JP2008546647A - 移植のための抗−cd19抗体治療 - Google Patents
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Abstract
本発明は免疫治療組成物、およびヒトCD19抗原に結合し、好ましくはヒトADCCを媒介する治療抗体を用いてヒト対象においてGVHD、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害を治療および予防する方法に関する。本発明は、IgG1またはIgG3ヒトイソタイプのヒトまたはヒト化抗−DC19抗体を含む医薬組成物に関する。本発明は、好ましくはヒトADCCを媒介するIgG2またはIgG4ヒトイソタイプのヒトまたはヒト化抗−CD19抗体を含む医薬組成物に関する。また、本発明は、ヒトADCCを媒介するIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4イソタイプのキメラ化抗−CD19抗体を含む医薬組成物に関する。好ましい実施形態において、本発明はモノクローナルヒト、ヒト化、またはキメラ抗−CD19抗体を含む医薬組成物に関する。
Description
本出願は、米国仮特許出願第60/689,033号(2005年6月8日出願)および同第60/701,365号(2005年7月20日出願)に対し、米国特許法第119条(e)の下の優先権を主張する。これらの仮特許出願は、その全体が参考として援用される。
本発明は、the National Institute of Healthのthe National Cancer Instituteより受けた助成金番号CA1776、CA105001およびCA96547の下、ならびにthe National Institute of Healthのthe National Institute of Allergy and Infectious Diseaseより受けた助成金番号AI56363の下において、部分的に政府の支援によって行われた。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
(1 序論)
本発明は、ヒトCD19抗原に結合する治療抗体を用いてヒト移植片受容体において移植片−対−宿主病(GVHD)、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害を治療および予防する方法に向けられる。好ましい実施形態において、本発明の組成物および方法の治療抗−CD19抗体は、ヒト抗体−依存性細胞−媒介細胞傷害(ADCC)を媒介する。本発明は、さらに、IgG1および/またはIgG3ヒトイソタイプのヒト、ヒト化、またはキメラ抗−CD19抗体を含む組成物に向けられる。本発明は、さらに、好ましくはヒトADCCを媒介するIgG2および/またはIgG4ヒトイソタイプのヒト、ヒト化、またはキメラ抗−CD19抗体を含む組成物に向けられる。また、本発明は、モノクローなるヒト、ヒト化、またはキメラ抗−CD19抗体を含む。
本発明は、ヒトCD19抗原に結合する治療抗体を用いてヒト移植片受容体において移植片−対−宿主病(GVHD)、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害を治療および予防する方法に向けられる。好ましい実施形態において、本発明の組成物および方法の治療抗−CD19抗体は、ヒト抗体−依存性細胞−媒介細胞傷害(ADCC)を媒介する。本発明は、さらに、IgG1および/またはIgG3ヒトイソタイプのヒト、ヒト化、またはキメラ抗−CD19抗体を含む組成物に向けられる。本発明は、さらに、好ましくはヒトADCCを媒介するIgG2および/またはIgG4ヒトイソタイプのヒト、ヒト化、またはキメラ抗−CD19抗体を含む組成物に向けられる。また、本発明は、モノクローなるヒト、ヒト化、またはキメラ抗−CD19抗体を含む。
(2 発明の背景)
細胞性(T細胞−媒介)および液性(抗体、B細胞−媒介)の双方の免疫は、今日、移植片拒絶において重要な役割を演じていることが知られている。移植片拒絶におけるT細胞−媒介免疫の重要性はよく確立されているが、急性および慢性拒絶における液性免疫の臨界的役割は最近明らかになったに過ぎない。その結果、移植片拒絶の治療および予防の進歩の殆どは、T細胞活性化を標的とする治療剤から開発されたものである。移植片拒絶の治療についてFDAに認可された最初の治療モノクローナル抗体は、T細胞のCD3受容体に対して向けられたマウスモノクローナル抗体ORTHOCLONE−OKT3TM(ムロモナブ−CD3)であった。OKT3は、モノクローナル抗−CD52 CAMPATHTM抗体、CAMPATH−1G、CAMPATH−1H(アレムツヅマブ)、およびCAMPATH−1M、およびポリクローナル抗−胸腺細胞抗体製剤(抗−胸腺細胞グロブリンともいう、または「チモグロビン」または「チモグロブリン」ともいわれる「ATG」)を含めた、多数の他の抗−リンパ球に向けられた抗体によって接合されてきた。移植片拒絶の予防について認可された他のT細胞抗体はキメラモノクローナル抗体SIMULECTTM(バシリキシマブ)およびヒト化モノクローナル抗体ZENAPAXTM(ダクリズマブ)を含み、その双方は活性化されたT細胞の高−親和性IL−2受容体を標的とする。
細胞性(T細胞−媒介)および液性(抗体、B細胞−媒介)の双方の免疫は、今日、移植片拒絶において重要な役割を演じていることが知られている。移植片拒絶におけるT細胞−媒介免疫の重要性はよく確立されているが、急性および慢性拒絶における液性免疫の臨界的役割は最近明らかになったに過ぎない。その結果、移植片拒絶の治療および予防の進歩の殆どは、T細胞活性化を標的とする治療剤から開発されたものである。移植片拒絶の治療についてFDAに認可された最初の治療モノクローナル抗体は、T細胞のCD3受容体に対して向けられたマウスモノクローナル抗体ORTHOCLONE−OKT3TM(ムロモナブ−CD3)であった。OKT3は、モノクローナル抗−CD52 CAMPATHTM抗体、CAMPATH−1G、CAMPATH−1H(アレムツヅマブ)、およびCAMPATH−1M、およびポリクローナル抗−胸腺細胞抗体製剤(抗−胸腺細胞グロブリンともいう、または「チモグロビン」または「チモグロブリン」ともいわれる「ATG」)を含めた、多数の他の抗−リンパ球に向けられた抗体によって接合されてきた。移植片拒絶の予防について認可された他のT細胞抗体はキメラモノクローナル抗体SIMULECTTM(バシリキシマブ)およびヒト化モノクローナル抗体ZENAPAXTM(ダクリズマブ)を含み、その双方は活性化されたT細胞の高−親和性IL−2受容体を標的とする。
移植片拒絶における液性免疫の重要性は超急性拒絶に制限されると最初は考えられ、そこでは、移植片受容体は移植に先立って抗−ドナーHLA抗体を保有し、その結果、抗体抑制の有効治療養生法の不存在下で移植片は迅速に破壊される。最近、液性免疫もまた急性および慢性双方の拒絶を媒介する重要な因子であることが明らかとなった。例えば、臨床的観察は、(「抗−MHCアロ抗体」ともいわれる)クラスIまたはクラスII抗−HLAアロ抗体を発生させることができる患者における移植片の生存は、そのような抗体を発生させることができない患者における移植片生存と比較して低下したことを示した。臨床および実験データもまた、他のドナー−特異的アロ抗体および自己抗体が拒絶の臨界的メディエーターであることを示す。同種移植片拒絶におけるドナー−特異的抗体についての役割を裏付ける証拠の最近のレビューについては、非特許文献1参照。
B細胞表面マーカーは、一般には、B細胞悪性疾患、障害、自己免疫疾患、および移植拒絶の治療のための標的として提案されてきた。例えば、抗−CD19抗体を記載する、2005年3月31日に公開されたHansen et al.,特許文献1参照。B細胞表面マーカーの例はCD10、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD24、CD37、CD53、CD72、CD74、CD75、CD77、CD79a、CD79b、CD80、CD81、CD82、CD83、CD84、CD85、およびCD86白血球表面マーカーを含む。これらのマーカーに特異的に結合する抗体が開発されており、いくつかは、B細胞関連障害、特に癌の治療について、最近では、同種移植片拒絶および移植関連障害の予防および治療についてテストされている。しかしながら、急性および慢性移植片拒絶における液性免疫の役割の比較的最近の認識のため、液性免疫を標的とする現在の治療剤および戦略は、細胞性免疫を標的とするものよりも余りよく開発されていない。
液性免疫を標的とするための利用可能な戦略は抗体枯渇養生法、および抗−Bリンパ球に向けられた抗体を含む。液性免疫を標的とするための免疫学的戦略の最近のレビューについては、非特許文献2参照。抗体枯渇の例は、静脈内免疫グロブリンでの受容体の治療、免疫吸着、およびプラズマフォレシスによるドナー−反応性抗体の除去を含む。抗−Bリンパ球に向けられた抗体の殆どの報告は、抗−CD20抗体、特に、いくつかのB細胞悪性疾患の治療でFDAに認可されたキメラマウス−ヒト抗−CD20モノクローナル抗体であるRITUXANTM(リツキシマブ)に焦点を当ててきた。より最近では、リツキシマブは、移植−関連治療養生法で用いるために評価されてきた。例えば、リツキシマブは、プレ−移植片コンディショニング養生法において、急性性拒絶のための治療養生法において、および混合された結果を持つ、ABO−不適合腎臓移植に対する抗−ABO抗体を低下させるために用いることが報告されている。Sinder et al.(非特許文献3)は、移植を待っている透析患者のコンディショニングのためにリツキシマブを用いる対立−用量、用量−エスカレーション1相試験を報告した。結果は、単一剤としての、リツキシマブがB細胞の亜集団を部分的に枯渇させ、パネル反応性アロ抗体を低下させたことを示した。しかしながら、Viera et al.(非特許文献4)は、腎臓移植を待っている患者においてリツキシマブの単一−用量を用いるパネル反応性アロ抗体における中程度の低下を報告したに過ぎない。Becker et al.(非特許文献5)は、ステロイド治療、または抗−胸腺細胞グロブリンおよびプラズマフォレシスとの組合せ療法に従前は応答しなかった急性拒絶を治療するためのリツキシマブの使用を報告した。脾臓摘出の必要性無くして、免疫吸着、プラズマフォレシス、および静脈内免疫グロブリンのような他の戦略との組合せにおけるリツキシマブコンディショニングもまた、ABO−不適合腎臓移植との関連において報告された(非特許文献6;非特許文献7)参照。
ヒトCD19分子は、形出細胞、および悪性B細胞への最後の分化を通じて、限定されるものではないが、プレ−B細胞、初期発生におけるB細胞(すなわち、未成熟B細胞)、成熟B細胞を含めたヒトB細胞の表面で発現される構造的に区別される細胞表面受容体である。B細胞のより広いレパートリーを標的化することができるにおける抗−CD20抗体よりも優れた抗−CD19抗体の利点にも拘らず、移植免疫両方でのそれらの指標は、第一に、B細胞の同定およびモニタリングに制限されてきた。移植における抗−CD19に向けられた抗体の更なる使用がBarfield et al.(非特許文献8)によって報告された。Barfieldは、ドナー末梢幹細胞移植片からエクスビボにてTおよびBリンパ球を捕獲して、移植に先立って移植片における同種異系リンパ球を低下させるためのアフィニティ試薬として用いられる磁気マイクロビーズにコンジュゲートされた抗−CD3抗体および抗−CD19抗体を報告した。
移植片拒絶の治療および予防に加えて、B細胞に向けられた抗体を用いて、ポスト−移植片リンパ系増殖障害(PTLD)を治療してきた(非特許文献9参照)。PTLDは過剰増殖B細胞によって特徴付けられ、移植片に由来する、または受容体において潜在的な、エプスタインバールウイルス感染B細胞に関連付けられている。Schaar et al.は、膵臓−腎臓、肝臓、心臓、および腎臓の固体器官移植変に続いて危険性が高い患者におけるPTLDの治療のための五段階のプロトコルを報告した。(非特許文献10)。養生法は、一定量の免疫抑制剤の低下と組み合わせたイソタイプIgG2aのマウス抗−CD19モノクローナル抗体、および抗−ウイルス剤、インターフェロン−アルファ、およびガンマ−グロブリンの添加を含むものであった。
米国特許出願公開第2005/0070693号明細書
Rifle et al.,Transplantation,2005 79:S14−S18
Snanoudj et al.,Transplantation,2005 79:S33−35
Sinder et al.,Hum.Antibodies,2004 13:55−62
Viera et al.,Transplantaiton,2004 77:542
Becker et al.,Am.J.Transplant,2004 4:996
Tyden et al.,Transplantation,2003 76:730
Sonnenday,Am.J.Transplant.,2004 4:1315
Barfield et al.,Cytotherapy,2004 6:1−6
Le Vasseur et al.,Pediatr.Transplant.,2003 7:370−75
Schaar et al.,Transplantation,2001 71:47−52
(3 発明の要旨)
本発明は、免疫治療組成物、およびヒトCD19抗原に結合し、好ましくはヒトADCCを媒介する治療抗体を用いてヒト対象においてGVHD、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害を予防および治療する方法に関する。特別な実施形態において、本発明の抗−CD19抗体は、ADCC、補体依存性細胞傷害(CDC)、またはB細胞のアポトーシスを媒介する。本発明は、IgG1またはIgG3ヒトイソタイプのヒトまたはヒト化抗−CD19抗体を含む医薬組成物に関する。本発明は、好ましくはヒトADCCを媒介するIgG2またはIgG4ヒトイソタイプのヒトまたはヒト化抗−CD19抗体を含む医薬組成物に関する。本発明は、ヒトADCCを媒介するIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4のキメラ化抗−CD19抗体を含む医薬組成物に関する。好ましい実施形態において、本発明は、モノクローナルヒト、ヒト化またはキメラ抗−CD19抗体を含む医薬組成物に関する。
本発明は、免疫治療組成物、およびヒトCD19抗原に結合し、好ましくはヒトADCCを媒介する治療抗体を用いてヒト対象においてGVHD、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害を予防および治療する方法に関する。特別な実施形態において、本発明の抗−CD19抗体は、ADCC、補体依存性細胞傷害(CDC)、またはB細胞のアポトーシスを媒介する。本発明は、IgG1またはIgG3ヒトイソタイプのヒトまたはヒト化抗−CD19抗体を含む医薬組成物に関する。本発明は、好ましくはヒトADCCを媒介するIgG2またはIgG4ヒトイソタイプのヒトまたはヒト化抗−CD19抗体を含む医薬組成物に関する。本発明は、ヒトADCCを媒介するIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4のキメラ化抗−CD19抗体を含む医薬組成物に関する。好ましい実施形態において、本発明は、モノクローナルヒト、ヒト化またはキメラ抗−CD19抗体を含む医薬組成物に関する。
本発明の方法は、例えば、ヒト対象においてCD19に向けられた免疫療法を評価するためのトランスジェニックマウスモデルを用いて示される。
1つの実施形態において、本発明は、医薬上許容される担体中のIgG1またはIgG3ヒトイソタイプのモノクローナルヒトまたはヒト化抗−CD19抗体を含む医薬組成物を提供する。もう1つの実施形態において、本発明は、医薬上許容される担体中の治療有効量のIgG1またはIgG3ヒトイソタイプのモノクローナルキメラ化抗−CD19抗体を含む医薬組成物を提供する。関連する実施形態において、治療有効量のIgG1またはIgG3ヒトイソタイプのモノクローナルキメラ化抗−CD19抗体は1mg/kg患者体重未満である。他の関連する実施形態において、治療有効量のIgG1またはIgG3ヒトイソタイプのモノクローナルキメラ化抗−CD19抗体は2mg/kg患者体重よりも大きい。
1つの態様によると、本発明は、医薬上許容される担体中の、ヒト抗体−依存性細胞傷害(ADCC)を媒介する治療有効量のモノクローナルヒトまたはヒト化抗−CD19抗体を含む医薬組成物を提供する。もう1つの態様によると、本発明は、医薬上許容される担体中の、ヒト抗体−依存性細胞傷害(ADCC)を媒介するモノクローナルキメラ化抗−CD19抗体を含む医薬組成物を提供する。
本発明は、循環B細胞、または循環免疫グロブリン、または双方を枯渇させるのに十分な量の抗−CD19抗体を受容体に投与することを含むそれを必要とするヒト移植片受容体において液性拒絶を治療または予防する方法を提供し、ここに、抗−CD19抗体は単独で、あるいは1以上の他の治療剤と組み合わせて投与される。1つの実施形態において、液性拒絶に対する予防を必要とする移植片受容体は、移植に先立った検出可能な循環抗−HLAアロ抗体を有する患者または患者集団として確認される。もう1つの実施形態において、患者または患者集団は、移植に先立ってパネル反応性アロ抗体を有するものとして確認される。もう1つの実施形態において、液性拒絶に対する治療を必要とする移植片受容体は、検出可能な循環抗−HLAアロ抗体ポスト−移植を有する患者または患者集団として確認される。もう1つの実施形態において、患者または患者集団はパネル反応性アロ抗体ポスト−移植を有するものとして確認される。もう1つの実施形態において、患者または患者集団は、ABO血液型不適合ドナーからの移植片を必要とするとして確認される。
ある実施形態において、本発明は、循環B細胞、または循環免疫グロブリン、または双方を枯渇させるのに十分な量の抗−CD19抗体を移植に先立って受容体に投与することを含むそれを必要とするヒト移植片受容体において液性拒絶を予防するための方法を提供し、ここに、抗−CD19抗体は単独で、あるいは1以上の他の治療剤と組み合わせて投与される。他の実施形態において、本発明は、移植片からB細胞を枯渇させるのに十分な量の抗−CD19抗体と移植前に移植片を接触させることを含むそれを必要とするヒト移植片受容体において移植片拒絶または移植片−対−宿主病を予防する方法を提供する。1つの実施形態において、移植片をエクスビボにて抗−CD19抗体と接触させる。もう1つの実施形態において、該方法は、さらに、移植片を、抗−Tリンパ球抗体または抗−胸腺細胞グロブリンの1以上と接触させることを含む。
ある実施形態において、本発明は、循環B細胞、または循環免疫グロブリン、または双方を枯渇させるのに十分な量の抗−CD19抗体を受容体に投与することを含むそれを必要とするヒト移植片受容体において液性拒絶を治療する方法を提供し、ここに、抗−CD19抗体は単独で、または1以上の他の治療剤と組み合わせて投与される。1つの実施形態において、拒絶は急性または慢性液性拒絶である。1つの実施形態において、液性拒絶に対する治療を必要とする移植片受容体は、循環抗−ドナーアロ抗体によって特徴付けられる潜在的液性応答、循環抗−ドナーアロ抗体およびC4d沈着によって特徴付けられるサイレントな反応、または循環抗−ドナーアロ抗体、C4d沈着、および組織病理学によって特徴付けられる臨床下拒絶のような、初期段階の拒絶における患者または患者集団として確認される。もう1つの実施形態において、液性拒絶に対する治療を必要とする移植片受容体は、循環抗−ドナーアロ抗体、C4d沈着、組織病理学、および移植片機能不全によって特徴付けられる拒絶の段階にある患者または患者集団として確認される。
また、本発明は、治療有効養生法の抗−CD19抗体を受容体に投与することを含むそれを必要とするヒト移植片受容体において液性拒絶を治療または予防する方法に関する。1つの実施形態において、養生法は、さらに、単球またはマクロファージ機能を増強させる化合物を投与することを含む。1つの実施形態において、該養生法は、抗−CD19抗体の受容体への単一投与を含む。もう1つの実施形態において、養生法は、抗−CD19抗体の受容体への1を超える投与を含む。1つの実施形態において、養生法は、単一治療剤としての抗体の投与を含む。1つの実施形態において、養生法は、1以上の他の治療剤と組み合わせた抗体の投与も含む。
ある実施形態において、本発明は、1以上の治療剤と組み合わせた抗−CD19抗体の投与を提供し、該治療剤は、アドリアマイシン、アザチオプリン、ムスルファン、シクロホスファミド、サイクロスポリンA、サイトキシン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、メトトレキサート、マイコフェノレートモフェチル、非ステロイド抗−炎症剤、ラパマイシン、シロリムスおよびタクロリムスよりなる群から選択される。関連実施形態において、1以上の他の治療剤がOKT3TM(ムロモナブ−CD3)、CAMPATHTM−1H(アレムツヅマブ)、CAMPATHTM−1G、CAMPATHTM−1M、SIMULECTTM(バシリキシマブ)、ZENAPAXTM(ダクリズマブ)、RITUXANTM(リツキシマブ)、および抗−胸腺細胞グロブリンよりなる群から選択される抗体である。
1つの態様によると、本発明は、同種移植片に対する液性応答を発生する危険性があるとして特徴付けられる移植片受容体においてGVHDおよび拒絶を治療および予防する方法を提供する。関連する実施形態において、受容体は検出可能なレベルの循環抗−HLAアロ抗体を有する。
本発明の特別な実施形態において、移植片受容体は、心臓移植片、腎臓−膵臓移植片、腎臓移植片、肝臓移植片、肺移植片、および膵臓移植片よりなる群から選択される同種異系固体器官移植片の受容体である。1つの実施形態において、受容体は、膵臓島細胞の同種異系移植片の受容体である。もう1つの実施形態において、受容体は、造血系細胞移植片、例えば、骨髄移植片および/または末梢血液幹細胞の移植片の受容体である。
また、本発明は、移植片拒絶の治療または予防のための治療養生法の一部としての抗−C19抗体の投与を提供する。1つの実施形態において、治療養生法は、さらに、1以上の免疫抑制療法、抗−リンパ球療法、免疫吸着、またはプラズマフォレシスを含む。特別な実施形態において、免疫抑制療法は、ステロイド、サイトカイン転写の阻害剤、ヌクレオチド合成の阻害剤、成長因子シグナル伝達の阻害剤、およびT細胞インターロイキン2受容体の阻害剤よりなる群から選択される1以上の化合物を移植片受容体に投与することを含む。特別な実施形態において、抗−リンパ球療法は、OKT3TM(ムロモナブ−CD3)、CAMPATHTM−1H(アレムツヅマブ)、CAMPATHTM−1G、CAMPATHTM−1M、SIMULECTTM(バシリキシマブ)、ZENAPAXTM(ダクリズマブ)、RITUXANTM(リツキシマブ)、および抗−胸腺細胞グロブリンよりなる群から選択される1以上の抗体を受容体に投与することを含む。
本発明の方法のある実施形態において、抗−CD19抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、およびキメラ抗体よりなる群から選択されるモノクローナル抗体である。好ましくは、抗−CD19抗体はヒト抗体−依存性細胞傷害(ADCC)を媒介する。ある実施形態において、抗−CD19抗体はIgG1またはIgG3ヒトイソタイプ抗体である。他の実施形態において、抗−CD19抗体は、IgG2またはIgG4ヒトイソタイプ抗体である。1つの実施形態において、抗−CD19抗体は少なくとも4ないし7日である半減期を有する。
本発明の特別な実施形態において、抗−CD19抗体は非経口、腹腔内、または筋肉内経路によって投与される。他の実施形態において、抗−CD19抗体は静脈内または皮下経路によって、好ましくは、37.5mg/m2以下の用量にて、または1.5mg/m2以下の用量にて皮下経路によって投与される。
本発明によって提供される方法の好ましい実施形態において、抗−CD19抗体は、移植片受容体において、循環B細胞を低下または枯渇させるのに、循環免疫グロブリン(Ig)を低下または枯渇させるのに、または循環B細胞および循環Igの双方を低下または枯渇させるのに有効な量にて投与される。1つの実施形態において、抗−CD19抗体は、受容体への移植片の移植に先立って移植片において、B細胞を低下または枯渇させるのに、免疫グロブリン(Ig)を低下または枯渇させるのに、またはB細胞およびIg双方を低下または枯渇させるのに有効な量にて投与される。1つの実施形態において、本発明によって提供される方法は、循環B細胞において少なくとも50%または少なくとも75%枯渇を達成する。関連実施形態において、循環B細胞における枯渇は、少なくとも7日、少なくとも30日、または少なくとも6ヶ月の期間で観察される。もう1つの好ましい実施形態において、本発明の方法は、移植片受容体においてパネル反応性アロ抗体を少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%だけ低下させるのに有効である。
また、本発明は、循環B細胞を枯渇させるのに有効な量のヒトまたはヒト化抗−CD19抗体を移植片受容体に投与することを含むそれを必要とするヒト移植片受容体においてポスト−移植片リンパ系増殖障害を治療または予防する方法に関する。1つの実施形態において、本発明は、さらに、抗−ウイルス剤を移植片受容体に投与することを提供する。
(3.1 定義)
本明細書中で用いるように、用語「抗体」および「複数抗体」(免疫グロブリン)とは、(全長モノクローナル抗体を含めた)モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つの無傷抗体から形成された多特異的抗体(例えば、二特異的抗体)、ヒト抗体、ヒト化抗体、カメライズド抗体、キメラ抗体、単一−鎖Fvs(scFv)、単一−鎖抗体、単一ドメイン抗体、ドメイン抗体、Fab断片、F(ab’)2断片、所望の生物学的活性を呈する抗体断片、ジスルフィド−連結Fvs(sdFv)、および抗−イディオタイプ(抗−Id)抗体(例えば、本発明の抗体に対する抗−Id抗体を含む)、イントラボディ、および前記のいずれかのエピトープ−結合断片をいう。特に、抗体は、免疫グロブリン分子、および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な断片、すなわち、抗原−結合部位を含有する分子を含む。免疫グロブリン分子はいずれのタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)またはサブクラスのものでもあり得る。
本明細書中で用いるように、用語「抗体」および「複数抗体」(免疫グロブリン)とは、(全長モノクローナル抗体を含めた)モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つの無傷抗体から形成された多特異的抗体(例えば、二特異的抗体)、ヒト抗体、ヒト化抗体、カメライズド抗体、キメラ抗体、単一−鎖Fvs(scFv)、単一−鎖抗体、単一ドメイン抗体、ドメイン抗体、Fab断片、F(ab’)2断片、所望の生物学的活性を呈する抗体断片、ジスルフィド−連結Fvs(sdFv)、および抗−イディオタイプ(抗−Id)抗体(例えば、本発明の抗体に対する抗−Id抗体を含む)、イントラボディ、および前記のいずれかのエピトープ−結合断片をいう。特に、抗体は、免疫グロブリン分子、および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な断片、すなわち、抗原−結合部位を含有する分子を含む。免疫グロブリン分子はいずれのタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)またはサブクラスのものでもあり得る。
天然抗体は、通常、2つの同一の軽(L)鎖、および2つの同一の重(H)鎖から構成される約150,000ダルトンのヘテロテトラマー糖蛋白質である。各軽鎖は1つのジスルフィド共有結合によって重鎖に連結しており、他方、ジスルフィド結合の数は異なる免疫グロブリンイソタイプの重鎖の間で変化する。各重鎖および軽鎖は規則的に間隔を設けた鎖内ジスルフィドブリッジも有する。各重鎖は1つの末端の可変ドメイン(VH)、続いての多数の定常ドメインを有する。各軽鎖は1つの端部において可変ドメイン(VL)およびその他の端部において定常ドメインを有し;軽鎖の定常ドメインは重鎖の第一の定常ドメインと整列し、軽鎖可変ドメインは重鎖の可変ドメインと整列する。特定のアミノ酸残基は、軽鎖および重鎖可変ドメインの間で界面を形成すると考えられている。そのような抗体は、限定されるものではないが、ヒト、サル、ブタ、ウマ、ウサギ、イヌ、ネコ、マウス等を含めたいずれかの哺乳動物に由来し得る。
用語「可変」とは、可変ドメインのある部分が抗体の間で配列がかなり異なり、その特定の抗原に対する各特定の抗体の結合特異性を担うという事実をいう。しかしながら、可変性は、抗体の可変ドメインを通じて均一に分布しているのではない。それは、軽鎖および重鎖双方の可変ドメイン中で相補性決定領域(CDR)と呼ばれるセグメントに濃縮されている。可変ドメインのより高度に保存された部分はフレームワーク領域(FR)と呼ばれる。天然重鎖および軽鎖の可変ドメインは、各々、β−シート構造に連結する、ある場合にはその一部を形成するループを形成する、3つのCDRによって連結された、かなりβ−シート立体配置を採用する4つのFR領域を含む。各鎖におけるCDRはFR領域によって近接して一緒に保持され、他の鎖からのCDRと共に、抗体の高原−結合部位の形成に寄与する(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed. Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(1991)参照)。定常領域は一般には抗原結合に直接的には関与しないが、抗原結合親和性に影響する可能性があり、ADCCにおける抗体の参画のような種々のエフェクター機能を呈することができる。
用語「超可変領域」は、本明細書中で用いる場合、その抗原に対する結合を担う抗体のアミノ酸残基をいう。超可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」からのアミノ酸残基(例えば、軽鎖可変領域における残基24−34(L1)、50−56(L2)および89−97(L3)、および重鎖可変領域における31−35(H1)、50−65(H2)および95−102(H3);Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed. Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(1991))、および/または「超可変ループ」からの残基(例えば、軽鎖可変ドメインにおける残基26−32(L1)、50−52(L2)および91−96(L3)、および重鎖可変領域における26−32(H1)、53−55(H2)および96−101(H3);Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.,196:901−917(1987))を含む。「フレームワーク」または「FR」残基は、本明細書中で定義するように超可変領域残基以外の可変ドメイン残基であり、キメラ、ヒト化、ヒト、ドメイン抗体、ダイアボディ、バクシボディ、線状抗体、および二特異的抗体を含む。
用語「モノクローナル抗体」とは、本明細書中で用いるように、実質的に均質な抗体の集団から得られた抗体をいい、すなわち、該集団を含む個々の抗体は、微量に存在し得る可能な天然に生じる突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は高度に特異的であり、単一抗原部位に対して向けられる。さらに、典型的には異なる決定基(エピトープ)に向けられた異なる抗体を含む慣用的な(ポリクローナル)抗体製剤とは対照的に、各モノクローナル抗体は抗原上の単一決定基に対して向けられる。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体は、それらが、他の免疫グロブリン生産細胞によって汚染されないハイブリドーマ細胞によって合成される。別法として、モノクローナル抗体は、モノクローナル抗体をコードする重鎖および軽鎖遺伝子で安定にまたは一過的にトランスフェクトされた細胞によって生産され得る。
修飾語「モノクローナル」は、実質的に均質な抗体の生産から得られる抗体の特徴を示し、いずれかの特定の方法による抗体のエンジニアリングを必要とすると解釈されるべきではない。用語「モノクローナル」は、本明細書中においては、いずれかの真核生物、原核生物、またはファージクローンを含めた細胞のクローナル集団に由来する抗体をいい、抗体が作製された方法をいわない。例えば、本発明に従って用いられるモノクローナル抗体は、Kohler et al.,Nature,256:495(1975)によって最初に記載されたハイブリドーマ方法によって測定することができ、あるいは例えばClackson et al.,Nature,352:624−628(1991)およびMarks et al.,J.Mol.Biol.,222:581−597(1991)において記載された技術を用いるファージ抗体ライブラリーからの単離を含めたいずれかの組換えDNA方法(例えば、米国特許第4,816,567号参照)によって作製することができる。これらの方法を用いて、モノクローナル哺乳動物、キメラ、ヒト化、ヒト、ドメイン抗体、ダイアボディ、バクシボディ、線状抗体、および二特異的抗体を生産することができる。
用語「キメラ」抗体は、重鎖および/または軽鎖の少なくとも1つの部分が、特定の種に由来する、または特定の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一であるかまたは、相同であり、鎖の少なくとも1つの他の部分がもう1つの種に由来する、またはもう1つのクラスまたはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一であるか、またはそれに対して相同である抗体、ならびに所望の生物学的活性を呈する限りはそのような抗体の断片を含む(米国特許第4,816,567号;Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851−6855(1984))。注目するキメラ抗体は、本明細書中においては、非ヒト霊長類(例えば、ヒヒ、アカゲザルまたはマカクザルのような旧世界サル)に由来する可変ドメイン抗原−結合配列、およびヒト定常領域配列を含む「霊長類化」抗体を含む(米国特許第5,693,780号)。
非ヒト(例えば、マウス)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有するキメラ抗体である。ほとんどの場合、ヒト化抗体は、所望の特異性、親和性および能力を有する、受容体の超可変領域からの残基が、マウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類のような非ヒト種の(ドナー抗体)の超可変領域からの残基によって置き換えられたヒト免疫グロブリン(受容体抗体)である。いくつかの場合において、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基は対応する非ヒト残基によって置き換えられている。さらに、ヒト化抗体は受容体抗体で、またはドナー抗体で見出されない残基を含むことができる。これらの修飾を行って、抗体の性能をさらに洗練させる。一般に、ヒト化抗体は、超可変ループの全て、または実質的に全てが、非ヒト免疫グロブリンのそれに対応し、かつFRの全てまたは実質的に全てがヒト免疫グロブリン配列のものである、少なくとも1つ、典型的には、2つの可変ドメインの実質的に全て含むであろう。ある実施形態において、ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的には、ヒト免疫グロブリンのそれの少なくとも一部を含むであろう。さらなる詳細については、Jones et al.,Nature,321:522−525(1986);Riechmann et al.,Nature,332:323−329(1988);およびPresta,Curr.Op.Struct.Biol.,2:593−596(1992)参照。
「ヒト抗体」は、抗原挑戦に応答して特異的ヒト抗体を生産するように「作製」されており、かつ当該分野で知られたいずれかの方法によって生産することができる、ヒトに由来する抗体、またはトランスジェニック生物から得られる抗体であり得る。好ましい技術によると、ヒト重鎖および軽鎖座のエレメントが、内因性重鎖および軽鎖座の標的化された破壊を含む胚性幹細胞系に由来する生物の株に導入される。トランスジェニック生物はヒト抗原に特異的なヒト抗体を合成することができ、該生物を用いて、ヒト抗体を分泌するハイブリドーマを生産することができる。ヒト抗体は、重鎖および軽鎖が1以上のヒトDNAの源に由来するヌクレオチド配列によってコードされる抗体でもあり得る。十分にヒトの抗体もまた、遺伝子または染色体トランスフェクション方法、ならびにファージライブラリー技術、またはインビトロ活性化B細胞によって構築することができ、その全ては当該分野で知られている。
「CD19」抗原とは例えば、HD237またはB4抗体によって同定される約90kDaの抗原を言う(Kiesel et al.,Leukemia Research II,12:1119(1987))。CD19は、限定されるものではないが、(ナイーブB細胞、抗原−刺激B細胞、記憶B細胞、形質細胞、およびBリンパ球を含めた)プレ−B細胞、B細胞、および小胞樹状細胞を含めた、形質細胞への最後の分化を通じての幹細胞段階からのB−系列細胞の分化を通じて細胞に見出される。また、CD19はヒト胎児組織中のB細胞で見出される。好ましい実施形態において、本発明の抗体によって標的化されるCD19抗原はヒトCD19抗原である。
「抗体−依存性細胞−媒介細胞傷害」および「ADCC」とは、非特異的細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、およびマクロファージ)が標的細胞上の結合した抗体を認識し、引き続いて、標的細胞の溶解を引き起こす細胞−媒介反応を言う。好ましい実施形態においてそのような細胞はヒト細胞である。いずれかの特定の作用メカニズムに制限されるつもりはないが、ADCCを媒介するこれらの細胞傷害性細胞は一般にFc受容体(FcR)を発現する。ADCCを媒介するための一次細胞であるNK細胞はFcγRIIIを発現し、他方、単球はFcγRI、FcγRII、FcγRIIIおよび/またはFcγRIVを発現する。造血系細胞でのFcRの発現は、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.,9:457−92(1991)にまとめられている。分子のADCC活性を評価するためには、米国特許第5,500,362号または第5,821,337号に記載されたもののようなインビトロADCCアッセイを行うことができる。そのようなアッセイに対する有用なエフェクター細胞は、末梢血液単核細胞(PBMC)およびナチュラルキラー(NK)細胞を含む。別法として、あるいは加えて、注目する分子のADCC活性は、例えば、Clynes et al.,PNAS(USA),95:652−656(1998)に開示されたもののような動物モデルにおいて、インビボで評価することができる。
「補体依存性細胞傷害」または「CDC」とは、補体活性化を開示させ、補体の存在下で標的を溶解する分子の能力をいう。補体活性化経路は、補体系(C1q)の第一の成分の、同族抗原と複合体化した分子(例えば、抗体)への結合によって開始される。固体活性化を評価するためには、例えば、Gazzano−Santaro et al.,J.Immunol.Methods,202:163(1996)に記載されたCDCアッセイを行うことができる。
「エフェクター細胞」は、1以上のFcRを発現し、エフェクター機能を実行する白血球である。好ましくは、細胞は少なくともFcγRI、FcγRII、FcγRIIIおよび/またはFcγRIVを発現し、ADCCエフェクター機能を行う。ADCCを媒介するヒト白血球の例は末梢血液単核細胞(PBMC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、細胞傷害性T細胞および好中球を含み;PBMCおよびNK細胞が好ましい。好ましい実施形態において、エフェクター細胞はヒト細胞である。
用語「Fc受容体」または「FcR」は、抗体のFc領域に結合する受容体を記載するのに用いる。好ましいFcRは天然配列ヒトFcRである。さらに、好ましいFcRはIgG抗体(ガンマ受容体)ものである。対立遺伝子変種および、別法として、これらの受容体のスライスされた形態を含めた、FcγRI、FcγRII、FcγRIIIおよび/またはFcγRIVサブクラスの受容体を含む。FcγRII受容体は、その細胞質ドメインにおいて主として異なる同様なアミノ酸配列を有するFcγRIIA(「活性化受容体」)およびFcγRIIB(「阻害受容体」)を含む。活性化受容体FcγRIIAは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシン−ベースの活性化モチーフ(ITAM)を含有する。阻害性受容体FcγRIIBはその細胞質ドメインにおいて、免疫受容体チロシン−ベースの阻害モチーフ(ITIM)を含有する(Daeron,Annu.Rev.Immunol.,15:203−234(1997)参照)。FcRはRavetech and Kinet,Annu.Rev.Immunol.,9:457−92(1991);Capel et al.,Immunomethods,4:25−34(1994);およびde Haas et al.,J.Lab.Clin.Med.,126:330−41(1995)にレビューされている。将来同定されるべきものを含めた他のFcRは、ここでは、用語「FcR」に含まれる該用語は、母性IgGの胎児への導入を担う新生受容体FcRnを含む(Guyer et al.,Immunol.,117:587(1976)およびKim et al.,J.Immunol.,24;249(1994))。
「Fv」は、抗原−認識および結合部位を含有する抗体断片である。この領域は密な、非共有結合または共有結合会合した1つの重鎖および1つの軽鎖可変ドメインのダイマーよりなる。Fv立体配置においては、各可変ドメインの3つのCDRは、VH−VLダイマーの表面の抗原−結合部位を規定するように相互作用する。集合的に、これらの6つのCDRは抗原−結合特異性をFv断片に付与する。しかしながら、単一の可変ドメイン(または抗原に特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)さえが抗原を認識しそれに結合する能力を有するが、完全な結合部位よりも低い親和性におけるものである。
本明細書中に記載する処理で用いるべきエピトープに対する抗体の「親和性」は当該分野でよく理解された用語であって、抗体のエピトープへの結合の程度または強さを意味する。親和性は、限定されるものではないが、平衡解離定数(KDまたはKd)、見掛けの平衡解離定数(KD’またはKd’)、およびIC50(競合アッセイにおいて50%阻害を行うのに必要な量)を含めた当該分野で知られた多数の方法で測定し、および/または表現することができる。本発明の目的では、親和性は、エピトープに結合する抗体の所与の集団に対する平均親和性であると理解される。mL当たりのmg IgGまたはmg/mL換算の本明細書中で報告するKD’の値は血清のmL当たりのmg Igを示すが、血漿を用いることができる。抗体親和性を本明細書中で記載する治療方法の投与、または本明細書中で記載する治療方法についての選択のための基礎として用いる場合、抗体親和性は治療の前および/または間に測定することができ、得られた値は、ヒト患者が治療のための適切な候補であるか否かを評価するのに臨床家によって使用され得る。
「エピトープ」は当該分野でよく理解された用語であって、抗体への特異的結合を呈するいずれかの化学基を意味する。「エピトープ」は抗原を含むこともでき、これはエピトープを含有し、また、それ自体が特異的に抗体に結合する基または分子である。
本明細書中で用いるように、「B細胞表面マーカー」は、それに結合する剤で標的化することができるB細胞の表面に発現される抗原である。例示的なB細胞表面マーカーはCD10、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD24、CD25、CD37、CD53、CD72、CD73、CD74、CD75、CD77、CD79a、CD79b、CD80、CD81、CD82、CD83、CD84、CD85、およびCD86白血球表面マーカーを含む。特に注目するB細胞表面マーカーは哺乳動物の他の非−B細胞組織と比較してB細胞で優先的に発現され、前駆体B細胞および成熟B細胞双方で発現され得る。1つの実施形態において、好ましいマーカーは、最後に分化した形質細胞段階を通るプロ/プレ−B細胞段階からの系統の分化を通じてB細胞で見出されるCD19である。
本明細書中で用いるように、用語「抗体半減期」は、その投与に続いての抗体分子の平均生存時間の尺度である抗体のファルマコキネティック特性を意味する。抗体半減期は、例えば、血清中で測定して、患者の身体またはその特異的区画から既知量の免疫グロブリン50%を排出するのに必要な時間、すなわち、循環半減期として、または他の組織におけるものとして表現することができる。半減期は1つの免疫グロブリンまたは免疫グロブリンのクラスからもう1つのものまで変化し得る。一般に、抗体半減期の増加の結果、投与された抗体についての循環における平均滞留時間(MRT)の増加がもたらされる。
用語「イソタイプ」とは、抗体の分類をいう。抗体の定常ドメインは一般には抗原の結合に関与しないが、抗原結合親和性に影響でき、ADCCのような種々のエフェクター機能を呈することができる。重鎖定常領域のアミノ酸配列に依存して、与えられた抗体または免疫グロブリンは免疫グロブリンの5つの主なクラス:IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMの1つに帰属させることができる。これらのクラスのいくつかはさらにサブクラス(イソタイプ)例えば、IgG1(ガンマ1)、IgG2(ガンマ2)、IgG3(ガンマ3)、およびIgG4(ガンマ4)、およびIgA1およびIgA2に分けることができる。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常領域は、各々、α、δ、ε、γ、およびμと呼ばれる。免疫グロブリンの異なるクラスの構造および三次元立体配置はよく知られている。種々のヒト免疫グロブリンクラスのうち、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、およびIgMのみが補体を活性化することが知られている。ヒトIgG1およびIgG3はヒトにおいてADCCを媒介することが知られている。
本明細書中で用いるように、用語「免疫原性」は、化合物が免疫応答を惹起できることを意味する(特異的抗体の生産および/または特異的T細胞の増殖の刺激)。
本明細書中で用いるように、用語「抗原性」は、化合物が抗体によって認識され、または抗体に結合し、免疫応答を誘導できることを意味する。
本明細書中で用いるように、用語「結合力」は、抗体が抗原に結合する総じての結合の強さ(すなわち、双方の抗体アーム)の尺度である。抗体結合力は、限定されるものではないが、Gray et al.,J.Virol.Meth.,44:11−24(1993)によって記載される間接的蛍光抗体の修飾によるような当該分野で知られたいずれかの手段を用いて抗原過剰で結合した抗原−抗体の解離にを測定することによって決定することができる。
用語「治療する」、「治療している」または「の治療」(または文法的に同等の用語)とは、対象の疾患のひどさが低下し、または少なくとも部分的に改善され、または軽減されること、および/または少なくとも1つの臨床的徴候におけるある程度の軽減、緩和または減少が達成されること、および/または疾患の進行における阻害または遅延、および/または疾患または病気の予防またはその開始の遅延があることを意味する。用語「治療する」、「治療している」または「の治療」は、自己免疫疾患または障害を管理することも意味する。かくして、用語「治療する」、「治療している」または「の治療」(または文法的に同等な用語)とは、予防的および治療的双方の処置養生法をいう。
本明細書中で用いるように、特定の結果を達成するのに「十分量」または「十分な量」とは、(治療有効量の投与によって)所望により治療的に有効である所望の効果を生じるのに有効な本発明の抗体または組成物の量をいう。例えば、「十分量」または「十分な量」は、B細胞を枯渇させるのに十分な量であり得る。
本明細書中で用いるように、「治療有効」量は、いくらかの改良を供する、または対象に利益となる量である。別の言い方をすれば、「治療有効」量は、少なくとも1つの臨床的徴候におけるある程度の軽減、緩和および/または減少を供する量である。本発明の方法によって治療することができる障害に関連する臨床的徴候は当業者によく知られている。さらに、当業者であれば、ある程度の利益が対象に供される限り、治療上の効果は完全または治癒的である必要はないことは認識するであろう。
(5 発明の詳細な説明)
本発明は、免疫治療組成物、およびCD19抗原に結合し、好ましくはヒトADCCを媒介する治療抗体を用いてヒト移植片受容体においてGVHD、移植片拒絶、および移植後リンパ球増殖障害を治療および予防する方法に関する。特別な実施形態において、本発明の抗−CD19抗体はADCC、補体依存性細胞傷害、またはアポトーシスを媒介する。本発明の組成物および方法は、免疫系の無傷の他の機能的エレメントおよび細胞型を残してB細胞を特異的に標的とする利点を有する。従って、1つの態様において、本発明は、余り標的化されていない治療剤および養生法よりも少ないおよび/またはひどさが低い合併症に関連するGVHD、移植片拒絶、および移植後リンパ系増殖障害を治療および予防するための組成物および方法を提供する。1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、本発明の方法および組成物の不存在下で可能であるより低い用量の伝統的な治療剤と組み合わせて用いられる。もう1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、放射線療法、高−用量化学療法、または脾臓摘出のようなよりひどい形態の療法に対する必要性を軽減する。
本発明は、免疫治療組成物、およびCD19抗原に結合し、好ましくはヒトADCCを媒介する治療抗体を用いてヒト移植片受容体においてGVHD、移植片拒絶、および移植後リンパ球増殖障害を治療および予防する方法に関する。特別な実施形態において、本発明の抗−CD19抗体はADCC、補体依存性細胞傷害、またはアポトーシスを媒介する。本発明の組成物および方法は、免疫系の無傷の他の機能的エレメントおよび細胞型を残してB細胞を特異的に標的とする利点を有する。従って、1つの態様において、本発明は、余り標的化されていない治療剤および養生法よりも少ないおよび/またはひどさが低い合併症に関連するGVHD、移植片拒絶、および移植後リンパ系増殖障害を治療および予防するための組成物および方法を提供する。1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、本発明の方法および組成物の不存在下で可能であるより低い用量の伝統的な治療剤と組み合わせて用いられる。もう1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、放射線療法、高−用量化学療法、または脾臓摘出のようなよりひどい形態の療法に対する必要性を軽減する。
本発明の組成物および方法は、他のB−細胞指向性免疫療法よりも広いB細胞の集団を標的とする利点も有する。例えば、本発明の抗−CD19抗体は、骨髄B細胞、循環B細胞、および成熟抗体−分泌B細胞を標的とするのに効果的である。従って、本発明の方法および組成物は、循環B細胞ならびに循環免疫グロブリンを低下させまたは枯渇するのに効果的である(例えば、図13および14参照)。
ある実施形態において、本発明の抗−CD19抗体および組成物は、単独で、あるいはGVHDおよび移植片拒絶の治療または予防上の他の治療剤または養生法と組み合わせて、移植に先立ってまたはその後に、移植片受容体に投与することができる。例えば、本発明の抗−CD19抗体および組成物を用いて、同種異系移植片の移植に先立って、またはその後に移植片受容体からアロ抗体を枯渇させることができる。また、本発明の抗−CD19抗体および組成物を用いて、GVHDおよび移植片拒絶に対する予防として、移植に先立って、またはドナーにおいて、エクスビボにて移植片から抗体生産細胞を枯渇させることもできる。
液性拒絶のための予防または治療を必要とする移植片受容体は、当該分野における知識および技量に従って同定される。例えば、移植片拒絶に対する予防を必要とする移植片受容体は、移植に先立って検出可能な循環抗−HLAアロ抗体を有する患者または患者集団として同定することができる。もう1つの例において、患者または患者集団は、移植に先立ってパネル反応性アロ抗体を有するものとして同定される。移植片受容体ポスト−移植における検出可能な循環抗−HLAアロ抗体の存在を用いて、本発明に従って、液性拒絶用の治療を必要とする患者または患者集団を同定することもできる。液性拒絶用の治療を必要とする患者または患者集団は、移植片受容体が液性拒絶を発生する危険性があるか、あるいは既に液性拒絶を発生していることを示す他の臨床的基準に従って同定することもできる。例えば、液性拒絶用の治療を必要とする移植片受容体は、循環抗−ドナーアロ抗体によって特徴付けられる潜在的液性応答のような液性拒絶の初期段階における患者または患者集団として同定することができる。液性拒絶の初期段階は、循環抗−ドナーアロ抗体およびC4d沈積によって特徴付けられるサイレントな反応、または循環抗−ドナーアロ抗体、C4d沈積、および組織病理学によって特徴付けられる臨床下拒絶でもあり得る。より後の段階においては、受容体は、例えば、循環抗−ドナーアロ抗体、C4d沈積、組織病理学、および移植片機能不全によって、当該分野における知識および技量に従って特徴付けられる液性拒絶の臨床的症状を表す患者または患者集団として同定される。
本発明は、GVHD、拒絶エピソード、または移植後リンパ系増殖障害の発生、ひどさ、または持続を低下させるのに効果的な組成物および方法を提供する。ある実施形態において、本発明の組成物および方法は、個体組織または器官移植片の虚血性再灌流負傷に対する宿主応答を減衰させるのに効果的である。好ましい実施形態において、本発明の抗−CD19抗体組成物および方法は、移植片受容体における移植片の生存を延長するのに効果的である。
本発明は、IgG1またはIgG3ヒトイソタイプのヒト、ヒト化またはキメラ抗−CD19抗体を含む医薬組成物に関する。また、本発明は、好ましくはヒトADCCを媒介するIgG2またはIgG4ヒトイソタイプのヒトまたはヒト化抗−CD19抗体を含む医薬組成物に関する。ある実施形態において、本発明は、当該分野で公知の手段によって生産することができるモノクローナルヒト、ヒト化またはキメラ化抗−CD19抗体を服務医薬組成物に関する。
GVHD、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害を治療または予防するための治療処方および養生法を記載する。本発明は、受容体にとってオートロガス、同種異系または外因性である移植片を含む。本発明によって含まれる移植片のタイプは、限定されるものではないが、骨髄移植片、末梢血液幹細胞移植片、皮膚移植片、動脈および静脈移植片、膵臓島細胞移植片、および腎臓、肝臓、膵臓、胸腺および心臓の移植体を含めた組織および器官移植片を含む。用語「移植片」および「移植体」は本明細書中においては相互交換可能に用いられる。1つの実施形態において、オートゴラス移植片は骨髄移植片、動脈移植片、静脈移植片、または皮膚移植片である。1つの実施形態において、同種移植片は骨髄移植片、角膜移植片、腎臓移植体、心臓移植体、肝臓移植体、肺移植体、膵臓移植体、膵臓島細胞移植体、または腎臓および膵臓の組合せ移植体である。1つの実施形態において、移植片は外因性移植片であり、好ましくは、ここで、ドナーはブタである。本発明の組成物および方法を用いて、限定されるものではないが、人工関節、ステントまたはペースメーカーデバイスを含めた、非−生物学的移植片またはインプラントに対する有害な免応答を抑制することもできる。
本発明の抗−CD19抗体、組成物および方法を用いて、移植体の必要性を最初に生じさせる特定の症状、または移植された組織の特定のタイプに関することなく、GVHD、液性拒絶、または移植後リンパ系増殖障害を治療または予防することができる。しかしながら、移植体、および移植された組織のタイプに対する必要性を生じさせた適応症は、その包括的養生法は本発明の抗−CD19抗体組成物および方法を含む、GVHD、移植片拒絶、および移植後リンパ系増殖障害の治療または予防用の包括的な治療養生法に対する基礎を提供することができる。診断基準および治療養生法のより詳細な記載は、セクション5.5および5.6に供される。
(5.1 抗−CD19抗体の創製)
(5.1.1 ポリクローナル抗−CD19抗体)
ポリクローナル抗体は、関連抗原およびアジュバントの複数皮下(s.c.)または腹腔内(i.p.)注射によって動物において生起される。二官能性または誘導体化剤、例えば、スルホスクシンイミドエステル(システイン残基を通じてのコンジュゲーション)、(リジン残基を通じる)N−ヒドロキシスクシンイミド、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl2を用いて、関連抗原を、免疫化すべき種において免疫原性である蛋白質、例えば、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシチログロビン、または大豆トリプシン阻害剤にコンジュゲートさせるのが有用であろう。
(5.1.1 ポリクローナル抗−CD19抗体)
ポリクローナル抗体は、関連抗原およびアジュバントの複数皮下(s.c.)または腹腔内(i.p.)注射によって動物において生起される。二官能性または誘導体化剤、例えば、スルホスクシンイミドエステル(システイン残基を通じてのコンジュゲーション)、(リジン残基を通じる)N−ヒドロキシスクシンイミド、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl2を用いて、関連抗原を、免疫化すべき種において免疫原性である蛋白質、例えば、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシチログロビン、または大豆トリプシン阻害剤にコンジュゲートさせるのが有用であろう。
例えば、100μgまたは5μgの蛋白質またはコンジュゲート(各々、ウサギまたはマウス用)を3容量のフロイントの完全アジュバントと組み合わせ、溶液を複数部位にて皮内注射することによって、動物を抗原、免疫原性コンジュゲート、または誘導体に対して免疫化する。1ヵ月後に動物に、複数部位における皮下注射によって、フロイントの不完全アジュバント中のペプチドまたはコンジュゲートの元の量の1/5ないし1/10をブースター注射する。7ないし14日後に、動物から血液を採取し、抗体力価について血清をアッセイする。力価プラトーまで動物にブースター注射する。好ましくは、動物に、異なる蛋白質にコンジュゲートさせ、および/または異なる架橋剤を介する以外は同一抗原のコンジュゲートをブースター注射する。コンジュゲートは、蛋白質融合としての組換え細胞培養で作製することもできる。また、ミョウバンのような凝集剤を適切に用いて、免疫応答を増強させる。
(5.1.2 モノクローナル抗−CD19抗体)
本発明のモノクローナル抗−CD19抗体はヒトCD19抗原に対する結合特異性を呈し、好ましくは、ヒトADCCを媒介することができる。これらの抗体は、ハイブリドーマ、組換え体、およびファージディスプレイ技術、またはその組合せの使用を含めた、当該分野で知られた広く種々の技術を用いて生じさせることができる。抗体は高度に特異的であり、単一抗原性部位に対して向けられる。さらに、典型的には、異なる決定基(エピトープ)に対して向けられた異なる抗体を含む慣用的な(ポリクローナル抗体)調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体はヒトCD19抗原上の単一決定基に対して向けられる。例えば、本発明に従って用いるべきモノクローナル抗体は、マウス抗体(または他の非ヒト哺乳動物、例えば、ラット、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ラクダ等に由来する抗体)、またはトランスジェニック動物に由来するヒト抗体を生じさせるのに用いることができるKohler et al.,Nature, 256:495(1975)によって最初に記載されたハイブリドーマ方法によって作製することができる。(米国特許第6,075,181号、第6,114,598号、第6,150,584号、および第6,657,103号参照)。別法として、モノクローナル抗体は組換えDNA方法によって作製することができ(例えば、米国特許第4,816,567号参照)、キメラおよびヒト化抗体を含む。「モノクローナル抗体」は、例えば、Clackson et al.,Nature,352:624−628(1991)およびMarks et al.,J.Mol.Biol.,222:581−597(1991)に記載された技術を用いてファージ抗体ライブラリーから単離することもできる。
本発明のモノクローナル抗−CD19抗体はヒトCD19抗原に対する結合特異性を呈し、好ましくは、ヒトADCCを媒介することができる。これらの抗体は、ハイブリドーマ、組換え体、およびファージディスプレイ技術、またはその組合せの使用を含めた、当該分野で知られた広く種々の技術を用いて生じさせることができる。抗体は高度に特異的であり、単一抗原性部位に対して向けられる。さらに、典型的には、異なる決定基(エピトープ)に対して向けられた異なる抗体を含む慣用的な(ポリクローナル抗体)調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体はヒトCD19抗原上の単一決定基に対して向けられる。例えば、本発明に従って用いるべきモノクローナル抗体は、マウス抗体(または他の非ヒト哺乳動物、例えば、ラット、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ラクダ等に由来する抗体)、またはトランスジェニック動物に由来するヒト抗体を生じさせるのに用いることができるKohler et al.,Nature, 256:495(1975)によって最初に記載されたハイブリドーマ方法によって作製することができる。(米国特許第6,075,181号、第6,114,598号、第6,150,584号、および第6,657,103号参照)。別法として、モノクローナル抗体は組換えDNA方法によって作製することができ(例えば、米国特許第4,816,567号参照)、キメラおよびヒト化抗体を含む。「モノクローナル抗体」は、例えば、Clackson et al.,Nature,352:624−628(1991)およびMarks et al.,J.Mol.Biol.,222:581−597(1991)に記載された技術を用いてファージ抗体ライブラリーから単離することもできる。
