JP2009019080A - 導電性炭化バイオマス製造方法、樹枝状炭化バイオマス製造方法、導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能材料の製造方法、導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いたシートの製造方法 - Google Patents

導電性炭化バイオマス製造方法、樹枝状炭化バイオマス製造方法、導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能材料の製造方法、導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いたシートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来石炭や石油のような化石資源を用いていた用途で、木材や竹のような再生可能なバイオマスを代替利用するために、木材や竹の性状を物理的に変更する具体的な手段を提供すること。
【解決手段】 本発明に係る導電性炭化バイオマス製造方法は、木材や竹等のバイオマス原料を、バイオマス原料10の植物細胞が実質的に保持される熱処理温度で、油性溶液40を用いて加熱処理する工程(S100)と、加熱処理されたバイオマス原料から油性溶液40を除去する工程(S110)と、前記油性溶液除去工程で処理されたバイオマス原料40を、実質的に無酸素状態で、水の沸点温度とバイオマス原料の自己炭化温度との中間温度で、乾燥する工程(S120)と、乾燥させたバイオマス原料10を、実質的に無酸素状態で、グラファイト組織形成処理温度で、高温焼成する工程(S130)と、を備えている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、木材や竹・さとうきび・とうもろこし等から容易に微細孔を有する炭化物を生成できる方法に関し、特に導電性を有するバイオマスを製造する方法に関する。また、本発明は、木材や竹・さとうきび・とうもろこし等から容易に微細孔を有する炭化物を生成できる方法に関し、特に樹枝状バイオマスを製造する方法に関する。
本発明は、木材や竹を加熱処理して生成される微細孔を有する導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いて、複合化した機能を有する材料に改質できる導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能材料の製造方法に関する。また、本発明は、導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能シートの製造方法に関する。
木材や竹は、構造用材料として利用され、製紙原料として利用され、或いは炭に加工して燃料として利用され、若い芽や葉は食用に供されている。しかし、木材や竹は、構造材として利用される以外にも、間伐材や樹皮のような副生物を生成するが、このような副生物は構造材のような価格で取引されることはなく、せいぜい固体燃料や堆肥と利用されるしかなく、その量と状態によっては産業廃棄物として処理費用を負担せざるを得ない場合すらある。そこで、このような間伐材や樹皮のような副生物を有価物として利用できれば、林業振興に寄与することは疑いないと共に、二酸化炭素の排出削減にも寄与することから地球温暖化対策の一助になる筋合いのものである。
ところで、わが国においては間伐材や樹皮のような副生物の用途として炭が利用されてきた。そして、石炭や石油が利用される以前の明治時代や江戸時代において、炭は燃料として重要な役割を果たしていた。しかし、石炭や石油が利用され始めると、炭としての利用は衰退した。そして、現在の炭の用途は飲食店における調理態様の差別化として、一定の利用がなされているに過ぎない。
また、炭に似た性状を有するものとして、亜炭が知られている。亜炭とは、一般には炭化の低い石炭と認識されている。そして、日本において採掘されていた亜炭は、100〜130万年前に樹木等が埋積し炭化したものである。亜炭は、海成層と陸成層が繰り返される地層の中で、海が干上がって湿地となり森林が繁茂してくる過程で、生成されたものである。他方、石炭は2000〜3000万年前の炭化物とされており、もともと石炭の代用燃料であった亜炭は黒煙が出る、石炭に比べてカロリーが低い等のデメリットが多く、燃料として用途では衰退の道を辿っている。しかし、亜炭には、肥料成分をしみ込ませて有機固形肥料を作る素材の用途、塩分・ミネラル補給を目的とする家畜の飼料の用途、水槽水の浄化作用の素材の用途等、燃料以外の用途に幅広く利用されている。
ところで、原油価格が従前の一バレル10ドル程度から60ドル程度と数倍に高騰したエネルギー市場において、木材のような再生可能なバイオマスは石油代替エネルギー資源として注目されている。また、木材や竹は、空気中の二酸化炭素を用いて成長するため、石炭や石油のような化石燃料と違って、二酸化炭素のような地球温暖化ガスの排出削減にも寄与する性質を有する。そこで、従来石炭や石油のような化石資源を用いていた用途で、木材のような再生可能なバイオマスを代替利用できれば、その用途における廃棄物処理の負担も含めて地球温暖化対策の一助になる。
しかし、従来は木材や竹を熱処理する場合にも、構造材として利用することを主に念頭に置いてきたため、特許文献1に摘示されるように、木材の乾燥処理の一態様として技術開発が進められていたに過ぎない。また、特許文献2に摘示されるように、地球環境に誤って漏出する油分を吸着する吸着剤として、木材に含有されるセルロース成分を利用することも提案されている。しかし、従来石炭や石油のような化石資源を用いていた用途で、木材や竹のような再生可能なバイオマスを代替利用するために、木材や竹の性状を物理的に変更するような着想は、何ら開示されていなかった。
特表2004−534653号公報 米国特許第4753917号公報
すなわち、本発明は上記課題を解決するもので、従来石炭や石油のような化石資源を用いていた用途で、木材や竹等のような再生可能なバイオマスを代替利用するために、木材や竹の性状を物理的に変更する具体的な手段を提供するものである。即ち、本発明は、木材や竹・さとうきび・とうもろこし等からバイオマスを製造する方法に関し、導電性を有する炭化バイオマスを製造する方法に関する。また、本発明は、木材や竹・さとうきび・とうもろこし等から容易に微細孔を有する炭化物を生成できる方法に関し、特に樹枝状炭化バイオマスを製造する方法に関する。
また、本発明は、本発明は上記課題を解決するもので、従来石炭や石油のような化石資源を用いていた用途で、木材や竹等のような再生可能なバイオマスを代替利用するために、木材や竹等を加熱処理して生成される微細孔を有する導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いて、複合化した機能を有する材料に改質できる導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能材料の製造方法に関する。また、本発明は、導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能シートの製造方法に関する。
上記課題を解決する本発明の導電性炭化バイオマス製造方法は、例えば図1〜図3及び図4に示すように、木材や竹等のバイオマス原料10を、バイオマス原料10の植物細胞が実質的に保持される熱処理温度で、油性溶液40を用いて加熱処理する工程(S100)と、加熱処理されたバイオマス原料12から油性溶液40を除去する工程(S110)と、油性溶液除去工程で処理されたバイオマス原料14を、実質的に無酸素状態で、水の沸点温度とバイオマス原料の自己炭化温度との中間温度で、乾燥する工程(S120)と、乾燥させたバイオマス原料16を、実質的に無酸素状態で、グラファイト組織形成処理温度で、高温焼成する工程(S130)と、を備えている。
