JP2009024590A - 電動送風機 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動送風機において、ディフューザは、金型を用いて射出成形により合成樹脂で一体成形されるため、出来上がったものにひけが生じ、固定翼の形状が歪むことが多かった。
【解決手段】表ボリュート翼17が立設される基板11の外周部の肉厚環状部16に、裏面側から肉逃がし凹部30を形成する。肉逃がし凹部30は、各表ボリュート翼17の長さ方向中央部に対応する位置に設ける。
【効果】肉厚環状部16のひけを防止して、表ボリュート翼17の歪み(特に表ボリュート翼17の長さ方向の高さに差が生じること)をなくすことができる。その結果、電動送風機の性能が向上する。
【選択図】図2

Description

この発明は、モータにより回転されるファンと、ファンから排出される風を整流するためのディフューザとを有する電動送風機に関し、特に、電気掃除機等に利用される電動送風機に関する。
電動送風機には、電動機(モータ)と、モータにより回転されるファンと、ファンから排出される風を整流するためのディフューザとが備えられている。モータの回転軸を中心に、ディフューザはファンと同心上に配置されていて、モータにより高速回転されるファンにより吸い込まれて排出される風(空気)を整流し、電動送風機の送風性能を向上させる役割を果たしている。
この種のディフューザは、一般に、合成樹脂製である(特許文献1の段落[0002]参照)。詳しくは、ディフューザは、円板部と、円板部の上面外周部に略垂直に立設された上側固定翼(円弧壁状の上流整流板)と、円板部の下面に略垂直に立設された下側固定翼(円弧壁状の下流整流板)とを含んでおり、これらが合成樹脂で成形されている(特許文献1の段落[0027]〜[0031]参照)。
特開2005−69034号公報
ディフューザには、円板部の上面に、ファンの一部を配置するための段差部が設けられている。そして段差部の外周には、多数の上側固定翼が立設され、かつ、下面に多数の下側固定翼が立設された複雑な形態をしている。
また、ディフューザの円板部の厚みは、段差部が形成されていることから、均一な厚みではなく、外周縁部の厚みが厚くなっている。
このため、ディフューザを、たとえば金型を用いて射出成形により合成樹脂で一体成形した場合、出来上がったディフューザにひけが生じたり、固定翼の形状が歪んだりするという課題があった。
より具体的に述べると、樹脂でディフューザを一体成形する場合、ディフューザは、各部分の厚みが等しくない(円板部の厚みが相対的に厚く、固定翼の厚みは相対的に薄い。また、円板部には段差部が形成されていて、内方より外周部の厚みが厚い。)ので、各部の厚みの違いによって、樹脂の硬化速度や収縮に差が生じ、歪んだり変形し易いという課題があった。そして、形状の歪んだディフューザは、電動送風機の性能を低下させる。
この発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、樹脂で一体成形されたディフューザが、変形や歪みのない所望の形態になっている電動送風機を提供することを主たる目的とする。
この発明は、また、整流性能の良好なディフューザを備える電動送風機を提供することを他の目的とする。
請求項1記載の発明は、モータにより回転されるファンおよび前記ファンが生じる風を整流するためのディフューザを含む電動送風機であって、前記ディフューザは、円形板状をし、中央にモータ軸が貫通するための軸孔が形成され、表面には、軸孔周囲に、軸孔と同心に、前記ファンの一部を配置するための円形凹部が形成されていて、当該円形凹部の外周には肉厚環状部が備えられている基板と、前記肉厚環状部の表面から略垂直に立設され、基板に垂直に見て渦巻き状に配置された複数の表ボリュート翼と、前記基板の裏面から略垂直に立設され、基板に垂直に見て渦巻き状に配置された複数の裏ボリュート翼とを含み、前記基板、表ボリュート翼および裏ボリュート翼が樹脂により一体成形され、前記肉厚環状部には、その裏面に肉逃がし凹部が形成されていることを特徴とする、電動送風機である。
請求項2記載の発明は、隣接する各表ボリュート翼の間にそれぞれ表風路が区画されており、前記肉逃がし凹部は、前記肉厚環状部の裏面の各表風路の入口に対応する位置に形成されていることを特徴とする、請求項1記載の電動送風機である。
請求項3記載の発明は、前記肉逃がし凹部は、前記肉厚環状部の裏面の前記各表ボリュート翼の長さ方向中央部に対応する位置に形成されていることを特徴とする、請求項1記載の電動送風機である。
