JP2009036072A - Engine starter - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、自動車等のエンジンに取り付けられる始動装置に関し、特に、遊星歯車による減速機構を備えたエンジン始動装置に関する。 The present invention relates to a starter attached to an engine such as an automobile, and more particularly to an engine starter provided with a speed reduction mechanism using a planetary gear.
自動車や自動二輪車、大型発電機等に使用されるエンジンでは、電動モータを用いたエンジン始動装置(スタータモータ)によって始動動作が行われるのが一般的である。このような始動装置としては、例えば特許文献1,2のように、電動モータによって回転駆動されるピニオンを軸方向移動可能に配したものが知られている。図6は、特許文献1のエンジン始動装置101の構成を示す断面図である。図6に示すように、エンジン始動装置101のピニオン102は、エンジンのリングギヤ103と噛合・離脱可能に配置されており、エンジン始動時に両ギヤが噛合し、エンジン始動後にはそれらの噛合が解除されるようになっている。ピニオン102の軸方向への移動には、ピニオン102と同軸状に配された電磁装置104が使用され、この電磁装置104は、ピニオン102を軸方向に移動可能に支持した出力軸105を外囲するように配置されている。
In an engine used for an automobile, a motorcycle, a large generator, or the like, a starting operation is generally performed by an engine starting device (starter motor) using an electric motor. As such a starting device, for example, as disclosed in
ピニオン102はまた、オーバーランニングクラッチ106と、遊星歯車を用いた減速装置107とを介してモータ108の回転軸109に接続されている。減速装置107は、モータ回転軸109に形成されたサンギヤ111と、このサンギヤ111と噛合するプラネタリギヤ112が取り付けられたギヤ支持板113を備えている。プラネタリギヤ112は、エンジン始動装置101のケース114内に固定されたトッププレート115の内歯リングギヤ116と噛合している。これに対し、ギヤ支持板113は前述の出力軸105に固定されており、これにより、モータ108の回転は減速されて出力軸105に伝わり、オーバーランニングクラッチ106を介してピニオン102に伝達される。
The
さらに、図6のようなエンジン始動装置101では、減速装置107側の潤滑用グリスがモータ108側に入り込まないように、減速装置107とモータ108との間に両者を隔離するセパレータ117が設けられている。セパレータ117は、円板状の鋼板にて形成されており、モータ108のヨーク118とケース114との間に介設される形でエンジン始動装置101内に配置されている。
一方、ピニオン102を高回転化すべく減速装置107の変速比を変更させると、それに伴ってサンギヤ111の外径が拡大し、回転軸109も大径化する。回転軸109が大きくなると、それに連れてモータ108自体の外径も大きくなり、その分、エンジン始動装置101が大型化してしまうという問題が生じる。このため、本発明者らは、サンギヤをモータ回転軸とは別体に形成し、それを回転軸外周に装着することにより、回転軸の直径を変えることなく、高回転化に対応可能な構成を考案するに至った。図7は、サンギヤ111をモータ回転軸109と別体に形成した場合のサンギヤ近傍の構成を示す説明図である。図7に示すように、サンギヤ111は回転軸109と別体となっており、両者にはそれぞれセレーション119,121が圧造形成されている。サンギヤ111は、両セレーション119,121同士を噛合させることにより、回転軸109に回り止め固定される。
On the other hand, when the transmission gear ratio of the
ところが、このようなサンギヤ構成を採用すると、モータ回転軸109におけるサンギヤ111のスラスト規制位置Xが、セレーション121の最奥部、すなわち、圧造加工時におけるダレR部位となる。このようなダレR部位は金型摩耗の影響を受け易く、スラスト規制位置としての寸法のバラツキも生じ易い。このため、サンギヤ111のスラスト規制位置が安定せず、サンギヤ111の軸方向位置のバラツキが大きくなるという問題があった。図7に示されているように、サンギヤ111近傍にはセパレータ117が配置されており、スラスト規制位置Xが安定しないと、図中破線にて示したように、サンギヤ111がセパレータ117と干渉してしまうおそれがあり、装置故障の原因となるという問題があった。
However, when such a sun gear configuration is employed, the thrust restricting position X of the
本発明の目的は、サンギヤをモータ回転軸とは別体に形成した構成のエンジン始動装置において、サンギヤのスラスト規制位置を安定させ、サンギヤとセパレータの干渉を防止することにある。 An object of the present invention is to stabilize a thrust restricting position of a sun gear and prevent interference between the sun gear and a separator in an engine starter having a configuration in which a sun gear is formed separately from a motor rotation shaft.
