JP2009012428A - 多層樹脂ベルトの製造方法およびそれにより得られる多層樹脂ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】複数樹脂層の積層により構成されるベルトを、押出形成を用いて、異物による表面の凹凸を低減しつつ高い厚み精度で得ることができる多層樹脂ベルトの製造方法およびそれにより得られる多層樹脂ベルトを提供する。
【解決手段】2層以上の樹脂層からなる積層構造を有する多層樹脂ベルトの製造方法である。各樹脂層を構成する2種以上の溶融樹脂材料を、成形ダイ10内にマンドレル1と、中間ダイリング2と、外側ダイリング3とによりそれぞれ独立して設けられた2以上の環状通路4A,4Bを経て、ダイスリットか5ら押出すことにより積層構造を形成する。2以上の環状通路4A,4B内の2種以上の溶融樹脂材料に円周方向の外力を及ぼして、2種以上の溶融樹脂材料のそれぞれを環状通路4A,4B内で強制流動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層樹脂ベルトの製造方法およびそれにより得られる多層樹脂ベルト(以下、単に「製造方法」および「ベルト」とも称する)に関し、詳しくは、複写機、プリンター等の電子写真装置や静電記録装置等における静電記録プロセスにおいて、表面に静電潜像を保持した潜像保持体等の画像形成体表面に現像剤を供給して形成されたトナー像を、自己の表面を介して紙等の記録媒体へと転写する際、または、記録媒体を画像形成体に搬送して、その記録媒体に直接トナー像を転写する際に用いられる導電性エンドレスベルトとして有用な多層樹脂ベルトの製造方法およびそれにより得られる多層樹脂ベルトに関する。
従来から、複写機、プリンター等の画像形成装置における静電記録プロセスでは、まず、感光体(潜像保持体)の表面を一様に帯電させ、この感光体に光学系から映像を投射して光の当たった部分の帯電を消去することによって静電潜像を形成し、次いで、この静電潜像にトナーを供給してトナーの静電的付着によりトナー像を形成し、これを紙、OHP、印画紙等の記録媒体へと転写することにより、プリントする方法が採られている。
このような静電記録プロセスにおいて、トナー像を紙等の記録媒体へと転写する際には、トナー像を一旦自己の表面に保持して転写するため(中間転写方式)、または、記録媒体を感光体まで搬送してトナー像を直接転写させるために(転写搬送方式)、半導電性の樹脂フィルムまたは繊維補強体を有するゴムからなるベルト状部材が用いられている。このうち樹脂フィルムからなる樹脂フィルムベルトを製造する方法としては、従来、環状ダイスを用いた押出成形による手法が知られている。
かかるベルトの押出成形に係る改良技術としては、例えば、特許文献1に、溶融樹脂材料を、成形ダイのマンドレルと外筒ダイリングとの間の環状通路を経てダイスリットから押出して、樹脂製薄肉チューブを成形するに当り、環状通路内の溶融樹脂材料に円周方向の外力を及ぼして、その溶融樹脂材料を環状通路内で強制流動させることで、成形される樹脂製薄肉チューブにおける異物の混入数および厚み精度を向上した樹脂製薄肉チューブの成形方法が開示されている。
また、特許文献2には、内側ダイリングと外側ダイリングとの少なくとも一方を回転可能に配置して、これらダイリング間の内側ダイリング側に、それぞれ次第に深さの減少する複数のスパイラル流路溝を形成してなるスパイラルダイの、該複数のスパイラル流路溝に、前記ダイリングの少なくとも一方を回転させつつ、内側ダイリングから複数の溶融樹脂流を、該内側ダイリングに設けた分配溝を通じて一定の順序で分配導入し、個々の樹脂流がスパイラル流路溝を進行してダイ軸方向に均一な筒状流を形成する前に、複数の溶融樹脂流をスパイラル流路溝からの漏洩流として前記一定の順序で積層させることにより、その周方向断面において複数樹脂が斜めに積層した積層筒状体を得る樹脂積層体の製造方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、チューブ円周方向へのポリマー配向を達成し、液晶ポリマーなどの特殊ポリマーを用いなくても押し込み性、トルク伝達性、追随性、耐キンク性等を改善しうる多層管状体を提供することを目的として、2以上のポリマー入口と、押出方向下流の合流部と、内部に分岐路を有するダイ本体と、ダイ本体内に貫通して配置されたマンドレルと、ダイ本体の押出方向下流側先端に、マンドレルと同心に配置されたダイスとを有し、マンドレルの外周面とダイスの内周面とにより、ダイスの空間内に合流ポリマーの流路が形成されるとともに、マンドレルおよびダイスの少なくとも一方が、押出方向を軸方向として回転可能に構成されてなる積層管状体押出成形用ダイが開示されている。
