JP2009025354A - 液晶表示パネルおよび液晶表示装置 - Google Patents

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健彦 坂井
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Abstract

【課題】複屈折動作モードにおいて、着色現象を抑制した状態で透過率の高い白表示を行うことができる液晶表示パネルおよび液晶表示装置を実現する。
【解決手段】クロスニコルの状態に配置された2枚の直線偏光板(45、46)の間に複屈折モードで動作する液晶層(LC)を備えた液晶表示パネルであって、液晶層(LC)はポリマーネットワーク(61)中に液晶(62)を含有させたものであり、パネルの透過率が最大となる液晶層(LC)への電圧印加条件下において、550nmよりも大きい所定の波長λの光に対し、液晶層(LC)の複屈折における常光に対する屈折率と異常光に対する屈折率との差をΔn、液晶層(LC)の厚さをdとしてΔn・d=λ/2に設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複屈折モード(ECB:Electrically controlled birefringence)で駆動される液晶表示パネルおよび液晶表示装置に関するものである。
複屈折モードで駆動される液晶表示パネルは、液晶層への印加電圧に応じてリタデーションが変化することを利用して光の透過率を変化させている。液晶層をクロスニコルの状態に配置された2枚の直線偏光板で挟む場合に、ある印加電圧においてリタデーションを波長λの透過光に対してλ/2となるように設定すれば、偏光面が90度回転して2枚の偏光板を通過するため、このとき光の透過量が最大となり、この状態を白表示に用いることが可能になる。またこのとき、液晶層の印加電圧が閾値以下では複屈折現象が起こらない(すなわちリタデーションがゼロである)ことを利用して液晶層への入射光が対向側の偏光板を通過しないようにすることにより、黒表示が可能である。また、常光と異常光との屈折率差Δnは印加電圧に応じて変化するため、これを利用すれば、リタデーションがλ/2よりも小さい状態を生成して中間調を表示することができる。
一例として、図6(a)に、負の誘電異方性を有するネマチック液晶を用いたセルに黒表示を行わせたときのセルの様子を、図6(b)に、同セルに白表示を行わせたときのセルの様子を、それぞれ示す。図6(a)では、電圧無印加状態で液晶層LCの液晶分子が垂直に配向しており、複屈折現象は生じていない。このとき、一方の直線偏光板101を透過して液晶層LCに入射した光は、直線偏光板101と透過軸が直交する他方の直線偏光板102で阻止され、パネルは黒表示となる。図6(b)では、電圧が印加されて液晶層LCの液晶分子が水平に配向しており、複屈折現象が生じている。このとき、直線偏光板101を透過して液晶層LCに入射した光は直線偏光板102を透過し、パネルは白表示となる。
ところが、例えば図7に示すように上記Δnは波長分散を有しているため、パネルを正面から見た場合に、一定の厚さdに設定された液晶層LCに対し、白表示におけるリタデーションΔn・dが各波長に対してλ/2とはならない。直線偏光板をクロスニコルに配置した状態において、液晶層LCへの入射偏光の強度をI0 、入射偏光方向と液晶層LC中の常光の振動方向とのなす角度をθとすると、2枚の直線偏光板101・102を共に透過した光の強度Iは、
Figure 2009025354
で表される(非特許文献1参照)。Δn(V)はΔnの印加電圧V依存性を表している。従って、表示光として直線偏光板102を透過する量は波長λによって異なることとなり、白表示においてはΔn・d=λ/2となる波長の光が最も透過しやすく、他の波長の光は弱まる。この結果、白表示であるにも関わらず、表示光は着色して見える。
特開平5−281521号公報(1993年10月29日公開) 松本正一・角田市良共著「液晶の基礎と応用」工業調査会,64-66頁,1991
