JP2009026820A - 複合セラミック材料粉末の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】子粒子同士が凝集することなく、子粒子を母粒子表面に分散した状態で均一に付着させて、母粒子と子粒子の複合化した積層セラミックコンデンサ用の複合セラミック材料粉末を製造する。
【解決手段】金属酸化物の母粒子4の粉末、および金属または金属酸化物の子粒子3の粉末を有機溶媒2中に分散させた分散液を処理容器6に入れ、これを密閉し、処理容器内に二酸化炭素を加圧供給して内部の圧力を徐々に高めるとともに加熱し、二酸化炭素を超臨界流体の領域まで変化させ、同時並行して有機溶媒2を徐々に排出することで、超臨界流体に置き換え、超臨界領域から等温で所定圧力まで降圧しながら乾燥し、所定圧力に維持した状態で降温させる。
【選択図】図4

Description

この発明は、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の誘電体材料として用いられる複合セラミック材料粉末の製造方法に関する。
従来、携帯電話、ゲーム機器、OA用電子機器等の各種の電子機器には、積層セラミックコンデンサ(MLCC)が使用されている(特許文献1、2参照)。積層セラミックコンデンサは、チタン酸バリウム(BaTiO)等の材料で形成する薄膜誘電体層と薄膜金属電極層(Ni等の材料)を交互に複数層積層させて構成されている。
そして、従来、セラミックコンデンサ等の電子部品に用いられるセラミック誘電体材料おいて、その誘電体特性を調整する等の目的のために、金属酸化物を原料とする誘電体粉末の表面に、助剤(副成分)として金属成分や金属酸化物の粒子を付着させたり、被覆したりする技術は知られている(特許文献3参照)
即ち、チタン酸バリウム等のセラミック材料の微粒子を母粒子として、その母粒子の表面に、助剤としてDy、Ho、Y、MgO、SiO等の子粒子を付着して成る複合セラミック材料粉末が、誘電体層の素材として使用されている。
このように複合セラミック材料粉末が、セラミックコンデンサの誘電体層の素材として使用される場合では、子粒子が助剤として、例えば、次のような機能、役割をする。
(1)薄膜金属電極層の素材(例.Ni)と誘電体層の素材(例.チタン酸バリウム)の収縮率が異なるので、両者の収縮率を揃える。
(2)母粒子の誘電率等の特性をコントロールしたり、誘電特性を安定化させたりする。
ところで、誘電体層は、セラミック系微粒子の粉末を混合して有機溶剤を混ぜ液体としこれを薄くシート状に延ばして積層し(印刷のようにして積層する。)、その後、乾燥→焼結というプロセスを経て製造されている。
このように、セラミックコンデンサは、薄膜誘電体層と薄膜金属電極層を積層させて構成されており、 その積層数が多ければ多いほど、チャージできる電荷量が増えるため1枚の層を出来るだけ薄くしたいという要望がある。そのために、母粒子であるセラミック系微粒子の粒径、および子粒子の粒径が小さければ小さいほど 薄いシートが作れる。そこで、母粒子であるセラミック系微粒子および子粒子のナノサイズ化が求められてきた。
なお、インキや化粧品等の分散質を溶剤中で分散させるために、溶剤を超臨界状態にする技術は公知である(特許文献4参照)。
さらに、超臨界二酸化炭素の存在下で無機状の微粒子と有機材料(フッ素系高分子化合物またはシリコーン系高分子化合物)を接触させてそれらの複合材料を製造する技術は公知である(特許文献5参照)。
特開2005−340726号公報 特表2004−524249号公報 特開平9−87039号公報 特開平5−184896号公報 特開2002−206028号公報
