JP2009041548A - 真空ポンプ排気逆流防止装置 - Google Patents

真空ポンプ排気逆流防止装置 Download PDF

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Abstract

【課題】特別の専門知識を有するものでなくとも技術者なら誰でも誤りなく組み立てられる真空ポンプ排気逆流防止装置を提供することである。
【解決手段】真空ポンプからの仕切板18の吐出ポート19の排気口を覆って逆止弁ボール21が配置され、仕切板18とボール弁座22とは締め付け用ボルト25で連結される。逆止弁ボール21は、真空ポンプの排気圧が所定値以上のときは排気圧により排気口から離れ、排気圧が所定値未満のときは排気口に吸い付けられて排気口を塞ぐ。ボール弁座22は、逆止弁ボール21が真空ポンプの排気圧の変動により移動する空間を確保して逆止弁ボール21を格納するボール室26を有し、また、ボール弁座22の開口部27は、逆止弁ボール21が排気圧により排気口から離れたときには吐出ポート19の排気口からの排気を外部に放出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、真空ポンプの排気口から外気が真空ポンプに逆流することを防止する真空ポンプ排気逆流防止装置に関する。
例えば、火力発電プラントや原子力発電プラントなどの汽力発電プラントにおいては、タービンで仕事を終えた蒸気を水に戻すための復水器が設けられており、タービンで仕事を終えた蒸気を復水器に導くために、復水器は一定の真空度を保つようにしている。復水器の真空度が保てない場合には、タービンで仕事を終えた蒸気を復水器に導くことができないので、運転中のプラントは停止に至り、停止中のプラントは起動ができなくなる。
復水器は真空ポンプにより復水器内の気体を排出して真空に保たれる。真空ポンプは復水器の真空維持のために重要な役割を担っている。図6は真空ポンプの一例を示す概略構成図であり、図6(a)は側面概略構成図、図6(b)は正面概略構成図である。図6では水封式回転形真空ポンプを示している。
水封式回転形真空ポンプは、多数の羽根を持つインペラ11によって液体(水)12に遠心力を与え、水12がピストンとなって気体輸送を行う容積移送式真空ポンプである。図6(a)に示すように、真空ポンプのインペラ11の回転軸はケーシング13の中心軸に対して偏心しており、インペラ11は回転方向Aに湾曲した多数の羽根14を有している。インペラ11が回転すると、ケーシング13内部の水は遠心力でケーシング13内面に押し付けられて、偏心円の水の膜を形成する。このため、インペラ11の下部Bに空間を生じ、隣り合った二枚の羽根14の間がシリンダとなり、水12がピストンとなって羽根14の内部を上下し、往復動ピストンと同様の作用を行う。
すなわち、ケーシング13の吸込口15から入った気体は、図6(a)及び図6(b)に示すように、点線のように仕切板16の吸気ポート17から羽根14内に入り、インペラ11の回転にしたがって移動し、膨張圧縮行程を経て仕切板18の吐出ポート19から点線のようにケーシング13の吐出口20へと排出される。仕切板18の吐出ポート19の排気口には、逆止弁ボール21がボール弁座22で保持されて配置され、真空ポンプ排気逆流防止装置23を形成している。真空ポンプの逆流防止装置としては、真空ポンプに排気管からの気体が流入するのを防止するための排気逆止弁を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
図7は真空ポンプ排気逆流防止装置23の断面図である。真空ポンプ排気逆流防止装置23は真空ポンプに気体が逆流しないようにするものであり、真空ポンプの仕切板18とボール弁座22と間にディスタンスピース(間隙確保のための部品)24を挟み込み、締め付け用ボルト25でボルト締めするサンドイッチ構造となっている。
逆止弁ボール21は、ディスタンスピース24により作られる間隙Δdとボール室26内とを動き、真空ポンプ側の真空度が高い場合は、真空ポンプ側に吸い寄せられ吐出ポート19の排気口を閉塞する。逆に、真空ポンプから気体を排気するときは真空ポンプの吐出ポートの排気口から逆止弁ボール21が離れて解放される。その際に、ボールの移動に併せて、ボール室26の空気が空気孔26aから出入りする。
