JP2008544066A - 均質ポリマーブレンド及び均質ポリマーブレンドを生成するプロセス - Google Patents

均質ポリマーブレンド及び均質ポリマーブレンドを生成するプロセス Download PDF

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Abstract

【課題】
特性及び属性の望ましいバランスを持ち、改善された製品を生み出すことに繋がる組成物を生産するための、異なるポリマーのブレンドを開発する努力が続けられており、その様な改善点には、機械的回復性(弾性回復)、衝撃強さ、引っかき抵抗力、及び低い圧縮永久歪を持ちながら、良好な引張り強さを持つことを含む。
【解決手段】本発明は、半結晶質(少なくとも30%が結晶質)熱可塑性第一のポリマー、及び第一のポリマーと異なる、より結晶化度の低い第二のポリマーを含む均質ポリマーブレンドに関し、第二のポリマーは、その合成と同時に、同じ重合反応ゾーンで起こるその場の交差結合反応により生成される。第一のポリマー生成中に生成される反応中間体は、第二のポリマー生成の重合プロセスに与り、第一のポリマーの融解温度及び第二のポリマーの低いガラス転移温度の様な第一及び第二のポリマーの特徴を組み合わせ持つハイブリッドポリマーを生成する。
【選択図】図1B

Description

本発明は均質熱可塑性ポリマーブレンド、及びその様なポリマーブレンドを生成する反応器内プロセスに関する。
関連する出願との関係:
本出願は、2005年12月7日に出願された米国特許出願第11/296,842号及び2005年12月7日に出願された米国特許出願第11/295,930号に基づく優先権を主張するものであり、この何れも2005年6月22日に出願された米国仮特許出願第60/693,030号の利益を主張するものである。
特性及び属性の望ましいバランスを持ち、多くの応用分野で有益な改善された製品を生み出すことに繋がる組成物を生産するための、異なるポリマーのブレンドを開発する極めて重要な努力が続けられている。その様な改善点には、適当な機械的回復性(弾性回復)、衝撃強さ、引っかき抵抗力、及び低い圧縮永久歪(compression set)を持ちながら、良好な引張り強さを持つことを含むがこれに限定されるものではない。その結果、現在広範囲の異なる種類のポリマーブレンドが利用可能であり、ブレンドの成分の混和性によって均質(単相)組成物、又は不均質(多相)組成物となる。
例えば、米国特許第3,882,197号は立体規則性を持つポリプロピレン/アルファーオレフィン コポリマー、立体規則性を持つプロピレン、及びエチレンコポリマーゴムの均質ブレンドを開示する。
米国特許第3,888,949号は、アイソタクチックポリプロピレン、及びプロピレン及び6から20の炭素原子を持つアルファーオレフィンのコポリマーを含む均質ブレンド組成物であって、コポリマー又はアイソタクチックポリプロピレンそれぞれ単独の場合に比べて、改良された伸び及び引張り強さを持つブレンド組成物の合成について開示する。プロピレン及びアルファーオレフィン コポリマー中のアルファーオレフィンがヘキセン、オクテン又はドデセンであるコポリマーについて開示されている。
米国特許第6,635,715号は、少なくとも第一のポリマー成分及び第二のポリマー成分をブレンドすることにより形成される組成物について開示しており、第一のポリマー成分はブレンド重量の約2%から約95%を含み、約110℃より高い融点を持つアイソタクチックポリプロピレンから形成され、第二のポリマー成分は、プロピレン及びエチレンをキラルメタロセン触媒系を用いて共重合させることにより生成され、コポリマーはアイソタクチックポリプロピレン配列による約2%から約65%の結晶化度、重量により約75%から約90%のプロピレン含有量、25 から 105℃の融点を持ち、第二のポリマー成分のガラス転移温度はポリマーブレンドの範囲内に維持される。
交差結合したポリマーとの熱可塑性ブレンドは、非交差結合ポリマーよりも、高い対衝撃力、低い圧縮永久歪及び引っかき抵抗力の様な多くの有利な点を持っているが、上に開示された何れのブレンドも交差結合した半結晶質ポリマーを用いているものはない。事実、交差結合したポリマーとの熱可塑性ブレンドは現在不均質(多相)組成物である。
不均質ポリマーブレンドは通常第一のポリマー中に第二のポリマーが分散している第一のポリマーマトリクスを持ち、第一のポリマーと第二のポリマーの特性及び相対量によって、広い範囲の種類のその様なポリマーブレンドが生成されうる。特に興味のあるブレンドは、また熱可塑性エラストマーとも呼ばれる、第一のポリマーがポリプロピレンの様な熱可塑性材料であり、第二のポリマーが、エチレン−プロピレン エラストマー又はエチレン−プロピレン−ジエン(EPDM)ゴムの様なエラストマー性材料であるブレンドである。第二のポリマーは、交差結合していることも、していないこともある。その様な熱可塑性エラストマーの例には、ポリプロピレン衝撃コポリマー、熱可塑性オレフィン及び熱可塑性加硫物を含む。従来の加硫ゴムと異なり、熱可塑性エラストマーは熱可塑性材料の様に加工し、そしてリサイクルすることができるが、使用温度で加硫ゴムと同様の特性及び機能を持っている。
例えば、米国特許第6,245,856号は、ポリプロピレン、エチレンーアルファ オレフィン エラストマー、及びプロピレン含有量を80重量%より多く含むエチレンープロピレンコポリマーを含む相溶化剤を含む熱可塑性オレフィン組成物を開示する。相溶化剤が存在しない場合は、エラストマー相は5ミクロンサイズより大きい粒子を持ち均一になっていないが、相溶化剤を加えることにより、分散を改善することができると言われており、エラストマー相は約1ミクロンの粒子サイズとなる。この不均質ポリマーブレンドのエラストマー相は交差結合していない。
ポリマーブレンドを生成する方法の一つは、二つの異なるポリマーが重合し目標とする一組の特性が実現された後に、これらポリマーを混合することである。しかし、この方法は比較的費用が掛かり、直接重合によりブレンドを作る方がより望ましい。直接重合によるブレンドは、典型的には複数反応器を直列して使用するものがあり、その場合、一つの反応器の製品は、異なる重合環境にある第二の反応器に供給され、その結果二つの異なる製品が緊密に混合された最終製品を生み出す。
例えば、米国特許第6,207,756号は、ポリプロピレンの様な半結晶質プラスチックの連続相、エチレンのターポリマー(terpolymer)、C3-C20アルファーオレフィン及び非共役ジエンの様な非結晶質エラストマーの非連続相とのブレンドを生成するプロセスについて記載する。ブレンドは直列反応器で生成され、第一のポリマー成分が第一の反応器で生成され、流出物を第二の反応器に送り、第二の反応器中の溶液中で第一のポリマー成分の存在下で第二のポリマー成分が生成される。米国特許第6,319,998号はまた、連続液体重合によりエチレンコポリマーのブレンドを生成することを開示する。米国特許第6,770,714号は、平行重合により異なるポリマー成分を生成し、この成分を押出機、又は他の従来の混合装置を用いてブレンドすることを開示する。ポリマー成分の一つはプロピレンホモポリマー又はコポリマーであり、第二のポリマー成分はエチレンコポリマーである。
ポリマーブレンドの特に有用な形態には熱可塑性加硫物(thermoplastic vulcanizate(TPV))があり、これはポリプロピレンの様な熱可塑性樹脂マトリクスを含み、その中にEPDMの様な硬化エラストマー性材料の粒子が分散している。TPVは通常「動的加硫」(dynamic vulcanization)プロセスにより生成され、このプロセスはブレンドを、可塑剤(例えば、プロセスオイル)、充填剤、安定剤と高せん断及び交差結合系と、熱可塑性マトリクスの融点を超える温度で緊密に溶融混合させる間に、エラストマー性成分を加硫し、又は交差結合させるプロセスである。混合は、通常2軸スクリュー押出機で実施され、エラストマー性材料が硬化する間エラストマー性材料が熱可塑性樹脂中に細かく分散する状態にする。一般に、エラストマー相の含有量が全体のポリマーブレンドの50重量%を超える動的加硫によりTPVを生成することは困難であるが、熱可塑性樹脂及び可塑剤(オイル)のレベルは、異なる硬度、レオロジー及び加工特性を持つグレードを生成する様に調製することができる。動的加硫の例については、米国特許第4,130,535号及び第4,311,628号に記載されている。
しかし、動的加硫は独特の特性を持ったTPVを生成するのに効果的ではあるが、費用が高くつき、また不利な点も多い。したがって、品質の高い製品を生成することは技術的にやりがいのある仕事であり、そのために特殊な装置が必要となる。更に、そのプロセスは多くの工程を含み、各工程とも最終製品の品質に極めて重要な影響を与える。ポリマーブレンドを生成することには、通常、梱包されたエラストマー性ポリマー(これは、典型的にはEPDMゴムが販売用として流通する形態である)を各々細かく砕いて、適当な高せん断混合装置中で、プロセスオイル、硬化剤、及び他の成分と共に熱可塑性樹脂と機械的に混合してゴム粒子を細かく砕き、そしてそれを硬化させて連続熱可塑性樹脂マトリクス中に埋め込まれた硬化ゴム粒子を生成することを含む。最終製品中の硬化ゴム粒子は、平均粒子サイズが、1から10ミクロンである。プロセスオイルを注意深く注入することは、硬度の様な製品特性のみならず、反応押出機(圧力上昇を最小にする)中の流体の流動学特性を管理するのに役立つ。交差結合したエラストマー粒子のサイズ及び分布の制御は、弾性回復率(圧縮永久歪により測定される)の様な特性に影響を与えるためその正確な制御が求められる。既存の技術により生成される製品は好ましい点を多く持っているが、その特性全体を見た場合にはギャップがある。それらの内のいくつかには、より高温度での使用、改良された弾性回復率、より軟らかい製品、より強い引張り強度、加工のし易さ、オイルを含まない組成物、及び/又は無色の製品、に対する需要がある。
TPVを生成する改良されたプロセスについては、米国特許第6,388,016号に記載されており、本文献はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。この文献によれば、ポリマーブレンドはメタロセン触媒を用いる直列反応器において液相重合で生成され、出来上がったブレンドは動的加硫される。特にこのプロセスは、エチレン及びより高級なアルファーオレフィンから選択される第一のモノマー セット及び溶媒を、第一の連続フロー攪拌タンク反応器に供給し、メタロセン触媒を、全ての反応器に加えられる全触媒の量の50から100重量%の量で第一の反応器に加え、第一の反応器を運転してモノマーを重合させて第一のポリマーを含む流出物を生成し、第一の反応器からの流出物を第二の連続フロー攪拌タンク反応器に供給し、エチレン、より高級なアルファーオレフィン及び非共役ジエンから選択される第二のモノマー セット、及び任意選択的に追加される溶媒を第二の反応器に供給し、第二の反応器を運転して第二のモノマーを重合させてジエンを含む第二のポリマーを生成し、生成された第一及び第二のポリマーを回収し、ブレンドを流し、そしてジエン含有ポリマーを少なくとも部分的に交差結合させ、そして第一のポリマーのマトリクス中に硬化されたジエン含有粒子の分散を形成するために十分な熱、及びせん断条件下で、第一及び第二のポリマーを硬化剤とブレンドすることを含む。しかし、この改良されたプロセスは、まだエラストマー性成分を硬化させるために動的加硫に依っている様に見える。
本発明は、少なくとも部分的に交差結合したポリマー成分を含む均質ポリマーブレンドは、反応器中でブレンド及び交差結合させる方法で生成することができることを見出した。
発明の概要
本発明のある特徴として、本発明は均質ポリマーブレンドに関し、
(a) 少なくとも30%の結晶化度を持つ熱可塑性第一のポリマー、及び
(b) 5%より大きい結晶化度を持ち、少なくとも部分的に交差結合している第二のポリマー
を含む。
好都合なことには、第二のポリマーは熱可塑性第一のポリマーよりも結晶化度が低く、第一のポリマーと第二のポリマーの結晶化度の差は通常20%未満である。
好都合なことには、熱可塑性第一のポリマーはプロピレン、及び0から5重量%のアルファーオレフィン コモノマー(ポリマーの重量に基づき)を含む。
好都合なことには、熱可塑性第一のポリマーは、100から170℃の範囲の融点、及び2000 dg/分以下 (好ましくは100 dg/分以下)のメルトフローレートを持つ。
好都合なことには、第二のポリマーは少なくとも一つのC2 からC20 オレフィン、及び少なくとも一つのポリエンを含む複数のコモノマーから生成される。好都合なことには、ポリエンは少なくとも二つの重合可能な不飽和基を持ち、好ましくはジエンであるのが良い。
好都合なことには、第二のポリマーはプロピレン及び一以上のC2 及び/又はC4 からC10 アルファーオレフィンコモノマーを2 から15重量%含む。
好ましくは、第二のポリマーはエチレン プロピレン 熱可塑性エラストマーの様なエチレンプロピレン コポリマーを含むのが良い。
好ましくは、第二のポリマーブレンドは実質的にプロセスオイル及び/又は硬化剤を含まないのが良い。
他の特徴として、本発明は均質ポリマーブレンドを生成するプロセスに関し、前記ブレンドは
(a)少なくとも30%の結晶化度を持つ熱可塑性第一のポリマー、及び
(b)第一のポリマーと異なる第二のポリマーを含み、第二のポリマーは第一のポリマーの結晶化度より小さい結晶化度を持ち、第二のポリマーは少なくとも部分的に交差結合しており、前記プロセスは
(i) 少なくとも一つの第一のモノマーを重合させて熱可塑性第一のポリマーを生成し、及び
(ii) 前記第一のポリマーの少なくとも一部を少なくとも一つの第二のモノマー及び少なくとも一つのポリエンと、前記第二のモノマーを重合させて前記第二のポリマーを生成させ、同時に前記第二のポリマーを交差結合させるに十分な条件で接触させ、前記接触(ii)により生成される製品は、キシレンで溶解しない部分を少なくとも一部含む。
更に他の特徴として、本発明は均質ポリマーブレンドを生成するプロセスに関し、前記プロセスは、
(a) C2からC20のオレフィンを重合させることのできる触媒を選択して少なくとも30%の結晶化度を持つ第一のポリマーを生成し、
(b) 前記触媒を一以上のC2からC20のオレフィンに、少なくとも50℃の温度で接触させて、少なくとも30%の結晶化度を持つ第一のポリマーを生成し、
(c) 前記第一のポリマー及び前記触媒を、一以上のC3からC20のオレフィンを重合させるに十分な条件下で、少なくとも15重量%の一以上のC3からC20のオレフィン及び少なくとも0.0001重量%の少なくとも一つのポリエンを含むモノマー混合物と接触させて第二のポリマーを生成し、及び同時に第二のポリマーを交差結合させること、
を含む。
好都合なことには、前記ポリエンは少なくとも二つの重合可能な不飽和基を含む。