本発明のエンジン始動装置は、電動機によって回転駆動され、軸方向に移動することによりエンジンのリングギヤと噛合するピニオンと、前記電動機と前記ピニオンとの間に介設され、遊星歯車機構により、前記電動機の回転を前記ピニオンに減速して伝達する減速装置とを備えてなるエンジン始動装置であって、前記遊星歯車機構は、前記電動機の回転軸とは別体に形成され、前記回転軸の外周に装着されるサンギヤを有し、前記回転軸は、前記サンギヤが取り付けられ該サンギヤの軸孔に形成されたセレーションと噛合するセレーションを備えたギヤ装着部と、前記ギヤ装着部に隣接して設けられ、前記ギヤ装着部の前記セレーションを圧造形成する際に生じる圧造ダレ部を切削除去した部位を含むスラスト規制部材取付部とを有し、前記スラスト規制部材取付部には、前記サンギヤに当接して該サンギヤの軸方向への移動を規制するスラスト規制部材が装着されることを特徴とする。 An engine starter according to the present invention is rotationally driven by an electric motor and is interposed between a pinion that meshes with an engine ring gear by moving in an axial direction, and the electric motor includes a planetary gear mechanism. An engine starter comprising a speed reducer that decelerates and transmits the rotation of the planetary gear to the pinion, wherein the planetary gear mechanism is formed separately from the rotating shaft of the electric motor, and is disposed on the outer periphery of the rotating shaft. A sun gear to be mounted; and the rotating shaft is provided adjacent to the gear mounting portion, and a gear mounting portion having a serration that engages with a serration formed in a shaft hole of the sun gear to which the sun gear is mounted. A thrust restricting member mounting portion including a portion obtained by cutting and removing a forging sag portion generated when the serration of the gear mounting portion is forged. The thrust control member mounting portion, the thrust regulating member for regulating the movement in the axial direction of said sun gear in contact with said sun gear, characterized in that mounted.
本発明にあっては、サンギヤ装着部のセレーション形成時に生じる圧造ダレ部を切削除去しつつ、ギヤ装着部に隣接してスラスト規制部材取付部を形成し、そこにサンギヤの軸方向への移動を規制するスラスト規制部材を装着する。これにより、金型摩耗の影響を受け易く、スラスト規制位置としての寸法のバラツキも生じ易い圧造ダレ部が機械的に除去され、圧造ダレ部を除去した部位に装着したスラスト規制部材によって、サンギヤのスラスト位置が規制される。従って、サンギヤのスラスト規制位置が安定し、サンギヤと装置内の他の部品(例えば、セパレータなど)とが干渉してしまうのを防止できる。 In the present invention, the thrust regulating member mounting portion is formed adjacent to the gear mounting portion while removing the forged sag portion generated when the sun gear mounting portion is serrated, and the sun gear is moved in the axial direction there. A thrust regulating member to be regulated is attached. As a result, the forging sag portion that is easily affected by the wear of the mold and is likely to cause variations in dimensions as a thrust restricting position is mechanically removed, and the thrust restricting member attached to the site where the forging sag portion has been removed is Thrust position is regulated. Therefore, the thrust restricting position of the sun gear is stabilized, and it is possible to prevent the sun gear from interfering with other parts (for example, a separator) in the apparatus.
前記エンジン始動装置において、前記回転軸に形成されたセレーションの端部を覆うように前記スラスト規制部材を前記回転軸に装着しても良い。これにより、不完全セレーション部の影響を受けることなく、スラスト規制部材とサンギヤを確実に当接させることができ、サンギヤのスラスト規制位置をより正確に設定することが可能となる。 In the engine starter, the thrust restricting member may be attached to the rotating shaft so as to cover an end portion of the serration formed on the rotating shaft. Thus, the thrust restricting member and the sun gear can be reliably brought into contact without being affected by the incomplete serration portion, and the thrust restricting position of the sun gear can be set more accurately.
