JP2009002904A - 水生動物の位置や行動を調査するための調査方法及び受信システム - Google Patents

水生動物の位置や行動を調査するための調査方法及び受信システム Download PDF

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Yoshihito Nakanishi
嘉人 中西
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仁志 吉成
Hiroaki Kitamura
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Abstract

【課題】川幅が広い河川等、幅の広い調査領域でも水生動物に装着された発信器からの電波信号を略遺漏無く受信可能で、かつ、装置の設置が容易な、水生動物の位置や行動を調査するための調査方法及び受信システムを提供する。
【解決手段】水生動物に発信器1を装着し、調査領域を横断するように延設された長線状のアンテナ30を、少なくとも1本有するアンテナ部3を設け、アンテナ部3に受信部4を接続し、発信器1からの信号をアンテナ部3を介して受信部4で受信して、該受信信号に基づいて水生動物の位置を特定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、河川や湖沼における水生動物の位置や行動を調査するための調査方法及び受信システムに関し、特にラジオテレメトリーを用いた調査方法及び受信システムに関する。
動物に小型の発信器や記録計を装着して、その位置や行動についての情報を遠隔的に測定する手法をバイオテレメトリーと言い、その一手法として、電波発信器を用いたラジオテレメトリーが知られている(下記特許文献1参照)。電波発信器(以下、「発信器」と略す。)は、日本国内において電波法により無線局としての規制を受けるが、出力の小さい微弱無線局であれば免許が不要で自由に使用できること、及び、発信器を動物に装着した上で野外に放つラジオテレメトリーでは、電波の発信が制御できないため、現状では学術研究目的以外では免許される見通しが得られないことから、環境調査におけるラジオテレメトリーでは、発信器として、通常、微弱無線局のものが使用されている。
そして、従来、魚類等の水生動物に対するラジオテレメトリーでは、図22に示すように、水生動物に微弱無線局の発信器100を装着し、この発信器から発せられる電波を受信するにあたっては、携帯型のホイップアンテナや八木アンテナ101を使用するのが、一般的であった。
特開平8−65220号公報
しかし、河川に生息する魚類等の水生動物を対象に、微弱無線局の発信器と、携帯型のアンテナとを用いて、ラジオテレメトリーを行う場合、発信器からの電波信号を識別できる範囲が30m程度に限られるため、河川幅がそれ以上となる所では、受信を行っている川岸の対岸付近にいる水生動物からの電波を、受信できないことがあった。すなわち、川幅の広い所では、水生動物に装着された発信器からの電波信号を遺漏無く受信することができないという問題があった。
一方、仮に無線局免許を得て、出力の大きい発信器と感度の高い大型(固定型)のアンテナを用いた場合には、信号を識別できる範囲は大幅に広がるものの、電波の発信方向を絞り込むことが困難となるため、詳細な位置の特定ができなくなるという問題があった。
これらの問題について、図23〜25に基づいて説明する。図24、25は、図23に示すように、アンテナを川岸に固定し、発信器を川岸から25m、45m、65mの3箇所にそれぞれ配置し、各発信器を、アンテナの固定位置から−40m〜+40mの範囲で、5m刻みに川の長さ方向に順次移動させて、受信強度を調べた結果を示すものである。図24は、出力の小さい発信器と携帯型の指向性アンテナとを用いた場合、図25は、出力の大きい発信器と固定型(大型)の指向性アンテナとを用いた場合であり、「近」とは川岸から25m、「中」とは川岸から45m、「遠」とは川岸から65mの位置の発信器を示す。これらの図から、出力の小さい発信器と携帯型の指向性アンテナとを用いた場合には、アンテナからの距離が遠い所からは十分な受信強度が得られず、出力の大きい発信器と固定型の指向性アンテナとを用いた場合には、いずれの箇所からも十分な受信強度が得られるものの、「近」以外ではアンテナからの距離が近いほど受信強度が強くなるという傾向が見られないため、詳細な位置の絞込みが困難であることが分かる。
また、上記特許文献1に記載された水中テレメトリー装置は、多数の単位受信アンテナを分布させるものであるため、設置が容易でないという問題があった。
この発明は、上述した問題を解決するものであり、その目的は、河川の一部または湖沼の一部若しくは全部を調査領域として、水生動物の位置や行動を調査するための調査方法及び受信システムにおいて、川幅が広い河川等、幅の広い調査領域でも、水生動物に装着された発信器からの電波信号を略遺漏無く受信可能で、かつ、装置の設置が容易なものを提供することである。
また、他の目的は、上記調査方法及び受信システムにおいて、水生動物の詳細な位置を特定可能なものを提供することである。