特開昭60−188793号公報
しかし、従来の真空ポンプ排気逆流防止装置23では、もし、真空ポンプの仕切板18とボール弁座22との間にディスタンスピース24を挟まずに組み立ててしまうと、ボール室26の逆止弁ボール21の移動方向の長さが逆止弁ボール21の直径とほぼ等しいため、逆止弁ボール21が固定状態となり吐出ポート19の排気口が閉塞されてしまう。これは、逆止弁ボール21は、ディスタンスピース24により作られる間隙Δdとボール室26内とを動くことから、ディスタンスピース24により作られる間隙Δdがなくなると、仕切板18とボール弁座22とが密着することにより排気流路が確保されなくなるからである。
図8は従来の真空ポンプ排気逆流防止装置23を誤って組み立てた場合の断面図である。図8では、真空ポンプの仕切板18とボール弁座22との間にディスタンスピース24を挟まずに、ディスタンスピース24をワッシャと間違えて組み立ててしまった場合を示している。この場合には、ディスタンスピース24により作られる間隙Δdがなくなるので、排気するための間隙が形成されなくなり吐出ポート19の排気口が閉塞されてしまう。
この状態で真空ポンプを運転すると、真空ポンプからの排気ができないので真空ポンプが過負荷となり、真空ポンプの故障の原因となる。さらには、復水器の真空度が保てなくなるので、運転中のプラントは停止に至り、停止中のプラントは起動ができなくなる。このため、ディスタンスピース24の適正位置への配置は十分留意する必要がある。
従来においては、真空ポンプ排気逆流防止装置23について専門的知識を有する技術者が真空ポンプ排気逆流防止装置23の組み立て作業を行っていたので、図8に示すような単純な誤りを生じることはあり得なかったが、近年においては、真空ポンプ排気逆流防止装置23についての専門的知識を有する技術者が減少したことに伴い、誤って組み立てる可能性が新たに出てきている。
真空ポンプ排気逆流防止装置23は、締め付け用ボルト25によるボルト締めによるサンドイッチ構造となっているため、ディスタンスピース24が適正位置に配置されなくても、つまり、ボール弁座22の上下いずれに配置しても組み立てることができてしまうので組み立て間違いに気づきにくい。
誤って組み立てられた場合には、プラントが起動できなくなるので影響が大きく、また、一度組み立てると外観からは、組み立て間違いがわからないこと(不可能)および、真空ポンプが過負荷になる原因は、複数想定されることから組み立て間違いを真の原因として究明するには時間がかかる。
本発明の目的は、特別の専門知識を有するものでなくとも技術者なら誰でも誤りなく組み立てられる真空ポンプ排気逆流防止装置を提供することである。
請求項1の発明に係わる真空ポンプ排気逆流防止装置は、真空ポンプからの排気を吐出する吐出ポートを有した仕切板と、前記仕切板の吐出ポートの排気口を覆って配置され、前記真空ポンプの排気圧が所定値以上のときは排気圧により前記排気口から離れ、前記排気圧が所定値未満のときは前記排出口に吸い付けられて前記排出口を塞ぐ逆止弁ボールと、前記逆止弁ボールが前記真空ポンプの排気圧の変動により移動する空間を確保して前記逆止弁ボールを格納するボール室を有するとともに、前記逆止弁ボールが前記排気圧により前記排気口から離れたときには前記吐出ポートの排気口からの排気を外部に放出する開口部を有したボール弁座と、前記仕切板と前記ボール弁座とを連結する締め付け用ボルトとを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明に係わる真空ポンプ排気逆流防止装置は、真空ポンプからの排気を吐出する吐出ポートを有した仕切板と、前記仕切板の吐出ポートの排気口を覆って配置され、前記真空ポンプの排気圧が所定値以上のときは排気圧により前記排気口から離れ、前記排気圧が所定値未満のときは前記排出口に吸い付けられて前記排出口を塞ぐ逆止弁ボールと、前記逆止弁ボールが前記排気圧により前記排気口から離れたときに前記逆止弁ボールを格納する空間を有したボール室を有したボール弁座と、前記仕切板と前記ボール弁座との間に設けられ、前記逆止弁ボールが前記排気圧により前記排気口から離れたときに前記吐出ポートの排気口からの排気を外部に放出する間隙を確保するディスタンスピースと、前記仕切板と前記ボール弁座との間に前記ディスタンスピースを挟んで前記仕切板と前記ボール弁座とを連結する締め付け用ボルトとを備えた真空ポンプ排気逆流防止装置において、前記ボール弁座に前記ディスタンスピースを一体形成したことを特徴とする。