本発明の導電性炭化バイオマス製造方法によれば、S100は油で揚げる工程で、木材や竹等のバイオマス原料10を、バイオマス原料の植物細胞が実質的に保持される熱処理温度で、油性溶液を用いて加熱処理する工程である。油で揚げる工程S100により、バイオマス原料に含まれる水分・リグニン・ヘミセルロースが、油性溶液40の浸透圧で押し出される。S110は油抜き工程で、加熱処理されたバイオマス原料12から油性溶液40を除去する。S120は乾燥工程で、油性溶液除去工程S110で処理されたバイオマス原料14を、実質的に無酸素状態で、水の沸点温度とバイオマス原料の自己炭化温度との中間温度で、乾燥する工程である。乾燥工程S120により、バイオマス原料の植物細胞内に含まれている水分が水蒸気となって蒸発し、乾燥させたバイオマス原料16をえる。乾燥工程S120では、バイオマス原料の自己炭化温度よりも低い温度で乾燥させるので、バイオマス原料の炭化は進行せず、バイオマス原料の植物細胞が実質的に保持される。S130は高温焼成工程で、乾燥させたバイオマス原料16を、実質的に無酸素状態で、グラファイト組織形成処理温度で、高温焼成する工程である。高温焼成工程S130では、グラファイト組織形成処理温度で高温焼成されるので、グラファイト組織が形成されたバイオマス原料17となり、導電性を有するようになる。
好ましくは、導電性炭化バイオマス製造方法において、例えば図2及び図4に示すように、さらに、油性溶液除去工程(S110)は、加熱処理されたバイオマス原料12に浸透した油性溶液40をアルカリ性溶液54に置換する工程(S112)と、バイオマス原料に浸透したアルカリ性溶液54を除去する工程(S114)とを含むことを特徴とする。S112はアルカリ置換工程で、加熱処理されたバイオマス原料12に浸透した油性溶液40をアルカリ性溶液54に置換する。S114はアルカリ除去工程で、例えばアルカリ置換工程S112で処理されたバイオマス原料13を、真水につけて洗浄し、バイオマス原料13に浸透したアルカリ性溶液54のアルカリ成分を除去して、油性溶液除去工程S110で処理されたバイオマス原料14をえる。
上記課題を解決する本発明の樹枝状炭化バイオマス製造方法は、例えば図1〜図3及び図5に示すように、木材や竹等のバイオマス原料を、バイオマス原料10の植物細胞が実質的に保持される熱処理温度で、油性溶液40を用いて加熱処理する工程(S200)と、加熱処理されたバイオマス原料12から油性溶液40を除去する工程(S210)と、油性溶液除去工程で処理されたバイオマス原料14を、実質的に無酸素状態で、水の沸点温度とバイオマス原料の自己炭化温度との中間温度で、乾燥する工程(S220)と、乾燥させたバイオマス原料16を、実質的に無酸素状態で、自己炭化温度とグラファイト組織形成処理温度との中間温度で、中温焼成する工程(S230)と、を備えている。
本発明の樹枝状炭化バイオマス製造方法において、S200、S210、S220は、前述のS100、S110、S120と同様である。S230は中温焼成工程で、乾燥させたバイオマス原料16を、実質的に無酸素状態で、自己炭化温度とグラファイト組織形成処理温度との中間温度で、中温焼成する工程である。中温焼成工程S230では、自己炭化温度とグラファイト組織形成処理温度との中間温度で、中温焼成されるので、バイオマス原料16にグラファイト組織が形成されることはなく、導電性を有しない。他方で、自己炭化温度以上で中温焼成されるので、バイオマス原料の植物細胞が実質的に保持された状態で焼成されるので、多孔質の組織が維持されたバイオマス原料18が得られる。
好ましくは、樹枝状炭化バイオマス製造方法において、例えば図2及び図5に示すように、さらに、油性溶液除去工程(S210)は、加熱処理されたバイオマス原料12に浸透した油性溶液40をアルカリ性溶液54に置換する工程(S212)と、バイオマス原料に浸透したアルカリ性溶液54を除去する工程(S214)とを含むことを特徴とする。S212はアルカリ置換工程で、加熱処理されたバイオマス原料12に浸透した油性溶液40をアルカリ性溶液54に置換する。S214はアルカリ除去工程で、例えばアルカリ置換工程S212で処理されたバイオマス原料13を、真水につけて洗浄し、バイオマス原料13に浸透したアルカリ性溶液54のアルカリ成分を除去して、油性溶液除去工程S210で処理されたバイオマス原料14をえる。
上記課題を解決する本発明の導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能材料の製造方法は、例えば図12に示すように、請求項1又は3記載の導電性炭化バイオマス製造方法(S100〜S140)を用いて製造された導電性炭化バイオマス17、又は請求項2又は3記載の樹枝状炭化バイオマス製造方法(S200〜S240)を用いて製造された樹枝状炭化バイオマス18を用いた複合機能材料の製造方法であって、導電性炭化バイオマス17の表面層、又は樹枝状炭化バイオマス18に存在する微細孔に、機能性物質を含浸、塗布、又は蒸着することで、当該機能性物質による機能を付加させる工程(S310、S360)を含むことを特徴とする。
本発明の導電性炭化バイオマスを用いた複合機能材料の製造方法によれば、導電性炭化バイオマス17の有する導電性表面層に機能性物質を含浸、塗布、又は蒸着する工程(S310)を設けることで、当該機能性物質による機能を付加させる。機能性物質としては、例えば抗菌性物質や酸化チタンがある。また、本発明の樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能材料の製造方法によれば、樹枝状炭化バイオマス18の有する多孔質表面層に機能性物質を含浸、塗布、又は蒸着する工程(S360)を設けることで、当該機能性物質による機能を付加させる。樹枝状炭化バイオマスには微細孔が多数存在しているので、微細孔に機能性物質が入り込むことで、機能性物質の機能を長時間維持することが可能となる。
好ましくは、導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能材料の製造方法において、さらに、前記導電性又は樹枝状炭化バイオマスを所定粒径の炭粉に粉砕する工程(S300、S350)を有し、粉砕された導電性又は樹枝状炭化バイオマスを前記機能性物質による機能を付加させる工程(S310、S360)を含むことを特徴とする。導電性炭化バイオマス17を炭粉にする工程(S300)を設けると、導電性炭化バイオマスの有する導電性が発揮されて、例えばABS樹脂・ポリエチレン樹脂・ポリプロピレン樹脂等に添加することにより、導電性樹脂を形成する材料として利用できる。樹枝状炭化バイオマス18を炭粉にする工程(S350)を設けると、樹枝状炭化バイオマスの有する多孔質表面層が有効に作用して、吸湿性や脱臭性に富み、例えば室内の壁面用建築素材として適している。
上記課題を解決する本発明の導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いたシートの製造方法は、例えば図13に示すように、請求項1又は3記載の導電性炭化バイオマス製造方法(S100〜S140)を用いて製造された導電性炭化バイオマス17、又は請求項2又は3記載の樹枝状炭化バイオマス製造方法(S200〜S240)を用いて製造された樹枝状炭化バイオマス18を用いたシートの製造方法であって、導電性炭化バイオマス17についてシート状に固化し、又は樹枝状炭化バイオマス18に含まれる樹枝状組織を保持した状態で、シート状に固化する工程(S400、S450)を含むことを特徴とする。
