JP2009002174A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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良晴 斉藤
Zenichi Naemura
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Abstract

【課題】本発明は、内燃機関の制御装置に関し、触媒を暖機する場合に、燃費やエミッションの悪化を抑制しつつ、触媒を早期に活性化することを目的とする。
【解決手段】触媒温度Tcatに基づいて、触媒を活性化させるために必要な要求エネルギ量Etotalを算出する(ステップ102)。活性目標時刻までの残り時間tと、要求エネルギ量Etotalとに基づいて、単位時間当たりの要求エネルギ流量Eドットを算出する(ステップ106)。触媒に単位時間当たりに流入する排気ガスのエネルギを、要求エネルギ流量Eドットに一致させることができ、かつ吸入空気量を最小とできるようなスロットル開度および点火時期を算出する(ステップ108)。その算出されたスロットル開度および点火時期が実現されるように、スロットル弁および点火装置を制御する(ステップ110)。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
従来、ガソリンエンジン等の火花点火機関の制御においては、始動暖機時にスロットルを通常(暖機後)よりも多く開き、かつ点火時期を大幅に遅角させることで、高温・高流量の排気ガスを触媒に流入させ、もって始動暖機時における触媒の早期活性化を図っている。
特開2004−44527号公報には、機関回転数や吸入空気量、触媒温度などから目標排気エネルギを求め、実際の排気エネルギが目標排気エネルギに一致するように点火時期を制御する装置が開示されている。
特開2004−44527号公報 特開平7−229419号公報 特開平8−291709号公報
触媒の温度をなるべく早期に活性化温度まで上昇させるためには、当然、触媒に流入する排気ガスが高温・高流量であるほどよい。そして、点火遅角量を大きくするほど排気ガス温度は高くなり、スロットル開度を大きくするほど排気ガス流量は多くなる。しかしながら、排気ガス流量や点火遅角量が多すぎると、次のような問題がある。
図5は、排気ガス流量と、触媒内の熱伝達率との関係を示す図である。この図に示すように、触媒内の熱伝達率は、排気ガス流量の増加に対して1次に比例せず、それより小さくなる。よって、排気ガス流量を多くするほど、触媒に流入するエネルギのうちで触媒の昇温に利用できるエネルギの割合が小さくなるので、効率が低下する。このため、触媒暖機時に排気ガス流量を必要以上に多くすることは、燃費の悪化を招来し易い。
また、図6は、点火時期遅角量と、排気管内の熱伝達率との関係を示す図である。この図に示すように、点火時期遅角量が大きいほど、排気管内の熱伝達率が増加してしまう。よって、筒内から排出されるガスの温度が同じであったとした場合、点火時期遅角量が大きいほど、触媒に流入する排気ガスの温度は低くなってしまうので、触媒を昇温する上での効率が低下する。このため、触媒暖機時に点火時期遅角量を必要以上に大きくすることは、燃費の悪化を招き易く、また、点火遅角によるエミッション悪化も引き起こす。
このようなことから、触媒暖機時には、触媒の早期活性化を確保しつつ、必要以上の点火遅角や排気ガス高流量化を避けることが重要である。上記従来の装置は、このような観点において、未だ改良の余地を残すものであった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、触媒を暖機する場合に、燃費やエミッションの悪化を抑制しつつ、触媒を早期に活性化することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の排気通路に配置された触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、
前記触媒の現在の温度に基づいて、前記触媒を現在の温度から所定の目標温度まで上昇させるために前記触媒に流入させることが必要な要求エネルギ量を算出する要求エネルギ量算出手段と、
前記触媒の温度を前記目標温度に到達させる目標時刻までの残り時間を算出する残り時間算出手段と、
