JP2009041429A - スクロール型流体機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易にして且つ確実に適正なOCRを確保し、流体機械の効率を向上することができるスクロール型流体機械を提供する。
【解決手段】フレーム(18)に凹設され、台座面(40)において背圧室(56)に開口し、ねじ部材(62)が嵌入されるねじ孔(60)と、フレームに穿設され、高圧室(54)とねじ孔とを連通する連通路(68)とを具備し、ねじ部材とねじ孔とは、互いに当接する螺合部(70)と、螺合部間においてねじ部材とねじ孔とが離間する間隙部(72)とを形成し、間隙部は、螺合部に沿って所定長を有して螺旋状に伸び、連通路を介して高圧室と背圧室とを連通させる。
【選択図】図3
【解決手段】フレーム(18)に凹設され、台座面(40)において背圧室(56)に開口し、ねじ部材(62)が嵌入されるねじ孔(60)と、フレームに穿設され、高圧室(54)とねじ孔とを連通する連通路(68)とを具備し、ねじ部材とねじ孔とは、互いに当接する螺合部(70)と、螺合部間においてねじ部材とねじ孔とが離間する間隙部(72)とを形成し、間隙部は、螺合部に沿って所定長を有して螺旋状に伸び、連通路を介して高圧室と背圧室とを連通させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、スクロール型流体機械に係り、詳しくは、冷凍空調機やヒートポンプ式給湯機に用いられて好適なスクロール型流体機械に関する。
この種のスクロール型流体機械、例えば密閉型のスクロール圧縮機は、ハウジング内で固定スクロールに対し可動スクロールが公転旋回運動することにより、潤滑油を含む作動流体(以下、冷媒という)の吸入から吐出の一連のプロセスを実施するものであり、作動流体の吐出圧が作用する前記潤滑油による高圧室と、この高圧室と連通することにより可動スクロールの鏡板の背面に潤滑油による背圧を付与する背圧室とを形成している。
また、ハウジングには、可動スクロールを台座面において公転旋回運動可能に支持するフレームが固定され、この台座面には可動スクロールの背面と摺接面において摺接するシールリングが支持されている。そして、可動スクロールの背面には高圧室と背圧室とを連通する連通溝が形成され、可動スクロールの公転旋回運動に伴って連通溝が摺接面上に位置づけられることにより、高圧室の潤滑油がシールリングを間歇的に跨いで背圧室に供給される(例えば、特許文献1参照)。
特許第3696683号公報
ところで、圧縮機内を循環する潤滑油の循環率(Oil-Circulation-Rate、以下、OCRという)を適正値に調整することは、圧縮機の圧縮効率を向上するための重要な要素の1つである。
しかしながら、上記従来技術は、潤滑油中に含まれるごみが連通溝を閉塞するのを防止するために、連通溝の溝幅を所定の大きさ以上に大きくせざるを得ない。このため、高圧室から背圧室へ供給される潤滑油量が多くなり、潤滑油量の小流量範囲での調整が困難となって適正なOCRを確保できないとの問題がある。
しかしながら、上記従来技術は、潤滑油中に含まれるごみが連通溝を閉塞するのを防止するために、連通溝の溝幅を所定の大きさ以上に大きくせざるを得ない。このため、高圧室から背圧室へ供給される潤滑油量が多くなり、潤滑油量の小流量範囲での調整が困難となって適正なOCRを確保できないとの問題がある。
また、上記従来技術では、連通溝がシールリングの摺接面上に位置づけられることにより、シールリングの磨耗、損壊によって背圧室のシール性が低下し、ひいては圧縮機の圧縮効率が低下するとの問題もある。
そこで、シールリングを高硬度材料で形成してその磨耗、損壊を防止することが考えられる。しかし、シールリングを高硬度化するとその摺接面における摩擦係数が増大し、この場合にも背圧室のシール性低下、圧縮機の圧縮効率低下は避けられない。
そこで、シールリングを高硬度材料で形成してその磨耗、損壊を防止することが考えられる。しかし、シールリングを高硬度化するとその摺接面における摩擦係数が増大し、この場合にも背圧室のシール性低下、圧縮機の圧縮効率低下は避けられない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、簡易にして且つ確実に適正なOCRを確保し、流体機械の効率を向上することができるスクロール型流体機械を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載のスクロール型流体機械は、ハウジング内で固定スクロールに対し可動スクロールが公転旋回運動することにより、潤滑油を含む作動流体の吸入から吐出の一連のプロセスを実施し、作動流体の吐出圧が作用する潤滑油による高圧室と、高圧室と連通することにより可動スクロールの鏡板の背面に潤滑油による背圧を付与する背圧室とを備えたスクロール型流体機械であって、ハウジングに固定され、背面に対向する台座面において可動スクロールを公転旋回可能に支持するフレームと、フレームに支持され、台座面と背面との間で背圧室を高圧室側と区画するシールリングと、フレームに凹設され、台座面において背圧室に開口し、ねじ部材が嵌入されるねじ孔と、フレームに穿設され、高圧室とねじ孔とを連通する連通路とを具備し、ねじ部材とねじ孔とは、互いに当接する螺合部と、螺合部間においてねじ部材とねじ孔とが離間する間隙部とを形成し、間隙部は、螺合部に沿って所定長を有して螺旋状に伸び、連通路を介して高圧室と背圧室とを連通させることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、請求項1において、螺合部の螺合長さを調整することにより、間隙部の所定長が調整されることを特徴としている。
更に、請求項3記載の発明では、請求項1又は2において、間隙部がねじ部材のねじのねじ山と、ねじ山と対向するねじ孔のねじの谷部とで形成されることを特徴している。
更にまた、請求項4記載の発明では、請求項1乃至3の何れかにおいて、間隙部がねじ部材のねじの谷部と、谷部と対向するねじ孔のねじのねじ山とで形成されることを特徴としている。
更に、請求項3記載の発明では、請求項1又は2において、間隙部がねじ部材のねじのねじ山と、ねじ山と対向するねじ孔のねじの谷部とで形成されることを特徴している。
