JP2009030946A - 冷気引き込みファンシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】冷房機の運転台数を減らし、根本的省電力を実現しつつ、快適な睡眠を保障する。
【解決手段】細分化された各部屋の外壁側に設置された換気口、あるいは未使用のエアコンの配管チューブに10cm以下の小型DCファンを埋め込む。風向は常に室外に流れ出るように設定し、電源は数時間のタイマーを組み込んだ直流電源にて供給し、電圧も半分程度に低下させ、風切りの騒音を極力抑える。扇風機等でいたずらに空気をかき混ぜるのではなく、各部屋の天井付近の上部暖気を少しずつ室外に送り出すことで、就寝している部屋の下部に比較的重い冷気を静かに流入させ、2重の空気層を作り出し、リビングルームに設置された1台の冷房機の冷気を各部屋に流入させることができる。また、この空気ブロックの流動を感覚的に捉えるだけでなく、データとして認識するために2組の上下2連温度差計を設置する。
【選択図】図1
【解決手段】細分化された各部屋の外壁側に設置された換気口、あるいは未使用のエアコンの配管チューブに10cm以下の小型DCファンを埋め込む。風向は常に室外に流れ出るように設定し、電源は数時間のタイマーを組み込んだ直流電源にて供給し、電圧も半分程度に低下させ、風切りの騒音を極力抑える。扇風機等でいたずらに空気をかき混ぜるのではなく、各部屋の天井付近の上部暖気を少しずつ室外に送り出すことで、就寝している部屋の下部に比較的重い冷気を静かに流入させ、2重の空気層を作り出し、リビングルームに設置された1台の冷房機の冷気を各部屋に流入させることができる。また、この空気ブロックの流動を感覚的に捉えるだけでなく、データとして認識するために2組の上下2連温度差計を設置する。
【選択図】図1
Description
この発明は、夜間就寝中の建物内空調設備に属する技術であって、従来方式の電気的冷気製造と強制的送風方式とは発想を異にした冷房方式であり、各部屋の上部の小型静音ファンにて、上部の暖気を室外に出して冷気の流れを作り出し、各部屋のクーラーを使用しなくても、中央のクーラー1台で快適な就寝空間を提供するものである。冷房器具の改良に伴う省電力ではなく、冷房機の運転台数を減らす、直接的で効果的な節電対策である。
従来技術では、冷房の節電対策は、コンプレッサの技術改良や冷媒の開発、冷気の送風方式の改良に重点が置かれてきた。最近の新製品を見ても、冷媒の開発や電源のインバータ化等の改良による省電力化、送風方向を回転させる改良による直接冷気の人体への放射を抑える技術等の工夫が見られる。しかしながら、現状のマンション等の建物にあては、部屋の広さが限定され、かつ各ドアによって空間が細分化、分断される構造が多く、各部屋にそれぞれの冷房機を設置することになり、個々の機器がいかに省電力であっても、合算電力は増大する一方である。最近普及している、冷風扇はコンプレッサを使用しないだけ節電になるが、やはり冷気を押し出そうとするが故に、大型ファンの騒音と振動は如何ともしがたく、かえって睡眠を妨げる場合もある。
換気扇は様々な形で実用化されており、キッチンやバスルーム、トイレに設置する換気扇は常識となっている。これらの場所は火気、湿気、臭気の発生場所であり、それなりの吸引力、換気力を必要とし、AC電源の誘導モーターを使用した強力型であり、騒音レベルも大きい。
各寝室にある換気口は、そのほとんどが居住者に意識されることがなく、その効果も不明である。単に建築基準法にもとづいて設置されているだけに見える。
各寝室にある換気口は、そのほとんどが居住者に意識されることがなく、その効果も不明である。単に建築基準法にもとづいて設置されているだけに見える。
地震による原子力発電所の長期停止の余波を受け、電力消費のピークをいかにして抑えるかが緊急の社会的課題になっているので、冷房機の運転台数を減らし、根本的省電力を実現しつつ、いかにして快適な睡眠を保障するか、を課題とする。
就寝時は普通横になるので、畳に布団を敷く場合でも、ベッドの場合でも約1mの高さ以下の空気層に冷気が滞留すればすればよく、部屋全体の温度を下げる必要はない。冷気を下部に誘導し、高温層を天井部に滞留させるためには、ほどよい対流現象を起こさせればよいことが分かっている。熱帯夜にこの対流を如何にして効果的に起こらしめるかが課題である。
