本発明は、受信装置から供給される入力信号を認識する信号処理回路に関する。
従来より、操作部(以下、リモコンという)を用いて被操作部を遠隔的に操作させる電器機器の商品化が広く行われている。かかる電器機器は、リモコンから送信される操作信号を被操作部が受信し、これにより、被操作部では、操作信号が入力信号に変換され、当該入力信号が論理演算されることにより、適宜な駆動制御が実現される。また、かかる操作信号は、赤外線信号を用いる方式が広く採用されており、今日に至っては、被操作部とリモコンとの通信精度を改善させる種々の検討が成されている。
リモコンと被操作部との通信に用いられる赤外線信号は、入力信号の頭出しを認識させるリーダーコードと、リモコンから送信される赤外線信号の属性を認識させるカスタムコードと、所定の指令情報を具備するデータコードと、信号の末尾を認識させるトレーラコードとを構成させることが義務付けられている。そして、赤外線信号を用いた信号処理回路では、リーダーコードの波形を認識することにより、新たな入力信号の到来を検知し、カスタムコード及びデータコードをデジタルデータ化させた入力情報として取得する。
しかし、赤外線信号から得られる入力信号には、諸原因によって種々のノイズが重畳されることが知られている。具体的には、制御装置の駆動により発生する電磁波に起因して現れる輻射ノイズ、商用電源のリップル成分に起因して現れる電源ノイズ、太陽光または他の光源から進入する不要な光が受光部で受信される際に生じる外来光ノイズ、また、インバータ制御方式を採用した蛍光灯で発生する過渡ノイズ等、この他、様々な原因によるノイズが挙げられる。そして、これらのノイズが入力信号に重畳されると、被制御部に設けられた信号処理回路では不正な入力情報を認識するので、これによって、被操作部では、かかる不正な入力情報に対して動作拒否を行うか、または、場合によっては誤動作を行う危険が生じる。
そこで、かかる問題を回避すべく、特開昭60−153238号公報(特許文献1)では、赤外線信号を入力信号に変換させる赤外線リモートコントロール受信回路(以下、受信回路と呼ぶ)の技術が紹介されている。かかる受信回路は、受光部を備える受光装置に設けられ、赤外線信号を検波する検波回路と、入力信号レベルに応じて感度を変動させる検波感度調整回路と、信号のピーク値を保持するコンデンサとから構成されている。そして、かかる構成によって、受信回路では、パルス信号が連続的に供給される場合、受光回路の感度を低下させ、一方、パルス信号が一定時間途絶えた後、再度パルス信号の供給が開始される場合、受光回路の感度を元の初期値まで引き上げる。そして、かかる動作を行うことにより、受信回路で生成される入力信号には、上述した種々のノイズを排除させたパルス波が複数形成される。尚、検波感度調整回路は、ABLC(Automatic Bias Level Control)またはAGC(Auto Gain Control)とも称され、入力信号のバイアスレベルを適宜に変動させ、これにより、かかるノイズの低減が図られている。
しかしながら、特許文献1の技術を用いる場合、受信回路は赤外線信号の先頭部付近における受信感度が高く設定されるため、入力信号を構成するリーダーコードには、上述したノイズ成分が重畳されることとなる。そして、かかる如く、リーダーコードにノイズ成分が重畳されると、信号処理回路または制御装置では、入力信号の頭出しを認識できなくなる現象が多発し、入力信号の頭出しを適正に確認できるまで、リモコン側から同一操作をリトライさせなければならないとの問題が生じる。
また、赤外線信号の周波数は33kHz〜40kHzとされ、一方、蛍光灯の点灯周波数にあっても当該赤外線信号の周波数に近いものを用いる場合が有る。このとき、不要な蛍光灯の光は、受光装置にてフィルタリングされることなく入力信号にノイズとして重畳され、被操作部の誤動作を招く甚大な影響を与える。また、インバータ制御方式の蛍光灯を用いる場合、蛍光灯の点灯動作当初では、インバータ回路が極めて高い周波数で駆動されるため、これにより生じる過渡ノイズは、赤外線から抽出された入力信号を毀損させる。従って、受光部に蛍光灯の光が進入する場合、リーダーコードのノイズ成分が更に顕著に現れ、これにより、信号処理回路または制御装置では、入力信号の頭出しを適切に認識できなくなるとの問題が生じる。
本発明は上記課題に鑑み、入力信号におけるリーダーコードの波形がノイズによって毀損される場合であっても、確実に入力信号の頭出しを行い得る信号処理回路の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では次のような信号処理回路の構成とする。すなわち、操作部から送信される操作信号を入力信号へと変換させる信号変換回路に接続され、前記信号変換回路を具備する被操作部に設けられ前記入力信号に基づき前記被操作部を駆動制御させ、前記入力信号に形成された起動信号毎に起動され前記入力信号に基づいてデジタルデータ化された入力情報を認識する信号認識処理が実行されるプログラムを少なくとも備える信号処理回路において、前記信号認識処理は、前記入力情報のうち前記信号認識処理の起動によって更新された更新入力情報を認識する更新情報認識処理と、前記更新入力情報と予め規定された頭出情報とを比較させる頭出情報比較処理とを備え、前記更新入力情報のうち前記頭出情報と一致する場合の更新入力情報を1回又は複数回更新させた頭出済更新入力情報に基づいて非頭出入力情報の認識処理を実行させ、前記更新入力情報及び前記頭出情報が不一致とされる場合の更新入力情報を1回又は複数回更新させた頭出未確認更新入力情報と前記頭出情報とを比較させ頭出情報比較処理を続行させる。