JP2009040977A - 脂肪酸アルキルエステルの精製方法、脂肪酸アルキルエステルが含まれた混合液、及び燃料 - Google Patents
脂肪酸アルキルエステルの精製方法、脂肪酸アルキルエステルが含まれた混合液、及び燃料 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】含水量を可及的に少なくする脂肪酸アルキルエステルの精製方法、その精製方法によって精製された脂肪酸アルキルエステルが含まれた混合液、及びその混合液が含まれた燃料を提供する。
【解決手段】少なくとも水と脂肪酸アルキルエステルを含む混合液に水と共沸可能な溶剤を加えて水を留去することによって、混合液の含水量を150ppm以下に調整する工程を備えたことを特徴とする脂肪酸アルキルエステルの精製方法であって、前記溶剤が、アルキルカーボネート、ケトン類、及び炭化水素類のうち少なくとも1以上であることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも水と脂肪酸アルキルエステルを含む混合液に水と共沸可能な溶剤を加えて水を留去することによって、混合液の含水量を150ppm以下に調整する工程を備えたことを特徴とする脂肪酸アルキルエステルの精製方法であって、前記溶剤が、アルキルカーボネート、ケトン類、及び炭化水素類のうち少なくとも1以上であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、含水量を可及的に少なくする脂肪酸アルキルエステルの精製方法、その精製方法によって精製された脂肪酸アルキルエステルが含まれた混合液、及びその混合液が含まれた燃料に関する。
従来から、内燃機関などの燃料として、灯油、軽油、重油などの化石液体燃料が用いられているが、近年、これら化石液体燃料資源の枯渇が問題となっている。また、これら化石液体燃焼から発生するSOXやNOX、CO2等の生成物が大気汚染の原因となっている。
そこで、近年においては、植物油や動物油等の再生産可能な原料(バイオマス)を用いた燃料が開発されている。例えば、バイオマスを用いた燃料の代表的なものであるバイオディーゼル燃料(BDF)は、従来の石油液体燃料を用いた内燃機関と同じ内燃機関に使用することができ、化石燃料の代替燃料として注目されている。
バイオディーゼル燃料は、通常、植物油及び動物油等に含まれるトリグリセリドより合成された脂肪酸アルキルエステルを主成分としており、このような脂肪酸アルキルエステルを製造する方法として、例えば、トリグリセリドとメタノールをアルカリ触媒のもとエステル交換反応させる方法などが知られている(特許文献1)。
この特許文献1に記載された方法によれば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、及びナトリウムメトキシドなどの塩基触媒を用いて、トリグリセリドとメタノールなどをエステル交換反応させて脂肪酸アルキルエステルを製造することができる。この製造方法による反応混合液は、後処理工程において、グリセリン層の分離、続いて脂肪酸アルキルエステル層を水で洗浄し、その後、100℃以下で減圧蒸留して脂肪酸アルキルエステルに含まれる水分をできるだけ除去して脂肪酸アルキルエステルを含む精製された反応混合液を得ている。この方法によって精製された反応混合液の含水量は、通常250ppmから500ppmの範囲である。
しかしながら、脂肪酸アルキルエステルが含まれた反応混合液に、水がわずかしか含まない場合であっても、貯蔵中、燃料タンク内、あるいは燃焼室に送液される過程でその水分によって脂肪酸とメタノールなどのアルキルアルコールに加水分解される懸念がある。脂肪酸は、金属腐食の原因となり、また、メタノールは、ゴム部品の膨張など燃料系部品の損傷の原因となるおそれがある。このため、エンジンなどの燃料として用いるためには、反応混合液の含水量をできる限り抑えることが好ましい。バイオディーゼル燃料中に含まれる水分がすべて加水分解に消費された場合、酸価の規格値0.5ppm以下になるときの脂肪酸アルキルエステル水分含量は160ppm以下である。