前記要求エネルギ量と、前記残り時間とに基づいて、単位時間当たりに前記触媒に流入させることが必要な要求エネルギ流量を算出する要求エネルギ流量算出手段と、
前記要求エネルギ流量に基づいて、前記内燃機関の所定の制御パラメータを制御するパラメータ制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記所定の制御パラメータは、吸入空気量を調節する空気量調節アクチュエータの動作点と、点火時期との少なくとも一方であることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記触媒に流入する触媒入ガスの温度を取得する触媒入ガス温度取得手段と、
前記触媒入ガス温度に基づいて、前記触媒に流入する実エネルギ流量を算出する実エネルギ流量算出手段と、
前記実エネルギ流量に基づいて、前記要求エネルギ流量を補正する要求エネルギ流量補正手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第4の発明は、第3の発明において、
前記触媒入ガス温度取得手段は、
前記触媒入ガス温度を検出する熱電対センサと、
前記熱電対センサの応答遅れおよび/または熱放射の影響を補正する触媒入ガス温度補正手段と、
を含むことを特徴とする。
また、第5の発明は、第3の発明において、
前記触媒入ガス温度取得手段は、前記触媒の温度変化に基づいて、前記触媒に流入する触媒入ガスの温度を推定することを特徴とする。
第1の発明によれば、触媒を現在の温度から所定の目標温度まで上昇させるために触媒に流入させることが必要な要求エネルギ量と、触媒の温度を目標温度に到達させる目標時刻までの残り時間とをそれぞれ算出し、それらに基づいて、単位時間当たりに触媒に流入させることが必要な要求エネルギ流量を算出し、その要求エネルギ流量に基づいて、内燃機関の所定の制御パラメータを制御することができる。このため、第1の発明によれば、触媒の暖機時に、触媒に流入するエネルギ流量が、触媒を目標時間内に活性化させる上で必要十分な量となるように制御することができる。よって、触媒に流入するエネルギ流量が必要以上に大きくされることで燃費やエミッションが悪化したり、逆に、触媒に流入するエネルギ流量が足りずに触媒の活性化が遅れたりすることを確実に回避することができる。
第2の発明によれば、触媒の暖機時に、触媒を目標時間内に活性化させる上で必要十分な吸入空気量および点火時期遅角量になるように制御することができる。このため、吸入空気量や点火時期遅角量が必要以上に大きくされることで燃費やエミッションが悪化することを確実に回避することができる。
第3の発明によれば、触媒に流入する触媒入ガスの温度を取得し、その触媒入ガス温度に基づいて、触媒に流入する実エネルギ流量を算出し、その実エネルギ流量に基づいて、要求エネルギ流量を補正することができる。このため、環境条件の変化等による影響を精度良く補正することができ、触媒に流入するエネルギ流量をより正確に制御することができる。
第4の発明によれば、触媒入ガス温度を検出する熱電対センサの応答遅れや熱放射の影響を補正することができる。このため、触媒に流入するエネルギ流量を更に正確に制御することができる。
第5の発明によれば、触媒の温度変化に基づいて触媒入ガスの温度を推定することができる。このため、触媒入りガス温度を検出するセンサ等を設けることなく、環境条件の変化等による影響を精度良く補正することができる。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、内燃機関10を備えている。内燃機関10の気筒数や気筒配置は、特に限定されるものではない。図1には、内燃機関10の一つの気筒の断面が示されている。
内燃機関10の筒内には、吸気通路12および排気通路14が連通している。吸気通路12には、吸入空気量を検出するエアフローメータ16が配置されている。エアフローメータ16の下流には、電子制御式のスロットル弁18が配置されている。スロットル弁18の開度(以下「スロットル開度」と称する)は、モータの作動によって調整される。スロットル弁18の近傍には、スロットル開度を検出するためのスロットルポジションセンサ20が配置されている。
内燃機関10の各気筒には、吸気ポート内に燃料を噴射するための燃料インジェクタ22が配置されている。内燃機関10の気筒には、更に、吸気弁24、排気弁26、点火プラグ28、およびピストン30が設けられている。なお、本発明における内燃機関は、図示のようなポート噴射式のものに限らず、燃料を筒内に直接噴射する筒内直接噴射式のものでもよく、更にはポート噴射と筒内噴射とを併用するものでもよい。
