JP2009044985A - 水耕栽培システム - Google Patents

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Abstract

【課題】高濃度酸素水供給装置の効果をより引き出せる水耕栽培に適用できるようにすることにより、トリジェネ供給の対象となる大規模温室の総ての栽培形態に対応するとともに、人工照明を利用し野菜工場などへの適用も可能な水耕栽培システムを提供する。
【解決手段】高濃度酸素水発生手段2にて生成された高濃度酸素水が液肥供給手段2からの液肥と混合されてその混合液である水耕栽培養液が栽培床1に供給される水耕栽培システムである。高濃度酸素水発生手段2の上流側に栽培床1から残留水耕栽培養液に流出する粗めの異物を除去する一次除塵装置8を配置する。一次除塵装置8と高濃度酸素水発生手段2との間に、高濃度酸素水発生手段2に対して非通過性なって高濃度酸素水酸素装置の性能低下を来たすおそれのある一次除去装置8を通過した異物を除去する二次除塵装置9を配置した。
【選択図】図1

Description

本発明は、水耕栽培システムに関する。
近年、植物成長に必要な根からの養分、水分の吸収力を向上させるため、根域への高濃度酸素水を供給することが提案されている。この根域への高濃度酸素水の供給は、加圧ポンプで加圧タンク内に高圧空気を注入し、加圧環境下で水と気泡を混合させて、潅水中の酸素濃度を高める方法が一般的である。しかしながら、潅水装置が複雑になるとともに、加圧条件で溶存酸素濃度が変動し、長時間安定した高濃度酸素水を供給することは困難であり、思うような成果を得られていないのが実態である。
そこで、根域の成長を活性化する高濃度酸素水供給装置を使用するものが開発されている(特許文献1)。この装置は、気泡水を生成する気泡水発生装置と、気泡水発生装置にて生成された気泡水を一次的に貯蔵する気泡水貯蔵タンクとを備えたものである。
この高濃度酸素水供給装置では、飽和溶存酸素濃度よりも高い高濃度酸素水を作物の根域に供給し、これによって、夏場等、植物根域の酸素濃度が低下しやすい環境下でも、潅水中も含めて酸素欠乏状態に陥ることがなく、連続して溶存酸素濃度の高い気泡水を培地に供給することができるようにしている。
特開2006−304714号公報
前記特許文献1の装置では、真水を用いて高濃度酸素水を生成し、これと液肥の混合率を調整して、栽培する作物の培地(主として土壌またはロックウールを用いた培地あるいは露地)を対象としたものであり、水耕栽培への適用を考えた十分な対策を取れていない。すなわち、水耕栽培に使用された養液の排水中には異物や根切れなどの固形物が存在し、この養液を再循環するために、このまま高濃度酸素水発生装置に適用すると、吸気口や非溶解ガス体の放出口がつまりを生じ安定した微細気泡の生成(数ミクロン〜10数ミクロンの微細気泡)が阻害され、養液の循環により、高濃度の酸素水を安定して供給することができなくなる恐れがある。
ところで、近年、トリジェネレーションシステム(コジェネレーション設備から生産される熱、電気に加え、発生する排気ガス(二酸化炭素ガス他)も温室栽培などで有効活用するエネルギー供給システム)が開発されている。このようにトリジェネレーションシステムを利用すれば、電照による日照量の補完や二酸化炭素(CO2ガス)濃度を増加させることができる。これによって、作物の光合成の活性化を図ることができる。
しかしながら、トリジェネレーション(主に電照やCO2)供給で作物の光合成の活性化を図ったとしても、光合成で作物の成長に必要なタンパク質やでんぷん質の生成を活性化するには、根から窒素などの養分や水の吸収力を増加する必要があり、根域の成長を活性化するためには根域の酸素供給が不可欠であるが、CO2や電照にのみ傾注し、根域の活性化に対する対策が見過ごされているため、十分なトリジェネ効果が得られていない。
