JP2009008510A - 溶存二酸化炭素濃度の計測方法、炭酸ガス濃度計測方法及び溶存二酸化炭素濃度の計測装置 - Google Patents

溶存二酸化炭素濃度の計測方法、炭酸ガス濃度計測方法及び溶存二酸化炭素濃度の計測装置 Download PDF

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洋 佐野
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正彦 浅野
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Abstract

【課題】高濃度の炭酸水の溶存二酸化炭素濃度を計測する。
【解決手段】濃度既知の二酸化炭素溶存溶液を複数の希釈率で希釈し、溶存二酸化炭素濃度と散乱光強度との一次近似式を求める。濃度未知の二酸化炭素溶存溶液の散乱光強度を測定し、散乱光強度を一次近似式に当てはめて濃度を算出する。
【選択図】なし

Description

本発明は、溶存二酸化炭素濃度の計測方法、炭酸ガス濃度計測方法及び溶存二酸化炭素濃度の計測装置に関する。
炭酸泉は優れた保温作用があることから、古くから温泉を利用する浴場等で用いられている。炭酸泉の保温作用は、基本的には、含有炭酸ガスの末梢血管拡張作用により身体環境が改善されるためと考えられる。また炭酸ガスの経皮進入によって毛管血管床の増加及び拡張が起こり、皮膚の血行を改善する。このため退行性病変及び末梢循環障害の治療に効果があるとされている。
このように炭酸泉が優れた効果を持つことから、これを人工的に得る炭酸水の製造方法の一例が、特許文献1に記載されている。
また、炭酸水中の溶存二酸化炭素濃度の計測方法としては、炭酸水から放出された二酸化炭素の圧力を測定することにより濃度を計測する方法(特許文献1参照)や、炭酸水から放出された気相の二酸化炭素中の二酸化炭素濃度を炭酸ガスセンサ素子を用いて計測する方法(特許文献2参照)等がある。また、炭酸水中の水素イオン濃度が炭酸水素イオンの濃度に比例するため、pHを計測することで炭酸水素イオンの濃度を算出する方法もある。
特開2004−337846号公報 特許第3236254号明細書
しかし、特許文献1又は2に記載の二酸化炭素濃度の計測方法では、高濃度の炭酸水の溶存二酸化炭素濃度を計測することができなかった。また、pHを計測する方法では、炭酸水中に気泡として存在する二酸化炭素の濃度を計測することはできなかった。
本発明の課題は、高濃度の炭酸水の溶存二酸化炭素濃度を計測することができる溶存二酸化炭素濃度の計測方法、炭酸ガス濃度計測方法及び溶存二酸化炭素濃度の計測装置を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、濃度既知の二酸化炭素溶存溶液を複数の希釈率で希釈し、これらの溶液にレーザー光を照射し、散乱角が90度の方向に散乱された散乱光強度(以下では、90度の散乱光強度と略す)を計測することにより希釈後の溶存二酸化炭素濃度と散乱光強度との近似式を求める近似式検出過程と、濃度未知の二酸化炭素溶存溶液にレーザー光を照射し、90度の散乱光強度を測定し、前記散乱光強度を前記近似式に当てはめることにより、二酸化炭素濃度を算出することを特徴とする溶存二酸化炭素濃度の計測方法である。
請求項2に記載の発明は、複数の計測セルが載置された分析台と、濃度既知の二酸化炭素溶存溶液、二酸化炭素が溶存していない希釈液、測定対象となる濃度未知の二酸化炭素溶存溶液の3種類の液体を貯留するタンク、及び各タンクに貯留された液体を前記計測セル内に注入するノズルからなる注液装置と、前記計測セル内の液体にレーザー光を照射し、90度の散乱光強度を計測する散乱光強度計測器と、これらを制御する演算装置と、を備え、前記演算装置は、前記分析台及び前記注液装置を制御して濃度既知の二酸化炭素溶存溶液を複数の希釈率で二酸化炭素が溶存していない希釈液に希釈混合した溶液を複数の計測セル内に作成し、希釈後の溶存二酸化炭素濃度を算出するとともに、各計測セル内の溶液の散乱光強度を前記散乱光強度計測器により計測し、二酸化炭素濃度と散乱光強度との近似式を算出し、前記分析台及び前記注液装置を制御して濃度未知の二酸化炭素溶存溶液を計測セル内に注入し、その散乱光強度を前記散乱光強度計測器により測定し、前記散乱光強度を前記近似式に当てはめることにより、二酸化炭素濃度を算出することを特徴とする溶存二酸化炭素濃度の計測装置である。