前記のとおり、セラミックコンデンサにおいては、薄膜誘電体層のより一層の薄膜化のために、母粒子であるセラミック系微粒子の粒径および子粒子の微細化が求められてきた。しかしながら、粒子の粒径をナノサイズまで小さくすると、ファンデルワールス力等の影響が大きくなって粒子同士がくっ付き易く、凝集し易くなる。
特に、母粒子(粒径は例えば、200nm)表面に付着される子粒子の粒径は微小(例えば、2〜50nm)であるために、子粒子は、子粒子同志が互いに凝集し易く、母粒子表面に均一に付着しにくい。
そこで、分散剤を添加した溶媒中に子粒子を添加し、ビーズミルなどの分散機を用いて子粒子を分散させる試みも行われているが、溶媒を乾燥する際に、表面張力が原因となって、子粒子同士が引き寄せられ互いに凝集してしまい、母粒子表面に均一に付着することなく、このような状態の母粒子を焼結しても焼結特性、誘電特性に悪影響を与えて不安定となり、積層セラミックコンデンサの性能を下げる等の問題があった。
本発明は、上記従来の問題を解決することを目的とするものであり、二酸化炭素の超臨界流体を利用して、積層セラミックコンデンサの母粒子となるチタン酸バリウム等の金属酸化物の母粒子の表面に、金属または金属酸化物の子粒子を凝集することなく均一に付着させた積層セラミックコンデンサ(MLCC)用の複合セラミック材料粉末の製造方法を実現することを課題とするものである。
なお、微細な分散質の分散技術、或いは微粒子と有機物の複合化技術として超臨界流体を用いる技術は、前記のとおり知られているが、いずれも無機粒子を有機溶媒中に分散させたり、無機粒子に有機物を均一に被覆したりする技術であり、本発明のように無機微粒子(セラミックコンデンサの誘電体層に使用される金属酸化物の微粒子)表面に、やはり無機物の微粒子(金属または金属酸化物の微粒子)を付着する技術ではない。
本発明は上記課題を解決するために、金属酸化物の母粒子の粉末、および金属または金属酸化物の子粒子の粉末を混合し、これを超臨界流体中に分散させた後、乾燥することで、子粒子同士が凝集することなく、子粒子を母粒子表面に分散した状態で均一に付着させて、母粒子と子粒子を複合化することを特徴とする積層セラミックコンデンサ用の複合セラミック材料粉末を製造する方法を提供する。
本発明は上記課題を解決するために、金属酸化物の母粒子の粉末、および金属または金属酸化物の子粒子の粉末を混合し、これを有機溶媒に分散させて分散液を調製した後、該分散液中の有機溶媒を超臨界流体に置換し、乾燥することで、子粒子同士が凝集することなく、子粒子を母粒子表面に分散した状態で均一に付着させて、母粒子と子粒子を複合化することを特徴とする積層セラミックコンデンサ用の複合セラミック材料粉末を製造する方法を提供する。
本発明は上記課題を解決するために、金属酸化物の母粒子の粉末を有機溶媒に分散させて母粒子分散液を調整し、該母粒子分散液に金属または金属酸化物の子粒子の粉末を混合して最終分散液を調製した後、該最終分散液中の有機溶媒を超臨界流体に置換し、乾燥することで、子粒子同士が凝集することなく、子粒子を母粒子表面に分散した状態で均一に付着させて、母粒子と子粒子を複合化することを特徴とする積層セラミックコンデンサ用の複合セラミック材料粉末を製造する方法を提供する。
本発明は上記課題を解決するために、金属酸化物の母粒子の粉末を有機溶媒に分散させて母粒子分散液を調製し、金属または金属酸化物の子粒子の粉末を分散させて子粒子分散液を調製し、前記母粒子分散液および前記子粒子分散液を混合して最終分散液とし、該最終分散液中の有機溶媒を超臨界流体に置換し、乾燥することで、子粒子同士が凝集することなく、子粒子を母粒子表面に分散した状態で均一に付着させて、母粒子と子粒子を複合化することを特徴とする積層セラミックコンデンサ用の複合セラミック材料粉末を製造する方法を提供する。
