JP2009035859A - Floor slab structure - Google Patents
Floor slab structure Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009035859A JP2009035859A JP2007198431A JP2007198431A JP2009035859A JP 2009035859 A JP2009035859 A JP 2009035859A JP 2007198431 A JP2007198431 A JP 2007198431A JP 2007198431 A JP2007198431 A JP 2007198431A JP 2009035859 A JP2009035859 A JP 2009035859A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slab
- floor
- strip
- shaped edge
- bending
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Building Environments (AREA)
Abstract
Description
本発明は、上面に段差が形成された床スラブに床衝撃音を生じさせるような、衝撃振動を抑制することができる床スラブ構造に関する。 The present invention relates to a floor slab structure capable of suppressing impact vibration such that a floor impact sound is generated in a floor slab having a step formed on an upper surface.
近年の集合住宅においては、段差のないバリヤフリーな床を提供するために、スラブの上面に段差を設けてスラブ上面と床仕上げ上面との間に、水場周りの配管用スペース確保している。しかし、スラブ上面に段差を設けるためにスラブ全体を上下にずらして床スラブを構築するのでは施工に手間が掛かり、さらに、スラブ底の段差により、限られた階高で天井の高さを大きくすることが難しくなる。このため、スラブ底面に段差を形成することなく、スラブの上面にのみ段差を形成させる床スラブの構造が特許文献1に示されている。特許文献1には、鉄筋コンクリート床スラブの全面内部に中空部を設けてスラブ厚を大きくすることにより該床スラブの上面を高くし、前記床スラブの中空部を部分的に省略してスラブ厚を小さくすることにより床スラブの上面を部分的に低くして床スラブ上面に段差を形成する技術が示されている。
In recent apartments, in order to provide a barrier-free floor with no steps, a step is provided on the upper surface of the slab to secure piping space around the water field between the upper surface of the slab and the upper surface of the floor finish. . However, building a floor slab by shifting the entire slab up and down to provide a step on the top surface of the slab takes a lot of work and further increases the ceiling height with a limited floor height due to the step at the bottom of the slab. It becomes difficult to do. For this reason,
一方、床スラブには隣接住居(特に上階)からの床衝撃音に対する遮断性能も要求される。軽量床衝撃音に対するスラブの遮断効果は、マットを敷くなど簡易な方法で得ることが出来るが、子どもの飛び跳ねや走り回りなどの重量床衝撃音に対するスラブの遮断効果は、スラブの厚さや、梁や耐震壁等の振動拘束部材と重量床衝撃音の発生位置との距離によって左右される。すなわち、梁や耐震壁等の、重量床衝撃音を発生させるスラブへの衝撃による振動(以下、「重量床衝撃音に対する振動」という)による変位を拘束する振動拘束部材とその重量床衝撃音の発生位置との距離が一定以上となる部分で発生した当該振動に対しては、遮音効果を十分に得ることができない。特許文献2には、スラブの段差部が梁や耐震壁等の振動拘束部材と同様に重量床衝撃音に対する振動拘束性を得られることが示され、スラブの段差部あるいは振動拘束部材から、所定の衝撃周波数によって決まるスラブの曲げ波の半波長(0.5λb)を超える距離に位置する床版部分では、重量床衝撃音に対する十分な振動拘束性を得られないことが示されている。さらに、特許文献2では、振動拘束部材により支持される床版の構造であって、最も近い振動拘束部材から、床版の所定の衝撃周波数に対する曲げ波の半波長(0.5λb)を超える距離に位置する非拘束床版部分内に、スラブの段差部を設けることで、床版全範囲で梁等または段差部による振動拘束性が得られることが示されている。
特許文献1では、スラブ段差部をスラブ振動を拘束する部材として考えていないため、スラブ振動を拘束する有効な配置は示されていない。このため、重量床衝撃音に対するスラブの振動が拘束されない部分が生じ、スラブの重量床衝撃音に対する遮断性能が十分に確保でなきない場合がある。一方、特許文献2における床版構造では、スラブ底面にも段差が形成されるため、ハーフPCa床部材を段差部で分割し、さらに段差型枠を設けるなど施工に手間が掛かるだけでなく、限られた階高の範囲内で天井高さを大きく確保することが難しくなる。
In
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、上面に段差を有するスラブを、施工効率を低下させることなく、重量床衝撃音に対する振動を拘束できるスラブとして構築できる床スラブ構造を提供することを目的とする。 The present invention was devised in view of the above-described conventional problems, and a floor slab structure capable of constructing a slab having a step on the upper surface as a slab capable of restraining vibration against heavy floor impact sound without lowering construction efficiency. The purpose is to provide.
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって本発明にかかるスラブの構造は、ハーフPCa床部材上に部分的に載置された板状の軽量部材の上方に後打ちコンクリートが打設されて、該ハーフPCa床部材と一体的に嵩上部が形成されたスラブを有する床スラブ構造であって、上記嵩上部の縁部に沿って所定幅で、上記スラブより高い剛性を有し、かつ、該スラブと剛接合されるとともに、該スラブを支持する構造部材に両端部が剛接合される帯状縁材を形成し、上記帯状縁材から上記スラブを支持する上記構造部材までの距離が、該帯状縁材と該構造部材で囲まれる曲げ波拘束領域内の該スラブへの所定の衝撃周波数による曲げ波の波長以下に設定されることを特徴とする。 The present invention was devised in view of the above-described conventional problems, and the structure of the slab according to the present invention is a post-cast concrete above a plate-like lightweight member partially placed on a half PCa floor member. Is a floor slab structure having a slab formed integrally with the half PCa floor member, and having a predetermined width along an edge of the bulk upper portion, and having a higher rigidity than the slab. And having a belt-like edge member rigidly joined to the slab and having both ends rigidly joined to the structural member supporting the slab, from the belt-like edge member to the structural member supporting the slab. Is set to be equal to or less than the wavelength of the bending wave due to a predetermined impact frequency to the slab in the bending wave restraining region surrounded by the strip-shaped edge member and the structural member.
