JP2008547007A - プローブ顕微鏡法および力分光法のための一体型変位センサ - Google Patents

プローブ顕微鏡法および力分光法のための一体型変位センサ Download PDF

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Abstract

【解決手段】 本発明の一実施形態によれば、プローブベースの計器のための力センサ(200)が提供される。この力センサ(200)は、検出面(202)と、柔軟機械構造(204)とを有し、この柔軟機械構造(204)は、前記検出面(202)から第1の距離だけ上方に配置されて当該柔軟機械構造(204)と当該検出面(202)との間に間隙を形成し、外力を受けると撓みが生じて前記第1の距離を変化させるように構成されている。
【選択図】 図2A

Description

本出願は、2005年6月17日付けで出願された米国仮特許出願第60/691,972号と、2005年8月11日付けで出願された米国仮特許出願第60/707,219号と、2005年10月3日付けで出願された米国仮特許出願第60/722,397号と、2006年4月6日付けで出願された米国特許出願第11/398,650号に対して優先権を主張するものであり、2005年10月28日付けで出願された米国特許出願第11/260,238号の一部継続出願である(これらは参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする)。
本発明は、Georgia Institute of Technology(米国ジョージア工科大学)とNational Science Foundation(米国立科学財団)との間の契約ECS−0348582に基づいて開発されたものである。米国政府は、本発明に対し特定の権利を有する。
本出願の対象はプローブ顕微鏡法に関する。より具体的には、本出願の対象は、改善された感度を有するセンサを具備したプローブおよび力を利用した顕微鏡のための方法および装置に関する。
従来の原子間力顕微鏡(atomic force microscope:AFM)およびその変形形態は、これまで、単一分子の機械特性や単一原子および単一電子の電磁場など、広範囲な物理生物学的過程を探査するために使用されてきた。さらに、AFMを基にしたカンチレバー(片持ち梁)ベースの構造によりナノテクノロジーが著しく発展し、その結果、化学センサアレイ、各種形態の高分解能(解像度)リソグラフィツール、およびテラビットレベルのデータ格納システムが開発されてきた。これまでの成功にもかかわらず、AFMは、速度、感度、また試料の化学特性および機械特性に関する定量的なデータを生成する能力の点から改善が必要とされている。例えば、室温で分子動力学を測定する際は、結合を切る熱変動の所要時間より短い時間スケールで分子間力を測定する必要がある。これには、サブナノニュートンおよびサブナノメートルの感度を伴う高速システムが必要である。
AFMプローブ用の現行のカンチレバーベースの構造、およびその各々の作動方法には、速度および感度が欠如しており、上述分野の進歩を妨げている。小型カンチレバーに基づく撮像(画像処理)システムはAFMの速度を上げるため開発されてきたが、このアプローチは、光検出の厳しい制約、およびアクチュエータが大きすぎることにより、いまだ幅広い用途が見出されていない。定量的な弾性測定の方法はいくつか開発されてきているが、特に高コンプライアンスおよび高付着度の試料では、力分解能、測定速度、カンチレバー剛性の間のトレードオフが問題となっている。タッピングモードによる撮像中に測定されるカンチレバーの撓み信号は、逆変換され、より小さい衝撃力で弾性情報が得られるが、カンチレバーの複雑な動的応答により雑音レベルが増加して相互作用力の計算の妨げとなってしてしまう。並列リソグラフィ用に一体型の圧電アクチュエータを伴ったAFMカンチレバーのアレイが開発されてきているが、カンチレバーが低速で製造方法が複雑であることから用途は限られている。
走査型プローブ顕微鏡法技術の大半は、タッピングモードでの撮像および力分光法を含め、鋭い先端を有するマイクロカンチレバーの撓み測定に依存する。したがって、結果として得られる力データは、周波数応答を形成するカンチレバーの動的特性に依存する。カンチレバーなどの機械的な構造は共振振動構造であり、得られる情報の大部分はこれら共振の周囲だけに制限されたものとなってしまう。例えば、タッピングモードによる撮像では、各タッピングに加えられた過渡的な力を雑音の少ない時間信号として観測することはできないため、先端および試料の相互作用力に関する情報をすべて回収することは不可能に近い。
さらに、走査型プローブでの従来の撮像方法は時間がかかる一方、他の方法では、静的な先端および試料接触が必要なため試料が破壊されてしまうことが多い。タッピングモードなどAFMの動的な動作では、走査中、剪断力を除去することができる。ただし、このモードにおける唯一の自由変数である位相はエネルギー散逸に関係したもので、解釈が難しい。さらに、タッピング信号から時間領域の相互作用力を収集し逆変換する問題は、AFMカンチレバーの動力学が複雑なため、容易に解くことができない。ハーモニックイメージング(高調波による撮像)は、試料の弾性特性を分析する上で有用であるが、この方法では、先端および試料の相互作用力周波数スペクトルの狭領域しか回収できない。
従来のAFMシステムに伴う他の問題は、当該システムのカンチレバーおよび先端に関連するものである。一般的なAFMの先端は、カンチレバーの端部に取り付けられたマイクロマシニング加工のシリコン破片、またはカンチレバーの一部として作製された鋭角のシリコン若しくは窒化ケイ素の構造から成る。これらの先端は作製が難しく、また容易に破損する。そのため、前記カンチレバーの耐用期間は限られてしまい、頻繁な交換が必要となる。この脆弱性に加え、前記カンチレバーは、AFMシステム内で適切に配置することが難しい。また、材料特性または作製条件が不均一であることにより前記カンチレバー間で形状および曲率が異なるため、新しいカンチレバーを使用するたびに光学システムを再配置する必要がある。多くの場合、前記先端を適切に誘導し、精確に配置するため、レーザーおよび鏡を使ったシステムが使用される。この工程は時間がかかり精度も低い。
そのため、以上に述べた先行技術のプローブ顕微鏡法に伴う問題および他の問題を解消することが必要とされている。
本発明の一実施形態に従って顕微鏡プローブユニットが提供される。前記プローブユニットには力センサを含めることができ、前記力センサには、間隙により検出面から隔てられた柔軟機械構造と、当該柔軟機械構造に連結されたプローブ先端とを含めることができる。
本発明の別の一実施形態に従って顕微鏡プローブユニットが提供される。前記プローブユニットには力センサを含めることができ、前記力センサには、間隙により検出面から隔てられた柔軟機械構造と、当該柔軟機械構造に連結されたプローブ先端とを含めることができる。また、このプローブユニットには、前記柔軟機械構造の動きを検出するように構成された検出器を含めることもできる。
本発明のさらに別の一実施形態に従って顕微鏡プローブユニットが提供される。前記プローブユニットには、基板上に設けられた力センサを含めることができ、前記力センサには、間隙により検出面から隔てられた柔軟機械構造と、前記検出面上に設けられ、試料から受けた光を回折させるように構成された格子と、前記柔軟機械構造に連結されたプローブ先端とを含めることができる。また、前記プローブユニットには、前記格子からの回折光を検出するように構成された検出器と、光を前記格子へ方向付けるように構成された光源とを含めることもできる。
本発明のさらに別の一実施形態に従って顕微鏡プローブユニットが提供される。前記プローブユニットには複数の力センサを含めることができ、前記力センサの各々には、間隙により検出面から隔てられた柔軟機械構造と、当該柔軟機械構造に連結されたプローブ先端とを含めることができる。
以上の全般的な説明および以下の詳細な説明は単に例示および説明を目的としたものであり、特許請求の範囲に記載された本発明を制限するものではないことが理解されるであろう。
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面では、本発明の実施形態をいくつか例示しており、これらの実施形態に関する説明と併せて本発明の原理を説明している。
以下の説明では、説明の一部として添付の図面を参照しており、その図示により、本発明を実施するための具体的な例示的実施形態を示している。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるよう十分詳しく説明しており、言うまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態が利用でき、種々の変更形態が可能である。したがって、以下の説明は限定して解釈すべきものではない。
本発明の広い範囲を説明する数値範囲および数値パラメータは近似値ではあるが、具体例におけるこれら数値は、可能な限り精確に報告されている。ただし、いずれの数値も、本質的に各々の試験測定の標準偏差から必然的に生じる、ある種の誤差を含む。さらに、本明細書に開示するすべての範囲は、それらに含まれるいかなる部分的な範囲も包含すると理解されるべきである。例えば、「10より小さい」の範囲には、最小値ゼロと最大値10との間(これらの値も含む)のいかなる部分的な範囲、すなわち最小値ゼロ以上および最大値10以下の1や5などを有するいかなる部分的な範囲も含めることができる。
種々の実施形態によれば、プローブ顕微鏡や構造操作などプローブベースの計器に使用するための力センサがある。前記力センサは、検出面と、柔軟機械構造と、当該検出面と当該柔軟機械構造との間の間隙とを有する。また、力センサは、前記柔軟機械構造に接触した先端を有する場合もある。
本明細書で説明する力センサは、カンチレバーに起因する測定情報などの有用性の低下を排除することができる。また、これらの力センサは、既知の力を加えるアクチュエータとして使用することもでき、表面、生体分子、その他の材料について雑音の少ない価値ある弾性情報のデータを提供する。さらに、これらの力センサは、カンチレバーに一体化され、また既存のAFMシステムに適合させることが可能であり、正確な先端の変位情報を提供し、且つ「アクティブな先端」としても作用する。
種々の実施形態によれば柔軟機械構造を使って変位測定を行うことができ、この柔軟機械構造には、膜、ダイヤフラム、カンチレバー(片持ち梁)、両持ち梁、または実質的に硬質な表面上で一端が部分的または完全に固定され対称軸を形成するよう1点で接続された複数の柔軟な素子を有する柔軟構造などがある。これらの柔軟機械構造は、マイクロマシニング加工が可能である。これらの柔軟機械構造は均一または不均一な断面を有することができ、これにより望ましい静的および動的な撓み特性を達成する。例えば、前記対称軸に対し対称および反対称な振動モードを使用して異なる方向の力を検出することができる。これらの柔軟機械構造は、金やアルミニウムなどの金属、単結晶シリコンや多結晶シリコンなどの半導体、窒化ケイ素や酸化ケイ素などの誘電材料、またはSU−8などの高分子で作製することができ、あるいは金属材料、半導体材料、高分子材料、または誘電体材料の複合構造であってもよい。測定は、例えば柔軟機械構造に接触した先端にかかる力などの局所的な力の検出、または、表面に接触する一体型の先端を具備する柔軟機械構造、若しくは表面または物質に近接した一体型の先端を具備する柔軟機械構造を使用した表面形状の検出、あるいは柔軟機械構造に結合した分子などの反応性物質と、先端など近傍の構造に結合した分子といった別の反応性物質との間の力の検出のために行われるが、これらの例は限定を意図したものではない。
種々の実施形態によれば、前記検出面は、光学的に反射型の回折格子を伴った硬質物質または一部硬質物質の表面であってもよく、光干渉検出および静電作動のための反射型および/または導電性の回折格子を伴った一部硬質物質の表面であってもよく、静電作動および静電容量検出のための導電性の部材を伴った一部硬質物質の表面であってもよく、あるいは光干渉計用の半透過層を伴った硬質物質の表面であってもよい。場合により、検出面は、膜、両持ち梁、カンチレバー(片持ち梁)など変形可能な機械構造の表面であってよい。検出面を伴った機械構造の剛性は、力センサの柔軟機械構造より実質的に大きい場合がある。検出面は、導電性および誘電性の部分を含み、作動電極および検出電極を電気絶縁する。場合により、前記変形可能な検出面は作動可能で、そのための作動用の電極または圧電フィルムを別個に含む。さらに別の場合、前記検出面は基板を形成してもよい。
種々の実施形態によれば、変位は、干渉技術または静電容量技術を使って測定することができる。例えば、回折に基づいた光干渉法、または、例えば、ファブリーペロー構造(1例としては、2003年11月10日付けで出願された米国特許出願第10/704,932号に開示されており、この特許出願はその全体を参照により本明細書に組み込むものとする)など他の任意の光干渉法などで使用される格子が使用可能である。静電容量測定では、コンデンサマイクなどで使用される静電容量の監視技術を使用することができる。
前記柔軟機械構造の寸法および材料は、十分な帯域幅で静的および動的な測定を行う上で望ましいコンプライアンスおよび測定能力を有するよう調整することができる。この柔軟機械構造の全体的な形状は、円形、四角形、または他の任意の適切な形状であってよい。一般的な横寸法は10μm〜2mmであってよく、柔軟機械構造の厚さは10nm〜3μmであってよく、前記間隙は1nm〜10μmであってよい。一部の実施形態において、前記間隙は最大1mmである場合がある。前記柔軟機械構造の材料は、例えばアルミニウム、金、窒化ケイ素、シリコン、酸化ケイ素、またはポリシリコン(多結晶シリコン)を有し、あるいは、金属材料、半導体材料、および誘電体材料の複合構造であってもよい。前記間隙は、液体を使用する場合は密閉若しくは部分的に密閉する場合もあり、または減圧下および大気圧下で測定する場合は開放してもよい。
一部の力測定では、軟質のカンチレバーは不要な場合がある。力センサからの出力をフィードバックループで使用する場合、外部アクチュエータを使って先端と柔軟機械構造との間の距離、および先端と試料との間の距離を個別に調整することができる。種々の実施形態によれば、柔軟機械構造を静電気的に作動して望ましい力を加えることができる。種々の実施形態によれば、本明細書で説明する力センサをカンチレバーに取り付けて、力センサ構造を形成することができる。さらに、その力センサ構造を検出器と組み合せて、プローブベースの計器に使用可能な力センサユニットを形成することができる。
図1Aは、本開示記載の例示的な力センサ100の断面概略図である。この力センサ100は、検出面102および柔軟機械構造104を有する。前記柔軟機械構造104は、前記検出面から距離(D)だけ上方に配置され、これにより当該柔軟機械構造104と前記検出面102との間に間隙105を形成する。この柔軟機械構造は、力などの外部からの刺激114を受けた時点で、新しい位置104’に移動するよう構成されている。さらに、当該力センサ100には、前記距離(D)の変化を検出するよう構成された素子を含めることができる。さらに、例えば、格子などの底部電極106および上部電極116を使ってこの力センサ100を作動させて前記距離(D)に影響を及ぼすことができる。なお、これら電極については以下でより詳しく説明する。
前記検出面102は、所定の光波長を透過させる材料から作製することができる。例えば、この検出面は水晶などの酸化ケイ素で作製できる。前記柔軟機械構造104の全体的な形状は、円形、四角形、または他の任意の適切な形状であってよい。柔軟機械構造104の一般的な直径は5μm〜2mmの範囲であってよく、柔軟機械構造104の厚さは10nm〜10μmの範囲であってよい。この柔軟機械構造は、マイクロマシニングで加工した材料であってよく、例えばアルミニウム、金、窒化ケイ素、酸化ケイ素、またはポリシリコンを有してもよい。
種々の実施形態によれば、前記間隙105の距離(D)は50nm〜50μmである。さらに、この間隙105は、液体を使用する場合は密閉し、若しくは減圧下および大気圧下で測定する場合は開放してもよい。一部の実施形態では、この間隙は、前記検出面の上方で少なくとも1つの側壁により支持可能な前記柔軟機械構造により形成される。前記柔軟機械構造の移動、すなわち変位の測定は、例えば後述のように、回折に基づいた光干渉法、または他の任意の光干渉法若しくはコンデンサマイクなどに使用される静電容量法を使用する格子を用いて検出により行うことができる。種々の実施形態によれば、前記格子106の格子周期は、約0.5μm〜約20μmの範囲である。入射光は、UV(最小波長約0.2μm)〜IR(最小波長約1.5μm)であってよい。
図1B〜1Dは、例示的な力センサの種々の斜視図である。例えば、図1Bは、走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope:SEM)を使った本センサ100の図である。図1Bは、この力センサ100を上面から撮影した画像であり、柔軟機械構造104を示している。図1Dは、当該力センサ100の撮影画像であり、透過型の(透明な)前記検出面102を光が透過しており、格子106は前記柔軟機械構造104の下に配置された状態で示されている。
種々の実施形態によれば、当該力センサ100には、図1Eに示すように、格子106を含めることもできる。図1Eにおいて、光線110は、前記検出面102を通過して前記柔軟機械構造104および前記格子106に当たるよう方向付けることができる。種々の実施形態によれば、この光線は、例えば前記検出面102の法線方向から±10°の範囲の角度で前記検出面102に向かうよう方向付けることができる。前記柔軟機械構造104の一部は反射性であり、これにより光110がこの柔軟機械構造104から反射され、別の一部が前記格子106によって反射される。その結果、光が前記格子106を通過するとき、前記間隙の厚さに応じて異なる強度レベルの異なる回折次数が生成される。
例えば、図1Aは、前記格子106および前記柔軟機械構造104から反射される1次の回折光112を示している。この回折光112は、検出器108で検出できる。代替態様として、これらの検出器を使用して、前記間隙105の変化による静電容量の変化を検出できることは言うまでもない。
図1Eに示したように、前記柔軟機械構造104には力などの刺激114を加えることができる。その刺激114により、前記柔軟機械構造104は、104’で示すように湾曲する。種々の実施形態によれば、この柔軟機械構造104は、前記検出面102へ向かう方向、または前記検出面102から離れる方向へ湾曲するなど、種々の方向に湾曲する可能性がある。この柔軟機械構造104が湾曲することにより、図1Aに示した前記間隙105の厚さ(D)が変化する。
光線を使う場合、前記光110は、前記柔軟機械構造が湾曲した位置104’にある場合と当該柔軟機械構造が静止位置104にある場合とでは異なる方向へ反射される。さらに、前記柔軟機械構造の湾曲した位置104’から反射された光110は、静止位置からの反射光と異なる態様で前記格子106と相互作用し、図1Eの112a〜112cで示した異なる各次の回折光強度に変化が生じる。次に、前記検出器108では、前記格子106から回折された光出力の強度を検出することができる。これにより、頑健なマイクロスケールの干渉計構造がもたらされる。全般的に、前記検出器108から取得される情報を使用して前記柔軟機械構造104が受けた力の大きさなどの前記刺激114を決定することができる。この決定は、コンピュータプロセッサ(図示せず)または当業者に公知の他の各種技術を使って行うことができる。また図1Eには、以下詳しく説明するように、例えば格子106と協動することによりアクチュエータとして作用可能な上部電極116を示している。