本発明の導電性炭化バイオマスを用いたシートの製造方法によれば、導電性炭化バイオマス17についてシート状に固化する工程(S400)を設けることで、導電性炭化バイオマス17の有する導電性を有するシート状固化材料が得られる。導電性炭化バイオマス17が、例えば木材のように堅い炭として利用できる態様であれば、特段バインダーを用いることなく、必要な剛性を有する場合もある。また、導電性炭化バイオマス単体では脆くて強度が必要な用途での使用に適さない場合でも、例えば樹脂のようなバインダーを混合して導電性炭化バイオマス17を補強することで剛性が増して、強度が必要な用途での使用が可能になる。そして、例えばバインダーと導電性炭化バイオマスを混合して、固形の板状又は任意の形状に金型で成型することで、各用途に応じた形状の導電性炭化バイオマスシートを得ることができる(S430)。
また、本発明の樹枝状炭化バイオマスを用いたシートの製造方法によれば、樹枝状炭化バイオマス18に含まれる樹枝状組織を保持した状態で、シート状に固化する工程(S450)を設けることで、樹枝状炭化バイオマスを有するシート状固化材料が得られる。樹枝状炭化バイオマス18が、例えば木材のように堅い炭として利用できる態様であれば、特段バインダーを用いることなく、必要な剛性を有する場合もある。また、樹枝状炭化バイオマス単体では脆くて強度が必要な用途での使用に適さない場合でも、例えば樹脂のようなバインダーを混合して樹枝状炭化バイオマスを補強することで剛性が増して、強度が必要な用途での使用が可能になる。そして、例えばバインダーと樹枝状炭化バイオマスを混合して、固形の板状又は任意の形状に金型で成型することで、各用途に応じた形状の樹枝状炭化バイオマスシートを得ることができる(S480)。
好ましくは、導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いたシートの製造方法において、さらに、導電性炭化バイオマス17の表面層、又は樹枝状炭化バイオマス18に存在する微細孔に、機能性物質を含浸、塗布、又は蒸着することで、当該機能性物質による機能を付加させる工程(S410、S460)を含むことを特徴とする。本発明の導電性炭化バイオマスを用いたシートの製造方法によれば、導電性炭化バイオマス17の有する導電性表面層に機能性物質を含浸、塗布、又は蒸着する工程(S410)を設けることで、当該機能性物質による機能を付加させたシートを製造できる。機能性物質としては、例えば抗菌性物質や酸化チタンがある。
また、本発明の樹枝状炭化バイオマスを用いたシートの製造方法によれば、樹枝状炭化バイオマス18の有する多孔質表面層に機能性物質を含浸、塗布、又は蒸着する工程(S460)を設けることで、当該機能性物質による機能を付加させたシートを製造できる。樹枝状炭化バイオマスには微細孔が多数存在しているので、微細孔に機能性物質が入り込むことで、機能性物質の機能を長時間維持することが可能となる。
好ましくは、導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いたシートの製造方法において、さらに、前記シートに導電性の粉炭を塗布して薄膜を形成する工程(S420、S470)を有することを特徴とする。導電性炭化バイオマスシートに導電性の粉炭を塗布して薄膜を形成する工程(S420)を有することで、導電性炭化バイオマスシートの導電性を、導電性炭化バイオマスシートの表面に形成された導電性の粉炭の性状によって調整できる。また、樹枝状炭化バイオマスシートは多孔質表面層であるが導電性を有しないところ、樹枝状炭化バイオマスシートに導電性の粉炭を塗布して薄膜を形成する工程(S470)を設けることで、樹枝状炭化バイオマスシートシートの表面に形成された導電性の粉炭の性状によって導電性を持たせることができる。
好ましくは、導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いたシートの製造方法において、さらに、前記シートに機能性素材を用いた薄膜層を形成する工程を有することを特徴とする。本発明の導電性炭化バイオマスを用いたシートの製造方法によれば、導電性炭化バイオマスシートに機能性素材を用いた薄膜層を形成することで、当該機能性物質による機能を付加させたシートを製造できる。また、本発明の樹枝状炭化バイオマスを用いたシートの製造方法によれば、樹枝状炭化バイオマスシートに機能性素材を用いた薄膜層を形成することで、当該機能性物質による機能を付加させたシートを製造できる。樹枝状炭化バイオマスには微細孔が多数存在しているので、微細孔に機能性物質が入り込むことで、機能性物質の機能を長時間維持することが可能となる。
本発明の導電性炭化バイオマス製造方法によれば、グラファイト組織形成処理温度で高温焼成されるので、バイオマス原料にグラファイト組織が形成され、導電性を有する。そこで、高温焼成したバイオマス原料を微細粒径の炭粉に粉砕して、例えばABS樹脂・ポリエチレン樹脂・ポリプロピレン樹脂等に添加することにより、導電性樹脂を形成する材料として利用できる。
本発明の樹枝状炭化バイオマス製造方法によれば、自己炭化温度とグラファイト組織形成処理温度との中間温度で中温焼成されるので、バイオマス原料の植物細胞が実質的に保持された状態で焼成され、多孔質の組織が維持され、所謂亜炭と類似した組成となる。そこで、樹枝状炭化バイオマス製造方法によれば亜炭と類似した組成が得られるので、黒檀・紫檀のような色、艶が表面に発生すると共に、中温焼成のバイオマス原料をほぐすと樹枝状繊維や樹枝状炭粉が得られる。樹枝状繊維や樹枝状炭粉は、吸湿性や脱臭性に富み、例えば室内の壁面用建築素材として適している。
本発明の導電性炭化バイオマスを用いた複合機能材料の製造方法によれば、導電性炭化バイオマスの有する導電性が発揮されると共に、含浸、塗布、又は蒸着される機能性物質の機能に応じた複合機能材料が製造できる。例えば、抗菌性物質であれば、擦り傷や切り傷に対して保護層として使用する絆創膏の代替製品となる。また、本発明の樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能材料の製造方法によれば、樹枝状炭化バイオマスには微細孔が多数存在しているので、例えば抗菌性物質を機能性物質として選択した場合には、擦り傷や切り傷に対して保護層として使用する絆創膏の代替製品となると共に、また微細孔が傷口の分泌物を吸収して保湿効果を持たせることが出来、傷口を早く乾かして傷口が早く治癒する効果を有すると期待できる。
本発明の導電性炭化バイオマスを用いたシートの製造方法によれば、導電性炭化バイオマスについてシート状に固化することで、導電性炭化バイオマスの有する導電性を有するシート状固化材料が得られる。また、本発明の樹枝状炭化バイオマスを用いたシートの製造方法によれば、樹枝状炭化バイオマスに含まれる樹枝状組織を保持した状態で、シート状に固化することで、樹枝状炭化バイオマス単体の有する樹枝状形状を有するシート状固化材料が得られる。特に、樹枝状炭化バイオマス18が、例えば木材のように堅い炭として利用できる態様であれば、特段バインダーを用いることなく、必要な剛性を有する場合もある。
以下、図面によって本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る導電性炭化バイオマス製造方法及び樹枝状炭化バイオマス製造方法のうち、油で揚げる工程S100、S200を説明する構成図で、(A)は準備段階、(B)は油で揚げる工程、(C)は油で揚げたバイオマス原料を油槽から引き上げた段階、(D)は油で揚げたバイオマス原料の油落し段階を示している。図2は、本発明に係る導電性炭化バイオマス製造方法及び樹枝状炭化バイオマス製造方法のうち、油抜き工程S110、S210を説明する構成図で、特にアルカリ置換工程S112、S212を示しており、(A)は準備段階、(B)はアルカリ溶液に漬ける工程、(C)はアルカリ溶液で処理したバイオマス原料をアルカリ溶液槽から引き上げた段階、(D)はアルカリ置換したバイオマス原料のアルカリ溶液落し段階を示している。図3は、本発明に係る導電性炭化バイオマス製造方法及び樹枝状炭化バイオマス製造方法のうち、乾燥工程S120、S220と高温焼成工程S130、中温焼成工程S230を説明する構成図である。図4は、本発明に係る導電性炭化バイオマス製造方法を説明する流れ図である。
