JP2009010715A - 固体撮像素子及びその駆動方法並びに撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の出力アンプに特性差があっても画質劣化を生じることなく、しかも消費電力の小さい固体撮像素子及びその駆動方法並びに撮像装置を提供する
【解決手段】第2電荷転送路103を分割して形成した第1領域103a及び第2領域103bを設け、第1領域の下流側に設けた第1分岐部111で第1分岐転送路113と第2分岐転送路114とに分岐し、第2領域の下流側に設けた第2分岐部112で第3分岐転送路115と第4分岐転送路116とに分岐し、第1分岐転送路113と第3分岐転送路115とを第1の出力アンプ131に接続される第1電荷検出部117に共通に接続し、第2分岐転送路114と第4分岐転送路116とを第2の出力アンプに132接続される第2電荷検出部118に共通に接続した。
【選択図】図2

Description

本発明は、入射光に応じて発生した信号電荷を転送する電荷転送路を備えた固体撮像素子及びその駆動方法並びに撮像装置に関する。
一般に、2次元固体撮像素子においては、2次元画像を構成する各画素の明度や色度の情報を含む信号を生成するため、多数の光電変換セルが2次元状に配列された光電変換部が設けられている。また、CCD型の固体撮像素子においては、各画素位置の光電変換セルから出力される信号電荷を垂直方向へ向かって転送する垂直電荷転送路が各光電変換セルと隣接する位置に列毎にそれぞれ設けられ、垂直電荷転送路の下流側には、各列の垂直電荷転送路から受け取った信号電荷を水平方向へ向かって転送する水平電荷転送路が設けられており、第2電荷転送路の出力側に各画素の信号電荷を電圧信号として取り出すための出力アンプが接続されている。
高解像度の画像の撮影を可能にするために、光電変換部に配列される光電変換セルの数を増やすと、全ての光電変換セルで得られた信号電荷を垂直電荷転送路及び水平電荷転送路を通じて出力アンプから出力させるまでに、膨大な回数の転送動作が必要になる。そこで、出力にかかる時間を短縮するためには、垂直電荷転送路や水平電荷転送路に対する電荷転送用の駆動信号を高い周波数の信号にする必要がある。
ところが、近年のデジタルカメラ等に用いられる固体撮像素子は、数百万個の光電変換セルを固体撮像素子に搭載している場合が多く、短時間で画像信号を出力するためには、極めて高い周波数の駆動信号を用いて信号電荷の転送を行うことになる(特に水平電荷転送路)。しかし、信号電荷転送用の駆動信号の周波数を高くすると、信号電荷の転送不良を招いて出力アンプから出力される画像信号が乱れることがあり、また、駆動信号の周波数が高くなるほど消費電力が増大する不利があった。
この問題を解消するため、例えば特許文献1に記載された構成が提案されている。この特許文献1には、水平電荷転送路を水平方向の中央付近で2つに分割し、独立した第1領域と第2領域とを水平電荷転送路として形成した構成が記載されている。この場合、光電変換部は左右2つの領域に区分され、光電変換部の左側の領域に属する各光電変換セルで生成された信号電荷については、垂直方向に転送した後、水平電荷転送路の第1領域を使って水平方向に転送し、右側の領域に属する各光電変換セルで生成された信号電荷については、垂直方向に転送した後、水平電荷転送路の第2領域を使って水平方向に転送し、それぞれ第1領域および第2領域の下流に接続された出力アンプから画像信号として出力される。
上記構成の固体撮像素子によれば、信号電荷の水平方向への転送距離が通常の半分に短縮され、撮像画像の出力時間を短縮でき、信号電荷転送用の駆動信号の周波数を低くすることができる。
特開2004−80286号公報
しかしながら、特許文献1に記載された構成では、水平電荷転送路の第1領域下流側の第1出力アンプと、第2領域下流側の第2出力アンプとの特性(ゲイン等)がそれぞれ厳密には異なるため、これら特性の違いが同じフレームの画像における明るさの違いとして現れる。例えば、撮影された1フレームの画像の中で、中央を境界として左側部分と右側部分との境界部に明るさの段差が形成されることになり、画質が大幅に低下する。
本発明は、複数の出力アンプに特性差があっても画質劣化を生じることなく、しかも消費電力の小さい固体撮像素子及びその駆動方法並びに撮像装置を提供することを目的とする。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 入射光に応じた信号電荷をそれぞれが発生する複数の光電変換セルが2次元状に配列された光電変換部と、前記光電変換部の各光電変換セルで発生した信号電荷を第1の方向へ転送する複数列の第1電荷転送路と、前記複数列の第1電荷転送路から転送された電荷を受け取り前記第1の方向とは直交する第2の方向に沿って転送する第2電荷転送路とが半導体基板に形成された固体撮像素子であって、
前記第2電荷転送路を、前記第2の方向に2つに分割することにより形成された第1領域及び第2領域と、
前記第1領域における信号電荷の転送方向下流側に配置され、前記第1領域の転送路を少なくとも第1分岐転送路と第2分岐転送路とに分岐する第1分岐部と、
前記第2領域における信号電荷の転送方向下流側に配置され、前記第2領域の転送路を少なくとも第3分岐転送路と第4分岐転送路とに分岐する第2分岐部と、
前記第1分岐部で分岐された第1分岐転送路と、前記第2分岐部で分岐された第3分岐転送路とを接続する位置に形成され、第1の出力アンプに接続される第1電荷検出部と、
前記第1分岐部で分岐された第2分岐転送路と、前記第2分岐部で分岐された第4分岐転送路とを接続する位置に形成され、第2の出力アンプに接続される第2電荷検出部と、
を備えた固体撮像素子。
この固体撮像素子によれば、第2電荷転送路の第1領域で転送する信号電荷を、第1分岐部で分岐して第1分岐転送路又は第2分岐転送路に転送し、第1分岐転送路の下流側に接続された第1電荷検出部、または、第2分岐転送路の下流側に接続された第2電荷検出部から出力することができる。また、第2電荷転送路の第2領域で転送する信号電荷を、第2分岐部で分岐して第3分岐転送路又は第4分岐転送路に転送し、第3分岐転送路の下流側に接続された第1電荷検出部、または、第4分岐転送路の下流側に接続された第2電荷検出部から出力することができる。従って、各画素位置の信号電荷は、第1電荷検出部を経由して第1の出力アンプから出力させ、かつ、第2電荷検出部を経由して第2の出力アンプから出力させることもできる。そのため、必要に応じて双方の出力アンプを使い分けることができ、各出力アンプ間の特性の違いが出力画像に現れることを防止できる。また、第2電荷転送路を分割することにより第1領域と第2領域を形成して、撮影された画像の出力時間を短縮することができる。そして、信号電荷の転送制御信号の駆動周波数は別段高める必要がないので、消費電力が増大することはない。
