JP2009042389A - 用紙厚検出方法及び画像形成装置 - Google Patents

用紙厚検出方法及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】用紙の厚み条件を、簡単な構成で正確に検出することができ、且つ用紙厚の検出以外の用途にも応用可能な用紙厚検出方法及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置による画像形成動作により像担持体上に形成されたトナー像が転写される用紙の含水分量から用紙の厚みを検出する方法であって、用紙搬送路上を搬送される用紙表面と近接して対向する位置に湿度検出センサを設置し、用紙が前記湿度検出センサと対向する位置を通過している時間と、この通過時間内に前記湿度検出センサによる湿度検出によって得られる湿度の変化量とから、用紙の厚みを検出するステップを備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、用紙厚検出方法及び画像形成装置に関し、特に、トナー像が転写される用紙の含水分量から用紙の厚みを計測する用紙厚検出方法及び画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ等や、これらを備えた複合機等の電子写真方式の画像形成装置では、画像形成動作により感光体ドラム上に形成されたトナー像を転写装置により用紙(記録媒体)に転写し、定着装置により未定着のトナー像を加熱することによって溶融させ、記録媒体に定着させて外部に出力(排紙)する。これらの画像形成装置においては、用紙の厚みが転写特性や定着特性に大きく関与する。用紙の厚みが厚いほど、転写に関しては転写電流を増大させる必要があり、また定着に関しては熱量を増大させる必要がある。言い換えれば、一定の電流、熱量で転写、定着可能な用紙の種類は限られてしまう。このため、外部スイッチにより用紙の厚みを指定し転写電流と定着温度を調整したりして、定着速度を調整、対応することになる。
ところが転写工程と定着工程は、画像品質に大きく影響を及ぼす工程であり、特に画質については厳しいフルカラー複写機においては、使用する用紙の種類も多く、外部スイッチによる記録媒体の指定だけでは、高画質を維持することができない。さらには、用紙の厚みによって、用紙の反り(カール)量に違いが生じる為、定着装置通過後に用紙が熱によって反り上がり、定着装置部に巻き付いて装置内に用紙が詰まるなどの搬送不良を起こす虞もあるので、記録媒体の厚みに応じて、各プロセス条件等を設定、制御し、画像品質不良や搬送不良が生じないようにする必要もある。
また近年の画像形成装置は、複合多機能化されているものが多くあり、中でもパソコン(パーソナルコンピュータ)を通じて印刷処理を行うプリンタ機能を利用することが多い。パソコンにて設定された条件を画像形成装置に送り、その条件に基づいて装置内の制御を行い印刷する。用紙の設定もこの時行なわれることが多いが、設定するのは用紙のサイズや明らかに異なる紙種(例えば、普通紙、OHPシート、はがき、特殊紙、など)のみの設定を行い設定内容に応じて、印刷条件を変更するのが大半である。用紙の厚みについては、「厚紙」というだけの設定をする場合はあるが、その厚さが何μmなのかという条件までは設定されていない。また、組み合せて条件を設定する事も難しく、例えば、普通紙の厚紙などという条件を設定することは、設定するパラメータ数が増加する事になり、操作性が低下し、機能拡大に伴うコスト高に繋がってしまう為、あまり採用されていない。そのため、用紙の厚みに応じた画像形成条件の自動制御や用紙の搬送制御を行うために、用紙の厚みを検出する検出手段を備えた画像形成装置が、従来数多く提案されている。
例えば、以下のような従来例が提案されている。
<従来例1>
画像形成装置内に、超音波発信装置と受信装置を用紙が通過する搬送路を挟むようにして配置し、用紙の通過中に超音波を照射、用紙を透過した超音波信号を受信装置にて受信し、受信した信号の変化量によって用紙の厚みを算出する記録媒体検知装置(特許文献1参照)。
<従来例2>
画像形成装置に既設の、用紙搬送路を挟んで対向配置された搬送ローラ内に、超音波送信装置と受信装置をそれぞれ設け、用紙が搬送された際に搬送ローラが上下に動いた時の信号を検知し、検知した信号の変化に基づいて、用紙の厚さを算出している搬送ローラ、シート情報測定装置および画像形成装置(特許文献2参照)。
<従来例3>
画像形成装置に既設の、用紙搬送路を挟んで対向配置された搬送ローラに、LEDレーザーを照射し用紙が搬送された際に搬送ローラが上下に動いた時の反射信号を受信装置にて検知し、検知した信号の変化に基づいて、用紙の厚さを算出している画像形成装置(特許文献3参照)。
<従来例4>
印刷対象となる用紙の裁断面に発行素子から照射される光の反射量を受光素子で検知し、検知した信号の変化に基づいて用紙の厚さを算出している厚みセンサおよび該厚みセンサを備える画像形成装置(特許文献4参照)。
<従来例5>
搬送路中を通過する用紙に可動磁性体を当接させ、可動磁性体が作る磁界の大きさを用紙の厚みとして検出しているシート材厚さ検出装置及び画像形成装置(特許文献5参照)。
<従来例6>
所定位置の支点を軸に揺動する揺動部材を設け、この揺動部材とベース部材の間に用紙などのシート材を配置して、揺動部材の先端がシート材の表面に当接することにより、シート材の厚さに応じて揺動部材が支点を軸に揺動することから、この揺動部材の他端側の変位量から、シート材の厚さ計測している媒体厚検出装置及び画像形成装置(特許文献6参照)。
特開2004−107030号公報 特開2006−264927号公報 特開平9−34311号公報 特開2006−119027号公報 特開2001−116506号公報 特開2003−149887号公報
