JP2009011802A - 栄養剤圧出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 栄養剤を患者に投与する場合における看護者の作業負担を軽減させることができ、さらに、看護者が栄養剤の投与完了まで患者に付き添うことなく、一定の供給量でゆっくりと患者に栄養剤を投与すること。
【解決手段】 栄養剤圧出装置1は、可撓性を備えた栄養剤収納容器2を載置させる載置台3と、載置台3に載置された栄養剤収納容器2の上面側に掛け渡されるベルト部材6と、ベルト部材6の少なくとも一方の端部に張力を付加することにより載置台3に載置された栄養剤収納容器2に対して圧力を付加する張力付加手段5とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、栄養剤圧出装置に関し、より詳細には、流動体の栄養剤が充填される可撓性の栄養剤収納容器に対して圧力を付与することによって、栄養剤を一定の割合で圧出することが可能な栄養剤圧出装置に関する。
従来より、嚥下障害等であって経口により栄養摂取を行うことは困難であるが、消化器官の機能は保たれている患者に対して栄養を投与する方法として、経腸栄養法が用いられている。経腸栄養法は、鼻腔から胃や十二指腸までチューブを通したり、胃壁に胃瘻を形成して体外よりチューブを案内することによって、栄養剤を消化器官に供給する方法である。
このような経腸栄養法を用いて栄養補給を行う場合、従来は流動性の高い液状の栄養剤を用いることが多かった。しかしながら、ほとんど寝たきりの状態で過ごす患者に対して流動性の高い栄養剤を投与すると、胃に入った栄養剤が逆流等を起こすおそれがあり、食道を通って嚥下部から気管に入り込んで誤嚥性肺炎などを発症する場合があり得るという問題があった。そのため、今日では、寒天等を混入することによって半固形化された栄養剤を用いることが多く、投与された栄養剤の逆流等を効果的に防止ことが可能となっている。
一方で、栄養剤が半固形化された場合には、栄養剤を栄養剤収納容器より流出させることが困難になるという問題がある。流動性の高い栄養剤を用いる場合には、点滴のように患者の鼻腔位置または胃瘻位置よりも高い位置に栄養剤収納容器を設置することにより、自重によって栄養剤を体内に供給することが可能であった。一方で、半固形化された栄養剤を用いる場合には、自重により円滑に栄養剤を体内に供給することが困難であるため、強制的に栄養剤を栄養剤収納容器より流出させる必要がある。
このため、例えば、注射器形状の容器に栄養剤を入れてピストン部分を押し込むことにより強制的に栄養剤を流出させて患者に投与する方法や、可撓性を有する容器に栄養剤を入れて、看護者等が容器を手で押し潰すことにより栄養剤を強制的に流出させる方法が用いられている。
しかしながら、患者等の消化器官の働き等を考慮すると、1回に約400mlの栄養剤を、約20〜30分かけて一定の割合で供給することが好ましい。この状態を確保するためには、看護者等がゆっくりと一定割合でピストンを操作し、または可撓性容器を押し潰す必要があり、看護者等の肉体的負担が大きいという問題があった。また、人間が流出操作を行う場合には、栄養剤の供給量および供給スピードが無意識のうちに変化してしまうおそれがあるため、常に一定の供給量を保って栄養剤を投与することが容易ではないという問題があった。
このような問題を解決するために、可撓性を有する栄養剤収納容器を、中空な袋からなる加圧用袋と、加圧用袋の外面に設けられた網等の保持部とによって挟持させ、加圧用袋に対して加圧空気を注入することにより加圧用袋を膨らませて栄養剤収納容器を加圧し、栄養剤を強制的に流出させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この方法を用いることにより、栄養剤を加圧用袋の圧力に基づいて少しずつ流出させることができるため、一定の供給量でゆっくりと栄養剤を投与することが容易となる。
特開2005−342429号公報 (第6頁、第5図参照)
しかしながら、加圧用袋に加圧空気を注入する方法では、栄養剤の流出に伴って栄養剤収納容器の体積が減少するため、加圧用袋によって栄養剤収納容器へ付加される圧力が低下してしまう。このため、栄養剤の供給量を一定に保つためには、加圧用袋に設けられるゲージ等を参考にしつつ、栄養剤の流出の進捗に合わせて、定期的にさらなる加圧空気を加圧用袋に注入する必要が生じ、結果として栄養剤の投与が完了するまで、看護者が患者に付き添う必要があるいう問題があった。
また、栄養剤収納容器の体積が減少した場合には、加圧用袋を十分に膨らませても、栄養剤収納容器全体に十分な圧力を加え続けることが困難となる傾向があり、さらに、栄養剤収納容器を挟持する網等の保持部が、加圧用袋の拡縮に応じて伸縮可能な素材によって形成されることが多いため、栄養剤収納容器の栄養剤を最後まで十分に流出させることが困難であるという問題があった。
また、加圧用袋に加圧空気を注入する場合には、一般的にゴム製の手動ポンプ等を操作することによって加圧空気の注入が行われることが多いため、加圧空気の注入作業に伴う看護者の負担が解消されないという問題があった。
一方で、一般的な栄養剤収納容器は、耐熱性、抗菌性に優れたシート剤を用いて形成されるフレキシブルパウチによって構成されており、特にシールされた上縁部(周縁部、トップ)に、筒状部材を一体に形成した口栓を設けたものが多く存在する。このため、栄養剤収納容器に対して圧力を付加することによって口栓側へと押し出された栄養剤が、容器内部の口栓近傍部分、より詳細には、筒状部材の周辺に形成された口栓の近傍空間(容器内部)に溜まってしまって、栄養剤を最後まで円滑に流出させることが困難であるという問題があった。
また、患者に対して栄養剤を投与する場合には、口栓の先端にチューブを接続させるためのアタッチメント部材を取り付けてチューブを連結する構造となっている。アタッチメント部材は、内径の異なるチューブを効率的に連結させるために、略円錐形状に形成された係止部が先端部に形成されており、この円錐形状の係止部をチューブの内部に嵌入(圧入)させることによって、チューブを係止させる構造となっている。このため、栄養剤収納容器への押圧に伴い流出される栄養剤の流出圧力等によって、チューブが係止部より外れてしまうおそれがあった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、栄養剤を患者に投与する場合における看護者の作業負担を軽減させることができ、さらに、看護者が栄養剤の投与完了まで患者に付き添うことなく、一定の供給量でゆっくりと患者に栄養剤を投与することが可能な栄養剤圧出装置を提供することを課題とする。
また、栄養剤収納容器内や栄養剤収納容器に連結されたチューブ等に栄養剤を残すことなく全ての栄養剤を患者に提供することが可能な栄養剤圧出装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る栄養剤圧出装置は、可撓性を備えた栄養剤収納容器を載置させる載置台と、該載置台に載置された前記栄養剤収納容器の上面側に掛け渡されるベルト部材と、該ベルト部材の少なくとも一方の端部に張力を付加することにより前記載置台に載置された前記栄養剤収納容器に対して圧力を付加する張力付加手段とを備えることを特徴とする。
このように、載置台に載置された栄養剤収納容器の上面にベルト部材を掛け渡し、張力付加手段によってベルト部材に対して張力を付加することによって栄養剤収納容器の内部に対して圧力を付加することが可能となる。このため、栄養剤収納容器が可撓性を備えた素材によって構成される場合には、ベルト部材により付加される圧力によって栄養剤収納容器に収納される栄養剤を圧出することが可能となり、栄養剤を効果的に取り出すことが可能となる。
特に、栄養剤が、寒天等が混入された半固形状を成す場合には、栄養剤の自重によって栄養剤収納容器より栄養剤を流出させることが困難であるため、栄養剤を効率よく容器から取り出すことが可能となる。
また、上記張力付加手段が、前記ベルト部材の一端部を巻き取る巻取機構部により構成され、前記ベルト部材の他端部が、前記載置台に着脱可能に取り付けられるものであってもよい。
巻取機構部によってベルト部材の一端部を巻き取ることにより、ベルト部材に対して簡易かつ効果的に張力を付加することが可能となる。特に、巻取機構部に電動モータ等を設けて自動的にベルト部材の巻き取りを行わせる場合には、看護者や患者等が手動で栄養剤収納容器に圧力を加えて栄養剤を圧出する場合に比べて肉体的な負担を軽減することができ、栄養剤の投与作業を簡易なものとすることが可能となる。
また、患者に栄養剤を投与する場合、消化器官の働き等を考慮すると、栄養剤を一定量ずつ一定時間かけて投与すること(例えば、一般的な栄養剤収納容器に収納される栄養剤400mlを20〜30分程度の時間をかけて投与すること)ことが好ましい。このため、巻取機構部を用いて一定量ずつベルト部材を巻き取ることによって、栄養剤収納容器に対して一定の圧力を付加し続けることができるので、患者に栄養剤を一定量ずつ投与することが可能となり、患者にとって好適な投与状況・投与環境を実現することが可能となる。
さらに、巻取機構部を用いて一定量ずつベルト部材を巻き取ることによって、栄養剤の投与開始から終了まで自動的に栄養剤を患者に投与することが可能であるため、看護者は投与が完了するまで患者に付き添う必要性が無くなる。
また、上述した栄養剤圧出装置は、前記巻取機構部における前記ベルト部材の巻き取り下端位置および前記ベルト部材の他端部が取り付けられる前記載置台の取付位置が、前記載置台における載置面の下端位置よりも低い位置となるように構成されるものであってもよい。
このように、巻取機構部におけるベルト部材の巻き取り下端位置およびベルト部材の他端部が取り付けられる載置台の取付位置が、載置台における載置面の下端位置よりも低い位置となるように構成されることによって、載置面に掛け渡されるベルト部材で載置台面を端から端まで押圧することが可能となる。このため、載置台に載置される栄養剤収納容器をベルト部材によって確実に押圧することができ、栄養剤収納容器に収納される栄養剤を最後まで確実に圧出することが可能となる。
さらに、前記載置台に対して前記ベルト部材の他端部に係合して当該他端部を前記載置台に取り付けるための係止爪が、揺動可能に設けられる構造となっており、該係止爪を揺動させることによって、前記張力付加手段により前記ベルト部材の一端に前記張力が付加された状態において前記ベルト部材の他端部を着脱することが可能となるものであってもよい。