本発明のエンジン始動装置によれば、電動機によって回転駆動されエンジンのリングギヤと噛合するピニオンと、ピニオンと電動機との間に介設された遊星歯車機構による減速装置とを備えたエンジン始動装置にて、遊星歯車機構に、電動機の回転軸とは別体に形成されたサンギヤを使用すると共に、回転軸のギヤ装着部に隣接して設けられるスラスト規制部材取付部を圧造ダレ部を切削除去する形で形成し、そこにスラスト規制部材を装着してサンギヤの軸方向への移動を規制するようにしたので、サンギヤのスラスト規制位置を安定した位置に設定することが可能となる。このため、サンギヤとセパレータの干渉を防止することができ、エンジン始動装置の信頼性向上を図ることが可能となる。 According to the engine starter of the present invention, the engine starter includes a pinion that is rotationally driven by an electric motor and meshes with a ring gear of the engine, and a speed reducer using a planetary gear mechanism interposed between the pinion and the electric motor. The planetary gear mechanism uses a sun gear formed separately from the rotating shaft of the motor, and the thrust regulating member mounting portion provided adjacent to the gear mounting portion of the rotating shaft is cut and removed from the forging sag portion. Since the thrust restricting member is attached to restrict the movement of the sun gear in the axial direction, the thrust restricting position of the sun gear can be set to a stable position. For this reason, interference between the sun gear and the separator can be prevented, and the reliability of the engine starting device can be improved.
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例であるエンジン始動装置の構成を示す断面図であり、中心線より上側は静止状態を、下側は通電状態を示している。図1のエンジン始動装置1は、自動車用エンジンの始動に使用され、停止しているエンジンに対して、燃料の吸入、微粒化、圧縮、点火に必要な回転を与える。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. FIG. 1 is a cross-sectional view showing a configuration of an engine starter according to an embodiment of the present invention, in which the upper side from the center line indicates a stationary state, and the lower side indicates an energized state. An engine starter 1 shown in FIG. 1 is used for starting an automobile engine, and gives a rotation necessary for fuel intake, atomization, compression, and ignition to a stopped engine.
エンジン始動装置1は、減速装置2と、電動モータ3、減速装置2を介して電動モータ3と接続された出力軸4、出力軸4上に摺動自在に設けられたオーバーランニングクラッチ5及びピニオン6、ピニオン6を軸方向に移動させるための電磁装置7とから構成されている。減速装置2と電動モータ3との間には、両者間を隔離するセパレータ38が介設されている。
The engine starter 1 includes a
