JP2009012056A - 肉盛方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダヘッドの各バルブシート部の肉盛加工時、他のバルブシート部からの熱伝播による肉盛層へのワレの発生を防止すると共に、シリンダヘッドの歪みを低減させる肉盛方法を提供する。
【解決手段】n番目に肉盛りされるバルブシート部へのレーザビームの入熱がn+1番目に肉盛りされるバルブシート部へ伝播されないように、各バルブシート部1〜8及び1a〜8aの肉盛順序を設定しているので、各バルブシート部1〜8及び1a〜8aの肉盛層へのワレの発生を防止すると共に、シリンダヘッド10の歪みを低減させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋳鉄製のシリンダヘッドの各バルブシート部にレーザビームを順次照射して肉盛層を形成する肉盛方法に関するものである。
従来、図1に示すように、4気筒16バルブエンジンに対応した鋳鉄製のシリンダヘッド10の各バルブシート部(各吸気用バルブシート部1〜8及び各排気用バルブシート部1a〜8a)に、レーザビーム装置11からレーザビームを照射して肉盛層を形成する際、特に、各吸気用バルブシート部1〜8では、その肉盛順序が1→2→3→4→5→6→7→8の順で肉盛層が形成されている。
しかしながら、この肉盛順序で各吸気用バルブシート部1〜8に肉盛層を形成すると、例えば、吸気用バルブシート部1の次に吸気用バルブシート部2にレーザビームを照射して肉盛層を形成する際、吸気用バルブシート部1と吸気用バルブシート部2との間の距離(例えば10mm)が短いために、吸気用バルブシート部1にレーザビームを照射した際の入熱が吸気用バルブシート部2に伝播して、吸気用バルブシート部2の母材温度が不均一となり、吸気用バルブシート部2の肉盛層にワレが発生していた。
しかも、各吸気用バルブシート部1〜8を、1→2→3→4→5→6→7→8の順序で肉盛層を形成すると、シリンダヘッド10の底面で各吸気用バルブシート部1〜8に対応する箇所の温度差が大きくなるために、シリンダヘッド10の底面に大きな歪みが発生し、この歪みの除去加工に多大な時間を費やしていた。
さらに、従来では、図3に示すように、例えば、1気筒に対応する、各吸気用バルブシート部1及び2において、レーザビームの照射におけるその始端部と終端部とがオーバーラップする部分21及び22(図3の斜線部)が共に、各排気用バルブシート部1a及び2aに最も近接する位置に配置されている。一方、各排気用バルブシート部1a及び2aにおいて、レーザビームの照射におけるその始端部と終端部とがオーバーラップする部分21a及び22a(図3の斜線部)が共に、各吸気用バルブシート部1及び2側とは正反対の位置に配置されている。
ところで、吸気用バルブシート部1及び2のオーバーラップ部分21及び22と、排気用バルブシート部1a及び2aのオーバラップ部分21a及び22aとは、レーザが2重で照射されるために入熱量が周辺よりも大きく、しかも、これらオーバーラップ部分21〜22及び21a〜22aは肉厚が薄く放熱性に乏しいために、該オーバーラップ部分21〜22及び21a〜22aでは、局所的に過剰な温度上昇を招き肉盛層にワレが発生していた。
なお、肉盛方法の従来技術として特許文献1には、バルブシート部の中心軸線が鉛直方向となるようにシリンダヘッドを傾動して保持し、該シリンダヘッドが鉛直方向に対して傾斜した状態でバルブシート部の中心軸線周りに回転しながらバルブシート部に沿って粉末材料を供給するとともに、レーザビームを照射してレーザクラッド加工するレーザクラッド加工方法が開されている。
特開2005−21908号公報
しかしながら、上述した特許文献1のレーザクラッド加工方法では、上述したような、各バルブシート部の肉盛層のワレを無くすことはできない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、第1に、シリンダヘッドの各バルブシート部の肉盛加工時、他のバルブシート部からの熱伝播による肉盛層へのワレの発生を防止すると共に、シリンダヘッドの歪みを低減させる肉盛方法、第2に、各バルブシート部へのレーザビームの照射におけるその始端部と終端部とがオーバーラップする部分の肉盛層へのワレの発生を防止する肉盛方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の本発明の肉盛方法は、n番目に肉盛りされるバルブシート部へのレーザビームの入熱がn+1番目に肉盛りされるバルブシート部へ伝播されないように、各バルブシート部の肉盛順序を設定することを特徴としている。