種々の実施形態によれば、前記検出器108は、光電池モードまたは逆バイアスモードで操作されるシリコンフォトダイオードなどの光検出器、あるいは光源の波長範囲に高感度である別タイプの光検出器であってよい。さらに、前記光110は、レーザーなどのコヒーレントな光源である。例示的な光源としては、ヘリウムネオンタイプのガスレーザー、半導体レーザーダイオード、垂直共振器面発光レーザ、発光ダイオードなどがある(これに限定されるものではない)。
図2Aは、本開示記載の別の例示的な力センサ200の断面概略図である。この力センサ200は、検出面202と、柔軟機械構造204と、格子206と、先端207とを有する。一部の実施形態では、この力センサ200に上部電極216を含む。さらに、前記格子206は、柔軟機械構造が崩壊した場合の短絡を防ぐため、誘電体層で覆うことができる。
一般に、この力センサ200を使用して、原子、分子、マイクロ(微小)電気機械システム(microelectromechanical system:MEMS)などの構造を操作することができ、若しくは試料218の種々の材料特性を明らかにすることができる。例えば、前記試料218の表面形状は、前記先端207に対し当該試料218を横方向に移動させて決定することができる。また、前記試料218を固定して、前記先端207を当該試料218と相対的に移動させることも考えられる。試料218の高さの変化が検出されると、前記先端207がそれに応じて移動される。前記先端207にかかる力は、例えば当該先端の動きに起因したものであり、204’で示すように前記柔軟機械構造204に湾曲を生じさせる。検出面202を通過して前記柔軟機械構造204に当たるように光210を入射させることもできる。この光210は、前記柔軟機械構造で反射され、前記格子206により回折される。前記先端207が前記柔軟機械構造に力を加えるに伴い、間隙205の厚さは変化する。これにより、反射された光は、前記柔軟機械構造が湾曲していない位置にある場合とは異なる態様で回折される。このため、異なる次数の回折光の強度は前記間隙の厚さに応じて変化する。
回折された光212a〜cは、前記格子206を通過した後、前記検出器208で検出可能となる。前記柔軟機械構造204からの出力をフィードバックループで使用して、外部アクチュエータ(図示せず)により、先端と柔軟機械構造との間の距離(前記間隙の厚さ)、すなわち、先端と試料との間の距離(d)を調整することができる。前記格子206および前記上部電極216にそれぞれ取り付けられた電極220aおよび220bにバイアス電圧を印加することにより、前記柔軟機械構造204を静電的に作動させて望ましい力を加えるか、または前記先端と柔軟機械構造との間の距離(前記間隙の厚さ)、すなわち、前記先端と試料との間の距離(d)を調整することが可能である。図2Aには2つの検出器を示しているが、当業者であれば、1若しくはそれ以上の検出器を使用できることが理解されるであろう。
種々の実施形態によれば、当該力センサ200は一体型の位相敏感回折格子構造を形成することができ、この構造により前記柔軟機械構造204および/または前記先端207の変位をマイケルソン干渉計の感度で測定できる。加えられた刺激による前記先端207の変位は、透過型の前記検出面202を通じて前記回折格子206にコヒーレント光源210の光を当てることにより監視でき、反射された前記回折次数212a〜cの強度は、固定位置にある前記検出器208により記録できる。その結果得られる干渉曲線は、通常、λ/2の周期的なものとなり、ここでλは空気中での光波長である。例示的な一実施形態によれば、この変位検出は、格子206が固定されている場合、約λ/4(λ=670nmでは167.5nm)の範囲で可能である。ただし、前記検出面202および前記格子206を適切なアクチュエータにより移動させて、この撮像範囲を拡張することができる。さらに、前記格子206を前記柔軟機械構造の中央ではなく、固定された縁部の付近に配置することにより、検出できる等価な先端移動範囲を拡張することができる。顕微鏡の場合は、一体型の硬質アクチュエータ電極として前記回折格子206を使用して、前記柔軟機械構造204に静電力をかけることにより、「アクティブな」先端を移動させることができる。一部の応用では、このアクチュエータを使用して前記先端207の位置を最適な変位感度を達成するように調整し、前記透過型の検出面202を移動させる外部アクチュエータに力フィードバック信号を提供することができる。
高速を必要とする用途など一部の実施形態において、この一体型アクチュエータは、前記柔軟機械構造204の力学(液体中および空気中の双方)により決定される速度で前記先端207を移動させる前記フィードバックループ内唯一のアクチュエータとして使用することができる。
図2Bは、例示的な一実施形態記載の力センサ250の集束イオンビーム(focused ion beam:FIB)顕微鏡画像を示したものである。図2Bに示した実施形態の場合、柔軟機械構造254は0.9μm厚で、アルミニウムから作製される。さらに、この柔軟機械構造254は直径150μmであり、0.5mm厚の水晶基板で1.4μm厚のフォトレジスト犠牲層の上にスパッタ蒸着を行うことで形成できる。図2Cは、前記基板252を通して背面から見た前記柔軟機械構造254の光顕微鏡画像を示したものである。この図では、格子256および電気接続部270が見られ、また前記柔軟機械構造254中央の先端257の位置には濃い色のスポット(斑点)も見られる。図2Bにおいて、90nm厚のアルミニウム格子256は、30nm厚のチタンまたは窒化チタンの接着層上に蒸着を行ったのち、フィルファクター50%で4μmの格子周期を有するよう蒸着層をパターン化することにより形成することができる。プラズマ化学気相成長法を使うと、220nm厚の酸化物層を前記格子256上に蒸着できる。この場合、結果的に得られる前記柔軟機械構造の剛性は、較正済みAFMカンチレバーを使って約133N/mと測定され、静電作動範囲は、崩壊直前で約470nmとなった。前記先端257は、FIBを使ってプラチナから製作された。この工程は、メチルプラチナガスを使ったイオンビームによるプラチナの化学気相成長法を伴い、この場合、分子は表面に吸着するが、前記イオンビームが相互作用する位置でのみ分解される。アルミニウムの前記柔軟機械構造254上で曲率半径を50nmまで小型化した前記先端257は、この方法で製作された。曲率半径70nmの一般的な先端のSEM顕微鏡画像を図2Dに示す。
種々の実施形態によれば、前記力センサ200は小型の一体型静電アクチュエータを有し、前記格子電極206と前記上部電極216との間の電場は間隙205内に含まれる。この構造を複製すると、以下より詳しく説明するように、良好に電気絶縁され機械的に隔てられた平面状のセンサアレイを形成することができる。柔軟機械構造および電極材料の適切なセットを使用することにより、本装置は、誘電体または導電性の流体内で操作可能になる。種々の実施形態によれば、静電力は、プローブの前記柔軟機械構造204だけに作用する。したがって、その作動速度は極めて高速にできる。したがって、これをアレイ操作と組み合せることにより、この力センサは、高速動作を必要とするプローブに応用可能となる。
図3Aは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサ300の概略図を示した図であり、図3Bは、同じく本開示に基づき協動的に作用する複数の力センサ300の概略図を示した図である。図3Aおよび図3Bに示した実施形態は、生体分子機構などの場合の並列力測定用の力センサとして使用することができる。図3Aおよび図3Bに示したこれらの力センサ300は、検出面302および柔軟機械構造304を有してよい。この力センサ300は、格子306と、前記柔軟機械構造304の上方に配置された先端307とを有してもよい。種々の実施形態によれば、柔軟機械構造304および先端307に、図3Aおよび図3Bにおいて318aおよび318bで表した(生体分子を含む)分子などの反応性物質を付着させることができる。一部の実施形態では、この力センサ300に上部電極316を含めることもできる。図3Bは、前記力センサ300が単一の検出面302に接触している状態を示している。ただし、場合により、2つ以上の力センサ300を別個の検出面に接触させて、別個に制御されるようにすることもできる。
これらの力センサ300を使用して、反応性物質の種々の材料特性を明らかにすることができる。例えば、生体分子結合については、例えば無機分子および/または生体分子などの有機分子を含む反応性物質に接触した前記先端307を、前記力センサ300上で移動させることにより決定できる。また、固定した前記先端307と相対的に前記力センサ300を移動させることも考えられる。前記柔軟機械構造304上の反応性物質は、前記先端307上の前記反応性物質に引き付けられる。例えば分子引力、光源、または温度源に起因した力、光、または温度といった刺激319が、例えば前記力センサ300または前記先端307にかかると、前記柔軟機械構造304が304’のように湾曲する場合がある。検出面302を通過して前記柔軟機械構造に当たるよう、光310を入射させることもできる。前記光310は、前記柔軟機械構造で反射されたのち、前記格子306により回折される。前記刺激が前記柔軟機械構造を変位させるに伴い、間隙305の厚さは変化する。これにより、反射された光は、前記柔軟機械構造が湾曲していない位置にある場合とは異なる態様で回折される。これにより、光が前記格子306を通過するに伴い、前記間隙の厚さに依存して異なる次数の回折光強度が生成されうる。回折された光312a〜cは、前記格子306を通過した後、前記検出器308で検出可能となる。前記柔軟機械構造304からの出力をフィードバックループで使用して、外部アクチュエータ(図示せず)により、先端と柔軟機械構造との間の距離(前記間隙の厚さ)、すなわち、先端と試料との間の距離(d)を調整することができる。種々の実施形態によれば、前記柔軟機械構造304を静電的に作動させて、前記格子306に取り付けられた電極320aおよび320bと、前記上部電極316とに、それぞれバイアス電圧を印加して望ましい力を加えることができる。
本明細書に開示する種々の技術を使うと、1mmから1×10−6Å/√Hz以下までの変位を測定することができる。そのため、帯域幅10kHzと、センサの柔軟機械構造の最も軟かい点における有効バネ定数約0.001N/m〜約1000N/mとで、1N〜1pNの力を検出することができる。これらの機械的パラメータは、MEMSマイクの柔軟機械構造などマイクロマシニングで加工した柔軟機械構造により達成できる。したがって、図3Aおよび図3Bに示したように、反応性物質との相互作用により官能基化された柔軟機械構造の表面および先端を使うと、光学的または静電気的な読み出し値を使って力分光法の並行測定を行うことが可能になる。
例えば、破断力を測定する場合、分子などの反応性物質は、引張られても結合が元のままの状態であれば、前記柔軟機械構造も引張られてその変位(かかった力)が測定される。前記結合が破断されると、前記柔軟機械構造は静止位置に戻る。当該力センサの柔軟機械構造は、個別に作動させ、個々の分子に引張り力をかけて延伸を測定することによりアレイ動作を可能人する。
図4A〜4Cは、本発明の教示に従った例示的な実施形態の斜視図を示した図である。図4Aは力センサ構造400の断面概略図を、図4Bは力センサ構造400の上面図を示している。この力センサ構造400には、AFMなどに使用されるカンチレバー422と、そのカンチレバー422の自由端に配置された力センサ401とを含めることができる。この力センサ401は、検出面402と、柔軟機械構造404と、間隙405と、格子406と、先端407と、上部電極416とを有してよい。さらに、前記カンチレバー422は、撮像用に一体化された先端を有する前記柔軟機械構造の撓みを光学的に読み出せるよう、透過型の(透明な)ものにできる。前記カンチレバー422は、上述した検出面の材料と同様な材料で作製してよい。実際、一部の実施形態では、このカンチレバー422自体が前記検出面402を有してもよい。あるいは、前記検出面は、前記カンチレバー上に形成された基板であってもよい。一部の実施形態では、前記カンチレバー422に反射器424を含めてもよい。
このカンチレバー422を使用して、タッピングモード画像のための周期的なタッピング衝撃力を提供し、接触モードまたは分子引張り実験用に制御された力を提供することができる。前記柔軟機械構造404は、前記カンチレバー422より硬質にでき、また液体浸漬により減衰可能であるため、前記カンチレバー422より測定帯域幅を著しく大きくすることができる。さらに、各次の回折光は前記柔軟機械構造404の下の前記格子406により生じるため、それらを光学的に読み出すと、先端変位を直接提供することができる。
種々の実施形態によれば、前記反射器424を使用して、ビームを跳ね返らせて、必要に応じフィードバック用にカンチレバーの撓みを調べることができる。場合により、前記先端−力センサの出力により、実質的な力フィードバック信号が得られる。前記カンチレバー422および前記柔軟機械構造404の寸法は、測定速度および力の要件に合わせて調整することができる。
図4Cは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサ401aの断面概略図である。この力センサ401aは、前記力センサ401に類似したものであるが、前記検出面402の基部403がより厚くなっている。また、図4Cには、前記格子406および前記上部電極416にそれぞれ接触した電気接続部420aおよび420bも示している。これらの電気接続部を使用して静電作動または静電容量検出を行うことができる。
図5Aは、本発明の教示に従ったタッピングモード画像のための力センサ構造500の一実施形態を示したものである。タッピングモードでは、前記先端−試料間の相互作用力が正確に測定できる場合は、表面形状のほか、材料特性の撮像および測定も行える。本明細書で開示する力センサ構造は、この動作モードの著しい問題を解決する。例えば、図5Bに示した正弦波駆動信号を使ってカンチレバーを振動させる場合は、図5Cに示したように、各サイクル中の短時間、表面から一定の距離になったところで前記先端が表面に接触し始める。表面形状情報を得るため前記振動の振幅は一定に保たれるが、その接触力、すなわち先端−試料間の相互作用力および期間は、その試料の材料特性および付着力に関係する。通常のカンチレバーの場合、その撓み信号は前記振動モードの信号より著しく小さいため、撓み信号の情報は、高調波に埋もれて大幅に減衰してしまう。種々の実施形態によれば、各タッピングにおいて前記先端507または前記試料518が受ける過渡的な力は、測定可能である。本明細書に開示する力センサでは、光干渉計または静電容量測定を使って前記柔軟機械構造/先端の変位を直接測定できるため、この過渡的な力の信号を得ることができる。前記柔軟機械構造の剛性を設計すると広帯域の応答が可能になり、短い過渡的な力の信号を測定できるようになる。この情報はカンチレバーの振動スペクトルとは独立したものであるため、この測定は、空気中および液体中の双方で有効である。
電気的に絶縁された電極を使うと、「アクティブな先端」を有するよう前記柔軟機械構造を作動させることができる。さらに、前記柔軟機械構造が作動されると、空気中または液体中の環境で光検出または静電容量検出の感度を最適化することができる。図6は、カンチレバー622上にセンサ601を有した力センサ構造600の応用を示したもので、矢印623で示すように先端607はアクティブな状態にある。図6では、このアクティブな先端607を使用して静電作動を用いて試料618の表面に既知の力を加えることができ、また光干渉による変位検出または静電容量による変位検出を達成できる。前記先端607は、例えば、格子606と上部電極616との間にバイアス電圧を印加することにより作動できる。さらに、矢印626で示したDC力を使用して前記先端607と前記試料との接触を一定に保つことができる。
光610を柔軟機械構造604へ向けると、格子606により回折された光の次数612a〜612cを検出器608で検出することができる。図4Cに示した前記力センサ401aと同様、前記柔軟機械構造の基部603の寸法を設計し、また動作周波数を前記カンチレバーの反共振周波数に選択すると、既知の静電力により前記柔軟機械構造604を移動させ、ひいては前記先端607を前記試料618内に押し入れることができる。これにより、前記柔軟機械構造604の変位を、光学的または静電容量的に測定することができる。また、一部の実施形態では、力センサにアクティブな先端は必要とされない。さらに光学的測定の場合、柔軟機械構造および格子の間の間隙は、力センサの製作中に最適化することができる。このため、図6に示したように、タッピングモード動作中に前記間隙を能動的に調整することが不要になる。静電容量検出の場合も同様に、容量変化を検出するための電気接続を提供することが可能である。その場合、前記力センサ601は、前記先端607にかかる力を測定するため、コンデンサマイクなどで使用される検出回路に接続することができる。
前記柔軟機械構造604を支持する前記基部603(または基板)の厚さを調整すると、前記柔軟機械構造604の動きにより確実に試料面に凹部が生じるよう動作周波数を制御することができる。この測定では、表面の弾性情報が直接得られる。種々の実施形態によれば、静電作動の周波数は、超音波範囲であってよい。あるいは、広帯域の衝撃力を加え、その結果得られる変位を、前記柔軟機械構造の変位力センサの帯域幅で検出することができる。これらの用途では、より高次のカンチレバー振動モード周波数を、第1の共振周波数から離れる方向へ移動させることが望ましい。これは、例えば前記カンチレバーの厚さまたは前記基部603の質量を調整するなどにより、当該カンチレバーの先端に近い質量を増加させることにより達成することができる。質量を追加することにより、そのカンチレバーは、より単一モードの質量バネシステムのように作用し、スプリアス振動を生じることなくタッピング信号を生成できるようになり、また広範囲の周波数で効果的になる。
一般に、タッピングモードのAFMおよびUAFMでは、広帯域で剛性先端の変位測定センサ/構造を、通常のAFMカンチレバーなどのコンプライアントな(柔軟)構造に一体化することができる。本明細書では主に柔軟機械構造について説明しているが、別の一実施形態によれば、先端変位測定構造は、前記柔軟機械構造、または例えば図7に示すような別の剛性カンチレバーと同じ断面を有した剛性梁構造であってもよい。図7には、力センサ701と、コンプライアントな構造722と、先端707と、剛性の広帯域構造など柔軟機械構造728とを有する力センサ構造700を示している。この場合、前記剛性の広帯域構造728は、カンチレバーである前記コンプライアントな構造722の端部に取り付けた小型カンチレバーであってよい。この小型カンチレバー728は、前記コンプライアントな構造722から距離(d)だけ離間して設けることができる。このコンプライアントな構造722を使用して前記剛性の広帯域構造728の側部に取り付けた前記先端707の衝撃力および/または接触力を制御することができる。さらに、前記剛性の広帯域構造728を使用して先端の変位を測定することができる。この先端707の変位は、例えば光学的に、静電的に、静電容量的に、圧電的に、またはピエゾ抵抗的に測定することができる。
