JP2009024319A - ウォータジェットルームの緯入れポンプ - Google Patents

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和也 清水
Kazunori Yoshida
一徳 吉田
Fujio Suzuki
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Abstract

【課題】ウォータジェットルームにおいて、コイルばねを用いた緯入れポンプから吐出される高圧水の圧力脈動を効果的に抑制する。
【解決手段】スプリングシート19のばね座192とスプリングキャップ20のばね座202との間にはコイルばね22、可動ばね受け23及び複数の皿ばね24が介在されている。複数の皿ばね24によって構成される副ばね25のばね定数は、コイルばね22のばね定数よりも大きくしてある。可動ばね受け23は、リング板形状の可動ばね座231と、可動ばね座231の外周に一体形成された筒部33とを備えている。筒部材としての筒部33は、スプリングキャップ20の筒部201の筒内にスライド可能に嵌入されている。筒部201の内周面203には溝34が一周するように形成されており、溝34内には粘性流体Qが充填されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、コイルばねのばね力を利用してプランジャを動かして水を緯入れノズルへ圧送するウォータジェットルームの緯入れポンプに関する。
緯入れノズルに水を圧送するウォータジェットルームの緯入れポンプとしては、例えば特許文献1に開示のプランジャポンプが一般に用いられている。この種の緯入れポンプでは、織機と同期して回転するカムを備えたカム機構とコイルばねとの協働によってプランジャがシリンダ内を往復動される。プランジャがカムの回転によってコイルばねのばね力に抗してシリンダ内を移動される場合には、水が緯入れポンプ内に吸入され、プランジャがコイルばねのばね力によってシリンダ内を移動される場合には、緯入れポンプ内の水が吐出されて緯入れノズルから噴射される水ジェットとなる。緯糸は、この水ジェットによって経糸開口内を搬送される。
ウォータジェットルームの運転にとって好ましい水噴射圧力波形は、図4(c)に実線で示す波形Goのように水噴射開始と共に滑らかに下降する波形である。しかし、コイルばねを用いた緯入れポンプでは、水噴射開始時や水噴射終了時の過渡的なコイルばねの弾性振動が生じる。あるいは特定の織機回転数では、コイルばねの固有振動と間欠的なカムの動作(水を吸入する方向へプランジャを移動させる動作)とが同期し、激しいコイルばねの振動が生じる。このようなコイルばねの振動はプランジャに伝わり、高圧水の圧力変動(圧力脈動)となる。図4(c)に鎖線で示す波形Geは、コイルばねの振動に起因する圧力波形の変動の一例である。このような圧力脈動は、水ジェットの速度を変動させ、水ジェットの速度変動は、緯糸の緯入れに支障をもたらす。
特許文献1には、コイルばねの振動を抑制するための手段が開示されている。この抑制手段は、コイルばねの端部とばね受けとの間に介在された薄板形状の制振鋼板、あるいはコイルばねに設けられた樹脂コーティングである。制振鋼板あるいは樹脂コーティングでは、これらの厚みの弾性変化を利用してコイルばねの振動を吸収しようとするものである。
実公平7−26381号公報
しかし、前記制振鋼板あるいは樹脂コーティングでは厚みの弾性変化が僅かであるために、十分な振動抑制効果を得ることはできず、高圧水の圧力脈動を十分に抑制することができない。
本発明は、コイルばねを用いたウォータジェットルームの緯入れポンプから吐出される高圧水の圧力脈動を効果的に抑制することを目的とする。
本発明は、緯入れノズルから水を噴射して緯糸を緯入れするウォータジェットルームの緯入れポンプであって、コイルばねのばね力を利用してプランジャを動かして水を前記緯入れノズルへ圧送する緯入れポンプを対象とし、請求項1の発明は、基礎ばね座と、前記コイルばねの一端に接合された可動ばね座と、前記基礎ばね座と前記可動ばね座との間に設けられた副ばねと、前記可動ばね座の移動に対して減衰力を発生させる減衰力発生手段とを備えていることを特徴とする。
制振鋼板に比べて弾性変化(コイルばねの伸縮方向における副ばねの長さ変化)が大きい副ばねは、コイルばねの振動吸収に大きく寄与する。減衰力発生手段によって発生される減衰力は、コイルばねの振動に同期してコイルばねに作用して、コイルばねの振動を減衰させる。
好適な例では、前記減衰力発生手段は、前記可動ばね座の移動に対して摩擦減衰力を発生させる摩擦減衰力発生手段である。
摩擦減衰力発生手段によって発生される摩擦減衰力は、コイルばねの振動に同期した減衰力をコイルばねに作用して、コイルばねの振動を減衰させる。摩擦減衰力発生手段によって発生される摩擦減衰力は、コイルばねの振動吸収を高めるための調整要素として利用される。
好適な例では、前記摩擦減衰力発生手段は、前記可動ばね座に設けられた第1の収容室形成部材と、前記第1の収容室形成部材との間に収容室を形成するように設けられた第2の収容室形成部材と、前記収容室内に封入された粘性流体とを備えている。
粘性流体は、耐久性に優れた摩擦減衰力発生手段の構成要素として好適である。
好適な例では、前記第1の収容室形成部材は、前記可動ばね座に連結された筒部材であり、前記第2の収容室形成部材は、前記筒部材を前記コイルばねの伸縮方向に移動可能に案内するように前記筒部材に嵌合されたガイド筒であり、前記収容室は、前記ガイド筒の内周面と前記筒部材の外周面との間に形成されている。
ガイド筒及び筒部材は、粘性流体を封入する収容室を形成する上で好適な形状の収容室形成部材である。