これにより、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部を肉盛加工する際に、n番目に肉盛りされたバルブシート部へのレーザビームの入熱が伝播されないので、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部の肉盛層へのワレの発生を防止することができる。
また、上記課題を解決するために、第2の本発明の肉盛方法は、各バルブシート部の肉盛層で、レーザビームの照射におけるその始端部と終端部とがオーバーラップする部分を母材厚肉部に位置させることを特徴としている。
これにより、各バルブシート部において、レーザビームの照射におけるその始端部と終端部とがオーバーラップする部分が、放熱性が良好な母材厚肉部に位置されるので、該オーバーラップ部分の過剰な温度上昇が緩和され、該オーバーラップ部の肉盛層へのワレの発生を防止することができる。
なお、本発明の肉盛方法の各種態様およびそれらの作用については、以下の(発明の態様)の項において詳しく説明する。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。なお、各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付して、必要に応じて他の項を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施の形態等に参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要件を付加した態様も、また、各項の態様から構成要件を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項、(2)項、(4)項、(5)項、(6)項の各々が、請求項1乃至5の各々に相当する。
(1)シリンダヘッドの各バルブシート部にレーザビームを順次照射して肉盛層を形成する肉盛方法であって、n番目に肉盛りされるバルブシート部へのレーザビームの入熱がn+1番目に肉盛りされるバルブシート部へ伝播されないように、各バルブシート部の肉盛順序を設定することを特徴とする肉盛方法。
(2)前記レーザビームのレーザ出力の大きさに応じて、n番目に肉盛りされるバルブシート部へのレーザビームの入熱がn+1番目に肉盛りされるバルブシート部へ伝播されない、n番目に肉盛りされるバルブシート部と、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部との間の距離を予め設定し、各バルブシート部の肉盛順序を、n番目に肉盛りされるバルブシート部と、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部との間の距離が前記予め設定した距離以上になるように設定することを特徴とする(1)項に記載の肉盛方法。
(3)レーザ出力が2.2kw〜2.3kwの場合には、各バルブシート部の肉盛順序は、n番目に肉盛りされるバルブシート部と、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部との間の距離が65mm以上になるように設定されることを特徴とする(1)項または(2)項に記載の肉盛方法。
従って、(1)項〜(3)項の肉盛方法では、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部に肉盛加工する際に、n番目に肉盛りされたバルブシート部へのレーザビームの入熱が伝播されないので、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部の母材温度が略均一化され、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部の肉盛層へのワレの発生を防止することができる。
しかも、シリンダヘッドの母材温度が略均一になるために、シリンダヘッドの温度差による底面の歪みを低減でき、この歪みの除去加工に費やす時間を大幅に短縮することができる。
(4)シリンダヘッドの各バルブシート部にレーザビームを順次照射して肉盛層を形成する肉盛方法であって、各バルブシート部の肉盛層で、レーザビームの照射におけるその始端部と終端部とがオーバーラップする部分を母材厚肉部に位置させることを特徴とする肉盛方法。
(5)前記母材厚肉部は、1気筒に対応する4箇所の各バルブシート部で囲まれる部位であることを特徴とする(4)項に記載の肉盛方法。
従って、(4)項及び(5)項の肉盛方法では、各バルブシート部へのレーザビームの照射におけるその始端部と終端部とがオーバーラップする部分を母材厚肉部、すなわち、1気筒に対応する4箇所のバルブシート部で囲まれる部位に位置させたので、該オーバーラップ部分の放熱性が良好になり過剰な温度上昇が緩和され、該オーバーラップ部分の肉盛層へのワレの発生を防止することができる。