特開2005−53031号公報(特許請求の範囲等) 特開平10−29237号公報(特許請求の範囲等) 特開2003−251680号公報(特許請求の範囲等)
画像形成装置に使用される樹脂フィルムベルトには、品質として、ベルト表面に異物等による凹凸がないことや、高い厚み精度を有することが求められる。一方で、難燃性や表面光沢、画像特性等の各種ベルト性能についても全て満足する高機能なベルトが要求されており、1種類の樹脂組成物から構成されるベルトでは、これらの機能を同時に達成することが困難になってきた。そこで最近では、ベルトを多層化して、各機能を各層に分離することで高機能化を図る試みがなされている。
このような多層化されたベルトを押出成形により製造するに際して、特許文献1に開示された技術では、異物による凹凸や厚み精度に関しては高品質なベルトが得られるものの、多層化には対応できるものではなかった。また、特許文献2に開示された技術では、複数種の樹脂組成物を、樹脂組成物の種類以上に積層することは可能であるが、各層の厚み精度の制御は困難であった。さらに、特許文献3に開示された技術は、ポリマーが配向した積層管状体を得るために各層材料の合流後にマンドレルないしダイスを回転させるものであって、各層のそれぞれにおける異物の混入防止や厚み精度の向上については何ら考慮されていない。
そこで本発明の目的は、複数樹脂層の積層により構成されるベルトを、押出成形を用いて、異物による表面の凹凸を低減しつつ高い厚み精度で得ることができる多層樹脂ベルトの製造方法、およびそれにより得られる多層樹脂ベルトを提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、多層樹脂ベルトを押出により成形する際に、成形ダイ内で各層の樹脂材料がそれぞれ独立して流れる各環状通路において滞留部分が生ずる場合があり、この滞留部分における劣化樹脂材料が異物発生の原因となることを見出し、これに対し、かかる成形ダイ内の各環状通路のそれぞれに外力を及ぼして滞留部分の発生を防止することで樹脂材料の劣化、ひいては異物発生等の問題を防止できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の多層樹脂ベルトの製造方法は、2層以上の樹脂層からなる積層構造を有する多層樹脂ベルトの製造方法であって、各樹脂層を構成する2種以上の溶融樹脂材料を、成形ダイ内にマンドレルと、中間ダイリングと、外側ダイリングとによりそれぞれ独立して設けられた2以上の環状通路を経て、ダイスリットから押出すことにより前記積層構造を形成する多層樹脂ベルトの製造方法において、
前記2以上の環状通路内の2種以上の溶融樹脂材料に円周方向の外力を及ぼして、該2種以上の溶融樹脂材料のそれぞれを該環状通路内で強制流動させることを特徴とするものである。
本発明においては、前記マンドレル、中間ダイリングおよび外側ダイリングのうちの1つ以上の一部または全体を中心軸線の周りで回転変位させて、前記2種以上の溶融樹脂材料のそれぞれを前記環状通路内で強制流動させることが好ましい。より好ましくは、前記中間ダイリングの一部または全体を、中心軸線の周りで回転変位させて、前記2種以上の溶融樹脂材料のそれぞれを前記環状通路内で強制流動させる。また、本発明において好適には、2種の溶融樹脂材料を用いて2層の樹脂層からなる積層構造を有する樹脂ベルトを製造することができる。
また、本発明の多層樹脂ベルトは、上記本発明の製造方法により製造されたことを特徴とするものである。
本発明によれば、上記構成としたことにより、複数樹脂層の積層により構成されるベルトを、押出成形を用いて、異物による表面の凹凸を低減しつつ高い厚み精度で得ることができる多層樹脂ベルトの製造方法およびそれにより得られる多層樹脂ベルトを実現することが可能となった。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、本発明の一好適実施形態に係る多層樹脂ベルトの製造方法に用いる成形ダイの概略部分断面図を示す。図示する成形ダイ10は、2種の溶融樹脂材料を用いて2層の樹脂層からなる積層構造を有する樹脂ベルトを製造するためのものである。
