JP2009024103A - 硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハロゲン・リン系難燃剤を使用しない硬質ポリウレタンフォームポリオール組成物及びこれを使用した硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
【解決手段】ポリオール化合物、発泡剤、整泡剤、及び触媒を含有し、ポリイソシアネート化合物を含むイソシアネート成分と混合して発泡硬化させて硬質ポリウレタンフォームを形成する硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物であって、ポリオール化合物が、第3級アミノ基を含有するポリオール化合物を含むものであり、発泡剤が1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、及び水を含むものであり、添加剤として酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテルを含み、ポリオール化合物100重量部に対して、添加剤を10〜20重量部含むものであり、触媒が、アミン触媒及び4級アンモニウム塩触媒を含むことを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
【選択図】なし
【解決手段】ポリオール化合物、発泡剤、整泡剤、及び触媒を含有し、ポリイソシアネート化合物を含むイソシアネート成分と混合して発泡硬化させて硬質ポリウレタンフォームを形成する硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物であって、ポリオール化合物が、第3級アミノ基を含有するポリオール化合物を含むものであり、発泡剤が1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、及び水を含むものであり、添加剤として酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテルを含み、ポリオール化合物100重量部に対して、添加剤を10〜20重量部含むものであり、触媒が、アミン触媒及び4級アンモニウム塩触媒を含むことを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、添加剤として酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテルを含み、ハロゲン・リン系難燃剤を使用しない硬質ポリウレタンフォームポリオール組成物及び前記ポリオール組成物を使用した硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
従来、建築物、冷凍・冷蔵庫、保温・加熱装置、冷暖房室等の内外装材には、軽量で断熱性に優れた硬質ポリウレタンフォーム(ヌレートフォーム)成形体の両面に不燃性ボードを備えた不燃性パネルが使用されている。
硬質ポリウレタンフォーム(ヌレートフォーム)において、不燃性を向上させるためには、耐熱温度の高いイソシアヌレート環を効率よく生成させる必要がある。イソシアヌレート環を効率よく生成するためには、撹拌効率を向上させ、反応系全体における反応効率の向上が考えられる。
特許文献1には、ポリオール成分とイソシアネート成分を反応させたポリウレタンフォームについて、反応により生成するイソシアヌレート環及び、反応に関与しないベンゼン環の赤外吸収スペクトルを分析し、不燃性の高いポリウレタンフォームからなるパネルについて開示している。
また、上述のように、撹拌効率を上げるためには、低粘度のハロゲンやリン系難燃剤を使用し、不燃性を確保する方法が挙げられる。しかし、これらの難燃剤の使用については、規制の動きが進んでいる。
そこで、本発明の目的は、ハロゲン・リン系難燃剤を使用することなく、不燃性を有する硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することにある。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物は、少なくともポリオール化合物、発泡剤、整泡剤、及び触媒を含有し、ポリイソシアネート化合物を含むイソシアネート成分と混合して発泡硬化させて硬質ポリウレタンフォームを形成する硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物であって、前記ポリオール化合物が、第3級アミノ基を含有するポリオール化合物を含むものであり、前記発泡剤が1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、及び水を含むものであり、添加剤として酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテルを含み、前記ポリオール化合物100重量部に対して、前記添加剤を8〜20重量部含むものであり、前記触媒が、アミン触媒及び4級アンモニウム塩触媒を含むことを特徴とする。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物と、イソシアネート成分と混合して発泡硬化させて得られる硬質ポリウレタンフォーム(ヌレートフォーム)は、ハロゲン・リン系難燃剤を使用していないにも拘らず、不燃性を得ることができ、有効である。なお、不燃性とは、JIS 1321のコーンカロリー耐燃焼試験の基準に基づくものである。