本発明は、河川の一部または湖沼の一部若しくは全部を調査領域として、水生動物の位置や行動を調査するための調査方法であって、水生動物に発信器を装着し、調査領域を横断するように延設された長線状のアンテナを、少なくとも1本有するアンテナ部を設け、前記アンテナ部に受信部を接続し、前記発信器からの信号を前記アンテナ部を介して前記受信部で受信して、該受信信号に基づいて水生動物の位置を特定することを特徴とする。
これによれば、調査領域を横断するように延設された長線状のアンテナにより、調査領域の幅が広くても、水生動物に装着された発信器からの信号を略遺漏無く受信できるとともに、長線状のアンテナを延設するだけでよいので、装置の設置が容易である。
ここで、詳細な位置特定のためには、前記アンテナ部を、前記調査領域を横断するように延設された複数本の長線状のアンテナと、前記調査領域を縦断するように延設された複数本の長線状のアンテナとからなる略格子状とすることが好ましい。
これによれば、調査領域を横断するように延設された長線状のアンテナにより、調査領域の長さ方向における水生動物の位置を特定可能であるとともに、調査領域を縦断するように延設された長線状のアンテナにより、調査領域の幅方向における水生動物の位置を特定可能であるので、水生動物の詳細な位置を特定可能である。
また、前記アンテナはロングワイヤーアンテナまたは漏洩同軸ケーブルとすることができる。これらは構造が簡素で設置が容易だからである。
そして、前記アンテナが漏洩同軸ケーブルである場合には、水中設置されていることが好ましい。漏洩同軸ケーブルの場合は、水中設置の方が空中設置よりも、発信器がアンテナから直交方向に0mの距離にある場合に、アンテナの延長方向における位置の違いによる受信強度の差が小さいからである。
また、前記アンテナがロングワイヤーアンテナである場合には、空中設置されていることが好ましい。ロングワイヤーアンテナの場合は、空中設置の方が水中設置よりも、受信範囲が広いからである。
本発明の受信システムは、河川の一部または湖沼の一部若しくは全部を調査領域として水生動物の位置や行動を調査するために、水生動物に装着された発信器からの信号を受信する受信システムであって、調査領域を横断するように延設された長線状のアンテナを、少なくとも1本有するアンテナ部と、前記アンテナ部に接続され、前記発信器からの信号を前記アンテナ部を介して受信する受信部と、を備えたことを特徴とする。
これによれば、調査領域を横断するように延設された長線状のアンテナにより、調査領域の幅が広くても、水生動物に装着された発信器からの信号を略遺漏無く受信できるとともに、長線状のアンテナを延設するだけでよいので、装置の設置が容易である。
ここで、詳細な位置特定のためには、前記アンテナ部が、前記調査領域を横断するように延設された複数本の長線状のアンテナと、前記調査領域を縦断するように延設された複数本の長線状のアンテナとからなる略格子状をなしていることが好ましい。
これによれば、調査領域を横断するように延設された長線状のアンテナにより、調査領域の長さ方向における水生動物の位置を特定可能であるとともに、調査領域を縦断するように延設された長線状のアンテナにより、調査領域の幅方向における水生動物の位置を特定可能であるので、水生動物の詳細な位置を特定可能である。
また、前記アンテナはロングワイヤーアンテナまたは漏洩同軸ケーブルとすることができる。これらは構造が簡素で設置容易だからである。
本発明の水生動物の位置や行動を調査するための調査方法及び受信システムによれば、幅の広い調査領域でも、水生動物に装着された発信器からの電波信号を略遺漏無く受信可能で、かつ、装置の設置が容易である。
[第1実施形態]本発明の第1実施形態について説明する。第1実施形態に係る調査システムは、図1に示すように、調査対象である水生動物に装着された発信器1と、受信システム2とからなり、受信システム2は、アンテナ部3と、アンテナ部3に接続されて、アンテナ部3で受信した発信器1からの信号が入力される受信部4と、受信部4に接続された電源(バッテリー)5とを備えている。
アンテナ部3は、河川の調査領域を横断するように(すなわち、川幅方向に略沿うように)延設された1本の長線状(長い線状)のアンテナ30から構成されている。アンテナ30は、長い導線(ワイヤー)からなるロングワイヤーアンテナである。
より具体的に説明すると、受信システム2は、図2に示すように、ロングワイヤーアンテナであるアンテナ30が、2本の支柱12で支持されて水面より上に張設され、インピーダンス整合のためのアンテナチューナー7を介して、給電線9のホット側に接続されている。なお、アンテナ30が長いために張設困難な場合等には、支柱12、12間にロープを張設し、そのロープにアンテナ30を支持させてもよい。給電線9のコールド側には、アンテナチューナー7を介して、アース6が接続されている。アンテナ30は、受信効率を高めるために、長さが、受信する周波数の1/2波長の倍数とされており、終端は接地されていない。また、アース6は、受信周波数の1/2波長の奇数倍の長さとなるように切りそろえた16本以上の導線の各片端を一点で接合し、これを地面に放射状に拡げた形状のラジアルアースである。ここでは、アンテナ30には、銅線をビニールで被覆した断面積1.25mm2の単心ビニール電線(PVC線)を、アース6の導線には、断面積2mm2の単心ビニール電線を用いたが、これらの導線の種類や太さは特に限定されず、変更可能である。さらに、アース6に関しては他の方法を用いてもよい。アンテナチューナー7には、受信部4に相当する受信器8が接続されている。受信器8とアンテナチューナー7とを接続する給電線9には、同軸ケーブルが用いられている。受信器8は電源(バッテリー)5に接続されている。ここでは、受信器8にはLOTEK社製SRX400を、アンテナチューナー7にはクラニシ社製NT-282を用いたが、勿論他の機種でもよい。なお、後述するように、ロングワイヤーアンテナの場合は、水中設置よりも空中設置が好ましい。
