JP2009004521A - 露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アライメント誤差を低減させた露光装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る露光装置1は、投影光学系5を保持するメインベース部材20と、グローバルアライメント顕微鏡6を保持してメインベース部材20に取り付けられる補正ベース部材30とを有し、メインベース部材20の線膨張係数が補正ベース部材30の線膨張係数よりも低く、メインベース部材20および補正ベース部材30が互いに逆方向に熱膨張するように、補正ベース部材30がメインベース部材20に取り付けられ、温度変化に拘わらずベースライン長Lが一定となるように構成される。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る露光装置1は、投影光学系5を保持するメインベース部材20と、グローバルアライメント顕微鏡6を保持してメインベース部材20に取り付けられる補正ベース部材30とを有し、メインベース部材20の線膨張係数が補正ベース部材30の線膨張係数よりも低く、メインベース部材20および補正ベース部材30が互いに逆方向に熱膨張するように、補正ベース部材30がメインベース部材20に取り付けられ、温度変化に拘わらずベースライン長Lが一定となるように構成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、露光装置に関する。
露光装置(ステッパー)のアライメント方式で、オフアクシスアライメント(例えば、特許文献1〜3を参照)を採用した場合、外部要因または内部要因により温度変化が生ずると、要素部品の熱膨張および熱収縮により、アライメント検出器と投影光学系との間のベースライン長が変動し、アライメント誤差が生ずる。上記の影響を極力小さくするため、要素部品にインバー材等の低膨張金属を使って装置を構成するのが一般的である。
しかしながら、低膨張とは言っても温度変化による膨張収縮は生ずる。そこで、通常のステッパーでは専用のエンバイロメンタルチャンバを備えており、温度環境を±0.1℃程度に保つことが可能である。このような場合、要素部品をインバー材等で製作すればベースライン変動を許容範囲に収めることができる。
ところで、露光装置には、ハードディスクドライブの磁気ヘッドに、いわゆるABS(Air Bearing Surface:空気軸受け面)加工を行う露光装置(ステッパー)がある。このようなABS露光用途のステッパーは、小型簡易型ステッパーとして知られているが、上述のような専用のチャンバを備えておらず、動作環境としては通常のステッパーより厳しい。
国際公開第99/34416号パンフレット
特開2005−317617号公報
特開2005−116580号公報
特に、温度変化は±1℃以上で、通常のステッパーより厳しい温度環境に晒される。そのため、温度変化により生ずるアライメント誤差を低減させる必要があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、アライメント誤差を低減させた露光装置を提供することを目的とする。
このような目的達成のため、本発明に係る露光装置は、レチクルのパターンを被露光体に投影する投影光学系と、前記被露光体に設けられたアライメントマークを検出する位置検出光学系とを備え、前記位置検出光学系の光軸と前記投影光学系の光軸との間の距離であるベースライン長に基づいて、前記レチクルのパターンを前記被露光体に投影露光するように構成された露光装置において、前記投影光学系および前記位置検出光学系のうちいずれか一方を保持するメインベース部材と、前記投影光学系および前記位置検出光学系のうち他方を保持して前記メインベース部材に取り付けられる補正ベース部材とを有し、温度変化に拘わらず前記ベースライン長がほぼ一定となるように前記補正ベース部材と前記メインベース部材を契合して構成される。