しかしながら、上記従来例1及び2は、いずれも超音波信号を使って、用紙厚検出を可能としているが、この検出方法を可能にする為には、超音波信号の周波数などを制御する周波数制御部、超音波信号を発信する発信部、超音波信号を受信する受信部、そして受信した超音波信号から用紙厚を決定する演算処理部からなる構成が最低限必要となり、さらに、発信部と受信部は用紙が通過する部位で且つ、用紙を挟んで対向する位置にそれぞれ設置する必要がある。画像形成装置の小型化及び、低コスト化が要求される昨今、これらの構成を用いた方法では、装置構成要素が多く、コスト高に繋がるほか、それぞれの構成部品を小さくしたとしても、用紙を挟んだ対向する位置に発信部と受信部を設置する為のスペースが2箇所必要となり、画像形成装置の小型化を阻害する要因に繋がる虞が生じてしまう。特許文献2では、既存の構成部品内(文献では搬送ローラ)に発信部と受信部を内蔵して専用の設置スペースの課題を解決しているが、この場合、用紙の通過によって搬送ローラが上下に移動し、その移動変化量を超音波信号で検出し用紙厚を求めることになるので、ローラ表面の付着物や僅かな用紙のシワや撓みが測定誤差を生じさせることになってしまうので検出精度の正確性に欠ける。また、超音波は空気を伝達媒体としているため、周囲の環境(温度や湿度、風)変化により、予期せぬ屈折や反射が起きたり、発信部又は、受信部の表面に水滴や紙粉が付着することによって、検出距離や検出領域が変化してしまうなど、検出動作が不安定になる虞がある。
また、上記従来例3及び4は、検出原理が従来例1及び2の超音波信号と光学信号の違いはあるも、装置構成などは従来例1及び2とほとんど変わらず、また光学信号も周囲環境の影響を受け易いことから、従来例1及び2と同様の課題が発生すると言える。また、結露などによって、発光素子や受光素子に水滴などが付着すると、正しく発光、受光できなくなるため、正確に検出できなくなる虞もある。さらに、発光素子側に多く用いられる、LED光源の発光強度は、累積発光時間に反して減衰する特性があるので、減衰が進行すると被測定物からの反射光が弱くなり受光素子からの出力が不安定になり、検出精度が悪化してしまう。
さらに、上記従来例5は、磁気量センサによって用紙の厚みを検知するとされているが、用紙の含水分によって磁気量が変化すると考えられるため、同じ厚みの用紙でも含水分が異なると検出値が変わってしまう虞がある。また、画像形成装置に用いられる最近の用紙は、画像品質を高めるために表面に薬剤によるコーティングがされているものや、特殊な表面処理が施されているものがあり、このような用紙に対しても磁気量は変化すると考えられ、用紙の厚みを正確に検出することは困難である。
さらに、上記従来例6は、搬送ローラ、レバー、フォトセンサ及び、搬送ローラ、光学素子の組み合せによって用紙厚を検出しているが、上記構成部材が必須条件であり、装置構成が大掛かりなため、コスト面から見るとあまり好ましくない。
また、用紙が通過した時の搬送ローラの動きによって用紙厚を検出するので、ローラ表面に付着物があると検出誤差が発生する虞がある。さらには、レバーやフォトセンサとの組み合せ構成なので、どれか一つの機能に不具合が発生すると、容易に検出誤差が発生する構成となっている為、安全性の観点から見ても、好ましい構成とは言えない。いずれにおいても検出するための装置構成が複雑であり、高価になり、用紙の厚みを検出するだけの装置としては、コストパフォーマンスが悪い。
また、用紙を連続給紙して連続印字(連続画像形成)する場合などのように、複数の用紙が用紙搬送路を連続して通過する場合には、用紙の含水分量によって画像形成装置内の環境が変化する。例えば、含水分量の多い用紙を連続して連続印字する場合には、画像形成装置内は高湿度状態となることで、加熱定着を行う定着装置などで結露が発生し、現像装置などでは、感光体ドラム表面に付着した放電生成物が水分を吸着することによってフィルミング現象が発生し、画像品質不良の原因となったりする。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、用紙の厚み条件を、簡単な構成で正確に検出することができ、且つ用紙厚の検出以外の用途にも応用可能な、用紙厚検出方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、画像形成装置による画像形成動作により像担持体上に形成されたトナー像が転写される用紙の含水分量から用紙の厚みを検出する方法であって、用紙搬送路上を搬送される用紙表面と近接して対向する位置に湿度検出センサを設置し、用紙が前記湿度検出センサと対向する位置を通過している時間と、この通過時間内に前記湿度検出センサによる湿度検出によって得られる湿度の変化量とから、用紙の厚みを検出するステップを備えることを特徴とする用紙厚検出方法である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の用紙厚検出方法において、前記湿度検出センサが用紙表面に近接した位置で、搬送される用紙表面との距離を一定に保持するためのステップを備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の用紙厚検出方法において、前記湿度検出センサが用紙表面に近接した位置で、搬送される用紙表面との距離を一定に保持するためのステップと、前記湿度検出センサと一体的に前記保持するためのステップを、搬送される用紙の搬送速度に合わせて移動させるステップを備えることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の用紙厚検出方法において、前記湿度検出センサは、センサ部を突出させるようにして用紙表面に近接させることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の用紙厚検出方法において、前記湿度検出センサのセンサ部と用紙表面との間の距離を、1mm以下に設定することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、用紙搬送路上を搬送される用紙の表面と近接して対向する位置に設置した湿度検出センサと、前記湿度検出センサから出力される湿度検出情報に基づいて用紙の厚みを計測する計測手段とを有する画像形成装置であって、前記計測手段は、用紙が前記湿度検出センサと対向する位置を通過している時間と、この通過時間内に前記湿度検出センサによる湿度検出によって得られる湿度の変化量とから、用紙の厚みを求めることを特徴とする画像形成装置である。