排気通路14には、排気ガスを浄化する触媒32が設置されている。触媒32には、触媒32の温度(触媒床温)を検出する触媒温度センサ34が設置されている。触媒32の上流側の排気通路14には、触媒32に流入する排気ガスの温度を検出する触媒入ガス温度センサ36が設置されている。この触媒入ガス温度センサ36の近傍には、触媒入ガス温度センサ36付近の排気管の壁温を検出する壁温センサ38が設置されている。
内燃機関10のクランク軸40の近傍には、クランク軸40の回転角度(回転位置)を検出するクランク角センサ42が設置されている。
本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50には、上述した各種のセンサおよびアクチュエータが電気的に接続されている。なお、本実施形態では、触媒入ガス温度センサ36および壁温センサ38は、なくてもよい。
[実施の形態1における具体的処理]
図2は、本実施形態において、内燃機関10の始動後にECU50が実行するルーチンのフローチャートである。なお、本ルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行されるものとする。
図2に示すルーチンによれば、まず、触媒温度センサ34により検出される信号に基づいて、触媒温度Tcatが算出される(ステップ100)。次いで、上記ステップ100で算出された現在の触媒温度Tcatに基づいて、触媒32を現在の温度から所定の目標温度(活性化温度)まで上昇させるために、触媒32に流入させることが必要な総エネルギ量(以下「要求エネルギ量」と称する)Etotalが算出される(ステップ102)。現在の触媒温度Tcatが低いほど、要求エネルギ量Etotalは多くなる。本実施形態において、ECU50には、触媒温度Tcatと要求エネルギ量Etotalとの関係を表すマップが予め記憶されている。このステップ102ではそのマップに基づいて要求エネルギ量Etotalが算出される。
続いて、活性目標時刻までの残り時間tが算出される(ステップ104)。本実施形態では、エンジン始動時から、触媒32の温度を目標温度に到達させるまでの目標時間が定められている。すなわち、エンジン始動時刻からその目標時間だけ先の時刻が活性目標時刻とされる。このステップ104では、現在の時刻からその活性目標時刻までに残されている時間がtとして算出される。
次いで、活性目標時刻までに触媒32の温度を目標温度に到達させるために触媒32に流入させることが必要な、単位時間当たりのエネルギ流量(以下「要求エネルギ流量」と称する)が算出される(ステップ106)。本実施形態では、その要求エネルギ流量Eドットは、次式により算出される。
Figure 2009002174
上記(1)式に示すように、本実施形態では、要求エネルギ量Etotalを残り時間tで除算することにより、要求エネルギ流量Eドットが算出される。
上記ステップ106の処理に続いて、触媒32に単位時間当たりに流入する排気ガスのエネルギを、要求エネルギ流量Eドットに一致させることができ、かつ吸入空気量を最小とできるようなスロットル開度および点火時期が算出される(ステップ108)。アイドル運転時において、触媒32に単位時間当たりに流入する排気ガスのエネルギは、スロットル開度と点火時期とに応じて定まる。本実施形態において、ECU50には、スロットル開度および点火時期と、触媒32に単位時間当たりに流入する排気ガスのエネルギとの関係を表すマップが予め記憶されている。このステップ108では、まず、そのマップに基づいて、上記ステップ106で算出された要求エネルギ流量Eドットを満足するようなスロットル開度および点火時期の組の集合が算出される。そして、スロットル開度に対するエンジン吸入空気量のマップを用いて、その集合の各点における吸入空気量を算出し、吸入空気量が最も小さくなるようなスロットル開度および点火時期が選択される。
次いで、上記ステップ108で算出されたスロットル開度および点火時期が実現されるように、スロットル弁18および点火装置が制御される(ステップ110)。
続いて、制御ルーチン上の時間を所定の時間刻み(制御周期)分だけ進められる(ステップ112)。そして、触媒32の温度が目標温度を超えたか否かが判別され(ステップ114)、目標温度を超えていたら、本制御が終了される。一方、触媒32の温度が目標温度を超えていない場合には、上記ステップ100以下の処理が再度実行される。
