JP2009036283A - 転がり軸受 - Google Patents

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【課題】潤滑剤の漏れ防止対策が施された転がり軸受を提供する。
【解決手段】相対回転可能に対向配置された軌道輪(外輪2、内輪4)と、軌道輪間に摺接した状態で嵌合され且つ当該軌道輪間に区画された軸受内部を軸受外部から密封するためのシール構造(パックシール10P)とを備えた転がり軸受であって、シール構造は、軸受内部の圧力を大気圧以下に維持した状態で軌道輪間に嵌合される。この場合、シール構造を軌道輪間に嵌合した状態において、当該シール構造の容積分の空気が圧縮されて軸受内部に加わることにより、軸受内部の圧力が大気圧と略同程度に設定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、潤滑剤の漏れ防止対策が施された転がり軸受に関する。
従来、例えば自動車や鉄道などの各種車両、或いは、その他の機械装置には、回転軸を回転自在に支持するための転がり軸受が用いられており、当該軸受には、軸受内部を軸受外部から密封するためのシール構造が設けられている(特許文献1)。一例として図1(a)には、自動車の駆動輪用軸受が示されており、後述する回転輪4(ハブ12)には、等速ジョイントCVJのスプライン軸(図示しない)を嵌入するためのスプライン孔4hがパイロット部12dに向けて貫通して形成されている。
かかる転がり軸受は、車体側構成品に固定されて常時非回転状態に維持される静止輪(外輪)2と、静止輪2の内側に対向して設けられ且つ車輪側構成品(例えば、車輪)に接続されて共に回転する回転輪(内輪)4と、静止輪2と回転輪4との間に複列(例えば2列)で回転可能に組み込まれた複数の転動体6,8とを備えており、静止輪2と回転輪4との間には、軸受内部を軸受外部から密封するためのシール構造(車輪側のリップシール10L、車体側のパックシール10P)が設けられている。
静止輪(外輪)2には、その外周側から外方に向って突出した固定フランジ2aが一体成形されており、固定フランジ2aの固定孔2bに固定用ボルト(図示しない)を挿入し、これを車体側構成品に締結することで、静止輪2を図示しない懸架装置(ナックル)に固定することができる。一方、回転輪(内輪)4には、例えば自動車のディスクホイール(図示しない)を支持しつつ共に回転する略円筒形状のハブ(スピンドル)12が設けられており、ハブ12には、ディスクホイールが固定されるハブフランジ12aが突設されている。
ハブフランジ12aは、静止輪(外輪)2を越えて外方(ハブ12の半径方向外側)に向って延出しており、その延出縁付近には、周方向に沿って所定間隔で配置された複数のハブボルト14が設けられている。この場合、複数のハブボルト14をディスクホイールに形成されたボルト孔(図示しない)に差し込んでハブナット(図示しない)で締付けることにより、当該ディスクホイールをハブフランジ12aに対して位置決めして固定することができる。このとき、ハブ12の車輪側に突設されたパイロット部12dによって車輪の径方向の位置決めが成される。
また、ハブ12(回転輪4)には、その車体側の嵌合面4nに環状の回転輪構成体16(ハブ12と共に回転輪4を構成する別体内輪)が嵌合(外嵌)されるようになっている。この場合、例えば静止輪2と回転輪4との間に複数の転動体6,8を保持器18で保持した状態で、回転輪構成体16を嵌合面4nに形成された段部12bまで嵌合(外嵌)した後、ハブ12の車体側端部の加締め領域12cを塑性変形させて、当該加締め領域12cを回転輪構成体16の周端部16sに沿って加締める(密着させる)ことで、当該回転輪構成体16を回転輪4(ハブ12)に固定することができる。
このような軸受ユニットに設けられたシール構造において、リップシール10Lは、静止輪2の車輪側の固定面2n-1に固定され、回転輪4(ハブ12)の摺動面4n-1に対して摺動自在に位置決めされている。一方、パックシール10Pは、静止輪2の車体側の固定面2n-2と回転輪構成体16との間に摺動自在に位置決めされている。具体的には、回転輪構成体16には、静止輪2の固定面2n-2に対向して嵌合面16mが形成されており、パックシール10Pは、当該嵌合面16mと上記固定面2n-2との間に嵌合した状態で位置決めされている。