更にまた、請求項4記載の発明では、請求項1乃至3の何れかにおいて、間隙部がねじ部材のねじの谷部と、谷部と対向するねじ孔のねじのねじ山とで形成されることを特徴としている。
また、請求項5記載の発明では、請求項3又は4において、ねじ部材のねじ、及びねじ孔のねじの少なくとも何れか一方のねじ山は、断面視略台形状に形成されることを特徴としている。
更に、請求項6記載の発明では、請求項5において、ねじ部材のねじ、及びねじ孔のねじの少なくとも何れか一方において、ねじの谷部と、間隙部の形成に伴い谷部と対向するねじのねじ山とは、断面視略台形状に形成されることを特徴としている。
更に、請求項6記載の発明では、請求項5において、ねじ部材のねじ、及びねじ孔のねじの少なくとも何れか一方において、ねじの谷部と、間隙部の形成に伴い谷部と対向するねじのねじ山とは、断面視略台形状に形成されることを特徴としている。
更にまた、請求項7記載の発明では、請求項3乃至6の何れかにおいて、ねじ部材のねじ、及びねじ孔のねじの少なくとも何れか一方において、ねじの谷部の側面と、間隙部の形成に伴い谷部と対向するねじのねじ山の側面とは、互いに密接してシール部を形成することを特徴としている。
また、請求項8記載の発明では、請求項1乃至7の何れかにおいて、ねじ部材が六角穴付き止めねじであることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明では、請求項1乃至7の何れかにおいて、ねじ部材が六角穴付き止めねじであることを特徴としている。
更に、請求項9記載の発明では、請求項1乃至8の何れかにおいて、連通路が高圧室から流入する潤滑油が一旦滞留する空間を有することを特徴としている。
更にまた、請求項10記載の発明では、請求項9において、空間にはフィルタが設置されることを特徴としている。
更に、請求項11記載の発明では、請求項1乃至10の何れかにおいて、作動流体が二酸化炭素からなる冷媒であることを特徴としている。
更にまた、請求項10記載の発明では、請求項9において、空間にはフィルタが設置されることを特徴としている。
更に、請求項11記載の発明では、請求項1乃至10の何れかにおいて、作動流体が二酸化炭素からなる冷媒であることを特徴としている。
請求項1記載の本発明のスクロール型流体機械によれば、フレームに凹設され、台座面において背圧室に開口し、ねじ部材が嵌入されるねじ孔と、フレームに穿設され、高圧室とねじ孔とを連通する連通路とを具備し、ねじ部材とねじ孔とは、互いに当接する螺合部と、螺合部間においてねじ部材とねじ孔とが離間する間隙部とを形成する。そして、間隙部は、螺合部に沿って所定長を有して螺旋状に伸び、連通路を介して高圧室と背圧室とを連通させる。このような間隙部を形成することにより、少ないスペースで潤滑油の流路長さを長くすることができ、その流路の管路摩擦による圧力損失によって高圧室の潤滑油を効果的に減圧して背圧室に供給できるため、高圧室から背圧室に供給する潤滑油量を小流量範囲で調整することができ、スクロール型流体機械における適正なOCRを確保することができる。
しかも、背圧室の形成に伴うシールリングの磨耗、損壊の原因を根本から排除することができるため、これらにより、スクロール型流体機械の効率を大幅に向上することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、螺合部の螺合長さを調整することにより、間隙部の所定長が調整されるため、ねじ部材のねじ長さを予め調整するか、或いは、ねじ孔に対するねじ部材のねじ込み量を調整すれば、潤滑油の流路長さを容易に調整することができ、簡易にして適正なOCRを確保することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、螺合部の螺合長さを調整することにより、間隙部の所定長が調整されるため、ねじ部材のねじ長さを予め調整するか、或いは、ねじ孔に対するねじ部材のねじ込み量を調整すれば、潤滑油の流路長さを容易に調整することができ、簡易にして適正なOCRを確保することができる。
更に、請求項3記載の発明によれば、間隙部がねじ部材のねじのねじ山と、このねじ山と対向するねじ孔のねじの谷部とで形成されることにより、ねじ山と谷部との離間距離を調整するだけの加工で潤滑油の流路断面積を容易に調整して適正な大きさに大きくすることができ、潤滑油中に混入するごみによる流路の閉塞を効果的に防止できるため、簡易にして且つ確実に適正なOCRを確保することができる。
更にまた、請求項4記載の発明によれば、間隙部がねじ部材のねじの谷部と、この谷部と対向するねじ孔のねじのねじ山とで形成されることにより、請求項3記載の発明と同様に、潤滑油の流路断面積を容易に適正な大きさすることができ、簡易にして且つ確実に適正なOCRを確保することができる。
特に、ねじ部材のねじのねじ山及び谷部と、ねじ孔のねじの谷部及びねじ山とでそれぞれ2つの間隙部を形成することにより、螺合部に沿った潤滑油の流路を2重螺旋構造にすることができる。これにより、潤滑油の流路断面積を約2倍に大きくしたのと同等の効果が得られるため、潤滑油中に混入するごみによる流路の閉塞を更に効果的に防止することができる。
特に、ねじ部材のねじのねじ山及び谷部と、ねじ孔のねじの谷部及びねじ山とでそれぞれ2つの間隙部を形成することにより、螺合部に沿った潤滑油の流路を2重螺旋構造にすることができる。これにより、潤滑油の流路断面積を約2倍に大きくしたのと同等の効果が得られるため、潤滑油中に混入するごみによる流路の閉塞を更に効果的に防止することができる。
また、請求項5記載の発明によれば、ねじ部材のねじ、及びねじ孔のねじの少なくとも何れか一方のねじ山は、断面視略台形状に形成される。これにより、間隙部の断面、すなわち潤滑油の流路断面を略三角形状に形成することができ、潤滑油中に混入するごみによる流路の閉塞を確実に防止することができる。
更に、請求項6記載の発明によれば、ねじ部材のねじ、及びねじ孔のねじの少なくとも何れか一方において、このねじの谷部と、間隙部の形成に伴い、この谷部と対向するねじのねじ山とが断面視略台形状に形成されることにより、間隙部の断面、すなわち潤滑油の流路断面を略台形状に形成することができる。これにより、潤滑油の流路断面を略台形となる矩形状を含む形状に形成することができ、潤滑油中に混入するごみによる流路の閉塞をより一層確実に防止することができる。