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の画像形成装置において、前記湿度検出センサが用紙表面に近接した位置で、搬送される用紙表面との距離を一定に保持するための保持手段を備えることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項6記載の画像形成装置において、前記湿度検出センサが用紙表面に近接した位置で、搬送される用紙表面との距離を一定に保持するための保持手段と、前記湿度検出センサと一体的に前記保持手段を、搬送される用紙の搬送速度に合わせて移動させる移動手段と、を備えることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項6から8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記湿度検出センサは、センサ部を突出させるようにして用紙表面に近接させることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の画像形成装置において、前記湿度検出センサのセンサ部と用紙表面との間の距離を、1mm以下に設定することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項6から10のいずれか1項記載の画像形成装置において、画像形成装置全体の動作を制御する制御手段は、用紙が前記湿度検出センサと対向する位置を通過していない時には、前記湿度検出センサによる湿度検出によって得られる湿度値に応じて前期画像形成装置内の環境制御条件を決定することを特徴とする。
本発明によれば、用紙の厚み条件を、簡単な構成で正確に検出することができ、且つ用紙厚の検出以外の用途にも応用可能な、用紙厚検出方法及び画像形成装置を提供することができる。
以下に、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
本発明の実施例に係る画像形成装置(例えば、電子写真方式の複写機)の概略構成図を図1に示す。図1に示す本実施例に係る画像形成装置1は、像担持体としての感光体ドラム2の周囲に帯電装置3、書き込み装置(露光装置)4、現像装置5、転写装置6、クリーニング装置7が配置され、転写装置6の下流側には定着装置8が配置されている。この画像形成装置1の画像形成動作時においては、所定のプロセススピードで回転駆動される感光体ドラム2の表面を帯電装置3により一様に帯電させ、読取り装置(不図示)で読取った原稿の画像情報に応じて書き込み装置4により露光を行って静電潜像を形成した後、現像装置5のトナー(現像剤)で現像を行うことにより、トナー像が感光体ドラム2上に形成される。
そして、給紙カセット9から所定のタイミングで用紙搬送路10を通して転写部位(感光体ドラム2と転写装置6との間)に搬送される用紙Pに、転写装置6により感光体ドラム2上に担持されているトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙Pは定着装置8に搬送されて、定着ローラ8aと加圧ローラ8b間で加熱・加圧されることにより、用紙P上にトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙Pは、排紙ローラ(不図示)により外部に排出される。なお、感光体ドラム2上のトナー像が用紙Pに転写された後に感光体ドラム2の表面はクリーニング装置7のクリーニングブレード7aにより残トナーが除去されて、次の作像に供される。
そして、この画像形成装置1には、給紙カセット9の上部近傍に湿度検出センサ11が配置されており、給紙カセット9から給紙される用紙Pの湿度(水分蒸発)の検出を行う。なお、図1において、12aは給紙ローラ、12bはレジストローラである。
図2は、前記画像形成装置1の制御系を示す概略ブロック図である。図2に示すように、制御部(計測手段)13は、湿度検出センサ11から入力されるセンサ出力とメモリ14に予め記憶されている、後述する図11に示すような「環境湿度値と用紙の厚みとの関係を示すデータ」とに基づいて、給紙カセット9から給紙される用紙Pの厚みを計測(算出)する(詳細は後述する)。
画像形成装置1の動作全体を制御する制御手段としてのCPU15は、制御部13から出力される用紙Pの厚み情報に基づいて、転写バイアス制御部16、帯電バイアス制御部17、搬送制御部18、定着制御部19を制御し、用紙Pの厚みに応じて転写バイアス電位、帯電バイアス電位、用紙搬送速度、定着温度をそれぞれ制御する。また、前記CPU15は、制御部13から出力される環境湿度値に基づいて、環境制御部30を制御し、装置内に設けているファン(不図示)を回転させるファンモータ(不図示)を制御する(詳細は後述する)。
図3に示すように、湿度検出センサ11は、用紙Pの湿度(水分蒸発)を検出するセンサ部11aと、センサ部11aを電気的に接続した基板部11bとを有し、信号線22を介して基板部11bと制御部13が電気的に接続されている。湿度検出センサ11のセンサ部11aには、MEMS技術を応用した熱伝導型の湿度センサを使用し、基板部11bはセンサ部11aを固定でき、そこから電気信号が取り出すことができればなんでもよいが、一般的に利用されるガラスエポキシ材等で加工されている電子回路基板などを用いることが好ましく、センサ部11aを基板部11bに接着し、微細な金属線(不図示)にて基板部11bと接合し、信号線22を通じて制御部13に電気的に接続する。
このとき、センサ部11aが、湿度検出センサ11の構成の中で用紙Pの表面に一番近くなるよう突出した状態で装着する。これによって、用紙Pからの水分移動の流れがセンサ部11aに一番早く到達することになるので、湿度検出センサ11の構成部材(基板部11b等)によって阻害されることなく、用紙Pと周囲環境との間で起きる水分移動を良好に検出できる。
また、センサ部11aには、MEMS技術を応用した熱伝導型の湿度センサを使用することで、センサ自体の形状を数mm単位の大きさまで小さく、そして薄くでき、それに合わせて湿度検出センサ11全体も小さくできるので、狭いスペースでも設置が可能になる。
図4は、調湿された用紙Pに近接するようにして設置した湿度検出センサ11に対して、用紙Pからの水分移動を捉えた様子を示した模式図である。なお、湿度検出センサ11のセンサ部11aは、用紙表面との間の距離(間隔)が1mm以下となるようにして設定されている。図5は、図4に示した湿度検出センサ11(センサ部11a)のセンサ出力と時間との関係を示したグラフであり、高い湿度環境で調湿した用紙を、調湿環境湿度よりも低い湿度の外気環境(周囲環境)へ放置した場合に起きる用紙近傍の水分挙動を、用紙表面近傍の所定の空間で検出した状態を示したものである。