以上説明したような図2に示すルーチンの処理によれば、触媒32の暖機時に、触媒32を目標時間内に活性化させる上で必要十分な吸入空気量および点火時期遅角量になるように制御することができる。このため、吸入空気量や点火時期遅角量が必要以上に大きくされることで燃費やエミッションが悪化することを確実に回避することができる。また、吸入空気量や点火時期遅角量が足りずに触媒32の活性化が遅れることも確実に防止することができる。
また、上述した実施の形態1においては、スロットル弁18の開度が前記第2の発明における「空気量調節アクチュエータの動作点」に相当している。また、ECU50が、上記ステップ100の処理を実行することにより前記第1の発明における「触媒温度取得手段」が、上記ステップ102の処理を実行することにより前記第1の発明における「要求エネルギ量算出手段」が、上記ステップ104の処理を実行することにより前記第1の発明における「残り時間算出手段」が、上記ステップ106の処理を実行することにより前記第1の発明における「要求エネルギ流量算出手段」が、上記ステップ108および110の処理を実行することにより前記第1の発明における「パラメータ制御手段」が、それぞれ実現されている。
なお、本実施形態では、触媒温度センサ34によって触媒32の温度を直接に検出して求めるようにしているが、本発明では、他のセンサの検出信号やエンジン状態等に基づいて触媒32の温度を推定して求めるようにしてもよい。
実施の形態2.
次に、図3を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU50に、後述する図3に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
[実施の形態2の特徴]
触媒32に流入する排気ガスの温度(以下、「触媒入ガス温度」と称する)は、実際には、エンジン状態が同じであっても、環境条件の変化に応じて変化する。また、始動後の昇温過程における壁温等の変化によっても、触媒入ガス温度は変化する。これらの影響を反映させるため、本実施形態では、触媒入ガス温度を触媒入ガス温度センサ36によってモニターし、その値に応じた補正を加えることとした。
[実施の形態2における具体的処理]
図3は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。以下、図3において、図2に示すステップと同様のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
図3に示すルーチンは、前述した図2に示すルーチンと比べて、ステップ110と114との間にステップ116〜120が挿入されていること以外は同様である。ただし、ステップ106においては、上記(1)式に代えて、次式によって要求エネルギ流量Eドットが算出される。
Figure 2009002174
上記(2)式中のΔEドットは、上述した観点に基づいて要求エネルギ流量Eドットを補正するための補正値である。ステップ116〜120は、この補正値ΔEドットを算出するための処理である。ステップ106では、ステップ116〜120が前回実行された際に算出された補正値ΔEドットを用いて、上記(2)式に従い要求エネルギ流量Eドットが算出される。
補正値ΔEドットは、次のようにして算出される。まず、触媒入ガス温度センサ36の検出信号に基づいて、触媒入ガス温度Tgが算出される(ステップ116)。次いで、触媒入ガス温度Tgと、排気ガス流量Gaとに基づいて、触媒入ガスエネルギ流量Ecalドットが次式により算出される(ステップ118)。
Figure 2009002174
なお、排気ガス流量Gaは、エアフローメータ16で検出される吸入空気量と、燃料インジェクタ22からの燃料噴射量とに基づいて算出することができる。また、上記(3)式中のCpは定圧比熱であり、触媒入ガス温度Tgの関数である。ECU50には、触媒入ガス温度Tgから定圧比熱Cpを求めるためのマップが予め記憶されており、そのマップに基づいて定圧比熱Cpが算出される。続いて、補正値ΔEドットが次式によって算出される。
Figure 2009002174