前記曲げ波拘束領域の内、前記嵩上部が形成された第一スラブ領域について、前記帯状縁材から前記スラブを支持する前記構造部材までの距離が、該第一スラブ領域内の該スラブへの所定の衝撃周波数による曲げ波の波長以下に設定されるとともに、上記曲げ波拘束領域の内、上記嵩上部が形成されない第二スラブ領域について、上記帯状縁材から上記スラブを支持する上記構造部材までの距離が、該第二スラブ領域内の該スラブへの所定の衝撃周波数による曲げ波の波長以下に設定されることを特徴とする。 For the first slab region in which the upper part of the bending wave is constrained, the distance from the strip-shaped edge material to the structural member that supports the slab is set to the slab in the first slab region. The second slab region that is set to be equal to or less than the wavelength of the bending wave due to a predetermined shock frequency and does not form the bulky portion of the bending wave restraining region, from the strip-shaped edge material to the structural member that supports the slab. Is set to be equal to or less than the wavelength of the bending wave due to a predetermined impact frequency to the slab in the second slab region.
前記帯状縁材が向かい合わせて形成されるとともに、該帯状縁材間の距離が、当該帯状部材に挟まれた領域内の前記スラブへの所定の衝撃周波数に対する曲げ波の波長以下に設定されることを特徴とする。 The band-shaped edge members are formed to face each other, and the distance between the band-shaped edge members is set to be equal to or less than the wavelength of the bending wave with respect to a predetermined impact frequency to the slab in the region sandwiched between the band-shaped members. It is characterized by that.
前記帯状縁材が、前記ハーフPCa床部材と上方に打設された後打ちコンクリートで形成され、上記ハーフPCa床部材に下段曲げ補強筋が埋設されるとともに、上記後打ちコンクリートに上段曲げ補強筋が埋設され、上記下段曲げ補強筋と上記上段曲げ補強筋に係合して該帯状縁材の長さ方向に適宜間隔で、上記ハーフPCa床部材から上記後打ちコンクリートにわたって縦補強筋が埋設され、前記スラブから該帯状部材の上記後打ちコンクリートにわたって横方向接合筋が埋設されたことを特徴とする。 The strip-shaped edge member is formed of post-cast concrete that is cast upward with the half PCa floor member, and a lower bending reinforcement bar is embedded in the half PCa floor member, and an upper bending reinforcement bar is embedded in the post-cast concrete. Is embedded, and the vertical reinforcing bars are embedded from the half PCa floor member to the post-cast concrete at an appropriate interval in the length direction of the strip-shaped edge member by engaging with the lower bending reinforcing bars and the upper bending reinforcing bars. A lateral joint bar is embedded from the slab to the post-cast concrete of the strip member.
本発明にかかる床スラブ構造にあっては、上面に段差を有するスラブを、施工効率を低下させることなく、重量床衝撃音に対する振動を拘束できるスラブとして構築できる。 In the floor slab structure according to the present invention, a slab having a step on the upper surface can be constructed as a slab capable of restraining vibration against heavy floor impact sound without reducing construction efficiency.
以下に、本発明にかかる床スラブ構造の好適な第一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態の床スラブ構造は、図1および図2に示すようにハーフPCa床部材2上に部分的に載置された板状の軽量部材3の上方に後打ちコンクリート10が打設されて、ハーフPCa床部材2と一体的に嵩上部4が形成されたスラブ1を有する床スラブ構造であって、嵩上部4の縁部に沿って所定幅で、スラブ1より高い剛性を有し、かつ、スラブ1と剛接合されるとともに、スラブ1を支持する柱8や梁6に両端部が剛接合される帯状縁材7が形成され、帯状縁材7からスラブ1を支持する柱8や梁6までの距離が、帯状縁材7と柱8や梁6で囲まれる曲げ波拘束領域5内のスラブ1への所定の衝撃周波数による曲げ波の波長λb以下に設定されている。
Hereinafter, a preferred first embodiment of a floor slab structure according to the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings. In the floor slab structure of this embodiment, as shown in FIGS. 1 and 2,
本実施形態にかかるスラブは、RCラーメン構造の集合住宅における床スラブである。一住戸の居室部AはX方向に横長の長方形平面であり、居室部のX方向外側には共用の廊下BとベランダCが設けられている。居室部Aのスラブ1の四隅には柱8が設けられ、各柱8間には梁6が架設されている。梁6は、ベランダ側Y方向の梁60(以下「ベランダ側梁60」という)、廊下側Y方向の梁61(以下「廊下側梁61」という)、図1において上側に位置するX方向の梁62(以下「X方向第一梁62」という)、下側に位置するX方向の梁63(以下「X方向第二梁63」という)で構成されている。居室部Aと隣接する居室部A’との間には戸境壁9が設けられている。本実施形態における、柱8と梁6、梁6とスラブ1は、鉄筋コンクリートにより一体に構築されている。
The slab according to the present embodiment is a floor slab in an apartment house having an RC ramen structure. The room A of the dwelling unit is a rectangular plane that is horizontally long in the X direction, and a common corridor B and a veranda C are provided outside the room in the X direction.