作製された抗−CD19抗体は、限定されるものではないが、以下に記載された技術、およびそれらの技術に対する改良を含めた当該分野で公知のいずれの手段によって生産することもできる。大規模な高収率生産は、典型的には、作製された抗−CD19抗体を生産する宿主細胞を培養し、宿主細胞培養から抗−CD19抗体を回収することを含む。
(5.1.3 ハイブリドーマ技術)
モノクローナル抗体は、当該分野で知られ、例えば、Harlow et al.,Antibodies:A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd ed.1988);Hammerling et al.,in Monoclonal Antibodies and T Cell Hybridomas,563−681(Elsevier,NY,1981)(該文献を引用によりその全体を援用する)に教示されたものを含めたハイブリドーマ技術を用いて生産することができる。例えば、ハイブリドーマ方法においては、マウス、またはハムスターもしくはマカック属サルのような他の適当な宿主動物を免疫化して、免疫化で用いる蛋白質に特異的に結合する抗体を生産する、または生産することができるリンパ球を誘導する。別法として、リンパ球をインビトロで免疫化することができる。次いで、ポリエチレングリコールのような適当な融合剤を用いてリンパ球を骨髄腫細胞と融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59−103(Academic Press,1986))。
モノクローナル抗体は、当該分野で知られ、例えば、Harlow et al.,Antibodies:A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd ed.1988);Hammerling et al.,in Monoclonal Antibodies and T Cell Hybridomas,563−681(Elsevier,NY,1981)(該文献を引用によりその全体を援用する)に教示されたものを含めたハイブリドーマ技術を用いて生産することができる。例えば、ハイブリドーマ方法においては、マウス、またはハムスターもしくはマカック属サルのような他の適当な宿主動物を免疫化して、免疫化で用いる蛋白質に特異的に結合する抗体を生産する、または生産することができるリンパ球を誘導する。別法として、リンパ球をインビトロで免疫化することができる。次いで、ポリエチレングリコールのような適当な融合剤を用いてリンパ球を骨髄腫細胞と融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59−103(Academic Press,1986))。
かく調製されたハイブリドーマ細胞は、好ましくは、融合していない親骨髄腫細胞の増殖または生存を阻害する1以上の物質を含有する適当な培養基に撒き、そこで増殖させる。例えば、もし親骨髄腫細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠如するならば、ハイブリドーマのための培養基は、典型的には、ヒポキサンチン、アミノプテリン、チニジンを含み(HAT培地)、その物質はHGPRT−欠乏細胞の増殖を妨げる。
好ましい骨髄腫細胞は、効果的に融合し、選択された抗体−生産細胞による抗体の安定な高レベル生産を支持し、HAT培地のような培地に対して感受性であるものである。これらの中で、好ましい骨髄腫細胞系は、Salk Institute Cell Distribution Center, San Diego,CA,USAから入手可能なMOPC−21およびMPC−11マウス腫瘍に由来するもの、およびAmerican Type Culture Collection,Rockville,MD,USAから入手可能なSP−2またはX63−Ag8.653細胞のようなマウス骨髄腫系である。ヒト骨髄腫およびマウス−ヒトへテロ骨髄腫細胞系の、ヒトモノクローナル抗体の生産について記載されている(Kozbor,J.Immunol.,133:3001(1984);Brodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51−63(Marcel Dekker,Inc.,NY,1987))。
ハイブリドーマ細胞は増殖する培養基を、ヒトCD19抗原に対して向けられたモノクローナル抗体の生産についてアッセイする。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって生産されたモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈澱によって、またはラジオイムノアッセイ(RIA)または酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)のようなインビトロ結合アッセイによって決定さえる。
所望の特異性、親和性および/または活性の抗体を生産するハイブリドーマ細胞を同定した後、クローンを限界希釈方法によってサブクローンし、標準的な方法によって増殖させることができる(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59−103(Academic Press,1986))。この用途の適当な培養基は、例えば、D−MEMまたはRPMI1640培地を含む。加えて、ハイブリドーマ細胞は動物中の腹水腫瘍としてインビボで増殖させることができる。
サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、例えば、プロテインA−Sepharose、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気詠動、透析、またはアフィニティクロマトグラフィーのような慣用的な免疫グロブリン精製手法によって培養基、腹水液、または血清から適切に分離される。
(5.1.4 組換えDNA技術)
本発明の抗−CD19抗体をコードするDNAは、(例えば、抗−CD19抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを用いることによって)慣用的手法を用いて容易に単離し、配列決定される。ハイブリドーマ細胞はそのようなDNAの好ましい源として働く。一旦単離されれば、DNAを発現ベクターに入れ、次いで、これを、そうでなければ免疫グロブリン蛋白質を生産するE.coli細胞、シミアンCOS細胞、チニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞のような宿主細胞にトランスフェクトして、組換え宿主細胞において抗−CD19抗体の合成を得ることができる。
本発明の抗−CD19抗体をコードするDNAは、(例えば、抗−CD19抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを用いることによって)慣用的手法を用いて容易に単離し、配列決定される。ハイブリドーマ細胞はそのようなDNAの好ましい源として働く。一旦単離されれば、DNAを発現ベクターに入れ、次いで、これを、そうでなければ免疫グロブリン蛋白質を生産するE.coli細胞、シミアンCOS細胞、チニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞のような宿主細胞にトランスフェクトして、組換え宿主細胞において抗−CD19抗体の合成を得ることができる。
ファージディスプレイ方法においては、機能的抗体ドメインが、それらをコードするポリヌクレオチド配列を運ぶファージ粒子の表面に提示される。特に、VHおよびVLドメインをコードするDNA配列は動物cDNAライブラリー(例えば、侵された組織のヒトまたはマウスcDNAライブラリー)から増幅される。VHおよびVLドメインをコードするDNAを、PCRによってscFvリンカーと一緒に組換え、ファゲミドベクターにクローン化される。ベクターをE.coliにおいてエレクトロポレーションに付し、E.coliをヘルパーファージで感染させる。これらの方法で用いるファージは、fdおよびM13を含めたフィラメント状ファージであり、VHおよびVLドメインは通常組換えによりファージ遺伝子IIIまたは遺伝子VIIIいずれかに融合させる。特定の抗原に結合する抗原−結合ドメインを発現するファージは、例えば、標識された抗原、あるいは個体表面またはビーズに結合した、またはそれに捕獲された抗原を用いて抗原で選択し、または同定することができる。本発明の抗体を作製するのに用いることができるファージディスプレイ方法の例は、その各々をここに引用してその全体を援用する、Brinkman et al.,1995,J.Immunol.Methods,182:41−50;Ames et al.,1995,J.Immunol.Methods,184:177−186;Kettleborough et al.,1994、Eur.J.Immunol.,24:952−958;Persic et al.,1997,Gene,187:9−18;Burton et al.,1994,Advances in Immunology,57:191−280;国際出願No.PCT/GB91/O1 134;国際公開番号WO90/02809,WO91/10737,WO92/01047,WO92/18619,WO93/11236,WO95/15982,WO95/20401,およびWO97/13844;および米国特許第5,698,426号、第5,223,409号、第5,403,484号、第5,580,717号、第5,427,908号、第5,750,753号、第5,821,047号、第5,571,698号、第5,427,908号、第5,516,637号、第5,780,225号、第5,658,727号、第5,733,743号、および第5,969,108号に開示されているものを含む。
前記文献に記載されているように、ファージ選択の後、ファージからの抗体コーティング領域を単離し、それを用いて、ヒト抗体を含めた全抗体、またはいずれかの他の所望の抗原−結合断片を生じさせ、例えば、後に記載するように、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母および細菌を含めたいずれかの所望の宿主で発現させる。Fab、Fab’およびF(ab’)2断片を組換えにより生じさせるための技術を、PCT公開番号WO92/22324;Mullinax et al.,1992,BioTechniques,12(6):864−869;Sawai et al.,1995,AJRI,32:26−34;およびBetter et al.,1988,Science,240:1041−1043(該文献を引用してその全体を援用する)に記載されたもののような当該分野で公知の方法を用いて使用することもできる。
さらなる実施形態において、抗体は、McCafferty et al.,Nature,348:552−554(1990)に記載された技術を用いて生じさせた抗体ファージライブラリーから単離することができる。Clackson et al.,Nature,352:624−628(1991)。Marks et al.,J.Mol.Biol.,222:581−597(1991)は、ファージライブラリーを用いる、各々、マウスおよびヒト抗体の単離を記載する。鎖シャッフリングを、高親和性(nM範囲)ヒト抗体の生産(Marks et al.,Bio/Technology,10:779−783(1992))、ならびに非常に大きなファージライブラリーを構築するための戦略としてのコンビナトーリアル感染およびインビボ組換えで用いることができる(Waterhouse et al.,Nuc.Acids.Res.,21:2265−2266(1993))。かくして、これらの技術は、抗−CD19抗体の単離のための伝統的なモノクローナル抗体ハイブリドーマ技術に対する実行できる代替法である。
全抗体を生じさせるためには、VHおよびVLヌクレオチド配列、制限部位、および制限部位を保護するためのフランキング配列を含めたPCRプライマーを用いて、scFvクローンにおいてVHおよびVL配列を増幅することができる。当業者に知られたクローニング技術を利用し、PCR増幅VHドメインを、VH定常領域、例えば、ヒトガンマ4定常領域を発現するベクターにクローン化することができ、PCR増幅VLドメインを、VL定常領域、例えば、ヒトカッパまたはラムダ定常領域を発現するベクターにクローン化することができる。好ましくは、VHおよびVLドメインを発現するためのベクターは、EF−1αプロモーター、分泌シグナル、可変ドメインのためのクローニング部位、定常ドメイン、およびネオマイシンのような選択マーカーを含む。VHおよびVLドメインは、必要な定常領域を発現する1つのベクターにクローン化することもできる。次いで、重鎖変換ベクターおよび軽鎖変換ベクターを細胞系へ共トランスフェクトして、当業者に知られた技術を用い、全長抗体、例えば、IgGを発現する安定なまたは一過性細胞系を生じさせる。
DNAは、例えば、相同マウス配列の代わりにヒト重鎖および軽鎖定常ドメインについてのコーディング配列で置き換えることによって(米国特許第4,816,567号;Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851(1984))、あるいは非−免疫グロブリンポリペプチドについてのコーディング配列の全てまたは部分を免疫グロブリンコーディング配列に共有結合連結することによって修飾することもできる。
(5.1.5 キメラ抗体)
ここに、抗−CD19抗体は、具体的には、重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種に由来する、または特定の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一であるか、または相同であり、他方、該鎖の一部が、もう1つの種に由来する、またはもう1つの抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一であるか、または相同であるキメラ抗体(免疫グロブリン)、ならびに所望の生物学的活性を呈する限りはそのような抗体に断片を含む(米国特許第4,816,567号;Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851−6855(1984))。ここに、注目するキメラ抗体は、非ヒト霊長類(例えば、ヒヒ、アカゲザルまたはマカクザルのような旧世界サル)に由来する可変ドメイン抗原−結合配列およびヒト定常領域は配列を含む「霊長類化」抗体を含む。(米国特許第5,693,780号)。
ここに、抗−CD19抗体は、具体的には、重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種に由来する、または特定の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一であるか、または相同であり、他方、該鎖の一部が、もう1つの種に由来する、またはもう1つの抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一であるか、または相同であるキメラ抗体(免疫グロブリン)、ならびに所望の生物学的活性を呈する限りはそのような抗体に断片を含む(米国特許第4,816,567号;Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851−6855(1984))。ここに、注目するキメラ抗体は、非ヒト霊長類(例えば、ヒヒ、アカゲザルまたはマカクザルのような旧世界サル)に由来する可変ドメイン抗原−結合配列およびヒト定常領域は配列を含む「霊長類化」抗体を含む。(米国特許第5,693,780号)。
(5.1.6 ヒト化抗体)
ヒト化抗体は、限定されるものではないが、CDR−グラフティング(例えば、その各々をここに引用してその全体を援用する、欧州特許 Patent No.EP239,400;国際公開 No.WO91/09967;および米国特許第5,225,539号、第5,530,101号、および第5、585、089号参照)、ベニアリングまたはリサーフィシング(例えば、その各々をここに引用してその全体を援用する、欧州特許 Nos.EP592,106およびEP519,596;Padian,1991,Molecular Immunology,28(4/5):489−498;Studnicka et al.,1994,Protein Engineering,7(6):805−814;およびRoguska et al.,1994,PNAS,91:969−973)、鎖シャフリング(例えば、ここに引用してその全体を援用する米国特許第5,565,332号を参照)、および、例えば、各々をここに引用して援用する、米国特許出願公開US2005/0042664、米国特許出願公開US2005/0048617、米国特許第6,407,213号、米国特許第5,766,886号、国際公開番号WO9317105、Tan et al.,J.Immunol.,169:1119−25(2002),Caldas et al.,Protein Eng.,13(5):353−60(2000),Morea et al.,Methods,20(3):267−79(2000),Baca et al.,J.Biol.Chem.,272(16):10678−84(1997),Roguska et al.,Protein Eng.,9(10):895−904(1996)、Couto et al.,Cancer Res.,55(23Supp):5973s−5977s(1995),Couto et al.,Cancer Res.,55(8):1717−22(1995),Sandhu JS,Gene,150(2):409−10(1994),and Pedersen et al.,J.Mol.Biol.,235(3):959−73(1994)に開示された技術を含めた当該分野で公知の種々の技術を用いて生産することができる。しばしば、フレームワーク領域におけるフレームワーク残基はCDRドナー抗体からの対応する残基で置換して、抗原結合を改変し、好ましくは改良する。これらのフレームワーク置換は、例えば、CDRおよびフレームワーク残基の相互作用のモデリングによって当該分野で良く知られた方法によって同定して、抗原結合および配列比較で重要なフレームワーク残基を同定して、特定の位置における通常でないフレームワーク残基を同定する(例えば、ここに引用してその全体を援用する、Queen et al.,米国特許第5,585,089号、およびRiechmann et al.,1988,Nature,332:323参照)。
ヒト化抗体は、限定されるものではないが、CDR−グラフティング(例えば、その各々をここに引用してその全体を援用する、欧州特許 Patent No.EP239,400;国際公開 No.WO91/09967;および米国特許第5,225,539号、第5,530,101号、および第5、585、089号参照)、ベニアリングまたはリサーフィシング(例えば、その各々をここに引用してその全体を援用する、欧州特許 Nos.EP592,106およびEP519,596;Padian,1991,Molecular Immunology,28(4/5):489−498;Studnicka et al.,1994,Protein Engineering,7(6):805−814;およびRoguska et al.,1994,PNAS,91:969−973)、鎖シャフリング(例えば、ここに引用してその全体を援用する米国特許第5,565,332号を参照)、および、例えば、各々をここに引用して援用する、米国特許出願公開US2005/0042664、米国特許出願公開US2005/0048617、米国特許第6,407,213号、米国特許第5,766,886号、国際公開番号WO9317105、Tan et al.,J.Immunol.,169:1119−25(2002),Caldas et al.,Protein Eng.,13(5):353−60(2000),Morea et al.,Methods,20(3):267−79(2000),Baca et al.,J.Biol.Chem.,272(16):10678−84(1997),Roguska et al.,Protein Eng.,9(10):895−904(1996)、Couto et al.,Cancer Res.,55(23Supp):5973s−5977s(1995),Couto et al.,Cancer Res.,55(8):1717−22(1995),Sandhu JS,Gene,150(2):409−10(1994),and Pedersen et al.,J.Mol.Biol.,235(3):959−73(1994)に開示された技術を含めた当該分野で公知の種々の技術を用いて生産することができる。しばしば、フレームワーク領域におけるフレームワーク残基はCDRドナー抗体からの対応する残基で置換して、抗原結合を改変し、好ましくは改良する。これらのフレームワーク置換は、例えば、CDRおよびフレームワーク残基の相互作用のモデリングによって当該分野で良く知られた方法によって同定して、抗原結合および配列比較で重要なフレームワーク残基を同定して、特定の位置における通常でないフレームワーク残基を同定する(例えば、ここに引用してその全体を援用する、Queen et al.,米国特許第5,585,089号、およびRiechmann et al.,1988,Nature,332:323参照)。
ヒト化抗−CD19抗体は、非ヒトである源からそれに導入された1以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、典型的には、「インポート」可変ドメインから取られた「インポート」残基といわれる。かくして、ヒト化抗体は、非ヒト免疫グロブリン分子からの1以上のCDRおよびヒトからのフレームワークを含む。抗体のヒト化は当該分野で良く知られており、実質的には、ヒト抗体の対応する配列の代わりにげっ歯類CDRまたはCDR配列で置き換えることによって、すなわち、CDR−グラフティングによって(その内容をここに引用してその全体を援用する、(EP239,400;PCT公開番号WO91/09967;および米国特許第4,816,567号;第6,331,415号:第5,225,539号;第5,530,101号;第5,585,089号;6,548,640号)、Winterおよび共同研究者の方法(Jones et al.,Nature,321:522−525(1986);Riechmann et al.,Nature,332:323−327(1988);Verhoeyen et al.,Science,239:1534−1536(1988))に従って行うことができる。そのようなヒト化キメラ抗体は、実質的に無傷未満のヒト可変ドメインが非ヒト種からの対応する配列によって置き換えられている。現実的には、ヒト化抗体は、典型的には、いくつかのCDR残基およびおそらくはいくつかのFR残基がげっ歯類抗体における同様な部位からの残基によって置きかえられたヒト抗体である。抗−CD19抗体のヒト化は、ベニアリングまたはリサーフィシング(EP592,106;EP519,596;Padlan,1991,Molecular Immunology,28(4/5):489−498;Studnicka et al.,Protein Engineering,7(6):805−814(1994);およびRoguska et al.,PNAS,91:969−973(1994))、または鎖シャッフリング(その内容を、ここに引用してその全体を援用する、(米国特許第5,565,332号)によって達成することもできる。
ヒト化抗体を作製するのに用いるべき重鎖および軽鎖双方のヒト可変ドメインの選択は、抗原性を低下させることである。いわいる「ベスト−フィット」方法に従って、げっ歯類抗体の可変ドメイン配列は、公知のヒト可変−ドメイン配列の全ライブラリーに対してスクリーニングされる。次いで、げっ歯類のそれに最も近いヒト配列を、ヒト化抗体のためのヒトフレームワーク(FR)として許容する(その内容をここに引用してその全体を援用する(Sims et al.,J.Immunol.,151:2296(1993);Chothia et al.,J.Mol.Biol.,196:901(1987))。もう1つの方法は、軽鎖または重鎖の特定のサブグループの全てのヒト抗体のコンセンサス配列に由来する特定のフレームワークを用いる。同一フレームワークをいくつかの異なるヒト化抗−CD19抗体で用いることができる(その内容をここに引用してその全体を援用する、(Carter t al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992);Presta et al.,J.Immunol.,151:2623(1993))。
抗−CD19抗体は、CD19に対する高い親和性の保持、または他の好都合な生物学的特性を持つものとしてヒト化することができる。本発明の1つの態様によると、ヒト化抗体は、親およびヒト化配列の3次元モデルを用いる親配列および種々の概念的ヒト化産物の分析のプロセスによって調製される。三次元免疫グロブリンモデルは共通に利用可能であり、当業者に精通している。選択された候補免疫グロブリン配列の可能な三次元立体配座構造を説明し、表示するコンピュータプログラムが入手可能である。これらのディスプレイの精査は、候補免疫グロブリン配列の機能化における残基のありそうな役割の分析、すなわち、CD19に結合する候補免疫グロブリンの能力に影響する残基の分析を可能とする。このように、CD19に対する増大した親和性のような所望の抗体特徴が達成されるように、FR残基を受容体および輸入配列から選択し、組み合わせることができる。一般に、CDR残基は、抗原結合への影響に直接的かつ最も実質的に関与する。
「ヒト化」抗体は、本発明における元の抗体として同様な抗原性特異性、ヒトCD19抗原に結合する能力を保有する。しかしながら、ヒト化のある方法を用い、ヒトCD19抗原に対する抗体の結合の親和性および/または特異性は、その内容をここに引用してその全体を援用するWu et al.,J.Mol.Biol.,294:151(1999)によって記載されているように、「向けられた進化」の方法を用いて増加させることができる。
(5.1.7 ヒト抗体)
ヒトにおける抗体のインビボ使用については、ヒト抗体を用いるのは好ましいであろう。完全にヒトの抗体は、ヒト対象の治療的処置で特に望ましい。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体ライブラリーを用いる前記したファージディスプレイ(これらの技術の改良を含む)を含めた、当該分野で公知の種々の方法によって作製することができる。また、その各々をここに引用してその全体を引用する、米国特許第4,444,887号および第4,716,111号;およびPCT 公開 WO98/46645、WO98/50433、WO98/24893、WO98/16654、WO96/34096、WO96/33735、およびWO91/10741参照。ヒト抗体は、重鎖および軽鎖がヒトDNAの1以上の源に由来するヌクレオチド配列によってコードされる抗体でもあり得る。
ヒトにおける抗体のインビボ使用については、ヒト抗体を用いるのは好ましいであろう。完全にヒトの抗体は、ヒト対象の治療的処置で特に望ましい。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体ライブラリーを用いる前記したファージディスプレイ(これらの技術の改良を含む)を含めた、当該分野で公知の種々の方法によって作製することができる。また、その各々をここに引用してその全体を引用する、米国特許第4,444,887号および第4,716,111号;およびPCT 公開 WO98/46645、WO98/50433、WO98/24893、WO98/16654、WO96/34096、WO96/33735、およびWO91/10741参照。ヒト抗体は、重鎖および軽鎖がヒトDNAの1以上の源に由来するヌクレオチド配列によってコードされる抗体でもあり得る。
また、ヒト抗−CD19抗体は、機能的内因性免疫グロブリンを発現することができないが、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現することができるトランスジェニックマウスを用いて生産することもできる。例えば、ヒト重鎖および軽鎖免疫グロブリン遺伝子複合体はランダムに、あるいは相同組換えによってマウス胚性幹細胞に導入することができる。別法として、ヒト可変領域、定常領域、および多様性領域は、ヒト重鎖および軽鎖遺伝子に加えて、マウス胚性幹細胞に導入することができる。マウス重鎖および軽鎖免疫グロブリン遺伝子は、別々に、あるいは相同組換えによりヒト免疫グロブリン遺伝子座の導入と同時に、非機能的とすることができる。例えば、キメラおよび生殖系突然変異体マウスにおける抗体重鎖接合領域(JH)遺伝子のヘテロ接合性欠失の結果、内因性抗体生産の完全な阻害がもたらされる。修飾された胚性幹細胞を拡大培養し、胚盤胞にマイクロインジェクションして、キメラマウスを得る。次いで、キメラマウスを育種して、ホモ接合性子孫が得られ、これはヒト抗体を発現する。トランスジェニックマウスを選択された抗原、例えば、本発明のポリペプチドの全部または一部で通常に免疫化する。ヒトCD19抗原に対して向けられた抗−CD19抗体は、慣用的なハイブリドーマ技術を用いて、免疫化されたトランスジェニックマウスから得ることができる。トランスジェニックマウスによって保有されるヒト免疫グロブリン導入遺伝子は、B細胞分化の間に再配置され、引き続いて、クラススイッチングおよび体細胞突然変異を受ける。かくして、そのような技術を用い、限定されるものではないが、IgG1(ガンマ1)およびIgG3を含めた治療的に有用なIgG、IgA、IgMおよびIgE抗体を生産するのが可能である。ヒト抗体を生産するためのこの技術の外観については、LonbergおよびHuszar(Int.Rev.Immunol.,13:65−93(1995))参照。ヒト抗体およびヒトモノクローナル抗体を生産するためのこの技術、およびそのような抗体を生産するためのプロトコルの詳細な議論については、例えば、その各々をここに引用してその全体を援用する、PCT 公開番号WO98/24893、WO96/34096、およびWO96/33735;および米国特許第5,413,923号;第5,625,126号;第5,633,425号;第5,569,825号;第5,661,016号;第5,545,806号;第5,814,318号;および第5,939,598号参照。加えて、Abgenix,Inc.(Freemont,CA)およびGenpharm(San Jose,CA)のような会社は、前記したのと同様な技術を用いて選択された抗原に対して向けられたヒト抗体を提供するのに従事することができる。抗原挑戦に際してヒト抗体の生産をもたらす生殖系突然変異体マウスにおけるヒト生殖系免疫グロブリン遺伝子アレイの導入の特別な議論については、Jakobovits et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:2551(1993);Jakobovits et al.,Nature,362:255−258(1993);Bruggermann et al.,Year in Immunol.,7;33(1993);and Duchosal et al.,Nature,355:258(1992)参照。
ヒト抗体はファージ−ディスプレイライブラリーに由来することもできる(Hoogenboom et al.,J.Mol.Biol.,227:381(1991);Marks et al.,J.Mol.Biol.,222:581−597(1991);Vaughan et al.,Nature Biotech.,14:309(1996))。ファージディスプレイ技術(McCafferty et al.,Nature,348:552−553(1990))を用いて、免疫化されていないドナーからの免疫グロブリン可変(V)ドメイン遺伝子レパートリーから、インビトロにてヒト抗体および抗体断片を生産することができる。この技術に従って、抗体Vドメイン遺伝子を、M13またはfdのようなフィラメント状バクテリオファージの主たるまたは従たるコート蛋白質遺伝子いずれかにイン−フレームクローン化し、ファージ粒子の表面の機能的抗体断片として提示する。フィラメント状粒子はファージゲノムの一本鎖DNAコピーを含有するため、抗体の機能的特性に基づいた選択の結果、それらの特性を呈する抗体をコードする遺伝子の選択ももたらされる。かくして、ファージはB細胞の特性のいくらかを模倣する。ファージディスプレイは種々の様式で行うことができ;それらのレビューについては、例えば、Johnson,Kevin S.and Chiswell,David J.,Current Opinion in Structural Biology 3:564−571(1993)参照。V−遺伝子セグメントのいくつかの源をファージディスプレイで用いることができる。Clackson et al.,Nature,352:624−628(1991)は、免疫化されていないマウスの脾臓に由来するV遺伝子の小さなランダムコンビナトーリアルライブラリーからの抗−オキサゾロン抗体の多用なアレイを単離した。免疫化されていないヒトドナーからのV遺伝子のレパートリーを構築し、(自己−抗原を含めた)抗原の多用なアレイに対する抗体は、Marks et al.,J.Mol.Biol.,222:581−597(1991),またはGriffith et al.,EMBO J.,12:725−734(1993)によって記載された技術に実質的に従って単離することができる。また、その各々をここに引用してその全体を援用する米国特許第5,565,332号および第5,573,905号参照。
ヒト抗体は、インビトロで活性化されたB細胞によって生じさせることもできる(その各々を、ここに引用してその全体を援用する、米国特許第5,567,610号および第5,229,275号参照)。また、ヒト抗体は、限定されるものではないが、Roder et al.(Methods Enzymol.,121:140−167(1986))によって記載されたもののようなハイブリドーマ技術を用いてインビトロで生じさせることもできる。
(5.1.8 改変された/突然変異体抗体)
本発明の組成物および方法の抗−CD19抗体は突然変異体抗体であり得る。本明細書中で用いるように、「抗体突然変異体」または「改変された抗体」とは、抗−CD19抗体のアミノ酸残基の1以上が修飾されている抗−CD19抗体のアミノ酸配列変種をいう。抗−CD19抗体のアミノ酸配列に対する修飾は、その抗原に対する抗体の親和性または活動性を改良するための配列に対する修飾、および/またはエフェクター機能を改良するためのFc部分に対する修飾を含む。修飾は、いずれかの公知の抗−CD19抗体、または本明細書中に記載されたように同定された抗−CD19抗体に対してなすことができる。そのように改変された抗体は、必然的に、公知の抗−CD19抗体に対して100%未満の配列同一性または同様性を有する。好ましい実施形態において、改変された抗体は、抗−CD19抗体の重鎖または軽鎖いずれかの可変ドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも25%、35%、45%、55%、65%、または75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性または同様性を有するアミノ酸配列を有するであろう。好ましい実施形態において、改変された抗体は、抗−CD19抗体の重鎖CDR1、CDR2、またはCDR3のアミノ酸配列に対して少なくとも25%、35%、45%、55%、65%、または75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性または同様性を有するアミノ酸配列を有するであろう。好ましい実施形態において、改変された抗体はヒトCD19の結合能力を維持するであろう。ある実施形態において、本発明の抗−CD19抗体は、HB12aの重鎖に対応する配列番号:2(図5A)のアミノ酸配列に対して約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一である重鎖を含む。ある実施形態において、本発明の抗−CD19抗体は、HB12bの重鎖に対応する配列番号:4(図5B)のアミノ酸配列に対して約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一である重鎖を含む。ある実施形態において、本発明の抗−CD19抗体は、HB12aの軽鎖に対応する配列番号:16(図6A)のアミノ酸配列に対して約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一である軽鎖を含む。ある実施形態において、本発明の抗−CD19抗体は、HB12bの軽鎖に対応する配列番号:18(図6B)のアミノ酸配列に対して約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一である軽鎖を含む。好ましい実施形態において、改変された抗体は、抗−CD19の軽鎖CDR1、CDR2、またはCDR3のアミノ酸配列に対して少なくとも25%、35%、45%、55%、65%、または75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性または同様性を有するアミノ酸配列を有するであろう。HB12aおよびHB12b抗−CD19抗体を生産するハイブリドーマは、ATCC受託番号PTA−6580およびPTA−6581下で寄託されている。
本発明の組成物および方法の抗−CD19抗体は突然変異体抗体であり得る。本明細書中で用いるように、「抗体突然変異体」または「改変された抗体」とは、抗−CD19抗体のアミノ酸残基の1以上が修飾されている抗−CD19抗体のアミノ酸配列変種をいう。抗−CD19抗体のアミノ酸配列に対する修飾は、その抗原に対する抗体の親和性または活動性を改良するための配列に対する修飾、および/またはエフェクター機能を改良するためのFc部分に対する修飾を含む。修飾は、いずれかの公知の抗−CD19抗体、または本明細書中に記載されたように同定された抗−CD19抗体に対してなすことができる。そのように改変された抗体は、必然的に、公知の抗−CD19抗体に対して100%未満の配列同一性または同様性を有する。好ましい実施形態において、改変された抗体は、抗−CD19抗体の重鎖または軽鎖いずれかの可変ドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも25%、35%、45%、55%、65%、または75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性または同様性を有するアミノ酸配列を有するであろう。好ましい実施形態において、改変された抗体は、抗−CD19抗体の重鎖CDR1、CDR2、またはCDR3のアミノ酸配列に対して少なくとも25%、35%、45%、55%、65%、または75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性または同様性を有するアミノ酸配列を有するであろう。好ましい実施形態において、改変された抗体はヒトCD19の結合能力を維持するであろう。ある実施形態において、本発明の抗−CD19抗体は、HB12aの重鎖に対応する配列番号:2(図5A)のアミノ酸配列に対して約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一である重鎖を含む。ある実施形態において、本発明の抗−CD19抗体は、HB12bの重鎖に対応する配列番号:4(図5B)のアミノ酸配列に対して約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一である重鎖を含む。ある実施形態において、本発明の抗−CD19抗体は、HB12aの軽鎖に対応する配列番号:16(図6A)のアミノ酸配列に対して約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一である軽鎖を含む。ある実施形態において、本発明の抗−CD19抗体は、HB12bの軽鎖に対応する配列番号:18(図6B)のアミノ酸配列に対して約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上同一である軽鎖を含む。好ましい実施形態において、改変された抗体は、抗−CD19の軽鎖CDR1、CDR2、またはCDR3のアミノ酸配列に対して少なくとも25%、35%、45%、55%、65%、または75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性または同様性を有するアミノ酸配列を有するであろう。HB12aおよびHB12b抗−CD19抗体を生産するハイブリドーマは、ATCC受託番号PTA−6580およびPTA−6581下で寄託されている。
この配列に関する同一性または同様性は、本明細書中においては、配列を成立させ、ギャップを導入して、必要であれば、最大パーセント配列同一性を達成した後に、抗−CD19抗体残基に対して同一(すなわち、同一残基)または同様(すなわち、共通の側鎖特性に基づいて同一の基からのアミノ酸残基、後記参照)である候補配列におけるアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。可変ドメインの外側の抗体配列へのN−末端、C−末端、または内部延長、欠失または挿入のいずれも、配列同時性または同様性に影響すると解釈されるべきではない。
当該分野で知られている「%同一性」は、それらの配列を比較することによって決定されるように、2つのポリヌクレオチドまたは2つのポリペプチドの間の関係の尺度である。一般に、比較すべき2つの配列を成立させて、配列の間の最大相関を与える。2つの配列の成立を調べ、決定された2つの配列の間の正確なアミノ酸またはヌクレオチド対応性を与える位置の数を、整列の合計長さで割り、100を掛けて、%同一性の数字を得る。この%同一性の数字は、同一または非常に似た長さの配列に特に適切であって、高度に相同である、比較すべき配列の全長にわたって、または同等でない長さの配列により適切であって、またはより低いレベルの相同性を有する、より短い規定された長さにわたって決定することができる。
例えば、配列は、「.aln」の延長を持つファイルを生じさせるUnix(登録商標)下のソフトウェアclustalWと整列させることができ、次いで、このファイルを、該.alnファイルを開くBioeditプログラム(Hall,T.A.1999,BioEdit:a user−friendly biological sequence alignment editor and analysis program for Windows(登録商標)95/98/NT.Nucl.Acids.Symp.Ser.41:95−98)に輸入することができる。Bioeditウインドウにおいて、個々の配列を(一度に2つ)選択し、それらを整列させることができる。この方法は、全配列の比較を可能とする。
2以上の配列で同一性を比較するための方法は当該分野において良く知られている。かくして、例えば、プログラムはWisconsin Sequence Analysis Package, version 9.1(Genetics Computer Group,Madison,WI,USAから入手可能なDevereux J.et al.,Nucleic Acids Res.,12:387−395,1984)から入手可能である。2つの配列の間のパーセント同一性の決定は、数学的アルゴニズムを用いて達成することができる。例えば、プログラムBESTFITおよびGAPを用いて、2つのポリヌクレオチドの間の%同一性、および2つのポリペプチド配列の間の%同一性を決定することができる。BESTFITは、Smith and Waterman(Advances in Applied Mathematics,2:482−489,1981)の「局所的相同性」アルゴリズムを用い、2つの配列の間の同様性の最良単一領域を見出す。BESTFITは、長さが同様でない2つのポリヌクレオチドまたは2つのポリペプチド配列を比較するのにより適しており、プログラムはより短い配列がより長い配列の部分を表すことを仮定する。比較において、GAPは、Neddleman and Wunsch(J.Mol.Biol.,48:443−354,1970)のアルゴリズムに従って、「最大同様性」を見出す2つの配列を整列させる。GAPは、ほぼ同一長さである配列を比較するのにより適しており、整列は全長さにわたって予測される。好ましくは、各プログラムで用いるパラメーター「ギャップ重み」および「長さ重み」は、各々、ポリヌクレオチドについては50および3およびポリペプチドについては12および4である。好ましくは、%同一性および同様性は、比較されている2つの配列が最適に整列する場合に決定される。
配列の間の同一性および/または同様性を決定するための他のプログラムも当該分野で知られている。例えば、プログラムのBLASTファミリー(National Center for Biotechnology Information(NCB),Bethesda,MD,USAから入手可能であって、www.ncbi.nlm.nih.govにおけるNCBIのホームページを通じて接近可能な、Karlin & Altschul,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:5873−5877において修飾されたKarlin & Altschul,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:2264−2268)。これらのプログラムは、2つの配列の比較で利用される数学的アルゴリズムの好ましい非限定的例を例示する。そのようなアルゴリズムは、Altschul et al.,1990,J.Mol.Biol.,215:403−410のNBLASTおよびXBLASTプログラムに取り込まれる。BLASTヌクレオチドサーチを、NBLASTプログラム、スコア=100、語長=12で行って、本発明の抗−CD19抗体の全てまたは部分をコードする核酸分子に相同なヌクレオチド配列を得ることができる。BLAST蛋白質サーチをXBLASTプログラム、スコア=50、語長=3で行って、本発明の蛋白質分子に相同なアミノ酸配列を得る。比較目的のためのギャップを入れた整列を得るためには、Gapped BLASTを、Altschul et al.,1997,Nucleic Acids Res.,25:3389−3402に記載されたように利用することができる。別法として、PSI−Blastを用いて、分子(Id.)の間の遠い関係を検出する反復サーチを行うことができる。BLAST、Gapped BLAST、およびPSI−Blastプログラムを利用する場合、各プログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメーターを用いることができる。http://www.ncbi.nlm.nih.gov参照。配列の比較で利用される数学的アルゴリズムのもう1つの好ましい非限定的例は、Myers and Miller,1988,CABIOS 4:11−17のアルゴリズムである。そのようなアルゴリズムは、GCG配列整列ソフトウェアパッケージの一部であるALIGNプログラム(バージョン2.0)に取り込まれる。アミノ酸配列を比較するためのALIGNプログラムを利用する場合、PAM120重み残基表、12のギャップ長さペナルティ、および4のギャップペナルティを用いることができる。
当該分野で公知の配列の間の同一性および/または同様性を決定するためのプログラムのもう1つの非限定的例は、FASTA(Wisconsin Sequence Analysis Packageの一部として利用可能な、Pearson W.R.and Lipman D.J.,Proc.Nat.Acad.Sci.USA,85:2444−2448,1988)である。好ましくは、BLOSUM62アミノ酸置換マトリックス(Henikoff S.and Henikoff J.G.,Proc.Nat.Acad.Sci.USA,89:10915−10919,1992)を、ヌクレオチド配列が比較の前にまずアミノ酸配列に翻訳される場合を含めたポリペプチド配列比較で用いる。
アミノ酸配列の間の同一性および/または同様性を決定するための当該分野で知られたプログラムのなおもう1つの非限定的例は、プログラムのデフォルトアルゴリズムおよびパラメーター設定:blosum62、ギャップ重み8、長さ重み2で利用されるSeqWebソフトウェア(GCG Wisconsin Packageに対するウェブ−ベースのインターフェース:Gapプログラム)である。
2つの配列の間のパーセント同一性は、ギャップを許容し、または許容することなく、前記したものと同様な技術を用いて決定することができる。パーセント同一性を計算するにおいて、典型的には、正確なマッチをカウントする。
好ましくは、プログラムBESTFITを用いて、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列に関してクエリーポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の%同一性を決定し、クエリーおよび参照配列は、最適に整列させ、プログラムのパラメーターはデフォルト値にて設定する。
改変された抗体を生じさせるためには、1以上のアミノ酸改変(例えば、置換)を、種−依存性抗体の超可変領域の1以上に導入する。別法として、あるいは加えて、フレームワーク領域残基の1以上の改変(例えば、置換)を抗−CD19抗体に導入することができ、ここに、これらの結果、第二の哺乳動物種からの抗原に対する抗体突然変異体の結合親和性の改良がもたらされる。修飾するためのフレームワーク領域残基の例は、抗原に直接的に非共有結合する(Amit et al.,Science,233:747−753(1986));CDRの立体配座と相互作用し、/それに影響する(Chothia et al.,J.Mol.Biol.,196:901−917(1987));および/またはVL−VH界面において参画するものを含む(EP239 400B1)。ある実施形態においては、そのようなフレームワーク領域残基の1以上の修飾の結果、第二の哺乳動物種からの抗原に対する抗体の結合親和性の増強がもたらされる。例えば、約1ないし約5のフレームワーク残基を、本発明のこの実施形態において改変することができる。時々、これは、超可変領域残基のいずれも改変されていない場合でさえ、プレ臨床試験で用いるのに適した抗体突然変異体を得るのに十分であろう。しかしながら、通常、改変された抗体はさらなる超可変領域改変を含むであろう。
改変される超可変領域残基は、特に、第二の哺乳動物種からの抗原に対する抗−CD19抗体の出発結合親和性が、そのようなランダムに生じた改変された抗体を容易にスクリーニングすることができるようなものである場合に、ランダムに変化させることができる。
そのような改変された抗体を生じさせるための1つの有用な手法は、「アラニンスキャンニング突然変異誘発」と呼ばれる(Cunningham and Wells,Science,244:1081−1085(1989))。ここに、超可変領域残基の1以上を、アラニンまたはポリアラニン残基によって置き換えて、第二の哺乳動物種からの抗原とアミノ酸との相互作用を行う。次いで、置換に対する機能的感受性を示すそれらの超可変領域残基を、置換の部位において、または該部位のためにさらなるまたは他の突然変異を導入することによって精錬する。かくして、アミノ酸配列を導入するための部位を予め決定しつつ、突然変異の性質はそれ自体予め決定される必要がない。このようにして生じるAla−突然変異体を、本明細書中に記載するようにその生物学的活性についてスクリーニングする。
そのような改変された抗体を生じさせるためのもう1つの手法は、ファージディスプレイを用いる親和性成熟を含む(Hawkins et al.,J.Mol.Biol.,254:889−896(1992)and Lowman et al.,Biochemistry,30(45):10832−10837(1991))。簡単に述べれば、数個の超可変領域部位(例えば、6ないし7の部位)を、各部位において全ての可能なアミノ酸置換を生じさせるように突然変異させる。かく生じた抗体突然変異体を、各粒子内にパッケージされたM13の遺伝子III産物に対する融合としてフィラメント状ファージ粒子から一価様式で提示する。次いで、ファージ−提示突然変異体を、ここに開示したようにそれらの生物学的活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングする。
抗体配列における突然変異は、置換、内部欠失を含めた欠失、融合蛋白質、またはアミノ酸配列内のおよび/またはそれに隣接するアミノ酸残基の保存的置換を生じさせる付加を含めた付加を含むことができるが、その結果、該変化が機能的に同等な抗−CD19抗体を生じさせる点において「サイレント」な変化をもたらす。保存的アミノ酸置換は、関連残基の極性、電荷、溶解性、疎水性、親水性、および/または両親媒性における同様性に基づいてなすことができる。例えば、非−極性(疎水性)アミノ酸はアラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、およびメチオニンを含み;極性中性アミノ酸はグリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アルパラギンおよびグルタミンを含み;正に荷電した(塩基性)アミノ酸はアルギニン、リジン、およびヒスチジンを含み;および負に荷電した(酸性)アミノ酸はアスパラギン酸およびグルタミン酸を含む。加えて、グリシンおよびプロリンは、鎖の向きに影響し得る残基である。非保存的置換は、もう1つのクラスに代えてこれらのクラスの1つのメンバーで交換することを含むであろう。さらに、所望であれば、非古典的アミノ酸または化学的アミノ酸アナログを置換または付加として抗体の配列に導入することができる。非古典的アミノ酸は限定されるものではないが、一般に、通常のアミノ酸のD−異性体、α−アミノイソ酪酸、4−アミノ酪酸、Abu、2−アミノ酪酸、γ−Abu、ε−Ahx、6−アミノヘキサン酸、Aib、2−アミノイソ酪酸、3−アミノプロピオン酸、オルニチン、ノルロイシン、ノルバリン、ヒドロキシプロリン、サルコシン、シトルリン、システイン酸、t−ブチルグリシン、t−ブチルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、β−アラニン、フルオロ−アミノ酸、β−メチルアミノ酸のようなデザイナーアミノ酸、Cα−メチルアミノ酸、Nα−メチルアミノ酸、およびアミノ酸アナログを含む。
もう1つの実施形態において、修飾のために選択される部位はファージディスプレイを用いて親和性突然変異させる(前記参照)。
当該分野で知られた突然変異誘発のためのいずれの技術を用いて、抗体配列においてアミノ酸置換をなす目的で、あるいは制限部位を作り出し/欠失させて、さらなる操作を容易とするために、DNA配列中の個々のヌクレオチドを修飾することもできる。そのような技術は、限定されるものではないが、化学的突然変異誘発、インビトロ部位−特異的突然変異誘発(Kunkel,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:488(1985);Hutchinson,C.et al.,J.Biol.Chem.,253:6551(1978))、オリゴヌクレオチド−指向性突然変異誘発(Smith,Ann.Rev.Genet.,19:423−463(1985);Hill et al.,Methods Enzymol.,155:558−568(1987))、PCR−ベースの重複延長(Ho et al.,Gene,77:51−59(1989))、PCR−ベースのメガプライマー突然変異誘発(Sarkar et al.,Biotechniques,8:404−407(1990))等を含む。修飾は、二本鎖ジデオキシDNA配列決定によって確認することができる。
本発明のある実施形態において、抗−CD19抗体を修飾して、融合蛋白質:すなわち、異種蛋白質、ポリペプチドまたはペプチドに融合した抗体、または断片を生じさせることができる。ある実施形態において、抗−CD19抗体の一部に融合した蛋白質は、ADEPTの酵素成分である。抗−CD19抗体との融合蛋白質として作製することができる他の蛋白質またはポリペプチドの例は、限定されるものではないが、リシン、アブリン、リボヌクレアーゼ、DNaseI、ブドウ球菌エンテロトキシン−A、アメリカヤマゴボウ抗−ウイルス蛋白質、ゲロニン、ジフレリアトキシン、Pseubomonasエキソトキシン、およびPseubomonasエンドトキシンのようなトキシンを含む。例えば、Pastan et al.,Cell,47:641(1986),and Goldenberg et al.,Cancer Jounal for Clinicians,44:43(1994)参照。用いることができる酵素的に活性なトキシンおよびその断片は、ジフテリアA鎖、ジフテリアトキシンの非−結合性活性断片、(Pseudomonas aeruginosaからの)エキソトキシンA鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシンA鎖、アルファ−サルシン、Aleuritcs fordii蛋白質、ジアンチン蛋白質、Phytolaca americana蛋白質(PAPI,PAPII,およびPAP−S)momordica charantia阻害剤、クルシン、クロチン、sapaonaria officinais阻害剤、ゲロニン、マイトゲリン、リストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシンおよびトリコテセンを含む。例えば、1993年10月28日に公開されたWO 93/21232参照。
さらなる融合蛋白質は、遺伝子−シャッフリング、モチーフ−シャッフリング、エキソン−シャッフリングおよび/またはコロン−シャッフリング(集合的に「DNAシャッフリング」という)の技術を介して生じさせることができる。DNAシャッフリングを使用して、抗体またはその断片の活性を改変するのに使用することができる(例えば、より高い親和性およびより低い解離速度を持つ抗体またはその断片)。一般に、米国特許第5,605,793号;第5,811,238号;第5,830,721号;第5,834,252号;および第5,837,458号、およびPatten et al.,1997,Curr.Opinion Biotechnol.,8:724−33;Harayama,1998,Trends Biotechnol.,16(2):76−82;Hansson et al.,1999,J.Mol.Biol.,287:265−76;and Lorenzo and Blasco,1998,Biotechniques,24(2):308−313(これらの特許および刊行物の各々をここに引用してその全体を援用する)参照。抗体は、さらに、ここに引用してその全体を援用する、全てLedbetter et al.,に対する米国公開20030118592、米国公開200330133939、およびPCT公開WO 02/056910に記載された結合−ドメイン免疫グロブリン融合蛋白質であり得る。
本発明のある実施形態において、抗−CD19抗体を修飾して、その等電点(pI)を変化させることができる。全てのポリペプチドのような抗体は、ポリペプチドが正味の電荷を運ばないpHと一般的には定義されるpIを有する。当該分野においては、蛋白質の溶解性は、溶液のpHが蛋白質の等電点(pI)と等しい場合に典型的には最も低いことが知られている。本明細書中で用いるように、pI値は支配的な電荷形態のpIと定義される。蛋白質のpIは、限定されるものではないが、等電点電気泳動および種々のコンピュータアルゴリズムを含めた種々の方法によって決定することができる(例えば、Bjellqvist et al.,1993,Electrophoresis,14:1023参照)。抗体のFabドメインの熱的融解温度(Tm)は、抗体の熱的安定性の良好なインジケータとなることができ、さらに、シェルフライフの指標を提供することができる。より低いTmは、より多い凝集−より低い安定性を示し、他方、より高いTmはより低い凝集−より高い安定性を示す。かくして、ある実施形態において、より高いTmを有する抗体が好ましい。蛋白質ドメイン(例えば、Fabドメイン)のTmは、例えば、示差走査熱量測定によって、当該分野で知られたいずれかの標準的な方法を用いて測定することができる(例えば、Vermeer et al.,2000,Biophys.J.78:394−404;Vermeer et al.,2000,Biophys.J.79:2150−2154参照)。
従って、本発明のさらなる非限定的実施形態は、特定の等電点(pI)または融解温度(Tm)のようなある好ましい生化学的特徴を有する本発明の修飾された抗体を含む。
より具体的には、1つの実施形態において、本発明の修飾された抗体は5.5ないし9.5の範囲のpIを有する。なおもう1つの特定の実施形態においては本発明の修飾された抗体は約5.5ないし約6.0、または約6.0ないし約6.5、または約6.5ないし約7.0、約7.0ないし約7.5、または約7.5ないし約8.0、約8.0ないし約8.5、または約8.5ないし約9.0、または約9.0ないし約9.5の範囲のpIを有する。他の特定の実施形態において、本発明の修飾された抗体は、5.5ないし6.0、または6.0ないし6.5、または6.5ないし7.0、または7.0ないし7.5、または7.5ないし8.0、または8.0ないし8.5、または8.5ないし9.0、または9.0ないし9.5の範囲のpIを有する。なおより具体的には、本発明の修飾された抗体は、少なくとも5.5、または少なくとも6.0、または少なくとも6.3、または少なくとも6.5、または少なくとも6.7、または少なくとも6.9、または少なくとも7.1、または少なくとも7.3、または少なくとも7.5、または少なくとも7.7、または少なくとも7.9、または少なくとも8.1、または少なくとも8.3、または少なくとも8.5、または少なくとも8.7、または少なくとも8.9、または少なくとも9.1、または少なくとも9.3、または少なくとも9.5のpHを有する。他の特定の実施形態において、本発明の修飾された抗体は、少なくとも約5.5、または少なくとも約6.0、または少なくとも約6.3、または少なくとも約6.5、または少なくとも約6.7、または少なくとも、約6.9、または少なくとも約7.1、または少なくとも約7.3、または少なくとも約7.5、または少なくとも約7.7、または少なくとも約7.9、または少なくとも約8.1、または少なくとも約8.3、または少なくとも約8.5、または少なくとも約8.7、または少なくとも約8.9、または少なくとも約9.1、または少なくとも約9.3、または少なくとも約9.5のpIを有する。
抗体中のイオン化可能残基の数および位置を変化させることによって、溶解性を最適化することが可能である。例えば、ポリペプチドのpIは、(例えば、アラニンのような非荷電残基に代えてリジンのような荷電したアミノ酸で置き換えることによって)適当なアミノ酸置換をなすことによって操作することができる。いずれかの特定の理論に拘束されるつもりはないが、抗体のpIの変化をもたらす該抗体のアミノ酸置換は、抗体の溶解性および/または安定性を改良することができる。当業者であれば、いずれのアミノ酸置換が、所望のpIを達成するのに特定の抗体で最も適切であるかを理解するであろう。1つの実施形態において、置換を本発明の抗体において生じさせて、pIを変化させる。(前記した)FcγRへの改変された結合をもたらすFc領域の置換もまた、pIの変化をもたらすことができると具体的に考えられる。もう1つの実施形態において、Fc領域の置換を具体的に選択して、FcγR結合における所望の変化およびpIのいずれかの所望の変化双方を行う。