複屈折動作モードの白表示においては、上述した着色現象を抑制するために、例えば、波長λ=578nmの光に対して、パネルを正面から見た場合のリタデーションがλ/2(=289nm)となるように液晶層LCの厚さdおよび印加電圧Vが決定されている。しかしこの状態でも青色光の透過率が低いために表示光がやや黄色に着色する。液晶表示パネルとしては、リタデーションがλ/2となる波長λをより長波長側に設定するほうが全体の光の透過率が向上するため、輝度を確保するという観点からは好ましいが、このような長波長側への設定は、短波長側の光の透過率がさらに低くなるため、着色現象をより顕著に生じさせることとなる。
このように、従来は、複屈折動作モードにおいて、着色現象を抑制した状態で透過率の高い白表示を行うことができないという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複屈折動作モードにおいて、着色現象を抑制した状態で透過率の高い白表示を行うことができる液晶表示パネルおよび液晶表示装置を実現することにある。
本発明の液晶表示パネルは、上記の課題を解決するために、クロスニコルの状態に配置された2枚の直線偏光板の間に複屈折モードで動作する液晶層を備えた液晶表示パネルであって、前記液晶層はポリマーネットワーク中に液晶を含有させたものであり、パネルの透過率が最大となる前記液晶層への電圧印加条件下において、550nmよりも大きい所定の波長λの光に対し、前記液晶層の複屈折における常光に対する屈折率と異常光に対する屈折率との差をΔn、前記液晶層の厚さをdとしてΔn・d=λ/2に設定されていることを特徴としている。
上記の発明によれば、複屈折現象が生じる状態では液晶層を透過する光に対してリタデーションが生じるため、クロスニコルの状態に配置された2枚の直線偏光板の一方から液晶層に入射した光の一部が他方の直線偏光板を透過することにより、白表示状態となる。また、複屈折現象が生じない状態ではリタデーションが生じないため、一方の直線偏光板から液晶層に入射した光は他方の直線偏光板を透過することができず、黒表示状態となる。
白表示状態においては、ポリマーネットワーク中に保持された液晶分子によって光が散乱され、散乱された光が他方の直線偏光板に到達するときに、液晶層中での進行経路の長さが液晶層の厚さdよりもランダムに大きくなるため、液晶層中を垂直方向に直進した場合のリタデーションがλ/2よりも小さくなる波長の光の中にリタデーションがλ/2となるものが生じ、この波長の光に対する液晶層の透過率が従来よりも大きくなる。すなわち、この波長を含め全ての波長の光について、リタデーションに大きな分布が生じるようになる。これにより、他方の直線偏光板を通過することのできる光の波長が特定のものに限られなくなり、白表示における透過光の着色現象が抑制される。
ここで、複屈折の常光に対する屈折率と異常光に対する屈折率との差をΔn、液晶層の厚さをdとして、Δn・dを、550nmよりも大きい波長λに対してλ/2に設定することにより、従来、着色現象を極力抑制するとともに一定以上の透過率を確保するために設定していた波長以上の波長範囲において、従来よりもパネルの全光線の透過率が大きい液晶表示パネルを得ることができる。
以上により、複屈折動作モードにおいて、着色現象を抑制した状態で透過率の高い白表示を行うことができる液晶表示パネルを実現することができるという効果を奏する。
本発明の液晶表示パネルは、上記の課題を解決するために、前記波長λは600nmよりも大きいことを特徴としている。
上記の発明によれば、波長λを600nmよりも大きく設定することにより、従来、着色現象が顕著になるが故に設定することができなかった波長範囲において、着色現象を伴うことなく非常に大きな透過率を得ることが可能になるという効果を奏する。
本発明の液晶表示パネルは、上記の課題を解決するために、パネルの透過率が最大となる前記液晶層への電圧印加条件下において、前記液晶層への入射光量のうち、前記液晶層中で発生して前記液晶層を透過し切る拡散光量の割合は、11%以下であることを特徴としている。
上記の発明によれば、パネルの透過率が最大となる液晶層への電圧印加条件下、すなわち白表示状態において、液晶層へ入射した光の量のうち、液晶層中で発生した拡散光であって液晶層を透過し切る光の量が、11%以下である。従って、複屈折現象を起こしている状態の液晶分子により散乱される光の量が、表示に用いられる量として適したものとなるという効果を奏する。
