JP2009023201A - 筆記具、筆記具セット - Google Patents

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勝幸 藤田
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Abstract

【課題】 筆記具によって任意の不可視状態の筆跡を形成し、該筆跡が必要な時には簡易に現出できる暗記用途や暗証用途に適した筆記具、筆記具セットを提供する。
【解決手段】 (イ)電子供与性呈色性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とから少なくともなり、無色状態から温度が上昇する過程では、温度Tに達すると発色し始め、温度Tより高い温度T以上の温度域で完全に発色状態となり、発色状態から温度が下降する過程では、温度Tに達すると消色し始め、温度Tより低い温度T以下の温度域で完全に無色状態となり、温度Tが45〜95℃の範囲にある加熱により無色から有色に色変化する可逆熱変色性組成物を着色剤として用いてなり、且つ、摩擦部材を備えてなる筆記具、前記可逆熱変色性組成物を着色剤として用いてなる筆記具と、摩擦体とからなる筆記具セット。
【選択図】 図2

Description

本発明は筆記具、筆記具セットに関する。詳細には、暗記や暗証を目的とする用途に適した筆記具、筆記具セットに関する。
従来、一般の着色剤を含むインキを収容した筆記具と、前記インキの色調と同色関係の着色透明シートからなる学習具が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記学習具は、筆記具により筆記して得られる筆跡上に着色透明シートを載置して視覚することにより筆跡が視覚されなくなる学習具であるが、筆跡は消去することができないため、不要になった筆跡が永続して残り、暗記し終えた内容が勉学の妨げになったり、別の筆跡の形成を妨げることがあった。
前記問題を解消する手段として、温度変化により有色から無色に色変化する可逆熱変色性インキを収容した筆記具と、前記インキの色調と同色関係の着色透明シートとからなる筆記具セットが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
前記筆記具セットは、筆記具により筆記して得られる筆跡上に、着色透明フィルムを載置して視覚すると、該筆跡は視覚されなくなり、しかも、筆跡は不要時に消去することができる。
しかしながら、前記筆記具はいずれも常態で筆跡が視認されるタイプであって、着色透明シートを使用しなければ筆跡を隠蔽できない。従って、着色透明シートを筆跡上に載置する手間を有する。また、暗記を行う場合は暗記する文字が見えない状態で行われることが効果的であり、予め暗記する内容が視認された状態では効果に乏しい。更に、文字を隠蔽状態とし、必要時にその文字を読み出す暗証を目的とする用途には使用できない。
特開昭57−37389号公報 特開2006−263921号公報
本発明は、常態では筆跡が視認されないため、筆跡を隠蔽する手間を省くことができ、しかも、加熱により筆跡を読み出すことができる暗記や暗証用途に適した筆記具、筆記具セットを提供するものである。
本発明は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とから少なくともなり、無色状態から温度が上昇する過程では、温度Tに達すると発色し始め、温度Tより高い温度T以上の温度域で完全に発色状態となり、発色状態から温度が下降する過程では、温度Tに達すると消色し始め、温度Tより低い温度T以下の温度域で完全に無色状態となり、温度Tが45〜95℃の範囲にある加熱により無色から有色に色変化する可逆熱変色性組成物を着色剤として用いてなり、且つ、摩擦部材を備えてなる筆記具、或いは、(イ)電子供与性呈色性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とから少なくともなり、無色状態から温度が上昇する過程では、温度Tに達すると発色し始め、温度Tより高い温度T以上の温度域で完全に発色状態となり、発色状態から温度が下降する過程では、温度Tに達すると消色し始め、温度Tより低い温度T以下の温度域で完全に無色状態となり、温度Tが45〜95℃の範囲にある加熱により無色から有色に色変化する可逆熱変色性組成物を着色剤として用いてなる筆記具と、摩擦体とからなる筆記具セットを要件とする。
本発明は、筆記具によって任意の不可視状態の筆跡を形成し、該筆跡が必要な時には簡易に現出できる暗記用途や暗証用途に適した筆記具、筆記具セットを提供できる。
前記筆記具は、加熱により無色から有色に変色可能な着色剤を用いてなる。
前記着色剤としては、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体の必須三成分を少なくとも含む加熱により発色する可逆熱変色性組成物、或いは、前記可逆熱変色性組成物をカプセル壁膜に内包したマイクロカプセル顔料が有効である。
前記可逆熱変色性組成物としては、特開平11−129623号公報、特開2001−105732号公報、特開2003−253149号公報に記載された加熱発色型の可逆熱変色性組成物が用いられる。
前記可逆熱変色性組成物の色濃度−温度曲線におけるヒステリシス特性について説明する。
図1において、縦軸に色濃度、横軸に温度が表されている。温度変化による色濃度の変化は矢印に沿って進行する。ここで、Aは完全消色状態に達する温度T(以下、完全消色温度と称す)における濃度を示す点であり、Bは消色を開始する温度T(以下、消色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Cは発色を開始する温度T(以下、発色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Dは完全に発色した状態に達する温度T(以下、完全発色温度と称す)における濃度を示す点である。
また、線分EFの長さが変色のコントラストを示す尺度であり、線分EFの中点を通る線分HGの長さがヒステリシスの程度を示す温度幅(以下、ヒステリシス幅ΔHと記す)であり、このΔH値が大きいと変色前後の各状態の保持が容易となる。
前記可逆熱変色性組成物として具体的には、完全発色温度Tを摩擦体による摩擦熱から得られる温度、即ち45〜95℃、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜80℃の範囲に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で無色から摩擦部材や摩擦体の摩擦熱で有色に変色させることができる。
本発明に適用される筆記具は、無色状態の可逆熱変色性組成物、或いは、前記可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料を着色剤として用いてなり、前記筆記具により形成された筆跡が環境温度では容易に発色しない構成であることが好ましく、従って、前述したTの温度設定は極めて重要な要件となる。