更に、請求項6記載の発明によれば、ねじ部材のねじ、及びねじ孔のねじの少なくとも何れか一方において、このねじの谷部と、間隙部の形成に伴い、この谷部と対向するねじのねじ山とが断面視略台形状に形成されることにより、間隙部の断面、すなわち潤滑油の流路断面を略台形状に形成することができる。これにより、潤滑油の流路断面を略台形となる矩形状を含む形状に形成することができ、潤滑油中に混入するごみによる流路の閉塞をより一層確実に防止することができる。
特に、ねじ部材のねじの谷部と、ねじ孔のねじのねじ山とを断面視台形状に形成することにより、ねじ孔の加工が容易となり、適正なOCRを更に簡易にして確保できて好ましい。
更にまた、請求項7記載の発明によれば、ねじ部材のねじ、及びねじ孔のねじの少なくともいずれか一方において、このねじの谷部の側面と、間隙部の形成に伴い、この谷部と対向するねじのねじ山の側面とが互いに密接してシール部を形成することにより、間隙部からの潤滑油の漏洩を確実に防止できるため、より一層確実に適正なOCRを確保することができる。
更にまた、請求項7記載の発明によれば、ねじ部材のねじ、及びねじ孔のねじの少なくともいずれか一方において、このねじの谷部の側面と、間隙部の形成に伴い、この谷部と対向するねじのねじ山の側面とが互いに密接してシール部を形成することにより、間隙部からの潤滑油の漏洩を確実に防止できるため、より一層確実に適正なOCRを確保することができる。
また、請求項8記載の発明によれば、ねじ部材が六角穴付き止めねじであることにより、ねじ部材を台座面から突出しないようにねじ孔に完全に嵌入することができるため、可動スクロールの公転旋回運動に支障を来たすことなく、省スペース化を図りつつ適正なOCRを確保することができる。
更に、請求項9記載の発明によれば、連通路は高圧室から流入する潤滑油が一旦滞留する空間を有することにより、潤滑油の脈動を空間で緩衝させることができるため、高圧室から背圧室に供給する潤滑油量を小流量範囲で更に高精度に調整することができ、より一層適正なOCRを確保することができる。
更に、請求項9記載の発明によれば、連通路は高圧室から流入する潤滑油が一旦滞留する空間を有することにより、潤滑油の脈動を空間で緩衝させることができるため、高圧室から背圧室に供給する潤滑油量を小流量範囲で更に高精度に調整することができ、より一層適正なOCRを確保することができる。
更にまた、請求項10記載の発明によれば、空間にフィルタが設置されることにより、潤滑油中に混入するごみによる流路の閉塞を更に効果的に防止でき、より一層確実に適正なOCRを確保することができる。
また、請求項11記載の発明によれば、作動流体が二酸化炭素からなる冷媒であることにより、スクロール型流体機械は高圧、高温で作動するが、上記構成によれば、適正なOCRを簡易にして且つ確実に確保できるため、スクロール型流体機械の効率向上効果をより顕著なものとすることができる。
また、請求項11記載の発明によれば、作動流体が二酸化炭素からなる冷媒であることにより、スクロール型流体機械は高圧、高温で作動するが、上記構成によれば、適正なOCRを簡易にして且つ確実に確保できるため、スクロール型流体機械の効率向上効果をより顕著なものとすることができる。
以下、図面により本発明の一実施形態について説明する。
先ず、第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るスクロール型流体機械の一例として、密閉型のスクロール圧縮機を示している。この圧縮機1は、冷凍空調装置やヒートポンプ式給湯機などの冷凍回路に組み込まれ、当該回路は作動流体の一例である二酸化炭素冷媒(以下、冷媒という)が循環する経路を備え、圧縮機1は経路から冷媒を吸入し、圧縮して経路に向けて吐出する。
先ず、第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るスクロール型流体機械の一例として、密閉型のスクロール圧縮機を示している。この圧縮機1は、冷凍空調装置やヒートポンプ式給湯機などの冷凍回路に組み込まれ、当該回路は作動流体の一例である二酸化炭素冷媒(以下、冷媒という)が循環する経路を備え、圧縮機1は経路から冷媒を吸入し、圧縮して経路に向けて吐出する。
圧縮機1はハウジング2を備え、ハウジング2の胴部4の上側、下側にはそれぞれ上蓋6、下蓋8が気密に嵌合し、胴部4の内部は密閉されて冷媒の吐出圧が作用している。胴部4の適宜位置には上記回路から取り込んだ冷媒を吸入する吸入管10が接続され、上蓋6の適宜位置にはハウジング2内の圧縮冷媒を上記回路へ吐出する吐出管12が接続されている。
胴部4内には電動モータ14が収容され、このモータ14内には回転軸16が配置されており、回転軸16はモータ14への通電によって駆動される。また、回転軸16の上端側は軸受を介して主軸フレーム(フレーム)18に回転自在に支持され、主軸フレーム18はハウジング2に固定されている。
一方、回転軸16の下端側は軸受を介して副軸フレーム20に回転自在に支持されている。また、回転軸16の下端側にはオイルポンプ22が装着されており、このポンプ22は下蓋8の内側に形成された貯油室24内の潤滑油を吸引する。そして、潤滑油は回転軸16内を軸線方向に穿孔される給油路26を上昇し、回転軸16の上端からモータ14やスクロールユニット28等に供給され、各摺動部分や軸受等の潤滑及びシールを実施する。このとき、冷媒の吐出圧が貯油室24の潤滑油の油面に作用することも給油路26における潤滑油の上昇に寄与する。更に、副軸フレーム20の適宜位置には潤滑油の導入口30が形成され、圧縮機1内の各摺動部分に供給された潤滑油は導入口30を介して貯油室24に貯留される。
一方、回転軸16の下端側は軸受を介して副軸フレーム20に回転自在に支持されている。また、回転軸16の下端側にはオイルポンプ22が装着されており、このポンプ22は下蓋8の内側に形成された貯油室24内の潤滑油を吸引する。そして、潤滑油は回転軸16内を軸線方向に穿孔される給油路26を上昇し、回転軸16の上端からモータ14やスクロールユニット28等に供給され、各摺動部分や軸受等の潤滑及びシールを実施する。このとき、冷媒の吐出圧が貯油室24の潤滑油の油面に作用することも給油路26における潤滑油の上昇に寄与する。更に、副軸フレーム20の適宜位置には潤滑油の導入口30が形成され、圧縮機1内の各摺動部分に供給された潤滑油は導入口30を介して貯油室24に貯留される。