請求項4記載の発明は、前記肉逃がし凹部は、前記表ボリュート翼の長さ方向にテーパ形状をしていることを特徴とする、請求項3記載の電動送風機である。
請求項5記載の発明は、前記肉逃がし凹部が形成された部分の前記肉厚環状部の厚みは、前記円形凹面の基板の厚みとほぼ等しくなるように、前記肉逃がし凹部の深さが決められていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の電動送風機である。
請求項6記載の発明は、前記肉逃がし凹部は、複数の小孔を含むことを特徴とする、請求項1〜3および5のいずれかに記載の電動送風機である。
請求項7記載の発明は、前記肉厚環状部の外周縁は、厚み方向中央面に対して面対称に、その厚みが徐々に薄くなるように湾曲されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の電動送風機である。
請求項1記載の発明によれば、円板形状の基板の肉厚環状部には、その裏面(下面)に肉逃がし凹部が形成されている。この肉逃がし凹部により、肉厚環状部の厚みが部分的に薄くなっており、肉厚環状部の表面(上面)に立設された表ボリュート翼が、肉厚環状部の厚みに起因して生じるひけによって、歪んだり、外周方向へ傾いたり倒れたりするのを防止できる。肉逃がし凹部は、基板の裏面(下面)に形成されており、基板の表面に立設された表ボリュート翼により区画される表風路は滑らかな形態であり、ディフューザの整流性能を劣化させる心配はない。
肉逃がし凹部を、請求項2記載のように、基板(肉厚環状部)の表面(上面)に立設された表ボリュート翼により区画された各表風路の入り口に対応する位置であって、肉厚環状部の裏面(下面)に形成すれば、各表風路の入口を区画する肉厚の薄い表ボリュート翼先端が歪んだり、外周方向へ傾いたり倒れたりするのを防止できる。
また、肉厚環状部の裏面の一部に肉逃がし凹部が形成されているので、裏面に裏ボリュート翼により区画された戻り風路(裏風路)の風の流れは乱され難く、送風効率を劣化させることがない。
肉逃がし凹部を、請求項3記載のように、各表ボリュート翼の長さ方向中央部に対応する位置であって、肉厚環状部の裏面(下面)に形成してもよい。この位置に肉逃がし凹部を形成すれば、肉厚環状部の肉厚に起因する樹脂のひけ応力を削減し、表ボリュート翼の高さがその長さ方向に不均一になるのを防止して、表ボリュート翼を均一な高さに揃えることができる。これにより、整流性能が良好なディフューザとすることができる。
また、肉逃がし凹部は、基板(肉厚環状部)の裏面(下面)の一部に形成されているので、戻り風路(裏風路)における送風効率をほとんど劣化させない。
ところで、表ボリュート翼は、その長さ方向に厚みが徐々に変化している。通常、内から外側に向かって渦巻き状に立設された表ボリュート翼は、外側ほど厚みが厚くなっている。そこで、請求項4記載の構成によれば、その厚みに合わせて、肉厚環状部の裏面に形成する肉逃がし凹部の形状を、表ボリュート翼の長さ方向にテーパ形状に、外側に向かって溝幅の広い肉逃がし凹部とする。これにより、肉厚環状部のひけ対策がより効果的に行える。そして、それにより表ボリュート翼の高さが部分的に低くならず、均等な高さの表ボリュート翼を作ることができる。
請求項5記載の発明によれば、基板の厚みは円形凹面部分で薄く、その外周を取り巻く肉厚環状部で厚くなっている。そこで、肉逃がし凹部を形成し、肉厚環状部の厚みを部分的に円形凹部の基板の厚みとほぼ等しくすれば、肉厚環状部の厚みに基づくひけ応力を効果的に削減することができる。
請求項6記載の発明によれば、肉逃がし凹部は、金型内にピンを立てることで容易に形成できる。このため、金型を作成し、その金型でディフューザを成形し、その成形されたディフューザを確認して、肉逃がし凹部の補正や追加の必要がある場合は、金型にピンを追加したり、ピンの突出量を変えることで対応できる。つまり、実質的に金型を変更することなく、成形品のひけや伸び状態を確認した上で、肉逃がし凹部を適切なものに修正できる。よって、より品質の安定したディフューザを成形できる。
請求項7記載の発明によれば、基板の表面(上面)に区画された表風路を通った風が基板の裏面(下面)に区画された戻り風路(裏風路)へ流れる際に、基板(肉厚環状部)の外周縁をスムーズに通過でき、整流効果および送風効果の向上が図れる。
この発明によれば、表ボリュート翼に傾きや高さの不揃いが生じず、整流性能の優れた、樹脂により一体成形されたディフューザを備えた電動送風機を提供することができる。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明をする。