好都合なことには、前記ステップ(a)において選択される触媒は、通常はメタロセンである少なくとも一つの触媒成分、及び少なくとも一つの活性剤を含む単一部位触媒である。
更に他の特徴として、本発明は均質ポリマーブレンドを生成するプロセスに関し、前記プロセスは、
(a) C2からC20のオレフィンを重合させることのできる触媒を選択して、少なくとも30%の結晶化度を持つ第一のポリマーを生成し、
(b) 前記触媒を一以上のC2からC20のオレフィンに、少なくとも50℃の温度で接触させて、少なくとも30%の結晶化度を持つ第一のポリマーを生成し、
(c) 前記第一のポリマーを、一以上のC3からC20のオレフィンを重合させるに十分な条件下で、嵩高モノマーを重合することのできる触媒の存在下で、少なくとも15重量%の一以上のC3 からC20のオレフィン及び少なくとも0.0001重量%の少なくとも一つのポリエンを含むモノマー混合物と接触させて第二のポリマーを生成し、及び同時に第二のポリマーを交差結合させること、
を含む。
ある実施の態様においては、接触させるステップ(c)で使用される触媒は接触させるステップ(b)で使用される触媒と同じものである。
他の実施の態様においては、接触させるステップ(c)で使用される触媒は接触させるステップ(b)で使用される触媒とは別のものであり、接触させるステップ(b)と接触させるステップ(c)の間で触媒の急冷(catalyst quenching)が行われる。
発明の詳細な説明
本願発明の目的、及び本願の特許請求の範囲との関係において、ポリマー又はオリゴマーがオレフィンを含むとされる場合、ポリマー又はオリゴマーに存在するオレフィンは、それぞれオレフィンが重合され又はオリゴマー化された形である。同様に、ポリマーの用語はホモポリマー及びコポリマーを含む。更にコポリマーの用語は、2以上のモノマーを含む全てのポリマーを含む。したがって、本明細書で用いる「ポリプロピレン」(polypropylene)の用語は、少なくとも50重量%のプロピレン単位よりなるポリマー、好ましくは少なくとも70%のプロピレン単位、より好ましくは少なくとも80%のプロピレン単位、さらにより好ましくは少なくとも90%のプロピレン単位、より好ましくは少なくとも95%のプロピレン単位、または100%のプロピレン単位よりなるポリマーを言う。
本明細書で用いる「均質ブレンド」(homogeneous blend)の用語は、同じ状態にある実質的に一つの形態上の相を持つ組成物を言う。例えば、二つのポリマーのブレンドの場合、一つのポリマーが他のポリマーと混和している場合、固体状態で均質であると言われる。その様な形態は、AFM又は走査電子顕微鏡(scanning electron microscopy (SEM))を用いて決定される。混和する(miscible)の意味は、2以上のポリマーのブレンドがガラス転移温度の挙動が単相の挙動である、例えば、Tgは動的機械熱分析器(dynamic mechanical thermal analyzer (DMTA))によるtan δ(損失弾性率の貯蔵弾性率の比)対温度の軌跡が単一の、急激な転移温度である。対照的に、混和しないブレンドでは二つの別々の転移温度、典型的にはブレンドの個々の成分に対応する温度に相当する温度が観察される。したがって、DMTAの軌跡で一つのTgが示される場合はポリマーブレンドは混和性である。混和するブレンドは均質であり、混和しないブレンドは不均質である。
対照的に「不均質ブレンド」(heterogeneous blend)の用語は、同じ状態の2以上の形態相を持つ組成物を言う。例えば、一つのポリマーが、他のポリマーのマトリクス中に分散した分離した小包を形成した、2つのポリマーのブレンドは、固体状態で不均質であると言われる。また、不均質ブレンドは、ブレンドの成分が別々に分離して見える共連続ブレンドを含むと定義されるが、何れが連続相で、何れが不連続相であるか明白でない。その様な形態は走査電子顕微鏡(scanning electron microscopy (SEM))又は原子間力顕微鏡写真(atomic force microscopy (AFM)を用いて決定される。SEM及びAFMが異なるデータを示す場合は、AFMのデータが使用される。連続相の意味は、マトリクス相が不均質ブレンドにあることを言う。不連続相の意味は、分散相が不均質ブレンドにあることを言う。
本発明の均質ポリマーブレンドは、「少なくとも部分的に交差結合したポリマー」を含む。交差結合したポリマーは、ポルエン及び第二のポリマー間のその場(in-situ)の反応により生成される。ブレンド中のその様な部分的に交差結合したポリマーの存在及び量は、溶媒抽出プロセスにより決定することができる。このプロセスでは更に追加の硬化ステップを経ることなく重合プロセスによる直接の製品を、まずシクロヘキサンと25℃で48時間接触させて、ブレンドの可溶成分を分離し、そして残りの固形物をキシレンの沸点で24時間キシレンにより還流させ、「少なくとも部分的に交差結合したポリマー」を分離する。「少なくとも部分的に交差結合したポリマー」は、本明細書ではまた「キシレン不溶物」と呼ぶ。溶媒抽出の手順の詳細は実施例に記載する。
本明細書で用いる「実質的にプロセスオイルを含まない」(substantially free of processing oil)の用語は、関連する製品が、エキステンダーオイル、合成プロセスオイル、オリゴマー性増量剤又はこれらの組み合わせの様な、動的加硫の間のブレンドの流動特性を制御するために従来のポリマーブレンドに加えられるオイルベースのプロセス補助剤を、殆んど、または全く含まないことを言う。
好ましくは関連する製品は、1 重量%未満のプロセスオイル、より好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.1重量%未満のプロセスオイルしか含まないのが良い。ポリマーブレンド中のオイルの量は、後述する溶媒抽出を用いて決定される。本発明のポリマーブレンドの第二のポリマーが、重合反応器において第一のポリマー相に分散した、少なくとも部分的に交差結合した粒子として形成されるという事実より、続く動的加硫ステップの必要性、したがって、プロセスオイルを加える必要がなくなる。しかし、本発明のポリマーブレンドは、重合後の硬化及び/又は加硫を行うことにより、追加的に第二のポリマーを交差結合させても良い場合があることは理解する必要がある。
本明細書で用いる「硬化剤」(curative)は、重合後の、動的加硫ステップの間にブレンドの一以上の成分を硬化させるために、ポリマーブレンドに従来加えられている添加剤の何れのものをも指す。知られている硬化剤の例には、促進剤及び助剤(coagent)を持ち、又は持たない両方の場合の、硫黄、硫黄供与体、金属酸化物、フェノール樹脂の様な樹脂系、過酸化物系、プラチナ又は過酸化物のヒドロシラン化物等を含む。
本明細書で用いる「嵩高モノマー」(bulky monomer)は、線状C2 からC20 アルファーオレフィンでないオレフィンモノマーを言う。嵩高モノマーには、5−エチリデンー2−ノルボルナジエン(5-ethylidene-2-norbornadiene (ENB)), 5−ビニルー2−ノルボルネン(5-vinyl-2- norbornene (VNB))及びシクロペンタジエン(cyclopentadiene)の様な環状オレフィンモノマー; 3,5,5 トリメチル ヘキセンー1(3,5,5 trimethyl hexene-1)の様な分枝オレフィンモノマー(branched olefin monomer);末端不飽和オリゴマー又は末端不飽和ポリマーの様なマクロモノマー(macromonomer)を含む。
本明細書で用いる「末端不飽和」(terminal unsaturation)は、ビニル不飽和、ビニレン不飽和又はビニリデン不飽和を指すものと定義され、ビニル不飽和が好ましい。
本発明は、半結晶質(少なくとも30%が結晶質)熱可塑性第一のポリマー、及び第一のポリマーと異なる、より結晶化度の低い第二のポリマーを含む均質ポリマーブレンドに関し、第二のポリマーは、第二のポリマーの合成と同時に、及び都合の良いことには、同じ重合反応ゾーンで起こる、その場(in−situ)の交差結合反応により生成される。理論に拘泥することは望まないが、第一のポリマー生成中に生成される反応中間体は、第二のポリマーの生成時の重合プロセスに関与し、第一のポリマーの融解温度及び第二のポリマーのより低いガラス転移温度の様な第一及び第二のポリマーの特徴を組み合わせて持つハイブリッドポリマー(また、分枝ブロックコポリマーとして知られる)を生成すると信じられている。
本発明はまた、上記のポリマーブレンドの生成方法に関する。反応器において、半結晶質ポリマーは第一の重合ステップで生成される。第二の重合ステップでは、半結晶質ポリマーの存在下でエラストマー性ポリマーが合成される。エラストマーは、半結晶質相中で細かい粒子の分散の形をとると信じられている。エラストマーは、多機能モノマー、特に少なくとも二つの重合可能な不飽和基を持つポリエンを使用して交差結合され、交差結合の程度は重合中の反応環境により制御される。
二つの重合ステップに続き、重合反応器を出た直後の製品組成物は典型的なポリマー仕上げ操作を受け、そこで好適な添加剤が組み入れられポリマーは溶融均質化される。
最終製品は加工が容易であり、高い引っかき抵抗性、高い弾性回復性、高い引張り強さ及び伸びを示す。これまでその様な特性は動的加硫によってのみ実現可能であった。
第一のポリマー
本発明の均質ポリマーブレンドの第一のポリマーは、結晶質、又は半結晶質熱可塑性ポリマー、又はこれらの混合物であればどの様なものでも良い。有用な熱可塑性ポリマーは、示差走査熱量計(differential scanning calorimetry (DSC))により決定される結晶化度が、少なくとも30 %、より好ましくは少なくとも40 %あるのが良い。第一のポリマーは組成物に必要な引張り強度及び温度耐性を与える。したがって、DSCにより測定される融解温度が、100°C以上、より好ましくは120°C、より好ましくは140°C、例えば、100 から170°Cである半結晶質ポリマーが望ましい。典型的には第一のポリマーは、結晶化温度(Tc)が約 20 から約 120°C, 例えば、約 70から約110℃であり、好ましくは第一のポリマーは2000 dg/分以下、例えば、100 dg/分以下のメルトフローレート(MFR)を持つのが良い。高い温度耐性を与える高いガラス転移温度を持つポリマーは、また熱可塑性第一のポリマーとして用いても良い。
第一のポリマーとして使用される熱可塑性ポリマーの代表的な例には、ポリオレフィン樹脂のファミリー、ポリエステル(polyester)(例えば、ポリエチレン テレフタレート(polyethylene terephthalate)、ポリブチレン テレフタレート(polybutylene terephthalate)))、ポリアミド(polyamides)(例えば、ナイロン(nylons))、ポリカーボネート(polycarbonates)、スチレン−アクリルニトリル コポリマー(styrene-acrylonitrile copolymer)、ポリスチレン(polystyrene)、ポリスチレン誘導体(polystyrene derivatives)、ポリフェニレン酸化物(polyphenylene oxide)、ポリオキシメチレン(polyoxymethylene)、及びフッ素含有熱可塑剤(fluorine-containing thermoplastic)を含む。好ましい熱可塑性樹脂には、C2 から C20オレフィンを重合することにより形成される結晶化可能なポリオレフィン、例えば、エチレン(ethylene)、プロピレン(propylene)及び、C4 からC12 のアルファーオレフィン(α-olefin)、例えば、1−ブテン(1-butene)、1−ヘキセン(1-hexene)、1−オクテン(1-octene)、2−メチルー1−プロペン(2-methyl-l-propene)、3−メチル−1−ペンテン(3 -methyl- 1-pentene)、4−メチル−1−ペンテン(4-methyl-l-pentene)、5−メチルー1−ヘキセン(5-methyl-l- hexene)及びこれらの混合物があるが、これに限定されるものではない。エチレン及びプロピレンのコポリマー、又はエチレン又はプロピレンと他のアルファオレフィンとのコポリマー、例えば、ブテン−1(butene-1)、ペンテン−1、2−メチルペンテンー1,3−メチルブテンー1(pentene-l,2-methylpentene- 1,3-methylbutene-l)、ヘキセン−1、3−メチルペンテン−1,4−メチルペンテンー1,3,3−ジメチルブテンー1(hexene-l,3-methylpentene-l,4-methylpentene-l,3,3- dimethylbutene-1)、ヘプテン−1(heptene-1)、ヘキセン−1(hexene-1)、メチルヘキセン−1(methylhexene-1)、ジメチルペンテン−1(dimethylpentene-1)、トリメチルブテン−1(trimethylbutene-1)、エチルペンテン−1(ethylpentene-1)、オクテン−1(octene-1)、メチルペンテン−1(methylpentene-1)、ジメチルヘキセン−1(dimethylhexene-1)、トリメチルペンテンー1(trimethylpentene- 1 )、エチルヘキセン−1(ethylhexene- 1)、メチルエチルペンテン−1(methylethylpentene- 1)、ジエチルブテン−1(diethylbutene- 1 )、プロピルペンタン−1(propylpentane-1)、デセン−1(decene-1)、メチルノネン−1(methylnonene-1)、ノネン−1(nonene-1)、ジメチルオクテン−1(dimethyloctene-1)、トリメチルヘプテン−1(trimethylheptene-1)、エチルオクテン−1(ethyloctene-1)、メチルエチルブテン−1(methylethylbutene-1)、ジエチルヘキセン−1(diethylhexene-1)及びドデセン −1(dodecene-1)を用いても良い。
ある実施の態様においては、熱可塑性第一のポリマーは、プロピレン ホモポリマー、プロピレンのコポリマー又はプロピレン ホモポリマーとコポリマーの混合物を含む。通常、プロピレンポリマーは顕著に結晶質であり、すなわち、その融点は110℃より高く、代替的に、115℃より高く、好ましくは130℃より高いのが良い。本明細書で用いる「結晶質」(crystalline)は、固体状態で高度の分子間、又は分子内秩序を持つポリマーの特徴を言う。融解熱、これは結晶化度の測定の一つの方法であるが、DSC分析により決定される60 J/gより大きく、代替的に少なくとも70 J/gより大きく、代替的に少なくとも80J/gより大きいのが好ましい。融解熱はポリプロピレンの組成により異なる。プロピレンホモポリマーは、コポリマー又はホモポリマー及びコポリマーのブレンドよりも融解熱が高いであろう。