本発明は、上記課題に鑑みて、高濃度酸素水供給装置の効果をより引き出せる水耕栽培に適用できるようにすることにより、トリジェネ供給の対象となる大規模温室の総ての栽培形態に対応するとともに、人工照明を利用し野菜工場などへの適用も可能な水耕栽培システムを提供する。
本発明の水耕栽培システムは、栽培床と、高濃度酸素水発生手段と、液肥供給手段とを備え、高濃度酸素水発生手段と栽培床とを循環路を介して連結して、栽培床の残留水耕栽培養液が戻り液となって循環路に流出して、原水補給水と一緒に前記高濃度酸素水発生手段へ供給され、この高濃度酸素水発生手段にて生成された高濃度酸素水が液肥供給手段からの液肥と混合されてその混合液である水耕栽培養液が栽培床に供給される水耕栽培システムであって、前記高濃度酸素水発生手段の上流側に栽培床からの残留水耕栽培養液中に流出した粗めの異物を除去する一次除塵装置を配置するとともに、一次除塵装置と高濃度酸素水発生手段との間に、高濃度酸素水発生手段に対して非通過性の異物となって性能低下を来たす前記一次除去装置を通過した異物を除去する二次除塵装置を配置したしたものである。
本発明の水耕栽培システムによれば、栽培床の残留水耕栽培養液が循環路を介して高濃度酸素水発生手段に戻り、高濃度酸素水発生手段にて、この残留水耕栽培養液と原水補給水の酸素濃度を高めることができる。このため、栽培床の水耕栽培養液の酸素濃度を高い濃度に維持することができる。
また、一次除塵装置にて、比較的大きな異物を除去でき、二次除塵装置にて、高濃度酸素水発生手段を通過しない大きさの異物を除去することができる。このため、循環用ポンプや高濃度酸素水発生手段等において異物が詰まることなく、栽培床から流出した残留水耕栽培養液は循環路を介して循環する。
一次除塵装置は、ろ過材が収容されて原水補給水と残留水耕栽培養液を貯えることが可能な除塵槽を備えたものであるのが好ましい。また、二次除塵装置は、直径0.5mm以上の異物の除去が可能である除塵器を備えたものにて構成することができる。二次除塵装置は、それぞれ除塵器を有する一対の通路を有するとともに、各通路に開閉機構を設けたものが好ましい。このように、一対の通路を有し、しかも、各通路に開閉機構が設けられているものであれば、一方の通路を閉状態とすると共に、他方の通路を開状態としたり、逆に、一方の通路を開状態とすると共に、他方の通路を閉状態としたりすることができる。このため、例えば、一方の通路の除塵器が目詰まりした場合、この一方の通路を閉状態として他方の通路を開状態とすることによって、この二次除塵装置による除塵機能を間断なく発揮することができる。しかも、他方の通路を使用した除塵時に一方の通路の除塵器の洗浄を行うことができる。
高濃度酸素水発生手段は、気泡水生成装置と、この気泡水生成装置にて生成した高濃度酸素水を一時的に貯める貯蔵タンクを備え、この貯蔵タンクから高濃度酸素水を栽培床に供給するのが好ましい。この場合、一次除塵装置や二次除塵装置等に異物が詰まったりして不備が生じたとしても、貯蔵タンクから栽培床に高濃度酸素水を供給することができ、酸素濃度が低い水耕栽培養液を栽培床に供給しなくてもよい。貯蔵タンクから栽培床へ供給している間に、一次除塵装置や二次除塵装置等の洗浄(異物除去作業)を行うことができる。
本発明の水耕栽培システムでは、栽培床の水耕栽培養液の酸素濃度を高い濃度に維持することができ、栽培床にて栽培する作物の根域に対して、高濃度の酸素水(液肥と混合された混合液)を供給することができ、根域成長の活性化が確保され、養分・水分の吸収力の安定した栽培が可能となる。
ところで、水耕栽培では根域が循環する養液の中にあるため、根域への酸素供給は補給水および残留水耕栽培養液から持ち込まれる溶存酸素に依存する状況にある。このため、酸素欠乏になり易く、酸素欠乏状態となれば、根域の成長は活性化せず、根切れなどによる養液中の異物も多くなる。そこで、水耕栽培において高濃度酸素水を補給すれば、根域の成長が活性化される。しかも本発明のように、循環再利用する養液自体を高濃度酸素水供給装置に直接供給すれば、水耕栽培に使用する養液の溶存酸素濃度を飛躍的に増加する。この結果、根域の成長が活性化され、根切れがなくなり、再利用する養液中の異物が減少するとともに、根域の活性化により根からの養分吸収が旺盛となり、作物の成長が促進される。