以上のように構成された調査システムを用いた調査方法について説明する。発信器1を装着した魚類等の水生動物がアンテナ30に接近した時、アンテナ30は発信器1からの電波信号を受信し、受信器8に入力する。なお、発信器1からの信号には、発信器1の識別情報が含まれている。受信器8は、この信号を受信器8内の記憶部であるデータロガーに記録する。この記録を解析することにより、水生動物がアンテナ30直下を通過したことを把握できる。
なお、第1実施形態においてアンテナ30を漏洩同軸ケーブルとしてもよい。漏洩同軸ケーブルは、同軸ケーブルのシールドに小さなスリットを設け、電波を漏洩させるものであり、逆に受信にも利用できる。アンテナ30が漏洩同軸ケーブルの場合の受信システム2について、図3に基づいて説明する。この受信システム2では、アンテナ30が、アンテナチューナーを介さず、受信器8から延びる給電線9に直接接続されている。受信器8は受信部4に相当し、アンテナ30に接続されるとともに、電源(バッテリー)5に接続されている。例えば、漏洩同軸ケーブルは、特性インピーダンス75Ω、外部導体内径7mmのものを用いることができるが、特性インピーダンスは50Ωでも同等の機能を発揮し、また、外部導体内径も適宜変更可能である。アンテナ30の終端には、その特性インピーダンスに合った終端抵抗10が取り付けられている。受信器8とアンテナ30とを接続する給電線9には同軸ケーブルが用いられている。また、受信器8にはLOTEK社製SRX400を用いたが、勿論他の機種でもよい。なお、後述するように、漏洩同軸ケーブルの場合は、水中設置が好ましい。
第1実施形態によれば、アンテナ30を河川の調査領域を横断するように延設しているので、川幅が広くても、水生動物の通過を略遺漏無く把握することができる。したがって、回遊魚の遡河、降河など、水生動物が河川内を大きく上下流に移動する場合の行動把握に適している。また、長線状のアンテナ30を調査領域を横断するように延設するだけでよいので、アンテナ30の設置が容易である。
河川の調査領域を横断するようにアンテナ30を設置すれば、その調査領域における水生動物の通過を略遺漏無く把握できることを、以下の試験1、2で説明する。なお、いずれの試験も、発信器1は供試魚に装着せず、発信器1の設置位置が分かる状態でデータを採取した。
〈試験1〉水槽におけるアンテナ線1本配置での受信試験
野外の50mプールにおいて試験を実施した。図4に示すように、長線状のアンテナ30を、1本、プール縦断方向(川幅方向に相当。)に50m延設した状態で、発信器1を、アンテナ30が空中設置の場合にはアンテナ30の直下から、アンテナ30が水中設置の場合にはアンテナ30の直近から、1mもしくは3mピッチでアンテナ30に直交する方向に順次移動させ、電波受信強度の減衰状況を把握した。発信器1には出力の弱い微弱無線局にあたるLOTEK社製NTC-3-1を用いた。なお、この発信器1は10秒毎に1回電波を発信するが、1地点あたりの発信時間は2分間とし、平均化した電波受信強度をデータとして採用した。
試験は、アンテナ30の種類や設置方法などのパラメータを変え繰り返し行った。変更したパラメータは次のとおりである。
〈パラメータ1:受信システム〉アンテナ30の種類による違いを明らかにするため、ロングワイヤーアンテナによる受信システム2と漏洩同軸ケーブルによる受信システム2の2種類を用いた。ロングワイヤーアンテナによる受信システム2は、図2で説明したように、ロングワイヤーアンテナであるアンテナ30と、アンテナチューナー7と、アース6と、受信器8と、電源5(図4には図示せず)とからなるものである。漏洩同軸ケーブルによる受信システム2は、図3で説明したように、漏洩同軸ケーブルであるアンテナ30と、受信器8と、電源5とからなるものである。なお、図4は、ロングワイヤーアンテナの場合を示しており、アース6及びアンテナチューナー7は、漏洩同軸ケーブルの場合は設置しない。
〈パラメータ2:アンテナの設置方法〉アンテナ30の設置方法は、水面から1m上空の空中に設置した空中設置と水底に設置した水中設置の2種類とした。
〈パラメータ3:発信器の位置〉発信器1の位置は、図4に示すように、受信器8側(アンテナ30の基端部側)のプールサイドから、アンテナ30の延長方向(以下、単に「延長方向」とも言う。)に沿って0m、10m、20m、30m、40m、50m離間した地点とした。このうち、10m、30m、50mの位置では1mピッチで、0m、20m、40mの位置では3mピッチで、発信器1を、アンテナ30に直交する方向(以下、単に「直交方向」とも言う。)に移動させ、それぞれの位置でデータ取得を行った。アンテナ30が水中設置の場合は、アンテナ30の直近(すなわち、アンテナ30に近接する位置)を、アンテナ30から直交方向に0mの位置とした。なお、データ取得は、ロングワイヤーアンテナの場合は、直交方向に15mまで、漏洩同軸ケーブルの場合は、直交方向に6mまでとした。発信器1は、各位置において、水面下10〜20cmの位置に設置した。