本発明の多層樹脂ベルトの製造方法は、2層以上の樹脂層からなる積層構造を有する多層樹脂ベルトを製造するにあたり、図示するような成形ダイ10を用いて、各樹脂層を構成する2種以上の溶融樹脂材料を、成形ダイ10内にマンドレル1と、中間ダイリング2と、外側ダイリング3とによりそれぞれ独立して設けられた2以上(図示例では2)の環状通路4A,4Bを経て、ダイスリット5から押出すことにより積層構造を形成するものである。
図示する成形ダイ10においては、マンドレル1と中間ダイリング2との間、および、中間ダイリング2と外側ダイリング3との間の2箇所に環状通路4A,4Bが区画形成されるとともに、この環状通路4A,4Bの下流側端部分にダイスリット5が形成されている。押出成形時には、マンドレル1の上部中央に設けられた材料流入口8Aおよび外側ダイリング3の外周面に設けられた材料流入口8Bから2種の溶融樹脂材料をマンドレル1内へ供給して、マンドレル1の外周面および外側ダイリング3の内周面に設けられた材料流出口6A,6Bへ分岐流動させ、これら各流出口6A,6Bを介して環状通路4A,4B内に流出させる。環状通路4A,4B内に流出した溶融樹脂材料は、それぞれマンドレル1の外周面および外側ダイリング3の内周面に形成されて、各流出口6A,6Bからダイスリット5に向かい螺旋状に延びる案内溝7A,7Bに案内されて、環状通路4A,4B内を流下する。
本発明においては、かかる2以上の環状通路4A,4B内の2種以上の溶融樹脂材料に円周方向の外力を及ぼして、これら2種以上の溶融樹脂材料のそれぞれを、環状通路4A,4B内で強制流動させる点が重要である。これにより、各溶融樹脂材料に大きな剪断力を作用させることができるので、これら溶融樹脂材料を環状通路内部で滞留させることなく円滑に合流、流下させて、ダイスリットから押出すことができ、結果として、材料の合流に伴うウェルドラインの発生を防止するとともに、溶融樹脂材料の滞留により劣化した材料がベルト内に混入するおそれを排除して、各樹脂層、ひいてはベルト全体の厚み精度を向上し、異物の混入、すなわち表面凹凸の発生の少ない多層樹脂ベルトを得ることが可能となった。なお、特許文献3におけるように、各層の材料が合流した後に外力を加えても環状通路内での滞留は防止できないため、厚み精度や表面性の向上効果は得られない。
本発明において、環状通路内での上記溶融樹脂材料の強制流動は、各環状通路を区画形成するマンドレル1、中間ダイリング2および外側ダイリング3のうちの1つ以上の一部または全体を、中心軸線の周りで回転変位させて、環状通路内の溶融樹脂材料に円周方向の外力を及ぼすことにより行うことができる。この回転変位は、2以上の環状通路内の2種以上の溶融樹脂材料のすべてを強制流動させることができるものであればよいので、各環状通路の両側をなすマンドレル、中間ダイリングおよび外側ダイリングのうちのそれぞれ少なくとも一方の側につき、その一部または全体を回転変位させればよい。
例えば、図示する2層ベルトの場合には、中間ダイリング2の一部または全体を中心軸線の周りで回転変位させることで、環状通路4A,4B内の溶融樹脂材料のそれぞれを、効率良く強制流動させることができる。
また、これらマンドレル等の一部を回転変位させる場合には、それぞれ、各溶融樹脂材料の環状通路4A,4Bへの流出口6A,6Bの近傍において、回転変位を行うことが好ましい。これにより、流出口6A,6Bから環状通路4A,4B内に流出した溶融樹脂材料を、その近傍で滞留させることなくスムーズに流下させることができ、より効果的である。なお、図示するような環状通路を有する成形ダイにおいては、材料流出口は通常、周方向に均等間隔で複数箇所、通常は4箇所程度設けられる。
ここで、本発明においてマンドレル等の回転変位とは、マンドレル等を中心軸線の周りに回転移動させるものであればよく、一定速度で一方向に回転させ続ける場合に限らず、小さな回転変位を正逆方向に繰り返させるような場合も含まれる。本発明におけるマンドレル等の回転変位の回転速度としては、溶融樹脂材料の粘度等にもよるが、例えば、0.1〜10rpmとする。
また、図示するように、成形ダイにおいて、環状通路4A,4Bごとに、マンドレル1、中間ダイリング2および外側ダイリング3のいずれかに、材料流入口6A,6Bからダイスリット5に向かう螺旋状の案内溝7A,7Bが設けられている場合には、上記マンドレル等の回転変位を、案内溝の延在方向とは逆方向に行うことが好ましい。案内溝の延在方向と同方向に回転変位させても本発明の効果を得ることはできるが、延在方向と逆方向とすることで、溶融樹脂材料に作用する剪断力を一層高めることができ、各流出口から流出する溶融樹脂材料を相互により効果的に攪拌することができる。