また、図6に示すように、用紙から自然蒸発する水分は一度に大量に発生するわけではく、外気環境(周囲環境)とのバランスによってゆっくり変化する傾向がある。用紙は周囲環境へ放置されると、用紙中の水分状態と外気環境(周囲環境)の水分状態との間に差が発生するため、用紙は用紙中の水分状態のバランスを保とうとして、吸収している水分を外気へ放出する。これは、図5に示すように、放出された水分の分布が時間の経過と共に形成されるためであって、所定の時間までは用紙から放出される水分が増大し、さらに、放出された水分は、外気との水分バランスを保とうとするため、次第に放出量が減っていき、検出される値が外気環境湿度(周囲環境湿度)に近づいた値となる。
この現象を用紙近傍のある所定の空間で観察すると、図5に示すように、放出した水分はある時間が経過した時刻t1で最大となる。なお、時間t0は、湿度検出センサ11(センサ部11a)と対向する位置において用紙が通過した通過時間である。
図7は、ある一定の環境下で調湿した用紙を、調湿した環境と異なる環境へ放置した時の、停止状態にて起きる水分移動の状態を示したグラフである。図7に示すように、外気環境(周囲環境)に漂う水分よりも用紙に含まれる水分が多いときは、用紙から水分が蒸発するため、検出開始時に湿度が増加し、その後、用紙の湿度変化量は減少するように変化する。そして用紙の水分状態は、外気環境(周囲環境)とのバランスを保とうとするため、次第に水分の変化量が小さくなって行き、外気環境(周囲環境)に近づいた値になっていく。
逆に、図8に示すように、外気環境(周囲環境)よりも用紙に含まれる水分が少ない場合は、周囲の水分を用紙に吸収しようとするため、検出開始時に湿度が減少し、その後、用紙の湿度変化量は増加するように変化する。そして用紙の水分状態は、外気環境(周囲環境)とのバランスを保とうとするため、次第に水分の変化量が小さくなって行き、外気環境(周囲環境)に近づいた値になっていく。なお、図7、図8において、時間t0は、湿度検出センサ11(センサ部11a)と対向する位置において用紙が通過した通過時間である。また、外気環境(周囲環境)と用紙に含まれる水分状態の差が小さい又は、ほとんど無く外気環境に馴染んでいるような場合は、湿度変化量も小さくなる。
このように、用紙の水分は、外気環境(周囲環境)によって刻々と変化していることが分かる。そしてこの変化は、用紙の厚みの違いによっても変化する。図9は、用紙の厚みによる変化の違いを表したグラフである。グラフに記載のaは、連量単位の呼称で110k紙と呼ばれる、厚みが約128μmある用紙で、bは90k紙と呼ばれる、厚さ約126μmの用紙である。さらにcは、市場で最も利用頻度の高い55k紙と呼ばれる厚さ約68μmの紙である。グラフに示す通り、厚みが厚い用紙a,bの変化量は、用紙cに比べ大きく変化するが、その後はゆっくりと外気環境と同じレベルの水分状態に近づくように変化していく。
つまり、湿度検出センサ11(センサ部11a)にて用紙と外気環境(周囲環境)との間で水分移動している水分を検知し始めてから、水分の変化量が最大に到達した後の状態変化を捉え、その変化の傾向から、用紙の厚みを把握することが可能になる。
しかしながら、この方法を用いて用紙の厚みを把握する為には、図9のグラフに示す通り、変化の最大から外気環境に戻っていく経過状態を見る必要がある為、ある程度の時間(数十秒)が必要となる。この方法を画像形成装置に適用した場合、例えば、印刷が開始される搬送中の用紙の厚みを検出しようとした場合、移動中の用紙を検出部で一時的に停止させ検出を行い、検出完了後、再び移動させるなどの考慮が必要となってしまう為、印刷時間が無駄に増えてしまうので印刷処理効率が悪化してしまう。本考案では、検出時の変化の最大に到達してから、数秒経過した後の変化状態から、最終的な変化傾向を予測し、用紙の厚みを検出することで印刷処理の効率低下を回避する。
図9の時間軸を縮小して、変化の開始部分を観察すると、ある経過時間(変化開始から約10秒前後)の変化傾向は、線形的に変化しており、その後、非線形的な曲線を描いて変化していることがわかる。この線形的に変化している部分に注目し、用紙の厚み違いによる変化傾向を観察したものが図10である。例えば、図10は、図9に記載の厚みが約68μmの用紙cを湿度が11%RH,60%RH,75%RHにそれぞれ設定された環境の中で調湿され、調湿された状態から20%RHの外気環境へ放置した際の用紙近傍の湿度変化量が最大に到達してから、1秒経過するまでを100ms間隔で取得した値をグラフで表している。このときの温度は全ての環境において23℃である。
また、図11は、同一の条件で調湿された図10を図9と同様の表示範囲にしたグラフである。図10に示す通り、同じ厚みであっても、用紙の調湿状態と外気環境条件によって変化するレベルが異なるが、時間経過と共に変化していく変化量の割合は、同じになっていることが解る。すなわち、外気環境と用紙の水分状態の差によって、変化する値や向きは異なるが、その変化の傾向は同じとなることから、用紙の近傍湿度の変化量が最大に到達してから数秒後までの変化傾向の状態のみを見ることで、用紙の厚みを推測することが、図11のグラフからも可能と判断できる。
以上のように、用紙表面と用紙表面に近接した外気環境(周囲環境)との間で行なわれる、用紙から自然蒸発する水分、及び自然吸着する水分移動の状態の最大変化とその後の変化傾向(湿度変化の変化開始からその変化が最大に到達してから、変化開始時の状態に戻っていく特性の、前記特性の最大に到達してから、変化開始時の状態に戻っていく、任意の時間における変化勾配)を検出することによって、用紙の厚みを特定することが可能となる。また、周囲環境(温度、湿度、風)の影響を受ける事なく、用紙の厚みを正確に検出することができる。
次に、本実施例における用紙厚計測方法について図12に示すフローチャートを参照して説明する。まず、湿度検出センサ11(センサ部11a)と対向する位置に用紙がない場合の環境湿度値を取得(計測)する(ステップS1)。そして、湿度検出センサ11(センサ部11a)と対向する位置に用紙があるときに、再度、用紙検出湿度値を取得(計測)する(ステップS2)。そして、制御部12により、前記環境湿度値と前記用紙検出湿度値を減算して湿度変化分1を算出する(ステップS3)。そして、ステップS4において、ステップS3の処理が1回(n=1)の場合(ステップS4:YES)は、2回目の用紙検出湿度値を取得(計測)し、前記環境湿度値と前記2回目の用紙検出湿度値を減算して湿度変化分2を算出する(ステップS5、S2、S3)。