表1に、試験1における各パラメータを示す。
Figure 2009002904
試験1のロングワイヤーアンテナの場合の試験結果を、表2、表3および図5、図6に示す。このシステムでは、水中設置よりも空中設置の方が、受信範囲が広く、かつ、延長方向の位置の違いによる電波受信強度の差が比較的小さいという結果が得られ、さらに、直交方向に離れるにつれて、受信強度が低くなる傾向も認められる点で、良い結果が得られた。なお、延長方向の位置の違いによる電波受信強度の差が小さい方が、取得したデータの精度が高いと言え、また、受信器8の感度調整も容易である。
Figure 2009002904
Figure 2009002904
試験1の漏洩同軸ケーブルの場合の試験結果を、表4、表5および図7、図8に示す。このシステムでは、水中設置の方が、空中設置よりも、アンテナ30から直交方向に0mの場合に(すなわち、アンテナ30直近に発信器1がある場合に)、延長方向の位置の違いによる電波受信強度の差が比較的小さい点で、良い結果が得られた。また、水中設置の方が、空中設置よりも、発信器1までの距離が近くなるため、受信範囲が広くなった。したがって、実用時にも、水深が浅い場合には、水中設置により、発信器1を装着した水生動物までの距離を近くすれば、受信範囲の面で空中設置よりも有利と考えられる。
Figure 2009002904
Figure 2009002904
試験1から、ロングワイヤーアンテナによる受信システム2では空中設置が、漏洩同軸ケーブルによる受信システム2では水中設置がそれぞれ適していることが分かる。
〈試験2〉河川におけるアンテナ線1本配置での受信試験
河川において試験を実施した。図9に示すように、長線状のアンテナ30を、1本、河川を横断するように、河川上空もしくは川底に100m展張した状態で、発信器1を、アンテナ30が空中設置の場合にはアンテナ30の直下から、アンテナ30が水中設置の場合にはアンテナ30の直近から、5mピッチで直交方向に順次移動させ、電波受信強度の減衰状況を把握した。1地点あたりの発信時間は1分間以上とし、平均化した電波受信強度をデータとして採用した。
試験は、アンテナ30の種類や発信器1の種類などのパラメータを変え繰り返し行った。変更したパラメータは次のとおりである。
〈パラメータ1:受信システムと設置方法〉アンテナ30の種類による違いを明らかにするため、空中設置したロングワイヤーアンテナによる受信システム2と水中設置した漏洩同軸ケーブルによる受信システム2の2種類を用いた。ロングワイヤーアンテナによる受信システム2は、図2に基づいて上述した構成を有するものである。漏洩同軸ケーブルによる受信システム2は、図3に基づいて上述した構成を有するものである。なお、図9は、ロングワイヤーアンテナの場合を示しており、アース6及びアンテナチューナー7は、漏洩同軸ケーブルの場合は設置しない。
〈パラメータ2:発信器の種類〉出力の強さによる違いを明らかにするために、微弱無線局である低出力の発信器1(LOTEK社製NTC-3-1)と実験局免許を取得した高出力の発信器1(LOTEK社製MCFT-3GM)の2種類を用いた。
〈パラメータ3:発信器の位置〉発信器1の位置による違いを明らかにするために、延長方向に沿って、受信器8の設置位置から20m(以下「近」とする)、50m(以下「中」とする)、80m(以下「遠」とする)の地点でデータ取得を行った。直交方向に関しては5mピッチで、ロングワイヤーアンテナの場合は25mまで、漏洩同軸ケーブルの場合は10mまでデータ取得を行った。アンテナ30が水中設置の場合は、アンテナ30の直近(すなわち、アンテナ30に近接する位置)を、アンテナ30から直交方向に0mの位置とした。発信器1は、各位置において、水底に置いた状態とした。
ロングワイヤーアンテナの場合の試験結果を表6、表7および図10、図11に示す。低出力の発信器1の場合、延長方向のいずれの地点でも受信できたのはアンテナ30から5mの距離までであった。ただし、5mでは「近」の受信強度だけが高い結果となった。高出力の発信器1の場合、アンテナ30から25mの距離まで延長方向のいずれの地点でも略受信できた。しかし、アンテナ30からの距離が5m以上の地点では、延長方向の距離による受信強度の差が大きかった。
Figure 2009002904
Figure 2009002904
漏洩同軸ケーブルの場合の試験結果を表8、表9および図12、図13に示す。低出力の発信器1の場合、アンテナ30からの距離5mまでは延長方向のいずれの地点でも受信でき、かつ、延長方向の距離による受信強度の差が小さかった。高出力の発信器1の場合も、アンテナ線から5mの距離までは、延長方向のいずれの地点でも受信できた。また、延長方向の距離による受信強度の差も比較的小さかった。
Figure 2009002904
Figure 2009002904