本発明の液晶表示パネルは、上記の課題を解決するために、パネルの透過率が最大となる前記液晶層への電圧印加条件下において、前記液晶層への入射光量のうち、前記液晶層を層厚方向へ直進して前記液晶層を透過し切る直進光量の割合は70%以上であることを特徴としている。
上記の発明によれば、パネルの透過率が最大となる液晶層への電圧印加条件下、すなわち白表示状態において、液晶層へ入射した光の量のうち、液晶層を層厚方向へ直進する直進光であって液晶層を透過し切る光の量が、70%以上である。従って、表示に用いられるべき直進光が、複屈折現象を起こしている状態の液晶分子による散乱によって弱められてパネルの透過率が低下してしまうことを回避することができるという効果を奏する。
本発明の液晶表示パネルは、上記の課題を解決するために、前記液晶は正の誘電異方性を有していることを特徴としている。
上記の発明によれば、液晶が正の誘電異方性を有しているので、電圧無印加状態で白表示状態とすることができ、ノーマリホワイトの液晶表示パネルを実現することができるという効果を奏する。
本発明の液晶表示パネルは、上記の課題を解決するために、前記液晶は負の誘電異方性を有していることを特徴としている。
上記の発明によれば、液晶が負の誘電異方性を有しているので、電圧無加状態で黒表示状態とすることができ、ノーマリブラックの液晶表示パネルを実現することができるという効果を奏する。
本発明の液晶表示パネルは、上記の課題を解決するために、前記液晶はネマチック液晶であることを特徴としている。
上記の発明によれば、液晶がネマチック液晶であるので、ポリマーネットワークと組み合わせることにより、容易に、着色現象を抑制した状態で透過率の高い白表示を行うことができる液晶表示パネルを実現することができるという効果を奏する。
本発明の液晶表示パネルは、上記の課題を解決するために、前記液晶層に対する配向膜が設けられていないことを特徴としている。
上記の発明によれば、液晶表示パネルに、液晶層に対する配向膜が設けられていない。液晶分子はポリマーネットワーク中に個々に保持されて配向状態が決まるため、配向膜を省略することが可能であるが、配向膜を省略することにより、膜形成プロセスおよびラビングプロセスなどを省略することができ、工程の簡略化およびコスト削減が可能になるという効果を奏する。
また、ポリマーネットワーク中に保持された個々の液晶分子は、他の液晶分子からの影響を受けずに配向状態を変えるため、高速な応答が可能であるが、この状態で、ラビングされた配向膜が無ければ、ラビングによる不要なドメインが発生しない、すなわち残留リタデーションがほぼゼロである。このため、ドメインにより垂直配向が妨げられる液晶分子も無く、非常に良好な黒表示を行うことができるという効果を奏する。
本発明の液晶表示パネルは、上記の課題を解決するために、前記2枚の直線偏光板の少なくとも一方の前記液晶層側に、位相差板を備えていることを特徴としている。
上記の発明によれば、2枚の直線偏光板の少なくとも一方の液晶層側に位相差板を備えているので、パネルの透過光量を微調整することができるという効果を奏する。
本発明の液晶表示装置は、上記の課題を解決するために、前記液晶表示パネルを備えていることを特徴としている。
上記の発明によれば、複屈折動作モードにおいて、着色現象を抑制した状態で透過率の高い白表示を行うことができる液晶表示装置を実現することができるという効果を奏する。
本発明の液晶表示パネルは、以上のように、クロスニコルの状態に配置された2枚の直線偏光板の間に複屈折モードで動作する液晶層を備えた液晶表示パネルであって、前記液晶層はポリマーネットワーク中に液晶を含有させたものであり、パネルの透過率が最大となる前記液晶層への電圧印加条件下において、550nmよりも大きい所定の波長λの光に対し、前記液晶層の複屈折における常光に対する屈折率と異常光に対する屈折率との差をΔn、前記液晶層の厚さをdとしてΔn・d=λ/2に設定されている。
以上により、複屈折動作モードにおいて、着色現象を抑制した状態で透過率の高い白表示を行うことができる液晶表示パネルを実現することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態について図1ないし図5に基づいて説明すると以下の通りである。