(2) (1)記載の固体撮像素子であって、
前記第2電荷転送路の前記第1領域及び第2領域は、前記第2電荷転送路の略中央を境界として分割することで形成されている固体撮像素子。
この固体撮像素子によれば、第2電荷転送路の転送路の中央に近い領域を境界として分割することにより第1領域と第2領域が形成されているので、例えば光電変換部に2次元状に配列された複数の光電変換セルを、水平方向の中央付近で2つのグループに区分し、左側のグループに属する光電変換セルが生成した信号電荷については、第2電荷転送路の第1領域を経由して転送し、右側のグループに属する光電変換セルが生成した信号電荷については、第2電荷転送路の第2領域を経由して転送することができる。
(3) (1)記載の固体撮像素子であって、
前記第1領域から前記第1分岐部を経て下流側に転送する信号電荷の転送先を、前記第1分岐転送路側に振り分ける第1振り分け電極と、
前記第1領域から前記第1分岐部を経て下流側に転送する信号電荷の転送先を、前記第2分岐転送路側に振り分ける第2振り分け電極と、
前記第2領域から前記第2分岐部を経て下流側に転送する信号電荷の転送先を、前記第3分岐転送路側に振り分ける第3振り分け電極と、
前記第2領域から前記第2分岐部を経て下流側に転送する信号電荷の転送先を、前記第4分岐転送路側に振り分ける第4振り分け電極と
を備え、
前記第1振り分け電極と第4振り分け電極とを共通に接続するとともに、前記第2振り分け電極と第3振り分け電極とを共通に接続した固体撮像素子。
この固体撮像素子によれば、第1振り分け電極と第4振り分け電極とが共通に接続されているので、第1領域から第1分岐部を経て下流側に転送される信号電荷を第1分岐転送路側に振り分ける際に、第2領域から第2分岐部を経て下流側に転送される信号電荷を第4分岐転送路側に振り分けることができる。つまり、この時には第1領域側から入力された信号電荷を、第1電荷検出部を経由して第1の出力アンプから出力するとともに、第2領域側から入力された信号電荷を、第2電荷検出部を経由して第2の出力アンプから出力することができる。また、第2振り分け電極と第3振り分け電極とが共通に接続されているので、第1領域から第1分岐部を経て下流側に転送される信号電荷を第2分岐転送路側に振り分ける際に、第2領域から第2分岐部を経て下流側に転送される信号電荷を第3分岐転送路側に振り分けることができる。つまり、この時には第1領域側から入力された信号電荷を、第2電荷検出部を経由して前記第2の出力アンプから出力するとともに、第2領域側から入力された信号電荷を、第1電荷検出部を経由して第1の出力アンプから出力することができる。
(4) (1)〜(3)のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
前記第1電荷検出部が保持する信号電荷を所定のドレインに廃棄するための第1リセットゲート電極と、
前記第2電荷検出部が保持する信号電荷を所定のドレインに廃棄するための第2リセットゲート電極と
を備えた固体撮像素子。
この固体撮像素子によれば、第1電荷検出部が1画素分の信号電荷の検出を終了したときに、第1リセットゲート電極を制御することにより、第1電荷検出部の位置に存在する信号電荷をドレインに廃棄し、第1電荷検出部を初期状態に戻すことができる。また、第2電荷検出部が1画素分の信号電荷の検出を終了したときに、第2リセットゲート電極を制御することにより、第2電荷検出部の位置に存在する信号電荷をドレインに廃棄し、第2電荷検出部を初期状態に戻すことができる。
(5) (1)〜(4)のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
前記第1,第2,第3,第4分岐転送路で信号電荷を転送するための第2の転送制御信号を、前記第2電荷転送路で信号電荷を転送するための転送制御信号に対して周期を2倍とする固体撮像素子の駆動方法。
この固体撮像素子の駆動方法によれば、第1領域から第1分岐部を経て下流側に転送される信号電荷の転送先を、第1分岐転送路側及び第2分岐転送路側に交互に振り分け、また、第2領域から第2分岐部を経て下流側に転送される信号電荷の転送先を、第3分岐転送路側及び第4分岐転送路側に交互に振り分けた後の第1,第2,第3,第4分岐転送路では、振り分け前の第2電荷転送路の転送制御信号に対して2倍の周期の転送制御信号により駆動されることで、個々の信号電荷を各分岐転送路でそれぞれ順次に転送させることができる。
(6) (5)記載の固体撮像素子の駆動方法であって、
前記第1領域から前記第1分岐部を経て下流側に転送される信号電荷の転送先を前記第1分岐転送路側及び前記第2分岐転送路側に交互に振り分け、前記第2領域から前記第2分岐部を経て下流側に転送される信号電荷の転送先を前記第3分岐転送路側及び前記第4分岐転送路側に交互に振り分けるための第2の転送制御信号の位相を、前記第1電荷転送路から前記第2電荷転送路に信号電荷を移す毎に半周期分ずらす固体撮像素子の駆動方法。
この固体撮像素子の駆動方法によれば、第2の転送制御信号の位相を、第1電荷転送路から第2電荷転送路に信号電荷を移す毎に、すなわち光電変換部の光電変換セル1行毎に、半周期分ずらすので、それぞれの行に配置された各光電変換セルから読み出された信号電荷を、第1の出力アンプと、第2の出力アンプとを行毎で交互に振り分けることができる。これにより、光電変換セルの検出色が同じ列において、行毎に検出色が異なっている場合に(例えばベイヤー配列など)、同じ色を同じ出力アンプで出力させることができる。これにより、各出力アンプの特性に違いがあっても、出力される画像全体のカラーバランスを調整することで出力アンプの特性の違いを補償することができ、カラー画像の画質の劣化を防止できる。
(7) (1)〜(5)のいずれか1項記載の固体撮像素子と、
前記固体撮像素子に光学像を結像させる光学系と、
前記第1電荷転送路および前記第2電荷転送路に信号電荷を転送する制御信号を発生する制御部と、
前記固体撮像素子から出力される信号から画像データを生成する信号処理手段と、
を備えた撮像装置。
この撮像装置によれば、上記の固体撮像素子を用いることで、二つの出力アンプの特性に差があっても、画面中央部に明るさの段差が発生せず、良好な画像を得ることができ、また、第2電荷転送路の転送路を二分割しても転送制御信号の駆動周波数を別段高める必要がなく、消費電力の増大が避けられる。