本発明によれば、濃度既知の二酸化炭素溶存溶液を複数の希釈率で希釈し、その散乱光強度を計測することで溶存二酸化炭素濃度と散乱光強度との近似式を求めるとともに、濃度未知の二酸化炭素溶存原液の散乱光強度を測定し、その散乱光強度を近似式に当てはめることにより、濃度未知の二酸化炭素溶存原液の溶存二酸化炭素濃度を算出することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の溶存二酸化炭素濃度の計測方法は、炭酸水中に微小気泡として分散する炭酸ガスにより散乱する散乱光強度を計測することにより二酸化炭素濃度を算出する、というものである。
ここで散乱光強度は、溶液にレーザー光を照射したときに、照射方向に対して90度の方向への散乱光強度を計測するものである。なお、散乱光強度の計測は、市販の分光光度計等を用いて測定することができる。
以下、溶存二酸化炭素濃度を算出する工程について説明する。
<A>検量線の作成
まず、溶存二酸化炭素濃度が異なる複数の溶液に対して、散乱光強度を計測する。次いで、溶存二酸化炭素濃度をx軸、散乱光強度をy軸にとり、溶存二酸化炭素濃度と散乱光強度との関係を示す検量線を作成する。なお、検量線を作成するに当たり、相関係数を評価するため、少なくとも3点以上の溶存二酸化炭素濃度について散乱光強度を計測することが好ましい。
検量線は、例えば(1)式で表される。
y=ax+b…(1)
この式(1)を用いれば、濃度未知の炭酸水について散乱光強度を計測し、散乱光強度y1からy切片値bを減じた値y1−bを係数aで除することにより、濃度未知の炭酸水の溶存二酸化炭素濃度x1を算出することができる。
次に、濃度未知の炭酸水の溶存二酸化炭素濃度を計測する計測装置1の例について説明する。
図1は溶存二酸化炭素の計測装置1を示す模式図である。計測装置1は、複数の計測セル2と、注液装置3と、散乱光強度計測器6と、分析台7と、これらを制御する演算装置8とからなる。
複数の計測セル2は分析台7上に配列されており、注液装置3により内部に濃度既知の炭酸水、二酸化炭素が溶存していない冷蒸留水(希釈用)、溶存二酸化炭素濃度が未知の原液(計測対象)が注入、混合される。計測セル2はガラス等の光透過性の素材からなり、散乱光強度計測器6による散乱光強度計測が可能になっている。
注液装置3は、濃度既知の炭酸水、二酸化炭素が溶存していない冷蒸留水、溶存二酸化炭素濃度が未知の原液の各溶液を貯留するタンク4と、各溶液に対応するノズル5とからなる。ノズル5が演算装置8により開閉されることで、タンク4内の液体を所定量、計測セル2に注入する。
分析台7は演算装置8により駆動され、複数の計測セル2を注液装置3のノズル5の下部に案内し、その後、注液装置3により溶液が注入された計測セル2を散乱光強度計測器6に通過させる。
散乱光強度計測器6は計測セル2の通過経路に設けられ、計測セル2に注入された溶液にレーザー光を照射し、90度の散乱光強度を計測し、演算装置8に散乱光強度データを出力する。
演算装置8は、図示しないCPU、RAM、ROM等を備え、注液装置3、分析台7、散乱光強度計測器6を制御する機能を有する。また、演算装置8は、計測した散乱光強度から検量線と一次近似式を求め、未知の原液の溶存二酸化炭素濃度を算出する機能を有する。
なお、上記装置では注液装置3及び散乱光強度計測器6を固定し、分析台7上の計測セル2を移動させることとしたが、計測セル2を固定し、注液装置3及び散乱光強度計測器6を移動させてもよい。
次に、計測装置1を用いて濃度未知の溶液の溶存二酸化炭素濃度を算出する方法について説明する。
まず、分析台7上に配列された計測セル2を、順に注液装置3の下に配置する。次に、注液装置3により、3つ以上の所定数の計測セル2(検量線作成用セル)に濃度既知の炭酸水、二酸化炭素が溶存していない冷蒸留水を所定量注入し、混合することで、所定の溶存二酸化炭素濃度の炭酸水を作成する。
