JP2008546572A - ３次元物体の製造装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、３次元物体の横断面に相当する複数のポイントで圧縮可能な材料（９）を連続層状に圧縮することにより３次元物体を製造する装置に関する。交換可能な内部コンテナ（２０１）を造形領域（３）内にある造形コンテナ内に挿入する。結果として、コストを抑え、内部コンテナ（２０１）を簡単に装着できる。

Description

本発明は、３次元物体の製造装置、特に造形コンテナを備える装置に関する。この造形コンテナは、該物体の完成直後に装置から取り外すことができる。

図９は、内部に造形空間３が設けられた装置筐体２を有するレーザ焼結装置１を示す。該レーザ焼結装置は、特許文献１に記載されている。焼結レーザ６のスキャナ５を造形空間３の上部領域４に配置して、レーザビーム７を偏向しワーク台８上あるいはワーク台上に層状に形成された焼結材料９に集光させる。ここで焼結材料９は、塗布装置１０によりワーク台８上に層状に塗布される。焼結材料９は、供給コンテナ（図示せず）から塗布装置１０に供給される。

造形空間３の下部領域１１には、交換式コンテナ１２を挿入しておく。交換式コンテナ１２は、側壁１４とワーク台８とで構成され、ワーク台８は、側壁１４の内側すなわち側壁により形成されたウェル内側を上下移動可能である。

ワーク台８を上下動させるために、支持装置２０が設けられている。支持装置２０は、レーザ焼結装置が作動している間、ワーク台８を支持し、支持装置２０上にワーク台８が取り付けられる。

図９では、ワーク台８は交換式コンテナ１２内の最上位置にある。造形工程の間は、ワーク台８は層塗布の前に少し下降し、造形工程が進むと側壁１４の下端にますます近づいていく。造形工程完了後、最下位置にあるワーク台８は側壁１４と係合する。この状態で、交換式コンテナは、該コンテナ底部を形成するワーク台８および完成部品と共に造形空間３から取り外すことができる。

支持装置２０は、装置筐体背面部にある案内装置３１内に配置された支持アーム３０で構成される。ワーク台８が交換式コンテナ１２の上位置あるいは中間位置にあるとき、支持アーム３０は側壁に配置された垂直係合開口部３３を介して裏面に達する。

別法としては、図１０のように交換式コンテナ１２の下方部に支持装置２０を固定挿入し、たとえば、スピンドルドライブ４２を利用して連続的に昇降することができる鋏型リフトとして設計することも可能である。また、支持装置を昇降させる伸縮式直線案内部も可能である。

特に、交換式コンテナの有利な点は、部品造形完了後、該部品は装置内に残る必要はなく、冷却工程のために交換式コンテナと共に取り外すことが可能で、そのために焼結装置は造形工程完了後、次の新しい作業のために極めて短時間で再び利用可能になる点である。しかし、これは装置内で取り外した交換式コンテナを他の交換式コンテナと取り替えることができるように、数個の交換式コンテナが利用可能な場合に限る。

交換式コンテナは、壁内に加熱装置を一体化してもよいので、複雑な設計となる場合がある。造形空間全体を加熱するのと比較して、そのような加熱装置には反応がより速く、必要とするエネルギー導入量がより少なくてすむという利点がある。また、該装置の下方部全体を加熱する場合のように、各造形工程の熱要件に適宜合わせることができる。

しかし、交換式コンテナの設計が複雑になるほど、そのような交換式コンテナを複数個使用する結果生じる追加コストは高くなる。

欧州特許第１０３７７３９号公報

したがって、本発明の目的は、単純な設計でありながら、ワークに近接する粉末層を加熱できるという利点がある交換式コンテナを提供することである。

本目的は、請求項１に記載の装置により達成することができる。

さらに、本発明の発展形は、従属請求項に記載する。

さらに、本発明の特徴および実用性は、後述の図面を参照して、実施形態に基づいて説明する。

図３は、レーザ焼結装置内で使用される造形コンテナ１１２の斜視図であり、説明のために、側壁は透明として示す。該コンテナ１１２内に、交換式コンテナとして内部コンテナ２０１を挿入する。両コンテナは互いにほぼ直角に配置された４つの側壁を有する。内部コンテナ底部はワーク台２０２を形成し、造形工程の過程において該ワーク台上で物体が作成される。ワーク台２０２は、内部コンテナ２０１の外側に配置された支持装置２０により支持される。さらに、ワーク台２０２は、粉末漏れを防ぐために適切な封止要素により内部コンテナ２０１の側壁２１４に対して封止される。

図３の両コンテナ２０１および１１２の水平断面は長方形であるが、長方形断面は必須ではない。任意の断面も可能で、特に円形断面も可能である。

図１および図２は、本発明によるレーザ焼結装置として示す３次元物体の製造装置内のコンテナ１１２および２０１の構成を示す図であるが、本発明は該装置に限定されない。図９および図１０で使用されているのと同一の参照番号を有する構成は図９および図１０内で同一の構成を示す。よりわかりやすく説明するために、造形コンテナ１１２は完全に透明として示す。