熱可塑性第一のポリマーがポリプロピレンである場合、ポリマーの組成は広い範囲で変わりうる。例えば、10重量%以下、好ましくは5重量%以下のアルファーオレフィンコモノマーを含む、実質的にアイソタクチック ポリプロピレン ホモポリマー又はプロピレンコポリマーを用いることができる(すなわち、少なくとも90重量%がプロピレン)。更に、ポリプロピレン部分は、立体規則性を持つプロピレン配列に特徴的である、110°Cを超える、代替的に115℃を超える、代替的に130℃を超える明確な融点を持つグラフトコポリマー又はブロックコポリマーの部分であることもある。第一のポリマーは、本明細書に記載の様に、ホモポリプロピレン、及び/又はランダム、及び/又はブロックコポリマーの組み合わせであることもある。第一のポリマーがランダムコポリマーである場合、コポリマー中のコポリマー化されたアルファーオレフィンのパーセントは、通常、重量で9%まで、代替的に重量で0.5から8%、代替的に重量で2%から6%である。好ましいアルファーオレフィンは4から12の炭素原子を含む。1,2又はそれ以上のアルファーオレフィンをプロピレンとコポリマー化させても良い。
第二のポリマー
本発明の均質ポリマーブレンドの第二のポリマーは、通常エラストマー性ポリマー又はコポリマーであり、第一のポリマーの存在下で重合され、及び、また交差結合される。第二のポリマーは、重合中に交差結合系を形成することのできるポリマー、コポリマー又はこれらの混合物であればどの様なものを含んでも良い。通常、第二のポリマーは、少なくとも15重量%の、少なくとも一つのC3からC20 アルファーオレフィン及び少なくとも0.0001重量%のポリエンを含むモノマー混合物を重合することにより生成される。
第二のポリマーは、少なくとも5%の結晶化度、例えば、10から50%, 好ましくは10 から45%, 好ましくは10から40 %, 好ましくは10から35 %の結晶化度を持つのが良い。
通常、第一のポリマーと第二のポリマーの間の結晶化度の差は20%未満であるが、通常、第二のポリマーは、第一のポリマーよりも低い結晶化度を持つ。結晶化度の%は上に記載のDSC手順に従い決定される。
結晶化度のレベルはまた融点にも反映される。本明細書で用いる第二のポリマー成分の「融点」(melting point)は、上で検討した、DSCにより決定される主融点及び第二の融点の中の最も高い温度ピークを言う。本発明のある実施の態様においては、ポリマーは単一の融点を持つ。典型的には、プロピレンコポリマーのサンプルは、主ピークに隣接する第二の融点ピークを示し、主ピークと第二のピークは単一の融点と考えられる。これらのピーク中の最も高いピークが融点と考えられる。第二のポリマーの融点は、好ましくはDSCによるその上限が110℃, 105℃, 90℃, 80℃, 又は 70℃からその下限の20℃, 25℃, 30℃, 35℃, 40℃又は45℃の範囲にあるのが良い。
本発明の均質ブレンドの第二のポリマー成分としての使用に適したエラストマー性コポリマーは、2以上のアルファーオレフィンを少なくとも一つのポリエン、通常はジエンと共重合させることにより生成される半結晶質コポリマーである。より典型的には、エラストマー性成分は、エチレンと少なくとも一つのアルファーオレフィンモノマー、及び少なくとも一つのジエンモノマーのコポリマーである。アルファーオレフィンには、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−1−ペンテン、オクテン−1、デセン−1又はこれらの組み合わせの様なC3 からC20 アルファーオレフィンを含んでも良いが、これに限定されるものではない。好ましいアルファーオレフィンは、プロピレン、ヘキセン−1、オクテン−1又はこれらの組み合わせである。したがって、例えば、第二のポリマーはエチレン−プロピレン−ジエン ターポリマーであっても良い。
通常、オレフィンは本発明の均質ポリマーブレンドのエラストマー性の第二のポリマー成分中に、約95 から約99.99 重量%のレベルで存在し、エラストマー性コポリマーのジエン含有量は約0.01重量 % から約5重量%である。ある実施の態様においては、エラストマー性成分中に2以上の異なるオレフィン単位が存在し、少なくともその一つのオレフィン単位はエチレン、プロピレン及びC4からC20のアルファーオレフィンから選択される。典型的には前記の少なくとも一つのオレフィン単位はエチレンを含み、更なるオレフィン単位はプロピレン及びC4からC12のアルファ オレフィン、特にプロピレンから選択される。これらの実施の態様では、通常、あるオレフィンはコポリマーの12 から 98 重量%、例えば、30 から 95 重量%の量で存在し、他のオレフィンはコポリマーの2 から 88 重量%, 例えば、2 から 30 重量%で存在する。
更に望ましくは、コポリマーがエチレン単位を、コポリマー重量の2 重量% から 88 重量%の範囲で含み、プロピレン又は他のアルファーオレフィン単位を98 重量% から 12 重量%、望ましくはエチレン単位を5 から 20 重量%、及びプロピレン又はアルファーオレフィン単位を95 から 80 重量%、より望ましくはエチレン単位を5 重量% から 15 重量%、及びプロピレン又はアルファーオレフィン単位をコポリマーの95 から 85 重量%の範囲で含むのが良い。
他の実施の態様においては、第二のポリマー成分は、示差走査熱量計(differential scanning calorimetry (DSC))により決定される融解熱が75 J/g未満、MFRが1500 dg/分以下のプロピレンのホモポリマー又はランダムコポリマーを含み、立体規則性を持つプロピレン結晶化度、好ましくはアイソタクチック立体規則性を持つプロピレン結晶化度を持つのが良い。例えば、ポリマーはプロピレン、及びエチレン、C4-C12アルファーオレフィン、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも一つのコモノマーを、ポリマーの全重量に基づき、約2から約15 重量%で含むランダムコポリマーであっても良い。好ましくはプロピレンのランダムコポリマーは、ポリマーの全重量に基づき、約2から約15 重量%の重合エチレン単位含み;狭い分子間組成物分布(例えば、75%以上)を持ち;25℃から130℃, 又は35℃から100℃の融点(Tm);融解熱が上限の75 J/g 及び下限の10 J/gの範囲を持つのが良い。
第二のポリマーの成分として有用な特に好ましいポリマーは、立体規則性を持つプロピレン配列のために中程度のレベルの結晶化度を持つポリマーである。このポリマーは、(A)立体規則性が位置倒置の様な方法で分断されているプロピレンホモポリマー;(B)プロピレンの立体規則性がコモノマーの組み入れにより少なくとも部分的に分断されているランダムプロピレンコポリマー;又は(C)(A)及び(B)の組合せであっても良い。
第二のポリマー成分は、第一のポリマーの存在する中で、通常は第二のポリマーを生成するために用いられるモノマーの組み合わせ中にポリエンが存在することにより、重合され、また交差結合される。ある実施の態様においては、ポリエンは交差結合したポリマーを形成するためにポリマー中に容易に組み入れられる少なくとも2つの不飽和結合を持つ。その様なポリエンの例には、
α、ωジエン(α,ω-diene)、(例えば、ブタジエン(butadiene))、1,4-ペンタジエン(1,4-pentadiene)、1,5-ヘキサジエン(1,5-hexadiene)、1,6-ヘプタジエン(1,6-heptadiene)、1,7-オクタジエン(1,7-octadiene)、1,8-ノナジエン(1,8-nonadiene)、1,9-デカジエン(1,9-decadiene)、1.10-ウンデカジエン(1.10-undecadiene)、1,11-ドデカジエン(1,11-dodecadiene)、1,12-トリデカジエン(1,12-tridecadiene)、1,13-テトラデカジエン(1,13-tetradecadiene)) 、及びある多重環脂環融合及び架橋環式ジエン(例えば、テトラヒドロインデン(tetrahydroindene)、ノルボルンジエン(norborndiene)、メチルーテトラヒドロインデン(methyl-tetrahydroindene)、ジシクロペンタジエン(dicyclopentadiene)、ビシクロ-(2.2.1)-ヘプタ- 2,5-ジエン)(bicyclo-(2.2.1)-hepta- 2,5-diene)、及びアルケニル−(alkenyl-)、アルキリデンー(alkylidene-)、シクロアルケニル−(cycloalkenyl-)、及びシクロアルキリエン ノルボルネン(cylcoalkyliene norbornene
[例えば、5-メチレン-2-ノルボルネン(5-methylene-2-norbornene)、
5-エチリデン-2-ノルボルネン(5-ethylidene-2- norbornene)、
5-プロペニル-2-ノルボルネン(5-propenyl-2-norbornene)、
5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン(5-isopropylidene-2-norbornene)、
5-(4-シクロペンテニル-2-ノルボルネン(5-(4- cyclopentenyl)-2-norbornene)、
5-シクロヘキシリデン-2-ノルボルネン(5-cyclohexylidene-2-norbornene)、及び
5-ビニル-2-ノルボルネン(5-vinyl-2- norbornene)を含む]を含む。
更なる実施の態様においては、ポリエンは少なくとも2つの不飽和結合を持ち、不飽和結合の一つは容易にポリマーに組み入れられる。
第二の結合は部分的に重合に加わり、交差結合ポリマーを形成するが、通常は続く官能化(例えば、マレイン酸又は無水マレイン酸による)、硬化又は加硫又は重合後のプロセスでの他の化学的修飾に適したポリマー製品に少なくとも幾つかの不飽和結合を作り出す。前記更なる実施の態様におけるポリエンの例には、ブタジエン(butadiene)、ペンタジエン(pentadiene)、ヘキサジエン(hexadiene)、ヘプタジエン(heptadiene)、オクタジエン(octadiene)、ノナジエン(nonadiene)、デカジエン(decadiene)、ウンデカジエン(undecadiene)、ドデカジエン(dodecadiene)、トリデカジエン(tridecadiene)、テトラデカジエン(tetradecadiene)、ペンタデカジエン(pentadecadiene)、ヘキサデカジエン(hexadecadiene)、ヘプタデカジエン(heptadecadiene)、オクタデカジエン(octadecadiene)、ノナデカジエン(nonadecadiene)、イコサジエン(icosadiene)、ヘネイコサジエン(heneicosadiene)、デコサジエン(docosadiene)、トリコサジエン(tricosadiene)、テトラコサジエン(tetracosadiene)、ペンタコサジエン(pentacosadiene)、ヘキサコサジエン(hexacosadiene)、ヘプタコサジエン(heptacosadiene)、オクタコサジエン(octacosadiene)、ノナコサジエン(nonacosadiene)、トリアコンタジエン(triacontadiene)、及び1000 g/モル未満の分子量(Mw)を持つポリブタジエン(polybutadiene)を含むが、これに限定されるものではない。
直鎖非環式ジエンには1,4-ヘキサジエン及び 1,6-オクタジエンを含むが、これに限定されるものではない。分枝鎖非環式ジエンの例には、5- メチル- 1,4-ヘキサジエン, 3, 7-ジメチル- 1,6-オクタジエン、及び3,7-ジメチル-l,7-オクタジエンを含むが、これに限定されるものではない。単環脂環式ジエンの例には、1,4-シクロヘキサジエン, 1,5-シクロオクタジエン及び 1,7-シクロドデカジエンを含むが、これに限定されるものではない。
多環脂環式融合及び架橋環式ジエンには、テトラヒドロインデン(tetrahydroindene); ノルボマジエン(norbomadiene); メチルーテトラヒドロインデン(methyl-tetrahydroindene); ジシクロペンタジエン(dicyclopentadiene); ビシクロ-(2.2.1)-ヘプタ-2,5-ジエン(bicyclo-(2.2.1)-hepta-2,5-diene); 及びアルケニル−(alkenyl-)、アルキルインデン−(alkylidene-)、シクロアルケニル−(cycloalkenyl-)及びシクロアルキリデン ノルボルネン(cylcoalkyliene norbornenes) (例えば、[5-メチレン-2-ノルボルネン(5-methylene-2-norbornene)、5-エチリデン-2- ノルボルネン(5-ethylidene-2- norbornene)、5-プロペニル-2-ノルボルネン(5-propenyl-2-norbornene)、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン(5-isopropylidene-2-norbornene)、5-(4-シクロペンテニル)-2-ノルボルネン(5-(4- cyclopentenyl)-2-norbornene)、5-シクロヘキシリデン-2-ノルボルネン(5-cyclohexylidene-2-norbornene)、及び5-ビニル-2-ノルボルネン(5-vinyl-2- norbornene)]を含む)を含むが、これに限定されるものではない。
シクロアルケニル置換アルケンの例には、ビニルシクロヘキセン(vinyl cyclohexene)、アリールシクロヘキセン(allyl cyclohexene)、ビニルシクロオクテン(vinyl cyclooctene)、4−ビニルシクロヘキセン(4-vinyl cyclohexene)、アリールシクロオクテン(allyl cyclodecene)、ビニルシクロデセン(vinyl cyclododecene)、及びテトラシクロ(A-11,12)-5,8-ドデセン(tetracyclo(A-11,12)-5,8-dodecene)を含むが、これに限定されるものではない。