種々の実施形態によれば、高速撮像およびタッピングモードの場合は、カンチレバーを省略することができる。この場合は、試料の高速XYスキャンまたは一体型先端を、上述のタッピング力および検出力用センサ/アクチュエータと併用することができる。例えば、力センサの基部を移動させる圧電アクチュエータを利用すると、高速で大きいZ軸方向の動きを生成でき、前記基部は厚い剛性基板であってよい。
本発明の教示に従った力センサの感度は、図8Aに図示した以下の例示的な実施形態により説明することができる。図8Aでは、先端807を伴う矩形のシリコン製AFMカンチレバー822が、一体型の回折格子806を具備した直径150μm、厚さ〜1μmでアルミニウム製の柔軟機械構造804の上方において57kHzで振動している状態を示している。この力センサ800の柔軟機械構造804は、水晶検出面すなわち基板802上に構築されている。最適な検出感度が得られる位置に移動させるため、この柔軟機械構造804にはDCバイアス電圧37Vが印加され、振動する前記先端807は、断続的に試料に接触するタッピングモード状の動作を有するよう十分近くに配置される。ビーム810が力センサ800を出る時点で格子806により回折されると、回折次数812が検出器808で検出できる。この位置で収集されるシングルショット信号は、図8Bに示したグラフの4行のうち上の2行(第1行および第2行)に示している。一番下のグラフ、図8Cは、第2行バージョンの各タッピングを拡大して示したもので、前記先端の衝撃による前記柔軟機械構造の過渡変位が明らかに見られる。この柔軟機械構造804がより軟質な材料で作製され、またはコンプライアント(柔軟)なコーティングが施されている場合は、その先端807が軟質の表面により長時間食い込み前記柔軟機械構造804に伝達する力が小さくなるため、測定されるタッピング信号の持続時間はより長くなり、その振幅はより小さくなる。したがって、そのタッピング力を測定すると弾性情報が得られ、この実施形態は、前記柔軟機械構造の薄膜コーティングに対する材料特性センサとして使用することができる。
また、前記先端807の接触が失われる際、前記柔軟機械構造804は、付着力または毛管力により引張られ、これにより力分光測定が可能になる。前記先端807は、各サイクルにおいて、前記柔軟機械構造804へ漸進的に近づけられ、前記柔軟機械構造804により長時間接触し、そのサイクルの最後に前記柔軟機械構造804を押し下げる。そのため、本明細書に開示する単純な力検出構造では、従来のAFM法では得られない情報を提供し、その結果、力分光法の応用に、より効果的なツールをもたらす。
本発明の教示に従った別の力センサの感度は、図9A〜Hに図示した以下の例示的な実施形態により説明することができる。図9Aに示すように、センサの柔軟機械構造904を伴った水晶の基板902は、前記先端907に近づいて力−距離曲線を得るための圧電スタックトランスデューサ927上に配置されている。前記柔軟機械構造904は、アルミニウム製で、直径150μm、厚さ1μmにして、剛性の回折格子電極906上方の2μmの間隙905の上に配置できる。この場合、前記格子の周期は4μmである。この間隙905は、いくつかの犠牲層エッチング穴(図示せず)を通じて空気中に開放されている。前記格子906は、例えばHeNeレーザー(λ=632nm)を使い、前記基板の法線方向から5°の角度で、前記水晶の基板902を通過して光を当てることができる。その出力光信号は、1次回折ビーム912b強度を記録することにより得られる。
AFMで先端−試料間の相互作用力を動的に測定する場合は、カンチレバー922をその共振周波数で駆動することのできる圧電AC駆動トランスデューサ926に、当該カンチレバー922を接着する。前記柔軟機械構造904としては、較正済みAFMカンチレバー922を使って中央で測定した場合に約76N/mの剛性を有するものを使用できる。この柔軟機械構造904に印加するDCバイアス電圧は、光検出を最適化するため27Vに調整し、感度は、較正済みAFMカンチレバー922および較正済み圧電ドライバを前記柔軟機械構造904に接触させ、16mV/nmと較正する。この場合、本システムの広帯域RMS雑音レベルは、機械的なレーザーまたは電気雑音を低減する労力をさして費やさない状態でも約3mV(0.18nm)であった。
力曲線は、前記基板902を支持する前記圧電スタック927を20Hzおよび850nmの三角波信号で運動させ、その信号周期の一部で必ず先端および柔軟機械構造が接触し合うようにして生成することができる。前記カンチレバー922としては、例えばVeeco Metrology(米国カリフォルニア州Santa Barbara)社製のFESP(k=2.8N/m)を使用できる。
図9Bは力曲線950を示したもので、挿入図(i)〜(v)は、前記カンチレバー922および柔軟機械構造904の形状を示し、白抜き矢印は、前記圧電スタック927および前記水晶の基板902の運動方向を示している。さらに、これらの挿入図(i)〜(v)は、前記曲線950のセクション(a)〜(e)にそれぞれ対応している。測定前、前記柔軟機械構造904は、挿入図(i)およびセクション(a)のとおり静止位置にある。先端−柔軟機械構造の接触はセクション(b)で約3msに始まり、前記先端は、挿入図(ii)および(iii)に示すように前記柔軟機械構造904を下方へ湾曲させる。先端−柔軟機械構造の接触は、セクション(c)の間継続し、セクション(d)の約26msまで続く。圧電運動は、セクション(c)から逆行し始める。セクション(d)では、挿入図(iv)に示すように、前記柔軟機械構造904が付着による引力で2ms引き上げられたのち、挿入図(v)に示すように、引き上げセクションの最後で180nNジャンプした後、静止位置へ戻ることが示されている。セクション(e)の曲線950は、その静止位置を示している。
前記力曲線に沿って時間分解した動的な相互作用力を直接観測するには、前記圧電AC駆動926に67.3kHzの正弦波信号を適用することにより前記カンチレバー922を駆動し振動させながら、同様な実験を行う。20Hzの駆動信号サイクル中に得られた前記柔軟機械構造のシングルショット過渡変位信号960は、図9Cのとおりである。測定中の種々の相互作用体系(A)〜(C)で示すように、動的な相互作用力の測定値からは、種々のタイプの情報が得られる。図9D〜Fでは、図9Cの初期タッピング領域(A)と、断続的接触から連続的接触への移行領域(B)と、連続的接触から断続的接触への移行領域(C)とのデータを拡張したものをそれぞれ示している。
まず左側から、前記カンチレバー先端907は、前記柔軟機械構造904に接触していない状態で始まり、約1msで前記柔軟機械構造904への断続的接触(タッピング)を開始し、図9Dに示すように個々のタッピングが検出される。前記カンチレバー922が前記柔軟機械構造904に近づくに伴ってパルスは単極性になり、そのゆがみは、図9Eに示すように、前記カンチレバー922が前記柔軟機械構造904に接触した時点で、非線形相互作用力による二重ピークのタッピング信号としてより顕著になる。前記先端907が連続的に接触している約4.2msの周辺で、変位信号は、前記駆動信号の周期性に加えて、接触の非線形性と、前記先端907が前記柔軟機械構造904に連結された状態の前記カンチレバー922の高次の振動モードとに起因すると考えられるゆがみを有する。同様に15ms周辺では、前記カンチレバー922が前記柔軟機械構造の表面から離れ始め、図9Fに示すようにタッピングが再開する。7ms〜12msでは、本曲線は非線形である。
個々のタッピング信号は、前記柔軟機械構造904の動的応答によりフィルタリングできる。この例では、前記力センサは最適化されず、前記柔軟機械構造904は、高速の相互作用力測定に理想的な広帯域の周波数応答を有する代わりに、620kHzの共振周波数で軽く減衰された共振器として作用した。それにもかかわらず、前記柔軟機械構造904の伝達関数は、例えば、本明細書で説明するように一体型の静電アクチュエータを使って取得することができる。
さらに、図9Gは、前記柔軟機械構造904について測定された応答の時間変化を示したものであり、この場合、アクチュエータ端子には、27VのDCバイアス電圧に加え100ns長の2V方形波が適用された。図9Gのトレース波形を、図9Hに示した個々のタッピング信号からの平均データと比較すると、剛性カンチレバーのタッピングは、逆フィルタリングで取得できる衝撃力に近いことがわかる。
このため種々の実施形態によれば、10−4Å/√Hzの最小変位検出レベルまで測定でき、ピコニュートン範囲の力レベルが監視可能な0.001〜10N/mの範囲のバネ定数を伴った機械構造を構築することができる。この感度レベルは、定量的な相互作用力測定、液体中や空気中での高速撮像、そして撮像用、リソグラフィ用、単一分子の分子間力分光法用のプローブアレイを含め、広い範囲のプローブ顕微鏡用途に役立つ。
図8A〜9Hは、先端で力センサに力をかけて行った感度試験の例であるが、先端を力センサに取り付け、その力センサを試料の特徴付けに使用しても同様な感度が達成できる。
図10Aは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサ1000の断面概略図である。このセンサ1000は、基板1002と、柔軟機械構造1004と、間隙1005と、先端1007と、電極1016a〜cなど隔てられた複数の上部電極と、底部電極1030とを有することができる。この力センサ1000の基板1002は、カンチレバー1022の端部に配置してよい。種々の実施形態によれば、前記柔軟機械構造1004は、上述し、また図10Aに示したように、その外周を完全に固定してよい。代替態様として、この柔軟機械構造1004は、図10Bおよび図10Cにそれぞれ示すように矩形またはH字状の両持ち梁であってよく、その場合は端部の短い縁部1040が固定される。さらに、この柔軟機械構造1004は、カンチレバー(片持ち梁)構造、または図10Dに示すように前記先端1007にかかった力に応じて予測可能な態様で形状変化する類似構造であってもよい。
各前記隔てられた複数の上部電極1016a〜cは、電気的に絶縁してよく、前記柔軟機械構造1004内に形成してもよい。さらに、前記底部電極1030は、前記隔てられた上部電極1016a〜cから前記間隙1005だけ離間してよい。また、この底部電極は、前記基板1002内に配置してよく、電極端子1020dに接触させてもよい。同様に、各前記隔てられた上部電極1016a〜cも、電極端子1020a〜cに接触させてよい。場合により、これらの電極端子1020a〜cおよび1020dは、前記隔てられた上部電極1016a〜cと前記底部電極1030との間の容量変化を検出できる静電容量型(コンデンサ型)検出端子であってよい。
図10Aでは、前記電極端子1020a〜cと1020dとの間に電圧を印加できる。この電圧を使うと、前記隔てられた上部電極1016a〜cを独立に制御および移動させ、アクチュエータとして機能させることができる。さらに、これらの隔てられた上部電極1016a〜cでは、マイクロマシニングで加工した二重電極の静電容量型超音波トランスデューサと同様な検出も行え、その場合、当該センサの柔軟機械構造の振動は、容量変化を介した電流信号に変換される。
例えば、本力センサ1000は高速撮像に使用することができ、その場合、バイアス電圧は、前記電極端子1020aおよび1020cと前記底部電極端子1020dとの間に印加し、同位相または逆位相の交流電圧を前記電極端子1020aおよび1020cに印加することにより、前記先端1007を縦方向または横方向に振動させて試料面に断続的に接触させる。一部のケースでは、非接触撮像用に、前記先端1007とその付近の表面との間の力を接触なしで検出することもできる。前記電極端子1020aおよび1020cに印加するバイアス電圧も、前記電極端子1020bと前記底部電極端子1020dとの間で検出される容量変化に応答して、前記先端1007の位置を制御する。外部コントローラ(図示せず)は、検出された容量変化を読み取り、前記電極端子1020aおよび1020cと、前記底部電極端子1020dとに与える制御信号(バイアス電圧)を生成する。
図11Aは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサユニット1100の断面概略図である。この力センサユニット1100は、力センサ1101と、検出面1102と、柔軟機械構造1104と、間隙1105と、先端1107と、電極1116a〜cなど隔てられた複数の上部電極と、第1の格子1106aや第2の格子1106bなど複数の格子と、少なくとも1つの検出器1108と、カンチレバー1122とを有してよい。前記第1の格子1106aは、前記格子1106bと異なる格子間隔を有してもよい。さらに、前記第1の格子1106aは、前記格子1106bと異なる配向を有してもよい。言うまでもなく、本明細書で説明する他の力センサ実施形態も、複数の格子を有することができる。
前記検出面1102は、前記カンチレバー1122の自由端に配置してよい。さらに、前記柔軟機械構造1104は、その外周を完全に固定してよく、また端部の短い縁部を固定した矩形またはH字状の両持ち梁にしてもよく、あるいはカンチレバー(片持ち梁)構造、または前記先端1007にかかった力に応じて予測可能な態様で形状変化する類似構造にしてもよい。
図11Aに示した力センサ1101は、横方向の力または摩擦の測定に使用することができる。例えば、力センサ1101を使用して、1104’で示すように前記柔軟機械構造に生じたねじれを検出することができる。隔てられた上部電極1116a〜cは、ねじれ運動または共振を励起するよう、前記柔軟機械構造1104上に配置できる。同様に、この柔軟機械構造1104は、前記先端1107により生じるねじれにより、または静電アクチュエータとして作用する前記第1の格子1106aと、前記第1の格子1106bと、前記上部電極1116a〜cとから位相をずらした作動を行うことにより、1104’のように非対称に曲げることができる。特に、前記第1の格子1106aおよび前記上部電極1116aにそれぞれ接触する前記電気接点1120aおよび1120bに電圧をかけることができる。これと同じ電圧を、前記第2の格子1106bおよび前記上部電極1116cにそれぞれ接触する前記電気接点1120cおよび1120dにかけることもできる。このように同じ電圧を印加することにより、前記柔軟機械構造1104は上下に湾曲する。これに対し、異なる電圧を同様に印加すると、当該柔軟機械構造1104にねじれを生じることができる。
前記検出面1102を通過してこの柔軟機械構造1104に当たるよう、光線(ビーム)1110を入射させることもできる。このビーム1110は、部分的に反射性であってよい前記柔軟機械構造1104で反射され、前記第1の格子1106aおよび前記第2の格子1106bにおいて異なる態様で回折される。図11Aに示したように、前記第1の格子1106aは第1の回折次数セット1112a〜dを生じ、前記第2の格子1106bは第2の回折次数セット1113a〜dを生じることができる。前記検出器1108は、これらの異なる次数の回折光を検出できる。これら検出器の出力を加算すると、上下の曲げ変位を検出することができる。同様に、これらの出力を減算すると、ねじれの運動および力を検出することができる。この情報が得られるのは、前記柔軟機械構造1104、両持ち梁、またはカンチレバーの第2の曲げモードのバネ定数(中心軸回りのねじれ)がわかっている場合である。これにより、前記第1の格子1106aおよび第2の格子1106bは、アクチュエータとして作用するほか、曲げ運動およびねじれ運動を光学的または静電容量的に分離するため使用することもできる。したがって、これらの検出器で検出された出力により、曲げ運動およびねじれ運動双方の情報が得られる。また、別個のビーム1110を使って前記複数の格子に光を当てることもできる。
図11Bは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサユニット1150の断面概略図である。この力センサユニット1150は、力センサ1151と、基板など第1の検出面1152と、柔軟機械構造1154と、間隙1155と、先端1157と、上部電極1166と、格子1156と、格子の柔軟機械構造作動入力1170aおよび1170bと、先端の柔軟機械構造作動入力1172aおよび1172bとを有してよい。前記力センサ1151は、カンチレバー(図示せず)の自由端に固定してよい。前記格子の柔軟機械構造作動入力1170aは、前記第1の検出面1152上に形成した酸化スズインジウムなどの透過型の(透明な)導体1173に接触させてよい。種々の実施形態によれば、前記柔軟機械構造1154は、前記格子から距離(d)だけ離間できる。さらに、この柔軟機械構造1154は前記上部電極1166を有してよく、前記格子1156は前記第1の検出面1152から離間してよい。
図11Bに示した前記力センサ1151は、光学的な変位測定感度を損なうことなく、前記先端の作動範囲を拡張できる。例えば、前記先端1157は、前記格子1156から比較的大きな距離だけ離して配置してよい。これにより、前記センサ1150を短絡させることなく、または損傷することなく、当該先端1157を大きな距離移動させることができる。さらに、この格子1156は、検出感度を最適なレベルに保つよう作動させることができる。例えば、この格子は、適切な感度をもたらすようλ/4の距離で作動できる(λは光1161の波長)。
前記先端1157および柔軟機械構造1154は、前記格子から種々の方法で離間できる。例えば、剛性支持体1179を前記第1の検出面1152上に形成して、前記第1の検出面1154を支持することができる。これにより、前記柔軟機械構造1154は、前記格子1156から所定の距離だけ隔てられる。第2の検出面1184は、前記第1の検出面1152との間に間隙を設けて、所定の距離だけ隔てることができ、その第2の検出面1184上に、前記格子1156を形成することができる。
前記センサ1150の動作は、上記と同様である。例えば、光1161は、透過型(透明)であってよい前記第1の検出面1152を通過して入射する。この光1161は、前記透過型の(透明な)導体1173および前記格子1156を通過し、前記柔軟機械構造1154に当たる。そして、前記柔軟機械構造1156で反射され、格子1156により回折されたのち、検出器1158に検出される。
図11Cは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサ1190の断面概略図である。この力センサ1190は、検出面1192と、一対の電極1193bおよび1193cの間に設けられた圧電薄膜1193aを有する圧電アクチュエータ1193と、柔軟機械構造1194と、間隙1195と、先端1197と、格子1196とを有してよい。この力センサ1190を、少なくとも1つの検出器およびカンチレバーと組み合わせると、力センサユニットを形成することができる。
