JP2009025155A - 塗装不良検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】紫外線吸収性のクリア塗膜の塗装不良を検出するにあたり、前記塗装不良を確実に検出することができる塗装不良検査方法を提供する。
【解決手段】紫外線吸収性のクリア塗膜が形成された基材1の塗装面に向けて光源2から紫外線を照射する。前記塗装面の所定の計測領域5からの反射光の強度を計測器3によって計測する。その計測結果に基づいて、クリア塗膜が形成されていることによる反射光の強度低減の有無を判別して塗装不良を検出する。前記計測領域5が、基材1への紫外線の入射角の変化に起因するクリア塗膜が形成されている状態とクリア塗膜が形成されていない状態との間での反射光の強度の大小の逆転が生じていない計測可能領域4と重なるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、特に表面に有機塗膜が形成された基材の表面に紫外線吸収剤を含有する無機質塗膜を形成した場合の塗装不良を検出するために好適に用いることができる、塗装不良検査方法に関する。
従来、窯業系基板等の適宜の下地材に塗装を施して有機塗膜を形成する場合、塗膜の耐候性を向上する等の目的のために、紫外線吸収剤を含有する無機質塗膜等のような紫外線吸収性のクリア塗膜が設けられている。このクリア塗膜は下地の有機塗膜等によって現出される基材の意匠性を損なわないようにするため、通常は透明な薄膜に形成する必要がある。
このようなクリア塗膜の形成後は、クリア塗膜の塗装不良の有無を検査する必要がある。しかし、クリア塗膜は上記のように透明な薄膜であるので、目視等により不良の有無を確認することは困難である。
そこで、従来、塗装後の基材に紫外線を照射し、クリア塗膜に基づく反射光の強度低減の有無を判別して塗装不良を検出することが行われている(特許文献1参照)
特開2003−43161号公報
しかし、紫外線吸収性のあるクリア塗膜を形成すると、必ず紫外線の反射光の強度が低減するとは限らず、クリア塗膜における紫外線の散乱成分によって逆に反射光の強度が増大する場合もある。特に無機質塗膜は一般的に有機塗膜よりも散乱成分が大きく、反射光の大小関係の逆転が生じやすい。このため、このような事態を考慮せずに塗装不良を検出しようとしても、正確な検査は困難なものであった。
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、紫外線吸収性のクリア塗膜の塗装不良を検出するにあたり、前記塗装不良を確実に検出することができる塗装不良検査方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、紫外線吸収性のクリア塗膜が形成された基材1の塗装面に向けて光源2から紫外線を照射し、前記塗装面の所定の計測領域5からの反射光の強度を計測器3によって計測し、その計測結果に基づいて、クリア塗膜が形成されていることによる反射光の強度低減の有無を判別して塗装不良を検出する塗装不良検査方法であって、前記計測領域5が、基材1への紫外線の入射角の変化に起因するクリア塗膜が形成されている状態とクリア塗膜が形成されていない状態との間での反射光の強度の大小の逆転が生じていない計測可能領域4と重なるようにすることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1において、上記光源2から基材1へ照射され、基材1上の計測領域5で整反射して上記計測器3に到達する紫外線の基材1へ入射角が60°以下となるような位置に、上記光源2と計測器3とを配置することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、クリア塗膜の塗装不良の検査後の基材1の塗装面に、上記クリア塗膜より紫外線吸収性が低い外層クリア塗膜を形成し、前記塗装面からの反射光の強度を計測器3によって計測し、その計測結果に基づいて、外層クリア塗膜が形成されていることによる反射光の強度増大の有無を判別して塗装不良を検出することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか一項において、上記基材1が下地材の表面に有機塗膜が形成されたものであり、上記クリア塗膜が