図1(A)において、バイオマス原料10、加熱油の収容容器としての油槽20、加熱装置30、油性溶液40がある。油槽20にバイオマス原料10を浸して油で揚げるため、バイオマス原料保持槽22、バイオマス原料保持槽22の底部に設けられた金網部24、バイオマス原料保持槽22の上端縁部に係止された吊り鋼線26、油槽20を支持する支持脚部28が設けられている。油槽20やバイオマス原料保持槽22には、油性溶液40に対する耐油性のある材料が用いられ、例えばステンレス鋼や炭素鋼を用いることができる。加熱装置30には、電熱線やガスバナー、石油燃焼式バーナーが用いられる。
バイオマス原料10には、木材や竹、さとうきび、トウモロコシ等の植物性の原料が用いられる。油性溶液40は、バイオマス原料10を180℃〜240℃程度の温度で数十分乃至数時間程度揚げるのに用いるもので、てんぷら油やサラダ油のような食用にも利用できる油脂を用いても良いが、180℃〜240℃程度の温度で液化する動物性油脂を用いても良く、工業目的で量産化の必要がある場合には、食用油脂と比較して格段に価格の安い鉱油を用いても良い。
図1(A)の状態に準備された装置を用いて、本発明に係る導電性炭化バイオマス製造方法を以下説明する。図4は、本発明に係る導電性炭化バイオマス製造方法を説明する流れ図である。図において、S100では、木材や竹等のバイオマス原料10を、バイオマス原料10の植物細胞が実質的に保持される熱処理温度で、油性溶液40を用いて加熱処理する。S100は油で揚げる工程で、木材や竹等のバイオマス原料10を、バイオマス原料の植物細胞が実質的に保持される熱処理温度(例えば180℃〜240℃)で、油性溶液を用いて加熱処理する工程である。図1(B)に示すように、バイオマス原料保持槽22にバイオマス原料10を投入し、油槽20に油性溶液40を溜めて加熱装置30により加熱して、油性溶液40を熱処理温度に維持する。油性溶液40が熱処理温度に到達していれば、吊り鋼線26を引き下げてバイオマス原料保持槽22を油槽20に降ろして、バイオマス原料10に対する油で揚げる工程を開始する。
図4の油で揚げる工程S100により、バイオマス原料に含まれる水分・リグニン・ヘミセルロースが、油性溶液40の浸透圧で押し出される。油で揚げる処理時間は、油性溶液40の種類、処理対象となるバイオマス原料10の種類、形状、量によって相違するが、一般に油性溶液40の粘度が低いほど油で揚げる処理時間を短くすることができる。油で揚げる工程S100により、バイオマス原料10から押し出された水分は、油槽20の底に堆積すると共に、リグニンやヘミセルロースは油性溶液40中で浮遊する。浮遊しているリグニンやヘミセルロースは油性溶液40の泡を消す作用があるので、消泡剤の作用を代替して行うことになるため、油性溶液40からリグニンやヘミセルロースを除去する必要性は乏しい。
油で揚げる処理が完了すると、図1(C)に示すように、吊り鋼線26を引き上げてバイオマス原料保持槽22を油槽20から出して、バイオマス原料10に対する油で揚げる工程を完了する。そして、図1(D)に示すように、バイオマス原料10に付着している油性溶液40を自然落下等によって分離させる。これによって、加熱処理されたバイオマス原料12が得られる。
次に、図4のS110として、加熱処理されたバイオマス原料12から油性溶液40を除去する工程に入る。S110は油抜き工程で、加熱処理されたバイオマス原料12から油性溶液40を除去する。油抜き工程S110は、加熱処理されたバイオマス原料12に浸透した油性溶液40をアルカリ性溶液54に置換する工程S112と、バイオマス原料に浸透したアルカリ性溶液54を除去する工程S114とを含む。S112はアルカリ置換工程で、加熱処理されたバイオマス原料12に浸透した油性溶液40をアルカリ性溶液54に置換する。S114はアルカリ除去工程で、例えばアルカリ置換工程S112で処理されたバイオマス原料13を、真水につけて洗浄し、バイオマス原料14に浸透したアルカリ性溶液54のアルカリ成分を除去する。
次に、図4の油抜き工程S110、特にアルカリ置換工程S112の詳細を、図2を参照して説明する。図2(A)において、アルカリ性溶液槽50はアルカリ性溶液54を溜めるものである。加熱装置52には、電熱線やガスバナー、石油燃焼式バーナーが用いられる。断熱支持体56は、アルカリ性溶液槽50を所定の姿勢に支持すると共に、加熱装置52の熱が効率的にアルカリ性溶液槽50に伝熱されるように、加熱装置52とアルカリ性溶液槽50の周囲を囲っている。アルカリ性溶液54は、例えば100℃程度の沸騰状態の温水にアルカリ剤を混合したもので、アルカリ剤には重炭酸ソーダNaHCOや苛性ソーダNaOHを用いることができる。アルカリ性溶液54は、濃度3〜5%であり、PH9〜12程度の弱アルカリ性を呈示する。
図2(A)に示すように、上述のアルカリ剤濃度で所定温度のアルカリ性溶液54に、加熱処理されたバイオマス原料12を投入する。そして、図2(B)に示すように、加熱処理されたバイオマス原料12を30分間程度煮沸する。加熱処理されたバイオマス原料12には、油性溶液40の成分が内部に浸透しているので、アルカリ性溶液54に油性溶液40が滲みだして溶解し、アルカリ性溶液54が白濁すると共に、バイオマス原料12の組織の中では油性溶液40とアルカリ性溶液54とが置換する。アルカリ性溶液54として、アルカリ性の強い溶液を使用すると、バイオマス原料12からの油抜きが容易になるが、他方でバイオマス原料12の組織が強アルカリによって損壊される欠点を有するので、PH9〜12程度の範囲を保持することが望ましい。
バイオマス原料12のアルカリ性溶液54煮沸が完了したら、図2(C)に示すように、アルカリ置換工程S112で処理されたバイオマス原料13をアルカリ性溶液54から取り出して、図2(D)に示すように、バイオマス原料14の水切りをする。
続いて、図4のS114のアルカリ除去工程を続行する。アルカリ除去工程S114に使用する装置は、図2の装置と同様であるが、アルカリ性溶液54に代えて真水を用いるのがよい。例えば、100℃程度の沸騰状態の温水を用いて、アルカリ置換工程S112で処理されたバイオマス原料13を30分間程度煮沸する。すると、アルカリ置換工程S112で処理されたバイオマス原料13からアルカリ性溶液54が滲み出して、温水のアルカリ濃度が高まり、バイオマス原料14のアルカリ濃度と温水のアルカリ濃度が平衡状態に達する。バイオマス原料14の組織内部の全てのアルカリ性溶液54が温水に置換されるものではないが、バイオマス原料14の組織内部に残存するアルカリ剤の濃度は低くなり、好ましい。このようにして、油性溶液除去工程S110で処理されたバイオマス原料14が得られる。
次に、図4のS120として、油性溶液除去工程で処理されたバイオマス原料14を、実質的に無酸素状態で、水の沸点温度とバイオマス原料の自己炭化温度との中間温度で、乾燥する工程に入る。乾燥工程S120は、油性溶液除去工程S110で処理されたバイオマス原料14を、実質的に無酸素状態で、水の沸点温度とバイオマス原料の自己炭化温度との中間温度で、乾燥する工程である。乾燥工程S120により、バイオマス原料の植物細胞内に含まれている水分が水蒸気となって蒸発し、バイオマス原料14を乾燥させる。乾燥工程S120では、バイオマス原料の自己炭化温度よりも低い温度で乾燥させるので、バイオマス原料14の炭化は進行せず、バイオマス原料の植物細胞が実質的に保持される。