電動モータ3は、公知の整流子式直流電動機からなり、その回転軸10は、図中右端部はボトムプレート11の中心に回転自在に支持されている。一方、回転軸10の図中左端部は、回転軸10と同軸状に配置された出力軸4の右端の中心に回転自在に支持されている。また、電動モータ3の左端部にはトッププレート12が取り付けられており、トッププレート12は、エンジンに対する固定ブラケットを兼ねたギヤカバー17に接合されている。ギヤカバー17の左壁の内面中心部には、出力軸4の遊端が回転自在に支持されている。
The
図1に示すように、トッププレート12の内側には、遊星歯車機構を用いた減速装置2が収容されている。図2は減速装置2の構成を示す分解斜視図、図3はそのギヤ配置を示す説明図である。図2に示すように、減速装置2は、中央にサンギヤ13、サンギヤ13の周囲に3個のプラネタリギヤ14、プラネタリギヤ14の外側に内歯リングギヤ15を配した構成となっている。サンギヤ13は、回転軸10とは別体に形成され、回転軸左端の出力軸支持部10aに隣接する位置に、回転軸10に外挿される形で取り付けられている。
As shown in FIG. 1, a
この場合、回転軸10としては、図6のエンジン始動装置101と同径のものが使用され、従前にサンギヤ111を形成されていた部位には、小径のギヤ装着部50が設けられている。そして、このギヤ装着部50の図中左側の部位には、従前のギヤに代えて、セレーション51が圧造形成されている。一方、サンギヤ13には回転軸10が挿入される軸孔52が形成されており、軸孔52の内周には、セレーション51と噛合するセレーション53が圧造形成されている。サンギヤ13は、セレーション51,53を互いに噛合させる形で回転軸10に軽圧入される。これにより、サンギヤ13は、回転軸10の外周に回り止めされた状態で装着される。このように、エンジン始動装置1では、回転軸10の直径を変えることなく、サンギヤ13を従前に比して大径化(例えば、同モジュールにて9歯→13歯)でき、電動モータ3の体格を増大させることなく、ピニオン6を高回転化できる。
In this case, the rotating
また、エンジン始動装置1には、セレーション51の奥部(図1において右端部)に、サンギヤ13のスラスト位置を規制すべく、スラスト規制リング71が配されている。図4は、サンギヤ13近傍の構成を示す説明図である。図4に示すように、回転軸10の軸本体部56(電動モータ3側の部位)とギヤ装着部50との間には、ダレR部55(図5(a)参照)を切削除去する形でフラット部(スラスト規制部材取付部)72が設けられており、そこにスラスト規制リング(スラスト規制部材)71が取り付けられている。前述のように、回転軸10のダレR部55は金型摩耗の影響等が生じ易く、そこをサンギヤ13のスラスト規制位置として使用すると、サンギヤ13のスラスト位置が安定しない。そこで、本発明によるエンジン始動装置1では、ダレR部55を切削除去する形で、回転軸10にフラット部72を形成し、そこにスラスト規制リング71を装着し、サンギヤ13のスラスト位置の安定化を図っている。
In the engine starting device 1, a
図5(a)はフラット部72の形成方法、(b)はギヤ装着部50とフラット部72にサンギヤ13とスラスト規制リング71をそれぞれ取り付けた状態を示している。図5(a)に示すように、ギヤ装着部50のセレーション51を圧造する際、セレーション奥部には、破線にて示したようなダレR部(圧造ダレ部)55が形成される。当該エンジン始動装置1では、このダレR部55は、圧造工程後の切削加工にて除去され、そこにはダレR部55を除去した部位を含む形でフラット部72が形成される。フラット部72は、回転軸10の軸本体部56とギヤ装着部50との間に形成され、その外径は軸本体部56よりも小径となっている。フラット部72と軸本体部56との境界部は段状となっており、軸本体部56の端面には、フラット部72に臨んでリング当接面73が形成されている。また、フラット部72の外径は、セレーション51側からスラスト規制リング71を圧入装着できるように、セレーション51の外径よりも若干大径に形成されている。
5A shows a method of forming the
フラット部72に装着されるスラスト規制リング71は、中央に軸孔74を備えた円環状の部材であり、ステンレス鋼等の金属にて形成されている。軸孔74は、フラット部72の外径よりも若干小径に形成されており、スラスト規制リング71は、フラット部72の外周に圧入状態で取り付けられる。スラスト規制リング71は、その右端面71aがリング当接面73に当接するまでフラット部72に圧入され、その状態で回転軸10に固定される。この際、スラスト規制リング71の左端面(ギヤ当接面)71bは、回転軸10に形成されたセレーション51の右端部75、特に、セレーション形成が不完全な部位を越えた位置まで延在している。
The