なお、上述の発明において、前記メインベース部材が板状に形成され、前記補正ベース部材が板状に形成されて前記メインベース部材に重なるように取り付けられており、前記補正ベース部材は、前記投影光学系の光軸および前記位置検出光学系の光軸と直交する延長線上に、温度変化に拘わらず前記メインベース部材に対して固定される固定部を有し、前記メインベース部材の線膨張係数をδ1とし、前記補正ベース部材の線膨張係数をδ2とし、前記位置検出光学系の光軸と前記投影光学系の光軸との間の前記ベースライン長をLとし、前記補正ベース部材が保持する前記投影光学系もしくは前記位置検出光学系の光軸から前記固定部までの距離をMとしたとき、次式
|δ1×(L+M)−δ2×M|<0.002 (単位:mm/℃)
の条件を満足することが好ましい。
|δ1×(L+M)−δ2×M|<0.002 (単位:mm/℃)
の条件を満足することが好ましい。
さらに、上述の発明において、前記メインベース部材の材料がインバー材であるとともに、前記補正ベース部材の材料がステンレス材であることが好ましい。
また、上述の発明において、前記メインベース部材が前記投影光学系を保持するとともに、前記補正ベース部材が前記位置検出光学系を保持するように構成されることが好ましい。
本発明によれば、アライメント誤差を低減させることができる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る露光装置の一例であるオフアクシスアライメントの露光装置を図1に示している。この露光装置1は、ハードディスクドライブの磁気ヘッド15(図5を参照)に、ABS加工を行う工程で用いられるものであり、被露光体が固定保持された固定治具18を支持するXYZステージ2と、被露光体に転写される所定のマスクパターン3aが形成されたレチクル3と、レチクル3を照明するための照明光を発光する照明装置4と、照明装置4から発光されてレチクル3を透過した光によりレチクル3に形成されたレチクルパターンを被露光体に投影する投影光学系5と、被露光体に設けられたアライメントマークを検出するグローバルアライメント顕微鏡6とを主体に構成される。
磁気ヘッド15は、ハードディスクドライブの磁気ディスク(図示せず)に対して磁気情報の書き込み・読み出しを行うためのものであり、図5に示すような直方体形に形成されて、図示しないスイングアームの先端部に取り付けられる。磁気ディスクの回転接線方向に対応する側の磁気ヘッド15の側面には、磁気ディスクに対して磁気情報の書き込み・読み出しを行うための回路パターンである読み書き部16が形成される。磁気ディスクと対向する磁気ヘッド15の底面には、磁気ディスクの高速回転により生じる空気の流れを利用して磁気ディスクと磁気ヘッド15との間隔を一定に保つためのABS面17が形成される。
このような磁気ヘッド15は、図6に示すようなウェハ19から作られる。このウェハ19の表面には、露光等により読み書き部16等の電子回路が複数並んで形成され、電子回路が形成されたウェハ19を0.2mm前後の短冊状(直方体状)に切断して、切断面を研磨仕上げすることで、複数のローバー10が作られる。ウェハ19の切断面であるローバー10の側面には、複数のABS面17が形成され、図7に示すように、複数の磁気ヘッド15が一列に繋がったローバー10が作られる。このように磁気ヘッド15が繋がったローバー10を切断することで、一枚のウェハ19から多数の磁気ヘッド15を作ることができる。
図7に示すように、ローバー10は、複数の読み書き部16が形成される読み書き部形成面11および、複数のABS面17が形成されるABS形成面12を有することになるが、このABS形成面12に複数のABS面17を形成する工程で、本実施形態の露光装置1が用いられることになる。すなわち、ローバー10が本実施形態における被露光体であり、ABS形成面12が被露光面となる。
また、ローバー10は、図8に示すように、複数のローバー10,10,…が固定治具18(一般にジグと称される)によって同一平面上に保持された状態で露光される。なお一般に、生産性向上のため、固定治具18には50本程度のローバー10が固定保持される。固定治具18は、金属材料もしくはセラミックス材料を用いて平板状に形成され、接着剤等を用いて、複数のローバー10,10,…が互いに隣接するように並んで固定治具18の上面に固定保持される。なおこのとき、各ローバー10のABS形成面がそれぞれ上面を向くようになっている。
ところで、図1に示すようにXYZ軸を定義すると、露光装置1のXYZステージ2は、固定治具18(各ローバー10)をXYZ方向へ平行移動可能に支持する。なお、図1において、水平面内で互いに直行する座標軸をそれぞれX軸およびY軸とし、鉛直軸方向の座標軸をZとしており、XYZ軸がそれぞれ互いに直交する座標軸となっている。