本発明の固体撮像素子によれば、それぞれの光電変換セルから読み出された信号電荷の出力先を、複数の出力アンプのうちいずれかに振り分けることができるので、各出力アンプの特性の違いが出力画像に現れることを防止できる。また、第2電荷転送路を分割して第1領域及び第2領域を形成して、それぞれで信号電荷を転送しているので、撮影された画像の出力時間を短縮することができる。さらに、第2電荷転送路の転送制御信号の駆動周波数を高める必要がないため、消費電力が増大することがない。
本発明の固体撮像素子及びその駆動方法並びに撮像装置の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は撮像装置の一構成例を示すブロック図、図2は撮像装置に搭載される固体撮像素子の要部を概念的に示す要部説明図である。なお、撮像装置200は具体的にはデジタルカメラを想定している。
図1に示す撮像装置200の光学系には、撮影レンズ10と、絞り12と、赤外線カットフィルタ13と、光学ローパスフィルタ14と、固体撮像素子100とが設けてある。絞り12と、赤外線カットフィルタ13と、光学ローパスフィルタ14は、撮影レンズ10と固体撮像素子100との間に配置してある。固体撮像素子100は、詳細は後述するが、CCD型の2次元カラー撮像素子である。
この撮像装置200の全体を統括制御するCPU(マイクロプロセッサ)15は、フラッシュ発光部16及び受光部17を制御し、レンズ駆動部18を制御して撮影レンズ10の位置を適正なフォーカス位置に調整し、絞り駆動部19を介して絞り12の開口量を制御して露光量調整を行う。
また、CPU15は、撮像素子駆動部22を介して固体撮像素子100を駆動し、撮影レンズ10を通して撮像した被写体画像を出力信号として出力させる。CPU15には、操作部21を通してユーザからの指示信号が入力され、CPU15はこの指示に従って各種制御を行う。CPU15と撮像素子駆動部22は固体撮像素子100に信号電荷を転送する制御信号を発生する制御部として機能する。
図1に示した撮像装置200の電気制御系には、CPU15の他に、アナログ信号処理部20と、A/D変換回路23と、メモリ制御部24と、メインメモリ(フレームメモリ)25と、デジタル信号処理部26と、圧縮伸張処理部27と、積算部28と、記録媒体29を着脱自在に収容する外部メモリ制御部30と、液晶表示部31と、表示制御部32とが設けてあり、信号処理手段として機能する。
固体撮像素子100は、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の色成分毎に独立した各画素の明るさを表す信号をアナログ画像信号として出力する。アナログ信号処理部20は、固体撮像素子100から出力される画像のアナログ信号に対して所定の処理を施す。A/D変換回路23は、アナログ信号処理部20から出力されるアナログ画像信号をデジタル信号に変換する。アナログ信号処理部20及びA/D変換回路23の動作はCPU15によって制御される。
メモリ制御部24は、メインメモリ(フレームメモリ)25を制御するために設けてある。デジタル信号処理部26は、画像のデジタル信号について、補間演算やガンマ補正演算や、RGB/YC変換処理等を行うための機能を備えている。
圧縮伸張処理部27は、撮像して得られた画像をJPEG画像に圧縮したり圧縮画像を伸張したりするための機能を備えている。積算部28は、測光データを積算し、デジタル信号処理部26が行うホワイトバランス補正のためのゲインを求める機能を備えている。記録媒体29は、例えばメモリカードのように着脱自在な媒体であり、外部メモリ制御部30に接続される。
液晶表示部31は、二次元画像や文字情報等を表示する機能を備えた表示部であり、カメラ背面等に配置され、撮影する被写体の像や撮影後の画像を表示したり、動作モードなどの情報を撮影者に知らせるために利用される。液晶表示部31は表示制御部32によって制御される。
メモリ制御部24、メインメモリ(フレームメモリ)25、デジタル信号処理部26、圧縮伸張処理部27、積算部28、外部メモリ制御部30及び表示制御部32は、制御バス33及びデータバス34を介してCPU15と相互に接続されており、CPU15からの指令によって制御される。
次に固体撮像素子100について説明する。
図2に示すように、この固体撮像素子100の光電変換部110は、図中のX軸方向及びY軸方向に沿って2次元状に配置された多数の光電変換セル101を備えている。これらの各光電変換セル101は、実際には半導体基板上に形成されたフォトダイオード(PD)であり、図2の紙面垂直方向から入射する光の強度及び露光時間の長さに応じて定まる量の信号電荷を生成する。
なお、ここでは図中のX軸に沿った方向を水平方向、Y軸に沿った方向を垂直方向と呼称する。また、光電変換部110に配列された多数の光電変換セル101のそれぞれを特定するために、水平方向の並びの位置を表す「行」と、垂直方向の並びの位置を表す「列」とを用いる。図2のL(n)、L(n+1)、L(n+2)、・・・がそれぞれの行の位置を表し、C(n)、C(n+1)、C(n+2)、・・・がそれぞれの列の位置を表している。
なお、図2においては、説明の簡単化のため、16個の光電変換セル101のみを示していている。また、図2に示されている各光電変換セル101は、光電変換部110におけるX軸方向の中央付近を表しており、列C(n+1)と列C(n+2)との境界がX軸方向の中央位置に相当する。また、行L(n+3)はY軸方向の最も電荷転送方向下流側の位置を表している。
また、図2に示した固体撮像素子100においては、各光電変換セル101の光の入射面の前面に図示しない光学カラーフィルタ(RGB)が配置され、カラー画像の撮影を可能にしている。なお、図中、各光電変換セル101に示されている「R」、「G」、「B」の記号がその光電変換セル101の検出色を表している。また、X軸方向の中央を境界として左側の領域に属している光電変換セル101については、「R」、「G」、「B」のように「L」を付してあり、右側の領域に属している光電変換セル101については、「R」、「G」、「B」のように「R」を付けて表してある。
光電変換部110の各光電変換セル101と隣接する位置には、垂直電荷転送部(第1電荷転送路:VCCD)102が、列毎にそれぞれ設けられている。各列の垂直電荷転送部102は、Y軸と平行に延設された埋め込みチャネル上で信号電荷を転送するための多数の転送制御用電極201を備えている。