そこで、本発明は、脂肪酸アルキルエステルの加水分解を抑制し、かつ、含水量を150ppm以下という可及的に少なくする脂肪酸アルキルエステルの精製方法、その精製方法によって精製された脂肪酸アルキルエステルが含まれた混合液、及びその混合液が含まれた燃料を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、少なくとも水と脂肪酸アルキルエステルを含む混合液に水と共沸可能な溶剤を加えて水を留去することによって、混合液の含水量を150ppm以下に調整することができることを見出した。併せて、すなわち、本発明は、少なくとも水と脂肪酸アルキルエステルを含む混合液に水と共沸可能な溶剤を加えて水を留去することによって、混合液の含水量を150ppm以下に調整する工程を備えたことを特徴とする脂肪酸アルキルエステルの精製方法である。また、本発明は、その脂肪酸アルキルエステルの精製方法によって精製された脂肪酸アルキルエステルが含まれた混合液であり、さらにその混合液が含まれた燃料である。
以上のように、本発明によれば、含水量を可及的に少なくする脂肪酸アルキルエステルの精製方法、その精製方法によって精製された脂肪酸アルキルエステルが含まれた混合液、及びその混合液が含まれた燃料を提供することができる。
本発明において、水と脂肪酸アルキルエステルの混合液は、例えば、トリグリセリドと低級アルコールをアルカリ触媒の存在下でエステル交換反応させるなど、脂肪酸アルキルエステルの製造工程において、脂肪酸アルキルエステルが合成された後に、水洗処理や脱水処理が施された混合液などである。このような水と脂肪酸アルキルエステルの混合液は、特開昭56−120799号公報などに記載の方法により得ることができる。
本発明において、水分と共沸可能な溶剤は、脂肪酸アルキルエステルとともに共沸しうる溶剤であれば特に制限されないが、アルキルカーボネート、ケトン類、及び炭化水素類のうちいずれか1以上であることが好ましい。アルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート(炭酸ジメチル)、ジエチルカーボネート(炭酸ジエチル)、及びジプロピルカーボネートのような対称カーボネート、並びにメチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、及びエチルプロピルカーボネートのような非対称カーボネートが好ましく、ジメチルカーボネートが特に好ましい。ケトン類としては、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、及びメチルイソブチルケトンが好ましい。炭化水素類としては、炭素数6から8までの直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル炭化水素類が好ましく、シクロヘキサン、及びヘプタンが特に好ましい。また、水分と共沸可能な溶剤は、脂肪酸アルキルエステルを含有しているものでも良い。例えば、活性白土処理した活性白土残渣に含まれる脂肪酸アルキルエステルを溶媒で洗浄抽出した抽出液を用いることもできる。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルの精製方法において、水は、減圧若しくは加熱、又は減圧及び加熱によって、共沸可能な溶剤とともに留去される。共沸可能な溶剤の添加量は、脂肪酸アルキルエステルに対して5〜200重量%が好ましく、5〜50重量%が特に好ましい。水の留去の際の加熱温度は、40〜120℃が好ましく、60〜110℃がさらに好ましい。水の留去の際の減圧度は、50〜0.1キロパスカルが好ましく、10〜0.2キロパスカルがさらに好ましい。留去温度、留去処理の時間については、水の留去状況に応じて適宜設定することができる。