一次除塵装置及び二次除塵装置を備えることによって、ポンプや高濃度酸素水発生手段等において異物が詰まることなく、栽培床から流出した残留水耕栽培養液は循環路を介して循環する。このため、従来は多かった根切れ等の異物が減少し、システム自体の安定運転も可能になり、高濃度酸素水発生手段による高濃度酸素水の生成能力が低下せずに効率よく、高精度に高濃度酸素水を生成することができる。しかも、高濃度酸素水発生手段やポンプの異物詰まりによる損傷等を防止でき、長期にわたって安定した運転が可能となる。また、一次除塵装置を残留水耕栽培養液と原水補給水の貯水槽の入口に設けることにより、従来多かった貯水槽の清掃や潅水系統のフィルタ清掃頻度も低下する。
このように、高濃度酸素水供給装置(高濃度酸素水発生手段)の効果をより引き出せる水耕栽培に適用できるようにすることにより、トリジェネレーションシステムを利用した大規模温室の栽培形態に対応することができるとともに、人工照明を利用し野菜工場などへの適用も可能となる。また、バックカルチャー培地やロックウール培地などに比べて、多量の循環水の再利用を可能にすることにより、増収(20%〜30%程度)及び成長促進効果が期待できる。このため、比較的小規模の野菜工場でも本発明のシステムは適用可能となる。
一次除塵装置は、水耕栽培養液を貯えることが可能な除塵槽にて構成することができ、簡単な構成にて一次除塵装置を形成することができる。しかも、この一次除塵装置は比較的大きい異物を除去できればよいので、除塵槽にて十分な機能を発揮することができる。
また、二次除塵装置は、直径0.5mm以上の異物の除去が可能である除塵器を備えたものにて構成することができる。二次除塵装置では直径0.5mm未満の異物は通過することになる。この直径0.5mm未満の異物では、高濃度酸素水発生手段による高濃度酸素水生成に悪影響を及ぼさない。このため、高濃度に維持した酸素水(液肥と混合された混合液)を栽培床に供給することができる。
二次除塵装置として、それぞれ除塵器を有する一対の通路を有するとともに、各通路に開閉機構を設けたものであれば、どちらか一方の通路を利用した除塵を行うことができ、二次除塵装置の目詰まり等による運転停止を回避でき、水耕栽培養液の栽培床への安定した供給が可能となる。
貯蔵タンクを備えているものでは、一次除塵装置や二次除塵装置等に異物が詰まっても、貯蔵タンクから栽培床に高濃度酸素水を供給することができ、作物の成長が安定する。しかも、貯蔵タンクから栽培床へ供給している間に、一次除塵装置や二次除塵装置等の洗浄(異物除去作業)を行うことができ、効率のよい運転が可能となる。
以下本発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1に本発明に係る水耕栽培システムの全体構成図を示す。この水耕栽培システムは、栽培床1と、高濃度酸素水発生手段2と、液肥供給手段3とを備える。高濃度酸素水発生手段2と栽培床1とを循環路4bを介して連結している。栽培床1は、水耕栽培用の水耕培地を保持し、水耕栽培養液が供給されるものである。なお、水耕栽培とは、養液栽培のうち固形培地を必要としないものをいう。
高濃度酸素水発生手段(高濃度酸素水供給システム)2は、気泡水生成装置5と、この気泡水生成装置5にて生成した高濃度酸素水を一時的に貯める貯蔵タンク6を備える。また、循環路4bには、加圧ポンプ7aと、このポンプ7aよりも上流側の一次除塵装置8と、ポンプ7aよりも下流側であって気泡水生成装置5よりも上流側の二次除塵装置9とを備える。
気泡水生成装置5は、ベンチュリー管やオリフィス等の絞り部に導入した水(この場合、原水補給水と残留水耕栽培養液)をその下流側の拡がり部において加圧下で溶解混合し、さらにその下流側に設けられたノズル部で混合流速を加速させることによって液体中に溶解した気体を放出させ、多数の微細気泡を含む気泡水を生成する。