このように、係止爪の揺動によってベルト部材の他端部を着脱することが可能であるため、張力付加手段によりベルト部材の一端に張力が付加された状態であっても、張力付加手段を操作してベルト部材を弛ませることなく、迅速で簡易かつ確実に栄養剤収納容器を載置台から取り外すことが可能となる。
また、前記ベルト部材は、前記載置台に載置された前記栄養剤収納容器の上面を覆うことが可能なベルト幅を備えるものであってもよい。
ベルト部材が栄養剤収納容器の上面の一部のみに掛け渡される構成であっても、ベルト部材により付加される圧力によって、栄養剤収納容器内の栄養剤を押圧することが可能であるが、ベルト部材を幅広に規定して栄養剤収納容器の上面を覆う構成とすることによって、ベルト部材により栄養剤収納容器の上面を全体的に押圧することが可能となる。このため、栄養剤収納容器の上面を端から端まで押圧して、栄養剤収納容器に収納される栄養剤を残すことなく圧出することができるので、容器に収納される栄養剤を全て患者に投与することが可能となる。
さらに、前記ベルト部材が、並設される複数のベルト帯体によって構成され、前記張力付加手段が、前記複数のベルト帯体の各々毎に前記張力を付加するものであってもよい。
このように、ベルト部材が並設される複数のベルト帯体によって構成される場合であっても、上述したように、複数のベルト帯体の各々により栄養剤収納容器に対して圧力を付加することができるので、栄養剤収納容器内の栄養剤を効果的に圧出することが可能となる。
特に、ベルト部材が並設される複数のベルト帯体によって構成される場合には、前記張力付加手段が、並設される前記ベルト帯体に対して前記張力を付加するタイミングを、複数のベルト帯体の各々毎に変化させる構成とするものであってもよく、このように張力を付加するタイミングを、ベルト帯体の各々毎に変化させることによって、栄養剤の圧出効率の向上や、栄養剤を圧出する分量の変更等を行うことが可能となる。
例えば、ベルト部材が3本のベルト帯体により構成される場合において、真ん中に配設されるベルト帯体により栄養剤収納容器に圧力を付加して栄養剤の圧出を行った後に、栄養剤の栄養剤流出口側に配設されるベルト部材により栄養剤収納容器に圧力を付加することによって、栄養剤収納容器に収納される栄養剤の一部(上記の場合には、約1/2から2/3の分量)を患者に投与することが可能となる。
また、前記張力付加手段が、前記栄養剤収納容器に設けられる栄養剤流出口より隔たれた位置に配されるベルト帯体から前記栄養剤流出口側に配されるベルト帯体へと順番に、前記張力を付加する構成とすることも可能である。
このような構成とすることによって、栄養剤流出口から遠い場所に収納される栄養剤から順番に栄養剤を栄養剤流出口側へと押し出して、栄養剤の圧出を行うことが可能となる。このため、栄養剤収納容器の端部から確実に栄養剤を栄養剤流出口へと導くことによって、栄養剤の流出を円滑に行うことが可能となると共に、栄養剤が容器内に残ってしまうことを防止して、容器内の栄養剤の略全量を患者に投与することが可能となる。
さらに、前記ベルト部材が掛け渡される方向に沿う前記載置台の起立断面が、前記栄養剤収納容器の載置面側に房出する凸形状を呈するものであってもよい。
可撓性を有する栄養剤収納容器は、一般的に中央部が端部に比べて膨らむことによって栄養剤を蓄える構造となっている。このため、ベルト部材を介して栄養剤収納容器に圧力を加え、栄養剤を圧出させる場合には、房出した中央部に圧力が集中しやすくなり、端部に比べて中央部に蓄えられる栄養剤がより顕著に圧力を受けて、いち早く中央部の栄養剤が圧出される傾向にある。一方で、中央部の栄養剤がある程度圧出された後には、中央部の膨らみが減少して容器が撓み、栄養剤が栄養剤流出口以外の方向にも流動しやすくなって、栄養剤を効果的に圧出し難くなる傾向がある。
このため、前記ベルト部材が掛け渡される方向に沿う前記載置台の起立断面を、栄養剤収納容器の載置面側に房出する凸形状とし、載置台の上面を房出させることによって、ベルト部材の圧力を受ける栄養剤を中央部から端部側へと、積極的に流動させることができ、端部側へと流動された栄養剤をベルト部材により付加される圧力によって確実に栄養剤流出口へと案内させることが可能となる。従って、栄養剤収納容器に残される栄養剤が少なくなった場合であっても、栄養剤を最後まで効果的かつ確実に圧出することが可能となる。
また、前記栄養剤圧出装置において、前記載置台に載置された栄養剤収納容器の周縁部には、栄養剤流出口が形成され、該栄養剤流出口には、前記栄養剤収納容器の内部へと延設される筒状部材が設けられ、前記載置台は、前記栄養剤収納容器において前記筒状部材の周辺に形成された前記栄養剤流出口の近傍空間を、前記載置台と協働して圧潰する押圧部を有するものであってもよい。
このように、載置台が押圧部を有することによって、押圧部と載置台との協働により、栄養剤流出口の近傍空間を圧潰することができるので、近傍空間に栄養剤が留まってしまうことを防止することができる。このため、栄養剤を近傍空間に最後まで留まらせることなく、栄養剤を円滑に圧出することができ、栄養剤圧出装置を用いて栄養剤収納容器の圧出を行う場合であっても、栄養剤収納容器内の栄養剤を容器内に残すことなく全ての栄養剤を患者に投与することが容易となる。
また、前記栄養剤圧出装置には、前記押圧部による前記近傍空間の圧潰の際に、前記筒状部材および前記栄養剤流出口を通過する栄養剤の流出空間を確保するための凹所が、前記押圧部における押圧面または前記載置台の載置面の少なくとも一方の面に形成されるものであってもよい。
このように、前記筒状部材および前記栄養剤流出口を通過する前記栄養剤の流出空間を確保する凹所が、前記押圧部における押圧面または前記載置台の載置面の少なくとも一方の面に形成されるため、押圧部と載置台との協働により栄養剤流出口の近傍空間を圧潰する場合であっても、凹所によって栄養剤の流出空間を確実に確保することができ、患者に対して栄養剤を円滑に投与することが可能となる。
また、凹所によって栄養剤の流出空間を確保することによって、円滑な栄養剤の投与を行うことが可能となるため、栄養剤を栄養剤収納容器内に残すことなく全て投与することが可能となる。
特に、前記凹所は、前記栄養剤流出口に接続されるチューブとの係止部を収納することが可能であってもよい。このように凹所内に、チューブとの係止部を収納することにより、栄養剤流出口とチューブとの係止が容易に抜け難くなる。このため、栄養剤収納容器に多大な圧力を付加して栄養剤を流出する場合であっても、栄養剤の流出圧力によって容易にチューブが係止部から外れてしまうことを防止することが可能となる。
また、上記栄養剤圧出装置において、前記載置台に載置された栄養剤収納容器の周縁部には栄養剤流出口が形成され、前記載置台の載置面が、当該載置面に載置された栄養剤収納容器の前記栄養剤流出口側端部から前記栄養剤収納容器の他端部に向かって登り方向に傾斜する傾斜面によって構成されるものであってもよい。
このように、載置台の載置面が、栄養剤流出口側端部から前記栄養剤収納容器の他端部に向かって登り方向に傾斜する傾斜面によって構成されているので、栄養剤を栄養剤収納容器の他端部から栄養剤流出口へと円滑に圧出させることが可能となる。
また、栄養剤流出口の載置位置に比べて、栄養剤収納容器の他端部の方が高い位置となるため、栄養剤が十分に圧出された後に、栄養剤の製造過程で栄養剤収納容器の内部に充填されていたガスが押圧されて流出口から排出されることとなり、チューブの内部等に栄養剤が残ることなく、全ての栄養剤を患者に投与することが可能となる。
また、上記栄養剤圧出装置において、前記載置台に載置された栄養剤収納容器の周縁部には栄養剤流出口が形成され、前記載置台の載置面が、弾性力の異なる複数の弾性部材によって支持されており、該弾性部材が、前記弾性力の弱い弾性部材ほど前記栄養剤収納容器の前記栄養剤流出口側に位置するようにして配設されるものであってもよい。
このように、前記載置台の載置面が、弾性力の異なる複数の弾性部材によって支持され、弾性力の弱い弾性部材ほど栄養剤収納容器の栄養剤流出口側に位置するようにして配設されることにより、栄養剤収納容器を押圧すると、載置台が、栄養剤流出口側端部よりも反対側端部の方が高くなるように傾斜される。このため、栄養剤を栄養剤収納容器の端部側から流出口側へと円滑に圧出させることが可能となる。
また、栄養剤流出口の載置位置に比べて、栄養剤収納容器の端部側部分の方が高い位置となるため、栄養剤が十分に圧出された後に、栄養剤の製造過程で栄養剤収納容器の内部に充填されていたガスが押圧されて流出口から排出されることとなり、チューブの内部等に栄養剤が残ることなく、全ての栄養剤を患者に投与することが可能となる。
以下、本発明に係る栄養剤圧出装置について、図面を用いて詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係る栄養剤圧出装置を示した外観斜視図であり、図2(a)は、栄養剤圧出装置を示した側面図である。
栄養剤圧出装置1は、栄養剤収納容器2を載置するための載置台3と、載置台3が固定される基台4と、基台4に設けられる巻取機構部(張力付加手段)5と、巻取機構部5により巻き取り動作が行われるベルト部材6とにより概略構成されている。
基台4は、略箱形状を呈する矩形筐体によって構成されており、基台4の一端部には、図3に示すように、巻取機構部5が基台の長尺方向に向けて設置されている。また、基台4の上面には、巻取機構部5に隣接するようにして、基台4の長尺方向へと延設された載置台3が設けられている。
基台4の他端部には、後述するベルト部材6の先端金具9を着脱可能に係止する係止機構部10が設けられている。係止機構部10は、図2(b)に示すように、基台4の外側面に先端部11cが露出し、この先端部11cを上下に揺動可能に設けられる一対の係止片11(11a,11b)と、係止片11の揺動軸を構成するとともに、端部に係止片11の揺動を規制および許容するクラッチ機構13を備えた軸部12と、係止片11とベルト部材6の先端金具9との係止をガイドするガイド部材14とにより概略構成されている。