本発明に係る脂肪酸アルキルエステルの精製方法によれば、脂肪酸、すなわち酸価を増加させないで含水量を150ppm以下に精製することができる。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルが含まれた混合液は、本発明に係る脂肪酸アルキルエステルの精製方法によって、含水量が150ppm以下、さらに好ましくは120ppm以下、特に好ましくは30〜100ppmの範囲に精製された脂肪酸アルキルエステルが含まれた混合液である。含水量は、カールフィッシャー法などを用いて測定することができる。
本発明に係る燃料は、本発明に係る脂肪酸アルキルエステルを含む燃料である。本発明に係る燃料は、含水量が少ないので、軽油の代替燃料として好適に利用することができる。例えば、ディーゼルエンジンで駆動する自動車、農業機械、及びフォークリフトなどのディーゼルエンジン用燃料として使用することができる。また、本発明に係る燃料は、軽油と混合した混合燃料として使用することもできる。混合燃料として用いる場合、本発明に係る燃料の軽油の総重量に対する割合は、例えば0を超え20重量%である。
次に、本発明の精製方法に係る実施例について説明する。
合成例1(脂肪酸アルキルエステルの合成)
還流器付きの1L容の三口反応フラスコにメタノール142g及び触媒として水酸化ナトリウム(和光純薬製)3.2gを添加して、均一溶解させた。これになたね油712gを入れて窒素置換を行なった後、予め加熱していたオイルバスに漬けて60℃で4時間加熱、反応した。反応後の反応液は、二相に分離した。
還流器付きの1L容の三口反応フラスコにメタノール142g及び触媒として水酸化ナトリウム(和光純薬製)3.2gを添加して、均一溶解させた。これになたね油712gを入れて窒素置換を行なった後、予め加熱していたオイルバスに漬けて60℃で4時間加熱、反応した。反応後の反応液は、二相に分離した。
その後、空冷により冷却した後に、生成したグリセリンを静置分離により除去した。グリセリン層の重量は119gであった。反応液に400mlの精製水を加えよく撹拌した後、静置分離により水層を除去した。次いで、反応液に1%酢酸水400mlを加えよく撹拌した後、静置分離により水層を除去した。反応液に400mlの精製水を加えよく撹拌した後、静置分離により水層を除去した。得られた脂肪酸メチルエステル層についてカールフィッシャー法で水分を測定し、中和滴定法(JIS K0070)で酸価を測定した結果、水分量は1000ppm以上、酸価0.01mgKOH/gであった。ガスクロマトグラフィー法での分析の結果から、脂肪酸メチルエステル層の重量は672g、脂肪酸メチルエステル含量は98.2重量%であった。ガスクロマトグラフィーは、すべて数1に示す条件で行った。
合成例2(脂肪酸アルキルエステルの合成)
なたね油の代わりにパーム油を用いた以外は、合成例1と同様にして脂肪酸アルキルエステルを得た。グリセリン層121g、脂肪酸メチルエステル層671gであった。ガスクロマトグラフィー法での分析の結果から、脂肪酸メチルエステルの含量は98.5重量%であった。カールフィッシャー法で水分を、中和滴定法(JIS K0070)で酸価を、ガスクロマトグラフィー法でメタノール測定した結果、水分量は1000ppm以上、酸価0.12mgKOH/gであった。
なたね油の代わりにパーム油を用いた以外は、合成例1と同様にして脂肪酸アルキルエステルを得た。グリセリン層121g、脂肪酸メチルエステル層671gであった。ガスクロマトグラフィー法での分析の結果から、脂肪酸メチルエステルの含量は98.5重量%であった。カールフィッシャー法で水分を、中和滴定法(JIS K0070)で酸価を、ガスクロマトグラフィー法でメタノール測定した結果、水分量は1000ppm以上、酸価0.12mgKOH/gであった。
比較例1