上記スクロールユニット28は胴部4内においてモータ14の上方に配置され、冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施する。
当該ユニット28は、可動スクロール32及び固定スクロール34から構成され、これらスクロール32,34はそれぞれ鏡板36,38を備え、鏡板36には鏡板38に向けて延びる渦巻きラップが一体形成され、鏡板38にも鏡板36に向けて延びる渦巻きラップが一体形成されている。
当該ユニット28は、可動スクロール32及び固定スクロール34から構成され、これらスクロール32,34はそれぞれ鏡板36,38を備え、鏡板36には鏡板38に向けて延びる渦巻きラップが一体形成され、鏡板38にも鏡板36に向けて延びる渦巻きラップが一体形成されている。
そして、これら渦巻きラップが互いに協働し、鏡板38の外周側に内設されると共に吸入管10と連通する図示しない吸入室から冷媒を吸入して圧縮室を形成する。圧縮室は、固定スクロール34に対する可動スクロール32の公転旋回運動により、渦巻きラップの中心に向けて移動しながら、その容積を減少させて上記一連のプロセスを実施する。
可動スクロール32は、その自転が図示しない自転阻止ピンにより阻止され、鏡板36の背面36aと対向する主軸フレーム18の台座面40上を公転旋回運動する。可動スクロール32に公転旋回運動を付与するため、可動スクロール32の鏡板36の背面36a側にはボス42が突出して形成され、それに対向する回転軸16の上端側には偏心軸44が一体形成されており、ボス42は軸受を介して偏心軸44に回転自在に支持されている。
可動スクロール32は、その自転が図示しない自転阻止ピンにより阻止され、鏡板36の背面36aと対向する主軸フレーム18の台座面40上を公転旋回運動する。可動スクロール32に公転旋回運動を付与するため、可動スクロール32の鏡板36の背面36a側にはボス42が突出して形成され、それに対向する回転軸16の上端側には偏心軸44が一体形成されており、ボス42は軸受を介して偏心軸44に回転自在に支持されている。
一方、固定スクロール34は、主軸フレーム18に固定され、鏡板38の背面38a側に形成される冷媒の吐出室46を圧縮室と区画している。更に、固定スクロール34の中央部分の適宜位置には、圧縮室と吐出室46とを連通する冷媒の吐出孔48が鏡板38を貫通して穿設されており、吐出孔48は背面38a側に配置された吐出弁50により開閉される。吐出弁50は吐出ヘッド52で覆われており、吐出ヘッド52によって吐出弁50の開弁時における音が抑制される。
上述した圧縮機1によれば、回転軸16の回転に伴い可動スクロール32が台座面40上を公転旋回運動し、これにより吸入室の冷媒がユニット28の内方に向けて流動しながら圧縮され、圧縮された高圧冷媒が吐出孔48から吐出されてハウジング2内を循環し、循環した冷媒が吐出室46から吐出管12を通じて圧縮機1の外部へ送出される。
一方、冷媒の吐出圧の作用と相俟ってポンプ22で汲み上げられた潤滑油は給油路26から吐出され、ボス42が収容される主軸フレーム18のボス収容部18aに潤滑油の高圧室54を形成する。高圧室54の潤滑油は軸受等を潤滑しながら回転軸16に沿ってハウジング2内を流下する一方、背面36aと台座面40との間に形成される背圧室56に流入し、鏡板36の外周側を経てユニット28の内方に導かれる。
一方、冷媒の吐出圧の作用と相俟ってポンプ22で汲み上げられた潤滑油は給油路26から吐出され、ボス42が収容される主軸フレーム18のボス収容部18aに潤滑油の高圧室54を形成する。高圧室54の潤滑油は軸受等を潤滑しながら回転軸16に沿ってハウジング2内を流下する一方、背面36aと台座面40との間に形成される背圧室56に流入し、鏡板36の外周側を経てユニット28の内方に導かれる。
背圧室56は、高圧室54をシールリング58で区画して形成され、圧縮室内の圧縮反力を相殺するべく背面36aに潤滑油による背圧を付与している。換言すると、背圧室56は可動スクロール32を台座面40に押圧する方向に作用するスラスト荷重を受容している。
リング58は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の低摩擦係数を有する樹脂等から環状に成形され、台座面40に支持されており、図示しない板ばね等で背面36a側に押圧付勢され、可動スクロール32の公転旋回運動に伴い、背面36aに緊密に摺接する。
リング58は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の低摩擦係数を有する樹脂等から環状に成形され、台座面40に支持されており、図示しない板ばね等で背面36a側に押圧付勢され、可動スクロール32の公転旋回運動に伴い、背面36aに緊密に摺接する。
ところで、図2のユニット28の拡大図にも示されるように、主軸フレーム18には、台座面40の背圧室56に開口する位置にねじ孔60が凹設され、ねじ孔60には六角穴付き止めねじ(ねじ部材)62(以下、単にねじという)が嵌入されている。
また、主軸フレーム18には、ねじ孔60の内方に空間64が連続して凹設され、空間64には所定のメッシュ数を有するフィルタ66が設置されている。
また、主軸フレーム18には、ねじ孔60の内方に空間64が連続して凹設され、空間64には所定のメッシュ数を有するフィルタ66が設置されている。
更に、主軸フレーム18には、空間64から高圧室54にかけて所定の孔径にて穿孔加工が施され、高圧室54とねじ孔60との間には、空間64を含む潤滑油の連通路68が形成されている。
図3には、螺合されたねじ孔60及びねじ62の詳細拡大図が示されている。ねじ孔60とねじ62とは、互いのねじ山60a,62aを当接させることにより螺合部70を形成すると共に、螺合部70間において間隙部72を形成している。
図3には、螺合されたねじ孔60及びねじ62の詳細拡大図が示されている。ねじ孔60とねじ62とは、互いのねじ山60a,62aを当接させることにより螺合部70を形成すると共に、螺合部70間において間隙部72を形成している。