一方、別の計測セル2(第2群セル)には、溶存二酸化炭素濃度が未知の原液を所定量注入する。
次に、散乱光強度計測器6により計測セル2内の溶液の散乱光強度を計測する。散乱光強度計測器6により計測された散乱光強度は、検量線作成用セルの溶存二酸化炭素濃度、第2群セルの希釈率とともに、演算装置8内のRAMに記憶される。
次に、演算装置8内のCPUにより、RAMに記憶された検量線作成用セルの溶存二酸化炭素濃度と散乱光強度から検量線の式(1)が求められる。
その後、CPUは、第2群セルの散乱光強度y1から一次近似線を示す式(1)のy切片値b1を減じた補正散乱光強度y1−b1を係数a0で除することにより、原液の溶存二酸化炭素濃度を算出する。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
<A>検量線の作成
濃度既知の炭酸ナトリウム水溶液を用いて、濁度と二酸化炭素濃度との関係を示す検量線を作成した。
(A1)炭酸ナトリウム水溶液の作成
日本薬局方品の乾燥炭酸ナトリウム1.036gに、二酸化炭素が溶存していない脱気蒸留水を加えて1Lとし、1036ppmの炭酸ナトリウム水溶液を得た。Na2CO3の分子量は106、CO2の分子量は44であるので、1036ppmの炭酸ナトリウム水溶液のCO2濃度は、1036×44/106=430.0ppmとなる。
(A2)水酸化カルシウム水溶液の作成
日本薬局方品の水酸化カルシウム3gに、二酸化炭素が溶存していない脱気冷蒸留水を加えて1Lとし、空気中の二酸化炭素が溶解しないように密閉容器内で1時間時々振り混ぜた後に静置して水酸化カルシウムを得た。Ca(OH)2の分子量は76であるので、水酸化カルシウム水溶液の濃度は0.04mol/Lとなる。
(A3)吸光度測定
(A1)の炭酸ナトリウム水溶液0.1ml,0.2ml,0.3ml,0.4ml,0.5ml,0.6ml,0.7mlを、それぞれ(A2)の水酸化カルシウム水溶液4.0mlに加え、白濁した水溶液の吸光度(450nm)を計測した。
(A4)CO2濃度の算出
各溶液のCO2濃度は、それぞれ430×0.1/(0.1+4.0)=10.49ppm、430×0.2/(0.2+4.0)=20.48ppm、430×0.3/(0.3+4.0)=30.00ppm、430×0.4/(0.4+4.0)=39.09ppm、430×0.5/(0.5+4.0)=47.78ppm、430×0.6/(0.6+4.0)=56.09ppm、430×0.7/(0.7+4.0)=64.04ppm、と算出した。
(A5)補正濁度の算出
CO2濃度をx軸に、濁度をy軸にプロットし、検量線を作成した(図2)。得られた検量線の式は
y=0.018316x+0.00049…(2)
であり、相関係数は0.988であった。
(2)式のy切片値(0.00049)を濁度から減じて補正濁度を算出した。
そして、CO2濃度をx軸に、補正濁度をy軸にプロットしたときの一次近似式は
y=0.018316x…(3)
となる。
各水溶液に対して計測された吸光度と、算出されたCO2濃度、濁度及び補正濁度を表1に示す。
Figure 2009008510
(2)、(3)式より、CO2濃度と、濁度または補正濁度との相関が高いことがわかる。したがって、CO2濃度が未知の水溶液に水酸化カルシウム溶液を混合して吸光度を計測し、濁度を算出することで、濁度からCO2濃度を概算することができると考えられる。
<B>指標となる炭酸水のCO2濃度算出
(B1)炭酸水の作成
炭酸泉製造装置(CCCarbo,三菱レーヨン社製)を用いて指標となる炭酸水を作成した。なお、この炭酸水の濃度は未知なので、検量線により濃度を算出する。
(B2)第1段階希釈溶液の作成
