JP2009016573A - 静電チャック及びそれを用いたワークの冷却方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ワークをワーク載置面に固定する静電チャックであって、ワーク載置面を有する円板状の本体が、本体の周縁に設けられた外壁と、外壁の内側に外壁と同心円状に配置され、それぞれ一部に切り欠きを備える複数の内壁と、本体の外壁と最外郭の内壁との間に定義される外周部と最内郭の内壁に囲まれる中心部にそれぞれガス供給孔と、を有し、ワークを外壁及び内壁のワーク載置部に配置した際に、外壁及び内壁に形成されるワークとの接触面が略同一平面にあり、ワークと本体との間に形成される中心部の空間と外周部の空間とが、内壁に設けられた切り欠きを介して形成されるガスの流路によって互いに連通する静電チャックを要旨とする。
【選択図】図1
Description
図1(a)に示す、ワークをワーク載置面に固定する実施形態にかかる静電チャック10は、ワーク載置面を有する円板状の本体1が、本体1の周縁に設けられた外壁3と、外壁3の内側に外壁3と同心円状に配置されそれぞれ一部に切り欠き5a、6a、7a、8aを備える複数の内壁5、6、7、8と、本体1の外壁3と最外郭の内壁5との間に定義される外周部9aと最内郭の内壁に囲まれる中心部9cにそれぞれガス供給孔1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1h、1i、1j、1k、1l、1mとを有する。
次に、図2(a)、(b)、(c)、(d)、(e)を用いて、ウエハ2の冷却方法を説明することで、実施形態にかかる静電チャック10の作用効果を説明する。
静電チャック10の製造方法として静電チャック10の本体1が窒化アルミニウムである場合の製造方法を説明する。まず窒化アルミニウム粉末を所定形状に成形して成形体を形成する。その後、この成形体上に、モリブデンからなる内部電極を配置する。さらにこの上に窒化アルミニウム粉末を充填し再度成形して内部電極を埋設した円盤状の成形体を得る。次いで、この成形体を窒素雰囲気中で焼結することにより、内部電極を埋設した静電チャックを作製する。
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。具体的には、図1(a)(b)の静電チャックの内壁5、6、7、8を、それぞれ図3(a)(b)に示す内壁25、26に置き換えた静電チャック20、図4(a)(b)に示す内壁35、36、37、38に置き換えた静電チャック30、図5(a)(b)に示す内壁43、44、45、46、47、48、50に置き換えた静電チャック40が提供される。尚、符号の末尾の数字が一致するものは同様の位置に配置されることを意味する。
上記静電チャックの製造例に準じて製造されたアルミナセラミックスからなる静電チャック本体を用意する。そしてマスクサンドブラスト法により、静電チャックの本体の表面を研磨して、図3(a)、(b)に示すパターンの内壁25、26を形成した。各内壁間の溝幅は1.0mmとし、内壁幅は0.8mmとし、内壁高さは15μmとした。以上により図3(a)、(b)に示す製造例1にかかる静電チャック20を製造した。
製造例1の静電チャック20と、静電チャック20の配置部上方に同心円状に配置されたプラズマによる熱発生を模擬するための複数の加熱ランプと、を備える真空チャンバーを用意した。次に真空チャンバーの静電チャック20の表面にウエハ2を載置して、350Vの電圧を静電電極に印加してウエハ2を吸着した。そして、加熱ランプを点灯し、中心部29cと外周部29aで10℃の温度差がつくように、加熱ランプの出力を調整した。温度分布測定はウエハ表面に複数の熱電対が取り付けたTC(Thermo Couple)ウエハを用いて行なった。次に、ウエハ2裏面に静電チャック20のガス供給孔1a〜1mからヘリウム(He)ガスを導入し、中心部29cと外周部29aで差圧をつけた。差圧は中心部29cを1kPaとしたときに外周部29aを2kPaとした。30秒経過後、安定したところで、ウエハ2上の各点の温度測定を行なった。図3(c)に内壁25、26の位置を横軸、内壁25、26周辺の温度を縦軸に取った温度分布グラフを示す。また表1に、ウエハ全体の均熱性(絶対温度分布)[℃]、内壁25、26部分の温度差(温度ギャップΔT)[℃]、内壁25、26部分の距離あたりの温度変化[℃/mm]を示す。