また、完全消色温度Tは完全発色温度T以上に加熱することにより可逆熱変色性組成物が発色して現出する筆跡が、温度が下降した際に保持される温度であって、完全発色温度T未満の温度域であればいずれの温度でもよいが、好ましくは式(1)で示される温度域である。
0≦T≦T−10 (1)
ここで、完全消色温度Tは冷蔵庫で冷却可能な温度、即ち0℃以上であることが実用性の観点から好ましく、また、T−10以下の温度であれば完全発色温度T以上に加熱することにより可逆熱変色性組成物が発色して現出する筆跡が、瞬時に消色することなく、十分に読み取れるだけの筆跡保持性を有する。
以下に前記(イ)、(ロ)、(ハ)の各成分について具体的に化合物を例示する。
本発明の(イ)成分、即ち電子供与性呈色性有機化合物としては、ジフェニルメタンフタリド類、フェニルインドリルフタリド類、インドリルフタリド類、ジフェニルメタンアザフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド類、フルオラン類、スチリノキノリン類、ジアザローダミンラクトン類等を挙げることができ、以下にこれらの化合物を例示する。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−〔2−エトキシ−4−(N−エチルアニリノ)フェニル〕−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,6−ジフェニルアミノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(3−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−メチルアニリノ)−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−キシリジノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−(3−メトキシ−4−ドデコキシスチリル)キノリン、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジエチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(N−エチル−N−i−アミルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−フェニル、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等を挙げることができる。
更には、蛍光性の黄色〜赤色の発色を発現させるのに有効な、ピリジン系、キナゾリン系、ビスキナゾリン系化合物等を挙げることができる。
成分(ロ)の電子受容性化合物としては、p−n−プロピルオキシフェノール、p−n−ブチルオキシフェノール、p−n−ペンチルオキシフェノール、p−n−ヘキシルオキシフェノール、p−n−ヘプチルオキシフェノール、p−n−オクチルオキシフェノール、p−n−ノニルオキシフェノール、p−n−デシルオキシフェノール、p−n−ウンデシルオキシフェノール、p−n−ドデシルオキシフェノール、p−n−トリデシルオキシフェノール、p−n−テトラデシルオキシフェノール、p−n−ペンチルデシルオキシフェノール、p−n−ヘキシルデシルオキシフェノール、p−n−ヘプチルデシルオキシフェノール、p−n−オクチルデシルオキシフェノール等のアルコキシフェノール化合物、3−ヒドロキシ安息香酸トリデシルエステル、3−ヒドロキシ安息香酸テトラデシルエステル、3−ヒドロキシ安息香酸ペンタデシルエステル、3−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステル、3−ヒドロキシ安息香酸ヘプタデシルエステル、3−ヒドロキシ安息香酸オクタデシルエステル、3−ヒドロキシ安息香酸ノナデシルエステル、3−ヒドロキシ安息香酸エイコシルエステル、3−ヒドロキシ安息香酸ヘンエイコシルエステル、3−ヒドロキシ安息香酸ドコシルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸トリデシルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸テトラデシルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸ペンタデシルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸ヘプタデシルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸オクタデシルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸ノナデシルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸エイコシルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸ヘンエイコシルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸ドコシルエステル、3,4−ジヒドロキシ安息香酸トリデシルエステル、3,4−ジヒドロキシ安息香酸テトラデシルエステル、3,4−ジヒドロキシ安息香酸ペンタデシルエステル、3,4−ジヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステル、3,4−ジヒドロキシ安息香酸ヘプタデシルエステル、3,4−ジヒドロキシ安息香酸オクタデシルエステル、3,4−ジヒドロキシ安息香酸ノナデシルエステル、3,4−ジヒドロキシ安息香酸エイコシルエステル、3,4−ジヒドロキシ安息香酸ヘンエイコシルエステル、3,4−ジヒドロキシ安息香酸ドコシルエステル、3,5−ジヒドロキシ安息香酸トリデシルエステル、3,5−ジヒドロキシ安息香酸テトラデシルエステル、3,5−ジヒドロキシ安息香酸ペンタデシルエステル、3,5−ジヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステル、3,5−ジヒドロキシ安息香酸ヘプタデシルエステル、3,5−ジヒドロキシ安息香酸オクタデシルエステル、3,5−ジヒドロキシ安息香酸ノナデシルエステル、3,5−ジヒドロキシ安息香酸エイコシルエステル、3,5−ジヒドロキシ安息香酸ヘンエイコシルエステル、3,5−ジヒドロキシ安息香酸ドコシルエステル等のヒドロキシ安息香酸エステル、没食子酸ドデシル、没食子酸トリデシル、没食子酸テトラデシル、没食子酸ペンタデシル、没食子酸ヘキサデシル、没食子酸オクタデシル、没食子酸エイコシル、没食子酸ベヘニル、等の没食子酸エステルを例示できる。