詳しくは、ねじ孔60は、断面視略三角形状のねじ山60aが所定の高さH1及びピッチP1にて螺旋状に形成された雌ねじ(ねじ)であって、ねじ山60a間には断面視略台形状の谷部60bが形成されている。
一方、ねじ62は、断面視略台形状のねじ山62aが所定の高さH2及びピッチP2にて螺旋状に形成された雄ねじ(ねじ)であって、ねじ山62a間には断面視略三角形状の谷部62bが形成されている。
一方、ねじ62は、断面視略台形状のねじ山62aが所定の高さH2及びピッチP2にて螺旋状に形成された雄ねじ(ねじ)であって、ねじ山62a間には断面視略三角形状の谷部62bが形成されている。
また、ねじ62の一端面には図示しない六角孔が形成され、この孔に六角レンチを嵌合して操作することにより、ねじ62をねじ孔60に螺進させることができる。ねじ62の長さは、少なくともねじ孔60の長さと略同一又は短く形成され、ねじ62は台座面40から突出することなくねじ孔60に完全に嵌入される。
ここで、ピッチP1,P2は、それぞれ所定の距離に予め設定され、高さH1,H2は、ねじ山60aに対するねじ山62aの引っかかり率を例えば60%程度に小さくするように予め設定されている。
ここで、ピッチP1,P2は、それぞれ所定の距離に予め設定され、高さH1,H2は、ねじ山60aに対するねじ山62aの引っかかり率を例えば60%程度に小さくするように予め設定されている。
具体的には、ピッチP1,P2は、ねじ山60a,62aを厳密に加工することにより所定の距離に設定され、ねじ孔60にねじ62を螺合させたとき、ねじ山60a,62aの互いの側面が密接してシール部74が形成される。
一方、高さH1,H2は、高さH2が高さH1の60%程度に低くなるように加工され、これにより、ねじ山60aに対するねじ山62aの引っかかり率が60%程度となって所定の断面積Sを有する断面視略台形状の間隙部72が螺合部70に沿って形成される。断面積Sは、潤滑油中に含まれ得るごみによって間隙部72が閉塞しない程度に大きく設定されている。
一方、高さH1,H2は、高さH2が高さH1の60%程度に低くなるように加工され、これにより、ねじ山60aに対するねじ山62aの引っかかり率が60%程度となって所定の断面積Sを有する断面視略台形状の間隙部72が螺合部70に沿って形成される。断面積Sは、潤滑油中に含まれ得るごみによって間隙部72が閉塞しない程度に大きく設定されている。
以下、高圧室54から背圧室56に流入する潤滑油の流れについて説明する。なお、潤滑油の流れは図3中に破線で概略的に示している。
高圧室54の潤滑油は、連通路68を流動して空間64で一旦滞留し、この際フィルタ66を通過して潤滑油中のごみが除去され、間隙部72の一端側に流入する。
間隙部72は、その一端側から背圧室56に開口する他端側にかけ、螺合部70に沿って所定の長さ(所定長)Lを有して螺旋状に伸びており、潤滑油の流路として機能している。すなわち、高圧室54の潤滑油は、連通路66、空間64を順次経た後に流路長さLの間隙部72を流動しながらその管路摩擦による圧力損失によって減圧されて背圧室56に供給される。
高圧室54の潤滑油は、連通路68を流動して空間64で一旦滞留し、この際フィルタ66を通過して潤滑油中のごみが除去され、間隙部72の一端側に流入する。
間隙部72は、その一端側から背圧室56に開口する他端側にかけ、螺合部70に沿って所定の長さ(所定長)Lを有して螺旋状に伸びており、潤滑油の流路として機能している。すなわち、高圧室54の潤滑油は、連通路66、空間64を順次経た後に流路長さLの間隙部72を流動しながらその管路摩擦による圧力損失によって減圧されて背圧室56に供給される。
ここで、流路長さLは、潤滑油に付与したい圧力損失に応じて、ねじ孔60に嵌入されるねじ62のねじ長さを調整するか、或いは、ねじ孔60に対するねじ62のねじ込み量を調整することにより適宜調整される。
一方、鏡板38には、背圧室56と吸入室とを連通する図示しない背圧調整弁が内蔵され、この背圧調整弁を調整することにより、背圧室56は高圧室54より低圧且つ吸入室より高圧の中間圧にされる。
一方、鏡板38には、背圧室56と吸入室とを連通する図示しない背圧調整弁が内蔵され、この背圧調整弁を調整することにより、背圧室56は高圧室54より低圧且つ吸入室より高圧の中間圧にされる。
このように、高圧室54の高圧潤滑油は、流路長さLの間隙部72を流動する際に減圧され、この減圧された潤滑油が背圧室56に連続的に流入し、中間圧となる背圧室56が形成される。そして、背圧室56の圧力で可動スクロール32を台座面40に押圧する方向に作用するスラスト荷重が受容され、また、高圧室54、背圧室56及び吸入室の圧力差を利用することにより、潤滑油がユニット28の内方に向けて好適に供給される。
以上のように、本実施形態では、ねじ孔60にねじ62を嵌入して形成される間隙部72を潤滑油の流路として利用することにより、少ないスペースで高圧室54から背圧室56にかけての潤滑油の流路を長くすることができ、この流路の管路摩擦による圧力損失によって高圧室54の潤滑油を効果的に減圧して背圧室56に供給できる。これにより、高圧室54から背圧室56に供給する潤滑油量を小流量範囲で調整することができ、圧縮機1内における適正なOCRを簡易にして確保して圧縮機1の圧縮効率を向上することができる。
しかも、仮に背面36aに高圧室54と背圧室56との連通溝を形成し、この連通溝がリング58を間歇的に跨いで背圧室56を形成するような間歇給油方式を採用した場合において、上記連通溝にリング58が入り込んだり、或いは引っかかったりすることにより生じるリング58の磨耗、損壊の原因を根本から排除することができる。これにより、リング58、ひいては圧縮機1の耐久性及び信頼性を向上することもでき、このことは背圧室56のシール性向上、ひいては圧縮機1の圧縮効率向上に貢献する。
また、ねじ孔60に嵌入されるねじ62のねじ長さを調整するか、或いは、ねじ孔60に対するねじ62のねじ込み量を調整して螺合部70の螺合長さを調整することにより、間歇部72としての潤滑油の流路長さLを容易に調整することができるため、適正なOCRを更に簡易にして確保することができる。