また、各垂直電荷転送部102の電荷転送方向下流の端部と隣接するように水平電荷転送部(第2電荷転送路:HCCD)103が設けてある。この水平電荷転送部103は、基本的な構造としては、X軸と平行に延設された埋め込みチャネル上で信号電荷を転送するための多数の転送制御用電極210を備えている。但し、水平電荷転送部103は一般的なHCCDとは異なり以下に説明する構成になっている。
すなわち、水平電荷転送部103は、X軸方向の略中央を境界として2つに区分された第1領域103aと第2領域103bとを有している。第1領域103aでは、X軸方向の中央よりも左側に配置された各光電変換セル101によって画成され、該当する列の垂直電荷転送部102により転送された信号電荷を受け取り、撮像素子駆動部22から転送制御用電極210に印加されるパルス状の水平転送信号(φH1,φH2)によって形成される電位分布に従って、埋め込みチャネル上の信号電荷を矢印A3方向に、すなわち中央に向かう方向に転送する。一方、第2領域103bでは、X軸方向の中央よりも右側に配置された各光電変換セル101によって画成され、該当する列の垂直電荷転送部102により転送された信号電荷を受け取り、水平転送信号(φH1,φH2)によって形成される電位分布に従って、埋め込みチャネル上の信号電荷を矢印A5方向に、すなわち中央に向かう方向に転送する。
水平電荷転送部103における第1領域103aの右端(最も下流側の位置)には、第1分岐部(HSL)111を介して、第1分岐転送路113と第2分岐転送路114とが接続されている。また、水平電荷転送部103における第2領域103bの左端(最も下流側の位置)には、第2分岐部(HSL)112を介して、第3分岐転送路115と第4分岐転送路116とが接続されている。
第1分岐転送路113、第2分岐転送路114、第3分岐転送路115及び第4分岐転送路116については、信号電荷を転送するための埋め込みチャネルを有しており、更に信号電荷の分岐及び転送を制御するための電極113a(第1振り分け電極)、114a(第2振り分け電極)、115a(第3振り分け電極)、116a(第4振り分け電極)を備えている。
すなわち、撮像素子駆動部22から電極113aに印加される信号φHP1を制御することにより、第1領域103aの右端から出力される信号電荷を第1分岐転送路113側に分岐するように導くことができ、撮像素子駆動部22から電極114aに印加される信号φHP2を制御することにより、第1領域103aの右端から出力される信号電荷を第2分岐転送路114側に分岐するように導くことができる。また同様に、撮像素子駆動部22から電極115aに印加される信号φHP2を制御することにより、第2領域103bの左端から出力される信号電荷を第3分岐転送路115側に分岐するように導くことができ、撮像素子駆動部22から電極116aに印加される信号φHP1を制御することにより、第2領域103bの左端から出力される信号電荷を第4分岐転送路116側に分岐するように導くことができる。
また、電極113aと電極116aとが電気的に共通に接続されており、更に電極114aと電極115aとが電気的に共通に接続されている。つまり、電極113a及び電極116aには同じ信号φHP1が撮像素子駆動部22から印加され、電極114a及び電極115aには同じ信号φHP2が撮像素子駆動部22から印加される。
これにより、第1領域103aの右端から出力される信号電荷を第1分岐転送路113側に分岐するように導く時には、同時に第2領域103bの左端から出力される信号電荷を第4分岐転送路116側に分岐するように導かれる。また、第1領域103aの右端から出力される信号電荷を第2分岐転送路114側に分岐するように導く時には、同時に第2領域103bの左端から出力される信号電荷を第3分岐転送路115側に分岐するように導かれる。
また、X軸方向の中央に近い位置には、それぞれがフローティングディフュージョン(FD)として構成された第1電荷検出部117及び第2電荷検出部118が設けてある。前記第1分岐転送路113の下流側(X軸方向の中央に近い位置)は、それに隣接する位置に設けた出力ゲート(OG)を介して第1電荷検出部117と接続されており、第3分岐転送路115の下流側(X軸方向の中央に近い位置)もそれに隣接する位置に設けた出力ゲート(OG)を介して第1電荷検出部117と接続されている。つまり、第1分岐転送路113の下流側と第3分岐転送路115の下流側とが共通の第1電荷検出部117と接続されている。
一方、前記第2分岐転送路114の下流側(X軸方向の中央に近い位置)は、それに隣接する位置に設けた出力ゲート(OG)を介して第2電荷検出部118と接続されており、第4分岐転送路116の下流側(X軸方向の中央に近い位置)もそれに隣接する位置に設けた出力ゲート(OG)を介して第2電荷検出部118と接続されている。つまり、第2分岐転送路114の下流側と第4分岐転送路116の下流側とが共通の第2電荷検出部118と接続されている。
第1電荷検出部117はフローティングディフュージョンであるため、キャパシタを有しており、第1分岐転送路113の出力又は第3分岐転送路115の出力から転送される各画素の信号電荷の電荷量に対応する信号電圧がこの領域に現れる。第1電荷検出部117に現れた信号電圧は、この領域に接続されている出力アンプ131によって増幅され、出力信号OS1として出力される。
同様に、第2電荷検出部118はフローティングディフュージョンであるため、キャパシタを有しており、第2分岐転送路114の出力又は第4分岐転送路116の出力から転送される各画素の信号電荷の電荷量に対応する信号電圧がこの領域に現れる。第2電荷検出部118に現れた信号電圧は、この領域に接続されている出力アンプ132によって増幅され、出力信号OS2として出力される。
また、第1電荷検出部117と第2電荷検出部118との間には、これらの領域に存在する不要になった信号電荷を廃棄するためのリセットドレイン(RD)と接続されたリセットドレイン電極123が設けてある。更に、第1電荷検出部117とリセットドレイン(RD)との間にリセットゲート電極(第1リセットゲート電極:RG)121が設けてあり、第2電荷検出部118とリセットドレイン(RD)との間にリセットゲート電極(第2リセットゲート電極:RG)122が設けてある。2つのリセットゲート電極121、122には、共通のリセットゲート信号RSが印加される。
次に、図2に示した固体撮像素子100において、光電変換部110の1つの行に並んだ光電変換セル101群から読み出された信号電荷を、各垂直電荷転送部102で垂直方向に転送し、水平電荷転送部103に導いた後、水平電荷転送部103上で水平方向に転送して出力信号(OS1,OS2)を出力するまでの具体的な動作について以下に説明する。