図3に示すように、気泡水生成装置5は、絞り部である、のど部10が中央部に設けられたベンチュリー管11を備えている。このベンチュリー管11の下流側の拡がり部12には、のど部10のわずか下流側に、気体(大気)を流路中に混合させるための気体流入口13が形成されている。
拡がり部12の下流側には、気体流入口13から流入した気体と流路中の水とを混合する混合部14が設けられている。混合部14は、外径を加圧の程度に応じて任意に設定することができる。この例では、拡がり部12の最大径から延長した形状に設定され、この混合部14の下流側先端にノズル口15が形成されている。
この気泡水生成装置5では、導入部16に流入した水は、ベンチュリー管11ののど部10で加速され、拡がり部12で流速が遅くなり静圧が増大する。このとき、気体が流路中に流入して水と混合する。混合した気体は気泡となり混合部14内に流れ、混合部14の静圧がのど部10より高いので水に溶解していく。そして、気体が溶解された水は溶解しきらない気泡とともに混合水としてノズル口15に達する。ノズル口15では混合水の流速は再び加速されるので静圧は低くなり、水に溶解していた気体が微小気泡として放出する。さらに、溶解しきらない気泡も、ノズル口15で加速される際に、水流の乱れにより気泡のせん断、細分化現象が生じる。その結果、ノズル口15からは、溶存酸素濃度が高く、且つ大量の微細気泡が含まれる気泡水(高濃度酸素水)が出力される。すなわち、気泡水生成装置5にて生成された高濃度酸素水は配管を介して貯蔵タンク6に供給される。この貯蔵タンク6に高濃度酸素水が貯えられる。なお、この気泡水生成装置5では、飽和溶存酸素濃度よりも8%以上も高い高濃度酸素水(水道水に比べて、溶存酸素濃度で30%以上多い濃度)を得ることができる。
一次除塵装置8は、図2に示すように、砂又はフィルタ等からなるろ過材が収容された除塵槽29を備える。すなわち、上部から入った残留水耕栽培養液が、ろ過材にてろ過されてそのろ過水(水耕栽培養液)が下部から流出する。なお、除塵槽29には、異物溢流ライン29aが設けられている。また、加圧ポンプ7aの入口にはポンプ入口フィルタ26が付設され、このフィルタ26及び除塵槽29とで、一次除塵装置8と呼んでもよい。このため、一次除塵装置8としてポンプ入口フィルタ26を有さないものであってもよい。この一次除塵装置8は、比較的粗めの異物(加圧ポンプ7aが通過できない大きさの異物)を除去するものである。また、この一次除塵装置8には、原水補給路4aが接続さて、この原水補給路4aから原水補給水が供給される。
二次除塵装置9は、それぞれ除塵器20a、20bを有する一対の通路21a、21bを有し、各通路21a、21bには除塵器の前後にバルブ24a、24bおよびバルブ25a、25bを設けた開閉機構22a,22bが介設されている。除塵器20a、20bとしては、市販のロータリー式フィルタ、旋回流式フィルタ等の種々の除塵器を用いることができる。各除塵器20a、20bは洗浄水供給配管23が接続され、この洗浄水供給配管23からの洗浄水の各除塵器20a、20bへの供給にて、各除塵器20a、20bは洗浄される。この二次除塵装置9は、前記一次除塵装置8を通過した粗めの異物を除去できて、高酸素水供給手段2に対して非通過性に異物、具体的には直径0.5mm以上の異物の除去を可能としている。
開閉機構22a,22bは、それぞれ、除塵器20a、20bの上流側と下流側とに配設されるバルブ24a,25a、24b、25bからなる。このため、一方の通路21aの開閉機構22aを閉状態として、他方の通路21bの開閉機構22bを開状態とすれば、他方の通路21bを水耕栽培養液が流れることになって、この他方の通路21bの除塵器20bにてろ過される。また、他方の通路21bの開閉機構22bを閉状態とすると共に、一方の通路21aの開閉機構22aを開状態とすれば、一方の通路21aを水耕栽培養液が流れることになって、この一方の通路21aの除塵器20aにてろ過される。