図1は、この発明の一実施形態に係る電動送風機1の縦断面図である。
図1を参照して、電動送風機1は、モータ2と、モータ2により回転されるファン(インペラ)3と、ファン3の外周および下方を囲むように配置されたディフューザ10と、ファン3およびディフューザ10の外側を覆うファンケース5とを含んでいる。
ファン3は、上下に対向して配置された上シュラウド6および下シュラウド7の間に固定された複数のブレード8を有しており、モータ軸9に固定されていて、モータ軸9によって高速回転される。ファン3は、いわゆる遠心ファンであり、回転されることにより、その上面中央から空気を吸込、側方へ排出する。
ディフューザ10は、ファンケース5内に固定されており、ファン3から排出される風(空気)を整流してモータ2へ送る。ディフューザ10は基板11を有する。基板11は、平面視が円形の板状であり、中央に軸孔12が形成されている。軸孔12には、モータ軸9が貫通されている。より具体的には、モータ軸9を回転自在に保持している軸受13および軸受13が取り付けられているステー14が嵌合する軸孔12が形成されている。そして基板11の表面である上面には、軸孔12の周囲に、軸孔12と同心に、ファン3の下シュラウド7を配置するための平面視円形の凹面15が形成されている。そして凹面15の外周には肉厚環状部16が備えられている。
ディフューザ10は、基板11の肉厚環状部16の上面側および基板11の下面側にそれぞれ立設された表ボリュート翼17および裏ボリュート翼18を有する。
ファン3から排出される空気は、まず、表ボリュート翼17で区画された表風路を通って整流され、肉厚環状部16の外縁に沿って下方へ流れ、裏ボリュート翼18で区画された戻り風路を通って整流され、モータ2へと流れる。
図2は、ディフューザ10の部分斜視図であり、一部が断面で表わされている。図3は、ディフューザ10の底面図である。図2および図3を参照して、ディフューザ10は、円形板状をした基板11の中央部に、モータ軸が貫通するための軸孔12が形成されている。より具体的には、基板11の中央部には、下方に突出する固定用筒19が延設され、固定用筒19の下端が内方へ湾曲されるようにして、軸孔12が形成されている。
基板11の上面には、軸孔12と同心に軸孔12の周囲に広がる円形凹面15が形成されている。円形凹面15は、前述したように、ファン3の下シュラウド7(図1参照)が配置される領域である。円形凹面15の外周縁は、略垂直に上方へ立ち上がった段差面20となっている。そして円形凹面15の外周には、この段差面20を内周縁とする肉厚環状部16が連設されている。
表ボリュート翼17は、肉厚環状部16の上面から略垂直に立設されていて、平面視、すなわち基板11を垂直上方から見て、渦巻き状に、肉厚環状部16の全周にわたって多数枚が配置されている。各表ボリュート翼17は、等しい形状をしており、その先端(内縁)171は段差面20の近傍から略垂直に上方へ立ち上がり、その後端(外縁)172は、肉厚環状部16の外縁161よりも外側へ突出している。各表ボリュート翼17は、その先端171の厚み(壁幅)が最も薄く、その長さ方向中央部173付近でその厚み(壁幅)が最も厚く、その後端172で再びその厚み(壁幅)が薄くなった形態をしている。
互いに隣接する各表ボリュート翼17によって、その間に表風路21が区画されている。各表風路21は、肉厚環状部16の内周縁から平面視で左回りの渦巻き状に外周方向に延びている。各表ボリュート翼17の後端172は、肉厚環状部16の外縁161よりも外方へ突出しているので、表風路21を流れる空気は、肉厚環状部16の外縁161に沿って肉厚環状部16の下面側へと回り込む。肉厚環状部16の外縁161は、厚み方向(上下方向)中央面に対してその厚みが外側に向かって徐々に薄くなるように湾曲している。すなわち、肉厚環状部16の外縁161は、断面形状が略半楕円形状である。このため、表風路21を流れる風(空気)は、半楕円形状の肉厚環状部外縁161に沿ってスムーズに肉厚環状部16の下面側へと回り込み、表風路21で整流された風はスムーズに下面側へと流れる。
基板11の裏面である下面22には、外縁161(肉厚環状部16の外縁161)から内方に向かって底面視で右回りの渦巻き状をした多数の裏ボリュート翼18が突設されている。各裏ボリュート翼18も、基板11の下面22から下方へ略垂直に立設されており、隣接する各裏ボリュート翼18の間に戻り風路(裏風路)23が区画されている。