図3は図1に示した固体撮像素子が信号電荷を水平方向に転送して出力するための動作に用いる制御信号の具体例を示すタイムチャートである。
図3に示す動作例では、例えば図2に示すL(n+3)のように、B色を検出する光電変換セル101とG色を検出する光電変換セル101が存在する行から読み出された信号電荷を処理する場合を想定している。この場合には、2相の水平転送信号φH1、φH2が各転送制御用電極210に印加され、水平転送信号φHP1が電極113a及び電極116aに印加され、水平転送信号φHP2が電極114a及び電極115aに印加され、リセット信号φRSがリセットゲート電極121、122に印加される。
また、図3に示す時刻t1〜t7に対応する水平電荷転送部103の各埋め込みチャネルにおける信号電荷の転送状態を図4及び図5に示した。なお、図3〜図5に示す各信号電荷を表す記号(R、G、B、R、G、B)については、図1中の各光電変換セル101に割り当てられた色の表記と対応付けてある。
図3に示すように、電極113a、116aに印加される水平転送信号φHP1、及び電極114a、115aに印加される水平転送信号φHP2のパルスの周期T1は、第1領域103a及び第2領域103bの各転送制御用電極210に印加される水平転送信号φH1、φH2の周期T2の2倍の長さになっている。そのため、水平転送信号φH1、φH2によって第1領域103a又は第2領域103b上で1画素分だけ信号電荷が移動する間(T2の期間)に、各電極113a、116a、114a、115aの電位は、高電位と低電位との間で1回だけ切り替わる。その結果、例えばある時点で第1領域103aの右端から出力される1画素分の信号電荷が第1分岐部111を介して第1分岐転送路113側に転送されると、第1領域103a上の次の1画素分の信号電荷は、次の時点(T2経過後の時点)で第1分岐部111を介して第2分岐転送路114側に転送される。つまり、第1領域103aの右端から出力される各画素の信号電荷については、第1分岐部111で分岐された後の転送先が、第1分岐転送路113側と第2分岐転送路114側との間で画素毎に交互に切り替わる。
同様に、例えばある時点で第2領域103bの左端から出力される1画素分の信号電荷が第2分岐部112を介して第4分岐転送路116側に転送されると、第2領域103b上の次の1画素分の信号電荷は、次の時点(T2経過後の時点)で第2分岐部112を介して第3分岐転送路115側に転送される。つまり、第2領域103bの左端から出力される各画素の信号電荷については、第2分岐部112で分岐された後の転送先が、第4分岐転送路116側と第3分岐転送路115側との間で画素毎に交互に切り替わる。
また、図4(a)に示すように時刻t1において、第1領域103aの電極212に対応する埋め込みチャネルにG色の信号電荷51(G)が存在し、電極214に対応する埋め込みチャネルにB色の信号電荷52(B)が存在している。更に、第2領域103bの電極222と対向する位置にB色の信号電荷61(B)が存在し、電極224と対向する位置にG色の信号電荷62(G)が存在している。
時刻t1から周期T2の半周期分の時間が経過した時刻t2になると、図3に示すように水平転送信号φH1は低電位(L)に、水平転送信号φH2は高電位(H)にそれぞれ変化する。そのため、水平転送信号φH1、φH2によって形成される電位分布の変化に従って、信号電荷は図4(b)に示す状態に変化する。
すなわち、第1領域103aにおいてはG色の信号電荷51(G)が電極212の位置から電極211の位置に矢印A3方向に向かって移動し、B色の信号電荷52(B)も電極214の位置から電極213の位置に移動する。また、第2領域103bにおいてはB色の信号電荷61(B)が電極222の位置から電極221の位置に矢印A5方向に向かって移動し、G色の信号電荷62(G)も電極224の位置から電極223の位置に移動する。
次の時刻t3においては、図3に示すように、水平転送信号φH1、φH2が電位を反転して、更に水平転送信号φHP1は低電位(L)、水平転送信号φHP2は高電位(H)にそれぞれ変化する。すると、水平転送信号φHP1、φHP2と、水平転送信号φH1、φH2によって形成される電位分布に従って、図4(c)に示すように、G色の信号電荷51(G)は第1領域103aの右端から第1分岐部111を経由して第2分岐転送路114側に移動し、同時にB色の信号電荷52(B)も電極212の位置に移動する。また、B色の信号電荷61(B)は第2領域103bの左端から第2分岐部112を経由して第3分岐転送路115側に移動し、同時にG色の信号電荷62(G)も電極222の位置に移動する。
次の時刻t4においては、図3に示すように、水平転送信号φH1、φH2は電位を反転する。すると、図4(c)の状態から図5(a)に示す状態に変化する。すなわち、第1領域103a上でB色の信号電荷52(B)は電極212の位置から電極211の位置に移動し、同時にB色の信号電荷53(G)は電極214の位置から電極213の位置に移動する。また、第2領域103b上でG色の信号電荷62(G)は電極222の位置から電極221の位置に移動し、同時にB色の信号電荷63(B)は電極224の位置から電極223の位置に移動する。
また、図3に示すように、時刻t3から時刻t4になる前に、リセット信号φRSが一時的に高電位になる。このリセット信号φRSにより、第1電荷検出部117とリセットドレイン電極123との間のリセットゲート121(RG)が開き、第1電荷検出部117にそれまで存在していた信号電荷はリセットドレイン電極123側に廃棄される。これにより、第1電荷検出部117の電位は所定の基準電位にリセットされる。同様に、第2電荷検出部118に存在していた信号電荷もリセットドレイン電極123側に廃棄されるので、第2電荷検出部118の電位は所定の基準電位にリセットされる。
次の時刻t5においては、図3に示すように、水平転送信号φH1、φH2は電位を反転し、更に水平転送信号φHP1は高電位(H)、水平転送信号φHP2は低電位(L)にそれぞれ変化する。すると、図5(b)に示すように、G色の信号電荷51(G)は第2電荷検出部118の位置に移動し、B色の信号電荷52(B)は第1領域103aの右端から第1分岐部111を経由して第1分岐転送路113側に移動し、同時にG色の信号電荷53(G)は電極212の位置に移動する。また、B色の信号電荷61(B)は第1電荷検出部117の位置に移動し、G色の信号電荷62(G)は第2領域103bの左端から第2分岐部112を経由して第4分岐転送路116側に移動し、同時にB色の信号電荷63(B)は電極222の位置に移動する。