種々の実施形態によれば、前記圧電薄膜は、ZnOやAlNなどの圧電材料を有してよい。この圧電薄膜は、前記柔軟機械構造1194および前記先端1197上に成膜しパターン化したものであってよい。前記圧電アクチュエータ1193は、例えば前記電極1193bおよび1193c経由でDC信号およびAC信号を送ることにより曲げおよび振動させることが可能なバイモルフ構造を形成している。種々の実施形態によれば、前記格子1196を中心を外して配置すると、感度を損なわずに検出できる広範囲の先端運動をもたらすことができる。
図12は、本発明の教示に従った力センサ1201a〜cのアレイ1200の断面概略図である。このアレイ1200は、検出面1102上に形成された力センサ1201a〜cなど複数の力センサを有してよい。各前記力センサ1201a〜cは、柔軟機械構造1204と、間隙1205と、先端1207と、電極1216a〜cなどの電極と、格子1206とを有してよい。種々の実施形態によれば、この力センサのアレイ1200を使用すると、撮像および検出が同時に行えるため、物理・化学・生物活性を検出すると同時に、試料1218面の撮像も可能になる。前記力センサ1201a〜cを、少なくとも1つの検出器1208およびカンチレバー(図示せず)と組み合わせると、力センサユニットを形成することができる。これら力センサ1201a〜cの一部は、例えば電極、高感度フィルム、または光導波路を含めるよう修正可能であり、他は、通常どおり表面形状のプローブ顕微鏡撮像に使用できる。これにより、各力センサは、同じまたは異なる機能を実施できる。
例えば、力センサ1201aを使用して、試料1218表面の弾性または付着度を測定および撮像することができる。さらに、前記格子1206を電極1216aと併用すると、接触子1220aおよび1220bの間にそれぞれ電圧を印加して前記柔軟機械構造1204を作動させることができる。弾性情報の測定は、外部アクチュエータを使い、または前記端子1220aおよび1220bに電圧を印加して、既知の動的および準静的な力を前記先端1207の表面にかけることにより行える。それと同時に、前記光検出器1208で各次数の回折光強度を監視し、または先端に生じた変位を決定する電気的手段で容量変化を検出することができる。粘弾性または付着度は、プローブ顕微鏡法分野の当業者に周知のコンピュータモデルを使って計算することができる。
力センサ1201bを使用すると、上記の説明と同様に、ビーム1210を使って検出器1208で検出可能な回折次数1212a〜cを生成し、試料1218の表面形状を測定および撮像することができる。力センサ1201bの場合は、前記格子1206を電極1216bと併用すると、接触子1220cおよび1220dの間にそれぞれ電圧を印加して前記柔軟機械構造1204を作動させることができる。
さらに、前記力センサ1201cを使用して試料1218の表面電位を測定および撮像することができる。力センサ1201cの場合は、前記格子1206を電極1216cと併用すると、接触子1220eおよび1220fの間にそれぞれ電圧を印加して前記柔軟機械構造1204を作動させることができる。さらに、電気端子1220gを使って前記力センサ1201cの先端1207に対するバイアス電圧を試料1218に印加すると、表面電位の測定に役立てることができる。前記力センサ1216cの先端1207は、他の電極1220fおよび1220eから電気的に絶縁された別個の電気端子1220hを有してよく、この電気端子1220hは、誘電センサの柔軟機械構造1204内に配置される。これにより、端子1220gおよび1220h間に接続された電位測定装置を使って、表面電位が測定可能になる。さらに、外部電源を端子1220gおよび1220hに接続してその回路の電流を測定すると、前記試料1218からのイオンまたは電子、あるいは当該力センサ1216cを浸漬した溶液中のイオンまたは電子の流れを局所的に決定することができる。
上記のとおり、前記力センサ1216aおよび1216bを使用して表面形状および弾性に関する情報を取得することができる。この情報を外部コントローラで使用して、個々の前記力センサの先端1207の位置を調整して測定を最適化することができる。したがって、本アレイ1200を使用して、弾性、電気化学ポテンシャル、光反射率、および蛍光性を測定すると同時に、表面を撮像することもできる。
図13Aおよび図13Bは、本発明の教示に従った例示的な力センサ1300の上面図および断面概略図をそれぞれ示したものである。図13Aおよび図13Bにおいて、この力センサ1300は、検出面1302と、格子1306と、先端1307と、静電カンチレバーアクチュエータの柔軟機械構造1317と、カンチレバー1322とを有する。図13Bに示すように、この力センサ1300には、例えばエッチングで前記検出面1302に穴1332を透設することにより作製可能な光ポートを含めることもできる。種々の実施形態によれば、前記格子1306は、この格子1306と反射性の前記カンチレバー1322との相対的な間隙1305の距離(d)を制御するため前記カンチレバー1322と独立して静電的に作動可能で変形可能な複数の導電フィンガーを有する回折格子であってよい。さらに、前記カンチレバー1322は、独自の静電作動機構1317を有してよい。独自の静電作動機構1317を有するこのカンチレバー1322を使うと、独立した力センサ構造のアレイに含まれる各カンチレバー1322について変位測定を最適化することができる。この能力により、表面形状に基づいた初期位置、撮像された試料とのずれ、さらに/または工程の不均一性を測定し、また補正することができる。
動作時は、例えば図13Bに示すように、前記穴1332を通じて前記カンチレバー1322へ光1310を入射させることができる。この光1310は、前記カンチレバーで反射されたのち、前記格子1306により回折される。その種々の回折次数1312a〜cは、検出器1308で検出できる。
図14は、種々の実施形態に係るAFMシステム1401で使用される力センサ構造1400を示したものである。このAFMシステム1401は、力センサ1403と、フォトダイオードなどの検出器1408と、レーザーダイオードなどの光源1411と、材料特性の画像処理用に制御ループを生成する第1のプロセッサ1440と、高速タッピングモード画像のために制御ループを生成する第2のプロセッサ1450とを有するコンピュータ1430とを有してよい。前記第2のプロセッサ1450は、本明細書で説明するように、さらに、一体型の静電アクチュエータを制御することができる。
図14に示すように、前記力センサ1403は、例えば検出面1402上に製造してホルダー1428上に配置してよく、そのホルダー1428は、外部の圧電アクチュエータ(圧電チューブ)1427に取り付けてよい。例えば、前記力センサ1403の格子1406からの+1次の回折光の強度は、前記先端1407の変位信号として前記検出器1408で検出される。例えば、格子周期が4μmでレーザー波長が670nmの場合、+1次の回折光は、前記格子の法線方向から9.6°の角度で反射される。前記検出面1402を入射ビーム1410に対し6.2°傾斜させると、合計22°の角度の偏向がもたらされる。種々の実施形態によれば、この力センサ1403では、前記光1410は、すべて有意に前記格子1406および柔軟機械構造1404から反射可能であるため、試料1418からの反射による光干渉の問題を解消できる。これにより、先端変位測定の背景雑音も抑えることができる。
本明細書で説明する力センサなどを有した当該AFM1401の性能は、一体型の静電アクチュエータを使って特徴付けられることができる。例えば、DCバイアス電圧24〜36V範囲での光干渉曲線が作成され、前記バイアス電圧は、最適感度点を30Vにするよう調整された。このバイアス電圧レベルでの変位感度は、204mV/nmであった。DC〜800kHzの帯域幅全体で測定された前記光検出器1408のRMS雑音は、18mV RMSであった。この値は、スペクトラムアナライザの測定で確認され、1/fコーナー周波数100Hzで1×10−3Å/√Hzの検出可能な最小変位雑音に対応する。0次モードおよび−1次モードで利用可能なレーザー出力および差動検出を使うと、この値は、レーザー出力を上げず、またエタロン検出を使わずに5×10−4Å/√Hzより十分低くすることができる。一般的な柔軟機械構造の動的応答も静電作動を使って測定され、高速タッピングモード画像に適した720kHzの共振周波数が品質係数4.1で示された。
このAFMシステム1401にコントローラをインターフェース連結する方式は、2つある。その第1の方式では、過渡的な相互作用力信号を使って材料特性を測定し撮像を行うため、コントローラ1443およびRMS検出器1445を有する前記第1のプロセッサ1440を使用する。前記圧電チューブ1427のZ入力は、2kHz、120nmピークの正弦波信号を生成するよう駆動され、一方、前記コントローラ1443は、試料1418へのタッピング時に前記力センサ1403で生成される光検出器信号のRMS値を一定に保つ。この2kHzの信号周波数は、垂直方向(Z方向)に前記圧電チューブの十分な変位を生成する能力と、一般的な力センサ構造1401の内部RMS検出器1445の周波数応答との間の妥協案として選択されたものである。第2のコントローラ方式では、高速タッピングモード画像のために前記第2のプロセッサ1450を使用する。この場合、前記圧電チューブのZ入力は無効にされ、一体型の静電アクチュエータを使って、500〜700kHzの範囲でピークピーク値(頂点間振幅)10nmの自由空気タッピング信号が生成され、さらに前記力センサ1403の先端1407の位置を制御して前記先端振動のRMS値を望ましい設定点に保つよう信号が生成される。
図15A〜15Cは、本明細書で説明する力センサを、図14に示したAFMシステムなどの動的モードで使用した場合の結果を示したものである。図15A〜15Cに示した結果では、過渡的な相互作用力に関する情報が、従来のシステムを上回る分解能で得られている。この例では、適切なアクチュエータにより、基板などの検出面を振動させ、駆動することができる。力曲線における引力領域も斥力領域も、各サイクルの位相中(I〜V)、前記先端1407が試料1418に接触するに伴ってプロットされる。図15Aの挿入図(i)〜(v)は、Z圧電アクチュエータにより基板が2kHzで振動するサイクル中の異なる位相における前記柔軟機械構造1404の形状を示している。 Fig.15Aは、各サイクルに対応する各位相中に測定された検出器出力信号も示している。前記検出器1408の出力は、前記先端1407にかかった力に比例している。
この特定の場合、位相I中、前記先端1407は試料1418の表面から離れた長距離から引力を受けている。前記試料の表面近くに移動すると、この先端1407は前記試料に急激に接触し(位相IIで先端位置は0.2nm変化)、全サイクルの約14%の間、接触し続ける。この周期の中間では、前記試料1418に斥力がかかり、相互作用力はピーク値163nNに達する(位相IIIで先端変位1.22nm)。この先端1407は、引き戻される際に毛管力133nNを受け(位相IV)、その後、前記試料の液体フィルムから離れる。図15Bに示したように、図14の前記コントローラ1443を使用して信号を一定のRMSで安定させることにより、この力センサの出力信号は試料1418に対し再現可能な個々のタッピングを示す。図に示した信号は、デジタルオシロスコープでの100回平均で、雑音レベルは、800kHzの測定帯域幅で1nN未満である。
このモードの操作は、局所粘弾性特性の測定に応用できる。例えば、図15Cでは、(100)シリコン(E=117GPa)試料およびフォトレジスト(PR、Shipley 1813)(E=4GPa)試料で、曲率半径50nmの先端を有するセンサを使って得られた個々のタッピング信号を比較している。最大斥力は、シリコン試料の方が有意に大きいが、先端−試料接触時間は、フォトレジスト(PR)の方が長く、シリコンがPRより剛性が高いことを示している。その結果、シリコン試料への初期接触中、時間信号の右上がりの傾斜は、PR試料に接触した場合より有意に大きくなる。このシリコン試料は、毛細管圧力曲線の極値がより大きいことも示している。これらの結果は、どちらも既存のモデルおよびデータに沿ったものである。さらに、前記先端1407は、これら2つの試料から異なる長距離ファンデルワールス力または静電気力を受ける。
図15A〜15Cに示した結果は、本明細書で説明する力センサの動的な力測定におけるユニークな特徴を実証している。特に、出力信号は、前記先端に相互作用力が働く場合のみ生じる。帯域幅が広く高感度であることにより、当該力センサは、高分解能で、背景信号を生じることなく、各タッピング中に過渡的な相互作用力の直接測定を可能にする。これにより、付着度、毛管力、粘弾性などの試料特性に関する情報が得られる。
この力センサを使用してタッピング信号の顕著な特性を各画素で記録することにより、種々の材料特性を画像処理できる。例えば、図14に示したAFMシステム1401を使用して過渡的な相互作用力を監視することができる。前記システム1401の第1のコントローラ1440を使用してタッピング中の前記先端1407を走査しながら出力信号のRMS値を一定に保つことができる。図16Aは、シリコン表面に4μmの周期的パターンで360nm厚、2μm幅のPRストリップを有した試料のPR領域およびシリコン領域に対する過渡的なタッピング信号を示したものである。そのタッピング信号間には、前記先端1407に作用する引力および斥力どちらの点でも有意な差が存在する。例えば、シリコン面は、PR面と比べ、はるかに大きな付着力を呈している。前記第1のコントローラ1440は、試料上でRMS値を一定に保つよう機能するため、PR領域で前記先端1407をより深く圧入させようとする。したがって、当該先端1407は、より大きな斥力を受ける。引力領域における個々のタッピング信号の形状は、環境に強く依存する。
試料の付着力がコントラストを決定付ける画像を形成するには、ピーク検出器回路を使って、図16Aの点Asiや点APRなどのピーク引力(peak attractive force:PAF)を画素値として記録すればよい。それと同時に、試料表面形状は、固定されたRMS値の設定点を使って記録できる。図16Bは、前記試料について結果として得られた付着力(PAF)および表面形状の画像1661および1662をそれぞれ示したものである。表面形状画像1662において、縞1664は、高さ360nmのPRパターン(Shipley 1805)に対応しており、縞1665はシリコン面に対応している。このPAF画像1661において、シリコン面は、付着力がより高いためPRより明るく見える。ピーク斥力(peak repulsive force:PRF)を画素値として記録することにより、図16Aの点RsiやRPRなどで試料の粘弾性がコントラストを決定付ける画像を取得することができる。
同じ試料領域で同時に記録されたPRFおよび表面形状画像は、図16Cで1671および1672にそれぞれ示すとおりである。PRF画像1671は、前記PAF画像と比べ、逆のコントラストを示しているが、表面形状画像1672は前回の図を再現している。PRストリップ1674は、図16Aに示した個々のタッピング信号で示したように、このPRF画像ではより明るく見える。また、前記PRストリップ1664と比べ、前記シリコン1665面にはより多くの汚染粒子が付着しており、これらの粒子は高いコントラストで可視化されている。これは、前記PAF画像1661で、シリコンについてより高い付着力が測定されたことと整合している。
RMS値の設定点に基づいた単純なコントローラについてはこの実施形態で説明しているが、個々のタッピング信号を望ましい時刻にサンプリングし、それらの値を制御ループで使用するものなど、異なる制御方式を使用することも考えられる。例えば、斥力のピーク値が制御変数として一定に保たれる場合、接触からピーク力までの時間がコントラストを決定する画像では、試料の剛性について直接的な測定値が得られる。その場合は、いくつかの既存モデルを使用してこれらの画像を定量的な材料特性に変換することができる。同様に、接触前後の引力ピークを検出すると、付着力のヒステリシスに関する定量的な情報を得ることができる。
図17Aおよび17Bは、図14に示した設定を使い、単一センサプローブで試料の表面形状について高速タッピングモード画像処理を行った結果を示したものである。このモードでは、前記圧電チューブ1427のZ入力の接続を切り離し、XY走査だけが行われる。タッピングモード画像の形成中に振動振幅を一定に保つため、前記先端1407を600kHzで振動させるにも、前記柔軟機械構造1404のバイアス電圧レベルを制御するにも、一体型の静電アクチュエータが使用される。
高速画像処理の試料としては、高さ20nm、幅1μmで、明確な段差を2μm周期で伴う標準的な較正格子(Veeco Metrology社製NGR−22010)が使用された。図17Aは、線走査(ラインスキャン)レート1Hz、5Hz、20Hz、および60Hzでの、前記格子の4μm×250nm領域(512×16画素)の画像を示したものである。図17Bでは、各画像について個々の走査線の断面プロファイルを示している。このAFMシステム1401は、最高60HzまでのXY走査能力を有していた。
比較のため、図17Cおよび17Dでは、図17Aおよび17Bの例に使用したものと同じ試料に対し、従来のAFMシステムを使ったタッピングモードの画像および線走査を示している。この市販のAFMシステムでは、タッピングモードでカンチレバーを使用していた。そのカンチレバーは、シリコン製で、300kHzの共振周波数を有していた(Veeco Metrology社製TESP−A)。この場合、このカンチレバーホルダー上には、アクチュエータとしてタッピング用圧電体が使用されていた。
図からわかるように、本明細書で説明するAFMシステムでは、少なくとも20Hz、場合により60Hzの線走査レートでも、格子を分離することができる。これと対照的に、従来のAFMシステムでは、5Hzから上記の明確な段差を追うことができなくなり、20Hz以降の線走査レートでは妥当な画像が生成できない。本明細書で説明する前記AFMシステム1401の画像処理の帯域幅は、約6kHzであった。ただし、図2Cの280で示したものなどの前記柔軟機械構造の両面でエッチング穴に出入りする空気流の力学的制御。空洞を密閉することにより、本明細書で説明する種々の力センサの画像処理の帯域幅は、60kHzを超える値まで拡張できる。さらに、前記力センサユニットは、空気中でさえ十分に減衰されるシステムであるため、RMS検出以外の方法を使用すると、より高速なコントローラを実装することができる。
図18は、本発明の教示に従った別の例示的な力センサユニット1800の断面概略図である。図18は、光源1811と、不透過型(不透明)で硬質な検出面1802上のフォトダイオード1808とを示している。前記検出面1802は、プリント基板、シリコンウエハー、または他のいかなる固体材料であってもよい。さらに、前記光源1811およびフォトダイオード1808は、外部に構成し、または外部から提供してもよく、また集積回路またはマイクロマシニング製造技術を使って前記検出面に取り付け、または前記材料内に直接製作してもよい。