紫外線吸収剤を含有する無機質塗膜であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項3において、上記基材1が下地材の表面に有機塗膜が形成されたものであり、上記クリア塗膜が紫外線吸収剤を含有する無機質塗膜であり、上記外層クリア塗膜が光触媒を含有する無機質塗膜であることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか一項において、基材1の温度の変化によって生じる反射光の強度変化に応じて、塗装不良を判別するための反射光の強度の閾値を変更することを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、紫外線吸収性のクリア塗膜が形成されていない箇所で紫外線の反射光の強度が増大することを検出することで、目視による検査が困難な場合であってもクリア塗膜の塗装不良を検出することができ、このとき紫外線の入射角の違いによってクリア塗膜が形成されていない基材1表面とクリア塗膜との間の拡散反射の違い等に起因する反射光の強度の大小の逆転の影響を排除して、確実にクリア塗膜の塗装不良を検出することができる。
請求項2に係る発明によれば、整反射成分の入射角が大きくなりすぎることによってクリア塗膜からの反射光の強度が大きくなることを防ぐことができるものである。
請求項3に係る発明によれば、クリア塗膜の外層に外層クリア塗膜を形成する場合の外層クリア塗膜の塗装不良を検出することができる。
請求項4に係る発明によれば、有機塗膜の保護や耐候性向上等のために紫外線吸収剤を含有する無機質塗膜を形成する場合の塗装不良の検査を行うことができる。
請求項5に係る発明によれば、有機塗膜の保護や耐候性向上等のために紫外線吸収剤を含有する無機質塗膜を形成した後、更に防汚性向上等のために光触媒を含有する無機質塗膜を形成する場合の塗装不良の検査を行うことができる。
請求項6に係る発明によれば、基材1の温度変化により反射光の強度が変動した場合にも、確実にクリア塗膜の塗装不良を検出することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明における塗装の対象である基材1としては適宜のものを用いることができるが、好適な例として、セメント系の無機質板等の下地材の表面に有機塗膜を形成したものを挙げることができる。
有機塗膜を形成するための有機塗料は特に制限されないが、例えばアクリルエマルション系塗料を挙げることができる。この有機塗料は無色透明のクリア塗料であるほか、適宜の顔料や染料等を配合した着色塗料であっても良い。顔料としては、特に限定はされないが、たとえば、カーボンブラック、キナクリドン、ナフトールレッド、シアニンブルー、シアニングリーン、ハンザイエロー等の有機顔料;酸化チタン、硫酸バリウム、弁柄、複合金属酸化物等の無機顔料を挙げることができ、これらの群から選ばれる一種を用いるほか、二種以上を併用することもできる。
下地材に有機塗膜を形成するにあたっては、例えば下地材に対して有機塗料をスプレー等にて塗布した後、有機塗料の組成に応じた適宜の条件、例えば100〜150℃で30秒以上加熱乾燥することにより成膜して、有機塗膜を形成することができる。有機塗膜の厚みは特に制限されないが、5〜100μmの範囲であることが好ましい。
この基材1に形成する紫外線吸収性のクリア塗膜としては、紫外線吸収剤を含有する無機塗膜を挙げることができる。このクリア塗膜は、有機塗膜の表面に紫外線吸収剤を含有する無機質塗料を塗布成膜することで形成することができ、例えば基材1の表面保護や耐候性の向上のために設けられる。
無機質塗料としては適宜のものを用いることができるが、例えばオルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液に、ポリオルガノシロキサンや、アルキルチタン酸塩等の縮合反応触媒を加え、或いは更にシリカを加えたケイ素アルコキシド系塗料等を用いることができる。