本発明は上記課題を解決するために、金属酸化物の母粒子の粉末、および金属または金属酸化物の子粒子の粉末を有機溶媒中に分散させて分散液を調製し、該分散液を処理容器に入れ、これを密閉し、該処理容器内に二酸化炭素を加圧供給して内部の圧力を徐々に高めるとともに前記処理容器を加熱し、前記二酸化炭素を超臨界流体の領域まで変化させ、並行して前記処理容器から有機溶媒を徐々に排出することで、該有機溶媒を超臨界流体に置き換え、前記超臨界領域から等温で所定圧力まで降圧させながら乾燥し、前記所定圧力に維持した状態で降温させることで、子粒子同士が凝集することなく、子粒子を母粒子表面に分散した状態で均一に付着させて、母粒子と子粒子を複合化することを特徴とする積層セラミックコンデンサ用の複合セラミック材料粉末を製造する方法を提供する。
前記複合セラミック材料粉末は、積層セラミックコンデンサの誘電体層の材料として使用することが好ましい。
以上の構成から成る本発明に係る複合セラミック材料粉末の製造方法によると、次のような顕著な効果が生じる。即ち、超臨界流体の環境下では、子粒子は、互いにくっついて凝集するようなことがなく分散し、また、表面張力の低さから、母粒子表面に子粒子同士が凝集することなく均一に付着した複合セラミック材料粉末を製造することが可能となる。
従って、本発明で製造される母粒子をチタン酸バリウムのような金属酸化物の粉末材料とした場合でも、その焼結特性、誘電特性が不安定となることがなく、積層セラミックコンデンサ等に利用すればその製品の性能の向上に寄与することが可能となる。
本発明に係る積層セラミックコンデンサ用の複合セラミック材料粉末の製造方法を実施するための最良の形態を実施例に基づいて図面を参照して説明する。
本発明は、積層セラミックコンデンサの誘電体層の原料となる、例えば、チタン酸バリウム等のセラミック材料粉末の粒子を母粒子として、その母粒子の表面に、例えば、Dy、Ho、Y、MgO、SiO等の金属または金属酸化物の子粒子を、子粒子同士が凝集することなく付着させて、複合化された複合セラミック材料粉末の製造方法である。
まず、複合セラミック材料粉末の製造方法の基本的な原理を説明する。誘電体層の原料となるチタン酸バリウム等から成る母粒子の表面にDy、Ho、Y、MgO、SiO等の原料から成る微細な子粒子を付着させて複合化された粒子を製造するには、従来は、次のように行っていた。
ビーズミル等の分散装置を用いて母粒子の粉末および子粒子の粉末を有機溶媒(例えば、エタノールのようなアルコール溶媒)中に分散させた分散液において、この分散液中の有機溶媒を揮発させて母粒子の表面に子粒子を付着させて複合化粒子を製造していた。
図1は、従来技術と本発明の複合セラミック材料粉末の原理を比較し説明する模式図である。図1(a)は、従来技術および本発明の方法に共通に状態であり、母粒子の表面1上に、有機溶媒2中に分散された子粒子3が沈積した状態を示している。
子粒子3が非常に小さくナノオーダーサイズであると、従来技術では、有機溶媒中に分散された子粒子がファンデルワールス力により互いにくっ付いて凝集したりする。また、仮に、母粒子の表面1上に、有機溶媒2中に分散された子粒子3が、図1(a)に示すように、凝集することなく均等に表面1上に沈積したとしても、図1(b)に示すように、有機溶媒2が揮発する際に、有機溶媒2による表面張力が原因となって、図1(c)に示すように、子粒子3同士が互いに引き寄せ互いに凝集してしまう。
そこで、この点を解決するために、本発明者らは、鋭意研究開発した結果、次のような知見を得た。即ち、母粒子の粉末および子粒子の粉末を有機溶媒中に分散させた分散液を調製し、この分散液を処理容器に入れ、処理容器を密閉し、この処理容器内に二酸化炭素(COガス)を加圧しながら供給し、しかも処理容器を加熱して二酸化炭素を超臨界状態にして、該二酸化炭素を超臨界流体の領域まで変化させ、二酸化炭素を超臨界状態にした後に、圧力、温度を保ちつつ、有機溶媒を少しずつ処理容器から排出させ、図1(d)に示すように、有機溶媒を二酸化炭素の超臨界流体5に置換して乾燥するというプロセスを採用した。