さらに、本発明においては、マンドレル等の一部または全体の回転変位する可動部の表面、すなわち、溶融樹脂材料と接触する表面につき、例えば、非可動部表面よりも表面粗さを粗くしたり表面温度を下げるなどにより、溶融樹脂材料の拘束力を非可動部表面より大きくすることが好ましい。これにより、溶融樹脂材料の流動に対する強制力を一層高めることができる。
上述したように、本発明に用いるマンドレル1には、上部中央に押出機から供給された溶融樹脂材料を供給するための流入口8Aが設けられるとともに、外周面に材料流出口6Aが設けられており、さらに、その外周面上には、流出口6Aからダイスリット5に向かい、等しいつる巻角で螺旋状に伸びる案内溝7Aが設けられている。なお、流入口8Aと流出口6Aとは、マンドレル1の内部を貫通する流路9Aを介して連結されている。
また、外側ダイリング3には、外周面に押出機から供給された溶融樹脂材料を供給するための流入口8Bが設けられるとともに、内周面に材料流出口6Bが設けられており、さらに、その内周面上には、流出口6Bからダイスリット5に向かい、等しいつる巻角で螺旋状に伸びる案内溝7Bが設けられている。なお、流入口8Bと流出口6Bとは、外側ダイリング3の内部を貫通する流路9Bを介して連結されている。
図示するマンドレル1および外側ダイリング3において、各案内溝7A,7Bは、マンドレル1および外側ダイリング3の下端からある程度の距離をおいた位置で終端しており、このマンドレル1および外側ダイリング3における案内溝の形成域が、中間ダイリング2との間で、溶融樹脂材料の環状通路4A,4Bを区画している。
また、図示する中間ダイリング2は、マンドレル1と外側ダイリング3との間に配置されて、溶融樹脂材料の環状通路4A,4Bを区画するものであり、3層以上の多層押出しの場合には、この中間ダイリングを2層以上配置して、各溶融樹脂材料に対応する環状通路を区画形成すればよい。なお、図中の符号11は調整リングを示し、この調整リングに設けられた図示しない調整ボルトを用いて調整リングを変形ないし移動させることで、ダイスリット5の間隔を調整して、成形されるベルトの偏肉調整を行うことができる。
なお、マンドレル、中間ダイリングおよび外側ダイリングのいずれにおいても、回転変位する可動部を形成する場合、可動部と固定部との間の接合部に溶融樹脂材料の入り込みが生ずることが考えられるが、この接合部を、ダイの外側に対して完全な液密シールとすると、接合部に入り込んで熱劣化等した溶融樹脂材料が再度環状通路内に流れ込むことを防止できなくなる。したがってこの場合、固定部分と回転部分との間について完全なシールは行わずに、接合部に入り込んだ溶融樹脂材料のダイの外側への滲み出しを作為的に許容することで、熱劣化等した溶融樹脂材料の製品ベルトへの混入のおそれを十分に取り除くことが好ましい。
図示する成形ダイ10を用いて多層樹脂ベルトを製造するにあたっては、図示しない押出機において溶融、押出された各溶融樹脂材料を、例えば、定容型のポンプを介してマンドレル1の流入口8Aおよび外側ダイリング3の流入口8Bより供給し、それぞれの各流出口6A,6Bから、好ましくはほぼ均等に分岐させて環状通路4A,4B内に流出させながら、モータ20に連結した駆動ギア21を介して中間ダイリング2を所定速度で回転させることにより、環状通路内の溶融樹脂材料に円周方向の外力を及ぼす。これにより、各溶融樹脂材料に対し剪断力を作用させて、各溶融樹脂材料の全体を、環状通路4A,4B内でその回転方向へ強制流動させ、それぞれの複数の流出口から流出した溶融樹脂材料を、滞留する間を置かずに強制的に合流させて、十分に攪拌することができるので、滞留による劣化材料の混入のおそれや各流出口から流出した溶融樹脂材料相互の合流に起因するウェルドラインの発生についても確実に防止することができる。
上記のように、各溶融樹脂材料の全体を十分に強制流動させた後は、各溶融樹脂材料を、各々への押出圧力の作用に基づいて環状通路4A,4Bの下端まで流下させ、ダイスリット5から押出すことで、所定の形状および寸法を有する多層樹脂ベルトを成形することができる。このようにして成形される多層樹脂ベルトは、上述したように、成形ダイ内での溶融樹脂材料の滞留がなく、また、溶融樹脂材料同士の合流によるウェルドラインの形成もないことから、熱劣化等された材料の混入やウェルドラインの存在に起因する厚み変動から十分に保護されることになる。