前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体の(ハ)成分について説明する。前記(ハ)成分としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、炭化水素類、スルフィド類、酸アミド類、ワックス類から選ばれる。
アルコール類としては、脂肪族一価の飽和アルコールとして、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、脂肪族不飽和アルコールとして、アリルアルコール、オレイルアルコール、脂環式アルコールとして、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロオクタノール、シクロドデカノール、4−tert−ブチルシクロヘキサノール、芳香族アルコールとして、4−メチルベンジルアルコール、ベンツヒドロール、多価アルコールとして、ポリエチレングリコール等を例示できる。
エステル類としては、炭素数10以上のエステル類が有効であり、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類が挙げられ、具体的にはカプリル酸エチル、カプリル酸オクチル、カプリル酸ステアリル、カプリン酸ミリスチル、カプリン酸セチル、カプリン酸ステアリル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸n−デシル、ミリスチン酸3−メチルブチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ネオペンチル、パルミチン酸ノニル、パルミチン酸シクロヘキシル、ステアリン酸n−ブチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、ステアリン酸n−ヘプチル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸ペンタデシル、ステアリン酸シクロヘキシルメチル、ベヘン酸イソプロピル、ベヘン酸ヘキシル、ベヘン酸ラウリル、安息香酸セチル、フタル酸ジミリスチル、シュウ酸ジミリスチル、シュウ酸ジセチル、マロン酸ジセチル、コハク酸ジラウリル、グルタル酸ジラウリル、アジピン酸ジウンデシル、アゼライン酸ジラウリル、セバシン酸ジ−(n−ノニル)、1,18−オクタデシルメチレンジカルボン酸ジネオペンチル、エチレングリコールジミリステート、プロピレングリコールジラウレート、1,5−ペンタンジオールジミリステート、1,4−シクロヘキサンジオールジデシル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジミリステート、キシレングリコールジカプリネート等を例示できる。
又、飽和脂肪酸と分枝脂肪族アルコールのエステル、不飽和脂肪酸又は分枝もしくは置換基を有する飽和脂肪酸と分岐状であるか又は炭素数16以上の脂肪族アルコールのエステル、酪酸セチル、酪酸ステアリル及び酪酸ベヘニルから選ばれるエステル化合物も有効である。具体的には、酪酸2−エチルヘキシル、ベヘン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−エチルヘキシル、カプリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、パルミチン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、ステアリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、カプロン酸2−メチルブチル、カプリル酸2−メチルブチル、カプリン酸2−メチルブチル、パルミチン酸1−エチルプロピル、ステアリン酸1−エチルプロピル、ベヘン酸1−エチルプロピル、ラウリン酸1−エチルヘキシル、ミリスチン酸1−エチルヘキシル、パルミチン酸1−エチルヘキシル、カプロン酸2−メチルペンチル、カプリル酸2−メチルペンチル、カプリン酸2−メチルペンチル、ラウリン酸2−メチルペンチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸2−メチルブチル、ベヘン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸1−メチルヘプチル、カプロン酸1−エチルペンチル、パルミチン酸1−エチルペンチル、ステアリン酸1−メチルプロピル、ステアリン酸1−メチルオクチル、ステアリン酸1−メチルヘキシル、ラウリン酸1,1−ジメチルプロピル、カプリン酸1−メチルペンチル、パルミチン酸2−メチルヘキシル、ステアリン酸2−メチルヘキシル、ベヘン酸2−メチルヘキシル、ラウリン酸3,7−ジメチルオクチル、ミリスチン酸3,7−ジメチルオクチル、パルミチン酸3,7−ジメチルオクチル、ステアリン酸3,7−ジメチルオクチル、ベヘン酸3,7−ジメチルオクチル、オレイン酸ステアリル、オレイン酸ベヘニル、リノール酸ステアリル、リノール酸ベヘニル等を例示できる。
炭素数9以上の奇数の脂肪族一価アルコールと炭素数が偶数の脂肪族カルボン酸から得られる脂肪酸エステル化合物、n−ペンチルアルコール又はn−ヘプチルアルコールと炭素数10乃至16の偶数の脂肪族カルボン酸より得られる総炭素数17乃至23の脂肪酸エステル化合物も有効である。具体的には、酢酸n−ペンタデシル、酪酸n−トリデシル、酪酸n−ペンタデシル、カプロン酸n−ウンデシル、カプロン酸n−トリデシル、カプロン酸n−ペンタデシル、カプリル酸n−ノニル、カプリル酸n−ウンデシル、カプリル酸n−トリデシル、カプリル酸n−ペンタデシル、カプリン酸n−ヘプチル、カプリン酸n−ノニル、カプリン酸n−ウンデシル、カプリン酸n−トリデシル、カプリン酸n−ペンタデシル、ラウリン酸n−ペンチル、ラウリン酸n−ヘプチル、ラウリン酸n−ノニル、ラウリン酸n−ウンデシル、ラウリン酸n−トリデシル、ラウリン酸n−ペンタデシル、ミリスチン酸n−ペンチル、ミリスチン酸n−ヘプチル、ミリスチン酸n−ノニル、ミリスチン酸n−ウンデシル、ミリスチン酸n−トリデシル、パルミチン酸n−ペンチル、パルミチン酸n−ヘプチル、パルミチン酸n−ノニル、パルミチン酸n−ウンデシル、パルミチン酸n−トリデシル、パルミチン酸n−ペンタデシル、ステアリン酸n−ノニル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸n−トリデシル等を例示できる。
ケトン類としては、総炭素数が10以上の脂肪族ケトン類として、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、2−ウンデカノン、3−ウンデカノン、4−ウンデカノン、5−ウンデカノン、6−ウンデカノン、2−ドデカノン、3−ドデカノン、4−ドデカノン、5−ドデカノン、2−トリデカノン、3−トリデカノン、2−テトラデカノン、2−ペンタデカノン、8−ペンタデカノン、2−ヘキサデカノン、3−ヘキサデカノン、9−ヘプタデカノン、2−ペンタデカノン、2−オクタデカノン、2−ノナデカノン、10−ノナダカノン、2−エイコサノン、11−エイコサノン、2−ヘンエイコサノン、2-ドコサノン、ラウロン、ステアロン等を例示できる。