本発明の一つの特徴には、エラストマー性成分を生成する第二の重合ステップでは、交差製品の分布は、主に第一の熱可塑性ポリマーが第一のエラストマー性ポリマーにグラフトすることにより生じ、形成されると信じられている。これらの混成交差製品は、また分枝―ブロックコポリマーとして知られるが、第一の重合ステップの反応性中間物質が第二の重合ステップに交差混合し、第二のポリマーの重合に加わる場合に形成される。分枝―ブロックコポリマーの存在は、製品特性のみならず重合中に生ずる事象に影響を与えると信じられている。その影響する範囲は、分枝―ブロックコポリマー部分の集団の分布による。
第一のポリマーに対する第二のポリマーの量は、ポリマーの性質及び最終ポリマーブレンドの使用用途により広く異なる。しかし、特に、本発明のプロセスの優位な点の一つは、第二のポリマーが均質ポリマーブレンド全重量の50 重量%より大きく、例えば、60 重量%より大きく、さらに70重量%より大きい割合を占める均質ポリマーブレンドを生成することのできることである。TPVへの応用においては、第二のポリマーの第一のポリマー対する重量比は、一般に約 90:10 から 約 50:50、より好ましくは約80:20 から60:40、最も好ましくは約75:25から約65:35である。TPO又は衝撃コポリマーへの応用では、第二のポリマーの第一のポリマーに対する重量比は、一般49:51から約10:90、より好ましくは35:65から約15:85である。
ポリマーブレンドの生成
本発明においては、ポリマー組成物は、新しい2段階ステップ プロセスで生成される。第一のステップでは、結晶質熱可塑性ポリマーが一以上の重合ゾーンにおいて少なくとも一つの第一のモノマーを重合することにより生成される。そして、第一のステップからの流出物は第二の重合ステップに供給され、そこで第一のステップで生成されたポリマーの存在下でエラストマーが生成される。エラストマーは、第二の重合ゾーンで少なくとも部分的に、その場で(in-situ)交差結合される。ブレンドは均質相の形態を為すが、交差結合したエラストマーは、細かく分散した粒子を形成し結晶質熱可塑性マトリクス内に埋め込まれる。
他の実施の態様においては、重合の第一のステップに代えて、事前に準備された結晶質熱可塑性ポリマーを加えても良い。事前準備されたポリマーは別の生成系によって生成しても良く、又は市場で購入することもできる。結晶質熱可塑性ポリマーは溶媒に溶解させて、そして第二の重合ステップのための反応媒体に加えても良い。結晶質熱可塑性ポリマーはまた細かい粉末に粉砕して、そして第二の重合ステップのための反応媒体に加えても良い。
第一の熱可塑性ポリマーを生成するために、知られているどの様な方法を用いても良い。例えば、ポリマーは単段又は多段反応器でプロピレンをホモ重合することにより得られるプロピレン ホモポリマーであっても良い。コポリマーは、単段又は多段反応器でプロピレンと2又は、4から20炭素原子を持つアルファーオレフィンを共重合することにより得ることもできる。重合方法には、従来のチーグラー・ナッタ触媒、又は単部位メタロセン触媒系、又はバイメタル(すなわち、Z/N及び/又はメタロセン)触媒を含みこれらの組み合わせを用いる、高圧、スラリー、気相、バルク、懸濁、臨界超過、又は液相、又はこれらの組み合わせを含む。好ましい触媒は、C2 からC20オレフィンを重合させ、少なくとも30%の結晶化度及び少なくとも0.01%の末端不飽和を持つ第一のポリマーを生成することの可能な触媒である。これらの触媒は、均質な溶液であり、担持され、又はこれらの組み合わせたものであっても良い。重合は連続、半連続的、又はバッチプロセスで実行され、連鎖移動剤、捕捉剤又は使用可能と見られる他の添加剤の使用を含んでも良い。連続の意味は、中断又は停止することなく運転される(又は運転されることが予定されている)システムを言う。例えば、ポリマーを生成する連続プロセスの一つは、反応物質が連続的に一以上の反応器に導入され、ポリマー製品が連続的に引き出されるプロセスである。
熱可塑性ポリマーがプロピレンポリマー又はコポリマーの様なポリオレフィンを含む場合、ポリオレフィンは通常単一部位触媒、好ましくはメタロセン触媒の存在下で、活性剤及び任意選択的に捕捉剤を用いて生成される。好ましいメタロセン触媒は、架橋され、置換されたbis(シクロペンタジエニル)メタロセンの包括種の触媒であり、高分子量、高い融解、高度にアイソタクチックプロピレンポリマーを生成することが知られている、特に架橋され、置換されたbis(インデニル)メタロセンである。特に好適な触媒は、各インデニル環の2-及び4-の一つ又は両方の位置に置換基を持つ、又は各インデニル環の2-、4-及び7-の位置に置換基を持つ架橋された、bis−インデニル メタロセン触媒である。一般には、米国特許第5,770,753号に開示されている包括種は適当である(本文献はそのすべてが、参照により本明細書に組み入れられる)が、その得られるポリマーは厳密には、特にそのメタロセンの置換パターンに依存することが見出された。有用な触媒化合物の具体的なリストは、国際出願公報2004/026921の29ページ、[00100]段落から66ページ、4行に掛けて記載されている。他の実施の態様においては、国際出願公報2004/026921、66ページ、[00103] 段落から70ページ、3行に掛けて記載されている触媒化合物もまた本発明に使用することができる。
特に好ましいラセミメタロセンは、例えば、
ラック−ジメチルシラジル(2−イソプロピル、4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド(rac-dimethylsiladiyl(2-isopropyl,4-phenylindenyl)2 zirconium dichloride);
ラック−ジメチルシラジル(2−イソプロピル、4−([1−ナフチル]インデニル)ジルコニウムジクロライド
(rac- dimethylsiladiyl(2- isopropyl,4-[l-naphthyl]indenyl))2 zirconium dichloride);
ラック−ジメチルシラジル(2−イソプロピル、4−[3,5−ジメチルフェニル]インデニル)2ジルコニウムジクロライド
(rac- dimethylsiladiyl(2- isopropyl,4-[3,5-dimethylphenyl]indenyl))2 zirconium dichloride);
ラック−ジメチルシラジル(2−イソプロピル、4−[オルト−メチル−フェニル]インデニル)ジルコニウムジクロライド(rac-dimethylsiladiyl(2-isopropyl,4-[ortho-methyl-phenyl]indenyl)2 zirconium dichloride);
ラック−ジメチルシリル bis-(2−メチル、4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド
(rac-dimethylsilyl bis-(2-methyl, 4-phenylindenyl) zirconium dichoride);,
ラック−ジメチルシラジルbis-(2−メチル、4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロライド
(rac dimethylsiladlyl bis-(2-methyl, 4-napthylindenyl) zirconium dichloride);
ラック−ジメチルシラジル(2−イソプロピル、4−[3,5−di−t−ブチル−フェニル]インデニル)2ジルコニウムジクロライド
(rac-dimethyl siladiyl(2-isopropyl, 4-[3,5 di-t-butyl-phenyl]indenyl)2 zirconium dichloride);
ラック−ジメチルシラジル(2−イソプロピル、4−[オルトフェニル−フェニル]インデニル)2ジルコニウムジクロライド(rac-dimethyl siladiyl(2-isopropyl, 4-[orthophenyl- phenyl]indenyl)2 zirconium dichloride);
ラック−ジフェニルシラジル(2−メチル−4−[l-ナフチル]インデニル)ジルコニウムジクロライド
(rac-diphenylsiladiyl(2-methyl-4-[l- naphthyl]indenyl)2 zirconium dichloride)及び
ラック−ビフェニルシラジル-2−イソプロピル、4−[3,5−di−t−ブチル−フェニル]インデニル)2ジルコニウムジクロライド
(rac-biphenyl siladiyl(2-isoρropyl, 4- [3,5 di-t-butyl-phenyl] indenyl)2 zirconium dichloride)がある。これらのメタロセンのアルキル化された変種(例えば、ジクロライドに変えてジメチル)はまた有用であり、非配位性アニオンタイプ活性剤と組み合わされた場合特に有用である。これら及び他のメタロセン組成物は米国特許第6,376,407号、第6,376,408号、第6,376,409号、第6,376,410号、第6,376,411号、第6,376,412号、第6,376,413号、第6,376,627号、第6,380,120号、第6,380,121号、第6,380,122号、第6,380,123号、第6,380,124号、第6,380,330号、第6,380,331号、第6,380,334号、第6,399,723号及び第6,825,372号に詳細に記載されている。
第一の重合ステップで使用される触媒を活性化する方法は種々ありうる。アルモキサン及び好ましくはメチルアルモキサン(MAO)を使用しても良い。非配位性、又は弱配位性アニオン活性剤(NCA)はEP277004, EP426637に記載の方法の何れによっても得られる。ある文献によれば両性イオンが生成されることもあるが、活性化は通常メタロセンカチオンを形成するために、メチル基の様なアニオン基の引抜きを含むと信じられている。NCA前駆体は、ホウ酸塩又はアルミンサン塩のイオンペアであっても良く、そこでは、前駆体カチオンがある方法で、例えば、テトラキス ペンタフルオロフェニル ホウ素(tetrakis pentafluorophenyl boron)のトリチル又は、アンモニア誘導体により活性化される(EP277004を参照)ことで除去される。NCA前駆体はボランの様な中性化合物であっても良く、これはメタロセンから取り込まれたアニオン基の取り込み及び組み込みによりカチオンに形成される(EP426638を参照)。
アルモキサン活性剤は、アルミニウムのメタロセンに対するモル比率が1:1 から20,000:1又はそれ以上になる量で使用しても良い。非配位互換性アニオン活性剤は、メタロセン化合物の非配位性アニオンに対するモル比率が10: 1から1 : 1となる量で使用しても良い。
特に有用な活性剤には、ジメチルアニリウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩(dimethylaniliniumtetrakis(pentafluorophenyl) borate) 及びジメチルアニリウム テトラキス(ヘプタフルオロ−2−ナフチル) ホウ酸塩(dimethyl anilinium tetrakis(heptafluoro-2- naphthyl) borate)を含む。有用な活性剤のより詳しい記載については、国際出願公報2004/026921の72 ページ, [00119]段落、から81 ページ、 [00151] 段落を参照願いたい。本発明の実施のために用いることのできる特に有用な活性剤の一覧については、国際出願公報2004/046214の72ページ、[00177] 段落から74ページ、 [00178]段落に記載がある。
好ましくは、第一の重合ステップは連続攪拌タンク反応器で実施されるのが良い。原料、触媒及び交差結合剤を段階的に導入するための機器を備えた管型反応器も使用することができる。一般に、重合反応器は、濃度勾配を減らし、又はなくすためにかき混ぜる(攪拌する)。反応環境には、液化炭化水素が希釈剤、又は溶媒として用いられる場合のみならず、モノマーが希釈剤、又は溶媒として機能する場合を含む。好ましい炭化水素液には、脱硫軽バージンナフサの様な脂肪族又は芳香族流体の両方、及びプロパン、イソブタン、混合ブタン、ヘキサン、ペンタン、イソペンタン、シクロヘキサン、イソオクタン及びオクタンの様なアルカンを含む。他の実施の態様においては、ペルフルオロカーボン、又はヒドロフルオロカーボンが溶媒又は希釈剤として用いられる。
第一の重合ステップに適した条件には、約50から約250℃、より好ましくは約50 から約150℃、より好ましくは約70 から約150℃の温度、及び0.1 MPa以上、より好ましくは2 MPa以上の圧力を含む。圧力の上限を制限することは絶対条件ではないが、超臨界相で運転する場合に、その圧力及び温度が関係する反応媒体の臨界点を超える場合(典型的にはプロピレン重合において95℃、及び4.6PMaを超える場合)を除いては、通常200 MPa以下、好ましくは120 MPa以下であるのが良い。超臨界重合での運転についての更に詳しい情報については、国際出願公報WO 2004/026921を参照願いたい。反応器の温度制御は、通常重合熱と、反応器ジャケット又は冷却コイル、自動冷却、事前冷却原料、液媒体(希釈剤、モノマー又は溶媒)の蒸発、又はこれら全ての3つの組み合わせによる反応器の冷却とをバランスさせることにより可能である。事前冷却原料を用いる断熱反応器もまた使用しても良い。
第二の重合ステップでは、第一の重合ステップで形成される第一のポリマーの一部又はその全てを、少なくとも一つの第二のモノマー、典型的にはエチレン及びC3 からC20のオレフィン、及び少なくとも一つの交差結合剤、典型的にはジエンと、第二のモノマーを重合させて第二のポリマーを生成し、また第二のポリマーを交差結合させるに十分な条件下で接触させる。第二の重合ステップで交差結合が起こる結果、第二の重合ステップの製品には、少なくともキシレン中で溶解しない部分を含む。好ましくは、前記にキシレンに溶解しない部分の量は、ポリマーブレンド重量(すなわち、第一及び第二のポリマーの合計重量)の少なくとも4重量%, 例えば、少なくとも10 重量%、例えば、少なくとも20 重量%あるのが良い。
溶相、懸濁、スラリー、超臨界及び気相重合プロセスを含む、知られている重合プロセス、及び知られている重合触媒であればどの様なものでも第二のポリマーを生成するために使用することができる。一般に、第二のポリマーを生成するために使用される触媒は、嵩高モノマーを重合し、また20,000以上のMwを持ち、及び5%を超える結晶化度を持つポリマーを生成することができるものであるべきである。
ある実施の態様においては、第二のポリマー成分を生成するために用いられる触媒は、熱可塑性ポリマーを生成するために用いられる触媒と同じ、又は互換性のあるものである。その様な場合、第一及び第二の重合ゾーンは複数ゾーン反応器、分離した、直列連結の反応器中にあっても良く、その活性触媒の全てを含み、第一の重合ゾーンからの流出物の全てが第二の重合ゾーンに送られる。必要に応じて更に追加の触媒も第二の重合ゾーンに加えることができる。特に好ましい実施の形態においては、本発明のプロセスは、2以上の直列連結され、連続流の攪拌タンク、又は管型反応器でメタロセン触媒を用いて行われる。