そして、ステップS4において、n>1の場合(ステップS4:NO)にはステップS6に進む。ステップS6において、算出した前記湿度変化分1と前記湿度変化分2を比較し、|湿度変化分1<湿度変化分2|の場合(ステップS6:NO)に、検出時点の最大値に到達していないと判断できるので、再度、用紙検出湿度値を取得し、前記同様に湿度変化分3を算出して前記湿度変化分2と比較する(ステップS7、S8、S2、S3、S4)。なお、ステップS6おいてx=湿度変化分、ステップS7、S8においてy=比較回数、z=比較規定数である。ステップS7、S8において、比較回数yを規定しておき、比較回数y=比較規定数zとなった場合は、その時点の値を最大変化値と判断する。
そしてこれらの処理を、|湿度変化分x(n−1)>湿度変化分x(n)|になるまで繰り返し(ステップS6:YES)、最大変化値を求める。そして、ステップS6で得られた変化量の最大値となった値x(n)を、取得(ステップS9)し、以降の変化状態をステップS10におけるh=配列 a=変数へ、一定間隔の時間経過をおいて計測を変数a>規定回数kになるまで繰り返し(ステップS11:Yes)行い、ステップS9にて取得した最大変化値と、ステップS10にて取得した値から、変化の傾きを求め(ステップS13)、図11に示したグラフの傾きと一致する用紙の厚みを求める(ステップS14)。
このように、用紙の厚みを正確に計測することができるので、CPU15は、制御部13から出力される用紙の厚み情報に基づいて、転写バイアス制御部16、帯電バイアス制御部17、搬送制御部18、定着制御部19を制御し、用紙の含水分量に応じて転写バイアス電位、帯電バイアス電位、用紙搬送速度、定着温度をそれぞれ適切に制御することができる。
本実施例では、図13に示すように給紙カセット9と転写装置6との間の用紙搬送路10近傍に前記した湿度検出センサ11が配置されており、給紙カセット9から用紙搬送路10を通して搬送される用紙Pの厚みの計測を行う。他の構成や方法は実施例1と同様であり。重複する説明は省略する。
図14(a)、(b)に示すように、湿度検出センサ11は、保持手段としての一対のガイドローラ20a、20bを回転自在に支持した棒状のシャフト21の中間部に用紙Pと所定の間隔を設けて対向するようにして用紙搬送路10付近に設置されている。各ガイドローラ20a,20bは、搬送される用紙Pの表面に当接して、湿度検出センサ11と用紙Pの表面との間の距離を常に一定に保持している。湿度検出センサ11のセンサ部11aは、用紙表面との間の距離(間隔)が1mm以下となるようにして設定されている。
また、センサ部11aには、MEMS技術を応用した熱伝導型の湿度センサを使用することで、センサ自体の形状を数mm単位の大きさまで小さくでき、それに合わせて湿度検出センサ11全体も小さくできるので、狭いスペースでも設置が可能になる。さらに、センサ部11aの両側に位置するようにして各ガイドローラ20a、20bをシャフト21に回転自在に設けて、用紙Pを部分的に押さえつけることによって、センサ部11aと用紙Pとの距離が常に一定に保たれるようになっており、かつ用紙Pとセンサ部11aとの衝突を防止することができる。
ガイドローラ20a、20bと湿度検出センサ11(センサ部11a)との距離が近すぎると、用紙Pと周辺環境との間で起きる、水分移動の妨げになる虞があるので、ある程度離して設置することが好ましいが、離しすぎると用紙Pが湾曲して、センサ部11aとの距離を一定に保てなくなるほか、用紙Pがセンサ部11aに引っかかって搬送不良を起こす可能性がある。そのため、湿度検出センサ11(センサ部11a)から30〜50mm程度離れた位置に各ガイドローラ20a、20bを設置するのが好ましい。
図15は、特定の湿度環境で調湿した用紙を、湿度検出センサ11(センサ部11a)と一定の距離を保って移動させ、任意の通過位置で1秒毎における湿度変化量(水分移動)と、この用紙を固定(停止)させたときの1秒毎における湿度変化量(水分移動)とを示すグラフである。なお、この場合の用紙搬送条件としては、用紙が湿度検出センサ11(センサ部11a)を通過する速度が210mm/secであり、使用した用紙は、同じ環境で調湿されたA4サイズの用紙である。
図15の結果から明らかなように、用紙が湿度検出センサ11(センサ部11a)を通過するときに、湿度変化量(水分移動)が変化する状態を確認することができる。移動する用紙の湿度変化量の値と固定(停止)されている用紙の湿度変化量の値とを比較すると、時間経過とともに固定(停止)されている用紙に起きている水分移動の状態変化が移動時にも同様の時間経過で起きていることが分かる。しかしながら、図15に示すように、移動する用紙の湿度変化量の検出において、最初に湿度検出センサ11(センサ部11a)を通過する際に、この用紙の持つ水分状態を示す水分変化の最大値(図15のAの部分)を検出することができていない。
この問題は、湿度検出センサ11(センサ部11a)を用紙表面の限りなく近い距離(1mm以下)に配置することで検出感度を上げ、さらに、センサ部11aに、数msec単位の高速応答による湿度計測を行うことが可能な、MEMS技術を応用した熱伝導型の湿度センサを採用し、検出感度と応答速度を向上させることによって解決することができる。その測定方法は、雰囲気ガスの熱伝導率が、水蒸気の濃度(湿度)に応じて変化することを利用したものである。
図16は、用紙表面からの計測距離(用紙表面とセンサ部11aとの間の距離)の違いによる、湿度変化量(検出変化量)の差を示したグラフである。図16に示すように、用紙表面に対して計測距離が3mmや5mmの場合には、室内環境との差はほとんど見られず、用紙からの水分移動(湿度変化量)を捉えることができていない。また、2mmの場合には、室内環境との差は見て取れるが変化量が小さいため、本来の水分移動状態変化が元々小さい場合は捉えることはできないと考えられる。
水分が蒸発する際、その蒸発が開始される位置から、水分(水蒸気)移動が線形的に行なわれている拡散層と呼ばれる領域が存在するとされている。例えば、水が張られた水面の場合、水は定常的に定量の水蒸気移動が可能なので、拡散層の厚さは風などの影響がない時には水面から垂直方向に10mm程度の高さ領域まで存在が可能で、風の影響があっても2〜3mm位までは問題ないとされている。しかし用紙の場合、まず用紙の持つ水分量が周囲環境によって変化し、さらに用紙の厚さによっても変化する為、定常的な水蒸気移動にはならずまた、水蒸気量も一定ではない為、微量な水分の場合、拡散層の厚さ領域は小さくなる。さらに、用紙の水分状態と周囲環境とのバランス状態によっては、周囲環境の水分を用紙へ吸収してしまう逆の水分移動が起こる。この場合も拡散層は存在すると考えられ、このときの領域の厚さが用紙と周囲環境の場合、1mm以下の領域となっている為、1mmを超えると非線形的な動きに変化してしまい、周囲環境の影響を受け易くなり、正確な値が取得できなくなると考えられる。