このとき、好ましくは、前記信号認識処理は、更に、前記頭出済更新入力情報に基づいて非頭出情報を認識する非頭出情報認識処理を備え、前記更新入力情報と前記頭出情報とが一致した後に起動される信号認識処理では、前記非頭出情報認識処理を実行させ、前記更新入力情報と前記頭出情報とが不一致とされた後に起動される信号認識処理では、前記頭出情報比較処理を続行させる。更に、好ましくは、前記入力信号は、当該入力信号の認証情報が形成されたカスタムコードと指令情報が形成されたデータコードと前記入力信号の末端情報が形成されたトレーラコードとを少なくとも備える複数の信号群から成り、前記頭出情報は、正規のカスタムコードの全部又は一部のデジタルデータから成ることとする。更に好ましくは、前記信号認識処理は、更に、リーダーコードに相当する波形を認識して頭出確認を行うリーダーコード頭出処理を備え、前記リーダーコード頭出処理で前記リーダーコードを認識できなかった場合、前記頭出情報比較処理または前記非頭出情報認識処理を実行させ、前記リーダーコード頭出処理で前記リーダーコードを認識できた場合、次回以後に起動される信号認識処理では、頭出情報比較処理を実行不能にし、非頭出情報認識処理を実行させることとする。更に、好ましくは、前記信号処理回路には、更に、規定時間毎に起動され前記入力信号の波形を検出するタイマカウント処理を実行させるプログラムが設けられ、前記タイマカウント処理は、前記トレーラコードに対応するコード情報が付与された末端入力情報を解析する末端入力情報解析処理と、前記末端入力情報が不適正であると判断された場合に前記信号認識処理にて認識された入力情報を無効にさせるリセット処理とを備えることとする。更に好ましくは、前記操作部は、非接続状態で遠隔的に前記被操作部を操作させるリモートコントローラであることとする。更に、好ましくは、前記操作信号は、前記操作部にて生成される赤外線信号であることとする。
本発明に係る信号処理回路では、信号認識処理の頭出情報比較処理によって、カスタムコードの全部または一部から成る入力情報に基づき頭出情報を認識する処理が実行されるので、リーダーコードの波形がノイズによって毀損される場合であっても、かかるリーダーコードの波形に影響されることなく、頭出情報の認識処理が確実に実現される。然るに、受光部に蛍光灯の光が進入する場合であっても、かかる信号処理回路では、同様に、頭出情報の認識処理が確実に実現される。
また、ABLC機能を備える受信装置では、リーダーコード領域のゲインを増大させ、反面、リーダーコードを除く他のコード領域のゲインを減少させ、これにより、入力情報を構成するパルス波の形状的な安定化が図られている。従って、カスタムコードに相当するパルス波はS/N比が良好な信号状態に維持されるので、信号処理回路では、頭出情報を認識する更新情報認識処理の認識精度が向上し、リモコンで行われるリトライ操作の負担軽減が図られる。
更に、全入力情報を取得した後にトレーラコードの末端入力情報を確認する処理を実効させる信号処理回路では、入力情報のチェック機能が更に改善され、他の機種から受信した入力信号が偶発的に正規信号として認識されることなく、自己の電器機器の誤動作を防止させることが可能となる。
併せて、リーダーコードを用いて頭出しの確認を行う処理が更に追加された信号処理回路では、一つの入力信号に対して複数回の頭出し認識処理を実行させる機会が与えられ、これにより、頭出し動作に係る認識精度の向上が図られる。
以下、本発明に係る実施の形態につき図面を参照して説明する。
図2には、実施例1に係る照明機器(特許請求の範囲における被操作部)が示されている。また、当該照明機器100の動作を遠隔的に操作させるリモートコントローラRC(特許請求の範囲における操作部)が併せて示されている。尚、リモートコントローラRC(以下、リモコンと呼ぶ)では、操作者の適宜なボタン操作によって操作信号を生成させ、非接続状態とされた赤外線通信により操作信号を照明機器100に送信させる。
図示の如く、照明機器100は、筐体部110とシェード部120と放電灯部130とイオン装置部140とから構成される。筐体部110は、下底は開口状態とされた薄円筒形に形成され、室内の天井部に取り付けられている。シェード部120は、放電灯の光を適度に乱反射させる光透過性の材料が傘型形状に形成され、筐体部110の下底を覆う状態で当該筐体部110に固定される。放電灯部130は、放電灯130aとソケット130bとケーブル130cと制御部131と受光装置132とから構成される。放電灯130aは、ソケット130b及びケーブル130cを介して制御部131へ接続される。また、受光装置132は、受光部と図示されない信号変換回路132aとから構成され、かかる信号変換回路132aでは、外線信号を受光するフォトダイオードと当該フォトダイオードの出力値を適宜に調整させるABLCと赤外線信号の成分のみを通過させるバンドパスフィルタとこれらの回路構成によって得られた成形波を出力させるトランジスタとから構成され、筐体部110の上底部に配されると共に図示されない配線によって制御部131へ接続される。そして、かかる構成を具備する放電灯部130は、受光装置132にて受信した赤外線信号に応動して放電灯130aを点灯又は消灯させる。更に、イオン装置部140は、本体部140aとイオン発生部140bとケーブル140cと制御部141と受光装置142とから構成される。本体部140aは、放電現象によりマイナスイオンを発生させるイオン発生部140bと受光装置131に類する構成を具備する受光装置142とを備え、併せて、制御部141が格納されている。かかる制御部141は、ケーブル140cを介して商用電源に接続される。また、信号変換部142は、前述同様に図示されない配線によって制御部141へ接続される。そして、かかる構成を具備するイオン装置部140では、放電灯部130と同様に、受信された赤外線信号が制御部141によって適宜に処理され、操作者の行ったリモコン操作に応じた動作が行われる。