他の実施の態様においては、触媒の急冷は2つの重合ゾーンの間で行われ、別の触媒が第二の反応ゾーンに導入されエラストマー成分が生成される。触媒急冷剤(例えば、空気又はアルコール)は、第一の重合に使用された触媒を非活性化するために、反応器の出口の直ぐ後の、第一の重合ゾーンからの流出物に導入しても良い。捕捉剤は有用である場合もあり、触媒急冷剤の注入点の下流又は第二の重合ゾーンで流出物に供給することもできる。
別の触媒がエラストマー性第二のポリマーを生成するために使用される場合には、以下の一つ又は両方の種類のメタロセン化合物の一つ、又はこれの混合物であるのが都合が良い:
1)リガンドに2つのCp環系を持つシクロペンタジエニル(Cp)錯体である。このCpリガンドは金属とサンドイッチ錯体を形成し、回転が自由(非架橋)又は架橋基により不動構造に固定される。Cp環式リガンドは、類似していても良く、非類似でも良く、非置換、置換又は置換され得る複素環系の様な、その誘導体であっても良く、置換は融合してテトラヒドロインデニル、インデニル、又はフルオレニル環系の様な他の飽和、又は不飽和環系を形成していても良い。これらのシクロペンタジエニル錯体は、
(Cp1 R1 m)R3 n (Cp2 R2 p)MXq
の式により表わされ、リガンド(Cp1 R1 m)のCp1及びリガンド(Cp2 R2 P)のCp2は同じ、又は異なるシクロペンタジエニル環であり、R1 及びR2はおのおの独立にハロゲン、又はヒドロカルビル、ハロカルビル、ヒドロカルビル−置換有機金属、又はハロカルビル−置換有機金属基であり約20までの炭素原子を含み、mは0, 1, 2, 3, 4, 又は5, pは0, 1, 2, 3, 4 又は5, 及び、それと関連したシクロペンタジエニル環の隣接した炭素原子上の2つのR1及び/又はR2置換基は結合して4 から約20の炭素原子を含む環を形成し、R3は架橋基であり、nは2つのリガンドの間の直鎖中の原子の数であり、0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7,又は8であり, 好ましくは0, 1, 2,又は3, M は 3, 4, 5又は6価数を持つ遷移金属であり、好ましくは, 元素周期表の4, 5,又は6族の金属であり、好ましくは最も高い酸化状態にあり、各Xは非シクロペンタジエニル リガンドであり、そして独立に、ハロゲン、又はヒドロカルビル、オキシヒドロカルビル、ハロカルビル、ヒドロカルビル−置換有機金属、オキシヒドロカルビル−置換有機金属、又はハロカルビル−置換有機金属基であり約20までの炭素原子を含み、qはMマイナス2の価数に等しい。
2)リガンドとして唯一つのCp環系を持つモノシクロペンタジエニル錯体である。
このCpリガンドは金属と半サンドイッチ錯体を形成し、回転が自由(非架橋)又は架橋基により不動構造となりヘテロ原子含有リガンドに固定されている。Cpリガンドは、非置換、置換であり、又は置換され得る複素環系の様なその誘導体であっても良く、置換基は、テトラヒドロインデニル、インデニル、又はフルオレニル環系の様な他の飽和、又は不飽和環系に融合していても良い。ヘテロ原子含有リガンドは、架橋基により、金属及び任意選択的にCpリガンドの両方に結合している。ヘテロ原子自体は元素周期表の15又は16族の配位数3の原子である。
これらのモノシクロペンタジエニル錯体は、
(Cp1 R1 m)R3 n (Y R2)MXs
の式により表わされ、R1はおのおの独立にハロゲン、又はヒドロカルビル、ハロカルビル、ヒドロカルビル−置換有機金属、又はハロカルビル−置換有機金属基であり約20までの炭素原子を含む、mは0, 1, 2, 3, 4, 又は5、それと関連したシクロペンタジエニル環の隣接した炭素原子上の2つのR1置換基は結合して4 から約20の炭素原子を含む環を形成することができ、R3は架橋基であり、nは0又は1、Mは 3, 4, 5又は6価数を持つ遷移金属であり、好ましくは, 元素周期表の4, 5,又は6族の金属であり、好ましくは最も高い酸化状態であり、Yはヘテロ原子含有基であり、ヘテロ原子は15族の配位数3の原子又は16族の配位数2の原子であり、好ましくは窒素、リン、酸素又は硫黄であり、R2はC1からC20炭化水素ラジカル、置換されたC1からC20炭化水素ラジカルよりなる基から独立に選択されるラジカルであり、一以上の水素原子がハロゲン原子により置換されており、Yが3つの配位で非架橋基である場合、Y上に2つのR2基が存在し、その各々は独立に、C1からC20炭化水素ラジカル、置換されたC1からC20の炭化水素ラジカルよりなる群から選択されるラジカルであることもあり、一以上の水素原子はハロゲン原子で置換されており、各Xは非シクロペンタジエニルリガンドであり、そして独立に、ハロゲン又はヒドロカルビル、オキシヒドロカルビル、ハロカルビル、ヒドロカルビル−置換有機金属、オキシヒドロカルビル−置換有機金属、又はハロカルビル−置換有機金属基であって、約20までの炭素原子を含み、sはMマイナス2の価数に等しく、Cp1はCp環である。
上のグループ1に記載した種類の、本発明の好適なbisシクロペンタジエニルメタロセンの例は、米国特許第5,324,800号、第5,198,401号、第5,278,119号、第5,387,568号、第5,120,867号、第5,017,714号、第4,871,705号、第4,542,199号、第4,752,597号、第5,132,262号、第5,391,629号、第5,243,001号、第5,278,264号、第5,296,434号、及び第5,304,614号に記載されており、これらの全ては参照により本明細書に組み入れられる。
上のグループ1に記載した種類の、本発明の好ましいbisシクロペンタジエニルメタロセンの例は以下のラセミ異性体であるが、これに限定されるものではない:
μ-(CH3)2 Si(インデニル)2 M(Cl)2 .
μ- (CH3)2 Si(インデニル)2 M(CH3)2
μ- (CH3)2 Si(テトラヒドロインデニル)2 M(Cl)2
μ- (CH3)2 Si(テトラヒドロインデニル)2 M(CH3)2
μ- (CH3)2 Si(インデニル)2 M(CH2CH3)2
μ- (C6H5)2 C(インデニル)2 M(CH3)2
ここでMはZr 及びHfよりなる群から選択される。
上のグループ1に記載した種類の、本発明の好適な非対称シクロペンタジエニルメタロセンの例は、米国特許第4,892,851号、第5,334,677号、第5,416,228号、及び第5,449,651号に開示されており、また刊行物Journal of the American Chemical Society 1988, 110, 6255に記載されており、これらのすべては参照により本明細書に組み入れられる。
上のグループ1に記載した種類の、本発明の好ましい非対称シクロペンタジエニルメタロセンの例には以下のものがあるが、これに限定されるものではない:
μ-(C6H5)2 C(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)M(R)2
(μ-(C6H5)2 C(cyclopentadienyl)(fluorenyl)M(R)2)
μ-(C6H5)2 C(3-メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)M(R)2
(μ-(C6H5)2 C(3-methylcyclopentadienyl)(fluorenyl)M(R)2 )
μ-(CH3)2 C(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)M(R)2
(μ-(CH3)2 C(cyclopentadienyl)(fluorenyl)M(R)2 )
μ-(C6H5)2 C(シクロペンタジエニル)(2-メチルインデニル)M(R)2
(μ-(C6H5)2 C(cyclopentadienyl)(2-methylindenyl)M(R)2 )
μ-(C6Hs)2 C(3 -メチルシクロペンタジエニル)(2-メチルインデニル)M(R)2
(μ-(C6Hs)2 C(3 -methylcyclopentadienyl)(2-methylindenyl)M(R)2 )
μ-(p-トリエチルシリルフェニル)2C(シクロペンタジエニル)(3,8-di-t- ブチルフルオレニル)M(R)2
(μ-(p-triethylsilylphenyl)2C(cyclopentadienyl)(3,8-di-t- butylfluorenyl)M(R)2 )
μ-(C6H5)2 C(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチルインデニル)M(R)2
(μ-(C6H5)2 C(cyclopentadienyl)(2,7-dimethylindenyl)M(R)2)
μ-(CH3)2 C(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチルインデニル)M(R)2
(μ-(CH3)2 C(cyclopentadienyl)(2,7-dimethylindenyl)M(R)2)
ここでMはZr 及びHfよりなる群から選択され,RはCl 及びCH3よりなる群から選択される。
上のグループ2に記載した種類の、本発明の好適なモノシクロペンタジエニルメタロセンの例は、米国特許第5,026,798号、第5,057,475号、第5,350,723号、第5,264,405号、第and 第5,055,438 号及び国際出願公報WO 96/002244に開示されており、その全ては参照により本明細書に組み入れられる。
上のグループ2に記載した種類の、本発明の好ましいモノシクロペンタジエニルメタロセンの例には以下のものがあるが、これに限定されるものではない:
μ-(CH3)2 Si(シクロペンタジエニル)(l-アダマンチルアミド)M(R)2
(μ-(CH3)2 Si(cyclopentadienyl)(l-adamantylamido) M(R)2
μ-(CH3)2 Si(3-tertブチルシクロペンタジエニル)(l -アダマンチルアミド)M(R)2(μ-(CH3)2 Si(3-tertbutylcyclopentadienyl)(l -adamantylamido)M(R)2
μ-(CH3)a Si(テトラメチルシクロペンタジエニル)(l -アダマンチルアミド)M(R)2(μ-(CH3)a Si(tetramethylcyclopentadienyl)(l -adamantylamido) M(R)2
μ-(CH3)2 C(テトラメチルシクロペンタジエニル)(l -アダマンチルアミド)M(R)2 (μ-(CH3)2 C(tetramethylcyclopentadienyl)(l -adamantylamido)M(R)2
μ-(CH3)2 Si(テトラメチルシクロペンタジエニル)( 1 -tertブチルアミド)M(R)2 (μ-(CH3)2 Si(tetramethylcyclopentadienyl)( 1 -tertbutylamido)M(R)2
μ-(CH3)2 Si(フルオレニル)(l -tertブチルアミド)M(R)2
(μ-(CH3)2 Si(fluorenyl)(l -tertbutylamido)M(R)2
μ-(CH3)2 Si(テトラメチルシクロペンタジエニル)(l -シクロドデシルアミド)M(R)2
(μ-(CH3)2 Si(tetramethylcyclopentadienyl)(l -cyclododecylamido)M(R)2
μ-(CH3)2 C(テトラメチルシクロペンタジエニル)(l -シクロドデシルアミド)M(R)2
(μ-(CH3)2 C(tetramethylcyclopentadienyl)(l -cyclododecylamido) M(R)2
ここでMはTi, Zr 及びHfよりなる群から選択され、RはCl 及びCH3から選択される。
第二のポリマー成分を生成する有用な触媒である他の種類の有機金属錯体は、国際出願公報96/23010に記載されている様なジイミドリガンド系を持つ錯体である。これらの触媒重合化合物は参照により本明細書に組み入れられる。
好ましいプロセスでは、第二の重合ゾーンの条件は、ジエンの様な2機能モノマーによりエラストマーモノマーを共重合するのみならず、生成されたエラストマーを少なくとも部分的に交差結合させる様準備される。第二の重合ゾーンの典型的な条件には、約10°Cから約 250°C の温度、及び約 0.1 MPaから約 200 MPaの圧力を含む。
オレフィンとジエンの共重合反応で少なくとも部分的に交差結合される第二のポリマーは、オレフィンとジエンの液相、懸濁又はスラリー重合で生成されることもあり、その場合触媒部位は、ポリマー鎖が形成された後に急速に不動化される様比較的不溶及び/又は不動のまま維持される。その様な不動化は、例えば、(1)固体の不溶触媒を使用する、(2)第一のステップで生成される熱可塑性ポリマーの結晶融点未満での重合を維持する、及び(3)フッ素化炭化水素の様な低溶解性溶媒を使用すること、により影響される。
液相プロセスでは、交差結合していない第二のポリマーは好ましくは重合媒体中で溶解する(又は、溶解性である)のが良い。第二のポリマーは、その後ポリマーが交差結合すると反応媒体から分離された相になり微粒子を形成する。このその場(in-situ)の交差結合及び相分離により高分子量ポリマーを生成するプロセスが容易となる。
触媒系(すなわち、触媒及び活性剤)を選択することにより、重合反応条件、及び/又はジエン修飾剤を導入することにより、第一のポリマーと第二のポリマーの分子のいくつかは結合され、分枝―ブロック構造が形成される。理論に拘泥することを望むものではないが、分枝ーブロックコポリマーは、第一のポリマーから生ずる結晶質側鎖を含む低結晶質ポリマー骨格を含むと信じられている。
第一のポリマーのポリマー鎖を第二のポリマーの成長する鎖に効果的に組みいれるために、第一の重合ステップでビニル末端基の様な反応性末端を持つマクロモノマーを生成することが好ましい。反応性末端を持つマクロモノマーの意味は、12以上の炭素原子(好ましくは20以上、より好ましくは30以上、より好ましくは12から8000の範囲の炭素原子)を持ち、成長するポリマー鎖に重合させることのできるビニル、ビニリデン、ビニレン、又は他の末端基を持つポリマーを言う。反応性末端を持つマクロモノマーを重合させることのできるの意味は、反応性末端を持つマクロモノマーを成長するポリマー鎖に組み入れることのできる触媒成分を言う。ビニル末端基を持つ鎖は一般にビニレン又はビニリデン末端を持つ鎖よりも反応性がある。一般に、第一の重合ステップで、少なくとも0.01%の末端不飽和を持つ第一のポリマーを生成するのが望ましい。