また、高濃度酸素水発生手段2と栽培床1とは培養液供給配管27にて接続されている。培養液供給配管27に液肥供給手段3が接続されている。液肥供給手段3は、液肥タンク30と、このタンク30の液肥を培養液供給配管27の液肥混合器31に供給するための配管32とを備える。配管32には流量調整バルブ33が介設されている。この調整バルブ33の開閉動作、及び流量は、図示省略の制御手段にて制御される。制御手段は、例えば、マイクロコンピュータにて構成され、栽培される作物に対して、最適の液肥量となるように制御する。
図1に示す水耕栽培システムでは、栽培床1において作物に吸収されなかった残留水耕栽培養液が循環路4bを介して、高濃度酸素水供給システム2に戻る。この場合、加圧ポンプ7aを駆動させることによって、水耕栽培養液の循環が可能となる。
循環路4bを介して高濃度酸素水供給システム2に戻ってくる液は、まず、一次除塵装置8に流入する。ここで、ポンプ7aの非通過性の異物が除去される。すなわち、ポンプ7aを通過できない大きさの異物が除去される。次にポンプ入口フィルタ26を介して加圧ポンプ7aに流入し、このポンプ7aから気泡水生成装置5に水耕栽培養液が流入する。この際、二次除塵装置9を通過することになって、高濃度酸素水発生手段の非通過性の異物を除去することになる。すなわち、二次除塵装置9ではこの気泡水生成装置5を通過できない大きな異物が除去される。
気泡水生成装置5では、前記したように、高濃度酸素水が生成され、この気泡水生成装置5にて生成された高濃度酸素水は貯蔵タンク6に供給される。この貯蔵タンク6に高濃度酸素水が貯えられる。貯蔵タンク6の高濃度酸素水は送水ポンプ7bにより培養液供給配管27に送出され、この培養液供給配管27において液肥供給手段3からの液肥が混合され、この混合液が再び栽培床1に供給される。
本発明の水耕栽培システムによれば、栽培床1の残留水耕栽培養液が循環路4bを介して高濃度酸素水発生手段2に戻り、高濃度酸素水発生手段2にて、この残留水耕栽培養液の酸素濃度を高めることができる。このため、栽培床1の水耕栽培養液の酸素濃度を高い濃度に維持することができ、栽培床1にて栽培する作物に対して、高濃度の酸素水(液肥と混合された混合液)を供給することができ、根域の成長が活性化し安定した栽培が可能となる。
ところで、水耕栽培では根域が循環する養液の中にあるため、根域への酸素供給は補給水から持ち込まれる溶存酸素に依存する状況にある。このため、酸素欠乏になり易く、酸素欠乏状態となれば、根域の成長は活性化せず、根切れなどによる養液中の異物も多くなる。そこで、水耕栽培において高濃度酸素水を補給すれば、根域の成長が活性化される。しかも本発明のように、循環再利用する養液自体を高濃度酸素水供給装置に直接供給すれば、水耕栽培に使用する養液の溶存酸素濃度を飛躍的に増加する。この結果、根域の成長が活性化され、根切れがなくなり、再利用する養液中の異物が減少するとともに、根域の活性化により根からの養分吸収が旺盛となり、作物の成長が促進される。
また、一次除塵装置8にて、比較的大きな異物を除去でき、二次除塵装置9にて、高濃度酸素水発生手段を通過しない大きさの異物を除去することができる。このため、加圧ポンプ7aや高濃度酸素水発生手段2等において異物が詰まることなく、栽培床1から流出した残留水耕栽培養液は循環路4を介して循環する。このため、従来は多かった根切れ等の異物が減少し、システム自体の安定運転も可能になり、高濃度酸素水発生手段2による高濃度酸素水の生成能力が低下せずに効率よく、高精度に高濃度酸素水を生成することができる。しかも、高濃度酸素水発生手段2や加圧ポンプ7aの異物詰まりによる損傷等を防止でき、長期にわたって安定した運転が可能となる。
一次除塵装置8は、原水補給水と残留水耕栽培養液を貯えることが可能な除塵槽29にて構成することができ、簡単な構成にて一次除塵装置8を形成することができる。しかも、この一次除塵装置8はポンプを通過しない大きさの異物を除去できればよいので、除塵槽29にて十分な機能を発揮することができる。