当該エンジン始動装置1では、スラスト規制リング71をフラット部72に取り付けた後、サンギヤ13をギヤ装着部50に装着する。サンギヤ13は、セレーション51,53を噛合させつつ、その右端部がスラスト規制リング71の左端面71bに当接する位置まで押し込まれる。これにより、サンギヤ13は、スラスト規制リング71によって軸方向への移動が規制され、スラスト方向に位置決めされた状態で回転軸10に固定される。なお、エンジン始動装置1では、セレーション51の右端部75がスラスト規制リング71にて覆われた状態となっているため、不完全セレーション部76の影響を受けることなく、スラスト規制リング71と当接する位置一杯までサンギヤ13を押し込むことができる。
In the engine starting device 1, after the
一方、図4に示すように、サンギヤ13をスラスト規制リング71と当接させたとき、サンギヤ13のギヤ部端面62とセパレータ38との間には間隙(隙間G)が形成される。すなわち、エンジン始動装置1では、スラスト規制リング71の軸方向長は、回転軸10にスラスト規制リング71とサンギヤ13を取り付けたとき、サンギヤ13とセパレータ38との間に隙間Gが生じるような寸法に設定されている。従って、サンギヤ13とセパレータ38との間には、エンジン始動装置の各部品を組み付けた状態で常に間隙が確保される。
On the other hand, as shown in FIG. 4, when the
このように本発明のエンジン始動装置1では、回転軸10のダレR部55を除去してフラット部72を設け、そこに装着したスラスト規制リング71によって、サンギヤ13のスラスト位置を規制する。すなわち、サンギヤ13は、回転軸10の所定位置に固定されたスラスト規制リング71によってスラスト位置が規制され、回転軸10に取り付けられる。従って、サンギヤ13のスラスト位置が、機械加工に基づいた正確な位置にて規制されることとなり、ダレR部55による位置規制の場合に比して、サンギヤ13のスラスト規制位置を正確かつ安定した位置に設定することが可能となる。
As described above, in the engine starting device 1 of the present invention, the sagging
また、回転軸10にスラスト規制リング71とサンギヤ13を取り付けた状態で、サンギヤ13のギヤ部端面62とセパレータ38との間に隙間Gが生じるようにスラスト規制リング71の寸法を設定することにより、サンギヤ13とセパレータ38が干渉するのを回避することができる。すなわち、サンギヤ13のスラスト位置が安定しているため、サンギヤ13とセパレータ38の間が最も接近する状態で両者間に隙間Gを確保しておけば、寸法上、それらが干渉し合うことはない。このため、サンギヤ13とセパレータ38が干渉し、サンギヤ13がセパレータ38に噛み込んでしまうなどの故障を防止でき、装置の信頼性向上を図ることが可能となる。
Further, by setting the dimension of the
一方、トッププレート12の中心には、出力軸4が回転自在に支持されている。出力軸4の右端部には、プラネタリギヤ14が回転自在に取り付けられたギヤ支持板16が固定されている。また、内歯リングギヤ15は、トッププレート12の内周面に形成されており、プラネタリギヤ14が噛合している。これにより、プラネタリギヤ14は、自転しつつサンギヤ13の周囲を公転し、回転軸10の回転が減速装置2によって減速されて出力軸4に伝達される。
On the other hand, the output shaft 4 is rotatably supported at the center of the
出力軸4の中間部には、一方向ローラクラッチを用いたオーバーランニングクラッチ5が取り付けられている。オーバーランニングクラッチ5のクラッチアウタ18には、出力軸4との結合部18aが設けられており、結合部18aの内周部と出力軸4の外周面がヘリカルスプライン19を介して結合されている。また、結合部18aと、出力軸4の左端に抜け止め支持されたプレート20との間にはリターンスプリング21が配されている。リターンスプリング21は、結合部18aの内周面と出力軸4の外周面との間に画成された空隙に巻装されている。クラッチアウタ18は、このリターンスプリング21によって、図中右方に向かって常時弾発付勢されている。
An overrunning clutch 5 using a one-way roller clutch is attached to an intermediate portion of the output shaft 4. A clutch outer 18 of the overrunning
クラッチアウタ18には、オーバーランニングクラッチ5のクラッチインナ22が、相対軸方向変位不能に、かつ相対回転可能に係合している。このクラッチインナ22の左端の外周部にはピニオン6が一体形成されている。前述のように、このピニオン6は、エンジンのリングギヤ23に噛合してエンジンを駆動する。クラッチインナ22は、回転自在に、かつ軸方向変位自在に出力軸4の左端部外周に嵌装されている。