1つの実施形態において本発明の修飾された抗体は、65℃ないし120℃の範囲のTmを有する。特定の実施形態において、本発明修飾された抗体は、約75℃ないし約120℃、約75℃ないし約85℃、または約85℃ないし約95℃、または約95℃ないし約105℃、または約105℃ないし約115℃、または約115℃ないし約120℃の範囲のTmを有する。他の特定の実施形態において、本発明の修飾された実施形態は75℃ないし120℃、または75℃ないし85℃、または85℃ないし95℃、または95℃ないし105℃、または105℃ないし115℃、または115℃ないし120℃の範囲のTmを有する。なお他の特定の実施形態において、本発明の修飾された抗体は少なくとも約65℃、または少なくとも約70℃、または少なくとも約75℃、または少なくとも約80℃、または少なくとも85℃、または少なくとも約90℃、または少なくとも約95℃、または少なくとも約100℃、または少なくとも約105℃、または少なくとも約105℃、または少なくとも約105℃、または約120℃のTmを有する。なお他の特定の実施形態において、本発明の修飾された抗体は、少なくとも65℃、または少なくとも70℃、または少なくとも75℃、または少なくとも80℃、または少なくとも85℃、または少なくとも90℃、または少なくとも95℃、または少なくとも100℃、または少なくとも105℃、または少なくとも110℃、または少なくとも115℃、または少なくとも120℃のTmを有する。
(5.1.9 ドメイン抗体)
本発明の組成物および方法の抗−CD19抗体は、ドメイン抗体、例えば、ヒト抗体の重鎖(VH)または軽鎖(VL)の可変領域に対応する抗体の小さな機能的結合ユニットを含有する抗体であり得る。ドメイン抗体の例は、限定されるものではないが、治療標的に対して特異的なDomantis Limited(Cambridge,UK)およびDomantis Inc.(Cambridge,MA,USA)から入手可能なものを含む(例えば、WO04/058821、WO04/003019;米国特許第6,291,158号;第6,582,915号;第6,696,245号;および6,593,081号)参照。ドメイン抗体の商業的に入手可能なライブラリーを用いて、抗−CD19ドメイン抗体を同定することができる。ある実施形態において、本発明の抗−CD19抗体は、CD19機能的結合ユニットおよびFcγ受容体機能的結合ユニットを含む。
本発明の組成物および方法の抗−CD19抗体は、ドメイン抗体、例えば、ヒト抗体の重鎖(VH)または軽鎖(VL)の可変領域に対応する抗体の小さな機能的結合ユニットを含有する抗体であり得る。ドメイン抗体の例は、限定されるものではないが、治療標的に対して特異的なDomantis Limited(Cambridge,UK)およびDomantis Inc.(Cambridge,MA,USA)から入手可能なものを含む(例えば、WO04/058821、WO04/003019;米国特許第6,291,158号;第6,582,915号;第6,696,245号;および6,593,081号)参照。ドメイン抗体の商業的に入手可能なライブラリーを用いて、抗−CD19ドメイン抗体を同定することができる。ある実施形態において、本発明の抗−CD19抗体は、CD19機能的結合ユニットおよびFcγ受容体機能的結合ユニットを含む。
(5.1.10 ダイアボディ)
用語「ダイアボディ」とは2つの抗原−結合部位を持つ小さな抗体断片をいい、その断片は、同一ポリペプチド鎖(VH−VL)中の軽鎖可変ドメイン(VL)に連結された重鎖可変ドメイン(VH)を含む。余りにも短くて、同一鎖状の2つのドメインの間の対合を可能としないリンカーを用いることによって、ドメインはもう1つの鎖の相補的ドメインと強制的に対合し、2つの抗原−結合部位を作り出す。ダイアボディは、例えば、EP 404,097;WO93/11161;およびHollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444−6448(1993)により十分に記載されている。
用語「ダイアボディ」とは2つの抗原−結合部位を持つ小さな抗体断片をいい、その断片は、同一ポリペプチド鎖(VH−VL)中の軽鎖可変ドメイン(VL)に連結された重鎖可変ドメイン(VH)を含む。余りにも短くて、同一鎖状の2つのドメインの間の対合を可能としないリンカーを用いることによって、ドメインはもう1つの鎖の相補的ドメインと強制的に対合し、2つの抗原−結合部位を作り出す。ダイアボディは、例えば、EP 404,097;WO93/11161;およびHollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444−6448(1993)により十分に記載されている。
(5.1.11 バクシボディ)
本発明のある実施形態において、抗−CD19抗体はバクシボディである。バクシボディはダイマーポリペプチドである。バクシボディの各モノマーは、ヒンジ領域およびCγ3ドメインを通じて第二のscFvに連結されたapc上の表面分子に対する特異性を持つscFvよりなる。本発明の他の実施形態において、抗−CD19抗体断片をscFvの1つとして含有するバクシボディを用いて、破壊すべきB細胞およびADCCを媒介するエフェクター細胞を隣接させることができる。例えば、Bogen et al.の米国特許出願公開番号20040253238参照。
本発明のある実施形態において、抗−CD19抗体はバクシボディである。バクシボディはダイマーポリペプチドである。バクシボディの各モノマーは、ヒンジ領域およびCγ3ドメインを通じて第二のscFvに連結されたapc上の表面分子に対する特異性を持つscFvよりなる。本発明の他の実施形態において、抗−CD19抗体断片をscFvの1つとして含有するバクシボディを用いて、破壊すべきB細胞およびADCCを媒介するエフェクター細胞を隣接させることができる。例えば、Bogen et al.の米国特許出願公開番号20040253238参照。
(5.1.12 線状抗体)
本発明のある実施形態において、抗−CD19抗体は線状抗体である。線状抗体は、抗原−結合領域の対を形成するタンデムFdセグメント(VH−CHI−VH−CHI)の対を含む。線状抗体は、二特異的または一特異的であり得る。Zapata et al.,Protein Eng.,8(10):1057−1062(1995)参照。
本発明のある実施形態において、抗−CD19抗体は線状抗体である。線状抗体は、抗原−結合領域の対を形成するタンデムFdセグメント(VH−CHI−VH−CHI)の対を含む。線状抗体は、二特異的または一特異的であり得る。Zapata et al.,Protein Eng.,8(10):1057−1062(1995)参照。
(5.1.13 親抗体)
本発明のある実施形態において、抗−CD19抗体は親抗体である(親抗体は、本発明に開示される改変された/突然変異体抗体と比較してその1以上の超可変領域中のまたはそれに隣接する1以上のアミノ酸残基において欠如する、またはそこで結合するアミノ酸配列を含む抗体である。かくして、親抗体は、本発明に開示された抗体突然変異体の対応する超可変領域よりも短い超可変領域を有する。親ポリペプチドは(天然に生じる対立遺伝子変種を含めた)天然配列、(すなわち、天然に生じる)抗体、または天然に生じる配列の(他の挿入、欠失および/または置換のような)予め存在するアミノ酸配列修飾を持つ抗体を含むことができる。好ましくは親抗体はヒト化抗体またはヒト抗体である。
本発明のある実施形態において、抗−CD19抗体は親抗体である(親抗体は、本発明に開示される改変された/突然変異体抗体と比較してその1以上の超可変領域中のまたはそれに隣接する1以上のアミノ酸残基において欠如する、またはそこで結合するアミノ酸配列を含む抗体である。かくして、親抗体は、本発明に開示された抗体突然変異体の対応する超可変領域よりも短い超可変領域を有する。親ポリペプチドは(天然に生じる対立遺伝子変種を含めた)天然配列、(すなわち、天然に生じる)抗体、または天然に生じる配列の(他の挿入、欠失および/または置換のような)予め存在するアミノ酸配列修飾を持つ抗体を含むことができる。好ましくは親抗体はヒト化抗体またはヒト抗体である。
(5.1.14 抗体断片)
「抗体断片」は、全長抗体の部分は、一般には、その抗原結合または可変領域を含む。抗体断片の例はFab、Fab’、F(ab’)2、およびFv断片;ダイアボディ;線状抗体;一本鎖抗体分子;および抗体断片から形成された多特異的抗体を含む。
「抗体断片」は、全長抗体の部分は、一般には、その抗原結合または可変領域を含む。抗体断片の例はFab、Fab’、F(ab’)2、およびFv断片;ダイアボディ;線状抗体;一本鎖抗体分子;および抗体断片から形成された多特異的抗体を含む。
伝統的には、これらの断片は無傷抗体の蛋白質分解消化を介して誘導された(例えば、Morimoto et al.,Journal of Biochemical and Biophysical Methods,24:107−117(1992)and Brennan et al.,Science,229:81(1985)参照)。しかしながら、これらの断片は組換え宿主細胞によって今日は直接的に生産することができる。例えば、抗体断片は前記した抗体ファージライブラリーから単離することができる。別法として、Fab’−SH断片はE.coliから直接的に回収し、化学的にカップリングさせて、F(ab’)2断片を形成することができる(Carter et al.,Bio/Technology,10:163−167(1992))。もう1つのアプローチによるとF(ab’)2断片は組換え宿主細胞培養から直接単離することができる。抗体断片の生産のための他の技術は技量のある実施者に明らかであろう。他の実施形態において選択される抗体は単一−抗体はFv断片(scFv)である。例えば、WO 93/16185参照。ある実施形態において、抗体はFab断片ではない。
(5.1.15 二特異的抗体)
二特異的抗体は少なくとも2つの異なるエピトープに対する結合特異性を有する抗体である。例示的な二特異的抗体は、B細胞表面マーカーの2つの異なるエピトープに結合することができる。他のそのような抗体は第一のB細胞マーカーに結合することができ、さらに、第二のB細胞表面マーカーに結合することができる。別法として、抗−B細胞マーカー結合アームを、T細胞受容体分子(例えば、CD2またはCD3)、またはIgGに対するFc受容体(FcγR)のような白血球上のトリガリング分子に結合するアームと組み合わせて、B細胞に対する細胞防御メカニズムに焦点を合わせることができる。二特異的抗体を用いて、細胞傷害性剤をB細胞に局所化することができる。これらの抗体はB細胞マーカー結合マーカーおよび細胞傷害性剤(例えば、サポリン、抗−インターフェロンα、ビンカアルカロイド、リシンA鎖、メトラ−エキセートまたは放射性同位体ハプテン)に結合するアームを保有する。二特異的抗体は、全長抗体または抗体断片(例えば、F(ab’)二特異的抗体)として調製することができる。
二特異的抗体は少なくとも2つの異なるエピトープに対する結合特異性を有する抗体である。例示的な二特異的抗体は、B細胞表面マーカーの2つの異なるエピトープに結合することができる。他のそのような抗体は第一のB細胞マーカーに結合することができ、さらに、第二のB細胞表面マーカーに結合することができる。別法として、抗−B細胞マーカー結合アームを、T細胞受容体分子(例えば、CD2またはCD3)、またはIgGに対するFc受容体(FcγR)のような白血球上のトリガリング分子に結合するアームと組み合わせて、B細胞に対する細胞防御メカニズムに焦点を合わせることができる。二特異的抗体を用いて、細胞傷害性剤をB細胞に局所化することができる。これらの抗体はB細胞マーカー結合マーカーおよび細胞傷害性剤(例えば、サポリン、抗−インターフェロンα、ビンカアルカロイド、リシンA鎖、メトラ−エキセートまたは放射性同位体ハプテン)に結合するアームを保有する。二特異的抗体は、全長抗体または抗体断片(例えば、F(ab’)二特異的抗体)として調製することができる。
二特異的抗体を作製するための方法は当該分野で知られている(例えば、Millstein et al.,Nature,305:537−539(1983);Traunecker et al.,EMBO J.,10;3655−3659(1991);Suresh et al.,Methods in Enzymology,121:210(1986);Kostelny et al.,J.Immunol.,148(5):1547−1553(1992);Hollinger et al.,Proc.Natl Acad.Sci.USA,90:6444−6448(1993);Gruber et al.,J.Immunol.,152:5368(1994);米国特許第4,474,893号;第4,714,681号;第4,925,648号;第5,573,920号;第5,601,81号;95,731,168号;4,676,980号;および第4,676,980号、WO 94/04690;WO 91/00360;WO 92/200373;WO 93/17715;WO 92/08802;およびEP 03089)参照。
本発明のある実施形態においては、該組成物および方法は、Daniel et al.,Blood,92:4750−4757(1998)によって記載された二特異的抗体のようなヒトCD19、およびT細胞受容体のCD3イプシロン鎖に対する特異性を持つ二特異的マウス抗体を含まない。好ましい実施形態においては、本発明の組成物および方法の抗−CD19抗体が二特異的である場合、抗−CD19抗体はヒトまたはヒト化されており、ヒトCD19、およびT細胞上のエピトープに対する特異性を有するか、あるいは例えば、単球/マクロファージおよび/またはナチュラルキラー細胞のようなヒトエフェクター細胞に結合して、細胞死滅を行うことができる。
(5.1.16 エフェクター機能の作製)
本発明の抗−CD19抗体をエフェクター機能に関して修飾して、例えば、GVHDまたは抗体を拒絶を治療するにおける有効性を増強させるのが望ましいであろう。例えば、システイン残基をFc領域に導入し、それにより、この領域における鎖間のジスルフィド結合形成を可能とすることができる。かく生じたホモダイマー抗体は、改良された内部化能力および/または増大した補体−媒介細胞殺傷および/または抗体−依存性細胞傷害(ADCC)を有することができる。Caron et al.,J.Exp Med.,176:1191−1195(1992)and Shopes,B.,J.Immunol.,148:2918−2922(1992)参照。増強された活性を持つホモダイマーは、Wolff et al.,Cance Research,53:2560−2565(1993)に記載されたヘテロ二機能性架橋剤を用いて調製することができる。別法として、デュアルFc領域を有し、それにより、増強された補体溶解およびADCC能力を有することができる抗体を作製することができる。Stevenson et al.,Anti−Cancer Drug Design,3:219−230(1989)参照。
本発明の抗−CD19抗体をエフェクター機能に関して修飾して、例えば、GVHDまたは抗体を拒絶を治療するにおける有効性を増強させるのが望ましいであろう。例えば、システイン残基をFc領域に導入し、それにより、この領域における鎖間のジスルフィド結合形成を可能とすることができる。かく生じたホモダイマー抗体は、改良された内部化能力および/または増大した補体−媒介細胞殺傷および/または抗体−依存性細胞傷害(ADCC)を有することができる。Caron et al.,J.Exp Med.,176:1191−1195(1992)and Shopes,B.,J.Immunol.,148:2918−2922(1992)参照。増強された活性を持つホモダイマーは、Wolff et al.,Cance Research,53:2560−2565(1993)に記載されたヘテロ二機能性架橋剤を用いて調製することができる。別法として、デュアルFc領域を有し、それにより、増強された補体溶解およびADCC能力を有することができる抗体を作製することができる。Stevenson et al.,Anti−Cancer Drug Design,3:219−230(1989)参照。
エフェクター機能を改変するような抗体のFc領域の作製の他の方法は当該分野で知られている(例えば、FCγRIIAに対する結合親和性と比較して、Fc領域を改変して、FcγRIIBに対する結合親和性を増強させることを記載する、共にKoenig et al.,に対する米国特許公開番号20040185045およびPCT公開番号WO 2004/016750参照;また、Armour et al.,に対するPCT公開番号WO 99/58572、Idusogie et al.,対するPCT公開番号WO 99/51642、およびDeo et al.;対する米国特許第6,395,272号参照;その開示をここに引用してその全体を援用する)。FcγRIIBに対する結合親和性を減少させるためにFc領域を修飾する方法も当該分野で知られている(例えば、その開示をここに引用してその全体を援用する、共にRavetch et al.,に対する米国特許公開番号20010036459およびPCT公開番号WO 01/79299参照)。野生型Fc領域と比較して、FcγRIIIAおよび/またはFcγRIIAに対する増強されて結合親和性を持つ変種Fc領域を有する修飾された抗体もまた記載されている(例えば、その開示をここに引用してその全体を援用する、Stavenhagen et al.に対するPCT公開番号WO 2004/063351参照)。
当該分野で知られたインビトロアッセイを用いても本発明の組成物および方法で用いる抗−CD19抗体が、セクション5.3.2に記載されたもののように、ADCCを媒介させることができるか否かを決定することができる。
(5.1.17 変種Fc領域)
本発明は、変種Fc領域を含む蛋白質の処方を提供する。すなわち、天然に生じるFc領域、例えば、1以上の天然に生じないアミノ酸残基を含むFc領域。また、本発明の変種Fc領域には、アミノ酸欠失、付加および/または修飾を含むFc領域が含まれる。
本発明は、変種Fc領域を含む蛋白質の処方を提供する。すなわち、天然に生じるFc領域、例えば、1以上の天然に生じないアミノ酸残基を含むFc領域。また、本発明の変種Fc領域には、アミノ酸欠失、付加および/または修飾を含むFc領域が含まれる。
本明細書中で用いるように、Fc領域は、第一の定常領域免疫グロブリンドメインを排除する抗体の定常利用息を含むポリペプチドを含むと理解されるであろう。かくして、Fcとは、IgA、IgD、およびIgGの最後の2つの定常領域免疫グロブリンドメインおよびIgEおよびIgMの最後の3つの定常領域免疫グロブリンドメインおよびそれらのドメインに対してN−末端側のフレキシブルなヒンジをいう。IgAおよびIgMでは、FcはJ鎖を含むことができる。IgGでは、Fcは、免疫グロブリンドメインCガンマ2およびCガンマ3(Cγ2およびCγ3)、およびCガンマ1(Cγ1)およびCガンマ2(Cγ2)の間のヒンジを含む。Fc領域の境界は変化し得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常は、そのカルボキシル−末端に対して残基C226またはP230を含むと定義され、ここに、ナンバリングはKabat et al.(1991,NIH Publication 91−3242,National Technical Information Service,Springfield,VA)におけるようなEU指標に従う。「Kabatに記載されたEU指標」とは、Kabat et al.aupraに記載されたヒトIgG1 EU抗体の残基ナンバリングをいう。Fcは単離におけるこの領域、あるいは抗体、抗体断片、またはFc融合蛋白質の関係でのこの領域をいうことができる。Fc変種蛋白質は、Fc領域を含む抗体、Fc融合、またはいずれかの蛋白質もしくは蛋白質ドメインであり得る。特に好ましいのは、Fcの天然に生じない変種の変種Fc領域を含む蛋白質である。注意:多形は、限定されるものではないが、Kabat270、272、312、315、356、および358を含めた多数のFc位置で観察されており、かくして、示された配列番号:および先行技術における配列の間のわずかな差が存在しえる。
本発明は、匹敵する分子(例えば、野生型Fc領域を有することを除いて同一のアミノ酸配列を有する蛋白質)に対して、Fcリガンドに対する改変された結合特性を有するFc変種蛋白質(例えば、Fc受容体、C1q)を含む。結合特性の例は、限定されるものではないが、結合特異性、平衡解離定数(KD)、解離および会合速度(各々、KoffおよびKon)、結合親和性および/または結合力を含む。一般には、低いKDを持つ結合分子(例えば、抗体のようなFc変種蛋白質)が、高いKDを持つ結合分子よりは好ましいことは理解される。しかしながら、いくつかの場合には、KonまたはKoffの値はKDの値よりも重要であろう。当業者であればいずれの動的パラメーターが所与の抗体適用で最も重要であるかを決定することができる。
そのリガンドに対するFcドメインの親和性および結合特異性は、限定されるものではないが、平衡方法(例えば、抗素結合免疫吸着検定法(ELISA)、またはラジオイムノアッセイ(RIA))、またはキネティックス(例えば、BIACORE(登録商標)分析)、ならびに間接的結合アッセイ、競合的阻害アッセイ、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、ゲル電気詠動およびクロマトグラフィー(例えば、ゲル濾過)のような他の方法を含めた、Fc−FcγR相互作用、すなわち、FcγRへのFc領域の特異的結合についての当該分野で公知の種々のインビトロアッセイ方法(生化学的または免疫学的ベースのアッセイ)によって決定することができる。これらのおよび他の方法は、調べるべき成分の1以上上の標識を利用し、および/または限定されるものではないが、色原体、蛍光、ルミネセントまたは同位体標識を含めた種々の検出方法を使用することができる。結合親和性およびキネティックスの詳細な記載は、抗体−免疫原相互作用に焦点を当てる、Paul,W.E.,ed.,Fundamental Immunology,4th Ed.,Lippincott−Raven,Philadelphia(1999)で見出すことができる。
例えば、負のレギュレーターFcγRIIBへのFc結合を変化させないままにするか、または低下さえさせつつ、1以上の正のレギュレーター(例えば、FcγRIIIA)へのFc結合を増強させる修飾は、ADCC活性を増強させるのにより好ましいであろう。別法として、1以上の正のレギュレーターへの結合を低下させ、および/またはFcγRIIBへの結合を増強した修飾は、ADCC活性を低下させるのに好ましいであろう。従って、結合親和性の比率(例えば、平衡解離定数(KD))は、Fc変種のADCC活性が増強されたか、または低下されたかを示すことができる。例えば、FcγRIIIA/FcγRIIBの平衡解離定数(KD)の比率は、改良されたADCC活性に相関し、他方、該比率の増加はADCC活性の減少に相関する。加えて、Clqへの結合を増大させた修飾は、CDC活性を増強させるのに好ましく、他方、Clqへの結合を低下させた修飾は、CDC活性を低下させ、または排除するのに好ましいであろう。
1つの実施形態において、本発明のFc変種は、匹敵する分子に対する増大した親和性でもってFcγRIIIAに結合する。もう1つの実施形態において、本発明のFc変種は増大した親和性をもってFcγRIIIAに結合し、匹敵する分子に対して変化しない結合親和性をもってFcγRIIBに結合する。なおもう1つの実施形態において、本発明のFc変種は増大した親和性でもってFcγRIIIAに結合し、匹敵する分子に対して減少した親和性でもってFcγRIIBに結合する。なおもう1つの実施形態において、本発明の匹敵する分子に対して減少したFc変種は、FcγRIIIA/FcγRIIB平衡解離定数(KD)の比率を有する。
1つの実施形態においてFc変種蛋白質は、匹敵する分子に対して1以上のFcリガンドへの結合を増強させた。もう1つの実施形態において、Fc変種蛋白質は、匹敵する分子のそれよりも少なくとも2倍、または少なくとも3倍、または少なくとも5倍、または少なくとも7倍、または少なくとも10倍、または少なくとも20倍、または少なくとも30倍、または少なくとも40倍、または少なくとも50倍、または少なくとも60倍、または少なくとも70倍、または少なくとも80倍、または少なくとも90倍、または少なくとも100倍、または少なくとも200倍大きいFcリガンドに対する親和性を有する。特定の実施形態において、Fc変種蛋白質は、Fc受容体に対する増強された結合を有する。もう1つの特定の実施形態において、Fc変種蛋白質は、Fc受容体FcγRIIIAに対する増強された結合を有する。なおもう1つの特定の実施形態において、Fc変種蛋白質はFc受容体FcγRnに対する増強された結合を有する。なおもう1つの特定の実施形態において、Fc変種蛋白質は匹敵する分子に対してClqに対する増強された結合を有する。
本発明の1つの実施形態において、抗体は、10−5M未満、または10−6M未満、または10−7M未満、または10−8M、10−9M未満、または10−10M未満、または10−11M未満、または10−12M未満、または10−13M未満の解離定数、またはKd(koff/kon)をもってCD19およびその抗原断片に結合する。
もう1つの実施形態において、本発明の抗体は、1×10−3s−1未満の、または3×10−3s−1未満のKoffでもってCD19および/またはその抗原性断片に結合する。他の実施形態において、抗体は10−3s−1未満、5×10−3s−1未満、10−4s−1未満、5×10−4s−1未満、10−5s−1未満、5×10−5s−1未満、10−6s−1未満、5×10−6s−1未満、10−7s−1未満、5×10−7s−1未満、10−8s−1未満、5×10−8s−1未満、10−9s−1未満、5×10−9s−1未満、または10−10s−1未満のKoffでもってCD19およびその抗原性断片に結合する。
もう1つの実施形態において、本発明の抗体は、少なくとも105M−1s−1、少なくとも5×105M−1s−1、少なくとも106M−1s−1、少なくとも5×106M−1s−1、少なくとも107M−1s−1、少なくとも5×107M−1s−1、少なくとも108M−1s−1、または少なくとも109M−1s−1の会合速度定数またはkon速度でもってCD19および/またはその抗原性断片に結合する。
もう1つの実施形態において、本発明のFc変種は、匹敵する分子に対して約2倍および約10倍の間、または約5倍、および約50倍の間、または約25倍、および約250倍の間、または約100倍、および約500倍の間、または約250倍、および約1000倍の間減少する平衡解離定数(KD)を有する。もう1つの実施形態において、本発明のFc変種は、匹敵する分子に対して2倍および10倍の間、または5倍、および50倍の間、または25倍、および250倍の間、または100倍、および500倍の間、または250倍、および1000倍の間減少する平衡解離定数(KD)を有する。特定の実施形態において該Fc変種は、匹敵する分子に対して少なくとも2倍、または少なくとも3倍、または少なくとも5倍、または少なくとも7倍、または少なくとも10倍、または少なくとも20倍、または少なくとも30倍、または少なくとも40倍、または少なくとも50倍、または少なくとも60倍、または少なくとも70倍、または少なくとも80倍、または少なくとも90倍、または少なくとも100倍、または少なくとも200倍、または少なくとも400倍、または少なくとも600倍だけ低下するFcγRIIIAに対する平衡解離定数(KD)を有する。
Fc領域を含む蛋白質の血清中半減期は、FcRnに対するFc領域の結合親和性を増加させることによって増加させることができる。1つの実施形態において、Fc変種蛋白質は、匹敵する分子に対して増強された血清中半減期を有する。
「抗体−依存性細胞−媒介細胞傷害」または「ADCC」とは、ある種の細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、およびマクロファージ)上に存在するFc受容体(FcRs)に結合した分泌Igが、これらの細胞傷害性エフェクター細胞が抗原−担持標的細胞に特異的に結合し、引き続いて、サイトトキシンで標的細胞を殺傷するのを可能とする細胞傷害の形態をいう。標的細胞の表面に向けられた特異的高親和性IgG抗体は細胞傷害性細胞を「同伴し」、そのような殺傷に絶対的に必要とされる。標的細胞の溶解は細胞外であり、直接的な細胞間の接触を必要とし、補体を含まない。抗体に加えて、抗原−担持標的細胞に特異的に結合する能力を有するFc受容体を含む他の蛋白質、具体的には、Fc融合蛋白質は、細胞−媒介細胞傷害を行うことができる。単純のために、Fc融合蛋白質の活性に由来する細胞−媒介細胞傷害もまた本明細書中においてはADCC活性という。
ADCCによる標的細胞の溶解を媒介するいずれかの特定のFc変種蛋白質の能力をアッセイすることができる。ADCC活性を評価するために、注目するFc変種蛋白質を、標的細胞の細胞溶解をもたらす抗原抗体複合体によって活性化することができる免疫エフェクター細胞と組み合わせて、標的細胞に加える。細胞溶解は、一般には、溶解された細胞からの標識(例えば、放射性基質、蛍光色素または天然細胞内蛋白質)の放出によって検出される。そのようなアッセイについての有用なエフェクター細胞は、末梢血液単核細胞(PBMC)およびナチュラルキラー(NK)細胞を含む。インビトロADCCアッセイの具体的な例は、Wisecarver et al.,1985,79:277−282;Bruggemann et al.,1987,J Exp Med,166:1351−1361;Wilkinson et al.,2001,J Immunol Methods,258:183−191;Patel et al.,1995,J.Immunol Methods, 184:29−38に記載されている。別法として、あるいは加えて、注目するFc変種蛋白質のADCC活性は、例えば、Clynes et al.,1998,PNAS USA,95:652−656に開示されたもののような動物モデルにおいて、インビボで評価することができる。
1つの実施形態において、Fc変種蛋白質は、匹敵する分子に対して、増強されたADCC活性を有する。特定の実施形態において、Fc変種蛋白質は、匹敵する分子のそれよりも少なくとも2倍、または少なくとも3倍、または少なくとも5倍、または少なくとも10倍、または少なくとも50倍、または少なくとも100倍大きいADCC活性を有する。もう1つの特定の実施形態において、Fc変種蛋白質は、Fc受容体FcγRIIIAへの増強された結合を有し、および匹敵する分子に対して、増強されたADCC活性を有する。他の実施形態において、Fc変種蛋白質は、匹敵する分子に対して、増強されたADCC活性および増強された血清中半減期の双方を有する。
「補体依存性細胞傷害」および「CDC」とは、補体の存在下における標的細胞の溶解をいう。補体活性化経路は、同族抗原と複合体化した、分子、例えば、抗体への補体系の第一の成分(C1q)の結合によって開始させる。補体活性化を評価するためには、例えば、Gazzano−Santoro et al.,1996,J.Immunol.Methods,202:163に記載されたCDCアッセイを行うことができる。1つの実施形態において、Fc変種蛋白質は、匹敵する分子に対して、増強されたCDC活性を有する。特定の実施形態において、Fc変種蛋白質は、匹敵する分子のそれらよりも少なくとも2倍、または少なくとも3倍、または少なくとも5倍、または少なくとも10倍、または少なくとも50倍、または少なくとも100倍大きなCDC活性を有する。他の実施形態において、Fc変種蛋白質は、匹敵する分子に対して、増強されたCDC活性および増強された血清中半減期を共に有する。
1つの実施形態において、本発明は処方を提供し、ここに、Fc領域は、Kabatに記載されたEU指標によってナンバリングして234、235、236、239、240、241、243、244、245、247、252、254、256、262、263、264、265、266、267、269、296、297、298、299、313、325、326、327、328、329、330、332、333、および334よりなる群から選択される1以上の位置において天然に生じないアミノ酸残基を含む。所望により、Fc領域は、当業者に知られたさらなるおよび/または代替位置において天然に生じないアミノ酸基を含むことができる(例えば、米国特許第5,624,821号;第6,277,375号;第6,737,056号;PCT Patent Publications WO 01/58957;WO 02/06919;WO 04/016750;WO 04/029207;WO 04/035752およびWO 05 /040217参照)。
特定の実施形態において、本発明は、Fc変種蛋白質処方を提供し、ここに、Fc領域は、Kabatに記載されたEU指標によってナンバリングして234D、234E、234N、234Q、234T、234H、234Y、234I、234V、234F、235A、235D、235R、235W、235P、235S、235N、235Q、235T、235H、235Y、235I、235V、235F、236E、239D、239E、239N、239Q、239F、239T、239H、239Y、240I、240A、240T、240M、241W、241L、241Y、241E、241R、243W、243L、243Y、243R、243Q、244H、245A、247V、247G、252Y、254T、256E、262I、262A、262T、262E、263I、263A、263T、263M、264L、264I、264W、264T、264R、264F、264M、264Y、264E、265G、265N、265Q、265Y、265F、265N、265I、265L、265H、265T、266I、266A、266T、266M、267Q、267L、269H、269Y、269F、269R、296E、296Q、296D、296N、296S、296T、296L、296I、296H、269H、269G、297S、297D、298H、298I、298T、298F、299I、299L、299A、299S、299V、299H、299F、299E、313F、325Q、325L、325I、325D、325E、325A、325T、325V、325H、327G、327W、327N、327L、328S、328M、328D、328E、328N、328Q、328F、328I、328V、328T、328H、328A,329F、329H、329Q、330K、330G、330T、330C、330L、330、330V、330I、330F、330R、330H、332D、332S、332W、332F、332E、332N、332Q、332T、332H、332Y、および332Aよりなる群から選択される少なくとも1つの天然に生じないアミノ酸残基を含む。所望により、Fc領域は、当業者に知られたさらなるおよび/または代替の天然に生じないアミノ酸残基を含むことができる(例えば、米国特許第5,624,821号;第6,277,375号;第6,737,056号;PCT特許公開WO 04/58957;WO 02/06919;WO 04/016750;WO 04/029207;WO 04/035752およびWO 05/040217参照)。
もう1つの実施形態において、本発明はFc変種蛋白質処方を提供し、Fc領域は、Kabatに記載されたEU指標によってナンバリングして239、330および332よりなる群から選択される1以上の位置において少なくとも天然に生じないアミノ酸を含む。特定の実施形態において、本発明はFc変種蛋白質処方を提供し、ここに、Fc領域は、Kabatに記載されたEU指標によってナンバリングして239D、330Lおよび332Eよりなる群から選択される少なくとも1つの天然に生じないアミノ酸を含む。所望により、Fc領域は、さらに、Kabatに記載されたEU指標によってナンバリングして252、254、256よりなる群から選択される1以上の位置においてさらなる天然に生じないアミノ酸を含むことができる。特定の実施形態において、本発明はFc変種蛋白質処方を提供し、ここに、Fc領域は、Kabatに記載されたEU指標によってナンバリングして239D、330Lおよび332Eよりなる群から選択される少なくとも1つの天然に生じないアミノ酸を含み、1以上の位置における少なくとも1つの天然に生じないアミノ酸は、Kabatに記載されたEU指標によってナンバリングして252Y、254Tおよび356Eよりなる群から選択される。
1つの実施形態において、本発明のFc変種は、Ghetie et al.,1997,Nat Biotech.15:637−40;Duncan et al,1988,Nature 332:563−564;Lund et al.,1991,J.Immunol.,147:2657−2662;Lund et al,1992,Mol Immunol.,29:53−59;Alegre et al.,1994、Transplantation 57:1537−1543;Hutchins et al.,1995,Proc Natl.Acad Sci USA,92:11980−11984;Jefferis et al,1995,Immunol Lett.,44:111−117;Lund et al.,1995,Faseb J.,9:115−119;Jefferis et al,1996,Immunol Lett.,54:101−104;Lund et al,1996,J Immunol.,157:4963−4969;Armour et al.,1999,Eur J Immunol 29:2613−2624;Idusogie et al,2000,J Immunol.,164:4178−4184;Reddy et al,2000,J Immunol.,164:1925−1933;Xu et al.,2000,Cell Immunol.,200:16−26:Idusogie et al,2001,J Immunol.,166:2571−2575;Shields et al.,2001,J Biol Chem.,276:6591−6604;Jefferis et al,2002,Immunol Lett.,82:57−65;Presta et al.,2002,Biochem Soc Trans.,30:487−490);米国特許第5,624,821号;第5,885,573号;第5,677,425号;第6,165,745号;第6,277,375号;第5,869,046号;第6,121,022号;第5,624,821号;第5,648,260号;第6,528,624号;第6,194,551号;第6,737,056号;第6,821,505号;第6,277,375号;米国特許公開番号2004/0002587およびPCT公開 WO 94/29351;WO 99/58572;WO 00/42072;WO 02/060919;WO 04/029207;WO 04/099249;WO 04/063351に開示されたもののような他の公知のFc変種と組み合わせることができる。また、本発明には、欠失、付加および修飾を含むFc領域である。Fcドメインのさらに他の修飾/置換/付加/欠失は当業者に容易に明らかであろう。
天然に生じないFc領域を生じさせるための方法は当該分野で公知である。例えば、アミノ酸置換および/または欠失は、限定されるものではないが、部位−特異的突然変異誘発(Kunkel,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:488−492(1985))、PCR突然変異誘発(Higuchi,in“PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications”,Academic Press,San Diego,pp.177−183(1990))、およびカセット突然変異誘発(Wells et al.,Gene,34:315−323(1985))を含めた突然変異誘発方法によって生じさせることができる。好ましくは、部位−特異的突然変異誘発は、重複−延長PCR方法(Higuchi,in “PCR Technology:Principles and Applications for DNA Amplification”,Stockton Press, New York,pp.61−70(1989))によって行われる。別法として、重複−延長PCR(Higuchi,ibid.)の技術を用いて、いずれかの所望の突然変異を標的配列に導入することができる(出発DNA)。例えば、重複−延長方法におけるPCRの第一ラウンドは、外側プライマー(プライマー1)および内側突然変異誘発プライマー(プライマー3)で、および別々に第二の外側プライマー(プライマー4)および内側プライマー(プライマー2)で標的配列を増幅し、2つのPCRセグメント(セグメントAおよびB)を得ることを含む。内側突然変異誘発プライマー(プライマー3)は、所望の突然変異を特定する標的配列へのミスマッチを含有するように設計される。PCRの第二ラウンドにおいて、PCRの第一ラウンドの産物(セグメントAおよびB)は、2つの外側プライマー(プライマー1および4)を用いてPCRによって増幅される。得られた全長PCRセグメント(セグメントC)を制限酵素で消化し、得られた制限断片を適当なベクターにクローン化する。突然変異誘発の第一の工程として、(例えば、Fc融合蛋白質、抗体または単純にFc領域をコードする)出発DNAを突然変異誘発ベクターに操作可能にクローン化する。プライマーは、所望のアミノ酸置換を反映するように設計される。変種Fc領域の生成で有用な他の方法は当該分野で公知である(例えば、米国特許第5,624,821号;第5,885,573号;第5,677,425号;第6,165,745号;第6,277,375号;第5,869,046号;第6,121,022号;第5,624,821号;第5,648,260号;第6,528,624号:第6,194,551号;第6,737,056号;第6,821,505号;第6,277,375号;米国特許公開番号2004/0002587およびPCT公開WO 94/29351;WO 99/58572;WO 00/42072;WO 02/060919;WO 04/029207;WO 04/099249;WO 04/063351)。
いくつかの実施形態において、Fc変種蛋白質は、1以上の作製されたグリコ形態、すなわち、Fc領域を含む分子に共有結合された炭水化物組成物を含む。作製されたグリコ形態は、限定されるものではないが、エフェクター機能の増強または低下を含めた種々の目的で有用であろう。作製されたグリコ形態は、例えば、作製されたまたは変種発現株を用いることによって、1以上の酵素、例えば、DI N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnTIII)での共発現によって、種々の生物または種々の生物からの細胞系においてFc領域を含む分子を発現させることによって、またはFc領域を含む分子が発現された後に炭水化物を修飾することによって、当業者に知られたいずれかの方法によって生じさせることができる。作製されたグリコ形態を生じさせるための方法は当該分野で公知であり、限定されるものではないが、Umana et al.,1999,Nat.Biotechnol.,17:176−180;Davies et al.,20017 Biotechnol Bioeng.,74:288−294;Shields et al.,2002,J Biol Chem.,277:26733−26740;Shinkawa et al.,2003,J Biol Chem.,278:3466−3473、米国特許第6,602,684号、U.S.Ser.No.10/277,370;U.S.Ser.No.10/113,929;PCT WO 00/61739A1;PCT WO 01/292246A1;PCT WO 02/311140A1;PCT WO 02/30954A1;PotillegentTM 技術(Biowa,Inc.,Princeton,N.J.);GlycoMAbTM グリコシル化作製技術(GLYCART biotechnology AG,Zurich,Switzerland)に記載されたものを含む。例えば、WO 00061739;EA01229125;US 20030115614;Okazaki et al.,2004,JMB,336:1239−49参照。
(5.1.18 抗体のグリコシル化)
なお、もう1つの実施形態において、本発明に従って利用される抗体のグリコシル化修飾する。例えば、グリコシル化抗体を作製することができる(すなわち、該抗体はグリコシル化を欠如する)。グリコシル化を改変して、例えば、標的抗原に対する抗体の親和性を存科されることができる。そのような炭水化物修飾は、例えば、抗体配列内でグリコシル化の1以上の部位を改変することによって達成することができる。例えば、1以上の可変領域フレームワークグリコシル化部位の排除をもたらし、それにより、その部位におけるグリコシル化を排除する1以上のアミノ酸置換をなすことができる。そのようなグリコシル化は、抗原の抗体に対する親和性を増加させることができる。そのようなアプローチは、米国特許第5,714,350号および第6,359,861号にさらに詳細に記載されている。別法として、Fc領域に存在するグリコシル化部位の排除をもたらす1以上のアミノ酸置換をなすことができる(例えば、IgGのアスパラギン297)。さらに、グリコシル化抗体を、必要なグリコシル化マシーナリーを欠如する細菌細胞で生産することができる。
なお、もう1つの実施形態において、本発明に従って利用される抗体のグリコシル化修飾する。例えば、グリコシル化抗体を作製することができる(すなわち、該抗体はグリコシル化を欠如する)。グリコシル化を改変して、例えば、標的抗原に対する抗体の親和性を存科されることができる。そのような炭水化物修飾は、例えば、抗体配列内でグリコシル化の1以上の部位を改変することによって達成することができる。例えば、1以上の可変領域フレームワークグリコシル化部位の排除をもたらし、それにより、その部位におけるグリコシル化を排除する1以上のアミノ酸置換をなすことができる。そのようなグリコシル化は、抗原の抗体に対する親和性を増加させることができる。そのようなアプローチは、米国特許第5,714,350号および第6,359,861号にさらに詳細に記載されている。別法として、Fc領域に存在するグリコシル化部位の排除をもたらす1以上のアミノ酸置換をなすことができる(例えば、IgGのアスパラギン297)。さらに、グリコシル化抗体を、必要なグリコシル化マシーナリーを欠如する細菌細胞で生産することができる。
加えて、または別法として、低下した量のフコシル残基を有する低フコシル化抗体または増大した二等分GlcNAc構造を有する抗体のような、グリコシル化の改変されたタイプを有する抗体を作製することができる。そのような改変されたグリコシル化パターンは、抗体のADCC能力を増大させることが示されている。そのような炭水化物修飾は、例えば、改変されたグリコシル化マシーナリーを持つ宿主細胞において抗体を発現させることによって達成することができる。改変されたグリコシル化マシーナリーを持つ細胞は当該分野において記載されており、本発明の組換え抗体を発現し、それにより、改変されたグリコシル化を持つ抗体を生産するために、宿主細胞として用いることができる。例えば、Shields,R.L.et al.,(2002)J.Biol.Chem.,277:26733−26740;Umana et al.,(1999)Nat.Biotech.,17:176−1ならびに欧州特許No:EP1,176,195;PCT公開 WO 03/035835;WO 99/54342参照。また、抗体の改変されたグリコシル化を記載するLi et al.,2006,Nat.Biotech 24:210−215;および公開された米国特許出願US2006/0040353;US2006/034830;US 2006/0034829;US2006/0034828;US2006/0029604およびUS2006/0024304も参照。
(5.2 抗−CD19抗体の製造/生産)
一旦所望の抗−CD19抗体が作製されたならば、抗−CD19抗体は、抗体の大規模な製造のための当該分野で良く知られた方法を用いて商業的規模で生産することができる。例えば、これは、限定されるものではないが、後に記載するもののような組換え発現系を用いて達成することができる。
一旦所望の抗−CD19抗体が作製されたならば、抗−CD19抗体は、抗体の大規模な製造のための当該分野で良く知られた方法を用いて商業的規模で生産することができる。例えば、これは、限定されるものではないが、後に記載するもののような組換え発現系を用いて達成することができる。
(5.2.1 組換え発現系)
本発明の抗体またはその変種の組換え発現は、一般には、抗体をコードするポリヌクレオチドを含有する発現ベクターの構築を必要とする。一旦本発明の抗体分子、または抗体の重鎖または軽鎖、または(好ましくは、必ずしも必要ではないが、重鎖または軽鎖可変ドメインを含有する)その部分が得られたならば、抗体分子の生産のためのベクターは、当該分野でよく知られた技術を用いて組換えDNA技術によって生産することができる。例えば、ここに引用してその全体を援用する米国特許第6,331,415号参照。かくして、抗体をコードするヌクレオチド配列を含有するポリヌクレオチドを発現することによって、蛋白質を調製する方法は本明細書中に記載されている。当業者によく知られた方法を用いて、抗体コーディング配列および適当な転写および翻訳制御シグナルを含有する発現ベクターを構築することができる。これらの方法は、例えば、インビトロ組換えDNA技術、合成技術およびインビボ遺伝子組換えを含む。本発明は、かくして、プロモーターに操作可能に連結された、本発明の抗体分子をコードするヌクレオチド配列、抗体の重鎖または軽鎖、抗体の重鎖または軽鎖可変ドメインまたはその部分、または重鎖または軽鎖CDRを含む複製可能なベクターを提供する。そのようなベクターは、抗体分子の定常領域をコードするヌクレオチド配列を含むことができ、(例えば、国際公開番号WO 86/05807およびWO 89/01036;および米国特許第5,122,464号参照)、抗体の可変ドメインを全重鎖、全軽鎖、または全重鎖および軽鎖の双方の発現用のそのようなベクターにクローン化することができる。
本発明の抗体またはその変種の組換え発現は、一般には、抗体をコードするポリヌクレオチドを含有する発現ベクターの構築を必要とする。一旦本発明の抗体分子、または抗体の重鎖または軽鎖、または(好ましくは、必ずしも必要ではないが、重鎖または軽鎖可変ドメインを含有する)その部分が得られたならば、抗体分子の生産のためのベクターは、当該分野でよく知られた技術を用いて組換えDNA技術によって生産することができる。例えば、ここに引用してその全体を援用する米国特許第6,331,415号参照。かくして、抗体をコードするヌクレオチド配列を含有するポリヌクレオチドを発現することによって、蛋白質を調製する方法は本明細書中に記載されている。当業者によく知られた方法を用いて、抗体コーディング配列および適当な転写および翻訳制御シグナルを含有する発現ベクターを構築することができる。これらの方法は、例えば、インビトロ組換えDNA技術、合成技術およびインビボ遺伝子組換えを含む。本発明は、かくして、プロモーターに操作可能に連結された、本発明の抗体分子をコードするヌクレオチド配列、抗体の重鎖または軽鎖、抗体の重鎖または軽鎖可変ドメインまたはその部分、または重鎖または軽鎖CDRを含む複製可能なベクターを提供する。そのようなベクターは、抗体分子の定常領域をコードするヌクレオチド配列を含むことができ、(例えば、国際公開番号WO 86/05807およびWO 89/01036;および米国特許第5,122,464号参照)、抗体の可変ドメインを全重鎖、全軽鎖、または全重鎖および軽鎖の双方の発現用のそのようなベクターにクローン化することができる。
代替実施形態において、本発明の組成物および方法の抗−CD19抗体は、抗−CD19抗体のすべてまたは一部を生産するように、標的化相同組換えを用いて作製することができる(米国特許第6,063,630号、第6,187,305号、および第6,692,737号参照)。ある実施形態において、本発明の組成物および方法の抗−CD19抗体は、抗−CD19抗体の全部または一部を生産するように、ランダム組換え技術を用いて作製することができる(米国特許第6,361,972号、第6,524,818号、第6,541,221号、および第6,623,958号参照)。また、抗−CD19抗体を、Cre−媒介部位−特異的相同組換えを用い、修飾された免疫グロブリン遺伝子座を含む細胞のゲノム配列から抗体を発現する細胞において生産することもできる(米国特許第6,091,001号参照)。ヒト抗体の生産が望まれる場合、宿主細胞はヒト細胞系であるべきである。これらの方法は、有利には、抗体分子を永久的に発現する安定な細胞系を作製するのに用いることができる。
一旦発現ベクターが慣用的技術によって宿主細胞に導入されれば、次いで、本発明の抗体を生産するための慣用的技術によってトランスフェクトされた細胞を培養する。かくして、本発明は、異種プロモーターに操作可能に連結された、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドまたはその断片、またはその重鎖または軽鎖、またはその部分、または本発明の単一−鎖抗体をコードするポリヌクレオチドを含有する宿主細胞を含む。二本鎖抗体の発現についての好ましい実施形態において、重鎖および軽鎖の双方をコードするベクターを、後に詳細に記載するように、全免疫グロブリン分子の発現のために宿主細胞において共発現させることができる。
種々の宿主−発現ベクター系を利用して、抗−CD19抗体の作製および精製で用いることができる本発明の抗−CD19抗体、またはその部分を発現させることができる(例えば、米国特許第5,807,715号参照)。例えば、ヒトサイトメガロウイルスからの主要即時型遺伝子プロモーターエレメントのようなベクターと組み合わせて、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)のような哺乳動物細胞は、抗体用の効果的発現系である(Foecking et al.,Gene,45:101(1986);and Cockett et al.,Bio/Technology,8:2(1990))。加えて、挿入された抗体配列の発現を変調し、あるいは所望の特異的様式にて抗体遺伝子産物を修飾し、プロセッシングする宿主細胞株を選択することができる。蛋白質産物のそのような修飾(q例えば、グリコシル化)およびプロセッシング(例えば、切断)は蛋白質の機能で重要であろう。異なる宿主細胞は、蛋白質および遺伝子産物の翻訳後プロセッシングおよび修飾につき特徴および特定のメカニズムを有する。適当な細胞系または宿主系を選択して、発現された抗体またはその部分の正しい修飾およびプロセッシングを保障することができる。この目的で、一次転写体の適切なプロセッシング、遺伝子産物のグリコシル化、およびリン酸化のための細胞マシーナリーを保有する真核生物宿主細胞を用いることができる。そのような哺乳動物宿主細胞は、限定されるものではないが、CHO、VERO、BHK、Hela、COS、MDCK、298、3T3、W138、BT483、Hs578T、HTB2、BT20およびT47D、NS0(いずれの免疫グロブリン鎖も内因的に生産しないマウス骨髄腫細胞系)、CRL7O3OおよびHsS78Bst細胞を含む。
好ましい実施形態において、ヒトリンパ球を不滅化することによって発生したヒト細胞系を用いて、モノクローナルヒト抗−CD19抗体を組換えにより生産することができる。好ましい実施形態において、ヒト細胞系PER.C6.(Crucell,Netherlands)を用いて、モノクローナルヒト抗−CD19抗体を組換えにより生産することができる。
細菌系において、発現すべき抗体分子を意図した使用に依存して、多数の発現ベクターを有意に選択することができる。例えば、大量のそのような抗体を発現すべき場合、抗−CD19抗体を含む医薬組成物の創製では、容易に精製される高レベルの融合蛋白質産物の発現を指令するベクターが望ましいであろう。そのようなベクターは、限定されるものではないが、融合蛋白質が生産されるように、抗体コーディング配列をlacZコーディング領域とイン・フレームにてベクターに個々に連結できるE.coli発現ベクターpUR278(Ruther et al.,EMBO,12:1791(1983));pINベクター(Inouye & Inouye,1985,Nucleic Acids Res.,13:3101−3109(1985);Van Heeke & Schester,1989,J.Biol.Chem.,24:5503−5509(1989));などを含む。pGEXベクターを用いて、グルタチオン5−トランスフェラーゼ(GST)との融合蛋白質として外来性ポリペプチドを発現することもできる。一般に、そのような融合蛋白質は可溶性であって、マトリックスグルタチオンアガロースビーズへの吸着および結合、続いての、遊離グルタチオンの存在下での溶出によって溶解されせた細胞から容易に精製することができる。pGEXベクターは、クローン化された標的遺伝子産物がGST部位から放出できるように、トロンビンまたは第Xa因子プロテアーゼ切断部位を含むように設計される。
昆虫系においては、Autographa californica核多角体病ウイルス(AcNPV)をベクターとして用いて外来性遺伝子を発現させる。該ウイルスはSpodopterafrugiperda細胞において増殖する。抗体コーディング配列はウイルスの非必須領域(例えば、ポリヘドリン遺伝子)に個々にクローン化し、AcNPVプロモーター(例えば、ポリヘドリンプロモーター)の制御下におくことができる。
哺乳動物宿主細胞においては、多数のウイルス−ベースの発現系を利用することができる。アデノウイルスを発現ベクターとして用いる場合、注目する抗体コーディング配列をアデノウイルス転写/翻訳制御複合体、例えば、後期プロモーターおよび三部リーダー配列に連結されることができる。次いで、このキメラ遺伝子を、インビトロ、またはインビボ組換えによってアデノウイルスゲノムに挿入することができる。ウイルスゲノムの非必須領域(例えば、領域E1またはE3)への挿入の結果、生きた、かつ感染した宿主において抗体分子を発現することができる組換えウイルスがもたらされるであろう(例えば、Logan & Shenk,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:355−359(1984)参照)。挿入された抗体コーディング配列の効果的な翻訳には、特異的開始シグナルも必要であろう。これらのシグナルはATG開始コドンおよび隣接配列を含む。さらに、開始コドンは、一般には、全インサートの翻訳を保障するために、望まれるコーディング配列のリーディングフレームとイン・フェーズであるべきである。これらの外因性転写制御シグナルおよび開始コドンは、天然および合成双方の種々の起源のものとすることができる。発現の効率は、適当な転写エンハンサーエレメント、転写ターミネーターなどを含めることによって増強させることができる(例えば、Bittner et al.,Methods in Enzymol.,153:51−544(1987)参照)。
組換え蛋白質の長期高収率生産では、安定な発現が好ましい。例えば、抗体分子を安定に発現する細胞系を作製することができる。ウイルス複製起点を含有する複製発現ベクターを用いる一過性発現系よりはむしろ、適当な発現制御エレメント(例えば、プロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位など)によって制御されたDNA、および選択マーカーで宿主細胞を形質転換することができる。外来性DNAの導入に続き、作製された細胞を豊富化培地中で1ないし2日増殖させることができ、次いで、選択培地にスイッチする。組換えプラスミド中の選択マーカーは選択に対する抵抗性を付与し、細胞がその染色体にプラスミドを安定に組込み、増殖して、今度は細胞系にクローン化し、拡大培養することができるフォーカスを形成するのを可能とする。抗−CD19抗体をコードするプラスミドを用いて、培養中の生産に適したいずれかの細胞系に遺伝子/cDNAを導入することができる。別法として、「標的化ベクター」と呼ばれるプラスミドを用いて、発現制御エレメント(例えば、プロモーター、エンハンサーなど)を宿主細胞中の適切な染色体位置に導入して、抗−CD19抗体についての内因性遺伝子を「活性化する」ことができる。
多数の選択系を用いることができ、これは、限定されるものではないが、各々、tk−、hgprt−またはaprT−細胞で使用される単純疱疹ウイルスチマミジンキナーゼ(Wigler et al.,Cell,11:223(1977))、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska & Szybalski,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,48:202(1992))、およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowy et al.,Cell,22:8−17(1980))遺伝子を含む。また、抗−代謝産物耐性は、以下の遺伝子:メトトレキサートに対する耐性を付与するdhfr(Wigler et al.,Natl.Acad.Sci.USA,77:357(1980);O’Hare et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,78:1527(1981));マイコフェノール酸に対する耐性を付与するgpt(Mulligan & Berg,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,78:2072(1981));アミノグリコシドG−418に対する耐性を付与するneo(Wu and Wu,Biotherapy 3:87−95(1991)Tolstoshev,Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.32:573−596(1993);Mulligan,Science 260:926−932(1993);and Morgan and Anderson,Ann.Rev.Biochem.62:191−217(1993);May,TIB TECH 11(5):155−215(1993));およびヒグロマイシンに対する耐性を付与するhygro(Santerre et al.,Gene,30:147(1984))についての選択の基礎として用いることができる。組換えDNA技術の当該分野で共通に知られた方法をルーチン的に適用して、所望の組換えクローンを選択することができ、そのような方法は、例えば、ここに引用して援用する、Ausubel et al.(eds.),Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,NY(1993);Kriegler,Gene Transfer and Expression,A Laboratory Manual,Stockton Press,NY(1990);and in Chapters 12 and 13,Dracopoli et al.(eds.),Current Protocols in Human Genetics,John Wiley & Sons,NY(1994);Colberre−Garapin et al.,1981,J.Mol.Biol.,150:1に記載されている。