XYZステージ2の上部には、F(フィデューシャル)マークユニット7が設けられる。Fマークユニット7は、ガラス等の光が透過可能な材料を用いて円盤状に形成され、Fマークユニット7の上面にアライメント用のFマーク(図示せず)が形成されている。
レチクル3は、ガラス等の光が透過可能な材料を用いて平板状に形成され、図示しないレチクルステージに保持される。レチクル3の中央部下面側には、ABS面を形成するためローバー10に転写されるマスクパターン3aが形成される。
レチクル3のマスクパターン3aをローバー10に投影する投影光学系5は、XYZステージ2の上方に位置した状態でメインベース部材20に保持される。また、XYZステージ2上のローバー10を検出するためのグローバルアライメント顕微鏡6は、XYZステージ2の上方に位置した状態で補正ベース部材30に保持され、この補正ベース部材30はメインベース部材20に取り付けられている。なお、グローバルアライメント顕微鏡6によって検出するアライメントマークには、図8に示すように、ローバー10のABS形成面12に現れた読み書き部16等のパターンが用いられる。
また、グローバルアライメント顕微鏡6の光軸O1は、投影光学系5の光軸O2と平行に延びており、グローバルアライメント顕微鏡6の光軸上焦点位置P1と投影光学系5の光軸上焦点位置P2との間の距離L′がベースライン長となる。これは、図1に示す機械寸法、すなわち、グローバルアライメント顕微鏡6の光軸O1と投影光学系5の光軸O2との間の距離Lに相当する。
メインベース部材20は、図2に示すように、低膨張金属であるねずみ鋳鉄系インバー材(Fe−35Ni−C)を用いて板状に形成され、図示省略するベース搭載台の上部に取り付けられる。なお、ねずみ鋳鉄系インバー材(Fe−35Ni−C)の線膨張係数は、3×10−6(1/℃)である。メインベース部材20の四隅には、メインベース取付孔21が形成されており、ネジ等の締結部材を用いてメインベース部材20をベース搭載台に取り付けることができるようになっている。
メインベース部材20の中央部近傍には、投影光学系5の鏡筒部5aが挿通される投影部保持孔22が形成される。投影部保持孔22の周辺部4箇所には、ネジ孔である投影部取付孔23がそれぞれ等間隔に形成されており、鏡筒部5aのフランジ部分をネジ等の締結部材を用いてメインベース部材20に締結させることができるようになっている。このように、投影光学系5の鏡筒部5aを投影部保持孔22に挿通させるとともに、締結部材(および投影部取付孔23)を用いて鏡筒部5aのフランジ部分をメインベース部材20に締結させることで、投影光学系5がメインベース部材20に保持される。
なお、投影部取付孔23の周辺部にスリット部24が形成されており、スリット部24近傍の弾性変形を利用して、メインベース部材20の熱膨張および収縮による投影光学系5の位置ずれを防止している。本実施形態において、投影光学系5の鏡筒部5aは黄銅(C3601BD)を用いて形成されており、メインベース部材20と材料および線膨張係数が異なるが、これにより、メインベース部材20および鏡筒部5aの熱膨張および収縮に拘わらず、投影光学系5の位置を一定に保つことが可能になる。
また、メインベース部材20には、投影光学系5の光軸O2が通る投影部取付孔23の中心からレンズベース長Lだけ離れた所に、補正ベース部材30に保持されたグローバルアライメント顕微鏡6が挿通される補正ベース挿通孔25が形成される。投影部保持孔22の周辺部3箇所には、ネジ孔である1つの補正ベース基準孔26および2つの補正ベース取付孔27がそれぞれ等間隔に形成されており、補正ベース部材30をネジ等の締結部材を用いてメインベース部材20に締結させることができるようになっている。
このように、補正ベース部材30に保持されたグローバルアライメント顕微鏡6を補正ベース挿通孔25に挿通させるとともに、締結部材(および補正ベース基準孔26と補正ベース取付孔27)を用いて補正ベース部材30をメインベース部材20に締結させることで、グローバルアライメント顕微鏡6を保持した補正ベース部材30がメインベース部材20に取り付けられる。なお、補正ベース基準孔26は、投影光学系5の光軸O2が通る投影部取付孔23の中心と、グローバルアライメント顕微鏡6の光軸O1が通る補正ベース挿通孔25の中心とを結ぶ延長線上に形成される。