ここで、パックシール10Pについて説明する。
図1(b)に示すように、パックシール10Pは、回転輪構成体16の嵌合面16mに嵌合されるスリンガ20sと、スリンガ20sに対向して静止輪2の固定面2n-2に嵌合されるシール本体20hとから構成されている。ここで、シール本体20hは、芯金22の内周面(スリンガ20に対向する面)にシール材24を加硫して構成されており、シール材24には、例えば3つのシールリップ24a,24b,24cが一体成形されている。なお、芯金22は、固定面2n-2に嵌合される中空の円筒部22aと、円筒部22aから回転輪構成体16(嵌合面16m)に向けて折り返された環状の折返部22bとから構成されている。
一方、スリンガ20sは、回転輪構成体16の嵌合面16mに嵌合される円筒状のスリンガ基部20aと、当該スリンガ基部20aから静止輪2(固定面2n-2)に向けて折り返された環状のスリンガ壁部20bとから構成されている。この場合、シール材24に成形された各シールリップ24a,24b,24cは、それぞれスリンガ20sの環状スリンガ面M1,M2に摺接している。なお、一方の環状スリンガ面M1は、スリンガ壁部20bの内周(シール本体に対向する周面)に形成され、他方の環状スリンガ面M2は、スリンガ基部20aの内周(シール本体に対向する周面)に形成されている。
このようなパックシール10Pによれば、外内輪2,4が相対回転する間又は非回転状態において、例えば2つのシールリップ24a,24bが環状スリンガ面M1,M2に対して常に摺接状態となり、残りのシールリップ24cと環状スリンガ面M2との間にラビリンスが構成される。これにより、軸受内部を軸受外部から密封することができるため、軸受外部への潤滑剤の漏洩防止や軸受内部への異物(例えば、水、塵埃)の浸入防止を図ることが可能となる。なお、シール材24としては、例えばゴムやエラストマーなどの弾性材を適用することができると共に、当該シール材24を芯金22の内周面に付加する方法としては、例えば焼き付けや接着剤により付加すれば良い。
ところで、上述したような軸受では、その使用状況によっては、軸受内部に封入した潤滑剤(例えば、グリース、オイル、グリースから分離した基油)が軸受外部に漏洩してしまう場合がある。ここで、軸受の使用状況として、複数の軸受を納品先に搬送する場合を想定すると、当該軸受は、その回転軸を鉛直方向に揃えた姿勢で搬送されるのが一般的である。また、最近、軸受搬送中のフォールスブリネリング対策として、軟らかいグリースや基油の分離し易いグリース(例えば、ウレア系グリース)が多用されている。なお、フォールスブリネリングとは、フレッチングのうち、転動体と軌道輪との接触部分において振動や揺動による摩耗が進みブリネル圧痕に似た窪みを生ずる現象である。
かかる使用状況において、潤滑剤の漏洩の要因としては、例えばシール構造(車輪側のリップシール10L、車体側のパックシール10P)近傍に潤滑剤が存在すること、シール構造と静止輪2及び回転輪4との間に隙間が存在すること、軸受内部の圧力が軸受外部の大気圧よりも大きいことなどが挙げられる。そして、このような要因で潤滑剤が漏洩した場合には、当該シール構造を用いた軸受を自動車構成品(例えば、車体側構成品、車輪側構成品)に組み付ける際に、漏洩した潤滑剤が例えば自動車構成品に付着しないような対策を講じたり、或いは、自動車構成品に付着した潤滑剤を拭き取るといった作業が必要になる。そうなると、その作業に要する手間や時間がかかり、その結果、自動車の製造効率が低下するだけで無く、製造コストが上昇してしまう。
また、自動車の走行中において、当該シール構造を用いた軸受から漏洩した潤滑剤が、高速回転中の軸受の遠心力によって四方へ飛散する場合がある。この場合、その飛散した潤滑剤がブレーキ(例えば、ブレーキシュー、ブレーキドラムやディスクなど)に付着すると、その付着量の程度によっては、ブレーキ性能を一定に維持することが困難になってしまう虞がある。そうなると、自動車を停止或いは減速する際の処理制御を一定に維持することができなくなってしまう。
特表2001−510534号公報