試験2から、実際の河川において低出力の発信器1を用いた場合であっても、空中設置したロングワイヤーアンテナ、または、水中設置した漏洩同軸ケーブルのいずれによっても、アンテナ30の直上(漏洩同軸ケーブルの場合)若しくは直下(ロングワイヤーアンテナの場合)の発信器1の通過を、略遺漏無く把握できることが分かる。すなわち、河川の調査領域を横断するようにアンテナ30を設置すれば、水生動物の通過を略遺漏無く把握することができる。
[第2実施形態]本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成要素には同じ符号を用いる。第2実施形態に係る調査システムは、図14に示すように、調査対象である水生動物に装着された発信器1と、受信システム2とからなり、受信システム2は、アンテナ部3と、アンテナ部3に接続されて、アンテナ部3で受信した発信器1からの信号が入力される受信部4と、受信部4を構成する2つの受信器8にそれぞれ接続された電源5とを備えている。
アンテナ部3は、河川における調査領域を横断するように延設された複数本(図14の例では3本)の長線状のアンテナ30と、調査領域を縦断するように(すなわち、河川の長さ方向に略沿って)延設された複数本(図14の例では3本)の長線状のアンテナ30とからなる略格子状とされている。各アンテナ30は、第1実施形態と同様のロングワイヤーアンテナである。
より具体的には、受信システム2は、図15に示すように、いずれもロングワイヤーアンテナである各アンテナ30が、水面より上に配設され、アンテナチューナー7を介して給電線9のホット側に接続されている。給電線9のコールド側には、アンテナチューナー7を介してアース6が接続されている。そして、平行する複数本のアンテナ30毎に、1台のアンテナスイッチコントローラー(以下、「コントローラー」と略す。)11が接続されている。すなわち、調査領域を横断するように延設された複数本のアンテナ30に対して1台、縦断するように延設された複数本のアンテナ30に対して1台、コントローラー11が接続されている。各コントローラー11には、受信器8が接続されている。コントローラー11は、受信に用いるアンテナ30を順次切り替える装置で、受信器8が同時に複数のアンテナ30からの受信を行うことができないために必要となる。なお、コントローラー11を設けず、各アンテナ30にそれぞれ1台の受信器8を接続する形態としてもよいが、コントローラー11を設けることにより、受信器8の台数を削減できる。コントローラー11によるアンテナ30の切り替え時間を例えば10秒等の短時間に設定すれば、調査対象の頻繁な動きを問題としない長期観測には十分である。ここでは、コントローラー11にはLOTEK社製のASP8を用いた。
以上のように構成された調査システムを用いた調査方法について説明する。発信器1を装着した魚類等の水生動物が、アンテナ30に接近した時、アンテナ30は発信器1からの電波信号を受信し、受信器8に入力する。受信器8は、この信号を受信器8内の記憶部であるデータロガーに、受信したアンテナ30の識別情報や受信時刻等と共に記録する。なお、発信器1からの信号には、発信器1の識別情報が含まれている。ここで、調査対象の水生動物は、電波受信強度が強いアンテナ30付近に存在したと推定できる。したがって、データロガーの記録を解析することにより、調査領域を横断するように並設されたアンテナ30のうちの電波受信強度が最も強かったアンテナ30、及び、調査領域を縦断するように並設されたアンテナ30のうちの電波受信強度が最も強かったアンテナ30の交点付近に、調査対象の水生動物が存在したと推定できる。
なお、第2実施形態において、各アンテナ30を漏洩同軸ケーブルとしてもよい。各アンテナ30が漏洩同軸ケーブルの場合の受信システム2は、図15において、アンテナチューナー7及びアース6が設置されてなく、各コントローラー11から延設された各給電線9に対して、それぞれ、アンテナ30が直接接続される形態となる。また、各アンテナ30の終端には、終端抵抗10が取り付けられる(図3参照)。なお、漏洩同軸ケーブルの場合には、川底付近等に配設する水中設置とする。
第1実施形態のように、調査領域を横断するようにアンテナ30を設置しただけでは、調査対象の横断方向の位置を特定することはできないが、第2実施形態のように、複数本の長線状のアンテナ30を略格子状に配置すれば、調査対象の平面的な位置の把握も可能となる。したがって、淵や瀬といった一定の範囲での調査対象の平面的な行動把握には、アンテナ30を略格子状に配置する調査方法が適している。
また、第2実施形態においても、長線状のアンテナ30を略格子状に配置するだけでよいので、アンテナ30の設置が容易である。
第2実施形態のようにアンテナ30を略格子状に設置すれば、調査対象である水生動物の詳細な位置を略特定できることを、以下の試験3で説明する。なお、発信器1は供試魚に装着せず、発信器1の設置位置が分かる状態でデータを採取した。
〈試験3〉実河川におけるアンテナ線格子状配置での受信試験