抗体分子の発現レベルは、ベクター増幅によって増大させることができる(レビューについてはBebbington and Hentschel,The use of vectors based on gene amplification for the expression of cloned genes in mammalian cells in DNA cloning,Vol.3,Academic Press,New York(1987)参照)。抗体を発現するベクター系中のマーカーが増幅可能である場合、宿主細胞の培養に存在する阻害剤のレベルの増加は、マーカー遺伝子のコピー数を増加させるであろう。増幅された領域は抗体遺伝子に会合しているため、抗体の生産も増加するであろう(Crouse et al.,Mol.Cell.Biol.,3;257(1983))。抗体の発現レベルは、周囲のクロマチンを再形成し、活性な人工転写ドメインの形態で導入遺伝子発現を増強する技術を含めた組換え蛋白質生産の分野における当業者に知られた組換え方法およびツールの使用を介して増幅することができる。
宿主細胞は本発明の2つの発現ベクター、重鎖由来ポリペプチドをコードする第一のベクター、および軽鎖由来ポリペプチドをコードする第二のベクターで共トランスフェクトすることができる。2つのベクターは、重鎖および軽鎖ポリペプチドの同等な発現を可能とする同一選択マーカーを含有することができる。別法として、重鎖および軽鎖双方のポリペプチドをコードし、それを発現することのできる単一ベクターを用いることができる。そのような状況において、重鎖の前に軽鎖を置いて、過剰の毒性遊離重鎖を回避すべきである(Proudfoot,Nature 322:562−565(1986);and Kohler,1980,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:2197−2199(1980))。重鎖および軽鎖についてのコーディング配列は、cDNAまたはゲノムDNAを含むことができる。
いったん本発明の抗体分子が組換え発電によって生産されたならば、それは、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、特にプロテインA後に特異的抗原に対する親和性によるアフィニティ、およびサイジングカラムクロマトグラフィー)、遠心、差別溶解性によって、または蛋白質の精製用のいずれかの他の標準的な技術によって、免疫グロブリン分子の精製についての分野で知られたいずれの方法によっても精製することができる。さらに、本発明の抗体またはその断片を、本明細書中に記載された、またはそうでなければ当該分野で知られた異種ポリペプチド配列に融合させて、精製を容易とすることができる。
(5.2.2 抗体の精製および単離)
組換え技術を用いる場合、抗体は細胞内でペリプラズム空間で生産することができ、あるいは培地に直接的に分泌することができる。抗体を細胞内で生産するのならば、最初の工程として、粒上デブリス、宿主細胞または溶解した断片いずれかを、例えば、遠心または限外濾過によって除去する。Carter et al.,Bio/Technology,10:163−167(1992)は、E.coliのペリプラズム空間に分泌される抗体を単離するための手法を記載する。簡単に述べれば、細胞をペーストを、酢酸ナトリウム(pH3.5)、EDTA、およびフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)の存在下で30分間にわたって解凍する。細胞デブリスは遠心によって除去することができる。抗体突然変異体を培地に分泌させる場合、そのような発現系からの上清を、一般には、まず、商業的に入手可能な濃縮フィルター、例えば、AmiconまたはMillipore Pellicon限外濾過ユニットを用いて濃縮する。PMSFのようなプロテアーゼ阻害剤を前記工程のいずれかで含めて、蛋白質分解を阻害することができ、抗生物質を含めて、不慮の汚染の成長を妨げることができる。
組換え技術を用いる場合、抗体は細胞内でペリプラズム空間で生産することができ、あるいは培地に直接的に分泌することができる。抗体を細胞内で生産するのならば、最初の工程として、粒上デブリス、宿主細胞または溶解した断片いずれかを、例えば、遠心または限外濾過によって除去する。Carter et al.,Bio/Technology,10:163−167(1992)は、E.coliのペリプラズム空間に分泌される抗体を単離するための手法を記載する。簡単に述べれば、細胞をペーストを、酢酸ナトリウム(pH3.5)、EDTA、およびフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)の存在下で30分間にわたって解凍する。細胞デブリスは遠心によって除去することができる。抗体突然変異体を培地に分泌させる場合、そのような発現系からの上清を、一般には、まず、商業的に入手可能な濃縮フィルター、例えば、AmiconまたはMillipore Pellicon限外濾過ユニットを用いて濃縮する。PMSFのようなプロテアーゼ阻害剤を前記工程のいずれかで含めて、蛋白質分解を阻害することができ、抗生物質を含めて、不慮の汚染の成長を妨げることができる。
細胞から調製された抗体組成物は、例えば、単独で、あるいは他の精製工程と組み合わせて、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、および/またはアフィニティクロマトグラフィーを用いて精製することができる。アフィニティーリガンドとしてのプロテインAの適当性は、抗体突然変異体に存在するいずれの免疫グロブリンFcドメインの種およびイソタイプにも依存する。プロテインAを用いて、ヒトγ1、γ2、またはγ4重鎖に基づいて抗体を精製することができる。(Lindmark et al.,J.Immunol.Methods,62:1−13(1983))。プロテインGは全てのマウスイソタイプについて、およびヒトγ3について推奨される(Guss et al.,EMBO J.,5:15671575(1986))。アフィニティーリガンドが付着されたマトリックスは最もしばしばアガロースであるが、他のマトリックスを利用することができる。制御された多孔ガラスまたはポリ(スチレンジビニル)ベンゼンのような機械的に安定なマトリックスが、アガロースで達成することよりも早い液速およびより短い処理時間を可能とする。抗体がCH3ドメインを含む場合、Bakerbond ABX樹脂(J.T.Baker,Phillipsburg,NJ)が精製で有用である。イオン−交換カラムでの分別、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカでのクロマトグラフィー、ヘパリンでのクロマトグラフィー、(ポリアスパラギン酸カラムのような)アニオンまたはカチオン交換樹脂でのSEPHAROSE、等電点、電気泳動、SDS−PAGEおよび硫酸アンモニウム沈殿のような蛋白質精製用の他の技術もまた、回収すべき抗体に依存してやはり利用可能である。
いずれかの予備的精製工程に続き、注目する抗体および汚染物を含む混合物、約2.5ないし4.5の間のpHの溶出緩衝液を用いる低pH疎水性相互作用クロマトグラフィーに付すことができ、好ましくは、(例えば、約0ないし0.25M塩の)低い塩濃度で行うことができる。
(5.3 治療抗−CD19抗体)
本発明の組成物および方法で用いる抗−CD19抗体は、好ましくは、ヒト抗体、または好ましくはヒトADCCを媒介するヒト化抗体であり、あるいは好ましくはヒトADCCを媒介する公知の抗−CD19抗体から選択される。ある実施形態において、抗−CD19抗体はキメラ抗体とすることができる。好ましい実施形態において、抗−CD19抗体はモノクローナルヒト、ヒト化、キメラ抗−CD19抗体である。本発明の組成物および方法で用いる抗−CD19抗体は、好ましくは、ヒト抗体、またはIgG1またはIgG3ヒトイソタイプのヒト化抗体である。他の実施形態において、本発明の組成物および方法で用いる抗−CD19抗体は、好ましくは、ヒト抗体、あるいは好ましくはADCCを媒介するIgG2またはIgG4ヒトイソタイプのヒト化抗体である。
本発明の組成物および方法で用いる抗−CD19抗体は、好ましくは、ヒト抗体、または好ましくはヒトADCCを媒介するヒト化抗体であり、あるいは好ましくはヒトADCCを媒介する公知の抗−CD19抗体から選択される。ある実施形態において、抗−CD19抗体はキメラ抗体とすることができる。好ましい実施形態において、抗−CD19抗体はモノクローナルヒト、ヒト化、キメラ抗−CD19抗体である。本発明の組成物および方法で用いる抗−CD19抗体は、好ましくは、ヒト抗体、またはIgG1またはIgG3ヒトイソタイプのヒト化抗体である。他の実施形態において、本発明の組成物および方法で用いる抗−CD19抗体は、好ましくは、ヒト抗体、あるいは好ましくはADCCを媒介するIgG2またはIgG4ヒトイソタイプのヒト化抗体である。
そのような抗体は前記した技術を用いて創製することができるが、本発明の他の実施形態においては、本明細書中に記載されたマウス抗体HB12aおよびHB12b、または他の商業的に入手可能な抗−CD19抗体をキメラ化し、ヒト化し、あるいはヒト抗体に作製することができる。
例えば、用いることができる公知の抗−CD19抗体は、限定されるものではないが、
HD37(IgG1)(DAKO,Carpinteria,CA),BU12(G.D.Johnson、University of Birmingham,Birmingham,United Kingdom),4G7(IgG1)(Becton−Dickinson,Heidelberg,Germany),J4.119(Beckman Coulter,Krefeld,Germany),B43(PharMingen,San Diego,CA),SJ25C1(BD PharMingen,San Diego,CA),FMC63(IgG2a)(Chemicon Int‘l.,Temecula,CA)(Nicholson et al.,Mol.Immunol.,34:1157−1165(1997);Pietersz et al.,Cancer Immunol.Immunotherrapy,41:53−60(1995):and Zola et al.,Immunol.Cell Biol.,69:411−422(1991)),B4(IgG1)(Beckman Coulter,Miami,FL)Nadler et al.,J.Immunol.,131:244−250(1983),および/またはHD237(IgG2b)(Fourth International Workshop on Human Leukocyte Differentiation Antigens,Vienna,Austria,1989;and Pezzutto et al.,J.Immunol.,138:2793−2799(1987))を含む。
HD37(IgG1)(DAKO,Carpinteria,CA),BU12(G.D.Johnson、University of Birmingham,Birmingham,United Kingdom),4G7(IgG1)(Becton−Dickinson,Heidelberg,Germany),J4.119(Beckman Coulter,Krefeld,Germany),B43(PharMingen,San Diego,CA),SJ25C1(BD PharMingen,San Diego,CA),FMC63(IgG2a)(Chemicon Int‘l.,Temecula,CA)(Nicholson et al.,Mol.Immunol.,34:1157−1165(1997);Pietersz et al.,Cancer Immunol.Immunotherrapy,41:53−60(1995):and Zola et al.,Immunol.Cell Biol.,69:411−422(1991)),B4(IgG1)(Beckman Coulter,Miami,FL)Nadler et al.,J.Immunol.,131:244−250(1983),および/またはHD237(IgG2b)(Fourth International Workshop on Human Leukocyte Differentiation Antigens,Vienna,Austria,1989;and Pezzutto et al.,J.Immunol.,138:2793−2799(1987))を含む。
ある実施形態において、本発明の抗−CD19抗体は、配列番号:2(図5A)のアミノ酸配列を含むHB12aの重鎖を含む。他の実施形態において、本発明の抗−CD19抗体は、配列番号:4(図5B)のアミノ酸配列を含むHB12bの重鎖を含む。
ある実施形態において、本発明の抗−CD19抗体は、配列番号:16(図6A)のアミノ酸配列を含むHB12aの軽鎖を含む。他の実施形態において、本発明の抗−CD19抗体は、配列番号:18(図6B)のアミノ酸配列を含むHB12bの軽鎖を含む。
ある実施形態において、抗体は、前記したもの(例えば、HB12aまたはHB12b)のような(例えば、IgG1またはIgG3ヒトイソタイプに対する)公知の抗体のイソタイプがスイッチされた変種である。
本発明の組成物および方法で用いられる抗−CD19抗体は裸の抗体、免疫コンジュゲートまたは融合蛋白質である。好ましくは、本発明の組成物および方法で用いられる前記した抗−CD19抗体は、それで処理されたヒトにおいて、B細胞および循環免疫グロブリンを低下させ、または枯渇させることができる。B細胞の枯渇は、循環B細胞におけるもの、または限定されるものではないが、骨髄、脾臓、腸−関連リンパ系組織、および/またはリンパ節のよう特定の組織におけるものであり得る。そのような枯渇は、抗体−依存性細胞−媒介細胞傷害(ADCC)および/または補体依存性細胞傷害(CDC)、B細胞増殖の阻害、および/または(例えば、アポトーシスを介する)B細胞死滅の誘導のような種々のメカニズムを介して達成することができる。B細胞の「枯渇」とは、セクション5.4.3に記載したように、循環B細胞および/または特別な組織におけるB細胞の少なくとも約25%、40%、50%、65%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上だけの低下を意味する。特別な実施形態において、実質的に全ての検出可能なB細胞は循環および/または特別な組織から枯渇される。循環免疫グロブリン(Ig)の「枯渇」とは、セクション5.4.3に記載されるように、少なくとも約25%、40%、50%、65%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上だけの低下を意味する。特別な実施形態において、実質的にすべての検出化なIgは循環から枯渇される。
(5.3.1 ヒトCD19結合に対する阻害剤のスクリーニング)
結合アッセイを用いて、ヒトCD19抗原に結合する抗体を同定することができる。結合アッセイは直接的結合アッセイとして、または競合−結合アッセイとして行うことができる。結合は、標準的なELISAまたは標準的フローサイトメトリーアッセイを用いて検出することができる。直接的結合アッセイにおいては、候補抗体を、ヒトCD19抗原への結合についてテストする。ある実施形態において、スクリーニングアッセイは、第二の工程において、ヒトCD19を発現するB細胞の細胞死滅またはアポトーシスを引き起こす能力を測定することを含む。競合−結合アッセイは、他方、公知の抗−CD19抗体、またはヒトCD19に結合する他の化合物と競合する候補抗体の能力を評価する。
結合アッセイを用いて、ヒトCD19抗原に結合する抗体を同定することができる。結合アッセイは直接的結合アッセイとして、または競合−結合アッセイとして行うことができる。結合は、標準的なELISAまたは標準的フローサイトメトリーアッセイを用いて検出することができる。直接的結合アッセイにおいては、候補抗体を、ヒトCD19抗原への結合についてテストする。ある実施形態において、スクリーニングアッセイは、第二の工程において、ヒトCD19を発現するB細胞の細胞死滅またはアポトーシスを引き起こす能力を測定することを含む。競合−結合アッセイは、他方、公知の抗−CD19抗体、またはヒトCD19に結合する他の化合物と競合する候補抗体の能力を評価する。
直接的結合アッセイにおいては、ヒトCD19抗原を、候補抗体のヒトCD19抗原への結合を可能とする条件下で、候補抗体と接触させる。結合は溶液中で、または固体表面で行うことができる。好ましくは、候補抗体は検出のために予め標識する。限定されるものではないが、ルミネセント、蛍光または放射性同位体、またはそれを含有する基あるいは酵素または色素のような非放射性標識のようないずれの検出可能な化合物も標識で用いることができる。結合が起こるのに、十分なインキュベーション時間の後、反応を、過剰なまたは非特異的に結合した抗体を除去する条件および操作に暴露する。典型的には、それは適当な緩衝液での洗浄を含む。最後に、CD19−抗体複合体の存在を検出する。
競合−結合アッセイにおいては、候補抗体を、公知の抗−CD19抗体(または他の化合物)のヒトCD19抗原への結合を阻害し、または置き換えるその能力について評価する。CD19の標識された公知のバインダーを候補抗体と混合し、候補抗体を加え、または加えることなく、それらの間の相互作用が通常は起こる条件下に置くことができる。ヒトCD19に結合するCD19の標識された公知のバインダーの量を、候補抗体の存在または不存在下で結合した量と比較することができる。
好ましい実施形態において、抗体抗原複合体の形成および検出を容易とするために、結合アッセイは、固体表面に固定化された1以上の成分で行われる。種々の実施形態において、個体支持体は、限定されるものではないが、ポリカルボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ガラス、ニトロセルロース、デキストラン、ナイロン、ポリアクリルアミドおよびアガロースであり得る。支持体の立体配置はビーズ、膜、ミクロ粒子、マイクロタイタープレート、試験管のような反応容器または他の反応容器の内部表面を含むことができる。ヒトCD19または他の成分の固定化は、共有結合または非共有結合付着を介して達成することができる。1つの実施形態において、付着は付着した抗体を介する間接的なものであってよい。もう1つの実施形態において、ヒトCD19抗原および負の対照に、固体表面への付着が抗−GST(Santa Cruz Biotechnology)のような商業的に入手可能な抗体によって媒介できるように、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)のようなエピトープを付す。
例えば、そのようなアフィニティー結合アッセイは、固体支持体に固定化されたヒトCD19抗原を用いて行うことができる。典型的には、結合反応の非移動成分、この場合は、候補抗−CD19抗体を標識して、検出を可能とする。ルミネセント、クロモフォア、蛍光または放射性同位体、またはそれを含有する基、および酵素または色素のような非放射性標識のような、種々の検出方法が利用可能であり、用いることができる。好ましい実施形態において、候補抗−CD19抗体は、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、Sigma Chemicals,St.Louisから入手可能)のような、フルオロフォアで標識する。
最後に、固体表面に残存する標識は、当該分野で調べたいずれかの検出方法によって検出することができる。例えば、もし候補抗−CD19抗体がフルオロフォアで標識されるならば、フルオリメーターを用いて複合体を検出することができる。
好ましくは、ヒトCD19抗原は、ヒトCD19抗原を発現する無傷細胞、またはヒトCD19抗原を含有する単離された膜の形態で結合アッセイに加えられる。かくして、ヒトCD19抗原への直接的な結合は、候補抗−CD19抗体の存在および不存在下で、培養中の、または動物モデルにおける無傷細胞にてアッセイすることができる。標識された候補抗−CD19抗体を、ヒトCD19抗原を発現する細胞と、またはそのような細胞から得られた粗製抽出物と混合することができ、候補抗−CD19抗体を加えることができる。単離された膜を用いて、ヒトCD19と相互作用する候補抗−CD19抗体を同定することができる。例えば、単離された膜を用いる典型的な実験においては、細胞を遺伝子工学により作製して、ヒトCD19抗原を発現させることができる。膜は標準的な技術によって収穫し、インビトロ結合アッセイで用いることができる。標識された候補抗−CD19抗体(例えば、蛍光標識抗体)を膜に結合させ、特異的活性についてアッセイする;特異的結合は、過剰の未標識(冷)候補抗−CD19抗体の存在下で行われる結合アッセイとの比較によって決定される。別法として、可溶性ヒトCD19抗原を組換えにより発現させ、非−細胞ベースのアッセイで利用して、ヒトCD19抗原に結合する抗体を同定することができる。組換えにより発現されたヒトCD19ポリペプチドは、非−細胞ベースのスクリーニングアッセイで用いることができる。別法として、ヒトCD19抗原の結合部分の1以上に対応するペプチド、あるいはヒトCD19抗原の結合部分の1以上を含有する融合蛋白質を非−細胞ベースのアッセイ系で用いて、ヒトCD19抗原の部分に結合する抗体を同定することができる。非−細胞ベースのアッセイにおいては、組換えにより発現されたヒトCD19は、当業者によく知られた手段によって、試験管、マイクロタイターウェルまたはカラムのような個体基材に付着される(Ausubel et al.,supra参照)。次いで、テスト抗体を、ヒトCD19抗原に結合するその能力についてアッセイする。
別法として、結合反応は溶液中で行うことができる。このアッセイにおいては、標識された成分を溶液中のその結合パートナーと相互作用させる。もし、標識された成分およびその結合パートナーの間のサイズの差がそのような分離を可能とするならば、そのポアが、その結合パートナーではなく未結合標識成分の、またはそのパートナーに結合した標識成分の通過を可能とする超フィルターを通って結合反応の産物を通過させることによって達成することができる。また、分離は、結合パートナーに対する抗体などのような、溶液から標識された成分の結合パートナーを捕獲することができるいずれかの試薬を用いて達成することもできる。
1つの実施形態において、例えば、プラスチックビーズのような固相に連結された、精製されたヒトCD19抗原、またはその誘導体、アナログ、断片またはドメインを含有するカラムを通って連続ファージディスプレイライブラリーからファージを通過させることによって、ファージライブラリーをスクリーニングすることができる。洗浄緩衝液のストリンジェンシーを改変することによって、ヒトCD19抗原に対して高い親和性を持つペプチドを発現するファージを豊富化することが可能である。カラムから単離されたファージをクローン化することができ、親和性を直接的に測定することができる。いずれの抗体およびそれらのアミノ酸配列がヒトCD19抗原に最強の結合を付与するかを知ると、コンピュータモデルを用いて、CD19抗原および候補抗体の間の分子接触を同定することができる。
本発明のこの態様のもう1つの特定の実施形態において、固体支持体は、マイクロタイター皿に付着されたヒトCD19抗原を含有する膜である。候補抗体は、例えば、マイクロタイター皿におけるライブラリーメンバーの発現を可能とする条件下で培養したライブラリー抗体を発現する細胞に結合することができる。ヒトCD19に結合するライブラリーメンバーを収穫する。そのような方法は、一般には、例えば、Parmley and Smith,1988,Gene,73:305−318;Fowlkes et al.,1992,BioTechniques,13:422−427;PCT公開番号WO 94/18318;および前記で引用された文献に記載されている。ヒトCD19抗原への結合として同定された抗体は、前記した抗体のタイプまたは修飾のいずれかのものとすることができる。
ある実施形態において、スクリーニングアッセイは、第二の工程において、ヒトCD19を発現するB細胞の細胞死滅またはアポトーシスを引き起こす能力を決定することを含む。実行できる色素を利用するアッセイ、カスパーゼを検出し分析する方法、およびDNA破壊を測定するアッセイを用いて、注目する抗−CD19抗体と共にインビトロで培養した細胞のアポトーシス活性を評価することができる。例えば、アネキシンVまたはTdT−媒介dUTPニック−末端標識(TUNEL)アッセイをDecker et al.,Blood,103:2718−2725(2004)に記載されたように、行って、アポトーシス活性を検出することができる。TUNELアッセイは、DNAストランド破壊への取込みのためのフルオレセイン−標識dUTPと共に注目する細胞を培養することを含む。次いで、フローサイトメトリーによる分析のために細胞を処理する。アネキシンVアッセイは、アポトーシス細胞の表面の露出したPSを特異的に認識するフルオレセイン−コンジュゲーテッド抗体を用い、原形質膜の外側へのホスファチジルセリン(PS)の露出を検出する。コンジュゲーションにおいて、ヨウ化プロピジウムのような実行可能色素を用いて、初期アポトーシス細胞から後期アポトーシス細胞を排除することができる。注目する細胞を抗体で染色し、フローサイトメトリーによって分析する。さらに、抗体のアポトーシス活性をアッセイするための技術は当該分野でよく知られている。例えば、Chaouchi et al.,J.Immunol.,154(7):3096−104(1995);Pedersen et sl.,Blood,99(4):1314−1318(2002);Alberts et al.,Molecular Biology of the Cell;Steensma et al.,Methods Mol Med.,85:323−32,(2003)参照。
(5.3.2 ヒトADCCエフェクター機能についての抗体のスクリーニング)
ヒトIgGクラスの抗体は本発明で用いるのに好ましい。なぜならば、それらは血清中の長い半減期のような機能的特徴を有し、種々のエフェクター機能を媒介することができるからである。(Monoclonal Antibodies:Principles and Applications,Wiley−Liss,Inc.,Chapter 1(1995))。ヒトIgGクラス抗体は、さらに、以下の4つのサブクラス:IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4に分類される。非常に多数の研究が、IgGクラス抗体のエフェクター機能としてADCCおよびCDCについてこれまで行われており、ヒトIgGクラスの抗体の中では、IgG1サブクラスがヒトにおいて最高のADCC活性およびCDC活性を有することが報告されている。(Chemical Immunology,65,88(1997))。
ヒトIgGクラスの抗体は本発明で用いるのに好ましい。なぜならば、それらは血清中の長い半減期のような機能的特徴を有し、種々のエフェクター機能を媒介することができるからである。(Monoclonal Antibodies:Principles and Applications,Wiley−Liss,Inc.,Chapter 1(1995))。ヒトIgGクラス抗体は、さらに、以下の4つのサブクラス:IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4に分類される。非常に多数の研究が、IgGクラス抗体のエフェクター機能としてADCCおよびCDCについてこれまで行われており、ヒトIgGクラスの抗体の中では、IgG1サブクラスがヒトにおいて最高のADCC活性およびCDC活性を有することが報告されている。(Chemical Immunology,65,88(1997))。
ヒトIgG1サブクラス抗体のADCC活性およびCDC活性の発現は、一般には、キラー細胞、ナチュラルキラー細胞または活性化されたマクロファージのようなエフェクター細胞の表面に存在する抗体に対する受容体(以下、「FcγR」という)への抗体のFc領域の結合を含む。種々の補体成分が結合することができる。結合に関しては、抗体のヒンジ領域およびC領域の第二のドメイン(以下、「Cγ2ドメイン」という)における数個のアミノ酸残基が重要であり(Eur.J.Immunol.,23,1098(1993),Immunology,86,319(1995),Chemical Immunology,65,88(1997))およびCγ2ドメイン(Chemical Immunology,65,88(1997))における糖鎖も重要であると提唱されている。
本発明の抗−CD19抗体をエフェクター機能に関して修飾して、例えば、抗体のADCCおよび/または補体依存性細胞傷害(CDC)を増強させることができる。これは、抗体のFc領域へ1以上のアミノ酸置換を導入することによって達成することができる。別法として、または加えて、システイン残基をFc領域に導入し、この領域における鎖間ジスルフィド結合の形成を可能とすることができる。このようにして、改良された内部化能力および/または増大した補体−媒介細胞殺傷およびADCCを有することができるホモダイマー抗体を創製することができる(Caron et al.,J.Exp.Med.,176:1191−1195(1992)and Shopes,J.Immunol.,148:2918−2922(1992))。ヘテロ二官能性架橋剤を用いて、増強された活性を持つホモダイマー抗体を創製することができる(Wolff et al.,Cancer Research,53:2560−2565(1993))。また、抗体は、増強された補体溶解およびADCC能力をもたらす2以上のFc領域を有するように作製することもできる(Stevenson et al.,Anti−Cancer Drug Design,(3)219−230(1989))。
エフェクター機能を改変するように抗体のFc領域を作製する他の方法は当該分野で知られている(例えば、FCγRIIAに対する結合親和性と比較して、FcγRIIBに対する結合親和性を増強させるようにFc領域を改変することを記載する共にKoenig et al.,に対する米国特許公開番号20040185045およびPCT公開番号WO 2004/016750;また、Armour et al.,に対するPCT公開番号WO 99/58572、Idusogie et al.,に対するWO 99/51642、およびDeo et al.に対する米国特許第6,395,272号も参照;その開示を引用してその全体を援用する)。Fc領域を修飾して、FcγRIIBに対する結合親和性を減少させる方法も当該分野で知られている(例えば、その開示をここに引用してその全体を援用する、共にRavetch et al.,に対する米国特許公開番号20010036459およびPCT公開番号WO 01/79299)。野生型Fc領域と比較して、FcγRIIIAおよび/またFcγIIAに対する増強された結合親和性を持つ変種Fc領域を有する修飾された抗体も記載されている(例えば、その開示をここに引用してその全体を援用する、Stavenhagen et al.に対するPCT公開番号WO 2004/063351)。
各々、FcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)、FcγRIII(CD16)、およびFcγRIVと呼ばれる少なくとも4つの異なるタイプのFcγRが見出されている。ヒトにおいては、FcγRIIおよびFcγRIIIはさらに、各々、FcγRIIaおよびFcγRIIb、およびFcγRIIIaおよびFcγRIIIbに分類される。FcγRは免疫グロブリンスーパーファミリーに属する膜蛋白質であり、FcγRII、FcγRIII、およびFcγRIVは2つの免疫グロブリン−様ドメインを含有する細胞外領域を有するα鎖を有し、FcγRIは、構成成分として、3つの免疫グロブリン−様ドメインを含有する細胞外領域を有するα鎖を有し、α鎖はIgG結合活性に関与する。加えて、FcγRIおよびFCγRIIIは、α鎖と会合してシグナル伝達機能を有する構成成分としてγ鎖またはζ鎖を有する(Annu.Rev.Immunol.,18,709(2000),Annu.Rev.Immunol.,19,275(2001))。FcγRIVはBruhns et al.,Clin.Invest.Med.,(Canada)27:3D(2004)によって記載されている。
注目する抗−CD19抗体のADCC活性を評価するために、米国特許第5,500,362号または第5,821,337号に記載されたもののようなインビトロADCCアッセイを用いることができる。そのようなアッセイのための有用なエフェクター細胞は、末梢血液単核細胞(PBMC)およびナチュラルキラー(NK)細胞を含む。例えば、補体活性化および/またはADCCによって標的細胞の溶解を媒介するいずれかの特定の抗体の能力をアッセイすることができる。注目する細胞を増殖させ、インビトロで標識し;抗体を、抗原抗体複合体によって活性化することができる免疫細胞:すなわち、ADCC応答に関与するエフェクター細胞と組み合わせて細胞培養に加える。抗体を補体活性化についてテストすることもできる。いずれの場合においても、標的細胞の細胞溶解は、溶解された細胞からの標識の放出によって検出される。事実、抗体は、補体および/または免疫細胞の源として患者自身の血清を用いてスクリーニングすることができる。次いで、インビトロテストにおいて、ヒトADCCを媒介することができる抗体をその特定の患者で治療的に用いることができる。別法として、または加えて、注目する分子のADCC活性を、たとえば、Clynes et al.,PNAS(USA),95:652−656(1998)に記載されたもののような動物モデルにおいてインビボで評価することができる。さらに、ADCCのレベルおよび、所望により、抗体のCDC活性を変調する(すなわち、増加または減少させる)ための技術は当該分野でよく知られている。例えば、米国特許第6,194,551号参照。本発明の抗体は、好ましくは、ADCCおよび/またはCDCを誘導することができ、あるいは誘導する能力を有するように修飾されている。好ましくは、ADCC機能を測定するためのそのようなアッセイは、ヒトエフェクター細胞を用いて実行して、ヒトADCC機能を評価する。
(5.3.3 免疫コンジュゲートおよび融合蛋白質)
本発明のある態様によると、治療剤またはトキシンを、本発明の組成物および方法で用いるために、キメラ化、ヒトまたはヒト化抗−CD19抗体にコンジュゲートすることができる。ある実施形態において、これらのコンジュゲートは融合蛋白質として創製することができる(セクション5.1.8参照)。治療剤およびトキシンの例は、限定されるものではないが、カリケアミシンおよびエスペラミシンのような分子のエネジインファミリーのメンバーを含む。化学トキシンはドゥオカルマイシン(例えば、米国特許第5,703,080号および米国特許第4,923,990号参照)、メトトレキサート、ドキソルビシン、メルファラン、クロラムブシル、ARA−C、ビンデシン、マイトマイシンC、シス−白金、エトポシド、ブレオマイシンおよび5−フルオロウラシルよりなる群から取ることもできる。化学療法剤の例はアドリアマイシン、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル、シトシンアラビノシド(ara−c)、シクロホスファミド、チオテパ、タキソテール(ドセタキセル)、ブスルファン、サイトキシン、タキソール、メトトレキサート、シスプラチン、メルファラン、ビンブラスチン、ブレオマイシン、エトポシド、イホスファミド、マイトマイシンc、マイトキサントロン、ビンクリスチン、ビノレルビン、カルボプラチン、テニポシド、ダウノマイシン、カルミノマイシン、アミノプテリン、ダクチノマイシン、マイトマイシン、エスペラミシン(米国特許第4,675,187号参照)、メルファラン、および他の関連ナイトロジェンマスタードも含む。
本発明のある態様によると、治療剤またはトキシンを、本発明の組成物および方法で用いるために、キメラ化、ヒトまたはヒト化抗−CD19抗体にコンジュゲートすることができる。ある実施形態において、これらのコンジュゲートは融合蛋白質として創製することができる(セクション5.1.8参照)。治療剤およびトキシンの例は、限定されるものではないが、カリケアミシンおよびエスペラミシンのような分子のエネジインファミリーのメンバーを含む。化学トキシンはドゥオカルマイシン(例えば、米国特許第5,703,080号および米国特許第4,923,990号参照)、メトトレキサート、ドキソルビシン、メルファラン、クロラムブシル、ARA−C、ビンデシン、マイトマイシンC、シス−白金、エトポシド、ブレオマイシンおよび5−フルオロウラシルよりなる群から取ることもできる。化学療法剤の例はアドリアマイシン、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル、シトシンアラビノシド(ara−c)、シクロホスファミド、チオテパ、タキソテール(ドセタキセル)、ブスルファン、サイトキシン、タキソール、メトトレキサート、シスプラチン、メルファラン、ビンブラスチン、ブレオマイシン、エトポシド、イホスファミド、マイトマイシンc、マイトキサントロン、ビンクリスチン、ビノレルビン、カルボプラチン、テニポシド、ダウノマイシン、カルミノマイシン、アミノプテリン、ダクチノマイシン、マイトマイシン、エスペラミシン(米国特許第4,675,187号参照)、メルファラン、および他の関連ナイトロジェンマスタードも含む。
本発明の免疫コンジュゲートで用いることができる他のトキシンは、毒性デシチン、リシンのような植物トキシン、アブリン、モデクシン、ブツリナ、およびジフテリアトキシンを含む。もちろん、種々のトキシンの組合せを1つの抗体分子にカップリングさせ、それにより、種々の細胞傷害を収容することもできよう。本発明の組合せ療法で適切に使用されるトキシンの例はリシン、アブリン、リボヌクレアーゼ、DNaseI、ブドウ球菌エンテロトキシン−A、アメリカヤマゴボウ抗−ウイルス蛋白質、ゲロニン、ジフテリントキシン、Pseudomonasエキソトキシン、およびPseudomonasエンドトキシンである。例えば、Pastan et al.,Cell,47:641(1986),and Goldenberg et al.,Cancer Journal for Clinicians,44:43(1994)参照。用いることができる酵素的に活性なトキシンおよびその断片は、ジフテリアA鎖、ジフテリアトキシンの非−結合活性断片、(Pseudomonas aerugimosa)エキソトキシンA鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシンA鎖、α−サルシン、Aleurites fordii蛋白質、ジアンチン蛋白質、Phytolaca americana蛋白質(PAPI、PAPII、およびPAP−S)、Momordica charantia阻害剤、クルシン、クロチン、Sapaonaria officinalis阻害剤、ゲロニン、マイトゲリン、リストリクトシン、フェノマイシン、エヌマイシンおよびトリコテセンを含む。例えば、1993年10月28日に公開されたWO 93/21232参照。
適当なトキシンおよび化学療法剤はRemington’s Pharmaceutical Sciences,19th Ed.(Mack Publishing Co.1995)に、およびGoodman And Gilman‘s the Pharmacological Basis of Therapeutics,7th Ed.(MacMillan Publishing Co.1985)に記載されている。他の適当なトキシンおよび/または化学療法剤は当業者に知られている。
本発明の抗−CD19抗体もまた、プロドラッグ(例えば、ペプチジル化学療法剤、WO 81/01145)を活性な抗−癌薬物に変換するプロドラッグ−活性化酵素に抗体をコンジュゲートさせることによってADEPTで用いることができる。例えば、WO 88/07378および米国特許第4,975,278号参照。ADEPTで有用な免疫コンジュゲートの酵素成分は、それをそのより活性な細胞傷害性形態に変換するようにプロドラッグに作用できるいずれの酵素も含む。
本発明の方法で有用な酵素は限定されるものではないが、ホスフェート−含有プロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用なアルカリ性フォスファターゼ;スルフェート−含有プロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用なアリールスルファターゼ;非毒性5−フルオロシトシンを抗癌薬物5−フルオロウラシルに変換するのに有用なシトシンデアミナーゼ;ペプチド−含有プロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用な、セラチアプロテアーゼ、テルモリシン、スブチリシン、カルボキシペプチダーゼおよび(カテプシンBおよびLのような)カテプシンのようなプロテアーゼ;D−アミノ酸置換基を含有するプロドラッグを変換するのに有用なD−アラニルカルボキシペプチダーゼ;グリコシル化プロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用なβ−ガラクトシダーゼおよびノイラミニダーゼのよな炭水化物−切断酵素;α−ラクタムで誘導体化された薬物を遊離薬物に変換するのに有用なβ−ラクタマーゼ;および各々、フェノキシアセチルまたはフェニルアセチル基でそれらのアミン窒素において誘導体化された薬物を遊離薬物に変換するのに有用なペニシリンVアミダーゼまたはペニシリンGアミダーゼのようなペニシリンアミダーゼを含む。別法として、「アブザイム」としてやはり当該分野で知られている、酵素活性を持つ抗体を用いて、本発明のプロドラッグを遊離活性薬物に変換することができる(例えば、Massey et al.,Nature,328:457−458(1987)参照)。抗体−アブザイムコンジュゲートは、自己免疫疾患または障害によって侵されたヒトの一部に望まれるアブザイムの送達用に本明細書中に記載されたように調製することができる。
本発明の酵素は、先に議論したヘテロ二官能性架橋剤の使用のような当該分野でよく知られた技術によって抗体に共有結合させることができる。別法として、本発明の酵素の少なくとも機能的に活性な部分に連結された本発明の抗体の少なくとも抗原−結合領域を含む融合蛋白質を、当該分野でよく知られた組換えDNA技術を用いて構築することができる(例えば、Neuberger et al.,Nature,312:604−608(1984)参照)。
本発明の抗−CD19抗体の共有結合修飾を本発明の範囲内に含める。それらは化学的合成によって、または適用可能であれば、抗体の酵素的または化学的切断によってなすことができる。抗−CD19抗体の共有結合修飾の他のタイプは、抗体の標的化アミノ酸残基を、選択された側鎖またはN−またはC−末端残基と反応できる有機誘導体化剤と反応させることによって分子に導入される。
最も普通には、システイニル残基をクロロ酢酸またはクロロアセタミドのようなα−ハロアセテート(および対応するアミン)と反応させて、カルボキシメチルまたはカルボキシアミドメチル誘導体を得る。同様に、ヨード−試薬を用いることもできる。システイニル残基は、ブロモトリフルオロアセトン、α−ブロモ−β−(5−イミドゾイル)プロピオン酸、リン酸、クロロアセチル、N−アルキルマレイミド、3−ニトロ−2−ピリジルジスルフィド、メチル2−ピリジルジスルフィド、p−クロロメルクリベンゾエート、2−クロロメルクリ−4−ニトロフェノール、またはクロロ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1、3−ジアゾールとの反応によっても誘導体化される。
ヒスチジル残基はpH5.5ないし7.0におけるジエチルピロカルボネートとの反応によって誘導体化される。なぜならば、この剤はヒスチジル側鎖に対して比較的特異的だからである。臭化パラ−ブロノフェナシルも有用であり;反応は、pH6.0において0.1Mナトリウムカコジレート中で好ましくは行われる。
リジルおよびアミノ−末端残基はコハク酸または他のカルボン酸無水物と反応する。これらの剤での誘導体化は、リジニル残基の電荷を逆にする効果を有する。α−アミノ−含有残基および/またはε−アミノ−含有残基を誘導体化するための他の適当な試薬はメチルピコリンイミデート、リン酸ピリドキサール、ピリドキサール、クロロボロハイドライド、トリニトロベンゼンスルホン酸、0−メチルイソ尿素、2,4−ペンタンジオン、およびグリオキシレートとのトランスアミナーゼ−触媒反応のようにイミドエステルを含む。
アルギニル残基は、1または数個の慣用的な試薬、とりわけ、フェニルグリオキサール、2、3−ブタンジオン、1、2−シクロヘキサンジオン、およびニンヒドリンとの反応によって修飾される。アルギニル残基の誘導体化は、グアニジン感応基の高いpKaのため反応はアルカリ性条件下で行う必要がある。さらに、これらの試薬はリジンのε−アミノ基ならびにアルギニンのイプシロン−アミノ基と反応させることができる。
チロシル残基の特異的修飾は、芳香族ジアゾニウム化合物またはテトラニトロメタンとの反応によって、チロシル残基へスペクトル標識を導入するのに特に興味深く成すことができる。最も普通には、N−アセチルイミダゾールおよびテトラニトロメタンを用いて、各々、O−アセチルチロシル種および3−ニトロ誘導体を形成する。チロシル残基は、ラジオイムノアッセイへ用いるために、125Iまたは131Iを用いてヨウ素化して、標識された蛋白質を調整する。
カルボキシル側鎖基(アスパルチルまたはグルタミル)は、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−4−エチル)カルボジイミドまたは1−エチル−3−(4−アゾニア−4、4−ジメチルフェニル)カルボジイミドのような、RおよびR´が異なるアルキル基であるカルボジイミド(R−−N=C=N−−R´)との反応によって選択的に修飾される。さらに、アスパルチルおよびグルタミル残基はアンモニウムイオンとの反応によってアスパラギニルおよびグルタミニル残基に変換される。
グルタミニルおよびアスパラギニル残基は、頻繁に、各々、対応するグルタミルおよびアスパルチル残基に脱アミド化される。これらの残基は中性または塩基性条件下で脱アミド化される。これらの残基の脱アミド化形態は本発明の範囲内に入る。
他の修飾はプロリンおよびリジンのヒドロキシル化、セリルまたはスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニンおよびヒスチジン側鎖のα−アミノ基のメチル化(T.E.Creighton,Proteins:Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman & Co.,San Francisoco,pp.79−86(1983))、N−末端アミンのアセチル化、およびいずれかのC−末端カルボキシル基のアミド化を含む。
共有結合修飾のもう1つのタイプは、グリコシドを抗体に化学的にまたは酵素的にカップリングさせることを含む。これらの手法は、それらが、N−またはO−結合グリコシル化に対するグリコシル化能力を有する宿主細胞における抗体の生産を必要としない点において有利である。用いるカップリング態様に依存して、糖を(a)アルギニンおよびヒスチジン、(b)遊離カルボキシル基、(c)システインのそれのような遊離スルフヒドリル基、(d)セリン、スレオニンまたはヒドロキシプロリンのそれのような遊離ヒドロキシル基、(e)フェニルアラニン、チロシンまたはトリプトファムのそれのような芳香族残基、(f)グルタミンのアミド基に付着させることができる。これらの方法は1987年9月11日に公開されたWO 87/05330、およびAplin and Wriston,CRC Crit.Rev.Biochem.,pp.259−306(1981)に記載されている。
(5.4 医薬処方、投与および用量)
本発明の医薬処方は、有効成分として、ヒト、ヒト化、またはキメラ抗−CD19抗体を含有する。該処方は、ヒト患者への投与に適した重量または用量の単位中に、所望の応答を生じされるのに有効な量の裸の抗体、免疫コンジュゲート、または融合蛋白質を含有し、好ましくは滅菌されている。該応答は、例えば、限定されるものではないが、循環免疫グロブリン枯渇、循環B細胞枯渇、組織B細胞枯渇、またはGVHD、拒絶エピソード、または移植後リンパ系増殖障害の発生、ひどさ、または持続の低下のような、抗−CD19抗体組成物の生理学的効果を決定することによって測定することができる。他のアッセイは当業者に知られており、応答のレベルを測定するのに使用することができる。
本発明の医薬処方は、有効成分として、ヒト、ヒト化、またはキメラ抗−CD19抗体を含有する。該処方は、ヒト患者への投与に適した重量または用量の単位中に、所望の応答を生じされるのに有効な量の裸の抗体、免疫コンジュゲート、または融合蛋白質を含有し、好ましくは滅菌されている。該応答は、例えば、限定されるものではないが、循環免疫グロブリン枯渇、循環B細胞枯渇、組織B細胞枯渇、またはGVHD、拒絶エピソード、または移植後リンパ系増殖障害の発生、ひどさ、または持続の低下のような、抗−CD19抗体組成物の生理学的効果を決定することによって測定することができる。他のアッセイは当業者に知られており、応答のレベルを測定するのに使用することができる。
(5.4.1 医薬処方)
抗−CD19抗体組成物は医薬上許容される担体で処方することができる。用語「医薬常許容される」とは、有効成分の生理学的活性の有効性に干渉しない1以上の非毒性物質を意味する。そのような製剤は、ルーチン的に、塩、緩衝剤、保存剤、適合する担体、および所望により他の治療剤を含有することができる。そのような医薬上許容される製剤は、ヒトへの投与に適した、ルーチン的に適合する補体または液体充填剤、希釈剤またはカプセル化物質も含有することができる。医薬で用いる場合、塩は医薬上許容されるべきであるが、医薬上許容されない塩を便宜には用いて、その医薬上許容される塩を調製することができ、本発明の範囲から排除されない。そのような薬理学的におよび医薬的に許容される塩は、限定されるものではないが、以下の酸:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、クエン酸、ホウ酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸などから調製されたものを含む。また、医薬上許容される塩は、ナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩のようなアルカリ金属またはアルカリ土類塩として調製することができる。用語「担体」は、それと有効成分が組み合わされて、適用を容易とする。有機または無機の天然または合成成分を示す。医薬組成物の成分は、所望の医薬効果を実質的に損なう相互作用がないように、本発明の抗体と、または相互に共混合することができる。
抗−CD19抗体組成物は医薬上許容される担体で処方することができる。用語「医薬常許容される」とは、有効成分の生理学的活性の有効性に干渉しない1以上の非毒性物質を意味する。そのような製剤は、ルーチン的に、塩、緩衝剤、保存剤、適合する担体、および所望により他の治療剤を含有することができる。そのような医薬上許容される製剤は、ヒトへの投与に適した、ルーチン的に適合する補体または液体充填剤、希釈剤またはカプセル化物質も含有することができる。医薬で用いる場合、塩は医薬上許容されるべきであるが、医薬上許容されない塩を便宜には用いて、その医薬上許容される塩を調製することができ、本発明の範囲から排除されない。そのような薬理学的におよび医薬的に許容される塩は、限定されるものではないが、以下の酸:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、クエン酸、ホウ酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸などから調製されたものを含む。また、医薬上許容される塩は、ナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩のようなアルカリ金属またはアルカリ土類塩として調製することができる。用語「担体」は、それと有効成分が組み合わされて、適用を容易とする。有機または無機の天然または合成成分を示す。医薬組成物の成分は、所望の医薬効果を実質的に損なう相互作用がないように、本発明の抗体と、または相互に共混合することができる。
本発明のある態様によると、抗−CD19抗体組成物は、所望の程度の純度を有する抗体または免疫コンジュゲートを凍結乾燥した処方または水性溶液の形態にて、任意の生理学的に許容される担体、賦形剤または安定化剤と混合することによって貯蔵のために調製することができる(Remington’s Pharmaceutical Sciences,16th edition,Osol,A.Ed.(1999))。許容される担体、賦形剤、または安定化剤は使用する用量および濃度において受容体にとって非毒性であり、ホスフェート、シトレート、および他の有機酸のような緩衝液;アスコルビン酸およびメチオニンを含めた抗酸化剤;(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール;メチルまたはプロピルパラベンのようなアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾールのような)保存剤;低分子量(約10未満の残基)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンのような蛋白質;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンまたはリジンのようなアミノ酸;グルコース、マンノースまたはデキストリンを含めた単糖、二糖、および他の炭水化物;EDTAのようなキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロース、またはソルビトールのような糖類;ナトリウムのような塩−形成カウンター−イオン;金属複合体(例えば、Zn−蛋白質複合体);および/またはTWEEN、PLURONICSTMまたはポリエチレングリコール(PEG)のようなノニオン界面活性剤を含む。
抗−CD19抗体組成物は、所望により、塩化ベンザルコニウム;クロロブタノール;パラベンおよびチメロザールのような適当な保存剤を含有することができる。
抗−CD19抗体組成物は、便宜には、単位投与形態にて提供することができ、製剤の分野で良く知られた方法のいずれかによって調製することができる。全ての方法は、1以上の補助的成分を構成する担体と活性剤とを一緒にする工程を含む。一般に、組成物は、活性化合物を液体担体、微粉砕固体担体、または双方と均一に且つ親密に一緒にし、次いで、必要であれば、製品を成型することによって調製される。
非蛍光投与に適した組成物は、便宜には、好ましくは受容体の血液と等張である、抗−CD19抗体の滅菌水性または非水性製剤を含む。この製剤は、適当な分散または湿潤剤および懸濁化剤を用いて公知の方法に従って処方することができる。滅菌注射製剤は、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液としての、非毒性の非蛍光的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射溶液または懸濁液とすることもできる。使用することができる許容されるビークルおよび溶媒の中身は、水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌不揮発性油は、便宜には、溶媒または懸濁化媒体として使用される。この目的では、いずれの味のよい不揮発性油も使用することができ、これは合成モノ−またはジ−グリセリドを含む。加えて、オレイン酸のような脂肪酸を注射剤の調製で用いることができる。蛍光、皮下、静脈内、筋肉内等の投与用に適した担体処方は、Remington’s Pharmacutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,PAに見出すことができる。ある実施形態において、種々の投与経路に適した担体処方は、RITUXANTMに記載されたのと同一または同様とすることができる。ここに引用してその全体を援用する、Physicians’ Desk Reference(Medical Economics Company,Inc.,Montvale,NJ,2005),pp.958−960 and 1354−1357参照。本発明のある実施形態において、抗−CD19抗体組成物は、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、二水和物、ポリソルベート80、および滅菌水で静脈内投与用に処方され、ここに、組成物のpHはほぼ6.5に調整される。当業者であれば、静脈内注射は、迅速に抗体を分布させるにおいて循環の徹底性のため有用な投与形態を提供するのを認識する。しかしながら、静脈内投与は、血管系の内皮細胞および内皮下マトリックスを含む血管バリアーによる制限に付される。皮下または筋肉内注射のような、またはリンパ管のカテーテル処理によるリンパ内投与経路もまた、自己免疫疾患または障害を治療する有用な手段を提供する。好ましい実施形態において、本発明の組成物および方法の抗−CD19抗体は皮下自己−投与される。そのような好ましい実施形態において、組成物は、約50mg/mLにて凍結乾燥薬剤として、または液体緩衝液(例えば、PBSおよび/またはシトレート)中で処方される。
ここに、処方は、治療すべき特定の適応症に必要な1を超える活性化合物、好ましくは、相互に悪影響しない補充的な活性を持つものを含有することもできる。例えば、免疫抑制剤をさらに供するのが望ましいであろう。そのような分子が、意図した目的で有効な量と組み合わせて供される。
また、有効成分は、例えば、コアセルベーション技術によって、または界面重合によって調製されたマイクロカプセル、例えば、コロイド薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフィア、マイクロエマルジョン、ナノ−粒子およびナノカプセル)中の、またはマクロエマルジョン中の、各々、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン−マイクロカプセルおよびポリ−(メチルメタクリレート)マイクロカプセルに包括することもできる。そのような技術はRemington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)に開示されている。
インビボ投与で用いるべき処方は典型的には滅菌されている。これは、滅菌濾過膜を通じての濾過によって容易に達成される。
維持−放出製剤を調製することができる。維持−放出製剤の適当な例は、抗−CD19抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半浸透マトリックスを含み、そのマトリックスは成型品、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルの形態である。維持−放出マトリックスの例はポリエステルヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸およびγエチル−L−グルタメートのコポリマー、非−分解性エチレン−酢酸ビニル、LUPRON DEPOTTMのような分解性乳酸−グリコール酸コポリマー(乳酸−グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドから構成される注射マイクロスフィアー)、およびポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸を含む。エチレン−酢酸ビニルおよび乳酸−グリコール酸のようなポリマーは100日間にわたって分子の放出を可能とするが、ある種のヒドロゲルはより短い時間に蛋白質を放出する。カプセル化された抗体が長時間体内に残存する場合、それらは37℃における水分への暴露の結果として変性または凝集するかも知れず、その結果、生物学的活性の喪失、および免疫原性の可能な変化がもたらされる。合理的戦略は、関与するメカニズムに応じて安定化について工夫することができる。例えば、もし凝集メカニズムが、チオ−ジスルフィド相互交換を介する分子間S−S結合形成であると判明すれば、安定化は、スルフヒドリル残基を修飾し、酸性溶液から凍結乾燥し、その水分を制御し、適当な添加剤を用い、次いで、特定のポリマーマトリックス組成物を開発することによって達成することができる。ある実施形態において、本発明の組成物で用いる医薬上許容される担体は、ヒトADCCまたはCDCに影響しない。
本明細書中に開示された抗−CD19抗体組成物は免疫リポソームとして処方することもできる。「リポソーム」は、ヒトへの(本明細書中に開示された抗−CD19抗体のような)薬物の送達で有用な種々のタイプの脂質、リン脂質および/または界面活性剤から構成される小胞である。リポソームの成分は、生物学的膜の脂質配置と同様に、二層形成にて共通に配置される。本発明の抗体を含有するリポソームは、Epstein et al.,Proc.Natl.Acd.Sci.USA,82:3688(1985);Hwang et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4030(1980);および米国特許第4,485,045号および第4,544,545号に記載されたような当該分野で知られた方法によって調製される。増強された循環時間を持つリポソームは米国特許第5,013,556号に開示されている。特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリンコレステロールおよびPEG誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含む脂質組成物での逆相蒸発方法によって生じさせることができる。リポソームは、規定されたポアサイズのフィルターを介して押し出して、所望の直径を持つリポソームが得られる。本発明の抗体は、ジスルフィド相互交換反応を介して、Martin et al.,J.Biol.Chem.,257:286−288(1982)に記載されたようにリポソームにコンジュゲートすることができる。治療剤をリポソーム内に含有することもできる。Gabizon et al.,J.National Cancer Inst.(19)1484(1989)参照。
好ましい医薬処方のいくつかは限定されるものではないが以下のものを含む。
(a)100mg(10mL)または500mg(50mL)単一−使用バイアルいずれか中の10mg/mLの濃度で供される抗−CD19抗体の静脈内(iv)投与用の滅菌無保存剤液体濃縮物。生成物は、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム二水和物、ポリソルベート、および注射用の滅菌水を用いてiv投与用に処方することができる。例えば、生成物は、9.0mg/mLの塩化ナトリウム、7.35mg/mLクエン酸ナトリウム二水和物、0.7mg/mLのポリソルベート80、および注射用滅菌中で処方することができる。pHは6.5に調整される。
