JP2009016519A - 蓄電デバイス - Google Patents

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和哲 栗田
Susumu Hara
進 原
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Abstract

【課題】
専用の充電器が不要で、充電時間が短く、形状及び出力電圧が乾電池と互換性のあるUSBインタフェースを利用した充電機能を有する蓄電デバイスを提供する。
【解決手段】
本体部1と、本体部1に着脱自在のキャップ部2からなる所定形状のケースを有する蓄電デバイスであって、本体部1は、電力の供給源に接続されるUSBインタフェース用の第1コネクタ101と、第1コネクタ101を介して蓄電する電気二重層キャパシタ105と、電気二重層キャパシタ105からの出力電圧を所定の電圧に変換する電圧変換手段104とを有し、キャップ部2は、電圧変換手段104の出力に接続されるUSBインタフェース用の第2コネクタ201と、第2コネクタ201の出力を蓄電デバイスの外部に供給する電極202とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、蓄電デバイスに係り、特に、USB(Universal Serial Bus)インタフェースを利用した充電機能を内蔵する蓄電デバイスに関する。
電気を蓄え電源として用いる蓄電デバイスとしては、マンガン乾電池やアルカリ乾電池に代表される放電のみの一次電池、ニッケル・カドミウム電池を始めとし、ニッケル水素電池やリチウム・イオン電池のような充放電可能な二次電池、及び、電気二重層キャパシタに代表される大容量キャパシタがある。
電池については、化学反応による化学エネルギーを電気エネルギーに変換する方式であり、一次電池については使い切り、二次電池については、電気エネルギーを化学エネルギーに変換して蓄える方式であることから、化学反応に要する時間による充電時間の長さ、充電のサイクル寿命の短かさによる頻繁な電池交換等の欠点がある。また、電池には有害物質が含まれている場合もあり、寿命となった電池の廃棄に伴う環境への影響も大きいため、電池の回収やリサイクル推進等のインフラ整備が必須である。
このような電池に比べ、電気エネルギーの変換無しで電気を蓄えるキャパシタは、充電時間が極端に短くなり、サイクル寿命も理論的には半永久的となる。また、構成材料に有害物質を含まないことから、廃棄に伴う環境への影響も著しく低いなどの利点がある。
しかし、キャパシタの最大の弱点は、エネルギー密度が電池に比べて極めて低いことがあり、これまでは、半導体メモリのバックアップや腕時計の電源等の特定用途の電源として使用されるのみであったが、近年の技術改良の結果、電気二重層キャパシタにおいては、リチウム・イオン電池に迫る製品が開発されている。特許文献1には、電気二重層コンデンサを用いた電源装置の技術が開示されている。
大容量の電気二重層キャパシタが製品化されたことにより、二次電池に替わって、電気二重層キャパシタを蓄電手段として用いた電源装置や電気自動車やハイブリッドカーの電源が実用化されている。また、充電時間が非常に短いことから、太陽電池や発電機構等を組み合わせたハイブリッド型の電源装置も提案されている。
USBインタフェースを利用した充電については、近年、携帯型の音楽プレーヤや携帯電話等の機器に搭載される二次電池の充電として一般的に使用されている。
特開2003−092234号公報
しかしながら、電気二重層キャパシタを単純に乾電池互換の形状および出力電圧にした場合、充電時にコンデンサに蓄積されているエネルギーが少ないほど大電流が流れることになるため、電流制限のための抵抗を電気二重層キャパシタと直列に接続するか、電流制限の機能を備えた充電回路を使用して充電しなければならない。また、放電時には放電時間に対し電圧が直線的に減少していくため、所定の電圧を維持できる時間が短くなってしまう問題がある。
本発明の目的は、専用の充電器が不要で、充電時間が短く、形状及び出力電圧が乾電池と互換性のあるUSBインタフェースを利用した充電機能を有する蓄電デバイスを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の蓄電デバイスは、本体部と、該本体部に着脱自在のキャップ部からなる所定形状のケースを有する蓄電デバイスであって、該本体部は、電力の供給源に接続されるUSBインタフェース用の第1コネクタと、該第1コネクタを介して蓄電する電気二重層キャパシタと、該電気二重層キャパシタからの出力電圧を所定の電圧に変換する電圧変換手段とを有し、該キャップ部は、該電圧変換手段の出力に接続されるUSBインタフェース用の第2コネクタと、該第2コネクタの出力を該蓄電デバイスの外部に供給する電極とを有するように構成することができる。
