JP2009031199A - 半導体ウエハの平坦度を測定する装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 半導体ウエハの平坦度を自重による変形を抑制して測定する。
【解決手段】 半導体ウエハの平坦度を測定する平坦度測定装置は、液体を溜める液体槽と、前記液体槽に溜められた液体中に半導体ウエハを保持する保持装置と、前記保持装置によって保持された半導体ウエハの表面形状を計測する計測装置を備える。この装置によると、液体中に半導体ウエハを保持して半導体ウエハの表面形状を計測し、自重による変形を抑制して半導体ウエハの平坦度を測定することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウエハの平坦度を測定する技術に関する。
特許文献1に、半導体ウエハの平坦度を測定する技術が記載されている。この技術では、半導体ウエハを液面に浮かせた状態で、半導体ウエハの表面形状を計測する。この技術によると、半導体ウエハの自重による変形が抑制され、半導体ウエハの平坦度を精度よく測定できるという。
特開2002−168739号公報
特許文献1の技術では、液面に浮かせた半導体ウエハが非常に不安定といえる。そのことから、例えば外部からの振動によって液面が僅かに波立った場合でも、測定精度が顕著に低下してしまう。特許文献1の技術では、半導体ウエハの自重による変形を抑制できたとしても、半導体ウエハ自体が変動してしまうことがあり、半導体ウエハの平坦度を正しく測定できない場合も多い。
上記の問題を鑑み、本発明は、半導体ウエハの自重による変形を抑制し、半導体ウエハの平坦度を精度よく測定できる技術を提供する。
本発明は、半導体ウエハの平坦度を測定する平坦度測定装置に具現化される。この平坦度測定装置は、液体を溜める液体槽と、前記液体槽に溜められた液体中に半導体ウエハを保持する保持装置と、前記保持装置によって保持された半導体ウエハの表面形状を計測する計測装置を備えている。
この平坦度測定装置では、半導体ウエハを液体中で保持することから、半導体ウエハに浮力が生じ、半導体ウエハの自重による変形が抑制される。半導体ウエハは液体中で保持されているので、外部からの振動によって液面が波立った場合でも、測定精度が大きく低下することはない。
この平坦度測定装置によれば、半導体ウエハの自重による変形を抑制し、半導体ウエハの平坦度を精度よく測定することができる。
前記した計測装置は、前記半導体ウエハの表面に伝播波を発信する発信部、及び前記半導体ウエハの表面で反射された伝播波を受信する受信部を有するセンサを備えることが好ましい。この場合、前記センサの発信部と受信部の少なくとも一方が、前記液体の液面下に設けられていることが好ましい。なお、伝播波とは、電波、光、音波、超音波等を意味するものである。
半導体ウエハの表面形状は、接触式の形状測定器を用いて計測することもできるし、非接触式の形状測定器を用いて計測することもできる。非接触式の形状測定器を用いる場合、伝播波を発信する発信部と反射された伝播波を受信する受信部の両者が液面上に位置していると、発信された伝播波が液面で反射されるとともに、その反射波が受信部によって受信されてしまい、誤計測を引き起こす場合がある。
上記の問題に対して、例えば発信部を液面下に配置すれば、発信された伝播波が液面で反射されることがなくなるので、誤計測を防止することが可能となる。あるいは、受信部を液面下に配置しても、液面で反射された伝播波が受信されることがなくなるので、誤計測を防止することが可能となる。そして、発信部と受信部の両者を液面下に配置すれば、液面における伝播波の屈折による影響を排除することも可能となり、半導体ウエハの表面形状をより正確に計測することが可能となる。
前記した液体の密度は、半導体ウエハの密度よりも小さいことが好ましい。この場合、前記した保持装置は、前記半導体ウエハを鉛直下方から支持することが好ましい。
液体の密度が半導体ウエハの密度よりも小さい場合、半導体ウエハに作用する重力が半導体ウエハに作用する浮力に勝り、半導体ウエハには結果的に鉛直下向きの力が作用する。この場合、半導体ウエハを鉛直下方から容易に支持することができる。半導体ウエハを鉛直下方から支持すると、半導体ウエハの表面形状を液面側から計測可能となるので、半導体ウエハの表面形状を計測しやすい。
前記した液体は、水よりも粘度が高いことが好ましい。
粘度の高い液体を用いるほど、外部から液体に振動が加えられた時に、液体に生じる揺動を小さく抑えることができる。特に、水よりも粘度が高い液体を用いると、液体に生じる揺動を有意に抑制することができる。
前記した液体は、前記半導体ウエハに素子を形成する工程で使用される液状材料を主成分とすることが好ましい。
前記した液体は、半導体ウエハやそれに形成された半導体素子に悪影響を与えない性状のものが好ましい。その観点から、前記した液体は、半導体ウエハに素子を形成する工程で使用される液状材料を主成分とすることが好ましい。
本発明はまた、半導体ウエハの平坦度を測定する平坦度測定方法にも具現化される。この平坦度測定方法は、液体中に半導体ウエハを保持する保持工程と、液体中に保持された半導体ウエハの表面形状を計測する計測工程を備えている。