総炭素数が12乃至24のアリールアルキルケトン類として、n−オクタデカノフェノン、n−ヘプタデカノフェノン、n−ヘキサデカノフェノン、n−ペンタデカノフェノン、n−テトラデカノフェノン、4−n−ドデカアセトフェノン、n−トリデカノフェノン、4−n−ウンデカノアセトフェノン、n−ラウロフェノン、4−n−デカノアセトフェノン、n−ウンデカノフェノン、4−n−ノニルアセトフェノン、n−デカノフェノン、4−n−オクチルアセトフェノン、n−ノナノフェノン、4−n−ヘプチルアセトフェノン、n−オクタノフェノン、4−n−ヘキシルアセトフェノン、4−n−シクロヘキシルアセトフェノン、4−tert−ブチルプロピオフェノン、n−ヘプタフェノン、4−n−ペンチルアセトフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、ベンジル−n−ブチルケトン、4−n−ブチルアセトフェノン、n−ヘキサノフェノン、4−イソブチルアセトフェノン、1−アセトナフトン、2−アセトナフトン、シクロペンチルフェニルケトン等を例示できる。
アリールアリールケトン類として、ベンゾフェノン、ベンジルフェニルケトン、ジベンジルケトン等。脂環式ケトン、例えば、シクロオクタノン、シクロドデカノン、シクロペンタデカノン、4−tert−ブチルシクロヘキサノン等を例示できる。
炭化水素類としては、鎖式炭化水素類、脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類等があり、飽和鎖式炭化水素類としては、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコンタン等を例示できる。
不飽和鎖式炭化水素類としては、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ヘンエイコセン、1−ドコセン、1−トリコセン、1−テトラコセン、1−ペンタコセン、1−ヘキサコセン、1−ヘプタコセン、1−オクタコセン、1−ノナコセン、1−トリアコンテン等を例示できる。
脂環式炭化水素類としては、シクロオクタン、シクロドデカン、n−ペンタデシルシクロヘキサン、n−オクタデシルシクロヘキサン、n−ノナデシルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン等を例示できる。
芳香族炭化水素類としては、ドデシルベンゼン、ビフェニル、エチルビフェニル、4−ベンジルベンゼン、フェニルトリルメタン、ジフェニルエタン、1,3−ジフェニルベンゼン、ジベンジルトルエン、メチルナフタレン、2,7−ジイソプロピルナフタレン、メチルテトラリン、ナフチルフェニルメタン等を例示できる。
ハロゲン化炭化水素類としては、1−ブロモデカン、1−ブロモウンデカン、1−ブロモドデカン、1−ブロモトリデカン、1−ブロモテトラデカン、1−クロロテトラデカン、1−ブロモペンタデカン、1−ブロモヘキサデカン、1−クロロヘキサデカン、1−ヨードヘキサデカン、1−ブロモヘプタデカン、1−ブロモオクタデカン、1−クロロオクタデカン、1−ヨードオクタデカン、1−ブロモエイコサン、1−クロロエイコサン、1−ブロモドコサン、1−クロロドコサン等を例示できる。
スルフィド類としては、ジ−n−オクチルスルフィド、ジ−n−ノニルスルフィド、ジ−n−デシルスルフィド、ジ−n−ドデシルスルフィド、ジ−n−テトラデシルスルフィド、ジ−n−ヘキサデシルスルフィド、ジ−n−オクタデシルスルフィド、オクチルドデシルスルフィド、ジフェニルスルフィド、ジベンジルスルフィド、ジトリルスルフィド、ジエチルフェニルスルフィド、ジナフチルスルフィド、4,4’−ジクロロ−ジフェニルスルフィド、2,4,5,4’−テトラクロロ−ジフェニルスルフィド等を例示できる。
エーテル類としては、総炭素数10以上の脂肪族エーテル類、例えば、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジデシルエーテル、ジウンデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ジトリデシルエーテル、ジテトラデシルエーテル、ジペンタデシルエーテル、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエーテル、デカンジオールジメチルエーテル、ウンデカンジオールジメチルエーテル、ドデカンジオールジメチルエーテル、トリデカンジオールジメチルエーテル、デカンジオールジエチルエーテル、ウンデカンジオールジエチルエーテル等。脂環式エーテル類として、s−トリオキサン等。芳香族エーテル類として、フェニルエーテル、ベンジルフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、ジ−p−トリルエーテル、1−メトキシナフタレン、3,4,5−トリメトキシトルエン等を例示できる。
酸アミド類としては、アセトアミド、プロピオン酸アミド、酪酸アミド、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベンズアミド、カプロン酸アニリド、カプリル酸アニリド、カプリン酸アニリド、ラウリン酸アニリド、ミリスチン酸アニリド、パルミチン酸アニリド、ステアリン酸アニリド、ベヘニン酸アニリド、オレイン酸アニリド、エルカ酸アニリド、カプロン酸N−メチルアミド、カプリル酸N−メチルアミド、カプリン酸N−メチルアミド、ラウリン酸N−メチルアミド、ミリスチン酸N−メチルアミド、パルミチン酸N−メチルアミド、ステアリン酸N−メチルアミド、ベヘン酸N−メチルアミド、オレイン酸N−メチルアミド、エルカ酸N−メチルアミド、ラウリン酸N−エチルアミド、ミリスチン酸N−エチルアミド、パルミチン酸N−エチルアミド、ステアリン酸N−エチルアミド、オレイン酸N−エチルアミド、ラウリン酸N−ブチルアミド、ミリスチン酸N−ブチルアミド、パルミチン酸N−ブチルアミド、ステアリン酸N−ブチルアミド、オレイン酸N−ブチルアミド、ラウリン酸N−オクチルアミド、ミリスチン酸N−オクチルアミド、パルミチン酸N−オクチルアミド、ステアリン酸N−オクチルアミド、オレイン酸N−オクチルアミド、ラウリン酸N−ドデシルアミド、ミリスチン酸N−ドデシルアミド、パルミチン酸N−ドデシルアミド、ステアリン酸N−ドデシルアミド、オレイン酸N−ドデシルアミド、ジラウリン酸アミド、ジミリスチン酸アミド、ジパルミチン酸アミド、ジステアリン酸アミド、ジオレイン酸アミド、トリラウリン酸アミド、トリミリスチン酸アミド、トリパルミチン酸アミド、トリステアリン酸アミド、トリオレイン酸アミド、コハク酸アミド、アジピン酸アミド、グルタル酸アミド、マロン酸アミド、アゼライン酸アミド、マレイン酸アミド、コハク酸N−メチルアミド、アジピン酸N−メチルアミド、グルタル酸N−メチルアミド、マロン酸N−メチルアミド、アゼライン酸N−メチルアミド、コハク酸N−エチルアミド、アジピン酸N−エチルアミド、グルタル酸N−エチルアミド、マロン酸N−エチルアミド、アゼライン酸N−エチルアミド、コハク酸N−ブチルアミド、アジピン酸N−ブチルアミド、グルタル酸N−ブチルアミド、マロン酸N−ブチルアミド、アジピン酸N−オクチルアミド、アジピン酸N−ドデシルアミド等を例示できる。