就寝時は普通横になるので、畳に布団を敷く場合でも、ベッドの場合でも約1mの高さ以下の空気層に冷気が滞留すればすればよく、部屋全体の温度を下げる必要はない。冷気を下部に誘導し、高温層を天井部に滞留させるためには、ほどよい対流現象を起こさせればよいことが分かっている。熱帯夜にこの対流を如何にして効果的に起こらしめるかが課題である。
外気が30度を超える熱帯夜の場合、エアコンの風向を下向きにしておくと、冷気が下に滞留し、高温の空気は天井部分に上昇する。これが人工的対流であり、ドアを開けていれば、室外にも冷気が流れ出し、高温空気がエアコン周辺に戻ってくると推測される。しかし、ドア越しの冷気流動にはかなりの冷房能力が必要になるため、現状の冷房機の冷房能力表示はかなりあいまいであり、どの程度冷えるかではなく、部屋の広さの目安を示すだけで、明示できる規格は消費電力のみというのが現状である。従って、部屋の温度変化を対流として捉え、高層、下層の空気ブロックの流動を2重空気層のモデル化して捉えるため、温度変化を上下で把握し、記録する2連温度差計の開発が課題である。
そこで、本発明では、細分化された各部屋の外壁側に設置された換気口、あるいは未使用のエアコンの配管チューブに10cm以下の小型DCファンを埋め込む。図2は換気口にはめ込む室内パネルと、室外排気口のカバーを示していて、配管チューブ内に静音型ファンをはめ込む形状の側面図である。その下には、室内カバーの正面から見た正面図を示す。風向は常に室外に流れ出るように設定し、電源は数時間のタイマーを組み込んだ直流電源にて供給し、電圧も半分程度に低下させ、風切りの騒音を極力抑える。
最近のパソコン用の静音型ブラシレスファンはかなり優秀であり就寝を妨げる心配はなくなってきた。これにより、扇風機等でいたずらに空気をかき混ぜるのではなく、各部屋の天井付近の暖気を少しずつ室外に送り出すことで、就寝している部屋の下部に比較的重い冷気を静かに流入させ、2重の空気層を作り出し、リビングルームに設置された1台の冷房機の冷気を各部屋に流入させることができる。図1にメカニズム図を提示する。▲1▼に冷気ファンなない場合を示し、距離に比例して温度が上昇する現状の説明図です。▲2▼は冷気ファンを運転し、上部の高温部を排気すると低温の下部空気層を形成する説明図です。
リビングルームが20m2、他の部屋と廊下合計を50m2の例では、リビングルームではクーラーの送風方向を下向きにしておくと、下部層に約23度の低温層、上部に28度の高温層に分離していく。これが約2m2のドアから他の部屋に流れ出る。実際には、下部1m2の部分から低温層が流れ出て、上部は逆に高温層がリビングに逆流してくる。各部屋のドアは全開か半開に固定するか、ドアに通風のガラリを設けるものとする。図1の▲3▼に実験データを提示します。冷気ファンを運転すると、約1時間後には約3度の温度差で安定しました。
この高層、下層の空気ブロックの流動を2重空気層のモデル化して捉えるため、温度変化を上下で把握し、記録するため、2個の温度計を1つのケースに収め、壁面に取り付けるユニットを形成する。ユニットは各部屋2組で1セットとし、本体は冷気ファンの近くの外壁面に固定する。本体ユニットには直流電源アダプタを内蔵させ、冷気ファンの電源部を構成する。本体ユニットには6時間程度の時間タイマを内蔵させ、就寝中、一定時間後自動停止させる機能を持たせる。本体ユニットには電圧切り替えスイッチを設け、ファンの回転速度を変更できるようにし、風量の強弱、騒音のレベル調整機能を持たせる。
冷気ファンのサブユニットは、部屋の入り口部分の壁面に取り付け、2個の温度計を小型のケースに収め、流入する上下の空気層温度を記録する。冷気ファンの運転中は、上部温度計の本体とサブの差はほとんどなく、下部温度計の差はサブの温度が低くなることが感覚的だけではなく表示されるので、冷気ファンの効果が認識できる。
本体ユニット、及びサブユニットは、既存の部屋に露出で取り付けることになり、外観上の問題が発生する。そのため、電源ケーブルやセンサーケーブルは、蔦の「つる」や、朝顔の「つる」にカモフラージュし、葉をあしらった形状にして「緑」を演出する。ユニットのケースも葉をあしらうか、花をあしらったものにして、涼しさを演出する。図2は2連温度計本体ユニット、及びサブユニットの外観図である。