図3には、制御部131及び141に係る機能ブロック図が示されている。尚、同図には、制御部131及び141の構成の他に、信号変換回路132a及び142aと放電灯部130とイオン発生部140とが便宜的に示されている。図示の如く、放電灯部130に用いられる制御部131は、発振回路131aと信号変換回路132aと信号処理回路131bと放電灯用ドライブ回路131cとから構成される。発振回路131aは、信号処理回路131bに接続され当該信号処理回路131bに対して基準クロックを供給する。信号変換回路132aは、信号処理回路131bに接続され、受光部で受信した赤外線信号を入力信号SG2に電気変換し、当該入力信号SG2を信号処理回路131bへ供給させる。信号処理回路131bは、受信した基準クロック及び入力信号SG2を適宜に情報処理し、後段に接続される放電灯用ドライブ回路131cを駆動させる。放電灯用ドライブ回路131は、放電灯部130に接続され、当該放電灯部へ出力信号を出力させる。これにより、放電灯部130では、出力信号に基づいてインバータ回路部130eが駆動され、放電灯130aを適宜に点灯又は消灯させる。また、イオン装置部140に用いられる制御部141にあっても前述した制御部131と同様の機能構成が執られる。具体的に説明すると、かかる制御部141は、発振回路141aと信号変換回路142aと信号処理回路141bとイオン装置用ドライブ回路141cとから構成され。かかる構成により、イオン装置用ドライブ回路141cに接続されるイオン装置140では、出力信号に応じてコロナ放電を生じせしめ、これによって生じた電子に気体分子が結合し、マイナスイオンが生成される。
次に図4を参照して、イオン発生装置部140を駆動させる赤外線信号SG1が信号変換回路141aによって変換された入力信号SG1の構成について説明する。先ず図4(b)を参照すると、かかる入力信号SG1は、常時High状態とされ、0.56msecを単位パルス幅Tとする複数のパルス波によって構成される様子が示されている。具体的には、リーダーコードLCとカスタムコードCCとデータコードDCとミラーコードMCとトレーラコードTCとから入力信号SG1が構成される。リーダーコードLCは、16TのLow値と8TのHigh値とから成り、信号の先頭を示すマーカー機能を担う。カスタムコードCCは、リーダーコードLC後の隙間SCの後段に配され、1TのHigh値及び1TのLow値から成る0値信号と3TのHigh値及び1TのLow値から成る1値信号との組合せによって構成される。かかるカスタムコードCCは、製造会社情報及び製品情報を識別させる認証情報が形成されており、具体的には、第1のカスタムコードCC1と第2のカスタムコードCC2とが順に配列され、各々が8ビットの信号によって構成されている。本実施例の照明機器100では、認証情報が16進数で示した場合に「80−6e」として予め規定されており、入力信号SG1には、かかる認証情報「80−6e」を2進数に変換させたデジタルデータ「10000000−01101110」が0値信号及び1値信号によって形成されている。データコードDCは、信号処理回路141bから適宜な出力信号を出力させるための指令情報が形成されている。ミラーコードMCは、データコードDCの信号を反転させた値によって構成され、データコードDCの誤認識を判定する際に用いられる。トレーラコードTCは、1TのLow信号と16TのHigh信号とから成る端末情報を具備し、入力信号SG1の末尾を報知させるマーカー機能を担う。そして、信号処理回路141bでは、図4(a)に示す如く、入力信号SG1に表現された入力情報Ifが信号群毎に受信データとして認識される。尚、前述した隙間SCとは、本来カスタムコードの一部を構成するものであって、本実施例に係る処理に何ら影響を与える構成ではなく、説明の便宜上設けられているものである。また、本実施例では、入力信号SG1がリーダーコードLC及びカスタムコードCC及びデータコードDC及びミラーコードMC及びトレーラコードによって構成されているが。これに限定することなく、例えば、リーダーコードLC及び/又はミラーコードMCを省略しても良い。また、図4(b)に示される入力信号SG1に他の機能を実現させるコード信号を追加させても良い。