以上説明したような本実施形態の処理によれば、触媒32に単位時間当たりに流入させることが必要な平均エネルギ流量Etotal/tと、触媒入ガス温度Tgから求めた実際の触媒入ガスエネルギ流量Ecalドットとの誤差を差分として、要求エネルギ流量Eドットを補正することができる。このため、環境条件の変化等にかかわらず、触媒32の暖機時の吸入空気量や点火時期遅角量が、触媒32を目標時間内に活性化させるための必要十分な大きさとなるように、より正確に制御することができる。
なお、本実施形態においては、ECU50が、上記ステップ116の処理を実行することにより前記第3の発明における「触媒入ガス温度取得手段」が、上記ステップ106,118および120の処理を実行することにより前記第3の発明における「要求エネルギ流量補正手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。本実施形態のシステムのハードウェア構成は、前述した図1に示す構成と同様である。
[実施の形態3の特徴]
前述した実施の形態2において、触媒入ガス温度を計測する触媒入ガス温度センサ36が、一般的に用いられる熱電対センサであるとした場合、その熱電対径によっては、応答遅れや熱放射等の問題による誤差が生ずる場合がある。触媒入ガス温度センサ36が排気管に設置されるものであることを考慮すると、耐久性の問題から、その熱電対径はある程度太いものにせざるを得ない。このため、応答遅れや熱放射の影響は、無視しにくい。
そこで、本実施形態では、触媒入ガス温度センサ36の熱電対の応答遅れや熱放射の影響を、以下に説明するような物理法則に基づいて補正することとした。
まず、熱電対についてのエネルギ方程式は、次式で表すことができる。
Figure 2009002174
ただし、MCは、熱電対の熱容量、Tg_expは、熱電対指示値、をそれぞれ示す。また、Qconv.は、対流(排気ガス流れ)による熱伝達、Qrad.は、壁面との放射熱伝達、Qcond.は、管壁等の熱電対接続部への熱伝導、をそれぞれ示しており、これらは下記のように表すことができる。
Figure 2009002174
ただし、hは、熱電対の熱伝達率、Aは、熱電対の表面積、σは、ステファン・ボルツマン定数、εは熱電対の放射率、Twは、熱電対付近の壁温、をそれぞれ示す。ここでは、始動暖気中における熱電対の熱伝導の影響は小さいため、Qcond.はゼロと仮定している。
上記(5)式に上記(6)〜(8)式を代入すると、次式が得られる。
Figure 2009002174
上記(9)式を変形すると、次式が得られる。
Figure 2009002174
上記(10)式の微分項を離散化し、時間段階を考慮すると、次式が得られる。
Figure 2009002174
本実施形態では、上記(11)式によって触媒入ガス温度Tgを算出することにより、熱電対の応答遅れや熱放射の影響が補正された、より正確な触媒入ガス温度Tgを得ることができる。
[実施の形態3における具体的処理]
本実施形態においてECU50が実行するルーチンは、前述した図3に示すルーチンと同様であるので、改めて図示することは省略する。ただし、本実施形態では、ステップ116において、次のようにして触媒入ガス温度Tgが算出される。
まず、触媒入ガス温度センサ36の検出信号に基づいて熱電対指示値Tg_expが算出され、壁温センサ38の検出信号に基づいて壁温Twが算出される。
次いで、熱電対の熱伝達率hと、熱電対の放射率εとが、次式に基づいて算出される。
Figure 2009002174
ただし、kは、排気ガスの熱伝導率、dは、熱電対径、Gaは、排気ガス流量、μは、粘性係数、Sは、熱電対が接地されている位置の管路断面積、C1〜C5は、所定の定数、をそれぞれ示す。
そして、この算出された熱伝達率hおよび放射率εを用いて、上記(11)式により、触媒入ガス温度Tgが算出される。この場合、上記(11)式の右辺において、Δtは、ECU50の制御周期であり、肩文字のn-1は、前回計算時の値であることを示す。
以上説明したような本実施形態の処理によれば、触媒入ガス温度Tgを実施の形態2に比してより正確に求めることができる。このため、環境条件の変化等にかかわらず、触媒32の暖機時の吸入空気量や点火時期遅角量が必要十分な大きさとなるように、実施の形態2よりも更に正確に制御することができる。
なお、本実施形態においては、ECU50が上記ステップ116の処理を実行することにより前記第4の発明における「触媒入ガス温度補正手段」が実現されている。
実施の形態4.