(b)皮下(s.c.)注射用の単一−使用ガラスバイアル中の滅菌された凍結乾燥粉末。生成物はスクロース、L−ヒスチジン塩酸一水和物、L−ヒスチジンおよびポリソルベート20で処方することができる。例えば、各単一−使用バイアルは150mgの抗−CD19抗体、123.2mgスクロース、6.8mgのL−ヒスチジン塩酸一水和物、4.3mgのL−ヒスチジン、および3mgのポリソルベート20を含有することができる。1.3mLの注射用滅菌水での単一−使用バイアルの復元は、1.25mL(100mg/mL)の抗体当たり125mgを送達するためのほぼ1.5mL溶液を与える。
(c)静脈内(i.v.)投与用の滅菌された無保存剤凍結乾燥粉末。生成物はα−トレハロース二水和物L−ヒスチジンHCl、ヒスチジンおよびポリソルベート20 USPで処方することができる。例えば、各バイアルは440mgの抗−CD19抗体、400mgのα,α−トレハロース二水和物、9.9mgのL−ヒスチジンHCl、6.4mgのL−ヒスチジン、および1.8mgのポリソルベート20、USPを含有することができる。保存剤として1.1%ベンジルアルコールを含有する、20mLの注射用精菌水(BWFI)、USPでの復元により、ほぼ6のpHの21mg/mL抗体を含有する多用量溶液を得る。
(d)抗−CD19抗体がスクロース、ポリソルベート、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物および二塩基性リン酸ナトリウム二水和物で処方される。例えば、各単一−使用バイアルは、100mgの抗体、500mgのスクロース、0.5mgのポリソルベート80、2.2mgの一塩基性リン酸ナトリウム一水和物、および6.1mgの二塩基性リン酸ナトリウム二水和物を含有することができる。保存剤は存在しない。10mLの注射用滅菌水USPでの復元に続いて、得られるpHはほぼ7.2である。
(e)単一−使用の1mLのプレフィルシリンジにて供される皮下投与用の滅菌した無保存剤溶液。生成物は塩化ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物、二塩基性リン酸ナトリウム二水和物、クエン酸ナトリウム、クエン酸一水和物、マンニトール、ポリソルベート80および注射用水USPで処方することができる。水酸化ナトリウムを加えて、pHを約5.2に調整することができる。
(a)100mg(10mL)または500mg(50mL)単一−使用バイアルいずれか中の10mg/mLの濃度で供される抗−CD19抗体の静脈内(iv)投与用の滅菌無保存剤液体濃縮物。生成物は、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム二水和物、ポリソルベート、および注射用の滅菌水を用いてiv投与用に処方することができる。例えば、生成物は、9.0mg/mLの塩化ナトリウム、7.35mg/mLクエン酸ナトリウム二水和物、0.7mg/mLのポリソルベート80、および注射用滅菌中で処方することができる。pHは6.5に調整される。
(b)皮下(s.c.)注射用の単一−使用ガラスバイアル中の滅菌された凍結乾燥粉末。生成物はスクロース、L−ヒスチジン塩酸一水和物、L−ヒスチジンおよびポリソルベート20で処方することができる。例えば、各単一−使用バイアルは150mgの抗−CD19抗体、123.2mgスクロース、6.8mgのL−ヒスチジン塩酸一水和物、4.3mgのL−ヒスチジン、および3mgのポリソルベート20を含有することができる。1.3mLの注射用滅菌水での単一−使用バイアルの復元は、1.25mL(100mg/mL)の抗体当たり125mgを送達するためのほぼ1.5mL溶液を与える。
(c)静脈内(i.v.)投与用の滅菌された無保存剤凍結乾燥粉末。生成物はα−トレハロース二水和物L−ヒスチジンHCl、ヒスチジンおよびポリソルベート20 USPで処方することができる。例えば、各バイアルは440mgの抗−CD19抗体、400mgのα,α−トレハロース二水和物、9.9mgのL−ヒスチジンHCl、6.4mgのL−ヒスチジン、および1.8mgのポリソルベート20、USPを含有することができる。保存剤として1.1%ベンジルアルコールを含有する、20mLの注射用精菌水(BWFI)、USPでの復元により、ほぼ6のpHの21mg/mL抗体を含有する多用量溶液を得る。
(d)抗−CD19抗体がスクロース、ポリソルベート、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物および二塩基性リン酸ナトリウム二水和物で処方される。例えば、各単一−使用バイアルは、100mgの抗体、500mgのスクロース、0.5mgのポリソルベート80、2.2mgの一塩基性リン酸ナトリウム一水和物、および6.1mgの二塩基性リン酸ナトリウム二水和物を含有することができる。保存剤は存在しない。10mLの注射用滅菌水USPでの復元に続いて、得られるpHはほぼ7.2である。
(e)単一−使用の1mLのプレフィルシリンジにて供される皮下投与用の滅菌した無保存剤溶液。生成物は塩化ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物、二塩基性リン酸ナトリウム二水和物、クエン酸ナトリウム、クエン酸一水和物、マンニトール、ポリソルベート80および注射用水USPで処方することができる。水酸化ナトリウムを加えて、pHを約5.2に調整することができる。
例えば、各シリンジは、0.8mL(40mg)の薬物生成物を送達するように処方することができる。各0.8mLは、40mgの抗−CD19抗体、4.93mgの塩化ナトリウム、0.69mgの一塩基性リン酸ナトリウム二水和物、1.22mgの二塩基性リン酸ナトリウム二水和物、0.24mgのクエン酸ナトリウム、1.04のクエン酸一水和物、9.6mgのマンニトール、0.8mgのポリソルベート80、および注射用水USPを含有する。
(f)滅菌注射用水(SWFI)、USPで復元され、皮下(s.c.)注射として投与される、単一−使用バイアルに含有された、滅菌された無保存剤凍結乾燥粉末。生成物はスクロース、ヒスチジン塩酸一水和物、L−ヒスチジンおよびポリソルベートで処方することができる。例えば、75mgバイアルは、129.6mgまたは112.5mgの抗−CD19抗体、93.1mgのスクロース、1.8mgのL−ヒスチジン塩酸一水和物、1.2mgのL−ヒスチジン、および0.3mgのポリソルベート20を含有することができ、0.9mLのSWFI、USPで復元された後に、0.6mL中の75mgの抗体を送達するように設計される。150mgのバイアルは、202.5mgまたは175mgの抗−CD19抗体、145.5mgのスクロース、2.8mgのL−ヒスチジン塩酸一水和物、1.8mgのL−ヒスチジン、および0.5mgのポリソルベート20を含有することができ、1.4mLのSWFI、USPでの復元の後に、1.2mL中の150mgの抗体を送達するように設計される。
(g)注射用滅菌水で復元される滅菌された凍結乾燥生成物。生成物は、マンニトール、ヒスチジンおよびグリシンを用いて、筋肉内(IM)注射用の単一−使用バイアルとして処方することができる。例えば、各単一−使用バイアルは、100mgの抗体、67.5mgのマンニトール、8.7mgのヒスチジン、および0.3mgのグリシンを含有することができ、1.0mLの注射用滅菌水で復元した場合に、1.0mL中の100mgの抗体を送達するように設計される。別法として、各単一−使用バイアルは、50mgの抗体、40.5mgのマンニトール、5.2mgのヒスチジンおよび0.2mgのグリシンを含有することができ、0.6mLの注射用滅菌水で復元した場合に、50mgの抗体を送達するように設計される。
(h)100mg/mLの濃度で供給される、筋肉内(IM)注射用の滅菌された無保存剤溶液。生成物は、ヒスチジン、グリシン、および注射用滅菌水で単一−使用バイアル中に処方できる。例えば、各単一−使用バイアルは、1mL中の100mgの抗体を送達するように設計された、1.2mLの容量中の100mgの抗体、4.7mgのヒスチジン、および0.1mgのグリシンで処方することができる。別法として、各単一−使用バイアルは、0.5mL中の50mgの抗体を送達するように設計された、0.7mLまたは0.5mLの容量中で、50mgの抗体、2.7mgのヒスチジンおよび0.08mgのグリシンで処方することができる。
(f)滅菌注射用水(SWFI)、USPで復元され、皮下(s.c.)注射として投与される、単一−使用バイアルに含有された、滅菌された無保存剤凍結乾燥粉末。生成物はスクロース、ヒスチジン塩酸一水和物、L−ヒスチジンおよびポリソルベートで処方することができる。例えば、75mgバイアルは、129.6mgまたは112.5mgの抗−CD19抗体、93.1mgのスクロース、1.8mgのL−ヒスチジン塩酸一水和物、1.2mgのL−ヒスチジン、および0.3mgのポリソルベート20を含有することができ、0.9mLのSWFI、USPで復元された後に、0.6mL中の75mgの抗体を送達するように設計される。150mgのバイアルは、202.5mgまたは175mgの抗−CD19抗体、145.5mgのスクロース、2.8mgのL−ヒスチジン塩酸一水和物、1.8mgのL−ヒスチジン、および0.5mgのポリソルベート20を含有することができ、1.4mLのSWFI、USPでの復元の後に、1.2mL中の150mgの抗体を送達するように設計される。
(g)注射用滅菌水で復元される滅菌された凍結乾燥生成物。生成物は、マンニトール、ヒスチジンおよびグリシンを用いて、筋肉内(IM)注射用の単一−使用バイアルとして処方することができる。例えば、各単一−使用バイアルは、100mgの抗体、67.5mgのマンニトール、8.7mgのヒスチジン、および0.3mgのグリシンを含有することができ、1.0mLの注射用滅菌水で復元した場合に、1.0mL中の100mgの抗体を送達するように設計される。別法として、各単一−使用バイアルは、50mgの抗体、40.5mgのマンニトール、5.2mgのヒスチジンおよび0.2mgのグリシンを含有することができ、0.6mLの注射用滅菌水で復元した場合に、50mgの抗体を送達するように設計される。
(h)100mg/mLの濃度で供給される、筋肉内(IM)注射用の滅菌された無保存剤溶液。生成物は、ヒスチジン、グリシン、および注射用滅菌水で単一−使用バイアル中に処方できる。例えば、各単一−使用バイアルは、1mL中の100mgの抗体を送達するように設計された、1.2mLの容量中の100mgの抗体、4.7mgのヒスチジン、および0.1mgのグリシンで処方することができる。別法として、各単一−使用バイアルは、0.5mL中の50mgの抗体を送達するように設計された、0.7mLまたは0.5mLの容量中で、50mgの抗体、2.7mgのヒスチジンおよび0.08mgのグリシンで処方することができる。
ある実施形態において、本発明の医薬組成物は4℃で安定である。ある実施形態において、本発明の医薬組成物は室温で安定である。
(5.4.2 抗体半減期)
ある実施形態において、本発明の組成物および方法の抗−CD19抗体の半減期は少なくとも約4ないし7日である。ある実施形態において、本発明の組成物および方法の抗−CD19抗体の平均半減期は、少なくとも約2ないし5日、3ないし6日、4ないし7日、5ないし8日、6ないし9日、7ないし10日、8ないし11日、8ないし12日、9ないし13日、10ないし14日、11ないし15日、12ないし16日、13ないし17日、14ないし18日、15ないし19日、または16ないし20日である。他の実施形態において、本発明の組成物および方法の抗−CD19抗体の半減期は約50日までとすることができる。ある実施形態において、本発明の組成物および方法の抗体の半減期は、当該分野で公知の方法によって延長することができる。そのような延長は、今度は、本発明の抗体組成物の投与の量および/または頻度を低下させることができる。改良されたインビボ半減期を持つ抗体、およびそれらを調製するための方法は、米国特許第6,277,375号;および国際公開番号WO 98/23289およびWO 97/3461に開示されている。
ある実施形態において、本発明の組成物および方法の抗−CD19抗体の半減期は少なくとも約4ないし7日である。ある実施形態において、本発明の組成物および方法の抗−CD19抗体の平均半減期は、少なくとも約2ないし5日、3ないし6日、4ないし7日、5ないし8日、6ないし9日、7ないし10日、8ないし11日、8ないし12日、9ないし13日、10ないし14日、11ないし15日、12ないし16日、13ないし17日、14ないし18日、15ないし19日、または16ないし20日である。他の実施形態において、本発明の組成物および方法の抗−CD19抗体の半減期は約50日までとすることができる。ある実施形態において、本発明の組成物および方法の抗体の半減期は、当該分野で公知の方法によって延長することができる。そのような延長は、今度は、本発明の抗体組成物の投与の量および/または頻度を低下させることができる。改良されたインビボ半減期を持つ抗体、およびそれらを調製するための方法は、米国特許第6,277,375号;および国際公開番号WO 98/23289およびWO 97/3461に開示されている。
インビボでの本発明の抗−CD19抗体の血清循環は、抗体のN−またはC−末端へのPEGの部位−特異的コンジュゲーションを通じて、またはリジル残基に存在するイプシロン−アミノ基を介して、多官能性リンカーの有りまたは無しにて、高分子量ポリエチレングリコール(PEG)のような不活性ポリマー分子を抗体に付着させることによっても延長することができる。生物学的活性の最小喪失をもたらす直鎖または分岐したポリマーの誘導体化が用いられるであろう。コンジュゲーションの程度は、SDS−PAGEおよび質量分析によって綿密にモニターして、PEG分子の抗体への適切なコンジュゲーションを確認することができる。未反応PEGは、サイズ−排除によって、またはイオン−交換クロマトグラフィーによって抗体−PEGコンジュゲートから分離することができる。PEG−誘導体化抗体は、例えば、本明細書中に記載されたイムノアッセイによって、当業者に知られた方法を用いて、結合活性について、ならびにインビボ効率についてテストすることができる。
組成物の抗体の血漿中半減期は、重鎖および/または軽鎖遺伝子核酸配列に1以上の変化を導入して、所望のアミノ酸の変化を生じさせることにより、抗体のアミノ酸配列を改変することによって延長することができる。そのような変化は、限定されるものではないが、可変領域フレームワークの領域の、および/またはFc定常領域の変化を含むことができよう。抗体遺伝子配列を改変するための技術は当該分野でよく知られている。
さらに、組成物の抗体をアルブミンにコンジュゲートさせて、抗体をインビボでより安定とし、またはインビボでより長い半減期を有するようにすることができる。該技術は当該分野で良く知られている。例えば、その全てをここに引用して援用する、国際公開番号WO 93/15199、WO 92/15200およびWO 01/77137および欧州特許No.EP413,622参照。
(5.4.3 投与および用量)
本発明に従うと、セクション5.4.3において本明細書中に記載された投与の方法および用量の各々は、セクション5.6に記載された抗−CD19免疫療法プロトコルで用いることができる。
本発明に従うと、セクション5.4.3において本明細書中に記載された投与の方法および用量の各々は、セクション5.6に記載された抗−CD19免疫療法プロトコルで用いることができる。
ヒト患者への本発明の組成物の投与は、限定されるものではないが、静脈内、皮内、経皮、皮下、筋肉内、吸入(例えば、イアルゾルを介する)、バッカル(例えば、舌下)、局所(すなわち、気道表面を含めた、皮膚および粘膜双方の表面)、クモ膜下腔内、関節内、胸膜内、大脳内、動脈内、腹腔内、経口、リンパ内、鼻、直腸または膣投与、局所的カテーテルを通じての灌流、または直接的病巣内注射を含めたいずれの経路によることもできる。好ましい実施形態において、本発明の組成物は、規定された期間、例えば、0.5ないし2時間)にわたって与えられる静脈内プッシュまたは静脈内注入によって投与される。当該分野で知られたように、いずれかの与えられた場合における最も適当な経路は、対象の種、年齢、性別および総じての状態、治療すべき状態の性質およびひどさ、および/または投与される特定の組成物(すなわち、用量、処方)の性質のような因子に依存するが、本発明の組成物はペリスタ手段によって、またはデポの形態で送達することができる。特定の実施形態において投与の経路は、1週間に1回または2回の、一定時間にわたるボーラスまたは継続的注入を介するものである。他の特定の実施形態において投与の経路は、所望により毎週1回または2回の部位(例えば、大腿、腰、臀部、腕)に与えられる皮下注射によるものである。1つの実施形態において、本発明の組成物および/または方法は、外来患者ベースで投与される。
ある実施形態において、抗−CD19抗体を含む組成物の量は、mg/kg患者体重の単位で測定される。他の実施形態において、抗−CD19抗体を含む組成物の用量は、mg/kg患者無脂肪体重(すなわち、体重から体脂肪含有量を引いたもの)の単位で測定される。なお他の実施形態において、抗−CD19抗体を含む組成物の用量は、mg/m2患者体表面積の単位で測定される。なお他の実施形態において、抗−CD19抗体を含む組成物の用量は、患者に投与される用量当たりのmgの単位で測定される。用量の全ての測定は、本発明の組成物および方法と組み合わせて用いることができ、用量単位は当該分野において標準的な手段によって変換することができる。
当業者であれば、用量は、移植体受容体またはドナーの年齢、性別、および身体的状態、ならびにB細胞または抗体枯渇の所望の程度、および/または用いるべき特定の抗体または抗原−結合断片を含めた多数の因子に基づいて選択することができ、当業者によって決定できることを認識するであろう。ある実施形態において、特定の用量は、養生法は、移植前コンディショニング、移植後維持、または急性または慢性拒絶の移植後処置について示されているか否かに依存して変化するであろう。例えば、移植前コンディショニング、移植後維持養生法に必要なものよりも、より高い用量が活性拒絶エピソードの処置で必要であろう。ある実施形態において、移植前または後予防で選択される特定の用量は、患者が液性応答を発生する高い、中程度、または低い危険性があると評価されるか否かのような因子によっても影響され得る。例えば、液性免疫応答を発声する高い危険性のある患者は、危険性が低いと評価された患者よりも高い予防用量を必要とするであろう。他の実施形態において、さらなる因子影響用量は、初期または後期液性拒絶の臨床的適応症があるか否かを含むことができる。例えば、潜在的、サイレントな、または前臨床液性応答のような初期段階拒絶の処置にはより低い用量が必要であり、他方、移植片機能障害の適応症を呈するもののようなより進んだ段階の拒絶を治療するのにより高い用量を必要とするであろう。ある実施形態において、選択された特定の用量は、本発明の抗−CD19抗体組成物が、GVHD、移植片拒絶、または移植後リンパ系増殖障害の治療または予防用の処置的養生法を含むか、またはそれと組み合わせて用いられるかに依存して用いられるであろう。特別な実施形態において、本発明の抗−CD19組成物を1以上の他の治療剤と組み合わせて用いる場合には、より低い用量を用いる。好ましい実施形態において本発明の抗体および組成物と組み合わせて用いられる1以上の他の治療剤はそうでなければ必要とされる用量よりも低い。
本発明の組成物の有効量は、インビトロテスト系から、または(例えば、GVHDまたは拒絶の)動物モデルテスト系から由来する用量、応答曲線から外挿することができる。抗体の効果の評価のためのモデルおよび方法は、当該分野で知られている(ここに、引用してその全体を援用する、Wooldridge et al.,Blood 89(8):2994−2998(1997),Sato et al.,Mol Immunol.42(7):821−831(2005),Liu et al.,Arthritis Rheum.50(6):1884−1896(2004),Nanki et al.,J Immunol.173(11):7010−7016(2004))。
ある実施形態において、移植前コンディショニング、移植後維持、または急性または慢性拒絶移植後処置のような特定の養生法については、抗体療法についての当該分野で標準的な治療養生法については、本発明の組成物および方法と共に用いることができる。1つの実施形態において、養生法は移植前コンディショニング養生法であって、本発明の組成物および方法を用いて、受容体または移植片、または移植片および受容体双方をコンディショニングする。
本発明の方法で用いることができる投与養生法の例は、限定されるものではないが、毎日、毎週3回(間歇的)、毎週または14日毎を含む。ある実施形態において、投与養生法は、限定されるものではないが、毎月の投与、または6ないし8週間後との投与を含む。
当業者であれば、用量は、一般には、維持養生法と比較して、初期処置ではより高いおよび/またはより大きな投与頻度であることを認識するであろう。
本発明の実施形態において、抗−CD19抗体はB細胞に結合し、かくして、(本明細書中に記載されているように)、B細胞のより効果的な(すなわち、より低い用量における)枯渇をもたらすことができる。患者のB細胞の表面でのヒトCD19の密度が高い場合より高い結合の程度が達成され得る。例示的な実施形態において、(所望により、医薬組成物の1部としての医薬上許容される担体中の)抗体の用量は、少なくとも約0.0005、0.001、0.05、0.075、0.1、0.25、0.375、0.5、1、2.5、5、10、20、37.5、または50mg/m2および/または約500、475、450、425、400、375、350、325、300、27、250、225、200、175、150、125、100、75、60、50、37.5、20、15、10、5、2.5、1、0.5、0.375、0.1、0.075、または0.01mg/m2未満である。ある実施形態において、用量は約0.0005ないし約200mg/m2の間、約0.001および150mg/m2の間、約0.075および125mg/m2の間、約0.375および100mg/m2の間、約2.5および75mg/m2の間、約10および約75mg/m2の間、および約20および50mg/m2の間、関連する実施形態において用いる抗−CD19抗体の用量は少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9,5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5mg/kg患者体重である。ある実施形態において、用いる裸の抗−CD19抗体の用量は少なくとも約1ないし10、5ないし15、10ないし20、または15ないし25mg/kg患者体重である。ある実施形態において、用いる抗−CD19抗体の用量は少なくとも約1ないし20、3ないし15、または5ないし10mg/kg患者体重である。好ましい実施形態において、用いる抗−CD19抗体の用量は少なくとも約5、6、7、8、9、または10mg/kgの患者体重である。ある実施形態において、(所望により、医薬組成物の一部としての医薬上許容される担体中の)抗体の単一投与単位は少なくとも約0.5、1、2、4、6、8、10、12、14、15、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、6264、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240、242、244、246、248、250、300、350、375、または1500マイクログラム/m2とすることができる。ある実施形態において、用量は単一投与単位当たり1gまでである。
前記用量の全ては例示的なものであって、本発明の組成物および方法と組み合わせて用いることができるが、抗−CD19抗体を免疫抑制剤または抗−リンパ球剤と組み合わせて用いる場合には、前記したより低い用量が好ましい。ある実施形態において、患者がCD19密度野より低いレベルを有する場合、前記したより低い用量が好ましい。好ましい実施形態において、1以上の免疫抑制剤を含む治療養生法に本発明の1以上の抗−CD19抗体を含めることは、抗−CD19抗体組成物の不存在下で必要とされる用量よりも、1以上の免疫抑制剤のより低い用量を必要とする。
キメラ抗−CD19抗体を用いる本発明のある実施形態において、キメラ抗体の用量または量は、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16mg/kg患者体重よりも大きい。キメラ抗−CD19抗体を用いる本発明の他の実施形態において、キメラ抗体の用量または量は、約1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、または0.1mg/kg患者体重未満である。
本発明の方法のいくつかの実施形態において、本発明の抗体および/または組成物は、約375mg/m2よりも低い用量にて;約37.5mg/m2よりも低い用量にて;約0.375mg/m2よりも低い用量にて;および/または0.075mg/m2および約125mg/m2の間の用量にて投与することができる。本発明の方法の好ましい実施形態において、投与養生法反復間隔で投与される低い用量を含む。例えば、1つの実施形態において本発明の組成物は、ほぼ約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80,90、100、125、150、175、または200日ごとの間隔で、約375mg/m2よりも低い用量で投与することができる。
特定の用量は、少なくとも約1、2、3、5、7、10、14、20、30、45、60、75、90、120、150、または180日またはそれ以上の期間、本発明の組成物および方法を用いて治療したヒトにおいて、B細胞枯渇をもたらすことができる。ある実施形態において、(表面免疫グロブリンを発現しない)プレ−B細胞が枯渇される。ある実施形態において、(表面免疫グロブリンを発現する)成熟B細胞が枯渇される。他の実施形態において、B細胞の全ての非−悪性タイプは枯渇を呈することができる。B細胞のこれらのタイプのいずれかを用いて、B細胞枯渇を測定することができる。B細胞枯渇は血清のような体液中で、または骨髄のような組織において測定することができる。本発明の方法の好ましい実施形態において、B細胞は、本発明の組成物および方法を用いる前に治療された患者におけるB細胞レベルと比較して、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%だけ枯渇される。本発明の方法の好ましい実施形態において、B細胞は、ヒトについての典型的な標準的B細胞レベルと比較して、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%だけ枯渇される。関連実施形態においてヒトについての典型的な標準的なB細胞レベルは、年齢、性別、体重および他の因子に関して治療された患者に匹敵する患者を用いて決定される。
本発明のある実施形態において、約125mg/m2以下の抗体または抗原−結合断片の用量は、少なくとも約7、14、21、30、45、60、90、120、150、または200日の間のB細胞枯渇をもたらす。もう1つの代表的な実施形態において、約37.5mg/m2以下の用量は、少なくとも約7、14、21、30、45、60、90、120、150、または200日の間、B細胞を枯渇させる。なお他の実施形態において、約0.375mg/m2以下の用量は、少なくとも約7、14、21、30、45または60日の間のB細胞の枯渇をもたらす。もう1つの実施形態において約0.075mg/m2以下の用量は、少なくとも約7、14、21、30、45、60、90、120、150、または200日の間のB細胞の枯渇をもたらす。なお他の実施形態において、約0.01mg/m2、0.005mg/m2または0.001mg/m2以下さえの用量は、少なくとも約3、5、7、10、14、21、30、45、60、90、120、150、または200日の間のB細胞の枯渇をもたらす。これらの実施形態によると用量はいずれかの適当な経路によって投与することができるが、所望により、皮下経路によっても投与される。
もう1つの態様において、本発明は、B細胞枯渇が、現在利用できる方法で使用されるよりも抗体または抗体断片のより低い用量で達成することができるという発見を提供する。かくして、もう1つの実施形態において、本発明は、ヒト移植体受容体に、CD19に特異的に結合する抗体の有効量を投与することを含む、B細胞を枯渇し、および/またはGVHD液性拒絶、または移植後リンパ系障害を治療または予防する方法を提供し、ここに、約500、475、450、425、400、375、350、325、300、275、250、225、200、175、150、125、100、75、60、50、37.5、20、10、5、2.5、1、0.5、0.375、0.25、0.1、0.075、0.05、0.001、0.0005mg/m2以下の用量は、B細胞(循環および/または組織B細胞)の枯渇および/または少なくとも約3、5、7、10、14、21、30、45、60、75、90、120、150、180、または200日以上の間の、少なくとも25%、35%、50%、60%、75%、80%、85%、90%、95%、98%またはそれ以上の循環免疫グロブリンの枯渇をもたらす。代表的な実施形態において、約125mg/m2または75mg/m2以下の用量は、B細胞の少なくとも約50%、75%、85%、または90%の枯渇、および/または約7、14、21、30、60、75、90、120、150、または180日の間の、循環免疫グロブリンの枯渇をもたらす。他の実施形態において、約50、37.5または10mg/m2の用量は、B細胞の少なくとも約50%、75%、85%または90%枯渇、および/または少なくとも約7、14、21、30、60、75、90、120または180日の間の循環免疫グロブリンの枯渇をもたらす。なお他の実施形態において、約0.375または0.1mg/m2の用量は、B細胞の少なくとも約50%、75%、85%、または90%枯渇、および/または少なくとも約7、14、21、30、60、75、または90日の間の循環免疫グロブリンの枯渇をもたらす。さらなる実施形態において、約0.075、0.01、0.001、または0.0005mg/m2の用量は、B細胞の少なくとも約50%、75%、85%、または90%枯渇、および/または少なくとも約7、14、21、30、または60日の間の循環免疫グロブリンの枯渇ももたらす。
本発明のある実施形態において、用量を上昇させ、または低下させて、血液において、または限定されるものではないが骨髄のような組織において一定の容量を維持することができる。関連実施形態において、用量は約2%、5%、8%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、および95%だけ上昇させ、または低下させて、本発明の組成物および方法の抗体の所望のレベルを維持する。
ある実施形態において、本発明は、エクスビボにて移植片を、B細胞および/またはIgを移植片から枯渇させるのに十分な量の本発明の抗−CD19抗体組成物の1以上と接触させることを含む、B細胞を枯渇させる方法、および/または免疫グロブリン(Ig)を枯渇させ、および/またはGVHDまたは液性拒絶を治療または予防する方法を提供する。
ある実施形態において、本発明の組成物および方法に対する患者の免疫原性応答に基づいて、用量を調整することができ、および/または注入速度を低下させることができる。
本発明の方法の1つの態様によると、本発明の抗−CD19抗体および/または組成物の負荷用量をまず投与し、続いて、治療すべきGVHD、拒絶エピソードまたは移植後リンパ系増殖障害が緩和されるまで投与される維持用量を投与することができる。1つの実施形態において、本発明の抗−CD19抗体および/または組成物の負荷用量および/または維持用量に対して、1以上の免疫抑制剤または療法を含む規定された治療コースを続ける。
本発明の方法のもう1つの態様によると、移植体受容体を本発明の組成物および方法で予め処置して、免疫脱感作し、免疫原性応答を最小化し、本発明の組成物および方法の有害効果を最小化することができる。
(5.4.4 毒性テスト)
本発明の組成物および/または治療養生法の許容性、毒性および/または効率は、例えば、LD50(集団の50%に対して致死である用量)、ED50(集団の50%において治療有効量)、IC50(50%阻害を達成するのに有効な用量)を決定するための細胞培養または実験動物における標準的な医薬手法によって決定することができる。好ましい実施形態において、用量は、循環B細胞または循環免疫グロブリン、または双方の少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、または99%枯渇を達成するのに有効な用量である。毒性および治療効果の間の用量比率は治療指標であって、それは比率LD50/ED50として表すことができる。大きな治療指標を呈する療法が好ましい。毒性副作用を呈する療法を用いることができるが、そのような剤をCD19−発現細胞に標的化して、CD19陰性細胞に対する潜在的損傷を最小化し、それにより、副作用を低下させる送達系を設計するのに注意を払うべきである。
本発明の組成物および/または治療養生法の許容性、毒性および/または効率は、例えば、LD50(集団の50%に対して致死である用量)、ED50(集団の50%において治療有効量)、IC50(50%阻害を達成するのに有効な用量)を決定するための細胞培養または実験動物における標準的な医薬手法によって決定することができる。好ましい実施形態において、用量は、循環B細胞または循環免疫グロブリン、または双方の少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、または99%枯渇を達成するのに有効な用量である。毒性および治療効果の間の用量比率は治療指標であって、それは比率LD50/ED50として表すことができる。大きな治療指標を呈する療法が好ましい。毒性副作用を呈する療法を用いることができるが、そのような剤をCD19−発現細胞に標的化して、CD19陰性細胞に対する潜在的損傷を最小化し、それにより、副作用を低下させる送達系を設計するのに注意を払うべきである。
細胞培養アッセイおよび動物実験から得られたデータを、ヒトで用いるための組成物および/または治療養生法のある範囲の用量を処方するのに用いることができる。そのような剤の用量は、毒性をほとんどまたは全く伴わないED50を含む循環濃度の範囲内に好ましくは存在する。用量は、使用する投与形態、および利用する投与経路に依存して、この範囲内で変化することができる。本発明の方法で用いるいずれの療法でも、治療有効用量は、適当な動物モデルによって見積もることができる。動物モデルの種に依存して、用量は、例えば、Freireich et al.,Quantitative comparison of toxicity of anticancer agents in mouse,rat,monkey,dog,and human,Cancer Chemotherapy Reports,NCI 1966 40:219−244によって供されるように、当該分野で認められた様式に従ってヒトの使用のための規模とする。細胞培養アッセイから得られたデータは、潜在的毒性を予測するのに有用であり得る。動物実験を用いて、特定の用量を処方して、細胞培養で決定したIC50(すなわち、徴候の半最大阻害を達成するテスト化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成することができる。そのような情報を用いて、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定することができる。血漿薬剤レベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーELISAによってまたは細胞ベースのアッセイによって測定することができる。
(5.5 患者の診断および治療養生法)
本発明のある態様によると、本発明の組成物および方法で用いる治療養生法および用量は、例えば、患者を液性拒絶を発生する危険性におく臨床的発現、またはそのような拒絶が発生している臨床的証拠を含めた多数の因子に基づいて選択する。用語「液性」および「抗体−媒介」は本明細書中においては相互交換可能に用いる。
本発明のある態様によると、本発明の組成物および方法で用いる治療養生法および用量は、例えば、患者を液性拒絶を発生する危険性におく臨床的発現、またはそのような拒絶が発生している臨床的証拠を含めた多数の因子に基づいて選択する。用語「液性」および「抗体−媒介」は本明細書中においては相互交換可能に用いる。
患者が液性拒絶を発生する危険性を評価するための基準は、当該分野における知識および技量によって確立される。1つの実施形態において、陽性補体依存性細胞傷害または抗−グロブリン増強補体依存性細胞傷害クロスマッチは、患者が液性拒絶の高い危険性にあることを示す。1つの実施形態において、陽性クロスマッチまたは以前の陽性補体依存性脂肪傷害または抗−グロブリン増強補体依存性細胞傷害クロスマッチは、患者が液性拒絶に対して中程度の危険性があることを示す。1つの実施形態において、陰性クロスマッチは、患者が液性拒絶に対して低い危険性にあることを示す。
適当な治療養生法は、特定の患者または患者集団に対して当業者によって決定され得る。特定の実施形態において、治療養生法は、移植前コンディショニング養生法、移植後維持養生法、あるいは急性または慢性拒絶に対する移植後治療養生法である。ある実施形態において、特定の養生法は、液性応答発生する低い危険性にあると評価される患者に対する養生法と比較して液性応答を発生する高いまたは中程度の危険性にあると評価される患者に対して変化させる。
ある実施形態において、特定の養生法は、液性拒絶の段階に応じて変化させ、より攻撃的な療法が拒絶のより遅い段階において患者に示される。液性拒絶の段階は、当該分野における知識および技量に従って分類することができる。例えば、液性拒絶の段階は以下の基準に従って段階IないしIVの内の1つとして分類することができる;循環抗−ドナーアロ抗体特に抗−HLA抗体によって特徴付けられる段階I潜在的応答;循環抗−ドナーアロ抗体、特に抗−HLA抗体、およびC4D沈積によって特徴付けられるが組織学的変化または移植片機能不全を伴わない段階IIサイレント反応;循環抗−ドナーアロ抗体、特に抗−HLA抗体、C4d沈積、および組織病理学によって特徴付けられるが、移植片機能不全を伴わない段階III臨床下拒絶;循環抗−ドナーアロ抗体、特に抗−HLA抗体、C4D沈積、組織病理学、および移植片機能障害によって特徴付けられる段階IV液性拒絶。
用量応答曲線を当該分野で標準的なプロトコルを用いて作製して、特定の養生法で、例えば、移植に先立ってのコンディションによる養生法で、およびGVHD、液性拒絶、または移植後リンパ系増殖障害の予防および治療のための移植後養生法で用いるための本発明の組成物の有効量を決定することができる。一般に、液性拒絶を発声する高い危険性がある患者、および拒絶の1以上の臨床的インジケータをすでに呈する患者は、高い危険性がない、または活性拒絶のいずれの適応症も呈しない患者と比較して長期間にわたって投与することができるより高い用量および/またはより頻繁な用量を必要とするであろう。
本発明の抗−CD19抗体、組成物および方法を実行して、単独で、または他の治療剤または治療養生法と組み合わせて、GVHD、液性拒絶、または移植後リンパ系増殖障害を治療することができる。GVHD、液性拒絶、または移植後リンパ系増殖障害の治療または予防のための他の治療養生法は、例えば、抗−リンパ球療法、ステロイド療法、抗体枯渇療法、免疫抑制療法、およびプラズマフォレシスを含むことができる。
抗−リンパ球療法は、サイモグロブリンとも言われる抗−胸腺細胞グロブリンの移植体受容体への投与を含むことができる。抗−リンパ球療法は、T細胞表面抗原に対して向けられた1以上のモノクローナル抗体の投与を含むこともできる。そのような抗体の例は、限定されるものではないが、OKT3TM(ムロモナブ−CD3)、CAMPATHTM−1H(アレムツヅマブ)、CAMPATHTM−1G、CAMPATHTM−1M、SIMULECTTM(バシリキシマブ)、およびZENAPAXTM(ダクリズマブ)を含む。特別な実施形態において、抗−リンパ球療法は、限定されるものではないが、RITUXANTM(リツキシマブ)を含めたB細胞に対して向けられた1以上のさらなる抗体を含む。
ステロイド療法はコロチゾル、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、およびインドメタシンよりなる群から選択される1以上のステロイドの移植体受容体への投与を含むことができる。好ましくは、1以上のステロイドは、限定されるものではないが、コロチゾル、プレドニゾン、およびメチルプレドニゾロンを含めた、コルチコステロイドである。
抗体枯渇療法は、例えば、静脈内免疫グロブリンの移植体受容体の投与を含むことができる。抗体枯渇療法は、移植に先立っての、エクスビボでの移植片に適応される免疫吸着療法を含むこともできる。免疫吸着は、いずれかの適当な技術、例えば、プロテインA親和性、または抗−CD3抗体、抗−CD19抗体、抗−CD20抗体、および抗−CD22抗体のようなT細胞またはB細胞表面マーカーに対して向けられた抗体を用いる抗体ベースの親和性技術を用いて達成することができる。
免疫抑制療法は、サイトカイン転写(例えば、サイクロスポリンA、タクロリムス)、ヌクレオチド合成(例えば、アザチオプリン、マイコフェノレートモフェチル)、成長因子シグナル伝達(例えば、シロリムス、ラパマイシン)、およびT細胞インターロイキン2受容体(例えば、ダクリズマブ、バキリキシマブ)の阻害剤のような1以上の免疫抑制剤の投与を含むことができる。特別な実施形態において、本発明の組成物および方法と組み合わせて用いられる免疫抑制剤は、以下の:アドリアマイシン、アザチオプリン、ブスルファン、シクロホスファミド、サイクロスポリンA(「CyA」)、サイトキシン、フルダラビン、5−フルオログラシル、メトトレキサート、マイコフェノレートモフェチル(MOFETIL)、非ステロイド抗−炎症剤(NSAID)、ラパマイシンおよびタクロリムス(FK506)の1以上を含む。免疫抑制剤は、補体の抑制剤、例えば、Buerke et al.(J.Immunol.,2001 167:5375−80)に記載された、可溶性補体受容体−1、抗−C5抗体、または小細胞阻害剤を含むこともできる。
1つの実施形態において、本発明の組成物方法は、限定されるものではないが、タクロリムスおよびマイコフェノレートモフェチル療法、免疫吸着、静脈内免疫グロブリン療法、およびプラズマフェレシスを含めた液性拒絶を抑制するための1以上の治療養生法と組み合わされる。
(5.5.1 診断および臨床基準)
本発明は、ヒト移植体受容体において、GVHD、液性拒絶、および移植体後リンパ系増殖障害を治療および予防するための抗体、組成物および方法を提供する。本発明の組成物および方法は、移植体に対する必要性を生起させた特定の適応症にも拘らず用いることができる。同様に、GVHD、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害の治療および予防の使用は、移植を意図したまたは移植された組織の特定のタイプによって制限されない。
本発明は、ヒト移植体受容体において、GVHD、液性拒絶、および移植体後リンパ系増殖障害を治療および予防するための抗体、組成物および方法を提供する。本発明の組成物および方法は、移植体に対する必要性を生起させた特定の適応症にも拘らず用いることができる。同様に、GVHD、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害の治療および予防の使用は、移植を意図したまたは移植された組織の特定のタイプによって制限されない。
1つの実施形態において、本発明は、ヒト移植体受容体において液性拒絶を予防するための組成物および方法を提供し、ここに、移植体受容体は、液性拒絶を発生する増大した危険性がある患者または患者集団と定義される。そのような患者は「感作された」ということもできる。感作された患者の同定のための基準は、技量がある実行者に知られている。そのような基準は、例えば、検出可能なレベルの、HLA抗原に対する循環抗体、例えば、抗−HLAアロ抗体を有する患者を含むことができる。そのような基準は、従前の移植、妊娠、または複数血液輸血を受けたことがある患者を含むこともある。液性拒絶に対して増大した危険性がある患者は、不完全なドナー受容体HLAマッチングを有するもの、およびABO−不適合である移植も含む。感作された個体は、移植に先立った予備処理またはコンディショニングに対する好ましい候補である。感作された個体もまた、液性拒絶の予防用の移植後維持養生法についての好ましい候補である。
1つの実施形態において、本発明の抗体、組成物および方法は、急性または慢性拒絶のための治療養生法を含む、またはそれと組み合わせて用いる。特別な実施形態において、該拒絶は段階I、段階II、段階III、または段階IV液性拒絶として特徴付けられる。
1つの実施形態において、本発明の抗体、組成物および方法は、初期段階液性拒絶の治療のための治療養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いられる。特別な実施形態において、初期段階液性拒絶は段階I、IIまたはIII拒絶である。初期段階液性拒絶の臨床的適応症は当該分野における知識および技量によって決定され、これは、例えば、循環ドナー−特異的抗−HLA抗体の患者における発生、移植片バイオプシンにおけるC4dおよびC3d沈積のような抗体活性の補体マーカーの存在、および移植片バイオプシンにおける抗−HLA抗体の存在を含むことができる。初期段階液性拒絶の他の適応症は技量がある実行者に知られており、これは、例えば、抗−内皮抗体、特に抗−ビメンチン交代の発生、および非古典的MHCクラスI−関連鎖A(MICA)アロ抗体の発生を含むことができる。
1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、部分的には移植片機能不全によって特徴付けられる液性拒絶の治療のための治療養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いられる。特別な実施形態において、液性拒絶のための治療を必要とする患者または患者集団は、移植片機能不全についての当該分野で知られた基準に従って同定される。移植片の特定のタイプについてのそのような基準の例は、以下のセクションに掲げる。他の実施形態において、液性拒絶についての治療を必要とする患者または患者集団は、組織学的基準のような、組織移植片のタイプに対して特別な他の基準に従って同定される。そのような基準の例も以下のセクションに掲げる。
(5.5.1.1 骨髄移植体)
本発明の組成物および方法は、骨髄移植体受容体において、GVHD、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害を治療または予防するのに有用である。1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、移植前コンディショニング養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いられる。
本発明の組成物および方法は、骨髄移植体受容体において、GVHD、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害を治療または予防するのに有用である。1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、移植前コンディショニング養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いられる。
1つの実施形態において、本発明の組成物および方法を用いて、移植に先立って、骨髄移植片からB細胞を枯渇させる。移植片はいずれかの適当な源、例えば、血液幹細胞索、末梢血液幹細胞または骨髄穿刺からのものであってよい。抹消血液幹細胞は、適当なコンディショニング養生法に続いてドナー血液から収穫することができる。適当な養生法は当該分野で知られており、例えば、ドナー血液の収穫に先立って以下の1以上をドナーに投与することを含むことができる:NEUPOGEN、GM−CSFのようなサイトカイン、低容量化学療法養生法、およびケモカイン療法。移植片は、移植体受容体にとって同種異系またはオートロガスいずれかであってよい。移植片は異種移植片であってもよい。
本発明の組成物および方法は、骨髄移植についての造血系適応症がある多数の関連で有用である。1つの実施形態において、オートロガス骨髄移植片は、B細胞白血病またはリンパ種、好ましくは急性リンパ芽球白血病(「ALL」)または非−ホジキンリンパ腫について示され、本発明の組成物および方法は、移植片を汚染する残存悪性細胞の枯渇のために用いる。1つの実施形態において、オートロガス骨髄移植体は、ウイルス感染、例えば、エプスタインバールウイルス(EBV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、またはサイトメガロウイルス(CMV)に関連するウイルス感染を無くすことができない患者のために示され、本発明の抗−CD19抗体組成物および方法を用いて、ウイルスを保有するかもしれないB細胞の移植片を枯渇させる。もう1つの実施形態において、移植片は同種異系移植片であって、本発明の抗−CD19抗体組成物および方法は、GVHDに対する予防として移植片からドナーB細胞を復活させるのに用いられる。
1つの実施形態において、適応症はB細胞関連自己免疫疾患であり、本発明の組成物および方法を用いて、化学療法または放射線療法コンディショニング養生法の必要性なくして、患者から有害なB細胞を枯渇させる。1つの実施形態において、本発明の組成物は、化学療法または放射線療法養生法と組み合わせて投与され、その養生法は、本発明の組成物の不存在下で投与される用量よりも低い用量の1以上の化学治療剤、または低い用量の放射線を含む。1つの実施形態において、患者は、化学療法または放射線療法に続いてオートロガス骨髄移植片を受け、ここに、移植片は、本明細書中に記載された組成物および方法を用いて移植前に有害なB細胞が枯渇されている。
骨髄移植体が必要な、またはそれが有益に見える患者または患者集団は、当該分野における知識および技量に従って同定される。骨髄移植のための候補であり得る患者の例は、癌または自己免疫疾患もしくは障害の治療のために化学療法または放射線療法を受けたことがある患者、および免疫系の細胞に存在するウイルス感染後除去できない患者を含む。
(5.5.1.2 肝臓移植体)
本発明の組成物および方法は、肝臓移植体受容体においてGVHD、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害を治療または予防するのに有用である。特別な実施形態において、拒絶は急性または慢性拒絶である。1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、肝臓移植体受容体におけるGVHD、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害の予防で用いる。1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、移植前コンディショニング養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いる。1つの実施形態において、本発明の組成物は、移植体受容体に投与される。1つの実施形態において、本発明の組成物は移植に先立ってエクスビボにて移植体と接触させる。
本発明の組成物および方法は、肝臓移植体受容体においてGVHD、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害を治療または予防するのに有用である。特別な実施形態において、拒絶は急性または慢性拒絶である。1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、肝臓移植体受容体におけるGVHD、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害の予防で用いる。1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、移植前コンディショニング養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いる。1つの実施形態において、本発明の組成物は、移植体受容体に投与される。1つの実施形態において、本発明の組成物は移植に先立ってエクスビボにて移植体と接触させる。
肝臓移植体は、当該分野における知識および技量に従って決定されたいずれの適当な源からのものであってもよい。1つの実施形態において、肝臓はHLAにマッチした同種異系移植片である。もう1つの実施形態において、肝臓は、好ましくはブタドナーからの異種移植片である。1つの実施形態において、肝臓エクスビボで用いて、患者の血液を濾過する。例えば、体外灌流。体外灌流は、肝臓透析の形態であり、そこでは、患者は体外に維持された肝臓に外科的に連結される。この手法は、時々、「生体、人工肝臓」と言われる。この実施形態に従うと、本発明の組成物および方法を用いて、患者の血液を汚染するかも知れない肝臓抗原に対する抗体の発生を予防する。
1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、GVHD、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害の治療および予防のための改良された治療養生法を含む。特別な実施形態において、本発明の組成物および方法は改良された治療養生法を含み、ここに、該改良は、伝統的な免疫抑制剤に伴う合併症の減少した発生および/またはひどさに存在する。1つの実施形態において、腎臓毒性、肝臓毒性、および多毛症の発生および/またはひどさは、サイクロスポリンAまたは他のカルシヌエリン阻害剤に頼る伝統的な養生法と比較して、低下する。1つの実施形態において、肥満、骨ジストロフィー、真性糖尿病の発生および/またはひどさ、および細菌およびウイルス感染に対する罹患性は、コルチコステロイドに頼る伝統的な養生法と比較して低下する。
好ましい実施形態において、本発明の組成物および方法は、抗−リンパ球抗体療法の不存在下で用いられる用量よりも低い用量の1以上の伝統的な免疫抑制剤と組み合わせて用いられる。好ましくは、より低い用量は、1以上の伝統的な免疫抑制剤に関連する1以上の合併症の減少した発生および/またはひどさをもたらす。
肝臓移植体を必要とする、またはそれが有用なような患者または患者集団は、当該分野における知識および技量に従って同定される。肝臓移植についての候補であり得る患者の例は、以下の疾患、病気または障害の1以上を有する個人を含む:急性肝臓不全、アミロイドーシス、ビリルビン排出障害、胆道閉鎖症、バッド−キアーリ症候群、慢性活性自己免疫肝炎、(B型肝炎およびC型肝炎、アルコール性硬変、または原発性胆嚢硬変を含めたウイルス性肝炎いずれかに関連する)硬変、胆管炎、先天性第VIIIまたはIX因子障害、銅代謝障害、嚢胞性線維症、糖原形成、高コレステロール血症、リピドーシス、ムコ多糖症、原発性硬化性胆管炎、ポルフィリン代謝障害、プリンおよびピリミジン代謝障害、および肝臓および肝臓内胆管、胆嚢系、胆嚢通路、または消化系の原発性良性および悪性新生物。
肝臓移植体を必要とする、またはそれから利益を受けるような患者または患者集団の同定のための臨床的な基準は、当該分野における知識および技量に従って決定することができる。そのような基準は、例えば、以下の徴候:疲労、体重喪失、上腹部疼痛、純度、黄疸、肝臓拡張、脱色された尿、上昇したアルカリ性フォスファターゼ、およびガンマグルタミルペプチダーゼ活性、上昇したビリルビンレベル、減少した血清アルブミン、上昇した肝臓−特異的酵素、低い胆汁生産、増加した血液尿素窒素、増大したクレアチニンおよび/または抗−好中球細胞質抗体(ANCA)力価、再発静脈瘤出血、難治性腹水、自然発生細菌腹膜炎、難治性脳障害、重症黄疸、亢進された合成機能障害、突然の生理学的劣化、および激症肝不全の1以上を含む。
(5.5.1.3 腎臓移植体)
本発明の組成物および方法は、腎臓移植体受容体においてGVHD、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害を治療または予防するのに有用である。本明細書中で用いる、用語「腎臓移植体」は腎臓の移植体、および腎臓および膵臓の組み合わせた移植体を含む。特別な実施形態において、拒絶は急性拒絶または慢性拒絶として特徴付けられる。
本発明の組成物および方法は、腎臓移植体受容体においてGVHD、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害を治療または予防するのに有用である。本明細書中で用いる、用語「腎臓移植体」は腎臓の移植体、および腎臓および膵臓の組み合わせた移植体を含む。特別な実施形態において、拒絶は急性拒絶または慢性拒絶として特徴付けられる。
1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は移植前コンディショニング養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いられる。1つの実施形態において、本発明の組成物の1以上の単一用量は、患者または患者集団において、パネル反応性抗体を低下させ、およびB細胞を枯渇させるのに有効である。もう1つの実施形態において、本発明の組成物の1以上の複数用量は、患者または患者集団において、パネル反応性抗体を低下させ、およびB細胞を枯渇させるのに有効である。1つの実施形態において、本発明の組成物の1以上の単一用量は、1以上の免疫抑制剤と組み合わせて投与され、患者または患者集団において、パネル反応性抗体を低下させ、およびB細胞を枯渇させるのに有効である。
ある実施形態において、本発明の組成物および方法は、腎臓移植体を受けた患者においてGVHDおよび移植片拒絶を治療または予防するためのものである。1つの実施形態において、患者は拒絶の臨床的徴候を未だ呈していない。関連する実施形態において、本発明の組成物および方法は、移植体受容体において、移植片拒絶の予防のための維持養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いられる。1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、臨床下液性拒絶の治療のためである。関連する実施形態において、臨床下液性拒絶のための治療を必要とする患者または患者集団は、移植片からのバイオプシーにおけるCd4沈積の検出によって、または循環抗−HLA抗体の検出によって示される。
1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、移植体受容体において、急性または慢性拒絶エピソードの治療のための治療養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いられる。1つの実施形態において、急性または慢性拒絶エピソードのための治療を必要とする患者または患者集団は、拒絶の1以上の臨床的インジケータの検出によって同定される。特別な実施形態において、拒絶の1以上の臨床的インジケータは、移植から1週間ないし6週間の後に検出される。1つの実施形態において、拒絶の1以上の臨床インジケータは、移植から6、12、18、24、36、48、または60月後に検出される。好ましい実施形態において、急性拒絶はバイオプシーで確認された急性液性拒絶である。
1つの実施形態において、本発明の組成物の1以上は、急性拒絶の治療のための治療的養生法を含む。特別な実施形態において、治療養生法は、さらに、以下の:プラズマフォレシス、タクロリムス/マイクフェノレート、静脈内免疫ブログリン、プロテインAでの免疫吸着、および抗−CD20抗体の1以上を含む。1つの実施形態において、患者は、拒絶の発生に先立って免疫抑制プロトコルに付された。特別な実施形態において、免疫抑制プロトコルは、サイクロスポリン、アザチオプリン、およびステロイド療法の1以上を含む。
急性液性拒絶の臨床的インジケータは、当該分野で知られており、例えば、腎臓機能の突然のひどい劣化、尿量過少症、および危うい腎臓灌流を含む。さらなるインジケータは、例えば、バイオプシーでの管周毛細管中の炎症細胞、および循環ドナー−特異的アロ抗体を含む。1つの実施形態において、患者は、腎臓同種移植片の液性拒絶についての以下の診断基準の1以上で表される:(1)急性組織負傷の形態学的証拠;(2)人工フィブリン様壊死におけるC4d沈積または免疫ブログリンおよび補体のような抗体作用の証拠;および(3)ドナーHLA抗原またはドナー内皮抗原に対する検出可能な循環抗体。1つの実施形態において、患者は前記診断基準の全ての3つで表される。
1つの実施形態において、患者は、急性液性拒絶の前記診断基準の1以上で表され、本発明の組成物は、以下の免疫抑制剤の1以上と組み合わせて用いられて、急性液性拒絶を治療する:静脈内免疫ブログリン、抗−胸腺細胞グロブリン、抗−CD20抗体、マイコフェノレートモフェチル、またはタクロリムス。もう1つの実施形態において、本発明の組成物は、1以上の免疫抑制剤、およびプラズマフォレシスまたは免疫吸着のような患者からのアロ抗体の除去のための手法と組み合わせて用いられる。
1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、慢性腎臓同種移植片拒絶の治療のための治療養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いられる。1つの実施形態において、本発明の組成物の1以上は、単独で、あるいは例えば、抗−CD154(CD40L)、タクロリムス、シロリムス、およびミゾリビンを含めた1以上の免疫抑制剤と組み合わせて用いられる。好ましい実施形態において、本発明の抗−CD19抗体の1以上を、タクロリムスおよびマイコフェノレートと組み合わせて用いる。
腎臓における慢性拒絶の臨床インジケータは、当該分野で知られており、例えば、内膜単核細胞を伴う動脈内膜線維症(慢性同種移植片血管に障害)、糸球体基底膜の重複(慢性同種移植片糸球体障害)、管周基底膜のラミネーション、管周毛細管中のC4d、および検出可能な循環ドナーHLA−反応性抗体を含むことができる。好ましい実施形態において、本発明の組成物および方法は、移植片病巣が発生する前に慢性拒絶を治療するための治療養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いられる。
もう1つの実施形態において、治療を必要とする患者または患者集団は、移植体糸球体障害の1以上の慢性インジケータを有するものとして同定される。関連する実施形態において、本発明の組成物は、1以上の治療剤を含む治療養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いられる。好ましい実施形態において、治療養生法は、腎臓機能を安定化させ、移植片拒絶を阻害するのに有効である。特別な実施形態において、1以上の治療剤は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤および/または受容体アンタゴニスト、静脈内免疫ブログリン、抗−胸腺細胞グロブリン、抗−CD20抗体、マイコフェノレートモフェチル、またはタクロリムスを含む。好ましくは、本発明の抗−CD19抗体は、他の治療剤の有りまたは無しにて、マイコフェノレートモフェチルおよびタクロリムスと組み合わせて用いられる。プラズマフォレシスを治療養生法の一部として用いてもよい。