補正ベース部材30は、図3に示すように、ステンレス材(SUS410−HP)を用いて板状に形成され、メインベース部材20の上面に重なるように取り付けられる。なお、ステンレス材(SUS410−HP)の線膨張係数は、9.9×10−6(1/℃)であり、メインベース部材20の線膨張係数が補正ベース部材30の線膨張係数よりも低くなることになる。
補正ベース部材30の中央部近傍には、グローバルアライメント顕微鏡6の鏡筒部分が挿通される顕微鏡保持孔31が形成される。顕微鏡保持孔31の周辺部3箇所には、ネジ孔である顕微鏡取付孔32がそれぞれ等間隔に形成されており、グローバルアライメント顕微鏡6のフランジ部分をネジ等の締結部材を用いて補正ベース部材30に締結させることができるようになっている。このように、グローバルアライメント顕微鏡6の鏡筒部分を顕微鏡保持孔31に挿通させるとともに、締結部材(および顕微鏡取付孔32)を用いてグローバルアライメント顕微鏡6のフランジ部分を補正ベース部材30に締結させることで、グローバルアライメント顕微鏡6が補正ベース部材30に保持される。なお、グローバルアライメント顕微鏡6の鏡筒部分の材料は、補正ベース部材30と同じ材料(ステンレス材)であることが好ましい。
補正ベース部材30の端部近傍3箇所には、1つの補正ベース固定孔33および2つの補正ベース連結孔34がそれぞれ形成されており、前述したように、ネジ等の締結部材を用いて、グローバルアライメント顕微鏡6を保持した補正ベース部材30をメインベース部材20に取り付けることができるようになっている。補正ベース固定孔33は、補正ベース部材30の一端側で、グローバルアライメント顕微鏡6の光軸O1が通る顕微鏡保持孔31の中心から所定の距離Mだけ離れた所に形成され、補正ベース部材30をメインベース部材20に取り付ける際、メインベース部材20の補正ベース基準孔26と位置が合わせられた状態で締結部材により緊締される。
なおこのとき、メインベース部材20において、投影光学系5の光軸O2が通る投影部取付孔23の中心と、グローバルアライメント顕微鏡6の光軸O1が通る補正ベース挿通孔25の中心とを結ぶ延長線上に補正ベース基準孔26が形成されるため、補正ベース部材30の補正ベース固定孔33は、グローバルアライメント顕微鏡6の光軸O1および投影光学系5の光軸O2と直交する延長線上に位置することになる。
一方、2つの補正ベース連結孔34は、補正ベース部材30の他端側に形成され、補正ベース部材30をメインベース部材20に取り付ける際、メインベース部材20の補正ベース取付孔27とそれぞれ位置が合わせられた状態で締結部材により締結される。また、補正ベース連結孔34の周辺部にスリット部35が形成されており、スリット部35近傍の弾性変形を利用して、補正ベース部材30の他端側が自由に熱膨張および収縮できるようになっている。これにより、補正ベース部材30が熱膨張および収縮する際、補正ベース部材30の一端側に位置する補正ベース固定孔33が温度変化に拘わらずメインベース部材20に対して固定され、補正ベース部材30の他端側がメインベース部材20に対して伸縮することになる。
また、メインベース部材20または補正ベース部材30のどちらか一方の孔33,34の周囲を除く面を0.3mm前後低く加工しておき、メインベース部材20と補正ベース部材30が孔33,34の周囲以外では接触しないように配慮するのが好ましい。この配慮により、メインベース部材20および補正ベース部材30が熱により膨張収縮するとき、摩擦等によって互いに余計な力を与え合うことがなくなる。なお、この0.3mm前後の隙間にサーマルコンパウンド等の導熱性ペーストを充填しておくことは、メインベース部材20および補正ベース部材30の温度を均一に保つために有効である。
このような露光装置1を用いた露光(ABS加工)について、以下に説明する。まず、前述したように、ウェハ19の表面に読み書き部16等の電子回路を露光等により形成し、電子回路が形成されたウェハ19を短冊状に切断して切断面を研磨仕上げすることで、複数のローバー10を作り出す。次に、各ローバー10のABS形成面12を上に向けた状態で、固定治具18の上面に複数のローバー10,10,…を互いに隣接するように並べて接着固定する。