合成例1によって得られた脂肪酸アルキルエステルが含まれる反応混合液100mlをオイルバスにつけ、常圧で徐々に加熱し30分で120℃に達した。その後2時間120℃で過熱した後、室温まで冷却した。得られた脂肪酸メチルエステルが含まれる反応混合液についてカールフィッシャー法で水分の測定を行い、中和滴定法(JIS K0070)で酸価の測定を行い、ガスクロマトグラフィー法でメタノールの測定を行った。その結果、水分含量は480ppm、酸価0.20mgKOH/g、メタノールは0.04重量%であった。
合成例1によって得られた脂肪酸アルキルエステルが含まれる反応混合液100mlをオイルバスにつけ、常圧で徐々に加熱し30分で120℃に達した。その後2時間120℃で過熱した後、室温まで冷却した。得られた脂肪酸メチルエステルが含まれる反応混合液についてカールフィッシャー法で水分の測定を行い、中和滴定法(JIS K0070)で酸価の測定を行い、ガスクロマトグラフィー法でメタノールの測定を行った。その結果、水分含量は480ppm、酸価0.20mgKOH/g、メタノールは0.04重量%であった。
比較例2
合成例2によって得られた脂肪酸アルキルエステルが含まれる反応混合液100mlをオイルバスにつけ、常圧で徐々に加熱し30分で125℃に達した。その後2時間125℃で過熱した後、室温まで冷却した。得られた脂肪酸メチルエステルが含まれる反応混合液についてカールフィッシャー法で水分の測定を行い、中和滴定法(JIS K0070)で酸価の測定を行い、炭酸ジメチル、メタノールをガスクロマトグラフィー法で測定を行った。その結果、水分含量は430ppm、酸価0.26mgKOH/g、メタノールは0.06重量%であった。
合成例2によって得られた脂肪酸アルキルエステルが含まれる反応混合液100mlをオイルバスにつけ、常圧で徐々に加熱し30分で125℃に達した。その後2時間125℃で過熱した後、室温まで冷却した。得られた脂肪酸メチルエステルが含まれる反応混合液についてカールフィッシャー法で水分の測定を行い、中和滴定法(JIS K0070)で酸価の測定を行い、炭酸ジメチル、メタノールをガスクロマトグラフィー法で測定を行った。その結果、水分含量は430ppm、酸価0.26mgKOH/g、メタノールは0.06重量%であった。
実施例1
合成例1によって得られた脂肪酸アルキルエステルが含まれる反応混合液100mlに30mlのn−ヘプタン(和光純薬製、1級)を加えた。よく撹拌した後、ジムロート冷却菅が付いた蒸留装置に移し、n−ヘプタンを減圧下除去した。バス温45℃、減圧度2.8キロパスカルで約27mlのn−ヘプタンを留去した。留出温度は26−28℃であった。その後、徐々にバス温を110℃まで上げ、110℃を維持したまま約5分間かけて残りのn−ヘプタンを留去した。このとき留出温度は31−37℃で、減圧度1.4キロパスカルであった。得られた脂肪酸メチルエステルが含まれる反応混合液についてカールフィッシャー法で水分の測定を行い、中和滴定法(JIS K0070)で酸価の測定を行い、ガスクロマトグラフィー法でn−ヘプタン、メタノールの測定を行った。その結果、水分含量は40ppm、酸価0.01mgKOH/g、メタノール及びn−ヘプタンは検出されなかった。
合成例1によって得られた脂肪酸アルキルエステルが含まれる反応混合液100mlに30mlのn−ヘプタン(和光純薬製、1級)を加えた。よく撹拌した後、ジムロート冷却菅が付いた蒸留装置に移し、n−ヘプタンを減圧下除去した。バス温45℃、減圧度2.8キロパスカルで約27mlのn−ヘプタンを留去した。留出温度は26−28℃であった。その後、徐々にバス温を110℃まで上げ、110℃を維持したまま約5分間かけて残りのn−ヘプタンを留去した。このとき留出温度は31−37℃で、減圧度1.4キロパスカルであった。得られた脂肪酸メチルエステルが含まれる反応混合液についてカールフィッシャー法で水分の測定を行い、中和滴定法(JIS K0070)で酸価の測定を行い、ガスクロマトグラフィー法でn−ヘプタン、メタノールの測定を行った。その結果、水分含量は40ppm、酸価0.01mgKOH/g、メタノール及びn−ヘプタンは検出されなかった。