(6)シリンダヘッドの各バルブシート部にレーザビームを順次照射して肉盛層を形成する肉盛方法であって、n番目に肉盛りされるバルブシート部へのレーザビームの入熱がn+1番目に肉盛りされるバルブシート部へ伝播されないように、各バルブシート部の肉盛順序を設定して、各バルブシート部の肉盛層で、レーザビームの照射におけるその始端部と終端部とがオーバーラップする部分を母材厚肉部に位置させることを特徴とする肉盛方法。
従って、(6)項の肉盛方法では、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部に肉盛加工する際に、n番目に肉盛りされたバルブシート部へのレーザビームの入熱が伝播されないので、従来、各バルブシート部の肉盛順序が原因で発生していた各バルブシート部の肉盛層へのワレの発生を防止することができると共に、シリンダヘッドの歪みを低減することができる。
また、各バルブシート部へのレーザビームの照射におけるその始端部と終端部とのオーバーラップ部分を母材厚肉部に位置させたので、従来、オーバーラップ部分の位置が原因で発生していた、該オーバーラップ部分の肉盛層へのワレの発生を防止することができる。
本発明によれば、第1に、シリンダヘッドの各バルブシート部の肉盛加工時、他のバルブシート部からの熱伝播による肉盛層へのワレの発生を防止すると共に、シリンダヘッドの歪みを低減させる肉盛方法、第2に、各バルブシート部へのレーザビームの照射におけるその始端部と終端部とがオーバーラップする部分の肉盛層へのワレの発生を防止する肉盛方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図1及び図2に基いて詳細に説明する。
本発明の第1の実施の形態に係る肉盛方法は、図1に示すシリンダヘッド10の各バルブシート部(各吸気用バルブシート部1〜8及び各排気用バルブシート部1a〜8a)へのレーザビームの照射による肉盛方法に関するもので、本肉盛方法では、n番目に肉盛りされるバルブシート部へのレーザビームの入熱がn+1番目に肉盛りされるバルブシート部へ伝播されないように、各バルブシート部1〜8及び1a〜8aの肉盛順序を設定している。
すなわち、レーザ出力の大きさに応じて、n番目に肉盛りされるバルブシート部へのレーザビームの入熱がn+1番目に肉盛りされるバルブシート部へ伝播されない、n番目に肉盛りされるバルブシート部と、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部との間の距離を予め設定し、各バルブシート部1〜8及び1a〜8aの肉盛順序を、n番目に肉盛りされるバルブシート部と、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部との間の距離が予め設定した距離以上になるように設定している。
第1の実施の形態に係る肉盛方法を、図1に基いてさらに詳しく説明する。
第1の実施の形態に係る肉盛方法が採用されるシリンダヘッド10は、図1に示すように、4気筒16バルブエンジンに対応するもので、1気筒に対応した隣接する吸気用バルブシート部(例えば吸気用バルブシート部1と2との間)間の距離Lが略10mmに設定されると共に、各気筒に跨った隣接する吸気用バルブシート部間(例えば吸気用バルブシート部2と3との間)の距離Nが略20mmに設定され、さらに、各吸気用バルブシート部1〜8の外径Mが略35mmに設定されている。一方、1気筒に対応した隣接する排気用バルブシート部間(例えば排気用バルブシート部1aと2aとの間)間の距離L’は略10mmに設定されると共に、各気筒に跨った隣接する排気用バルブシート部間(例えば排気用バルブシート部2aと3aとの間)の距離N’は略23mmに設定され、さらに、各排気用バルブシート部1a〜8aの外径M’が略32mmに設定されている。
レーザビーム装置11は、図1に示すように、各バルブシート部1〜8及び1a〜8aの中心軸線Cの周りを回動しながら、粉末材料(銅系合金)を0.3g/secで供給し、且つキャリアガス(窒素ガス)を所定流量で供給しつつ、レーザビームをそのレーザ出力が略2.25kwにて各バルブシート部1〜8及び1a〜8aに照射して、各バルブシート部1〜8及び1a〜8aに肉盛層を形成している。
本実施の形態、すなわち、レーザビーム装置11からのレーザ出力が略2.25kwである場合、n番目に肉盛りされるバルブシート部へのレーザビームの入熱がn+1番目に肉盛りされるバルブシート部へ伝播されない、n番目に肉盛りされるバルブシート部と、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部との間の距離が予め略65mm程度であると設定されている。