更に、間隙部72がねじ62のねじ山62a、及びねじ孔60の谷部60bにて形成されることにより、山部62bと谷部60cとの離間距離を調整するだけの加工で間隙部72の断面積S、すなわち潤滑油の流路断面積Sを容易に調整して適正な大きさに大きくすることができる。これにより、潤滑油中に混入するごみによる流路の閉塞を効果的に防止することができ、簡易にして且つ確実に適正なOCRを確保することができる。
更に、間隙部72がねじ62のねじ山62a、及びねじ孔60の谷部60bにて形成されることにより、山部62bと谷部60cとの離間距離を調整するだけの加工で間隙部72の断面積S、すなわち潤滑油の流路断面積Sを容易に調整して適正な大きさに大きくすることができる。これにより、潤滑油中に混入するごみによる流路の閉塞を効果的に防止することができ、簡易にして且つ確実に適正なOCRを確保することができる。
特に、ねじ孔60のねじ山60aの谷部60b、及びこの谷部60bと対向するねじ62のねじ山62aを共に断面視略台形状に形成することにより、潤滑油の流路断面を略台形状に形成することができるため、潤滑油中に混入するごみによる流路の閉塞を更に効果的に防止することができ、更に確実に適正なOCRを確保することができる。
更にまた、ねじ孔60及びねじ62の側面を互いに密接させてシール部74を形成することにより、間隙部72のシール性が向上し、間隙部72からの潤滑油の漏洩を確実に防止することができ、より一層確実に適正なOCRを確保することができる。
更にまた、ねじ孔60及びねじ62の側面を互いに密接させてシール部74を形成することにより、間隙部72のシール性が向上し、間隙部72からの潤滑油の漏洩を確実に防止することができ、より一層確実に適正なOCRを確保することができる。
また、ねじ62が六角穴付き止めねじであることにより、ねじ62を台座面40から突出しないようにねじ孔60に完全に嵌入することができ、可動スクロール32の公転旋回運動に支障を来たすことなく、省スペース化を図りつつ適正なOCRを確保することができる。
更に、連通路68は高圧室54から流入する潤滑油が一旦滞留する空間64を有することにより、間隙部72に流入する前の高圧潤滑油の脈動を空間64で緩衝させることができるため、高圧室54から背圧室56に供給する潤滑油量を小流量範囲で更に高精度に調整することができ、より一層適正なOCRを確保することができる。
更に、連通路68は高圧室54から流入する潤滑油が一旦滞留する空間64を有することにより、間隙部72に流入する前の高圧潤滑油の脈動を空間64で緩衝させることができるため、高圧室54から背圧室56に供給する潤滑油量を小流量範囲で更に高精度に調整することができ、より一層適正なOCRを確保することができる。
更にまた、空間64にフィルタ66が設置されることにより、潤滑油中に混入するごみによる間隙部72の閉塞を更に確実に防止でき、より一層確実に適正なOCRを確保することができる。
次に、第2実施形態について説明する。
図4に示すように、当該第2実施形態では、上記第1実施形態のねじ孔60及びねじ62に代わり、新たな形状のねじ孔76及びねじ78を螺合させるものであり、他は上記第1実施形態と同一の構成をなしているため、主としてこの異なる点について説明する。
次に、第2実施形態について説明する。
図4に示すように、当該第2実施形態では、上記第1実施形態のねじ孔60及びねじ62に代わり、新たな形状のねじ孔76及びねじ78を螺合させるものであり、他は上記第1実施形態と同一の構成をなしているため、主としてこの異なる点について説明する。
図4には、螺合部70及び間隙部72を形成するねじ孔76及びねじ78の詳細拡大図が示されている。
ねじ孔76のねじ山76a、及びねじ78の谷部78bは断面視略台形状に形成され、これらにより間隙部72が形成される一方、ねじ孔76の谷部76b、及びねじ78のねじ山78aは断面視略三角形状に形成され、これらにより螺合部70が形成される。なお、潤滑油の流れは図4中に破線で概略的に示している。
ねじ孔76のねじ山76a、及びねじ78の谷部78bは断面視略台形状に形成され、これらにより間隙部72が形成される一方、ねじ孔76の谷部76b、及びねじ78のねじ山78aは断面視略三角形状に形成され、これらにより螺合部70が形成される。なお、潤滑油の流れは図4中に破線で概略的に示している。
なお、本実施形態の場合には、ねじ山76a,78aは、上記第1実施形態の場合とは逆に、高さH1を高さH2の60%程度に低く設定され、ねじ山76aに対するねじ山78aの引っかかり率を60%程度に小さくすることにより、間隙部72を形成している。
このように、上記第1実施形態と同様に、第2実施形態においても、ねじ孔76にねじ78を嵌入して形成される間隙部72を潤滑油の流路として利用することにより、少ないスペースで潤滑油の流路を長くできるため、高圧室54から背圧室56に供給する潤滑油量を小流量範囲で調整することができ、圧縮機1内における適正なOCRを簡易にして且つ確実に確保して圧縮機1の圧縮効率を向上することができる。
このように、上記第1実施形態と同様に、第2実施形態においても、ねじ孔76にねじ78を嵌入して形成される間隙部72を潤滑油の流路として利用することにより、少ないスペースで潤滑油の流路を長くできるため、高圧室54から背圧室56に供給する潤滑油量を小流量範囲で調整することができ、圧縮機1内における適正なOCRを簡易にして且つ確実に確保して圧縮機1の圧縮効率を向上することができる。
特に当該第2実施形態の場合には、ねじ孔76の谷部76bではなく、ねじ山76aを断面視台形状に形成するため、ねじ孔76の加工が容易となり、適正なOCRを更に簡易にして確保できて好ましい。
次に、第3実施形態について説明する。
図5に示すように、当該第3実施形態では、上記各実施形態と異なる新たな形状のねじ孔80及びねじ82を螺合させるものであり、他は上記各実施形態と同一の構成をなしているため、主としてこの異なる点について説明する。
次に、第3実施形態について説明する。
図5に示すように、当該第3実施形態では、上記各実施形態と異なる新たな形状のねじ孔80及びねじ82を螺合させるものであり、他は上記各実施形態と同一の構成をなしているため、主としてこの異なる点について説明する。
図5には、螺合部70及び間隙部72を形成するねじ孔80及びねじ82の詳細拡大図が示されている。