実施例2
合成例1によって得られた脂肪酸アルキルエステルが含まれる反応混合液100mlに30mlのメチルイソブチルケトン(和光純薬製、1級)を加えた。よく撹拌した後、ジムロート冷却菅が付いた蒸留装置に移し、メチルイソブチルケトンを減圧下除去した。バス温55℃、減圧度2.8キロパスカル、留出温度は30−34℃で約25mlのメチルイソブチルケトンを留去した後、徐々にバス温を110℃まで上げ、110℃を維持したまま約5分間かけて残りのメチルイソブチルケトンを留去した。このとき留出温度は32−37℃で、減圧度1.3キロパスカルであった。得られた脂肪酸メチルエステルが含まれる反応混合液についてカールフィッシャー法で水分の測定を行い、中和滴定法(JIS K0070)で酸価の測定を行い、ガスクロマトグラフィーでメチルイソブチルケトン、メタノールの測定を行った。その結果、水分含量は40ppm、酸価0.01mgKOH/g、メタノール及びメチルイソブチルケトンは検出されなかった。
合成例1によって得られた脂肪酸アルキルエステルが含まれる反応混合液100mlに30mlのメチルイソブチルケトン(和光純薬製、1級)を加えた。よく撹拌した後、ジムロート冷却菅が付いた蒸留装置に移し、メチルイソブチルケトンを減圧下除去した。バス温55℃、減圧度2.8キロパスカル、留出温度は30−34℃で約25mlのメチルイソブチルケトンを留去した後、徐々にバス温を110℃まで上げ、110℃を維持したまま約5分間かけて残りのメチルイソブチルケトンを留去した。このとき留出温度は32−37℃で、減圧度1.3キロパスカルであった。得られた脂肪酸メチルエステルが含まれる反応混合液についてカールフィッシャー法で水分の測定を行い、中和滴定法(JIS K0070)で酸価の測定を行い、ガスクロマトグラフィーでメチルイソブチルケトン、メタノールの測定を行った。その結果、水分含量は40ppm、酸価0.01mgKOH/g、メタノール及びメチルイソブチルケトンは検出されなかった。
実施例3
合成例1によって得られた脂肪酸アルキルエステルが含まれる反応混合液100mlに30mlの炭酸ジメチル(宇部興産製)を加えた。よく撹拌した後、ジムロート冷却菅が付いた蒸留装置に移し、炭酸ジメチルを減圧下除去した。バス温45℃、減圧度2.8キロパスカル、留出温度は26−28℃で約27mlの炭酸ジメチルを留去した。この時点の水分含量は100ppmであった。徐々にバス温を110℃まで上げ、110℃を維持したまま約5分間かけて残りの炭酸ジメチルを留去した。このとき留出温度は31−34℃で、減圧度1.2キロパスカルであった。得られた脂肪酸メチルエステルが含まれる反応混合液についてカールフィッシャー法で水分の測定を行い、中和滴定法(JIS K0070)で酸価の測定を行い、ガスクロマトグラフィー法で炭酸ジメチル、メタノールの測定を行った。その結果、水分含量は40ppm、酸価0.01mgKOH/g、メタノール及び炭酸ジメチルは検出されなかった。
合成例1によって得られた脂肪酸アルキルエステルが含まれる反応混合液100mlに30mlの炭酸ジメチル(宇部興産製)を加えた。よく撹拌した後、ジムロート冷却菅が付いた蒸留装置に移し、炭酸ジメチルを減圧下除去した。バス温45℃、減圧度2.8キロパスカル、留出温度は26−28℃で約27mlの炭酸ジメチルを留去した。この時点の水分含量は100ppmであった。徐々にバス温を110℃まで上げ、110℃を維持したまま約5分間かけて残りの炭酸ジメチルを留去した。このとき留出温度は31−34℃で、減圧度1.2キロパスカルであった。得られた脂肪酸メチルエステルが含まれる反応混合液についてカールフィッシャー法で水分の測定を行い、中和滴定法(JIS K0070)で酸価の測定を行い、ガスクロマトグラフィー法で炭酸ジメチル、メタノールの測定を行った。その結果、水分含量は40ppm、酸価0.01mgKOH/g、メタノール及び炭酸ジメチルは検出されなかった。