具体的には、例えば下記式〔1〕で表わされる加水分解性オルガノシランを有機溶媒または水に分散されたコロイダルシリカ中で、X1モルに対し水0.001〜0.5モルを使用する条件下で部分加水分解してなる、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液(A成分)と、下記式〔2〕で表わされ、この式〔2〕中のRにフェニル基を全R基に対して1〜30モル%含有するポリオルガノシロキサン(B成分)と、このA成分とB成分との縮合反応を促進する触媒とを必須成分とし、A成分においてシリカを固形分として5〜95重量%含有し、加水分解性オルガノシランの少なくとも50モル%がn=1のオルガノシランで、A成分1〜99重量部に対してB成分99〜1重量部が配合されている無機質塗料を用いることができる。
SiX4−n…〔1〕
(式中、Rは同一または異種の、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、ハロゲン置換炭化水素基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基およびγ−メルカプトプロピル基からなる群より選ばれる、炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、nは0〜3の整数、Xはアルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、アミノキシ基およびアミド基からなる群より選ばれる加水分解性基を示す。)
Si(OH)(4−a−b)/2…〔2〕
(式中、Rは同一または異種の、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、ハロゲン置換炭化水素基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基およびγ−メルカプトプロピル基からなる群より選ばれる、炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよびbはそれぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦3、a+b<4の関係を満たす数である。)
また、この無機質塗料に含有される紫外線吸収剤としては、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム等を挙げることができる。この紫外線吸収剤は、好ましくは無機質塗料中の固形分(クリア塗膜を形成する成分)に対して0.1〜20重量%の範囲で含有させる。
このような無機質塗料を静電塗装等して塗布した後、例えば60〜120℃で焼き付け乾燥等することにより成膜することにより、クリア塗膜を形成することができる。このクリア塗膜の厚みは特に制限されないが、通常は1〜10μmの範囲の薄膜に形成される。
また、このクリア塗膜に積層して形成される、クリア塗膜より紫外線吸収性が低い外層クリア塗膜としては、光触媒を含有する無機塗膜を挙げることができる。この外層クリア塗膜は、クリア塗膜の表面に光触媒を含有する無機質塗料を塗布成膜することで形成することができ、例えば基材1の防汚性を向上する目的で形成される。
光触媒を含有する無機質塗料としては適宜のものを用いることができるが、例えば上記クリア塗膜を形成するために使用されるケイ素アルコキシド系塗料に酸化チタン等の光触媒を加えたもの等を用いることができる。
このような無機質塗料をスプレー塗装等して塗布した後、例えば60〜120℃で焼き付け乾燥等することにより成膜して、外層クリア塗膜を形成することができる。この外層クリア塗膜の厚みは特に制限されないが、例えば0.2〜1.0μmの範囲に形成される。
このようにして基材1に塗装を施すにあたり、クリア塗膜を形成した後、外層クリア層を形成する前に、クリア塗膜の塗装不良検査を行う。
図1,2は、塗装不良検査を行うための装置構成の一例を示す。この検査装置は、クリア塗膜が形成された基材1を搬送するベルトコンベア等の搬送装置6、紫外線光を照射する光源2、反射光を計測する計測器3にて構成されている。
光源2はブラックライト等の適宜の紫外線ランプにて構成することができる。この光源2は搬送装置6における基材1の搬送路の上方に、基材1の搬送方向に間隔をあけて二つ設けられている。各光源2は、搬送路上の基材1の一側端から他側端に亘って紫外線を照射するように形成されている。