表1の条件の欄に示すように、静電チャックを製造例1から製造例2、3、4に置き換えたことを除き、実施例1と同様にして実施例2、3、比較例1を行なった。実施例2、3及び比較例1のそれぞれの隔壁部分における局所的な温度測定の結果を図3(c)、図4(c)、図5(c)、図6(c)、及び表1に示す。
絶対温度分布自体は、単純に中心部と外周部のガス圧力の差異に左右されるため、ガス圧力差を大きくすれば改善できる。そこで、ウエハ2裏面ガス圧力を中心部1kPa、外周部3kPaとして実験を行なった。即ち表1の条件の欄に示す条件にしたことを除き、実施例1と同様にして、実施例4、5、6、比較例2を行なった。得られた温度測定の結果を表1に示す。
さらに中心部と外周部のガス圧力に差をつけ、中心部1kPa、外周部4kPaとした。
2:ウエハ(ワーク)
3:外壁
5、6、7、25、26、35、36、37、38、43、45、46、47、48、50、105:内壁
4、24、34、44:溝
9a、29a、39a、49a、109a:外周部
9b、29b、39b、49b、109b:緩衝部
9c、29c、39c、49c、109c:中心部
1a〜1m:ガス供給孔
10、20、30、40、100:静電チャック
Claims (5)
- ワークをワーク載置面に固定する静電チャックであって、
前記ワーク載置面を有する円板状の本体が、
前記本体の周縁に設けられた外壁と、
前記外壁の内側に前記外壁と同心円状に配置され、それぞれ一部に切り欠きを備える複数の内壁と、
前記本体の前記外壁と最外郭の前記内壁との間に定義される外周部と最内郭の前記内壁に囲まれる中心部にそれぞれガス供給孔と、を有し、
前記ワークを前記外壁及び前記内壁のワーク載置部に配置した際に、前記外壁及び前記内壁に形成される前記ワークとの接触面が略同一平面にあり、前記ワークと前記本体との間に形成される中心部の空間と外周部の空間とが、前記内壁に設けられた切り欠きを介して形成されるガスの流路によって互いに連通することを特徴とする静電チャック。 - 前記複数の内壁の数は3以上で、それぞれ内壁の切り欠きは隣り合う内壁の切り欠きと重ならないように配置されていることを特徴とする請求項1記載の静電チャック。
- 前記複数の内壁が、それぞれ複数の切り欠きを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の静電チャック。
- 前記ガスの流路方向が反転するように、前記切り欠きの中央に前記円板の径方向に延在する反転壁を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電チャック。
- ワークをワーク載置面に固定する静電チャックであって、前記ワーク載置面を有する円板状の本体が、前記本体の周縁に設けられた外壁、前記外壁の内側に前記外壁と同心円状に配置されそれぞれ一部に切り欠きを備える複数の内壁、前記本体の前記外壁と最外郭の前記内壁との間に定義される外周部と最内郭の前記内壁に囲まれる中心部にそれぞれガス供給孔を有する静電チャックを用意する工程と、
前記ワークを前記ワーク載置部に配置して、前記ワークと前記本体との間に、前記複数の内壁にそれぞれ設けられた切り欠きを介して互いに結ばれたガスの流路を形成する工程と、
前記外周部と前記内周部のガス供給孔から前記中心部及び前記外周部のいずれか一方の圧力が高くなるようにガスを供給し、前記複数の内壁の間に定義される緩衝部でガス圧力を緩衝しながら前記ガスを充填する工程と、
を有することを特徴とするワークの冷却方法。
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