そして、複数のローバー10,10,…が接着固定された固定治具18をXYZステージ2上に載置し、ABS形成面12に現れた読み書き部16等のパターンを基準(アライメントマーク)として、各ローバー10に一つずつマスクパターン3aを露光し、フォトリゾ加工を行う。このとき、グローバルアライメント顕微鏡6によるアライメントマークの検出結果から、ベースライン長Lを考慮して露光するローバー10とレチクル3との位置関係を調節し、投影光学系5によりレチクル3のマスクパターン3aをローバー10に投影する。
本実施形態においては、温度変化によるベースライン長Lの変動を抑えるため、投影光学系5がメインベース部材20に保持され、グローバルアライメント顕微鏡6が補正ベース部材30に保持されている。そして、メインベース部材20の線膨張係数をδ1とし、補正ベース部材30の線膨張係数をδ2とし、ベースライン長をLとし、補正ベース部材30に保持されたグローバルアライメント顕微鏡6の光軸O1(すなわち、顕微鏡保持孔31の中心)から補正ベース固定孔33までの距離をMとしたとき、次の条件式(1)で表される条件を満足している。なお、条件式(1)において、N=L+Mである。
δ1×N−δ2×M=0 …(1)
このようにすれば、本実施形態では、補正ベース部材30の補正ベース固定孔33が温度変化に拘わらずメインベース部材20に対して固定され、補正ベース部材30の熱膨張する方向が+Y方向となって、補正ベース部材30が取り付けられる側のメインベース部材20の熱膨張する方向(−Y方向)と逆方向になるため、メインベース部材20における投影部取付孔23の中心(光軸O2)と補正ベース基準孔26(すなわち、補正ベース部材30の補正ベース固定孔33)との間の熱膨張量(収縮量)と、補正ベース部材30における顕微鏡保持孔31の中心(光軸O1)と補正ベース固定孔33との間の熱膨張量(収縮量)とが条件式(1)のように等しいと、温度変化に拘わらずベースライン長Lが一定となる。
例えば、L=100mmであった場合、前述したように、δ1=3×10−6(1/℃)であり、δ2=9.9×10−6(1/℃)であるため、M=43.5mmとなる。
この結果、本実施形態の露光装置1によれば、メインベース部材20および補正ベース部材30が互いに逆方向に熱膨張するように、補正ベース部材30をメインベース部材20に契合させて、温度変化に拘わらずベースライン長Lが一定となるように構成されるため、温度変化により生ずるアライメント誤差を低減させることが可能になる。
具体的には、条件式(1)で表される条件を満足することにより、温度変化に拘わらずベースライン長Lが一定となり、温度変化により生ずるアライメント誤差を確実に低減させることできる。なお、相対的に線膨張係数の差があればよいので、組み合わせにより、より低価格の材料を使用することが可能になる。また現実的には、クリーンルームの温度変動(±0.5℃)とアライメント精度とを考え合わせると、条件式(1)は、|δ1×(L+M)−δ2×M|<0.002(mm/℃)を満たせばよい。
このとき、メインベース部材20の材料がインバー材であるとともに、補正ベース部材30の材料がステンレス材であることが好ましく、このようにすれば、インバー材が低膨張材料である(δ1が小さくなる)ため、条件式(1)におけるM寸法を大きくする必要がなく、メインベース部材20および補正ベース部材30を小さくすることが可能になる。
また、メインベース部材20が投影光学系5を保持するとともに、補正ベース部材30がグローバルアライメント顕微鏡6を保持することが好ましく、このようにすれば、比較的重量のある投影光学系5がメインベース部材20に保持されることで、装置の組み付けを容易にすることができる。
なお、上述の実施形態において、投影光学系5がメインベース部材20に保持されるとともに、グローバルアライメント顕微鏡6が補正ベース部材30に保持されているが、これに限られるものではない。例えば、図4に示す露光装置100は、グローバルアライメント顕微鏡6がメインベース部材120に保持され、投影光学系5が補正ベース部材130に保持されている。
