JP2009035762A - Ba系合金スパッタリングターゲットおよびその接合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボンディング時に、ロウ材のInとBaAl:Eu合金板の成分とが相互に拡散することを防止し、ロウ材のIn層を変質させずに、スパッタリングターゲットとバッキングプレートとを接合させる。
【解決手段】Ba含有合金スパッタリングターゲットである金属層11の一方の表面に、Baと合金を形成しない、Ta、Nb、W、Moなどの金属からなるバリア層12を形成し、該バリア層12の上に、Ni、Cuなどからなる濡れ性改善層13をさらに形成し、その後、該一方の表面を、Inからなるロウ材3を介して、ボンディングによりバッキングプレート2に接合する。
【選択図】図2
Description
本発明は、無機エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence:EL)素子を構成する無機EL発光層の形成に用いられ、バリウムを含有するBa系合金スパッタリングターゲット、および、該スパッタリングターゲットをバッキングプレートにボンディングにより接合する方法に関する。
従来、無機EL素子の無機EL発光層を形成するための青色発光用の蛍光体材料としては、BaAl2S4:Euなどのチオアルミネート系の材料またはCeGa2S4:Ceなどのチオガレート系の材料が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような蛍光体材料を用いて無機EL発光層を基板上に形成するためには、通常、電子ビーム蒸着法やスパッタリング法が用いられる。スパッタリング法は、電子ビーム蒸着法と比較して生産効率が高く、安定性および再現性がよい。このため、無機EL発光層の量産性という観点からは、スパッタリング法を用いることが好ましい。
無機EL発光層を、スパッタリング法により蛍光体膜として形成する方法では、通常、蛍光体材料と同じ組成を有するスパッタリングターゲットの表面に、プラズマ状態にしたイオンを叩きつけ、スパッタリングターゲットの表面から分子あるいは原子を飛び出させて、これらの分子あるいは原子を基板上に堆積させることにより、成膜が行われる。
このようなスパッタリング法により、蛍光体材料として上述の金属硫化物材料を用いて、無機EL発光層を形成する場合、得られる無機EL発光層に含有されるSの割合が、スパッタリングターゲットに含有されるSの割合に比較して少なくなる現象が生ずる。すなわち、無機EL発光層の組成が、スパッタリングターゲットの組成と異なる結果となる。このため、所望の無機EL発光層の組成と同じ組成のスパッタリングターゲットを用いた場合、無機EL発光層において所望の組成が得られず、Sの割合の乏しい無機EL発光層、すなわち、Sの不足した無機EL発光層が形成される。このようなSの不足は、無機EL素子の発光寿命や発光強度などの各種発光特性に悪影響を及ぼすため好ましくない。
このSの不足を解消するために、例えば、非特許文献1では、H2Sガス共存下でスパッタを行う方法が提案されている。また、非特許文献2では、スパッタリングターゲットとしてSを含有しないBaAl:Eu合金板を用いて行う反応性スパッタについて検討がなされている。
このBaAl:Euスパッタリングターゲットを用いる場合、該スパッタリングターゲットは、Inからなるロウ材を介して、Cu、Alなどの材質からなるバッキングプレートにボンディングにより接合させた状態で固定されている。
BaAl:Eu合金板には、接合時の大気雰囲気での加熱により表面に強固な酸化膜が形成される。この酸化膜が存在すると、Inからなるロウ材との濡れ性が悪くなり、ボンディング不良を起こすため、予めBaAl:Eu合金板上にCuやNiなどの薄い膜を形成し、ロウ材との濡れ性を改善することが行われている。
しかし、CuやNiなどの薄膜により濡れ性を改善した場合でも、スパッタリングターゲットとバッキングプレートとの接合性に問題が生じる場合がある。すなわち、Baがロウ材であるIn層側に拡散し、脆い金属間化合物BaIn4を形成してしまい、接合部が弱くなり、スパッタ中にバッキングプレートが熱により反ってしまった場合などに、バッキングプレートからターゲットが剥離してしまうという問題がある。
特開平8−134440号公報
H. Ohnishi, "Color TFEL Devices Grown by Sputtering", p.129-132, SID 94 DIGEST, Society for Information Display