(B1)の炭酸水0.3ml,0.5ml,0.8ml,1.5ml,2.0ml,3.0ml,4.0ml,5.0ml,6.0mlを、それぞれ二酸化炭素が溶存していない蒸留水5.0mlに希釈した。希釈率はそれぞれ、0.3/(0.3+5.0)=0.0566,0.5/(0.5+5.0)=0.0909,0.8/(0.8+5.0)=0.1379,1.5/(1.5+5.0)=0.2308,2.0/(2.0+5.0)=0.2857,3.0/(3.0+5.0)=0.3750,4.0/(4.0+5.0)=0.4444,5.0/(5.0+5.0)=0.5000,6.0/(6.0+5.0)=0.5455、となる。
(B3)吸光度測定
(B2)の第1段階希釈溶液0.05mlを、それぞれ(A2)の水酸化カルシウム水溶液3.0mlに加え、白濁した水溶液の吸光度(450nm)を計測した。ここで、第1段階希釈溶液は、さらに3.05/0.05=61倍に希釈されることとなる。
(B4)補正濁度の算出
第1段階の希釈率をx軸に、吸光度をy軸にプロットし、一次近似直線を作成した(図3)。得られた一次近似直線の式は
y=0.2404x+0.0904…(4)
であり、相関係数は0.9126であった。
第1段階希釈溶液の補正濁度は、以下の式により算出した。
補正濁度=2.303×61×(吸光度−0.0904)…(5)
(B5)第1段階希釈溶液のCO2濃度の算出
(B4)で算出した補正吸光度を、(2)式または(3)式のxの係数0.018312で除することにより、第1段階希釈溶液のCO2濃度を算出した。
(B6)第1段階希釈溶液の散乱光強度測定
散乱光強度は、第1段階希釈溶液中に微小気泡として存在する炭酸ガスの濃度に比例すると考えられる。
各第1段階希釈溶液の散乱光強度測定にレーザー光を照射し、90度の散乱光強度(R90値)を計測した。また、コントロールとして、純水のR90値も計測したところ、7223であった。
各第1段階希釈溶液の散乱光強度(R90値)から、純水のR90値(7223)を減じた値(ΔR90値)を算出した。
各第1段階希釈溶液に対して、計測された吸光度と、算出された希釈率、補正濁度、CO2濃度、R90値及びΔR90値を表2に示す。
Figure 2009008510
また、CO2濃度をx軸に、ΔR90値をy軸にプロットし、一次近似直線を作成した(図4)。得られた一次近似直線の式は
y=35.093x+12779…(6)
であり、相関係数は0.8789であった。
したがって、濃度未知の炭酸水の散乱光強度(R90値)を計測し、ΔR90値を算出し、これを(6)式に当てはめれば、測定対象の炭酸水の濃度を算出することができる。
なお、指標となる炭酸ガス溶解液の炭酸ガス濃度算出を以下の<C>に示す方法で行ってもよい。そして、この結果を用いて、以下の<D>に示すように、他の炭酸ガス溶解液の炭酸ガス濃度を計測することができる。ここで、炭酸ガス溶解液とは、溶液中に炭酸ガスが微小気泡として分散する水溶液であり、炭酸ガス濃度とは、炭酸ガス溶解液中に微小気泡として分散する炭酸ガスの総量を、炭酸ガス溶解液の体積で除したものである。
<C>指標となる炭酸水の炭酸ガス濃度算出
(C1)検量線の作成
濃度既知の炭酸ナトリウム水溶液を用いて、検量線を作成する。例えば実施例1と同様に、適当に希釈した炭酸ナトリウム水溶液を、濃度既知の水酸化カルシウム水溶液(例えば、飽和水酸化カルシウム水溶液の上清)と所定量ずつ反応させ、吸光度を測定し、濁度を計測する。次いで、二酸化炭素濃度を横軸に、濁度を縦軸にプロットすると、二酸化炭素濃度と濁度との間に比例関係が見出され、検量線を作成することができる。
(C2)炭酸ガスの総量計測
次に、測定対象溶液となる炭酸ガス溶解液について、微小気泡として分散する炭酸ガスの総量を求める。
まず、計測装置10について説明する。図5に示すように、計測装置10は、炭酸ガスの微小気泡が分散する炭酸水を測定対象溶液として入れた容器20と、飽和水酸化カルシウム水溶液を入れた複数の容器(1番目の炭酸ガス吸収容器21、2番目の炭酸ガス吸収容器22、…、n番目の炭酸ガス吸収容器(20+n))とが配列されてなる。ここで、nは3以上の任意の整数である。
なお、測定対象溶液は、(C1)の測定対象溶液と同濃度である。