従って、同じ条件であっても、水分移動(絶対湿度変化量)状態変化を一番大きく正確に捉えられることができる、用紙表面から1mm以下となる空間にセンサ部11aを配置することが最も好ましく、これにより用紙と周囲環境との間で起きる水分移動(湿度変化量)を精度よく高速、高感度で捉えることが可能となり、用紙がセンサ部11aを通過している間に水分状態変化の最大値を捉えることが可能となる。
また、湿度検出センサ11のセンサ部11aと対向する位置を用紙が通過している間の時間をより正確に把握するため、センサ部11a付近に用紙が通過している際に反応する電気的なスイッチ(不図示)を設けて、用紙通過によりスイッチがONしている間に検出を行い、このスイッチON期間に取得した変化傾向から求めてもよい。なお、使用するスイッチは、用紙の存在を検出することが可能な光反射型のフォトセンサスイッチや低負荷でオン、オフ可能なマイクロスイッチなどが最も好ましい。
このように、搬送される用紙の厚みを正確に計測することができるので、図2に示した画像形成装置のCPU15は、制御部13から出力される用紙の含水分量情報に基づいて、転写バイアス制御部16、帯電バイアス制御部17、搬送制御部18、定着制御部19を制御し、用紙の含水分量に応じて転写バイアス電位、帯電バイアス電位、用紙搬送速度、定着温度をそれぞれ適切に制御することができる。
図17(a)は、本発明の実施例3に係る湿度検出センサの設置構造を示す概略平面図、図17(b)は、その側面図である。図17(a)、(b)に示すように、本実施例では、湿度検出センサ11は、保持手段としての薄板状のセンサ取付部材23の先端側の背面(用紙搬送路側)に固着されるようにして用紙搬送路(不図示)付近に設置されており、センサ取付部材23は、棒状のシャフト21の中間部に回動自在に挿通されている。センサ取付部材23の基端側には、センサ取付部材23の側面に沿って用紙搬送路(不図示)を移動する用紙Pと先端部が当接自在な棒状のガイド部材23aが一体的に設けられている。ガイド部材23aはセンサ取付部材23よりも短く、かつセンサ取付部材23よりも下方側に位置するようにして配置されている。図17(a)、(b)において、図の左側(矢印方向側)が用紙Pの搬送方向である。なお、湿度検出センサ11の構成は、前記実施例2と同様である。
そして、前記した本実施例に係る湿度検出センサ11の設置構造によれば、用紙搬送路(不図示)上を用紙が移動する際に、ガイド部材23aの先端部が用紙Pの表面に当接することにより、シャフト21に回動自在に挿通されているセンサ取付部材23の先端側が上方側へ回動し、湿度検出センサ11が用紙Pの表面から所定の距離を設けて保持される。本実施例では、ガイド部材23aとセンサ取付部材23の形状と角度が、湿度検出センサ11のセンサ部11aと用紙Pの表面との間の距離が1mm以下となるよう設定されている。
ガイド部材23aの先端は、用紙Pに擦られながら接触することにより用紙Pを傷つけないよう丸みを帯びた形状にすることが望ましい。また、シャフト21に回動自在に挿通されているセンサ取付部材23は、摩擦力(摩擦係数)を小さくして軽い力で回動するようにする。更に、センサ取付部材23の重量を軽くすることによって、より低負荷での動作が可能になるので、センサ取付部材23はプラスチック材を用いて形成することが好ましい。
これにより、湿度検出センサ11と対向する位置を移動中の用紙の挙動に変化が生じても用紙の動きに合わせて、センサ取付部材23とガイド部材23aが用紙に対して上下し、用紙表面とセンサ部11aとの距離が常に一定に保たれるようになり、かつ用紙の動きに合わせて上下するので、用紙に衝突するようなことが起きることがない。更に、用紙を押さえつけることなく用紙の含水分量を計測することが可能なので、用紙を押さえつけることができずある程度の用紙挙動変化がある場所においても良好に用紙の厚みを計測することができる。
図18(a)は、本発明の実施例4に係る湿度検出センサの設置構造を示す概略平面図、図18(b)は、その側面図である。なお、図17(a)、(b)に示した実施例3と同一機能を有する部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図18(a)、(b)に示すように、本実施例では、用紙搬送路(不図示)の両側の上方側に一対のスライドガイド部材24a、24bを設置して、各スライドガイド部材24a、24bに設けた用紙搬送方向に沿った溝部24cにシャフト21の両端部を移動自在に配置し、更にシャフト21を用紙搬送方向に沿って移動させる、モータ25が連結されている駆動ベルト26が設置されている。
このように、スライドガイド部材24a、24b、溝部24c、モータ25、駆動ベルト26により、湿度検出センサ11を固着したセンサ取付部材23(ガイド部材23a)を移動させる移動手段が構成されている。なお、図18(a)、(b)において、図の左側(矢印方向側)が用紙Pの搬送方向である。
また、図18(b)に示すように、用紙搬送路(不図示)に搬送される用紙Pを間にして、スライドガイド部材24a、24bと反対側には、用紙Pの通過を検知するフォトセンサ27が設けられており、用紙Pがスライドガイド部材24a、24b近くまで搬送されたときに、フォトセンサ27が用紙Pを検知すると、モータ25が用紙Pの移動速度に合わせた回転数で回転し、それに応じて回動する駆動ベルト26により、湿度検出センサ11が取り付けられたシャフト21が溝部24cに沿って、用紙の搬送速度に合わせて移動する。
なお、用紙Pの通過を検知する検知手段は、フォトセンサ27以外にも用紙を検知することが可能であればなんでもよく、例えば、機械的に動作するスイッチなどでもよい。これにより、用紙の挙動に合わせて湿度検出センサ11を固着したセンサ取付部材23が上下し、用紙表面とセンサ部11aとの距離が常に一定に保たれるようになり、かつ用紙の移動速度に合わせて湿度検出センサ11が移動することが可能となるので、サイズの小さい用紙(A6、B6)を検出する場合や、用紙の移動速度が高速な場合でも用紙厚を検出するための必要な時間を十分に確保することが可能となる。