軸部12は円柱状を呈する棒状部材によって構成されており、基台4内部に立設される一対の支持部材15a,15bの支持孔16a,16bに貫入されて進退動可能に架設されている。ただし、支持孔16a,16bは異径開口形状、例えば六角形状に形成されるとともに、支持孔16a,16bに貫入された軸部12の該当部分形状も支持孔16a,16bに対応する異型軸形状、例えば六角形状に加工されており、軸部12が支持孔16a,16bに貫入された状態において回転することを規制する構造となっている。また、軸部12の一方の端部12aは、基台4の側面より先端が露出されるようにして設けられており、この端部12aを押入することによって、軸部12を軸の延伸方向へと進退動させることが可能となっている。
係止片11は、先端部11cに係止爪17が形成された一対の金属片であって、基台4の中心から等間隔を保つようにして、軸部12の円筒状部分に揺動可能に設けられている。係止片11の先端部11cは、上述したように基台4の外側面に対して露出する構造となっており、その先端部11cに形成される係止爪17は、ベルト部材6の先端金具9に係止する構造となっている。一対の係止片11a,11bは、軸部12に平行に設けられる係止底面部材18および係止側面部材19によって連結されており、係止側面部材19の端部には、クランク状に屈曲形成された揺動操作レバー20が、基台4の側面より先端20aが露出されるようにして延設されている。係止片11a,11bは係止底面部材18および係止側面部材19によって連結されているため、揺動操作レバー20を操作することによって両方の係止片11a,11bを同時に揺動操作することが可能となっている。なお、揺動操作レバー20は、軸部12に設けられる捻りバネ21によって係止片11の先端部11cを上方へと揺動させる方向へと付勢されている。
ガイド部材14は基台4の側面に設けられる柱状部材であって、軸部12と平行になるようにして基台4の長尺方向へと延設されている。また、ガイド部材14の側下部には凹状溝22が延伸方向へと形成されており、さらに、ガイド部材14には、基台4より係止片11の先端部11cが露出する部分に対応して、係止片11の先端部11cの揺動を許容するためのスリット溝23が形成されている。このため、係止片11が揺動することによって係止片11の先端部11cが下側へと移動した場合には、係止爪17がガイド部材14の凹状溝22から露出してベルト部材6の先端金具9を係止することが可能となっており(図2(b)において実線で描かれた係止片11参照)、また、係止片11の先端部11cが上側へと移動した場合には、係止爪17がスリット溝23の上部へと入り込んでガイド部材14の凹状溝22から後退(上昇)し、ベルト部材6の先端金具9との係止を解除する構造となっている(図2(b)において鎖線で描かれた係止片11参照)。
クラッチ機構13は、軸部12の端部12bと、その端部12bに近接する係止片11bとの間に設けられている。クラッチ機構13は、軸部12に固定される第一歯車部25と係止片11bに固定される第二歯車部26と、軸部12および第一歯車部25を軸部12の端部12a方向へと付勢するバネ部材27とにより概略構成されている。第一歯車部25と第二歯車部26とは、その歯車が噛合した場合において、係止片11の先端部11cを下方向へと揺動する方向に互いの歯車を摺動回転させることは可能であるが、係止片11の先端部11cを上方向へと揺動する方向には、互いの歯車が噛合することによって回転できないように、互いの歯車が加工・形成されている。また、第一歯車部25と支持部材15bとの間にはバネ部材27が設けられているため、第一歯車部25および軸部12が通常付勢された状態を保っており、この付勢力によって第一歯車部25と第二歯車部26とが噛合した状態を維持する構造となっている。
巻取機構部5は、ベルト部材6を巻き取る回動筒部30と、この回動筒部30を回転駆動させるためのモータ31と、モータ31の出力軸32の回転を減速させて回動筒部30を回転させる減速歯車部33とによって概略構成されている。
回動筒部30は、基台4の長尺方向に向けて配設されており、立設される一対の支持壁34,34に回転自在に設けられている。回動筒部30には、ベルト部材6の基端部が外周面に固定されており、回動筒部30を回転させることによって、ベルト部材6の巻き取りおよび巻き戻しを行うことが可能となっている。なお、回動筒部30の長尺寸法は、載置台3の長尺寸法よりも僅かに長くなるように規定されており、載置台3の長尺寸法と同等の寸法幅を備えるベルト部材6の基端部を回動筒部30に固定することによって、ベルト部材6により載置台3を覆うことが可能となっている。
回動筒部30の端部には、回動筒部30を回転駆動させるための回転歯車35が設けられており、この回転歯車35を回転させることによって、回動筒部30を回転させ、ベルト部材6の巻き取りおよび巻き戻しを行うことが可能となっている。
減速歯車部33は、歯数の異なる2つの歯車33a,33bが一体に形成されたものであり、一方の歯車33aが回転歯車35と噛合し、他方の歯車33bがモータ31の出力軸32に形成される出力歯車36と噛合する構造となっている。回動筒部30の回転歯車35に噛合する歯車33aの歯数は、モータ31の出力歯車36に噛合する歯車33bの歯数に比べて歯数が多く形成されており、モータ31の出力軸32の回転を、減速歯車部33を介して回転歯車35へと伝達させることによって、モータ31の出力軸32の回転数に対して回動筒部30の回転数を低減させる構造となっている。
モータ31には、モータ31に電力を供給する電源コード37が設けられており、図示を省略する電力供給源より電源コード37を介して電力の供給を受けることによって、モータ31の駆動を行うことが可能となっている。本実施の形態1では、電源供給源側で電力量の制御を行うものとするが、栄養剤圧出装置1の基台4等に巻き取り開始ボタン、停止ボタン、巻き戻しボタン等を設けて、このボタンを制御することによって回動筒部30の回動制御を行うように構成するものであってもよい。
なお、巻取機構部5を構成する回動筒部30、減速歯車部33およびモータ31の出力軸32は、回動筒部30の回転時に看護者や患者等の衣類等が巻き込まれてしまうことを防止するために、開閉式のハウジングケース40によって外部が覆われている。
さらに、ハウジングケース40の載置台3側端部には、ベルト部材6の巻き込み動作を円滑に行うと共に、巻取機構部5におけるベルト部材6の巻き込み位置を一定に保つためのガイドローラ41が設けられている。ベルト部材6を、載置台3を覆うようにして配置することによって、ベルト部材6の上面部分にガイドローラ41当接することとなり、回動筒部30の回転動作により、ベルト部材6の上面がガイドローラ41の回転によって案内されつつ、巻取機構部5へと巻き込まれることとなる。
ベルト部材6は、載置台3の長尺幅と同等の幅を備えた帯状体であって、巻取機構部5により巻き取られた場合であっても、伸縮しづらく、さらに容易に破断等しない強度の高い素材で形成されている。例えば、栄養剤圧出装置は、医療機関等で使用される場合が想定されることから、抗菌性が高く、さらに撥水性等を備えた化学繊維素材等により形成されることが好ましい。ベルト部材6の基端部は、上述したように回動筒部30に固定されており、回動筒部30の回転に応じて回動筒部30に巻き取り又は巻き戻される構造となっている。
一方で、ベルト部材6の先端部には、矩形環状を成す金属製の先端金具9が取り付けられている。先端金具9に形成される矩形開口9aの開口幅は、ベルト部材6の幅寸法と同等幅に規定されており、この矩形開口9aにベルト部材6の先端部を案内して基端部へと折り返し、先端部をベルト部材に縫合することによって、先端金具9の取り付けが行われている。
先端金具9の端部は、上述した係止機構部10の係止爪17に係止する構造となっている。より詳細には、先端金具9の先端部側の棒状部9bが、ガイド部材14の凹状溝22に入り込む構造となっており、このガイド部材のスリット溝23から係止爪17が露呈する場合には、この係止爪17に先端金具9の棒状部9bが係止される構造となっている。先端金具9が係止爪17に係止された状態において、巻取機構部5によりベルト部材6の巻き取り動作が開始された場合には、先端金具9が矩形環状を成しているため、ベルト部材6の先端部が折り返された側の棒状部全体でベルト部材6に付加される張力を支えることができる。このため、各係止片11a,11bに形成される2つの係止爪17、17が、先端金具9の棒状部9bに係止してベルト部材6の張力を支える場合であっても、先端金具9の棒状部9bによってベルト部材6に偏りを生ずることなく張力を支えることができる。
一方で、ガイド部材14の凹状溝22に先端金具9の棒状部9bが入り込んだ状態において、係止片11の先端部11cが上方へと移動して係止爪17がガイド部材14の凹状溝22から後退した場合には、係止爪17による先端金具9の係止が解除されて、先端金具9が係止機構部10から外れ、ベルト部材6の先端金具9を簡単に取り外すことが可能となっている。
載置台3は、栄養剤収納容器2が載置される台であって、一般的な栄養剤収納容器2の大きさに合わせて平面視で長方形状をなし、上面(載置面)縁部3aが少なくとも基台上面より寸法Lだけ床高に形成された台座状に形成されている。このように台座状に載置台3が形成されることによって、上述したガイドローラ41の設置位置および、先端金具9が係止爪17に係止された状態における先端金具9の棒状部9b位置は、載置台3の上面縁部3aよりも低い位置となっている。
また、載置台3は、ベルト部材6が掛け渡される方向、つまり、巻取機構部5が形成される基台4端部から係止機構部10が設けられる基台4端部への方向に沿う起立断面が、上面(載置面)側に房出する凸形状を呈しており、上述した台座状の高床部分と一体となって、略かまぼこ形状となるように形成されている。
なお、本実施の形態1においては、載置台3と基台4とを別体に構成するものとするが、載置台3と基台4は必ずしも別体に構成する必要はなく、一体に形成されるものであってもよい。本発明に係る栄養剤圧出装置の載置台は、実施の形態1に示す載置台3および基台4との両方を包含する構成を意味するものである。
次に、上述したようにして構成される栄養剤圧出装置1を用いて、栄養剤収納容器2に収納される栄養剤を圧出する方法を説明する。
まず、看護者は、揺動操作レバー20を操作して係止片11の先端部11cをガイド部材14の凹状溝22から露出させた状態にセットする。具体的に説明すると、係止片11の先端部11cが上方向へと揺動してガイド部材14のスリット溝23に入り込んでいる場合には、揺動操作レバー20が下側へと移動された状態(図2(a)に示すFREEの位置)となっており、この状態で第一歯車部25と第二歯車部26とが噛合されている。この場合、看護者等が、揺動操作レバー20を上方向(図2(a)に示すLOCK側方向)に移動させると、上述したように第一歯車部25の歯車と第二歯車部26の歯車とが互いに摺動回転し、係止片11の先端部11cを下方向へと揺動させることが可能となる。