好適な例では、前記摩擦減衰力発生手段は、前記可動ばね座に支持された摺動部材と、前記摺動部材を前記コイルばねの伸縮方向に摺動可能に案内する摺動案内部と、前記摺動部材を前記摺動案内部に弾性力で押接する押接手段とを備えている。
可動ばね座が移動すると、摺動案内部に弾性力で押接されている摺動部材が摺動案内部に対して摺動し、コイルばねの振動が減衰される。
好適な例では、前記減衰力発生手段は、前記可動ばね座に設けられた動吸振器である。
動吸振器は、可動ばね座の移動に対して減衰力を発生させ、コイルばねの振動が減衰される。
好適な例では、前記副ばねは、副コイルばねであり、前記副コイルばねの自由長は、前記コイルばねの自由長と同等であり、前記副ばねのばね定数は、前記コイルばねのばね定数と同等である。
自由長とは、コイルばねに負荷が加えられていない状態におけるコイルばねの長さのことである。コイルばねと副コイルばねとの間にある可動ばね座の変位量は、プランジャのストロークの半分という大きさであり、コイルばねの振動減衰効果が高い。
好適な例では、前記副ばねのばね定数は、前記コイルばねのばね定数よりも大きい。
コイルばねのばね定数よりも大きいばね定数の副ばねは、コイルばねの振動吸収に大きく寄与する。
好適な例では、前記基礎ばね座は、前記緯入れポンプのポンプハウジング内へ水を吸入するように動作する前記プランジャの吸入動作方向側における前記コイルばねの端部付近にあり、前記基礎ばね座は、前記ポンプハウジングに連結して固定されている。
ポンプハウジングに連結された従来の基礎ばね座(コイルばねのばね座)を備えた筒状のスプリングキャップをガイド筒として利用することができる。
好適な例では、前記基礎ばね座は、前記緯入れポンプのポンプハウジング内の水を吐出するように動作する前記プランジャの吐出動作方向側における前記コイルばねの端部付近にあり、前記基礎ばね座は、前記プランジャに連結して固定されている。
プランジャに連結された従来の基礎ばね座(コイルばねのばね座)を備えた筒状のスプリングシートをガイド筒として利用することができる。
好適な例では、前記摩擦減衰力発生手段は、弾性体であり、前記弾性体は、前記可動ばね座の移動に伴って、前記基礎ばね座に付属する部材と前記可動ばね座と一体的に移動する部材との少なくとも一方に摺接する。
弾性体は、可動ばね座に摩擦力を作用させてコイルばねの振動を減衰させる。
本発明は、ウォータジェットルームにおいて、コイルばねを用いた緯入れポンプから吐出される高圧水の圧力脈動を効果的に抑制することができるという優れた効果を奏する。
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1(a)に示すように、緯入れノズル11には緯入れポンプ12が吐出管13を介して接続されている。緯入れポンプ12は、フロートボックス14内の水を吸入管15を介して吸い上げると共に、吐出管13へ吐出する。
図1(b)に示すように、緯入れポンプ12の筒形状のポンプハウジング16内には貯水室形成シリンダ17が固定されており、貯水室形成シリンダ17の筒内にはプランジャ18がスライド可能に収容されている。
プランジャ18にはスプリングシート19が取り付け固定されており、筒形状のポンプハウジング16の内周面にはスプリングキャップ20が螺合されている。スプリングキャップ20は、ポンプハウジング16の内周面に螺合される筒部201と、ばね座202とを備えており、スプリングキャップ20は、ロックナット21の締め付けによってポンプハウジング16に固定されている。スプリングシート19は、筒部191とばね座192とを備えている。スプリングシート19のばね座192とスプリングキャップ20のばね座202との間にはコイルばね22、可動ばね受け23及び複数の皿ばね24が介在されており、可動ばね受け23がコイルばね22の端部221に接合されている。可動ばね受け23及び基礎ばね座としてのばね座202は、緯入れポンプ12のポンプハウジング16内へ水を吸入するように動作するプランジャ18の吸入動作方向側におけるコイルばね22の端部221付近にある。
複数の皿ばね24は、可動ばね受け23と基礎ばね座であるばね座202との間に設けられた副ばね25を構成する。副ばね25のばね定数は、コイルばね22のばね定数よりも大きくしてある。
ポンプハウジング16に対するスプリングキャップ20の螺入位置を変更すると、コイルばね22のばね力が変更される。ポンプハウジング16に対するスプリングキャップ20の螺入位置を深くすれば、コイルばね22のばね力が強くなり、ポンプハウジング16に対するスプリングキャップ20の螺入位置を浅くすれば、コイルばね22のばね力が弱くなる。
ポンプハウジング16には吸入口161及び吐出口162が形成されており、吸入口161と吐出口162との間には貯水室163が形成されている。貯水室163と吸入口161との間には逆止弁31が介在されており、貯水室163と吐出口162との間には逆止弁32が介在されている。吸入口161には吸入管15が接続されており、吐出口162には吐出管13が接続されている。
図1(a)に示すように、織機駆動モータ(図示略)から回転駆動力を得る駆動軸26にはカム27が止着されている。駆動軸26と平行に配設された支軸281にはカムレバー28が回転可能に支持されている。カムレバー28は、カムフォロア282を介してカム27に接離可能である。カムレバー28は、一定の角速度で図1(a)の矢印Rの方向へ回転するカム27と、緯入れポンプ12のコイルばね22との協働によって往復揺動される。
カムレバー28には緯入れポンプ12のプランジャ18がジョイント29を介して連結されている。プランジャ18及びスプリングシート19は、カムレバー28の往復揺動によって一体的に往復動する。