次に、図5を参照して、信号処理回路141bで実行される処理ルーチンの構成について説明する。かかる処理ルーチンは、基幹動作の処理手順が規定されているメインルーチンMPと、所定の条件が整った時にメインルーチンMPの動作を一時中断させ優先的に所定の処理を実行させるサブルーチンSPとから構成される。メインルーチンMPは、電源の供給が開始された場合又はリセット動作を開始させる場合に主電源の供給を認識する電源認識処理MPaと、前段の電源認識処理MPaを受けてメモリ又はレジスタに記録された不要な記録をクリヤさせる初期化処理MPbと、前段の初期化処理MPbが完了した後、信号変換回路132aから供給される入力信号SG1から情報を抽出する入力処理MPcと、入力処理MPcによって得られた受信データを基礎として出力信号を演算させる演算処理MPdと、演算処理MPdにて演算された出力信号を所望のタイミングで供給して照明機器を駆動制御させる出力制御処理MPeとから構成されるプログラムによって実行される。かかるメインルーチンMPは、一度起動されると、入力処理MPcを起点として演算処理MPdを介し出力処理MPeへと導引される一連の処理を反復的に循環処理させる。一方、サブルーチンSPは、少なくとも二つの割込処理を備え、具体的には、信号認識処理SP1とタイマカウント処理SP2とから構成される。このうち、信号認識処理SP1では、入力信号SG1に形成された起動信号ES毎に起動され、入力信号SG1に基づいてデジタルデータ化された入力情報Ifを認識するプログラムが実行される。尚、本実施例において、起動信号ESは、入力信号SG1に形成された立ち上がりエッジを対象としているが、これに限らず、起動信号は、立ち下がりエッジのみを検出するようにしても良い。一方、タイマカウント処理SP2では、入力信号SG1の波形状態を検出するプログラムが実行される。具体的に説明すると、タイマカウント処理SP2は、図6に示す如く、信号判定処理(S131)と信号認識処理起動許可処理(S132)とパルス幅適正判定処理(S133)とリセット処理(S134)とから成るプログラムによって実行される。かかるタイマカウント処理SP2は、発振回路141aから供給されるクロック信号に基づき生成される規定時間毎に起動する。当該規定時間は、発振回路141aのクロック信号を処理して、数マイクロ秒程度に規定されている。そして、規定時間が到来してタイマカウント処理SP2が起動されると、信号判定処理(S131)が実行される。信号判定処理(S131)では、現在の規定時間に対応する入力信号の波形状態がHighであるかLowであるかを判定し、かかる波形状態が維持される継続時間を測定することにより、波形状態の切り替わりがノイズに起因するものか入力信号SG1のパルス波に起因するものかを判定する。即ち、入力信号SG1に重畳されるノイズ成分は単発的に発生するため、信号判定処理(S131)では、波形状態の継続時間が短い信号成分を排除させることにより、入力信号SG1のノイズ成分が有効に除去される。そして、信号判定処理(S131)にてパルス波であると判定された場合、後述する信号認識処理SP1の起動を許可させ(S132)、パルス幅適正判定処理(S133)を実行させる。一方、信号判定処理(S131)にてノイズであると判断された場合、信号認識処理SP1の起動を不許可とさせた状態で、パルス幅適正判定処理(S133)を実行させる。そして、パルス幅適正判定処理(S133)では、波形状態がHighとされている時間を計測し、検出された連続Highとされる信号成分の時間が1値信号のパルス幅を大きく上回る場合、現在観測している信号が0値信号でも1値信号でもないと認識し、次回の入力信号SG1の受信準備を整えるためにリセット処理(S134)を実行させ、タイマカウント処理SP2を終了させる。尚、かかるリセット処理(S134)は、後述する信号認識処理SP1にて実行されるリセット処理(S110)と同一の処理を実行させ、かかるリセット処理(S110)の処理内容については、図1にて詳述する。また、パルス幅適正判定処理(S133)では、検出された連続Highとされる信号成分の時間が1値信号のパルス幅を下回る場合、現在観測している信号が0値信号または1値信号であると認識し、リセット処理(S134)を迂回することにより現在まで取得した入力信号SG1の情報を保持させ、タイマカウント処理SP2を終了させる。以下、S132にて起動許可される信号認識処理SP1について詳述する。
図1には、信号認識処理の処理手順を示すフローチャートが示されている。尚、本実施例では、図4に示す如く、信号認識処理SP1において閾値Aが設けられ、リーダーコードLCの立ち上がりエッジが検出されないようにマスク処理されている。先ず、新たな入力信号を受信した際における、信号処理回路SP1が最初の起動信号ES1によって起動された場合について説明する。起動信号ES1によって信号認識処理SP1が起動されると、前回の入力信号におけるトレーラコードTCが確実に終了しているか否かの判定が行われる(S101)。ここでは、トレーラコードTCに形成された起動信号ES33から今回信号認識処理SP1を起動させた起動信号ES1までの経過時間を測定し、起動信号ES1の発生時点と閾値Aの終了時点とを比較させる。そして、ES1の発生時点が閾値Aより後の場合、今回の起動信号ES1は適正な信号に対応するものと判断され、信号認識処理SP1はタイマカウント(S102)を実行させる。また、起動信号ESの発生時点が閾値Aより前の場合、今回の起動信号はノイズに起因するものと判断され、リセット処理(S110)へと移行される。前述の如く正規の起動信号ES1として処理されると、タイマカウント(S102)では、数マイクロ秒のクロックカウントを開始させ、タイマカウント処理SP2の起動準備を整える。その後、起動信号ES1に対応する入力信号のパルス幅を測定し、当該パルスが入力情報を形成させた波形であるか否かを判定する(S103)。このとき、当該パルス幅が適正範囲に含まれない場合には、入力信号が不正であると判断され、信号認識処理SP1はリセット処理(S110)を実行させる。