さらに、本発明の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物は、前記イソシアネート成分と前記ポリオール組成物とを混合して発泡硬化させて得られる硬質ポリウレタンフォームをフーリエ変換赤外分光(FT-IR)分析した際に、前記硬質ポリウレタンフォームにおけるイソシアネート基の吸収ピーク高さAと、ベンゼン環の吸収ピーク高さBの吸収ピーク比(A/B)が5以下であることが好ましい。前記硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を用いた硬質ポリウレタンフォームは、不燃性に寄与するイソシアヌレート環を効率よく生成され、有効である。
本発明は、イソシアネート成分とポリオール組成物とを混合して発泡、硬化させて硬質ポリウレタンフォームとする硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、ポリオール組成物として前記硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を使用することが好ましい。前記製造方法を用いることにより、ハロゲン・リン系難燃剤を使用することなく、不燃性を有する硬質ポリウレタンフォームを製造することができ、有効である。
本発明の硬質ポリウレタン用ポリオール組成物は、少なくともポリオール化合物、発泡剤、整泡剤、及び触媒を含有する。ポリオール化合物は第3級アミノ基含有ポリオール化合物を含有する。前記第3級アミノ基を含有するポリオール化合物を使用することにより、発泡剤として使用するHFC−245faとの相溶性が、他のポリオール化合物よりも優れ、硬質ポリウレタンフォームの製造における作業性の向上を図ることができる。また、ポリオール組成物の反応活性が高くなり、得られる硬質ポリウレタンフォームの気泡の均一性を向上させることができ、有効である。
第3級アミノ基含有ポリオール化合物としては、第1級ないしは第2級アミンを開始剤としてアルキレンオキサイド、具体的にはプロピレンオキサイド(PO)、エチレンオキサイド(EO)、スチレンオキサイド(SO)、テトラヒドロフラン等の1種以上を開環付加重合させて得られる多官能性のポリオール化合物である。
第3級アミノ基含有ポリオール化合物の開始剤である第1級ないしは第2級アミン開始剤としては、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン等の脂肪族第1級ないし第2級モノアミン類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン等の脂肪族第1級ないし第2級ポリアミン類、アニリン、ジフェニルアミン、トルエンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、N−メチルアニリン等の芳香族第1級ないし第2級モノないしポリアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類が例示される。
更に、本発明においては、上記第3級アミノ基含有ポリオール化合物に加えて、公知の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール化合物を限定なく使用できる。係るポリオール化合物としては、脂肪族ポリオール、芳香族ポリオール等が例示できる。
脂肪族ポリオールとしては、ポリオール開始剤として脂肪族ないし脂環族多官能性活性水素化合物にアルキレンオキサイド、具体的にはプロピレンオキサイド(PO)、エチレンオキサイド(EO)、スチレンオキサイド(SO)、テトラヒドロフラン等の環状エーテルの1種以上を開環付加重合させて得られる多官能性のオリゴマーである。
脂肪族ポリオールのポリオール開始剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオール類、ペンタエリスリトール等の4官能アルコール類、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコール類、水等が例示される。
芳香族ポリオールとしては、分子内に芳香環を有する多官能性の活性水素化合物に上述のアルキレンオキサイドを付加する方法により得られるポリオール化合物、芳香族ポリカルボン酸と多価アルコールのエステルであるポリオール化合物等が例示される。
多官能性の活性水素化合物に上述のアルキレンオキサイドを付加して得られるポリオール化合物としては、ヒドロキノン、ビスフェノールA等にPO,EO,SOの少なくとも1種を開環付加した化合物が具体的に例示される。
芳香族ポリカルボン酸と多価アルコールのエステルとしては、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸等とエチレングリコール、ジエチレングリコール等との水酸基末端のエステルポリオールが具体的に例示される。