和迩浩一,「高精細TV向け大型無機EL−TDELの現状と課題−」,66-67頁.「月刊ディスプレイ」2005年7月号,株式会社テクノタイムズ社
本発明は、BaAl:Eu合金などのBa系合金スパッタリングターゲットを、接合不良を生じさせることなく、Inなどのロウ材を介して、バッキングプレートにボンディングにより接合することを目的とする。
本発明では、Baを含有する合金からなるスパッタリングターゲットを作製し、該スパッタリングターゲットの一方の表面に、Baと合金を形成しない金属からなるバリア層を形成し、その後、該一方の表面を、Inからなるロウ材を介して、ボンディングによりバッキングプレートに接合することを特徴とする。
前記バリア層を形成した後に、該バリア層の上に濡れ性改善層をさらに形成することが好ましい。
前記バリア層を、Ta、Nb、W、および、Moから選択される少なくとも1種により形成することが好ましい。このバリア層の膜厚を0.5〜2μmとすることが好ましい。
また、前記濡れ性改善層を、Ni、Cu、または、Ni−Cu合金により形成することが好ましい。この濡れ性改善層の膜厚を0.1〜2μmとすることが好ましい。
当該接合方法を実施するにあたっては、Baを含有する合金からなり、Inからなるロウ材を介してバッキングプレートにボンディングにより接合されるスパッタリングターゲットにおいて、バッキングプレートと接合する側の面に、Baと合金を形成しない金属からなるバリア層が形成されており、好ましくは、該バリア層の上に、濡れ性改善層がさらに形成されているBa系合金スパッタリングターゲットを用いることができる。
本発明では、Ba系合金スパッタリングターゲットをバッキングプレートにボンディングにより接合する際に、Ba含有合金の各成分とロウ材のInが相互に拡散することが防止され、ロウ材のIn層を変質させることなく、スパッタリングターゲットとバッキングプレートを接合させることができ、Ba系合金スパッタリングターゲットを用いたスパッタリングによるEL発光層の成膜を安定して行うことが可能となる。
前述のBaAl:Eu合金板に、CuやNiなどの濡れ性改善層を形成して、ボンディングにより該合金板とバッキングプレートを接合させた場合に、接合不良が生ずる原因を検討した結果、ボンディング時の加熱により、ロウ材であるInと、ターゲット中の合金成分であるBa、Al、Euとが相互に拡散して金属間化合物を形成し、その結果、ロウ材としての純粋なIn層の厚みが減少し、最悪の場合にはIn層が消失してしまうとの知見が得られた。
In層は、物理的にバッキングプレートとBaAl:Eu合金板とを接合するためだけでなく、スパッタリング中のバッキングプレートとBaAl:Eu合金板との熱膨張による破壊を防ぐための緩衝材としても機能するため、In層の変性や消失は、安定的なスパッタリングの障害となる。
本発明者は、かかる知見に基づいて、本発明を完成したものである。以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明に基づき、Ba系合金スパッタリングターゲットとバッキングプレートとを接合させた状態を示している。
Ba系合金スパッタリングターゲット1は、EL発光用に用いられる金属元素を含む合金から金属層11と、該金属層11の接合側の面に形成されたバリア層12と、濡れ性改善層13とにより形成される。
Ba系合金スパッタリングターゲットのバッキングプレート2への接合は、一般的に、Inのロウ材3が用いられている。この場合、バリア層12が存在しないと、ボンディング時の加熱によりInとBaなどの合金とが相互に拡散して金属間化合物を形成する。これにより、純粋なIn層が薄くなったり、最悪の場合には、純粋なIn層が消滅したりしてしまうこともある。
しかし、本発明のように、Ba系合金製の金属層11に、予めバリア層12を形成することで、ボンディング時の加熱による拡散が防止される。そして、ボンディング後もロウ材3であるIn層が一定の厚みを保った状態で存在するようになる。
バリア層12としては、Baとの合金を形成しない金属を用いることができる。特に、Ta、Nb、W、および、Moから選択される少なくとも1種の金属または合金を用いることが好ましい。これらは、Baの拡散に対するバリア効果が大きいためである。
バリア層12の膜厚は0.5〜2μmとすることが好ましい。0.5μm未満では、バリア層12の欠陥などによりバリア効果が不十分となる一方、2μmを超えても、バリア効果の向上は見られず、経済的および資源的に好ましくないからである。