図4に、本実施形態に係る液晶表示装置1の構成を示す。
液晶表示装置1はアクティブマトリクス型の表示装置であり、走査信号線駆動回路としてのゲートドライバ3と、データ信号線駆動回路としてのソースドライバ4と、表示部2と、ゲートドライバ3およびソースドライバ4を制御するための表示制御回路5と、電源回路6とを備えている。また、液晶表示装置1にゲートドライバ3、ソースドライバ4、表示制御回路5、および、電源回路6などを備える前の、液晶セルが2枚の直線偏光板に挟まれた状態の構成を液晶表示パネル21とする。
表示部2は、複数本(m本)の走査信号線としてのゲートバスラインGL1〜GLmと、それらのゲートバスラインGL1〜GLmのそれぞれと交差する複数本(n本)のデータ信号線としてのソースバスラインSL1〜SLnと、それらのゲートバスラインGL1〜GLmとソースバスラインSL1〜SLnとの交差点にそれぞれ対応して設けられた複数個(m×n個)の絵素PIX…とを含む。また、ここでは図示しないが、表示部2は、後述の図3から分かるように、ゲートバスラインGL1〜GLmと平行に補助容量バスラインCSL…を備えており、当該方向に並んだn個の絵素からなる各絵素行に1本の補助容量バスラインCSLが割り当てられている。
複数の絵素PIX…はマトリクス状に配置されて絵素アレイを構成し、各絵素PIXは、TFT11と、液晶容量CLと、補助容量Csとを備えている。液晶容量CLは、後述の図1および図2から分かるように、絵素電極33と、絵素電極33に対向する対向電極51と、それらの間に挟持された液晶層LCとから構成されている。対向電極51には電源回路6から電圧Vcomが印加される。液晶容量CLと補助容量Csとは絵素容量を構成しているが、絵素容量を構成する他の容量として、絵素電極と周辺配線との間に形成される寄生容量も存在する。
表示制御回路5からゲートドライバ3へはゲートスタートパルスGSPおよびゲートクロックGCKが供給され、表示制御回路5からソースドライバ4へはソーススタートパルスSSP、ソースクロックSCK、および、表示データDAが供給される。
図3に、絵素PIXの平面図を示す。
各絵素PIXは、互いに隣接する2本のゲートバスラインGL・GLと、互いに隣接する2本のソースバスラインSL・SLとで囲まれた領域に形成されている。TFT11のゲート電極11gはゲートバスラインGLから絵素PIXの領域内に向けて延設されており、ソース電極11sはソースバスラインSLに接続されている。ドレイン電極11dは絵素PIXの領域内を引き回されて補助容量対向電極41に接続されている。補助容量バスラインCSLは絵素PIXの領域内に矩形状に広がる補助容量電極パッドCSLpを備えており、当該補助容量電極パッドCSLpと補助容量対向電極41とで補助容量Csが形成されている。補助容量対向電極41はコンタクトホール42を介して、上方に設けられた絵素電極33と接続されている。また、ソースバスラインSLおよびTFT11と対向するようにブラックマトリクスBMが設けられている。
次に、図1および図2に、図3のA−A’線断面図を示す。この断面は、絵素PIXにおいて、ゲートバスラインGLと直交してコンタクトホール42の領域を通るように切断されたものであり、液晶表示パネル21の構成がよく表わされている。図1は絵素PIXの白表示状態を示し、図2は絵素PIXの黒表示状態を示している。
絵素PIXは、第1偏光板45、TFT基板12、液晶層LC、対向基板13、および、第2偏光板46がこの順に配置された構成となっている。
TFT基板12は、ガラス基板30、ゲートバスラインGLおよび補助容量バスラインCSL(補助容量電極パッドCSLp)、第1絶縁膜31a、ドレイン電極11d(図示せず)および補助容量対向電極41、第2絶縁膜31b、層間絶縁膜32、および、絵素電極33が順次積層された構成である。コンタクトホール42は層間絶縁膜32に形成されている。第1絶縁膜31aはSiNやSiO2などのゲート絶縁膜で構成可能であり、第2絶縁膜31bはSiNなどのパッシベーション膜で構成可能である。層間絶縁膜はポリイミド樹脂やアクリル樹脂などで構成可能である。