スラブ1は、主に梁60〜63に取り囲まれて支持され、四隅角部で柱8に支持されている。スラブ1は、基本的に、スラブ1の底面1a形成し、スラブ型枠を兼用するハーフPCa床部材2と、その上方に打設された後打ちコンクリート10により構成されている。ハーフPCa床部材2で形成されたスラブ1の底面1aには段差や勾配はなく、底面1aは平坦に形成されている。ハーフPCa床部材2は、コンクリート製の平版19(以下「コンクリート版19」という)で構成されるPCa部材であり、そのコンクリート版19には、スラブ下端筋20およびトラス状の補強筋21が埋設されている。トラス状の補強筋21は、その上部をコンクリート版19の上面から突出させてコンクリート版19に埋設されている。なお、ハーフPCa床部材2は、トラス状の補強筋21を必ずしも有していなくても良い。
The
スラブ1の一部には嵩上部4が形成されている。嵩上部4は、ハーフPCa床部材2に部分的に載置された板状の軽量部材3と、その上方に打設された後打ちコンクリート10により形成されている。嵩上部4は後打ちコンクリート10によりハーフPCa床部材2と一体化に形成されている。スラブ1は、嵩上部4とハーフPCa床部材 2で構成されるスラブ11(以下「厚肉スラブ11」という)と、ハーフPCa床部材2と板状の軽量部材を埋設しない後打ちコンクリート10で構成されるスラブ12(以下「薄肉スラブ12」という)で構成されている。厚肉スラブ11の上面は薄肉スラブ12の上面より高く形成され、両上面間には段差が形成される。本実施形態における、厚肉スラブ11の上面は梁6の梁天端と同じ高さに設定されている。
A bulk
嵩上部4の板状の軽量部材3は、厚肉スラブ11のスラブ重量の増加を抑制しつつ嵩上部4を形成する機能を有している。本実施形態における板状の軽量部材3は、後打ちコンクリート10よりも比重の小さい発泡樹脂等により、縦横400mm程度の軽量な立方体部材として成形される。板状の軽量部材3の厚さは、嵩上部4の必要高さに応じて適宜選択する。なお、嵩上部4のハーフPCa床部材2からの高さは、床面と薄肉スラブ12の上面との間に設けられる設備配管等に必要とされる高さにより決定される。板状の軽量部材3は、ハーフPCa床部材2の上に突出するトラス状の補強筋21を挟んで、X方向、Y方向に隙間を設けて複数配置されている。配置された板状の軽量部材3の周囲の隙間およびその上方に後打ちコンクリート10が打設されている。板状の軽量部材3の上方の後打ちコンクリート10内にはスラブ1のスラブ上端筋22がX、Y方向に所定間隔で埋設され、板状の軽量部材3の周囲の後打ちコンクリート10には、ハーフPCa床部材2のトラス状の補強筋21が埋設されている。板状の軽量部材3の上方および周囲の後打ちコンクリート10厚さは、スラブ1の必要強度を確保できる寸法が確保されている。スラブ1としてのハーフPCa床部材2と嵩上部4との一体性は、嵩上部4に埋設された、ハーフPCa床部材2のトラス状の補強筋21および両者間の後打ちコンクリート10の付着力により確保されている。なお、板状の軽量部材3は、ハーフPCa床部材2と後打ちコンクリート10との一体性を確保できるのであれば、その形状は限定されない。また、板状の軽量部材3は、その機能が確保でき、後打ちコンクリート10よりも軽量であれば、発泡ポリスチレンや発泡スチロール等のブロックや箱体、ダンボール等の紙製の箱体、薄肉の金属製の中空型枠材などでも良く、その材質も限定されない。
The plate-like
嵩上部4は、スラブ1のX方向第一、第二梁62、63間に、ベランダ側梁60から廊下側梁61に向かって設けられている。本実施形態における嵩上部4の廊下側梁61側の縁部4aは、ベランダ側梁60から、ベランダ側梁60と廊下側梁61間の距離の2/3程度離れた位置に、ベランダ側梁60とほぼ平行に形成されている。また、梁6の天端は嵩上部4の上面と同じ高さで形成されている。嵩上部4の設けられた範囲のスラブ1は厚肉スラブ11として形成される。嵩上部4が設けられていない範囲、すなわち嵩上部4の縁部4aと廊下側梁61およびX方向第一、第二梁62、63で囲まれるスラブ1は、主に薄肉スラブ12で形成され、嵩上部4は縁部4aで薄肉スラブ12の上面との段差が発生している。
The bulk
嵩上部4の縁部4aに沿って帯状縁材7が形成されている。本実施形態の帯状縁材7が形成される「縁部」は、嵩上部4の梁6に接続されていない側面であり、スラブ1と梁6との境界の側面ではない。すなわち、帯状縁材7が形成される「縁部」は、スラブ1の内方範囲に形成され、スラブ1の上面に段差を生じさせる、嵩上部4の側面を意味する。本実施形態における縁部4aの位置は、ハーフPCa床部材2上に載置された板状の軽量部材3の段差側の側面位置に一致している。本実施形態における帯状縁材7は、嵩上部4の廊下側梁61側の縁部4aに沿って形成され、X方向第一、第二梁62、63間にベランダ側梁60(又は廊下側梁61)とほぼ平行に形成されている。これにより、薄肉スラブ12との段差を構成する縁部4aは帯状縁材7の一方の側面に接続され、帯状縁材7の他方の側面に薄肉スラブ12との段差部が形成される。
A strip-shaped
本実施形態の帯状縁材7は長方形断面の部材であり、ハーフPCa床部材2と上方に打設された後打ちコンクリート10で形成されている。本実施形態の後打ちコンクリート10は、嵩上部4と等しい厚さまで打設され、帯状縁材7の縁材コンクリート部70を形成している。従って、帯状縁材7の厚さは厚肉スラブ11の厚さとほぼ等しく形成されている。帯状縁材7の厚さは少なくとも、薄肉スラブ12の厚さより大きければよい。帯状縁材7はスラブ1に剛接合され、両端部が梁6に剛接合されている。すなわち帯状縁材7の端部はX方向第一梁62およびX方向第二梁63に剛接合されている。帯状縁材7、厚肉スラブ11および薄肉スラブ12の各ハーフPCa床部材2は同一形状の部材であり、それらの底面が面一となるように設けられている。厚肉スラブ11上面は帯状縁材7を介して薄肉スラブ12上面との段差が形成されている。
The belt-
本実施形態では、帯状縁材7の厚肉スラブ11側の側面、すなわち嵩上部4の段差側の側面は、その側面全面に亘って嵩上部4の縁部4aに接続され、厚肉スラブ11が剛接合されている。また、帯状縁材7の薄肉スラブ12側の側面は、薄肉スラブ12との段差が形成され、その側面の下部で薄肉スラブ12に剛接合されている。帯状縁材7の側面間の寸法は、帯状縁材7の所定幅を構成し、その幅は、帯状縁材7の剛性とスラブ1との剛接合が確保できる寸法であればよい。スラブ1は、帯状縁材7の端部および側面に剛接合されることにより、帯状縁材7を介して振動拘束材としての梁6に有効に接合されている。
In the present embodiment, the side surface on the