図1(a)において、カムレバー28がカム27の回転力によって支軸281を中心に左回動すると、緯入れポンプ12のプランジャ18及びスプリングシート19は、コイルばね22のばね力に抗して往動〔図1(b)において右側から左側への移動〕する。スプリングシート19の往動動作は、コイルばね22を圧縮し、プランジャ18の往動動作は、フロートボックス14から吸入管15を介して貯水室163内に一定量の水を吸入する。逆止弁31が開いて貯水室163内に吸水されている間、逆止弁32が閉じており、吐出管13内の水が貯水室163側へ逆流することはない。
カムフォロア282がカム27のカム面271の最大径位置Nを越えると、カムフォロア282がカム面271から離れ、コイルばね22の復元力を受けるプランジャ18が貯水室163内の水を加圧する。貯水室163内の水が加圧されると、逆止弁31が閉じると共に、逆止弁32が開き、貯水室163内の加圧された水は、吐出管13を介して緯入れノズル11へ圧送される。緯入れノズル11へ圧送された水は、緯入れノズル11から噴射し、緯糸Yが経糸(図示略)の開口内へ緯入れされる。カム27のカム面271から離れていたカムフォロア282がカム面271もしくは別途設けた吐出水量制限用のストッパ30に当接すると、1サイクル(緯糸Yに対する緯入れ期間)の水噴射が終了する。
ストッパ30は、不動配置された雌ねじ体301と、雌ねじ体301に螺合された雄ねじ体302と、雄ねじ体302に螺着されたロックナット303とからなる。雄ねじ体302は、ロックナット303の締め付けによって雌ねじ体301に固定される。雌ねじ体301に対する雄ねじ体302の螺入位置を変更すると、カムレバー28の復動方向の最終端位置が変更される。この最終端位置を変更すれば、プランジャ18のストロークが変更され、緯入れポンプ12からの吐出水量が変更される。
図1(c)に示すように、可動ばね受け23は、リング板形状の可動ばね座231と、可動ばね座231の外周に一体形成された筒部33とを備えている。筒部材としての筒部33は、筒部201の筒内にスライド可能に嵌入されている。スプリングキャップ20の筒部201の内周面203には溝34が一周するように形成されており、スプリングキャップ20には注入口35が溝34に連通するように形成されている。注入口35は、ネジ蓋36によって閉じられており、溝34内には粘性流体Qが充填されている。粘性流体Qは、注入口35から溝34内へ注入される。筒部33の外周面331とスプリングキャップ20の内周面との間には一対のシールリング37,38が介在されている。シールリング37,38は、筒部33の外周面331と筒部201の内周面203との間からの粘性流体Qの流出を防止する。粘性流体Qとしては、例えば不乾性液状ガスケットあるいは高粘度シリコン油が用いられる。
溝34は、筒部33の外周面331と筒部201の内周面203との間に形成された収容室である。筒部33は、可動ばね座231に設けられた第1の収容室形成部材であり、筒部201は、筒部33との間に収容室を形成するように固定して設けられた第2の収容室形成部材である。筒部201は、コイルばね22の伸縮方向〔図1(b)に矢印Wで示す〕へ筒部33をスライド可能にガイドするガイド筒である。
可動ばね座231(可動ばね受け23)が移動すると、粘性流体Qと筒部33との間に摩擦が生じ、可動ばね受け23に摩擦力が作用する。筒部201、筒部33及び粘性流体Qは、可動ばね座231の移動によって減衰力を発生させる減衰力発生手段を構成する。以下においては、摩擦によって発生される減衰力を摩擦減衰力と記し、摩擦によって減衰力を発生させる減衰力発生手段を摩擦減衰力発生手段と記すことにする。
副ばね25、スプリングキャップ20の筒部201、筒部33及び粘性流体Qは、コイルばね22の振動振幅を減衰させる減衰装置39を構成する。
図2は、緯入れポンプ12の基本構成の力学モデルを示す。図2に示す力学モデルは、コイルばね22の弾性体としての特性を質量のない2つの直列ばねK1,K2で近似すると共に、コイルばね22の質量としての特性を中央に集約した質点Mで近似した1自由度・質点モデルである。なお、厳密に考えれば、コイルばね22は、無限自由度の振動特性を有するが、織機回転時には最も低次の両端拘束1次モードが卓越して現れ、2次以上の高次モードが現れたとしても、その振幅は小さいため、緯入れ上は問題となるレベルとはならない。そこで、2次以上の高次モードは無視することにする。
質点Mに繋がるダンパD1は、コイルばね22とその周囲の空気との摩擦、並びにコイルばね22の取り付け部における摩擦に相当するダンパを表している。ダンパD1の減衰係数は、極めて小さいが零ではない。
左端Zは、カム27のカムプロフィールと水噴射条件とによって決まる周期的な変位が入力される入力部(実施形態ではスプリングキャップ20)を表す。本発明において提示する減衰装置39は、副ばね25とダンパD2とで表すことができ、ダンパD2は、粘性流体Qと筒部33との間に生じる摩擦力を表す。
副ばね25のばね定数をKdとし、ダンパD2の減衰係数をCdとする。Kd,Cdのいずれもが∞である場合についての、つまり本発明で提示する減衰装置39がない従来の緯入れポンプについての共振の発生メカニズムについて説明する。
ばね系(コイルばね22を含む)の固有振動数をfとすると、カム変位が入力部Zに入力された場合には、ばね系の固有振動が励起される。固有振動数fが織機回転数のn倍(nは整数)に一致しなければ、ばね系の固有振動が増幅されることはなく、ばね系はカム変位曲線に対応して動作する。しかし、固有振動数fが織機回転数のn倍に一致する場合には、コイルばね22の動きとカム変位曲線とが同期してばね振動が増幅され、コイルばね22の激しい振動状態が持続する。ばね系にはダンパD1による僅かな減衰力しか作用しないため、コイルばね22は激しく振動し、この振動がプランジャ18に伝わって圧力脈動が引き起こされる。