支持装置２０は、完全にワーク台２０２の下方に配置される（図２）か、あるいは部分的にコンテナ１１２の側方に配置される（図１）。

造形工程は次のように進行する。まずワーク台２０２は内部コンテナ２０１の上端まで移動し、次に、連続的に、すなわち層の厚みが増すにつれて、ワーク台２０２は内部コンテナ２０１の側壁２１４に対して降下していく。このとき、ワーク台２０２の上方領域は、新たに粉末焼結材料で繰り返し充填されていく。部品の最終層が焼結されるとすぐに、支持装置２０を介してワーク台２０２は内部コンテナ２０１の下方領域まで降下することができる。このとき、ワーク台２０２は内部コンテナ２０１の側壁２１４に係止される。これは、たとえば、互いに整列させた内部コンテナの側壁２１４の穴とワーク台２０２の穴とに挿入される差込み式スライダを介して達成できる。完成部品を収容する内部コンテナ２０１は、次に冷却工程のためにコンテナ１１２から取り外され、次の新しい造形工程のために新しい内部コンテナがコンテナ１１２に挿入される。

交換可能な内部コンテナ２０１は、単純構造を有する。溶接アルミニウム枠でも十分であり、アルミニウム枠の壁厚は造形コンテナ１１２に挿入しやすい数値を選択する必要があるだけである。また、該装置の外側で部品を冷却するために、十分な安定性が必要である。もちろん、アルミニウム以外の他の適切な材料も考えられる。

造形コンテナ１１２は、複雑な設計とすることができる。コンテナ１１２の壁１１４内に発熱体を配することで、内部コンテナ２０１内の粉末層を効果的に加熱することができる。特に、内部コンテナ２０１およびコンテナ１１２の両壁は平行しており、互いの離間距離は僅かなので、熱伝導性が高い。したがって、レーザ焼結装置内の造形空間３全体を加熱する必要はなく、同時に、交換される内部コンテナの壁内に発熱体を設ける必要もない。効率のよい加熱設備を備えながらも、交換すべきコンテナ２０１は簡単でコスト効率のよい方法で設計することができる。

図４は、コンテナ１１２から内部コンテナ２０１を取り外すことができる可能性を示す図である。この観点から、コンテナ１１２は正面に開口部を有し、ドア１２５で閉めることができる。別法として、フラップあるいはカーテンなどの異なる閉鎖機構も考えられる。図４の場合、内部コンテナ２０１の取り外しは、正面の開口部を通してコンテナ１１２からコンテナ２０１を引き出すように行われる。

図４に示す取り外し可能性以外に、内部コンテナ２０１を取り外す他の機構も考えられる。例としてのみ、他の２つの可能性について述べる。１つは、内部コンテナをワーク台と共に下方向にコンテナ１１２から外へ移動させ、次にコンテナ１１２の下方位置から取り外すことが可能である。２つ目は、コンテナ１１２の壁１１４を内部コンテナ２０１上方の領域に上方移動させることが可能である。その後、内部コンテナ２０１を該装置の正面から引き出すことができる。この場合、コンテナ１１２に内部コンテナ２０１を取り外すために開口部を設ける必要がない。

コンテナ１１２に対する内部コンテナ２０１の下方移動を避けるために、複数の実施形態が考えられる。図４の一例として、突出部１２４をコンテナ１１２の対向する２つの側壁１１４の内側に取り付ける。該突出部は、コンテナ１１２に対する内部コンテナ２０１の側壁２１４の係止部となる。これら突出部は、たとえば、水平面状で、壁１１４に垂直にコンテナ１１２の内側へ突出するように設計してもよい。この場合、内部コンテナ２０１は底部側が水平面上に置かれるか、あるいは、側壁２１４の外側に外部突出部を有し、前述した水平面で支え、造形コンテナ１１２に対する内部コンテナ２０１の下方移動を防止する。

図５は、内部コンテナ２０１の加熱装置の一例として、コンテナ１１２の側壁１１４に組み込まれた加熱抵抗器１０３を示す図である。さらに、ワーク台２０２下方に抵抗加熱器１０３ａを示す。この底部側の抵抗加熱装置１０３ａは、造形工程の間、支持装置２０によりワーク台２０２と共に移動する。抵抗加熱装置はコンテナ１１２底部に取り付けられ、ワーク台２０２下に配置した支持装置２０により、ワーク台２０２と共に内部コンテナ２０１の壁２１４の内側を移動する。

高い熱伝導性を得るために、この加熱方式では、両コンテナの壁１１４および２１４が互いに近接していることが有利である。さらに、内部コンテナ２０１は熱良導体からなる材料から作られるべきである。

図６は、輻射加熱器１０４をコンテナ１１２の側壁内とワーク台２０２下方に配置した一実施形態を示す図である。この加熱方法では、両コンテナの壁間に隙間があっても問題はない。それは、熱が輻射により内部コンテナの壁に伝えられ、該壁がその熱を粉末層に伝えるからである。