ワックス類としては、融点50〜120℃のパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム、酸化パラフィンワックス、酸化ペトロラクタム。セラック、サトウキビロウ、カルナバワックス、キャンデリラワックス、カスターワックス、牛脂硬化油、魚脂硬化油、菜種硬化油、モンタンロウ、パームロウ、チュウハクロウ、ハゼロウ、羊毛脂等。酸化ポリエチレンワックス、モンタン酸ワックス、エチレン酢ビ共重合ワックス、エチレンアクリル共重合ワックス、ビニールエーテルワックス、パーム油、ババス油、流動パラフィン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリスチレンオリゴマー等を例示できる。
前記可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の形態は円形断面の形態のものの適用を拒まないが、非円形断面の形態が効果的である。
筆記により形成される筆跡は、前記マイクロカプセル顔料が被筆記面に対して長径側(最大外径側)を密接させて濃密に配向、固着されており、前記筆跡をゴム等の摩擦体による摩擦による外力に対して、前記マイクロカプセル顔料は外力を緩和する形状に微妙に弾性変形し、マイクロカプセルの壁膜の破壊が抑制され、熱変色機能を損なうことなく有効に発現させることができる。
ここで、前記非円形断面形状のマイクロカプセル顔料は、最大外径の平均値が0.5〜5.0μm、好ましくは1〜4μm、より好ましくは1〜3μmの範囲にあり、且つ、可逆熱変色性組成物:壁膜=7:1〜1:1(質量比)、好ましくは6:1〜1:1の範囲を満たすことが好ましい。
前記マイクロカプセル顔料(円形断面形状のものを含む)の最大外径の平均値が5.0μmを越えると毛細間隙からの流出性の低下を生じ易く、最大外径の平均値が0.5μm未満では高濃度の発色性を示し難くなる。
可逆熱変色性組成物の壁膜に対する比率が前記範囲より大になると、壁膜の厚みが肉薄となり過ぎ、圧力や熱に対する耐性の低下を生じ易く、壁膜の可逆熱変色性組成物に対する比率が前記範囲より大になると発色時の色濃度及び鮮明性の低下を生じ易くなる。
前記可逆熱変色性組成物のマイクロカプセル化は、界面重合法、界面重縮合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与したり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
前記マイクロカプセル顔料をビヒクル中に分散してインキ組成物として用いる場合、インキ組成物全量に対し、2〜50質量%(好ましくは3〜40質量%、更に好ましくは、4〜30質量%)配合することができる。2質量%未満では発色濃度が不充分であり、50質量%を越えるとインキ流出性が低下し、筆記性が阻害される。
前記ビヒクルとしては水性ビヒクルが好ましいが、油性ビヒクルであってもよい。
具体的には、剪断減粘性付与剤を含む剪断減粘性インキや、水溶性高分子凝集剤によりマイクロカプセル顔料を緩やかな凝集状態に懸濁させた凝集性インキを挙げることができる。更には、マイクロカプセル顔料とビヒクルとの比重差を0.05以下になるよう調節したインキを挙げることができる。
前記剪断減粘性付与剤を添加することにより、マイクロカプセル顔料の凝集、沈降を抑制することができると共に、筆跡の滲みを抑制することができるため、良好な筆跡を形成できる。
更に、前記インキを充填する筆記具がボールペン形態の場合、不使用時のボールとチップの間隙からのインキ漏れを防止したり、筆記先端部を上向き(正立状態)で放置した場合のインキの逆流を防止することができる。
前記剪断減粘性付与剤としては、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類。N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を例示できる。
前記水溶性高分子凝集剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、水溶性多糖類、水溶性セルロース誘導体等を挙げることができる。水溶性多糖類として具体例にはトラガントガム、グアーガム、プルラン、サイクロデキストリンが挙げることができ、水溶性セルロース誘導体として具体例には、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等を挙げることができる。
前記インキには顔料粒子間の緩い橋架け作用を示す水溶性高分子凝集剤であればすべて適用することができるが、なかでも水溶性セルロース誘導体が最も有効に作用する。
前記高分子凝集剤は、インキ組成物全量に対し、0.05〜20質量%配合することができる。
インキ中には水と、必要により水溶性有機溶剤を添加することもできる。
前記水溶性有機溶剤としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等を挙げることができる。
また、前記インキをボールペンに充填して用いる場合は、オレイン酸等の高級脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルメチルエステル)やチオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルエチルエステル)等のチオ亜燐酸トリエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、或いは、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩等の潤滑剤を添加してボール受け座の摩耗を防止することが好ましい。
その他、必要に応じてアクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等の樹脂を添加して紙面への固着性や粘性を付与することもできる。
また、炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ノニオン系界面活性剤、還元又は非還元デンプン加水分解物、トレハロース等のオリゴ糖類、ショ糖、サイクロデキストリン、ぶどう糖、デキストリン、ソルビット、マンニット、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤、分散剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系の界面活性剤を添加してもよい。