上記ポリオール化合物は、水酸基価が150〜600mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは、水酸基価が200〜500mgKOH/gである。これらのポリオール化合物の中でも、第3級アミノ基含有ポリオール化合物を使用すると、ポリオール組成物の粘度を低下させる効果が得られ、これによりポリオール組成物とイソシアネート成分との混合・撹拌の効率を向上させることができる。更に、不燃性に寄与するイソシアヌレート環の生成を促進することができ、有効である。
本発明は、発泡剤として、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、及び水を含むものである。HFC−245faを使用することにより、高い断熱性能を得ることができる。また、HFC−245faを含むことにより、発泡剤組成物中の水の割合が低くなり、水とイソシアネート成分中のイソシアネート基との反応が生じにくく、効率よくイソシアヌレート環を形成することができる。また、水と併用することにより、発泡剤であるHFC−245faの蒸気圧を低下させることができ、有効である。
前記HFC−245fa及び水との混合割合(重量比)としては、HFC−245fa/水=95/5〜80/20(重量比)であることが好ましく、より好ましくは、93/7〜90/10(重量比)である。95/5未満であると、水が少ないため、発泡剤であるHFC−245faの蒸気圧を低下させることができず、一定の発泡状態の硬質ポリウレタンフォームを得ることができない。一方、80/20を越えると、水を多く含むことになり、断熱性能が低下する。更に、水とイソシアネート成分中のイソシアネート基との反応が生じやすくなり、イソシアヌレート環の形成が阻害され、好ましくない。
更に、発泡剤として1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)を使用することができる。HFC−365mfcはHFC−245faとの相溶性がよく、HFC−245faよりも高沸点(40.2℃)の化合物であるため、これらを併用することにより、発泡特性や得られる硬質ポリウレタンフォームの物理特性、断熱性等を維持したまま、さらにHFC−245faの蒸気圧を抑制することができ、有効である。
HFC−245fa/HFC−365mfcの重量比は60/40〜97/3が好ましく、より好ましくは75/5〜85/5である。重量比が60/40未満の場合には、HFC−365mfcの含有率が高くなるため、引火点が低下し、ポリオール組成物が危険物第4類の中でも、引火性の高い石油類に認定される恐れが生じる。一方、97/3を越えると、HFC−365mfcの使用によるHFC−245faの蒸気圧の抑制効果を期待できない。
上記硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物の発泡剤として、更に四フッ化メトキシエタン(HFE−254pc)等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明において使用される添加剤は、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル(以下、CAcと略す。)である。CAcをポリオール化合物に対して所定量配合することにより、CAc自体が燃焼するにも拘らず、ハロゲン・リン系難燃剤を使用することなく、得られる硬質ポリウレタンフォームにおいて、不燃性等の特性を得ることができ、有効である。また、CAcは、蒸気圧低下剤として用いることができるため、発泡剤として使用する沸点の低いHFC−245faなどを使用する場合に、その蒸気圧を低下させることができ、耐発火性を向上させることができ、有効である。
本発明においては、前記ポリオール化合物100重量部に対して、CAcを8〜20重量部含むものであり、好ましくは10〜18重量部、より好ましくは10〜15重量部である。CAcが8重量部未満であると理由は明らかではないが、未反応のイソシアネート成分が多く残存し、イソシアヌレート環の生成が少なくなり、不燃性が得られなくなるものと考えられる。一方、20重量部を超えると、CAcが多すぎるためCAc自体が燃焼に関与し、不燃性が得られなくなるため、好ましくない。
本発明のポリオール組成物においては、触媒として、アミン触媒および4級アンモニウム塩触媒が併用して用いられる。
アミン触媒としては、たとえば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンやN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン(カオライザーNo.1)、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン(カオライザーNo.3)等のN−アルキルポリアルキレンポリアミン類、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(ポリキャット−8)、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等の第3級アミン類などをあげることができる。これらのアミン触媒は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
