JP2009043714A - 単純化された層構造を有する被覆導体 - Google Patents

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Abstract

【課題】超伝導体層を鋳型緩衝層に直接蒸着させることができる、簡略化された層構造を有する被覆導体の提供。
【解決手段】二軸配向組織化基板と、一般式RE2-x2+x7(ここで、Reは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Y、Tm、Yb及びLuから選択される少なくとも1種の金属であり、Bは、Zr及びHfから選択される少なくとも1種の金属であり、−0.4≦x≦+0.7である。)を有する材料から構成される鋳型緩衝層と、該鋳型緩衝層上に直接被覆され、ハイブリッド液相エピタキシーにより得られる超伝導体層とを備える被覆導体を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、単純化された層構造を有する被覆導体に関する。
一般に、被覆導体は、基板、超伝導体層及び当該基板と当該超伝導体層との間にある様々な数の緩衝層を備える多層構成を有するテープ様導体である。これらの緩衝層は、使用される材料の様々な異なる特性を補うように機能する。典型的な被覆導体構造には、いくつかの緩衝層が必要である。
現在では限定されないが、従来、被覆導体を製造するのに、次式:REBa2Cu37-xの希土類バリウム銅酸塩型超伝導体が使用されてきた。そのうちの特定の一つは、基準物:YBCO−123(ここで、この数の組合せ123は元素Y、Ba及びCuの化学両論比を表す。)により知られているものである。
このような高温超伝導体を製造する際の大きな問題の一つは、超伝導状態において限界電流密度(Jc)及び限界電流(Ic)のような高い通電特性を得るために可能な限り高くなければならない超伝導材料の結晶粒の配向又は配列である。好ましくは、超伝導体層は、結晶粒が当該層の平面に対して平行に配列し(a−b配列)、かつ、当該層の平面に対して垂直に配列した(c軸配列)二軸配向組織を有する。
二軸配向組織の品質は、典型的には、結晶学的面内及び面外粒子対粒子ミスオリエンテーション角度により表される。良好な超伝導体性能を与えるためには、当該角度は可能な限り小さくなければならない。好ましくは、この角度は、実用化するのに十分な超伝導体特性を得るためには、9°を超えるべきではない。
配向組織の程度、すなわち配向組織の鋭さは、当該層の粒子の面内及び面外配向分布関数を特定するX線回折によって決定できる。
このX線データに基づき、面内Φ(ファイ)スキャン(ΔΦ)及び面外ロッキングカーブ(Δω)の半値全幅(FWHM)の値を得ることができる。それぞれのFWHM値が小さければ小さいほど、その配向組織は鋭い。
成長すべき層の配向は、エピタキシャル成長によって達成できる。エピタキシャル成長とは、成長すべき層が、当該層が形成される基板又は層の結晶学的配向を採用する方法をいう。すなわち、成長する層の結晶学的配向は、該層が付着する下位層の結晶学的配向に直接関連する。
従って、エピタキシャル成長のためには、好適に配向した表面であってその上に付着する超伝導体層に所望の配向を与えるための鋳型として機能できるものを与えなければならない。
最も簡単な方法によれば、超伝導体層の所望の二軸配向組織を達成するために単結晶基板を使用することができるであろう。しかしながら、単結晶基板は、一般に高価であり、しかも乏しい機械的性質しか有しない。さらに、その表面積はほんのわずかに過ぎないので、実用化にとって必要な長い長さの被覆導体を大規模製造することは可能でない。
いわゆるIBAD(イオンビーム支援蒸着)方法によれば、高度に配向組織化された緩衝層が、無作為に配向された金属基板上にイオンビーム支援蒸着により蒸着し、当該緩衝層は、所望の配向組織を当該緩衝層上で成長する超伝導体層に移行させるように機能する。IBADは、特別の器具を必要とする真空蒸着技術に関する。さらに、このような真空技術では、長い長さの基板を被覆することは困難である。
さらに別の方法によれば、例えば、機械的変形、その後の再結晶焼なましによって二軸配向組織化された基板を使用する。このような方法の具体例は、RABiTs法(rolling assisted biaxially textured substrate:回転補助二軸配向組織基板)と呼ばれている。RABiTsによって得られた当該配向組織化基板上に、好適な配向組織を有する緩衝層を被覆させることができるが、これは、同様に、当該緩衝層上で成長する超伝導体層に所望の配向組織を移行させるための鋳型として機能することができる。基板として好適な金属の例は、銅、ニッケル、銀、鉄及びそれらの合金などである。