このように、高濃度酸素水供給装置(高濃度酸素水発生手段)2の効果をより引き出せる水耕栽培に適用できるようにすることにより、トリジェネレーションシステムを利用した大規模温室の栽培形態に対応することができるとともに、人工照明を利用し野菜工場などへの適用も可能となる。また、土壌によるバックカルチャー培地やロックウール培地などに比べて、多量の循環水の再利用を可能にすることにより、増収(20%〜30%程度)及び成長促進効果が期待できる。このため、比較的小規模の野菜工場でも本発明のシステムは適用可能となる。
また、二次除塵装置9は、直径0.5mm以上の異物の除去が可能である除塵器20を備えたものにて構成することができる。二次除塵装置9では直径0.5mm未満の異物は通過することになる。この直径0.5mm未満の異物では、高濃度酸素水発生手段2による高濃度酸素水生成に悪影響を及ぼさない。このため、高濃度に維持した酸素水(液肥と混合された混合液)を栽培床に供給することができる。
一対の通路21a、21bを有し、しかも、各通路21a、21bには除塵器20a、20bの前後にバルブ24a、24bおよびバルブ25a、25bを設けた開閉機構22a、22bが設けられているものであれば、一方の通路21aを閉状態とすると共に、他方の通路21bを開状態としたり、逆に、一方の通路21aを開状態とすると共に、他方の通路21bを閉状態としたりすることができる。このため、例えば、一方の通路21aの除塵器20aが目詰まりした場合、この一方の通路21aを閉状態として他方の通路21bを開状態とすることによって、この二次除塵装置9による除塵機能を発揮することができる。しかも、他方の通路21bを使用した除塵時に一方の通路21aの除塵器20aの洗浄を行うことができる。すなわち、二次除塵装置9として、それぞれ除塵器20a、20bを有する一対の通路21a,21bを有するとともに、各通路21a,21bに開閉機構22a、22bを設けたものであれば、どちらか一方の通路を利用した除塵を行うことができ、二次除塵装置9の目詰まり等による運転停止を解除でき、水耕栽培養液の栽培床1への安定した供給が可能となる。
また、貯蔵タンク6を備えているものでは、一次除塵装置8や二次除塵装置9等に異物が詰まっても、貯蔵タンク6から栽培床1に高濃度酸素水を供給することができ、作物の成長が安定する。しかも、貯蔵タンク6から栽培床1へ供給している間に、一次除塵装置8や二次除塵装置9等の洗浄(異物除去作業)を行うことができ、効率のよい運転が可能となる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、一次除塵装置8としては、除塵槽に限るものではなく、他の除塵装置(フィルタ)を使用してもよい。また、二次除塵装置9としても一対の通路21a、21bを有するものではなくてもよい。また、高濃度酸素水発生手段2の気泡水生成装置5としては図3に示すものに限らず、他の既存の種々のタイプものを使用することができる。すなわち、酸素を含む気体と液体とを加圧下で混合できて、液体中に気体を溶解させて気泡水が生成されればよい。
なお、主として養液を再循環方式で再利用する温室栽培(自然光および自然光と人工照明補光)や野菜工場(人工照明を利用)の栽培事業者およびその施設供給者(温室メーカーおよび潅水設備メーカー)などに利用でき、その利用方法としては、現状栽培における増産を目指した潅水設備との組合せおよび大規模温室でトリジェネ栽培による増産、品質向上を目指した総合的な組合せが可能である。
温室を高濃度酸素水育成区と水道育成区とに分けてミニばらの栽培試験を行った。この場合、高濃度酸素水育成区及び水道育成区をそれぞれ高水位と低水位(標準水位)とに分けた。栽培品種としては、ミニばらを用いた。温度は常温管理、日中照度として、最大4万〜5万ルクスの照度となるように、日差しが強い時(5万ルクス以上)は遮光ネット(透過率50%)を使用して照度調整を行った。また、夜間照明は日没前から23時までと3時から日の出まで点灯した。この点灯は、蛍光灯を使用し、40W球を苗鉢10cm位の位置で点灯し、最低5000Lxを確保した。