帯状縁材7には、ハーフPCa床部材2に下段曲げ補強筋23が埋設されるとともに、上記後打ちコンクリート10に上段曲げ補強筋24が埋設され、帯状縁材7の曲げ剛性が確保されている。本実施形態における上段曲げ補強筋24は、帯状縁材7の断面上部の左右の隅角部、すなわち後打ちコンクリート10により形成された縁材コンクリート部70の断面上部の左右の隅角部に、その長さ方向に沿って配筋されている。下段曲げ補強筋23は、帯状縁材7の断面下部の左右の隅角部でその長さ方向に沿ってハーフPCa床部材内に埋設されている。また、上段曲げ補強筋24は、帯状縁材7の端部が接続する梁6まで延設されて梁6内に定着される。この上段曲げ補強筋24の定着と、帯状縁材7の縁材コンクリート部分70が、X方向第一梁62およびX方向第二梁63と一体的にコンクリートが打設されることにより、梁6と帯状縁材7端部の剛接合が確保される。この剛接合が確保されることにより、スラブ1の本来的な振動拘束部材、すなわち、重量床衝撃音を発生させるスラブ1への衝撃による振動、すなわち重量床衝撃音に対する振動による変位を拘束する振動拘束部材である梁6に、補助的な振動拘束部材である帯状縁材7が一体化され、帯状縁材7のスラブ1に対する振動拘束性がより確実に発揮できるようになる。
In the strip-shaped
また、帯状縁材7には、下段曲げ補強筋23と上段曲げ補強筋24に係合して帯状縁材7の長さ方向に適宜間隔で、ハーフPCa床部材2から打設コンクリート10(縁材コンクリート部70)に亘って縦補強筋25が埋設されている。これにより帯状縁材7の剛性が確保されている。本実施形態の縦補強筋25は、左右の上段曲げ補強筋24に上から被せるように配置される逆U字状の上部縦補筋25aと、左右の下段曲げ補強筋23を下から囲むように配置されるU字状の下部縦補筋25bを組み合わせて構成されている。縦補強筋25は、上部縦補筋25aと下部縦補筋25bを連結することで、上段、下段曲げ補強筋23、24に係止され、これらを囲むロ字状の鉄筋として形成されている。下部縦補筋25b下は、下段曲げ補強筋23と共にハーフPCa床部材2に埋設され、上部縦補筋25aは縁材コンクリート部70に埋設される。これにより帯状縁材7のハーフPCa床部材2と縁材コンクリート部70との一体性が確実なものとなる。本実施形態における、帯状縁材7は、下段曲げ補強筋23、上段曲げ補強筋24および縦補強筋25を有することにより、厚肉スラブ11、薄肉スラブ12より高い剛性が確保されている。
Further, the strip-shaped
帯状縁材7には、スラブ1から帯状部材7の後打ちコンクリート10すなわち縁材コンクリート部70にわたって横方向接合筋26が埋設されている。本実施形態における横方向接合筋26は、厚肉部接合筋27と薄肉部接合筋28で構成される。厚肉部接合筋27は厚肉スラブ11から帯状縁材7に亘って、帯状縁材7の長さ方向に適宜間隔で複数配置される。本実施形態の厚肉部接合筋27は、帯状縁材7の上部に配置された上段厚肉部接合筋27aと、下部に配置された下段厚肉部接合筋27bで構成されている。上段厚肉部接合筋27aは、帯状縁材7に延設された、嵩上部4のスラブ上端筋22で構成されている。具体的には、嵩上部4の後打ちコンクリート10に埋設されたスラブ上端筋22を、上段曲げ補強筋24の上部から、帯縁材7の薄肉スラブ側12の側面手前で下方へ曲げて、帯状縁材7のハーフPCa床材2の上面まで延びて縁材コンクリート部70内に定着させることで、上段厚肉部接合筋27aが形成されている。下段厚肉部接合筋27bは、ハーフPCa床部材2上面で、厚肉スラブ11から帯状縁材7、薄肉スラブ12に亘って配筋されて、各打設コンクリート10に埋設された鉄筋で構成されている。下段厚肉部接合筋27bは、スラブ下端筋20をハーフPCa床部材2に予め埋設することなく、ハーフPCa床部材2上に配筋し、それを厚肉スラブ11から帯状縁材7、薄肉スラブ12に亘って配筋することで構成しても良い。これらの厚肉部接合筋27と厚肉スラブ11の後打ちコンクリート10と帯状縁材7の後打ちコンクリート10(縁材コンクリート部70)が一体に打設されることにより、帯状縁材7とスラブ1の厚肉スラブ11の剛接合が確保される。
In the belt-
薄肉部接合筋28は、帯状縁材7と薄肉スラブ12に亘って、帯状縁材7の長さ方向に適宜間隔で複数配置される。薄肉部接合筋28は、帯状縁材7の上下方向の中段部に配置された、中段薄肉部接合筋28aと、下部側に配置された下段薄肉部接合筋28bで構成されている。中段薄肉部接合筋28aは、薄肉スラブ12の打設コンクリート10内に埋設されたスラブ上端筋22が帯状縁材7内まで延設され、帯状縁材7内で嵩上部4の板状の軽量部材3の上方へ向けてやや傾斜し、帯状縁材7の後打ちコンクリート10(縁材コンクリート部70)内に定着されている。中段薄肉部接合筋28aの端部は、厚肉スラブ11内まで延設しても良い。
A plurality of thin-walled joint bars 28 are arranged at appropriate intervals in the length direction of the strip-shaped
下段薄肉部接合筋28bは、ハーフPCa床部材2上面で、薄肉スラブ12から帯状縁材7、厚肉スラブ11に亘って配筋され、各打設コンクリート10に埋設された鉄筋で構成されている。本実施形態では、上記下段厚肉部接合筋27bが兼用している。下段薄肉部接合筋28bは下段厚肉部接合筋27bと別途に設けても良い。これらの薄肉部接合筋28と、薄肉スラブ12の後打ちコンクリート10と帯状縁材7の後打ちコンクリート10(縁材コンクリート部70)が一体に打設されることにより帯状縁材7と薄肉スラブ12との剛接合が確保される。
The lower thin-walled
このように構成されている帯状縁材7は、スラブとしての機能を有する部材であり、薄肉スラブ12と厚肉スラブ11間で振動によって生じたエネルギーを梁6等のスラブ支持部材まで伝達できる機能が確保されていれば良い。従って帯状縁材7は、スラブを支持する梁としての耐力が要求されものではなく、また、梁間を直線的に連結する部材である必要もない。帯状縁材7の部材としての剛性は、同じ幅の厚肉、薄肉スラブ11、12よりも大きいものであればよく、また、その断面形状も横長の扁平としても良い。このため、帯状縁材7は、スラブ1の厚さや、厚肉スラブ11や薄肉スラブ12の設定範囲に合わせて、その側面位置を自由に変更でき、帯状縁材7の断面形状を扁平とすることができる。ただし、帯状縁材7の設置形態によっては帯状縁材7が梁と同一の形態を有することを否定するものではない。すなわち帯状縁材7と梁の形態を比較して同異を論じるのではなく、その機能から同異が判断される。