前記インキは、マーキングペンチップやボールペンチップを筆記先端部に装着したマーキングペンやボールペン等の筆記具に充填して筆記具が得られる。
ボールペンに充填する場合、ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内に剪断減粘性インキを充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチップに連通しており、さらにインキの端面には逆流防止用の液栓が密接しているボールペンを例示できる。
前記ボールペンチップについて更に詳しく説明すると、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属又はプラスチック製チップ内部に樹脂製のボール受け座を設けたチップ、或いは、前記チップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
又、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂、ゴム等の0.3〜3.0mm、好ましくは0.4〜1.5mm、より好ましくは0.5〜1.0mm径程度のものが適用できる。
前記インキを収容するインキ収容管は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる成形体が用いられる。
前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接続部材を介して前記インキ収容管とチップを連結してもよい。
尚、前記インキ収容管はレフィルの形態として、前記レフィルを軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
前記インキ収容管に収容したインキの後端にはインキ逆流防止体が充填される。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体は、増粘剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、前記増粘剤としては表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物等を挙げることができる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
また、マーキングペンに充填する場合、マーキングペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内に繊維集束体からなるインキ吸蔵体を内蔵し、毛細間隙が形成された繊維加工体からなるペン先を直接或いは中継部材を介して軸筒に装着してなり、前記インキ吸蔵体とペン先が連結されてなるマーキングペンの前記インキ吸蔵体に凝集性インキを含浸させたマーキングペンや、ペン先の押圧により開放する弁体を介してペン先とインキ収容管とを配置し、該インキ収容管内にインキを直接収容させたマーキングペン等を例示できる。
前記ペン先は、繊維の樹脂加工体、熱溶融性繊維の融着加工体、フェルト体等の従来より汎用の気孔率が概ね30〜70%の範囲から選ばれる連通気孔の多孔質部材であり、一端を砲弾形状、長方形状、チゼル形状等の目的に応じた形状に加工して実用に供される。
前記インキ吸蔵体は、捲縮状繊維を長手方向に集束させたものであり、プラスチック筒体やフィルム等の被覆体に内在させて、気孔率が概ね40〜90%の範囲に調整して構成される。
また、前記弁体は、従来より汎用のポンピング式形態が使用できるが、筆圧により押圧開放可能なバネ圧に設定したものが好適である。
更に、前記ボールペンやマーキングペンの形態は前述したものに限らず、相異なる形態のペン先を装着させたり、相異なる色調のインキを導出させるペン先を装着させた複合筆記具(両頭式やペン先繰り出し式等)であってもよい。
また、別の形態の筆記具としては、前記可逆熱変色性組成物、或いは、可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料を着色剤として用いたクレヨン、鉛芯やシャープペンシル芯を収容した鉛筆やシャープペンシルが挙げられる。
前記筆記具を用いて被筆記面に筆記して得られる無色の筆跡は、筆記具に設けた摩擦部材や、筆記具とは別の摩擦体の適用により無色状態から有色状態に変色させることができる。
前記摩擦部材や摩擦体としては、弾性感に富み、摩擦時に適度な摩擦を生じて摩擦熱を発生させることのできるエラストマー、プラスチック発泡体等の弾性体が好適であるが、プラスチック成形体、石材、木材、金属、布帛であってもよい。
前記摩擦部材や摩擦体の材質としては、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体)等が挙げられる。
前記摩擦部材は筆記具に固着させることにより、携帯性に優れたものとなる。
前記摩擦部材を固着する箇所は、キャップ先端部(頂部)、或いは、軸筒先端部(筆記先端部を設けていない部分)等を挙げることができる。
前記摩擦体は、筆記具と組み合わせて筆記具セットが得られる。
本発明の筆記具は、筆記具と筆記具に装着された摩擦部材とから構成され、筆記具セットは、筆記具と別体の摩擦体とから構成されるものであり、具体的な使用方法としては、筆記具を用いて紙面に所望の内容の文字(無色)を筆記し、再度、内容を知りたい時は摩擦部材或いは摩擦体を用いて筆記箇所を摩擦することにより筆跡を発色させて現出させることができる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の部は質量部である。
実施例1(図2参照)
筆記具の作製
(イ)成分として4,5,6,7−テトラクロロ−3−[4−(ジエチルアミノ)−2−エトキシフェニル]−3−(1−エチル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−1(3H)−イソベンゾフラノン1.0部、(ロ)成分として、没食子酸ステアリル8.0部、(ハ)成分として、ラウリルアルコール10.0部、ステアリン酸ヘプチル15.0部、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール3.0部からなる加熱発色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:12℃、T:22℃、T:36℃、T:50℃、ΔH:26℃、平均粒子径:3.0μm、可逆熱変色性組成物:壁膜=2.6:1.0、青色から無色に色変化する)25.0部、増粘剤0.2部、湿潤剤13.0部、浸透性付与剤0.03部、消泡剤0.15部、防腐剤0.1部、潤滑剤0.5部、水61.02部からなる可逆熱変色性インキを調製した。