一方、当該パルス幅が適正範囲に含まれる場合には、入力信号が適正であると判断され、信号認識処理SP1は更新情報認識処理(S104)を実行させる。かかる更新情報認識処理(S104)では、起動信号ES1に対応するパルス信号を1ビットデジタルデータとして認識し、今まで格納されていたレジスタ内のデジタルデータに当該1ビットデジタルデータを投入し、これにより、今回の信号認識処理SP1の起動によって更新された更新入力情報が8ビットのレジスタ内に格納される。かかる更新情報認識処理(S104)は、具体的に説明すると、データシフト処理とパルス信号認識処理とデータ格納処理とを備える。データシフト処理は、8ビットのレジスタ内のデータのうち最も古いデータを破棄させ、残りの7ビットのデータのうち最も古いデータが次に破棄される状態にてシフトさせる。パルス信号認識処理は、起動信号ES1に対応するパルス波が0値信号又は1値信号の何れの入力情報に該当するかを認識させる。データ格納処理は、S104にて新たに認識された「0」又は「1」の入力情報をレジスタ内の空領域に格納させる。そして、かかる如く更新情報認識処理(S104)が実行された後、第1のカスタムコードCC1(特許請求の範囲における頭出情報)が検出されたか否かの判別処理(S105)が実行される。このとき、レジスタ内には第1のカスタムコードCC1の1ビット分のデータしか記録されていないので、S105では、頭出情報を検出していないと判断され、頭出情報比較処理(S106)へと移行させる。かかる頭出情報比較処理(S106)では、信号処理回路141bのメモリ回路に格納された頭出情報が読み込まれ、当該頭出情報と第1のカスタムコードCC1とを比較させる。現段階において、レジスタ内には第1のカスタムコードCC1の1ビットデータしか記録されていないので、頭出情報比較処理(S106)では、レジスタ内に格納された更新入力情報が頭出情報と一致しないと判断され、エッジカウント初期化処理(S112)のプログラムに移行される。かかるエッジカウント初期化処理(S112)では、数マイクロ秒毎に刻まれるエッジのカウント値を計数するエッジカウンタをクリヤさせ、次に認識されるパルスの計測準備に備える。そして、エッジカウント初期化処理(S112)の完了を待って、今回の起動信号ES1に対応する信号認識処理SP1が終了される。
かかる如く、起動信号毎に信号認識処理SP1が起動されると、これに応じて、レジスタ内に入力情報が順次蓄積される。このとき起動信号毎に、頭出情報比較処理(106)では、更新入力情報及び頭出情報が不一致とされる場合の更新入力情報を更新させた頭出未確認更新入力情報と頭出情報とを比較させていくこととなる。そして、起動信号ES8によって信号認識処理SP1が起動されると、レジスタ内に第1のカスタムコードCC1を構成する全ての頭出情報が格納され、信号認識処理SP1では以下の如くプログラムが実行される。かかる如く、起動信号ES8によって信号認識処理SP1が起動されると、更新情報認識処理(S104)では、第1のカスタムコードCC1の格納が完了する。その後、S105では、起動信号ES7迄の更新入力情報のうち如何なる更新入力情報にあっても頭出情報と一致していないので、第1のカスタムデータCC1は未だに検出されていないと判定され、頭出情報比較処理(S106)のプログラムを実行させる。このとき、頭出情報比較処理(S106)では、第1のカスタムコードCC1に相当する更新入力情報とメモリに格納された頭出情報とを比較させるので、更新入力情報が頭出情報と一致する頭出済更新入力情報であると判断され、後段のレジスタカウント初期化処理(S111)のプログラムを実行させる。レジスタカウント初期化処理(S111)では、第1のカスタムコードCC1の認識終了を受けて、次に受信される第2のカスタムコードCC2の認識準備に備える。具体的に説明すると、図4(a)に示す如く、第1のカスタムコードCC1に割り振られたコード情報「CODE_NUM=0」をインクリメントさせ、コード情報「CODE_NUM=1」に書き換える。また、レジスタ内に入力情報が1ビット格納される毎にカウント値をインクリメントさせるビットカウンタをクリヤさせる。即ち、コード情報を「CODE_NUM=1」に書き換えることで、次回認識される入力情報は第2のカスタムコードCC2に属することを報知させ、ビットカウンタをクリヤさせることで、次回認識される入力情報が第2のカスタムコードCC2の第1ビット目であることを報知させる。そして、かかる処理後、エッジカウント初期化処理(S112)が実行され、次に認識されるパルスの計測準備が整えられる。
前述の如く、第2のカスタムデータCC2の認識準備が整えられ、第2のカスタムコードCC2に対応する信号認識処理SP1が起動されると、当該信号認識処理SP1では以下の如くプログラムが実行される。先ず、起動信号ES9に対応する信号認識処理SP1が起動されると、更新情報認識処理(S104)では、レジスタ内に新たな入力情報を格納させる。その後、S105では、コード情報「CODE_NUM=1」を読み取り、受信中のコードが第2のカスタムコードCC2であることを認識する。このとき、S105では、第1のカスタムコードCC1とされる頭出情報が既に認識されているとして、これにより、信号認識処理SP1は、更新入力情報のうち頭出情報と一致する場合の更新入力情報を更新させた頭出済更新入力情報に基づいて非頭出入力情報の認識処理を実行させる。