任意選択的に、熱可塑性の第一のポリマーは一以上のアルファーオレフィンと、少なくとも2つのオレフィン系不飽和結合を持つ一以上のモノマーのコポリマーである。これらの不飽和結合の何れも、第一又は第二の触媒系の何れかを独立に用いて配位重合により、成長鎖に組み入れられるのに適しており、また容易に組み入れられ、その結果、一つの二重結合が第一のポリマー部分に組み入れられ、他の二重結合が第二のエラストマー性ポリマー部分に組み入れられて分枝ブロックコポリマーを形成する。
好ましい実施の形態においては、少なくとも2つのオレフィン系不飽和結合を持つこれらのモノマーはジオレフィン、好ましくはジービニル モノマーである。
ポリマーは、第一の重合ステップ又は第二の重合ステップの流出物から、従来の分離方法を用いて流出物の他の成分からポリマーを分離することにより回収することができる。例えば、ポリマーはイソプロピルアルコール、アセトン、又はn-ブチル アルコールの様な非溶媒により流出物を凝固させるか、又はポリマーを溶媒又は他の媒体を熱又は蒸気によりストリッピングすることにより回収することができる。抗酸化剤の様な一以上の従来の添加剤を回収プロセス中にポリマーに組み入れても良い。使用可能な抗酸化剤には、フェニル−ベーターナフチルアミン(phenyl-beta-naphthylamine) di−tert―ブチルキノン(di-tert-butylhydroquinone)、トリフェニル リン酸塩(triphenyl phosphate)、ヘプチル化 ジフェニルアミン(heptylated diphenylamine)、2,2'-メチレン-bis(4-メチル-6-tert-ブチル)フェノール、(2,2'-methylene-bis (4-methyl-6-tert-butyl)phenol)及び2,2,4- トリメチル-6-フェニル-l,2-ジヒドロキノリン(2,2,4- trimethyl-6-phenyl-l,2-dihydroquinoline)を含む。他の回収方法、例えば、低臨界溶液温度(lower critical solution temperature (LCST))の適用及びそれに続く貯蔵(devolatization)もまた考慮しても良い。触媒は、ポリマー回収プロセスの下流で更に制御不能な重合が起こることを減少させ、又は排除するために分離手順の一部として非活性化しても良い。非活性化は、その還流後の残留効果が適当な篩又は捕捉剤系により中和され得る水の様な適当な極性物質を混合することにより実施しても良い。
ポリマーブレンドの特性
反応器内で生成された均質ポリマーブレンドは、第一の半結晶質成分が第一の重合ゾーンで生成され、重合された製品は第二の反応ゾーンに移され、そこで交差結合された第二のポリマーの重合が起こるが、このポリマーブレンドは2つのポリマー成分の緊密な混合を含むばかりでなく、第二の相の少なくとも一部が交差結合しており、好ましくは、キシレンに不溶の部分中の融点、(これは好ましくは少なくとも100℃であるのが良いが)の様な第一及び第二のポリマーの特徴を持つ前記第一及び第二のポリマーの混成種(hybrid species)を含む。
更に、全ての交差結合が、続く動的押出ステップで起こるというよりも、第二の重合ステップで第二のポリマーの少なくともある程度交差結合が起こるため、本発明の均質ポリマーブレンドの第二のポリマー成分は、キシレンで溶解しない部分を少なくとも一部含み、そして、重合後の動的押出において交差結合を実行するために通常ポリマーブレンドに加えられる硬化剤を実質的に含んでいない。実質的に含まないの意味は、分散相が硬化剤を1,000 ppm未満, 例えば、100 ppm未満,また10 ppm未満しか含まないことを言う。
二峰性分布の分子量及び組成を持つポリマーは本発明の重合プロセス、例えば、第一及び第二の重合ゾーンで重合条件を制御し、及び第一及び第二の重合のための触媒を選択、例えば、各重合ゾーンで複数の触媒を用いる等により生成することができる。第二のポリマーの分子量及び組成の二峰性分布は、異なる触媒が第一及び第二の重合ゾーンで使用され、第一の重合ゾーンで使用された触媒が、交差結合したエラストマーの生成のために第二の重合ゾーンに移送される場合に得られる。
本発明の均質ポリマーブレンドの個々の成分は、溶媒抽出により容易に分離することができる。適当な溶媒抽出体勢において、ブレンドを更に追加の処理ステップを経ることなく、25℃のシクロヘキサンと48時間接触させてブレンドの可溶成分を分離し、その後残った固形物はキシレンの沸点温度でキシレンで24時間還流し、キシレンは分枝エラストマー並びに熱可塑性相材料を溶出する。残ったキシレン不溶物は、第一及び第二のポリマーの混成コポリマーのみならず交差結合したエラストマーを含む。これらの混成コポリマーは、通常100℃を超える溶融温度を示す。
ある実施の態様において、本明細書に記載のポリマーブレンドは、降伏点引張り強度(ISO 37により23℃で測定)が0.5 MPa以上、又は0.75 MPa 以上、又は1.0 MPa 以上、又は1.5 MPa 以上、又は2.0 MPa 以上、又は2.5 MPa 以上、又は 3.0 MPa 以上、又は3.5 MPa 以上ある。
他の実施の態様においては、本明細書に記載のポリマーブレンドは、ショアー硬度が30Aから90D, 好ましくは15Aから90D(ISO868により測定)であるのが良い。
他の実施の態様においては、本明細書に記載のポリマーブレンドは、極限伸び(ISO37により測定)が20 % 以上、好ましくは30 %以上、より好ましくは40 %以上あるのが良い。
他の実施の態様においては、本明細書に記載のポリマーブレンドは、圧縮永久歪(compression set)(ISO 815Aにより測定)が90 % 以下、好ましくは70 % 以下、より好ましくは50 % 以下、より好ましくは30 % 以下であるのが良い。
他の実施の態様においては、本明細書に記載のポリマーブレンドは、残留伸び
(tension set) (ISO 2285により測定)が100 % 以下、好ましくは80 % 以下、より好ましくは60 % 以下、より好ましくは20 % 以下であるのが良い。
他の実施の態様においては、本明細書に記載のポリマーブレンドは、オイルスエル(oil swell) (ASTM D471により測定)が500 % 以下、好ましくは250 %以下、より好ましくは100 % 以下であるのが良い。
添加剤
本発明の均質ポリマーブレンドは、任意選択的に補強及び非補強充填剤、可塑剤、抗酸化剤、安定剤、ゴムプロセスオイル、エクスエテンダーオイル、潤滑剤、ブロッキング防止剤、静電防止剤、ワックス、発泡剤、色素、難燃剤及びゴム化合分野で知られている他の加工助剤を含む。その様な添加剤は全組成物の約70 重量%まで、より好ましくは約65重量%までを占めても良い。使用することのできる充填済及びエクステンダーには、炭酸カルシウム、粘土、シリカ、タルク、二酸化チタン、黒鉛等の様な従来の無機物を含む。ゴムプロセスオイルは、通常石油留分から誘導されるパラフィン油、ナフテン油又は芳香族油である。オイルは、組成物中に存在する特定のゴム、又はゴム成分と通常併せて用いられるオイルから選択される。
充填剤及びオイルの様な添加剤は、第一の重合ゾーン又は第二の重合ゾーンのいずれかの重合中に均質ポリマーブレンドに導入することができる。添加剤は第二の重合ゾーンからの流出物に加えることもでき、好ましくは溶媒又は希釈剤を除去した後にメルトブレンドによりポリマーブレンドに加えるのが良い。
また追加のポリマーを加えてブレンドを形成することもできる。一以上の実施の態様において、追加のポリマーは熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーを含む。典型的な熱可塑性樹脂には結晶質ポリオレフィンを含む。また好適な熱可塑性樹脂は、スチレンーエチレン コポリマーの様なポリオレフィンとスチレンのコポリマーを含む。一以上の実施の態様において、熱可塑性樹脂はエチレン又は、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン及びこれらの混合物の様なアルファーオレフィンを重合して形成される。エチレンとプロピレンのコポリマー、及びエチレン及びプロピレンと他のアルファーオレフィン、例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン又はこれらの混合物とのコポリマーもまた考慮される。特に含んで良いのは、ホモポリプロピレン、プロピレンとエチレン又は上に記載したより高級なアルファーオレフィン、又はC10-C20ジオレフィンとの衝撃、ランダムコポリマーである。好ましくは、ホモポリプロピレンは融点が少なくとも130℃, 例えば、少なくとも140℃ 及び好ましくは170℃以下, DSC解析による融解熱が少なくとも75 J/g, 又は少なくとも80 J/g, 及び重量平均分子量(Mw) が少なくとも50,000, 又は少なくとも100,000あるのが良い。これらのプロピレンコポリマーのコモノマー含有量は、典型的にはポリマー重量の1 から約30% (例えば、米国特許第6,268,438号, 第6,288,171号, 及び第6,245,856号を参照)である。
特に、商標名VISTAMAXX(登録商標) (ExxonMobil)で調達可能なコポリマーが含まれる。本明細書に記載の2以上のポリオレフィン熱可塑性物質のブレンド又は混合物、又は他の高分子修飾剤とのブレンド又は混合物も本発明での使用に適している。これらのホモポリマー及びコポリマーは、これに限定されるものではないが、従来のチーグラー・ナッタ型重合の様な知られた適当な重合技術を用いて、またこれに限定されるものではないが、メタロセン触媒を含む単部位有機金属触媒を用いる触媒反応により合成することもできる。
本発明のポリマーブレンドは、第二の重合ステップで少なくとも部分的に交差結合を受けるが、反応器内製品のエラストマー性第二のポリマー成分は未反応垂下型二重結合を含むこともある。したがって、反応器内製品は、未反応二重結合がゴム相の硬化密度を増すためにポスト重合硬化を受けるための仕上げ工程に付される。硬化密度が増すとキシレン中で溶解しないブレンド部分が増える。好ましくは重合後に硬化を受けた後、キシレン中で不溶なブレンドの部分は反応器内で生成されたポリマーブレンドの少なくとも10 %, 例えば、少なくとも20 %、例えば、少なくとも30 %を占めるのが良い。
一以上の実施の態様において、ジエン交差結合は、第二の重合ステップの後に未反応のまま残っている全ての垂下二重結合が、仕上げ工程で熱交差結合を受け、その結果第二のポリマー成分の交差結合密度が増大する様に選択されても良い。
一以上の実施の態様において、最終ステップでの交差結合剤は、ポリマー仕上げ機器に注入し、分散ゴム相の硬化密度を増大することができる。典型的な硬化剤には、フェノール樹脂硬化系、過酸化物硬化系、及びシリコン含有硬化系硬化剤を含む。
一以上の実施の態様において、フェノール樹脂は米国特許第2,972,600号、第3,287,440号、第5,952,425 及び第6,437,030号、及び国際出願公報PCT/US04/ 30518に開示されているものを含み、これら文献は参照により本明細書に組み入れられる。
フェノール樹脂硬化剤はレゾール樹脂とも呼ばれ、アルキル置換フェノール又は非置換フェノールを、ホルムアルデヒドの様なアルデヒドによってアルカリ性媒体中で濃縮し、又は二官能性フェノールジアルコールの濃縮により生成されるフェノール樹脂を含む。アルキル置換フェノールのアルキル置換基は、1から約10の炭素原子を含んでもいても良い。ジメチルフェノール又はフェノール性樹脂で、1から約10の炭素原子を持つアルキル基によりパラの位置が置換されているものが好ましい。ある実施の態様においては、オクチルフェノールとノニルフェノールーホルムアルデヒド樹脂のブレンドが用いられる。このブレンドは重量で約25から約40%のオクチルフェノール、及び重量で約75から約60%のノニルフェノール(任意選択的に、重量で約30から約35重量%のオクチルフェノール及び約70から65 重量%のノニルフェノール)を含んでいても良い。ある実施の態様においては、ブレンドは重量で約33%のオクチルフェノール−ホルムアルデヒド、及び重量で67%のノニルフェノールホルムアルデヒド樹脂を含み、オクチルフェノール及びノニルフェノールの各々はメチロール基を含む。このブレンドはパラフィン油で約30%の固形物のレベルで溶解されうる。
有用なフェノール樹脂は、商標名SP-1044, SP-1045 (Schenectady International; Schenectady, N. Y.) で調達されるが、これはアルキルフェノールーホルムアルデヒド樹脂と呼ばれる。SP- 1045は、メチロール基を含むオクチルフェノールーホルムアルデヒド樹脂と信じられている。SP-1044及びSP- 1045樹脂はハロゲン置換基及び残留ハロゲン化合物を本質的に含まないと信じられている。ハロゲン置換基を本質的に含まないの意味は、合成により微量のハロゲン含有化合物のみを含むことのある非ハロゲン化樹脂を生成することを言う。
一以上の実施の態様においては、フェノール樹脂は、塩化第二スズの様なハロゲンソース、及び金属酸化物又は酸化亜鉛の様な還元性化合物と組み合わせて用いても良い。
一以上の実施の態様において、有用な過酸化物(peroxide)硬化剤には有機過酸化物を含む。有機過酸化物の例には、
ジ−tert-ブチルペロキシド(di-tert-butyl peroxide)、ジクミル ペロキシド(dicumyl peroxide)、t-ブチルクミル ペロキシド(t-butylcumyl peroxide)、α,α-bis(tert-ブチルペロキシ)ジイソプロピル ベンゼン(α,α-bis(tert- butylperoxy) diisopropyl benzene)、2,5-ジメチル-2,5-di(t-ブチルペロキシ)ヘキサン(2,5-dimethyl-2,5-di(t-butylperoxy)hexane (DBPH))、(l,l-di(tert-ブチルペロキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(l,l-di(tert-butylperoxy)-3,3,5-trimethyl cyclohexane)、(n-ブチル-4-4- bis(tert−ブチルペロキシ)吉草酸塩(n-butyl-4-4- bis(tert-butylperoxy) valerate)、ベンゾイルペロキシド(benzoyl peroxide)、ラウロイルペロキシド(lauroyl peroxide)、ジラウロイルペロキシド(dilauroyl peroxide)、2,5-ジメチル-2,5-di(tert-ブチルペロキシ) ヘキシン-3(2,5-dimethyl-2,5-di(tert-butylperoxy) hexyne-3)、及びこれらの混合物を含むがこれに限定されるものではない。また、ジアリールペロキシド(diaryl peroxide)、ケトンペロキシド(ketone peroxide)、ペロキシカーボネイト(peroxydicarbonate)、ペロキシエステル(peroxyester)、ジアルキルペロキシド(dialkyl peroxide)、ヒドロペロキシド(hydroperoxide)、ペロキシケタール(peroxyketal)及びこれらの混合物も使用することができる。