Kd,Cdのいずれもが有限である場合についての、つまり本発明で提示する減衰装置39がある緯入れポンプ12においては、副ばね25は、可動ばね座231の動作振幅を制限するものである。副ばね25のばね定数Kdは、コイルばね22のばね定数Kよりも大きく設定される。粘性流体Qの粘性係数をμ、粘性流体Qに対する筒部33の接触面積をA、筒部33の外周面と溝34の底との間隙(溝34の深さ)をε〔図1(c)に図示〕とすると、減衰係数Cdは、次式(1)で与えられる。
Cd=μ×A/ε・・・(1)
減衰係数Cdは、μ,A,εを変更することによって広範囲に調整可能である。
ダンパD2の減衰係数Cdの適正値は、図3のグラフで示すばね系の周波数特性を考慮して決定される。図3のグラフにおける横軸は、周波数を表し、縦軸は、コイルばね22の振動振幅比を表す。図3のグラフは、コイルばね22と減衰装置39とを組み合わせた図2の力学モデルにおいて、減衰係数Cdを変えたときの、入力部Zへのカム変位の入力に対するコイルばね22の中央部の変位の周波数特性を示している。減衰係数Cdが極めて大きい(例えば∞)場合には、周波数特性は、曲線E1のようになり、減衰装置39が剛体として振る舞い、共振が発生する。減衰係数Cdが極めて小さい(例えば零)である場合には、周波数特性は、曲線E2のようになり、減衰装置39は単純なばねとしてしか機能せず、共振が発生する。
曲線Eoは、減衰係数Cdが適正値のときの周波数特性を表し、共振のピーク値が最小になる。減衰係数Cdの適正値は、ばね定数比Kd/Kに依存し、ばね定数比Kd/Kが小さくなるほど、減衰係数Cdの適正値も小さくなる。減衰係数Cdの適正値は、図3のグラフから予測可能であるが、実用上はモデル化誤差も含まれることから、最終的には実験によってダンパD2の形状(間隙ε、接触面積A)及び粘性流体Qの粘度を調整して最適値を選定するのが望ましい。
図4(a)のグラフに実線で示す波形G1は、減衰装置39を用いた緯入れポンプ12における水噴射圧力変動の一例を表し、鎖線で示す波形H1は、コイルばね22の歪み変動の一例を表す。この場合、副ばね25のばね定数Kdは、コイルばね22のばね定数Kの5倍に設定してあり、間隙ε=0.5mm、接触面積A=100cmとなる溝34内に粘性係数10000ポアズの粘性流体Qが封入されている。コイルばね22の歪みは、コイルばね22に歪みゲージを貼り付けて計測している。
図4(b)のグラフに実線で示す波形G2は、減衰装置39を用いない従来の緯入れポンプにおける水噴射圧力変動の一例を表し、鎖線で示す波形H2は、コイルばね22の歪み変動の一例を表す。ばね定数Kは、図4(a)の場合と同じである。
図4(a)及び図4(b)のグラフから明らかなように、減衰装置39を用いた緯入れポンプ12では、水噴射圧力脈動が小さくなっていることが分かる。
図5のグラフにおける波形J1は、減衰装置39を備えた緯入れポンプ12を用いて織機回転数を変化させた場合の水噴射圧力波形の脈動率Xを測定した結果を示し、波形J2は、減衰装置39がない従来の緯入れポンプを用いて織機回転数を変化させた場合の水噴射圧力波形の脈動率Xを測定した結果を示す。脈動率Xは、図4(c)に示す圧力変動幅ΔPと開始圧力Paとによって次式(2)で表されるように定義される。
X=0.5×ΔP/Pa・・・(2)
波形J2で示すように、従来の緯入れポンプでは、約50rpm毎に脈動率Xが増減を繰り返すが、波形J1で示すように、減衰装置39を備えた緯入れポンプ12では、脈動率Xが織機回転数の全域で従来の緯入れポンプの場合の最小の脈動率程度に収まっているという効果が認められる。この結果から分かるように、いかなる織機回転数であっても、又、コイルばね22が変更された場合であっても、常に安定した圧力脈動の少ない水噴射圧力波形を維持することができる。
副ばね25のばね定数Kdを小さくすれば、可動ばね座231の振幅が増してダンパD2(粘性流体Qによる摩擦力)の作用力が増加し、コイルばね22の振動抑制効果が大きくなる。しかし、副ばね25のサイズが増すため、ばね定数Kdを小さくし過ぎることは、緯入れポンプ12内への副ばね25の収納の面に関しては不都合である。又、可動ばね座231の振幅が増すため、ばね定数Kdを小さくし過ぎることは、耐久性・信頼性の面でも好ましくない。逆に、ばね定数Kdを大きくし過ぎると、副ばね25のサイズはコンパクトになるが、可動ばね座231の振幅が小さくなることから、ダンパD2の作用力が低下し、コイルばね22の振動抑制効果が小さくなる。
これらの事情を考慮すると、ばね定数Kdは、次式(3)を満たすように設定するのが好ましい。
3×K≦Kd≦20×K・・・(3)
第1の実施形態では以下の効果が得られる。
(1)副ばね25の弾性変化(プランジャ18の往復動方向における変化)は、従来の減衰用の制振鋼板に比べて大きく、コイルばね22のばね定数Kよりも大きいばね定数Kdの副ばね25は、コイルばね22の振動吸収に大きく寄与する。又、粘性流体Qと筒部33との間で生じる摩擦力は、可動ばね座231の往復振動、つまりコイルばね22の振動を減衰させる。その結果、コイルばね22を用いた緯入れポンプ12から吐出される高圧水の圧力脈動を抑制することができる。
(2)粘性流体Qは、長期間安定した摩擦力を発生するための摩擦減衰力発生手段を構成する要素として好適である。
(3)筒部33とスプリングキャップ20の筒部201との間に形成される環状の収容室(溝34)は、可動ばね座231に一体形成された筒部33の全周にわたって筒部33に接触する。そのため、可動ばね座231の移動によって粘性流体Qと筒部33との間に発生する摩擦力は、筒部33の全周にわたって均等に作用し、摩擦力が偏荷重となって筒部33に作用することはない。その結果、コイルばね22の振動が良好に緩和される。互いに嵌合される筒部33と筒部201とは、粘性流体Qを封入する収容室を形成する上で好適な形状の収容室形成部材である。