本発明によれば、専用の充電器が不要で、充電時間が短く、形状及び出力電圧が乾電池と互換性のあるUSBインタフェースを利用した充電機能を有する蓄電デバイスを提供することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
まず、図1を参照して、本実施例の蓄電デバイスについて説明する。
図1は、本実施例による蓄電デバイス100の外観を示す図である。本体部1及び着脱自在の電池キャップ部2から構成される蓄電デバイス100は、乾電池と同一の物理形状のケースからなり、電池の出力端子であるマイナス電極102、プラス電極202から構成されている。(A)は、本体部1と電池キャップ2とを分離した蓄電デバイス100を示す図であり、一方、(B)は、本体部1と電池キャップ部2とを合体した蓄電デバイス100を示す図である。本体部1と電池キャップ部2との接続は、それぞれに設けられたUSBプラグコネクタ101、USBレセプタクルプラグコネクタ201で行われる。
図2は、蓄電デバイス100の構成例を示す図である。蓄電デバイス100は、本体部1及び、本体部1に対して着脱自在の電池キャップ部2から構成されている。さらに、本体部1は、電気二重層キャパシタ105、出力調整回路104、第1ダイオード103、第2ダイオード106、USBプラグコネクタ101及びマイナス電極102から構成されている。
USBプラグコネクタ101は、USBインタフェースとの接続を行うコネクタであり、PC等の機器で一般的に使用され、USB Implementers Forum, Inc.で仕様が規定されているAタイプコネクタである。マイナス電極102は、蓄電デバイス100が電池として作用する場合のマイナス電極である。
電池キャップ部2は、USBレセプタクルコネクタ201及びプラス電極202から構成されている。USBレセプタクルコネクタ201は、USBインタフェースとの接続を行うコネクタであり、PC等の機器で一般的に使用され、USB Implementers Forum, Inc.で仕様が規定されているAタイプコネクタである。プラス電極102は、蓄電デバイス100が電池として作用する場合のプラス電極である。
第1ダイオード103は、USBインタフェース機器とUSBプラグコネクタ101とを接続して充電をする際に、電流が、電気二重層キャパシタからUSBインタフェース機器へ流入するのを防ぐための素子である。第2ダイオード106は、本体部1と電池キャップ2とを合体して電池として使用する場合、電流が、プラス電極202から出力調整回路104へ流入するのを防ぐための素子である。
電気二重層キャパシタ105は、内部電極に活性炭を使用し、活性炭表面と電解液の間に生じる電気二重層現象を利用したコンデンサであり、構成材料により1セル当りの静電容量を数F〜数百F(ファラド)にすることができる小形で大容量のキャパシタである。キャパシタであるため、完全放電しても極めて短時間で再充電を行うことが可能である。さらに、繰り返し充放電による劣化がほとんど無く、半永久的に使用可能であることを特徴とする蓄電デバイスである。
図3は、電気二重層キャパシタ105の放電特性のグラフである。この放電特性グラフは、横軸に放電時間,縦軸に出力電圧、また、電気二重層キャパシタ105の放電カーブ301,一般的な電池(例えば、乾電池を含む一次電池、二次電池)の放電カーブ302を示している。放電時間(残留電荷量)に対する電気二重層キャパシタ105の放電カーブ301は、一般的な電池の放電カーブ302と異なり、出力電圧が直線的に下がる。また、放電時間は、周囲温度にも影響を受けるため、電気二重層キャパシタ105は、それ自体単独では電池として使いにくい。
そこで、出力調整回路104は、電気二重層キャパシタ105からの出力電圧が、実際の乾電池の電圧1.5Vより高い電圧の場合、出力電圧を1.5Vへ電圧を降圧し、一方、電気二重層キャパシタ105からの出力電圧が、実際の乾電池の電圧1.5Vより低い電圧の場合、乾電池の出力電圧である1.0V〜1.5Vの範囲へ出力電圧を昇圧する。つまり、出力調整回路104は、入力された直流電圧,電流を任意の直流出力に変換する。
電気二重層キャパシタ105からの出力電圧が、実際の乾電池の電圧1.5Vより低い電圧で出力調整回路104に入力された場合は、電気二重層キャパシタ105の出力電流を低抵抗器を利用した電流検出回路で検出し、電気二重層キャパシタ105の残容量を考慮しつつ、電流検出回路で検出した情報を元に、電圧を昇圧する。