各容器には、蓋30,31,32,…(30+n)がされており、蓋には2本の管40,41,42,…(40+n),50,51,52,…(50+n)が貫通している。一方は流入管40,41,42,…(40+n)であり、蓋30,31,32,…(30+n)の上部から測定対象溶液の液面下まで達している。他方は流出管50,51,52,…(50+n)であり、蓋30,31,32,…(30+n)の上部から測定対象溶液の液面よりも上方まで達している。
流入管40には、図示しない二酸化炭素吸収フィルターが設けられており、後述するように二酸化炭素を除去した外部の空気が流入する。流出管50の上端と、流入管41の上端とは、第1接続管61で接続されている。同様に、流出管51の上端と流入管42の上端とが第2接続管62で接続され、…流出管(50+n−1)の上端と流入管(40+n)の上端とが第n接続管(60+n)で接続されている。流出管(50+n)の上端は、真空ポンプに接続されている。
次に、測定対象溶液中の二酸化炭素の総量を求める方法について説明する。
真空ポンプを駆動して炭酸ガス吸収容器内(20+n)の空気を吸引すると、炭酸ガス吸収容器(20+n)内が減圧され、流入管(40+n)、第n接続管(60+n)、及び流出管(50+n−1)を介して炭酸ガス吸収容器(20+n−1)内の気体が炭酸ガス吸収容器(20+n)内に流入する。以下同様にして、炭酸ガス吸収容器21内の気体が炭酸ガス吸収容器22内に流入し、測定対象溶液を入れた容器20内の気体が炭酸ガス吸収容器21内に流入する。測定対象溶液を入れた容器20には、流入管40を介して二酸化炭素を除去した外部の空気が流入する。
外部の空気は、流入管40の下端から測定対象溶液内に気泡として流入し、水面に浮上するが、このとき測定対象溶液内の微小気泡と合体する。微小気泡が合体した気泡は水面で破裂し、微小気泡内にあった炭酸ガスも水面上に放出される。なお、測定対象溶液中の炭酸(H2CO3)、炭酸水素イオン(HCO3 )、炭酸イオン(CO3 2−)は放出されない。
測定対象溶液の水面上に放出された炭酸ガスは、流出管50、第1接続管61、流入管41を介して炭酸ガス吸収容器21内に流入し、流入管41の下端から飽和水酸化カルシウム水溶液内に気泡として流入する。このとき、炭酸ガスの一部は飽和水酸化カルシウム水溶液に吸収され、生成した炭酸カルシウムにより飽和水酸化カルシウム水溶液が白濁する。
炭酸ガス吸収容器21内の飽和水酸化カルシウム水溶液に吸収されなかった炭酸ガスは、飽和水酸化カルシウム水溶液の水面に浮上し、流出管51、第2接続管62、流入管42を介して2番目の炭酸ガス吸収容器内に流入する。以下、同様にして炭酸ガスが各炭酸ガス吸収容器内の飽和水酸化カルシウム水溶液に吸収され、生成した炭酸カルシウムにより飽和水酸化カルシウム水溶液が白濁する。
なお、炭酸ガスが炭酸ガス吸収容器(20+n−1)内の飽和水酸化カルシウム水溶液までに全て吸収され、最後の炭酸ガス吸収容器(20+n)内の飽和水酸化カルシウム水溶液が白濁しないように、nを充分に大きくする。
次に、白濁した炭酸ガス吸収容器21,22,…(20+n−1)内の各飽和水酸化カルシウム水溶液の濁度を計測し、補正濁度を算出し、(C1)で求めた検量線から各飽和水酸化カルシウム水溶液の二酸化炭素濃度を算出する。次いで、求めた濃度から、各飽和水酸化カルシウム中の二酸化炭素量を求め、加算する。以上により、測定対象溶液中に微小気泡として分散していた炭酸ガス(CO2)の総量を求めることができる。これを測定対象溶液の体積で除することにより、測定対象溶液中に微小気泡として分散する炭酸ガス濃度を算出することができる。
<D>散乱光強度による炭酸ガス濃度の算出
上記結果を用いて、他の炭酸ガス溶解液の炭酸ガス濃度を計測することができる。
まず、上記測定対象溶液の一部をあらかじめ適当な倍率、例えばn倍(nは2以上の自然数)に希釈し、原液及び希釈液にレーザー光を照射し、微小気泡により散乱される90度の散乱光強度を計測しておく。そして、希釈率を横軸に、散乱光強度(R90)を縦軸にプロットすると、希釈率と散乱光強度との間に比例関係が見出される。ここで、散乱光強度は炭酸ガス(CO2)の微小気泡が反映されるが、水溶液中の炭酸(H2CO3)、炭酸水素イオン(HCO3 )、炭酸イオン(CO3 2−)は反映されない。