そして、各吸気用バルブシート部1〜8の肉盛順序が、以下に示すように、n番目に肉盛りされるバルブシート部と、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部との間の距離が65mm以上となるように設定される。
最も好ましい各吸気用バルブシート部1〜8の肉盛順序は、1→5→3→7→2→6→4→8に設定される。また、各吸気用バルブシート部1〜8の肉盛順序は、1→5→2→6→3→7→4→8でも良いし、1→3→5→7→2→4→6→8でも良いし、1→4→2→5→8→6→3→7でも良いし、1→5→8→2→7→3→6→4でも良く、要するに、各吸気用バルブシート部1〜8の肉盛順序は、n番目に肉盛りされるバルブシート部と、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部との間の距離が65mm以上になるように、レーザビーム装置11の可動性等の加工環境に応じて設定すれば良い。
一方、各排気用バルブシート部1a〜8aの肉盛順序も、上述した各吸気用バルブシート部1〜8の肉盛順序と同様に設定され、最も好ましい各排気用バルブシート部1a〜8aの肉盛順序は、1a→5a→3a→7a→2a→6a→4a→8aに設定される。
なお、本実施の形態では、レーザビーム装置11のレーザ出力が略2.25kwの場合、n番目に肉盛りされるバルブシート部と、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部との間の距離が略65mm以上になるように、各バルブシート部1〜8及び1a〜8aの肉盛順序が設定されているが、レーザ出力が2.25kw以上になる場合には、必然的に、n番目に肉盛りされるバルブシート部と、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部との間の距離が長くなるために、該距離に対応した各バルブシート部1〜8及び1a〜8aの肉盛順序が適用される。
また、本実施の形態では、各吸気用バルブシート部1〜8と、各排気用バルブシート部1a〜8aとを分けて、各吸気用バルブシート部1〜8、各排気用バルブシート部1a〜8aのそれぞれで肉盛順序が設定されているが、n番目に肉盛りされるバルブシート部へのレーザビームの入熱がn+1番目に肉盛りされるバルブシート部へ伝播されない、n番目に肉盛りされるバルブシート部と、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部との間の距離を確保した上で、各吸気用バルブシート部1〜8と、各排気用バルブシート部1a〜8aとを混在させて肉盛順序を設定しても良い。
以上説明したように、第1の実施の形態に係る肉盛方法では、n番目に肉盛りされるバルブシート部へのレーザビームの入熱がn+1番目に肉盛りされるバルブシート部へ伝播されないように、各バルブシート部1〜8及び1a〜8aの肉盛順序を設定している。すなわち、レーザビーム装置11のレーザ出力の大きさに応じて、n番目に肉盛りされるバルブシート部へのレーザビームの入熱がn+1番目に肉盛りされるバルブシート部へ伝播されない、n番目に肉盛りされるバルブシート部と、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部との間の距離を予め設定して、各バルブシート部1〜8及び1a〜8aの肉盛順序を、n番目に肉盛りされるバルブシート部と、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部との間の距離が予め設定した距離以上になるように設定している。
これにより、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部を肉盛加工する際に、n番目に肉盛りされたバルブシート部へのレーザビームの入熱が伝播されないので、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部の母材温度が均一化され、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部の肉盛層へのワレの発生を防止することができる。
また、第1の実施の形態に係る肉盛方法を採用すると、従来の肉盛方法に比べて、各バルブシート部1〜8及び1a〜8aの肉盛層におけるワレの個数が半分以下にまで減少するようになる。