ねじ孔80のねじ山80a、谷部80b、及びねじ82のねじ山82a、谷部82bのいずれも断面視略台形状に形成され、これらにより2つの間隙部84,86が形成されている。なお、間隙部84,86を流動する潤滑油の2つの流れは図5中に破線で示している。
ねじ孔80のねじ山80a、谷部80b、及びねじ82のねじ山82a、谷部82bのいずれも断面視略台形状に形成され、これらにより2つの間隙部84,86が形成されている。なお、間隙部84,86を流動する潤滑油の2つの流れは図5中に破線で示している。
なお、本実施形態の場合には、ねじ山80a,82aのそれぞれの高さH1,H2は、上記各実施形態の場合とは異なり、略同程度の高さに設定され、これに代わり、高さH1,H2をねじ山80a,82aにそれぞれ対向する谷部82b,谷部80bの深さD2,D1の60%程度に低く設定している。これより、ねじ山80aに対するねじ山82aの引っかかり率を60%程度に小さくして間隙部84,86を形成している。
このように、上記各実施形態と同様に、第3実施形態においても、ねじ孔80にねじ82を嵌入して形成される間隙部84,86を潤滑油の流路として利用することにより、高圧室54から背圧室56に供給する潤滑油量を小流量範囲で調整することができ、適正なOCRを確保して圧縮機1の圧縮効率を向上することができる。
特に当該第3実施形態の場合には、2つの間隙部84,86が形成され、螺合部70に沿った潤滑油の流路をいわば2重螺旋構造にすることができる。これにより、潤滑油の流路における管路摩擦を約2倍に大きくできるため、実質的に潤滑油の流路長さLを約2倍に長くしたのと同程度の圧力損失を潤滑油に付与することができる。従って、高圧室54から背圧室56に供給する潤滑油量を更なる小流量範囲で高精度に且つ省スペース化を図りつつ調整することができ、より一層適正なOCRを確保することができる。
特に当該第3実施形態の場合には、2つの間隙部84,86が形成され、螺合部70に沿った潤滑油の流路をいわば2重螺旋構造にすることができる。これにより、潤滑油の流路における管路摩擦を約2倍に大きくできるため、実質的に潤滑油の流路長さLを約2倍に長くしたのと同程度の圧力損失を潤滑油に付与することができる。従って、高圧室54から背圧室56に供給する潤滑油量を更なる小流量範囲で高精度に且つ省スペース化を図りつつ調整することができ、より一層適正なOCRを確保することができる。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記各実施形態では、間隙部72,84,86が何れも断面視略台形状にされているが、これに限定されるものではなく、ねじ孔及びねじのそれぞれのねじ山の高さH1,H2や谷部の深さD1,D2を調整することにより、種々に変更ができる。
例えば、上記各実施形態では、間隙部72,84,86が何れも断面視略台形状にされているが、これに限定されるものではなく、ねじ孔及びねじのそれぞれのねじ山の高さH1,H2や谷部の深さD1,D2を調整することにより、種々に変更ができる。
詳しくは、図6に示されるように、第3実施形態における間隙部84,86を連結させた断面視略鍵状の間隙部88を形成することも可能である。
また、図7に示されるように、ねじ孔90のねじ山90a、又はねじ92のねじ山92aの何れか一方を一般的な断面視略三角形状とし、これと対向するねじ山90a又はねじ山92aを断面視略台形状とすることにより、断面視略三角形状の間隙部94を形成しても良い。
また、図7に示されるように、ねじ孔90のねじ山90a、又はねじ92のねじ山92aの何れか一方を一般的な断面視略三角形状とし、これと対向するねじ山90a又はねじ山92aを断面視略台形状とすることにより、断面視略三角形状の間隙部94を形成しても良い。
更に、図8に示されるように、図7の場合に比して更に大きな断面積を有する断面視略多角形状の間隙部96を形成することもできる。
更にまた、図9に示されるように、ねじ孔90のねじ山90a、及びねじ92のねじ山92aの両方を一般的な断面視略三角形状とすることにより、断面視略矩形状の間隙部98を形成しても良く、これら間隙部88,94,96,98の形状であっても同様に、適正なOCRを確保して圧縮機1の圧縮効率を向上することができる。
更にまた、図9に示されるように、ねじ孔90のねじ山90a、及びねじ92のねじ山92aの両方を一般的な断面視略三角形状とすることにより、断面視略矩形状の間隙部98を形成しても良く、これら間隙部88,94,96,98の形状であっても同様に、適正なOCRを確保して圧縮機1の圧縮効率を向上することができる。
特に、間隙部94,96,98の場合にあっては、ねじ孔90やねじ92を一般的な断面視略三角形状に形成することができるため、ねじ孔90やねじ92に対する加工工数を削減でき、適正なOCRをより一層簡易に確保できて好ましい。
また、上記各実施形態及び各変形例では二酸化炭素を冷媒として用いているが、これに限定されない。但し、二酸化炭素を冷媒とすることにより、圧縮機1は高圧、高温で作動するが、上記構成によれば、適正なOCRを簡易にして且つ確実に確保できるため、圧縮機1の効率向上効果をより顕著なものとすることができる。
また、上記各実施形態及び各変形例では二酸化炭素を冷媒として用いているが、これに限定されない。但し、二酸化炭素を冷媒とすることにより、圧縮機1は高圧、高温で作動するが、上記構成によれば、適正なOCRを簡易にして且つ確実に確保できるため、圧縮機1の効率向上効果をより顕著なものとすることができる。
最後に、上記各実施形態及び各変形例では冷凍空調装置やヒートポンプ式給湯機などの冷凍回路に組み込まれる密閉型のスクロール圧縮機について説明しているが、本発明はこれに限らず種々の分野における密閉型以外の圧縮機又は膨脹機等のスクロール型の流体機械に適用可能である。
1 スクロール圧縮機(スクロール型流体機械)
2 ハウジング
18 主軸フレーム(フレーム)
32 可動スクロール
34 固定スクロール
36 鏡板
36a 背面
40 台座面
54 高圧室
56 背圧室
58 シールリング
60,76,80,90 ねじ孔
60a,76a,80a,90a ねじ孔の雌ねじのねじ山(ねじ孔のねじのねじ山)
60b,76b,80b ねじ孔の雌ねじの谷部(ねじ孔のねじの谷部)