このプロセスによると、超臨界流体の環境下では、図1(e)に示すように、子粒子3は分散状態を保つことができ、しかも表面張力により子粒子3が母粒子の表面1で凝集するという現象が生じにくいという知見を得た。
要するに、超臨界流体5の環境下では、子粒子3は乾燥が進んでも、互いにくっついて凝集するようなことがなく分散し、しかも表面張力の低さから母粒子の表面1に粒子同士が凝集することなく均一に付着するという知見を得た。本発明の複合セラミック材料粉末の製造方法は、このような新規な知見に基づくものである。
本発明の方法をさらに、図2に示す温度圧力線図で説明する。母粒子の粉末および子粒子の粉末を混合したもの、または母粒子の粉末および子粒子の粉末を有機溶媒に分散させた分散液、または母粒子の粉末を有機溶媒に分散させた母粒子分散液に子粒子の粉末を混合させた最終分散液、または母粒子の粉末を有機溶媒に分散させた母粒子分散液および子粒子の粉末を有機溶媒に分散させた子粒子分散液を混合させた最終分散液を処理容器に入れ、この処理容器を密閉し、この処理容器内に二酸化炭素を加圧しながら供給しつつ、処理容器を加熱する。
そして、臨界点である圧力Pc=0.738MPa、温度Tc=31.1℃以上の圧力および温度となると、二酸化炭素は超臨界流体の状態となる。さらに、加圧、加熱し、図2のロに示す圧力、温度の状態(圧力10MPa、温度70℃)とする。
上記の操作により二酸化炭素を超臨界状態にした後に、上記の圧力、温度状態を保ちつつ、有機溶媒を少しずつ処理容器から排出させ、有機溶媒を超臨界二酸化炭素で徐々に置換していく。
そして、このロの状態から、超臨界状態の領域において、温度を保ちながら、ハの状態まで圧力を下げ、さらにこの圧力を一定として温度を下げニの常温、常圧の状態とする。このようなプロセスを経て、超臨界状態の環境下において、子粒子同士が凝集することなく、子粒子が母粒子に均一に付着した複合化粒子を製造することが可能となる。
なお、図2中、一点鎖線で示すプロセスは、従来のプロセスであり、有機溶媒に付与される圧力を徐々に下げていき、有機溶媒を揮発させ、液体(液相)状態から気体(気相)状態に移行する気液ラインを超える際に、子粒子間に表面張力が作用し、凝集してしまう(図1(b)、(c)参照)。本発明では、上記のように加熱、加圧することで、この気液ラインを超えずに超臨界状態としてから乾燥することで、表面張力による子粒子間の凝集が生じないようにしている(図1(d)、(e)参照)。
本発明に係る積層セラミックコンデンサの誘電体材料として用いられる複合セラミック材料粉末の製造方法の実施例を、図3および図4によって説明する。この実施例では、誘電体層のセラミック材料である母粒子をチタン酸バリウム(BaTiO)とし、子粒子を、例えば、Y、MgO、SiOとする。有機溶媒はエタノールとする。
有機溶媒2(アルコール溶媒)内に子粒子3の粉末を入れて、ボールミルにて混合し分散する(手混合でもよい。)。そして、この子粒子3の粉末が分散された有機溶媒2の液を、母粒子4としてのチタン酸バリウム粒子の粉末が入った処理容器6内に注ぐ(図3(a)参照)。これにより、有機溶媒2の中に、チタン酸バリウムの母粒子4の粉末と子粒子3の粉末が分散された液7(以下、「セラミック粉末分散液」と言う。)が製造される(図3(b)参照)。
次に、このセラミック粉末分散液7の入った処理容器6を上蓋8で密閉する(図3(c)参照)。この処理容器は、二酸化炭素供給源16から二酸化炭素が加圧されてガス供給管9を通して供給される構成となっている。この供給される二酸化炭素は、圧力調整器10、流量制御弁11および開閉弁12等によって、供給圧力および流量が調整可能である。