請求項3の発明に係わる真空ポンプ排気逆流防止装置は、真空ポンプからの排気を吐出する吐出ポートを有した仕切板と、前記仕切板の吐出ポートの排気口を覆って配置され、前記真空ポンプの排気圧が所定値以上のときは排気圧により前記排気口から離れ、前記排気圧が所定値未満のときは前記排出口に吸い付けられて前記排出口を塞ぐ逆止弁ボールと、前記逆止弁ボールが前記排気圧により前記排気口から離れたときに前記逆止弁ボールを格納する空間を有したボール室を有したボール弁座と、前記仕切板と前記ボール弁座との間に設けられ、前記逆止弁ボールが前記排気圧により前記排気口から離れたときに前記吐出ポートの排気口からの排気を外部に放出する間隙を確保するディスタンスピースと、前記仕切板と前記ボール弁座との間に前記ディスタンスピースを挟んで前記仕切板と前記ボール弁座とを連結する締め付け用ボルトとを備えた真空ポンプ排気逆流防止装置において、前記仕切板に前記ディスタンスピースを一体形成したことを特徴とする。
請求項4の発明に係わる真空ポンプ排気逆流防止装置は、真空ポンプからの排気を吐出する吐出ポートを有した仕切板と、前記仕切板の吐出ポートの排気口を覆って配置され、前記真空ポンプの排気圧が所定値以上のときは排気圧により前記排気口から離れ、前記排気圧が所定値未満のときは前記排出口に吸い付けられて前記排出口を塞ぐ逆止弁ボールと、前記逆止弁ボールが前記排気圧により前記排気口から離れたときに前記逆止弁ボールを格納する空間を有したボール室を有したボール弁座と、前記仕切板と前記ボール弁座との間に設けられ、前記逆止弁ボールが前記排気圧により前記排気口から離れたときに前記吐出ポートの排気口からの排気を外部に放出する間隙を確保するディスタンスピースと、前記仕切板と前記ボール弁座との間に前記ディスタンスピースを挟んで前記仕切板と前記ボール弁座とを連結する締め付け用ボルトとを備えた真空ポンプ排気逆流防止装置において、前記締め付け用ボルトに前記ディスタンスピースを一体形成したことを特徴とする。
本発明によれば、ボール弁座が真空ポンプの仕切板と接する部分をディスタンスピース分だけ大きくしたので、ディスタンスピースが不要になり、部品点数が少なくなり組み立て作業の効率が向上する。また、真空ポンプの仕切板、ボール弁座あるいは締め付け用ボルトにディスタンスピースを一体構成とした場合にも、同様にディスタンスピースが不要になり、部品点数が少なくなり組み立て作業の効率が向上する。
また、真空ポンプの仕切板、ボール弁座、あるいは締め付け用ボルトが適正位置に組み込まれないと、真空ポンプ排気逆流防止装置を正常に組み立てられない構造となったことから、特別の専門的知識を有する技術者でなくとも、組み立て間違いを生じることなく正常に組み立てることができる。このため、真空ポンプの仕切板における吐出ポートの排出口の閉塞が起こらなくなるので、組み立て間違いにより真空ポンプが運転できなくなることはない。
図1は本発明の第1の実施の形態に係わる真空ポンプ排気逆流防止装置の断面図である。この第1の実施の形態は、図7に示した従来例に対し、逆止弁ボール21が移動する空間を確保して逆止弁ボール21を格納するボール室26を有し、、ボール室26に排気用の開口部27を設けたものである。これにより、ディスタンスピースという部品が不要となる構成としたものである。図7と同一要素には、同一符号を付し重複する説明は省略する。
真空ポンプの仕切板18は、真空ポンプからの排気を吐出する吐出ポート19を有し、仕切板18の吐出ポート19の排気口には逆止弁ボール21が配置される。真空ポンプの排気圧が所定値以上のときは排気圧により、逆止弁ボール21は排気口から離れ、排気圧が所定値未満のときは排出口に吸い付けられて排出口を塞ぐ。