十分に係止片11を揺動させた場合には、揺動操作レバー20が上側(図2(a)に示すLOCK位置)へと移動された状態となる。この状態において、揺動操作レバー20は捻りバネ21によって下側方向、つまり係止片11の先端部11cを上側へと揺動させようとする方向に付勢されることとなるが、第一歯車部25の歯車と第二歯車部26の歯車とが互いに噛合することによって、係止片11の先端部11cを上側へと揺動させる方向に回動させることができず、係止片11の揺動位置が固定されて、係止片11の係止爪17がガイド部材14の凹状溝22から露出した状態(図2(a)参照)を維持することになる。
係止片11の係止爪17がガイド部材14の凹状溝22から露出した状態となった後、看護者は、載置台3の上に栄養剤収納容器2を載置する。なお、本発明に係る栄養剤圧出装置に用いられる栄養剤収納容器2として、可撓性を備えた樹脂製容器が想定されている。可撓性を備えた栄養剤収納容器2は、一方の端部中央に流出口(栄養剤流出口)2aが設けられると共に、この中央部が端部に比べて膨らむことによって栄養剤を蓄える構造となっている。栄養剤収納容器2における栄養剤の収納量は、一回の食事で患者が摂取する必要がある容量、例えば400ml程度となっている。
次に看護者は、モータ31を駆動させることによって回動筒部30に巻き込まれたベルト部材6の巻き戻し作業を行い、ベルト部材6によって栄養剤収納容器2の上面を覆うと共に、ベルト部材6の先端部に設けられる先端金具9の棒状部9bを、係止爪17に係止させる。そして、再度モータ31を駆動させることによって、回動筒部30によってベルト部材6の巻き込み量を調整して、ベルト部材6の弛みを解消し、載置台3に載置された栄養剤収納容器2の上面を覆うようにして、巻取機構部5から係止機構部10側へとベルト部材6が弛みなく架け渡された状態にする。
このようにベルト部材6の巻き込み量を調整することによって、栄養剤収納容器2が容易に栄養剤圧出装置1から脱落してしまうことを防止することができる。巻き込み量調整を確実に行うことによって、栄養剤収納容器2の設置される栄養剤圧出装置1を、所定箇所に吊すようにして設置することも可能となり、栄養剤圧出装置1を吊した場合であっても、栄養剤収納容器2を栄養剤圧出装置1から落下させることなく、確実に栄養剤を容器から圧出させることが可能である。なお、栄養剤圧出装置1を吊した状態で設置することは、必順ではない。
ベルト部材6が、栄養剤収納容器2の上面を覆うようにして巻取機構部5から係止機構部10側へと弛みなく架け渡された状態にセットされた後、看護者は、モータ31を駆動させることによって、所定速度で回動筒部30を回転させ、一定の割合でベルト部材6の巻き込み動作を行う。なお、回動筒部30は、あらかじめ回転速度が規定されている。具体的には、ベルト部材6の巻き込み動作が開始されてから、巻き込み動作によりベルト部材6が引っ張られて載置台3とベルト部材6との間隙が無くなるまでの時間が約20分から30分程度となるように調整されている。
このように、回動筒部30の回転によってベルト部材6が一定の割合で巻き取られることによって、ベルト部材6に対して張力が付加されることとなり、載置台3に載置された栄養剤収納容器2の上面が、ベルト部材6によって押圧されることになる。このベルト部材6による押圧は、ベルト部材6が一定の割合で巻き取られるため、栄養剤収納容器2に対して一定の圧力を保ちつつ付加されることとなる。このため、栄養剤収納容器2より圧出される栄養剤の圧出量を一定に維持することが可能となり、患者が栄養剤を摂取するのに適したスピードで最適な分量ずつ投与を行うことが可能となる。
また、ベルト部材6の巻き取り動作は、モータ31の駆動によって自動的に行うことができ、従来のように看護者が手動ポンプ等を操作する必要がないので、看護者の肉体的負担を低減させることができると共に、栄養剤の投与が完了するまで看護者が患者に付き添う必要が無くなる。
さらに、載置台3は、上面(載置面)側が房出して凸形状断面を呈する略かまぼこ形状に形成されているので、栄養剤収納容器2に収納される栄養剤を最後まで確実に圧出することが可能となる。
上述したように、栄養剤圧出装置1に用いられる栄養剤収納容器2は、中央部が端部に比べて膨らむことによって栄養剤を蓄える構造となっている。このため、ベルト部材6を介して栄養剤収納容器2に圧力を加え、栄養剤を圧出させる場合には、房出した中央部に圧力が集中しやすくなり、流出口2aが中央部に設けられることも手伝って、端部に比べて中央部に蓄えられる栄養剤がより顕著に圧力を受けて、いち早く中央部の栄養剤が圧出される傾向にある。
一方で、中央部の栄養剤がある程度圧出された後には、中央部の膨らみが減少して容器が撓み、栄養剤が流出口2a以外の方向にも流動しやすくなって、栄養剤を効果的に圧出し難くなる傾向がある。このため、載置台3の上面を房出させて載置台3の断面形状を凸形状とすることによって、ベルト部材6の圧力を受ける栄養剤を中央部から端部側へと、積極的に流動させることができ、端部側へと流動された栄養剤をベルト部材6の巻き取り量に応じて確実に流出口2aへと案内させることが可能となる。従って、載置台3の断面形状を凸形状に構成することによって、栄養剤収納容器2に残される栄養剤が少なくなった場合であっても、栄養剤を最後まで効果的かつ確実に圧出することが可能となる。
また、上述したように、載置台3は、上面(載置面)縁部3aが少なくとも基台4上面より寸法Lだけ床高に形成された台座状に形成されており、ガイドローラ41の設置位置および、係止爪17に係止された先端金具9の棒状部9b位置が、載置台3の上面縁部3aよりも低い位置となっているので、ベルト部材6が十分に回動筒部30により巻き込まれた場合には、ベルト部材6が載置台3の上面を一方の上面縁部3aから他方の上面縁部3aまで確実に押圧することが可能となる。このため、載置台3に載置される栄養剤収納容器2をベルト部材6によって確実に押圧することができ、栄養剤収納容器2に収納される栄養剤を最後まで確実に圧出することが可能となる。
ベルト部材6の巻き取り動作が十分に行われて栄養剤収納容器2に収納された栄養剤が最後まで圧出された場合、看護者は、モータ31の駆動を停止させ、ベルト部材6に圧出された栄養剤収納容器2を取り出して廃棄する。
栄養剤収納容器2を栄養剤圧出装置1より取り外す場合、看護者は、軸部12の端部12aを押入することによって係止爪17をスリット溝23内部に退避させて、係止爪17と先端金具9との係合を解除させることができる。係止爪17と先端金具9との係合を解除させることによって、ベルト部材6の先端部を解放させることができるので、載置台3に拘束されている栄養剤収納容器2を容易に取り外すことができる。
より詳細に説明すると、係止爪17に先端金具9が係合する場合、つまり、係止片11の先端部11cが下方向へと揺動して係止爪17が凹状溝22から露出した状態では、揺動操作レバー20が上側へと移動されており、この状態では第一歯車部25と第二歯車部26とが噛合されている。この場合、上述したように、第一歯車部25の歯車と第二歯車部26の歯車とが互いに噛合することによって、係止片11の先端部11cを上側へと揺動させる方向に回動させることができないため、看護者が揺動操作レバー20を操作しても揺動操作レバー20を動かすことができない。
この状態において、看護者は、軸部12の端部12aを押入することによって、軸部12を軸の延伸方向へと動かすことができる。軸部12が延伸方向へとスライド移動すると、軸部12のスライド移動に伴って第一歯車部25がバネ部材27の付勢力に抗して移動して第一歯車部25の歯車と第二歯車部26の歯車との噛合が解除されることとなり、第二歯車部26が固定される係止片11bを揺動させることが可能となる。このとき、揺動操作レバー20は、捻りバネ21によって下側方向、つまり係止片11の先端部11cを上側へと揺動させようとする方向に付勢されているため、この捻りバネ21の付勢力によって、係止片11の先端部11cが上方向へと移動される。そして、係止片11の先端部11cが上側へと移動することによって、係止爪17がスリット溝23の上部へと入り込んでガイド部材14の凹状溝22から後退(上昇)し、ベルト部材6の先端金具9との係止を解除することが可能となる。
特に、係止爪17がスリット溝23の上部へと入り込んだ場合には、ガイド部材14の凹状溝22に沿ってそのままベルト部材6の先端金具9を上側へとスライド移動させることができるので、ベルト部材6が十分に巻き取られていて、ベルト部材6に強い張力が付加されている場合であっても、ベルト部材6を弛ませることなくベルト部材6の先端金具9を係止片11の係止爪17から取り外すことが可能となる。このため、看護者は、ベルト部材6の先端金具9を係止機構部10から取り外すために、モータ31を逆回転方向に駆動させてベルト部材6を弛ませる操作を行うことなく、迅速で簡易かつ確実にベルト部材6を取り外すことが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態1に係る栄養剤圧出装置1を用いることによって、回動筒部30の回転によりベルト部材6の一端部に張力を付加することができ、栄養剤収納容器2に圧力を加えることができる。このベルト部材6を、モータ31の駆動力を用いて一定量ずつ巻き取ることによって、栄養剤収納容器2に対して一定の圧力を付加することができるので、栄養剤を一定量ずつ患者に投与することが可能となる。
また、モータ31の駆動力を調整してベルト部材6の巻き取り速度を所定速度に設定することができるため、患者に投与する栄養剤の投与時間を、患者の消化器官の働き等を考慮した適切な時間(例えば、400mlの栄養剤の投与に対して20分〜30分)に設定することができ、患者にとってもより好ましい投与環境を実現することが可能となる。
さらに、栄養剤の圧出開始から栄養剤の圧出完了まで、モータ31の駆動力を用いて自動的に投与作業を行うことが可能であるため、従来のように手動ポンプで圧力調整等を行う必要がなく、看護者の肉体的負担を軽減することができる。また、手動ポンプ等による圧力調整等を行う必要がないため、看護者が栄養剤投与時に患者の側に常時付き添う必要が無くなる。