実施例4
比較例1において加熱脱水を試みて得られた脂肪酸アルキルエステル100mlに30mlの炭酸ジメチル(宇部興産製)を加えた。よく撹拌した後、それをジムロート冷却菅が付いた蒸留装置に移し、バス温度45℃、減圧度2.8キロパスカルで約27mlの炭酸ジメチルを留去した後、徐々にバス温度を80℃まで上げ、80℃を維持したまま約5分間かけて残りの炭酸ジメチルを留去した。このときの減圧度は、1.2キロパスカルであった。得られた脂肪酸メチルエステルが含まれる反応混合液を比較例1と同様に水分分析及び成分分析を行った。その結果、含水量は90ppm、酸価0.20mgKOH/g、炭酸ジメチルは、0.2%であり、メタノールは検出されなかった。
比較例1において加熱脱水を試みて得られた脂肪酸アルキルエステル100mlに30mlの炭酸ジメチル(宇部興産製)を加えた。よく撹拌した後、それをジムロート冷却菅が付いた蒸留装置に移し、バス温度45℃、減圧度2.8キロパスカルで約27mlの炭酸ジメチルを留去した後、徐々にバス温度を80℃まで上げ、80℃を維持したまま約5分間かけて残りの炭酸ジメチルを留去した。このときの減圧度は、1.2キロパスカルであった。得られた脂肪酸メチルエステルが含まれる反応混合液を比較例1と同様に水分分析及び成分分析を行った。その結果、含水量は90ppm、酸価0.20mgKOH/g、炭酸ジメチルは、0.2%であり、メタノールは検出されなかった。
実施例5
合成例1によって得られた脂肪酸アルキルエステルが含まれる反応混合液100mlに15mlの炭酸ジメチル(宇部興産製)と、15mlの実施例4で留去した炭酸ジメチルを加えた。よく撹拌した後、ジムロート冷却菅を付いた蒸留装置に移し、炭酸ジメチルを減圧下除去した。バス温45℃、減圧度2.8キロパスカル、留出温度は25−28℃で約27mlの炭酸ジメチルを留去した後、徐々にバス温を80℃まで上げ、80℃を維持したまま約5分間かけて残りの炭酸ジメチルを留去した。このとき留出温度は31−35℃で、減圧度1.2キロパスカルであった。得られた脂肪酸メチルエステルが含まれる反応混合液についてカールフィッシャー法で水分の測定を行い、中和滴定法(JIS K0070)で酸価の測定を行い、ガスクロマトグラフィー法で炭酸ジメチル、メタノールの測定を行った。その結果、水分含量は100ppm、酸価0.01mgKOH/g、炭酸ジメチル0.2%、メタノールは検出されなかった。
合成例1によって得られた脂肪酸アルキルエステルが含まれる反応混合液100mlに15mlの炭酸ジメチル(宇部興産製)と、15mlの実施例4で留去した炭酸ジメチルを加えた。よく撹拌した後、ジムロート冷却菅を付いた蒸留装置に移し、炭酸ジメチルを減圧下除去した。バス温45℃、減圧度2.8キロパスカル、留出温度は25−28℃で約27mlの炭酸ジメチルを留去した後、徐々にバス温を80℃まで上げ、80℃を維持したまま約5分間かけて残りの炭酸ジメチルを留去した。このとき留出温度は31−35℃で、減圧度1.2キロパスカルであった。得られた脂肪酸メチルエステルが含まれる反応混合液についてカールフィッシャー法で水分の測定を行い、中和滴定法(JIS K0070)で酸価の測定を行い、ガスクロマトグラフィー法で炭酸ジメチル、メタノールの測定を行った。その結果、水分含量は100ppm、酸価0.01mgKOH/g、炭酸ジメチル0.2%、メタノールは検出されなかった。
実施例6