本発明は、このような問題を解決するためになされており、その目的は、潤滑剤の漏れ防止対策が施された転がり軸受を提供することにある。
この目的を達成するために、本発明は、相対回転可能に対向配置された軌道輪と、軌道輪間に摺接した状態で嵌合され且つ当該軌道輪間に区画された軸受内部を軸受外部から密封するためのシール構造とを備えた転がり軸受であって、シール構造は、軸受内部の圧力を大気圧以下に維持した状態で軌道輪間に嵌合される。この場合、シール構造を軌道輪間に嵌合した状態において、当該シール構造の容積分の空気が圧縮されて軸受内部に加わることにより、軸受内部の圧力が大気圧と略同程度に設定される。
また、本発明は、相対回転可能に対向配置された軌道輪と、軌道輪間に摺接した状態で嵌合され且つ当該軌道輪間に区画された軸受内部を軸受外部から密封するためのシール構造とを備えた転がり軸受であって、シール構造は、軸受内部の空気の温度を軸受外部の空気の温度以上に維持した状態で軌道輪間に嵌合される。この場合、シール構造を軌道輪間に嵌合した状態において、軸受内部の空気の温度を軸受外部の空気の温度まで下げることにより、軸受内部の圧力が大気圧と略同程度に設定される。
なお、軸受内部には、潤滑剤が封入されている。
本発明によれば、シール構造を軌道輪間に嵌合する際に、軸受内部の圧力を大気圧以下に維持したり、或いは、軸受内部の空気の温度を軸受外部の空気の温度以上に維持することで、潤滑剤の漏れ防止対策が施された転がり軸受を実現することができる。
以下、本発明の一実施の形態に係る転がり軸受について添付図面を参照して説明する。 なお、本実施の形態は、図1(a),(b)に示した転がり軸受の改良であるため、以下、改良部分の説明にとどめる。この場合、上記転がり軸受(図1(a),(b))と同一の構成については、その構成に付された参照符号と同一の参照符号を本実施の形態で用いる図面上に付すことにより、その説明を省略する。
本実施の形態の転がり軸受において、シール構造(パックシール10P)は、軸受内部の圧力を大気圧以下に維持した状態で軌道輪間(即ち、静止輪(外輪)2と回転輪(内輪)4との間)に嵌合される。この場合、シール構造を軌道輪2,4間に嵌合した状態において、当該シール構造の容積分の空気が圧縮されて軸受内部に加わることにより、軸受内部の圧力が大気圧と略同程度に設定される。
このように、シール構造(パックシール10P)を軌道輪2,4間に嵌合する際に、軸受内部の圧力を大気圧以下に維持することにより、軌道輪2,4に対するシール構造(パックシール10P)の密着性を高めることできる。即ち、シール構造(パックシール10P)と静止輪2及び回転輪4とを隙間無く嵌合させることができる。具体的には、スリンガ20sのスリンガ基部20aを回転輪(内輪)4の回転輪構成体16の嵌合面16m(図1(b))に隙間無く嵌合させることができると共に、シール本体20hを構成する芯金22の円筒部22aを静止輪(外輪)2の固定面2n-2(図1(b))に隙間無く嵌合させることができる。
これにより、例えばシール構造(パックシール10P)近傍に潤滑剤が存在する場合、或いは、複数の転がり軸受をその回転軸を鉛直方向に揃えた姿勢で納品先に搬送する場合、また、軸受搬送中のフォールスブリネリング対策として、軟らかいグリースや基油の分離し易いグリース(例えば、ウレア系グリース)を使用した場合であっても、軸受内部に封入した潤滑剤(例えば、グリース、オイル、グリースから分離した基油)が軸受外部に漏洩することは無い。
この結果、当該シール構造を用いた軸受を自動車構成品(例えば、車体側構成品、車輪側構成品)に組み付ける際に、漏洩した潤滑剤が例えば自動車構成品に付着しないような対策を講じたり、或いは、自動車構成品に付着した潤滑剤を拭き取るといった作業が全く不要となり、その作業に要する手間や時間を無くすることができるため、自動車の製造効率を向上させることができると共に、製造コストを大幅に低減させることができる。
更に、自動車の走行中において、転がり軸受から潤滑剤が漏洩し、高速回転中の軸受の遠心力によって四方へ飛散するといった事態は全く生じないため、ブレーキ(例えば、ブレーキシュー、ブレーキドラムやディスクなど)を常に最適な状態に維持することができる。このため、ブレーキ性能を一定に維持することが可能となり、その結果、自動車を停止或いは減速する際の処理制御を一定に維持することができる。