処理容器は、さらに、温度制御可能なヒータ13によって加熱される構成である。そして、処理容器6の下部には、排出制御弁14で流路の開閉および開度が制御可能な排出管15が接続されている。
処理容器は、ヒータ13により加熱されながら、加圧された二酸化炭素が供給される。このように加圧された二酸化炭素を処理容器内に供給すると、二酸化炭素はセラミック粉末分散液7内に入り込んでいく。
このように、ヒータ13により加熱しながら、処理容器内に二酸化炭素を加圧して供給していく過程で、図2に示すイの状態からロの二酸化炭素の超臨界流体の状態になるようにヒータ13の温度を調整するとともに、圧力調整器10によって二酸化炭素の供給圧力を制御し処理容器内の圧力を調整する。
そして、ヒータ13により加熱しながら、処理容器内に二酸化炭素を加圧して供給していくと、有機溶媒2は、二酸化炭素ないし二酸化炭素の超臨界流体5に、徐々に置換されていく。このように置換されていく過程で、処理容器6内の有機溶媒2は二酸化炭素とともに気体および液体状態で、処理容器6から排出制御弁14で流路の開度が調整され、排出管15から徐々に排出されていく(図4(a)参照)。
そして、図2のロに示すように、二酸化炭素が超臨界状態に達し、しかも有機溶媒2が二酸化炭素の超臨界流体にほぼ完全に置換された状態で、二酸化炭素の供給弁を閉じる(図4(b)参照)。この状態では、処理容器6内は超臨界流体5の環境下にある。
この状態から温度を一定に維持し、排出制御弁14を操作してその開度を調整し、処理容器6内を図2に示すハの状態まで温度を一定に保ちつつ、減圧しながら乾燥する。このように、処理容器6を超臨界流体5の環境下において乾燥することで、チタン酸バリウムの母粒子4の表面1に、子粒子3が凝集されることなく均一に付着することとなる。
そして、所定の圧力となった状態で、図4(c)に示すように、排出制御弁14を閉じて処理容器内の圧力を一定にして、ヒータ13の温度を制御して図2のニに示す状態まで降温させる。
以上の工程を経ると、チタン酸バリウムの母粒子4の表面1に子粒子3が凝集されることなく均一に付着された図5に示すような複合セラミック材料粉末17を製造することが可能となる。
比較例
この比較例では、誘電体層のセラミック材料である母粒子をチタン酸バリウム(BaTiO)とし、子粒子を、例えば、Y、MgO、SiOとする。有機溶媒はエタノールとする。
有機溶媒2(アルコール溶媒)内に子粒子3の粉末を入れて、ボールミルにて混合し分散する(手混合でもよい。)。そして、この子粒子3の粉末が分散された有機溶媒2の液を、母粒子4としてのチタン酸バリウム粒子の粉末が入った処理容器6内に注ぐ(図3(a)参照)。これにより、有機溶媒2の中に、チタン酸バリウムの母粒子4の粉末と子粒子3の粉末が分散された液7(以下、「セラミック粉末分散液」と言う。)が製造される(図3(b)参照)。
次に、このセラミック粉末分散液7の入った処理容器6をヒーター13で80℃に加熱し、当該セラミック粉末分散液中の溶媒を完全に蒸発させた後に、室温まで降温させる。
以上の工程を経ると、図6に示すような、チタン酸バリウムの母粒子4の表面1に子粒子3が凝集した状態で付着した複合セラミック材料粉末しか製造できなかった。
以上、本発明に係る複合セラミック材料粉末の製造方法における最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明は特にこのような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内でいろいろな実施例があることはいうまでもない。
以上の複合セラミック材料粉末の製造方法は、子粒子3の付着状況が母粒子4の誘電体特性に影響する積層セラミックコンデンサ用複合セラミック材料粉末の製造に適用できるだけでなく、各種用途の複合セラミック材料粉末にも適用可能である。