対向基板13は、ガラス基板50、カラーフィルタCFおよびブラックマトリクスBM(図示せず)、および、対向電極51が順次積層された構成である。
液晶層LCは、ポリマーネットワーク61中に正の誘電異方性(ポジ型)を有するネマチック液晶(液晶)62を含有させた高分子液晶を用いたものである。重合性モノマーにネマチック液晶62および光重合開始剤を混合し、これに紫外線を照射することによりポリマーネットワーク61が形成される。ポリマーネットワーク61の材料には例えば特許文献1に記載されたような従来のものが使用可能であり、重合方法も、光重合の他に、熱重合やプラズマ重合など従来のものが適用可能である。
ポリマーネットワーク61中に液晶分子が個々に保持され、液晶層LCが電圧無印加の状態では図1のように液晶分子は水平方向に配向し、液晶層LCに最大電圧が印加された状態では図2のように液晶分子は垂直方向に配向する。図1の状態では、液晶層LCは複屈折現象を起こし、液晶層LCへの入射光はポリマーネットワーク61中に保持された液晶分子によって散乱される。図2の状態では、液晶層LCは複屈折現象を起こさない。
第1偏光板45および第2偏光板46は直線偏光板であり、互いにクロスニコルの状態に配置されている。図1の状態では液晶層LCを透過する光に対してリタデーションが生じるため、第1偏光板45から液晶層LCに入射した光の一部が第2偏光板46を透過することにより、絵素PIXは白表示状態となる。また、図2の状態ではリタデーションが生じないため、第1偏光板45から液晶層LCに入射した光は第2偏光板46を透過することができず、絵素PIXは黒表示状態となる。
図1においては、ポリマーネットワーク61中に保持された液晶分子によって光が散乱されるため、散乱された光が第2偏光板46に到達するときに、液晶層LC中での進行経路の長さが液晶層LCの厚さdよりもランダムに大きくなる。従って、液晶層LC中を垂直方向に直進した場合のリタデーションがλ/2よりも小さくなる波長の光の中にリタデーションがλ/2となるものが生じ、この波長の光に対する液晶層LCの透過率が従来よりも大きくなる。すなわち、この波長を含め全ての波長の光について、リタデーションに大きな分布が生じるようになる。これにより、第2偏光板46を通過することのできる光の波長が特定のものに限られなくなり、パネルを正面から見た場合に、白表示における透過光の着色現象が抑制される。
ここで、複屈折の常光に対する屈折率noと異常光に対する屈折率neとの差をΔn、液晶層LCの厚さをdとして、Δn・dを、550nmよりも大きい所定の波長λに対してλ/2に設定することにより、従来、着色現象を極力抑制するとともに一定以上の透過率を確保するために設定していた波長以上の波長範囲において、着色現象が抑制された状態で従来よりもパネルの全光線の透過率が大きい液晶表示パネルを得ることができる。そして、波長λを600nmよりも大きく設定することにより、従来、着色現象が顕著になるが故に設定することができなかった波長範囲において、着色現象を伴うことなく、非常に大きな透過率を得ることが可能になる。
ここで、図5(a)〜(c)に、液晶層LCに用いる液晶材料やポリマーネットワーク61に含ませる液晶の量などを変えた、複数種類のパネルについての透過率特性を示す。各特性においては、横軸に液晶層LCへの印加電圧、縦軸に、パネルから第1偏光板45、第2偏光板46、カラーフィルタCF、および、ブラックマトリクスBMを除いた構成に対する透過率を示した。透過率は、液晶層LCへの全入射光のうち、液晶分子によって散乱された光である拡散光として液晶層LCを透過し切る割合である拡散光透過率と、液晶層LCを層厚方向に直進する光である平行光として液晶層LCを透過し切る割合である平行光透過率と、液晶層LCを透過した全光線の占める割合である全光線透過率とのそれぞれについて示した。全光線透過率は拡散光透過率と平行光透過率との和である。また、併せてヘイズと印加電圧との関係も示した。
図5(a)では、電圧無印加の状態で拡散光透過率が90%以上、平行光透過率が10%以下であり、印加電圧を増加させていくと液晶分子が応答し始めて、拡散光透過率は減少し平行光透過率は増加する。そして、印加電圧が10V以上になると、液晶分子の垂直配向への移行がほぼ飽和し、拡散光透過率は10%を越えた辺りで、また、平行光透過率は70%を越えた辺りでほぼ一定となる。また、全印加電圧範囲において、全光線透過率は80%付近でほぼ一定である。