さらに、看護者が栄養剤圧出装置1に栄養剤収納容器2をセットする場合には、載置台3に栄養剤収納容器2を載置した後にベルト部材6の先端金具9を係止爪17に係止させてモータ31を駆動させれば、自動的にベルト部材6が引っ張られて栄養剤のセットが完了する。このため、従来のように、可撓性を有する栄養剤収納容器2を、中空な袋からなる加圧用袋と加圧用袋の外面に設けられた網等の保持部との間に進入させ、加圧用袋に対して加圧空気を注入することによって加圧用袋と保持部とで栄養剤収納容器2を挟持させる必要が無くなり、栄養剤収納容器2の準備を簡易かつ迅速に行うことが可能となる。
さらに、栄養剤の圧出が完了した場合には、軸部12の端部12aを押入することによって、簡単にベルト部材6の先端金具9を係止爪17から取り外すことができるので、ベルト部材6を弛ませることなく、迅速で簡易かつ確実に栄養剤収納容器2を取り外して廃棄することが可能となる。
[実施の形態2]
図4は、実施の形態2に係る栄養剤圧出装置50を示した斜視図である。実施の形態2に係る栄養剤圧出装置50は、ベルト部材が実施の形態1に示すように一枚の帯体により構成されるのではなく、複数のベルト帯体51〜53により構成される点で相違する。なお、実施の形態1と同様の構成部分に関しては同一符号を附すとともに、実施の形態2における詳細な説明は省略するものとする。
栄養剤圧出装置50は、図4に示すように、3本のベルト帯体51〜53によりベルト部材が構成されており、巻取機構部54においても、それぞれのベルト帯体51〜53の巻き取りをベルト帯体51〜53の各々毎に行うための3本の回動筒部55〜57と、3個のモータ58〜60と、3個の減速歯車(図示省略)が設けられている。さらに、栄養剤圧出装置50には、それぞれのモータ31の駆動を制御するための制御回路62が設けられている。
制御回路62は、看護者の操作に応じて、モータ58〜60を駆動させる順番等の制御を行う機能を備えており、制御プログラムが記録されるROM(Read Only Memory)、制御処理に必要な一時的な記憶領域を備えるRAM(Random Access Memory)、およびモータ58〜60の駆動制御に必要な実質的な演算制御処理を制御プログラムに従って実行するCPU(Central Processing Unit)等の一般的な電子機器に基づいて構成されている。なお、制御回路62の構成は、CPU、ROM、RAMのそれぞれが回路基板に載置される構成であってもよく、またこれらの機能が専用のIC等により1チップ化されることにより実現されるものであってもよい。
ベルト帯体51〜53は、載置台3の奥側端部、より詳細には、載置台3に設置された栄養剤収納容器2の流出口2a側端部の反対側端部より整列配置された状態で、各ベルト帯体51〜53の基端部がそれぞれの回動筒部55〜57に固定されている。この状態において、隣接するベルト帯体51〜53の端部は、互いに重なるようにして整列配置されている。一方で、ベルト帯体51〜53の先端部は、実施の形態1に示したベルト部材6と同様にして先端金具9に取り付けられている。
看護者は、上述したようにして構成される栄養剤圧出装置50の載置台3に栄養剤収納容器2をセットし、栄養剤収納容器2の上面を覆うようにして3本のベルト帯体51〜53を栄養剤収納容器2に架け渡して先端金具9を係止爪17に係止させ、ベルト帯体51〜53の巻き取り動作を始動する。制御回路62は、載置台3の奥側端部に配置されるベルト帯体51が固定された回動筒部55のモータ58を駆動させて、ベルト帯体51に対して張力を付加する。そして、奥側端部のベルト帯体51が十分に巻き取られて、載置台3とベルト帯体51との間に配置された栄養剤収納容器2の栄養剤が十分に押し出された状態となった場合に、このモータ58の駆動を停止させ、ベルト帯体51に隣接するベルト帯体52が固定された回動筒部56のモータ59を駆動させて、ベルト帯体52の巻き取り駆動を開始する。そして、このベルト帯体52が十分に巻き取られて、載置台3とベルト帯体52との間に配置された栄養剤収納容器2の栄養剤が十分に押し出された状態となった場合に、このモータ59の駆動を停止させ、流出口2aに最も近いベルト帯体53が固定された回動筒部57のモータ60を駆動させて、ベルト帯体53の巻き取り駆動を開始する。
このように、制御回路62がモータ58〜60の駆動タイミングを変化させて、載置台3の奥側に配設されたベルト帯体51から順番にベルト帯体52、53の巻き取り動作を行い、順番にベルト帯体51〜53に対して張力を付加することによって、栄養剤収納容器2の流出口2aより遠い場所に収納される栄養剤から流出口2a方向へと順番に圧力を付加することが可能となり、栄養剤収納容器2に収納される栄養剤を円滑に流出口2aより圧出させることが可能となる。特に、隣接するベルト帯体51〜53は、互いの側端部が重なるようにして設置されるため、ベルト帯体51(52)とベルト帯体52(53)との境界部分に栄養剤が残ってしまうことを防止することができ、栄養剤収納容器2内の栄養剤を全て圧出させることが可能となる。
また、制御回路62に記録されるプログラム等を変更することによって、ベルト帯体51〜53の巻き取り順番等や巻き取り箇所を変更することも可能である。例えば、栄養剤収納容器2に収納される栄養剤は、一般的に400ml程度であるが、患者毎にその栄養剤の適用量は異なる可能性がある。このような場合には、例えば、奥側端部のベルト帯体51の巻き取り動作を行うことなく、中央に配置されるベルト帯体52の巻き取りを行った後に、流出口2a側のベルト帯体53の巻き取り動作を行うことによって、栄養剤収納容器2に収納される栄養剤のうち250〜300ml程度の栄養剤のみを圧出することができる。このように、ベルト帯体51〜53の巻き取りを行うモータ58〜60を適宜調整することによって、栄養剤収納容器2に収納される一部の栄養剤を残した状態で所定量の栄養剤を圧出させたり、収納される栄養剤を全て残すことなく圧出させたりすることが可能となる。
[実施の形態3]
次に、実施の形態3に係る栄養剤圧出装置について説明を行う。実施の形態3に係る栄養剤圧出装置には、栄養剤収納容器の栄養剤流出口側端部を押圧するための押さえ部(押圧部)が載置台に揺動可能に設けられており、この点で、実施の形態1に示した栄養剤圧出装置1と相違している。なお、実施の形態1と同様の構成部分に関しては同一符号を附すとともに、実施の形態3における詳細な説明は省略するものとする。
まず、一般的な栄養剤収納容器の構造について説明する。図6(a)(b)は、一般的な栄養剤収納容器2を示した図である。栄養剤収納容器2は、耐熱性、抗菌性に優れたシート剤を用いて上縁部(トップ部、周縁部)2b、下縁部(ボトム部)2c、側縁部(サイド部)2dをそれぞれシールすることによって形成された、変形性を備える略箱形状の容器(フレキシブルパウチ)によって構成されている。この上側部(トップ部)2bには、容器内部へと延設される筒状部材2eとこの筒状部材2eに連通する口栓2f(栄養剤流出口2a)とが一体となって設けられている。口栓2fのキャップを開けて栄養剤収納容器2を押圧すると、筒状部材2eを通って栄養剤が口栓2fから流出し、栄養剤を患者に投与することが可能となる。
患者に栄養剤を投与する場合には、一端部が患者の胃等へと到達したチューブの他端部を口栓2fに連結する必要が生ずる。この場合、通常は口栓2fにチューブを接続するためのアタッチメント部材を設置することによって、口栓2fとチューブとの連結を行っている。
図7(a)に示すように、アタッチメント部材43は、口栓2fに着脱可能に設けられたキャップ用の螺号山2gに螺号する基部43aと、チューブ44の端部より嵌入することによってチューブ44と係止する係止部43bとによって構成されている。基部43aと係止部43bとには、基部43aの端部から係止部43bの端部へと貫通する開口通路45が形成されており、図7(b)に示すように、アタッチメント部材43の基部43aが口栓2fに装着されると共に、係止部43bがチューブ44に係止されることによって栄養剤を栄養剤収納容器2からチューブ44へと案内することが可能となっている。
栄養剤収納容器2の栄養剤流出口2aには、図6(a)、(b)に示すように、上述した筒状部材2eが口栓2fと一体に形成されている。筒状部材2eは、円筒状を呈する樹脂材料によって構成されており、筒状部材2eの一端部は栄養剤収納容器2内部側へと僅かに延設されている。このように筒状部材2eが栄養剤収納容器2の内部へと延設されているため、口栓2fが設けられる栄養剤収納容器2の上縁部2bでは、筒状部材2eの一端部から上縁部2b近傍にかけて栄養剤が停留し易くなる空間46が形成されてしまう。このように栄養剤が停留し易くなる空間(栄養剤流出口2aの近傍空間)46に栄養剤が留まってしまうと、全ての栄養剤を患者に投与することができなくなってしまう。
一方で、アタッチメント部材43の係止部43bは、先端をチューブ44の内部に嵌入することによってチューブ44とアタッチメント部材43とが接続される構造であるため、栄養剤収納容器2に多大な圧力を付加して栄養剤を流出させようとすると、その流出圧力によってチューブ44が係止部43bから外れてしまう場合があり得るという問題があった。
実施の形態3に係る栄養剤圧出装置では、栄養剤収納容器2の近傍空間46を圧潰するとともに、アタッチメント部材43の係止部43bとチューブ44との接続が外れてしまうことを防止するために押さえ部(押圧部)が設けられている。
図8、図9は、実施の形態3に係る栄養剤圧出装置42を示した外観斜視図である。実施の形態3に係る栄養剤圧出装置42では、実施の形態1に示した栄養剤圧出装置1に比べて、基台4が長尺方向へと延設されており、基台4に固定される載置台3も、基台4と同様に長尺方向へと延設されている。延設された載置台3の載置面(上面)3bには、筒状部材2e、口栓2f、アタッチメント部材43およびチューブ44を嵌め込むことが可能な第1凹所47aが形成されている。
一方で、延設された載置台3の端部には、図8、図9に示すように、載置台3の上面形状に対応する当接面48aを備える押さえ部(押圧部)48が設けられている。押さえ部48は、載置台3の側端部において蝶番49aによって揺動可能に取り付けられており、載置台3の逆側の側端部には、押さえ部48が載置台3側へと揺動されて載置台の載置面3bと押さえ部48の当接面(押圧面)48aとを圧接させるための係止金具49bが取り付けられている。この係止金具49bを用いて押さえ部48を載置台3に固定することによって、載置台3の載置面3bと押さえ部48の当接面48aとの間の空間を圧潰することが可能となっている。