計測器3は紫外線を受光してその強度を計測する機能を有し、例えばCCD紫外線カメラ等で構成することができる。この計測器3は、搬送装置6における基材1の搬送路の上方において、二つの光源2の間の位置の直上に配置される。この計測器3は、その視野内に計測領域5を含む。計測領域5は、二つの光源2の間の領域に設定される。このとき、計測器3は計測領域5からの反射光を受光してその強度を計測し、計測領域5における反射光の強度が一定の閾値を超えた場合に塗装不良が生じていることを判定するものである。
このようにして塗装不良の検査を行うにあたり、上記計測領域5を、基材1への紫外線の入射角の変化に起因するクリア塗膜が形成されている状態とクリア塗膜が形成されていない状態との間で反射光の強度の大小の逆転が生じていない領域(計測可能領域4)と重なるように、設定する。
図3は、計測器3と光源2の位置を固定した状態での、基材1への紫外線の入射角に対する反射光の強度の変化を模式的に示したものである。横軸は基材1への紫外線の入射角を示すが、基材1上の光源2から近い位置ほど入射角が小さくなり、遠い位置ほど入射角は大きくなるため、基材1上の光源2からの距離と入射角とは相関関係にある。縦軸は反射光の強度を示し、「クリア塗装なし」はクリア塗膜が形成されておらず、有機塗膜のみが形成されている基材1からの反射光の強度を、「クリア塗膜形成」はクリア塗膜が形成されている基材1からの反射光の強度を、「外層クリア塗膜形成」は更に外層クリア塗膜が形成されている基材1からの反射光の強度を、それぞれ示す。
図示の例では、入射角が小さいと、「クリア塗膜形成」の場合での反射光の強度は、「クリア塗装なし」の場合での反射光の強度よりも低くなる。これは、紫外線吸収性のクリア塗膜が紫外線を吸収することにより、紫外線の反射強度が低減するためのである。しかし、クリア塗膜が無機質塗膜である場合のようにクリア塗膜からの散乱成分が大きい場合には、入射角の変化に応じて反射光の強度の大小関係が逆転し、「クリア塗膜形成」の場合での反射光の強度の方が「クリア塗装なし」の場合よりも高くなる領域が生じる。
そこで、本発明では、計測器3における計測領域5が、基材1上の、上記反射光の強度の大小関係の逆転が生じていない計測可能領域4と重なるように設定するものである。
このためには、例えば予めクリア塗膜が形成されていない状態と、クリア塗膜が形成されている状態とで、それぞれ基材1からの紫外線の入射角に対する反射光の強度の変化を計測し、これに基づいて上記計測可能領域4の範囲を導出する。この計測可能領域4は、光源2の長手方向に沿って生じる。また、上記のように二つの光源2を並列に配置すると、一方の光源2と他方の光源2とにそれぞれ起因して生じる計測可能領域4が一体化し、又は連続することになることで、光源2が一つの場合よりも広い計測可能領域4が形成される。このとき、二つの光源2の間の間隔や各光源2の基材1に対する上下方向位置を調整するなどして、計測可能領域4を一体化させることができる。
そして、この計測可能領域4の上方に、計測器3を配置すると共に、この計測器3による計測領域5が前記計測可能領域4と重なるようにする。
また、基材1、光源2及び計測器3の位置関係は、紫外線が光源2から基材1へ照射され、基材1への入射角θと同じ角度で整反射して計測器3に到達する整反射成分について、この整反射成分が基材1上の計測領域5で反射するように設計し、更に前記入射角θが60°以下となるような位置に、上記光源2と計測器3とを配置することが好ましい(図7参照)。無機質塗膜からなるクリア塗膜は光沢が少ないものであるが、図8に示すように入射角θが大きくなるとクリア塗膜を形成した基材1からの反射光の強度が大きくなり、この入射角θが60°を超えると反射光の強度が飽和してしまう。このため、前記入射角θを60°以下とすることが好ましいものである。この入射角θの下限は適宜設定されるが、計測器3の直下に光源2が配置されないようにする必要がある。
基材1、光源2及び計測器3の位置関係は、好ましくは上記関係を満たすように適宜設定されるが、例えば、基材1の表面からの光源2の高さ寸法H1が200mm、基材1の表面からの計測器3の高さ寸法H2が2000mm、光源2と基材1との間の、基材1の搬送方向の間隔Wが50mmの寸法になるようにすることができる。