前記インキ4をポリプロピレン製パイプ(インキ収容管21)に吸引充填し、樹脂製ホルダー22を介してボールペンチップ3と連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、インキ逆流防止体5(液栓)を充填し、尾栓23をパイプの後部に嵌合させてレフィル2とした。更に、前記レフィル2を軸筒6(先軸筒と後軸筒とからなる)内に組み込み、キャップ7を嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なって筆記具1(可逆熱変色性ボールペン)を得た。
なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.5mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
また、後軸筒端部には、摩擦部材8として凸曲面状頂部を有するSEBS樹脂部材が装着されている。
前記筆記具を用いて、問題文と回答記入欄(回答の記載する枠)が印刷された印刷物の回答記入欄に問題文の答えを筆記した。
前記回答記入欄に形成された筆跡は、25℃の室温下では視認されず、回答を知りたい時は、筆記具に設けた摩擦部材を用いて回答記入欄を摩擦すると、摩擦熱により筆跡が無色から青色になって筆跡が視認され、答えを知ることができた。
前記筆跡は22℃迄保持されており、12℃未満になると消色して視認されなくなった。
前記様相変化は繰り返し行なうことができた。
実施例2
可逆熱変色性インキの調製
(イ)成分として2−(2−クロロアミノ)−6−ジブチルアミノフルオラン4.5部、(ロ)成分として、没食子酸ステアリル8.0部、(ハ)成分として、ラウリルアルコール10.0部、ステアリン酸ヘプチル15.0部、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール3.0部からなる加熱発色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:16℃、T:22℃、T:36℃、T:50℃、ΔH:24℃、平均粒子径:3.0μm、可逆熱変色性組成物:壁膜=2.6:1.0、黒色から無色に色変化する)25.0部、増粘剤0.2部、湿潤剤13.0部、浸透性付与剤0.03部、消泡剤0.15部、防腐剤0.1部、潤滑剤0.5部、水61.02部からなる可逆熱変色性インキを調製した。
前記インキをポリプロピレン製パイプ(インキ収容管)に吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、インキ逆流防止体(液栓)を充填し、尾栓をパイプの後部に嵌合させてレフィルとした。更に、前記レフィルを軸筒(先軸筒と後軸筒とからなる)内に組み込み、キャップを嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なって筆記具(可逆熱変色性ボールペン)を得た。
なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.5mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
また、後軸筒端部には、摩擦部材として凸曲面状頂部を有するSEBS樹脂部材が装着されている。
前記筆記具を用いて、問題文と回答記入欄(回答の記載する枠)が印刷された印刷物の回答記入欄に問題文の答えを筆記した。
前記回答記入欄に形成された筆跡は、25℃の室温下では視認されず、回答を知りたい時は、筆記具に設けた摩擦部材を用いて回答記入欄を摩擦すると、摩擦熱により筆跡が無色から青色になって筆跡が視認され、答えを知ることができた。
前記筆跡は22℃迄保持されており、16℃未満になると消色して視認されなくなった。
前記様相変化は繰り返し行なうことができた。
実施例3
筆記具の作製
(イ)成分として2−(ジブチルアミノ)−8−(ジペンチルアミノ)−4−メチル−スピロ[5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−g]ピリミジン−5,1‘(3’H)−イソベンゾフラン]−3−オン1.0部、(ロ)成分として、没食子酸ステアリル8.0部、(ハ)成分として、ラウリルアルコール10.0部、ステアリン酸ヘプチル15.0部、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール3.0部からなる加熱発色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:16℃、T:23℃、T:36℃、T:50℃、ΔH:23.5℃、平均粒子径:3.0μm、可逆熱変色性組成物:壁膜=2.6:1.0、ピンク色から無色に色変化する)25.0部、増粘剤0.2部、湿潤剤13.0部、浸透性付与剤0.03部、消泡剤0.15部、防腐剤0.1部、潤滑剤0.5部、水61.02部からなる可逆熱変色性インキを調製した。
前記インキをポリプロピレン製パイプ(インキ収容管)に吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、インキ逆流防止体(液栓)を充填し、尾栓をパイプの後部に嵌合させてレフィルとした。更に、前記レフィルを軸筒(先軸筒と後軸筒とからなる)内に組み込み、キャップを嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なって筆記具(可逆熱変色性ボールペン)を得た。
なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.5mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
また、後軸筒端部には、摩擦部材として凸曲面状頂部を有するSEBS樹脂部材が装着されている。
前記筆記具を用いて、問題文と回答記入欄(回答の記載する枠)が印刷された印刷物の回答記入欄に問題文の答えを筆記した。
前記回答記入欄に形成された筆跡は、25℃の室温下では視認されず、回答を知りたい時は、筆記具に設けた摩擦部材を用いて回答記入欄を摩擦すると、摩擦熱により筆跡が無色からピンク色になって筆跡が視認され、答えを知ることができた。
前記筆跡は23℃迄保持されており、16℃未満になると消色して視認されなくなった。
前記様相変化は繰り返し行なうことができた。
実施例4
筆記具の作製
(イ)成分として4,5,6,7−テトラクロロ−3−[4−(ジエチルアミノ)−2−エトキシフェニル]−3−(1−エチル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−1(3H)−イソベンゾフラノン1.0部、(ロ)成分として、没食子酸ラウリル8.0部、(ハ)成分として、ラウリルアルコール10.0部、ステアリン酸ヘプチル15.0部、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール3.0部からなる加熱発色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:10℃、T:20℃、T:30℃、T:42℃、ΔH:21℃、平均粒子径:3.0μm、可逆熱変色性組成物:壁膜=2.6:1.0、青色から無色に色変化する)25.0部、増粘剤0.2部、湿潤剤13.0部、浸透性付与剤0.03部、消泡剤0.15部、防腐剤0.1部、潤滑剤0.5部、水61.02部からなる可逆熱変色性インキを調製した。