The belt-
帯状縁材7は、帯状縁材7からスラブ1を支持する柱8や梁6までの距離が、帯状縁材7と該柱8や梁6で囲まれる曲げ波拘束領域5内のスラブ1への所定の衝撃周波数による曲げ波の波長以下に設定されている。スラブ1に形成される、帯状縁材7と、柱8や梁6で囲まれる曲げ波拘束領域5の数は、スラブ1に形成した帯状縁材7の数により変化する。なお、柱8や梁6と帯状縁材7との距離は、対向するそれぞれの側面間の距離であり、帯状縁材7が「対向」する柱8や梁6は、帯状縁材7の長さ方向の任意位置における側面の平面図上の法線方向に位置する柱8や梁6を意味する。本実施形態においてスラブ1はその四隅で構造部材である柱8に支持されているが、帯状縁材7と柱8との距離は、帯状縁材7との梁6との距離より短く形成さているため、梁6の距離が確保されれば、柱8との距離が確保されるものとして、以下では梁6と帯状縁材7との位置関係について説明を行う。
The strip-shaped
本実施形態におけるスラブ1には帯状縁材7と梁6で囲まれる曲げ波拘束領域5が二つ形成されている。すなわち、スラブ1には、帯状縁材7とベランダ側梁60、X方向第一、第二梁62、63とで囲まれ、嵩上部4が形成された第一スラブ領域13と、帯状部材7と廊下側梁61、X方向第一、第二梁62、63とで囲まれ、嵩上部4が形成されない第二スラブ領域14が形成されている。第一スラブ領域13のスラブ1は厚肉スラブ11で形成され、第二スラブ領域14のスラブ1は薄肉スラブ12で形成されている。
In the
帯状縁材7のベランダ側の側面からベランダ側梁60までの距離は、帯状縁材7とベランダ側梁60、X方向第一、第二梁62、63と帯状縁材7で囲まれた第一スラブ領域13の厚肉スラブ11への所定の衝撃周波数による曲げ波の波長λb11以下に設定されている。また、帯状縁材7の廊下側の側面から廊下側梁61までの距離は、帯状縁材7と廊下側梁61、X方向第一、第二梁62、63と帯状縁材7で囲まれた第二スラブ領域14、の薄肉スラブ12への所定の衝撃周波数による曲げ波の波長λb12以下に設定されている。
The distance from the veranda-side side surface of the belt-
すなわち、本実施形態のスラブ1の二つの曲げ拘束領域については、帯状縁材7の配設位置が、曲げ波拘束領域5、5の内、嵩上部4が形成された第一スラブ領域13について、帯状縁材7からスラブ1を支持するベランダ側梁60までの距離が、第一スラブ領域内13のスラブ1すなわち厚肉スラブ11への所定の衝撃周波数による曲げ波の波長λb11以下に設定されるとともに、曲げ波拘束領域5、5の内、嵩上部4が形成されない第二スラブ領域14について、帯状縁材7からスラブ1を支持する廊下側梁61までの距離が、第二スラブ領域内14のスラブ1すなわち薄肉スラブ12への所定の衝撃周波数による曲げ波の波長λb12以下に設定されている。
That is, regarding the two bending restraint regions of the
本実施形態における帯状縁材7は、帯状縁材7の両側面方向で、梁6すなわち廊下側梁61、ベランダ側梁60との距離がスラブ1への所定の衝撃周波数による曲げ波の波長λb以下に設定されている。ここで、曲げ波の波長λbは、下記の式(1)によって算定される。式(1)からわかるように、曲げ波の波長λbは、床版に加えられる床衝撃音衝撃源の衝撃振動入力(以下、加振力ともいう)の衝撃周波数によって異なる。衝撃周波数とは、衝撃時間を2倍した数値の逆数(単位:Hz)をいう。本実施形態における所定の衝撃周波数は、重量床衝撃音の周波数に該当する周波数(例えばJIS A 1418−2000「建築物の床衝撃音遮音性能の測定方法 第2部:標準重量衝撃音源による方法」に定められた重量床衝撃音の衝撃源であるバングマシーンの衝撃周波数=25Hz)を意味する。また、式(1)からわかるように、曲げ波の波長λbは、ヤング係数や密度、床版の等価厚さなど、床版の属性によって異なる。なお、床版の等価厚さとは普通コンクリートの均一単板床版を基準として、ボイドスラブなどを均一単板床版に換算したものである。
In the present embodiment, the strip-shaped
以上説明した本実施形態にかかる床スラブ構造の作用について説明する。前述の特許文献2において、振動拘束部材は、振動を伝達する媒体としてのスラブに対して固定端として振る舞い、スラブへの衝撃によって生ずるスラブの振動を、その近傍において拘束する部材をいう。振動拘束部材により、スラブに生ずる振動が拘束される度合い(以下、「振動拘束性」という)は、当該振動拘束部材からの距離に関係し、概して振動拘束部材の近傍ほど振動拘束性が高い。振動拘束性はより具体的には、当該スラブを伝搬する曲げ波(横波)の波長λbに関係する。
The operation of the floor slab structure according to the present embodiment described above will be described. In the above-mentioned
また、前述の特許文献2において、梁からスラブを伝搬する曲げ波(横波)の波長λbの半波長(0.5λb)程度の距離までの当該スラブの領域においては振動拘束性が得られることが示され、同時に上記スラブの段差部から上記曲げ波(横波)の波長λbの半波長(0.5λb)程度の距離までの当該スラブの領域においても振動拘束性が得られることが示されている。これにより、スラブに設けられた段差部も、スラブの振動を拘束する部材として、構造梁や耐力壁などの振動拘束部材と同様に扱うことができることが示されている。逆に言えば、段差部の場合も振動拘束部材の場合も、当該段差部あるいは振動拘束部材から、上記曲げ波(横波)の波長λbの半波長(0.5λb)を超える距離に位置するスラブ領域では、十分な振動拘束性を得られないことを示している。したがって、スラブに、段差部からも振動拘束部材からも振動拘束性を得られないスラブ領域が存在すると、そのスラブでは床衝撃音が有効に遮断できなくなる。
Further, in
本実施形態における各梁60〜63は、重量床衝撃音を発生させるスラブ1への衝撃による振動(重量床衝撃音に対する振動)による変位を拘束する振動拘束部材である。この振動拘束部材は、前述の、「スラブへの衝撃によって生ずるスラブの振動を、その近傍において拘束する」振動拘束部材を意味する。また、本実施形態における帯状縁材7は、段差を構成する部材であり、前述の「段差部」を意味する。したがって、各梁60〜63、または帯状縁材7からスラブ1への所定の衝撃周波数による曲げ波の波長λbの半波長(0.5λb)程度の距離までのスラブ1の領域においては振動拘束性が得られる。以下の説明において「振動拘束材」には本実施形態の帯状縁材7も含むものとする。