腎臓移植体を必要とする、それから利益を受けるような患者または患者集団は、当該分野における知識および技量に従って同定される。腎臓移植についての候補であり得る患者の例は、アミロイドーシス、糖尿病(I型またはII型)、糸球体病(例えば、糸球体腎炎)、痛風、溶血性尿毒症症候群、HIV、遺伝性腎臓病(例えば、多嚢胞腎臓病、先天性閉塞性尿路疾患、シスチン症、またはプルーンベリー症候群)、他の腎臓病(例えば、後天性閉塞性腎臓障害、急性管壊死、急性間隙性腎炎)、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーテス、または鎌状赤血球貧血と診断された患者を含む。腎臓移植体についての他の候補は、インスリン欠乏症、高血圧、ひどい負傷または火傷、主要外科的処置、心臓病または心臓発作、肝臓病またか肝臓不全、血管病(例えば、進行性全身硬化症、腎臓動脈血栓、強皮症)、膀胱尿管逆流、およびある種の癌(例えば、偶然の癌腫、リンパ腫、多発性骨髄種、腎臓細胞癌腫、ウィルムス腫)を有する患者を含む。腎臓移植体についての他の候補は、たとえば、ヘロイン使用者、従前に膵臓移植片を拒絶した個人、および抗生物質サイクロスポリン、または化学療法を含む治療養生法を受けている個人を含むことができる。
腎臓移植片を必要とする、またはそれから利益を受けるような患者または患者集団の胴体のための臨床的基準は、当該分野における知識および技量に従って決定することができる。そのような基準は、例えば、以下の:尿の問題、出血、容易な打撲傷、疲労、混乱、悪心および嘔吐、食欲減退、(貧血からの)青ざめた皮膚、筋肉、関節、脇腹部および胸における痛み、骨の痛みまたは骨折、および痒みの1以上を含むことができる。
(5.5.1.4 心臓移植体)
本発明の組成物および方法は、心臓移植体受容体において、GVHD、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害を治療または予防するのに有用である。特別な実施形態において、拒絶は急性または慢性拒絶である。1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、移植前コンディショニング養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いられる。
本発明の組成物および方法は、心臓移植体受容体において、GVHD、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害を治療または予防するのに有用である。特別な実施形態において、拒絶は急性または慢性拒絶である。1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、移植前コンディショニング養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いられる。
ある実施形態において、本発明の組成物および方法は、心臓移植体受容体において、急性液性拒絶のための治療養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いられる。特別な実施形態において、治療養生法は、さらに、以下の:プラズマフォレシス、静脈内免疫グロブリン、および抗−CD20抗体療法の1以上を含む。急性液性拒絶のための治療を必要とする患者または患者集団は、急性液性拒絶の臨床的適応症の1以上の検出によって同定される。急性液性拒絶の臨床的インジケータの例は以下の1以上を含むことができる:ショックによって規定される血液動力学機能不全、低血圧、減少した心拍数、および毛細管楔形肺動脈圧の上昇。特別な実施形態において、急性液性拒絶は、移植後6、12、18、24、36、48、または60月以内に診断される。
1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、心臓移植体受容体において、拒絶の予防のための処置的養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いられる。1つの実施形態において、拒絶に対する予防を必要とする移植体受容体は、以下の危険因子:女性の性、サイトメガロウイルス血清陽性、パネル反応性抗体に対する上昇した応答、陽性移植前および/または後クロスマッチ、および免疫抑制剤での予備的感作の1以上を有する患者または患者集団として定義される。
1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、心臓移植体受容体における移植片劣化の治療または予防のためである。1つの実施形態において、移植片劣化のための治療、またはそれに対する予防を必要とする移植片受容体は液性拒絶の以下の臨床的適応症の1以上を有する患者または患者集団として定義される:毛細血管中での免疫グロブリン、C1q、C3、および/またはC4dの沈積、毛細血管内のCD68−陽性細胞の証拠、およびバイオプシーに際しての炎症細胞による移植片の浸潤の証拠。1つの実施形態において、本発明の組成物は、以下の免疫抑制剤の1以上と組み合わせて用いて、心臓移植体受容体における移植片劣化を治療する:静脈内免疫グロブリン、抗−胸腺細胞グロブリン、抗−CD20抗体、マイコフェノレートモフェチル、またはタクロリモス。もう1つの実施形態において、本発明の抗−CD19抗体組成物は、1以上の免疫抑制剤、およびプラズマフォレシスまたは免疫吸着のような患者からのアロ抗体の除去のための手法と組み合わせて用いられる。
1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、慢性心臓拒絶、好ましくは移植体冠動脈病とも言われる慢性同種移植片血管障害の治療のための治療養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いられる。もう1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、危険性がある患者または患者集団において移植体冠動脈病の予防のための処置的養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いられる。移植体冠動脈病を発生する危険性がある患者または患者集団を同定するための基準は当該分野で知られており、例えば、貧弱にマッチした移植体を有する患者、循環抗−HLA抗体を発生する患者、および心臓移植体後早期の液性拒絶の1以上の臨床的適応症を発生する患者を含むことができる。
心臓移植体を必要とする、またはそれから利益を受けるような患者または患者集団は、当該分野における知識および技量に従って同定される。心臓移植についての候補であり得る患者の例は、以下の病気および障害のいずれかと診断されたことのあるものを含む:冠動脈病、心筋障害(心臓の非炎症病)、鬱血性心不全に伴う心臓弁の病気、他の療法に応答しない生命を脅かす異常な心臓の律動、特発性心筋障害、虚血性心筋障害、拡張心筋障害、虚血性心筋障害、それに対して慣用的な療法は存在しない、またはそれに対して慣用的な療法は失敗した先天性心臓病。
心臓移植体を必要とする、またはそれから利益を受けるような患者または患者集団の同定のための臨床的基準は当該分野における知識および技量に従って決定することができる。そのような基準は、例えば、以下の1以上を含むことができる:25%未満の拍出割合難治性狭心症、または慣用的療法に対する悪性心臓不整脈無応答、および2ウッド単位未満の肺血管耐性。加えて、心臓移植体を必要とする患者または患者集団は、当該分野における知識および技量に従って一連のテストを行うことによって同定することができる。そのようなテストは、例えば、休止およびストレスエコカルジオグラム、EKG、血液クレアチニンレベルのアッセイ、冠動脈アーテリオグラフィーおよび右側−および左側−心臓カテーテル処理を含めた心肺評価を含む。
(5.5.1.5 肺移植体)
本発明の組成物および方法は、肺移植体受容体において、GVHD、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害を予防および治療するのに有用である。特別な実施形態において、拒絶は急性または慢性拒絶として特徴付けられる。1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、移植前コンディショニング養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いられる。
本発明の組成物および方法は、肺移植体受容体において、GVHD、液性拒絶、および移植後リンパ系増殖障害を予防および治療するのに有用である。特別な実施形態において、拒絶は急性または慢性拒絶として特徴付けられる。1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、移植前コンディショニング養生法を含み、またはそれと組み合わせて用いられる。
肺移植体を必要とする、またはそれから利益を受けるような患者または患者集団は、当該分野における知識および技量に従って同定される。肺移植についての候補であり得る患者の例は以下の病気または疾患の1つを有する患者を含む:気管支拡張症、慢性閉塞性肺病、嚢胞性線維症、アイゼンメンガー症候群またはアイゼンメンガー症候群を伴う先天性肺病気腫、肺の好酸球肉芽腫、または原因不明性組織球増殖症、吸入−火傷外傷、リンパ管平滑筋腫症(LAM)、原発性肺高血圧、肺線維症(肺の瘢痕)、またはサルコイドーシス。
肺移植体を必要とする、またはそれから利益を受けるような患者または患者集団の同定のための臨床的基準は、当該分野における知識および技量に従って決定することができる。そのような基準は、例えば、以下の1以上を含むことができる:慢性閉塞性肺病(COPD)、および以下のインジケータの1以上によって特徴付けられるアルファ1−抗トリプシン欠乏症気腫:予測される25%未満のポスト気管支拡張剤FEV1、休止低酸素血漿、すなわち、55ないし60mmHg未満のPaO2、高炭酸ガス症、二次的肺高血圧、FEV1の減衰の迅速な速度、または生命を脅かす亢進;以下のインジケータの1以上によって特徴付けられる嚢胞性線維症:予測される30%未満のポスト気管支拡張剤FEV1、休止低酸素症、高炭酸ガス症、または亢進の増大する頻度およびひどさ;以下のインジケータの1以上によって特徴付けられる特発性肺線維症:生命力(VC)および予測される60ないし65%未満のTLCおよび休止低酸素症;医学的療法を受けている最中の臨床的ラジオグラフィー、生理学的進行によって特徴付けられる二次的肺高血圧;以下のインジケータの1以上によって特徴付けられる原発性肺高血圧:NYHA機能クラスIIIまたはIV、10mmHgよりも大きな平均右心房圧力、50mmHgよりも大きな平均肺動脈圧、2.5L/分/m2未満の心臓指標、および長期プロスタサイクリン注入を伴う療法の失敗。
(5.5.1.6 移植後リンパ系増殖障害)
成功した移植に必要な免疫抑制は、B細胞起源の移植後リンパ系増殖障害を引き起こしかねない。一般に、移植後リンパ系増殖障害にはエプスタイン−バールウイルス感染細胞が伴う。移植後リンパ系増殖障害(PTLD)は、良性自己制限性モノヌクレオーシス−様症候群ないし攻撃的非−ホジキンリンパ腫の酷さの範囲であり得る。本発明の組成物および方法を用いて、いずれかの移植体から生起するPTLDを治療することができる。好ましくは、移植体は個体器官移植体、例えば、心臓移植体、肝臓移植体、腎臓移植体、または組み合わされた膵臓−心臓移植体である。好ましい実施形態において、本発明の組成物および方法を用いて、他の免疫抑制療法の一時的休止または低下を含む治療養生法の一部としてPTLDを治療する。
成功した移植に必要な免疫抑制は、B細胞起源の移植後リンパ系増殖障害を引き起こしかねない。一般に、移植後リンパ系増殖障害にはエプスタイン−バールウイルス感染細胞が伴う。移植後リンパ系増殖障害(PTLD)は、良性自己制限性モノヌクレオーシス−様症候群ないし攻撃的非−ホジキンリンパ腫の酷さの範囲であり得る。本発明の組成物および方法を用いて、いずれかの移植体から生起するPTLDを治療することができる。好ましくは、移植体は個体器官移植体、例えば、心臓移植体、肝臓移植体、腎臓移植体、または組み合わされた膵臓−心臓移植体である。好ましい実施形態において、本発明の組成物および方法を用いて、他の免疫抑制療法の一時的休止または低下を含む治療養生法の一部としてPTLDを治療する。
1つの実施形態において、本発明の抗−CD19抗体組成物は以下の1以上を含めた治療養生法の一部として投与される:高用量静脈内ガンマグロブリン、サイトカイン、抗−ウイルス剤、および抗−CD20モノクローナル抗体。好ましくは、治療養生法は免疫抑制療法の一時的停止または低下を含む。好ましい実施形態において、静脈内ガンマグロブリンは1ないし5日間、好ましくは3日間の0.4g/kg日用量で投与され、サイトカインは少なくとも7日間投与されるインターフェロンアルファである。1つの実施形態において、1以上のサイトカインが養生法で用いられる。1つの実施形態において、1以上の抗−ウイルス剤が療法で用いられる。抗−ウイルス剤は当業者に知られたいずれかの適当な抗−ウイルス剤から選択することができる。1つの実施形態において、抗−ウイルス剤はアシクロビールまたはガンシクロビールである。好ましくは、抗−ウイルス剤は少なくとも1または2週間投与される。また、抗−ウイルス剤はより長い期間、例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月または5ヶ月の間投与することもできる。
(5.5.2 試料または対象におけるCD19密度の決定)
要求されるものではないが、CD19密度についてのアッセイを使用して、さらに、患者の診断を特徴付けることができる。細胞に結合する抗体の密度を決定するための方法は、当業者に知られている(例えば、特異的CD抗原の細胞表面密度を評価する方法を開示するSato et al.,J.Immunology,165:6635−6643(2000)参照)。他の標準的な方法はスカチャード(Scatchard)分析を含む。例えば、抗体または断片を単離し、放射性標識し、放射性標識した抗体の特異的活性を測定することができる。次いで、抗体を、CD19を発現する標的細胞と接触させる。細胞に関連する放射能を測定し、特異的活性に基づいて、細胞に結合した抗体または抗体断片の量を決定することができる。
要求されるものではないが、CD19密度についてのアッセイを使用して、さらに、患者の診断を特徴付けることができる。細胞に結合する抗体の密度を決定するための方法は、当業者に知られている(例えば、特異的CD抗原の細胞表面密度を評価する方法を開示するSato et al.,J.Immunology,165:6635−6643(2000)参照)。他の標準的な方法はスカチャード(Scatchard)分析を含む。例えば、抗体または断片を単離し、放射性標識し、放射性標識した抗体の特異的活性を測定することができる。次いで、抗体を、CD19を発現する標的細胞と接触させる。細胞に関連する放射能を測定し、特異的活性に基づいて、細胞に結合した抗体または抗体断片の量を決定することができる。
別法として、蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)分析を使用することができる。一般に、抗体または抗体断片を、CD19を発現する標的細胞に結合させる。次いで、抗体に結合する第二の試薬、例えば、フルオロクローム標識抗−免疫グロブリン抗体を加える。次いで、フルオロクローム染色を測定し、それを用いて、細胞に結合する抗体または抗体断片の密度を決定することができる。
もう1つの適当な方法として、抗体または抗体断片は、フルオロフォアのような検出可能な標識で直接的に標識し、標的細胞に結合させることができる。蛋白質に対する標識の比を決定し、それに結合した既知量の標識を持つ標準ビーズと比較する。細胞に結合した標識の量の公知の標準との比較を用いて、細胞に結合した抗体の量を計算することができる。
なおもう1つの態様において、本発明は、試料または個体において、CD19の存在および/または密度をインビトロまたはインビボで検出する方法を提供する。これは、病気および治療の効果をモニターするのに、および投与すべき抗体の用量を決定し、調整するのにも有用であり得る。該インビボ方法は、PET(陽電子射出断層撮影法)またはSPECT(単光子放射型コンピュータ断層撮影法)のようなイメージング技術を用いて行うことができる。別法として、共有結合したキレーターを用い、抗−CD19抗体をインジウムで標識できよう。得られた抗体は、ZEVALINTM(インジウム標識抗−CD20mAb)(Biogen Idec)を用いてCD20抗原をイメージするのと同様な方法で、標準ガンマカメラを用いてイメージすることができる。
1つの実施形態において、該インビボ方法は、テストすべき試料を、本発明の抗体およびヒトCD19抗原の間の複合体の形成を可能とする条件下で、所望により対照試料と共に、本発明のヒト抗−CD19抗体と接触させることによって行うことができる。次いで、(例えば、FACS分析またはウェスタンブロッティングを用いて)複合体形成を検出する。テスト試料と共に対照試料を用いる場合、複合体は双方の試料において検出され、試料の間の複合体の形成のいずれかの統計学的に有意な差は、テスト試料におけるヒトCD19の存在を示す。
他の実施形態において、平均蛍光強度をCD19密度の尺度として用いることができる。そのような実施形態において、B細胞は患者から除去され、蛍光標識で標識されているCD19抗体で染色し、蛍光強度をフローサイトメトリーを用いて測定する。蛍光強度を測定し、B細胞当たりの強度の平均として表すことができる。そのような方法を用い、CD19密度の代表である平均蛍光密度は、本発明の方法および組成物を用いる処置の前および後で、または患者およびB細胞での通常レベルのhCD19の間の患者につき比較することができる。
B細胞でのCD19発現の密度が決定されている患者において、CD19の密度は、決定および/または用量の調整および/または本発明の組成物および方法の抗−CD19抗体で用いる治療養生法に影響し得る。例えば、CD19の密度が高い場合、ヒトにおいてあま余り効果的でなくADCCを媒介する抗−CD19抗体を用いるのが可能であろう。ある実施形態において、本発明の組成物および方法を用いて治療された患者が低いCD19密度を有する場合、本発明の組成物および方法の抗−CD19抗体のより高い用量を用いることができる。1つの実施形態において、本発明の組成物および方法を用いて治療された患者が低いCD19密度を有する場合、本発明の組成物および方法の抗−CD19抗体の低い用量を用いることができる。ある実施形態において、本発明の組成物および方法を用いて治療された患者が高いCD19密度を有する場合、本発明の組成物および方法の抗−CD19抗体のより低い用量を用いることができる。ある実施形態において、CD19密度を患者におけるCD20密度と比較することができ、CD19密度を、ヒトについての、または特定の患者集団についての平均CD19密度と比較することができ、あるいはCD19密度を、療法に先立って、または自己免疫疾患または障害の開始に先立って、患者におけるCD19レベルと比較することができる。ある実施形態において、本発明の組成物および方法を用いて治療された患者は、CD19がB細胞の表面に存在する自己免疫疾患または障害を有する。
(5.6 免疫療法プロトコル)
本発明に従って、セクション5.6に記載された免疫療法プロトコルの各々は、セクション5.4.3に記載された投与の経路および方法、および用量を利用することができる。
本発明に従って、セクション5.6に記載された免疫療法プロトコルの各々は、セクション5.4.3に記載された投与の経路および方法、および用量を利用することができる。
「抗−CD19免疫療法」と本明細書中でいう治療養生法/プロトコルで用いる抗−CD19抗体組成物は裸の抗体、免疫コンジュゲートおよび/または融合蛋白質であり得る。本発明の組成物は、単一剤療法として、あるいは他の治療剤または養生法と組み合わせて用いることができる。抗−CD19抗体または免疫コンジュゲートは、1以上の治療剤の投与に先立って、それと同時に、またはその後に投与することができる。本発明の組成物での組み合わせ治療養生法で用いることができる治療剤は、細胞の機能を阻害し、または妨げ、および/または細胞の破壊を引き起こすいずれの物質も含む。好ましくは、該剤は、リンパ球の機能を阻害し、または妨げ、および/またはリンパ球の破壊を引き起こす。その例は、限定されるものではないが、サイトカイン転写の阻害剤(例えば、サイクロスポリンA、タクロリムス)、ヌクレオチド合成(例えば、アザチオプリン、マイコフェノレートモフェチル)、成長因子シグナル伝達(例えば、シロリムス、ラパマイシン)、およびT細胞インターロイキン2受容体(例えば、ダクリズマブ、バシリキシマブ)のような免疫抑制剤を含む。好ましい実施形態において、免疫抑制剤は以下の:アドリアマイシン、アザチオプリン、ブスルファン、シクロホスファミド、サイクロスポリンA(CyA)、サイトキシン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、メトトレキサート、マイコフェノレートモフェチル(MOFETIL)、非ステロイド抗−炎症剤(NSAID)、ラパマイシン、およびタクロリムス(FK506)の1以上を含む。他の例は、放射性同位体、化学療法剤、ならびに細菌、真菌、植物または動物起源の酵素的に活性なトキシンのようなトキシン、またはその断片を含む。
本明細書中に記載された治療養生法、または所望の治療養生法は、天然CD19抗原に加えて、またはその代わりに、ヒトCD19抗原を発現するセクション6.2において以下に記載するマウスモデルのようなトランスジェニック動物モデルを用いて効率についてテストすることができる。かくして、抗−CD19抗体治療養生法を動物モデルでテストして、ヒトへの投与の前に有効性を決定することができる。
(5.6.1 抗−CD19免疫療法)
本発明に従うと、「抗−CD19免疫療法」は、本明細書中に記載された治療養生法のいずれかに従った、本発明の抗−CD19抗体のいずれかの投与を含む。抗−CD19抗体は裸の抗体、免疫コンジュゲートまたは融合蛋白質として投与することができる。
本発明に従うと、「抗−CD19免疫療法」は、本明細書中に記載された治療養生法のいずれかに従った、本発明の抗−CD19抗体のいずれかの投与を含む。抗−CD19抗体は裸の抗体、免疫コンジュゲートまたは融合蛋白質として投与することができる。
抗−CD19免疫療法は、GVHD、液性拒絶、または移植後リンパ系増殖障害の治療または予防のための単一剤治療剤としての抗−CD19抗体の投与を含む。抗−CD19免疫療法は、GVHD、液性拒絶、または移植後リンパ系増殖障害を発生する増大した危険性があるヒト患者を治療する方法を含む。抗−CD19免疫療法は、段階によって特徴づけられてきたGVHD、液性拒絶、または移植後リンパ系増殖障害の初期段階を持つヒト患者を治療する方法を含む。抗−CD19免疫療法は、段階によって特徴付けられてきたGVHD、液性拒絶、または移植後リンパ系増殖障害の後期段階を持つヒト患者を治療する方法を含む。抗−CD19免疫療法は、抗−CD19抗体がADCC、CDCまたはアポトーシスを媒介する、GVHD、液性拒絶、または移植後リンパ系増殖障害を治療または予防する方法を含む。抗−CD19免疫療法は、GVHD、液性拒絶、または移植後リンパ系増殖障害を治療する方法を含み、ここに、抗−CD19抗体は、患者がGVHD、液性拒絶、または移植後リンパ系増殖障害のためのいずれかの他の治療を受ける前に投与される。
好ましい実施形態において、GVHD、液性拒絶、または移植後リンパ系増殖障害を経験しているヒト対象は、抗−CD19抗体を投与することによって治療することができる。ある実施形態において、抗−CD19抗体は、好ましくはヒトADCCを媒介するヒトまたはヒト化抗体である。GVHD、液性拒絶、または移植後リンパ系増殖障害の初期段階の場合には、(マウスおよびキメラ抗体を含めた)好ましくはADCCを媒介するいずれの抗−CD19抗体もヒト対象で用いることができ;しかしながら、ヒトおよびヒト化抗体が好ましい。
IgG1またはIgG3ヒトイソタイプの抗体が療法で好ましい。しかしながら、IgG2またはIgG4ヒトイソタイプを用いることができ、但し、それらはヒトADCCを媒介するものとする。そのようなエフェクター機能は、インビトロまたはインビボにてエフェクター細胞によって標的細胞溶解を媒介する問題とする抗体の能力を測定することによって評価することができる。
用いる抗体の用量は、受容体において、循環B細胞を枯渇させ、または移植片からB細胞を枯渇させ、または循環免疫グロブリン(Ig)を枯渇させるか、あるいは受容体において循環B細胞および免疫グロブリンを共に枯渇させるのに十分であるべきである。療法の進行は、血液試料を分析することによって患者においてモニターすることができる。臨床的改良の他の徴候を用いて、療法をモニターすることができる。
本発明の組成物および方法に関連して用いることができるB細胞およびIgの枯渇を測定する方法は当該分野で良く知られており、限定されるものではないが、以下の実施形態を含む。1つの実施形態において、循環B細胞枯渇は、特異的にB細胞に結合し、それにより、それを同定し、数えるのを可能とする抗−CD19抗体以外の試薬を用いてフローサイトメトリーで測定することができる。他の実施形態において、血液中のB細胞およびIgレベルは、標準血清分析を用いてモニターすることができる。そのような実施形態において、B細胞枯渇は、B細胞によって生産されることが知られている抗体に対する量を規定することによって間接的に測定される。次いで、その抗体のレベルをモニターして、B細胞の枯渇および/または機能的枯渇を決定する。もう1つの実施形態において、B細胞枯渇は、B細胞を同定するための免疫化学染色によって測定することができる。そのような実施形態において、患者から抽出されたB細胞または組織、あるいはB細胞を含む血清を顕微鏡スライドにのせ、標識し、存在または不存在について調べることができる。関連する実施形態において、療法に先立って、および療法の後に抽出されたB細胞の間で比較を行って、B細胞の存在の差を決定する。
抗−CD19抗体を単一剤療法として投与する本発明の実施形態において、本発明では、異なる治療養生法の使用が考えられる。治療養生法は、養生法が移植前コンディショニング、移植後維持、または急性または慢性拒絶の移植後治療について示されるか否かに依存して1以上の治療サイクルを含むことができる。特定の養生法は、患者が液性応答を発生する高い、中程度、または低い危険性があると評価されるか否かにも依存し得る。拒絶の関係では、移植片に対する液性応答の見掛けの段階は、選択された治療養生法に影響し得る。好ましくは、移植前コンディショニングでは、単一サイクルを投与する。単一サイクルは受容体に、または移植片にあるいは受容体および移植片双方に投与してもよい。GVHD、液性拒絶、またはリンパ系増殖障害の移植後維持または予防では、好ましくは、複数サイクルが投与される。拒絶エピソードの治療では、好ましくは、単一高用量サイクルが投与され、続いて、単独で、または他の治療養生法と組み合わせて1以上のより低い用量が投与される。他の治療養生法は、例えば、T細胞またはB細胞に向けられた1以上の抗生物質、抗生物質、抗−ウイルス剤、抗体枯渇療法、または免疫抑制剤を含むことができる。もし1を超えるサイクルが必要とされるならば、いずれかの2つの治療サイクルの間の時間を固定し、または可変として、GVHD、液性拒絶、またはリンパ系増殖障害を発生する患者の危険性評価を含めた、患者−特異的差を収容することができ、あるいは患者における液性拒絶の段階は拒絶で既に示されている。他の患者−特異的差は、例えば、療法に対する応答性、薬物許容性、回復時間、ファルマコキネティック(PK)パラメーター、および/または薬理学的応答を含む。例えば、ある実施形態において、いずれかの2つの治療サイクルの間の時間は約2、4、6、8または10日;2月、4月、8月、12月、18月、または24月であり得る。ある実施形態において、いずれかの2つの治療サイクルの間の時間は約1、3、5、7、または9日;1月、3月、5月、9月、11月、17月、19月、21月、または25月であり得る。ある実施形態において、いずれかの2つの治療サイクルの間の時間は約2ないし4、3ないし5、6ないし8、7ないし9、8ないし10、9ないし11、10ないし12、11ないし13、12ないし14、13ないし15、14ないし16、15ないし17、16ないし18、17ないし19、18ないし20、19ないし21、20ないし22、21ないし23、または22ないし24月であり得る。ある実施形態において、いずれかの2つの治療サイクルの間の時間は、約24月である。
サイクル当たりの本発明の抗−CD19抗体組成物の注射の数は固定し、または可変としてGVHD、液性拒絶、またはリンパ系増殖障害を発生する患者の危険性評価を含めた、患者−特異的差を可能とすることができ;あるいは患者における液性拒絶の段階は既に拒絶で示されている。他の患者−特異的差は、例えば、療法に対する応答性、薬物許容性、回収時間、PKパラメーター、および/または薬理学的応答を含む。ある実施形態において、サイクル当たりの注射の数は1、2、3、4、5、または6注射であり得る。ある実施形態において、サイクル当たりの注射の数は1注射である。
いずれかの注射では、本発明の抗−CD19抗体組成物の投与される用量を固定し、または可変として、初期薬物負荷を可能とし、および/または質量、体表面積、病気活動、病気応答性、薬物許容性、回復時間、PKパラメーターおよび/または薬理学的応答の患者−特異的差を説明することができる。ある実施形態において、本発明の抗−CD19抗体組成物の注射当たりの投与される用量は約0.1mg/kg患者体重、0.3mg/kg患者体重、約1.0mg/kg患者体重、2.0mg/kg患者体重、約4.0mg/kg患者体重、または10mg/kg患者体重である。ある実施形態において、本発明の抗−CD19抗体組成物の注射当たりの投与される用量は約0.1ないし0.3、0.3ないし0.5、0.5ないし0.7、0.7ないし0.9、0.9ないし1.1、1.1ないし1.3、1.3ないし1.5、1.5ないし1.7、1.7ないし1.9、1.9ないし2.1、2.1ないし2.3、2.3ないし2.5、2.5ないし2.7、2.7ないし2.9、2.9ないし3.1、3.1ないし3.3、3.3ないし3.5、3.5ないし3.7、3.7ないし3.9、3.9ないし4.1、4.1ないし4.3、4.3ないし4.5、4.5ないし4.7、4.7ないし4.9、4.9ないし5.1、5.1ないし5.3、5.3ないし5.5、5.5ないし5.7、5.7ないし5.9、5.9ないし6.1、6.1ないし6.3、6.3ないし6.5、6.5ないし6.7、6.7ないし6.9、6.9ないし7.1、7.1ないし7.3、7.3ないし7.5、7.5ないし7.7、7.7ないし7.9、7.9ないし8.1、8.1ないし8.3、8.3ないし8.5、8.5ないし8.7、8.7ないし8.9、8.9ないし9.1、9.1ないし9.3、9.3ないし9.5、9.5ないし9.7、9.7ないし9.9、または9.9ないし10.1mg/kg患者体重である。ある実施形態において、注射当たりの投与される用量は約0.3mg/kg患者体重である。
もし1を超える注射が必要であれば、本発明の抗−CD19抗体組成物のいずれかの2つの注射の間の時間を固定し、または可変とし、GVHD、液性拒絶、またはリンパ系増殖障害を発生する患者危険性評価を含めた患者−特異的差を収容することができ;あるいは患者における液性拒絶の段階はすでに拒絶で示されている。他の患者−特異的差は、例えば、病気活動、療法に対する病気応答性、薬物許容性、回復時間、PKパラメーター、および/または薬理学的応答を含む。ある実施形態において、いずれかの2つの注射の間の時間は約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、32、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、または45日である。ある実施形態において、いずれかの2つの注射の間の時間は、約1ないし3、1ないし5、1ないし10、1ないし15、1ないし20、1ないし25、1ないし30、1ないし35、1ないし40、または1ないし45日である。ある実施形態において、いずれかの2つの注射の間の時間は1日である。
本発明のある態様によると、本発明の組成物および方法で用いる抗−CD19抗体は裸の抗体である。関連実施形態において、用いる裸の抗−CD19抗体の用量は少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5mg/kg患者体重である。ある実施形態において、用いる裸の抗−CD19抗体の用量は少なくとも約1ないし10、5ないし15、10ないし20、または15ないし25mg/kg患者体重である。ある実施形態において、用いる裸の抗−CD19抗体の用量は少なくとも約1ないし20、3ないし15、または5ないし10mg/kg患者体重である。好ましい実施形態において、用いる裸の抗−CD19抗体の用量は少なくとも約5、6、7、8、9、または10mg/kgの患者体重である。
ある実施形態において、用量は4ないし8連続週間の間に毎週投与される抗−CD19抗体の約375mg/m2を含む。ある実施形態において、用量は、4ないし8連続週の間、毎週投与される、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15mg/kg患者体重である。
前記した抗−CD19抗体の例示的な用量はセクション5.4.3に記載したように投与することができる。1つの実施形態において、前記用量は単一−用量注射または注入である。他の実施形態において、用量は一定期間に渡って投与される。他の実施形態において、用量は一定期間に渡って複数回投与される。該期間は日、月または週間で測定できる。抗−CD19抗体の複数用量を、毒性副作用をバランスさせつつ治療効果を達成するのに適した間隔で投与することができる。例えば、複数用量を用いる場合、間隔を、抗体での反復治療に先立って患者の単球カウントの回復を可能とするような時間にするのが好ましい。この投与養生法は治療の効率を最適化するであろう。というのは、単球集団は患者におけるADCC機能を反映するからである。
ある実施形態において、本発明の組成物は、患者が療法に対して応答性である限り、ヒト患者に投与される。他の実施形態において、本発明の組成物は、GVHDまたは拒絶エピソードがおさまるまで、ヒト患者に投与される。もう1つの実施形態において、本発明の組成物は移植片機能が実質的に回復するまでヒト患者に投与され、次いで、患者は、もう1つの拒絶エピソードが示されるまで本発明の組成物は投与されない。1つの実施形態において、本発明の組成物は、リンパ系増殖障害が、循環B−リンパ球の数の低下、および/または循環免疫グロブリンのレベルの低下によって示して、軽減されるまでヒト患者に投与される。例えば、患者は約4ないし8週間、前記用量のいずれかで治療することができ、その間に、患者は病気の進行についてモニターされる。もし病気の進行が停止し、または逆行するならば、患者が再発し、すなわち、治療される病気が再度起こり、または進行するまで、本発明の組成物は患者に投与されない。この再発または進行に際して、患者は、最初に用いられた同一投与養生法にて、または前記した他の用量を用いて再度治療することができる。
ある実施形態において、本発明の組成物は、負荷用量、続いて、一定期間にわたっての複数のより低い用量(維持用量)として投与することができる。そのような実施形態において、用量はタイミングを計ることができ、量を調整して、効果的なB細胞枯渇を維持することができる。好ましい実施形態において、負荷用量は約10、11、12、13、14、15、16、17、または18mg/kg患者体重であり、維持用量は少なくとも約5ないし10mg/lkg患者体重である。好ましい実施形態において、維持用量は7、10、14または21日ごとの間隔で投与される。維持用量は、毒性が示されるまで、血小板カウントが減少するまで、GVHDまたは拒絶の証拠がなくなるまで、患者が抗−CD抗体組成物に対する免疫応答を生じるまで、あるいは病気が末期状態まで進行するまで無限に継続することができる。なお他の実施形態において、本発明の組成物は、病気が最終段階まで進行するまでヒト患者に投与される。
患者の循環単球レベルが治療養生法の一部としてモニターされる本発明の実施形態において、投与される抗−CD19抗体の用量を間隔を空けて、単球カウントの回復を可能とすることができる。例えば、本発明の組成物は8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30日毎の間隔で投与することができる。
抗−CD19抗体がトキシンとコンジュゲートされ、またはトキシンと組み合わされて投与される本発明の実施形態において、当業者であれば、抗−CD19抗体の用量はトキシン用量に基づいて調整することができ、およびトキシン用量は用いるべきトキシンの特定のタイプに依存することを認識するであろう。典型的には、トキシンを用いる場合、抗−CD19抗体の用量は、裸の抗−CD19抗体で用いる用量未満であろう。適当な用量は、当該分野でよく知られた技術を用いて特定のトキシンに対して決定することができる。例えば、用量範囲実験を行って、トキシンと共に投与し、またはトキシンにコンジュゲートされる場合の、抗−CD19抗体の最大許容用量を決定することができる。
(5.6.2 免疫調節剤との組合せ)
本発明の抗−CD19免疫療法は、1以上の免疫調節剤と組み合わせて用いることができる。このアプローチにおいて、キメラ化抗体の使用が好ましく;ヒトまたはヒト化抗−CD19抗体の使用が最も好ましい。組合せ療法についての本発明で用いるように、用語「免疫調節剤」とは、宿主の免疫系を抑制し、マスクし、または増強するように作用する物質をいう。
本発明の抗−CD19免疫療法は、1以上の免疫調節剤と組み合わせて用いることができる。このアプローチにおいて、キメラ化抗体の使用が好ましく;ヒトまたはヒト化抗−CD19抗体の使用が最も好ましい。組合せ療法についての本発明で用いるように、用語「免疫調節剤」とは、宿主の免疫系を抑制し、マスクし、または増強するように作用する物質をいう。
免疫調節剤の例は、限定されるものではないが、サイトカイン、ペプチド、および抗体(例えば、ヒト、ヒト化、キメラ、モノクローナル、ポリクローナル、Fvs、ScFvs、FabまたはF(ab’)2断片またはエピトープ結合断片)のような蛋白質性剤、核酸分子(例えば、アンチセンス核酸分子、iRNAおよび三重ラセン)、小分子、有機化合物、および無機化合物を含む。特に、免疫調節剤は、限定されるものではないが、メトトレキサート、レフルノミド、シクロホスファミド、サイトキサン、イムラン、サイクロスポリンA、ミノサイクリン、アザチオプリン、抗生物質(例えば、FK506(タクロリムス))、メチルフレドニゾロン(MP)、コルチコステロイド、ステロイド、マイコフェノレートモフェチル、ラパマイシンン(シロリムス)、ミゾリビン、デオキシスペルギアリン、ブレキナール、マロニトリロアミンド(例えば、レフルナミド)、T細胞受容体モジュレーター、およびサイトカイン受容体モジュレーターを含む。免疫抑制剤の例は、限定されるものではないが、マイコフェノレートモフェチル(CELLCEPTTM)、D−ペニシラニン(CUPRIMINETM、DEPENTM)、メトトレキサート(RHEUMATREXTM、TREXALLTM)、およびヒドキシクロロキン硫酸(PLAQUENILTM)を含む。
免疫調節剤は、サイトカインの生産を抑制し、自己−抗原発現をダウンレギュレートし、または抑制し、あるいはMHC抗原をマスクする物質を含む。そのような剤の例は2−アミノ−6−アリール−5−置換ピリミジン(米国特許第4,665,077号)、アザチオプリン(またはアザチオプリンに対して有害反応があれば、シクロホスファミド);ブロモクリプチン;(米国特許第4,120,649号)に記載されているように、MHC抗原をマスクする)グルタルアルデヒド;MHC抗原およびMHC断片についての抗−イディオタイプ抗体;サイクロスポリンA;グルココルチコステロイド、例えば、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、およびデキサメタゾンのようなステロイド;抗−インターフェロン−γ、−βまたは−α抗体を含めたサイトカイン、またはサイトカイン受容体アンタゴニスト;抗−腫瘍壊死因子−α抗体;抗−腫瘍壊死因子−β抗体;抗−インターロイキン−2抗体および抗−IL−2受容体抗体;抗−L3T4抗体;異種抗−リンパ球グロブリン;汎−T細胞抗体、好ましくは抗−CD3または抗−CD4/CD4a抗体;LFA−3結合ドメインを含有する可溶性ペプチド(1990年7月26日に公開されたWO 90/08187);ストレプトキナーゼ:TGF−β;ストレプトドルナーゼ;宿主からのRNAまたはDNA;FK 506;RS−61443;デオキシスペルグアリン;ラパマイシン;T細胞受容体(米国特許第5,114,721号);T細胞受容体断片(Offner et al.,Science,251:430−432(1991);WO 90/11294;and WO 91/01133);およびT10B9のようなT細胞受容体抗体(EP 340,109)を含む。
サイトカインの例は、限定されるものではないが、リンホカイン、モノカイン、および伝統的なポリペプチドホルモンを含む。サイトカインの中にはヒト成長ホルモン、N−メチオニルヒト成長ホルモン、およびウシ成長ホルモンのような成長ホルモン;副甲状腺ホルモン;シロキシン;インスリン;プロインスリン;レラキシン;プロレラキシン;卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、および黄体ホルモン(LH)のような糖蛋白質ホルモン;肝臓成長ホルモン;線維芽細胞成長ホルモン;プロラクチン;胎盤ラクトーゲン;腫瘍壊死因子−α;ムレリアン−阻害物質;マウスゴナドトロピン−関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮成長ホルモン;インテグリン;トロンボポエチン(TPO);NGF−αのような神経成長因子;血小板−成長因子;TGF−αおよびTGF−αのようなトランスフォーミング成長因子(TGF);インスリン−様成長因子−Iおよび−II;エリスロポエチン(EPO);骨誘導因子;インターフェロン;マクロファージ−CSF(M−CSF)のようなコロニー刺激因子(CSF);顆粒球−マクロファージ−CgP(GM−CSP);および顆粒球−CSF(G−CSF);IL−1、IL−1a、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5,IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−15のようなインターロイキン(IL);TNF−αまたはTNF−βのような腫瘍壊死因子;およびLIFおよびキットリガンド(KL)を含めた他のペプチド因子が含まれる。本明細書中で用いるように、用語「サイトカイン」は、天然源からの、または組換え細胞培養からの蛋白質、および天然配列サイトカインの生物学的活性同等体を含む。ある実施形態において、該方法はさらに、対象に1以上の免疫変調剤、好ましくはサイトカインを投与することを含む。好ましいサイトカインはインターロイキン−1(IL−1)、IL−2、IL−3、IL−12、IL−15,IL−18、G−CSF、GM−CSF、トロンボポエチンおよびγインターフェロンよりなる群から選択される。
ある実施形態において、免疫変調剤はサイトカイン受容体モジュレーターである。サイトカイン受容体モジュレーターの例は、限定されるものではないが、可溶性サイトカイン受容体(例えば、TNF−α受容体の細胞外ドメイン、またはその断片、IL−1β受容体の細胞外ドメイン、またはその断片、およびIL−6受容体の細胞外ドメイン、またはその断片)、サイトカインまたはその断片(例えば、インターロイキン(IL)−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−15、TNF−α、TNF−β)、インターフェロン(IFN)−α、IFN−β、IFN−γ、およびGM−CSF)、抗−サイトカイン受容体抗体(例えば、抗−IL−2受容体抗体、抗−IL−4受容体、抗−IL−6受容体抗体、抗−IL−10受容体抗体、および抗−IL−12受容体抗体)、抗−サイトカイン抗体(例えば、抗−IFN受容体抗体、および抗−TNF−α抗体、抗−IL−1β抗体、抗−IL−6抗体、および抗−IL−12抗体)を含む。特別な実施形態において、サイトカイン受容体モジュレーターはIL−4、IL−10、またはその断片である。もう1つの実施形態において、サイトカイン受容体モジュレーターは抗−IL−1 β抗体、抗−IL−6抗体、抗−IL−12受容体抗体、およびTNF−α抗体である。もう1つの実施形態において、サイトカイン受容体モジュレーターはTNF−α受容体の細胞外ドメインまたはその断片である。ある実施形態において、サイトカイン受容体モジュレーターはTNF−αアンタゴニストではない。
ある実施形態において、免疫調節剤はT細胞受容体モジュレーターである。T細胞受容体モジュレーターの例は、限定されるものではないが、抗−T細胞受容体抗体(例えば、抗−CD4抗体(例えば、cM−T412(Boeringer)、IDEC−CE9.1(登録商標)(IDECおよびSKB)、mAB 4162W94、オルトクローン(OrthocloneおよびOKTcdr4a(Janssen−Cilag)、抗−CD3抗体、抗−CD5抗体(例えば、抗−CD5リシン−結合免疫コンジュゲート)、抗−CD7抗体(例えば、CHH−380(Novartis))、抗−CD8抗体、抗−CD40リガンドモノクローナル抗体、抗−CD52抗体(例えば、CAMPATHTM(Ilex))、抗−CD2モノクローナル抗体)、およびCTLA4−免疫グロブリンを含む。
ある実施形態において、免疫変調剤はTNF−αアンタゴニストである。TNF−αアンタゴニストの例は、限定されるものではないが、抗生物質(例えば、インフリキシマブ(REMICADETM;Centocor)、D2E7(Abbott Laboratories/Knoll Pharmaceuticals Co.,Mt.Olive,NJ)、HUMIRATMおよびCDP−870(共にCelltech/Pharmacia,Slough,U.K.)としても知られているCDP571およびTN3−19.12(Williams et al.,1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91:2762−2766;Thorbecke et al.,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:7375−7379))、可溶性TNF−α受容体(例えば、sTNF−R1(Amgen)、エタネルセプト(ENBRELTM;Immunex)およびそのラットホモログRENBRELTM、TNFrI、TNFrII(Kohno et al.,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:8331−8335)、およびTNF−α Inh(Seckinger et al.,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:5188−5192)に由来するTNHα由来の可溶性阻害剤)、IL−10、TNFR−IgG(Ashkenazi et al.,1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:10535−10539)、マウス生成物TBP−1(Serono/Yeda)、ワクチンCytoTAb(Protherics)、アンチセンス分子104838(ISIS)、ペプチドRDP−58(SangStat)、サリドマイド(Celgene)、CDC−801(Celgene)、DPC−333(Eupont)、VX−745(Vertex)、AGIX−4207(AtheroGenics)、ITF−2357(Italfarmaco)、NPI−13021−31(Nereus)、SCIO−469(Scios)、TACE targeter(Immunix/AHP)、CLX−120500(Calyx)、Thiazolopyrim(Dynavax)、アウラノフィン(Ridaura)(SmithKline Beecham Pharmaceutials)、キナクリン(メパクリンジクロロ水和物)、フィニダップ(Enablex)、Melanin(Large Scale Biological)、およびUriachによる抗−p38 MAPK剤を含む。
これらの免疫調節剤は本発明の抗−CD19抗体と同時に、または別々の時点で投与され、当該分野で記載されたものと同一またはそれ未満の用量で用いられる。好ましい免疫調節剤は、例えば、処置が予防的であるか否か、またはそれがCVHDまたは移植片拒絶の初期または後期段階を治療するものであるか、またはならびに患者の病歴を含めた多くの因子に依存するが、一般的な総じての優先性が、該剤がサイクロスポリンA、グルココルチコステロイド(最も好ましくは、プレドニゾンまたはメチルプレドニゾロン)、OKT−3モノクローナル抗体、アザチオプリン、ブロモクリプリン、異種抗−リンパ球グロビン、またはその混合物から選択されることである。
(5.6.3 抗−炎症剤および療法との組合せ)
本発明の抗−CD19抗体、組成物および方法は1以上の抗−炎症剤と組み合わせることができる。いずれの抗−炎症剤も当業者によく知られており、本発明の組成物および方法で用いることができる。
本発明の抗−CD19抗体、組成物および方法は1以上の抗−炎症剤と組み合わせることができる。いずれの抗−炎症剤も当業者によく知られており、本発明の組成物および方法で用いることができる。
非−炎症剤の非限定的例は、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)、ステロイド抗炎症薬、ベータ−アゴニスト、抗−コリン作動性剤、およびメチルキサンチンを含む。NSAIDの例は、限定されるものではないが、アスピリン、イブプロフェン、セレコキシブ(CELEBREXTM)、ジクロフェナック(VOLTARENTM)、エドロラック(LODINETM)、フェノプロフェン(NALFONTM)、インドメタシン(INDOCINTM)、ケトララック(TORADOLTM)、オキサプロジン(DAYPROTM)、ナブメントン(RELAFENTM)、スリンダック(CLINORILTM)、トルメンチン(TOLECTINTM)、レフェコキシブ(VIOXXTM)、ナプロキセン(ALEVETM、NAPROSYNTM)、ケトプロフェン(ORUDISTMおよびACTRONTM)、ナブメトン(RELAFENTM)、ジクロフェナック&ミソプロストル(ARTHROTECTM)、イブプロフェン(MOTRINTM、ADVILTM、NUPRINTM)、ケトロラック(TORADOLTM)、バルデコキシブ(BEXTRATM)、メロキシカム(MOBICTM)、フルルビプロフェン(ANSAIDTM)、およびピロキシカム(FELDENETM)を含む。そのようなNSAIDは、シクロオキシゲナーゼ酵素(例えば、COX−1および/またはCOX−2)を阻害することによって機能する。
ステロイド抗炎症薬の例は、限定されるものではないが、グルココルチコイド、デキサメタゾン(DECADRONTM)、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドミゾン(DELTASONETM)、プレドニゾロン、トリアムシノロン、アズルフィジン、ならびにプロスタグランジン、トロンボキサンおよびロイコトリエンのようなエイコサノイドを含む。
病気−修飾抗−リウマチ薬物(DMARD)は、本発明の組成物および方法の抗−CD19抗体と組み合わせて用いることもできる。DMARDは、免疫系を抑制し、炎症を減少させることによって働くが、DMARDは他の薬物との比較をもたらすことを示すのに時間がかかる。DMARDの例は、限定されるものではないが、ヒドロキシクロロキン(PLAQUENILTM)、クロラムブシル(LEUKERANTM)、シクロホスファミド(CYTOXANTM)、レフルノミド(ARAVATM)、メトトレキサートおよびサイクロスポリン(NEORALTM)を含む。
ある実施形態において、本発明の抗−CD19免疫療法は抗−炎症療法と組み合わせることができる。そのような療法の比限定的例は、プロテイン−A免疫吸着療法である。この療法に従うと、患者の血液を濾過して、抗体、および炎症を促進する免疫抗体を除去する。この濾過は当業者によく知られた方法によって達成することができる。
これらの抗−炎症剤および療法は本発明の抗−CD19抗体と同時に、または別々の時間に投与され、本明細書中に記載したのと同一またはより低い用量で使用される。好ましい抗−炎症剤は、処置が予防的であるか否か、またはGVHDまたは移植片拒絶の初期または後期段階を治療すべきか否か、またはならびに患者の病歴を含めた多くの因子に依存するであろう。
(5.6.4 治療抗生物質との組合せ)
本発明の抗−CD19抗体、組成物および方法は、限定されるものではないが、(例えば、米国特許出願公開番号2005/0070693、米国特許第5,484,892号、米国出願シリアル番号10/371,797の米国特許出願公開番号2004/0001828で、米国出願シリアル番号10/372,481の米国特許出願公開番号2003/0202975、および米国仮出願シリアル番号60/420,472に記載されている;その各々の全内容は、CD22抗原および抗−CD22抗体の教示のためにここに引用する)抗−CD19抗体、抗−CD20抗体、抗−CD52抗体、および抗−CD22抗体を含めた1以上の他の抗体と組み合わせて投与することができる。抗体は好ましくはモノクローナル抗体である。1つの実施形態において、本発明の抗−CD19抗体、組成物および方法は、RITUXANTM(C2B8;RITUXIMABTM;IDEC Pharmaceuticals)のような抗−CD20抗体と組み合わせて投与される。本発明の抗体と組み合わせて用いられることができる、または本発明の組成物で用いることができる治療抗体の他の例は、限定されるものではないが、HERCEPTINTM(Trastuzumab;Genentech)、MYLOTARGTM(Gemtuzumab ozogamicin;Wyeth Pharmaceuticals)、CAMPATHTM(Alemtuzumab;Berlex)、ZEVALINTM(Ipritumomab tiuxetan;Biogen Idec)、BEXXARTM(Tositumomab;GlaxoSmithKline Corixa)、ERBITUXTM(Cetuximab;Imclone)、AVASTINTM(Bevacizumab;Genentech)、およびLymphoStatTM(Human Genome Sciences)を含む。
本発明の抗−CD19抗体、組成物および方法は、限定されるものではないが、(例えば、米国特許出願公開番号2005/0070693、米国特許第5,484,892号、米国出願シリアル番号10/371,797の米国特許出願公開番号2004/0001828で、米国出願シリアル番号10/372,481の米国特許出願公開番号2003/0202975、および米国仮出願シリアル番号60/420,472に記載されている;その各々の全内容は、CD22抗原および抗−CD22抗体の教示のためにここに引用する)抗−CD19抗体、抗−CD20抗体、抗−CD52抗体、および抗−CD22抗体を含めた1以上の他の抗体と組み合わせて投与することができる。抗体は好ましくはモノクローナル抗体である。1つの実施形態において、本発明の抗−CD19抗体、組成物および方法は、RITUXANTM(C2B8;RITUXIMABTM;IDEC Pharmaceuticals)のような抗−CD20抗体と組み合わせて投与される。本発明の抗体と組み合わせて用いられることができる、または本発明の組成物で用いることができる治療抗体の他の例は、限定されるものではないが、HERCEPTINTM(Trastuzumab;Genentech)、MYLOTARGTM(Gemtuzumab ozogamicin;Wyeth Pharmaceuticals)、CAMPATHTM(Alemtuzumab;Berlex)、ZEVALINTM(Ipritumomab tiuxetan;Biogen Idec)、BEXXARTM(Tositumomab;GlaxoSmithKline Corixa)、ERBITUXTM(Cetuximab;Imclone)、AVASTINTM(Bevacizumab;Genentech)、およびLymphoStatTM(Human Genome Sciences)を含む。
ある実施形態において、抗−CD19および抗−CD20および/または抗−CD22抗体を、いずれかの適当な比率にて、所望により同一医薬組成物中で投与することができる。説明すると、抗−CD19および抗−CD20抗体の比率は約1000:1、500:1、250:1、100:1、90:1、80:1、70:1、60:1、50:1、40:1、30:1、20:1、19:1、18:1、17:1、16:1、15:1、14:1、13:1、12:1、11:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90、1:100、1:250、1:500、または1:1000以上の比率とすることができる。同様に、抗−CD19および抗−CD22抗体の比率は約1000:1、500:1、250:1、100:1、90:1、80:1、70:1、60:1、50:1、40:1、30:1、20:1、19:1、18:1、17:1、16:1、15:1、14:1、13:1、12:1、11:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90、1:100、1:250、1:500、または1:1000以上の比率であり得る。
(5.6.5 単球またはマクロファージ機能を増強する化合物との組合せ)
本発明の方法のある実施形態において、単球またはマクロファージ機能を増強する化合物(例えば、少なくとも約25%、50、75%、85%、90%、95%以上)を抗−CD19免疫療法と組み合わせて用いることができる。そのような化合物は当該分野で知られており、限定されるものではないが、インターロイキン(例えば、IL−12)、およびインターフェロン(例えば、アルファまたはガンマ感染)のようなサイトカインを含む。
本発明の方法のある実施形態において、単球またはマクロファージ機能を増強する化合物(例えば、少なくとも約25%、50、75%、85%、90%、95%以上)を抗−CD19免疫療法と組み合わせて用いることができる。そのような化合物は当該分野で知られており、限定されるものではないが、インターロイキン(例えば、IL−12)、およびインターフェロン(例えば、アルファまたはガンマ感染)のようなサイトカインを含む。
単球またはマクロファージの機能または増強を増強させる化合物は、抗体、免疫コンジュゲートまたは抗原−結合断片として同一の医薬組成物に処方することができる。別々に投与する場合、抗体−断片および化合物は(相互から数時間以内に)同時に投与することができ、同一の療法のコースの間に投与することができ、あるいは順次に投与することができ、すなわち、患者はまず抗体/断片処置のコース、次いで、マクロファージ/単球機能増強させ、またその逆である化合物のコースを受ける)。そのような実施形態において、単球またはマクロファージの機能を増強させる化合物は、本発明の他の治療養生法および/または組成物での処置に先立って、それと同時に、またはその後にヒト対照に投与される。1つの実施形態においてヒト対象は、ヒトについての正常な範囲内にある血液白血球、単球、好中球、リンパ球および/または好塩基球カウントを有する。ヒト血液白血球(合計)についての正常な範囲は約3.5ないし約10.5(109/L)である。ヒト血液好中球についての正常な範囲は約1.7ないし約7.0(109/L)であり、単球についての正常な範囲は約0.3ないし約0.9(109/L)であり、リンパ球についての正常な範囲は約0.9ないし約2.9(109/L)であり、好塩基球の正常な範囲は約0ないし約0.3(109/L)であって、好酸球の正常な範囲は約0.05ないし約0.5(109/L)である。他の実施形態において、ヒト対象は、ヒトについての正常な範囲未満である血液白血球カウント、例えば、少なくとも約0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、または0.8(109/L)白血球を有する。
本発明のこの実施形態は本発明の抗体、免疫コンジュゲートまたは抗体断片にて、または当該分野で公知の他の抗体にて実施することができ、抗−CD19、抗−CD20および/または抗−CD22抗体療法に対して耐性である対象(例えば、C2B8のような現存の抗体での療法)、化学療法で現在治療されている、あるいは従前に治療されたことがある対象B細胞障害において再発したことがある対象、免疫寛容である対象、またはそうでなければマクロファージまたは単球機能が損なわれた対象で特に適している。療法に対して耐性である、あるいは自己免疫疾患または障害が再発した患者の罹患率は、少なくとも部分的には、マクロファージまたは単球の機能の損傷に帰すことができる。かくして、本発明は、抗−CD19抗体および抗原−結合断片を投与する方法と組み合わせて用いるべき、ADCCおよび/またはマクロファージおよび/または単球機能を増強させる方法を提供する。
(5.6.6 化学治療剤との組合せ)
(裸の抗体、免疫コンジュゲート、または融合蛋白質を用いる)抗−CD19免疫療法は、限定されるものではないが、化学療法、放射線免疫療法(RIT)、化学療法および外部ビーム放射線(組み合わせた様式の療法、CMT)、または組み合わせた様式の放射線免疫療法(CMRIT)単独、またはその組合せ等を含めた他の療法と組み合わせて用いることができる。ある好ましい実施形態において、本発明の抗−CD19抗体療法は、CHOP(シクロホスファミド−ヒドロキシドキソルビシン−オンコビン(ビンクリスチン)−プレドニゾロン)と組み合わせて投与することができる。本明細書中で用いるように、用語「と組み合わせて投与される」とは、抗−CD19免疫療法が使用される他の療法前に、間に、または引き続いて投与することができることを意味する。
(裸の抗体、免疫コンジュゲート、または融合蛋白質を用いる)抗−CD19免疫療法は、限定されるものではないが、化学療法、放射線免疫療法(RIT)、化学療法および外部ビーム放射線(組み合わせた様式の療法、CMT)、または組み合わせた様式の放射線免疫療法(CMRIT)単独、またはその組合せ等を含めた他の療法と組み合わせて用いることができる。ある好ましい実施形態において、本発明の抗−CD19抗体療法は、CHOP(シクロホスファミド−ヒドロキシドキソルビシン−オンコビン(ビンクリスチン)−プレドニゾロン)と組み合わせて投与することができる。本明細書中で用いるように、用語「と組み合わせて投与される」とは、抗−CD19免疫療法が使用される他の療法前に、間に、または引き続いて投与することができることを意味する。
ある実施形態において、抗−CD19免疫療法は、細胞傷害性放射性核種または放射線治療同位体と組み合わせられる。例えば、225AC、224AC、211At、212Bi、213Bi、212Pb、224Ra、または223Raのようなアルファ線放射同位体。別法として、細胞傷害性放射性核種は186Re、188Re、90Y、131I、67Cu、177Lu、153Sm、166Ho、または64Cuのようなベータ線放射同位体であり得る。さらに、細胞傷害性放射性核種はオージェ電子および低エネルギー電子を放射でき、同位体125I、123Iまたは77Brを含む。他の実施形態において、同位体は198Au、32P等であり得る。ある実施形態において、対象に投与される放射性核種の量は約0.001mCi/kgおよび約10mCi/kgの間である。
いくつかの好ましい実施形態において、対象に投与される放射性核種の量は約0.1mCi/kgおよび約1.0mCi/kgの間である。他の好ましい実施形態において、対象に投与される放射性核種の量は約0.005mCi/kgおよび0.1mCi/kgの間である。