図5(b)でも、電圧無印加の状態で拡散光透過率が90%以上、平行光透過率が10%以下であり、印加電圧を増加させていくと液晶分子が応答し始めて、拡散光透過率は減少し平行光透過率は増加することは図5(a)と同様である。ただし、80V以上という大きな値の印加電圧で液晶分子の垂直配向への移行がほぼ飽和する。この飽和状態では、拡散光透過率は10%以下で電圧増加とともに若干減少し続け、また、平行光透過率は70%を越えた辺りで電圧増加とともに若干増加し続ける。また、全印加電圧範囲において、全光線透過率は80%付近でほぼ一定である。
図5(c)は、図5(a)・(b)の結果を基に、液晶表示パネルで実際に好適に使用することのできる構成とした場合の透過率特性である。この場合には、電圧無印加の状態で拡散光透過率は11%程度であり、10Vの印加電圧まで緩やかに減少して5%以下となる。平行光透過率は電圧無印加状態で70%程度であり、10Vの印加電圧まで緩やかに増加して75%程度となる。全光線透過率は全印加電圧範囲においてほぼ80%の一定となっている。
また、図5(a)〜(c)の全てにおいて、ヘイズは拡散光透過率と同様の変化をする。
図5(c)の特性のものは、電圧無印加状態の拡散光透過率は11%ぐらいである。電圧無印加状態の拡散光透過率を11%以下にすれば、複屈折現象を起こしている状態の液晶分子により散乱される光の量が、表示に用いられる量として適したものとなるので、白表示に適する。また、印加電圧が10Vの状態の拡散光透過率は5%以下であるので黒表示に適している。この電圧無印加状態と印加電圧10Vの状態とでは、拡散光透過率の差が、図5(a)の同じ印加電圧範囲における両拡散光透過率の差よりも十分に小さい。このように、白表示状態と黒表示状態との拡散光透過率の差を設定するためには、複屈折の常光に対する屈折率noと異常光に対する屈折率neとの差Δnが所望の値となるように液晶材料を選択すればよい。常光に対する屈折率noはポリマーネットワーク61の屈折率と等しくなるように選択されるため、拡散光透過率の差を設定することは、液晶の異常光に対する屈折率neとポリマーネットワーク61の屈折率との差を設定することにも等しい。
また、ポリマーネットワーク61に含ませる液晶の量を変えることによっても、拡散光透過率を調節することができる。液晶の量は、拡散光透過率が大きくなるようにするとともに、散乱確率の増大で平行光透過率の確保が阻害されないようにして、全光線透過率が極力大きくなるように最適の量を決定することが可能である。上記例では、白表示状態において平行光透過率を70%以上としている。平行光透過率をこのように一定以上に設定することにより、表示に用いられるべき直進光が、複屈折現象を起こしている状態の液晶分子による散乱によって弱められてパネルの透過率が低下してしまうことを回避することができる。これにより、80%という従来にない大きな全光線透過率が得られる。
これらの材料の選定は、従来から存在する材料に対して屈折率差Δnや液晶の量と、透過率の測定結果とを対応させることで行うことができる。
前述の図1および図2の構成では、配向膜が設けられていない。液晶分子はポリマーネットワーク61中に個々に保持されて配向状態が決まるため、配向膜を省略することが可能である。配向膜を省略することにより、膜形成プロセスおよびラビングプロセスなどを省略することができ、工程の簡略化およびコスト削減が可能になる。また、ポリマーネットワーク61中に保持された個々の液晶分子は、他の液晶分子からの影響を受けずに配向状態を変えるため、高速な応答が可能である。この状態で、ラビングされた配向膜が無ければ、ラビングによる不要なドメインが発生しない、すなわち残留リタデーションがほぼゼロである。このため、ドメインにより垂直配向が妨げられる液晶分子も無く、ASV(Advanced Super View)液晶と同等の非常に良好な黒表示を行うことができる。なお、配向膜は設けられていてもよく、その際にラビングが施されていてもいなくてもよい。