A
ギヤカバー17の中間部には、電磁装置を構成し、図示されないイグニッションスイッチに電気的に接続された励磁コイル24が設けられている。励磁コイル24は、非磁性材で形成された出力軸4を外囲する形で配置されており、ギヤカバー17の内周面に固定されている。励磁コイル24はまた、フランジ25aを有するホルダ25とリング状円板26で構成されたヨークで囲まれている。励磁コイル24の内周面と出力軸4の外周面との間の空隙には、アーマチュアアウタ27とアーマチュアインナ28(以下、アーマチュア27,28と略記する)が装着されている。アーマチュア27,28は共に磁性材で形成されており、内外二重に相対摺動自在に設けられている。アーマチュア27,28の左端面は、ホルダ25のフランジ25aの中央部の内面と対向しており、フランジ25aの中央部がアーマチュア27,28に対するポールとなっている。
An
ホルダ25とピニオン6との間には、円環状のストッパ30が介設されている。ストッパ30は合成樹脂にて形成されており、エンジン始動動作の際にオーバーランニングクラッチ5とピニオン6が軸方向に沿って移動したとき、それらがホルダ25の左端面と衝突しないようになっている。
An
アーマチュアアウタ27の右端は、電動モータ3の整流子部31に隣接配置されたスイッチユニット(図示せず)に連結されている。また、アーマチュアアウタ27は、フランジ25aとの間に配されたリターンスプリング35によって、図中右方に向かって常時弾発付勢されている。その際、アーマチュアアウタ27は、通常、スイッチユニットの接点間を開いた状態で静止している。
The right end of the armature outer 27 is connected to a switch unit (not shown) disposed adjacent to the
アーマチュアインナ28は、コイルばね36により、トッププレート12から図中左方に向かって常時弾発付勢されている。コイルばね36の弾発力は、クラッチアウタ18に設けられたリターンスプリング21の弾発力より弱くなっている。また、アーマチュアインナ28には、非磁性材で形成されたシフタ部材37が結合している。シフタ部材37の左端は、クラッチインナ22の右端に当接している。
The armature inner 28 is constantly urged by a
トッププレート12と整流子部31との間には、金属製のセパレータ38が介設されている。セパレータ38はリング状に形成されており、減速装置2と電動モータ3との間を隔絶している。セパレータ38の中心部には、円筒部38aが整流子部31側に向かって突出形成されている。円筒部38aの内周面は、回転軸10の外周面と微小間隙をおいて対向している。円筒部38aの遊端(図中右端部)は、整流子部31の図中左端面に形成された凹部31aに入り込んでおり、これにより、減速装置2のグリスが整流子部31側に漏洩するのを防止している。
A
ボトムプレート11は、電動モータ3のヨーク39及びセパレータ38と共に、貫通ボルト40によって、ギヤカバー17に取り付けられている。ボトムプレート11の外周部には、階段状の印籠嵌合部11aが形成されており、ヨーク39の右端部が印籠嵌合している。一方、ヨーク39の左端部もまた、セパレータ38の外周部に形成された印籠嵌合部38bと印籠嵌合している。また、セパレータ38の外周縁は、ギヤカバー17の内周面に形成された印籠嵌合部17aに印籠嵌合している。
The
次に、このようなエンジン始動装置1の作動要領について説明する。まず、励磁コイル24に電流を加えない静止状態では、アーマチュアアウタ27はリターンスプリング35に付勢されて右方へ一杯に移動している。これと同時に、クラッチアウタ18が、ピニオン6と一体化されたクラッチインナ22、シフタ部材37及びアーマチュアインナ28を伴って、リターンスプリング21に付勢されて右方へ一杯に移動している。このとき、ピニオン6とリングギヤ23は噛合しておらず、両者の結合は断たれた状態となっている。
Next, the operation procedure of the engine starting device 1 will be described. First, in a stationary state where no current is applied to the
イグニッションスイッチがONされると、電磁装置7が通電され、励磁コイル24が励磁される。すると、アーマチュア27,28を通る磁路が形成され、アーマチュア27,28が左方に吸引され移動する。このとき、アーマチュア27,28のうちアーマチュアアウタ27の方が、ホルダ25のフランジ25a中央部(ポール)により近接しているため、アーマチュアアウタ27がアーマチュアインナ28に先行して移動する。これに連動して、アーマチュアアウタ27に連結された図示しない可動接点が移動し、バッテリに接続された固定接点に接触する。可動接点は、電動モータ3のブラシに電気的に接続されており、これにより、電動モータ3にバッテリの電力が供給され、回転軸10が回転する。