河川において試験を実施した。図16に示すように、長線状のアンテナ30を6本、縦横3本ずつの略格子状に配置した状態で、発信器1を各アンテナ30の交点付近に順次設置し、電波受信強度のデータを取得して、このデータを基に推定した発信器1の位置(推定位置)と実際の設置位置とが一致するか否かを検証した。なお、発信器1の推定位置は、縦横それぞれで最も受信強度が強かったアンテナ30の交点とした。1地点あたりの発信時間は2分間とし、平均化した電波受信強度をデータとして採用した。
試験は、アンテナ30の種類や発信器1の種類などのパラメータを変え繰り返し行った。変更したパラメータは次のとおりである。
〈パラメータ1:受信システムと設置方法〉アンテナ30の種類による違いを明らかにするため、空中設置したロングワイヤーアンテナによる受信システム2と水中設置した漏洩同軸ケーブルによる受信システム2の2種類を用いた。ロングワイヤーアンテナによる受信システム2は、図15に基づいて上述した構成を有するものである。漏洩同軸ケーブルによる受信システム2は、上述したように、図15において、アンテナチューナー7及びアース6が無い構成のものである。
〈パラメータ2:発信器の種類〉出力の強さによる違いを明らかにするために、微弱無線局である低出力の発信器1(LOTEK社製NTC-3-1)と実験局免許を取得した高出力の発信器1(LOTEK社製MCFT-3GM)の2種類を用いた。
〈パラメータ3:アンテナ線間隔〉格子の大きさ、すなわち平行するアンテナ30の間隔による違いを明らかにするために、アンテナ30の間隔を3m、5m、10mの3段階とし、それぞれでデータを取得し検証を行った。
〈パラメータ4:発信器の位置〉発信器1の位置による違いを明らかにするために、アンテナ30の各交点の直近に(漏洩同軸ケーブルの場合)、または、アンテナ30の各交点の真下の水底(ロングワイヤーアンテナの場合)に、発信器1を設置し、データを取得し検証を行った。なお、2つの受信器8を区別するために、横の(すなわち、河川の長さ方向に略沿った)3本のアンテナ30に接続された受信器8を受信器A、縦の(すなわち、河川の幅方向に略沿った)3本のアンテナ30に接続された受信器8を受信器Bと表記する。そして、アンテナ30を区別するために、横の3本のアンテナ30を、左岸に近い方から順にアンテナA1、A2、A3、縦の3本のアンテナ30を、上流側から順にアンテナB1、B2、B3と表記する。さらに、アンテナ30の各交点(全9箇所)を、図16に示すように1区〜9区と表記する。
ロングワイヤーアンテナの場合の試験結果を表10にとりまとめた。低出力の発信器1の場合、受信データを基に推定した位置と実際の設置位置が9箇所すべてで一致したケースは無かったが、アンテナ30の間隔5mで8箇所まで一致した。高出力の発信器1の場合、アンテナ30の間隔3mで9箇所すべてが一致したほか、アンテナ30の間隔10mでも8箇所一致した。
なお、ロングワイヤーアンテナによる試験で取得したデータの例として、図17に、低出力の発信器1でアンテナ30の間隔3mの場合のデータを示す。図17の表中、A系の1、2、3はそれぞれアンテナA1、A2、A3を、B系の1、2、3はそれぞれアンテナB1、B2、B3を示す。この表の1区のデータ(すなわち、1区に発信器1を置いた場合のデータ)で説明すれば、理論的には、太枠で示すように、A系の中ではアンテナA1が、B系のなかではアンテナB1が、受信強度が最も強くなるはずであり、実測においても、A系の中でアンテナA1が、B系のなかでアンテナB1が、受信強度が最も強くなっているので、1区では推定位置と実際の設置位置が一致している。同様に、3区及び8区以外では、推定位置と実際の設置位置が一致しており、表10に示すように、低出力の発信器1でアンテナ30の間隔3mの場合、7箇所で一致したこととなる。
Figure 2009002904
漏洩同軸ケーブルの場合の試験結果を表11にとりまとめた。低出力の発信器1の場合、アンテナ30の間隔がいずれであっても、受信データを基に推定した位置と実際の設置位置とが9箇所すべてで一致した。高出力の発信器1の場合、アンテナ30の間隔3mで6箇所のみの一致となったが、アンテナ30の間隔5mおよび10mでは9箇所すべてで一致した。なお、漏洩同軸ケーブルによる試験で取得したデータの例として、図18に、低出力の発信器1でアンテナ30の間隔3mの場合のデータを示す。
Figure 2009002904
試験3から、実際の河川において低出力の発信器1を用いた場合であっても、漏洩同軸ケーブルを略格子状に水中設置することにより、または、ロングワイヤーアンテナアンテナを略格子状に空中設置することにより、発信器1の位置を略特定可能であることが分かる。すなわち、河川に略格子状に長線状のアンテナ30を設置すれば、調査対象である水生動物の詳細な位置を略特定することができる。なお、試験3からは、漏洩同軸ケーブルを略格子状に水中設置する方が、ロングワイヤーアンテナアンテナを略格子状に空中設置するよりも、位置の特定効果の点で望ましいとも言えるが、河川の形状、水深、流速等によっては空中設置の方がより設置容易な場合もあり、種々の条件を勘案して、ロングワイヤーアンテナまたは漏洩同軸ケーブルを選択すればよい。
[実施例]格子状配置での魚類行動追跡の実施例