用紙搬送路を搬送される用紙の上下の挙動がほとんど発生しないような場合には、図19に示すように、用紙Pが搬送される用紙搬送路10の上方に設置した薄板状のセンサ取付部材28の背面側(用紙搬送路側)に前記湿度検出センサ11を固着してもよい。なお、図19において、図の左側(矢印方向側)が用紙Pの搬送方向である。この場合も、湿度検出センサ11のセンサ部11aと用紙Pの表面との距離が1mm以下となるように、センサ取付部材28と用紙搬送路10との間の距離を調整する。
用紙を連続給紙して連続印字(連続画像形成)する場合などのように、複数の用紙が用紙搬送路を連続して通過する場合には、用紙の含水分量によって画像形成装置内の環境が変化する。そこで、本実施例では、用紙が湿度検出センサ11と対向する位置を通過していない時には、湿度検出センサ11による湿度検出によって得られる値に応じて、画像形成装置内の環境制御条件を決定するようにした。
本実施例における動作を、図20に示すフローチャートを参照して説明する。まず、ステップS41で、画像形成装置の電源がオン状態になった時(電源がオンされたとき)かそうでない時かの判断を行い、電源がオンされた時の場合は(ステップS41:YES)、そのときの環境湿度値を取得し、その環境湿度値を用いて環境制御を行う(ステップS42)。
具体的には、図2に示した制御系において、制御部13は、湿度検出センサ11からのセンサ出力に基づいて装置内の環境湿度値を取得する。そして、CPU15は、制御部13から出力される環境湿度値に基づいて環境制御部30を制御し、装置内に設けているファン(不図示)を回転させるファンモータ(不図示)を制御する。これにより、所定の回転数で回転するファン(不図示)による気流によって装置内の環境が制御される。
次に、電源がオンされた時ではなく(ステップS41:NO)、印字動作(画像形成動作)が開始された時かそうでない時かを判断し(ステップS43)、印字動作が開始されている場合は(ステップS43:YES)、用紙が湿度検出センサ11と対向する位置を通過中かどうか判断する(ステップS44)。ステップS44で、用紙が湿度検出センサ11と対向する位置を通過中の場合は(ステップS44:YES)、実施例1の図12に示したフローチャートのステップS2の処理(用紙検出湿度値の取得)を行い、以降は、フローチャートの次のステップと同様の処理を実行する。
また、ステップS44で用紙が湿度検出センサ11と対向する位置を通過していない場合(ステップS44:NO)、ステップS43で印字動作が開始されていない時(ステップS43:NO)、およびステップS42で装置内の環境制御を行った後においては、実施例1の図12に示したフローチャートのステップS1の処理(用紙がない時の環境湿度値の取得)を行い、フローチャートの次ステップと同様の処理を実行する。
なお、用紙の湿度検出センサ11と対向する位置の通過の判断は、例えば、湿度検出センサ11と対向する位置を通過するときに反応する電気的なスイッチを設けることで行うことができる。また、用紙通過の合間における環境湿度の検出については、毎回検出する必要はなく、連続印字枚数を規定して、規定された枚数が印字された後の用紙通過の合間における環境湿度を検出するようにしてもよい。
なお、前記した各実施例では画像形成装置のトナー像が転写される用紙の厚み検出について説明したが、これ以外にも、例えば紙の抄紙工程や食用の乾燥海苔の製造工程等において、これらの厚みを計測する場合においても、同様に本発明を適用することが可能である。また、用紙表面と近接して対向する位置に配置した湿度検出センサによる湿度検出によって得られる、湿度変化の変化開始からその変化が最大に到達する特性の、前期特性の最大に到達するまでに要した時間と最大変化量とから、用紙の含水分量を求める用紙水分量計測方法と組み合せて使用することにより、用紙の含水分と用紙厚を同時に検出することが可能となり、それらの検出値に応じた制御も可能になる。
以上各実施例を用いて説明したように、本発明によれば、用紙表面と近接して対向する位置に設置した湿度検出センサによる湿度検出によって得られる、湿度変化の変化開始からその変化が最大に到達してから、変化開始時の状態に戻っていく特性の、前記特性の最大に到達してから、変化開始時の状態に戻っていく、任意の時間における変化勾配から、用紙の厚みを検出する、ことにより、周囲環境(温度、湿度、風)の影響を受ける事なく、用紙の厚みを正確に検出することができる。
また、用紙が湿度検出センサと対向する位置を通過している時間と、この通過時間内に湿度検出センサによる湿度検出によって得られる湿度の変化量とから、用紙の含水分量を求めることにより、搬送されている用紙の厚みを短時間で正確に検出することができる。
また、湿度検出センサが用紙表面に近接した距離で、搬送される用紙表面との距離を一定に保持するための保持手段を有しているので、周囲環境の影響を受ける事なく用紙の厚みをより正確に検出することができる。
また、湿度検出センサが用紙表面に近接した距離で、搬送される用紙表面との距離を一定に保持するための保持手段と、湿度検出センサと一体的に前記保持手段を、搬送される用紙の搬送速度に合わせて移動させる移動手段とを有しているので、用紙の厚みをより正確に検出することができる。
また、湿度検出センサのセンサ部を突出させるようにして用紙表面に近接させることにより、用紙の厚みをより正確に検出することができる。
また、湿度検出センサのセンサ部と用紙表面との間の距離を1mm以下に設定することにより、周囲環境の影響を受ける事なく、用紙の厚みをより正確に検出することができる。
また、連続印字時における用紙と用紙の合間や画像形成装置の電源オン時などにおいて、用紙が湿度検出センサと対向する位置を通過していない時の湿度検出センサによる湿度検出によって得られた湿度値から画像形成装置内の環境を把握することができるので、得られた湿度値に応じて画像形成装置内の環境を制御することによって、画像形成装置内を最適な画像形成制御状態に保つことができる。
尚、各図のフローチャートに示す処理を、CPUが実行するためのプログラムは本発明によるプログラムを構成する。このプログラムを記録する記録媒体としては、半導体記憶部や光学的及び/又は磁気的な記憶部等を用いることができる。このようなプログラム及び記録媒体を、前述した各実施例とは異なる構成のシステム等で用い、そこのCPUで上記プログラムを実行させることにより、本発明と実質的に同じ効果を得ることができる。