塗装不良の判定のための反射光の強度の閾値は、上記のように計測可能領域4と重なった状態の計測領域5からの、クリア塗膜が形成されている状態での反射光の強度と、クリア塗膜が形成されていない状態での反射光の強度との間の、適宜の値に設定することができる。この場合、計測器3で計測される反射光の強度が閾値に達しない場合には塗装不良が生じていないと判定することができ、この反射光の強度が閾値を超える場合には塗装不良が生じていると判定することができて、塗装不良の判定を確実に行うことができる。このような判定は、例えば反射光の強度の計測結果を計測器3にて画像データとして取り込み、この画像データを画像処理することで行うことができる。
このような塗装不良検査により塗装不良が発見された場合には、その不良箇所にクリア塗膜を形成するための紫外線吸収剤を含有する無機質塗料等を塗布成膜するなどして補修することができる。その後、次工程に送られて、外層クリア塗膜が形成される。
また、外層クリア塗膜を形成した後にも、この外層クリア塗膜の塗装不良検査を行うことができる。この塗装不良検査の場合も、上記クリア塗膜の塗装不良検査の場合と同様の検査装置を用いることができる。
外層クリア塗膜の塗装不良検査の場合も、外層クリア塗膜が形成された基材1を搬送装置6にて搬送しながら、計測器3にて計測することができる。このとき、計測器3は計測領域5からの反射光を受光してその強度を計測し、この強度が一定の閾値に達しない場合に塗装不良が生じていることを判定するものである。
ここで、クリア塗膜と外層クリア塗膜とが共に無機質塗膜である場合のように同種の塗料である場合には、散乱成分の大きさに大きな相違は生じず、反射光の強度は主として各塗膜の紫外線吸収性に依存することとなる。このような場合は、図3に示されているように、入射角が変化しても、外層クリア塗膜が形成されている状態での反射光の強度は、クリア塗膜のみが形成されている状態での反射光の強度よりも、常に高くなる。このような場合には、上記クリア塗膜の塗装不良検査の場合のような、計測可能領域4と計測領域5との重なりを考慮する必要はなくなる。
また、塗装不良の判定のための閾値は、計測領域5からの、外層クリア塗膜が形成されている状態での反射光の強度と、外層クリア塗膜が形成されていない状態での反射光の強度との間の、適宜の値に設定することができる。
このようにすると、計測器3で計測される反射光の強度が閾値を超える場合には塗装不良が生じていないと判定することができ、この反射光の強度が閾値に達しない場合には塗装不良が生じていると判定することができて、塗装不良の判定を確実に行うことができる。このような判定は、例えば反射光の強度の計測結果を計測器3にて画像データとして取り込み、この画像データを画像処理することで行うことができる。
このような塗装不良検査により塗装不良が発見された場合には、その不良箇所に外層クリア塗膜を形成するための光触媒を含有する無機質塗料等を塗布成膜するなどして補修することができる。
このような塗装不良検査は、同一の基材1を用いて同一組成の塗膜を形成する限りは、クリア塗膜の塗装不良検査時の計測可能領域4及び計測領域5の設定を変更せずに行うことができる。また、基材1の種類や塗膜の組成を変更する場合には、それに応じて計測可能領域4及び計測領域5を設定し直して、塗装不良検査を行うことができる。
また、基材1の種類や塗膜の組成を変更する場合には、必要に応じて閾値を変更する。図4は、基材1における有機塗膜に含有させる顔料の種類を変更して、グレー、ベージュ、ホワイトの各色の有機塗膜を形成した場合の、クリア塗装が施されていない基材1からの反射光と強度と、クリア塗膜が形成された場合の反射光の強度の変化を模式的に示すものである。このように反射光の強度が変化した場合には、それに応じてクリア塗膜が形成されている状態での反射光の強度と、クリア塗膜が形成されていない状態での反射光の強度との間の適宜の値に、閾値を設定し直すものである。
また、反射光の強度は基材1の温度にも依存するため、正確な塗装不良検査を行うためには、基材1の温度を一定に保った状態で検査を行うことが好ましい。
また、塗装不良検査中に基材1の温度に変化が生じる場合には、基材1の温度に応じて閾値を変更することも好ましい。ここで、クリア塗装が施されていない基材1からの反射光の強度、クリア塗膜が形成された場合の反射光の強度、更に外層塗膜が形成された場合の反射光の強度は、図5に示すように、基材1の温度が上昇するに従って減少し、このとき各場合につき反射光の強度はほぼ同様の変化を示すため、計測可能領域4や計測領域5の設定を変更することなく、閾値のみを変更すれば、正確な塗装不良検査を行うことができる。また、このとき、基材1の温度が変化する場合の一定の温度範囲ごとの閾値を予め設定しておき、塗装不良検査を行いながら基材1の温度をモニターして、その温度変化に応じて閾値を変更することも好ましい。