次に、図4を参照して、本発明の実施の形態4について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成(ただし、触媒入ガス温度センサ36および壁温センサ38は不要)を用いて、ECU50に、後述する図4に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
[実施の形態4の特徴]
前述した実施の形態2あるいは3では、触媒入ガス温度センサ36によって触媒入ガス温度Tgを求めて、要求エネルギ流量Eドットを補正している。これに対し、本実施形態では、触媒温度Tcatの変化から触媒入ガス温度Tgを算出することとした。これにより、触媒入ガス温度センサ36や壁温センサ38を不要としつつ、実施の形態2あるいは3と同様の効果が得られる。
以下、触媒温度Tcatの変化から触媒入ガス温度Tgを求める原理(物理法則)について説明する。まず、触媒32についてのエネルギ方程式は、次式で表すことができる。
Figure 2009002174
ただし、MCは、触媒32の熱容量、Qconv.は、触媒32が流入ガスから受け取るエネルギである。触媒32が流入ガスから受熱する際の熱伝達率をh、触媒32の表面積(熱伝達面積)をS、触媒32内の平均排気ガス温度をTg_meanとすると、Qconv.は次式で表すことができる。
Figure 2009002174
一方、触媒32に流入するエネルギをQin、触媒32から流出するエネルギをQoutとすると、下記式が成り立つ。
Figure 2009002174
ただし、Tg_inは、触媒入ガス温度、Tg_outは、触媒32から流出する排気ガスの温度、Gaは、排気ガス流量、Cpは、定圧比熱、をそれぞれ示す。
上記(17)および(18)式を上記(16)式に代入して変形すると、次式が得られる。
Figure 2009002174
上記(19)式を上記(14)式に代入して変形すると、次式が得られる。
Figure 2009002174
本実施形態では、上記(20)式に基づいて、触媒入ガス温度Tg(=Tg_in)を算出することとした。
[実施の形態4における具体的処理]
図4は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。以下、図4において、図3に示すステップと同様のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
図4に示すルーチンは、前述した図3に示すルーチンと比べて、ステップ116〜120がステップ122〜126に置換されていること以外は同様である。このルーチンのステップ122では、触媒温度センサ34の検出信号に基づいて、触媒温度Tcatが算出される(ステップ122)。
次いで、その求められた触媒温度Tcatを用いて、触媒入ガスエネルギ流量Ecalドットが算出される(ステップ124)。このステップ124では、まず、上記(20)式に従い、触媒入ガス温度Tgが算出される。なお、上記(20)式中の定圧比熱Cpは、前回計算時の触媒入ガス温度Tgに基づいて算出することができる。また、熱伝達率hは、排気ガス流量Gaに相関する値であり、排気ガス流量Gaに基づいて算出することができる。そして、その算出された触媒入ガス温度Tgに基づいて、前述した(3)式と同様の式を用いて、触媒入ガスエネルギ流量Ecalドットが算出される。
続いて、補正値ΔEドットは、次のようにして算出される。まず、触媒入ガス温度センサ36の検出信号に基づいて、要求エネルギ流量Eドットを補正するための補正値ΔEドットが、前述した(4)式と同様の式に基づいて算出される(ステップ126)。
以上説明したように、本実施形態によれば、触媒温度Tcatの変化から推定して触媒入ガス温度Tgを求め、その求めた触媒入ガス温度Tgを用いて要求エネルギ流量Eドットを補正する補正値ΔEドットを算出することができる。このため、触媒入ガス温度センサ36や壁温センサ38を設けることなしに、実施の形態2あるいは3と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態においては、ECU50が、上記(20)式に基づいて触媒入ガス温度Tgを算出することにより前記第5の発明における「触媒入ガス温度取得手段」が実現されている。
実施の形態5.