これから建設するマンションにあっては、換気口にあらかじめ組み込むことができ、電源ユニットや2連温度計のユニット、ケーブル等も埋め込みにして露出配線をなくすことができます。各部屋のエアコンを廃止するかは、暖房との兼ね合いもあり、早計な判断はできませんが、同時運転の台数が減ることで、電気料金の節約とエアコン装置の寿命が延びることは確かです。
平均的な3LDKのマンションでは、リビングルームの他に2台、計3台のエアコン設置が多いと見られる。リビング以外の3部屋に、この発明である、冷気ファンを設置したとすると、よほどの熱帯夜でなければ、1台のエアコン運転で快適な眠りを提供することが出来る。
冷気ファンの消費電力は1個当たり約0.01VA(DC10V、0.1Aとして)であるから、3個を6時間回したとして0.18VAhとなる。エアコン1台が約3kVAとすると、2台5時間運転を節約したとすれば、30kVAh、ファンと比較すると、実に15万分の1となって、大きな経費節減になります。
冷気ファンの消費電力は1個当たり約0.01VA(DC10V、0.1Aとして)であるから、3個を6時間回したとして0.18VAhとなる。エアコン1台が約3kVAとすると、2台5時間運転を節約したとすれば、30kVAh、ファンと比較すると、実に15万分の1となって、大きな経費節減になります。
地震の被害で原子力発電所の長期停止が予想されている時期でもあり、この冷気ファンが普及すれば、夜間就寝時の電力使用量の低下は大いに期待できます。昼間の活動時間においては、病院の入院病棟など、横になっている人の多い場所では大いに期待できます。
マンションの各部屋で個々にクーラーを運転した場合、就寝中に直接冷気が当たることとなり、その健康上の弊害が広く認識されているが、冷気ファンでは下層の空気が静かに移動するだけなので、爽やかであると共に健康被害が減少する。
マンションの各部屋で個々にクーラーを運転した場合、コンプレッサ運転の騒音による睡眠阻害が広く認識されているが、冷気ファンでは静音型ファンを低速で運転するので、騒音が減少する。尚且つ、集合住宅では1階の住民は窓を締め切ってエアコンを回し、3階以上の住民は窓を開けて風を入れるといった傾向が見られ、1階の室外機の騒音が上の階の住民に迷惑を及ぼしてトラブルになるケースが少なくなく、こうした外部への騒音トラブルが減少する。
この冷気ファンを運転することにより、各部屋のドアは全開にするか、半開に固定することになります。どうしても閉める場合は、ドアに通風のガラリを加工することになります。いずれにしろ、閉鎖的な空間が開放的になって、家族のコミュニケーションが促進される。
▲1▼冷気ファンのない場合の概念図
▲2▼冷気ファンを運転した場合の概念図
▲3▼冷気ファンを運転した実験データ
▲4▼室内カバー内にファンを内蔵した図
▲5▼冷気ファン取り付け壁面透視図
▲6▼室内カバー正面図
▲7▼静音ファン組み込み筒正面図
▲8▼冷気引き込みファン斜め前方図
▲9▼2連温度差計本体ユニット
▲10▼2連温度差計サブユニット
▲11▼2連温度差計
▲12▼上部温度センサー
▲13▼下部温度センサー
▲2▼冷気ファンを運転した場合の概念図
▲3▼冷気ファンを運転した実験データ
▲4▼室内カバー内にファンを内蔵した図
▲5▼冷気ファン取り付け壁面透視図
▲6▼室内カバー正面図
▲7▼静音ファン組み込み筒正面図
▲8▼冷気引き込みファン斜め前方図
▲9▼2連温度差計本体ユニット
▲10▼2連温度差計サブユニット
▲11▼2連温度差計
▲12▼上部温度センサー
▲13▼下部温度センサー
Claims (4)
- 都市型マンションの夏季の生活において、夜間の快適な眠りは健康的生活の重要な要素である。請求の1は、電力を節約し、いたずらに空気をかき回すのでなく、天井に近い上部高温の空気を排出して空気の流れを作り、下部に静かに冷気を引き込んで快適な眠りを誘う、「冷気引き込みファン」を提供する。細分化された部屋での冷房対策は主として各部屋ごとのクーラーであるが、その電力コスト、騒音、及び過冷房による健康阻害の傾向も著しい。従って、極力音をたてない静音型冷気引き込みファンを各部屋に配置し、リビングルームの1台のクーラーだけの運転で、わずかではあるが、冷気の流れをつくることにより、睡眠中直接冷風にあたることなく、快適な睡眠を可能とする。