しかしながら、この二軸配向組織基板を用いた方法は、鋳型として機能する緩衝層(以下、「鋳型緩衝層」又は「鋳型」という。)と超伝導体層との間に、例えば基板材料と超伝導体層材料との化学反応を防止したり、基板の金属表面の酸化(これは金属基板の場合に特に問題となる)を妨げたりするなどのために中間緩衝層が必要となるという欠点を有する。通常は、鋳型緩衝層と超伝導体層との間に数個の異なる緩衝層が必要である。
典型的な緩衝層は酸化物であり、酸化セリウム、イットリウム安定化ジルコニア(YSZ)、チタン酸ストロンチウム、アルミン酸希土類金属及び各種希土類金属酸化物が挙げられる。
例えば、典型的なRABiTsベースのYBCO被覆導体は、NiW/Y23/YSZ/CeO2/YBCOの構造を有する。
被覆導体のための緩衝層を成長させる方法は当業者に周知であり、例えば、物理蒸着法(PVD)、例えばパルスレーザー蒸着法(PLD)、電子ビーム蒸着法及びスパッタリングのような真空方法並びに化学溶液堆積法、化学蒸着法(CVD)及び有機金属化学蒸着法(MOCVD)のような非真空蒸着方法が挙げられる。
いくつかの緩衝層が必要であることは別にして、鋳型として機能する緩衝層は、超伝導体層の望ましい高結晶方位の形成を確保するために、成長する超伝導体材料に対して細密格子が整合した高い品質でなければならない。
「細密格子整合」は、鋳型の結晶構造と、その上で成長する超伝導体層の結晶構造とが類似し、超伝導体層の所望のエピタキシャル成長を可能にするために当該鋳型の格子定数がその上で成長する超伝導体層の格子定数に近いことが必要である。
格子が十分に整合する場合にのみ、鋳型の配向組織の、その上で成長する超伝導体層への移行が生じ得る。しかしながら、通常、得られる層(ここでは超伝導体層)の配向組織の鋭さは、下位鋳型層のそれと比較して減少する、すなわち、それぞれのFWHM値が一層大きいという特定の問題がある。従って、超伝導体層の十分に鋭い配向組織を得るためには、成長する超伝導体層において失われる配向組織を補うために可能な限り鋭い配向組織を有する鋳型層が必要である。
従来技術では、緩衝層の数を減少させ、かつ、配向組織の移行を支援するために緩衝層と超伝導体層との格子整合を改善させる試みがいくつかなされている。しかしながら、これらの文献のいずれも、成長する超伝導体層組織の鋭さが下位鋳型層に対して失われることに対処していない。
例えば、欧州特許第1178129号は、非配向基板を使用したIBADによって得られたYBCO被覆導体であって、所望の配向をYBCO層に移行させるための鋳型として機能する緩衝層をイオンビーム支援蒸着で付着させたものに関する。非配向基板と、YSZから作られた第一緩衝層と、Y23から作られた第二緩衝層と、YBCO超伝導体層とから構成される被覆導体における緩衝層の数が、当該第一及び第二緩衝層を、一般式:RE2Zr27又はRE2Hf27(ここで、REはランタン及びランタノイドから選択される希土類元素である)を有する化合物から作られた緩衝層で置き換えることによって減少できることが開示されている。ここで検討したように、YSZから作られた緩衝層に関連する問題は、最終的な超伝導体層の形成に必要な熱処理の間に、超伝導体層及びYSZ層の成分の拡散が起こり得ることである。このような拡散は、Y23層を準備することによって防止される。
RE2Zr27又はRE2Hf27の反応性はYSZと比較して小さいので、拡散を防止するための追加の層を与えることは、もはや必要ではない。結果として、緩衝層の数を減少させることができる。さらに、成分Reの好適な選択によって、得られる緩衝層の格子定数を成長する超伝導体層の格子定数に調節して細密格子が超伝導体層に整合した緩衝層を得ることができることが開示されている。緩衝層の配向ずれ角度の減少を得るための当該緩衝層の蒸着パラメーターに関する議論がある。欧州特許第1178129号によれば、1000nmというかなり厚い緩衝層が必要である。
欧州特許第1178129号と同様に、米国特許第6,399,154号には、蒸着されるYBCO層に配向を移行させるために、得られる緩衝層の格子定数をYBCO層の格子定数に可能な限り近いものに調節する可能性並びにこれらの層の数を減少させる可能性を考慮して、従来から使用されているYSZ緩衝層をRE2Zr27(REZO)で置き換えることが開示されている。欧州特許第1178129号とは対照的に、米国特許第6,399,154号は、配向組織化金属基板を使用したRABiTs法に関するものであり、鋳型緩衝層をゾル・ゲル手段のような有機金属蒸着技術によって形成させている。