以上、本発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明の実施例に係る画像形成装置を示す概略構成図である。 本発明の実施例に係る画像形成装置の制御系を示すブロック図である。 本発明の実施例に係る湿度検出センサを示す図である。 本発明の実施例に係る湿度検出センサが用紙からの水分移動を捉えている様子を示す模式図である。 本発明の実施例に係る湿度検出センサのセンサ出力と時間との関係を示した図である。 本発明の実施例に係る用紙の絶対湿度変化量と時間との関係を示した図である。 本発明の実施例に係る調湿した用紙(周囲環境に漂う水分よりも含水量が多い用紙)を、調湿した環境と異なる環境へ放置した時の水分移動の状態を示した図である。 本発明の実施例に係る調湿した用紙(周囲環境に漂う水分よりも含水量が少ない用紙)を、調湿した環境と異なる環境へ放置した時の水分移動の状態を示した図である。 本発明の実施例に係る用紙厚の違いによる湿度変化の関係を示した図である。 本発明の実施例に係る用紙の調湿条件と湿度変化の関係を示した図である。 本発明の実施例に係る用紙厚の違いによる湿度変化の関係の時間軸を縮小した図である。 本発明の実施例に係る用紙の水分量計測方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例に係る画像形成装置を示す概略構成図である。 (a)は本発明の実施例2における湿度検出センサの設置構造を示す正面図、(b)はそのA−A線断面図である。 用紙を移動させた時と固定した時における湿度変化量と時間との関係を示した図である。 湿度検出センサと用紙との距離を変化させた時における湿度変化量と時間との関係を示した図である。 (a)は本発明の実施例3における湿度検出センサの設置構造を示す平面図、(b)はその側面図である。 (a)は本発明の実施例4における湿度検出センサの設置構造を示す平面図、(b)はその側面図である。 本発明の実施例5における湿度検出センサの設置構造を示す側面図である。 本発明の実施例6における動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 画像形成装置
2 感光体ドラム
3 帯電装置
4 書き込み装置(露光装置)
5 現像装置
6 転写装置
7 クリーニング装置
8 定着装置
9 給紙カセット
10 用紙搬送路
P 用紙
8a 定着ローラ
8b 加圧ローラ
7a クリーニングブレード
11 湿度検出センサ
12a 給紙ローラ
12b レジストローラ
13 制御部(計測手段)
14 メモリ
15 CPU
16 転写バイアス制御部
17 帯電バイアス制御部
18 搬送制御部
19 定着制御部
30 環境制御部
20a、20b ガイドローラ
21 シャフト
22 信号線
23、28 センサ取付部材
23a ガイド部材
24a、24b スライドガイド部材
24c 溝部
25 モータ
26 駆動ベルト
27 フォトセンサ

Claims (11)

  1. 画像形成装置による画像形成動作により像担持体上に形成されたトナー像が転写される用紙の含水分量から用紙の厚みを検出する方法であって、
    用紙搬送路上を搬送される用紙表面と近接して対向する位置に湿度検出センサを設置し、用紙が前記湿度検出センサと対向する位置を通過している時間と、この通過時間内に前記湿度検出センサによる湿度検出によって得られる湿度の変化量とから、用紙の厚みを検出するステップを備えることを特徴とする用紙厚検出方法。
  2. 前記湿度検出センサが用紙表面に近接した位置で、搬送される用紙表面との距離を一定に保持するためのステップを備えることを特徴とする請求項1記載の用紙厚検出方法。
  3. 前記湿度検出センサが用紙表面に近接した位置で、搬送される用紙表面との距離を一定に保持するためのステップと、
    前記湿度検出センサと一体的に前記保持するためのステップを、搬送される用紙の搬送速度に合わせて移動させるステップを備えることを特徴とする請求項1記載の用紙厚検出方法。
  4. 前記湿度検出センサは、センサ部を突出させるようにして用紙表面に近接させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の用紙厚検出方法。
  5. 前記湿度検出センサのセンサ部と用紙表面との間の距離を、1mm以下に設定することを特徴とする請求項4記載の用紙厚検出方法。
  6. 用紙搬送路上を搬送される用紙の表面と近接して対向する位置に設置した湿度検出センサと、前記湿度検出センサから出力される湿度検出情報に基づいて用紙の厚みを計測する計測手段とを有する画像形成装置であって、
    前記計測手段は、用紙が前記湿度検出センサと対向する位置を通過している時間と、この通過時間内に前記湿度検出センサによる湿度検出によって得られる湿度の変化量とから、用紙の厚みを求めることを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記湿度検出センサが用紙表面に近接した位置で、搬送される用紙表面との距離を一定に保持するための保持手段を備えることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
  8. 前記湿度検出センサが用紙表面に近接した位置で、搬送される用紙表面との距離を一定に保持するための保持手段と、
    前記湿度検出センサと一体的に前記保持手段を、搬送される用紙の搬送速度に合わせて移動させる移動手段と、を備えることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
  9. 前記湿度検出センサは、センサ部を突出させるようにして用紙表面に近接させることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記湿度検出センサのセンサ部と用紙表面との間の距離を、1mm以下に設定することを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
  11. 画像形成装置全体の動作を制御する制御手段は、用紙が前記湿度検出センサと対向する位置を通過していない時には、前記湿度検出センサによる湿度検出によって得られる湿度値に応じて前期画像形成装置内の環境制御条件を決定することを特徴とする請求項6から10のいずれか1項記載の画像形成装置。
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