なお、バリア層12とロウ材3との濡れ性の相性がよくない場合には、ロウ材3とバリア層12との間に濡れ性を向上させる濡れ性改善層13を形成することが好ましい。特に、Ta、Nb、W、または、Moを用いた場合、これらの金属は、大気中において膜表面に強固な酸化膜が形成され、ボンディング時にロウ材3であるInとの濡れ性が悪化するので、濡れ性を改善するため、大気中の加熱により極薄い酸化膜しか形成しないNiやCuなどにより濡れ性改善層13を形成する。ただし、真空ロウ付け炉を用いて真空中若しくは不活性ガス中でロウ付けを行うことによりバリア層12とロウ材3とを直接接合することができる場合には、濡れ性改善層13を省略してもよい。
この濡れ性改善層13は、単一金属(NiまたはCu)の他、合金でもよい。また、濡れ性改善層13の膜厚は0.1〜2μmが好ましい。0.1μm未満では十分な濡れ性が得られず、一方、2μmを超える厚みにしても、その効果のさらなる向上は見られず、経済的に好ましくないからである。
金属層11に対するバリア層12の形成は、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法など一般的な薄膜形成方法を用いて行うことができる。なお、BaAl:Eu合金の場合、この合金が非常に酸化しやすいため、真空チャンバ内で成膜することが望ましい。
また、濡れ性改善層13も、一般的な薄膜形成方法を用いて形成できるが、スパッタリング法や電子ビーム蒸着法を用いることが、バリア層12と濡れ性改善層13との密着性もの観点から望ましい。
なお、このバリア層12および濡れ性改善層13は、予め金属層11の表面に形成しておくこともでき、また、金属層11のボンディングに際して、順次形成してもよい。
その後、このバリア層12と濡れ性改善層13を金属層11上に積層して形成されたスパッタリングターゲット1を、ロウ材3を介して、バッキングプレート2にボンディングにより接合固定する。
かかるボンディングは、従来と同様の手段により実施することが可能である。なお、ロウ材3の厚みは、0.1〜1.0mm程度である。また、ボンディング時の加熱温度は、160〜200℃である。
上述した本発明の実施形態によれば、バリア層12の存在により、ボンディング時に、ロウ材3と金属層11の成分が相互に拡散するのが防止され、ロウ材3を変質させることなく、バッキングプレート2とBa含有合金層からなる金属層11を接合することができる。また、濡れ性改善層13が存在するので、バリア層12とロウ材3との濡れ性を良好にすることができ、その後のスパッタリング時における接合不良に起因する問題を回避することができる。
以上、本発明を説明してきたが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、その本質を逸脱しない範囲で、種々の変形が可能であることは言うまでもない。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<スパッタリングターゲットの作成>
ターゲットの原料には、Ba(株式会社高純度化学研究所製)、Al(住友化学株式会社製)、Eu(日本イットリウム株式会社製)を用いた。このBa、Al、Euが全体の99質量%以上を占めるようにした。より具体的には、Ba:68.0質量%、Al:28.0質量%、Eu:4.0質量%の割合とした。
ターゲットの原料には、Ba(株式会社高純度化学研究所製)、Al(住友化学株式会社製)、Eu(日本イットリウム株式会社製)を用いた。このBa、Al、Euが全体の99質量%以上を占めるようにした。より具体的には、Ba:68.0質量%、Al:28.0質量%、Eu:4.0質量%の割合とした。
この原料をコールドクルーシブル高周波誘導加熱炉(富士電機サーモシステムズ株式会社製)の中に1.5kg入れ、この原料を加熱して溶解した。溶解に先立ち、ターボ分子ポンプを用いて炉内が5×10-2Paになるまで真空引きし、予備加熱を行い、炉内に高純度Arガスを導入した。原料が溶解した後、5分間炉内に溶解保持し、溶体の合金化を行った。その後、坩堝内で放冷して溶体を凝固させた。
得られた合金をArガス中で粉砕機(東京アトマイザー製造株式会社製、ナイフハンマーミル)を用いて粉砕し、分級により粒径50〜200μmの粉末を回収した。
これらの粉末を、真空ホットプレス装置(大亜真空株式会社製、最高温度2300℃)を用いて、850℃、30MPaおよび保持時間1時間の条件で熱間プレスして、直径60mm厚さ5mmの円板を得た。得られた円板から20mm×20mmの正方形の板材を切り出した。
<バリア層および濡れ性改善層の形成>