ところで、このような形態のディフューザ10は、金型を用い、樹脂を金型内に射出成形することにより一体成形される。射出成形される樹脂は収縮性があり、金型内における容積の大きな領域では硬化する際に樹脂が縮み、いわゆるひけが生じる。このひけは容積の大きな領域近傍の容積の小さな領域の樹脂に応力を与える。このような現象が生じるので、この実施形態の場合は、肉厚環状部16にひけが生じ易く、肉厚環状部16の上面に立設された複数の表ボリュート翼17は、その長さ方向中央部においてひけの影響を受けて高さが低くなることが多い。複数の表ボリュート翼17の高さが、その長さ方向に不均一であれば、表ボリュート翼17の上面に当接されるファンケース5(図1参照)との間に隙間が生じ、ファンケースとディフューザ10とのシール性が低下して、整流性能および電動送風機全体としての性能低下を招いてしまう。
そこで、この実施形態では、肉厚環状部16が硬化する際に表ボリュート翼17に悪影響を与えるひけが生じないようにし、表ボリュート翼17の高さが、長さ方向において不均一にならないように構成されている。
すなわち、肉厚環状部16には、その下面側に、各表ボリュート翼17の長さ方向中央部に対応する位置に、肉逃がし凹部30が形成されている。肉逃がし凹部30は、基板11下面に区画された各戻り風路23、すなわち各裏ボリュート翼18の間に形成されていて、その位置は、上述したように、表ボリュート翼の長さ方向中央部に対応する位置である。肉逃がし凹部30の深さは、肉逃がし凹部30が形成された位置において、肉厚環状部16の厚みが凹面15の基板11の厚みとほぼ同等になる深さとされている。つまり、基板11全体として見ると、凹面15の領域では基板11の厚みは相対的に薄く、その外周に連設されている肉厚環状部16において基板11の厚みが相対的に厚くなっているから、肉厚環状部16においてひけが生じ易い。そこで各表ボリュート翼17の長さ方向中央部に対応する肉厚環状部16の厚みを、凹面15の基板11の厚みと同程度にすることにより、各表ボリュート翼17の長さ方向中央部下方の基板である肉厚環状部16がひけを生じない。
各肉逃がし凹部30は、表ボリュート翼17の長さ方向に沿ったテーパ形状とすることが好ましく、テーパ形状とすることによって肉厚環状部16のひけを良好に阻止し、各表ボリュート翼17が伸びによりその高さが変形するという事態を防止できる。
肉逃がし凹部30は、上述のテーパ形状に限られず、たとえば図4 に示すように、複数の小孔を用いた肉逃がし凹部30を形成してもよい。図4に示すように、複数の小孔により肉逃がし凹部30を形成した場合、各孔が小径であり、戻り風路23を通る風に対して抵抗になりにくく、戻り風路23における整流性能が劣化しないという利点がある。また、小孔の肉逃がし凹部30を形成する場合は、金型内にピンを立てればよく、金型内に立てるピンの高さや太さを変えることにより、肉逃がし凹部30の深さ、大きさを調整できる。従って、成形されたディフューザ10を確認し、円形環状部16にひけが生じているようであれば、ピンを追加してあるいはより太いピンに交換して、肉逃がし凹部30の深さや径を変えることができる。つまり金型におけるピン送り調整でディフューザ10のひけ防止を良好にでき、金型を改造することなく、表ボリュート翼17が変形していない良好なディフューザを簡単に成形することができる。
図5は、この発明の他の実施形態に係るディフューザ50の特徴部分を示す部分斜視図であり、一部が断面で表わされている。図6は、図5に示すディフューザ50の底面図であり、図7はそのディフューザ50の平面図であって、下面側の構成が破線で表わされた図である。
図5〜図7を参照して、このディフューザ50の構成は、図2および図3を参照して説明したディフューザ10と同じであるが、肉逃がし凹部40の形成位置が異なっている。すなわち、このディフューザ50では、肉逃がし凹部40は、肉厚環状部16の下面側であって、各表風路21の入口に対応する位置に形成されている。この位置に肉逃がし凹部40を形成する理由は次の通りである。
各表ボリュート翼17は、その先端171において、厚み(壁幅)が最も薄い。このため、表風路21の入口付近で、表風路21の底を区画している肉厚環状部16にひけが生じると、表ボリュート翼17の先端121は外方へ傾斜したり倒れることが多い。表ボリュート翼17が外方へ倒れると、表風路21の幅が狭まり、整流性能を劣化させる。また、表ボリュート翼17の高さが不均一となり、ディフューザ11とファンケース5との間のシール性も低下する。