(4)筒部201は、スプリングキャップ20の一部であり、ポンプハウジング16に螺合して連結された従来のスプリングキャップ20が筒部33をガイドするガイド筒として利用される。そのため、筒部33をガイドするための専用のガイド筒が不要である。
(5)皿ばね24は、コイルばね22のばね定数よりも大きなばね定数を得るコンパクトな副ばねとして好適である。
次に、図6の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
スプリングキャップ20のばね座202とコイルばね22の一端との間にはリング板形状の可動ばね座40及び複数の皿ばね24が介在されており、可動ばね座40には筒41が連結して固定されている。筒41の外径は、可動ばね座40の外径よりも僅かに小さくしてあり、筒41の外周面とスプリングキャップ20の筒部201の内周面との間には隙間ができている。この隙間には、隙間から垂れ落ちることのないクリーム状の粘性流体Qが入れられている。可動ばね座40が移動すると、粘性流体Qと筒41との間に摩擦が生じ、摩擦力が可動ばね座40及びコイルばね22に作用する。スプリングキャップ20の筒部201は、コイルばね22の伸縮方向〔矢印Wで示す方向〕に筒41をガイドし、筒41は、粘性流体Qを収容するための収容室(前記隙間)を筒部201との間に形成する。
筒部201、筒41及び粘性流体Qは、可動ばね座40の移動によって摩擦減衰力を発生させる摩擦減衰力発生手段を構成する。複数の皿ばね24は、副ばね25を構成し、副ばね25、スプリングキャップ20の筒部201、筒41及び粘性流体Qは、コイルばね22の振動振幅を減衰させる減衰装置39Aを構成する。
スプリングシート19のばね座192とコイルばね22の他端との間には可動ばね座42及び複数の皿ばね43が介在されている。可動ばね座42には筒44が連結して固定されており、可動ばね座42は、コイルばね22の端部222に接合している。筒44の内径は、スプリングシート19の外径よりも僅かに大きくしてあり、筒44の内周面とスプリングシート19の筒部191の外周面との間には隙間ができている。この隙間には粘性流体Qが入れられている。可動ばね座42がスプリングシート19の筒部191対して相対移動すると、粘性流体Qと筒44との間に摩擦が生じ、摩擦力が可動ばね座42及びコイルばね22に作用する。スプリングシート19の筒部191は、コイルばね22の伸縮方向〔矢印Wで示す方向〕に筒44をガイドし、筒44は、粘性流体Qを収容するための収容室(前記隙間)を筒部191との間に形成する。
筒部191、筒44及び粘性流体Qは、可動ばね座42の移動によって摩擦減衰力を発生させる摩擦減衰力発生手段を構成する。複数の皿ばね43は、副ばね45を構成し、副ばね45、スプリングシート19の筒部191、筒44及び粘性流体Qは、コイルばね22の振動振幅を減衰させる減衰装置39Bを構成する。基礎ばね座としてのばね座192及び可動ばね座42は、ポンプハウジング16内の水を吐出するように動作するプランジャ18の吐出動作方向側におけるコイルばね22の端部222付近にある。
第2の実施形態では、第1の実施形態における(1)〜(3),(5)項と同様の効果が得られる。又、第2の実施形態では以下の効果が得られる。
(6)筒44とスプリングシート19の筒部191との間に形成される隙間(環状の収容室)は、可動ばね座42に設けられた筒44の全周にわたって筒44に接触する。そのため、可動ばね座42の移動によって粘性流体Qと筒44との間に発生する摩擦力は、筒44の全周にわたって均等に作用し、摩擦力が偏荷重となって筒44に作用することはない。その結果、コイルばね22の振動が良好に緩和される。互いに嵌合される筒44と筒部191とは、粘性流体Qを封入する収容室を形成する上で好適な形状の収容室形成部材である。
(7)筒部191は、スプリングシート19の一部であり、プランジャ18に連結して固定された従来のスプリングシート19が筒44をガイドするガイド筒として利用される。そのため、筒44をガイドするための専用のガイド筒が不要である。
(8)コイルばね22の一端側に減衰装置39Aを設けると共に、他端側に減衰装置39Bを設けた構成では、第1の実施形態に比べて部品点数が増える。しかし、副ばね25及び副ばね45の弾性変形量を第1の実施形態に比べて小さくすることができ、又、コイルばね22の振動を減衰させるためのエネルギーを減衰装置39Aと減衰装置39Bとに分散させることができる。そのため、副ばね25,45の歪みを小さくすることができる。コイルばね22の両端側のそれぞれに減衰装置を設けた構成は、副ばね25,45の疲労強度の面で好ましい。
又、コイルばね22の両端側のそれぞれに減衰装置を設けた構成では、コイルばね22の両端側のいずれかのみに減衰装置を設けた構成に比べて、粘性流体Qの剪断速度及び剪断に伴う発熱が低減されるため、粘性流体Qの寿命が増す。
次に、図7の第3の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
スプリングキャップ20Aは、筒部201と、筒部201に連結して固定されたばね受け部材46とを備えている。ばね受け部材46は、基礎ばね座としてのばね座461と筒部462とを備えており、筒部462の筒内には可動ばね受け47が収容されている。可動ばね受け47は、リング板形状の可動ばね座471と、可動ばね座471の内周側に一体形成された筒部472と、可動ばね座471の外周側に一体形成された筒部473とを備えている。筒部472は、ばね座461を貫通しており、筒部472とばね座461との間にはシールリング49が介在されている。筒部473とばね受け部材46の筒部462との間には弾性体であるゴム製のシールリング50が介在されている。シールリング49,50は、ばね座461と可動ばね受け47とにより囲まれた領域を密封しており、この密封領域には粘性流体が充填されている。