有用な過酸化物(ペロキシド(peroxide))及びこれらを熱可塑性加硫物の動的加硫で使用する方法は、米国特許第5,656,693号に開示されており、この文献は参照により本明細書に組み入れられる。
一以上の実施の態様において、過酸化物硬化剤は助剤と共に用いられる。助剤の例には、
シアヌル酸トリアリル(triallylcyanurate)、イソシアヌル酸トリアリル(triallyl isocyanurate)、リン酸塩トリアリル(triallyl phosphate)、硫黄(sulfur)、N-フェニル bis-マレアミド(N-phenyl bis-maleamide)、ジアクリレート亜鉛(zinc diacrylate)、ジメタアクリレート亜鉛(zinc dimethacrylate)、ジビニルベンゼン(divinyl benzene)、1,2 ポリブタジエン(1,2 polybutadiene)、トリメチロールプロパン トリメチルアクリレート(trimethylol propane trimethacrylate)、テトラメチレングリコールジアクリレート(tetramethylene glycol diacrylate)、三官能性アクリル酸エステル(trifunctional acrylic ester)、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート(dipentaerythritolpentacrylate)、多官能性アクリレート(polyfunctional acrylate)、遅延シクロヘキサン ジメタノール ジアクリレートエステル(retarded cyclohexane dimethanol diacrylate ester)、多官能性メタクリレート(polyfunctional methacrylate)、アクリレート(acrylate)及びメタアクリレート金属塩(methacrylate metal salt)、キノンジオキシム(quinone dioxime)の様なオキシマー(oximer)を含む。過酸化物/助剤の交差結合の効果を最大にするために混合及び動的加硫は窒素雰囲気中で実施するのが好ましい。
一以上の実施の態様において、有用なケイ素含有硬化系には少なくとも2つのSiH基を含む水素化ケイ素化合物を含む。これらの化合物は、ヒドロシラン化触媒の存在下で不飽和ポリマーの炭素―炭素二重結合と反応すると信じられている。
本発明の実施において有用な水素化ケイ素化合物には、メチル水素 ポリシロキサン、メチル水素 ジメチルーシロキサンコポリマー、アルキル メチル ポリシロキサン、bis(ジメチルシリル)アルカン、bis(ジメチルシリル)ベンゼン、及びこれらの混合物を含むが、これに限定されるものではない。
ヒドロシラン化に有用な触媒には、過酸化物触媒及びVIII族の遷移金属を含む触媒を含むが、これに限定されるものではない。これらの金属には、パラジウム、ロジウム、及びプラチナを含み、これらの金属の複合体を含むのはもちろんである。熱可塑性加硫物を硬化させるヒドロシランの使用についての更に詳しい検討は、米国特許第5,936,028号を参照願いたい。本文献は参照により本明細書に組み入れられる。一以上の実施の態様において、ケイ素含有硬化剤は、5−ビニルー2−ノルボルネンに由来する単位を含むエラストマー性コポリマーを硬化させるために用いることができる。
一以上の実施の態様において、本発明の均質ポリマーブレンドの硬化に有用な硬化剤には、米国特許第5,013,793号、第5,100,947号、第5,021,500号、第4,978,714号、及び第4,810,752号に記載のものを含む。これらの各文献は参照により本明細書に組み入れられる。
ポリマーブレンドの使用
本明細書に記載の均質ポリマーブレンドは、その技術分野で知られているどの様な適当な方法によっても所望の最終商品に成形しても良い。これは、特にブロー成形、押出、射出成形、熱成形、ガス発泡、弾性溶接、及び圧縮成形技術による商品成形に有用である。
熱成形は少なくとも一つの柔軟なプラスチックシートを所望の形に成形するプロセスである。熱成形の順序についての実施の態様について記述するが、これは本発明の組成物を用いる有用な熱成形方法を限定するものと解してはならない。まず本発明の組成物の押出フィルム(及びその全ての他の層又は材料)を、加熱中保持するシャトル棚に置く。シャトル棚は炉に進入し、フィルムが成形される前に炉で予熱される。フィルムが加熱されるとシャトル棚は成形工具に戻る。フィルムはフィルムを定位置に置くため成形工具に真空吸着され、成形工具が閉じられる。成形工具は、「雄」又は「雌」タイプの何れでも良い。工具はフィルムを冷却するため閉じられた状態に置かれ、そして開かれる。形成されたラミネートは工具から取り出される。
熱成形は、材料のシートが熱形成温度、通常140℃から185℃まで又はそれより高い温度に達すると、真空、陽空気圧、プラグアシスト真空成形、又はこれらの組み合わせ及びこれらの変形した方法により完成される。
材料分布を改善するために事前伸長バブルステップが特に大きな部品に用いられる。ある実施の態様においては、連節棚が、雄型成形工具のオリフィスからの真空吸着を用いて、加熱されたラミネートを雄成形工具に持ち上げる。ラミネートがしっかりと雄成形工具の周りに形作られると熱成形されたラミネートは、典型的にはブロワーにより冷却される。プラグアシスト成形は、一般に小型の、深絞り部品に用いられる。プラグ材料、デザイン及びタイミングはプロセスを最適化するために極めて重要となりうる。断熱発泡材(insulating foam)から成形されるプラグはプラスチックが予定より早く冷却するの防ぐ。プラグの形は通常モールド型穴に似ているが、それより小さく、部分の詳細を持たない。プラグの丸底は、通常、材料の均一な分布及び均一な側壁厚の生成を促進する。
形成されたラミネートはモールドで冷却される。モールド温度を30°Cから65°Cに維持する様に十分冷却するのが望ましい。ある実施の態様においては、部品は排出前に90°C から 100°Cより低い温度である。熱成形での良好な挙動を得るために、最も低いメルトフローレートを持つポリマーが望ましい。形成されたラミネートはその後余分なラミネート材が取除かれる。
ブロー成形は他の適当な成形方法であるが、これには射出ブロー成形、多層ブロー成形、押出ブロー成形、延伸ブロー成形を含み、例えば、ガスタンク及び他の液体用容器の様な実質的に閉じられた又は中空物の製造に特に適している。ブロー成形は、例えば、CONCISE ENCYCLOPEDIA OF POLYMER SCIENCE AND ENGINEERING 90-92 (Jacqueline I. Kroschwitz編纂、John Wiley & Sons 1990)に詳細に記載されている。
更に成形及び形成プロセスの他の実施の態様においては、異形共押出しを用いることができる。異形共押出しプロセスのパラメータは、金型温度(二重ゾーントップ及びボトム)が150℃から 235℃、供給ブロックの温度は90℃から250℃及び水冷タンクの温度が10℃ から 40℃である以外は、上で記したブロー成形プロセスの場合と同様である。
射出成形プロセスのある実施の態様に以下の様なものがある。形成されたラミネートは射出成形工具に置かれる。モールドは閉じられそして基材がモールドに射出される。基材の溶融温度は、200℃から300℃の間、例えば、215℃から250℃の間であり、2から10秒の射出速度でモールドに射出される。射出後、材料は梱包され、又は部品のサイズ、及び美観上で適正となる様に、事前に決められた時間及び圧力で保持される。通常この時間は5から25秒及び圧力は1,380kPaから10,400kPaである。基材を冷却するためにモールドは10℃から70℃の間の温度で冷却される。温度は所望の光沢及び外観によって異なる。通常の冷却時間は10−30秒であるが、部品の厚さにより異なる。最終的にモールドは開かれて、形成された複合製品が排出される。
同様に、成形品は、溶融ポリマーを所望の形状及び厚さの成形品に形成し、固形化するモールドに、溶融ポリマーを射出することにより製造しても良い。シートは、実質的にフラットな異型を金型を通して冷却されたロールに押出すか、又はカレンダー成形によって作っても良い。シートは通常10ミルから100ミル (254μmから2540μm)の厚さを持つと考えられるが、これより実質的に厚いものでも良い。チューブ又はパイプは医療用、飲料用水、土地の排水用等に異型押出によって得られる。異型押出プロセスは金型を通して溶融ポリマーを押出すことを含む。押出されたチューブ又はパイプは、冷却水、又は冷却用空気を連続押出しされた製品に送ることで凝固させる。チューブは通常外径が0.31cmから2.54cm、壁の厚さが254mから0.5cmの範囲である。パイプは通常外径が2.54cmから254cm、壁の厚さが0.5cmから15cmの範囲である。本発明のある実施の態様における製品から作られるシートは、容器を成形するために使用されることもある。その様な容器は熱成形、固相加圧成形、スタンピング及び他の形成技術によっても成形されうる。シートは又、床又は壁、又は他の表面を被覆するためのものとして成形されることもある。
熱成形プロセスのある実施の態様において、炉の温度は160℃から195℃、炉中の時間は10から20 秒であり、金型の温度、典型的には雄の金型は10℃から71℃である。冷却され(室温)、形成されたラミネートの最終の厚さは、ある実施の態様においては、10μmから6000μm、他の実施の態様においては、200μmから6000μm、他の実施の態様においては、250μmから3000μm、更に他の実施の態様においては、500μmから1550μmである。好ましい範囲は上記の上限の数値と下限の数値の何れを組合せたものであっても良い。
射出成形プロセスのある実施の態様においては、形成されたラミネートを含む、工具に基材が射出成形され、基材の溶融温度は、ある実施の態様においては、230℃から255℃の間、他の実施の態様においては、235℃から250℃の間であり、充てん時間は、ある実施の態様においては2から10秒、他の実施の態様においては2から8秒、及び工具の温度は、ある実施の態様においては25℃から65℃、他の実施の態様においては27℃から60℃である。望ましい実施の態様においては、基材は、結合層材料(tie-layer material)又はバッキング層を溶融して層間の接着を実現するのに十分高い温度である。
更に本発明の他の実施の態様においては、本発明の組成物をブロー成形操作を通じて基材に固定しても良い。
ブロー成形は、燃料タンク及び他の流体用容器、遊び場の設備、戸外用備品、及び小型の密閉構造の様な閉じられた製品を作るための応用分野で特に有用である。このプロセスのある実施の態様においては、本発明の組成物は多層ヘッドにより押出され、続いて冷却されていないラミネートをモールド中のパリソンに置く。内側が雄又は雌のパターンを持つモールドはその後閉じられ、そして空気がモールドに送られ部品が成形される。
上に概観したステップは、所望する結果によって種々変形されうることは当業者に理解されることである。例えば、本発明の組成物の押出シートは、冷却することなく、すなわち、冷却ステップを経ることなく直接熱形成され、又はブロー成形されることもある。他のパラメータは、所望の特徴を持つ最終複合製品を得るために変えても良い。
本発明の熱可塑性エラストマーブレンドは、風雨シール、ホース、ベルト、ガスケット、成形品、ブーツ、弾性繊維等の様な種々の商品を製造するのに有用である。発泡成形される最終製品もまた対象となる。より具体的には、本発明のブレンドは特に自動車用部品を製造するのに有用であり、これに限定されるものではないが、例えば、風雨シール、これに限定されるものではないが、カップ、カプリングディスク、ダイアフラム カップを含むブレーキ用部品、等速ジョインの様なブーツ、及びラック、ピニオンジョイント、チュービング、シーリングガスケット、油圧又は空気圧使用機器の部品、O−リング、ピストン、弁、弁座、弁受け、他のエラストマー性ポリマーベースの部品又は、当業者に知られている金属とプラスチックを組み合わせた様な、他の材料と組み合わされたエラストマー性材料がある。また、V-ベルト、頭部が切断された肋材の表面が繊維よりなるV−ベルトを持つ歯付ベルト、砕いた短繊維補強V−ベルト、又は、短繊維を集めて成形されたゴムV-ベルトを含む伝動ベルトも考慮の対象になる。これらのベルトの断面及び及び肋材の数はベルトの最終用途、市場の種類、及び伝達すべきパワーにより異なる。これらのベルトはまた、外面が摩擦表面によって強化された織物よりなるフラットベルトであっても良い。これらの部品が応用される車両には、乗用車、自動二輪車、トラック、ボート及び他の運搬機器を含むが、これに限定されるものではない。
他の実施の態様においては、本発明は以下に関する:
1. 均質ポリマーブレンドであって:
(a)少なくとも30%の結晶化度を持つ熱可塑性第一のポリマー、及び
(b)5%より大きい結晶化度を持つ第二のポリマーであり、少なくとも部分的に交差結合しているポリマー
を含む。
2. 第二のポリマーが熱可塑性第一のポリマーよりも結晶化度が低い、上の1のポリマーブレンドである。
3.第二のポリマーと熱可塑性第一のポリマーの結晶化度の差が20%未満である、1又は2記載のポリマーブレンド。
4. 前記熱可塑性第一のポリマーがC2からC20のオレフィンのポリマーである1乃至3のいずれかのポリマーブレンド。
5.前記熱可塑性第一のポリマーがプロピレンポリマーであり、ポリマー重量の0 から約 5 %がアルファーオレフィンである1乃至4のいずれかのポリマーブレンド。
6.熱可塑性第一のポリマーが約100℃乃至約170℃の間の融点を持つ1乃至5のいずれかのポリマーブレンド。
7.熱可塑性第一のポリマーのメルトフローレートが2000 dg/分以下、好ましくは100 dg/分以下である1乃至6のいずれかのポリマーブレンド。
8.第二のポリマーが、少なくとも一つのC2 から C20オレフィン及び少なくとも一つのポリエンを含む複数のコモノマーから生成される1乃至7のいずれかのポリマーブレンド。
9.前記少なくとも一つのポリエンが少なくとも2つの重合可能な不飽和基を持つ8のポリマーブレンド。
10.第二のポリマーがプロピレン及び2から15重量%の、一以上のC2及び/又はC4 から C10 のアルファーオレフィンコモノマー、好ましくはエチレンを含む1乃至9のいずれかのポリマーブレンド。
11.