メインベース部材120は、鋳鉄(FC200)を用いて板状に形成され、図示省略するベース搭載台の上部に取り付けられる。なお、鋳鉄(FC200)の線膨張係数は、12×10−6(1/℃)である。このとき、グローバルアライメント顕微鏡6の鏡筒部分の材料は、メインベース部材120と同じ材料(鋳鉄)であることが好ましく、このようにすれば、線膨張係数の違いによる対策(スリット等)を行う必要がなく、メインベース部材120の構造を簡素化することが可能になり、さらには、ベース搭載台も鋳鉄を用いて製作することが可能になることから、安価な材料を用いて製造コストを低減させることが可能になる。また、このメインベース部材120には、上述の実施形態の場合と同様にして、補正ベース基準孔および補正ベース取付孔(図示せず)が形成される。
補正ベース部材130は、投影光学系5の鏡筒部5aと同じ材料である黄銅(C3601BD)を用いて板状に形成され、メインベース部材120の上面に重なるように取り付けられる。なお、黄銅(C3601BD)の線膨張係数は、20.5×10−6(1/℃)であり、メインベース部材120の線膨張係数が補正ベース部材130の線膨張係数よりも低くなることになる。このように、投影光学系5の鏡筒部5aと同じ材料を用いることで、線膨張係数の違いによる対策(スリット等)を行う必要がなく、補正ベース部材130の構造を簡素化することが可能になることから、製造コストを低減させることが可能になる。
また、この補正ベース部材130には、上述の実施形態の場合と同様にして、補正ベース固定孔133と、補正ベース連結孔およびスリット部(図示せず)が形成される。そして、補正ベース部材130をメインベース部材120に取り付ける際、補正ベース固定孔133とメインベース部材120の補正ベース基準孔と位置が合わせられた状態で締結部材により緊締され、補正ベース部材130が熱膨張および収縮する際、補正ベース部材130の一端側に位置する補正ベース固定孔133が温度変化に拘わらずメインベース部材120に対して固定され、補正ベース部材130の他端側がメインベース部材120に対して伸縮することになる。
このような構成の露光装置100においても、メインベース部材120の線膨張係数をδ1とし、補正ベース部材130の線膨張係数をδ2とし、グローバルアライメント顕微鏡6の光軸O1と投影光学系5の光軸O2との間のベースライン長をLとし、補正ベース部材130に保持された投影光学系5の光軸O2から補正ベース固定孔133までの距離をMとして、前述の条件式(1)で表される条件を満足するようにすることで、上述の実施形態の場合と同様にして、温度変化に拘わらずベースライン長Lが一定となり、温度変化により生ずるアライメント誤差を低減させることが可能になる。さらに、メインベース部材120および補正ベース部材130の材料として鋳鉄や黄銅といった安価な材料を用いているため、製造コストを低減させることができる。
なお、例えば、L=100mmであった場合、前述したように、δ1=12×10−6(1/℃)であり、δ2=20.5×10−6(1/℃)であるため、M=141.2mmとなる。
また、上述の実施形態において、被露光体としてローバー10を露光しているが、これに限られるものではなく、半導体ウェハに対して露光を行う露光装置に対しても、本発明を適用することが可能である。
1 露光装置
3 レチクル(3a マスクパターン) 5 投影光学系(5a 鏡筒部)
6 グローバルアライメント顕微鏡(位置検出光学系)
20 メインベース部材
30 補正ベース部材 33 補正ベース固定孔(固定部)
100 露光装置(変形例)
120 メインベース部材
130 補正ベース部材 133 補正ベース固定孔(固定部)
O1 グローバルアライメント顕微鏡の光軸
O2 投影光学系の光軸
3 レチクル(3a マスクパターン) 5 投影光学系(5a 鏡筒部)
6 グローバルアライメント顕微鏡(位置検出光学系)
20 メインベース部材
30 補正ベース部材 33 補正ベース固定孔(固定部)
100 露光装置(変形例)
120 メインベース部材
130 補正ベース部材 133 補正ベース固定孔(固定部)
O1 グローバルアライメント顕微鏡の光軸
O2 投影光学系の光軸
Claims (4)
- レチクルのパターンを被露光体に投影する投影光学系と、前記被露光体に設けられたアライメントマークを検出する位置検出光学系とを備え、前記位置検出光学系の光軸と前記投影光学系の光軸との間の距離であるベースライン長に基づいて、前記レチクルのパターンを前記被露光体に投影露光するように構成された露光装置において、