第2電荷検出部118においては、受け取った信号電荷51(G)の電荷量に対応する電位が生成され、この電位が出力アンプ132(図2参照)の入力に印加される。従って、信号電荷51(G)の電荷量に対応する電圧が出力アンプ132から出力信号OS2として出力される。同様に、第1電荷検出部117においては、受け取った信号電荷61(B)の電荷量に対応する電位が生成され、この電位が出力アンプ131(図2参照)の入力に印加される。従って、信号電荷61(B)の電荷量に対応する電圧が出力アンプ131から出力信号OS1として出力される。
ここで、第1領域103aの下流端から出力される各画素の信号電荷については、信号電荷51(G)、信号電荷52(B)、信号電荷53(G)、・・・のように、G色とB色とが交互に並んでいるが、第1分岐部111で分岐された信号の転送先が第1分岐転送路113と第2分岐転送路114とに交互に切り替わるため、第1分岐転送路113側に転送される信号電荷はB色(B)のみになり、第2分岐転送路114側に転送される信号電荷はG色(G)のみになる。
同様に、第2領域103bの下流端から出力される各画素の信号電荷については、信号電荷61(B)、信号電荷62(G)、信号電荷63(B)、・・・のように、B色とG色とが交互に並んでいるが、第2分岐部112で分岐された信号の転送先が第4分岐転送路116と第3分岐転送路115とに交互に切り替わるため、第4分岐転送路116側に転送される信号電荷はG色(G)のみになり、第3分岐転送路115側に転送される信号電荷はB色(B)のみになる。
時刻t5の時点で第1電荷検出部117に存在する信号電荷61(B)は、次の時刻t6になる前に変化するリセット信号φRSによってドレインに廃棄されるので、時刻t6になる前に第1電荷検出部117は基準電位に初期化される。同様に、時刻t5の時点で第2電荷検出部118に存在する信号電荷51(G)もリセット信号φRSによってドレインに廃棄され基準電位に初期化される。
時刻t6においては、図3に示すように、水平転送信号φH1、φH2は電位を反転する。すると、図5(c)に示す状態になる。すなわち、第1領域103a上にあるG色の信号電荷53(G)は電極211の位置に移動し、B色の信号電荷54(B)は電極213の位置に移動する。また、第2領域103b上にあるB色の信号電荷63(B)は電極221の位置に移動し、G色の信号電荷64(G)は電極223の位置に移動する。
次の時刻t7においは、図3に示すように、水平転送信号φH1、φH2は電位を反転し、更に水平転送信号φHP1は低電位(L)、水平転送信号φHP2は高電位(H)にそれぞれ変化する。すると、図5(d)に示すように、B色の信号電荷52(B)は第1電荷検出部117の位置に移動し、G色の信号電荷53(G)は第1領域103aの右端から第1分岐部111を経由して第2分岐転送路114側に移動し、同時にB色の信号電荷54(B)は電極212の位置に移動する。また、G色の信号電荷62(G)は第2電荷検出部118の位置に移動し、B色の信号電荷63(B)は第2領域103bの左端から第2分岐部112を経由して第3分岐転送路115側に移動し、同時にG色の信号電荷64(G)は電極222の位置に移動する。
従って、第1電荷検出部117においては、受け取ったB色の信号電荷52(B)の電荷量に対応する電位が生成され、この電位が出力アンプ131(図2参照)の入力に印加される。従って、信号電荷52(B)の電荷量に対応する電圧が出力アンプ131から出力信号OS1として出力される。また、第2電荷検出部118においては、受け取ったG色の信号電荷62(G)の電荷量に対応する電位が生成され、この電位が出力アンプ132(図2参照)の入力に印加される。従って、信号電荷62(G)の電荷量に対応する電圧が出力アンプ132から出力信号OS2として出力される。
以上に説明したような動作が繰り返されるので、図3に示すように、出力アンプ131から出力される出力信号φOS1には、信号電荷61(B)、信号電荷52(B)、信号電荷63(B)、信号電荷54(B)、・・・に対応する各画素の信号が順次に現れ、出力アンプ132から出力される出力信号φOS2には、信号電荷51(G)、信号電荷62(G)、信号電荷53(G)、信号電荷64(G)、・・・に対応する各画素の信号が順次に現れる。つまり、出力信号φOS1に現れるのはB色成分のみであり、出力信号φOS2に現れるのはG色成分のみである。そのため、B色の各画素とG色の各画素とを分離して処理することができる。
図7に各光電変換セルからの出力をOS1、OS2のいずれかからの出力であるかを模式的に表した説明図を示した。
上記の信号電荷の処理によれば、図1に示す行L(n+3)から読み出した信号電荷を処理すると、出力信号OS1としてB色成分のみが画素毎に出力され、出力信号OS2としてG色成分のみが画素毎に出力される。ここで、出力アンプ131のゲインと出力アンプ132のゲインとの間に違いがあると、出力信号OS1と出力信号OS2との間に感度の違いが現れる。しかし、色成分の間の特性の違いについては、カラーバランスの補正により修正できるので、最終的に出力される画像については、2つの出力アンプ131、132の間の特性の違いによって生じる画質の劣化を防止できる。
また、図1に示すX軸方向の中央付近を境界として、左側の列C(n+1)、C(n)、・・・に属する各光電変換セル101の信号電荷は水平電荷転送部(HCCD)103の左側にある第1領域103aで転送され、右側の列C(n+2)、C(n+3)、・・・に属する各光電変換セル101の信号電荷は水平電荷転送部103の右側にある第2領域103bで転送されるが、B色の信号電荷については左右の区別なく同じ出力アンプ131から出力され、G色の信号電荷については左右の区別なく同じ出力アンプ132から出力されるので、出力画像の中央部の境界位置に明るさの段差が形成されることはない。
なお、図7に示す配列パターンにおいては、行L(n+3)にはB色を検出する光電変換セル101とG色を検出する光電変換セル101との2色分だけが配置されているが、行L(n+2)にはG色を検出する光電変換セル101とR色を検出する光電変換セル101との2色分が配置される。この行L(n+2)の場合でも同様に、色毎に異なる出力アンプから出力されることになる。
行L(n+2)の光電変換セル101群から読み出された1行分の信号電荷を取り出す場合の各信号の状態を図6に示した。