第4級アンモニウム塩触媒としては、たとえば、N−(2−ヒドロキシプロピル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウム・オクチル酸塩、N−ヒドロキシアルキル−N,N,N−トリアルキルアンモニウム塩の他、特開平9−104734号公報に開示された第4級アンモニウム塩触媒等をあげることができる。また、市販品としては、たとえば、カオライザー420(花王社製)などが使用可能である。これらの第4級アンモニウム塩触媒は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
本発明においては、上記ポリオール化合物100重量部に対して、上記アミン触媒が0.2〜5.0重量部含まれることが好ましく、0.3〜3.0重量部含まれることがより好ましい。
本発明においては、上記ポリオール化合物100重量部に対して、上記4級アンモニウム塩触媒が0.2〜5.0重量部含まれることが好ましく、0.3〜3.0重量部含まれることがより好ましい。
さらに、本発明において、上記ポリオール組成物において、上記アミン触媒と4級アンモニウム塩触媒が1/3〜3/1の重量比で含まれることが好ましく、1/2〜2/1の重量比で含まれることがより好ましい。上記の重量比で使用することにより、反応バランスを最適なものとすることができる。
上記アミン触媒や4級アンモニウム塩触媒以外に、ポリウレタン分子の構造において不燃性向上に寄与するイソシアヌレート環(結合)を形成する触媒の使用も好ましく、例えば酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、オクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート等が例示できる。上述の第3級アミン触媒の中にもイソシアヌレート環形成反応を促進するものがある。イソシアヌレート環の生成を促進する触媒と、ウレタン結合生成を促進する触媒とを併用してもかまわない。
本発明においては、上記ポリオール化合物100重量部に対して、上記オクチル酸カリウム等のイソシアヌレート環の生成を促進する触媒が1.0〜5.0重量部含まれることが好ましく、1.5〜3.5重量部含まれることがより好ましい。
整泡剤としては、硬質ポリウレタンフォーム用の公知の整泡剤が限定なく使用可能である。整泡剤としては、通常ポリジメチルシロキサン並びにポリジメチルシロキサンとポリアルキレンオキサイドのグラフト共重合体もしくはブロック共重合体が使用できる。ポリアルキレンオキサイドとしては、平均分子量が5000〜8000のポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのランダム共重合体ないしブロック共重合体が使用できる。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物には、当業者に周知の着色剤、酸化防止剤、スコーチ防止剤等が使用可能である。
さらに、本発明の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物は、前記イソシアネート成分と前記ポリオール組成物とを混合して発泡硬化させて得られる硬質ポリウレタンフォームをフーリエ変換赤外分光(FT-IR)分析した際に、前記硬質ポリウレタンフォームにおけるイソシアネート基の吸収ピーク高さAと、ベンゼン環の吸収ピーク高さBの吸収ピーク比(A/B)が5以下であることが好ましく、より好ましくは、4以下である。吸収ピーク比(A/B)が5を超えると、ポリオール組成物とイソシアネート成分の反応が十分に進行することができず、不燃性の向上に寄与するイソシアヌレート環を効率よく生成させることができないため、好ましくない。
本発明における硬質ポリウレタンフォームの製造方法としては、従来公知の方法を使用することができ、特に限定されるものではない。
ポリオール組成物と混合、反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成するイソシアネート成分としては、ポリイソシアネート化合物を使用することができる。前記ポリイソシアネート化合物は、取扱の容易性、反応の速さ、得られる硬質ポリウレタンフォームの物理特性が優れていること、低コストであることなどから、液状MDIを使用することができる。液状MDIとしては、クルード(粗製)MDI(c−MDI)(44V−10、44V−20等(住友バイエルウレタン社製))、ウレトンイミン含有MDI(ミリオネートMTL;日本ポリウレタン工業製)等が使用できる。これらのポリイソシアネート化合物のなかでも、形成される硬質ポリウレタンフォームの機械的強度などの物理的特性が優れており、しかも低価格であるといる点で、クルード(粗製)MDIの使用が特に好ましい。
液状MDIに加えて、他のポリイソシアネート化合物を併用してもよい。かかるポリイソシアネート化合物としては、ポリウレタンの技術分野において周知のジイソシアネート化合物ないしポリイソシアネート化合物を限定なく使用することができる。