緩衝層上でYBCO皮膜を直接成長させることに関する言及はあるが、被覆導体における当該直接成長YBCO層の安定性については全く開示されていない。さらに、実施例では、ReZO層に加えて、さらにYSZ及びCeO2のような緩衝層を使用している。これは、T.G.Chirayil外,「Epitaxial growth of La2Zr27 thin films on rolled Ni−substrates by sol−gel process for high Tc superconducting tapes」,Physica C336(2000)63−69の結果と一致する。ここで述べたように、60nmの厚さのゾル・ゲル処理LZO緩衝層上に直接YBCOを蒸着(300nm)させようとすると、臨界温度の低下したYBCO皮膜が生じる。従って、酸化ニッケルの存在下では、基板から緩衝層にNiが拡散することを示唆する根拠がある。
S.Sathyamurthy外,「Lanthanum zirconate: A buffer layer processed by solution deposition for coated conductor fabrication」,J.Mater.Res.,第17巻,No.9,2002年9月,第2181〜2184頁は、従来から使用されている多層緩衝構造を、スケーラブル技術を使用して蒸着できる単一の緩衝層のみで置換することに関する。YBCO被覆導体(YBCO層はパルスレーザー蒸着(PLD)で蒸着されたものである)について、ゾル・ゲル処理で付着させた単一のジルコン酸ランタンLa2Zr27緩衝層を使用する結果が報告されている。基板としては、配向組織化Ni及びNi−Wテープがそれぞれ使用されている。
WO2006/015819A1は、緩衝層並びに超伝導性層を化学溶液堆積法により付着させる「全溶液方法」に関するものである。これは、超伝導性層を付着させるためにパルスレーザー蒸着(PLD)のような従来使用されてきた物理的方法を避けることを目的とするものであった。
WO2006/015819A1は、YBCO層のためのいかなる特定の蒸着方法に関しても説明していない。しかしながら、YBCO層の蒸着に対する言及に関する限りは、YBCO層も化学溶液堆積法によって得られることを明らかに示す「全溶液方法」に言及している。
J.L.Mac Manus−Driscoll外,「YBa2Cu37 Coated Conductor Grown by Hybrid Liquid Phase Epitaxy」,IEEE Transactions on Applied Superconductivity,第17巻,No.2,2007年6月,第2537〜2541頁及びA.Kursumovic外,「Hybrid liquid phase epitaxy processes for YBa2Cu37 film growth」,Superconductor Science and Technology,17(2004),第1215〜1223頁には、一方の側に単結晶基板を使用し、他方の側にRABiTSによって作られた二軸配向組織Ni基板を使用した被覆導体が検討されている。この検討されているHLPE方法は、液体BaO−CuOフラックス層を与えることが必要である。
RABiTS技術によって作られたNi基板について得られた結果に関しては、最適な方法での成長が過剰のフラックスの作用により阻害されたことが記載されている。これについて、「基板/緩衝材の分離が生じ得る…」と記載されている。しかしながら、緩衝材の分離は、配向組織の品質、つまり、成長するYBCO層に二軸配向組織を移行させるための緩衝層の安定性に悪影響を及ぼすであろう。
欧州特許第1178129号明細書 米国特許第6399154号明細書 国際公開第2006/015819号パンフレット T.G.Chirayil外,「Epitaxial growth of La2Zr2O7 thin films on rolled Ni−substrates by sol−gel process for high Tc superconducting tapes」,Physica C336(2000),p.63−69 S.Sathyamurthy外,「Lanthanum zirconate: A buffer layer processed by solution deposition for coated conductor fabrication」,J.Mater.Res.,第17巻,No.9,2002年9月,p.2181〜2184 J.L.Mac Manus−Driscoll外,「YBa2Cu3O7 Coated Conductor Grown by Hybrid Liquid Phase Epitaxy」,IEEE Transactions on Applied Superconductivity,第17巻,No.2,2007年6月,p.2537〜2541 A.Kursumovic外,「Hybrid liquid phase epitaxy processes for YBa2Cu3O7 film growth」,Superconductor Science and Technology,17(2004),p.1215〜1223