前記インキをポリプロピレン製パイプ(インキ収容管)に吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、インキ逆流防止体(液栓)を充填し、尾栓をパイプの後部に嵌合させてレフィルとした。更に、前記レフィルを軸筒(先軸筒と後軸筒とからなる)内に組み込み、キャップを嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なって筆記具(可逆熱変色性ボールペン)を得た。
なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.5mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
また、後軸筒端部には、摩擦部材として凸曲面状頂部を有するSEBS樹脂部材が装着されている。
前記筆記具を用いて、問題文と回答記入欄(回答の記載する枠)が印刷された印刷物の回答記入欄に問題文の答えを筆記した。
前記回答記入欄に形成された筆跡は、25℃の室温下では視認されず、回答を知りたい時は、筆記具に設けた摩擦部材を用いて回答記入欄を摩擦すると、摩擦熱により筆跡が無色から青色になって筆跡が視認され、答えを知ることができた。
前記筆跡は20℃迄保持されており、10℃未満になると消色して視認されなくなった。
前記様相変化は繰り返し行なうことができた。
実施例5
筆記具の作製
(イ)成分として4,5,6,7−テトラクロロ−3−[4−(ジエチルアミノ)−2−エトキシフェニル]−3−(1−エチル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−1(3H)−イソベンゾフラノン1.0部、(ロ)成分として、没食子酸ラウリル8.0部、(ハ)成分として、ラウリルアルコール10.0部、ステアリン酸ヘプチル15.0部、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール3.0部からなる加熱発色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:10℃、T:20℃、T:30℃、T:42℃、ΔH:21℃、平均粒子径:3.0μm、可逆熱変色性組成物:壁膜=2.6:1.0、青色から無色に色変化する)25.0部、増粘剤0.2部、湿潤剤13.0部、浸透性付与剤0.03部、消泡剤0.15部、防腐剤0.1部、潤滑剤0.5部、水61.02部からなる可逆熱変色性インキを調製した。
前記インキをポリプロピレン製パイプ(インキ収容管)に吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、インキ逆流防止体(液栓)を充填し、尾栓をパイプの後部に嵌合させてレフィルとした。更に、前記レフィルを軸筒(先軸筒と後軸筒とからなる)内に組み込み、キャップを嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なって筆記具(可逆熱変色性ボールペン)を得た。
なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.5mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
摩擦体の作製
摩擦体として長方形のSEBS樹脂を用いて長方形の摩擦体を得た。
筆記具セットの作製
前記筆記具と摩擦体を組み合わせて筆記具セットを得た。
前記筆記具を用いて、問題文と回答記入欄(回答の記載する枠)が印刷された印刷物の回答記入欄に問題文の答えを筆記した。
前記回答記入欄に形成された筆跡は、25℃の室温下では視認されず、回答を知りたい時は、摩擦体を用いて回答記入欄を摩擦すると、摩擦熱により筆跡が無色から青色になって筆跡が視認され、答えを知ることができた。
前記筆跡は20℃迄保持されており、10℃未満になると消色して視認されなくなった。
前記様相変化は繰り返し行なうことができた。
本発明に用いられる可逆熱変色性組成物の色濃度−温度曲線におけるヒステリシス特性を説明するグラフである。 本発明の筆記具、筆記具セットに用いられる筆記具の一例を示す縦断面説明図である。
符号の説明
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全消色温度
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の消色開始温度
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の発色開始温度
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全発色温度
ΔH ヒステリシス幅
1 筆記具
2 レフィル
21 インキ収容管
22 ホルダー
23 尾栓
3 ボールペンチップ
4 インキ
5 インキ逆流防止体
6 軸筒
7 キャップ
8 摩擦部材

Claims (3)

  1. (イ)電子供与性呈色性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とから少なくともなり、無色状態から温度が上昇する過程では、温度Tに達すると発色し始め、温度Tより高い温度T以上の温度域で完全に発色状態となり、発色状態から温度が下降する過程では、温度Tに達すると消色し始め、温度Tより低い温度T以下の温度域で完全に無色状態となり、温度Tが45〜95℃の範囲にある加熱により無色から有色に色変化する可逆熱変色性組成物を着色剤として用いてなり、且つ、摩擦部材を備えてなる筆記具。
  2. 前記可逆熱変色性組成物の温度Tが下記式(1)を満たす請求項1記載の筆記具。
    0≦T≦T−10 (1)
  3. (イ)電子供与性呈色性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とから少なくともなり、無色状態から温度が上昇する過程では、温度Tに達すると発色し始め、温度Tより高い温度T以上の温度域で完全に発色状態となり、発色状態から温度が下降する過程では、温度Tに達すると消色し始め、温度Tより低い温度T以下の温度域で完全に無色状態となり、温度Tが45〜95℃の範囲にある加熱により無色から有色に色変化する可逆熱変色性組成物を着色剤として用いてなる筆記具と、摩擦体とからなる筆記具セット。
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