Each beam 60-63 in this embodiment is a vibration restraint member which restrains the displacement by the vibration (vibration with respect to a heavy floor impact sound) by the impact to the
本実施形態のスラブ1を構成する第一スラブ領域13に対する振動拘束材としての帯状縁材7とベランダ側梁60との距離が、第一スラブ領域13の厚肉スラブ領域11の曲げ波長λb11以下であるため、ベランダ側梁60の帯状縁材7に対向する側面から、厚肉スラブ領域11の曲げ波長λb11の半波長(以下「0.5λb11」とする)、または帯状縁材7のベランダ側の側面から0.5λb11の範囲に第一厚肉スラブ領域の全てが包含される。これにより、帯状縁材7とベランダ側梁60が第一スラブ領域13内で発生する、重量床衝撃音に対する振動を拘束できる。
The distance between the belt-
同様に、第二スラブ領域14に対する振動拘束材としての帯状縁材7と廊下側梁61との距離が、薄肉スラブ12の曲げ波長λb12以下であるため、帯状縁材7の廊下側梁61に対向する側面から、薄肉スラブ12の曲げ波長λb12の半波長(以下「0.5λb12」とする)または廊下側梁61の帯状縁材7に対向する側面から0.5λb12の範囲に、第二スラブ領域14の全てが包含される。これにより、帯状縁材7と廊下側梁61が第二スラブ領域14内で発生する重量床衝撃音に対する振動を拘束できる。
Similarly, since the distance between the strip-shaped
本実施形態の床スラブ構造の施行について説明する。施工現場での作業に先立ち、予め工場等で所定の大きさのコンクリート版19に、スラブ下端筋筋20とトラス状の補強筋21を埋設してハーフPCa床部材2を成形しておく。トラス状の補強筋21の上部はコンクリート版2a上方へ突出させて成形する。帯状縁材7のスラブ型枠となるハーフPCa床部材2には、帯状縁材7の位置に、下段曲げ補強筋23およびこれに係合させた縦補強筋25も併せて埋設しておく。下段曲げ補強筋は、帯状縁材7の断面下部の左右の隅角部付近に配置する。縦補強筋25を構成するU字状の下段縦補強筋25bを、左右の下段曲げ補強筋23に係合させてハーフPCa床部材2に埋設し、その端部をコンクリート版2a上方へ突出させて成形する。下段縦補強筋25bは、帯状縁材7の長さ方向に適宜間隔で配置する。
The enforcement of the floor slab structure of this embodiment will be described. Prior to the work at the construction site, a half
施工現場においては、RC造の集合住宅の施工階の下階スラブ上に、柱配筋および戸境壁9の壁配筋を行いその周囲に型枠を設置し、柱の鉄筋間に梁配筋を行い、その周囲に下階のスラブから支持して梁型枠を設置する。組上がった梁型枠間に、下階のスラブから支持しながら、スラブ型枠としてのハーフPCa床部材2を梁型枠間にフラットに配置する。スラブ底に段差を設けないため、ハーフPCa床部材2の敷設作業は容易となる。帯状縁材7の形成される位置には、予め下段曲げ補強筋23等が埋設されたハーフPCa床部材2を配置する。次いで配置されたハーフPCa床部材2上面の嵩上部4を設ける部分に縦横400mm程度の軽量な板状の軽量部材3を、ハーフPCa床部材2の上面に突出したトラス状補強筋21を挟んでX、Y方向に隙間を設けて載置し、固定する。板状の軽量部材3の配置後に、帯状縁材7の上段曲げ補強筋24を配筋する。上段曲げ補強筋24は、帯状縁材7の断面上部の両隅角部付近に配置する。上段曲げ補強筋24の端部は、それぞれX方向第一、第二梁62、63内まで延設して定着させる。
At the construction site, on the lower floor slab of the RC apartment building, column reinforcement and the wall of the
次に、左右の上段曲げ補強筋24に被せるように、縦補強筋25の逆U字状の上段縦補強筋25aを配筋しその端部を、ハーフPCa床部材2上に突出する下段縦補強筋25bの端部と連結してロ字状の縦補強筋25を形成する。次いで、厚肉スラブ11から帯状縁材7、薄肉スラブ12に亘って下段厚肉部接合筋27b(下段薄肉部接合筋28b兼用)を、帯状縁材7の長さ方向に適宜間隔で配筋する。薄肉スラブ12のスラブ上端筋22をハーフPCa床部材2の上方にXY方向に配筋する。この際、スラブ上端筋23の帯状縁材7側の端部は、帯状縁材7内まで延長し、帯状縁材7内で厚肉スラブ11の板状の軽量部材3の上方へ向けて傾斜させる。厚肉スラブ11のスラブ上端筋22を板状の軽量部材3の上方でX、Y方向に配筋する。この際、帯状縁材7側のスラブ上端筋22の端部は、上段曲げ補強筋24の上部に載置し、その端部を、帯状縁材7の薄肉スラブ12側の側面に沿って下方に曲げて、帯状縁材7に定着長さを確保して配筋する。
Next, an upper U-shaped vertical reinforcing
スラブ配筋が完了した段階で、厚肉スラブ11、薄肉スラブ12、および帯状縁材7の打設コンクリート10を一連に打設する。打設コンクリート10を一連に打設することにより、厚肉スラブ11、薄肉スラブ12、および帯状縁材7が一体化されたスラブ1が構築される。コンクリート硬化後に、支保工を取り外し、型枠を解体して、本発明に係るスラブ構造が構築される。
At the stage where the slab reinforcement is completed, the
以上説明したように、本実施形態にかかるスラブ構造にあっては、ハーフPCa床部材2上に部分的に載置された板状の軽量部材3の上方に後打ちコンクリート10が打設されて、ハーフPCa床部材2と一体的に嵩上部4が形成されたスラブ1に、嵩上部4の縁部4aに沿って所定幅で、スラブ1より高い剛性を有し、かつ、スラブ1と剛接合されるとともに、スラブ1を支持する柱8や梁6に両端部が剛接合される帯状縁材7を形成し、帯状縁材7からスラブ1を支持する柱8や梁6にまでの距離が、帯状縁材7と柱8や梁6で囲まれる曲げ波拘束領域5の、スラブ1への所定の衝撃周波数による曲げ波の波長λb以下に設定したので、ハーフPCa床部材2と板状の軽量部材3を用いて、底面がフラットで、スラブ1の上面に段差を形成する嵩上部4を有するスラブ1の施工性を低下させることなく、帯状縁材7をスラブ1の振動拘束部材として利用して振動が拘束されたスラブ1を構築することができる。すなわち、上面に段差を有するスラブを、施工効率を低下させることなく、重量床衝撃音に対する振動を拘束できるスラブ1として構築できる。また、帯状縁材7の端部が梁6に剛接合されているため、帯状縁材7をスラブ1の振動を拘束する部材として確実に機能させることができる。