本発明は、二軸配向組織化基板を使用したRABiTs方法に関する。超伝導体層を鋳型緩衝層に直接蒸着させることができる、単純化された層構造を有する被覆導体を提供することが本発明の目的である。特に、1個の緩衝層しか必要としない被覆導体を提供することが本発明の目的である。
さらに、成長した超伝導体層の配向組織が下位鋳型緩衝層の配向組織よりも鋭い、単純化された層構造を有する被覆導体を提供することが本発明の目的である。本発明によれば、超伝導体層の配向組織は、鋳型緩衝層の配向組織よりも鋭いことが可能なので、中程度の品質の緩衝層上であっても、好適な二軸集合組織超伝導体層を成長させることが可能である。
本発明のさらに別の目的によれば、500nm以上の厚い超伝導体層、特に800nm以上の厚さを有し、当該超伝導体層の全体的な厚みにわたり良好な二軸配向組織を有する被覆導体を提供する。
さらに、このような厚い超伝導体層を経済的に妥当な短時間のうちに得るための方法を提供することが本発明の目的である。
本発明によれば、被覆導体であって、
二軸配向組織化金属基板と、
一般式RE2-x2+x7(ここで、REは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Y、Tm、Yb及びLuから選択される少なくとも1種の金属であり、Bは、Zr及びHfから選択される少なくとも1種の金属であり、−0.4≦x≦0.7である。)を有する材料から構成される緩衝層と、
該緩衝層上に直接被覆された、ハイブリッド液相エピタキシーによって得ることができる超伝導体層とを備えるものを提供する。
さらに、本発明は、二軸配向組織化金属基板とハイブリッド液相エピタキシーによって得ることができる超伝導体層とを備える複合導体において、上で定義した一般式RE2-x2+x7を有する緩衝層を使用することに関するものである。
また、本発明は、二軸配向組織化基板と、上で定義した一般式RE2-x2x7を有する材料から構成される緩衝層とを備える本発明の被覆導体の製造方法であって、超伝導体層を緩衝層上にハイブリッド液相エピタキシーによって直接被覆させる前記方法に関するものでもある。
本発明によれば、上記一般式の特定の緩衝層と、ハイブリッド液相エピタキシーによって被覆される超伝導体層とにより、該超伝導体層が追加の中間緩衝層を必要とすることなく該緩衝層上に直接被覆できる二軸配向組織化基板で被覆導体を得ることができる。従って、このような基板で製造されるこのような被覆導体の従来から使用されてきた層構造を有意に単純化させることが達成できる。
さらに、成長した超伝導体層の配向組織は鋳型緩衝層の配向組織よりも鋭いことが可能なので、緩衝層の品質に対する要求は制限が緩和され、また、このことは経済効率にも寄与する。
さらに、本発明によれば、500nm以上、特に800nm以上の厚さを有する超伝導体層を、当該超伝導体層の全体的な厚みにわたって良好な組織品質で得ることができる。ハイブリッド液相エピタキシーにより被覆されるYBCO層は、他の方法、例えばゾル・ゲル方法のような有機金属蒸着によって又はパルスレーザー蒸着などのような他の物理的及び化学的蒸着方法によって被覆されたYBCO層とは、微細構造が明らかに異なる。
本発明のさらなる利点は、有機金属蒸着(MOD)方法で緩衝層を被覆できるというものであるが、当該方法は、非真空方法であるので、真空方法よりも安くて取り扱いが容易であり、かつ、長い基板及び/又は不規則な形状の基板を簡単に被覆することが可能になる。
原則として、本発明については、好適な二軸配向組織を有するあらゆる基板が使用できる。好適な基板についての具体例は、RABiTsによって得ることができるような二軸配向組織化金属基板である。好適な金属の例は、Cu、Ni、Ag又はこれらの金属を主成分とする合金、例えば、W、Moなどから選択される少なくとも1種の合金成分を有するNi系合金である。
好適な金属及び被覆導体用の基板として使用できるようにこれらの金属を配向組織化するための方法は、当該技術分野において周知である。