図6示す水平転送信号φHP1、φHP2は、図3に示す水平転送信号φHP1、φHP2と比較して位相が半周期分(T1/2)だけずれている。そのため、第1分岐部111で分岐される経路において各信号電荷の転送先を第1分岐転送路113と第2分岐転送路114のどちらにするかを決める順番が、図3に示す動作と図6に示す動作とで逆になる。同様に、第2分岐部112で分岐される経路において各信号電荷の転送先を第3分岐転送路115と第4分岐転送路116のどちらにするかを決める順番が、図3に示す動作と図6に示す動作とで逆になる。
このように、水平転送信号φHP1、φHP2の位相を半周期分(T1/2)だけずらすことにより、各色の信号電荷を出力信号OS1として出力アンプ131から出力するか、出力信号OS2として出力アンプ132から出力するかを切り替えることができる。
図7に示す配列パターンにおいては、例えば行L(n+3)のC(n+1)の列から左方向に、G色の信号電荷51(G)、B色の信号電荷52(B)、G色の信号電荷53(G)、B色の信号電荷54(B)、・・・が順番に並んでいるが、その上の行L(n+2)のC(n+1)の列から左方向に、R色の信号電荷71(R)、G色の信号電荷72(G)、R色の信号電荷73(R)、G色の信号電荷74(G)、・・・が順番に並んでいる。
ここで、同じG色の信号電荷のみに注目すると、隣接する行L(n+3)と行L(n+2)との間で、G色の信号電荷の画素位置が1列分だけずれている。そのため、図3に示した信号を用いて行L(n+3)から各信号電荷を読み出す場合には、上述のように、B色の信号電荷52(B)、54(B)、・・・は出力信号OS1として出力され、G色の信号電荷51(G)、53(G)、・・・は出力信号OS2として出力される。ところが、図3と同じ信号を用いて行L(n+2)から各信号電荷を読み出す場合には、G色の信号が、出力信号OS1とOS2とが混在した状態で出力されることになり、各行から読み出された信号の中からG色成分だけを抽出するために比較的複雑な処理が必要になる。そこで、図7に示したように、G色の信号電荷についてはいずれの行についても同じ出力信号OS2として出力されるように割り当てておけば、G色と他の色との分離を行う必要はなくなる。
このように、図3に示す信号と図6に示す信号との違いのように、各信号電荷を読み出す行の切り替わり毎に、水平転送信号φHP1、φHP2の位相を半周期分(T1/2)だけずらすことにより、行毎に各画素を1列分だけずらしたことと同様の結果が得られる。
すなわち、第1領域103aから第1分岐部111を経て下流側に転送される信号電荷の転送先を第1分岐転送路113側及び第2分岐転送路114側に交互に振り分け、第2領域103bから第2分岐部112を経て下流側に転送される信号電荷の転送先を第3分岐転送路115側及び第4分岐転送路116側に交互に振り分けるための第2の転送制御信号の位相を、第1電荷転送路102から第2電荷転送路103に信号電荷を移す毎に半周期分ずらすことで、色毎に決まった出力アンプを用いて出力される。
行毎にずらす水平転送信号φHP1、φHP2の位相については、RGB各色の配列パターンに応じて、各色の分離が容易になるように決定すればよい。但し、それぞれの行に3色以上の異なる色の信号電荷が存在すると、同色毎に出力経路を分離できなくなるので、各行から出力される画素の色が2色以内に制限されるようにカラーフィルタの配列パターンを決定する必要がある。
例えば第1分岐部111及び第2分岐部112の分岐先に3以上の出力経路を設けるように構成を変更すれば、光電変換部110の各行に3色以上を割り当てたような配列パターンが採用できる。
以上のように、図1に示す固体撮像素子100上の水平電荷転送部(HCCD)103の領域を中央付近で分割することにより独立した第1領域103aと第2領域103bとを形成してあるので、光電変換部110の多数の光電変換セル101を、中央付近(列C(n+1)と列C(n+2)との間)を境界として左側のグループと右側のグループとに区分し、左側のグループに属する各光電変換セル101から出力される信号電荷を第1領域103aで転送し、右側のグループに属する各光電変換セル101から出力される信号電荷を同時に第2領域103bで転送することができる。従って、同時に2画素分の信号を読み出すことができ、画像の読み出しにかかる時間を大幅に短縮できる。
また、第1領域103aの右端に第1分岐部111を介して第1分岐転送路113及び第2分岐転送路114を接続し、第2領域103bの左端に第2分岐部112を介して第3分岐転送路115及び第4分岐転送路116を接続し、更に第1分岐転送路113と第3分岐転送路115とを第1電荷検出部117に共通に接続してあり、第2分岐転送路114と第4分岐転送路116とを第2電荷検出部118に共通に接続してあるため、左側のグループに属する各光電変換セル101から出力される信号電荷と、右側のグループに属する各光電変換セル101から出力される信号電荷とのいずれについても、第1電荷検出部117から出力することもでき、第2電荷検出部118から出力することもできる。
そのため、各行から信号電荷を読み出す際に、出力信号OS1に複数の色成分が混在して現れないように制御でき、出力信号OS2にも複数の色成分が混在して現れないように制御できる。従って、出力アンプ131のゲインの影響を受ける信号電荷の中に複数の色成分が混在することがなく、出力アンプ132のゲインの影響を受ける信号電荷の中に複数の色成分が混在することもない。そこで、出力信号OS1及び出力信号OS2を処理し、R、G、B間のゲインを相対的に調整しホワイトバランスを修正すれば、出力アンプ131と出力アンプ132との間のゲインの違いが出力画像に及ぼす影響を除去できる。
また、同じ色成分については、左側のグループに属する各光電変換セル101から出力される信号電荷と、右側のグループに属する各光電変換セル101から出力される信号電荷との区別なく、共通の出力信号OS1又は出力信号OS2として出力されるので、左側のグループと右側のグループとの境界位置で明るさに段差が生じることもない。更に、水平電荷転送部(HCCD)103を駆動するための信号の周波数を上げる必要がないので、消費電力の増大も避けることができる。
以上のように、本発明の固体撮像素子及びその駆動方法並びに撮像装置は、例えばデジタルカメラのような様々な撮影装置に利用することができ、特に解像度の高い画像の撮影を可能にするために、多数の光電変換セルを搭載している場合であっても、撮像した画像の出力時間を短縮することができ、しかも出力画像の中央部等に明るさの段差ができるのを防止することができ、消費電力の増大も防止できる。