プラスチック鉢(9cm鉢)を用い、第1ピンチ後の鉢物を使用した。液肥としては、大塚ポット肥料(大塚化学株式会社製)を用い、第2ピンチまでは、鉢重量が200gを下回れば、第2ピンチ後は鉢重量が180gを下回れば潅水する。通常水位では、鉢底から水位1cmで浸漬を10分間実施し、液肥濃度をEC2.2ds/mとし、高水位では、鉢底から水位2cmで浸漬を5分間実施し、液肥濃度をEC2.4ds/mとした。
一番花の開花日を調べて、その結果を図4に示し、開花数(1鉢当たりの平均数)を調べて、その結果を図5に示した。図4に示すように、高濃度酸素水育成区のものが水道育成区のものよりも早く、高水位のものが通常水位のものよりも早いことが分かる。図5に示すように、高濃度酸素水育成区のものが水道育成区のものよりも、また高水位のものが通常水位のものよりも潅水の施用効果が認められ、ボリューム感だけでなく、花数の多さでも見栄え感の向上が認められる。
また、根域土壌を水洗いした後、水槽に浸して根域の広がり状況を観察した。この場合も、高濃度酸素水育成区のものが水道育成区のものよりも、また高水位のものが通常水位のものよりも、大きく伸びていた。
鉢重量の変化を調べて、その結果を図6に示した。高濃度酸素水育成区のものが水道育成区のものよりも、また高水位のものが通常水位のものよりも、重量が大であることが分かる。
本発明の実施形態を示す水耕栽培システムの全体の簡略図である。 前記水耕栽培システムの要部簡略図である。 高濃度酸素水発生手段の気泡水生成装置の断面図である。 一番開花日を比較したグラフ図である。 開花数を示すグラフ図である。 栽培区の違いによる鉢重量の変化を示すグラフ図である。
符号の説明
1 栽培床
2 高濃度酸素水発生手段
4 循環路
5 気泡水生成装置
6 貯蔵タンク
8 一次除塵装置
9 二次除塵装置
20a 除塵器
20b 除塵器
21a 通路
21b 通路
22a,22b 開閉機構

Claims (5)

  1. 栽培床と、高濃度酸素水発生手段と、液肥供給手段とを備え、高濃度酸素水発生手段と栽培床とを循環路を介して連結して、栽培床の残留水耕栽培養液が戻り液となって循環路に流出して、原水補給水と一緒に前記高濃度酸素水発生手段へ供給され、この高濃度酸素水発生手段にて生成された高濃度酸素水が液肥供給手段からの液肥と混合されてその混合液である水耕栽培養液が栽培床に供給される水耕栽培システムであって、
    前記高濃度酸素水発生手段の上流側に栽培床からの残留水耕栽培養液中に流出した粗めの異物を除去する一次除塵装置を配置するとともに、一次除塵装置と高濃度酸素水発生手段との間に、高濃度酸素水発生手段に対して非通過性の異物となって性能低下を来たす前記一次除去装置を通過した異物を除去する二次除塵装置を配置したことを特徴とする水耕栽培システム。
  2. 前記一次除塵装置は、ろ過材が収容されて原水補給水と残留水耕栽培養液を貯えることが可能な除塵槽を備えたことを特徴とする請求項1に記載の水耕栽培システム。
  3. 二次除塵装置は、直径0.5mm以上の異物の除去が可能である除塵器を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水耕栽培システム。
  4. 二次除塵装置は、それぞれ除塵器を有する一対の通路を有するとともに、各通路に開閉機構を設けたことを特徴とする請求項3に記載の水耕栽培システム。
  5. 前記高濃度酸素水発生手段は、気泡水生成装置と、この気泡水生成装置にて生成した高濃度酸素水を一時的に貯める貯蔵タンクを備え、この貯蔵タンクから高濃度酸素水を栽培床に供給することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の水耕栽培システム。
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