[実施の形態5の特徴]
前述した実施の形態2〜4では、上記(2)および(4)式によって、要求エネルギ流量Eドットを補正している。これは、触媒32に単位時間当たりに流入させることが必要な平均エネルギ流量Etotal/tと、触媒入ガス温度Tgから求めた実際の触媒入ガスエネルギ流量Ecalドットとの誤差を差分として、要求エネルギ流量Eドットを補正しているのと等価である。
一方、実際の現象を考慮した場合には、触媒32に流入するエネルギ流量は熱伝達の違いにより変化すると考えられる。このため、差分としての補正を行った場合、補正時のエネルギ流量に対して小エネルギ流量側では過補正に、大エネルギ流量側では補正不足になる傾向が考えられる。
一般に、熱伝達による熱損失は、ガス−壁面間の温度差、および流量に比例すると考えられるので、その誤差分を比率として補正する方がより高精度であると考えられる。そこで、本実施形態では、上記(2)および(4)式に代えて、下記(21)および(22)式を用いることとした。
Figure 2009002174
上記(21)および(22)式によれば、触媒32に単位時間当たりに流入させることが必要な平均エネルギ流量Etotal/tと、触媒入ガス温度Tgから求めた実際の触媒入ガスエネルギ流量Ecalドットとの誤差分を比率として要求エネルギ流量Eドットを補正することができる。このため、前述した実施の形態2〜4よりも更に高精度な補正を行うことができる。
本実施形態は、上述した点以外は前述した実施の形態2〜4と同様であるので、これ以上の説明は省略する。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2および3において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態4において実行されるルーチンのフローチャートである。 排気ガス流量と、触媒内の熱伝達率との関係を示す図である。 点火時期遅角量と、排気管内の熱伝達率との関係を示す図である。
符号の説明
10 内燃機関
12 吸気通路
14 排気通路
16 エアフローメータ
18 スロットル弁
22 燃料インジェクタ
28 点火プラグ
32 触媒
34 触媒温度センサ
36 触媒入ガス温度センサ
38 壁温センサ
50 ECU

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に配置された触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、
    前記触媒の現在の温度に基づいて、前記触媒を現在の温度から所定の目標温度まで上昇させるために前記触媒に流入させることが必要な要求エネルギ量を算出する要求エネルギ量算出手段と、
    前記触媒の温度を前記目標温度に到達させる目標時刻までの残り時間を算出する残り時間算出手段と、
    前記要求エネルギ量と、前記残り時間とに基づいて、単位時間当たりに前記触媒に流入させることが必要な要求エネルギ流量を算出する要求エネルギ流量算出手段と、
    前記要求エネルギ流量に基づいて、前記内燃機関の所定の制御パラメータを制御するパラメータ制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記所定の制御パラメータは、吸入空気量を調節する空気量調節アクチュエータの動作点と、点火時期との少なくとも一方であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記触媒に流入する触媒入ガスの温度を取得する触媒入ガス温度取得手段と、
    前記触媒入ガス温度に基づいて、前記触媒に流入する実エネルギ流量を算出する実エネルギ流量算出手段と、
    前記実エネルギ流量に基づいて、前記要求エネルギ流量を補正する要求エネルギ流量補正手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記触媒入ガス温度取得手段は、
    前記触媒入ガス温度を検出する熱電対センサと、
    前記熱電対センサの応答遅れおよび/または熱放射の影響を補正する触媒入ガス温度補正手段と、
    を含むことを特徴とする請求項3記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記触媒入ガス温度取得手段は、前記触媒の温度変化に基づいて、前記触媒に流入する触媒入ガスの温度を推定することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7459762B2 (ja) 2020-11-04 2024-04-02 株式会社豊田自動織機 排気浄化装置

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