なお、押さえ部48の当接面48aにも、上述した第1凹所47aに対応する第2凹所47bが形成されている。押さえ部48が揺動して押さえ部48の当接面48aが載置台3の載置面3bに当接する場合には、第1凹所47aと第2凹所47bとが互いに対向した状態で重なり合うことにより、第1凹所47aと第2凹所47bとにより形成された凹所空間70内に、筒状部材2e、口栓2f、アタッチメント部材43およびチューブ44を嵌め込むことが可能となる。このため、栄養剤収納容器2内の栄養剤を患者に投与する場合であっても、筒状部材2e、口栓2f、アタッチメント部材43およびチューブ44の内部に形成される栄養剤案内用の通路が凹所空間70によって確保され、円滑に栄養剤を投与することが可能となる。
また、第1凹所47aおよび第2凹所47bにおける筒状部材2eを収納する部分の端部は、押さえ部48の端部(ベルト部材側の端部)まで延設されており、筒状部材2eの筒長の長短に拘わらず筒状部材2eを収納することが可能となっている。このように、筒状部材2eを収納する凹所47a、47bの長さを長くすることによって、筒状部材2eの長さが異なる栄養剤収納容器であっても好適に筒状部材2eを凹所空間70に収納することが可能になる。
また、押さえ部48により載置台3の載置面3bと押さえ部48の当接面48aとの間の空間が圧潰された場合には、凹所空間70によって、栄養剤収納容器2の内部から筒状部材2eへと栄養剤を流出させるための空間を確保することが可能となるため、筒状部材2eの長さが短い場合であっても、円滑かつ確実に栄養剤を患者に投与することが可能となる。
なお、第1凹所47aおよび第2凹所47bは必ずしも両方設けられている必要はなく、載置台3に第1凹所47aのみが設けられて、押さえ部48に第2凹所47bが設けられていないものであっても、また反対に、押さえ部48に第2凹所47bのみが設けられており、載置台3に第1凹所47aが設けられていないものであってもよい。
次に、実施の形態3に係る栄養剤圧出装置42を用いて、栄養剤収納容器2内の栄養剤を圧出する具体的な方法について説明を行う。まず、押さえ部48が開放されており、さらに、先端金具9がガイド部材14の係止爪17に係止されていない状態において、栄養剤収納容器2を載置台3の載置面3bに載置する。このとき、第1凹所47aに筒状部材2e、口栓2f、アタッチメント部材43およびチューブ44を嵌め込むようにして、栄養剤収納容器2を載置台3に載置する。次いで、筒状部材2e等が第1凹所47aに入り込んでいることを確認した後に、押さえ部48を揺動させて載置台3側へと閉設し、載置台3の載置面3bと押さえ部48の当接面48aとの間の空間を圧潰する。
このとき、上述したように押さえ部48の当接面48aに、第1凹所47aに対応する第2凹所47bが形成されているため、栄養剤収納容器2内部の栄養剤をチューブ44へと流出させるための流出路が確実に確保されることとなり、栄養剤の円滑な投与を妨げることはない。
このように押さえ部48によって、載置台3の載置面3bと押さえ部48の当接面48aとの間の空間が圧潰されると、栄養剤流出口2aの近傍空間46が圧潰されるため、栄養剤が栄養剤収納容器2の後方側へと移動する。このため、栄養剤収納容器2の中央部から後方端部が膨出した状態となり、栄養剤収納容器2の後部側の嵩高が高くなる。
ここで、一般的な栄養剤収納容器2には、栄養剤に加えて、製造過程で充填されるガス(気体)が僅かに含まれている。このガスを、栄養剤を全て流出させた後に容器2から流出させることによって、チューブ44等に残留した栄養剤をガスで押し出して患者に投与を行うことが可能となる。
従来は、栄養剤収納容器2に収納される栄養剤として一般的に液状のものが用いられていたため、栄養剤を逆さまに吊り下げることにより、自重で栄養剤の流出を行うことが可能であった。この場合には、ガスが栄養剤収納容器の上部に溜まることになるため、下部から流出される栄養剤が全て流出された後に、上部に留まるガスが排出され、最後にガスを栄養剤収納容器から流出させることが可能となっていた。
一方で、栄養剤収納容器2を水平に寝かした状態で栄養剤の流出処理を行うと、栄養剤が完全に流出される前にガスが栄養剤収納容器2から排出されてしまうおそれがあり、最終的に栄養剤がチューブ44内に留まってしまうおそれがあった。
このため、上述したように載置台3の載置面3bと押さえ部48の当接面48aとにより栄養剤流出口2aの近傍空間46が圧潰されて、栄養剤が栄養剤収納容器2の後方側へと押し出され、栄養剤収納容器2の中央部から後方端部が膨れた状態になると、栄養剤収納容器2の膨出した部分にガスが留まりやすくなって、ガスの流出を栄養剤収納容器2内の栄養剤が流出した後に行うことが可能となる。
押さえ部48を載置台3側へと閉設させた状態において、看護者は、先端金具9をガイド部材14の係止爪17に係止させることによって、栄養剤収納容器2の上面をベルト部材6で覆い、モータ31を駆動させることによってベルト部材6の巻き込み処理を開始する。ベルト部材6の巻き込みが行われると、載置台3に載置された栄養剤収納容器2に対してベルト部材6による圧力が付加され、栄養剤収納容器2内の栄養剤が押圧されてチューブ44へと流出されることとなる。このとき、載置台3の載置面3bには第1凹部47aが形成され、押さえ部48の当接面48aには第2凹部47bが形成されているので、押圧された栄養剤は、凹所空間70により構成される流出路を通って、筒状部材2e、口栓2f、アタッチメント部材43およびチューブ44へと流れていき、患者に対して確実に栄養剤を投与することが可能となる。
また、押さえ部48と載置台3との当接によって、栄養剤収納容器2の上縁部2bの近傍空間46が圧潰されるので、筒状部材2eの一端部から上縁部2bにかけて留まっていた栄養剤もこの栄養剤流出口2aの近傍空間46に進入できなくなる。このため、栄養剤が栄養剤流出口2aの近傍空間46に留まってしまうことを効果的に防止することが可能となり、栄養剤をこの空間46に停滞させることなく患者に投与することが可能となる。
さらに、第1凹所47aと第2凹所47bにより形成された凹所空間70内に、アタッチメント部材43とチューブ44との係止部分が嵌め込まれるため、栄養剤収納容器2に多大な圧力を付加して栄養剤を流出する場合であっても、栄養剤の流出圧力によって容易にチューブ44がアタッチメント部材43の係止部43bから外れてしまうことを効果的に抑制することが可能となる。
ベルト部材6の巻き込み処理によって、栄養剤収納容器2に対して圧力が付加され続け、栄養剤収納容器2内の栄養剤が圧出されると、栄養剤収納容器2の膨出した中央部から後方端部にガスが溜まった状態が維持されつつ、その下部に蓄えられる栄養剤が圧出されることとなる。このため、栄養剤収納容器2内の栄養剤が全て流出された後に、ガスがベルト部材6の押圧によって圧出されるので、栄養剤が完全に流出された後に、ガスが筒状部材2e、口栓2f、アタッチメント部材43およびチューブ44の内部に残った栄養剤を押し出しつつ流出することとなり、全ての栄養剤を患者に投与することが可能となる。
以上説明したように、実施の形態3に係る栄養剤圧出装置42を用いる場合には、押さえ部48を載置台3側へと閉設させることによって、栄養剤流出口2aの近傍空間46に栄養剤が留まってしまうことを防止することができる。また、凹所空間70内に、アタッチメント部材43とチューブ44との係止部分を嵌め込むことができるため、栄養剤の流出圧力によって容易にチューブ44がアタッチメント部材43の係止部43bから外れてしまうことを効果的に抑制することが可能となる。さらに、ガスが栄養剤収納容器2の膨出部分に蓄積されるため、栄養剤の流出後にガスを排出させることが可能となり、栄養剤をチューブ44等に残すことなく投与することが可能となる。
[実施の形態4]
次に、実施の形態4に係る栄養剤圧出装置について説明を行う。実施の形態4に係る栄養剤圧出装置は、実施の形態1に係る栄養剤圧出装置と比較して、載置台の高さが、栄養剤流出口側端部に比べて反対側端部の方が高くなるように高低差が設けられた傾斜面によって構成されている点で相違している。なお、実施の形態1と同様の構成部分に関しては同一符号を附すとともに、実施の形態4における詳細な説明は省略するものとする。
図10は、実施の形態4に係る栄養剤圧出装置72を示した斜視図であり、図11は、側方断面図である。
栄養剤圧出装置72の載置台73は、図10に示すように、一般的な栄養剤収納容器2の大きさに合わせて平面視で長方形状をなし、載置台73の上面(載置面)73bが少なくとも基台4の上面より床高に形成されている。また、載置台73は、ベルト部材6が掛け渡される方向、つまり、巻取機構部5が形成される基台4端部から係止機構部10が設けられる基台4端部への方向に沿う起立断面が、上面(載置面73b)側に房出する凸形状を呈しており、上述した台座状の高床部分と一体となって、略かまぼこ形状となるように形成されている。
載置台73は、図11に示すように、側方視で栄養剤流出口2a側端部73cに比べて反対側端部(他端部)73dの方が高くなるように高低差が設けられた傾斜面(他端部73dに向かって登り方向に傾斜する傾斜面)によって構成されており、略かまぼこ形状を成す上面73bは上述した上面73b側の房出凸状部と相俟って、起立断面の凸形状を維持した状態で栄養剤流出口2a側の端部73cに向かって緩やかに傾斜する湾曲面によって立体的に形成されている。
このようにして形成される栄養剤圧出装置72の載置台73を用いて患者に対して栄養剤を投与する場合には、先端金具9がガイド部材14の係止爪17に係止されていない状態において、載置台73の上面高さが低くなっている端部73c側に栄養剤収納容器2の栄養剤流出口2aが向くようにして栄養剤収納容器2を載置台73に載置する。
そして、看護者は、先端金具9をガイド部材14の係止爪17に係止させることによって、図11(a)に示すように、栄養剤収納容器2の上面をベルト部材6で覆い、モータ31を駆動させることによってベルト部材6の巻き込み処理を開始する。このとき、ベルト部材6は、多少の伸縮性を備えた素材によって形成されているものを用いることが好ましい。ベルト部材6の巻き込みが行われると、載置台73に載置された栄養剤収納容器2に対してベルト部材6による圧力が付加され、栄養剤収納容器2内の栄養剤が押圧されてチューブ44へと流出されることになる。