When the ignition switch is turned on, the electromagnetic device 7 is energized and the
一方、アーマチュアアウタ27は、その右端側に一体形成されたフランジ27aがリング状円板26に当接したところで停止する。この際、アーマチュアアウタ27の左端面とフランジ25aの中央部との間には、隙間が形成された状態となっている。
On the other hand, the armature outer 27 stops when the
回転軸10が回転すると、この回転力は、減速装置2で減速されて出力軸4に伝達される。このとき、出力軸4に取り付けられたクラッチアウタ18は、慣性抵抗によって静止しようとする。このため、ヘリカルスプライン19の働きによる軸方向力がクラッチアウタ18に加わり、クラッチアウタ18が左方への移動を開始する。一方、アーマチュアインナ28には、励磁コイル24による左方への吸引力とコイルばね36の押圧力が作用しており、アーマチュアインナ28も左方への移動を開始する。従って、このアーマチュアインナ28の移動力も、シフタ部材37を介して、クラッチアウタ18に軸方向力として加わる。
When the
これらの軸方向力により、リターンスプリング21の付勢力に抗してクラッチアウタ18が左方へ押し出される。クラッチアウタ18が左方へ移動すると、クラッチインナ22もまた左方へ押し出され、クラッチインナ22と一体のピニオン6も左方に移動する。クラッチアウタ18はプレート20に当接する位置まで移動し、ピニオン6はリングギヤ23との正規噛み合い位置に到達する。これにより、ピニオン6とリングギヤ23が噛合し、出力軸4の回転力がリングギヤ23に伝達されエンジンが起動される。エンジンが起動し、ピニオン6の回転速度が回転軸10のそれを上回ると、オーバーランニングクラッチ5の作用によりピニオン6が空転し、電動モータ3側には伝達されない。
By these axial forces, the clutch outer 18 is pushed leftward against the urging force of the
一方、クラッチアウタ18がプレート20に当接する位置まで移動したとき、アーマチュアインナ28の左端面は、ホルダ25のフランジ25aの中央部に当接する。アーマチュアインナ28はシフタ部材37と一体的に移動し、シフタ部材37の左端面とクラッチアウタ18との間には微小な間隙が形成される。このように、アーマチュアインナ28がフランジ25aの中央部に当接すると、アーマチュアインナ28には励磁コイル24の吸引力が最大に作用する。このため、ピニオン6がリングギヤ23から抜け出す方向に力が作用しても、クラッチアウタ18の右方への移動がシフタ部材37を介して阻止され、リングギヤ23からのピニオン6の抜け出しが防止される。
On the other hand, when the clutch outer 18 moves to a position where it comes into contact with the
エンジンが始動しイグニッションスイッチがOFFされると、励磁コイル24への通電が停止され、その吸引力も消滅する。すると、クラッチアウタ18に対するリターンスプリング21の付勢力や、アーマチュアアウタ27に対するリターンスプリング35の付勢力により、ピニオン6が右方に移動しリングギヤ23から離脱する。それに伴い、アーマチュアアウタ27に連結された可動接点も移動し、固定接点から離れる。これにより、電動モータ3への電力供給が停止し、回転軸10が停止してエンジン始動装置1は静止状態に戻る。
When the engine is started and the ignition switch is turned off, the energization to the
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施例では、出力軸4に装着したピニオン6をリングギヤ23と噛合させてエンジンを起動させるエンジン始動装置を示したが、出力軸4と平行にアイドルシャフトを設けると共に、アイドルシャフト上に、ピニオン6と噛合しつつ軸方向に移動可能なアイドルギヤを設け、このアイドルギヤをエンジンのリングギヤと噛合させるようにしたアイドルギヤ付きのエンジン始動装置にも本発明は適用可能である。
It goes without saying that the present invention is not limited to the above-described embodiments, and various modifications can be made without departing from the scope of the invention.