上述の硬質ポリウレタンフォームの製造方法においては、上記ポリオール組成物とイソシアネート成分との混合におけるイソシアネート基/活性水素基当量比(NCOインデックス)が2.0〜4.0であることが好ましく、より好ましくは2.5〜3.5であり、さらに好ましくは3.0〜3.5である。かかる構成により、硬質ポリウレタンフォームを構成する樹脂中にイソシアヌレート環が多く生成され、不燃性がより一層向上した硬質ポリウレタンフォームを製造することができる。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物は、スラブストックフォーム、サンドイッチパネル等の連続生産される硬質ポリウレタンフォーム、射出成形される硬質ポリウレタンフォームサンドイッチパネル、スプレーフォームなどの製造に使用可能である。
なお、硬質ポリウレタンフォームとは、重合体を形成するイソシアネート基(NCO基)がウレタン結合のみであってもよく、ウレア結合ないしイソシアヌレート結合が存在してもよく、特にイソシアヌレート結合が多く存在することが好ましい。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における物性等の評価方法は次の通りである。
<ポリウレタン組成物の原料>
表1の上段に記載した組成にてポリオール組成物を調製した。ポリウレタンフォームの製造に使用したポリウレタン組成物の内容や製造会社等は以下のとおりである。
表1の上段に記載した組成にてポリオール組成物を調製した。ポリウレタンフォームの製造に使用したポリウレタン組成物の内容や製造会社等は以下のとおりである。
・ポリオールA:芳香族ジカルボン酸エステルポリオール、水酸基価250(インビスタ社製)
・ポリオールB:トルエンジアミン系ポリオール、水酸基価450、(住化バイエルウレタン社製)
・添加剤:酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル(ダイセル化学工業社製)
・整泡剤:SF−2937F(東レ・ダウコーニング社製)
・触媒A:オクチル酸カリウム(巴工業社製)
・触媒B:4級アンモニウム塩触媒(カオーライザー 420)(花王社製)
・触媒C:アミン触媒(カオライザーNo.1)(花王社製)
・発泡剤:水、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)
・ポリオールB:トルエンジアミン系ポリオール、水酸基価450、(住化バイエルウレタン社製)
・添加剤:酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル(ダイセル化学工業社製)
・整泡剤:SF−2937F(東レ・ダウコーニング社製)
・触媒A:オクチル酸カリウム(巴工業社製)
・触媒B:4級アンモニウム塩触媒(カオーライザー 420)(花王社製)
・触媒C:アミン触媒(カオライザーNo.1)(花王社製)
・発泡剤:水、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)
<硬質ポリウレタンフォームの作製条件>
実施例及び比較例は、表1上欄に記載した配合により、硬質ポリウレタンフォームは、常法により作製した。なお、硬質ポリウレタンフォームの製造においては、ポリオール組成物とポリイソシアネート成分との混合におけるイソシアネート基/活性水素基当量比(NCOインデックス)が3.0になるように調製し、ラボ用撹拌機にて混合し、硬質ポリウレタンフォーム(ヌレートフォーム)を製造した。前記フォームの評価結果については、表1下欄に示した。なお、発泡剤組成物は、発泡剤であるHFC−245faと水に、発泡剤の蒸気圧を低下させることができる添加剤の酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル(CAc)を予め添加したものである。
実施例及び比較例は、表1上欄に記載した配合により、硬質ポリウレタンフォームは、常法により作製した。なお、硬質ポリウレタンフォームの製造においては、ポリオール組成物とポリイソシアネート成分との混合におけるイソシアネート基/活性水素基当量比(NCOインデックス)が3.0になるように調製し、ラボ用撹拌機にて混合し、硬質ポリウレタンフォーム(ヌレートフォーム)を製造した。前記フォームの評価結果については、表1下欄に示した。なお、発泡剤組成物は、発泡剤であるHFC−245faと水に、発泡剤の蒸気圧を低下させることができる添加剤の酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル(CAc)を予め添加したものである。
実施例等で作製した硬質ポリウレタンフォームの各種特性について、以下に述べるように評価した。
<吸収ピーク比(A/B)>
硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物とイソシアネート成分とを混合・反応させて、発泡後1時間の硬質ポリウレタンフォームの表面をフーリエ変換赤外分光(FT-IR)分析により、前記硬質ポリウレタンフォームにおけるイソシアネート基の吸収ピーク高さAと、ベンゼン環の吸収ピーク高さBを測定し、両者の吸収ピーク比(A/B)を算出した。上記分析により得られた吸収ピーク比(A/B)が5以下になる場合は、NCO基の未反応率が低いことを示す。なお、ポリオール組成物とイソシアネート成分の反応は、イソシアネート成分のNCO基と、ポリオール組成物のポリオール化合物の水酸基(OH基)が主として反応し、骨格となるベンゼン環は反応に関与しないため、ベンゼン環の量は変化しない。従って、ベンゼン環の吸収ピーク高さとNCO基の吸収ピーク高さの比(A/B)より、NCO基の未反応率を確認することができる。
硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物とイソシアネート成分とを混合・反応させて、発泡後1時間の硬質ポリウレタンフォームの表面をフーリエ変換赤外分光(FT-IR)分析により、前記硬質ポリウレタンフォームにおけるイソシアネート基の吸収ピーク高さAと、ベンゼン環の吸収ピーク高さBを測定し、両者の吸収ピーク比(A/B)を算出した。上記分析により得られた吸収ピーク比(A/B)が5以下になる場合は、NCO基の未反応率が低いことを示す。なお、ポリオール組成物とイソシアネート成分の反応は、イソシアネート成分のNCO基と、ポリオール組成物のポリオール化合物の水酸基(OH基)が主として反応し、骨格となるベンゼン環は反応に関与しないため、ベンゼン環の量は変化しない。従って、ベンゼン環の吸収ピーク高さとNCO基の吸収ピーク高さの比(A/B)より、NCO基の未反応率を確認することができる。
<不燃性の評価>
実施例等で作製した硬質ポリウレタンフォームを用いて、JIS 1321のコーンカロリー耐燃焼試験に準拠して試験をおこない、不燃性の評価を行った。
○:総発熱量が8MJ/m2以下、最高発熱速度が200kW/m2を超えない
△:総発熱量が8MJ/m2を超え、総発熱量が10MJ/m2以下
×:総発熱量が10MJ/m2を超える
実施例等で作製した硬質ポリウレタンフォームを用いて、JIS 1321のコーンカロリー耐燃焼試験に準拠して試験をおこない、不燃性の評価を行った。
○:総発熱量が8MJ/m2以下、最高発熱速度が200kW/m2を超えない
△:総発熱量が8MJ/m2を超え、総発熱量が10MJ/m2以下
×:総発熱量が10MJ/m2を超える
上記評価結果より、実施例においては、吸収ピーク比が低く、イソシアヌレート環の生成が十分に進行していることが確認できた。また、ハロゲン・リン系難燃剤を使用していないにも拘らず、コーンカロリー耐燃焼性試験においても、良好な結果が得られており、イソシアヌレート環の生成が十分に進行していることが確認できた。これに対して、比較例においては、添加剤(CAc)の配合量が所定範囲内にないため、コーンカロリー耐燃焼性試験の評価結果が実施例と比較して劣ることが確認された。特に添加剤(CAc)の配合量が少ない比較例1については、吸収ピーク比が高く、コーンカロリー耐燃焼性試験の結果も実施例と比較して、非常に劣ることが確認された。
Claims (3)
- 少なくともポリオール化合物、発泡剤、整泡剤、及び触媒を含有し、ポリイソシアネート化合物を含むイソシアネート成分と混合して発泡硬化させて硬質ポリウレタンフォームを形成する硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物であって、
前記ポリオール化合物が、第3級アミノ基を含有するポリオール化合物を含むものであり、
前記発泡剤が1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、及び水を含むものであり、
添加剤として酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテルを含み、
前記ポリオール化合物100重量部に対して、前記添加剤を8〜20重量部含むものであり、
前記触媒が、アミン触媒及び4級アンモニウム塩触媒を含むことを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。 - 更に、前記イソシアネート成分と前記ポリオール組成物とを混合して発泡硬化させて得られる硬質ポリウレタンフォームをフーリエ変換赤外分光分析した際に、前記硬質ポリウレタンフォームにおけるイソシアネート基の吸収ピーク高さAと、ベンゼン環の吸収ピーク高さBの吸収ピーク比(A/B)が5以下であることを特徴とする請求項1記載の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
- イソシアネート成分とポリオール組成物とを混合して発泡、硬化させて硬質ポリウレタンフォームとする硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、
ポリオール組成物として請求項1または2記載の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を使用することを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
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