乾燥工程S120では、図3(A)に示すように、油性溶液除去工程S110で処理されたバイオマス原料14を加熱炉60の内部に収容して、加熱装置62により乾燥工程の温度にバイオマス原料14を加熱する。加熱炉60は、例えば密閉式焼成炉であることが望ましく、外部と空気を遮断した真空状態に近い状態で加熱する構造が望ましい。加熱装置62には、電熱線やガスバナー、石油燃焼式バーナーが用いられるが、直接乾燥処理対象物であるバイオマス原料14を加熱することは、バイオマス原料14の細胞組織を破壊する恐れがあるため、加熱炉60による間接的な加熱が望ましい。処理対象物支持網64は、乾燥処理対象物であるバイオマス原料14を、加熱炉60の内部で支持するのに用いる。
乾燥工程S120では、図3(B)に示すように、実質的に無酸素状態で、水の沸点温度とバイオマス原料の自己炭化温度との中間温度(例えば400℃)で、例えば一時間程度加熱して、乾燥する。加熱されたバイオマス原料14では、植物細胞に入っていた水は水蒸気となり、加熱炉60内に放出される。加熱炉60内の水蒸気は、加熱炉60に設けられた小孔より間欠的に外部に放出される。この水蒸気の放出にあたり、加熱炉60の内部と外部との空気流を遮断して、酸素により加熱されたバイオマス原料14が酸化や燃焼に至ることを防止する。例えば400℃で加熱すると、バイオマス原料14の表面は焦げる状態となり、徐々に内部に熱が伝導して、水分を放出させる。400℃での加熱を継続すると、バイオマス原料14の乾燥が始まり、加熱炉60からバイオマス原料14を取り出す状態では、バイオマス原料14の水分含有率は約10〜15%程度になる。このようにして、乾燥させたバイオマス原料16が得られる。この乾燥温度は、バイオマス原料の植物細胞が実質的に保持される温度であればよく、例えば100℃から400℃の範囲内とする。一般に、乾燥温度が高ければ、バイオマス原料14の乾燥に要する時間は短くて済む。
次に、図4の高温焼成工程S130として、乾燥させたバイオマス原料16を、実質的に無酸素状態で、グラファイト組織形成処理温度で、高温焼成する。高温焼成工程S130では、グラファイト組織形成処理温度で高温焼成を行うので、バイオマス原料16にグラファイト組織が形成され、導電性を有するようになる。ここで、グラファイト(graphite)とは、石墨や黒鉛とも呼ばれるもので、一般にコークスなどの炭素材料を高温で熱処理して製造される。グラファイトの結晶構造は、六方晶系、六角板状結晶をしており、分子レベルでは、亀の甲状の層状物質で層毎の面内は、強い共有結合で炭素間が繋がっているが、層と層の間(面間)は、弱いファンデルワールス力で結合している。それゆえ、層状にはがれる性質を有する(へき開完全)。電子状態は、半金属的であるため、導電性を有する。
高温焼成工程S130では、図3(B)に示すように、グラファイト組織形成処理温度(例えば1000℃)で、乾燥させたバイオマス原料16を例えば1時間程度、高温焼成する。これにより、乾燥させたバイオマス原料16は、グラファイト組織が形成されたバイオマス原料17となり、導電性を有するようになる(図4、S140)。高温焼成工程S130では、グラファイト組織形成処理温度で高温焼成するので、高温焼成温度を例えば1000℃から1800℃程度の範囲とし、高温焼成時間を定めるについては、乾燥させたバイオマス原料16がグラファイト組織に変化して、導電性を備えるような時間を確保するのが良く、例えば30分〜数時間に定める。
続いて、本発明の樹枝状炭化バイオマス製造方法を説明する。図5は、本発明に係る樹枝状炭化バイオマス製造方法を説明する流れ図である。図5に示すように、木材や竹等のバイオマス原料を、バイオマス原料10の植物細胞が実質的に保持される熱処理温度で、油性溶液40を用いて加熱処理する工程(S200)と、加熱処理されたバイオマス原料12から油性溶液40を除去する工程(S210)と、油性溶液除去工程で処理されたバイオマス原料14を、実質的に無酸素状態で、水の沸点温度とバイオマス原料の自己炭化温度との中間温度で、乾燥する工程(S220)と、乾燥させたバイオマス原料16を、実質的に無酸素状態で、自己炭化温度とグラファイト組織形成処理温度との中間温度で、中温焼成する工程(S230)と、を備えている。
このうち、図5の樹枝状炭化バイオマス製造方法において、S200、S210、S220は、図4の導電性炭化バイオマス製造方法におけるS100、S110、S120と同様である。図5のS230は中温焼成工程で、乾燥させたバイオマス原料16を、実質的に無酸素状態で、自己炭化温度とグラファイト組織形成処理温度との中間温度で、中温焼成する工程である。中温焼成工程S230では、自己炭化温度とグラファイト組織形成処理温度との中間温度で、中温焼成を行うので、バイオマス原料16にグラファイト組織が形成されることはなく、導電性を有しない。他方で、自己炭化温度以上で中温焼成されるので、バイオマス原料の植物細胞が実質的に保持された状態で焼成されるので、多孔質の組織が維持されたバイオマス原料18が得られる。
中温焼成工程S230では、図3(B)に示すように、自己炭化温度(例えば400℃)とグラファイト組織形成処理温度(例えば1000℃)との中間温度(例えば700℃)で、乾燥させたバイオマス原料16を例えば1時間程度、中温焼成する。これにより、乾燥させたバイオマス原料16は、バイオマス原料の植物細胞が実質的に保持された状態で焼成されるので、多孔質の組織が維持されたバイオマス原料18が得られる(図5、S240)。中温焼成工程S230では、自己炭化温度とグラファイト組織形成処理温度との中間温度で、中温焼成するので、中温焼成温度は例えば500℃から800℃程度の範囲とし、中温焼成時間は焼成して実質的に亜炭と評価できるような時間に定める。
次に、本発明の導電性炭化バイオマス製造方法を用いて製造された導電性炭化バイオマス17と、本発明の樹枝状炭化バイオマス製造方法を用いて製造された樹枝状炭化バイオマス18の電子顕微鏡写真を用いて、本発明を説明する。図6は、バイオマス原料10として竹を用い、竹の軸方向断面を電子顕微鏡で撮影した写真図で、25倍、100倍、1000倍、10000倍を示している。図7は、バイオマス原料10として竹を用いて、高温焼成してグラファイト組織化した導電性炭化バイオマスの竹軸方向断面を電子顕微鏡で撮影した写真図で、25倍、100倍、1000倍、10000倍を示している。図8は、亜炭の縦軸方向断面を電子顕微鏡で撮影した写真図で、25倍、100倍、1000倍、10000倍を示している。図9は、バイオマス原料10として竹を用いて、中温焼成して多孔質組織の樹枝状炭化バイオマス(竹亜炭)の竹軸方向断面を電子顕微鏡で撮影した写真図で、25倍、100倍、1000倍、10000倍を示している。なお、亜炭は樹枝状炭化バイオマスとの比較対象として用いている。
図6の100倍、1000倍では、竹の細胞壁の構造が明確に現れている。これに対して、図7の100倍、1000倍では、竹の細胞壁が破壊されてグラファイト組織化している状況が明確に現れている。図8の100倍、1000倍では、樹枝状炭化バイオマスの比較対象である亜炭の縦軸方向断面を示したもので、亜炭の細胞壁の構造を感得できる。もっとも、亜炭の場合は、100〜130万年前に樹木等が埋積し炭化したものであるという性格上、細胞内は高圧による長期間の圧縮により潰れた状態となっている。図9の100倍、1000倍では、中温焼成して多孔質組織の樹枝状炭化バイオマス(竹亜炭)であるが、竹の細胞壁の構造が明確に残存している。