本発明の複合セラミック材料粉末の製造方法の原理を従来技術と対比して説明する模式図である。 本発明の複合セラミック材料粉末の製造方法の原理、工程を説明するための二酸化炭素の温度圧力線図である。 本発明の複合セラミック材料粉末の製造方法に基づく工程を説明する図である。 本発明の複合セラミック材料粉末の製造方法に基づく工程を説明する図である。 本発明の実施例で得られた複合セラミック材料粉末の写真である。 比較例で得られた複合セラミック材料粉末の写真である。
符号の説明
1 母粒子の表面
2 有機溶媒
3 子粒子
4 母粒子
5 超臨界流体
6 処理容器
7 セラミック粉末分散液
8 上蓋
9 ガス供給管
10 圧力調整器
11 流量制御弁
12 開閉弁
13 ヒータ
14 排出制御弁
15 排出管
16 二酸化炭素供給源
17 複合セラミック材料粉末

Claims (6)

  1. 金属酸化物の母粒子の粉末、および金属または金属酸化物の子粒子の粉末を混合し、これを超臨界流体中に分散させた後、乾燥することで、子粒子同士が凝集することなく、子粒子を母粒子表面に分散した状態で均一に付着させて、母粒子と子粒子を複合化することを特徴とする積層セラミックコンデンサ用の複合セラミック材料粉末を製造する方法。
  2. 金属酸化物の母粒子の粉末、および金属または金属酸化物の子粒子の粉末を混合し、これを有機溶媒に分散させて分散液を調製した後、該分散液中の有機溶媒を超臨界流体に置換し、乾燥することで、子粒子同士が凝集することなく、子粒子を母粒子表面に分散した状態で均一に付着させて、母粒子と子粒子を複合化することを特徴とする積層セラミックコンデンサ用の複合セラミック材料粉末を製造する方法。
  3. 金属酸化物の母粒子の粉末を有機溶媒に分散させて母粒子分散液を調製し、該母粒子分散液に金属または金属酸化物の子粒子の粉末を混合して最終分散液を調製した後、該最終分散液中の有機溶媒を超臨界流体に置換し、乾燥することで、子粒子同士が凝集することなく、子粒子を母粒子表面に分散した状態で均一に付着させて、母粒子と子粒子を複合化することを特徴とする積層セラミックコンデンサ用の複合セラミック材料粉末を製造する方法。
  4. 金属酸化物の母粒子の粉末を有機溶媒に分散させて母粒子分散液を調製し、金属または金属酸化物の子粒子の粉末を分散させて子粒子分散液を調製し、前記母粒子分散液および前記子粒子分散液を混合して最終分散液とし、該最終分散液中の有機溶媒を超臨界流体に置換し、乾燥することで、子粒子同士が凝集することなく、子粒子を母粒子表面に分散した状態で均一に付着させて、母粒子と子粒子を複合化することを特徴とする積層セラミックコンデンサ用の複合セラミック材料粉末を製造する方法。
  5. 金属酸化物の母粒子の粉末、および金属または金属酸化物の子粒子の粉末を有機溶媒中に分散させて分散液を調製し、該分散液を処理容器に入れ、これを密閉し、
    該処理容器内に二酸化炭素を加圧供給して内部の圧力を徐々に高めるとともに前記処理容器を加熱し、前記二酸化炭素を超臨界流体の領域まで変化させ、並行して前記処理容器から有機溶媒を徐々に排出することで、該有機溶媒を超臨界流体に置き換え、
    前記超臨界領域から等温で所定圧力まで降圧させながら乾燥し、前記所定圧力に維持した状態で降温させることで、子粒子同士が凝集することなく、子粒子を母粒子表面に分散した状態で均一に付着させて、母粒子と子粒子を複合化することを特徴とする積層セラミックコンデンサ用の複合セラミック材料粉末を製造する方法。
  6. 前記複合セラミック材料粉末は、積層セラミックコンデンサの誘電体層の材料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ用の複合セラミック材料粉末を製造する方法。
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