For example, in the above-described embodiment, the engine starting device is shown in which the
1 エンジン始動装置
2 減速装置
3 電動モータ
4 出力軸
5 オーバーランニングクラッチ
6 ピニオン
7 電磁装置
10 回転軸
10a 出力軸支持部
11 ボトムプレート
11a 印籠嵌合部
12 トッププレート
13 サンギヤ
14 プラネタリギヤ
15 内歯リングギヤ
16 ギヤ支持板
17 ギヤカバー
17a 印籠嵌合部
18 クラッチアウタ
18a 結合部
19 ヘリカルスプライン
20 プレート
21 リターンスプリング
22 クラッチインナ
23 リングギヤ
24 励磁コイル
25 ホルダ
25a フランジ
26 リング状円板
27 アーマチュアアウタ
27a フランジ
28 アーマチュアインナ
30 ストッパ
31 整流子部
31a 凹部
35 リターンスプリング
36 コイルばね
37 シフタ部材
38 セパレータ
38a 円筒部
38b 印籠嵌合部
39 ヨーク
40 貫通ボルト
50 ギヤ装着部
51 セレーション
52 軸孔
53 セレーション
55 ダレR部(圧造ダレ部)
56 軸本体部
62 ギヤ部端面
71 スラスト規制リング
71a 右端面
71b 左端面
72 フラット部
73 リング当接面
74 軸孔
75 右端部
76 不完全セレーション部
101 エンジン始動装置
102 ピニオン
103 リングギヤ
104 電磁装置
105 出力軸
106 オーバーランニングクラッチ
107 減速装置
108 モータ
109 回転軸
111 サンギヤ
112 プラネタリギヤ
113 ギヤ支持板
114 ケース
115 トッププレート
116 内歯リングギヤ
117 セパレータ
118 ヨーク
119 セレーション
121 セレーション
G 隙間
X スラスト規制位置
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1
56
101 engine starter
102 Pinion
103 Ring gear
104 Electromagnetic devices
105 Output shaft
106 Overrunning clutch
107 Reduction gear
108 motor
109 Rotation axis
111 Sungear
112 Planetary gear
113 Gear support plate
114 cases
115 Top plate
116 Internal ring gear
117 Separator
118 York
119 Serration
121 Serration G Clearance X Thrust restriction position
Claims (2)
前記電動機と前記ピニオンとの間に介設され、遊星歯車機構により、前記電動機の回転を前記ピニオンに減速して伝達する減速装置とを備えてなるエンジン始動装置であって、
前記遊星歯車機構は、前記電動機の回転軸とは別体に形成され、前記回転軸の外周に装着されるサンギヤを有し、
前記回転軸は、前記サンギヤが取り付けられ該サンギヤの軸孔に形成されたセレーションと噛合するセレーションを備えたギヤ装着部と、前記ギヤ装着部に隣接して設けられ、前記ギヤ装着部の前記セレーションを圧造形成する際に生じる圧造ダレ部を切削除去した部位を含むスラスト規制部材取付部とを有し、
前記スラスト規制部材取付部には、前記サンギヤに当接して該サンギヤの軸方向への移動を規制するスラスト規制部材が装着されることを特徴とするエンジン始動装置。 A pinion that is rotationally driven by an electric motor and meshes with an engine ring gear by moving in an axial direction;
An engine starter comprising a reduction gear interposed between the electric motor and the pinion and decelerating and transmitting the rotation of the electric motor to the pinion by a planetary gear mechanism;
The planetary gear mechanism is formed separately from the rotating shaft of the electric motor, and has a sun gear attached to the outer periphery of the rotating shaft,
The rotating shaft is provided adjacent to the gear mounting portion, the gear mounting portion having a serration to which the sun gear is mounted and meshing with a serration formed in a shaft hole of the sun gear, and the serration of the gear mounting portion. A thrust restricting member mounting portion including a portion obtained by cutting and removing the forging sag portion generated when forming the forging,
The engine starting device according to claim 1, wherein a thrust restricting member that contacts the sun gear and restricts movement of the sun gear in the axial direction is attached to the thrust restricting member mounting portion.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007200645A JP2009036072A (en) | 2007-08-01 | 2007-08-01 | Engine starter |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007200645A JP2009036072A (en) | 2007-08-01 | 2007-08-01 | Engine starter |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009036072A true JP2009036072A (en) | 2009-02-19 |
Family
ID=40438213
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007200645A Pending JP2009036072A (en) | 2007-08-01 | 2007-08-01 | Engine starter |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009036072A (en) |
-
2007
- 2007-08-01 JP JP2007200645A patent/JP2009036072A/en active Pending
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