尚、出力調整回路104の電圧の降圧/昇圧は、乾電池程度の出力であれば、市販されている1チップのICとコイル,コンデンサ等を組み合わせた回路(例えば、DC/DCコンバータ)で、非常に小型な回路で構成可能である。
次に、蓄電デバイス100の充電及び放電について説明する。
まず、蓄電デバイス100の充電について説明する。充電時には、電池キャップ部2を本体部1から取り外し、本体部1に設置されたUSBプラグコネクタ101を、USBインタフェースを備えた機器(例えば、PC)のUSBレセプタクルコネクタへ接続することにより充電を行う。
USBインタフェースは4つの端子から構成され、電源供給用のVBUS,GND端子,信号用のD+,D-端子がある。VBUS、GND端子間に供給される電圧,電流は、電圧5V±5%,電流は最大500mAで規格されている。このため、電気二重層キャパシタ105の蓄電容量が少ない場合の充電初期状態に発生する大電流を制御するための素子や回路を本体部1に備える必要が無く、接続される機器側への電流の逆流を防止する第1ダイオード103を電気二重層キャパシタ105の間に設置するのみの、非常に単純な充電回路を構成できる。
尚、出力調整回路104はUSBインタフェースのD+、D-端子を利用することにより、充電時には電気二重層キャパシタ105との接続は分離される。このため、電池キャップ部2が接続されていない場合は、電気二重層キャパシタ105に蓄積されたエネルギーは出力調整回路104へ入力されず、出力調整回路104は動作しない。よって充電時には、出力調整回路104が接続された、USBインタフェース信号端子D-には異常な出力がされず、USBインタフェースを持つ機器からの充電のみを実現できる。
次に、蓄電デバイス100の放電(乾電池としての動作)について説明する。乾電池として使用する場合は、本体部1と電池キャップ部2とを接続する。電池キャップ部2に設置されるUSBレセプタクルコネクタ201のVBUS端子は未接続,D−端子は、プラス電極202へ接続,D+端子はGND端子に接続する。本体部1と電池キャップ部2が接続されることにより、出力調整回路104と電気二重層キャパシタ105とが電池キャップ部2を介して接続され、プラス電極202からの放電が可能となる。
図4は、4品種の乾電池の直径及び長さを示す表であり、図5は、2形状のUSBコネクタの幅、高さ及び長さを示す表である。
乾電池の外形寸法はJISにより規格化されており、一般的に使用される単一形〜単三形の直径寸法は、最も多くの機器に搭載されているUSBインタフェース用コネクタのAタイプのコネクタの幅寸法より大きく、USBインタフェース用コネクタを電池へ実装することが可能である。
尚、単四型については直径寸法がUSBインタフェース用コネクタのAタイプコネクタの幅寸法より小さくなるため、小形の携帯端末に利用されるMin-Bタイプのコネクタを使用し、かつ変換ケーブルとの組み合わせで、最も多くの機器に搭載されているUSBインタフェース用コネクタのAタイプのコネクタの機器へ接続が可能である。
以上により、乾電池との物理的互換性をもったUSBインタフェース用コネクタを実装した蓄電デバイスを実現できる。
尚、本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
本発明の実施例による蓄電デバイスの外観を示す図である。 本発明の実施例による蓄電デバイスの構成例を示す図である。 電気二重層キャパシタ及び乾電池の放電特性グラフである。 4品種の乾電池の直径及び長さを示す表である。 2形状のUSBコネクタの幅、高さ及び長さを示す表である。
符号の説明
1:本体部、 2:電池キャップ部、 101:USBプラグコネクタ、102:マイナス電極、 103:第1ダイオード、 104:出力調整回路、 105:電気二重層キャパシタ、 106:第2ダイオード、 201:USBレセプタクルコネクタ、 202:プラス電極、 301:電気二重層キャパシタ105の放電カーブ、302:一般的な電池(一次電池,二次電池)の放電カーブ

Claims (1)

  1. 本体部と、該本体部に着脱自在のキャップ部からなる所定形状のケースを有する蓄電デバイスであって、
    該本体部は、電力の供給源に接続されるUSBインタフェース用の第1コネクタと、該第1コネクタを介して蓄電する電気二重層キャパシタと、該電気二重層キャパシタからの出力電圧を所定の電圧に変換する電圧変換手段とを有し、
    該キャップ部は、該電圧変換手段の出力に接続されるUSBインタフェース用の第2コネクタと、該第2コネクタの出力を該蓄電デバイスの外部に供給する電極とを有することを特徴とする蓄電デバイス。
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