このとき、側方から見て載置台73が栄養剤流出口2a側に傾斜する構造となっているので、図11(b)に示すように、傾斜面によって他端部73d側(栄養剤収納容器2の栄養剤流出口2aが設けられていない側)に収納される栄養剤の方が、栄養剤流出口2a側端部73cに収納される栄養剤に比べて早く押圧されることとなる。このため、栄養剤を栄養剤収納容器2の他端部73d側から流出口側へと順次案内して、容器2より栄養剤を圧出させることが可能となる。
また、ベルト部材6が伸縮性を備えた素材によって形成されている場合には、ベルト部材6の巻き込みに応じて栄養剤収納容器2に掛け渡されたベルト部材6の長さが栄養剤収納容器2の変形(偏り)等によって不均一になっても、ベルト部材6の伸縮によってバランス良く栄養剤収納容器2の上面を押圧することができ、栄養剤を栄養剤収納容器2より円滑に流出させることが可能となる。
さらに、栄養剤流出口2aの載置位置に比べて、栄養剤収納容器2の他端部73d側部分の方が高い位置となるため、栄養剤収納容器2の他端部73d側部分にガスが蓄積されやすくなる。このため、ベルト部材6により栄養剤収納容器2が押圧される場合には、栄養剤収納容器2の下側に位置する栄養剤がガスよりも優先的に栄養剤収納容器2から圧出され、栄養剤が十分に圧出された後にガスが流出口2aから流出されることとなる。従って、栄養剤流出口2aに接続されるチューブ44の内部等に栄養剤が残ってしまうことなく、全ての栄養剤を患者に投与することが可能となる。
このように、実施の形態4に係る栄養剤圧出装置72を用いる場合には、載置台73の上面73bが、栄養剤流出口2a側端部73cよりも他端部73dの方が高い傾斜面によって構成されているので、栄養剤を栄養剤収納容器2の他端部73d側から流出口2a側へと円滑に圧出させることが可能となる。
また、栄養剤流出口2aの載置位置に比べて、栄養剤収納容器2の他端部73d側位置の方が高くなるため、栄養剤が十分に圧出された後にガスが押圧されて流出口2aから排出されることとなり、チューブ44の内部等に栄養剤が残ることなく、全ての栄養剤を患者に投与することが可能となる。
[実施の形態5]
次に、実施の形態5に係る栄養剤圧出装置について説明を行う。実施の形態5に係る栄養剤圧出装置は、実施の形態4に係る栄養剤圧出装置と比較して、載置台の傾斜状態が、ベルト部材の巻き取り量に応じて変化する点で相違する。なお、実施の形態4および実施の形態1と同様の構成部分に関しては同一符号を附すとともに、実施の形態5における詳細な説明は省略するものとする。
図12は、実施の形態5に係る栄養剤圧出装置75を示した側方断面図である。
栄養剤圧出装置75の載置台76は、図12に示すように、基台4に固定される基載置台部76aと基載置台部76aの上方を覆う上載置台部76bとを有している。載置台76の内部には複数種類の弾性部材、例えば、図12に示す3種類のコイルバネ77a、77b、77cが設けられている。この3種類のコイルバネ77a、77b、77cは、弾性力の弱い弾性部材ほど栄養剤収納容器2の栄養剤流出口2a側に位置するようにして配設されている。具体的には、真ん中に配設されるコイルバネ77bに比べて栄養剤流出口2a側に位置するコイルバネ77cの方が、弾性力が弱く、真ん中に配設されるコイルバネ77bに比べて栄養剤流出口2aの反対側に配設されるコイルバネ77aの方が、弾性力が強くなっている。
また、隣接するコイルバネの弾性力の差はそれぞれ均等であり、コイルバネ77aとコイルバネ77bとの弾性力の差は、コイルバネ77bとコイルバネ77cとの弾性力の差に等しい値に規定されている。なお、図12に示す側面図では、3種類のコイルバネ77a、77b、77cがそれぞれ1個ずつしか示されていないが、ベルト部材6が掛け渡される方向には、同一弾性力を備える複数のコイルバネが配設されている。
また、各コイルバネ77a、77b、77cの下端部は基載置台部76aの内上面に固定され、各コイルバネ77a、77b、77cの上端部は上載置台部76bの底面に固定されている。このようにして、上載置台部76bは、各コイルバネ77a、77b、77cによって支持されている。
なお、上載置台部76bを支持するコイルバネ77a、77b、77cの種類は必ずしも3種類には限定されず、2種類であっても4種類以上であってもよい。また、本実施の形態5では、上載置台部76bを支持する手段としてコイルバネ77a、77b、77cを用いる場合について説明を行うが、本発明に係る栄養剤圧出装置は、弾性力の相違する弾性部材を用いて載置台76を支持することによって本発明特有の効果を奏することができるため、弾性を有する部材を用いるのであればコイルバネ以外の部材、例えば、板バネ等の他の弾性部材を用いるものであってもよい。
このようにして形成される栄養剤圧出装置75の載置台76を用いて患者に対して栄養剤を投与する場合、先端金具9がガイド部材14の係止爪17に係止されていない状態において、弾性力の弱いコイルバネ77c側に栄養剤収納容器2の栄養剤流出口2aが向くようにして、栄養剤収納容器64を載置台76に載置する。
そして、看護者は、先端金具9をガイド部材14の係止爪17に係止させることによって、図12(a)に示すように、栄養剤収納容器2の上面をベルト部材6で覆い、モータ31を駆動させることによってベルト部材6の巻き込み処理を開始する。このとき、ベルト部材6は、多少の伸縮性を備えた素材によって形成されているものを用いることが好ましい。ベルト部材6の巻き込みが行われると、図12(b)に示すように、載置台76に載置された栄養剤収納容器2に対してベルト部材6による圧力が付加され、栄養剤収納容器2内の栄養剤が押圧されてチューブ44へと流出されることになる。
このとき、上載置台部76bを支持するコイルバネ77a、77b、77cは、弾性力の強さが、コイルバネ77a>コイルバネ77b>コイルバネ77cとなるようにして配置されているので、図12(b)に示すように、ベルト部材6の押圧力によってコイルバネの伸縮幅が相違し、栄養剤流出口2a側端部が他方の端部に比べて低くなるようにして載置台76が傾斜することになる。傾斜された載置台76によって、栄養剤収納容器2の端部側(栄養剤流出口が設けられていない側)に収納される栄養剤の方が、栄養剤流出口2a側端部に収納される栄養剤に比べて早く押圧されることになるため、栄養剤を栄養剤収納容器2の端部側から流出口2a側へと案内して圧出させることが可能となる。
また、ベルト部材6が伸縮性を備えた素材によって形成されている場合には、ベルト部材6の巻き込みに応じて栄養剤収納容器2に掛け渡されたベルト部材6の長さが栄養剤収納容器2の変形(偏り)等によって不均一になっても、ベルト部材6の伸縮によってバランス良く栄養剤収納容器2の上面を押圧することができるので、栄養剤を栄養剤収納容器2より円滑に圧出させることが可能となる。
さらに、上載置台部76bは、内設されるコイルバネの弾性力の違いにより、栄養剤流出口2aの載置位置に比べて栄養剤収納容器2の他端部側の方が高くなるように傾斜するので、栄養剤収納容器2の他端部側部分にガスが蓄積されやすくなる。このため、ベルト部材6により栄養剤収納容器2が押圧される場合には、栄養剤収納容器2の下側に蓄えられる栄養剤が優先して圧出され、栄養剤が十分に圧出された後にガスが流出口2aから排出されることとなる。従って、栄養剤流出口2aに接続されるチューブ44の内部等に残った栄養剤は、その後に流出されるガスによって圧出されることとなるので、栄養剤をチューブ等に残すことなく全て患者に投与することが可能となる。
このように、実施の形態5に係る栄養剤圧出装置では、弾性力の弱いコイルバネほど栄養剤流出口2a側に位置するようにして複数の弾性力を備えたコイルバネが配設されるので、栄養剤収納容器2をベルト部材6で押圧した場合に、栄養剤流出口2a側端部に比べて反対側端部の方が高くなるように載置台76を傾斜させることができ、栄養剤を栄養剤収納容器2の他端部側から流出口2aへと円滑に圧出させることが可能となる。
また、栄養剤流出口2aの載置位置に比べて、栄養剤収納容器2の端部位置の方が高いため、栄養剤が十分に圧出された後にガスが流出口2aから排出されることとなり、チューブ44の内部等に栄養剤が残ることなく、全ての栄養剤を患者に投与することが可能となる。
以上、本発明に係る栄養剤圧出装置について、図面を用いて詳細に説明を行ったが、本発明に係る栄養剤圧出装置は、上述した実施の形態に示した例には限定されない。いわゆる当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものである。また、上述した実施の形態に示した実施例を、種々組み合わせて他の実施例を想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属する。
例えば、実施の形態2に示したベルト部材は、3本のベルト帯体51〜53により構成されるものとしたが、ベルト部材が複数のベルト帯体により構成される場合には、3本以外のベルト帯体、例えば、2本のベルト帯体や、4本以上のベルト帯体によって構成されるものであってもよい。2本または4本以上のベルト帯体によってベルト部材が構成される場合であっても、上述したように、ベルト帯体を回動筒部で巻き取ってベルト帯体の端部に張力を付加することによって、栄養剤収納容器に圧力を付加し、栄養剤を圧出することが可能である。
例えば、図5に示すように、栄養剤収納容器64の中央部に流出口2aがある場合には、図5に示すように4本のベルト帯体65〜68を掛け渡して、流出口2aから遠い(隔てられた)位置に配されるベルト帯体65,68から巻き取り動作を行うことによって、栄養剤収納容器64の左右端部より効果的に栄養剤を流出口2aへと案内して、容器より栄養剤を圧出させることが可能となる。
また、ベルト部材が複数のベルト帯体により構成される場合には、実施の形態2に示すようにベルト帯体の数または回動筒部の数に応じて複数のモータを必ずしも設ける必要はなく、1個のモータを用いて複数の回動筒部を回転させる構造とすることも可能である。例えば、モータの出力軸に噛合される歯車を回転させる回動筒部に応じて切り替える構成等を用いることによって、実施の形態2に示すように、回動筒部の回転タイミングを変化させて、複数のベルト帯体の巻き取りタイミングを調整することが可能となる。