ある実施形態において、抗−CD19免疫療法は化学的トキシンまたは化学治療剤と組み合わせられる。好ましくは、化学トキシンまたは化学療法剤はカリケアミシンおよびエスペラミジンのようなエネジイン;ドゥオカルマイシン、メトトレキサート、ドキソルビシン、メルファラン、クロラムブシル、ARA−C、ビンデシン、マイトマイシンC、シス−白金、エトポシド、ブレオマイシンおよび5−フルオロウラシルよりなる群から選択される。
抗−CD19免疫療法との組合せ療法で用いることができる適当な化学トキシンまたは化学療法剤は、カリケアミシンおよびエスペラミシンのような分子のエネジインファミリーのメンバーを含む。化学トキシンはドゥオカルマイシン(例えば、米国特許第5,703,080号および米国特許第4,923,990号)、メトトレキサート、ドキソルビシン、メルファラン、クロラムブシル、ARA−C、ビンデシン、マイトマイシンC、シス−白金、エトポシド、ブレオマイシンおよび5−フルオロウラシルよりなる群から取ることもできる。化学療法剤の例はアドリアマイシン、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル、シトシンアラビノシド(Ara−C)、シクロホスファミド、チオテパ、タキソテール(ドセタキセル)、ブスルファン、サイトキシン、タキソール、メトトレキサート、シスプラチン、メルファラン、ビンブラスチン、ブレオマイシン、エトポシド、イホスファミド、マイトマイシンc、マイトキサントロン、ビンクレイスチン、ビノレルビン、カルボプラチン、テニポシド、ダウノマイシン、カルミノマイシン、アミノプテリン、ダクチノマイシン、マイトマイシン、エスペラミシン(米国特許第4,675,187号)、メルファランおよび他の関連ナイトロジェンマスタードも含む。
他の実施形態において、例えば、「CVB」(1.5g/m2シクロホスファミド、200ないし400mg/m2エトポシド、および150ないし200mg/m2カルムスチン)を本発明の組合せ療法で用いることができる。他の適当な組合せ化学治療養生法は当業者によく知られている。例えば、Freedman et al.,“Non−Hodgkin’s Lymphomas,”in Cancer Medicine,Volume2,3rd Edition,Holland et al.(eds.),pp.2028−2068(Lea & Febiger 1993)参照。他の適当な組合せ化学療法養生法はC−MOPP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、プロカルバジンおよびプレドニゾン)、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)、m−BACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾンおよびロイコボリン)、およびMACOP−B(メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、ブレオマイシンおよびロイコボリン)を含む。さらなる有用な薬物は酪酸フェニルおよびブロスタチン−1を含む。好ましい多様式療法において、化学治療薬物およびサイトカイン双方は本発明に従って抗体、免疫コンジュゲートまたは融合蛋白質と共投与される。該サイトカイン、化学治療薬物および抗体、免疫コンジュゲートまたは融合蛋白質はいずれかの順序で、または一緒に投与することができる。
本発明の組成物および方法で用いるのに好ましい他のトキシンは毒性レシチン、リシンのような植物トキシン、アブリン、モデクシン、ボツリナおよびジフテリアトキシンを含む。もちろん、種々のトキシンの組合せを1つの抗体分子にカップリングさせ、それにより、可変細胞傷害を収容することもできる。本発明の組合せ療法で適切に使用されるトキシンの例は、リシン、アブリン、リボヌクレアーゼ、DNase I、ブドウ球菌エンテロトキシン−A、アメリカヤマゴボウ抗−ウイルス蛋白質、ゲロニン、ジフテリアトキシン、Pseudomonasエキソトキシン、およびPseudomonasエンドトキシンである。例えば、Pastan et al.,Cell,47:641(1986),and Goldenberg et al.,Cancer Journal for Clinicians,44:43(1994)参照。用いることができる酵素的に活性なトキシンおよびその断片はジフテリアA鎖、ジフテリアトキシンの非−結合活性断片、(Pseudomonas aeruginosaからの)エキソトキシンA鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシンA鎖、アルファ−サルシン、Aleurites fordii蛋白質、ジアンチン蛋白質、Phytolaca americana蛋白質(PAPI、PAPII、およびPAP−S)、momordica charantia阻害剤、クリシン、クロチン、sapaonaria officinalis阻害剤、ゲロニン、マイトゲリン、レストリクトシン、フェモマイシン、エノマイシンおよびトリコテセンを含む。例えば、1993年10月28日に公開されたWO 93/21232参照。
適当なトキシンおよび化学治療剤はRemington’s Pharmaceutial Sciences,19th Ed.(Mack Publishing Co.1995)、およびGoodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,7th Ed.(MacMillan Publishing Co.1985)に記載されている。他の適当なトキシンおよび/または化学治療剤は当業者に知られている。
本発明の抗−CD19免疫療法は、プロドラッグ(例えば、ペプチジル化学治療剤、WO 81/01145参照)を活性な抗癌薬物に変換するプロドラッグ−活性化酵素と組み合わせることもできる。例えば、WO 88/07378および米国特許第4,975,278号参照。そのような組合せの酵素成分は、プロドラッグに作用して、それにより、活性な細胞傷害性形態に変換できるいずれの酵素も含む。本出願で用いる用語「プロドラッグ」とは、親薬物と比較して腫瘍細胞に対してあまり細胞傷害性でなく、かつ酵素的に活性化され、あるいはより活性な親形態に変換できる医薬上活性な物質の前駆体または誘導体形態をいう。例えば、Wilman,“Prodrugs in Cancer Chemotherapy“Biochemical Society Transactions,14,pp.375−382,615th Meeting Belfast(1986)and Stella et al.“Prodrugs:A Chemical Approach to Targeted Drug Delivery,”Directed Drug Delivery,Borchardt et al.(ed.),pp.247−267,Humana Press(1985)参照。本発明の抗−CD19抗体と組み合わせて用いることができるプロドラッグは、限定されるものではないが、ホスフェート−含有プロドラッグ、チオホスフェート−含有プロドラッグ、スルフェート−含有プロドラッグ、ペプチド−含有プロドラッグ、D−アミノ酸−修飾プロドラッグ、グリコシル化プロドラッグ、α−ラクタム−含有プロドラッグ、所望により置換されていてもよいフェノキシアセタミド−含有プロドラッグ、または所望により置換されていてもよいフェニルアセタミド−含有プロドラッグ、5−フルオロシトシン、およびより活性な細胞傷害性遊離薬物に変換することができる他の5−フルオロウリジンプロドラッグを含む。本発明で用いられるプロドラッグ形態に誘導体化することができる細胞傷害性薬物の例は、限定されるものではないが、前記した化学治療剤を含む。
ある実施形態において、本発明の組成物および方法の投与は、毒性療法の遅延を可能とすることができ、不必要な副作用および化学療法に伴う合併症の危険性を回避するのを助けることができ、および化学療法に対する耐性の発達を遅延させることができる。ある実施形態において、毒性療法および/または毒性療法に対する耐性は、本発明の組成物および方法を投与される患者において遅延され、約6ヶ月、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10年まで遅延される。
(5.6.7 他の治療剤との組合せ)
ある実施形態において、本発明の抗−CD19抗体および細胞傷害性剤を含む融合蛋白質は、例えば、組換え技術またはペプチド合成によって作製することができる。
ある実施形態において、本発明の抗−CD19抗体および細胞傷害性剤を含む融合蛋白質は、例えば、組換え技術またはペプチド合成によって作製することができる。
尚もう1つの実施形態において、本発明の抗−CD19抗体は、腫瘍プレ標的化で利用するための(ストレプトアビジンのような)「受容体」にコンジュゲートさせることができ、ここに、アンタゴニスト−受容体コンジュゲートは患者に投与され、続いて、除去剤を用いて循環から未結合コンジュゲートが除去され、次いで、治療剤(例えば、放射性ヌクレオチド)にコンジュゲートされた「リガンド」(例えば、ビオチン)が投与される。
ある実施形態において、治療養生法は、本発明の抗−CD19抗体組成物の細胞傷害性効果を緩和する化合物を含む。そのような化合物は鎮痛剤(例えば、アセトアミノフェン)、ビスホスホネート、抗ヒスタミン(例えば、クロルフェニラミンマレイン酸)、およびステロイド(例えば、デキサメタゾン、レチノイド、デルトイロ、ベタメタゾン、コルチゾル、コルチゾン、プレドニゾン、デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、ミネラロコルチコイド、エストロゲン、テストステロン、プロゲスチン)を含む。
ある実施形態において、本発明の抗−CD19免疫療法と組み合わせて用いる治療剤は小分子(すなわち、約2500ダルトン未満の分子量を有する無機または有機化合物)である。例えば、小分子のライブラリーはSpecs and BioSpecs B.V.(Rijswijk,The Netherlands)、Chembridge Corporation(San Diego,CA)、Comgenex USA Inc.(Princeton,NJ)、およびMaybridge Chemicals Ltd.(Cornwall PL34 OHW,United Kingdom)から商業的に入手することができる。
ある実施形態において、抗−CD19免疫療法は抗菌剤と組み合わせて投与することができる。抗菌剤の非限定的例は、細菌感染を阻害しおよび/または低下させ、細菌の複製を阻害しおよび/または低下させ、または他の細胞または対象への細菌の拡大を阻害および/または低下させる蛋白質、ポリペプチド、ペプチド、融合蛋白質、抗体、核酸分子、有機分子、無機分子、および小分子を含む。抗菌剤の具体的例は、限定されるものではないが、ペニシリン、セファロスポリン、イミペナム、アクストレオナム、バンコマイシン、シクロセリン、バシトラシン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、クリンダマイシン、テトラサイクリン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、アミカシン、カナマイシン、ネオマイシン、スペクチノマイシン、トリメトプリム、ノルフロキサシン、リファンピン、ポリミキシン、アンフォテリシンB、ミスタチン、テトコナゾール、イソニアジド、メトロニダゾール、およびペンタミジンのような抗生物質を含む。
ある実施形態において、本発明の抗−CD19免疫療法は、抗−真菌剤と組み合わせて投与することができる。抗−真菌剤の具体的な例は、限定されるものではないが、アゾール薬物(例えば、ミコナゾール、ケトコナゾール(NIZORAL(登録商用))、カスポフンギン酢酸(CANDIDAS(登録商標))、イミダゾール、トリアゾール(例えば、降るコナゾール(DIFLUCAN(登録商標)))、およびイトラコナゾール(SPORANOX(登録商標)))、トリエン(例えば、ミスタチン、アンフォテリシンB(FUNGIZONE(登録商標))、アンフォテリシンB脂質複合体(「ABLC」)(ABELCET(登録商標))、アンフォテリシンBコロイド分散液(「ABCD」)(AMPHOTEC(登録商標))、リポソームアンフォテリシンB(AMBISONE(登録商標)))、ヨウ化カリウム(KI)、ピリミジン(例えば、フルシトシン((ANCOBON(登録商標)))、およびボリコナゾール(VFEND(登録商標))を含む。抗菌剤および抗−真菌剤の投与は、本発明の方法で起こりかねない感染症の効果またはエスカレーションを緩和させることができ、ここに、患者B細胞は有意に枯渇される。
本発明のある実施形態において、本発明の抗−CD19免疫療法は、前記した剤の1以上と組み合わせて投与されて、本発明の組成物の投与に伴いかねない毒性副作用を緩和させることができる。他の実施形態において、本発明の抗−CD19免疫療法は、抗体投与、化学療法、トキシンまたは薬物の副作用を緩和させるのに用いられる当該分野で良く知られた1以上の剤と組み合わせて投与することができる。
本発明のある実施形態において、本発明の組成物は、限定されるものではないが、ニフェジピン(PROCARDIA(登録商標)、ADALAT(糖力商標))、アムロドピン(NORVASC(登録商標))、イスラジピン(DYNACIRC(登録商標))、ジルチアゼム(CARDIZEM(登録商標)、DILACOR XR(登録商標))、ニカルジピン(CARDENE(登録商標))、ニソルジピン(SULAR(登録商標))、およびフェロジピン(PLENDIL(登録商標))のようなカルシウムチャネルブロッカーと組み合わせて、またはそれでの治療養生法において投与することができる。
本発明のある実施形態において、本発明の組成物は、限定されるものではないが、ロサルタン(COZAAR(登録商標))およびバルサルタン(DIOVAN(登録商標))のようなアンジオテンシンII受容体アンタゴニストと組み合わせて、またはそれでの治療養生法で投与することができる。
本発明のある実施形態において、本発明の組成物は、プラゾシン(MINIPRESS(登録商標))、ドキサゾシン(CARDURA(登録商標))、およびペントキシフィリン(TRENTAL(登録商標))と組み合わせて、またはそれでの治療養生法において投与することができる。
本発明のある実施形態において、本発明の組成物は、高−用量化学療法(メルファラン、メルファラン/プレドニゾン(MP)、ビンクリスチン/ドキソルビシン/デキサメタゾン(VAD)、リポソームドキソルビシン/ビンクリスチン、デキサメダゾン(DVd)、シクロホスファミド、エトポシド/デキサメタゾン/シタラビン、シスプラチン(EDAP))、幹細胞移植体(例えば、オートロガス幹細胞移植または同種異系幹細胞移植、および/またはミニ−同種異系(非−骨髄破壊的)幹細胞移植)、放射線療法、ステロイド(例えば、コルチコステロイド、デキサメタゾン、サリドマイド/デキサメタゾン、プレドニゾン、メルファラン/プレドニゾン)、支持的療法(例えば、ビスホスホネート、成長因子、抗生物質、静脈内免疫グロブリン、低−用量放射線療法、および/または整形外科介入)、THALOMIDTM(サリドマイド、Celgene)、および/またはVELCADETM(ボルテゾミブ、Millennium)と組み合わせて、またはそれでの治療養生法で投与することができる。
本発明の抗−CD19免疫療法をもう1つの抗生物質または複数抗生物質および/または剤と組み合わせて投与する本発明の実施形態において、さらなる抗生物質または複数抗生物質および/または剤は本発明の抗体の投与に対していずれの配列で投与することもできる。例えば、さらなる抗体または複数抗体は、本発明の抗−CD19抗体または免疫コンジュゲートのヒト対象への投与の前に、それと同時に、および/または引き続いて投与することができる。さらなる抗体または複数抗体は、本発明の抗体と同一医薬組成物にて存在させることができ、および/または異なる医薬組成物にて存在させることができる。本発明の抗体の投与の用量および態様、およびさらなる抗体または複数抗体の用量は、本出願で供される、または当該分野で良く知られた投与の投与量および態様の教示のいずれかに従って、同一または異なるものとすることができる。
(5.7 免疫再構成をモニターするにおける抗−CD19抗体の使用)
本発明は、ヒトCD19抗原に免疫特異的に結合する、抗−CD19抗体、およびその組成物も含み、ここに、抗−CD19抗体は診断または検出可能剤にコンジュゲートされる。好ましい実施形態において、抗体はヒトまたはヒト化抗−CD19抗体である。そのような抗−CD19抗体は、免疫抑制療法または骨髄移植に続いて免疫系再構成をモニタリングするのに有用であり得る。そのようなモニタリングは、限定されるものではないが、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリ性フォスファターゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリネステラーゼのような種々の酵素;限定されるものではないが、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンのような補欠分子族;限定されるものではないが、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシルまたはフィコエリスリンのような蛍光物質;限定されるものではないが、ルミノールのようなルミネセント物質;限定されるものではないが、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびアクオリンのようなバイオルミネセント物質;限定されるものではないが、ヨウ素(131I、125I、123I、121I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(115In、113In、112In、111In)、およびテクネチウム(99Tc)、タリウム(201Ti)、ガリウム(68Ga、67Ga)、パラジウム(103Pd)、モリブデン(99Mo)、キセノン(133Xe)、フッ素(18F)、153Sm、177Lu、159Gd、149Pm、140La、175Yb、166Ho、90Y、47Sc、186Re、188Re、142Pr、105Rh、97Ru、68Ge、57Co、65Zn、86Sr、32P、153Gd、169Yb、51Cr、54Mn、75Se、113Sn、および117Tinのような放射性物質;種々の陽電子射出断層撮影法、非放射性常磁性金属イオン、および放射性標識され、または特異的放射性同位体にコンジュゲートされる分子を用いる陽電子放射金属を含めた検出可能な物質に、ヒトCD19抗原に免疫特異的に結合する抗−CD19抗体をカップリングさせることによって達成することができる。容易に測定することができるいずれの検出可能な標識も抗−CD19抗体にコンジュゲートさせることができ、自己免疫疾患または障害を診断するのに用いることができる。検出可能な物質は、当該分野で公知の技術を用い、直接的に、あるいは(例えば、当該分野で公知のリンカーのような)中間体を介して間接的に抗体にカップリングまたはコンジュゲートさせることができる。例えば、本発明に従って診断剤として用いるための抗体にコンジュゲートすることができる金属イオンについては、米国特許第4、741、900号参照。ある実施形態において、本発明は、診断または検出可能剤にコンジュゲートされた抗−CD19抗体を含む診断キットを提供する。
本発明は、ヒトCD19抗原に免疫特異的に結合する、抗−CD19抗体、およびその組成物も含み、ここに、抗−CD19抗体は診断または検出可能剤にコンジュゲートされる。好ましい実施形態において、抗体はヒトまたはヒト化抗−CD19抗体である。そのような抗−CD19抗体は、免疫抑制療法または骨髄移植に続いて免疫系再構成をモニタリングするのに有用であり得る。そのようなモニタリングは、限定されるものではないが、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリ性フォスファターゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリネステラーゼのような種々の酵素;限定されるものではないが、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンのような補欠分子族;限定されるものではないが、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシルまたはフィコエリスリンのような蛍光物質;限定されるものではないが、ルミノールのようなルミネセント物質;限定されるものではないが、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびアクオリンのようなバイオルミネセント物質;限定されるものではないが、ヨウ素(131I、125I、123I、121I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(115In、113In、112In、111In)、およびテクネチウム(99Tc)、タリウム(201Ti)、ガリウム(68Ga、67Ga)、パラジウム(103Pd)、モリブデン(99Mo)、キセノン(133Xe)、フッ素(18F)、153Sm、177Lu、159Gd、149Pm、140La、175Yb、166Ho、90Y、47Sc、186Re、188Re、142Pr、105Rh、97Ru、68Ge、57Co、65Zn、86Sr、32P、153Gd、169Yb、51Cr、54Mn、75Se、113Sn、および117Tinのような放射性物質;種々の陽電子射出断層撮影法、非放射性常磁性金属イオン、および放射性標識され、または特異的放射性同位体にコンジュゲートされる分子を用いる陽電子放射金属を含めた検出可能な物質に、ヒトCD19抗原に免疫特異的に結合する抗−CD19抗体をカップリングさせることによって達成することができる。容易に測定することができるいずれの検出可能な標識も抗−CD19抗体にコンジュゲートさせることができ、自己免疫疾患または障害を診断するのに用いることができる。検出可能な物質は、当該分野で公知の技術を用い、直接的に、あるいは(例えば、当該分野で公知のリンカーのような)中間体を介して間接的に抗体にカップリングまたはコンジュゲートさせることができる。例えば、本発明に従って診断剤として用いるための抗体にコンジュゲートすることができる金属イオンについては、米国特許第4、741、900号参照。ある実施形態において、本発明は、診断または検出可能剤にコンジュゲートされた抗−CD19抗体を含む診断キットを提供する。
(5.8 キット)
本発明は、GVHD、液性拒絶、または移植後リンパ系増殖障害の予防、治療、管理または軽減のための本発明の組成物が満たされた1以上の容器を含む医薬パックまたはキットを提供する。
本発明は、GVHD、液性拒絶、または移植後リンパ系増殖障害の予防、治療、管理または軽減のための本発明の組成物が満たされた1以上の容器を含む医薬パックまたはキットを提供する。
本発明は、前記方法で、用いることができるキットを提供する。1つの実施形態において、キットは1以上の容器中に本発明の組成物を含む。もう1つの実施形態において、キットは1以上の容器中に本発明の組成物を含み、および1以上の他の容器中に、GVHD、移植片拒絶、または移植後リンパ系増殖障害の予防、管理または治療で有用な1以上の予防または治療剤を含む。好ましくは、該キットは、さらに、GVHD、移植片拒絶、または移植後リンパ系増殖障害を予防し、治療し、管理し、または軽減するための指示書、ならびに投与の方法のための副作用および用量の情報を含む。そのような容器と所望により一緒にできるのは、医薬または生物学的製品の製造、使用または販売に関連する政府当局によって処方される様式の通知であり、この通知は、ヒト投与についての製造、使用または販売の当局による認可を反映する。
(6 実施例)
以下の実施例において、ヒトCD19指向性免疫療法を評価するためにトランスジェニックマウスモデルを用いた。これらのデータは、CD19抗原に結合し、ADCCを媒介する抗体は、FcγR(好ましくは、FcγRIII、またはFcγRIV)を発現し、ADCCを運ぶエフェクター細胞を有する対象において、インビボでB細胞枯渇を誘導するのに効果的である。そのような抗体を用いて、インビボにてB細胞の持続性枯渇を誘導することができ、ある実施形態においては、循環、脾臓、およびリンパ節から実質的に全てのB細胞を排除することができる。驚くべきことに、比較的低密度のCD19抗原を発現する骨髄B細胞およびそれらの前駆体は同様に枯渇される。B細胞枯渇の有効性は、ヒトCD19のいずれの領域に抗−CD19抗体が結合するかに依存しないが、(患者試料中の)CD19密度によって影響される。B細胞クリアランスの効率は、ADCCを媒介する抗−CD19抗体の能力に相関することができる。抗−CD19抗体を用いるB細胞クリアランスの効率は、宿主エフェクターFcγR発現/機能に相関することもできる。
以下の実施例において、ヒトCD19指向性免疫療法を評価するためにトランスジェニックマウスモデルを用いた。これらのデータは、CD19抗原に結合し、ADCCを媒介する抗体は、FcγR(好ましくは、FcγRIII、またはFcγRIV)を発現し、ADCCを運ぶエフェクター細胞を有する対象において、インビボでB細胞枯渇を誘導するのに効果的である。そのような抗体を用いて、インビボにてB細胞の持続性枯渇を誘導することができ、ある実施形態においては、循環、脾臓、およびリンパ節から実質的に全てのB細胞を排除することができる。驚くべきことに、比較的低密度のCD19抗原を発現する骨髄B細胞およびそれらの前駆体は同様に枯渇される。B細胞枯渇の有効性は、ヒトCD19のいずれの領域に抗−CD19抗体が結合するかに依存しないが、(患者試料中の)CD19密度によって影響される。B細胞クリアランスの効率は、ADCCを媒介する抗−CD19抗体の能力に相関することができる。抗−CD19抗体を用いるB細胞クリアランスの効率は、宿主エフェクターFcγR発現/機能に相関することもできる。
(6.1 材料および方法)
本明細書中に記載されたマウスHB12aおよびHB12b抗−CD19抗体は、ヒトCD19に結合する抗体の例である。そのような抗体を用いて、セクション5.1にて前記した技術を用いてヒト、ヒト化、またはキメラ抗−CD19抗体を作製することができる。HB12aおよびHB12b抗体としてのヒトCD19またはその部分に対して同一特異性を有するヒト、ヒト化、またはキメラ抗−CD19抗体が、本発明の組成物および方法で用いるのに考えられる。特に、HB12aまたはHB12bとしての、同一または同様な重鎖CDR1、CDR2、および/またはCDR3領域を有するヒト、ヒト化、またはキメラ抗−CD19抗体が、本発明の組成物および方法で用いるのに考えられる。
本明細書中に記載されたマウスHB12aおよびHB12b抗−CD19抗体は、ヒトCD19に結合する抗体の例である。そのような抗体を用いて、セクション5.1にて前記した技術を用いてヒト、ヒト化、またはキメラ抗−CD19抗体を作製することができる。HB12aおよびHB12b抗体としてのヒトCD19またはその部分に対して同一特異性を有するヒト、ヒト化、またはキメラ抗−CD19抗体が、本発明の組成物および方法で用いるのに考えられる。特に、HB12aまたはHB12bとしての、同一または同様な重鎖CDR1、CDR2、および/またはCDR3領域を有するヒト、ヒト化、またはキメラ抗−CD19抗体が、本発明の組成物および方法で用いるのに考えられる。
抗体の創製および配列分析。HB12aおよびHB12b抗体を、ヒトCD19をコードするcDNAでトランスフェクトされたマウスプレ−B細胞系で免疫化されたBalb/cマウスで創製した(Zhou et al.,Mol.Cell Biol.,14:3884−94(1994))。双方の抗体は、1993年11月3日ないし7日にボストンで開催されたthe Fifth International Workshop and Conference on Human Leukocyte Differntiation Antigensに提出した。
重鎖遺伝子の利用は、RNEASY(登録商標) Mini Kit(QIAGEN(登録商標),Valencia,CA)を用いて1ないし5×106ハイブリドーマ細胞から抽出されたRNAを用いて決定した。第一ストランドcDNAは、INVITROGEN(登録商標)(Carlsbad,CA)からの200ユニットのSUPERSCRIPT III登録商標)逆転写酵素および第一ストランドcDNA合成緩衝液、PROMEGA(登録商標)(Madison,WI)からの20ngのランダムヘキサマープライマーおよび20ユニットのRNAse阻害剤、およびDenville(Metuchen,NJ)からの80ナノモルのdNTPを用いて、2μgの全RNAからの20μLの容量で合成した。重鎖(VH)遺伝子のPCR増幅用の鋳型として、1μLのcDNA溶液を用いた。PCR反応は、10mM トリス−HCl(pH8.3)、5mM NH4Cl、50mM KCl、1.5mM MgCl2、800μM dNTP(Denville)、400ピコモルの各プライマー、および10%pfuプルーフリーディングポリメラーゼ(Stratagene,LaJolla,CA)を含む2.5UのTaq DNAポリメラーゼ(Invitrogen)から構成される50μL容量の反応混合物中で行った。VLについては、PCR反応は、20mM トリス−HCl(pH8.4)、50mM KCl、1.5mM MgCl2、800μM dNTP(Denville)、400ピコモルの各プライマー、および10%pfuプルーフリーディングポリメラーゼ(Stratagene)でスパイクされた2.5UのTaq DNAポリメラーゼ(Invitrogen)から構成される50μL容量の反応混合物中で行った。3分間の変性工程の後、増幅を32サイクル(1分間の94℃、1分間の58℃、1分間の72℃)、続いての72℃における10分の延長(Thermocycler,Perkin Elmer)にて行った。重鎖cDNAは、従前に記載されている(Kantor et al.,J.Immunol.,158:1175−1186(1997))無差別センス5’VHプライマー(MsVHE;5’GGG AAT TCG AGG TGC AGC TGC AGG AGT CTG G3’)(配列番号:19)、およびCγコーディング領域に対して相補的なアンチセンスプライマー(プライマーCγ1;5’GAG TTC CAG GTC ACT GTC ACT GGC TCA GGG A3’)(配列番号:20)を用いて増幅した。
軽鎖遺伝子利用は、重鎖について記載したように抽出された細胞質RNAを用いて決定した。5’可変領域ヌクレオチド配列は、GeneRacerTM キット(Invitrogen)を用いて作製されたcDNAから得た。全RNAを子ウシ腸フォスファターゼで脱リン酸化した。5’キャップ構造は、タバコ酸ピロフォスファターゼで無傷全長mRNAから除去した。nRNAをcDNAに転写した後、GeneRacerPCRプライマーのための既知の5’プライミング部位を供する4 RNAリラーゼを用い、GeneRacer RNAオリゴをnRNAの5’末端に連結させた。連結したnRNAを、SuperscriptTM IIIRTおよびGeneRacerランダムプライマーで逆転写した。第一のストランドcDNAを、(GeneRacer RNAオリゴに相同な)GeneRacer 5’プライマー、および定常領域特異的アンチセンス3’プライマー(GAC TGA GGC ACC TCC AGA TGT TAA CTG)(配列番号:21)を用いて増幅させた。10%pfuプルーフリーディングポリメラーゼ(Stratagene)を加えた2.5UのTaqDNAポリメラーゼ(Invitrogen)を用い、Invitrogenによって推奨されるように、緩衝液を含む50μLの容量中でタッチダウンPCR増幅を行った。2分間の変性工程の後にTaqおよびpfuを加え、増幅を3工程:30秒間の94℃、60秒間の72℃の5サイクル;30秒間の94℃、60秒間の72℃の5サイクル;30秒間の94℃、30秒間の65℃、60秒間の72℃、続いての72℃における10分間の延長の20サイクルで行った。2.5UのTaqを加え、延長をさらに10分間進行させて、無傷3’A−突出を確実とした。増幅されたPCR産物を配列決定のためのpCR4−TOPOベクターにクローン化し、OneShot(登録商標)TOP10コンピテント細胞に形質転換した。8クローンからのDNAインサートを、重鎖について記載したように、pCR4−TOPOベクター特異的「M13順方向」および「M13逆方向」プライマーを用いて各mAb軽鎖について配列決定した。
精製された重鎖および軽鎖PCR産物を、軽鎖について記載したようにAmpliTaq(登録商標)DNAポリメラーゼ、および初期PCR増幅で用いる同一プライマーまたはpCR4−TOPOでベクター特異的プライマーでのPerkin Elmer Dye Terminator Sequencing系を用いる増幅の後にABI 377 PRISM(登録商標)DNAシーケンサーを用いて両方向にて直接的に配列決定した。HB12aおよびHB12b重鎖および軽鎖領域を、センスおよびアンチセンスDNA双方のストランドで完全に配列決定した。
抗体および免疫蛍光分析。本明細書中で用いるヒトCD19抗原に結合するモノクローナルマウス抗−CD19抗体は、HB12a(IgG1)およびHB12b(IgG1)、FMC63(IgG2a、Chemicon Internatioal,Temecula,CA)、B4(IgG1,Beckman Coulter,Miami,FL)(Nadler et al.,J.Immunol.,1331:244−250(1983))、およびHD237(IgG2b,Fourth International Workshop on Human Leukocyte Differentiation Antigens,Vienna,Austria,1989)、HD37抗体のイソタイプスイッチ変種(Pezzutto et al.,J.Immunol.,138:2793−2799(1987))を含んだ。他の抗体は:マウスCD19、MB19−1(IgA)(Sato et al.,J.Immunol.,157:4371−4378(1996))に結合するモノクローナルマウス抗−CD19抗体;モノクローナルマウスCD20特異的抗体(Uchida et al.,Intl.Immunol.,16:119−129(2004));B220抗体RA3−6B2(DNAX Corp.,Palo Alto,CA);Thy1.2抗体(CALTAGTM Laboratories,Burlingame,CA);およびCD5、CD43およびCD25抗体(BD PHARMINGENTM,Franklin Lakes,NJ)を含むものであった。イソタイプ−特異的および抗−マウスIgまたはIgM抗体はSouthern Biotechnology Associates,Inc.(Birmingham,AL)からのものであった。
hCD19 cDNA(Tedder and Isaacs,J.Immunol.,143:712−717(1989))でトランスフェクトされたマウスプレ−B細胞系、300.19(Alt et al.,Cell,27:381−388(1981))、または単一−細胞白血球懸濁液を、確立された手法に従って、各抗体の所定の最適濃度を用いて氷上で染色した(Zhou et al.,Mol.Cell.Biol.,14:3884−3894(1994))。リンパ球の前方および側方光散乱特性を持つ細胞は、FACSCAN(登録商標)またはFACSCALIBUR(登録商標)フローサイトメーター(Becton Dickinson,San Jose,CA)で分析した。バックグラウンド染色は、ゲートを細胞の≧98%を排除するように位置させて、非反応性対照抗体(CALTAGTM Laboratories,Burlingame,CA)を用いて決定した。調べた各試料については、単核細胞の前方および側方光散乱特性を持つ1万細胞を、4−10logスケールで示される蛍光強度にて、可能な場合には常に各資料について分析した。
マウス。ヒトCD19(h19−1)を発現するトランスジェニックマウスおよびそれらの野生型(WT)同腹子を従前に記載されているように産生した(Zhou et al.,Mol.Cell.Biol.,14:3884−3894(1994))。TG−1マウスは元のh19−1ファウンダー(C57BL/6×B6/SJL)から創製し、少なくとも7世代、C57BL/6バックグラウンドに交差させた。TG−2マウスは元のh19−4ファウンダー(C57BL/6×B6/SJL)から創製した。複数世代の戻し交配の後、TG−1+/+マウスを入手し、そのBマウスは、ヒトB細胞で見出されるのとほぼ同一の密度にて細胞表面密度のヒトCD19を発現した。ヒトCD19発現マウスは、いくつかの研究においてさらに記載され、モデルとして用いられている(Engel et al.,Immunity,3:39−50(1995);Sato et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,92:11558−11562(1995);Sato et al.,J.Immunol.,157:4371−4378(1996);Tedder et al.,Immunity,6:107−118(1997);Sato et al.,J.Immunol.,158:4662−4669(1997);Sato et al.,J.Immunol.,159:3278−3287(1997);Sato et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,94:13158−13162(1997);Inaoki et al.,J.Exp.Med.,186:1923−1931(1997);Fujimoto et al.,J.Immunol.,162:7088−7094(1999);Fujimoto et al.,Immunity,11:191−200(1999);Satterthwaite t al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,97:6687−6692(2000);Fujimoto et al.,Immunity,13:47−57(2000);Sato et al.,J.Immunol.,165:6635−6643(2000);Zipfel et al.,J.Immunol.,165:6872−6879(2000);Qian et al.,J.Immunol.,166:2412−2419(2001);Hasegawa et al.,J.Immunol.,167:2469−2478(2001);Hasegawa et al.,J.Immunol.,167:3190−3200(2001);Fujimoto et al.,J.Biol.Chem.,276:44820−44827(2001);Fujimoto et al.,J.Immunol.,168:5465−5476(2002);Saito et al.,J.Clin.Invest.,109:1453−1462(2002);Yazawa et al.,Blood,102:1374−80(2003);Shoham et al.,J.Immunol.,171:4062−4072(2003))。CD19−欠乏(CD19−/−)マウスおよびそれらのWT同腹子の従前に記載されている(Engel et al.,Immunity,3:39−50(1995))。トランスジェニックマウスにおけるヒトCD19の発現は、内因性マウスCD19発現を降下させることが示されており(Sato et al.,J.Immunol.,157:4371−4378(1996)およびSato et al.,J.Immunol.,158:4662−4667(1997))、内因性マウスCD19発現のこの降下に関する仮定も評価されている(Shoham et al.,J.Immunol.,171:4062−4072(2003))。ヒトCD19を発現するトランスジェニックマウスにおけるCD19発現の密度もまた評価されている(Sato et al.,J.Immunol.,165:6635−6643(2000))。
TG−1+/+マウスを、Taconic農場(Germantown,NY)からのFcr(Fc受容体)共通γ鎖(FcRγ)−欠乏マウスFcRγ−/−、B6.129P2−Fcerg1tm1)で育種して、hCD19+/− FcRγ−/−およびWT同腹子を得た。c−Myc導入遺伝子に対してヘミ接合性のマウス(Eμ−cMycTG,C57B1/6J−TgN(IghMyc);The Jackson Laboratory,Bar Harbor,ME)は記載されている通りであった(Harris et al.,J.Exp.Med.,167:353(1988)and Adams et al.,Nature,318:533(1985))。c−MycTGマウス(B6/129バックグラウンド)をhCD19TG−1+/+マウスと交配させて、PCRスクリーニングによって判断して、ヘミ接合性hCD19TG−1+/− cMycTG+/−子孫を得た。Rag1−/−(B6.129S7−Rag1tm1Mom/J)マウスはThe Jackson Laboratoryからのものであった。マクロファージ−欠乏マウスは、クロドロネート−カプセル化リポソーム(0.1mL/10グラム体重;Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)の、標準的な方法(Van Rooijen and Sanders,J.Immunol.Methods,174:83−93(1994))に従った−2、1および4日におけるC57BL/6マウスへの尾静脈注射によって創製した。全てのマウスを特異的無病原体バリアー施設に収容し、最初に、6ないし9週齢で用いた。
ELISA。血清Ig濃度は、アフィニティ−精製マウスIgM、IgG1、IgG2a、IgG3、およびIgA(Southern Biotechnology Associates,Inc.)を用いて、記載されているように(Engel et al.,Immunity,3:39(1995))標準曲線を作製することによるELISAによって測定した。dsDNA、ssDNAおよびヒストンに対する血清IgMおよびIgG自己抗体レベルは、記載されているように(Sato et al.,J.Immunol.,157:4371(1996))、子ウシ胸腺二本鎖(ds)DNA(Sigma−Aldrich)、(一本鎖(SS)DNAを含有する)煮沸された子ウシ胸腺DNAまたはヒストン(Sigma−Aldrich)被覆マイクロタイタ−プレートを用いるELISAによって測定した。
免疫療法。200μLホスフェート−緩衝化生理食塩水(PBS)中の滅菌抗−CD19および未反応イソタイプ対照抗体(0.5ないし250μg)を両側尾静脈を介して注射した。特に断りのない限り、全ての実験は250μgの抗体を用いた。血液白血球数は、赤血球細胞溶解後にヘモサイトメーターによって定量し、B220+B細胞頻度は、フローサイトメトリー分析での免疫蛍光染色によって測定した。ヒトおよびマウスにおける抗体用量は、Oncology Tool Dose Calculator (www.fda.gov/cder/cancer/animalframe.htm)を用いて比較した。
免疫化。2ヶ月齢WTマウスを、生理食塩水中の50μgの2,4,6−トリニトロフェニル(TNP)−コンジュゲーテッドリポ多糖(LPS)(Sigma,St.Louis,MO)または25μgの2,4−ジニトロフェノール−コンジュゲーテッド(DNP)−FICOLL(登録商標)(Biosearch Technologies,San Rafael,CA)で腹腔内免疫化した。また、マウスは、フロイントの完全アジュバント中の100μgのDNP−コンジュゲーテッドキーホールリンペットヘモシアニン(DNP−KLH,CALBIOCHEM(登録商標)−NOVABIOCHEM(登録商標)Corp.,La Jolla,CA)で腹腔内免疫化し、フロイントの不完全アジュバント中のDNP−KLHで21日後にブースター注射した。示された免疫化の前および後にマウスから採血した。個々の血清試料中のDNP−またはTNP−特異的抗体力価を、標準的な方法(Engel et al.,Immunity,3:39−50(1995))に従って、DNP−BSA(CALBIOCHEM(登録商標)−NOVABIOCEM(登録商標)Corp.,La Jolla,CA)またはTNP−BSA(Biosearch Technologies,San Rafael,CA)を被覆したELISAプレートを用いて二連で測定した。TNP−LPS免疫化マウスからの血清をDNP−FICOLL(登録商標)からの血清で1:400希釈し、DNP−BSA免疫化マウスをELISA分析のために1:1000希釈した。
統計学的分析。全てのデータは平均±SEMとして示す。スチューデントのt−検定を用いて、試料平均の間の差の有意性を決定した。
(6.2 実施例1:トランスジェニックマウスにおけるヒトCD19発現)
本明細書中に記載されたトランスジェニックhCD19TGマウス、またはヒトCD19を発現する他のトランスジェニックマウスを用いて、投与の濃度、量またはタイミングの変動のような、ヒト、ヒト化またはキメラ抗−CD19抗体を含む異なる治療養生法を評価した。異なる治療養生法のヒト患者における有効性は、以下に記載する2つのインジケータ、すなわち、ある種の体液および/または組織におけるB細胞枯渇、およびB細胞に結合するモノクローナルヒトまたはヒト化抗−CD19抗体の能力を用いて予測することができる。特別な実施形態において、ヒトCD19トランスジェニックマウスにおいて有効な治療養生法は、本発明の組成物および方法と共に用いて、ヒトにおいて自己免疫疾患または障害を治療することができる。
本明細書中に記載されたトランスジェニックhCD19TGマウス、またはヒトCD19を発現する他のトランスジェニックマウスを用いて、投与の濃度、量またはタイミングの変動のような、ヒト、ヒト化またはキメラ抗−CD19抗体を含む異なる治療養生法を評価した。異なる治療養生法のヒト患者における有効性は、以下に記載する2つのインジケータ、すなわち、ある種の体液および/または組織におけるB細胞枯渇、およびB細胞に結合するモノクローナルヒトまたはヒト化抗−CD19抗体の能力を用いて予測することができる。特別な実施形態において、ヒトCD19トランスジェニックマウスにおいて有効な治療養生法は、本発明の組成物および方法と共に用いて、ヒトにおいて自己免疫疾患または障害を治療することができる。
ヒトCD19が、ヒトCD19導入遺伝子を発現するトランスジェニックマウス(ヘミ接合性TG−1+/−)からのB細胞で発現されるか否かを決定するために、B細胞をこれらのマウスの骨髄、血液、脾臓および腹腔洗液から抽出した。細胞を、CD19に結合するマウスモノクローナル抗−CD19抗体と接触させることによって、ヒトCD19およびマウスCD19発現をこれらの細胞において評価した。B系統細胞への抗体の結合は、フローサイトメトリー分析での2色免疫蛍光染色を用いて検出した。
結果を、骨髄(BM)、血液、脾臓および腹腔洗液(PL)についての、ヒトCD19(hCD19)(y−軸)の検出された発現に対してプロットされたマウスCD19(mCD19)(x−軸)の検出された発現のグラフにて図1Aに示す。軸の単位は、下側左での1で開始する4デカド(decade)対数スケールを表す。ヒトCD19(Beckman/Coulter)に結合するB4抗−CD19抗体を用いて、ヒトCD19発現を可視化し、マウスCD19(PharMingen)に結合する1D3 CD19抗体を用いて、(図1Bおよび1Cでも用いられる)マウスCD19発現を可視化した。ヒトCD19発現はヒトB細胞発生の間に徐々に増加するが、マウスCD19はマウス骨髄B細胞発生の間に高レベルで発現される。図1Aは、ヒトCD19発現が、血液、脾臓および腹腔洗液(PL)で見出される末梢B細胞でのマウスCD19発現と平行することを示し、これは、(ヒトCD19に結合する)マウス抗−hCD19抗体が末梢B細胞集団に結合することを示す。加えて、骨髄(BM)由来B細胞の小さな集団は内因性マウスCD19を発現するが、ヒトCD19は発現しない(ヒトCD19に結合するモノクローナルマウス抗−CD19抗体)。かくして、骨髄B細胞はヘミ接合性TG−1+/−マウスにおいて2つのカテゴリー、hCD19+mCD19+である成熟B系統細胞、およびmCD19+に過ぎない余り成熟していないB系統細胞に入る(図1A)。これらの結果は、これらのトランスジェニックマウスにおけるヒトCD19発現がB細胞成熟化に相関することを示すZhou et al.(Mol.Cell.Biol.,14:3884−3894(1994))の発見と合致する。血液、脾臓および腹腔内の全ての成熟B細胞はhCD19+であると共にmCD19+であった。
各々、平均蛍光強度によって評価して、mCD19およびhCD19の相対的発現レベル(hCD19についてはマウス抗−CD19およびmCD19についてはマウス抗−CD19)を図1Bに示す。hCD19導入遺伝子(TG−1+/+)についてホモ接合性であるTG−1マウスの中で、血液で生じたB細胞上でのhCD19発現はヒトB細胞上でのhCD19発現と匹敵した。TG−1+/+、TG−1+/−、およびTG−2+/+トランスジェニックマウス系におけるhCD19およびmCD19発現の相対的密度を比較するために、血液由来B細胞を抽出し、前記したようにCD19発現についてアッセイした。結果は、ヒト血液B細胞、hCD19TGマウス(左側)からのTG−1+/+、TG−1+/−、およびTG−2+/+血液B細胞についてのパーセントヒトCD19発現(左側)、および野生型(WT)マウス血液細胞で、hCD19TGマウスからのTG−1+/+、TG−1+/−、およびTG−2+/+CD19+血液B細胞についてのパーセントマウスCD19発現を示すヒストグラムにて図1Bで示す。値(平均蛍光強度の直線値)は、(100%として示した)ヒトまたは野生型(WT)マウスからの血液B細胞と比較したCD19発現(±SEM)の平均相対密度を表す。結果は、ホモ接合性TG−1+/+マウスにおいては、血液B細胞は、ヒト血液B細胞よりも約72%高い平均蛍光強度によって測定された密度にてhCD19を発現した。TG−1+/−マウスにおける血液B細胞はヒト血液B細胞と同様な密度にてhCD19を発現し、他方、TG−2+/+マウスにおける血液B細胞は、ヒト血液B細胞よりも65%低い密度にてhCD19を発現した。
TG−1+/−マウス組織からのB細胞におけるhCD19およびmCD19発現の相対密度のさらなる比較を、骨髄、血液、脾臓、リンパ節からのB細胞についての抗−CD19抗体染色の平均蛍光強度(MFI±SEM)、およびhCD19(左側)およびmCD19(右側)のPLを示すヒストグラムにおいて図1Cに示す。結果は、TG−1+/−マウスにおいて、hCD19は、骨髄(ヒト血液レベルの63%)<血液(100%)<脾臓(121%)=リンパ節(120%)および<腹腔(177%)においてB220+細胞によって増大するレベルで発現されたことを示す。ヒトCD19発現は、mCD19発現に対して小さな影響を有した。hCD19およびmCD19についてのmRNAのレベルは変化しなかった。
IgG1(HB12a、HB12b、B4)、IgG2a(FMC63)およびIgG2b(HD237)イソタイプの(ヒトCD19に結合する)マウス抗−hCD19抗体が異なって反応するか否かを判断するために、血液および脾臓B220+B細胞をTG−1+/−マウスから単離した。単離された細胞を前記した抗−CD19抗体とインビトロで接触させ、フローサイトメトリー分析にてイソタイプ−特異的PE−コンジュゲーテッド二次抗体を用いて可視化されたモノクローナル抗体染色を用い、ヒトCD19発現トランスジェニックマウス(hCD19TG)B細胞に結合するそれらの能力について評価した。
結果を、5μg/mLにおける、IgG2b(マウスイソタイプ)、IgG2a(マウスイソタイプ)、およびIgG1(マウスイソタイプ)抗−CD19抗体についての蛍光強度(x−軸)−対−相対的B細胞数(y−軸)のグラフにおいて図1Dに示す。抗−CD19抗体で染色されたB220+細胞の蛍光強度は実線で示し、イソタイプがマッチした対照(CTL)の蛍光強度をダッシュ線として示す。各抗体は、5μg/mLの濃度における脾臓B細胞との飽和レベルの反応性に到達した。結果は、TG−1+/−マウスからのマウス血液および脾臓B220+B細胞上での抗−CD19抗体結合密度が、テストした抗体イソタイプについて、および血液および脾臓双方のB細胞について均一であることを示す。
平均蛍光強度が抗−CD19抗体イソタイプから独立しているか否かを決定するために、(MFI±SEM)同一抗−マウスIg二次抗体を用いてhCD19 cDNAでトランスフェクトされたマウスプレ−B細胞系300.19を染色することによって、(5μg/mLの)個々の抗−CD19抗体の結合活性を評価した。抗体染色(MFI±SEM)は、フローサイトメトリー分析にて、マウスIg−特異的PE−コンジュゲーテッド二次抗体を用いて可視化した。結果を、HB12a、HB12b、B4、FMC63、HD237抗−CD19抗体および対照抗体(CTL)についての、hCD19 cDNA−トランスフェクト300.19細胞への(染色強度によって示した;y−軸)抗−CD19抗体結合のヒストグラムにおいて図1Eに示す。各抗体は、抗−CD19抗体イソタイプとは独立した特徴的平均蛍光強度でもって細胞を染色し、HB12bは最低レベルの染色を示し、HD237は最高レベルを示した。かくして、示された結果は、300.19細胞が、CD19にインビトロで結合する抗−CD19抗体の能力の比較のためのモデルインビトロ系であることを示す。
かくして、一緒に考え合わすと、図1に示された結果は、hCD19TGマウスおよび300.19細胞が、hCD19がある範囲の密度にわたって発現される場合に、B細胞に結合する抗−hCD19抗体の能力を評価するための適切なインビトロおよびインビボモデル系を表すことを示す。
図1AないしDは、各遺伝子型の≧3マウスで得られた結果を表す。
(6.3 実施例2:インビボでのB細胞の抗−CD19抗体検出)
(ヒトCD19に結合する)マウス抗−CD19抗体を、インビボにてhCD19TG(TG−1+/−)血液、脾臓、およびリンパ節B細胞を枯渇させるそれらの能力について評価した。各抗体を250または50μg/マウス、ヒトにおける抗−CD20療法につき4回第一に与えられた375mg/m2用量よりも約10ないし50倍低い単一用量にてマウスに与えた(Maloney et al.,J.Clin.Oncol.,15:3266−74(1997)およびMcLaughlin et al.,12:1763−9(1998))。
(ヒトCD19に結合する)マウス抗−CD19抗体を、インビボにてhCD19TG(TG−1+/−)血液、脾臓、およびリンパ節B細胞を枯渇させるそれらの能力について評価した。各抗体を250または50μg/マウス、ヒトにおける抗−CD20療法につき4回第一に与えられた375mg/m2用量よりも約10ないし50倍低い単一用量にてマウスに与えた(Maloney et al.,J.Clin.Oncol.,15:3266−74(1997)およびMcLaughlin et al.,12:1763−9(1998))。
結果を、HB12a、HB12b、またはFMC63抗−CD19抗体または対照でのCD19またはイソタイプがマッチした対照CTL処理から7日後におけるB細胞量のプロットにおいて図2Aに示す。別々のプロットは、各抗−CD19抗体についてのリンパ節、脾臓および血液組織に対して供される。ゲーテッドリンパ球のパーセンテージは、フローサイトメトリー分析での免疫蛍光染色によって測定して、TG−1+/−マウスの血液、脾臓およびリンパ節からの代表的なB細胞枯渇を示す。図2Bは、抗−CD19(閉じた丸印)またはイソタイプ−対照(開いた丸印)抗体での処理に続いてのB220+血液B細胞の平均数(mL当たり±SEM)を示す。時刻0の後に示される値は、1時間において得られたデータを表す。図2Cおよび図2Dは、示された用量における抗−CD19(塗り潰した棒線)または対照(開いた棒線)抗体でのTG−1+/−マウスの処理後の、各々、脾臓およびリンパ節B細胞数(±SEM)を示す。図2BないしDにおいて、抗−CD19またはイソタイプ−対照抗体処理マウス(データ点当たり≧3マウス)についての平均結果の間の有意差を示す;対照に対する比較において、*P<0.05、**p<0.01。
各抗体は、7日までには、脾臓およびリンパ節B細胞頻度(図2A)および数(図2CないしD)に対する優れた枯渇効果にて、処理から1時間以内に循環B細胞の大部分を枯渇させた(図2B)。HB12a抗体は7日までには、血液B細胞の98%、および脾臓およびリンパ節B細胞の90ないし95%を枯渇させた。同様に、HB12b、B4、FMC63、およびHD237抗体は、各々、血液B細胞の99%、96%、99%、および97%を枯渇させた。HB12b、B4、FMC63、およびHD237抗体は、各々、脾臓およびリンパ節B細胞の88ないし93%、64ないし85%、72ないし95%、および88ないし90%を枯渇させた。少数の残存する末梢B細胞は、骨髄からの潜在的出現体であった表現型的に未成熟の細胞を第一に表した。CD19抗体のいずれも、WTマウスに与えた場合に有意な効果を有さず、同一条件下で与えられたイソタイプがマッチした対照抗体はB細胞の数に影響しなかった(図2AないしD)。かくして、抗−hCD19抗体は7日までには、hCD19TGマウスの循環、脾臓およびリンパ節からB細胞を効果的に枯渇させた。TG−1+/−マウスにおけるB細胞枯渇のまとめを表1に掲げる。
(表1)
b値(±SEM)は、抗体処理(250μg)から7日後のマウスに存在する細胞数(×10−6)を示す。BM値は両側大腿骨についてのものである。血液数は/mL当たりである。LN数は両側鼡径および腋窩節についてのものである。マウスの数は括弧に入れて示す。平均の間の有意さが示される;*p<0.05、**p<0.01。
(6.3.1 骨髄B細胞の枯渇)
公知の抗−CD19抗体をhCD19TGマウスにおいてテストして、そのような抗体が種々の体液および組織からのB細胞を枯渇させるのに有効であるか否かを決定した。本明細書中に記載するアッセイを用いて、他の抗−CD19抗体、例えば、ヒトCD19抗原の特異的部分に結合する抗−CD19抗体はB細胞を効果的に枯渇させるであろう。B細胞を枯渇させることができるとして同定された抗−CD19抗体を用いる結果をヒト出の使用に相関させることができる。同定された抗体の特性を持つ抗体を、ヒトにおける自己免疫疾患および障害の治療のために本発明の組成物および方法で用いることができる。図3Aないし3Fは、CD19抗体処理に続いての骨髄B細胞枯渇を示す。
公知の抗−CD19抗体をhCD19TGマウスにおいてテストして、そのような抗体が種々の体液および組織からのB細胞を枯渇させるのに有効であるか否かを決定した。本明細書中に記載するアッセイを用いて、他の抗−CD19抗体、例えば、ヒトCD19抗原の特異的部分に結合する抗−CD19抗体はB細胞を効果的に枯渇させるであろう。B細胞を枯渇させることができるとして同定された抗−CD19抗体を用いる結果をヒト出の使用に相関させることができる。同定された抗体の特性を持つ抗体を、ヒトにおける自己免疫疾患および障害の治療のために本発明の組成物および方法で用いることができる。図3Aないし3Fは、CD19抗体処理に続いての骨髄B細胞枯渇を示す。
図3Aは、リンパ球の前方−および側方−散乱特性を持つ細胞のフローサイトメトリー分析での4色免疫蛍光染色によって評価されたTG−1+/−骨髄B細胞亜集団によるhCD19およびmCD19発現についての、蛍光強度(x−軸)−対−相対的B細胞数(y−軸)のグラフを示す。プロ−B細胞はCD43+IgM−B220loと定義され、プレ−B細胞はCD43−IgM−B220loであり、未成熟B細胞はIgM−B220loであって、成熟B細胞はIgM−B220hiであった。棒グラフ(右側)は、各B細胞サブセットによるCD19発現についての相対的平均MFI(±SEM)値を示す(≧3マウス/データ点)。hCD19TGマウスにおけるように(図1A)、CD19発現はB細胞成熟としてのヒトにおいて異種であり、骨髄を出る。プロ−B細胞(20%、CD43hiIgM−B220lo)の小さな割合のみがTG−1+/−マウスにおいてhCD19を発現し、他方、殆どのプレ−B細胞はhCD19+であって、骨髄における成熟B細胞の大部分は、比較的高いレベルでhCD19を発現した。プロ−B細胞の半分(55%、IgM−B220+)はTG−+/−マウスにおいてmCD19を発現し、他方、mCD19は、比較的高いレベルにおける、骨髄細胞でのプレ−B細胞および成熟B細胞の大部分による発現であった。
図3Bは、フローサイトメトリー分析での2色免疫蛍光染色によって評価されたFMC63またはイソタイプがマッチした対照抗体(250μg)処理から7日後における、hCD19TGマウスでのhCD19+細胞の枯渇を示す。数は、示されたゲート内での細胞の相対的頻度を表す。結果は、各マウス遺伝子型の3つの同腹子対で得られたものを表す。CD19抗体処理に続いて、TG−1+/+、TG−1+/−およびTG−2+/+マウスの骨髄におけるhCD19+細胞のほとんど大部分は、250μg/マウスが与えられたFMC63抗体によって枯渇された。
図3Cは、TG−1+/−マウスの抗−CD19、またはイソタイプがマッチした対照抗体(250μg)処理から7日後における、代表的なB220+B細胞枯渇を示す。棒グラフのタイプは、抗体処理マウスの両側大腿骨内のB220+細胞の合計数(±SEM)を表す。試料平均(群当たり≧3マウス)の間の有意な差が示される;*p<0.05、**p<0.01。予期せぬことに、低ないし検出不能レベルでhCD19を発現したmCD19+プレ−B細胞の大きな割合も、骨髄から枯渇された。これに合致してFMC63、HB12a、HB12b、B4およびHD237抗体は、骨髄B220+細胞の大部分を枯渇させた。
図3Dは、3色免疫蛍光染色によって評価した、TG−1+/−マウスのFMC63、またはイソタイプがマッチした対照抗体(250μg)処理から7日後における、代表的な骨髄B細胞サブセット枯渇を示す。IgM−B220loプロ−/プレ−B細胞を、CD43発現に基づいてさらに細分した(下側パネル)。図3Eは、2色免疫蛍光染色によって評価した、CD19TGマウス計のFMC63、またはイソタイプがマッチした対照抗体(250μg)処理から7日後における、骨髄のCD25+B220loプレ−B細胞の代表的な枯渇を示す。結果は、異なる日に行った実験からのものであり、ゲートは同一でなかった。個々の骨髄亜集団を分析すると、CD43hiIgM−B220loプロ−B細胞(図3D)の大部分は、TG−1+/+、TG−1+/−またはTG−2+/+マウスにおけるFMC63抗体処理によって影響されず、他方、CD25+CD43loIgM−B220loプレ−B細胞(図3E)の大部分は枯渇された。図3Fは、≧3同腹子対のFMC63(閉じた棒線)または対照(開いた棒線)抗体処理から7日後における両側大腿骨内のプロ−B、プレ−B、未成熟、および成熟B細胞の数(±SEM)を示す棒グラフを示す。結果は、未成熟および成熟B細胞の大部分は、TG−1+/+、TG−1+/−またはTG−2+/+マウスの骨髄からやはり枯渇されたことを示す。かくして、ほとんどのhCD19+細胞は、CD19抗体処理によって骨髄から枯渇され、低レベルでhCD19を発現したプレ−B細胞を示す。
(6.3.2 腹腔B細胞の枯渇)