ばね受け部材46のばね座461と可動ばね受け47の可動ばね座471との間には複数対の皿ばね48A,48Bが介在されている。対の皿ばね48A,48Bは、密着するように重ね合わせられている。皿ばね48A,48Bは、基礎ばね座であるばね座461と可動ばね受け47の可動ばね座471との間に設けられた副ばね51を構成する。副ばね51のばね定数は、コイルばね22のばね定数よりも大きくしてある。
可動ばね受け47がコイルばね22の伸縮方向へ移動するに伴い、弾性体としてのシールリング50は、ばね受け部材46の筒部462に摺接する。この摺接作用により、摩擦力が可動ばね受け47に作用し、コイルばね22の振動が減衰される。又、コイルばね22が振動すると、対の皿ばね48A,48Bの密着部分が弾性変形のために相対運動し、粘性流体の粘性作用によって流体摩擦が生じ、加えて皿ばね48A,48B周囲の粘性流体の攪拌、ならびに皿ばね48A,48B間の軸方向隙間の増減の際に生じるスクイーズ効果によっても、ダンパ効果が得られる。
その結果、コイルばね22を用いた緯入れポンプ12から吐出される高圧水の圧力脈動が抑制される。
次に、図8(a),(b)の第4の実施形態を説明する。第2の実施形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
図8(a)に示すように、スプリングキャップ20内にはコイルばね22A及び副コイルばね22Bが直列に収容されており、コイルばね22Aと副コイルばね22Bとの間には可動ばね受け52が介在されている。コイルばね22Aは、プランジャ18の吸入動作方向へ可動ばね受け52を付勢し、副コイルばね22Bは、プランジャ18の吐出動作方向へ可動ばね受け52を付勢する。つまり、コイルばね22Aのばね力と副コイルばね22Bのばね力とは、可動ばね受け52を介して対抗している。
副コイルばね22Bの自由長は、コイルばね22Aの自由長と同等であり、副コイルばね22Bのばね定数は、コイルばね22Aのばね定数と同等である。コイルばね22A及び副コイルばね22Bの自由長は、第2の実施形態におけるコイルばね22の自由長の半分であり、コイルばね22A及び副コイルばね22Bの素線径は、第2の実施形態におけるコイルばね22の素線径と同等である。つまり、コイルばね22A及び副コイルばね22Bは、第2の実施形態におけるコイルばね22を2等分割した一対のコイルばねと同等である。
図8(b)に示すように、可動ばね受け52は、リング板形状の可動ばね座521と、可動ばね座521の外周に一体形成された筒部522とを備えている。筒部522は、スプリングキャップ20の筒部201内にスライド可能に嵌入されている。
筒部522の外径は、筒部201の内径よりも僅かに小さくしてあり、筒部522の外周面とスプリングキャップ20の筒部201の内周面との間には隙間ができている。この隙間には、隙間から垂れ落ちることのないクリーム状の粘性流体Qが入れられている。可動ばね受け52(可動ばね座521)が移動すると、粘性流体Qと筒部522との間に摩擦が生じ、摩擦力が可動ばね座521、コイルばね22A及び副コイルばね22Bに作用する。スプリングキャップ20の筒部201は、コイルばね22A及び副コイルばね22Bの伸縮方向〔矢印Wで示す方向〕に可動ばね受け52(可動ばね座521)をガイドし、筒部522は、粘性流体Qを収容するための収容室(前記隙間)を筒部201との間に形成する。
可動ばね受け52(可動ばね座521)が移動すると粘性流体Qと筒部201との間で摩擦が生じ、コイルばね22A及び副コイルばね22Bの振動が減衰される。筒部201、筒部522及び粘性流体Qは、可動ばね受け52(可動ばね座521)の移動によって摩擦減衰力を発生させる摩擦減衰力発生手段を構成する。
第4の実施形態では、第1の実施形態における(2)項〜(4)項と同様の効果が得られる上に、以下の効果が得られる。
(9)可動ばね座521は、自由長が同等であるコイルばね22Aと副コイルばね22Bとの間にあるため、プランジャ18の1ストローク分の変位に対する可動ばね座521の変位量(最大変位量)は、プランジャ18のストロークの半分となる。可動ばね座521の最大変位量が大きいほど、コイルばね22A及び副コイルばね22Bの振動減衰効果は高くなる。可動ばね座521の最大変位量は、第1の実施形態における可動ばね座231の最大変位量よりも大きい。そのため、本実施形態におけるコイルばね(コイルばね22A及び副コイルばね22B)の振動減衰効果は、第1の実施形態の場合よりも大幅に高くなる。
(10)スプリングキャップ20の筒内に共振周波数の異なる一対のコイルばねを並列に収容しても振動減衰効果を得ることができるが、スプリングキャップ20の拡径化を回避するには一対のコイルばねの素線径を従来の単一のコイルばねの素線径よりも小さくする必要がある。そうすると、並列に設けられた一対のコイルばねの合成ばね定数は、従来の単一のコイルばねのばね定数よりも小さくなってしまう。これは、緯入れポンプの吐出特性を変えてしまい、図4(c)に示すような望ましい水噴射圧力波形に近い水噴射圧力波形を得ることができなくなる。
自由長が同等、且つばね定数が同等であるコイルばね22Aと副コイルばね22Bとを直列に設けた本実施形態では、コイルばね22A及び副コイルばね22Bの合成ばね定数は、第1の実施形態におけるコイルばね22のばね定数と同等となる。そのため、本実施形態では、図4(c)に示すような望ましい水噴射圧力波形に近い水噴射圧力波形を得ることができる。