そこで、この実施形態に係るディフューザ50では、各表風路21の入口に対応する位置に、肉厚環状部16の下面側から肉逃がし凹部40を形成している。肉逃がし凹部40の深さは、当該凹部が形成された部分の肉厚環状部16の厚みが凹面15が形成された基板11の厚みと同程度になる深さに設定されている。これにより、基板11の段差面20が形成されて厚みが大きく変化する部分において肉逃がし凹部40を設けたので、この部分の基板11のひけをなくして、各表ボリュート翼17が外周側へ倒れたり傾斜するのを防止することができる。
肉逃がし凹部40は、戻り風路23に形成されているが、孔であり、戻り風路23を流れる空気を乱すことはほとんどない。
ディフューザ50のその他の構成は、先に説明したディフューザ10と同じであり、同一または対応部分には同一番号を付して重複した説明は省略する。
ディフューザ50に形成する肉逃がし凹部40は、図6、7に示すものに限らず、図8に示すように、複数個の小孔によって肉逃がし凹部40が形成されてもよい。複数の小孔で形成する場合、図4で説明した肉逃がし凹部30と同様、金型にピンを追加することで簡単に構成でき、金型作成後、成形されたディフューザ100を確認した上で、肉逃がし凹部40を追加したり減らすことが可能であり、製造が容易に行える。また、小孔であれば戻り風路23を流れる空気に対する抵抗となり難く、整流性能が低下しない。さらに、肉逃がし凹部40は、吸音部として働き、通風騒音を抑制できる。
この発明は、以上説明した実施形態に限定れさるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
この発明の一実施形態に係る電動送風機1の縦断面図である。 ディフューザ10の部分斜視図である。 ディフューザ10の底面図である。 肉逃がし凹部30を小孔で形成したディフューザの部分底面図である。 この発明の他の実施形態に係るディフューザ50の特徴部分を表わす部分斜視図である。 ディフューザ50の底面図である。 ディフューザ50の平面図であって、下面側の構成が破線で表わされた図である。 肉逃がし凹部40を複数の小孔で形成したディフューザ50の部分底面図である。
符号の説明
10、50 ディフューザ
11 基板
12 軸孔
15 凹面
16 肉厚環状部
17 表ボリュート翼
18 裏ボリュート翼
20 段差面
21 表風路
22 下面(裏面)
23 戻り風路
30、40 肉逃がし凹部
161 肉厚環状部16の外縁
173 表ボリュート翼17の中央部

Claims (7)

  1. モータにより回転されるファンおよび前記ファンが生じる風を整流するためのディフューザを含む電動送風機であって、
    前記ディフューザは、
    円形板状をし、中央にモータ軸が貫通するための軸孔が形成され、表面には、軸孔周囲に、軸孔と同心に、前記ファンの一部を配置するための円形凹部が形成されていて、当該円形凹部の外周には肉厚環状部が備えられている基板と、
    前記肉厚環状部の表面から略垂直に立設され、基板に垂直に見て渦巻き状に配置された複数の表ボリュート翼と、
    前記基板の裏面から略垂直に立設され、基板に垂直に見て渦巻き状に配置された複数の裏ボリュート翼とを含み、
    前記基板、表ボリュート翼および裏ボリュート翼が樹脂により一体成形され、前記肉厚環状部には、その裏面に肉逃がし凹部が形成されていることを特徴とする、電動送風機。
  2. 隣接する各表ボリュート翼の間にそれぞれ表風路が区画されており、
    前記肉逃がし凹部は、前記肉厚環状部の裏面の各表風路の入口に対応する位置に形成されていることを特徴とする、請求項1記載の電動送風機。
  3. 前記肉逃がし凹部は、前記肉厚環状部の裏面の前記各表ボリュート翼の長さ方向中央部に対応する位置に形成されていることを特徴とする、請求項1記載の電動送風機。
  4. 前記肉逃がし凹部は、前記表ボリュート翼の長さ方向にテーパ形状をしていることを特徴とする、請求項3記載の電動送風機。
  5. 前記肉逃がし凹部が形成された部分の前記肉厚環状部の厚みは、前記円形凹面の基板の厚みとほぼ等しくなるように、前記肉逃がし凹部の深さが決められていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の電動送風機。
  6. 前記肉逃がし凹部は、複数の小孔を含むことを特徴とする、請求項1〜3および5のいずれかに記載の電動送風機。
  7. 前記肉厚環状部の外周縁は、厚み方向中央面に対して面対称に、その厚みが徐々に薄くなるように湾曲されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の電動送風機。
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