本発明の鋳型は、RE227型(ここで、REは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Y、Tm、Yb及びLuから選択される少なくとも1種であり、BはZr及びHfから選択される少なくとも1種である。)の材料から作られる。
これらの原子は原子サイズが異なるので、成長する超伝導体層に対する細密格子整合を得るために、Re及びBを変えることにより格子定数を調節することが可能である。
例えば、YBCO超伝導体の成長のために格子整合を考慮すると、La2Zr27(LZO)の緩衝層が特に有用であることが分かった。
本発明によれば、緩衝材料中に存在するRE及びBの割合をRE:B比が0.75〜1.90の範囲内で化学両論的に変化させることによってさらに調節することも可能である。すなわち、本発明によれば、鋳型の材料は、化学式:RE2-x2+x7(ここで、−0.4≦x≦+0.7、好ましくは−0.3≦x≦0.3である。)を有することができる。
この場合には、格子定数に及ぼすxの変動の影響は、RE原子及びB原子のサイズ差に依存する。
RE原子及びB原子のサイズ差が小さければ小さいほど、格子定数に及ぼすA原子及びB原子の割合変動の影響は小さい。つまり、大きな効果を達成するためには、原子RE及びBは、大きな原子サイズ差を有するように選択すべきである。
RE原子の原子サイズは、0.95Å(オングストローム)〜1.2Åであり、B原子の原子サイズは0.6Åから0.8Åまで変動する。
典型的には、原子サイズ比RE:Bは、0.75〜1.90の範囲内にあるべきである。RE原子及びB原子の好適な組合せ(RE;B)についての特に好ましい例はLa/Zrである。
好ましくは、鋳型のために使用される材料は、等軸晶系で結晶化するであろう。より好ましくは、この材料は、パイロクロア、弗化物、単斜晶系型などのような構造を示すであろう。
本発明によれば、「単斜晶系型構造」とは、専ら2本の等しい軸を有し第3の軸が異なる点で、立方晶系とは異なる格子をいう。
RE−B−O相図において立方相についての位相場が拡大したRE原子とB原子との組合せが特に有用であり得る。というのは、当該相図内で好適な相の位相場が大きければ大きいほど、他の相を沈殿させることなくxの変動によってRE及びBの割合が変動する可能性が増すからである。
本発明について、本発明の緩衝層の被覆方法に関しては特に制限はない。例えば、上で言及した方法のうち任意のものを使用できる。しかしながら、コストを考慮すると、非真空技術、例えば、化学溶液法が好ましい。このような技術によって、長さの長い被覆導体を、容易にかつ適当なコストで、ケーブル及びワイヤー用途に必要な長さで得ることができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、緩衝層の基板への被覆は、有機金属蒸着/分解(MOD)により行うことができる。
MOD技術によれば、式:RE2-x2+x7の当該緩衝層のような相は、溶液からの皮膜形成性有機金属化合物を基板上に付着させることによって製造できる。ここで、RE及びBについての好適な先駆物質化合物の有機溶媒中での化学量論的混合物を使用することができる。得られた新たな皮膜をさらに乾燥させ、通常200℃〜500℃の温度で熱分解させる(有機物の燃え切り)。その後、結晶化を実施するが、この際、所望の最終酸化物皮膜の溶融温度の半分を超えない温度が特に有用であることが示された。この酸化物皮膜の成長方法は、固体状態の成長方法であり、非晶質ガラスにおける結晶化に匹敵する。
使用される先駆物質材料及び/又は溶媒などに応じて、ゾル・ゲル技術のような有機金属蒸着には様々な技術が存在し、特に先駆物質としてトリフルオル酢酸金属を使用するトリフルオル酢酸塩(TFA)方法がある。
金属酸化物皮膜を製造するためのMODは、当業者に一般的に知られており、また、MOD及びその様々な改変、例えば、ゾル・ゲル及びトリフルオル酢酸金属方法を取り扱う多数の刊行物が存在する。
さらに、MODによって、例えばゾル・ゲル技術によって得られた層は、例えば被覆導体に標準的な透過電子顕微鏡(TEM)を使用することにより、例えば粒径、多孔性、欠陥及び密度のような微細構造を考慮することで容易に特定でき、かつ、真空技術のような他の技術によって得られた層から区別できる。
本発明については、超伝導体材料として、原則的に、基準物BSCCO−2212及びBSCCO−2223により知られている希土類元素−バリウム−銅酸塩型超伝導体、ビスマス−ストロンチウム−カルシウム−銅酸塩型超伝導体又はタリウム系及び水銀系超伝導体、例えば、それぞれ、タリウム−ストロンチウム−カルシウム−バリウム−銅酸塩型超伝導体及び水銀−バリウム−ストロンチウム−カルシウム−銅酸塩型超伝導体の一つのような任意の酸化物超伝導体を使用することができる。好ましい超伝導体材料はREBCO−123(REは希土類金属である)、特にYBCO−123である。