この平坦度測定方法によれば、半導体ウエハの自重による変形を抑制し、半導体ウエハの平坦度を精度よく測定することができる。
本発明によって、大径かつ薄い半導体ウエハの平坦度を、精度よく測定することが可能となる。
最初に、本発明を実施する好適な実施形態を列記する。
(形態1) 平坦度測定装置は、半導体ウエハの表面に対してセンサを相対移動させる回転装置及び移動装置を備えている。回転装置は、液体中で保持された半導体ウエハを回転させる。移動装置は、液体中で保持された半導体ウエハの半径方向にセンサを直線移動させる。
(形態2) センサは、半導体ウエハの表面に向けてレーザ光を照射する発光部と、半導体ウエハで反射されたレーザ光を受光する受光部を有している。
本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明を実施した平坦度測定装置10の構成を示している。平坦度測定装置10は、半導体ウエハ100の表面100aの形状を測定する装置であり、半導体ウエハ100の反りを定量的に測定することができる。半導体ウエハ100は、円板形状を有するものであり、複数の半導体素子が既に形成されている。
図1に示すように、平坦度測定装置10は、液体12を溜める液体槽14と、液体槽14に溜められた液体12中に半導体ウエハ100を保持するステージ16と、ステージ16を回転させる回転装置18と、ステージ16上に保持された半導体ウエハ100の表面(以下、ウエハ表面とする)100aの位置を計測するセンサ20と、センサ20を半導体ウエハ100の径方向に移動させる移動装置26を備えている。
液体槽14は、液体12を供給する供給配管や液体12を排出する排出管(共に図示省略)が接続されており、外部から供給される液体12を溜められるようになっている。なお、液体12については後段において詳細に説明する。
ステージ16は、液体槽14内に設けられており、半導体ウエハ100を液体12中で鉛直下方から支持する。ステージ16には、図示しない外部のローダによって半導体ウエハ100が載置される。このとき、半導体ウエハ100は、その中心軸がステージ16の回転軸に合うように載置される。ステージ16は、円板形状を有している。それにより、ステージ16が回転した時でも、液体12が大きく変動しないようになっている。
センサ20は、いわゆる光学式の変位センサであり、レーザ光を用いて半導体ウエハ100までの距離を計測する。センサ20は、ウエハ表面100aに向けてレーザ光Laを照射する発光部22と、ウエハ表面100aで反射されたレーザ光Lbを受光する受光部24を備えている。図1に示すように、センサ20の発光部22と受光部24は、共に液体12の液面12a下に位置している。それにより、発光部22はレーザ光Laを液面12a下で照射し、発光部22はレーザ光Lbを液面12a下で受光する。この構造によると、液面12aでレーザ光Laが反射することによる測定誤差や、大気と液体12との屈折率の違いによる測定誤差を排除することができる。液体12は、レーザ光La、Lbを透過可能な透明度を有している。
先に説明したように、回転装置18はステージ16を回転させ、移動装置26はセンサ20を半導体ウエハ100の径方向に移動させる。回転装置18と移動装置26は同期して動作し、センサ20をウエハ表面100aに対して規定の軌跡で移動させる。図2に、ウエハ表面100aに対するセンサ20の移動軌跡S1、S2、・・・の一例を示す。センサ20は、ウエハ表面100aの各部でその鉛直方向の位置を計測し、ウエハ表面100aの形状を三次元で計測する。
以上のように、平坦度計測装置10は、液体12中に半導体ウエハ100を保持し、液体12中に保持された半導体ウエハ100の表面形状を計測する。液体12中の半導体ウエハ100には、液体12の密度(比重)に応じて浮力が均等に作用するので、半導体ウエハ100の重量に起因する変形が抑制される。それにより、平坦度計測装置10は、半導体ウエハ100の本来の平坦度(例えるなら無重力状態での平坦度)を正確に測定することができる。
平坦度計測装置10では、その密度が半導体ウエハ100の密度に比較的に近く、かつ、その密度が半導体ウエハ100の密度よりも小さい液体12を用いる。この場合、半導体ウエハ100に作用する重力が半導体ウエハに作用する浮力に勝り、半導体ウエハ100には結果的に鉛直下向きの力が作用する。そのことから、本実施例の平坦度測定装置10では、保持装置16が半導体ウエハ100を鉛直下方から支持するようになっている。
上記の観点から、本実施例の平坦度計測装置10を、その密度が半導体ウエハ100の密度よりも大きい液体12を用いるように設計変更することもできる。その場合、保持装置16が半導体ウエハ100を鉛直上方から支持し、センサ20が半導体ウエハ100の表面形状を鉛直下方から計測する構成とすればよい。この場合、センサ16やその移動装置26等を液体16中に配置する必要がある。あるいは、液体槽14の底面を透明材料で形成し、その鉛直下方にセンサ16やその移動装置26を配置してもよい。