As described above, in the slab structure according to the present embodiment, the post-cast concrete 10 is placed above the plate-like
スラブ1の曲げ波拘束領域5の内、嵩上部4が形成された第一スラブ領域13について、帯状縁材7からスラブ1を支持するベランダ側梁60までの距離が、第一スラブ領域13の床スラブ、すなわち厚肉スラブ11への所定の衝撃周波数による曲げ波の波長λb11以下に設定されるとともに、曲げ波拘束領域5の内、嵩上部4が形成されない第二スラブ領域14について、帯状縁材7からスラブ1を支持する廊下側梁61までの距離が、第二スラブ領域14内のスラブ1すなわち薄肉スラブ12への所定の衝撃周波数による曲げ波の波長λb12以下に設定されているため、帯状縁材7がその両側に位置する第一、第二スラブ領域13、14の振動をともに拘束する部材として機能させることができ、帯状縁材7を有効に利用してスラブ1の全域で振動を拘束することができる。
Of the bending
帯状縁材7が、ハーフPCa床部材2と上方に打設された後打ちコンクリート10で形成され、ハーフPCa床部材2に下段曲げ補強筋23が埋設されるとともに、後打ちコンクリート10に上段曲げ補強筋24が埋設され、下段曲げ補強筋23と上段曲げ補強筋24に係合して帯状縁材7の長さ方向に適宜間隔で、ハーフPCa床部材2から後打ちコンクリート10にわたって縦補強筋25が埋設され、スラブ1から帯状部材7の後打ちコンクリート10にわたって横方向接合筋28が埋設されたことにより、帯状縁材7の剛性が確保され、厚肉スラブ11と薄肉スラブ12と帯状縁材7の剛接合が確実になり、曲げ波拘束領域5すなわち、第一、第二スラブ領域13、14の振動を、柱8や梁6などの構造部材と帯状縁材7が一体となって確実に拘束できる。
The strip-shaped
本実施形態においては、床スラブの周囲を柱8や梁6で囲んだが、梁6に変えて、スラブ1を直接支持する耐震壁を用いてもよく、対象とする建築物は壁式構造や壁式ラーメン構造でも良い。壁式構造の場合、壁梁が本実施形態における梁の機能を果たし、壁式ラーメン構造の場合は、壁柱(耐力壁)が本実施形態の柱の機能を果たす。これらの場合でも、スラブ1の振動拘束材として梁6を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
In this embodiment, the perimeter of the floor slab is surrounded by the
本実施形態の嵩上部4の縁部4aすなわち帯状縁材7の形状は、直線である必要はなく、曲線や凹凸有する形状に形成しても良い。また、嵩上部4の縁部4aすなわち帯状縁材7は、ベランダ側梁60に対し斜めに形成しても良い。また、帯状縁材7の幅を長さ方向に均一にしたが、例えばX方向第一梁62との接続部の幅をせまくし、X方向第二梁63に向かうに従って、帯状縁材7の幅が拡大されるように形成しても良い。上記のような変形形態においては、板状の軽量部材3の載置形態により、その側面の位置に凹凸が生じる。この状態での縁部4aは板状の軽量部材3の側面の各凸の角部を滑らかに結んだ面として設定される。
The shape of the
本実施形態では、嵩上部4の三方縁部を梁6に接して形成し、残りの縁部に帯状縁材7を1つ設けたが、図3に示す第二実施形態のように嵩上部4の二つの縁部を平行する梁6(X方向第一、第二梁62、63)に接するようにして、残りの平行する二つの縁部4a、4aに帯状縁材7、7を形成してもよい。この場合、帯状縁材7、7が向かい合わせて形成されるとともに、帯状縁材7、7間の距離が、帯状部材7、7に挟まれた領域内のスラブ1すなわち厚肉スラブ11への所定の衝撃周波数に対する曲げ波の波長λb11以下に設定される。これにより、両帯状部材7、7と、X方向第一、第二梁62、63に囲まれ、嵩上部4が形成されている第一スラブ領域13が形成され、第一スラブ領域13の振動を両帯状部材7、7が拘束できる。
In this embodiment, the three-way edge portion of the bulk
また、図4に示す第三実施形態のように、スラブ1の曲げ波拘束領域5に、嵩上部4を有さない第二スラブ領域の二方向が直交する廊下側梁61とX方向第二梁63に接して形成されるように、嵩上部7をスラブ1に形成しても良い。この場合、帯状縁材7は嵩上部4に沿ってL字状に形成される。L字状の帯状縁材7とベランダ側梁60又はX方向第一梁62との距離は、L字の角部で最大となる。この距離を曲げ波の波長λb11以下に設定することで、第一スラブ領域13全域の振動を帯状縁材7とベランダ側梁60とX方向第一梁62で拘束することが可能となる。また、L字の各辺と対向する梁6の距離を曲げ波の波長λb11以下設定し、第一スラブ領域13を部分的に振動拘束するように帯状縁材7を形成しても良い。なお、帯状縁材7のL字の角部との距離は、角部先端からの距離であり、角部から等距離の地点は、角部先端を中心とする同一円上に位置する。
Further, as in the third embodiment shown in FIG. 4, the corridor-
さらに、図5に示す第四実施形態のように第二スラブ領域14を、1つの梁6(X方向第二梁63)に接するように形成し、帯状縁材7を縁部4aに沿ってコ字状に形成しても良い。
Further, as in the fourth embodiment shown in FIG. 5, the
また、図6に示すように、第三実施形態で示したスラブ1、1を二つ連続させて、それぞれに形成した第一スラブ領域13、13、第二スラブ領域14、14が、梁6を挟んで連続するようにスラブ1を連続して構築しても良い。
Further, as shown in FIG. 6, the
上記各変形実施形態においても、第一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。 In each of the above-described modified embodiments, the same effects as those of the first embodiment can be obtained.