内部コンテナ２０１外側に加熱装置を設けることで、交換されるコンテナ内で使用すると問題が生じる加熱方法を選択することができる。図７は、内部コンテナ２０１周囲の加熱パイプ１０５内を流れる流体を利用した加熱装置の一例を示す。加熱パイプは、パイプ１０６によりヒートポンプユニット１１０に接続される。ヒートポンプユニット１１０は、流体を加熱し、加熱パイプに流体を送り出す。それと同時に、加熱流体をワーク台２０２下方のパイプ１０７に送り出す。

加熱パイプを内部コンテナ２０１と共に交換しなければならない場合、ヒートポンプユニット１１０に加熱パイプを着脱することは、コンテナ２０１の交換作業をより複雑にするであろう。

図８に示すように、加熱には、流体の代わりに加熱ガスを使用することも可能である。図８は、加熱ガスを利用して加熱した内部コンテナ２０１の水平断面図である。加熱ガスは、工程中、コンテナ１１２の壁１１４内の空洞部１０８を循環する。壁内の空洞部１０８は、供給パイプ１１６を介して加熱装置１２０に接続される。図８では示さないが、ワーク台２０２も同じ方法で加熱できる。

加熱ガスが交換すべきコンテナの壁内の空洞部を流れる場合、コンテナ交換時のガス漏れを避けるために、封止が必要になる。これが、交換式コンテナの複雑さを増大させることになる。

すでに述べたように、本発明はレーザ焼結装置に限定されるものではなく、全てのラピッドプロトタイピング工程に適用できる。この場合、物体は造形台あるいはワーク台上に固化可能な材料から層状に造形される。

交換式コンテナを有する、本発明のレーザ焼結装置の概略側断面図である。 変形態様の支持装置を有する、本発明のレーザ焼結装置の概略側断面図である。 本発明の一実施形態による交換式コンテナの斜視図である。 本発明の交換式コンテナの追加の斜視図である。 抵抗加熱装置を利用した、本発明の交換式コンテナの加熱装置を示す断面図である。 輻射加熱装置を利用した、本発明の交換式コンテナの加熱装置を示す断面図である。 流体を利用した、本発明の交換式コンテナの加熱装置を示す縦断面図である。 加熱ガスを利用した、本発明の交換式コンテナの加熱装置を示す水平断面図である。 先行技術による、交換式コンテナを有するレーザ焼結装置の概略側断面図である。 変形態様の支持装置を備える、図９のレーザ焼結装置の横断面図である。

Claims (11)

1. 固化可能な材料（９）を３次元物体の横断面に相当する複数の箇所で順次連続して層状に固化することにより３次元物体を製造する装置であって、
   装置フレーム内に設けられ、内部にコンテナ（１１２）を備えた造形空間（３）と、
   支持装置（２０）とを有し、
   内部コンテナ（２０１）が前記コンテナ（１１２）内部に配置され、前記内部コンテナ（２０１）はワーク台（２０２）を構成するコンテナ底部を有する材料（９）封入フレームであり、前記装置の作動中、前記ワーク台は前記支持装置（２０）により支持され、前記内部コンテナ（２０１）の壁（２１４）に対して移動可能であり、
   前記内部コンテナ（２０１）は前記コンテナ（１１２）から取り外し可能である
   ことを特徴とする装置。
2. 前記コンテナ（１１２）は、前記造形空間（３）から取り外し可能な予め製造された交換式コンテナであることを特徴とする、請求項１に記載の装置。
3. 前記コンテナ（１１２）の底部は前記ワーク台（２０２）と前記支持装置（２０）との間に配置され、前記コンテナ（１１２）の底部は前記内部コンテナ（２０１）の前記壁（２１４）に対して移動可能であることを特徴とする、請求項１または２に記載の装置。
4. 加熱装置（１０３、１０４、１０５、１０８）を前記コンテナ（１１２）に一体化されていることを特徴とする、請求項１乃至３の何れかに記載の装置。
5. 前記加熱装置は、前記コンテナ（１１２）の前記壁に一体化された抵抗発熱体（１０３）で構成されることを特徴とする、請求項４に記載の装置。
6. 前記加熱装置は、前記コンテナ（１１２）の前記壁に一体化された輻射発熱体（１０４）で構成されることを特徴とする、請求項４に記載の装置。
7. 前記加熱は、前記コンテナ（１１２）の前記壁および／または前記底部の内側を循環する流体により行われることを特徴とする、請求項４に記載の装置。
8. 前記加熱は、前記コンテナ（１１２）の前記壁および／または前記底部の内側を循環するガスにより行われることを特徴とする、請求項４に記載の装置。
9. 前記ワーク台（２０２）は、前記内部コンテナ（２０１）の前記壁（２１４）に係合可能であることを特徴とする、請求項１乃至８の何れかに記載の装置。
10. 前記支持装置（２０）は、前記コンテナ（１１２）の下方部に配置される昇降装置で構成されることを特徴とする、請求項１乃至９の何れかに記載の装置。
11. 前記内部コンテナ（２０１）は、前記コンテナ（１１２）の前記側壁に取り付けられた２つの案内部（１２４）に沿って前記コンテナ（１１２）内へ移動可能であることを特徴とする、請求項１乃至１０の何れかに記載の装置。

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