しかも、第1の実施の形態に係る肉盛方法では、各バルブシート部1〜8及び1a〜8aを肉盛加工する際、シリンダヘッド10の母材温度が略均一になるために、シリンダヘッド10の温度差による底面の歪みを低減でき、この歪み除去加工に費やす時間を短縮することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る肉盛方法を、図2に基いて図1も参照しながら説明する。
第2の実施の形態に係る肉盛方法は、図2に示すように、各バルブシート部1〜8及び1a〜8aの肉盛層で、レーザビームの照射におけるその始端部と終端部とがオーバーラップする部分、例えば、図2に示す、各吸気用バルブシート部1及び2の各オーバーラップ部分21及び22(図2の斜線部)を、また、各排気用バルブシート部1a及び2aの各オーバラップ部分21a及び22a(図2の斜線部)を母材厚肉部15、すなわち、1気筒に対応する4箇所の各バルブシート部1〜2及び1a〜2aで囲まれる部位にそれぞれ位置させている。
最も好ましい実施形態としては、図2に示すように、各吸気用バルブシート部1及び2の各オーバーラップ部分21及び22を、また、各排気用バルブシート部1a及び2aの各オーバラップ部分21a及び22aを、母材厚肉部15の略中心Oと、各バルブシート部1〜2及び1a〜2aそれぞれの中心とを結んだ線上にそれぞれ位置させている。
このように構成することにより、各バルブシート部1〜2及び1a〜2aの各オーバーラップ部分21〜22及び21a〜22aの放熱性が良好になり過剰な温度上昇が緩和されるので、該オーバーラップ部分21〜22及び21a〜22aの肉盛層へのワレの発生を防止することができる。
なお、シリンダヘッド10の各バルブシート部1〜8及び1a〜8aにレーザビームを照射して肉盛層を形成する際、前述した第1の実施の形態に係る肉盛方法及び第2の実施の形態に係る肉盛方法を適用して、各バルブシート部1〜8及び1a〜8aの肉盛層へのワレの発生を防止することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る肉盛方法を説明するためのシリンダヘッドの各バルブシート部を示す斜視図である。 図2は、本発明の第2の実施の形態に係る肉盛方法を説明するための、1気筒分の各バルブシート部へのレーザビームの照射におけるその始端部と終端部とがオーバーラップする部分の配置を示す図である。 図3は、従来の、1気筒分の各バルブシート部へのレーザビームの照射におけるその始端部と終端部とがオーバーラップする部分を示す図である。
符号の説明
1〜8 吸気用バルブシート部,1a〜8a 排気用バルブシート部,10 シリンダヘッド,11 レーザビーム装置,15 母材厚肉部,21〜22、21a〜22a オーバーラップ部分

Claims (5)

  1. シリンダヘッドの各バルブシート部にレーザビームを順次照射して肉盛層を形成する肉盛方法であって、
    n番目に肉盛りされるバルブシート部へのレーザビームの入熱がn+1番目に肉盛りされるバルブシート部へ伝播されないように、各バルブシート部の肉盛順序を設定することを特徴とする肉盛方法。
  2. 前記レーザビームのレーザ出力の大きさに応じて、n番目に肉盛りされるバルブシート部へのレーザビームの入熱がn+1番目に肉盛りされるバルブシート部へ伝播されない、n番目に肉盛りされるバルブシート部と、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部との間の距離を予め設定し、
    各バルブシート部の肉盛順序を、n番目に肉盛りされるバルブシート部と、n+1番目に肉盛りされるバルブシート部との間の距離が前記予め設定した距離以上になるように設定することを特徴とする請求項1に記載の肉盛方法。
  3. シリンダヘッドの各バルブシート部にレーザビームを順次照射して肉盛層を形成する肉盛方法であって、
    各バルブシート部の肉盛層で、レーザビームの照射におけるその始端部と終端部とがオーバーラップする部分を母材厚肉部に位置させることを特徴とする肉盛方法。
  4. 前記母材厚肉部は、1気筒に対応する4箇所の各バルブシート部で囲まれる部位であることを特徴とする請求項3に記載の肉盛方法。
  5. シリンダヘッドの各バルブシート部にレーザビームを順次照射して肉盛層を形成する肉盛方法であって、
    n番目に肉盛りされるバルブシート部へのレーザビームの入熱がn+1番目に肉盛りされるバルブシート部へ伝播されないように、各バルブシート部の肉盛順序を設定して、
    各バルブシート部の肉盛層で、レーザビームの照射におけるその始端部と終端部とがオーバーラップする部分を母材厚肉部に位置させることを特徴とする肉盛方法。
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