続いて、本発明の導電性炭化バイオマス製造方法を用いて製造された導電性炭化バイオマス17と、本発明の樹枝状炭化バイオマス製造方法を用いて製造された樹枝状炭化バイオマス18のX線回析試験結果を用いて、本発明を説明する。図10は、バイオマス原料10としての竹と、バイオマス原料10として竹を用いて、高温焼成してグラファイト組織化した導電性炭化バイオマスのX線回析試験結果を示してある。図11は、樹枝状炭化バイオマスの比較対象である亜炭と、バイオマス原料10として竹を用いて、中温焼成して多孔質組織の樹枝状炭化バイオマス(竹亜炭)のX線回析試験結果を示してある。
バイオマス原料10としての竹のX線回析試験結果では、23°付近に第一のピークがあり、43°付近に第二のピークがある。これに対して、高温焼成してグラファイト組織化した導電性炭化バイオマスでは、23°付近に第一のピークがあるが、信号の幅が強度として100程度に拡散しているものの、X線回析試験結果では顕著な結晶構造の差は現れていない。他方、亜炭のX線回析試験結果では、23°付近に第一のピークがあり、この信号強度は、バイオマス原料10の場合の2倍程度であり、結晶構造が揃っていることが予想される。これは、亜炭が、100〜130万年前に樹木等が埋積し炭化したものという由来が起因していると思われる。また、樹枝状炭化バイオマスのX線回析試験結果では、23°付近に第一のピークがあり、28°付近に第二のピークがある。28°付近に第二のピークは、信号成分かノイズかは判然としない。いずれにしても、X線回析試験結果では、各資料の間で顕著な結晶構造の差は現れていない。
続いて、導電性炭化バイオマス又は樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能材料の製造方法を説明する。図12は、導電性炭化バイオマス又は樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能材料の製造方法を説明する流れ図である。図において、導電性炭化バイオマス17はS100〜S140の各製造工程により製造されるもので、詳細は図4で既に説明している。樹枝状炭化バイオマス18はS200〜S240の各製造工程により製造されるもので、詳細は図5で既に説明している。
図12のS300では、導電性炭化バイオマス17を所定粒径の炭粉に粉砕する。粒径は例えば10〜20μmである。導電性炭化バイオマス17を炭粉にする工程(S300)を設けると、導電性炭化バイオマスの有する導電性が発揮されて、ABS樹脂・ポリエチレン樹脂・ポリプロピレン樹脂等に添加することにより、導電性樹脂を形成する材料として利用できる。図12のS310では、導電性炭化バイオマス17の表面層に、機能性物質を含浸、塗布、又は蒸着することで、当該機能性物質による機能を付加させる。導電性炭化バイオマス17の有する導電性表面層に機能性物質を含浸、塗布、又は蒸着する工程(S310)を設けることで、当該機能性物質による機能を付加させる。機能性物質としては、例えば抗菌性物質や酸化チタンがある。抗菌性物質であれば、擦り傷や切り傷に対して保護層として使用する絆創膏の代替製品となる。酸化チタンであれば、光触媒機能を付加できる。このようにして、機能性導電性炭化バイオマスが完成する(S320)。
図12のS350では、樹枝状炭化バイオマス18を所定粒径の炭粉に粉砕する。粒径は例えば10〜20μmである。樹枝状炭化バイオマス18を炭粉にする工程(S350)を設けると、樹枝状炭化バイオマスの有する多孔質表面層が有効に作用して、吸湿性や脱臭性に富み、例えば室内の壁面用建築素材として適している。また、微細孔が表面に多数露出するので、微細孔によって傷口の分泌物を吸収して保湿効果を持たせることが出来、抗菌性物質層を形成した表面に保護層を設けることで、抗菌性が持続する。傷口を早く乾かして傷口が早く治癒する効果を有すると期待できる。
図12のS360は、樹枝状炭化バイオマス18に存在する微細孔に、機能性物質を含浸、塗布、又は蒸着することで、当該機能性物質による機能を付加させる。樹枝状炭化バイオマス18の有する多孔質表面層に機能性物質を含浸、塗布、又は蒸着する工程(S360)を設けることで、当該機能性物質による機能を付加させる。樹枝状炭化バイオマスには微細孔が多数存在しているので、例えば抗菌性物質を機能性物質として選択した場合には、擦り傷や切り傷に対して保護層として使用する絆創膏の代替製品となると共に、また微細孔が傷口の分泌物を吸収して保湿効果を持たせることが出来、傷口を早く乾かして傷口が早く治癒する効果を有すると期待できる。特に、抗菌性物質層を形成した表面に保護層を設けることで、抗菌性が持続する。このようにして、機能性樹枝状炭化バイオマスが完成する(S370)。
続いて、導電性炭化バイオマス又は樹枝状炭化バイオマスを用いたシートの製造方法を説明する。図13は、導電性炭化バイオマス又は樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能材料の製造方法を説明する流れ図である。図において、導電性炭化バイオマス17はS100〜S140の各製造工程により製造されるもので、詳細は図4で既に説明している。樹枝状炭化バイオマス18はS200〜S240の各製造工程により製造されるもので、詳細は図5で既に説明している。
図13のS400では、導電性炭化バイオマス17についてシート状に固化する。導電性炭化バイオマス17についてシート状に固化する工程(S400)を設けることで、導電性炭化バイオマス17の有する導電性を有するシート状固化材料が得られる。導電性炭化バイオマス17が、例えば木材のように堅い炭として利用できる態様であれば、特段バインダーを用いることなく、必要な剛性を有する場合もある。また、導電性炭化バイオマス単体では脆くて強度が必要な用途での使用に適さない場合でも、例えばバインダーを添加して導電性炭化バイオマス17を補強することで剛性が増して、強度が必要な用途での使用が可能になる。また、バインダーと導電性炭化バイオマスを混合して、固形の板状又は任意の形状に金型で成型することで、各用途に応じた形状の導電性炭化バイオマスシートを得ることができる。
図13のS410では、導電性炭化バイオマス17の表面層に、機能性物質を含浸、塗布、又は蒸着することで、当該機能性物質による機能を付加させる導電性炭化バイオマス17の有する導電性表面層に機能性物質を含浸、塗布、又は蒸着する工程(S410)を設けることで、当該機能性物質による機能を付加させたシートを製造できる。機能性物質としては、例えば抗菌性物質や酸化チタンがある。抗菌性物質であれば、擦り傷や切り傷に対して保護層として使用する絆創膏の代替製品となる。酸化チタンであれば、光触媒機能を付加できる。
図13のS420では、導電性炭化バイオマス17のシートに導電性の粉炭を塗布して薄膜を形成する。導電性炭化バイオマスシートに導電性の粉炭を塗布して薄膜を形成する工程(S420)を有することで、導電性炭化バイオマスシートの導電性を、導電性炭化バイオマスシートの表面に形成された導電性の粉炭の性状によって調整できる。このようにして、導電性炭化バイオマスシートが完成する(S430)。なお、導電性炭化バイオマス17のシートに機能性素材を用いた薄膜層を形成する工程を付加してもよい。導電性炭化バイオマスシートに機能性素材を用いた薄膜層を形成することで、当該機能性物質による機能を付加させたシートを製造できる。