かかる非頭出入力情報の認識処理は、8ビット検出判定処理(S107)と非頭出情報正誤判定処理(S108)とから構成される。8ビット検出判定処理(S107)では、コード情報に対応する入力情報がレジスタ内に8ビット格納されたか否かを判定する。従って、起動信号ES9によって起動された信号認識処理SP1の場合、レジスタ内の更新入力情報は、第2のカスタムコードCC2に相当する入力情報が1ビット分しか格納されていないので、かかる場合の信号認識処理SP1は、S107の処理後に、エッジカウント初期化処理(S112)を実行させ、次に立ち上がる起動信号SE10のエッジカウントを行う準備を整える。かかる如く、本実施例に係る信号認識処理SP1では、更新入力情報と頭出情報とが一致した後に起動される場合に非頭出情報の認識処理を実行させ、更新入力情報と前記頭出情報とが不一致とされた後に起動される場合に頭出情報比較処理を続行させる。
その後、起動信号ES10〜ES15によって信号認識処理SP1が起動されると、各々起動された信号認識処理SP1によって、レジスタ内には、第2のカスタムコードCC2に対応する入力情報が1ビットずつ増加蓄積される。その後、第2のカスタムコードCC2の最後の信号とされる起動信号ES16によって信号認識処理SP1が起動される場合、当該信号認識処理SP1は、以下の如くプログラムを実行させる。即ち、更新情報認識処理(S104)では、第2のカスタムコードCC2の最後の入力情報をレジスタ内に格納させ、これにより、更新入力情報は、第2のカスタムコードCC2の全ての入力情報を取得した状態とされる。その後、S105では、第1のカスタムコードCC1を既に取得したとして、S107の処理に移行させる。S107では、カウントビット(cnt_bit=8)を読み取り、第2のカスタムコードCC2に対応する入力情報が全て取得されたと認識し、これにより、全入力情報認識処理S109を実行させることとなる。全入力情報認処理S109では、今回取得された頭出済更新入力情報を認識し、かかる認識結果に基づいて正誤判定処理を実行させる。具体的に説明すると、頭出済更新入力情報が「CODE_NUM=1」とされる場合には、予めメモリに格納されている参照情報と更新入力情報とを比較させ、第2のカスタムコードCC2が適正データであるか否かを判定させる。また、頭出済更新入力情報が「CODE_NUM=2」とされる場合には、データコードDCを構成するデータ列を反転させ、メモリ部に格納させる。また、頭出済更新入力情報が「CODE_NUM=3」とされる場合には、このとき取得したミラーコードMCの更新入力情報とデータコードDCの反転データとを比較させ、一致するか否かを判定する。そして、非頭出情報正誤判定処理(S108)では、何れかの8ビットの更新入力情報が誤りであると判定した場合、リセット処理(S110)を実行させ、入力信号に対応する今までの取得情報を全て破棄させる。また、第2のカスタムコードCC2及びデータコードDC及びミラーコードMCの全ての頭出済更新入力情報が適正であると判定した場合、全入力情報認識処理(S109)を実行させる。従って、起動信号ES16によって信号認識処理SP1が起動される場合、全入力情報認識処理(S109)では、データコードDC及びミラーコードMCに対応する入力情報の取得が不十分であるとして、リセット処理(S110)を実行させる。そして、第2のカスタムコードCC2に関する入力情報の全てが取得されると、次回に起動される信号認識処理SP1では、前述同様、データコードDCに関する入力情報の取得動作を開始させる。また、データコードDCに関する入力情報の全てが取得されると、次回に起動される信号認識処理SP1にあっても、ミラーコードMCに関する入力情報の取得動作を開始させる。但し、ミラーコードMCの全ての入力情報が取得完了した場合、全入力情報認識処理(S109)では、第1のカスタムコードCC1からミラーコードMCに至る全ての入力情報を認識したとして、リセット処理(S110)を実行させずに、これらの入力情報を有効とさせた状態で信号認識処理SP1を終了させる。
上述の如く、本実施例に係る信号処理回路141bでは、信号認識処理SP1の頭出情報比較処理(S106)によって、カスタムコードCCの全部または一部から成る入力情報に基づいて頭出情報を認識する処理が実行されるので、リーダーコードLCの波形がノイズによって毀損される場合であっても、かかるリーダーコードLCの波形に影響されることなく、頭出情報の認識処理が確実に実現される。
特に、ALBC機能を備える信号変換回路142では、リーダーコードLC部のゲインを増大させ、一方、リーダーコードLCを除く他のコードのゲインを減少させ、これにより、入力信号SG1に係るパルス波の形状的な安定化が図られている。従って、カスタムコードCCに相当するパルス波はS/N比が良好な信号状態に維持されるので、信号処理回路141bでは、頭出情報を認識する更新情報認識処理(S104)の認識精度が向上すると共に、リモコンRCで行われるリトライ操作の負担軽減が図られる。