固体撮像素子を用いた撮像装置の一構成例を示すブロック図である。 撮像装置に搭載される固体撮像素子の要部を概念的に示す要部説明図である。 固体撮像素子が信号電荷を水平方向に転送して出力するための動作に用いる制御信号の具体例を示すタイムチャートである。 固体撮像素子が信号電荷を水平方向に転送する場合の具体的な動作例を示す図で(a)はt=t1,(b)はt=t2,(c)はt=t3のときの状態を示す模式図である。 固体撮像素子が信号電荷を水平方向に転送する場合の具体的な動作例を示す図で(a)はt=t4,(b)はt=t5,(c)はt=t6、(d)はt=t7のときの状態を示す模式図である。 固体撮像素子が信号電荷を水平方向に転送して出力するための動作に用いる制御信号の具体例を示すタイムチャートである。 各光電変換セルからの出力をOS1、OS2のいずれかからの出力であるかを模式的に表した説明図である。
符号の説明
10 撮影レンズ
12 絞り
13 赤外線カットフィルタ
14 光学ローパスフィルタ
15 CPU
16 フラッシュ発光部
17 受光部
18 レンズ駆動部
19 絞り駆動部
20 アナログ信号処理部
21 操作部
22 撮像素子駆動部
23 A/D変換回路
24 メモリ制御部
25 メインメモリ(フレームメモリ)
26 デジタル信号処理部
27 圧縮伸張処理部
28 積算部
29 記録媒体
30 外部メモリ制御部
31 液晶表示部
32 表示制御部
33 制御バス
34 データバス
51,52,53,54 信号電荷(左側)
61,62,63,64 信号電荷(右側)
71,72,73,74 信号電荷(左側)
100 固体撮像素子
101 光電変換セル
102 垂直電荷転送部(VCCD)
103 水平電荷転送部(HCCD)
103a 第1領域
103b 第2領域
110 光電変換部
111 第1分岐部
112 第2分岐部
113 第1分岐転送路
113a,114a,115a,116a 電極
114 第2分岐転送路
115 第3分岐転送路
116 第4分岐転送路
117 第1電荷検出部
118 第2電荷検出部
200 撮像装置
121,122 リセットゲート電極
123 リセットドレイン電極
131,132 出力アンプ
201 転送制御用電極
210 転送制御用電極

Claims (7)

  1. 入射光に応じた信号電荷をそれぞれが発生する複数の光電変換セルが2次元状に配列された光電変換部と、前記光電変換部の各光電変換セルで発生した信号電荷を第1の方向へ転送する複数列の第1電荷転送路と、前記複数列の第1電荷転送路から転送された電荷を受け取り前記第1の方向とは直交する第2の方向に沿って転送する第2電荷転送路とが半導体基板に形成された固体撮像素子であって、
    前記第2電荷転送路を、前記第2の方向に2つに分割することにより形成された第1領域及び第2領域と、
    前記第1領域における信号電荷の転送方向下流側に配置され、前記第1領域の転送路を少なくとも第1分岐転送路と第2分岐転送路とに分岐する第1分岐部と、
    前記第2領域における信号電荷の転送方向下流側に配置され、前記第2領域の転送路を少なくとも第3分岐転送路と第4分岐転送路とに分岐する第2分岐部と、
    前記第1分岐部で分岐された第1分岐転送路と、前記第2分岐部で分岐された第3分岐転送路とを接続する位置に形成され、第1の出力アンプに接続される第1電荷検出部と、
    前記第1分岐部で分岐された第2分岐転送路と、前記第2分岐部で分岐された第4分岐転送路とを接続する位置に形成され、第2の出力アンプに接続される第2電荷検出部と、
    を備えた固体撮像素子。
  2. 請求項1記載の固体撮像素子であって、
    前記第2電荷転送路の前記第1領域及び第2領域は、前記第2電荷転送路の略中央を境界として分割することで形成されている固体撮像素子。
  3. 請求項1または請求項2記載の固体撮像素子であって、
    前記第1領域から前記第1分岐部を経て下流側に転送する信号電荷の転送先を、前記第1分岐転送路側に振り分ける第1振り分け電極と、
    前記第1領域から前記第1分岐部を経て下流側に転送する信号電荷の転送先を、前記第2分岐転送路側に振り分ける第2振り分け電極と、
    前記第2領域から前記第2分岐部を経て下流側に転送する信号電荷の転送先を、前記第3分岐転送路側に振り分ける第3振り分け電極と、
    前記第2領域から前記第2分岐部を経て下流側に転送する信号電荷の転送先を、前記第4分岐転送路側に振り分ける第4振り分け電極と
    を備え、
    前記第1振り分け電極と第4振り分け電極とを共通に接続するとともに、前記第2振り分け電極と第3振り分け電極とを共通に接続した固体撮像素子。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
    前記第1電荷検出部が保持する信号電荷を所定のドレインに廃棄するための第1リセットゲート電極と、
    前記第2電荷検出部が保持する信号電荷を所定のドレインに廃棄するための第2リセットゲート電極と
    を備えた固体撮像素子。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の固体撮像素子を制御するための固体撮像素子の駆動方法であって、
    前記第1,第2,第3,第4分岐転送路で信号電荷を転送するための第2の転送制御信号を、前記第2電荷転送路で信号電荷を転送するための転送制御信号に対して周期を2倍とする固体撮像素子の駆動方法。
  6. 請求項5記載の固体撮像素子の駆動方法であって、
    前記第1領域から前記第1分岐部を経て下流側に転送される信号電荷の転送先を前記第1分岐転送路側及び前記第2分岐転送路側に交互に振り分け、前記第2領域から前記第2分岐部を経て下流側に転送される信号電荷の転送先を前記第3分岐転送路側及び前記第4分岐転送路側に交互に振り分けるための第2の転送制御信号の位相を、前記第1電荷転送路から前記第2電荷転送路に信号電荷を移す毎に半周期分ずらす固体撮像素子の駆動方法。
  7. 請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の固体撮像素子と、
    前記固体撮像素子に光学像を結像させる光学系と、
    前記第1電荷転送路および前記第2電荷転送路に信号電荷を転送する制御信号を発生する制御部と、
    前記固体撮像素子から出力される信号から画像データを生成する信号処理手段と、
    を備えた撮像装置。
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