合成例1によって得られた脂肪酸アルキルエステルが含まれる反応混合液200mlに活性白土10g(日本活性白土株式会社製、SA35)を入れ、室温で1時間撹拌した。反応液をろ過した後、活性白土の重量を測定したところ19gであった。活性白土に吸着された脂肪酸酸メチルエステルを除去するため、30mlの炭酸ジメル(宇部興産製)に懸濁させ、2時間撹拌した。懸濁液をろ過して活性白土を除いて得たろ液38mlの中から30mlを実施例1で製造した反応液100mlに加えた。よく撹拌した後、ジムロート冷却菅を付いた蒸留装置に移し、炭酸ジメチルを減圧下除去した。バス温45℃、減圧度2.8キロパスカルで留出温度は25−28℃約25mlの炭酸ジメチルを留去した後、徐々にバス温を110℃まで上げ、110℃を維持したまま約5分間かけて残りの炭酸ジメチルを留去した。このとき留出温度は32−35℃で、減圧度1.3キロパスカルであった。得られた脂肪酸メチルエステルが含まれる反応混合液についてカールフィッシャー法で水分の測定を行い、中和滴定法(JIS K0070)で酸価の測定を行い、ガスクロマトグラフィー法で炭酸ジメチル、メタノールの測定を行った。その結果、水分含量は40ppm、酸価0.02mgKOH/g、メタノール及び炭酸ジメチルは検出されなかった。
合成例1によって得られた脂肪酸アルキルエステルが含まれる反応混合液200mlに活性白土10g(日本活性白土株式会社製、SA35)を入れ、室温で1時間撹拌した。反応液をろ過した後、活性白土の重量を測定したところ19gであった。活性白土に吸着された脂肪酸酸メチルエステルを除去するため、30mlの炭酸ジメル(宇部興産製)に懸濁させ、2時間撹拌した。懸濁液をろ過して活性白土を除いて得たろ液38mlの中から30mlを実施例1で製造した反応液100mlに加えた。よく撹拌した後、ジムロート冷却菅を付いた蒸留装置に移し、炭酸ジメチルを減圧下除去した。バス温45℃、減圧度2.8キロパスカルで留出温度は25−28℃約25mlの炭酸ジメチルを留去した後、徐々にバス温を110℃まで上げ、110℃を維持したまま約5分間かけて残りの炭酸ジメチルを留去した。このとき留出温度は32−35℃で、減圧度1.3キロパスカルであった。得られた脂肪酸メチルエステルが含まれる反応混合液についてカールフィッシャー法で水分の測定を行い、中和滴定法(JIS K0070)で酸価の測定を行い、ガスクロマトグラフィー法で炭酸ジメチル、メタノールの測定を行った。その結果、水分含量は40ppm、酸価0.02mgKOH/g、メタノール及び炭酸ジメチルは検出されなかった。
実施例7
合成例2によって得られた脂肪酸アルキルエステルが含まれる反応混合液100mlに30mlの炭酸ジメチル(宇部興産製)を加え実施例3と同様な操作を行った。得られた脂肪酸メチルエステルが含まれる反応混合液についてカールフィッシャー法で水分の測定を行い、中和滴定法(JIS K0070)で酸価の測定を行い、ガスクロマトグラフィー法で炭酸ジメチル、メタノールの測定を行った。その結果、水分含量は50ppm、酸価0.12mgKOH/g、メタノール及び炭酸ジメチルは検出されなかった。
合成例2によって得られた脂肪酸アルキルエステルが含まれる反応混合液100mlに30mlの炭酸ジメチル(宇部興産製)を加え実施例3と同様な操作を行った。得られた脂肪酸メチルエステルが含まれる反応混合液についてカールフィッシャー法で水分の測定を行い、中和滴定法(JIS K0070)で酸価の測定を行い、ガスクロマトグラフィー法で炭酸ジメチル、メタノールの測定を行った。その結果、水分含量は50ppm、酸価0.12mgKOH/g、メタノール及び炭酸ジメチルは検出されなかった。
Claims (4)
- 少なくとも水と脂肪酸アルキルエステルを含む混合液に水と共沸可能な溶剤を加えて水を留去することによって、混合液の含水量を150ppm以下に調整する工程を備えたことを特徴とする脂肪酸アルキルエステルの精製方法。
- 前記溶剤が、アルキルカーボネート、ケトン類、及び炭化水素類のうち少なくとも1以上であることを特徴とする請求項1記載の脂肪酸アルキルエステルの精製方法。
- 請求項1又は2記載の脂肪酸アルキルエステルの精製方法によって精製された脂肪酸アルキルエステルが含まれた混合液。
- 請求項3記載の混合液が含まれた燃料。
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