ここで、上述したような効果を実現するための方策の一例について、図1(c)を参照して説明する。
まず基本原理として、シール構造(リップシール10L、パックシール10P)を軌道輪2,4間に嵌合した状態(図1(a))で、その静止輪(外輪)2と回転輪(内輪)4とリップシール10Lとパックシール10Pとの間に区画された軸受内部の空間容積を100cc、パックシール10Pの容積を5ccとし、当該パックシール10Pを軌道輪2,4間に嵌合する際の大気圧が1atmであるとした場合、パックシール10Pを軌道輪2,4間に嵌合した後の軸受内部の圧力は、1.05atm(正圧)となる。
ボイルの法則PV=constより
1atm×(100cc+5cc)=P×100cc
P=1.05atm
そこで、本実施の形態では、パックシール10Pを軌道輪2,4間に嵌合する際の軸受内部の圧力を予め負圧(例えば、0.953atm)に引いて減圧しておく。そして、この状態を維持しながらパックシール10Pを軌道輪2,4間に嵌合する。この結果、パックシール10Pを軌道輪2,4間に嵌合した後の軸受内部の圧力は1.00atmとなり、大気圧と略同程度に設定することができる。
ボイルの法則PV=constより
0.953atm×(100cc+5cc)=P×100cc
P≒1.00atm
これを実現するための装置構成の一例として、図1(c)に示すように、保持器18で保持した複数の転動体6,8を介して対向配置された静止輪(外輪)2と回転輪(内輪)4との間にシール構造(リップシール10L)を組み込んだ転がり軸受(駆動輪用軸受)を吸引装置にセットする。具体的には、ハブフランジ12aを密封型26に当て付けると共に、静止輪(外輪)2の外周に吸引型28を嵌合させる。この場合、密封型26とハブフランジ12aとの間に例えばOリング30を介在させると共に、静止輪(外輪)2の外周と吸引型28との間に例えばOリング32を介在させることが好ましい。
また、吸引型28には、シール構造(パックシール10P)を保持可能な保持具34が収容されており、当該保持具34は、吸引型28を貫通したロッド36を介して図示しないアクチュエータに接続されている。この場合、吸引型28とロッド36との間に例えばOリング38を介在させることが好ましい。これにより、静止輪(外輪)2と回転輪(内輪)4とリップシール10Lとで区画される軸受内部を含む空間は、密封型26と吸引型28とによって軸受外部空間から完全に密封された状態に維持される。
この状態において、軸受内部を含む密封空間の圧力を負圧(例えば、0.953atm)に引いて減圧した後、アクチュエータを駆動してロッド36を矢印T方向に移動させることにより、保持具34に保持されたパックシール10Pを軌道輪2,4間に嵌合する。これにより、パックシール10Pを軌道輪2,4間に嵌合した後の軸受内部の圧力が大気圧と略同程度の1.00atmに設定された転がり軸受を完成させることができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されることは無く、以下のような変形例としても同様の効果を実現することができる。
本変形例の転がり軸受において、シール構造(パックシール10P)は、軸受内部の空気の温度を軸受外部の空気の温度以上に維持した状態で軌道輪間(即ち、静止輪(外輪)2と回転輪(内輪)4との間)に嵌合される。この場合、シール構造を軌道輪2,4間に嵌合した状態において、軸受内部の空気の温度を軸受外部の空気の温度まで下げることにより、軸受内部の圧力が大気圧と略同程度に設定される。なお、軸受内部の空気の温度を軸受外部の空気の温度まで下げる方法としては、例えば冷却装置で強制的に冷却しても良いし、或いは、室温環境に放置して自然冷却させても良い。
ここで、当該変形例の基本原理として、シール構造(リップシール10L、パックシール10P)を軌道輪2,4間に嵌合した状態(図1(a))で、その静止輪(外輪)2と回転輪(内輪)4とリップシール10Lとパックシール10Pとの間に区画された軸受内部の空間容積を100cc、パックシール10Pの容積を5ccとし、当該パックシール10Pを軌道輪2,4間に嵌合する際の大気圧が1atm、軸受外部の空気の温度が24℃であるとした場合、パックシール10Pを軌道輪2,4間に嵌合した後の軸受内部の圧力は、1.05atm(正圧)となる。