62,78,82,92 六角穴付き止めねじ(ねじ部材)
62a,78a,82a,92a 六角穴付き止めねじの雄ねじのねじ山(ねじ部材のねじのねじ山)
62b,78b,82b 六角穴付き止めねじの雄ねじの谷部(ねじ部材のねじの谷部)
64 空間
66 フィルタ
68 連通路
70 螺合部
72,84,86,88,94,96,98 間隙部
74 シール部
2 ハウジング
18 主軸フレーム(フレーム)
32 可動スクロール
34 固定スクロール
36 鏡板
36a 背面
40 台座面
54 高圧室
56 背圧室
58 シールリング
60,76,80,90 ねじ孔
60a,76a,80a,90a ねじ孔の雌ねじのねじ山(ねじ孔のねじのねじ山)
60b,76b,80b ねじ孔の雌ねじの谷部(ねじ孔のねじの谷部)
62,78,82,92 六角穴付き止めねじ(ねじ部材)
62a,78a,82a,92a 六角穴付き止めねじの雄ねじのねじ山(ねじ部材のねじのねじ山)
62b,78b,82b 六角穴付き止めねじの雄ねじの谷部(ねじ部材のねじの谷部)
64 空間
66 フィルタ
68 連通路
70 螺合部
72,84,86,88,94,96,98 間隙部
74 シール部
Claims (11)
- ハウジング内で固定スクロールに対し可動スクロールが公転旋回運動することにより、潤滑油を含む作動流体の吸入から吐出の一連のプロセスを実施し、前記作動流体の吐出圧が作用する前記潤滑油による高圧室と、該高圧室と連通することにより前記可動スクロールの鏡板の背面に前記潤滑油による背圧を付与する背圧室とを備えたスクロール型流体機械であって、
前記ハウジングに固定され、前記背面に対向する台座面において前記可動スクロールを公転旋回可能に支持するフレームと、
前記フレームに支持され、前記台座面と前記背面との間で前記背圧室を前記高圧室側と区画するシールリングと、
前記フレームに凹設され、前記台座面において前記背圧室に開口し、ねじ部材が嵌入されるねじ孔と、
前記フレームに穿設され、前記高圧室と前記ねじ孔とを連通する連通路とを具備し、
前記ねじ部材と前記ねじ孔とは、互いに当接する螺合部と、該螺合部間において前記ねじ部材と前記ねじ孔とが離間する間隙部とを形成し、
前記間隙部は、前記螺合部に沿って所定長を有して螺旋状に伸び、前記連通路を介して前記高圧室と前記背圧室とを連通させることを特徴とするスクロール型流体機械。 - 前記螺合部の螺合長さを調整することにより、前記間隙部の前記所定長が調整されることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
- 前記間隙部は、前記ねじ部材のねじのねじ山と、該ねじ山と対向する前記ねじ孔のねじの谷部とで形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のスクロール型流体機械。
- 前記間隙部は、前記ねじ部材のねじの谷部と、該谷部と対向する前記ねじ孔のねじのねじ山とで形成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のスクロール型流体機械。
- 前記ねじ部材のねじ、及び前記ねじ孔のねじの少なくとも何れか一方の前記ねじ山は、断面視略台形状に形成されることを特徴とする請求項3又は4に記載のスクロール型流体機械。
- 前記ねじ部材のねじ、及び前記ねじ孔のねじの少なくとも何れか一方において、
該ねじの谷部と、前記間隙部の形成に伴い該谷部と対向するねじのねじ山とは、断面視略台形状に形成されることを特徴とする請求項5に記載のスクロール型流体機械。 - 前記ねじ部材のねじ、及び前記ねじ孔のねじの少なくとも何れか一方において、
該ねじの谷部の側面と、前記間隙部の形成に伴い該谷部と対向するねじのねじ山の側面とは、互いに密接してシール部を形成することを特徴とする請求項3乃至6の何れかに記載のスクロール型流体機械。 - 前記ねじ部材は六角穴付き止めねじであることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のスクロール型流体機械。
- 前記連通路は前記高圧室から流入する前記潤滑油が一旦滞留する空間を有することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のスクロール型流体機械。
- 前記空間にはフィルタが設置されることを特徴とする請求項9に記載のスクロール型流体機械。
- 前記作動流体が二酸化炭素からなる冷媒であることを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載のスクロール型流体機械。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007206438A JP2009041429A (ja) | 2007-08-08 | 2007-08-08 | スクロール型流体機械 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103899537A (zh) * | 2012-12-26 | 2014-07-02 | 株式会社丰田自动织机 | 涡旋式压缩机 |
WO2024025137A1 (en) * | 2022-07-27 | 2024-02-01 | Hanon Systems | Devices for compressing a gaseous fluid and method of operating a device for compressing a gaseous fluid |
-
2007
- 2007-08-08 JP JP2007206438A patent/JP2009041429A/ja active Pending
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US10132316B2 (en) | 2012-12-26 | 2018-11-20 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Scroll compressor |
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