この光源1811は、回折格子1806など、前記力センサユニット1800内の望ましい位置に光を入射させる光ファイバー、または適切な反射器を有する微細加工(マイクロファブリケーション)した導波路の端部であってよい。前記光回折格子構造1806は、前記光源1811の上方に位置し、反射性および透過性の経路が交互に設けられた領域により特徴付けられる。空洞を形成する間隙1805は、前記格子1806と前記検出面との間に形成され、何らかの望ましい圧力(低圧を含む)で任意のガスまたは混合ガスを密封しても、または周囲に開放してもよい。さらに、柔軟機械構造1804(反射面または反射ダイヤフラムとも呼ばれる)は、前記検出面1802へ光を反射する前記回折格子1806の上方に位置する。前記回折格子1806および前記反射面1804は、位相に敏感な回折格子をともに形成する。
図に示すように前記光源1811から光を受けると、その回折光は、前記反射面1804と前記回折格子1806との間の相対位置に依存し、または前記間隙1805の厚さに依存した強度を伴う回折次数1812aおよび1812bの形態で前記検出面1802へ向かって反射される。回折次数1812aおよび1812bは左右両側に現われ、通常、図18に示すように採番される。フィルファクター50%の位相に敏感な回折格子、すなわち反射性で透過型の(透明な)同じ幅を有した経路の場合、ゼロ次およびすべての奇数次だけが現れる。これら次数の任意の1つまたは任意のサブセットの強度は、フォトダイオード1808で測定でき、これにより前記回折格子1806と前記反射面1804との相対距離に関する情報が得られる。これら次数の角度は、回折格子期間Λおよび入射光波長λにより決定される。例えば、遠視野でのn次回折光の角度θは、次の関係式[1]により与えられる。
Figure 2008547007
各次数の回折光強度の間隙厚さに対する依存性を例示するため、ゼロ次および1次の回折光の強度を正規化して前記間隙に対しプロットしたのが図19であり、この場合、光は法線方向に入射すると仮定している。残りの奇数次(3次、5次、…)は1次光と同位相であるが、ピーク強度は減少する。この性質は、前記光源1811が前記反射器と前記回折格子1806との距離にわたりコヒーレントな場合に得られる。
さらに、フレスネルレンズなどの構造を使うと、各次の回折光を望ましい位置へ誘導することができる。この目的で、前記格子1806を湾曲させ、または各格子フィンガーをサブ波長サイズの格子セクションに分割することができる。
また、波長分割多重化を使うと、異なる波長の光を組み合わせて、格子周期の異なる多数の力センサに光を当てることができる。異なる力センサから反射されてくる各次の回折光は別個の光検出器で電気信号に変換することができ、または異なる波長の反射光を光導波路または光ファイバー内で組み合わせると、異なる波長で搬送される情報をデコードするプロセッサへの光接続数を最小限に抑えることができる。したがって、処理システムへの単一の物理結合または少数の物理結合でも、多数の力センサについて測定を行うことができる。
化学的および生物学的なセンサなど種々の実施形態によれば、前記反射面1804は、化学剤または生物剤に応答して反射率などの光特性が変化する単一材料または多層材料で作製することができる。同様に、前記反射面1804は、熱的刺激、化学的刺激、磁気的刺激、または他の物理的刺激により変形する単一材料または多層材料で作製したマイクロマシニング加工のカンチレバー構造またはブリッジ構造であってよい。例えば、赤外線(IR)センサは、IRを吸収する外層と、前記光源1811に対面した反射層とを含むバイモルフ構造で構成することができる。マイクや圧力センサなど他の実施形態において、前記反射器1804は、ダイヤフラムの形状であってよい。
多数の応用では、自己較正、感度、最適化、および信号変調の目的から、前記反射面1804の位置を移動しまたは制御することが望ましい。例えば、前記反射面1804が、マイクや静電容量型マイクロマシニング加工トランスデューサのようにダイヤフラムまたは柔軟機械構造である場合は、伝達および自己較正の点で前記ダイヤフラムを振動させて周囲の流体中で音を生成するのが望ましい可能性がある。また、前記ダイヤフラムの変位測定中、測定用の最大可能感度をもたらす位置へ、公称間隙1805の高さを制御することも望ましい可能性がある。これらの位置は図19の曲線の最大傾斜点に対応し、その場合、グラフから間隙の厚さが変化すると、各次の回折光強度の変化が最大になることがわかる。これらの例では、静電作動で実施できる追加作動機能を使用することができる。例示的な一実施形態では、このダイヤフラム構造1804の全体またはその特定領域を導電性にすることができる。これを達成するには、延伸高分子の柔軟機械構造、ポリシリコン、窒化ケイ素、または炭化ケイ素などの非導電材料を前記反射面1804に使ったのち、アルミニウム、銀、または任意金属などの導電材料をドーピングまたは成膜およびパターニングし、あるいはポリシリコンなどを有する前記柔軟機械構造1804にドーピングして、前記非導電材料の望ましい領域を導電性にする。
別の例示的実施形態では、前記回折格子1806の全体または一部を導電性にしてよい。前記柔軟機械構造1804および前記回折格子1806は、印加された電圧下で電荷を保持できるコンデンサ(キャパシタ)をともに形成する。その電荷により生じる引力の圧力強度は、電圧を制御することにより調整でき、前記柔軟機械構造1804の位置を精確に制御することができる。
図20Aおよび20Bは、この機能を実証したものである。まず、上昇する電圧レベルを印加し、前記柔軟機械構造1804を前記検出面1802へ向かって引張り、間隙1805を狭くする(図19の曲線で右から左への動き)。その結果生じる1次回折光の光強度の変化をフォトダイオードで測定し、上の図にプロットした。前記柔軟機械構造の位置を制御することがなぜ重要かを例示するため、次のように異なる間隙1805高さで当該柔軟機械構造1804の変位を測定した。異なる印加電圧において、音を使って、前記柔軟機械構造1804を一定の変位振幅で振動させ、結果として生じた1次回折光の光強度の変化を再び光検出器で測定した。図20Aの横軸に示すように、同じ入力測定値に対しより大きな測定信号が生じるようにするには、前記間隙高さを光曲線の急な傾きに対応する点まで変化させる電圧レベルが望ましい。上記では前記柔軟機械構造1804を変位させるため音圧を使ったが、本装置は、温度の変化や特定化学物質への曝露、またはかけられた力など、いかなる物理事象であっても、その事象の結果、前記柔軟機械構造1804が変位するよう設計されている限り測定するようカスタマイズすることができる。
この変位測定方式は、マイケルソン干渉計の感度を有し、この変位測定方式を使用して、1Hz帯域幅、1mWレーザー出力で最低1×10−6Åまでの変位を測定することができる。本明細書に開示する種々の実施形態では、非常に小さな体積内でこの干渉計感度が得られ、光源、参照ミラー、および検出器を、機械的に安定したモノリシックパッケージまたはハイブリッドパッケージに一体化することができる。さらに、この小型実施態様ではシステム内の機械雑音が低減され、アレイ製作が容易になる。これら種々の実施形態により達成される高感度および低雑音は、静電容量型検出ベースの他のマイクまたは圧力センサの性能をはるかに凌駕する。
図21は、本発明の教示に従った別の例示的な力センサ2100の断面概略図である。図21では検出面2102を有する力センサを示しており、この場合、この基板2102の後方に光源2111を配置することができる。この検出面2102は、反射された各次の回折光2112を通過させることもでき、これら回折光のいずれの光強度もこの基板2102の後方位置で測定できる。当該力センサ2100は、前記基板の一定領域が底部電極2116として作用する状態で、ダイヤフラムなどの柔軟機械構造2104と、静電作動で位置制御できるよう移動可能にできる回折格子2106とを有してもよい。前記柔軟機械構造−格子間の間隙厚さを変化させると、図18を参照して上述したように、前記柔軟機械構造の変位感度を最適化することができる。
前記検出面2102の材料としては、入射光波長で透過型の(透明な)選択肢がいくつかある。これには水晶、サファイア、および多種多様なガラスが含まれ、また特定のIRスペクトル領域の光に適したシリコン(ケイ素)であってもよい。さらに、直径100mm、厚さ500μmの標準ウエハーとしていくつかの製造業者が販売しているこれらの材料は、リソグラフィパターニングを含むすべての微細加工工程に適している。前記力センサ1800のように、いくつかの異なる材料タイプが前記柔軟機械構造に使用でき、プラットフォームとダイヤフラムとの間の空洞は、減圧しても、任意タイプのガス混合物で充填してもよい。
前記回折格子2106は、静電的に動かせるコンプライアント(柔軟)な構造を製造するよう寸法が選択される限り、任意の反射材料で作製してよい。力センサ1800で説明したとおり、静電作動には、上部電極および底部電極が必要とされる。種々の実施形態によれば、前記回折格子2106は上部電極として機能でき、前記底部電極2116は前記基板2102上に形成できる。さらに、これらの電極間の距離は、妥当な電圧レベル(<100V)で作動できるよう小さくすることができる(マイクロメートルのオーダー)。例えば力センサ2100の場合、これは、前記回折格子2106および前記検出面2102双方の領域を導電性にしてよいことを意味する。前記検出面2102上に形成する前記底部電極2116として金属または他の任意の不透過型(不透明)材料が選択された場合、その電極領域は、前記回折格子2106および前記柔軟機械構造2104へ向かう光の伝達に干渉しない領域に設けなければならない。あるいは、酸化スズインジウムなど光学的に透明で導電性でもある材料を使用して、プラットフォーム上に前記底部電極2116を形成することもできる。力センサ2100では、静電作動を活用しながら、構造および材料の点で前記柔軟機械構造2104の設計に大きな自由度を有することができる。
図22は、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。図22は、共振型(ファブリペロー空洞)光学力センサ2200の実施態様を示したもので、この力センサを使用すると変位感度を改善でき、この変位感度は、外部励起による柔軟機械構造の単位変位(空洞間隙の単位変化)あたりの回折ビームの強度変動として定義できる。この力センサ2200は、検出面2202と、底部ミラー2203などの2枚の平行なミラー層と、上部ミラー2204と、格子2206とを有してよい。種々の実施形態によれば、前記底部ミラー2203は、前記検出面2202上に形成でき、前記格子2206を含んでよい。さらに、前記上部ミラー2204は、ダイヤフラムまたは柔軟機械構造としても機能できる。
前記底部ミラー2203および前記上部ミラー2204は、図22に例示したように、前記格子を埋め込んだ間隙または空洞2205で分離してよい。上記のとおり、前記柔軟機械構造2204は、高反射率を有し前記上部ミラーとして機能させることができ、前記底部ミラー2203は、前記回折格子2206の下に配置できる。これらのミラー層は、例えば金属薄膜、4分の1波長(λ/4)厚の媒体を交互に積層した誘電体スタック、またはそれらの混合材料を使って構築することができる。
図23Aは、銀で作製した金属ミラーについて、前記間隙2205に対する1次回折光の計算強度を示したものであるが、望ましい波長で高反射率および低損失であれば他のいかなる金属も使用できる。この図から、当該共振型光学力センサ2200の空洞間隙2205に対するこの1次の回折光強度の変化は、反射率といった前記ミラー層の光特性に依存して、図19に示したものと異なることがわかる。図23Aからわかるように、強度曲線の傾き、すなわち前記ミラーの反射率は、金属層の厚さが増すとともに大きくなる。また、光出力1mWの入射光の1次回折光強度が応答性0.4A/Wのフォトダイオードといった検出器で検出される場合、感度は、柔軟機械構造の単位変位あたりの光電流(A/m)で評価される。各種金属の計算結果を図23Bに表す。例えば、変位感度は、ミラーに20nm厚の銀層を使うと15dB改善できる。光損失がより高い異なる金属では、アルミニウムの場合のように、この改善がより少なく、あるいは感度が低下する。
図24Aは、アルミニウムダイヤフラム付きの約15nm厚の銀ミラー層を具備した若しくは具備しない2つの構造で得られた実験データを示したものである。図24Aでは、ミラーなしの一実施形態のデータを示している。図20Aと同様、DCバイアス電圧の増加が、図24Aの強度曲線を右から左へトレースする上で役立つ。この実施形態ではファブリペロー空洞を形成していないため、強度曲線は滑らかである。
図24Bは、銀ミラーを具備したファブリペロー空洞について同じ曲線を示したものである。この実施形態において、強度曲線は、16〜18VのDCバイアス電圧周辺でより鋭い特徴および大きな傾きを有する。これは、図23Aで予測された変化に類似している。また、感度依存性は、20kHzの外部音源をダイヤフラムに適用し、異なるDCバイアス電圧レベルで1次の強度を記録して確認された。図24Cはこのような実験の結果を示したもので、DCバイアス電圧が16Vの場合、光検出信号は40Vの場合と比べて著しく大きくなり、平均強度はどちらでも変わらないことが確認される。ファブリペロー空洞構造なしの通常のマイクでは、40VのDCバイアス電圧でより大きな信号レベルが得られると期待される。
図25は、誘電体ミラーの場合の前記間隙2205に対する1次回折光の計算強度を示したものである。この実施形態の誘電体ミラーは銀およびSiO/Siのペアで作製されたものだが、望ましい波長で高反射率および低損失が得られる他のいかなる誘電体材料の組み合わせも使用できる。ミラーの反射率は、ミラー材料の所与の選択肢に対し、金属膜の厚さと、交互に積層する誘電体ペアの数とを変更して制御できる。図25では、このペア数が2から8に増えるに伴い強度曲線の傾きがより急激になって、結果的により高い感度が得られている。
この誘電体ミラーの場合と対照的に、金属ミラー反射による1次回折光のピーク強度振幅は、金属膜での光損失のため減少していることから(図23A)、金属ミラーを使った応用では吸収損失の低い金属の方が良好な結果をもたらす。また、最適なバイアス電圧位置は、金属ミラーの反射率によりλ/2の倍数へ向かう。ただし、最適なバイアス電圧位置は、前記柔軟機械構造2204を静電作動させると容易に達成できる。
前記共振型光学力センサの方式は、本明細書で説明する他の微細構造にも製作工程に単純な修正を施して適用できる。
図26は、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。この図では、検出面2602と、柔軟機械構造2204(別称「ダイヤフラム」)と、間隙2605(別称「空洞」)と、格子2606とを有する力センサ2600を示している。前記格子2606は反射性であってよく、透過型(透明)であってよい前記柔軟機械構造2204上に形成できる。さらに、前記格子は、反射型の回折フィンガーを有してよい。種々の実施形態によれば、前記検出面2602は反射性であってよい。当該力センサ2600は、図26に示すように、前記柔軟機械構造2204の上面から光を当てた場合、位相に敏感な回折格子を形成することができる。図18に示した実施形態と同様、ゼロ次およびすべての奇数次の回折光だけが反射され、前記回折格子2606と前記検出面2602との間の前記間隙2605に依存する強度を有する。前記間隙2605の厚さには、任意の透過型(透明な)材料で作製してよい前記柔軟機械構造2604の厚さを含めることもできる。透過型(透明な)材料の例としては、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、水晶、サファイア、またはパリレンなどの延伸高分子膜などがある。反射性の前記検出面2602としては、半導体基板またはプラスチックを含む任意の材料に金属などの反射層コーティングをしたもので十分である。本明細書で説明するような静電作動機能を加えるには、前記検出面2602および前記柔軟機械構造2604双方の領域を導電性にすればよい。前記柔軟機械構造2604の場合、これは、前記回折格子2606に反射性且つ導電性の材料を使うことで達成できる。これは、例えばいかなる金属でもよい。種々の実施形態では、光源2611および検出器(図示せず)が前記柔軟機械構造2604の上部側にあるため、この特定の実施形態では遠隔計測(リモートセンシング)能力が得られる。例えば、圧力変化による前記柔軟機械構造2604の変位を測定することが望ましい場合(圧力センサやマイクの場合など)は、前記検出面2602を一定の表面に取り付けて、前記光源2611および検出器は、前記ダイヤフラムに必ずしも近くない遠隔位置に設置することができる。
遠隔測定のほか、前記力センサ2600は、出力信号を変調するよう遠隔的に作動できる。例えば、前記格子2606を具備した前記柔軟機械構造2604へ望ましい周波数の音響信号を向け、ロックインアンプ(ロックイン増幅器)などの方法を使って同じ周波数で出力信号を測定することができる。その出力信号の大きさおよび位相からは、前記柔軟機械構造2604について図19に示した光強度曲線上の位置に関する情報、ひいては静圧その他温度などのパラメータに依存する可能性のある情報が得られる。電磁輻射を使うと同様な変調技術を実施でき、その場合は、固定電荷を伴った柔軟機械構造に静電的にバイアス電圧を印加したものに電磁力をかけ、これを動かすことができる。この場合、前記柔軟機械構造は、電荷漏れの少ない何らかの誘電体材料で作製することができる。
図27は、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。この図では、検出面2702と、電極2703を有する透過型(透明な)支持体と、柔軟機械構造2704(別称「ダイヤフラム」)と、間隙2705(別称「空洞」)と、格子2706と、検出器2708とを有する力センサ2700を示している。力センサ2700内の前記検出面2702は、光源および検出器2708を前記検出面の後方に配置できるよう、透過型(透明)にすることができる。ただし、前記光源および検出器2708を前記検出面上に配置することも同等に実行可能であり、これによりシリコンウエハーまたはプリント基板などの基板を使用できるようになる。種々の実施形態によれば、前記格子2706は移動可能であってよい。本明細書で説明するように、前記格子2705と反射性の前記柔軟機械構造2704との間の前記間隙2705を制御すると、検出感度を最適化することができる。
前記間隙2705の厚さを制御する際は、前記柔軟機械構造2704の位置、前記格子2706の位置、またはその双方を制御するなど種々の方法を使用することができる。さらに、この力センサ2700では、前記空洞2705内で前記光源2708および前記柔軟機械構造2704の間のどこにでも前記格子2706を配置できる。
種々の実施形態によれば、上記の例えば図22に示した実施形態ようにファブリペロー空洞を使って変位感度を強化する場合は、高反射性の半透過層(半透明層)を使用できる。例えば、ファブリペロー空洞は、半透過層(半透明層)を前記回折格子に近接させて配置および使用する場合、上述した他の実施形態のいずれとも併用実装できる。
例えば、図18および図21に示したセンサでは、前記格子の頂面上または底面上に半透過層(半透明層)を配置できる。さらに、図26に示した前記力センサの場合は、前記回折格子が位置する前記柔軟機械構造の頂面上または背面上に半透過層(半透明層)を配置できる。