前記投影光学系および前記位置検出光学系のうちいずれか一方を保持するメインベース部材と、
前記投影光学系および前記位置検出光学系のうち他方を保持して前記メインベース部材に取り付けられる補正ベース部材とを有し、
温度変化に拘わらず前記ベースライン長がほぼ一定となるように前記補正ベース部材と前記メインベース部材を契合して構成されることを特徴とする露光装置。 - 前記メインベース部材が板状に形成され、
前記補正ベース部材が板状に形成されて前記メインベース部材に重なるように取り付けられており、
前記補正ベース部材は、前記投影光学系の光軸および前記位置検出光学系の光軸と直交する延長線上に、温度変化に拘わらず前記メインベース部材に対して固定される固定部を有し、
前記メインベース部材の線膨張係数をδ1とし、前記補正ベース部材の線膨張係数をδ2とし、前記位置検出光学系の光軸と前記投影光学系の光軸との間の前記ベースライン長をLとし、前記補正ベース部材が保持する前記投影光学系もしくは前記位置検出光学系の光軸から前記固定部までの距離をMとしたとき、次式
|δ1×(L+M)−δ2×M|<0.002 (単位:mm/℃)
の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。 - 前記メインベース部材の材料がインバー材であるとともに、前記補正ベース部材の材料がステンレス材であることを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
- 前記メインベース部材が前記投影光学系を保持するとともに、前記補正ベース部材が前記位置検出光学系を保持するように構成されることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の露光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007163270A JP2009004521A (ja) | 2007-06-21 | 2007-06-21 | 露光装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007163270A JP2009004521A (ja) | 2007-06-21 | 2007-06-21 | 露光装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009004521A true JP2009004521A (ja) | 2009-01-08 |
Family
ID=40320593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007163270A Pending JP2009004521A (ja) | 2007-06-21 | 2007-06-21 | 露光装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009004521A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014194263A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-09 | Nsk Ltd | リニアアクチュエータ用センサ、リニアアクチュエータ、無段変速機及び自動二輪車 |
US9244342B2 (en) | 2009-12-17 | 2016-01-26 | Canon Kabushiki Kaisha | Imprint apparatus and pattern transfer method |
-
2007
- 2007-06-21 JP JP2007163270A patent/JP2009004521A/ja active Pending
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JP2014194263A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-09 | Nsk Ltd | リニアアクチュエータ用センサ、リニアアクチュエータ、無段変速機及び自動二輪車 |
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