ボール弁座22のボール室26は、ボール弁座22がディスタンスピース分だけ大きく形成されていることから、逆止弁ボール21が真空ポンプの排気圧の変動により移動する空間を確保した大きさとなっている。従って、真空ポンプの排気圧が所定値以上となったときは、逆止弁ボール21は吐出ポート19の排気口から離れ、図1に示すように、ボール室26内の上部空間に移動する。逆止弁ボール21がボール室26内の上部空間に移動すると、吐出ポート19の排気口からの排気は開口部27を通して外部に放出される。
第1の実施の形態によれば、逆止弁ボール21が移動する空間を確保して逆止弁ボール21を格納するボール室26を有しており、またボール室26に排気用の開口部27を設けているので、ディスタンスピースが不要になる。従って、部品点数が少なくなり組み立て作業の効率が向上する。
また、真空ポンプの仕切板18とボール弁座22とが適正位置に組み込まれないと、真空ポンプ排気逆流防止装置を正常に組み立てられない構造となったことから、特別の専門的知識を有する技術者でなくとも、組み立て間違いを生じることなく正常に組み立てることができる。このため、真空ポンプの仕切板18における吐出ポート19の排出口の閉塞が起こらなくなるので、組み立て間違いにより真空ポンプが運転できなくなることはない。 図2は本発明の第2の実施の形態に係わる真空ポンプ排気逆流防止装置の断面図である。この第2の実施の形態は、図7に示した従来例に対し、ボール弁座22にディスタンスピースを一体形成したものである。図7と同一要素には、同一符号を付し重複する説明は省略する。
図2に示すように、ボール弁座22が真空ポンプの仕切板18と接する部分にはディスタンスピース分Δdのボール弁座凸部28が一体的に設けられている。そして、締め付け用ボルト25は両端部にネジが切られた植込みボルトで形成され、ボール弁座22側でナット29により、ボール弁座22と仕切板18とが締め付けられて固定されるように構成されている。
ボール弁座22が仕切板18と接する部分は、ディスタンスピース分Δdだけ大きくなるようにボール弁座凸部28が一体的に形成されているので、ボール室26と間隙Δdとで、逆止弁ボール26が真空ポンプの排気圧の変動により移動する空間を確保することになる。これにより、逆止弁ボール23がボール室26内で排気口から離れたときには、吐出ポート19の排気口からの排気を間隙Δdから外部に放出することができる。
第2の実施の形態によれば、ボール弁座22にボール弁座凸部28を設けてディスタンスピースを一体構成としたので、独立したディスタンスピースが不要になる。従って、部品点数が少なくなり組み立て作業の効率が向上する。ボール弁座22にボール弁座凸部28を設けたことに伴いボール弁座22の形状が既存のボール弁座22と異なる形状となるが、ボール弁座22を鍛造で成形する場合には特に問題は生じない。
また、ボール弁座22にボール弁座凸部28を設けたことに伴い、真空ポンプの仕切板18とボール弁座22とが適正位置に組み込まれないと、真空ポンプ排気逆流防止装置を正常に組み立てられない構造となったことから、第1の実施の形態と同様に、特別の専門的知識を有する技術者でなくとも、組み立て間違いを生じることなく正常に組み立てることができる。このため、真空ポンプの仕切板における吐出ポートの排出口の閉塞が起こらなくなるので、組み立て間違いにより真空ポンプが運転できなくなることはない。 図3は本発明の第3の実施の形態に係わる真空ポンプ排気逆流防止装置の断面図である。この第3の実施の形態は、図7に示した従来例に対し、真空ポンプの仕切板18にディスタンスピースを一体形成したものである。図7と同一要素には、同一符号を付し重複する説明は省略する。
図3に示すように、真空ポンプの仕切板18がボール弁座22と接する部分にはディスタンスピース分Δdの仕切板凸部30が一体的に設けられている。そして、締め付け用ボルト25は両端部にネジが切られた植え込みボルトで形成され、ボール弁座22側でナット29により、ボール弁座22と仕切板18とが締め付けられて固定されるように構成されている。
真空ポンプの仕切板18がボール弁座22と接する部分は、ディスタンスピース分Δdだけ大きくなるように仕切板凸部30が一体的に形成されているので、ボール室26と間隙Δdとで、逆止弁ボール26が真空ポンプの排気圧の変動により移動する空間を確保する。これにより、逆止弁ボール23がボール室26内で排気口から離れたときには、吐出ポート19の排気口からの排気を間隙Δdから外部に放出することができる。