上記板材をグローブボックス(株式会社美和製作所製)中において、1200番まで研磨紙で研摩後、アセトン中で超音波洗浄を行った。市販のTa、Nb、W、および、Moからなる6インチの各ターゲットを用いて、3カソードDCスパッタ装置(株式会社アルバック製、型式SBH−2306RDE)により、所定の膜厚(表1参照)となるようにスパッタ出力を調整し、板材表面にバリア層を形成した。次いで、NiまたはCuの市販の6インチターゲットを用い、バリア層の上に濡れ性改善層を形成した。作製した試料を表1に示す。
上記板材をグローブボックス(株式会社美和製作所製)中において、1200番まで研磨紙で研摩後、アセトン中で超音波洗浄を行った。市販のTa、Nb、W、および、Moからなる6インチの各ターゲットを用いて、3カソードDCスパッタ装置(株式会社アルバック製、型式SBH−2306RDE)により、所定の膜厚(表1参照)となるようにスパッタ出力を調整し、板材表面にバリア層を形成した。次いで、NiまたはCuの市販の6インチターゲットを用い、バリア層の上に濡れ性改善層を形成した。作製した試料を表1に示す。
なお、予め、それぞれのターゲットについて成膜速度を求め、膜厚の調整を行った。それぞれの膜厚は接触式膜厚計(KLA Tencor社製、アルファステップIQ)により求めた。
<拡散試験>
ホットプレート上に20mm×20mm×5mmの銅板(バッキングプレート)を置いた。また、これと同じ大きさのBaAl:Eu合金板を、濡れ性改善層(濡れ性改善層がない場合にはバリア層)が上側に位置するように置いた。そして、銅板およびBaAl:Eu合金板を200℃まで加熱後、Inの小片を載せ溶融させ、銅板上及び濡れ性改善層上にIn層を形成した。次いで、図2に示すように、金属層11であるBaAl:Eu合金板を銅板からなるバッキングプレート2の上に載せた。このとき、ロウ材3であるIn層の厚さは0.2mmになるようにした。具体的には、BaAl:Eu合金板11およびバッキングプレート2の表面のロウ材3を超音波半田ゴテで溶かして該表面を濡らし、バッキングプレート2の上に直径0.2mmのスペーサ4である銅線を置いた。そして、その上に下面にロウ材3の層であるIn層が形成されたBaAl:Eu合金板11を置いた。その結果、余分なInはバッキングプレート2およびBaAl:Eu合金板11の側面からはみ出し、In層の厚さはスペーサ4の直径と同じ0.2mmとなった(図3参照)。
ホットプレート上に20mm×20mm×5mmの銅板(バッキングプレート)を置いた。また、これと同じ大きさのBaAl:Eu合金板を、濡れ性改善層(濡れ性改善層がない場合にはバリア層)が上側に位置するように置いた。そして、銅板およびBaAl:Eu合金板を200℃まで加熱後、Inの小片を載せ溶融させ、銅板上及び濡れ性改善層上にIn層を形成した。次いで、図2に示すように、金属層11であるBaAl:Eu合金板を銅板からなるバッキングプレート2の上に載せた。このとき、ロウ材3であるIn層の厚さは0.2mmになるようにした。具体的には、BaAl:Eu合金板11およびバッキングプレート2の表面のロウ材3を超音波半田ゴテで溶かして該表面を濡らし、バッキングプレート2の上に直径0.2mmのスペーサ4である銅線を置いた。そして、その上に下面にロウ材3の層であるIn層が形成されたBaAl:Eu合金板11を置いた。その結果、余分なInはバッキングプレート2およびBaAl:Eu合金板11の側面からはみ出し、In層の厚さはスペーサ4の直径と同じ0.2mmとなった(図3参照)。
以上のようにして、銅板と、BaAl:Eu合金板とを接合してスパッタリングターゲット構造体を形成した。この状態で30分保持後、ホットプレートからアルミニウム製冷却台の上にスパッタリングターゲット構造体を移動し、冷却した。
<評価>
Baがバリア層および濡れ性改善層を通過しIn層にまで拡散しているか否かを調べるために、得られた接合後の部材を樹脂埋めし、研磨により接合部断面を得た。最終的には1200番の研磨紙で研摩し、クロスセクションポリッシャー(日本電子株式会社製SM−09010)により断面を平滑にした後、走査型電子顕微鏡(HITACHI製S−800)とエネルギー分散型蛍光X線分析装置(Energy Dispersive X-ray Fluorescence Spectrometer:EDX、HORIBA製EMAX−2770)による観察を行った。その結果を表1に示す。
Baがバリア層および濡れ性改善層を通過しIn層にまで拡散しているか否かを調べるために、得られた接合後の部材を樹脂埋めし、研磨により接合部断面を得た。最終的には1200番の研磨紙で研摩し、クロスセクションポリッシャー(日本電子株式会社製SM−09010)により断面を平滑にした後、走査型電子顕微鏡(HITACHI製S−800)とエネルギー分散型蛍光X線分析装置(Energy Dispersive X-ray Fluorescence Spectrometer:EDX、HORIBA製EMAX−2770)による観察を行った。その結果を表1に示す。