また、光源2から照射される紫外線の強度を変動させた場合にも、反射光の強度は変動する。このため、光源2からの紫外線の強度を変更する場合にも、それに応じて閾値を変更する。図6は、光源2としてブラックライトを用い、照射される紫外線の強度を高強度(0.5mW/cm2)、中強度(0.4mW/cm2)、低強度(0.3mW/cm2)とした場合の、反射光の強度を比較したものの一例である。このようにクリア塗装が施されていない基材1からの反射光の強度、クリア塗膜が形成された場合の反射光の強度、更に外層塗膜が形成された場合の反射光の強度は、光源2からの紫外線の強度の変化に応じて、同様に増減するため、光源2からの紫外線の強度を変更した場合には、計測可能領域4や計測領域5の設定を変更することなく、閾値を変更することで、正確な塗装不良検査を行うことができる。
尚、図示はしないが、反射光の強度は基材1の表面の凹凸形状にも依存するため、基材1の凹凸形状に応じて閾値を設定することも好ましい。
本発明の実施の形態の一例を示す概略図である。 同上の概略の斜視図である。 入射角と反射光の強度との関係を示すグラフである。 基材の種類を変更した場合の反射光の強度の変化を示すグラフである。 基材の温度を変更した場合の反射光の強度の変化を示すグラフである。 入射する紫外線の強度を変更した場合の反射光の強度の変化を示すグラフである。 基材、光源及び計測器の間の位置関係を説明するための概略図である。 整反射成分の入射角と反射光の強度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 基材
2 光源
3 計測器
4 計測可能領域
5 計測領域

Claims (6)

  1. 紫外線吸収性のクリア塗膜が形成された基材の塗装面に向けて光源から紫外線を照射し、前記塗装面の所定の計測領域からの反射光の強度を計測器によって計測し、その計測結果に基づいて、クリア塗膜が形成されていることによる反射光の強度低減の有無を判別して塗装不良を検出する塗装不良検査方法であって、前記計測領域が、基材への紫外線の入射角の変化に起因するクリア塗膜が形成されている状態とクリア塗膜が形成されていない状態との間での反射光の強度の大小の逆転が生じていない計測可能領域と重なるようにすることを特徴とする塗装不良検査方法。
  2. 上記光源から基材へ照射され、基材上の計測領域で整反射して上記計測器に到達する紫外線の基材へ入射角が60°以下となるような位置に、上記光源と計測器とを配置することを特徴とする請求項1に記載の塗装不良検査方法。
  3. クリア塗膜の塗装不良の検査後の基材の塗装面に、上記クリア塗膜より紫外線吸収性が低い外層クリア塗膜を形成し、前記塗装面からの反射光の強度を計測器によって計測し、その計測結果に基づいて、外層クリア塗膜が形成されていることによる反射光の強度増大の有無を判別して塗装不良を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗装不良検査方法。
  4. 上記基材が下地材の表面に有機塗膜が形成されたものであり、上記クリア塗膜が紫外線吸収剤を含有する無機質塗膜であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の塗装不良検査方法。
  5. 上記基材が下地材の表面に有機塗膜が形成されたものであり、上記クリア塗膜が紫外線吸収剤を含有する無機質塗膜であり、上記外層クリア塗膜が光触媒を含有する無機質塗膜であることを特徴とする請求項3に記載の塗装不良検査方法。
  6. 基材の温度の変化によって生じる反射光の強度変化に応じて、塗装不良を判別するための反射光の強度の閾値を変更することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の塗装不良検査方法。
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