第3の実施の形態によれば、真空ポンプの仕切板18に仕切板凸部30を設けてディスタンスピースを一体構成としたので、独立したディスタンスピースが不要になる。従って、部品点数が少なくなり組み立て作業の効率が向上する。真空ポンプの仕切板18に仕切板凸部30を設けたことに伴い真空ポンプの仕切板18の形状が既存の真空ポンプの仕切板18と異なる形状となるが、真空ポンプの仕切板18を鍛造で成形するので特に問題は生じない。また、ボール弁座22の形状は既存のものと同じであるので、ボール弁座22を鋳造で成形できる。
また、真空ポンプの仕切板18に仕切板凸部30を設けることに伴い、真空ポンプの仕切板18とボール弁座22とが適正位置に組み込まれないと、真空ポンプ排気逆流防止装置を正常に組み立てられない構造となったことから、第1の実施の形態と同様に、特別の専門的知識を有する技術者でなくとも、組み立て間違いを生じることなく正常に組み立てることができる。このため、真空ポンプの仕切板における吐出ポートの排出口の閉塞が起こらなくなるので、組み立て間違いにより真空ポンプが運転できなくなることはない。 図4は本発明の第4の実施の形態に係わる真空ポンプ排気逆流防止装置の断面図、図5は本発明の第4の実施の形態における締め付け用ボルト25の説明図であり、図5(a)は正面図、図5(b)は平面図である。この第4の実施の形態は、図7に示した従来例に対し、締め付け用ボルトにディスタンスピースを一体形成したものである。図7と同一要素には、同一符号を付し重複する説明は省略する。
図5(a)、(b)に示すように、締め付け用ボルト25は植込みボルトで形成され、ボルト本体25aにはディスタンスピース分Δdの鍔部31が一体的に設けられている。また、締め付け用ボルト25のボルト本体25aの両端部にはネジが切られている。そして、図4に示すように、ボルト本体25aの一方端部は真空ポンプの仕切板18に切られた雌ネジに螺合し、他方端部はボール弁座22にナット29で固定される。従って、締め付け用ボルト25は、鍔部31が真空ポンプの仕切板18とボール弁座22との間に挟まれた状態で、真空ポンプの仕切板18とボール弁座22とを連結する。
これにより、ボール弁座22が仕切板18と接する部分は、ディスタンスピース分Δdだけ大きくなり、ボール室26と間隙Δdとで、逆止弁ボール26が真空ポンプの排気圧の変動により移動する空間を確保し、逆止弁ボール23がボール室26内で排気口から離れたときには、吐出ポート19の排気口からの排気を間隙Δdから外部に放出することができる。
第4の実施の形態によれば、締め付け用ボルト25に鍔部31を設けてディスタンスピースを一体構成としたので、独立したディスタンスピースが不要になる。従って、部品点数が少なくなり組み立て作業の効率が向上する。また、ボール弁座22や仕切板18の形状は既存のものと同じ形状とすることができる。
また、締め付け用ボルト25に鍔部31を設けたので、真空ポンプの仕切板18とボール弁座22とが適正位置に組み込まれないと、真空ポンプ排気逆流防止装置を正常に組み立てられない構造となったことから、第1の実施の形態と同様に、特別の専門的知識を有する技術者でなくとも、組み立て間違いを生じることなく正常に組み立てることができる。このため、真空ポンプの仕切板における吐出ポートの排出口の閉塞が起こらなくなるので、組み立て間違いにより真空ポンプが運転できなくなることはない。
本発明の第1の実施の形態に係わる真空ポンプ排気逆流防止装置の断面図。 本発明の第2の実施の形態に係わる真空ポンプ排気逆流防止装置の断面図。 本発明の第3の実施の形態に係わる真空ポンプ排気逆流防止装置の断面図。 本発明の第4の実施の形態に係わる真空ポンプ排気逆流防止装置の断面図。 本発明の第4の実施の形態における締め付け用ボルトの説明図。 真空ポンプの一例を示す概略構成図。 従来の真空ポンプ排気逆流防止装置の断面図。 従来の真空ポンプ排気逆流防止装置を誤って組み立てた場合の断面図。
符号の説明
11…インペラ、12…水、13…ケーシング、14…羽根、15…吸込口、16…仕切板、17…吸気ポート、18…仕切板、19…吐出ポート、20…吐出口、21…逆止弁ボール、22…ボール弁座、23…真空ポンプ排気逆流防止装置、24…ディスタンスピース、25…締め付け用ボルト、26…ボール室、26a…空気孔、27…開口部、28…ボール弁座凸部、29…ナット、30…仕切板凸部、31…鍔部