本発明の多層樹脂ベルトは、上記本発明の製造方法により製造されたものであればよく、これにより、異物による表面の凹凸を低減しつつ厚み精度を向上することができるものであり、具体的な各層の構成やベルト配合の詳細については、特に制限されるものではない。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<実施例>
図1に示す概略形状を有する成形ダイを用いて、2層の積層構造を有する樹脂ベルトの押出成形を行った。各層の配合は、下記の表1中に示すとおりである。
Figure 2009012428
内側層配合材料としては、各配合成分を上記表1に示す配合比で混合し、φ30mm二軸押出機にて250℃で混練りしたものを用いた。内側層はφ30mm一軸押出機、外側層はφ25mm一軸押出機にてそれぞれ配合材料を溶融し、図1に示す成形ダイ10を用いてベルトを成形した。押出機および成形ダイ温度はそれぞれ270℃に設定し、内側層と外側層との押出量比が8:2となるよう調整して、直径150mm、総厚み100μmのベルトを成形した。ベルトの成形に際しては、中間ダイリング2の全体を、回転速度3rpmで、螺旋状案内溝の延在方向と同方向または逆方向にて、中心軸線の周りで回転変位させた。また、溶融樹脂材料の流量は、内側層と外側層合わせて4kg/hrとした。
<比較例>
中間ダイリングを回転変位させなかった以外は実施例と同条件にて、樹脂ベルトを成形した。
<評価>
30分間溶融樹脂材料を流した後に、以下の各項目につき評価を行った。その結果を、下記の表2中に示す。
(1)ウェルドラインの有無:目視にて評価した。
(2)異物混入数:ベルト長さ1mあたりの異物による凹凸の個数を計測した。
(3)ベルト総厚みの最大−最小:ベルト周方向の総厚みを接触式厚み計測装置TOF−4R((株)山文電気製)にて測定した。
(4)外側層厚みの最大−最小:周方向8ヶ所を鋭利なナイフで断面を切り出し、マイクロスコープ((株)キーエンス製VHX−200)にて測定した。
Figure 2009012428
上記表2中に示すように、中間ダイリングを回転変位させることにより各環状通路内の2種の溶融樹脂材料に対し円周方向の外力を及ぼして、2種の溶融樹脂材料のそれぞれを環状通路内で強制流動させつつ製造したベルトにおいては、かかる中間ダイリングの回転変位を行わずに製造した比較例のベルトに比し、異物混入数を大幅に低減することができるとともに、厚み精度が向上されていることが確かめられた。
本発明の一好適実施形態に係る多層樹脂ベルトの製造方法に用いる成形ダイを示す概略部分断面図である。
符号の説明
1 マンドレル
2 中間ダイリング
3 外側ダイリング
4A,4B 環状通路
5 ダイスリット
6A,6B 材料流出口
7A,7B 案内溝
8A,8B 材料流入口
9A,9B 流路
10 成形ダイ
20 モータ
21 駆動ギア

Claims (5)

  1. 2層以上の樹脂層からなる積層構造を有する多層樹脂ベルトの製造方法であって、各樹脂層を構成する2種以上の溶融樹脂材料を、成形ダイ内にマンドレルと、中間ダイリングと、外側ダイリングとによりそれぞれ独立して設けられた2以上の環状通路を経て、ダイスリットから押出すことにより前記積層構造を形成する多層樹脂ベルトの製造方法において、
    前記2以上の環状通路内の2種以上の溶融樹脂材料に円周方向の外力を及ぼして、該2種以上の溶融樹脂材料のそれぞれを該環状通路内で強制流動させることを特徴とする多層樹脂ベルトの製造方法。
  2. 前記マンドレル、中間ダイリングおよび外側ダイリングのうちの1つ以上の一部または全体を中心軸線の周りで回転変位させて、前記2種以上の溶融樹脂材料のそれぞれを前記環状通路内で強制流動させる請求項1記載の多層樹脂ベルトの製造方法。
  3. 前記中間ダイリングの一部または全体を、中心軸線の周りで回転変位させて、前記2種以上の溶融樹脂材料のそれぞれを前記環状通路内で強制流動させる請求項2記載の多層樹脂ベルトの製造方法。
  4. 2種の溶融樹脂材料を用いて2層の樹脂層からなる積層構造を有する樹脂ベルトを製造する請求項1〜3のうちいずれか一項記載の多層樹脂ベルトの製造方法。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載の製造方法により製造されたことを特徴とする多層樹脂ベルト。
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