図13のS450では、樹枝状炭化バイオマス18に含まれる樹枝状組織を保持した状態で、バインダーを用いてシート状に固化する。樹枝状炭化バイオマス18に含まれる樹枝状組織を保持した状態で、バインダーを用いてシート状に固化する工程(S450)を設けることで、樹枝状炭化バイオマス単体の有する樹枝状形状を有するシート状固化材料が得られる。樹枝状炭化バイオマス18が、例えば木材のように堅い炭として利用できる態様であれば、特段バインダーを用いることなく、必要な剛性を有する場合もある。また、樹枝状炭化バイオマス単体では脆くて強度が必要な用途での使用に適さない場合でも、樹枝状炭化バイオマス単体では脆くて強度が必要な用途での使用に適さないが、バインダーで樹枝状炭化バイオマスを補強することで剛性が増して、強度が必要な用途での使用が可能になる。そして、バインダーと樹枝状炭化バイオマスを混合して、固形の板状又は任意の形状に金型で成型することで、各用途に応じた形状の樹枝状炭化バイオマスシートを得ることができる(S480)。
図13のS460では、樹枝状炭化バイオマス18に存在する微細孔に、機能性物質を含浸、塗布、又は蒸着することで、当該機能性物質による機能を付加させる。樹枝状炭化バイオマス18の有する多孔質表面層に機能性物質を含浸、塗布、又は蒸着する工程(S460)を設けることで、当該機能性物質による機能を付加させたシートを製造できる。樹枝状炭化バイオマスには微細孔が多数存在しているので、例えば殺菌性物質を機能性物質として選択した場合には、刺身のように食品の鮮度が商品価値を決定的に決定する用途に好適である。すなわち、多孔質表面層が吸湿作用を発揮するので、肉汁や食品臭を吸着して食品の鮮度低下を防止できると共に、殺菌性物質を含有する表面層を設けることで、殺菌性が高まり、食品の鮮度が持続する。
図13のS470では、樹枝状炭化バイオマス18のシートに導電性の粉炭を塗布して薄膜を形成する。樹枝状炭化バイオマスシートは多孔質表面層であるが導電性を有しないところ、樹枝状炭化バイオマスシートに導電性の粉炭を塗布して薄膜を形成する工程(S470)を設けることで、樹枝状炭化バイオマスシートシートの表面に形成された導電性の粉炭の性状によって導電性を持たせることができる。このようにして、樹枝状炭化バイオマスシートが完成する(S480)。なお、樹枝状炭化バイオマス18のシートに機能性素材を用いた薄膜層を形成する工程を設けてもよい。樹枝状炭化バイオマスシートに機能性素材を用いた薄膜層を形成することで、当該機能性物質による機能を付加させたシートを製造できる。樹枝状炭化バイオマスには微細孔が多数存在しているので、例えば殺菌性物質を機能性物質として選択した場合には、刺身のように食品の鮮度が商品価値を決定的に決定する用途に好適である。すなわち、多孔質表面層が吸湿作用を発揮するので、肉汁や食品臭を吸着して食品の鮮度低下を防止できると共に、殺菌性物質を含有する表面層を設けることで、殺菌性が高まり、食品の鮮度が持続する。
図14は、導電性炭化バイオマス17の表面層や樹枝状炭化バイオマス18に存在する微細孔に、機能性物質を塗布する一例を示す構成図である。機能性物質を溶液に混和して、スプレーガン70等を用いて、導電性炭化バイオマス17の表面層や樹枝状炭化バイオマス18に存在する微細孔に機能性物質溶液72を噴霧することによって、機能性物質を塗布して、機能性物質の薄膜槽74を導電性炭化バイオマス17や樹枝状炭化バイオマス18の表面層に形成する。
続いて、本発明に係る導電性炭化バイオマス17と樹枝状炭化バイオマス18を素材とする用途について説明する。導電性炭化バイオマス17を微細粒径の炭粉に粉砕して、例えばABS樹脂・ポリエチレン樹脂・ポリプロピレン樹脂等に添加することにより、導電性樹脂を形成する材料として利用できる。具体的には、炭粉の粒径を20μm程度に粉砕して、この微細粒径の炭粉を0.2線形の溝に配合し、樹脂でモールドする。微細粒径の導電性炭化バイオマス17は、平板樹脂成型や線形樹脂成型のような比較的小型の電子部品に応用でき、配線を設けない電子用基板が提供できる。
樹枝状炭化バイオマス18は、吸湿性や脱臭性に富み、例えば木製チップを圧縮して製造する合板に添加し、内装材や壁等の室内の壁面用建築素材に利用できる。この場合、樹枝状炭化バイオマス18は、微細粒径の炭粉に粉砕してもよく、また中温焼成した状態のまま粉砕することなく、そのまま木製チップを圧縮して製造する合板に添加してもよい。樹枝状炭化バイオマス18は、天然素材として飽きのこない樹枝状の形状をしているので、室内の壁面用建築素材に利用する場合には、壁紙を貼付しなくても利用に装飾性が得られる。
乾燥させたバイオマス原料16は、バイオマス原料の表面色彩が紫檀色や、乾燥加熱時間を長く取れば黒檀色に近くなる。そこでバイオマス原料として木材を用いた場合には、表面に紫檀や黒檀の色合いや艶を付けることが出来、導電性炭化バイオマス17と樹枝状炭化バイオマス18の前段階である乾燥させたバイオマス原料16段階でも、木材の高級な表面加工方法として利用できる。
樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能材料においては、樹枝状炭化バイオマスには微細孔が多数存在しているので、例えば抗菌性物質を機能性物質として選択した場合には、この微細孔に抗菌性物質を含浸させて、その後封孔処理を行い、微細孔から抗菌性物質の流失を防止する構造とすることができ、抗菌作用を長時間持続させることができる。また、樹枝状炭化バイオマスの樹枝状組織を破壊せず、バインダーで固め、固形の板状や所望の形状に金型で成型する。さらに、樹枝状炭化バイオマスとバインダーにより組成された表面に、導電性炭化バイオマスを用いた塗装層や薄膜層を形成して、樹枝状炭化バイオマスに導電性を持たせることができる。
また、樹枝状炭化バイオマスとして竹を用い、竹の形状を維持した状態で利用する用途としては、フィルター、刺身皿がある。フィルターの場合は、樹枝状炭化バイオマスとしての竹を3mm程度の厚さで切り、複数枚集成して水質浄化機能を持ったフィルターを構成できる。樹枝状炭化バイオマスは亜炭に類似した組織構造をしており、表面には内径10μm程度の微細孔が多数存在している。そこで、樹枝状炭化バイオマスの表面積は、1グラム当り1000m以上あり、吸着効果が高い。この特質を生かして、水質浄化するフィルターに利用できる。一般に吸着能力を増やすには、フィルターの断面積を大きくする必要があるため、複数枚並べて集成するが、互いのフィルター縦断面(厚さ方向)を接着剤で結合して一枚の板状にするのがよい。
また、刺身皿の場合も、樹枝状炭化バイオマスとしての竹を3mm程度の厚さで切り、複数枚集成して皿状にする。この点、従来の刺身皿では陶器製を用いているため、刺身の水切りが悪い場合、刺身の鮮度が落ち、また顧客の見た目からも鮮度が落ちているように見える恐れがある。樹枝状炭化バイオマスとしての竹の場合は、刺身から滲み出した水分が表面に形成されている微細孔に吸着されて、無駄な水分が表面に溢れる可能性が低くなる。また、皿状にするのに代えて、0.5mm程度の厚さで切り、刺身の下に敷く不織布の代替や、揚げ物の油きり用キッチンペーパーの代替として使用できる。
また、乾燥させたバイオマス原料として竹を用い、竹の形状を維持した状態で利用する用途としては、仏像の表面処理、家具の表面処理として利用できる。乾燥させたバイオマス原料の表面色彩が紫檀色や、乾燥加熱時間を長く取れば黒檀色に近くなる。そこで、このように表面色彩に高級感を漂わせる表面処理を行って、美術工芸品に使用できる。美術工芸品には、仏像のほか、木製家具、お盆、茶托等の木製日用雑貨品に適用することも出来る。
樹枝状炭化バイオマス18は、医療品として用途も存在する。樹枝状炭化バイオマス18を微細粒径の炭粉に粉砕して、抗菌性物質としてポピドン沃素を含浸させる。そして、ポピドン沃素を含浸させた炭粉をPET樹脂で製造した薄膜の上に塗布して、切り傷や擦り傷に貼って使用する絆創膏の代替商品として利用できる。炭粉では、微細孔が表面に多数露出するので、微細孔によって傷口の分泌物を吸収して保湿効果を持たせることが出来、ポピドン沃素により抗菌性が持続する。このようにして、傷口を早く乾かして傷口が早く治癒する効果を有すると期待できる。