高性能の超伝導体層のためには、高い限界電流密度Jcに加えて高い限界電流Icが望ましい。この限界電流Icは層の厚さに依存するため、高い限界電流のためには、十分に厚い超伝導体層が有利である。
既知の方法の問題は、層の厚さの増大と共にその配向組織が表面領域に関して悪化しやすくなり、その結果、厚い超伝導体層のIcが厚さの増加よりも緩やかに増大することである。
これに対して、本発明によれば、よく配向組織化された超伝導体層を1000nm以上、2000nm以上及び約4000nmまでの厚さで得ることができる。すなわち、本発明によれば、Jcは比較的厚い超伝導体皮膜についても高い状態を保持するので、厚さが増すに従ってIcがほぼ直線的に増大することになる。
さらに、本発明によれば、典型的には約50nm〜約200nmの緩衝層の厚さを使用することができる。つまり、プロセス経済に照らしても有利である比較的薄い緩衝層で十分である。
本発明によれば、驚くべきことに、HLPEと一般式:RE2x2+x7を有する本発明の緩衝層との組合せで、超伝導体層を当該緩衝層に直接被覆できることが分かった。HLPE及び緩衝層材料による被覆の特定の組合せによって、よく配向しかつ良好な超伝導性を有し、上記の利点を得ることを可能にする超伝導体層が得られる。
HLPEは周知の液相エピタキシー(LPE)を改変したものである。
LPEは、成長する皮膜又は結晶の構成元素の液相を介して基板が引っ張られ、そして核生成がエネルギー的に好都合なこの基板から出発してエピタキシャル成長が起こる、皮膜又はバルク単結晶のための成長方法である。処理温度が高いという問題がある。さらに、通常大量に存在する液相は非常に反応性であるので、これらの反応条件に耐えるのに十分に不活性である好適な基板材料を見つけることは困難である。
さらに、通常、所望の結晶構造を有する高品質の層を得るためには単結晶基板が必要となるという欠点がある。
HLPEは、LPE成長に類似するものではあるが、有意に低い処理温度しか必要とせず、さらに、薄い液相層しか必要としない。従って、液相材料と基板材料との反応性は低減する。LPEを超えるHLPEのさらなる利点は、基板に関する許容度が、よく配向した層の被覆を単結晶基板以外の基板上でも実施できる程度に高いことである。
YBCO−123層のような超伝導体層をハイブリッド液相エピタキシーによって成長させる原理についての詳細な説明は、Kursumovic A.外,「Hybrid liquid phase epitaxy processes for YBa2Cu37 film growth」,Supercond.Sci.Technol.17(2004)1215−1223に与えられており、特に方法の詳細については明確に言及されている。
一般に、HLPE成長では、超伝導体材料の被覆を始める前に、フラックス層を例えばPLD又は電子ビーム蒸着によって基板/緩衝層に蒸着させる。このフラックス層の厚さは、100nm〜1000nmの範囲にあることができる。LPEと同様に、このフラックス層は、成長する層を形成させるのに好適な組成を有する。例えば、REBCOの場合には、当該フラックス層は、Ba:Cuの組成を3:5〜3:9、好ましくは3:5〜3:7の比で有することができる。緩衝金属基板については、この比は、好ましくは3:7に近いであろう。というのは、これにより、800〜820℃程度に低い温度で処理することが可能になるからである。
フラックス層を被覆する前に、HLPEにより被覆される超伝導体材料の薄いシード層を基板上に塗布することができる。このシード層は、電子線蒸着又は他の好適な蒸着方法によって蒸着できる。シード層の厚さについて特別な制限はないが、この厚さは、典型的には50nmまでであることができる。しかしながら、緩衝材がフラックスにより少しでも分解するような場合には、このシード層が厚ければ厚いほど、その保護効果はさらに良好になる。必要に応じて、このシード層を、例えば様々な温度及び/又は様々なp(O2)で蒸着させることによって、ユニークな鋳型として機能するように調整することもできる。
その後、フラックス層が蒸着された基板を当該フラックスの融点まで加熱し、そしてこれに本質的に化学両論的な超伝導体材料を供給しつつこの温度で維持する。「本質的に化学量論的」とは、この供給物の化学両論組成に多少の許容範囲があることを意味する。