図7には、実施例2に係るタイマカウント処理のフローチャートが示されている。かかるタイマカウント処理SP2’には、実施例1にて説明したタイマカウント処理SP2の処理構成に加え、全入力情報認識確認処理(S201)と末端入力情報正誤判定処理(S202)を実行させるプログラムが追加されている。かかる構成に改変されたタイマカウント処理SP2’では、以下の如くプログラムが実行される。即ち、規定時間の到来によってタイマカウント処理SP2’が起動されると、カスタムコードCCの先頭〜ミラーコードMCの末端迄の入力情報が全て認識された否かを判定する全入力情報認識確認処理(S201)が実行される。全入力情報認識確認処理(S201)では、コード情報「CODE_NUM」を認識する処理を行い、「CODE_NUM=0」乃至「CODE_NUM=3」の場合に、全ての入力情報が確認されていないと判断し、「CODE_NUM=4」の場合に、全ての入力情報が確認されたと判断する。そして、全入力情報認識確認処理(S201)にて全ての入力情報が確認されていないと判断された場合には、図6にて説明した如く、入力信号に形成されたパルス波形が適正であるか否かを審査し(S133)、パルス波形が不適正であると判断した場合には、リセット処理(S134)を実行させてこれまで取得した入力情報を破棄し、タイマカウント処理SP2’を終了させる。また、パルス波形が適正であると判断した場合には、適正な入力情報が受信され続けていると判断し、そのままの状態でタイマカウント処理SP2’を終了させる。
一方、全入力情報認識確認処理(S201)にてコード情報「CODE_NUM=4」を認識した場合、全ての入力情報が確認されたものと判断されたものとされ、タイマカウント処理SP2’は、図7に示す如く、トレーラコードTCの波形状態が認識された末端入力情報を解析する末端入力情報解析処理(S202)を実行させる。かかる末端入力情報解析処理(S202)では、入力信号SG1がトレーラコードTCの起動信号ES33から一定時間継続してHigh状態を維持している場合、実際にトレーラコードTCを認識しているものと判断し、今まで取得した全入力情報が適正であると判断され、起動信号E33から一定時間経過するまでにLow状態が認識された場合、何らかの入力情報が受信されている状態であってトレーラコードTCが未だ受信されていない状態であると判断され、これにより、今まで取得した全入力情報Ifaが不適正であると判断される。ここで、末端入力情報解析処理(S202)にて全入力情報Ifaが不適正であると判断されると、信号認識処理SP1にて認識された入力情報を無効にさせるリセット処理(S134)を実行させ、全入力情報を破棄し、新たな入力信号SG1の受信の準備を整える。一方、末端入力情報解析処理(S202)にて全入力情報が適正であると判断されると、リセット処理(S134)を実行させずにタイマカウント処理SP2’を終了させ、これにより、入力信号SG1に基づいて認識された入力情報がメインルーチンMPにて用いられ、照明機器100は、かかる如く取得された入力情報に基づいて駆動制御される。
上述の如く、本実施例に係る信号処理回路141bでは、全入力情報Ifaを取得した後にトレーラコードTCの末端入力情報を確認する処理を実効させるので、入力情報のチェック機能が更に改善され、他の機種から受信した入力信号が偶発的に正規信号として認識されることなく、自己の電器機器の誤動作を防止させることが可能となる。
図8には、実施例3に係る信号認識処理のフローチャートが示されている。かかる信号認識処理SP1’には、実施例1にて説明した信号認識処理SP1の処理構成に加え、リーダーコード頭出処理(S301)とリーダー読取時初期化処理(S302)とを実行させるプログラムが追加されている。かかる信号認識処理SP1’では、以下の如くプログラムが実行される。即ち、起動信号ESに応じて信号認識処理SP1’が起動されると、トレーラコードTCが適正に終了したものと判断される場合(S101)、タイマカウント処理(S102)が開始され、その後、リーダーコードに相当する波形を認識して頭出しの確認を行うリーダーコード頭出処理(S301)を実行させる。かかるリーダーコード頭出処理(S301)では、入力信号SG1の波形状態を観測しHigh状態に維持される時間を測定する。本実施例では、起動信号ES0を認識できるプログラムが組み込まれており、入力信号SG1のHigh状態がリーダーコードLCの起動信号ES0からカスタムコードCCの起動信号ES1の間に判定用の閾時間が設けられ、入力信号SG1のHigh状態に維持される時間が判定用の閾時間より小さい場合に、今回の波形がリーダーコードLCでないと判断され、入力信号SG1のHigh状態に維持される時間が判定用の閾時間より大きい場合に、今回の波形がリーダーコードLCであると判断される。即ち、リーダーコード頭出処理(S301)では、前者の場合、頭出しの確認が不能であると認識され、後者の場合、頭出しの確認が行われるものと認識する。そして、リーダーコード頭出処理(S301)で頭出しの確認が不能とされた場合、実施例1にて説明した如く、カスタムコードCCに基づいて頭出情報を認識し、入力信号SG1に形成される残りの入力情報を取得する。一方、リーダーコード頭出処理(S301)で頭出しの確認が可能とされた場合、頭出しの確認が行われた事実を報知させるフラグを立て、次回に起動される信号認識処理SP1’では、カスタムコードCCに基づいて頭出情報を認識せずに、入力信号SG1に形成される先頭から末端までの入力情報を取得する。具体的に説明すると、前回に起動された信号認識処理SP1’にて当該フラグが立てられると、次回に起動される信号認識処理SP1’では、リーダーコード頭出処理(S301)にて当該フラグを認識し、既に頭出しが行われたものとして、頭出情報比較処理(S106)を実行させることなく、S103以後の処理を実行させる。そして、信号認識処理SP1’が順次起動され、全ての入力情報が認識された全入力情報IfaがメインルーチンMPにおける適宜な処理工程で用いられる。