次に、図9(a),(b)の第5の実施形態を説明する。第4の実施形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
図9(a)に示すように、コイルばね22Aと副コイルばね22Bとの間には可動ばね受け53が介在されている。可動ばね受け53は、スプリングシート19の筒部191を包囲する筒座54と、筒座54の外周に一体形成されたリング板形状の一対の可動ばね座55,56と、可動ばね座55,56間に支持室571を区画する筒状部57〔図9(b)に図示〕とを備えている。コイルばね22Aは、可動ばね座55に接して可動ばね受け53をプランジャ18の吸入動作方向へ付勢し、副コイルばね22Bは、可動ばね座56に接して可動ばね受け53をプランジャ18の吐出動作方向へ付勢する。つまり、コイルばね22Aのばね力と副コイルばね22Bのばね力とは、可動ばね受け53を介して対抗している。
図9(b)に示すように、支持室571は、プランジャ18の周りに等間隔に複数(本実施形態では4つ)設けられており、各支持室571には圧縮ばね58及び摺動部材59が収容されている。圧縮ばね58は、スプリングキャップ20の筒部201の内周面203に摺動部材59を押接しており、摺動部材59は、筒部201の内周面203に接して摺動可能である。筒部201は、コイルばね22A及び副コイルばね22Bの伸縮方向に摺動可能に摺動部材59を案内する摺動案内部であり、圧縮ばね58は、摺動部材59を筒部201に弾性力で押接する押接手段である。
可動ばね受け53(可動ばね座55,56)が移動すると摺動部材59と筒部201との間で摩擦が生じ、コイルばね22A及び副コイルばね22Bの振動が減衰される。筒部201、摺動部材59及び圧縮ばね58は、可動ばね受け53(可動ばね座55,56)の移動によって摩擦減衰力を発生させる摩擦減衰力発生手段を構成する。
第5の実施形態では、第4の実施形態における(9),(10)項と同様の効果が得られる。
次に、図10(a),(b),(c)の第6の実施形態を説明する。第5の実施形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
図10(a)に示すように、コイルばね22Aと副コイルばね22Bとの間には可動ばね受け60が介在されている。可動ばね受け60は、スプリングシート19の筒部191を包囲する一対の筒座61,62と、筒座61,62の外周に連結されたリング板形状の一対の可動ばね座63,64と、可動ばね座63,64の外周縁に一体形成された筒状部65,66とを備えている。一対の筒座61,62は、同心状態に接合されていると共に、一対の筒状部65,66は、同心状態に接合されており、可動ばね受け60内には密封された室601が形成されている。
コイルばね22Aは、可動ばね座63に接して可動ばね受け60をプランジャ18の吸入動作方向へ付勢し、副コイルばね22Bは、可動ばね座64に接して可動ばね受け60をプランジャ18の吐出動作方向へ付勢する。つまり、コイルばね22Aのばね力と副コイルばね22Bのばね力とは、可動ばね受け60を介して対抗している。
室601内にはリング形状の可動リング67がプランジャ18の移動方向へ移動可能に収容されている。
図10(c)に示すように、可動リング67の一方の端面には凹部671が形成されており、可動リング67の他方の端面には凹部672が凹部671に対向するように形成されている。図10(b)に示すように、凹部671は、プランジャ18の周りに等間隔に複数(本実施形態では4つ)設けられており、凹部672は、プランジャ18の周りに等間隔に複数(本実施形態では4つ)設けられている。
図10(c)に示すように、凹部671の底と可動ばね座63との間には圧縮ばね68が介在されており、凹部672と可動ばね座64との間には圧縮ばね69が介在されている。圧縮ばね68のばね力と圧縮ばね69のばね力とは、可動リング67を介してプランジャ18の移動方向に対抗しており、可動リング67は、プランジャ18の移動方向(コイルばね22A及び副コイルばね22Bの振動方向)へ振動可能である。
室601には液体Sが封入されている。可動リング67には流通路673が可動リング67の一方の端面から他方の端面へと貫通するように形成されている。可動リング67が可動ばね座63と可動ばね座64との一方側から他方側へ移動すると、液体Sが前記他方側から前記一方側へ流通路673を流通する。
可動ばね受け60の移動に伴う可動リング67の慣性効果によってコイルばね22A及び副コイルばね22Bの振動が減衰される。可動リング67、圧縮ばね68,69、液体S及び流通路673は、可動ばね受け60(可動ばね座63,64)の移動によって減衰力を発生させる動吸振器70(減衰力発生手段)を構成する。
第6の実施形態では、第4の実施形態における(9),(10)項と同様の効果が得られる。
本発明では以下のような実施の形態も可能である。
○副ばねとしてゴムを用いてもよい。この場合、可動ばね受けが移動する際に該ゴムが摺接して摩擦力が生じるようにすることもできる。
○副ばねとして気体ばね(例えば空気ばね)を用いてもよい。
○第2の実施形態において、減衰装置39Aを無くして減衰装置39Bのみにしてもよい。
○第5の実施形態において、2つ、3つ又は5つ以上の摺動部材59をスプリングシート19の筒部191の周りに等間隔に設けてもよい。
○第6の実施形態において、スプリングシート19の筒部191と筒座61,62との隙間に粘性流体Qを充填してもよい。
○第4〜第6の実施形態において、副コイルばね22Bの自由長をコイルばね22Aの自由長よりも短くしてもよい。
○第4〜第6の実施形態において、副コイルばね22Bの自由長をコイルばね22Aの自由長よりも長くしてもよい。