ボイル・シャルルの法則PV/T=constより 1atm×(100cc+5cc)/(24+273.15) =P×100cc/(24+273.15)
P=1.05atm
そこで、本変形例では、パックシール10Pを軌道輪2,4間に嵌合する際の軸受内部を含む密封空間に、軸受外部の空気の温度(24℃)よりも高温(例えば、38.9℃)の空気を封入しておく。そして、この状態を維持しながらパックシール10Pを軌道輪2,4間に嵌合した後、軸受内部の空気の温度を軸受外部の空気の温度まで下げる。この結果、パックシール10Pを軌道輪2,4間に嵌合した後の軸受内部の圧力は1.00atmとなり、大気圧と略同程度に設定することができる。
ボイル・シャルルの法則PV/T=constより 1atm×(100cc+5cc)/(38.9+273.15) =P×100cc/(24+273.15)
P≒1.00atm
また、上述した実施の形態及び変形例のそれぞれに対して以下の設定条件を組み合わせて構成しても良い。例えば、(1)軸受内部に封入する潤滑剤量を減らす。(2)潤滑剤の封入位置を軸受中心側に集中させる。(3)転動体6,8の位置を軸受中心寄りにずらす。ただし、(1)〜(3)の設定条件では、転がり疲れ寿命が低下することに留意する必要があり、また、(3)の設定条件では、これに加えて、軸受剛性が低下することに留意する必要がある。また、他の設定条件としては、例えば、(4)シール本体20hのシールリップ24a,24b,24cの数を増やすか、各シールリップ24a,24b,24cのリップ反力を高めることで、漏れ耐性を向上させる。(5)軌道輪2,4とシール構造(パックシール10P)との嵌合部分に別の密封手段(例えば、シール剤の塗布、ゴムの加硫)を施す。(6)軌道輪2,4に嵌合させるシール構造(パックシール10P)の嵌合面に機械加工(施削等)を施し、面精度や真円度を向上させ、軌道輪2,4と嵌合した際の密封性を向上させる。ただし、(4)の設定条件では、軸受の回転トルクが上昇することに留意する必要があり、(5),(6)の設定条件では、軸受の製造コストが上昇することに留意する必要がある。
(a)は、シール構造が軌道輪間に嵌合された転がり軸受の構成を示す断面図、(b)は、同図(a)のシール構造を一部拡大して示す断面図、(c)は、本発明の一実施の形態に係る転がり軸受において、シール構造を軌道輪間に嵌合する装置構成の一例を示す断面図。
符号の説明
2 外輪
4 内輪
6,8 転動体
10P パックシール(シール構造)

Claims (5)

  1. 相対回転可能に対向配置された軌道輪と、軌道輪間に摺接した状態で嵌合され且つ当該軌道輪間に区画された軸受内部を軸受外部から密封するためのシール構造とを備えた転がり軸受であって、
    シール構造は、軸受内部の圧力を大気圧以下に維持した状態で軌道輪間に嵌合されることを特徴とする転がり軸受。
  2. シール構造を軌道輪間に嵌合した状態において、当該シール構造の容積分の空気が圧縮されて軸受内部に加わることにより、軸受内部の圧力が大気圧と略同程度に設定されることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 相対回転可能に対向配置された軌道輪と、軌道輪間に摺接した状態で嵌合され且つ当該軌道輪間に区画された軸受内部を軸受外部から密封するためのシール構造とを備えた転がり軸受であって、
    シール構造は、軸受内部の空気の温度を軸受外部の空気の温度以上に維持した状態で軌道輪間に嵌合されることを特徴とする転がり軸受。
  4. シール構造を軌道輪間に嵌合した状態において、軸受内部の空気の温度を軸受外部の空気の温度まで下げることにより、軸受内部の圧力が大気圧と略同程度に設定されることを特徴とする請求項3に記載の転がり軸受。
  5. 軸受内部には、潤滑剤が封入されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の転がり軸受。
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