本発明に係る導電性炭化バイオマス製造方法及び樹枝状炭化バイオマス製造方法のうち、油で揚げる工程S100、S200を説明する構成図である。 本発明に係る導電性炭化バイオマス製造方法及び樹枝状炭化バイオマス製造方法のうち、油抜き工程S110、S210を説明する構成図である。 本発明に係る導電性炭化バイオマス製造方法及び樹枝状炭化バイオマス製造方法のうち、乾燥工程S120、S220と高温焼成工程S130、中温焼成工程S230を説明する構成図である。 本発明に係る導電性炭化バイオマス製造方法を説明する流れ図である。 本発明に係る樹枝状炭化バイオマス製造方法を説明する流れ図である。 バイオマス原料として竹を用い、竹の軸方向断面を電子顕微鏡で撮影した写真図である。 バイオマス原料として竹を用いて、高温焼成してグラファイト組織化した導電性炭化バイオマスの竹軸方向断面を電子顕微鏡で撮影した写真図である。 亜炭の縦軸方向断面を電子顕微鏡で撮影した写真図である。 バイオマス原料として竹を用いて、中温焼成して多孔質組織の樹枝状炭化バイオマスの竹軸方向断面を電子顕微鏡で撮影した写真図である。 バイオマス原料としての竹と、高温焼成してグラファイト組織化した導電性炭化バイオマスのX線回析試験結果を示してある。 樹枝状炭化バイオマスの比較対象である亜炭と、バイオマス原料10として竹を用いて、中温焼成して多孔質組織の樹枝状炭化バイオマス(竹亜炭)のX線回析試験結果を示してある。 導電性炭化バイオマス又は樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能材料の製造方法を説明する流れ図である。 導電性炭化バイオマス又は樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能材料の製造方法を説明する流れ図である。 導電性炭化バイオマス17の表面層や樹枝状炭化バイオマス18に存在する微細孔に、機能性物質を塗布する一例を示す構成図である。
符号の説明
10 バイオマス原料
12 加熱処理されたバイオマス原料
13 アルカリ置換工程で処理されたバイオマス原料
14 油性溶液除去工程で処理されたバイオマス原料
16 乾燥させたバイオマス原料
17 高温焼成したバイオマス原料(導電性炭化バイオマス)
18 中温焼成したバイオマス原料(樹枝状炭化バイオマス)
20 油槽(加熱油の収容容器)
30 加熱装置
40 油性溶液
54 アルカリ性溶液
60 真空加熱炉
S100、S200 油で揚げる工程
S110、S210 油抜き工程
S112、S212 アルカリ置換工程
S114、S214 アルカリ除去工程
S120、S220 乾燥工程
S130 高温焼成工程
S230 中温焼成工程

Claims (9)

  1. 木材や竹等のバイオマス原料を、前記バイオマス原料の植物細胞が実質的に保持される熱処理温度で、油性溶液を用いて加熱処理する工程と、
    加熱処理されたバイオマス原料から前記油性溶液を除去する工程と、
    前記油性溶液除去工程で処理されたバイオマス原料を、実質的に無酸素状態で、水の沸点温度と前記バイオマス原料の自己炭化温度との中間温度で、乾燥する工程と、
    前記乾燥させたバイオマス原料を、実質的に無酸素状態で、グラファイト組織形成処理温度で、高温焼成する工程と、
    を有する導電性炭化バイオマス製造方法。
  2. 木材や竹等のバイオマス原料を、前記バイオマス原料の植物細胞が実質的に保持される熱処理温度で、油性溶液を用いて加熱処理する工程と、
    加熱処理されたバイオマス原料から前記油性溶液を除去する工程と、
    前記油性溶液除去工程で処理されたバイオマス原料を、実質的に無酸素状態で、水の沸点温度と前記バイオマス原料の自己炭化温度との中間温度で、乾燥する工程と、
    前記乾燥させたバイオマス原料を、実質的に無酸素状態で、前記自己炭化温度とグラファイト組織形成処理温度との中間温度で、中温焼成する工程と、
    を有する樹枝状炭化バイオマス製造方法。
  3. 前記油性溶液除去工程は、
    前記バイオマス原料に浸透した前記油性溶液をアルカリ性溶液に置換する工程と、
    前記バイオマス原料に浸透した前記アルカリ性溶液を除去する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の導電性炭化バイオマス製造方法又は請求項2に記載の樹枝状炭化バイオマス製造方法。
  4. 請求項1又は3記載の導電性炭化バイオマス製造方法を用いて製造された導電性炭化バイオマス、又は請求項2又は3記載の樹枝状炭化バイオマス製造方法を用いて製造された樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能材料の製造方法であって、
    前記導電性炭化バイオマスの表面層、又は前記樹枝状炭化バイオマスに存在する微細孔に、機能性物質を含浸、塗布、又は蒸着することで、当該機能性物質による機能を付加させる工程を含むことを特徴とする導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能材料の製造方法。
  5. 請求項4記載の導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能材料の製造方法において、
    前記導電性又は樹枝状炭化バイオマスを所定粒径の炭粉に粉砕する工程を有し、粉砕された導電性又は樹枝状炭化バイオマスを前記機能性物質による機能を付加させる工程を含むことを特徴とする導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いた複合機能材料の製造方法。
  6. 請求項1又は3記載の導電性炭化バイオマス製造方法を用いて製造された導電性炭化バイオマス、又は請求項2又は3記載の樹枝状炭化バイオマス製造方法を用いて製造された樹枝状炭化バイオマスを用いたシートの製造方法であって、
    前記導電性炭化バイオマスについてシート状に固化し、又は前記樹枝状炭化バイオマスに含まれる樹枝状組織を保持した状態で、シート状に固化する工程を含むことを特徴とする導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いたシートの製造方法。
  7. 請求項6記載の導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いたシートの製造方法において、
    さらに、前記導電性炭化バイオマスの表面層、又は前記樹枝状炭化バイオマスに存在する微細孔に、機能性物質を含浸、塗布、又は蒸着することで、当該機能性物質による機能を付加させる工程を含むことを特徴とする導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いたシートの製造方法。
  8. 請求項6又は7記載の導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いたシートの製造方法において、
    さらに、前記シートに導電性の粉炭を塗布して薄膜を形成する工程を有することを特徴とする導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いたシートの製造方法。
  9. 請求項6乃至8の何れか一項に記載の導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いたシートの製造方法において、
    さらに、前記シートに機能性素材を用いた薄膜層を形成する工程を有することを特徴とする導電性又は樹枝状炭化バイオマスを用いたシートの製造方法。
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