前記した実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
〔1〕前記副ばねは、皿ばねによって構成されている請求項8に記載の緯入れポンプ。
第1の実施形態を示し、(a)は、全体図。(b)は、緯入れポンプの側断面図。(c)は、部分拡大側断面図。 力学モデルを示す模式図。 ばね系の周波数特性を示すグラフ。 (a)は、本発明の水噴射圧力の変化を示すグラフ。(b)は、従来の水噴射圧力の変化を示すグラフ。(c)は、理想的な水噴射圧力の変化を示すグラフ。 脈動率の変化を示すグラフ。 第2の実施形態を示す側断面図。 第3の実施の形態を示す部分拡大側断面図。 第4の実施形態を示し、(a)は、緯入れポンプの側断面図。(b)は、図8(a)のA−A線断面図。 第5の実施形態を示し、(a)は、緯入れポンプの側断面図。(b)は、図9(a)のB−B線断面図。 第6の実施形態を示し、(a)は、緯入れポンプの部分側断面図。(b)は、図10(a)のC−C線断面図。(c)は、部分拡大側断面図。
符号の説明
11…緯入れノズル。12…緯入れポンプ。16…ポンプハウジング。18…プランジャ。192,202,461…基礎ばね座としてのばね座。191,201,462…第2の収容室形成部材であるガイド筒としての筒部。201…摺動案内部としての筒部。203…内周面。22,22A…コイルばね。22B…副ばねとしての副コイルばね。231,40,42,471,521,55,56,63,64…可動ばね座。25,45…副ばね。33…第1の収容室形成部材である筒部材としての筒部。331…外周面。44…第1の収容室形成部材である筒部材としての筒。49,50…摩擦減衰力発生手段(減衰力発生手段)を構成する弾性体としてのシールリング。58…押接手段としての圧縮ばね。59…摺動部材。70…減衰力発生手段としての動吸振器。Q…摩擦減衰力発生手段(減衰力発生手段)を構成する粘性流体。Y…緯糸。K,Kd…ばね定数。

Claims (11)

  1. 緯入れノズルから水を噴射して緯糸を緯入れするウォータジェットルームの緯入れポンプであって、コイルばねのばね力を利用してプランジャを動かして水を前記緯入れノズルへ圧送する緯入れポンプにおいて、
    基礎ばね座と、
    前記コイルばねの一端に接合された可動ばね座と、
    前記基礎ばね座と前記可動ばね座との間に設けられた副ばねと、
    前記可動ばね座の移動に対して減衰力を発生させる減衰力発生手段とを備えたウォータジェットルームの緯入れポンプ。
  2. 前記減衰力発生手段は、前記可動ばね座の移動に対して摩擦減衰力を発生させる摩擦減衰力発生手段である請求項1に記載のウォータジェットルームの緯入れポンプ。
  3. 前記摩擦減衰力発生手段は、前記可動ばね座に設けられた第1の収容室形成部材と、前記第1の収容室形成部材との間に収容室を形成するように設けられた第2の収容室形成部材と、前記収容室内に封入された粘性流体とを備えている請求項2に記載のウォータジェットルームの緯入れポンプ。
  4. 前記第1の収容室形成部材は、前記可動ばね座に連結された筒部材であり、前記第2の収容室形成部材は、前記筒部材を前記コイルばねの伸縮方向に移動可能に案内するように前記筒部材に嵌合されたガイド筒であり、前記収容室は、前記ガイド筒の内周面と前記筒部材の外周面との間に形成されている請求項3に記載のウォータジェットルームの緯入れポンプ。
  5. 前記摩擦減衰力発生手段は、前記可動ばね座に支持された摺動部材と、前記摺動部材を前記コイルばねの伸縮方向に摺動可能に案内する摺動案内部と、前記摺動部材を前記摺動案内部に弾性力で押接する押接手段とを備えている請求項2に記載のウォータジェットルームの緯入れポンプ。
  6. 前記減衰力発生手段は、前記可動ばね座に設けられた動吸振器である請求項1に記載のウォータジェットルームの緯入れポンプ。
  7. 前記副ばねは、副コイルばねであり、前記副コイルばねの自由長は、前記コイルばねの自由長と同等であり、前記副ばねのばね定数は、前記コイルばねのばね定数と同等である請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のウォータジェットルームの緯入れポンプ。
  8. 前記副ばねのばね定数は、前記コイルばねのばね定数よりも大きい請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のウォータジェットルームの緯入れポンプ。
  9. 前記基礎ばね座は、前記緯入れポンプのポンプハウジング内へ水を吸入するように動作する前記プランジャの吸入動作方向側における前記コイルばねの端部付近にあり、前記基礎ばね座は、前記ポンプハウジングに連結して固定されている請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のウォータジェットルームの緯入れポンプ。
  10. 前記基礎ばね座は、前記緯入れポンプのポンプハウジング内の水を吐出するように動作する前記プランジャの吐出動作方向側における前記コイルばねの端部付近にあり、前記基礎ばね座は、前記プランジャに連結して固定されている請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のウォータジェットルームの緯入れポンプ。
  11. 前記摩擦減衰力発生手段は、弾性体であり、前記弾性体は、前記可動ばね座の移動に伴って、前記基礎ばね座と前記可動ばね座との少なくとも一方に摺接する請求項2に記載のウォータジェットルームの緯入れポンプ。
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