以下、第2実施形態で各アンテナ30を漏洩同軸ケーブルとした場合の実施例について説明する。この実施例の調査システムは、実河川において、水中に略格子状に配置した漏洩同軸ケーブルによる受信システム2を用い、発信器1を装着した魚類の連続的な平面位置特定を行うものであり、図19に示すように、河川の調査範囲(調査領域)の形状に合わせて、調査領域を縦断するように長線状のアンテナ30が2本延設されるとともに、調査領域を横断するように長線状のアンテナ30が4本延設された略格子状のアンテナ部3を備えている。各アンテナ30は漏洩同軸ケーブルであり、水底付近に設置されている。なお、アンテナ30の間隔は縦断方向の2本間を約2.5m、横断方向の各アンテナ30間を約3mとしている。ちなみに、設置範囲の川幅は4〜5m、縦断距離は約11mで、水深は最も深いところで60cm程度であった。
ここで、各アンテナ30を区別するために、縦断方向に沿ったアンテナ30のうち、左岸側のものをアンテナL、右岸側のものをアンテナRと表記し、横断方向に沿ったアンテナ30を、上流から順にアンテナA、B、C、Dと表記する。そして、アンテナLと、アンテナA、B、C、Dとの交点を、それぞれ、上流側から左岸1、左岸2、左岸3、左岸4と表記し、アンテナRと、アンテナA、B、C、Dとの交点を、それぞれ、上流側から右岸1、右岸2、右岸3、右岸4と表記する。
また、アンテナL、Rに1台のコントローラー11が接続されて、そのコントローラー11に1台の受信器8が接続され、アンテナA、B、C、Dに別の1台のコントローラー11が接続されて、そのコントローラー11に別の1台の受信器8が接続されている。すなわち、実施例の調査システムは、2台の受信器8を備え、その2台の受信器8が受信部4を構成している。各受信器8には、それぞれ、電源5が接続されている。
また、供試魚は、出力の弱い発信器1(LOTEK社製NTC-3-1)を装着した個体を3尾、出力の強い発信器1(LOTEK社製MCFT-3GM)を装着した個体を3尾とし、発信器1の装着後、アンテナ30の設置範囲内に放流した。なお、受信した発信器1の識別番号とその電波受信強度、受信したアンテナ30の識別情報、及び、受信時刻等は、受信器8内のデータロガーに保存される仕組みになっているが、長期追跡にあたりデータロガーのメモリーを節約する必要があったため、30分間で平均化した電波受信強度をデータとして採用した。データに基づいた位置の特定方法は、試験3と同様に、上記平均化した電波受信強度が最も強いアンテナ30同士の交点を、魚類の位置とした。
実施例の調査システムによる調査の結果を次に説明する。調査期間中にアンテナ30の設置範囲外に移動した供試魚もあったが、6尾すべての電波を受信し、連続的に平面位置を特定し行動追跡することができた。以下に、低出力の発信器1を装着した個体と高出力の発信器2を装着した個体のそれぞれ1個体について追跡結果を示す。
〈低出力発信器の1個体〉低出力の発信器1を装着した個体の移動の様子を図20に示した。図20、21は横軸に日時、縦軸に魚の位置を示しているが、縦軸は上から順に上流(調査範囲外)→左岸1→右岸1→左岸2→右岸2→・・・→右岸4→下流(調査範囲外)としてあり、上部が調査範囲上流、下部が調査範囲下流となるようにした。図20から、以下のような行動が分かる。調査対象の個体は、放流翌日の正午前までは調査範囲内で上下流へ移動を繰り返していた。この間の移動の範囲は上流端の淵から下流端左岸の早瀬までで、左岸寄りを中心に位置を変えている様子であった。放流翌日の正午頃に下流範囲外に降河し、横断方向に設置したアンテナDの記録から、夕方までは調査範囲の直下流にとどまっていた様であったが、その後は受信電波も途絶え、さらに下流へ降河したと判断される。
〈高出力発信器の1個体〉高出力の発信器1を装着した個体の移動の様子を図21に示した。図21から、以下のような行動が分かる。調査対象の個体は、放流8日目までは、昼夜問わず頻繁に移動している日が多かった。移動の範囲は上流の淵から下流左岸の早瀬まで全域にわたっており、横断方向でも両側を行き来している様子であった。その後はあまり頻繁な動きが見られなくなり、夜間には範囲中流の平瀬のあたりに、昼間には上流の淵に、周期的に移動を繰り返している様子であった。
以上のように、長線状のアンテナ30を略格子状に配置することで、平面的な位置特定を連続で行うことも可能となる。
なお、アンテナ30としては、ロングワイヤーアンテナと漏洩同軸ケーブルの2種類以外でも、河川に横断設置できる形状のものであればよいが、上記2種類はいずれも構造が簡素であり、長距離でも設置が容易で、様々な環境へ適応することができる。表12に上記2種類のアンテナによる受信システムの特性を比較して示した。
Figure 2009002904
このように、ロングワイヤーアンテナによる受信システム2の場合、アンテナ30は空中に設置することが好ましく、空中設置すれば、受信範囲は全般的に広く、水流の影響も受けないため、河川を横断するように設置して魚類等の通過を確認するのに適している。
一方、漏洩同軸ケーブルによる受信システム2では、アンテナ30は水中設置が好ましく、水中設置すれば、アンテナ30の基端部付近と先端部付近とで電波受信範囲や受信強度に差があまりないため、詳細な位置の特定を必要とする場合に有効であるほか、格子状配置による個体の平面的な位置特定において精度の高いデータを得ることができる。
なお、1つの受信システム2のアンテナ部30を、例えば横断方向はロングワイヤーアンテナで、縦断方向は漏洩同軸ケーブルとする等、種類の異なる長線状のアンテナ30から構成してもよい。