超伝導体材料の供給は、超伝導体材料より構成される目標物から超伝導体材料を蒸気又はナノ粒子の形態で供給する任意の方法、例えば、パルスレーザー蒸着(PLD)又は電子ビーム蒸着によって実施できる。次いで、超伝導体材料の層を基板/緩衝材−液界面で成長させるが、頂部での溶融フラックス層の組成は変化しない状態を保持する。
好ましくは、このフラックスは、当初はRE成分により過飽和され得る。当該RE成分は、成長する超伝導体層の成分(例えばYBCOの場合にはY)と同一であることや、熱力学的に安定な他のもの、すなわち超伝導体の成長温度よりも低い包晶温度を有するものであることができる。従って、超伝導体層の成長温度で蒸着が生じた場合には、REにより過飽和となったフラックスが蒸着状態を得るとすぐにREBCOが核生成を開始する(in situ)。或いは、フラックスの溶融温度よりも低い温度、例えば室温で蒸着が生じた場合には、フラックス層の溶融中に直ちに核生成が開始する(ex situ)。
これらの場合には、核生成及び高温超伝導体層成長が直ちに開始するので、基板/緩衝材又はシードは、露出時間が最小であるため、溶融フラックスから保護される。さらに、シード層が存在しない場合におけるREBCO核生成については、さらに高い過飽和が達成できる。この過飽和フラックス層の蒸着速度は、その溶融温度を超えて処理される場合には事実上無制限である。
このフラックス層は、気−液界面から液体−成長超伝導体層界面に供給超伝導体材料を運び、そしてこの液体から超伝導体層を成長させることを可能にする最良の機能を有する。この液体フラックスは、REに関して超伝導体材料で高度に過飽和されているので、非常に速い成長が獲得できる。これは、この液体フラックスが迅速な核生成及び成長を促進させる平衡濃度を超えて過剰の超伝導体材料を含有することを意味する。例えば、20nm/秒まで及びそれ以上の成長速度を得ることができるが、これは、一般的なLPE又はPVD成長方法で得られるよりも20倍以上速い。
以下、本発明をさらに詳しく示すために、本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照しつつ説明する。しかしながら、本発明の原理は、この特定の実施形態に限定されることなく一般的に適用できる。
図1は、HLPEによる超伝導体層成長の原理を概略的に示す。
図2は、本発明の実施例に従うYBCO層成長の状態図である。
図3は、本発明の実施例に従う被覆導体の標準X線θ−2θスキャン(シータ−2シータ)を示すグラフ図である。
YBCO−123超伝導体をLa2Zr27(LZO)の緩衝層上に被覆した被覆導体に関する具体例を参照しつつ、本発明の原理を詳細に説明する。
この例によれば、La2Zr27から構成される緩衝層は、有機金属蒸着法によって二軸配向組織化NiW基板に蒸着されている。
基板を被覆するために、それぞれLa:Zr=0.95の比、0.5molのLa濃度でプロピオン酸に溶解されたLa及びZrのアセチルアセトン酸塩溶液を使用した。この基板を当該溶液に浸漬させ、そして8m/hで抜き取った。この新たな被膜を有する基板を2000℃/hで1000℃にまで加熱し、1時間にわたって1000℃に保持し、その後2000℃/hで室温にまで冷却したが、この場合、この全加熱方法は、流動Ar/H2雰囲気中で実施した。
次いで、緩衝層上に、50nmの厚さのYBCOシード層をPLD又は他の好適な技術によって蒸着させる。シードをPLDで蒸着させるときには、その蒸着温度は、最終REBCO成長温度と同一であることができ、最適には800℃〜840℃の範囲にある。蒸着を、シード層については10〜100Paの範囲の酸素分圧及び最終REBCO皮膜成長速度の約1/5の蒸着速度で実施する。
当該シード層上に、3(BaO)−7(CuO)から構成され、かつ、10mol%のYBCOで過飽和にされたフラックス層をPLD/フレーム溶射(in-situ)により又はスクリーン印刷/コールドスプレー(ex-situ)型技術により50〜500nmの厚さで蒸着させる。
このin−situ蒸着を>100Paの酸素分圧下及び800℃〜820℃周辺の温度で実施する。フラックスの蒸着速度について明白な動力学的限界は存在しない。というのは、その唯一の要件は、REBCO成長温度で溶融(又は半溶融)していることだからである。
ex−situ方法は、in−situ方法と同一の条件下でREBCO成長温度にまで加熱することを伴う。
このフラックスが溶融(又は半溶融)するとすぐに、PLDを使用してYBCO供給を開始する。この加熱は、半加温壁型加熱アセンブリで行うが、これは、基板を電磁線によって加熱することを意味する。供給をオープンヒーターの一方の側から行う。両側の蒸着も可能であるが、ただし異なるヒーター設計が必要である。