例えば、図28Aは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。この図では、検出面2802と、柔軟機械構造2804(別称「ダイヤフラム」)と、第1の間隙2805A(別称「第1の空洞」)と、第2の間隙2805B(別称「第2の空洞」)と、第1の格子2806A(別称「参照格子」)と、第2の格子2806B(別称「検出格子」)と、検出器2808と、光源2811とを有する力センサ2800を示している。前記第2の格子2806Bは、透過型(透明)であってよい前記柔軟機械構造2804上に形成できる。さらに、この柔軟機械構造2804は、前記第1の格子2806Aの上方に形成できる。
この実施形態において、前記柔軟機械構造2804は、上述したミラー状の均一な反射体表面ではなく、反射型の回折格子(第2の格子2806B)であるか、それを有する。さらに、この柔軟機械構造2804反射体上の前記第2の格子2806Bは、前記第1の格子2806Bと同じ周期性を有してよいが、オフセットしてもよく、また前記第1の格子2806Aとの間の間隙より幅狭の回折フィンガーを有することもできる。このオフセットにより、入射光の一部が通過可能になる。図28Aに示したように、この構造では、光源2811からの入射光の一部を前記力センサ2800全体を通過可能にし、さらに新しい回折次数を反射場に導入することができる。したがって、これにより上記とは異種の位相格子が得られる。
図28Bは、格子を2つ有したセンサの動作を理解する一助となるよう提供したものである。例えば、前記第1の格子2806A(参照格子とも呼ばれる)から反射された光の位相(φ)と、前記柔軟機械構造2804上の前記第2の格子2806Bから反射された光の位相(φ)とを考慮する。φおよびφの差が2kπ(k=0,2,4,…)の場合、これら格子をまとめた見掛けの周期はΛgで(前記透過型(透明な)ダイヤフラム2804の透過率が100%と仮定した場合、見掛けの反射率が1,0,1,0となる領域の周期)、偶数次の回折光が角度を成して反射される。
Figure 2008547007
対照的に、φおよびφの差がmπ(m=1,3,5,…)の場合、これら格子をまとめた見掛けの周期は2Λgで(前記透過型(透明な)ダイヤフラム2804の透過率を100%と仮定した場合、見掛けの反射率が1,0,1,0となる領域の周期)、奇数次の回折光が角度を成して反射される。
Figure 2008547007
ここでは、前記参照格子2806Sと、前記柔軟機械構造2804上の前記第2の格子2806B上の反射性フィンガーの幅が同じであると仮定している。この仮定は、干渉し合うビームが異なる経路を通過し、種々の界面で反射による損失を経て、また入射角度が変動する場合、必ずしも適用する必要はない。この回折格子の構造を調整すると、反射される各次回折光の強度を均一化して干渉を最適化することができる。
例えば図28Aに示した二重格子構造では、奇数次および偶数次の回折光強度は、前記参照格子2805Aと検出格子2805Bとの間の前記間隙2805Bが変化すると、互いに180°位相がずれる場合がある。偶数次の回折光は、前回の実施形態で考慮した反射されてくるゼロ次の回折光と同じ位相になる。
鏡面反射と同位相の他の軸外の偶数次回折光を有することの利点の1つは、差分法の技術を容易に利用できることである。これは、奇数次および均等次の回折光を検出するよう配置された2つの検出器の出力差分を取ることにより実施される。どちらの次数にも共通するレーザー強度雑音の共通部は排除できる。
また、図29A〜31に示すものなどの顕微鏡プローブユニット(別称「プローブユニット」)も提供される。これらのプローブユニットは、プローブ先端、力センサ、検出器、および/または光源を種々に組み合わせて具備できるカートリッジであってよい。試料と相互作用する先端は頻繁に交換しなければならない可能性があるため、例示的なプローブユニットも容易に顕微鏡システムに配置できるようになっている。さらに、プローブユニット全体が使い捨て可能である。細く湾曲したカンチレバーの先端をレーザーを使い配置する必要がある従来のAFMシステムと異なり、本プローブユニットは、単純に所定の位置に配置できる。例えば、本プローブユニットには、単純な位置決め用の配置ガイドを含めることができる。これらのプローブユニットには、間隙により検出面から隔てられた柔軟機械構造を含む力センサを含めることもでき、その場合、当該プローブユニットは、顕微鏡システムの所定の位置に配置されるよう設計される。機械的なガイドなどの配置構造を使用して顕微鏡システムのプローブユニットを容易に位置決めすることができる。また機械的なガイドに加え、光検出器などで捕捉される光信号を使用して、プローブユニットの位置決めを微調整することもできる。一部のケースでは、顕微鏡システムの平坦で硬質な表面上でプローブユニットをスライドさせて、プローブユニットを横方向に位置決めするだけでよい。さらに、プローブユニットに較正信号を適用すると、測定前に共振周波数や剛性などのプローブパラメータを決定できる。また、波長が調節可能な光源を使用してプローブ先端で外面に触れることなく変位感度を較正することができる。このプローブユニットには、図11B〜11Cなどに示した一体型アクチュエータと、光源および光検出器を使った高感度プローブでの力読み出しとを組み合わせて、または容量変化に基づき先端変位を測定する電気回路とを組み合わせて、含めることもできる。
図29Aは、検出面2902に取り付けられた力センサ2901を有する例示的な基本的顕微鏡プローブユニット2900を示したものである。この力センサ2901は、間隙2905により検出面2902から隔てられた柔軟機械構造2904を有してよい。種々の実施形態によれば、前記検出面2902は格子2906を有してよい。上記のように、前記格子2906は、可動格子にしても、基板2903上に配置してもよい。さらに上述のとおり、格子を使用しない場合は、前記検出面で静電容量型、ピエゾ抵抗型、または圧電型の検出を行ってもよい。格子を使う場合は、前記検出面で光検出を行える。さらに別の実施形態によれば、この力センサには、前記柔軟機械構造2904に連結されたプローブ先端(別称「先端」)2907を含めることもできる。一部のケースでは、この先端を磁化して磁力測定能力を提供することができる。
電気接続部2920aは前記検出面2902に接続でき、電気接続部2920bは前記柔軟機械構造2904に接続できる。これにより、これら電気接続部は、格子2906を使う場合などに、前記柔軟機械構造2904および/または前記検出面2902を作動させるため電気信号を供給することができる。このため、前記格子を前記電極に物理的に接続する必要がなくなる。
電気接続部2920aおよび2920bは、DCおよび/またはACで前記柔軟機械構造2904に力を加えることができ、望ましい場合は、上記のように格子2906などの検出面2902にも力を付与できる。力は、感度、撮像(画像処理)、および操作を最適化する目的で付与することができる。付加的な電気接続部を使用すると、前記力センサ2901と試料2918の表面との間で電気信号を適用および/または検出することができる。静電容量型、ピエゾ抵抗型、または圧電型の検出を行う実施形態など、検出目的で電気信号を使う場合、顕微鏡システムは、適切な電気接続部も有さなければならない。前記例示的な基本的顕微鏡プローブユニット2900は、図14に示したように、より大きなプローブ顕微鏡システムの一部として使用できる。
種々の実施形態によれば、このプローブユニット2900は、顕微鏡システム内で容易に位置決めおよび配置できる。例えば、このプローブユニット2900は、顕微鏡システムに取り付けられたガイドを使って適切な配置を誘導するよう構成できる。一部のケースでは、このプローブユニット2900に以下で詳述する剛性機械構造を含めることができ、この機械構造自体は、顕微鏡システム内で容易に配置できる。
図29Bは、本発明の種々の実施形態に係る別のプローブユニット2950を示したものである。プローブユニット2950は、図29Aに示したプローブユニット2900に類似しているが、検出器2908を少なくとも1つ含めることができる。上述のとおり、この検出器は、前記プローブ先端2907が試料2918と相互作用するに伴い前記柔軟機械構造2904の動きを検出するよう構成できる。同様に、前記プローブユニットが静電容量型、ピエゾ抵抗型、または圧電型の検出を使って機能する場合は、試料と相互作用する前記柔軟機械構造2904の動きを検出するよう当該検出器を構成することができる。
前記プローブユニット2950は、剛性機械構造2982をさらに有してよい。この剛性機械構造を使用して前記基板2903および前記検出器2908を含め、前記力センサ2901および前記検出面2902を堅固に把持することができる。種々の実施形態によれば、前記プローブユニットは、光源2910をさらに有してよく、この光源2910は、図29Bに示すように、前記剛性機械構造2982に取り付けてよい。前記剛性機械構造2982は、光源2910から放出される光や前記格子2906から反射される光など所定の波長の光を透過させる材料で作製することができる。例えば、この剛性機械構造は、ガラス、溶融石英、水晶、サファイア、または光源の波長を透過させる任意の固体材料であってよい。この剛性機械構造2982は、機械的な支持のほか、前記光源2910から放出される光が前記柔軟機械構造2904に当たるよう透明な光経路を提供する。さらに、前記格子2906から前記検出器2908へ反射される光に対しても、透明な光経路が提供可能である。この透明な光経路は、空気、減圧空洞であってよく、あるいはガラス、溶融石英、水晶、サファイア、または前記光源の波長を透過させる任意固体材料などの透過型の(透明な)固体であってよい。
当該プローブユニット2950には、前記力センサ2901および前記検出面2902を前記剛性機械構造2982上の所定位置へ誘導するため使用できる配置構造2983を含めることもできる。図29Bの配置構造2893はブロックとして示したが、当業者に公知のいかなる配置構造も使用できる。プローブユニット全体を顕微鏡システム内で容易に位置決めできるよう、プローブユニットに配置構造を含めてもよい。
図29Bに示したプローブユニット2950には、上述したものなどのアクチュエータを含めることもできる。種々の実施形態によれば、前記プローブ先端2907を移動させるよう、前記剛性機械構造2982に垂直アクチュエータ2985を取り付けることができる。その場合は例えば、前記プローブ先端2907を、前記柔軟機械構造に対し、垂直軸2951に沿って実質的に法線方向に位置決めすることが可能になる。このように、前記垂直アクチュエータ2985を使うと、前記プローブユニット2950全体を前記垂直軸に沿って上下に移動させ、試料表面に近づけることができる。別の実施形態では、前記剛性機械構造2982と前記力センサ2901との間に、前記垂直アクチュエータ2985を配置することで、前記垂直軸に沿った前記プローブ先端2907の動きを実現できる。この垂直アクチュエータ2985は、広範囲(約1μm〜約1cm)のステッピングモーターと、微調整アクチュエータとを組み合わせたものであってよい。一部の実施形態では、この微調整アクチュエータの作動帯域幅をDCから10MHzとして、力センサの種々の撮像(画像処理)モードをサポートすることができる。種々の実施形態によれば、水平アクチュエータを試料または前記剛性機械構造に連結することができる。これは、撮像(画像処理)を目的とした場合に役立ちうる。特に、前記水平アクチュエータでは、前記力センサを水平(横)方向に走査できる。高速撮像(画像処理)用途では、前記力センサに接続されたアクチュエータを、システムにおける最速の垂直アクチュエータまたは水平アクチュエータとして使用することができる。
種々の実施形態によれば、前記試料2918は、垂直方向および水平(横)方向に作動可能なステージ(試料台)2919上に配置でき、前記剛性機械構造2982は、当該試料2918の基部に対し静止したままである。その垂直試料アクチュエータは、広範囲(約1μm〜約1cm)のステッピングモーターと、微調整アクチュエータとを組み合わせたものであってよい。測定および撮像(画像処理)の用途では、前記力センサに接続された追加アクチュエータを、システムにおける最速の垂直アクチュエータまたは水平アクチュエータとして使用することができる。
種々の実施形態によれば、前記光源2910は、上記などの光源であってよい。特定の実施形態において、この光源2910は、(可動または静止)格子と柔軟機械構造との距離の2倍以上の時間的コヒーレンス長を有してよい(例えば、これは前記間隙2905の距離であってよい)。前記光源2910は、前記格子への直接的な光経路がある適切な距離だけ離れた位置に固定できる。さらに、当該光線は、少なくとも4〜5つの格子周期に光を当てる上で十分幅広いスポットサイズを有する必要がある。例えば、約4μm周期の格子を少なくとも4つ有する格子の場合、ビームは、少なくとも4つの格子に光を当てるよう、少なくとも約16μmの直径を有する必要がある。種々の実施形態において、ビームは、格子の法線方向に近い角度αで格子に入射する必要がある。例えば、αは、法線方向から約0度〜約30度離れてもよい。
種々の実施形態によれば、検出器2908は、フォトダイオードなどの光検出器を有してよい。上述のとおり、光検出器は、各次の回折光が十分分離され分解可能になるよう、前記格子2906の遠視野など適切な距離に配置することで、反射された各次の回折光を捕捉することができる。光源の場合と同様、検出器の位置も光源波長および格子周期により事前に決定できる。n次の回折角度に関する単純な式は、次のとおりである。
Figure 2008547007
ここで、λは光源の波長、dは格子周期、φは法線方向からの角度である。より多くの回折次数を捕捉し、より多くの光出力を利用して、感度を高め、測定雑音を軽減するには、光検出器を複数設けることができる。0次の回折光およびより高次の回折光の信号は相補的で、互いに減算すると、測定での光強度雑音を最小限に抑えることができる。各次の回折光で必要な光量を検出するため光検出器を十分大きく作製すると、振動による雑音を最小限に抑えることができる。
図29Cに示すように、本プローブユニットには、前記格子2906に効果的に光を当て、反射される各次回折光の検出を改善するよう光線を方向付けるレンズなどの光学的な構成要素(光学部品)を含めることもできる。例えば、本プローブユニットには、前記剛性機械構造2982内に設けられたレンズ2987およびレンズ2988を含めることができる。レンズ2987は、前記光源2910から放出される光2992を前記格子2906へ向かって形作り、また方向付ける。さらに、レンズ2988は、前記格子から反射された光2994を前記検出器2908へ方向付け、形作る。これらのレンズに加え、適切なサイズおよび反射率のミラーも、前記プローブユニットの一部としてよい。例えば図29Dに示したように、ミラー2995を使用して、前記光源2910からの入射光2992を、前記格子2906へ方向付け、または反射光2994を検出器2908へ方向付けることができる。必要に応じ、レンズ2987などのレンズを配置して光を集束させてもよい。種々の実施形態によれば、前記ミラーを使用して前記プローブユニット内に前記光源2910および前記検出器2908を配置することにより、このプローブユニットの体積または重量を減らすことができる。レンズおよび/またはミラー、その他ビームスプリッタ素子や光ファイバー素子などの光学素子の他の構成を使うと、前記プローブユニット内で光を方向付けられることは、当業者であれば理解されるであろう。
図29Eは、前記顕微鏡プローブユニット2950の一部の側面図である。図29Dに示すように、光源2910から放出される光2992は、柔軟機械構造2904および格子2906へ方向付けることができる。その光は格子2906で反射され、各次の回折光2994がフォトダイオード2908へ方向付けられる。
種々の実施形態によれば、当該プローブユニットは、図10A〜10Dおよび図11A〜11Cなどの力センサを有する。これらの構造を使用して、異なる方向から柔軟機械構造にかかる力を検出し、また異なる方向にプローブ先端を作動させることもできる。図10A〜10Dおよび図11A〜11Cに示したように、これらの力センサは、周期が同じで配向が異なる複数の回折格子、周期が異なり配向は異なるか同じである複数の回折格子を有してよく、または例えば静電容量型の検出および作動を行う複数の別個の電極を有することができる。この場合、前記プローブユニットは、各別個の格子の下の当該プローブの撓みを測定するため、複数の光源および複数の光検出器を有してよく、あるいは、単一の光源を有しながら、各格子から反射される各次の回折光用に異なる光検出器セットを有することもできる。これら各次の回折光の分離は、格子周期または格子配向の調節により実現される。同様に、本プローブユニットは、別個の電極の上方でプローブ構造が動くことによる容量変化を検出するためそれぞれ使用される複数の電気回路を有することができる。
本プローブユニットを単純に設計する利点は、顕微鏡システムの構造全体を極めて小型にできることである。小型顕微鏡システムの例は、2003年11月10日付け出願済み同時係属米国特許出願第10/704,932号に説明されている(参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする)。例えば、種々の顕微鏡システムのサイズは、光源として垂直共振器面発光レーザ(vertical cavity surface emitting lasers:VCSEL)などの半導体レーザーを使うことにより縮小できる。図30Aは、そのような小型顕微鏡システムに使用するためのプローブユニット3000を示した図である。このプローブユニット3000は、力センサ3001と、基板3002と、柔軟機械構造3004と、間隙3005と、格子3006と、プローブ先端3007と、光源3010と、検出器3008と、配置構造3083とを有することができる。前記光源3010は、VCSELなどの半導体レーザーであってよい。図30Bでは、プローブユニット3000と同様なプローブユニット3050を、XYZ走査システム3090を含めて示している。図30Aおよび30Bでは、点線が前記光源3010からの光経路を示し、破線が前記格子3006からの反射光の経路を示している。
種々の実施形態によれば、このプローブユニットは、図14などの既存のプローブ顕微鏡システムと併用するようなっていてよい。図14に示したように、力センサ構造1400を使用して、前記力センサ1403を前記AFMシステム1401に適合させることができる。
種々の実施形態によれば、プローブユニットは、約1mm〜約5mmの体積に収納するよう作製可能である。さらに、本明細書で説明したプローブユニットは使い捨て可能である。さらに、これらのプローブユニットは、機械的なクランプおよび電気入出力信号コネクタにより、走査システムに接続できる。一部の実施形態では、いくつかの独立したプローブユニットを組み合わせて、ウエハー上の半導体計測など、長い領域にわたり材料特性または形状を高速並列測定するためのアレイを形成することができる。例えば、いくつかのプローブユニットを水平アクチュエータ付きプラットフォームに接続し、個々のプローブユニットに独立した垂直アクチュエータを具備するか、あるいはいくつかのプローブユニットをプラットフォームに接続し、個々のプローブユニットに独立した垂直アクチュエータを具備し、さらに試料を水平および垂直のアクチュエータ付きプラットフォーム上に配置することができる。次に、複数の光源および検出器を具備した顕微鏡ユニットを使用すると、並列撮像(画像処理)および力測定用に前記プローブユニットの並列読み出しが可能になる。