Claims (4)

  1. 真空ポンプからの排気を吐出する吐出ポートを有した仕切板と、
    前記仕切板の吐出ポートの排気口を覆って配置され、前記真空ポンプの排気圧が所定値以上のときは排気圧により前記排気口から離れ、前記排気圧が所定値未満のときは前記排出口に吸い付けられて前記排出口を塞ぐ逆止弁ボールと、
    前記逆止弁ボールが前記真空ポンプの排気圧の変動により移動する空間を確保して前記逆止弁ボールを格納するボール室を有するとともに、前記逆止弁ボールが前記排気圧により前記排気口から離れたときには前記吐出ポートの排気口からの排気を外部に放出する開口部を有したボール弁座と、
    前記仕切板と前記ボール弁座とを連結する締め付け用ボルトと、
    を備えたことを特徴とする真空ポンプ排気逆流防止装置。
  2. 真空ポンプからの排気を吐出する吐出ポートを有した仕切板と、
    前記仕切板の吐出ポートの排気口を覆って配置され、前記真空ポンプの排気圧が所定値以上のときは排気圧により前記排気口から離れ、前記排気圧が所定値未満のときは前記排出口に吸い付けられて前記排出口を塞ぐ逆止弁ボールと、
    前記逆止弁ボールが前記排気圧により前記排気口から離れたときに前記逆止弁ボールを格納する空間を有したボール室を有したボール弁座と、
    前記仕切板と前記ボール弁座との間に設けられ、前記逆止弁ボールが前記排気圧により前記排気口から離れたときに前記吐出ポートの排気口からの排気を外部に放出する間隙を確保するディスタンスピースと、
    前記仕切板と前記ボール弁座との間に前記ディスタンスピースを挟んで前記仕切板と前記ボール弁座とを連結する締め付け用ボルトとを備えた真空ポンプ排気逆流防止装置において、
    前記ボール弁座に前記ディスタンスピースを一体形成したことを特徴とする真空ポンプ排気逆流防止装置。
  3. 真空ポンプからの排気を吐出する吐出ポートを有した仕切板と、
    前記仕切板の吐出ポートの排気口を覆って配置され、前記真空ポンプの排気圧が所定値以上のときは排気圧により前記排気口から離れ、前記排気圧が所定値未満のときは前記排出口に吸い付けられて前記排出口を塞ぐ逆止弁ボールと、
    前記逆止弁ボールが前記排気圧により前記排気口から離れたときに前記逆止弁ボールを格納する空間を有したボール室を有したボール弁座と、
    前記仕切板と前記ボール弁座との間に設けられ、前記逆止弁ボールが前記排気圧により前記排気口から離れたときに前記吐出ポートの排気口からの排気を外部に放出する間隙を確保するディスタンスピースと、
    前記仕切板と前記ボール弁座との間に前記ディスタンスピースを挟んで前記仕切板と前記ボール弁座とを連結する締め付け用ボルトとを備えた真空ポンプ排気逆流防止装置において、
    前記仕切板に前記ディスタンスピースを一体形成したことを特徴とする真空ポンプ排気逆流防止装置。
  4. 真空ポンプからの排気を吐出する吐出ポートを有した仕切板と、
    前記仕切板の吐出ポートの排気口を覆って配置され、前記真空ポンプの排気圧が所定値以上のときは排気圧により前記排気口から離れ、前記排気圧が所定値未満のときは前記排出口に吸い付けられて前記排出口を塞ぐ逆止弁ボールと、
    前記逆止弁ボールが前記排気圧により前記排気口から離れたときに前記逆止弁ボールを格納する空間を有したボール室を有したボール弁座と、
    前記仕切板と前記ボール弁座との間に設けられ、前記逆止弁ボールが前記排気圧により前記排気口から離れたときに前記吐出ポートの排気口からの排気を外部に放出する間隙を確保するディスタンスピースと、
    前記仕切板と前記ボール弁座との間に前記ディスタンスピースを挟んで前記仕切板と前記ボール弁座とを連結する締め付け用ボルトとを備えた真空ポンプ排気逆流防止装置において、
    前記締め付け用ボルトに前記ディスタンスピースを一体形成したことを特徴とする真空ポンプ排気逆流防止装置。
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