HLPE成長を図1に概略的に示しており、この場合、符号1は基板/緩衝層であり、2は成長しつつある超伝導体層であり、3は厚さδを有する液体フラックス層であり、4はRE供給源である。
フラックスは、Y源4から、図1にも概略的に示されているYBCO原子、クラスター又はナノ粉末を介して供給される。
この実施形態のYBCO層の成長についての状態図を図2に示している。この状態図において、Y及びY23は、それぞれYO15により示されている。図2は、YBCOからYO15までの状態図の断面を示している。熱力学的原動力は、Δμ/kBTによって与えられ、かつ、蒸着温度T(図2において、Tsという。)に応じて2〜4の範囲にあるが、この場合、Δμは化学ポテンシャル変化であり、kBはボルツマン定数である。ここで、過飽和Δμ/kBTの測定値は、Δμ/kBT=ln(Cδ/Ce)によって定義され、この場合、Ce及びCδは、それぞれ、成長温度でのフラックス中におけるYO15の平衡濃度及び有効濃度である。
この実施形態によれば、YBCO成長は薄いYBCOシード層から始まり、そして20nm/秒を超える成長速度で続行する。最終的なYBCO層は、2.000nmの厚さにまで成長する。
得られた被覆導体のX線図を図3に示しており、ω(ロッキングカーブ)及びφスキャンの測定値から推定される配向組織の特性を表1にまとめている。
Figure 2009043714
X線データは、φスキャン、ロッキングカーブ及び極点図の測定を可能にする4個の円形Eulerianクレードルを有するシーメンスD5000回折計を使用して得た。
従って、本発明によれば、本発明の緩衝層上に良好な鋭さ及びかなりの厚さ、高い成長速度で超伝導体層を直接被覆することが可能である。さらに、本発明の被覆導体は、比較的厚い超伝導体層であっても高いIcを示す。
HLPEによる超伝導体層成長の原理を概略的に示す図である。 本発明の実施例に従うYBCO層成長の状態図である。 本発明の実施例に従う被覆導体の標準X線θ−2θスキャン(シータ−2シータ)を示すグラフ図である。
符号の説明
1 基板/緩衝層
2 超伝導体層
3 液体フラックス層
4 RE供給源

Claims (10)

  1. 二軸配向組織化基板と、一般式RE2-x2+x7(ここで、Reは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Y、Tm、Yb及びLuから選択される少なくとも1種の金属であり、Bは、Zr及びHfから選択される少なくとも1種の金属であり、−0.4≦x≦+0.7である。)を有する材料から構成される鋳型緩衝層と、該鋳型緩衝層上に直接被覆され、ハイブリッド液相エピタキシーにより得られる超伝導体層とを備える被覆導体。
  2. 前記鋳型緩衝層が有機金属蒸着技術によって得られた、請求項1に記載の被覆導体。
  3. YBCO層のωロッキングカーブ及びφスキャンの半値全幅についての値の少なくとも一つが前記緩衝層についてのそれぞれの値よりも小さい、請求項1又は2に記載の被覆導体。
  4. 前記超伝導体層が少なくとも800nm、好ましくは少なくとも1000nmの厚さを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の被覆導体。
  5. BがZrである、請求項1〜4のいずれかに記載の被覆導体。
  6. RE2-x2+x7がLa2Zr27である、請求項5に記載の被覆導体。
  7. 前記超伝導体層がYBCO−123材料から形成された、請求項1〜6のいずれかに記載の被覆導体。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の被覆導体の製造方法であって、超伝導体層をハイブリッド液相エピタキシーによって鋳型緩衝層上に被覆する、前記方法。
  9. 前記鋳型緩衝層を有機金属蒸着法によって二軸配向組織化基板上に蒸着させる、請求項8に記載の方法。
  10. 一般式RE2-x2+x7(ここで、REは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Y、Tm、Yb及びLuから選択される少なくとも1種の金属であり、BはZr及びHfから選択される少なくとも1種の金属であり、−0.4≦x≦+0.7である。)を有する緩衝層の、二軸配向組織化金属基板とハイブリッド液相エピタキシーにより成長する超伝導体層とを備えた被覆導体における、当該緩衝層上で成長する超伝導体層に二軸配向組織を付与するための鋳型緩衝層としての使用。
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