1 床スラブ
2 ハーフPCa床部材
3 軽量部材
4 嵩上部
4a 縁部
7 帯状縁材
10 後打ちコンクリート
13 第一スラブ領域
14 第二スラブ領域
23 上段曲げ補強筋
24 下段曲げ補強筋
25 縦補強筋
26 横方向接合筋
DESCRIPTION OF
Claims (4)
上記嵩上部の縁部に沿って所定幅で、上記スラブより高い剛性を有し、かつ、該スラブと剛接合されるとともに、該スラブを支持する構造部材に両端部が剛接合される帯状縁材を形成し、
上記帯状縁材から上記スラブを支持する上記構造部材までの距離が、該帯状縁材と該構造部材で囲まれる曲げ波拘束領域内の該スラブへの所定の衝撃周波数による曲げ波の波長以下に設定されることを特徴とする床スラブ構造。 A floor slab having a slab in which post-cast concrete is placed above a plate-like lightweight member partially placed on the half PCa floor member and a bulk upper portion is formed integrally with the half PCa floor member. Structure,
A belt-like edge having a predetermined width along the edge of the bulky portion and having a rigidity higher than that of the slab and rigidly joined to the slab and having both ends rigidly joined to a structural member supporting the slab. Forming the material,
The distance from the strip edge to the structural member that supports the slab is less than or equal to the wavelength of the bending wave due to a predetermined impact frequency to the slab in the bending wave restraining region surrounded by the strip and the structural member. Floor slab structure characterized by being set.
上記曲げ波拘束領域の内、上記嵩上部が形成されない第二スラブ領域について、上記帯状縁材から上記スラブを支持する上記構造部材までの距離が、該第二スラブ領域内の該スラブへの所定の衝撃周波数による曲げ波の波長以下に設定されることを特徴とする請求項1に記載の床スラブ構造。 For the first slab region in which the upper part of the bending wave is constrained, the distance from the strip-shaped edge material to the structural member that supports the slab is set to the slab in the first slab region. It is set below the wavelength of the bending wave with a predetermined shock frequency,
The second slab region in which the upper part of the bending wave is not formed has a predetermined distance from the strip-shaped edge material to the structural member that supports the slab to the slab in the second slab region. The floor slab structure according to claim 1, wherein the floor slab structure is set to be equal to or less than a wavelength of a bending wave due to an impact frequency.
上記ハーフPCa床部材に下段曲げ補強筋が埋設されるとともに、上記後打ちコンクリートに上段曲げ補強筋が埋設され、上記下段曲げ補強筋と上記上段曲げ補強筋に係合して該帯状縁材の長さ方向に適宜間隔で、上記ハーフPCa床部材から上記後打ちコンクリートにわたって縦補強筋が埋設され、前記スラブから該帯状部材の上記後打ちコンクリートにわたって横方向接合筋が埋設されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の床スラブ構造。 The strip-shaped rim material is formed of post-cast concrete that has been laid upward with the half PCa floor member,
A lower bending reinforcing bar is embedded in the half PCa floor member, and an upper bending reinforcing bar is embedded in the post-cast concrete, and the lower edge bending reinforcing bar and the upper bending reinforcing bar are engaged with each other. A longitudinal reinforcing bar is embedded from the half PCa floor member to the post-cast concrete at an appropriate interval in the length direction, and a lateral joint bar is embedded from the slab to the post-cast concrete of the strip member. The floor slab structure according to any one of claims 1 to 3.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007198431A JP2009035859A (en) | 2007-07-31 | 2007-07-31 | Floor slab structure |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007198431A JP2009035859A (en) | 2007-07-31 | 2007-07-31 | Floor slab structure |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009035859A true JP2009035859A (en) | 2009-02-19 |
Family
ID=40438016
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007198431A Pending JP2009035859A (en) | 2007-07-31 | 2007-07-31 | Floor slab structure |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009035859A (en) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014163093A (en) * | 2013-02-25 | 2014-09-08 | Yahagi Construction Co Ltd | Wall type structure building |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08239934A (en) * | 1995-03-06 | 1996-09-17 | Sato Kogyo Co Ltd | Upper surface step structure of floor slab |
JPH11303281A (en) * | 1998-04-23 | 1999-11-02 | Kozo Plan:Kk | Concrete floor-slab structure |
JP2007056513A (en) * | 2005-08-23 | 2007-03-08 | Okumura Corp | Floor slab structure |
-
2007
- 2007-07-31 JP JP2007198431A patent/JP2009035859A/en active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08239934A (en) * | 1995-03-06 | 1996-09-17 | Sato Kogyo Co Ltd | Upper surface step structure of floor slab |
JPH11303281A (en) * | 1998-04-23 | 1999-11-02 | Kozo Plan:Kk | Concrete floor-slab structure |
JP2007056513A (en) * | 2005-08-23 | 2007-03-08 | Okumura Corp | Floor slab structure |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014163093A (en) * | 2013-02-25 | 2014-09-08 | Yahagi Construction Co Ltd | Wall type structure building |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2009035859A (en) | Floor slab structure | |
JP2009127310A (en) | Floor slab structure and precast concrete floor member for constructing floor slab structure | |
JP4412731B2 (en) | Floating floor construction method and floating floor structure | |
JP2019199783A (en) | Support structure of floor slab | |
JP2001065094A (en) | Concrete form used for construction of concrete floor | |
JP2007056513A (en) | Floor slab structure | |
JP4898317B2 (en) | Seismic wall installation structure | |
JP2010270478A (en) | Floor structure system for steel construction building | |
KR102348264B1 (en) | Beam-type floor structure to reduce inter-floor noise and construction method | |
KR101718103B1 (en) | Hollow Body including buffer layer and Hollow Slab having the same | |
JP2009013682A (en) | Synthetic flooring, precast concrete floor plate, and method of constructing synthetic flooring | |
JP2009030249A (en) | Floor structure of building | |
JP4494005B2 (en) | Elevator equipment | |
JP4812092B2 (en) | Architectural unit | |
JP4551279B2 (en) | Floor structure | |
JP4702717B2 (en) | Partition wall panel | |
JP5270112B2 (en) | Wall structure | |
JP5601505B2 (en) | Damping beam consisting of precast formwork and construction method of damping beam | |
JP2012202051A (en) | Mixed structure building and method for constructing the same | |
JP4091064B2 (en) | Seismic reinforcement structure for existing buildings | |
KR20170072829A (en) | Hollow Body including buffer layer and Hollow Slab having the same | |
JP6961408B2 (en) | Precast concrete boards and concrete structural slabs | |
KR100871100B1 (en) | Reinforce structure of slab using a member for open hole in slab | |
JP6734148B2 (en) | Anti-vibration structure of unit building | |
JP2006037504A (en) | Prestressed concrete structure |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20090812 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110512 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110524 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20111004 |