なお、濡れ性改善層を形成せず、接合した試料では、BaAl:Eu合金板上のバリア層をロウ材で十分濡らすことができないため、接合後は冷却後のハンドリングで銅板製のバッキングプレートとBaAl:Eu合金板がIn層とバリア層間で剥離してしまい十分な接合をすることができなかった。
表1に示されるように、本発明の実施例1〜12においては、いずれも、ロウ材のInとBaAl:Eu合金板の各成分との間における相互拡散は確認されなかった。
しかし、バリア層が好適範囲である0.5μmを下回る実施例13〜16においては、ロウ材層の4/5が純粋なIn層として残存しているが、残りの1/5の厚さ分のIn層は、BaAl:Eu合金板の各成分との間で相互拡散した。
一方、比較例1では、ロウ材層とBaAl:Eu合金板の各成分との間での相互拡散があり、In単体の層の厚さは初期状態の1/5にまで減少した。
1 スパッタリングターゲット
11 金属層
12 バリア層
13 濡れ性改善層
2 バッキングプレート
3 ロウ材
4 スペーサ
11 金属層
12 バリア層
13 濡れ性改善層
2 バッキングプレート
3 ロウ材
4 スペーサ
Claims (12)
- Baを含有する合金からなり、Inからなるロウ材を介してバッキングプレートにボンディングにより接合されるスパッタリングターゲットであって、バッキングプレートと接合する側の面に、Baと合金を形成しない金属からなるバリア層が形成されていることを特徴とするBa系合金スパッタリングターゲット。
- 前記バリア層の上に、濡れ性改善層がさらに形成されていることを特徴とする請求項1に記載のBa系合金スパッタリングターゲット。
- 前記バリア層が、Ta、Nb、W、および、Moから選択される少なくとも1種により形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のBa系合金スパッタリングターゲット。
- 前記濡れ性改善層が、Ni、Cu、または、Ni−Cu合金により形成されていることを特徴とする請求項2に記載のBa系合金スパッタリングターゲット。
- 前記バリア層の膜厚が0.5〜2μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のBa系合金スパッタリングターゲット。
- 前記濡れ性改善層の膜厚が0.1〜2μmであることを特徴とする請求項2または4に記載のBa系合金スパッタリングターゲット。
- Baを含有する合金からなるスパッタリングターゲットを作製し、該スパッタリングターゲットの一方の表面に、Baと合金を形成しない金属からなるバリア層を形成し、その後、該一方の表面を、Inからなるロウ材を介して、ボンディングによりバッキングプレートに接合することを特徴とするBa系合金スパッタリングターゲットの接合方法。
- 前記バリア層を形成した後に、該バリア層の上に濡れ性改善層をさらに形成した後、ボンディングを行うことを特徴とする請求項7に記載のBa系合金スパッタリングターゲットの接合方法。
- 前記バリア層を、Ta、Nb、W、および、Moから選択される少なくとも1種により形成することを特徴とする請求項7または8に記載のBa系合金スパッタリングターゲットの接合方法。
- 前記濡れ性改善層を、Ni、Cu、または、Ni−Cu合金により形成することを特徴とする請求項8に記載のBa系合金スパッタリングターゲットの接合方法。
- 前記バリア層の膜厚を0.5〜2μmとすることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のBa系合金スパッタリングターゲットの接合方法。
- 前記濡れ性改善層の膜厚を0.1〜2μmとすることを特徴とする請求項8または10に記載のBa系合金スパッタリングターゲットの接合方法。
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---|---|---|---|---|
CN104711525A (zh) * | 2013-12-13 | 2015-06-17 | 吉坤日矿日石金属株式会社 | 溅射靶及其制造方法 |
CN106271214A (zh) * | 2016-09-26 | 2017-01-04 | 北京工业大学 | 一种钎焊不锈钢用Ag‑Cu/W纳米多层膜钎料的制备方法 |
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