また、図1においては、透過光に対するリタデーションを散乱により広範囲に分布させるようにしたので、パネルの透過光量を微調整するために、第1偏光板45および第2偏光板46の少なくともいずれか一方の液晶層LC側に、さらに位相差板を設けるようにしてもよい。
また、上記例は、正の誘電異方性を有する液晶を用いて電圧無印加状態で白表示を行うノーマリホワイトの液晶表示パネルを示したが、負の誘電異方性(ネガ型)を有する液晶を用いて電圧無印加状態で黒表示を行うノーマリブラックの液晶表示パネルを構成することも可能である。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、高透過率や高速応答性が要求される液晶表示パネルを備える液晶表示装置に好適に使用することができる。
本発明の実施形態を示すものであり、液晶表示パネルの構成を示す断面図である。 図1とは異なる場所の液晶表示パネルの構成を示す断面図である。 図1および図2の液晶表示パネルが備える画素の構成を示す平面図である。 本発明の実施形態を示すものであり、液晶表示装置の構成を示すブロック図である。 (a)ないし(c)は、本発明の実施形態の液晶表示パネルが備える液晶層の透過率と印加電圧との関係を示すグラフである。 従来技術を示すものであり、(a)は液晶表示パネルの黒表示状態を示す断面図、(b)は液晶表示パネルの白表示状態を示す断面図である。 複屈折現象におけるΔnの波長分散を示すグラフである。
符号の説明
1 液晶表示装置
21 液晶表示パネル
LC 液晶層
45 第1偏光板(直線偏光板)
46 第2偏光板(直線偏光板)
61 ポリマーネットワーク
62 ネマチック液晶(液晶)

Claims (10)

  1. クロスニコルの状態に配置された2枚の直線偏光板の間に複屈折モードで動作する液晶層を備えた液晶表示パネルであって、
    前記液晶層はポリマーネットワーク中に液晶を含有させたものであり、
    パネルの透過率が最大となる前記液晶層への電圧印加条件下において、550nmよりも大きい所定の波長λの光に対し、前記液晶層の複屈折における常光に対する屈折率と異常光に対する屈折率との差をΔn、前記液晶層の厚さをdとしてΔn・d=λ/2に設定されていることを特徴とする液晶表示パネル。
  2. 前記波長λは600nmよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示パネル。
  3. パネルの透過率が最大となる前記液晶層への電圧印加条件下において、前記液晶層への入射光量のうち、前記液晶層中で発生して前記液晶層を透過し切る拡散光量の割合は、11%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示パネル。
  4. パネルの透過率が最大となる前記液晶層への電圧印加条件下において、前記液晶層への入射光量のうち、前記液晶層を層厚方向へ直進して前記液晶層を透過し切る直進光量の割合は70%以上であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の液晶表示パネル。
  5. 前記液晶は正の誘電異方性を有していることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の液晶表示パネル。
  6. 前記液晶は負の誘電異方性を有していることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の液晶表示パネル。
  7. 前記液晶はネマチック液晶であることを特徴とする請求項5または6に記載の液晶表示パネル。
  8. 前記液晶層に対する配向膜が設けられていないことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示パネル。
  9. 前記2枚の直線偏光板の少なくとも一方の前記液晶層側に、位相差板を備えていることを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の液晶表示パネル。
  10. 請求項1から9までのいずれか1項に記載の液晶表示パネルを備えていることを特徴とする液晶表示装置。
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