合は、既に特殊符号SCが挿入されたビデオデータVDを画像メモリ105から読み出して直ちにシリアル送信することが可能であり、高速シリアル送信をより確実に行なうことが可能となっている。
また、上記実施形態にかかる画像形成装置では、特殊符号SCは所定個のドットデータ毎にビデオデータVDに挿入されるている。したがって、例えば温度等の装置環境が変動した場合であっても、かかる変動による影響を抑制して、メインコントローラMCとヘッドコントローラHCとの間におけるシリアル送信の同期を安定的に実現することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態のラインヘッド29は、屈折率分布型ロッドレンズアレイ296により発光素子からの光ビームを結像したが、ラインヘッド29の構成はこれに限られない。
図15および図16は、ラインヘッドの別の構成を示す図である。これらの図に示すラインヘッドでは、複数のマイクロレンズMLを有するマイクロレンズアレイMLAが感光体ドラム21の表面に対向して配置されている。このマイクロレンズアレイMLAに対向してヘッド基板294が配置されており、ヘッド基板294とマイクロレンズアレイMLAとの間には遮光部材CPが配置されている。
ヘッド基板294の裏面には、発光素子グループEMG毎にグループ化された複数の発光素子EMが設けられている。ここで、ヘッド基板294の裏面は、ヘッド基板294の2面のうち、マイクロレンズアレイMLAに対して反対側の面である。各発光素子グループEMGでは、8個の発光素子EMが長手方向LGDに千鳥上に並んでおり(図16)、各発光素子EMは有機EL(Electro-Luminescence)素子により構成されている。
マイクロレンズアレイMLAは、各発光素子グループEMGにマイクロレンズMLを対向させている。遮光部材CPは、各発光素子グループEMGからこれに対向するマイクロレンズMLに向けて導光孔CHを設けている。発光素子グループEMGから射出された光ビームは導光孔CHを抜けてマイクロレンズMLに入射して、感光体ドラム21の表面に結像される。そして、このラインヘッド29の各発光素子EMがビデオデータVDに基づいて駆動されることで、所望の画像に対応した潜像が感光体ドラム21の表面に形成されることとなる。
また、上記実施形態では、特殊符号挿入回路104によりビデオデータVDに特殊符号SCを挿入しているが、次のように構成して、ビデオデータVDに特殊符号SCを挿入することも出来る。つまり、画像メモリ105の所定の番地に予め特殊符号SCを格納しておくとともに、特殊符号SCが格納されていない番地にビデオデータを格納して、ビデオデータVDに特殊符号SCを挿入するように構成することも出来る。特に、かかる構成では、画像メモリ105の所定の番地に予め特殊符号SCが格納されている。したがって、特殊符号SCが格納されていない番地にビデオデータVDを格納するだけで、ビデオデータVDに特殊符号SCを簡便に挿入することが可能となる。
また、上記実施形態では、特殊符号SCは所定個のドットデータ毎にビデオデータVDに挿入されているが、特殊符号SCをランダムにビデオデータVDに挿入することも可能である。
さらに、上記実施形態では、YMCK4色のトナーを使用したカラー画像形成装置に本発明が適用されているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、色の種類や色数の異なる画像形成装置に対しても適用することができる。
MC…メインコントローラ、 100…画像処理部、 103…8B10Bエンコーダ、 105…画像メモリ(記憶手段)、 200U…メイン側通信ユニット、 200,200−Y,200−M,200−C,200−K…メイン側通信モジュール、 HU…ヘッドコントロールユニット(画像形成部)、 HC,HC−Y,HC−M,HC−C,HC−K…ヘッドコントローラ(画像形成部)、EG…エンジン部(画像形成部)、 29…ラインヘッド(画像形成部)、 EC…エンジンコントローラ(画像形成部)、 HREQ…水平リクエスト信号、 VREQ…垂直リクエスト信号、 SC…特殊符号
Claims (5)
- ビデオデータに基づいて画像を形成する画像形成部と、
画像信号に信号処理を施して生成した前記ビデオデータに対して8B10B変換を行なうとともに、前記8B10B変換後の前記ビデオデータを前記画像形成部に向けてシリアル送信するメインコントローラと
を備え、
前記メインコントローラは、前記8B10B変換後の前記ビデオデータに前記シリアル送信の同期を取るための特殊符号を挿入したデータを記憶手段に記憶するとともに、前記特殊符号が挿入された前記ビデオデータを前記記憶手段から読み出して前記画像形成部にシリアル送信することを特徴とする画像形成装置。 - 前記メインコントローラは、前記画像形成部からの要求信号をトリガーとして、前記特殊符号が挿入された前記ビデオデータを前記記憶手段から読み出して前記画像形成部にシリアル送信する請求項1記載の画像形成装置。
- 前記記憶手段は、各番地にデータを格納するメモリであるとともに、所定の番地に予め前記特殊符号を格納しており、
前記メインコントローラは、前記特殊符号が格納されていない番地に前記ビデオデータを格納することで、前記ビデオデータに前記特殊符号を挿入する請求項1または2に記載の画像形成装置。 - 1画素に対応するビデオデータをドットデータとしたとき、前記特殊符号は所定個のドットデータ毎に前記ビデオデータに挿入される請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 画像信号に信号処理を施して生成したビデオデータに対して8B10B変換を行なうとともに、前記8B10B変換後の前記ビデオデータを画像形成部に向けてシリアル送信するデータ生成送信工程と、
前記画像形成部において前記ビデオデータに基づいて画像を形成する画像形成工程と
を備え、
前記データ生成送信工程では、前記8B10B変換後の前記ビデオデータに前記シリアル送信の同期を取るための特殊符号を挿入したデータが記憶手段に記憶されるとともに、前記記憶手段から読み出された前記特殊符号が挿入された前記ビデオデータが前記画像形成部にシリアル送信されることを特徴とする画像処理方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007219772A JP2009051086A (ja) | 2007-08-27 | 2007-08-27 | 画像形成装置および画像処理方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016016150A (ja) * | 2014-07-09 | 2016-02-01 | 株式会社藤商事 | 遊技機 |
JP2016016148A (ja) * | 2014-07-09 | 2016-02-01 | 株式会社藤商事 | 遊技機 |
JP2016016149A (ja) * | 2014-07-09 | 2016-02-01 | 株式会社藤商事 | 遊技機 |
-
2007
- 2007-08-27 JP JP2007219772A patent/JP2009051086A/ja not_active Withdrawn
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