また、湖沼の一部または全部を調査領域としてもよい。かかる例としては、湖岸の浅瀬における魚類の行動を調査するために、浅瀬の一部を調査領域として、その調査領域に略格子状に漏洩同軸ケーブルを水中設置する例がある。調査領域が湖沼の場合であっても、河川の場合と同様に、水生動物の位置を特定可能である。
なお、調査領域が河川の場合、「調査領域を横断するように延設する」とは、河川の川幅方向に略沿って延設することを言い、「調査領域を縦断するように延設する」とは、河川の長さ方向に略沿って延設することを言うが、調査領域が湖沼の場合、「調査領域を横断するように延設する」とは、調査領域の任意の一方向を横断方向としてその方向に略沿って延設する(特に、アンテナを1本だけ延設するときは、調査領域の中央部を通るように、調査領域の一側から他側にかけて延設する)ことを言い、「調査領域を縦断するように延設する」とは、ある一方向を横断方向とした場合に、その方向に略直交する方向に略沿って延設することを言う。
第1実施形態に係る調査システムのイメージ図である。 第1実施形態に係るロングワイヤーアンテナを用いた受信システムの構成図である。 第1実施形態に係る漏洩同軸ケーブルを用いた受信システムの構成図である。 試験1のイメージ図である。 ロングワイヤーアンテナを空中設置した場合の試験1の結果を示すグラフである。 ロングワイヤーアンテナを水中設置した場合の試験1の結果を示すグラフである。 漏洩同軸ケーブルを空中設置した場合の試験1の結果を示すグラフである。 漏洩同軸ケーブルを水中設置した場合の試験1の結果を示すグラフである。 試験2のイメージ図である。 ロングワイヤーアンテナを空中設置し低出力発信機を用いた場合の試験2の結果を示すグラフである。 ロングワイヤーアンテナを空中設置し高出力発信機を用いた場合の試験2の結果を示すグラフである。 漏洩同軸ケーブルを水中設置し低出力発信機を用いた場合の試験2の結果を示すグラフである。 漏洩同軸ケーブルを水中設置し高出力発信機を用いた場合の試験2の結果を示すグラフである。 第2実施形態に係る調査システムのイメージ図である。 第2実施形態に係るロングワイヤーアンテナを用いた受信システムの構成図である。 試験3に用いた受信システムの構成図である。 試験3でロングワイヤーアンテナにより取得したデータの例である。 試験3で漏洩同軸ケーブルにより取得したデータの例である。 実施例における調査領域の状況と受信システムを示す図である。 低出力発信器装着個体の行動を示す図である。 高出力発信器装着個体の行動を示す図である。 従来の調査方法及び調査システムのイメージ図である。 図24、25に示すデータの取得方法のイメージ図である。 低出力発信器及び携帯型指向性受信アンテナを使用した場合の受信データの例である。 高出力発信器及び固定型指向性受信アンテナを使用した場合の受信データの例である。
符号の説明
1…発信器
2…受信システム
3…アンテナ部
4…受信部
30…アンテナ

Claims (8)

  1. 河川の一部または湖沼の一部若しくは全部を調査領域として、水生動物の位置や行動を調査するための調査方法であって、
    水生動物に発信器を装着し、
    調査領域を横断するように延設された長線状のアンテナを、少なくとも1本有するアンテナ部を設け、
    前記アンテナ部に受信部を接続し、
    前記発信器からの信号を前記アンテナ部を介して前記受信部で受信して、該受信信号に基づいて水生動物の位置を特定することを特徴とする調査方法。
  2. 前記アンテナ部を、前記調査領域を横断するように延設された複数本の長線状のアンテナと、前記調査領域を縦断するように延設された複数本の長線状のアンテナとからなる略格子状としたことを特徴とする請求項1記載の調査方法。
  3. 前記アンテナがロングワイヤーアンテナまたは漏洩同軸ケーブルであることを特徴とする請求項1または2記載の調査方法。
  4. 前記アンテナが漏洩同軸ケーブルであって水中設置されていることを特徴とする請求項3記載の調査方法。
  5. 前記アンテナがロングワイヤーアンテナであって空中設置されていることを特徴とする請求項3記載の調査方法。
  6. 河川の一部または湖沼の一部若しくは全部を調査領域として水生動物の位置や行動を調査するために、水生動物に装着された発信器からの信号を受信する受信システムであって、
    調査領域を横断するように延設された長線状のアンテナを、少なくとも1本有するアンテナ部と、
    前記アンテナ部に接続され、前記発信器からの信号を前記アンテナ部を介して受信する受信部と、
    を備えたことを特徴とする受信システム。
  7. 前記アンテナ部が、前記調査領域を横断するように延設された複数本の長線状のアンテナと、前記調査領域を縦断するように延設された複数本の長線状のアンテナとからなる略格子状をなしていることを特徴とする請求項6記載の受信システム。
  8. 前記アンテナがロングワイヤーアンテナまたは漏洩同軸ケーブルであることを特徴とする請求項6または7記載の受信システム。
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