上述の如く、本実施例に係る信号処理回路141bでは、リーダーコードLCを用いて頭出しの確認を行う処理が更に追加されているので、一つの入力信号SG1に対して複数回の頭出し認識処理を実行させる機会が与えられ、これにより、頭出し動作に係る認識精度の向上が図られる。
上述した実施例1乃至実施例3では、イオン発生装置140に用いられる信号認識回路141bについて説明されている。しかし、本発明に係る信号認識回路は、かかるイオン発生装置に限らず、種々の装置に適用することが可能とされる。本実施例では、かかる適用例の一実施形態について説明する。
図9には、本実施例に係る照明機器の構成が示されている。図示の如く、照明機器200は、筐体210と放電灯部220と白熱灯230と制御部240と信号変換部240eとから構成されている。筐体210は、電装パネルにソケット210aと受光装置240dとが設けられている。また、筐体210には、送電ケーブル210bを介して配電ボックス210cが接続され、これにより、制御部240及び受光装置240に商用電源が供給される。放電灯部220は、環状の放電灯220aとソケット220bとケーブル220cとから構成され、制御部240によって駆動制御される。また、白熱灯230は、ソケット210aに電気的に螺接され、制御部240によって駆動制御される。
また、本実施例は、以下の実施形態を執ることも可能である。図10を参照すると、本実施例に係る照明システムの構成が示されている。かかる照明システム300は、室内天井に組み込まれた放電灯220と、壁面に配列された白熱灯230と、受光装置240dとから構成されている。また、放電灯220及び白熱灯230は、それぞれ制御部240b1及び制御部240b2が設けられて、当該制御部240b1及び240b2によって適宜に駆動制御される。
図11には、照明装置200または照明システム300に適用される制御部の機能ブロック図が示されている。図示の如く、発振回路240a及び信号変換回路240dは、それぞれの信号処理回路240b1及び240b2へ接続されている。そして、信号処理回路240b1は、白熱灯用ドライブ回路240cに接続され、かかる構成により、白熱灯230を駆動制御させる。また、信号処理回路240b2は、放電灯用ドライブ回路240dに接続され、放電灯部220を駆動制御させる。
即ち、本実施例では、一つの信号変換回路240dに対して2系統の信号処理回路が接続される。かかる構成とされるそれぞれの信号処理回路では、白熱灯230または放電灯部220といった互いの被操作部の動作状態に応動して、入力信号SG1に対して相互に影響を及ぼすノイズを重畳させる場合がある。かかる相互誘導ノイズは、入力信号SG1のうちリーダーコードLCに顕著に発生し、信号認識処理で行われる頭出しの処理精度を著しく阻害させる。更に、放電灯部220の点灯動作初期ではインバータ回路部220dが高周波で駆動されるため、これによっても、信号処理回路240b1にて処理される入力信号は、相互誘導ノイズによって、リーダーコードLCの波形が著しく毀損されてしまう。
しかし、本実施例において実施例1の信号処理回路を適用すると、信号認識処理では、波形状態が安定したカスタムコードCCに基づいて頭出し動作を行うので、リーダーコードLCの波形がノイズによって毀損される場合であっても、かかるリーダーコードLCの波形に影響されることなく、頭出情報の認識処理が確実に実現される。
また、本実施例において実施例3の信号処理回路を適用すると、信号認識処理では、入力信号SG1に対する頭出しの処理を行う機会が複数回与えられるので、リーダーコードLCにて頭出しを行えない場合であっても、カスタムコードCCによって補完的に頭出情報の認識処理が実行され、これにより、入力信号SG1が認識洩れなく処理される。
尚、かかる如く記された照明機器または照明システムはあくまでも実施例3の一つの実施形態であり、本実施例にあっても、これに限らず他の実施の形態を適用させることが可能である。例えば、図9の照明機器200では白熱灯の調光制御を実施させる構成としているが、これに限らず、放電灯に関しても同様に調光制御を実施させるようにしても良い。
最後に、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、上述した実施の形態に記載されたものに限られるものではない。例えば、電器機器の用語の意義は、イオン発生装置または照明機器に限定されることなく、この他、テレビ受像器又は携帯電話等を指し、赤外線信号を受信する構成とされる電気的装置を指すものとする。
実施例1に係る信号認識処理の処理手順を示すフローチャート
実施例1に係る照明機器の構成を示す図
実施例1に係る照明機器の回路構成を示す機能ブロック図
実施例1に係る入力信号の波形を示す図
実施例1に係る信号処理回路に格納されるプログラムの処理手順を示す図
実施例1に係るタイマカウント処理の処理手順を示すフローチャート
実施例2に係るタイマカウント処理の処理手順を示すフローチャート
実施例3に係る信号認識処理の処理手順を示すフローチャート
実施例4に係る照明機器の構成を示す図
実施例4に係る照明システムの構成を示す図
実施例4に係る照明機器又は照明システムの回路構成を示す機能ブロック図
符号の説明
141b 信号処理回路
If 入力情報
SG1 入力信号
S106 頭出処理比較処理
S107 非頭出情報認識処理
S108 非頭出情報認識処理