ここで、(C2)で求めた炭酸ガスの総量から、炭酸ガス濃度が算出されるので、希釈率を炭酸ガス濃度に置き換えることで、炭酸ガス濃度と散乱光強度との関係式を求めることができる。この関係式を用いれば、他の炭酸ガス濃度未知の炭酸水についても、散乱光強度を測定し、散乱光強度を関係式に当てはめることで、炭酸ガス濃度を算出することができる。
本発明に係る溶存二酸化炭素濃度の計測装置1を示す模式図である。 CO2濃度をx軸に、吸光度をy軸にプロットしたグラフである。 第1段階の希釈率をx軸に、吸光度をy軸にプロットしたグラフである。 CO2濃度をx軸に、補正散乱光強度をy軸にプロットしたグラフである。 炭酸ガス濃度の計測装置を示す模式図である。
符号の説明
1 計測装置
2 計測セル
3 注液装置
4 タンク
5 ノズル
6 散乱光強度計測器
7 分析台
8 演算装置

Claims (3)

  1. 濃度既知の二酸化炭素溶存溶液を複数の希釈率で希釈し、これらの溶液にレーザー光を照射し、散乱角が90度の方向に散乱された散乱光強度(以下では、90度の散乱光強度と略す)を計測することにより希釈後の溶存二酸化炭素濃度と散乱光強度との近似式を求める近似式検出過程と、
    濃度未知の二酸化炭素溶存溶液にレーザー光を照射し、90度の散乱光強度を測定し、
    前記散乱光強度を前記近似式に当てはめることにより、二酸化炭素濃度を算出することを特徴とする溶存二酸化炭素濃度の計測方法。
  2. 複数の計測セルが載置された分析台と、
    濃度既知の二酸化炭素溶存溶液、二酸化炭素が溶存していない希釈液、測定対象となる濃度未知の二酸化炭素溶存溶液の3種類の液体を貯留するタンク、及び各タンクに貯留された液体を前記計測セル内に注入するノズルからなる注液装置と、
    前記計測セル内の液体にレーザー光を照射し、90度の散乱光強度を計測する散乱光強度計測器と、
    これらを制御する演算装置と、を備え
    前記演算装置は、前記分析台及び前記注液装置を制御して濃度既知の二酸化炭素溶存溶液を複数の希釈率で二酸化炭素が溶存していない希釈液に希釈混合した溶液を複数の計測セル内に作成し、希釈後の溶存二酸化炭素濃度を算出するとともに、各計測セル内の溶液の散乱光強度を前記散乱光強度計測器により計測し、二酸化炭素濃度と散乱光強度との近似式を算出し、
    前記分析台及び前記注液装置を制御して濃度未知の二酸化炭素溶存溶液を計測セル内に注入し、その散乱光強度を前記散乱光強度計測器により測定し、前記散乱光強度を前記近似式に当てはめることにより、二酸化炭素濃度を算出することを特徴とする溶存二酸化炭素濃度の計測装置。
  3. 炭酸ガス溶解液中に微小気泡として分散した炭酸ガスの濃度を計測する炭酸ガス濃度計測方法であって、
    濃度既知の二酸化炭素溶存溶液を複数の希釈率で濃度既知の水酸化カルシウム水溶液に希釈混合し、
    生成した炭酸カルシウムにより白濁した溶液の濁度を計測することにより希釈後の溶存二酸化炭素濃度と濁度との検量線を求める検量線検出過程と、
    指標とする炭酸ガス溶解液の一部を脱気し、炭酸ガス溶解液から放出させた炭酸ガスを前記検量線検出過程で用いたのと同じ濃度の水酸化カルシウム水溶液に吸収させ、
    生成した炭酸カルシウムにより白濁した溶液の濁度を計測し、この濁度を前記検量線に当てはめて溶存二酸化炭素濃度を求め、指標とする炭酸ガス溶解液中に微小気泡として分散した炭酸ガス量を求める炭酸ガス含有量計測過程と、
    前記炭酸ガス溶解液の一部を別々の希釈率で希釈した複数の第1段階希釈溶液を作成し、
    前記第1段階希釈溶液の散乱光強度を計測し、
    炭酸ガス濃度と散乱光強度との関係式を求める関係式検出過程と、
    炭酸ガス濃度未知の炭酸ガス溶解液の散乱光強度を計測し、この散乱光強度を前記関係式に当てはめて炭酸ガス濃度を算出する炭酸ガス濃度算出過程と、
    からなることを特徴とする炭酸ガス濃度計測方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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