また、実施の形態1に示した栄養剤圧出装置1では、ベルト部材6の先端部が先端金具9を介して基台4に係止され、ベルト部材6の基端部が回動筒部30に固定される構造であったが、本発明に係る栄養剤圧出装置は、この構造に限定されるものではない。例えば、ベルト部材の両端部をそれぞれ異なる回動筒部に固定し、それぞれの回動筒部をモータによって巻き取ることによって、ベルト部材の両端に対して張力を付加する構造とするものであってもよい。このような構造とする場合であっても、ベルト部材に付加される張力によって栄養剤収納容器が押圧されることとなるため、栄養剤を所定量ずつ患者に投与することが可能となる。
さらに、実施の形態1に示した栄養剤圧出装置1では、回動筒部30が基台4の上側端部に設置される場合について説明を行ったが、回動筒部30等は必ずしも基台の上側等に設置されるものには限定されず、例えば、基台の内部に設置される構造であってもよい。具体的には、基台の内部に回動筒部、減速歯車、モータ等を設置し、基台4の上面端部に、基端部が回動筒部に固定されたベルト部材の先端部を基台4の上面側へと案内する開口部およびガイドローラ等を設けて、開口部を介して外部に露出されるベルト部材の先端部を係止機構部の係止爪に係止させる構成とすることも可能である。このように回動筒部等を基台内部に収納することによって、回動筒部等の巻取機構部が基台より突出した状態で設けられることを回避することができる。このため、栄養剤圧出装置の外形状を基台および載置台からなる略箱形状または略板体形状とすることが可能となり、収納時のスペース効率等を向上させることが可能となる。
また、上述した実施形態1に係るベルト部材6には、載置台3の上面を覆う幅広のベルト部材が使用されているが、ベルト部材は必ずしも載置台の上面を覆うことが可能な幅広のベルト部材には限定されず、紐状の細長いベルト部材によって構成されていてもよい。ベルト部材が紐状に細長い場合であっても、ベルト部材の引き込みによってベルト部材に張力を付加して栄養剤収納容器に圧力を加えることができるので、栄養剤を押圧することが可能である。また、栄養剤収納容器の上面とベルト部材との間に板等を挿入したり、栄養剤収納容器の上面側が硬化性を備えた材料等で形成されている場合には、ベルト部材が細長い場合であっても、実施の形態1に示した栄養剤圧出装置のように、容器に収納された栄養剤を容器内に残すことなく全て圧出させることが可能である。
実施の形態1に係る栄養剤圧出装置を示した外観斜視図である。 (a)は、栄養剤圧出装置の側面図であり、(b)は、図1に示す栄養剤圧出装置のA−A断面を矢印方向から示した側方断面図である。 図2(a)に示すB−B断面を示した平断面図である。 実施の形態2に係る栄養剤圧出装置を示した外観斜視図である。 栄養剤収納容器における流出口が中央部に設置される場合において4本のベルト部材が容器上面に配設される状態を示した栄養剤収納容器の斜視図である。 一般的な栄養剤収納容器を示した図であり、(a)は平面図、(b)は側面図を示している。 栄養剤収納容器の栄養剤流出口とアタッチメント部材とチューブとを示した図であり、(a)はそれぞれの係合関係を示す展開図、(b)はそれぞれを係合させた状態を示した図である。 載置台に設けられた押さえ部が開放された状態を示す栄養剤圧出装置の斜視図である。 載置台に設けられた押さえ部が閉塞された状態を示す栄養剤圧出装置の斜視図である。 実施の形態4に係る栄養剤圧出装置を示した斜視図である。 実施の形態4に係る栄養剤圧出装置を示した側方断面図である。 実施の形態5に係る栄養剤圧出装置を示した側方断面図である。
符号の説明
1、42、50、72、75 …栄養剤圧出装置
2、64 …栄養剤収納容器
2a …(栄養剤収納容器の)流出口(容器流出口)
2b …(栄養剤収納容器の)上縁部
2c …(栄養剤収納容器の)下縁部
2d …(栄養剤収納容器の)側縁部
2e …(栄養剤収納容器の)筒状部材
2f …(栄養剤収納容器の)口栓
2g …(口栓の)螺号山
3、73、76 …載置台(載置台)
3a …(載置台の)上面縁部
3b、73b …(載置台の)載置面
4 …基台(載置台)
5、54 …巻取機構部(張力付加手段)
6 …ベルト部材
9 …先端金具
9a …(先端金具の)矩形開口
9b …(先端金具の)棒状部
10 …係止機構部
11、11a、11b …係止片
11c …(係止片の)先端部
12 …軸部
12a …(軸部において基台の外部に露出される側の)端部
12b …(軸部においてクラッチ機構が設けられる側の)端部
13 …クラッチ機構
14 …ガイド部材
15a、15b …支持部材
16a、16b …(支持部材の)支持孔
17 …(係止片の)係止爪
18 …係止底面部材
19 …係止側面部材
20 …揺動操作レバー
20a …(揺動操作レバーの)先端
21 …捻りバネ
22 …(ガイド部材の)凹状溝
23 …(ガイド部材の)スリット溝
25 …(クラッチ機構の)第一歯車部
26 …(クラッチ機構の)第二歯車部
27 …(クラッチ機構の)バネ部材
30、55〜57 …回動筒部
31、58〜60 …モータ
32 …(モータの)出力軸
33 …減速歯車部
33a、33b …(減速歯車部の)歯車
34 …支持壁
35 …回転歯車
36 …出力歯車
37 …電源コード
40 …ハウジングケース
41 …ガイドローラ
43 …アタッチメント部材
43a …(アタッチメント部材の)基部
43b …(アタッチメント部材の)係止部
44 …チューブ
45 …開口通路
46 …近傍空間
47a …第1凹所
47b …第2凹所
48 …押さえ部(押圧部)
48a …(押さえ部の)当接面(押圧面)
49a …蝶番
49b …係止金具
51〜53 …ベルト帯体
62 …制御回路
70 …凹所空間
73c …(載置台の栄養剤流出口側の)端部
73d …(載置台の栄養剤流出口側の反対側端部)他端部
76a …(載置台部の)基載置台部
76b …(載置台部の)上載置台部
77a、77b、77c …コイルバネ(弾性部材)

Claims (14)

  1. 可撓性を備えた栄養剤収納容器を載置させる載置台と、
    該載置台に載置された前記栄養剤収納容器の上面側に掛け渡されるベルト部材と、
    該ベルト部材の少なくとも一方の端部に張力を付加することにより前記載置台に載置された前記栄養剤収納容器に対して圧力を付加する張力付加手段と
    を備えることを特徴とする栄養剤圧出装置。
  2. 前記張力付加手段は、前記ベルト部材の一端部を巻き取る巻取機構部により構成され、
    前記ベルト部材の他端部は、前記載置台に着脱可能に取り付けられること
    を特徴とする請求項1に記載の栄養剤圧出装置。
  3. 前記巻取機構部における前記ベルト部材の巻き取り下端位置および
    前記ベルト部材の他端部が取り付けられる前記載置台の取付位置は、
    前記載置台における載置面の下端位置よりも低い位置であること
    を特徴とする請求項2に記載の栄養剤圧出装置。
  4. 前記載置台には、前記ベルト部材の他端部に係合して当該他端部を前記載置台に取り付けるための係止爪が、揺動可能に設けられており、
    該係止爪を揺動させることによって、前記張力付加手段により前記ベルト部材の一端に前記張力が付加された状態において前記ベルト部材の他端部を着脱することが可能であること
    を特徴とする請求項2または請求項3に記載の栄養剤圧出装置。
  5. 前記ベルト部材は、前記載置台に載置された前記栄養剤収納容器の上面を覆うことが可能なベルト幅を備えること
    を特徴とする請求項1に記載の栄養剤圧出装置。
  6. 前記ベルト部材は、並設される複数のベルト帯体によって構成され、
    前記張力付加手段は、前記複数のベルト帯体の各々毎に前記張力を付加すること
    を特徴とする請求項1に記載の栄養剤圧出装置。
  7. 前記張力付加手段は、並設される前記複数のベルト帯体に対して前記張力を付加するタイミングを、前記複数のベルト帯体の各々毎に変化させること
    を特徴とする請求項6に記載の栄養剤圧出装置。
  8. 前記張力付加手段は、前記栄養剤収納容器の栄養剤流出口より隔たれた位置に配されるベルト帯体から前記栄養剤流出口側に配されるベルト帯体へと順番に、前記張力を付加すること
    を特徴とする請求項6または請求項7に記載の栄養剤圧出装置。
  9. 前記載置台は、前記ベルト部材が掛け渡される方向に沿う起立断面が、前記栄養剤収納容器の載置面側に房出する凸形状を呈すること
    を特徴とする請求項1に記載の栄養剤圧出装置。
  10. 前記載置台に載置された栄養剤収納容器の周縁部には、栄養剤流出口が形成され、
    該栄養剤流出口には、前記栄養剤収納容器の内部へと延設される筒状部材が設けられ、
    前記載置台は、前記栄養剤収納容器において前記筒状部材の周辺に形成された前記栄養剤流出口の近傍空間を、前記載置台と協働して圧潰する押圧部を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の栄養剤圧出装置。
  11. 前記押圧部による前記近傍空間の圧潰の際に、前記筒状部材および前記栄養剤流出口を通過する栄養剤の流出空間を確保するための凹所が、前記押圧部における押圧面または前記載置台の載置面の少なくとも一方の面に形成されること
    を特徴とする請求項10に記載の栄養剤圧出装置。
  12. 前記凹所は、前記栄養剤流出口に接続されるチューブとの係止部を収納することが可能であること
    を特徴とする請求項11に記載の栄養剤圧出装置。
  13. 前記載置台に載置された栄養剤収納容器の周縁部には栄養剤流出口が形成され、
    前記載置台の載置面は、当該載置面に載置された栄養剤収納容器の前記栄養剤流出口側端部から前記栄養剤収納容器の他端部に向かって登り方向に傾斜する傾斜面によって構成されること
    を特徴とする請求項1に記載の栄養剤圧出装置。
  14. 前記載置台に載置された栄養剤収納容器の周縁部には栄養剤流出口が形成され、
    前記載置台の載置面は、弾性力の異なる複数の弾性部材によって支持されており、
    該弾性部材は、前記弾性力の弱い弾性部材ほど前記栄養剤収納容器の前記栄養剤流出口側に位置するようにして配設されること
    を特徴とする請求項1に記載の栄養剤圧出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013091114A (ja) * 2011-10-05 2013-05-16 Kyokko Denki Kk インタラクション操作システム

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