- 請求の2は、冷気誘導のメカニズムを提供する。就寝時は、畳の床やベッドで横になっている状態であり、空気をかき混ぜて室温全体を下げるよりは、自然対流を促進させて1.2m以下の低い空気層に低温層、その上は高温層と、温度差をつくることがより効果的冷房となる。
自然対流のままでは、低温層は距離に比例して温度上昇していくので、離れた部屋では冷気の流入は期待できない。上部の高温層をリビングに引き込むには部屋区分の壁が障害となり、自然対流だけでは無理がある。
これに対し、各部屋で上部の高温層を少しずつ排気すると、空気の流れが形成されて自然対流が促進され、下部への低温層流入が促進される。これにより、これまでの冷房の考え方が、冷気をいかにして人体に放射するか、の方式から、かすかな空気の流れが作れば、涼しさを創出できる、との考える方式に切り替える。 - 冷気引き出しファンは、室内温度差による自然対流をより短時間で促進させるが、その対流効果を検証するための、2連温度差計を提供する。本体はファンの電源を内蔵した2連温度差計になっていて、外壁の冷気ファン取り付け位置に近く、高さ180cm近辺の位置に取り付ける。温度計は上層の室温、下層の室温の表示して温度差を測定できるものとする。
この本体からは、電源ケーブルと下部センサーケーブルが延び、床上30cmのコンセントに接続し、同様の位置にセンサーを取り付ける。冷気ファンと本体を結ぶと電源ケーブル、及び下部センサーのケーブルは、「ツタの茎や朝顔のつるに似せたカモフラージュを施し、露出配線に違和感を与えないつくりとする。 - 2連温度差計は、本体に加え、部屋の対極の入り口付近の壁面に設置する、サブ計を提供する。これは、単なる2連温度計であり、本体と同様に取り付け、本体との温度差を検証するものであり、このサブ計が入り口付近にあるため、外壁部の本体との温度差が読み取れ、冷気の移動と対流の状況が推測できる。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007216482A JP2009030946A (ja) | 2007-07-27 | 2007-07-27 | 冷気引き込みファンシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007216482A JP2009030946A (ja) | 2007-07-27 | 2007-07-27 | 冷気引き込みファンシステム |
Publications (1)
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JP2009030946A true JP2009030946A (ja) | 2009-02-12 |
Family
ID=40401642
Family Applications (1)
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JP2007216482A Pending JP2009030946A (ja) | 2007-07-27 | 2007-07-27 | 冷気引き込みファンシステム |
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JP (1) | JP2009030946A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015090234A (ja) * | 2013-11-05 | 2015-05-11 | フジモリ産業株式会社 | 室内換気方法及びその装置 |
-
2007
- 2007-07-27 JP JP2007216482A patent/JP2009030946A/ja active Pending
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