TG−1+/−マウスにおける腹腔B細胞は、主として、慣用的(B2)B細胞(図4A)のCD5−IgMloB220hiサブセットよりもほぼ25%高い密度でhCD19を発現したCD5+IgMhiB220loB1細胞の存在のため、他の組織B細胞(図1Aおよび図1C)よりも高いレベルでhCD19を発現する。図4BないしCは、腹腔B細胞が抗−CD19抗体処理に対して感受性であることを示す。
TG−1+/−マウスにおける腹腔B細胞は、主として、慣用的(B2)B細胞(図4A)のCD5−IgMloB220hiサブセットよりもほぼ25%高い密度でhCD19を発現したCD5+IgMhiB220loB1細胞の存在のため、他の組織B細胞(図1Aおよび図1C)よりも高いレベルでhCD19を発現する。図4BないしCは、腹腔B細胞が抗−CD19抗体処理に対して感受性であることを示す。
図4Aは、ヒトおよびマウスCD19発現(x−軸)−対−腹腔CD5+B220+B1aおよびCD5−B220hiB2(慣用的)B細胞の相対数(y−軸)のプロットを 示す。腹腔リンパ球の単一−細胞の懸濁液をフローサイトメトリー分析での3色免疫蛍光染色によって調べた。棒グラフは、TG−1+/−マウスの3同腹子対によるCD19発現についての平均MFI(±SEM)値を表す。
図4Bは、CD19(250μgにおけるHB12a、HB12b、およびFMC63;50μgのB4およびHD237)抗体または対照抗体(250μg)で処理されたTG−1+/−マウスからの腹腔B220+細胞の枯渇を示す。数は、7日における示されたゲート内でのB220+細胞の相対的頻度を表す。棒グラフの値は、抗体処理マウス(群当たり≧3マウス)の腹腔内におけるB220+細胞の合計数(±SEM)を表す。試料平均の間の有意さが示される;*p<0.05、**p<0.01。結果は、250μg/マウスでの抗−CD19抗体処理が、7日までに腹腔B220+B細胞の有意な割合を枯渇したことを示す。図4Bに示された結果は、部分的には、B1および慣用的B2細胞双方の枯渇によって説明される。hCD19がTG−1+/+マウスにおいて最高密度で発現される場合、B1およびB2細胞の大部分が枯渇された。しかしながら、B1およびB2細胞のCD19−媒介枯渇は、hCD19レベルがより低いTG−1+/−およびTG−2+/+マウスにおいて効率は低かった。かくして、腹腔B細胞は、脾臓およびリンパ節B細胞よりも抗−CD19抗体−媒介枯渇に対してより抵抗性であったが、平均蛍光強度を用いて評価して、CD19抗体処理は、CD19発現のそれらの密度に依存して腹腔B1およびB2細胞を枯渇させた。
図4Cは、hCD19TGマウスの抗−CD19抗体または対照抗体処理から7日後における、CD5+B220+B1aおよびCD5−B220hiB2 B細胞の代表的な枯渇を示す。数は、示されたゲート内での各B細胞サブセットの相対的頻度を表す。棒グラフの値は、抗体処理マウス(群当たり≧3マウス)の腹腔内の各細胞サブセットの合計数(±SEM)を表す。試料平均の間の有意差が示される;*p<0.05、**p<0.01。
(6.3.3 区別される抗−CD19抗体はB細胞クリアランスを媒介する。)
HB12aおよびHB12b抗−CD19抗体が公知の抗−CD19抗体から区別されるかを決定するために、本明細書中で用いる各抗−CD19抗体可変領域のアミノ酸配列を分析した(図5Aおよび5B、6Aおよび6B、7Aおよび7B)。
HB12aおよびHB12b抗−CD19抗体が公知の抗−CD19抗体から区別されるかを決定するために、本明細書中で用いる各抗−CD19抗体可変領域のアミノ酸配列を分析した(図5Aおよび5B、6Aおよび6B、7Aおよび7B)。
図5Aは、HB12a抗−CD19抗体の重鎖VH−D−JH接合配列についてのヌクレオチド(配列番号:1)および予測されるアミノ酸(配列番号:2)配列を示す。5’PCRプライマーと重複する配列は、二重下線によって示され、冗長なプライマーを用いたので現実のDNA配列から変化し得る。V、DおよびJ配列の間の近似的接合境界は、垂直棒線(|)によって配列中に示される。下方の場合の文字におけるヌクレオチドは、体細胞過剰突然変異についての接合境界または腹腔部位におけるヌクレオチド付加いずれかを示す。抗体(E)のアミノ−末端残基は残基1としてマークされる。
図5Bは、HB12b抗−CD19抗体の重鎖VH−D−JH接合配列についてのヌクレオチド(配列番号:3)および予測されるアミノ酸(配列番号:4)配列を示す。5’PCRプライマーと重複する配列は二重下線によって示され、冗長なプライマーを用いたので現実のDNA配列から変化し得る。V、D、およびJ配列の間の近似的接合境界は、垂直棒線(|)によって配列中に示される。下方の場合の文字におけるヌクレオチドは、体細胞過剰突然変異についての接合境界または腹腔部位におけるヌクレオチド付加いずれかを示す。抗体(E)のアミノ−末端残基は残基1としてマークされる。
図6Aは、HB12a抗−CD19抗体の軽鎖Vκ−Jκ接合配列についてのヌクレオチド(配列番号:15)および予測されるアミノ酸(配列番号:16)配列を示す。図6Bは、HB12b抗−CD19抗体の軽鎖V−J接合配列についてのヌクレオチド(配列番号:17)および予測されるアミノ酸(配列番号:18)配列を示す。アミノ酸配列分析によって推定される成熟分泌蛋白質のアミノ−末端アミノ酸は数字1としてナンバリングされる。3’PCRプライマーと重複する配列は二重下線によって示される。V−J−C領域についての予測される接合境界は、太線で示した体細胞過剰突然変異についての腹腔部位を表すJ領域ヌクレオチドで示される(/)。
図7Aおよび7Bは、公表されたマウス抗−CD19抗体のアミノ酸配列整列を示す。図7Aは、コンセンサス配列(配列番号:5)、HB12a(配列番号:2)、4G7(配列番号:6)、HB12b(配列番号:4)、HD37(配列番号:7)、B43(配列番号:8)、およびFMC63(配列番号:9)を含めた重鎖VH−D−JH接合配列についての配列整列を示す。各抗体V、DおよびJ領域についてのコーディング配列のアミノ酸ナンバリングおよび起源の表示は慣用的方法(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest.,U.S.Government Printing Office,Bethesda,MD(1991))に従い、ここに、アミノ酸1ないし94、および相補性−決定領域(CDR1および2はVH遺伝子によってコードされる。ダッシュは、同様なアミノ酸配列の整列を最大化するために配列に挿入されたギャップを示す。ドットは、各抗−CD19抗体、およびすべての抗体についてのコンセンサスアミノ酸配列の間の同一性を示す。CDR,領域は明瞭性のため強調する。図7Bは、抗−CD19抗体の軽鎖Vκアミノ酸配列分析を示す。コンセンサス配列(配列番号:10)、HB12a(配列番号:16);HB12b(配列番号:18);HD37(配列番号:11)、B43(配列番号:12)、FMC63(配列番号:13)、および4G7(配列番号:14)を整列させる。各抗−CD19抗体についてのコーディング配列のアミノ酸ナンバリングおよび起源の表示は慣用的方法に従う(Kabat et al.,(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,U.S.Government Printing Office,Bethesda,MD)。予測されるシグナル配列切断部位に続くアミノ酸は1とナンバリングされる。ダッシュは、同様なアミノ酸配列の整列を最大化するために配列に挿入されたギャップを示す。CDR領域は明瞭性のために強調する(ボックスに入れる)。
本実験で調べた各抗−CD19抗体は、インビボにて有意な数のB細胞を枯渇させたため、各抗−CD19抗体可変領域のアミノ酸配列を評価して、これらの抗体が配列が異なり、異なるCD19エピトープに潜在的に結合するか否かを決定した。抗体は、各抗体分子の可変領域内の特異的アミノ酸によって媒介される分子相互作用を介して標的抗原に結合する。かくして、蛋白質抗原、およびこれらの抗原上の特異的エピトープに結合する抗体の間の複雑な相互作用は、各抗体、およびその特異的アミノ酸配列に対してほとんどユニークである。抗原および抗体相互作用における複雑性のこのレベルは、ほとんどの蛋白質抗原に対する多用な抗体レパートリーの反映である。標的抗原の抗体相互作用は、主として、抗体分子の相補性−決定領域(CDR)内のアミノ酸によって媒介されるため、フレームワークアミノ酸もまた抗原−結合活性に対してやはり臨界的である。かくして、構造的に同様な抗体は同一抗原または標的分子の領域に結合するようであり、他方、異なるVおよびCDR領域を持つ構造的に同様でない抗体は、異なる分子相互作用を介して抗原の異なる領域と相互作用するようである。
標的抗原の同一分子領域(またはエピトープ)と相互作用し、それに結合する抗体は定義により構造的に同様であるため、HB12a、HB12b、FMC63、およびHD37(Kipriyanov et al.,J.Immunol.Methods,196:51−62(1996);Le Gall et al.,FEBS Letters,453:164−168(1999))、2G7(Meeker et al.,Hybridoma,3:305−320(1984);Brandl et al.,Exp.Hematol.,27:1264−1270(1999))、およびB43(Bejcek et al.,Cancer Res.,55:2346−2351(1995))抗体を含めた他の公表された抗−CD19抗体のアミノ酸配列を比較した。抗−CD19抗体の重鎖は、V1S39、V1S56、V1S136、またはV2S1遺伝子セグメントに由来するV領域、FL16.1遺伝子セグメントに由来するD領域およびJ2またはJ4遺伝子セグメントいずれかに由来するJ領域を持つV(D)J遺伝子セグメントの異なる組合せを介して作製した(表2)。B43およびHD37抗体の公表された重鎖および軽鎖可変領域は、アミノ酸配列が実質的に同一であった(図7AないしB)。このレベルの保存は、これらの抗体の各々がヌクレオチドレベルにおいてやはり顕著に同様であり、VH(D)JHおよびVLJL接合を有する事実を反映し、ほとんどの差は各cDNA配列をPCR増幅するための冗長なプライマーの使用によって説明される。これは、HD37およびB43および抗体が、たとえ同一でなくても共通の起源を有し、従って、CD19蛋白質上の同一のエピトープに結合することを示す。HB12aおよび4G7抗体もまた他の抗−CD19抗体から区別された。HB12aおよび4G7抗体の重鎖領域は同様であって、同一の生殖系VH(D)JH遺伝子セグメントに由来したように見えたが、異なる接合境界をD−JH組み立てで用いた(図7A)HB12b抗体は区別されるVH遺伝子セグメントを利用し(表2)、他の抗−CD19抗体から区別して異なるCDR3配列を有した(図7A)。FMC63抗体もまた、他の抗−CD19抗体からの非常に区別されるアミノ酸配列を有した。
(表2)
a括弧に入れた数字は、CD19抗体コーディング遺伝子、およびPCRプライマーと重複する領域を除いた、現在のデータベースで同定される最も相同な生殖系配列の間のヌクレオチド差の数を示す。
b遺伝子配列についてのGENBANK(登録商標)アクセッション番号
図7Bに示すように、HB12a、HB12b、FMC63、4G7、およびHD37/B43抗体は、各々、区別される軽鎖遺伝子を利用する(図7B)。軽鎖は、複数VおよびJ遺伝子セグメントから作製した。これらの6つの抗−CD19抗体HおよびL鎖配列間の相同性の欠如は、これらの抗体がヒトCD19上の数個の区別される部位に結合することを示唆する。対合した重鎖および軽鎖のアミノ酸配列の比較は、さらに、これらの抗−CD19抗体のほとんどが構造的に区別され、従って、異なる分子相互作用を介してヒトCD19に結合することを示す。かくして、インビボにてB細胞を枯渇させる抗−CD19抗体の能力は、同一部位においてCD19に結合する限定された数の抗体に制限されず、これは、クラスとしての抗−CD19抗体の一般的特性である。
(6.3.4 CD19密度は、CD19抗体−誘導B細胞枯渇の有効性に影響する。)
B細胞を枯渇する抗−CD19抗体の能力は、CD19密度に依存するか否かを決定するために、HB12bおよびFMC63抗−CD19抗体を、変化するレベルのCD19発現を有するマウスに投与した。結果は、B細胞上のヒトCD19密度、および抗体イソタイプが抗−CD19抗体の存在下でのB細胞の枯渇に影響し得ることを示す。同一アッセイを用いて、他の抗−CD19抗体が効果的にB細胞を枯渇できるか否かを決定することができ、結果を変化するレベルのCD19発現を持つヒト患者の処置と相関させることができる。かくしてセクション5.5.3に記載されたヒト対象においてCD1の存在および密度を調べるための方法を用いて、それについてある種の抗−CD19抗体がB細胞を枯渇させることができる患者または患者集団を同定することができ、および/または抵当な用量を決定することができる。
B細胞を枯渇する抗−CD19抗体の能力は、CD19密度に依存するか否かを決定するために、HB12bおよびFMC63抗−CD19抗体を、変化するレベルのCD19発現を有するマウスに投与した。結果は、B細胞上のヒトCD19密度、および抗体イソタイプが抗−CD19抗体の存在下でのB細胞の枯渇に影響し得ることを示す。同一アッセイを用いて、他の抗−CD19抗体が効果的にB細胞を枯渇できるか否かを決定することができ、結果を変化するレベルのCD19発現を持つヒト患者の処置と相関させることができる。かくしてセクション5.5.3に記載されたヒト対象においてCD1の存在および密度を調べるための方法を用いて、それについてある種の抗−CD19抗体がB細胞を枯渇させることができる患者または患者集団を同定することができ、および/または抵当な用量を決定することができる。
前記で示した結果は、テストした全ての5つの抗−CD19抗体が、250または50μgで用いた場合に、TG−1+/−マウスにおいて同様に有効であるが、血液骨髄および脾臓からのB細胞についてのB細胞枯渇の程度は、抗体イソタイプIgG2a>IgG1>IgG2bと相関するように見えたことを示す(図2Aないし2D)。従って、HB12b(IgG1)およびFMC63(IgG2a)抗体の有効性を、異なる密度でCD19を発現するホモ接合性TG−1+/+、ヘテロ接合性TG−1+/−およびホモ接合性TG−2+/+マウスにおいて比較した(図1AないしE)。
CD19密度が抗−CD19抗体−誘導B細胞枯渇の有効性に影響するか否かを調べるために、代表的な血液および脾臓B細胞枯渇を、HB12b(図8A)またはFMC63(図8B)抗体処理(7日、250μg/マウス)後にhCD19TGマウスにおいて調べた。数字は、ゲーテッドB220+リンパ球のパーセンテージを示す。棒グラフは、抗−CD19抗体(閉じた棒線)またはイソタイプ−対象(開いた棒線)抗体での処理後における(mL当たりの)血液または脾臓(合計数)B細胞の数(±SEM)を示す。抗−CD19抗体またはイソタイプ対照抗体処理マウス(データ点当たり≧3マウス)についての平均結果の間の有意さが示される;*p<0.05、**p<0.01。
図8Aないし8Dに示された結果は、CD19の密度がインビボにて抗−CD19抗体によるB細胞枯渇の効率に影響することを示す。TG−2+/+マウスにおける低レベルのCD19発現は、7日においてHB12b抗体による循環または組織B細胞枯渇に顕著な影響を有した(図8A)。TG−1+/+、TG−1+/−およびTG−2+/+マウスによるCD19発現の差もまた、FMC63抗体による循環および組織B細胞枯渇に影響したが、循環B細胞枯渇を有意には変化させなかった(図8B)。
CD19密度がCD19 mAb−媒介B細胞枯渇における重要な因子であることをさらに確認するために、CD19TG−1+/+およびCD19TG−2+/+B細胞の相対的枯渇速度を直接的に比較した。CD19TG−1+/+およびCD19TG−2+/+マウスからの脾臓細胞を、hCD19TG−1+/+からの未分画脾臓細胞を標識することによってCFSEで異なって標識し、hCD19TG−2+/+マウスは、製造業者の指示に従って、各々、0.1および0.01μM VybrantTM CFDA SE(CFSE;Molecular Probes)で標識した。CFSE−標識脾臓細胞の間でのB220+細胞の相対的頻度は、フローサイトメトリー分析での免疫蛍光染色によって決定した。引き続いて、同等数のCFSE−標識B220+hCD19TG−1+/+およびhCD19TG−2+/+脾臓細胞(2.5×105)を3つの野生型B6マウスの腹腔な注射した。1時間後にマウスにFMC63または対照mAb(250μg、腹腔内)いずれかを与えた。24時間後に標識したリンパ球は、フローサイトメトリーによって評価して、CFSE−標識B220+およびB220−細胞の相対的頻度につき回復した。図8Cにおける各ヒストグラム中のゲートは、CD19TG−1+/+(CFSEhigh)およびCD19TG−2+/+(CFSElow)は脾臓細胞集団内のB220+細胞の頻度を示す。棒グラフは、対照mAb−処理マウスに対する抗−CD19mAb処理マウスに存在するCFSE標識細胞集団の数を示す。結果は、≧3野生型受容体マウスに導入されたhCD19TG−1+/+脾臓細胞(塗り潰した棒線)およびhCD19TG−2+/+脾臓細胞(開いた棒線)を表し、試料平均(±SEM)の間の有意さが示された;**p<0.01。
個々のマウスの抗−CD19または対照mAb処理から24時間後にB細胞クリアランスを評価した。CD19TG−1+/+B220+B細胞は、対照mAb−処理マウスと比較して抗−CD19mAB処理マウスにおけるCD19TG−2+/+B細胞よりも有意に速い速度(p<0.01)で枯渇された(図8C)。さらに、抗−CD19mAb処理マウスにおけるCD19TG−2+/+B220+B細胞に対するCD19TG−1+/+B220+B細胞の相対的頻度は、対照mAb処理マウスにおけるCD19TG−2+/+B220+B細胞に対するCD19TG−1+/+B220+B細胞の比率よりも有意に低かった(p<0.01)。同様に、抗−CD19または対照mAbマウスにおけるCD19TG−1+/+およびCD19TG−2+/+CFSE−標識B220−細胞の数もまた匹敵した。かくして、高密度CD19を発現するCD19TG−1+/+B細胞は、低密度でCD19を発現するCD19TG−2+/+B細胞よりも速い速度で枯渇された。
図8Dは、CD19(太線)、CD20(細線)またはイソタイプがマッチした対照(CTL,ダッシュ線)抗体(5μg/mL)で染色されたB220+の蛍光密度を示し、抗体染色はフローサイトメトリー分析にてイソタイプ−特異的PE−コンジュゲーテッド二次抗体を用いて可視かされた。結果は4つの実験で得られたものを表す。結果は、TG−1+/−マウスからの脾臓B220+B細胞上の相対的抗−hCD19および抗−mCD20抗体結合密度を示す。抗−mCD20抗体結合の密度が、いずれの抗体イソタイプが各抗体で用いられたかにかかわらず、10ないし64%と、抗−CD19抗体結合と同様に高かった(図8D)。mCD20発現はhCD19発現よりも一般には低かったが、TG−1+/−におけるhCD19発現のレベルは、依然として、ヒトB細胞で見出されるhCD19発現のレベルに匹敵する(図1B)。かくして、抗−CD19抗体は、比較的低密度でhCD19を発現したTG−2+/+B細胞を有効に枯渇させた(図1B)が、TG−1+/+およびTG−1+/−B細胞による高レベルCD19発現は、IgG2aおよびIgG1抗体の有効性の相対的差を不明瞭とした。TG−1およびTG−2トランスジェニックマウスにおけるB細胞の数およびhCD19発現の密度の間には直接的な逆相関があるが、hCD19の密度は、B細胞の枯渇に寄与する重要な因子である。抗−CD19抗体レベルは、250μg/マウスで投与した場合に飽和された(また、図12における飽和レベル参照)。かくして、遊離抗−CD19抗体レベルは、B細胞数にかかわらず過剰であった。
(6.4 実施例3:組織B細胞枯渇はFCγR−依存性である。)
以下のアッセイを用いて、抗−CD19抗体によるB細胞枯渇は、FcγR発現に依存するか否かを決定した。ある種のFcγRを欠如するマウスとhCD19tgを異種交配させるプロセスを通じ、hCD19を発現し、ある種のFcγRの発現を欠如するマウスを 作製した。そのようなマウスをアッセイで用いて、FcγR発現に関係する経路、例えば、ADCCを介してB細胞を枯渇させる抗−CD19抗体の能力を評価した。かくして、これらのアッセイで同定された抗−CD19抗体を用いて、セクション5.1で前記された技術を用いてキメラ、ヒトまたはヒト化抗−CD19抗体を作製することができる。そのような抗体は、今度は、ヒトにおける自己免疫疾患および障害の治療のために本発明の組成物および方法で用いることができる。
以下のアッセイを用いて、抗−CD19抗体によるB細胞枯渇は、FcγR発現に依存するか否かを決定した。ある種のFcγRを欠如するマウスとhCD19tgを異種交配させるプロセスを通じ、hCD19を発現し、ある種のFcγRの発現を欠如するマウスを 作製した。そのようなマウスをアッセイで用いて、FcγR発現に関係する経路、例えば、ADCCを介してB細胞を枯渇させる抗−CD19抗体の能力を評価した。かくして、これらのアッセイで同定された抗−CD19抗体を用いて、セクション5.1で前記された技術を用いてキメラ、ヒトまたはヒト化抗−CD19抗体を作製することができる。そのような抗体は、今度は、ヒトにおける自己免疫疾患および障害の治療のために本発明の組成物および方法で用いることができる。
先天性免疫系は、FcγR−依存性プロセスを介する抗−CD20抗体処理に続いて、B細胞枯渇を媒介する。マウスエフェクター細胞はIgGについて4つの異なるFcγRくらす、高−親和性FcγRI(CD64)、低−親和性FcγRII(CD32)、FcγRIII(CD16)、およびFcγRIV分子を発現する。FcγRI、FcγRIIIおよびFcγRIVはヘテロオリゴマー複合体である、ここに、各リガンド−結合α鎖は共通のγ鎖(FcRγ)と会合する。FcRγ鎖発現はFcγRの組み立て、およびマクロファージによるファゴサイトーシスを含めたエフェクター機能のFcγRトリガリングに必要である。FcRγ−/−マウスは高−親和性FcγRI(CD64)および低−親和性FcγRIII(CD16)およびFcγRIV分子を欠如するため、hCD19を発現するFcRγ−/−マウスを 用いて、抗−CD19抗体処理に続いての組織B細胞枯渇におけるFcγRの役割を評価した。図9Aは、FcRγ+/−またはFcRγ−/−同腹子の抗−CD19またはイソタイプ対照抗体処理から7日後における代表的な血液および脾臓B細胞枯渇を示す。数字は、示されたゲート内におけるB220+リンパ球のパーセンテージを示す。図9Bは、0日におけるFcRγ−/−同腹子の抗体処理から7日後における血液および組織B細胞枯渇を示す。血液では、時刻0後に示された値は、1時間において得られたデータを表す。棒グラフは、マウス(群当たり≧3マウス)の抗−CD19(塗り潰した棒線)またはイソタイプ対照(開いた棒線)抗体処理後における平均B220+B細胞数(±SEM)を表す。抗−CD19またはイソタイプ−対照抗体処理マウスについての平均結果の間の有意な差が示される;*p<0.05、**p<0.01。図9Aおよび9Bに示された結果は、抗−CD19抗体処理に続いてのB細胞枯渇がFcRγ−依存性であることを示す。対照IgG2a抗体で処理されたFcRγ−/−同腹子と比較すると、FMC63抗体処理に続いて、FcRγ−/−マウスにおける骨髄、血液、脾臓、リンパ節および腹腔B細胞の数に有意な変化はなかった。対照的に抗−CD19抗体処理は、FcRγ+/−同腹子においてほとんどのB細胞を枯渇させた。かくして、抗−CD19抗体処理は、主として、FcγRIおよびFcγRIII発現を必要とする経路を通じて血液および組織B細胞を枯渇させる。
図9Cは、単球−枯渇hCD19TG−1+/−マウスにおける代表的なB細胞数を示す。マウスを−2、1および4日にクロドロネート−リポソームで処理し、0日にFMC63(n=9)、イソタイプ対照(n=6)、またはCD20(n=3)mAb(250μg)を与えた。PBS−リポソームおよびFMC63抗−CD19抗体(N=3)で処理したマウスを対照として供した。代表的な血液および脾臓B細胞枯渇を、示されたゲート内でのリンパ球のパーセンテージと共に抗体処理から7日後に示される。
図9Dは、(C)におけるような抗体処理から7日後の血液および組織B細胞枯渇を示す。棒グラフは、マウス(群当たり≧3マウス)の抗体処理後の平均B220+B細胞数(±SEM)を表す。血液では、値は、FMC63抗−CD19抗体で処理したPBS−処理マウス(閉じた三角形)、または対照抗体(開いた丸印)、CD20抗体(閉じた四角)、またはFMC63抗−CD19抗体(閉じた丸印)で処理した単球−枯渇マウスにおける循環B細胞の数を示す。イソタイプ−対象mAb−処理マウスおよび他の群についての平均結果の間の有意差が示される;*p<0.05、**p<0.01。
図9に示された結果は、抗−CD19抗体処理に続いてのB細胞枯渇がFcRγおよび単球−依存性であることを示す。リポソーム−カプセル化クロドロネートでの処理によってマクロファージ−欠乏とされたマウスは、FMC63、抗−CD20(MB20−11)または対照抗−CD19抗体処理から1日後に循環B細胞を有意に枯渇させず、FMC63抗体処理はPBS−負荷リポソームで処理されたマウスにおいて循環B細胞を排除した(図9CないしD)。4ないし7日後に、循環B細胞の数はFMS63および抗−CD20抗体処理双方によって有意に枯渇され、抗−CD19抗体処理はクロドロネート−処理マウスにおいてB細胞数に対してより劇的な効果を有する。同様に、抗−CD19および抗−CD20抗体処理は、対照抗体処理同腹子に対して7日においてクロドロネート−処理マウスにおいて骨髄B220+細胞数を55%だけ減少させ、他方、抗−CD19抗体処理はPBS−処理マウスにおいて骨髄B220+細胞数を88%だけ減少させた。抗−CD19抗体処理は、対照抗体処理同腹子に対して7日にクロドロネート−処理マウスにおいて脾臓B細胞数を52%だけ減少させ、他方、抗−CD20抗体処理はB細胞を最小に枯渇させ、抗−CD19抗体処理はPBS−処理マウスにおいて脾臓B細胞数を89%だけ減少させた。抗−CD19抗体処理および抗−CD20抗体処理は共に対照抗体処理同腹子に対して7日にクロドロネート−処理マウスにおいてリンパ節B細胞数を48ないし53%だけ減少させ、他方、抗−CD19抗体処理は、PBS処理マウスにおいてリンパ節B細胞数を93%だけ減少させた。血液、脾臓およびリンパ節において、抗−CD19抗体処理は、PBS処理同腹子におけるよりもクロドロネート−処理マウスにおいて有意に効率は低かった(p<0.01)。これらの治験は、インビボにおけるCD19+およびCD20+B細胞の枯渇についての主要エフェクター細胞としてのマクロファージを示唆し、抗−CD19抗体療法が、単球の数または機能が低下した場合に、抗−CD2019抗体療法よりも有効であり得ることを示す。
(6.5 実施例4:抗−CD19抗体−誘導B細胞欠失は持続的である。)
B細胞枯渇の有効性および持続を評価するために、hCD19TGマウスに抗−CD19抗体の単一低用量250μg注射を投与した。図10AないしCは、抗−CD19抗体処理に続いてのB細胞枯渇の持続および用量応答を示す。図10Aは、0日におけるTG−1+/−マウスのFMC63またはイソタイプ−対照抗体処理に続いての血液B220+B細胞およびThy−1+T細胞の数を示す。値は、各群における6匹のマウスからの平均(±SEM)結果を表す。結果は、循環B細胞が、続く13週間にわたって血液で生じるB細胞の暫時の回復でもって13週間枯渇したことを示す。Thy−1+T細胞表示は、抗−CD19処理の結果として変わらなかった。
B細胞枯渇の有効性および持続を評価するために、hCD19TGマウスに抗−CD19抗体の単一低用量250μg注射を投与した。図10AないしCは、抗−CD19抗体処理に続いてのB細胞枯渇の持続および用量応答を示す。図10Aは、0日におけるTG−1+/−マウスのFMC63またはイソタイプ−対照抗体処理に続いての血液B220+B細胞およびThy−1+T細胞の数を示す。値は、各群における6匹のマウスからの平均(±SEM)結果を表す。結果は、循環B細胞が、続く13週間にわたって血液で生じるB細胞の暫時の回復でもって13週間枯渇したことを示す。Thy−1+T細胞表示は、抗−CD19処理の結果として変わらなかった。
図10Bないし10Cは、抗体処理から11、16および30週間後の図10Aに示されたマウスにおける代表的な組織B細胞枯渇を示す。数字は、示されたゲート内でのB220+リンパ球のパーセンテージを示す。図10Bにおける結果は、骨髄、血液、脾臓、リンパ節および腹腔が抗体処理から11週間後にB細胞を実質的に欠如したことを示す(試料平均の間の有意な差が示される;*p<0.05、**p<0.01)。循環B細胞の最初の出現の後、循環B細胞数が正常な範囲に到達するのに>10のさらなる週間を必要とした。抗体処理から16週間後までに、血液、脾臓、LNおよびPLのB細胞は回復し始め、他方、BM B細胞区画は未処理対照から有意に異ならなかった。図10Cに示すように、30週間までには、全ての組織は正常な対象におけるのと匹敵するレベルのB細胞が以前のように集団を形成した。
図10Dは、血液、骨髄および脾臓のB細胞枯渇についての抗−CD19抗体用量応答を示す。マウスを、0日に抗−CD19抗体で処理し、組織B細胞提示を7日に評価した。結果は、各抗体用量について各群において3匹のマウスで得られたものを表す。対照抗体用量は250μgであった。試料平均の間の有意な差が示される;*p<0.05、**p<0.01。2μg/マウスと低い単一FMC63抗体用量は有意数の循環B細胞を枯渇させ、他方、10μgのHB12b抗体は循環B細胞数を有意に低下させるのに必要であった(図10D)。7日までの骨髄および脾臓B細胞の有意な枯渇は、5倍高い抗体用量の10ないし50μg/マウスを必要とした。かくして、比較的低い用量におけるCD19抗体処理は、有意な時間の間、循環および組織B細胞の大部分を枯渇させることができる。
(6.5.1 抗−CD19抗体の投与後におけるB細胞表面でCD19は執拗に存在する。)
CD19内部化がインビボでB細胞枯渇に影響したか否かは、HB12a、HB12bおよびFMC63抗体処理(250μg)後に細胞−表面CD19発現を比較することによって評価した。
CD19内部化がインビボでB細胞枯渇に影響したか否かは、HB12a、HB12bおよびFMC63抗体処理(250μg)後に細胞−表面CD19発現を比較することによって評価した。
図11Aないし11Cは、HB12a(図11A)、HB12b(図11B)、FMC63(図11C)またはイソタイプがマッチした対照抗体(250μg)でインビボ処理したTG−1+/−マウスにおける細胞表面CD19発現およびB細胞クリアランスを示す。時刻0(抗−CD19投与前)における、および抗体投与から1、4および24時間後において、脾臓B細胞を収穫し、フローサイトメトリー分析にてインビトロで細胞をイソタイプ−特異的二次抗体で処理することによって、CD19(太線)および対照(細線)抗体結合について評価した。単離されたB細胞を、フローサイトメトリー分析にてインビトロで飽和濃度の各CD19抗体+イソタイプ特異的二次抗体でインビトロにてやはり処理した。各時点は一匹のマウスについての結果を表す。図11Aないし11Cに表される結果は、細胞表面CD19がインビボでの抗体結合に続いて細胞表面から排除されないことを証明し、脾臓B細胞の大部分は、均一な高レベルの細胞表面hCD19を抗体処理後24時間までの間発現したが、B細胞のサブセットは、FMC63抗体処理後1時間において低下したレベルのhCD19を発現したことを示す(図11C)。図11Aないし11Cに示された結果は、B細胞の表面のCD19の量が一定であることも示し、ADCCを媒介するB細胞の能力が維持されることを意味する。
結果は、CD19が驚くべきことに、抗−CD19抗体の投与後に予測されるよりも低いレベルの内部化を呈したことを示す。特に、結果は、CD19が、予期せぬことに、抗−CD19抗体の結合に続いて細胞表面に執拗に存在し、かくして、B細胞はADCC活性に対して接近可能なままであることを示す。これらの結果は、部分的には、本発明の抗−CD19抗体および治療養生法がなぜ、自己免疫疾患および障害を治療するのに有効であるかを示す。
図12Aないし12Cは、B細胞の枯渇の程度、およびhCD19に結合し、かくして、他の抗−hCD19抗体の結合を阻害する抗−CD19抗体の能力を記載する。図12Aにおける結果は、FMC63(250μg)のTG−1+/−マウスへの単一投与の結果、抗体投与から1時間以内に血液および脾臓B細胞が共に有意に枯渇されることを示す。この実験において、抗−CD19抗体投与に先立って、あるいはそのうち種々の時点、1、4または24時間後に、血液および脾臓を収穫し、B細胞頻度を評価した。血液試料を抗−Thy1.2および抗−B220染色して、下側右象限においてB細胞を同定した。脾臓細胞を抗−IgMおよび抗−B220抗体で染色した、示されたゲート内でB細胞を同定した。各時点は1匹のマウスでの結果を表す。予期せぬことに、血液B細胞は脾臓B細胞よりも迅速に除去された。
図12Aに記載されたB細胞枯渇は、投与された抗体が、投与から1時間以内に、hCD19上の利用可能な抗体−結合部位を飽和したことを示唆した。この観察を確認するために、マウスをFMC63(hCD19)結合抗体またはイソタイプ−対照抗体いずれかで処理した。その後種々の時点において、血液および脾臓B細胞をフルオロクローム−コンジュゲーテッドB4抗体で染色して、mCD19+またはmCD20+B細胞の表面の占有されていない抗体結合部位を同定した。上方および下方−右側象限内の細胞の頻度を占めす。各時点は、一匹のマウスからの結果を表す。結果は、FMC63処理の結果、脾臓よりも迅速に枯渇される血液B細胞での実験の間にわたってhCD19担持細胞が徐々に枯渇したことを示す。各時点において残存するB細胞はmCD19またはmCD20のそれらの発現によって同定することができるが、B4によって染色されず、これは、投与されたFMC63が残存するB細胞に結合したことを示唆する。これらの治験は、インビボでB細胞に結合し、それを枯渇させるFMC63の能力を確認する。さらに、FMC63はB4結合を妨げ、これは、これらの抗体がhCD19上の重複するエピトープを認識することを示唆する。図12Cの結果により、HB12b抗体処理(250μg)もまた、投与から1時間以内にhCD19上の抗体−結合部位を飽和し、その結果、hCD19陽性B細胞を枯渇することが確認される。予期せぬことに、HB12b抗体はB4抗体の結合を完全には阻害せず、これは、FMC63とは異なり、HB12bが、B4によって認識されるものとは区別されるhCD19上のエピトープを認識することを示唆する。図12Bないし12Cに示される結果は、ほとんどの抗−CD19抗体がほとんどの他の抗−CD19抗体の結合を阻害することを証明し、これは、ほとんどの抗−CD19抗体が、CD19蛋白質上の同様な、同一の、または重複する領域またはエピトープに結合することを示す。別法として、これらの観察は、抗体分子のサイズと比較したCD19細胞外ドメインの比較的小さなサイズにも由来し得る。
(6.6 実施例5:抗−CD19抗体処理は、液性免疫および自己免疫を無くする。)
本実施例に記載されたアッセイを用いて、抗−CD19抗体が免疫応答を排除または弱めることができるか否かを決定することができる。これらのアッセイで同定された抗−CD19抗体を用いて、セクション5.1にて前記した技術を用いてキメラ、ヒトまたはヒト化抗−CD19抗体を作製することができる。そのような抗体は、今度は、自己免疫疾患および障害のヒトにおける治療用の本発明の組成物および方法で用いることができる。
本実施例に記載されたアッセイを用いて、抗−CD19抗体が免疫応答を排除または弱めることができるか否かを決定することができる。これらのアッセイで同定された抗−CD19抗体を用いて、セクション5.1にて前記した技術を用いてキメラ、ヒトまたはヒト化抗−CD19抗体を作製することができる。そのような抗体は、今度は、自己免疫疾患および障害のヒトにおける治療用の本発明の組成物および方法で用いることができる。
血清抗体レベルに対する抗−CD19抗体−誘導B細胞枯渇の効果は、hCD19TG+/−マウスに抗−CD19抗体の単一注射を与えることによって評価した。図13Aは、CD19抗体処理がTG−1+/−マウスにおいて血清免疫グロブリンレベルを低下されることを示す。二ヶ月齢同腹子を0日においてFMC63(閉じた丸印)または対照(開いた丸印)抗体(250μg)の単一注射で処理した。抗体レベルをELISAによって測定し、平均値(±SEM)を≧5マウスの各群について示す。CD19または対照mAb−処理マウスの間の差は有意であった;*p<0.05、**p<0.01。結果は、1ないし2週間後には、血清IgM、IgG2b、IgG3、およびIgA抗体レベルは有意に低下され、少なくとも10週間の間は低下したままであったことを示す。(図13A)。IgG1およびIgG2a血清レベルは処理から6週間および4週間のちに有意に正常未満であった。
hCD19TG+/−マウスは2ヶ月齢後に検出可能な自己抗体を生産する(Sato et al.,J.Immunol.,157:4371(1996))ため、ssDNA、dsDNAおよびヒストンへも血清自己抗体結合を評価した。図13Bは、抗−CD19抗体処理が、抗−CD19抗体処理の後に、自己抗体抗−dsDNA、抗−ssDNAおよび抗−ヒストン自己抗体を低下させることを示す。結果は、抗−CD19抗体処理が2週間のちに血清IgM自己抗体レベルを有意に低下させ、10週間までの間、イソタイプ−スイッチドIgG自己抗体の発生を妨げたことを示す(図13B)。かくして、B細胞枯渇は急性および長期抗体応答を実質的に低下させ、正常および病原性免疫応答のクラス−スイッチングを減弱化した。
T細胞−非依存性タイプ1(TI−1)およびタイプ2(TI−2)抗体応答に対するB細胞枯渇の影響を、抗−CD19抗体(FMC63)または対照抗体処理から7日に、hCD19TG+/−マウスを(0日に)TNP−LPSまたはDNP−Ficollで免疫化することによって評価した。有意なハプテン−特異的IgM、IgG、およびIgA抗体応答は、いずれの抗原で免疫化した抗−CD19抗体−処理マウスにおいても観察されなかった(図14Aおよび14B)。T細胞−依存性(TG)Ag、DNP−KLHに対する抗体応答もまた、免疫化から7日前に抗−CD19抗体で処理したマウスを用いて評価した(図14B)。図14Cは、抗−CD19抗体で処理されたDNP−KLH免疫化マウスは低下した液性免疫を示したことを示す。同腹子を、0日における一次免疫化の7日前にFMC63(閉じた丸印)、対照(開いた丸印)抗体(250μg)で処理し、示した日に血清を得た。DNP−KLH免疫化のために、21日に、すべてのマウスを100μgのDNP−KLHで挑戦させた。全ての値は、各群の5匹のマウスからの血清を用いて得られた平均(±SEM)ELISA OD単位である。抗−CD19または対照抗体−処理マウスの間の差は有意であった;*p<0.05、**p<0.01結果は、対照抗体−処理同腹子が、DNP−KLH免疫化から7日のちに一次IgM抗体応答を生じ、21日における抗原挑戦後に二次応答を生じたことを示す(図14C)。しかしながら、有意なハプテン−特異的IgM、IgGまたはIgA抗体応答は、抗原で免疫化された、またはそれで再度挑戦されたCD19 MAb−処理マウスで検出されなかった。二次抗体応答に対するB細胞枯渇の効果を評価するために、マウスをDNP−KLHで免疫化し、14日のちに抗−CD19抗体で処理した(矢印)(図14D)。21日までには、血清IgM、IgG、およびIgA抗−DNP抗体応答は、CD19mAb−処理マウスにおいて、対照mAbで処理した免疫化マウスのそれ未満のレベルまで低下していた。しかしながら、21日にDNP−KLHでの対照mAb−処理マウスの再挑戦は、有意な二次抗体応答を誘導し、他方、CD19 mAb−処理マウスはDNP−KLH再挑戦のちに抗−DNP抗体を生じなかった。かくして、CD19 mAb−誘導B細胞枯渇は一次および二次双方の抗体応答を実質的に低下させ、液性免疫応答のあいだのクラス−スイッチングを妨げた。
(6.7 実施例6:抗−CD20抗体処理と組み合わせた抗−CD19抗体処理)
本明細書中で記載されたアッセイを用いて、化学療法、トキシン療法または放射線療法と組み合わせた、他の組合せまたはコンジュゲート療法、例えば、抗−CD19抗体が添加剤のような有益な効果を有するか、またはB細胞の相加的枯渇以上を有するかを決定することができる。動物モデルでテストした組合せ療法の結果を、当該分野でよく知られた手段によってヒトに相関させることができる。
本明細書中で記載されたアッセイを用いて、化学療法、トキシン療法または放射線療法と組み合わせた、他の組合せまたはコンジュゲート療法、例えば、抗−CD19抗体が添加剤のような有益な効果を有するか、またはB細胞の相加的枯渇以上を有するかを決定することができる。動物モデルでテストした組合せ療法の結果を、当該分野でよく知られた手段によってヒトに相関させることができる。
抗−CD20抗体は、インビボにてヒトおよびマウスB細胞を枯渇させるのに効果的である。従って、抗−CD19(FMC63)および抗−CD20(MB20−11)抗体での同時処理の利点を評価して、これがB細胞枯渇を増強させたか否かを決定した。マウスを最適下2μg用量の各抗体で個々に、または1μgの双方の抗体の組合せで、または組み合わせた2μgの用量で処理した。図15は、0日において、対照(250μg)、FMC63(CD19、2μg)、MB20−11(各々1μg)、またはFMC63+MB20−11(各々2μg)抗体で処理したTG−1+/−マウスの結果を示す。血液B細胞の数は時刻0、1時間、1日、4日および7日に測定した。組織B細胞数は7日に測定した。値は3匹のマウスの群からの平均(±SEM)を表す。図15で示された結果は、同時抗−CD19および抗−CD20抗体処理が有益であることを示す。1μgの双方の抗体の組合せで処理されたマウスにおけるB細胞の枯渇は中程度、または2μgの各個々の抗体でのマウスの処理後に観察された枯渇と同様であった(図15)。しかしながら、2μgの双方の抗体でのマウスの同時処理は、いずれかの抗体単独で観察されたよりも有意に多いB細胞枯渇に導いた。かくして、組み合わせた抗−CD19および抗−CD20抗体用法は、B細胞枯渇を増強させた有益な効果を有した。これは、個々のB細胞の表面へのより治療的に有効な抗体分子の蓄積に由来する。
(6.8 実施例7:皮下(S.C.)抗−CD19抗体投与は治療的に有効である。)
本明細書中に記載されたアッセイを用いて、抗−CD19抗体の皮下投与経路が有効にB細胞を枯渇されるかできるか否かを決定することができる。動物モデルでテストした異なる送達経路の有効性の結果を、当該分野でよく知られた手段によってヒトに相関させることができる。
本明細書中に記載されたアッセイを用いて、抗−CD19抗体の皮下投与経路が有効にB細胞を枯渇されるかできるか否かを決定することができる。動物モデルでテストした異なる送達経路の有効性の結果を、当該分野でよく知られた手段によってヒトに相関させることができる。
静脈内投与された抗−CD19抗体は循環および組織B細胞を有効に枯渇させるため、皮下または腹腔内投与された抗−CD19がB細胞を同程度枯渇させたか否かを評価した。野生型マウスを、250μgのFMC63抗体で皮下(s.c.)腹腔内(i.p.)またはi.v.いずれかで処理した。値は、フローサイトメトリーによって評価された、7日(n≧3)における(mL値の)平均(±SEM)血液、骨髄、脾臓、リンパ節、および腹腔B220+B細胞数を表す。マウスの各群についての平均結果の間の有意差が対照との比較において示される;*p<0.05、**p<0.01。図16における結果は、CD19抗体の皮下(s.c.)腹腔内(i.p.)およびi.v.投与がインビボにて循環および組織B細胞を有効に枯渇させることを示す。循環および組織B細胞のほとんど大部分は、i.v.、i.p.、またはs.c.いずれかで250μg用量としての抗−CD19抗体が与えらたマウスで枯渇された(図16)。予期せぬことに、抗−CD19抗体のi.p.投与は、i.v.処理よりも有利に良好に腹腔B細胞を枯渇させなかった。従って、抗−CD19抗体を用いて、≦64mg s.c.注射として与えた場合に、循環および組織B細胞を共に有効に枯渇させることができる。抗−CD19抗体は10μg用量i.v.に下げるまで有効である(図10D)ため、より低いs.c.抗体用量さえ効果的なようである。
本発明は範囲が本明細書中に記載された特別な実施形態によって制限されるべきではない。事実、記載されたものに加えて本発明の種々の修飾は、これまでの記載および添付の図面から当業者に明らかとなるであろう。そのような修飾は特許請求の範囲の範囲内に入ることを意図する。
種々の刊行物がここに引用されたが、その開示を引用してその全体を援用する。
Claims (104)
- 医薬上許容される担体中にIgG1またはIgG3ヒトイソタイプのモノクローナルヒトまたはヒト化抗−CD19抗体を含む医薬組成物。
- 医薬上許容される担体中に治療有効量のIgG1またはIgG3ヒトイソタイプのモノクローナルキメラ化抗−CD19抗体を含む医薬組成物。
- 前記IgG1またはIgG3ヒトイソタイプのモノクローナルキメラ化抗−CD19抗体の治療有効量が約1mg/kg患者体重未満である請求項2記載の医薬組成物。
- 前記IgG1またはIgG3ヒトイソタイプのモノクローナルキメラ化抗−CD19抗体の治療有効量が約2mg/kg患者体重未満である請求項2記載の医薬組成物。
- 前記抗−CD19抗体がIgG1ヒトイソタイプ抗体である請求項1または2記載の医薬組成物。
- 前記抗−CD19抗体がIgG3ヒトイソタイプ抗体である請求項1または2記載の医薬組成物。
- 医薬上許容される担体中に、ヒト抗体−依存性細胞傷害(ADCC)を媒介する治療有効量のモノクローナルヒトまたはヒト化抗−CD19抗体を含む医薬組成物。
- 医薬上許容される担体中の、ヒト抗体−依存性細胞傷害(ADCC)を媒介するモノクローナルキメラ化抗−CD19抗体を含む医薬組成物。
- 前記抗−CD19抗体がIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4ヒトイソタイプのものである請求項7または8記載の組成物。
- 前記抗−CD19抗体は少なくとも4ないし7日の半減期を有する請求項1、2、7または8記載の医薬組成物。
- 前記組成物が1500mg/m2以下の用量の抗−CD19抗体を含む請求項1、2、7または8記載の医薬組成物。
- 前記組成物が375mg/m2以下の用量の抗−CD19抗体を含む請求項11記載の医薬組成物。
- 前記組成物が1.5mg/m2以下の用量の抗−CD19抗体を含む請求項11記載の医薬組成物。
- 前記組成物が0.5μg/m2以下の用量の抗−CD19抗体を含む請求項13記載の医薬組成物。
- 前記抗−CD19抗体が検出可能に標識される請求項1、2、7または8記載の医薬組成物。
- 前記抗−CD19抗体は裸の抗体である請求項1、2、7または8記載の医薬組成物。
- 前記抗−CD19抗体が治療化合物にコンジュゲートされた請求項1、2、7または8記載の医薬組成物。
- 前記抗−CD19抗体が細胞傷害性剤にコンジュゲートされた請求項1、2、7または8記載の医薬組成物。
- 前記抗−CD19抗体が診断剤にコンジュゲートされた請求項1、2、7または8記載の医薬組成物。
- 前記抗−CD19抗体が静細胞剤にコンジュゲートされた請求項1、2、7または8記載の医薬組成物。
- 前記抗−CD19抗体がアポトーシスを誘導する剤にコンジュゲートされた請求項1、2、7または8記載の医薬組成物。
- 前記抗−CD19抗体は二特異的である請求項1、2、7または8記載の医薬組成物。
- 前記二特異的抗−CD19抗体がエフェクター細胞に結合することについて特異性を有する請求項20記載の医薬組成物。
- 前記抗−CD19抗体のADCC機能が、インビトロにてエフェクター細胞による標的細胞溶解を媒介する該抗−CD19抗体の能力を測定することによって評価される請求項7記載の医薬組成物。
- 前記抗−D19抗体が抗体HB12aまたはHB12bの重鎖CDR3領域、あるいはHB12aまたはHB12b抗体の重鎖CDR3領域に対して少なくとも25%アミノ酸配列同一性を有する重鎖CDR3領域を含む請求項1、2、7または8記載の医薬組成物。
- 前記抗−CD19抗体が、HB12aまたはHB12b抗体の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3領域、またはHB12aまたはHB12b抗体の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3領域に対して少なくとも25%アミノ酸配列同一性を有する重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3領域を含む請求項23記載の医薬組成物。
- 循環B細胞を枯渇させるのに十分な量の抗−CD19抗体を受容体に投与することを含み、ここに、該抗−CD19抗体は、単独で、または1以上の他の治療剤と組み合わせて投与される、それを必要とするヒト移植体受容体において液性拒絶を治療または予防する方法。
- 前記抗−CD19抗体が、循環B細胞または循環免疫グロブリン、または双方を枯渇させるのに十分な量にて移植に先立って投与され、ここに、該抗−CD19抗体は、単独で、または1以上の他の治療剤と組み合わせて投与される請求項27記載の方法。
- 移植に先立って、移植片を、該移植片からB細胞を枯渇させるのに十分な量の抗−CD19抗体と接触させることを含む、それを必要とする移植体受容体において移植片拒絶、または移植片−対−宿主病を予防する方法。
- 前記移植片をエクスビボにて抗−CD19抗体と接触させる請求項29記載の方法。
- さらに、前記移植片を、抗−Tリンパ球抗体または抗−胸腺細胞グロブリンの1以上と接触させる請求項29記載の方法。
- 前記方法が、急性または慢性液性拒絶を治療するためのものである請求項27記載の方法。
- 前記拒絶が:循環抗−ドナーアロ抗体によって特徴付けられる潜在的液性応答;循環抗−ドナーアロ抗体およびC4d沈積によって特徴付けられるサイレント反応;および循環抗−ドナーアロ抗体、C4d沈積、および組織病理学によって特徴付けられる臨床下拒絶よりなる群から選択される初期段階液性拒絶である請求項32記載の方法。
- 前記拒絶が循環抗−ドナーアロ抗体、C4d沈積、組織病理学、および移植片機能不全によって特徴付けられる請求項32記載の方法。
- 前記受容体が検出可能なレベルの循環抗−HLAアロ抗体を有する請求項27、28または29いずれか1記載の方法。
- 前記受容体が、造血系細胞移植体、膵臓島細胞の同種異系移植体、あるいは心臓移植体、腎臓−膵臓移植体、腎臓移植体、肝臓移植体、肺移植体、および膵臓移植体よりなる群から選択される固体器官移植体の受容体である請求項27または29いずれか1記載の方法。
- 前記移植体が膵臓島細胞の同種異系移植体の受容体である請求項27、28または29いずれか1記載の方法。
- 前記移植体が造血細胞移植体の受容体である請求項27、28または29いずれか1記載の方法。
- 前記1以上の他の治療剤はアドリアマイシン、アザチオプリン、ブスルファン、シクロホスファミド、サイクロスポリンA、サイトキシン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、メトトレキサート、マイコフェノレートモフェチル、非ステロイド抗−炎症剤、ラパマイシン、シロリムス、およびタクロリムスよりなる群から選択される請求項27または28記載の方法。
- 前記1以上の他の治療剤がOKT3TM(ムロモナブ−CD3)、CAMPATHTM−1G、CAMPATHTM−1H(アレムツズマブ)、またはCAMPATHTM−1M、SIMULECTTM(バシリキシマブ)、ZENAPAXTM(ダクリズマブ)、RITUXANTM(リツキシマブ)、および抗−胸腺細胞グロブリンよりなる群から選択される抗体である請求項27または28記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体の投与は、移植片拒絶の治療または予防用の治療養生法を含む請求項27記載の方法。
- 前記治療養生法が、さらに、免疫抑制療法、抗−リンパ球療法、免疫吸着、またはプラズマフェレシスの1以上を含む請求項41記載の方法。
- 前記免疫抑制療法が、ステロイド、サイトカイン転写の阻害剤、ヌクレオチド合成の阻害剤、成長因子シグナル伝達の阻害剤、およびT細胞インターロイキン2受容体の阻害剤よりなる群から選択される1以上の化合物を受容体に投与することを含む請求項42記載の方法。
- 前記ステロイドがコルチコステロイドである請求項43記載の方法。
- サイトカイン転写の前記阻害剤はサイクロスポリンAまたはタクロリムスである請求項43記載の方法。
- ヌクレオチド合成の前記阻害剤がアザチオプリンまたはマイコフェノレートモフェチルである請求項43記載の方法。
- 成長因子シグナル伝達の前記阻害剤がシロリムスまたはラパマイシンである請求項43記載の方法。
- T細胞インターロイキン2受容体の前記阻害剤がダクリズマブまたはバシリキシマブである請求項43記載の方法。
- 前記抗−リンパ球療法が、OKT3TM(ムロノナブ−CD3)、CAMPATHTM−1G、CAMPATHTM−1H(アレムツズマブ)、またはCAMPATHTM−1M、SIMULECTTM(バシリキシマブ)、ZENAPAXTM(ダクリズマブ)、RITUXANTM(リツキシマブ)、および抗−胸腺細胞グロブリンよりなる群から選択される1以上の抗体を受容体に投与することを含む請求項42記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体がヒト抗体、ヒト化抗体およびキメラ抗体よりなる群から選択されるモノクローナル抗体である請求項27または29いずれか1記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体がヒト抗体−依存性細胞傷害(ADCC)を媒介する請求項50記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体がIgG1またはIgG3ヒトイソタイプ抗体である請求項50記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体がIgG2またはIgG4ヒトイソタイプ抗体である請求項50記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体が少なくとも4ないし7日である半減期を有する請求項50記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体が非経口、腹腔内、静脈内、皮下または筋肉内経路によって投与される請求項50記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体が静脈内または皮下経路によって投与される請求項50記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体が、37.5mg/m2以下の用量にて皮下経路によって投与される請求項55記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体が1.5mg/m2以下の用量にて投与される請求項57記載の方法。
- 治療有効養生法の抗−CD19抗体を受容体に投与することを含む、それを必要とするヒト移植体受容体において液性拒絶を治療または予防する方法。
- 前記方法が急性または慢性液性拒絶を治療するためのものである請求項59記載の方法。
- 前記拒絶が:循環抗−ドナーアロ抗体によって特徴付けられる潜在的液性応答;循環抗−ドナーアロ抗体およびC4d沈積によって特徴付けられるサイレント反応;および循環抗−ドナーアロ抗体、C4d沈積、および組織病理学によって特徴付けられる臨床下拒絶よりなる群から選択される初期段階液性拒絶である請求項60記載の方法。
- 前記拒絶が循環抗−ドナーアロ抗体、C4d沈積、組織病理学、および移植片機能不全によって特徴付けられる請求項60記載の方法。
- 前記受容体が検出可能なレベルの循環抗−HLAアロ抗体を有する請求項59記載の方法。
- 前記受容体が心臓移植体、腎臓−膵臓移植体、腎臓移植体、肝臓移植体、肺移植体、および膵臓移植体よりなる群から選択される同種異系固体器官移植体の受容体である請求項59記載の方法。
- 前記受容体が膵臓島細胞の同種異系移植体の受容体である請求項59記載の方法。
- 前記受容体が造血細胞移植体の受容体である請求項59記載の方法。
- さらに、免疫抑制療法、抗−リンパ球療法、免疫吸着、およびプラズマフェレシスの1以上を含む請求項59記載の方法。
- さらに、抗−CD20抗体、抗−CD22抗体、および抗−CD52抗体よりなる群から選択される1以上の抗体を投与することを含む請求項59記載の方法。
- 前記養生法が、さらに、単球またはマクロファージの機能を増強させる化合物を投与することを含む請求項59記載の方法。
- 前記養生法が、抗−CD19抗体の受容体への単一投与を含む請求項59記載の方法。
- 前記養生法が、抗−CD19抗体の受容体への1を超える投与を含む請求項59記載の方法。
- 前記養生法が単一治療剤としての抗体の投与を含む請求項59記載の方法。
- 前記養生法が1以上の他の治療剤と組み合わせた抗体の投与を含む請求項59記載の方法。
- 前記1以上の他の治療剤がアドリアミイシン、アザチオプリン、ブスルファン、シクロホスファミド、サイクロスポリンA,サイトキシン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、メトトレキサート、マイコフェノレートモフェチル、非ステロイド抗−炎症剤、ラパマイシン、シロリムスおよびタクロリムスよりなる群から選択される請求項73記載の方法。
- 前記1以上の他の治療剤がOKT3TM(ムロモナブ−CD3)、CAMPATHTM−1G、CAMPATHTM−1H(アレムツマブ)、またはCAMPATHTM−1M、SIMULECTTM(バシリキシマブ)、ZENAPAXTM(ダクリツマブ)、RITUXANTM(リツキシマブ)、および抗−胸腺細胞グロブリンよりなる群から選択される抗体である請求項73記載の方法。
- 投与される前記養生法が循環B細胞または循環免疫グロブリン、または双方を少なくとも50%だけ枯渇させる請求項59記載の方法。
- 投与される前記養生法が前記受容体においてパネル反応性アロ抗体を低下させる請求項59記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体がヒト抗体−依存性細胞傷害(ADCC)を媒介する請求項59記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体が、循環B細胞または循環免疫グロブリン、または双方を枯渇させるのに十分な量にて、ヒト抗体−依存性細胞傷害(ADCC)を媒介する請求項59記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体がヒト抗体、ヒト化抗体、およびキメラ抗体よりなる群から選択されるモノクローナル抗体である請求項59記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体がヒトまたはヒト化抗体である請求項80記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体が少なくとも4ないし7日である半減期を有する請求項80記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体がIgG1またはIgG3ヒトイソタイプ抗体である請求項80記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体がIgG2またはIgG4ヒトイソタイプ抗体である請求項80記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体が非経口、腹腔内、または筋肉内経路によって投与される請求項59記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体が静脈内または皮下経路によって投与される請求項59記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体が37.5mg/m2以下の用量にて皮下経路によって投与される請求項86記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体が1.5mg/m2以下の用量で投与される請求項87記載の方法。
- 循環B細胞または循環免疫グロブリン、または双方における少なくとも75%枯渇が達成される請求項27、29または76いずれか1記載の方法。
- 循環B細胞または循環免疫グロブリンにおける前記枯渇が少なくとも7日の期間で観察される請求項89記載の方法。
- 循環B細胞または循環免疫グロブリンにおける前記枯渇が少なくとも30日の期間で観察される請求項89記載の方法。
- 循環B細胞または循環免疫グロブリンにおける前記枯渇が少なくとも6ヶ月の期間で観察される請求項89記載の方法。
- 循環B細胞または循環免疫グロブリン、または双方を枯渇させるのに十分な量のヒトまたはヒト化抗−CD19抗体を移植体受容体に投与することを含む、それを必要とするヒト移植体受容体において移植後リンパ系増殖障害を治療または予防する方法。
- さらに、抗−ウイルス剤を投与することを含む請求項93記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体が、抗体HB12aまたはHB12bの重鎖CDR1、CDR2、またはCDR3のアミノ酸配列に対して少なくとも25%配列同一性を有する重鎖CDRを含む請求項27記載の方法。
- 前記重鎖CDRがHCDR3である請求項95記載の方法。
- 前記HCDR3が抗体HB12aまたはHB12bのHCDR3のアミノ酸配列に対して100%配列同一性を有する請求項96記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体が、抗体HB12aまたはHB12bの重鎖CDR1、CDR2、またはCDR3の各々のアミノ酸配列に対して少なくとも25%配列同一性を有する重鎖CDRを含む請求項95記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体が、抗体HB12aまたはHB12bの重鎖CDR1、CDR2、またはCDR3の各々のアミノ酸配列に対して100%配列同一性を有する重鎖CDRを含む請求項98記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体が、さらに、抗体HB12aまたはHB12bの軽鎖CDRを含む請求項95記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体が、抗体HB12aまたはHB12bの軽鎖CDRを含む請求項99記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体が、配列番号:16または配列番号:18に対して少なくとも25%アミノ酸配列同一性を有する可変軽鎖を含む請求項27記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体が、抗体HB12aまたはHB12bの重鎖可変ドメインアミノ酸配列に対して少なくとも25%配列同一性を有する重鎖可変ドメインを含む請求項27記載の方法。
- 前記抗−CD19抗体が、さらに、抗体HB12aまたはHB12bの軽鎖可変ドメインアミノ酸配列に対して少なくとも25%配列同一性を有する軽鎖可変ドメインを含む請求項103記載の方法。
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