平坦度計測装置10では、その粘度が比較的に大きく、具体的にはその粘度が水の粘度よりも大きい液体16を用いている。液体16の粘度が比較的に高いことから、外部から液体16に振動が加えられた時でも、液体16に生じる揺動を小さく抑えることができる。液体16が揺動して半導体ウエハ100の位置が変動してしまうという問題を防止することができる。
平坦度計測装置10では、半導体ウエハ100に素子を形成する工程で使用される液状材料を主成分とする液体16を用いる。それにより、半導体ウエハ100やそれに形成された素子が液体16によって悪影響が与えられることを防止している。半導体ウエハに素子を形成する工程で使用される液状材料には、例えばフォトリソグラフィ工程で使用されるレジスト材料の有機溶媒やイソプロピルアルコール、リンス工程で使用される洗浄液等が挙げられる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、平坦度計測装置10に用いるセンサ20は、光学式の変位(距離)センサに限られず、例えば電波、音波、超音波等の他の伝播波を利用するセンサとすることもできる。あるいは、接触子によってウエハ表面100aを辿る接触式の変位センサを用いることもできる。
センサ10の発光部22や受光部24は、必ずしも液面12a下に配置する必要はない。例えば図3に示すように、発光部22と受光部24の両者を、液面12a上に配置することもできる。ただし、この場合は、液面12aで反射されたレーザ光Lcが受光部24によって受光され、測定誤差が生じることもある。さらに、レーザ光La、Lbが大気中と液体12中の両者を伝播することになるので、両者の光屈折率の相違に起因する測定誤差が生じることもある。具体的には、センサ20とウエハ表面100aの間の距離が同じであっても、液面12aの高低によって測定結果は変化する。
あるいは、図4に示すように、発光部22を液面12a下に配置し、受光部24を液面12a上に配置してもよい。この形態であると、液面12aでレーザ光Laが反射されなくなるので、上記した反射されたレーザ光Lcによる測定誤差の発生を防止することができる。ただし、大気と液体12の光屈折率の相違に起因する測定誤差は、その程度が低減されるものの、依然として発生し得ることになる。
あるいは、図5に示すように、発光部22を液面12a上に配置し、受光部24を液面12a下に配置してもよい。この形態であると、液面12aで反射されたレーザ光Lcを受光部24が受光しないことから、上記した反射されたレーザ光Lcによる測定誤差の発生を防止することができる。ただし、大気と液体12の光屈折率の相違に起因する測定誤差は、その程度が低減されるものの、依然として発生し得ることになる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。本明細書または図面に例示した技術は、複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
平坦度測定装置の構成を模式的に示す図。 ウエハ表面に対するセンサの移動経路を例示する図。 センサの発光部と受光部の両者を液面上に配置した変形例を示す図。 センサの発光部を液面下、受光部を液面上に配置した変形例を示す図。 センサの発光部を液面上、受光部を液面下に配置した変形例を示す図。
符号の説明
10:平坦度測定装置
12:液体
12a:液体の液面
14:液体槽
16:回転装置
20:センサ
22:センサの発光部
24:センサの受光部
26:移動装置

Claims (6)

  1. 半導体ウエハの平坦度を測定する平坦度測定装置であり、
    液体を溜める液体槽と、
    前記液体槽に溜められた液体中に半導体ウエハを保持する保持装置と、
    前記保持装置によって保持された半導体ウエハの表面形状を計測する計測装置と、
    を備える平坦度測定装置。
  2. 前記計測装置は、前記半導体ウエハの表面に伝播波を発信する発信部及び前記半導体ウエハの表面で反射された伝播波を受信する受信部を有するセンサを備え、
    前記センサの発信部と受信部の少なくとも一方が、前記液体の液面下に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の平坦度測定装置。
  3. 前記液体の密度は、前記半導体ウエハの密度よりも小さく、
    前記保持装置は、前記半導体ウエハを鉛直下方から支持することを特徴とする請求項1又は2に記載の平坦度測定装置。
  4. 前記液体の粘度は、水の粘度よりも高いことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の平坦度測定装置。
  5. 前記液体は、前記半導体ウエハに素子を形成する工程で使用される液状材料を主成分とすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の平坦度測定装置。
  6. 半導体ウエハの平坦度を測定する平坦度測定方法であり、
    液体中に半導体ウエハを保持する保持工程と、
    液体中に保持された半導体ウエハの表面形状を計測する計測工程と、
    を備える平坦度測定方法。
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