本プローブユニットは、上記のように流体媒質中での撮像に使用することもできる。例えば、生化学に関連する試料の場合は、プローブユニットを流体に浸漬して撮像(画像処理)を行うことができる。この目的のため、いわゆる「流体セル(流体槽)」を実装すると、電気接続部および光接続部を絶縁(隔離)しながら前記プローブ顕微鏡への流体導入を容易にすることができる。
図31は、静電作動および静電容量型検出用の構成要素を含むプローブユニット3100を単純化した概略図である。このプローブユニット3100は、上述したプローブユニットに類似したものでよく、さらに、静電アクチュエータ回路3021および静電容量型読み出し回路3022を含む。この構成は、より小さい空間への一体化が望ましい一部の応用により適している。
種々の実施形態によれば、このプローブユニットには、電気化学的、熱的、および光学的な測定用に、複数の信号処理能力を含めることもできる。さらに別のプローブユニットには、例えば複数の先端を有する装置を使って実現できるリソグラフィ能力を含めることができる。
本明細書で説明した種々の顕微鏡構成は、コントローラ、画像処理プロセッサ、および他の機能を装備した顕微鏡電子機器システムに接続でき、その顕微鏡電子機器システムを使用すると、試料についてナノスケールでデータを収集し、計算を実行し、画像を表示し、さらに材料特性を決定できることに注意すべきである。
種々の実施形態では、ビームの跳ね返りに基づいたAFMカンチレバーの撓みの光検出と対照的に、試料面に対しプローブユニットを傾ける必要はない。本プローブユニットは、レーザーおよび検出器を収納した剛性機械構造に平行で平坦な面上に配置でき、前記先端は、試料面に垂直であってよい。この構成は、水平(横)方向の力をかけずに垂直方向の力を試料にかけられるため、機械特性の分析に役立つ。カンチレバーを傾けた場合、前記先端にかける法線方向の力を大きくすると、必然的に前記先端がスライドし、水平(横)方向の力が生じて接触分析が困難になる。
本明細書で詳述したプローブユニットは、光干渉読み出しおよび静電作動の点から説明しているが、静電容量型の検出および作動や、静電容量型の作動および光線の跳ね返り検出などの検出および作動の他の組み合わせも同様な性能で使用可能である。
本明細書で説明したセンサは、種々のAFMのシステムおよび方法と併用することにより、例えば前記先端にかかる引力および斥力を測定でき、種々の表面力および試料特性に関する情報を提供することができる。さらに、本明細書で説明した力センサは、調査対象である材料の粘弾性特性を調べるため従来開発されてきたナノインデンテーション、力変調、超音波AFM、パルス力モード、および動的力分光法を含むいくつかのAFM法と併用することができる。
これにより、高速高分解能(高解像度)で独自の相互作用力の測定能力をもたらす撮像(画像処理)用プローブ顕微鏡の力センサが提供される。光干渉計に加え、静電容量型、圧電型、またはピエゾ抵抗型の検出を含む種々の一体型読み出し技術が利用可能である。同様に、本明細書で説明したアクチュエータは、圧電薄膜アクチュエータ、磁気アクチュエータ、または熱アクチュエータであってよい。さらに、いくつかの検出機能および作動機能が同一装置に実装された複数先端を伴った力センサも想定される。さらに、ガス媒質または液体媒質中の試料の表面形状画像を取得しながら、同時に電気的測定、化学的測定、情報格納、およびナノスケール操作が実施できる。このように、本明細書で説明した撮像(画像処理)用のセンサおよび方法は、プローブ顕微鏡法に新しい分野を開拓するものである。この新しい装置は、高速撮像(画像処理)を可能にし、調査対象である試料の弾性特性および表面状態に関する画像を提供する。
以上、1若しくはそれ以上の実施態様を参照して本発明を例示してきたが、これらの例には、添付の特許請求の範囲の要旨を逸脱しない範囲で、変更形態および/または修正形態が可能である。また、以上では、複数の実施態様の1つだけを参照して本発明の特定の特徴を開示した場合もあるが、そのような特徴は、任意機能または特定機能の必要性と有利性とに応じて他の実施態様の1若しくはそれ以上の他の特徴と組み合わせることもできる。さらに、詳細な説明または特許請求の範囲で使用する用語「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「伴う・具備する(with)」、またはこれらの変形形態は、用語「有する(comprising)」と同様に包含的であることを目的としている。
本発明の他の実施形態は、本明細書または本明細書に開示された実施例を考慮することにより、当業者に明確に理解される。本明細書およびこれらの例は、単に例示的なものと見なされるよう意図されたもので、本発明の真の要旨は、以下の特許請求の範囲に示されている。
図1Aは、本発明の教示に従った例示的な力センサの断面概略図である。 図1Bは、本発明の教示に従った例示的な力センサの走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope:SEM)画像を示したものである。 図1Cは、本発明の教示に従った例示的な力センサを上面から撮像した画像である。 図1Dは、本発明の教示に従った例示的な力センサを底面から撮像した画像である。 図1Eは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。 図2Aは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。 図2Bは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの走査型イオンビーム画像である。 図2Cは、本発明の教示に従った例示的な力センサを底面から撮像した画像である。 図2Dは、本発明の教示に従った例示的な力センサ先端の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示したものである。 図3Aは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。 図3Bは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。 図4Aは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。 図4Bは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの底面斜視図である。 図4Cは、本発明の教示に従った例示的な力センサアレイの断面概略図である。 図5Aは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。 図5Bは、本発明の教示に従った例示的な力センサについて、カンチレバーの動きを時間に対しプロットしたグラフである。 図5Cは、本発明の教示に従った例示的な力センサについて、柔軟機械構造と格子との距離を時間に対しプロットしたグラフである。 図6は、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの一部断面概略図である。 図7は、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの一部断面概略図である。 図8Aは、本発明の教示に従った例示的な力センサの感度を監視するため使用される構成の断面概略図である。 図8Bは、本発明の教示に従った例示的な力センサのタッピングカンチレバーについて、電圧出力を時間に対しプロットしたグラフである。 図8Cは、図8Bに示したグラフの一部を拡大した図である。 図9Aは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの概略図である。 図9Bは、本発明の教示に従った例示的な力センサについて、相互作用力および時間の関係を示したグラフである。 図9C〜9Fは、本発明の教示に従った例示的な力センサについて、柔軟機械構造の変位および時間の関係を示したグラフである。 図9C〜9Fは、本発明の教示に従った例示的な力センサについて、柔軟機械構造の変位および時間の関係を示したグラフである。 図9C〜9Fは、本発明の教示に従った例示的な力センサについて、柔軟機械構造の変位および時間の関係を示したグラフである。 図9C〜9Fは、本発明の教示に従った例示的な力センサについて、柔軟機械構造の変位および時間の関係を示したグラフである。 図9G〜9Hは、本発明の教示に従った例示的な力センサについて、光検出器の出力および時間の関係を示したグラフである。 図9G〜9Hは、本発明の教示に従った例示的な力センサについて、光検出器の出力および時間の関係を示したグラフである。 図10Aは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。 図10Bは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。 図10Cは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。 図10Dは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。 図11Aは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの概略図である。 図11Bは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの概略図である。 図11Cは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの概略図である。 図12は、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの概略図である。 図13Aは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの概略図である。 図13Aは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。 図14は、本発明の教示に従った例示的なAFMシステムの概略図である。 図15A〜15Cは、本発明の教示に従った例示的な力センサについて、相互作用の強度および時間の関係を示したグラフである。 図15A〜15Cは、本発明の教示に従った例示的な力センサについて、相互作用の強度および時間の関係を示したグラフである。 図15A〜15Cは、本発明の教示に従った例示的な力センサについて、相互作用の強度および時間の関係を示したグラフである。 図16Aは、本発明の教示に従った例示的な力センサについて、相互作用の強度および時間の関係を示したグラフである。 図16Bは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサを使った試料のPAF画像および表面形状画像である。 図16Cは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサを使った試料のPRF画像および表面形状画像である。 図17Aは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサを使った試料の表面形状画像である。 図17Bは、図17Aに示した試料を異なる速度で測定した線走査(ラインスキャン)結果である。 図17Cは、従来のAFMシステムを使って作製した図17Aの試料の表面形状画像である。 図17Dは、図17Cに示した試料を従来のAFMシステムを使って異なる速度で測定した線走査結果である。 図18は、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。 図19は、本発明の教示に従った例示的な力センサを使って、正規化した強度を間隙の厚さに対しプロットしたグラフである。 図20Aは、本発明の教示に従った例示的な力センサについて、光検出器の出力をバイアス電圧に対しプロットしたグラフである。 図20Bは、本発明の教示に従った例示的な力センサについて、光検出器の出力を時間に対しプロットしたグラフである。 図21は、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。 図22は、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。 図23Aは、本発明の教示に従った例示的な力センサを使って、正規化した強度を間隙の厚さに対しプロットしたグラフである。 図23Bは、本発明の教示に従った例示的な力センサを使って、感度を金属の厚さに対しプロットしたグラフである。 図24Aは、本発明の教示に従った例示的な力センサを使って、検出器の出力をバイアス電圧に対しプロットしたグラフである。 図24Bは、本発明の教示に従った例示的な力センサを使って、検出器の出力をバイアス電圧に対しプロットしたグラフである。 なし 図25は、本発明の教示に従った例示的な力センサを使って、正規化した強度を間隙の厚さに対しプロットしたグラフである。 図26は、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。 図27は、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。 図28Aは、本発明の教示に従った別の例示的な力センサの断面概略図である。 図28Bは、図28Aに示した本発明の教示に従った力センサの一部の断面概略図である。 図29Aは、本発明の教示に従ったプローブユニットの断面概略図である。 図29Bは、本発明の教示に従った別のプローブユニットの断面概略図である。 図29Cは、本発明の教示に従った別のプローブユニットの断面概略図である。 図29Dは、本発明の教示に従ったプローブユニットの概略図である。 図29Eは、本発明の教示に従ったプローブユニットの一部の概略側面図である。 図30Aは、本発明の教示に従った別のプローブユニットの断面概略図である。 図30Bは、本発明の教示に従った別のプローブユニットの断面概略図である。 図31は、本発明の教示に従った別のプローブユニットの断面概略図である。

Claims (97)

  1. プローブベースの計器のための力センサであって、
    検出面と、
    柔軟機械構造であって、この柔軟機械構造は、前記検出面から第1の距離だけ上方に配置され、これにより当該柔軟機械構造と当該検出面との間に間隙を形成し、外力を受けると撓みが生じて前記第1の距離を変化させるように構成されているものである、前記柔軟機械構造と
    を有する力センサ。
  2. 請求項1記載の力センサにおいて、前記柔軟機械構造の撓みは、検出器を使って測定されるものである。
  3. 請求項2記載の力センサにおいて、前記柔軟機械構造の撓みは、光干渉検出器または静電容量検出器のうちの1つを使って測定されるものである。
  4. 請求項1記載の力センサにおいて、この力センサは、さらに、
    前記検出面に接触した底部電極と、
    前記柔軟機械構造に接触した上部電極であって、前記底部電極および当該上部電極は、前記柔軟機械構造を作動させるように構成されているものである、前記上部電極と
    を有するものである。
  5. 請求項2記載の力センサにおいて、前記検出面は所定の光波長を透過させるものである。
  6. 請求項2記載の力センサにおいて、この力センサは、さらに、
    前記検出構造および前記柔軟機械構造の軸に沿った光経路を有するものである。
  7. 請求項2記載の力センサにおいて、前記柔軟機械構造の内面は反射性である。
  8. 請求項5記載の力センサにおいて、この力センサは、さらに、
    前記柔軟機械構造の内面に対面した反射型の回折格子を有するものである。
  9. 請求項8記載の力センサにおいて、前記回折格子は、約0.01μm〜約20.0μmの範囲の格子周期を有するものである。
  10. 請求項8記載の力センサにおいて、前記回折格子は、作動され、且つ変形可能であるように構成されているものである。
  11. 請求項1記載の力センサにおいて、前記柔軟機械構造は、約5μm〜約2mmの範囲の寸法を有するものである。
  12. 請求項1記載の力センサにおいて、前記柔軟機械構造は、加力点で約0.001N/m〜約1000N/mの範囲のバネ定数を有するものである。
  13. 請求項1記載の力センサにおいて、前記柔軟機械構造は、約10nm〜約10μmの範囲の厚さを有するものである。
  14. 請求項1記載の力センサにおいて、前記柔軟機械構造は、アルミニウム、金、窒化ケイ素、酸化ケイ素、ポリシリコン、若しくは金属材料、半導体材料、高分子材料、または誘電体材料の複合構造のうちの1つによりできているものである。
  15. 請求項1記載の力センサにおいて、前記間隙は密閉されているものである。
  16. 請求項1記載の力センサにおいて、この力センサは、さらに、
    前記柔軟機械構造の外面上に設けられたプローブ先端
    を有するものである。
  17. 請求項16記載の力センサにおいて、この力センサは、さらに、
    前記柔軟機械構造の内面に対面した反射型の回折格子を有するものである。
  18. 請求項16記載の力センサにおいて、この力センサは、さらに、
    前記柔軟機械構造に連結され、当該柔軟機械構造に力を加えるように構成されたアクチュエータを有するものである。
  19. 請求項18記載の力センサにおいて、前記アクチュエータは、
    前記検出面に接触した底部電極と、
    基板に接触した上部電極であって、前記底部電極および当該上部電極は前記基板を作動させるように構成されているものである、前記上部電極と
    を有するものである。
  20. 請求項18記載の力センサにおいて、前記アクチュエータは、
    前記柔軟機械構造に接触した第1の電極と、
    前記第1の電極から一定の距離に配置された第2の電極と、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられた圧電材料と
    を有するものである。
  21. 請求項1記載の力センサにおいて、この力センサは、さらに、
    前記柔軟機械構造に接触した反応性物質を有し、これにより当該柔軟機械構造は、所定タイプの外的刺激を受けると移動するものである。
  22. 請求項21記載の力センサにおいて、この力センサは、さらに、
    前記柔軟機械構造の内面に対面した反射型の回折格子を有するものである。
  23. 請求項21記載の力センサにおいて、この力センサは、さらに、
    前記柔軟機械構造に連結され、当該柔軟機械構造に力を加えるように構成されたアクチュエータを有するものである。
  24. 請求項21記載の力センサにおいて、前記アクチュエータは、
    前記検出面に接触した底部電極と、
    前記柔軟機械構造に接触した上部電極であって、前記底部電極および当該上部電極は、前記柔軟機械構造を作動させるように構成されているものである、前記上部電極と
    を有するものである。
  25. 請求項21記載の力センサにおいて、前記アクチュエータは、
    前記柔軟機械構造に接触した第1の電極と、
    前記第1の電極から一定の距離に配置された第2の電極と、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられた圧電材料と
    を有するものである。
  26. 力センサの構造であって、
    カンチレバー(片持ち梁)と、
    前記カンチレバーの自由端上に配置された力センサであって、
    前記カンチレバーの前記自由端における検出面と少なくとも1つの側壁とにより形成され、前記検出面から第1の距離に柔軟機械構造を位置決めするための間隙
    を有するものである、前記力センサと
    を有する力センサの構造。
  27. 請求項26記載の力センサの構造において、この力のセンサ構造は、さらに、
    前記柔軟機械構造の内面に対面した反射型の回折格子を有するものである。
  28. 請求項27記載の力センサの構造において、この力センサの構造は、さらに、
    前記柔軟機械構造に連結され、当該柔軟機械構造に力を加えるように構成されたアクチュエータを有するものである。
  29. 請求項26記載の力センサの構造において、この力センサの構造は、さらに、
    前記柔軟機械構造の外面上に設けられたプローブ先端を有するものである。
  30. 請求項29記載の力センサの構造において、この力センサの構造は、さらに、
    前記柔軟機械構造の内面に対面した反射型の回折格子を有するものである。
  31. 請求項29記載の力センサの構造において、この力センサの構造は、さらに、
    前記柔軟機械構造に連結され、前記柔軟機械構造に力を加えるように構成されたアクチュエータを有するものである。
  32. 請求項26記載の力センサの構造において、この力センサの構造は、さらに、
    前記柔軟機械構造に接触した反応性物質を有し、これにより当該柔軟機械構造は、所定タイプの外的刺激を受けると移動するものである。
  33. 請求項32記載の力センサの構造において、この力センサの構造は、さらに、
    前記柔軟機械構造の内面に対面した回折格子を有するものである。
  34. 請求項33記載の力センサ構造において、この力センサの構造は、さらに、
    前記柔軟機械構造に連結され、前記柔軟機械構造に力を加えるように構成されたアクチュエータを有するものである。
  35. 請求項26記載の力センサの構造において、この力センサの構造はプローブ顕微鏡内で使用され、タッピングモード画像のためのタッピング衝撃力、接触モード画像のための制御された力、または分子間力分光法のための分子間力のうちの1つを提供するものである。
  36. 請求項26記載の力センサの構造において、前記柔軟機械構造の剛性は、前記カンチレバーの剛性より大きいものである。
  37. 請求項26記載の力センサの構造において、前記柔軟機械構造の有効バネ定数は、最も軟かい点で約0.001N/m〜約1000N/mの範囲である。
  38. 力センサユニットであって、
    力センサであって、
    検出面と、
    前記検出面から一定距離だけ上方に配置されて間隙を形成し、外的刺激を受けると撓むように構成された柔軟機械構造と
    を有する力センサと、
    前記柔軟機械構造の撓みを検出するように構成された検出器と
    を有する力センサユニット。
  39. 請求項38記載の力センサユニットにおいて、前記検出器は光干渉検出器として構成されているものである。
  40. 請求項38記載の力センサユニットにおいて、この力センサユニットは、さらに、
    前記柔軟機械構造の外面上に配置されたプローブ先端を有するものである。
  41. 請求項40記載の力センサユニットにおいて、この力センサユニットは、さらに、前記柔軟機械構造から一定の距離に配置された反射型の回折格子を有するものである。
  42. 請求項38記載の力センサユニットにおいて、前記検出器は光検出器であり、当該光検出器は、前記格子を光が通過するときに生じる各次回折光の強度レベルを検出するように構成されているものである。
  43. 請求項38記載の力センサユニットにおいて、前記検出器は静電容量検出器である。
  44. 請求項38記載の力センサユニットにおいて、前記検出面は酸化ケイ素を有するものである。
  45. 請求項38記載の力センサユニットにおいて、前記柔軟機械構造は、アルミニウム、金、窒化ケイ素、シリコン、酸化ケイ素、ポリシリコン、若しくは金属材料、半導体材料、高分子材料、または誘電体材料の複合構造のうちの少なくとも1つを有するものである。
  46. 請求項38記載の力センサユニットにおいて、この力顕微鏡センサユニットは、タッピングモード画像のためのタッピング衝撃力、接触モード画像のための制御された力、または分子間力分光法のための分子間力のうちの1つを提供するために使用されるものである。
  47. 請求項38記載の力センサユニットにおいて、この力センサユニットは、さらに、
    前記柔軟機械構造に連結され、前記柔軟機械構造に力を加えるように構成されたアクチュエータ
    を有するものである。
  48. 力センサであって、
    光軸を伴う光ポートを有する基板と、
    前記光軸に沿って配置され且つ前記光ポートから一定の距離に配置された反射型の回折格子と、
    前記基板から一定の距離に配置されたカンチレバーであって、
    前記基板に接触した固定端と、
    前記回折格子から一定の距離に配置された自由端であって、その一部が前記光軸に沿って配置されたものである、前記自由端と、
    前記カンチレバーの前記自由端に接触したプローブ先端と
    を有するカンチレバーと
    を有する力センサ。
  49. 請求項48記載の力センサにおいて、前記回折格子は、作動され、且つ変形可能であるように構成されているものである。
  50. 請求項48記載の力センサにおいて、前記基板は酸化ケイ素を有するものである。
  51. 請求項50記載の力センサにおいて、前記光ポートは前記基板に形成された穴である。
  52. 請求項48記載の力センサにおいて、前記プローブ先端の撓みは、光干渉検出器を使って測定されるものである。
  53. 請求項48記載の力センサにおいて、前記カンチレバーは作動されるように構成されているものである。
  54. 顕微鏡プローブユニットであって、
    力センサであって、
    間隙によって検出面から隔てられた柔軟機械構造と、
    前記柔軟機械構造に連結されたプローブ先端と
    を有する力センサ
    を有する顕微鏡プローブユニット。
  55. 請求項54記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    前記検出面上に設けられた格子を有し、
    前記格子は、光源から受けた光を回折させて当該格子を通過して伝播した光と、前記柔軟機械構造から反射された光との干渉を可能にするように構成されており、且つ光を検出器へ方向付けるように構成されているものである。
  56. 請求項55記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、前記検出面は、所定の光波長を透過させる基板をさらに有し、前記格子は前記基板上に設けられているものである。
  57. 請求項54記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、前記検出面は、光信号および容量信号の少なくとも一方を検出するように構成されているものである。
  58. 請求項54記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    前記柔軟機械構造に接触した圧電材料またはピエゾ抵抗材料と、
    前記圧電材料またはピエゾ抵抗材料に接触した第1の電極と、
    前記第1の電極から一定の距離に配置された第2の電極と
    を有するものである。
  59. 請求項54記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    前記検出面に連結された第1の電気接続部と、
    前記柔軟機械構造に連結された第2の電気接続部と
    を有するものである。
  60. 請求項59記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、前記第1の電気接続部および前記第2の電気接続部は、静電力を供給して前記柔軟機械構造を作動させるように構成されているものである。
  61. 請求項54記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、このプローブユニットは、顕微鏡システム上の所定の位置に配置されるように構成されているものである。
  62. 請求項61記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、このプローブユニットは、配置構造(alignment structure)に基づいて前記所定の位置に配置されるように構成されているものである。
  63. 請求項54記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    力センサのアレイであって、当該アレイ内の各力センサは
    間隙により検出面から隔てられた柔軟機械構造と、
    前記柔軟機械構造に連結されたプローブ先端と
    を有するものである、前記力センサのアレイ
    を有するものである。
  64. 顕微鏡プローブユニットであって、
    力センサであって、
    間隙により検出面から隔てられた柔軟機械構造と、
    前記柔軟機械構造の動きを検出するように構成された検出器と
    を有する力センサ
    を有する顕微鏡プローブユニット。
  65. 請求項64記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    前記柔軟機械構造に連結されたプローブ先端を有するものである。
  66. 請求項65記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    前記検出面上に設けられた格子を有し、
    前記格子は、光源から受けた光を回折させて前記格子を通過して伝播した光と、前記柔軟機械構造から反射された光との干渉を可能にするように構成されており、且つ光を検出器へ方向付けるように構成されているものである。
  67. 請求項66記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、前記格子は前記基板上に設けられており、前記基板は前記検出面上に設けられており、前記基板および剛性機械基板は、所定の光波長を透過させるものである。
  68. 請求項66記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    前記格子に連結された第1の電気接続部と、
    前記柔軟機械構造に連結された第2の電気接続部と
    を有するものである。
  69. 請求項68記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、前記第1の電気接続部および前記第2の電気接続部は、静電力を供給して前記柔軟機械構造を作動させるように構成されているものである。
  70. 請求項68記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    前記検出面上に設けられた格子を有し、
    前記格子は、試料から受けた光を回折させるよう構成され、且つ前記検出器へ光を方向付けるよう構成されており、前記第1の電気接続部および前記第2の電気接続部は静電力を供給して前記格子を作動させるように構成されているものである。
  71. 請求項66記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、前記検出器は少なくとも1つのフォトダイオードを有するものである。
  72. 請求項71記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    前記格子へ照射ビームを方向付けるように構成された光学素子を有するものである。
  73. 請求項71記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    前記フォトダイオードへ照射ビームを方向付けるように構成された光学素子を有するものである。
  74. 請求項64記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    前記検出面に連結された剛性機械構造を有するものである。
  75. 請求項74記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    前記剛性機械構造上に設けられた配置構造をさらに有し、当該配置構造は、前記剛性機械構造上で前記検出面を配置するよう構成されているものである。
  76. 請求項64記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、前記検出面は、当該プローブユニットが試料と相互作用するに伴い、光信号および容量信号の少なくとも一方を検出するように構成されているものである。
  77. 請求項64記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    前記柔軟機械構造に接触した圧電材料またはピエゾ抵抗材料と、
    前記圧電材料またはピエゾ抵抗材料に接触した第1の電極と、
    前記第1の電極から一定の距離に配置された第2の電極と
    を有するものである。
  78. 請求項64記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、そのプローブ先端は、前記柔軟機械構造に対し実質的に法線方向に垂直軸に沿って配置され、前記プローブユニットは、このプローブユニットを移動させるよう構成されたアクチュエータをさらに有するものである。
  79. 請求項78記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、アクチュエータは、前記垂直軸に沿って当該プローブユニットを移動させるものである。
  80. 請求項78記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、アクチュエータは、前記垂直軸の法線である水平軸に沿って当該プローブユニットを移動させるものである。
  81. 請求項64記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    当該プローブユニットを移動させるように構成されたステッピングモーターを有するものである。
  82. 請求項81記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    当該プローブユニットを移動させるように構成された圧電アクチュエータを有し、
    この圧電アクチュエータは、直流(DC)〜約10MHzの帯域幅で動作するものである。
  83. 請求項64記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、このプローブユニットは、顕微鏡システム上の所定の位置に配置されるように構成されているものである。
  84. 請求項64記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    前記柔軟機械構造を移動させるように構成された圧電材料を有するものである。
  85. 顕微鏡プローブユニットであって、
    前記基板上に設けられた力センサであって、
    間隙により検出面から隔てられた柔軟機械構造と、
    光を回折させるように構成され、前記検出面上に設けられた格子と、
    前記柔軟機械構造に連結されたプローブ先端と
    を有するものである、前記力センサと、
    前記格子からの回折光を検出するように構成された検出器と、
    前記格子へ光を方向付けるように構成された光源と
    を有する顕微鏡プローブユニット。
  86. 請求項85記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、前記光源は、前記格子および前記柔軟機械構造を隔てる距離の少なくとも2倍の時間的コヒーレンス長を有するものである。
  87. 請求項86記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、前記光源の光は、前記格子の法線方向から約30度以下の角度で前記格子に当たるものである。
  88. 請求項85記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    剛性機械構造を有し、
    前記検出器、前記検出面、および前記光源は、前記剛性機械構造に連結されるものである。
  89. 請求項88記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、前記基板、および前記剛性機械構造の一部は、前記光源から放出される光に対し透過性(透明)である。
  90. 請求項88記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、前記光源は前記剛性機械構造上に配置されて前記光源から前記格子への直接的な光経路を提供するものである。
  91. 請求項85記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、前記格子は少なくとも4つの格子周期を有し、前記光源は当該少なくとも4つの格子周期に光を当てる上で十分幅広い直径を有する光を放出するものである。
  92. 請求項85記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    前記光源から前記格子へ光を方向付けるように構成された光学素子を有するものである。
  93. 請求項85記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    前記検出器へ光を方向付けるように構成された光学素子を有するものである。
  94. 請求項85記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、さらに、
    複数の検出器を有し、
    当該複数の検出器のうち少なくとも1つはフォトダイオードである。
  95. 請求項85記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、この顕微鏡プローブユニットは、顕微鏡システム内に配置されるように構成されているものである。
  96. 請求項85記載の顕微鏡プローブユニットにおいて、前記プローブ先端は、前記柔軟機械構造の法線方向に垂直軸に沿って配置され、前記プローブユニットは、さらに、
    このプローブユニットを移動させるように構成されたアクチュエータを有するものである。
  97. 顕微鏡プローブユニットであって、
    複数の力センサであって、その各力センサは
    間隙により検出面から隔てられた柔軟機械構造と、
    前記柔軟機械構造に連結されたプローブ先端と
    を有するものである複数の力センサ
    を有する顕微鏡プローブユニット。
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