少なくとも4重量%のポリマーブレンドがキシレン中で不溶である1乃至10のいずれかのポリマーブレンド。
12.
1乃至11のいずれかのポリマーブレンドを生成するプロセスであって、前記プロセスは:
(i) 少なくとも一つの第一のポリマーを重合させて熱可塑性第一のポリマーを生成し;及び
(ii) 前記第一のポリマーの少なくとも一部を、少なくとも一つの第二のモノマー及び少なくとも一つのポリエンと、前記第二のモノマーを重合させて第二のポリマーを生成し、及び同時に第二のポリマーを交差結合させるに十分な条件下で接触させ、前記の接触(ii)による製品は、キシレン中で不溶な部分を少なくとも一部を含む、
ことを含む。
13.前記重合(i)は触媒の存在下で実施され、及び前記接触(ii)は同じ触媒の存在下で実施される12のプロセス。
14.前記重合(i)が第一の触媒の存在下で実施され、前記接触(ii)が第一の触媒と異なる第二の触媒の存在下で実施される12のプロセス。
15. 前記重合(i)が、少なくとも一つの触媒成分と少なくとも一つの活性剤を含む単一部位触媒の存在下で実施される12乃至14のいずれかのプロセス。
16.(i)で生成される第一のポリマーが少なくとも0.01%の末端不飽和を持つ12乃至15のいずれかのプロセス。
17.(ii)が第一のポリマーの少なくとも一部を、少なくとも15 重量% の一以上のC3 から C20のオレフィン、及び少なくとも0.0001重量% の少なくとも一つの前記ポリエンを含むモノマー混合物に接触させることを含む12乃至16のいずれかのプロセス。
18.12乃至17のいずれかのプロセスであって、更に(ii)で生成される製品を硬化ステップを経させ、キシレン中で不溶な第二のポリマーの量を増大させることを含むプロセス。
19.前記硬化ステップに続いて、キシレン中で不溶な前記第二のポリマーの量が、前記ポリエンブレンドの少なくとも10重量%である18のプロセス。
本発明は実施例及び添付図面を参照して更に詳細に説明される。
実施例では、分子量((数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及びz−平均分子量(Mz))は屈折率検出器(differential refractive index detector (DRI))を備えたWaters 150 サイズ排除クロマトグラフィー(Size Exclusion Chromatograph (SEC))、オンライン低角度光散乱(online low angle light scattering (LALLS) )検出器及び粘度計(viscometer (VIS))を用いて決定された。これらの検出器並びにその較正の詳細については、例えば、T. Sun, P. Brant, R. R. Chance及びW. W. Graessleyによる「高分子」(Macromolecules), 34巻, 19号, 6812-6820ページ, (2001)に記載されており、本文献は参照により本明細書に組み入れられる。SEC実験のための溶媒は、ブチル化されたヒドロオキシトルエン(hydroxy toluene (BHT))6gを抗酸化剤として4リットル瓶の1,2,4 トリクロロベンゼン(1,2,4 trichlorobenzene (TCB)) (Aldrich Reagent グレード)に加え、BHTが溶解するのを待って生成された。TCB混合物は、その後0.7ミクロン ガラス前置フィルター及び 続く0.1ミクロン Teflon フィルターでろ過された。高圧ポンプとSECカラムの間に更にオンライン0.7 ミクロン ガラス前置フィルター/0.22ミクロンTeflonフィルター装置を置いた。TCBはSECに入れる前に、オンライン脱気装置(Phenomenex, モデルDG-4000)により脱気された。ポリマー溶液は、ガラス容器に乾燥ポリマーを置き、所望の量のTCBを加え、その後混合物を2時間連続攪拌しつつ160℃で加熱して生成した。全ての量は重量により測定された。ポリマー濃度を表わすために用いたTCB密度は質量/容量単位で、室温で1.463 g/ml及び135℃で1.324 g/mlであった。注入濃度は1.0 から2.0 mg/mlの範囲であり、低い濃度のものは高分子サンプルとして用いられた。
実施例の分枝指数は、オンライン粘度計を備えたSEC(SEC-VIS)を用いて測定し、SECトレースの各分子量でg’として報告されている。分枝指数g’は以下の様に定義される:
g’=ηbl
ηbは分枝ポリマーの極限粘度であり、ηlは分枝ポリマーと同じ粘度平均分子量(Mv)の線状ポリマーの極限粘度である。
ηl = KMv α
において、K及びαは線状ポリマーについて測定した数値であり、分枝指数測定に用いたものと同じSEC-DRI-LS-VIS装置で測定すべきである。本発明のポリプロピレンサンプルでは、K=0.0002288及びα=0.705を用いた。極限粘度及び分子量は、恐らく間違いなく狭い分散範囲のポリマーを含む各溶出体積で測定されたためSEC-DRI- LS-VIS方法では多分散性を修正する必要がない。比較のため標準として選択された線状ポリマーは、同じ粘度平均分子量、モノマー含有量及び組成物分布を持っているものである。C2からC10モノマーを含むポリマーの線状の特徴はRandall 法(Rev. Macromol. Chem. Phys., C29 (2&3), 285-297ページ) を用いてCarbon-13 NMRで確認される。C11及びそれより上のモノマーの線状の特徴はMALLS検出器を用いてGPC分析により確認される。例えば、プロピレンのコポリマーでは、NMRはコモノマーの分枝よりも大きい分枝を示さない(例えば、コモノマーがブテンであるとすると、2の炭素よりも大きい分枝は存在しない)。プロピレンのホモポリマーでは、GPCは1の炭素原子より大きい分枝を示さない。コモノマーがC9 以上である場合のポリマーの線状標準を望む場合には、これらのポリマーの標準を決定する手順についてはT. Sun, P. Brant, R. R. Chance, 及びW. W. Graessleyの 「高分子」(Macromolecules), 34巻, 19号, 6812- 6820ページ, (2001)を参照することができる。シンジオタクチックポリマーの場合は、標準はC13 NMRにより測定されるシンジオタクチック度に相当する量である。平均粘度g’は次の式を用いて計算された:
g’vis = ΣCi[ηi]b/ΣCiKMiα
Ciはポリマーピークのスライス(slice)i中のポリマー濃度であり、[ηi]b
はポリマーピークのスライス(slice)i中の分枝ポリマーの粘度、Miは光散乱により測定したポリマーピークのスライス(slice)i中の重量平均分子量、K及びαは上で定義した通りである。
ピーク融点(Tm)及びピーク結晶化温度 (Tc) はASTM E 794-85に従い以下の手順により示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimetry)により決定された。結晶化度はASTM D 3417-99により融解熱を用いて算出された。示差走査熱量計 (DSC)のデータはTA Instruments model Q100 機器を使用して得た。約5-10 mg重量のサンプルはアルミニウムサンプルパンに封入された。DSCデータはサンプルをまず−100℃まで冷却し、その後漸次10°C/分の割合で200℃まで加熱したものを記録した。サンプルは第二の冷却ー加熱サイクルが実施される前に、200℃で5分間保持された。第一及び第二サイクルの熱イベントが記録された。融解曲線の下の領域が測定され、融解熱及び結晶化度を決定するのに用いられた。結晶化度%が式
[曲線の下の領域(ジュール/グラム)/B(ジュール/グラム)]*100、
を用いて計算される。Bは主要モノマー成分のホモポリマーの融解熱である。これらのB値は、John Wiley and Sons, New York 1999出版のPolymer Handbook, 4版の値を使用した。189 J/g の(B)値を100%結晶性ポリプロピレンの融解熱として用いた。290 J/gを100%結晶性ポリエチレンの融解熱として用いた。複数の冷却及び融解ピークを示すポリマーについて、全てのピーク結晶化温度及びピーク融解温度が報告された。各融解ピークの融解熱は個々に計算された。
ガラス転移温度(Tg)はTA Instruments model Ql00機器を用いてASTM E1356により測定された。
形態データはタッピング相で原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope (AFM))を用いて得た。サンプルの弛緩を防ぐため、サンプルはすべて極低温表面仕上げ(cryofacing)後8時間以内に分析された。極低温表面仕上げの間、サンプルは-130℃に冷却され、Reichert極低温ミクロトーム装置でダイアモンドナイフで切断された。その後乾燥窒素気体流下で分析容器中に置かれ、凝縮が形成されることなく大気温まで暖められた。
最終的に、表面仕上げされたサンプルがAFM分析をするために小型スチール製万力に置かれた。AMF測定は、長方形の225-mm Si片持ちばり(cantilever)を用いてNanoScope Dimension 3000走査型プローブ顕微鏡(scanning probe microscope)(Digital Instrument)上で空気中で実施された。片持ちばりの剛性は共振周波数〜70 kHzで~4 N/mであった。自由振動振幅は大きく、RMS を3.8ボルトに設定して、80 nmから100 nmであった。セットポイント比率が0.5以下の値に維持されつつ、接触セットポイントは正位相シフトと反発接触を確保するために常時調整された。
片持ちばりはその共振周波数又は、それより少し低いレベルで操作された。
全てのサンプルのAMF相イメージは、TIFF フォ−マットに変換され、PHOTOSHOP (Adobe Systems, Inc.)を用いて処理された。イメージ処理キット(Reindeer Games, Inc.)がイメージ測定のために用いられた。イメージ測定の結果は、続いてEXCEL (Microsoft) 又は、MATLAB (MathWorks, Inc.)を用いて、分散相のサイズ/形、共連続相の共連続因数、又は最近接粒子間距離を計算機処理するためにテキストファイルに書かれた。
透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscopy (TEM))が、エチレン/プロピレン/ジエンゴム及び半結晶質プロピレン相間の接触面の詳細を調査・検討するために用いられた。使用した機器はJEOL 2000FX顕微鏡である。サンプルの形態の詳細な輪郭を描き対照を明確にするため重金属染色技術が用いられた。四酸化ルテニウムは非結晶質と結晶質領域との優れた対照を示すものであり、これが使用された。低い密度の、非結晶質ポリマーは、より高密度のより結晶質成分よりも染色される。したがって、より濃く染色されている成分はTEM振幅対比イメージでより暗く見え、染色がより薄い材料は明るく見える。用いられたTEM分析法には以下のものを含む:
・ 分析面の配向性を決める。典型的には、機械方向に配向付けられているサンプルにはMD-ND(機械方向/正常方向:machine direction/normal direction)面が好ましい。
・ 冷凍ミクロト−ムを用いてバルクポリマーサンプルの変形のない面を創る。
・ 四酸化ルテニウム蒸気により約8時間染色する。
・ 超ミクロト−ムを用いて染色面から極薄(約100 nm)断片を切断し、収集する。切断はダイアモンドナイフを用いて行う。断片はTEM格子上に浮かせる。
・ 適当な加速電圧(通常は160から200 kV)下で、検査のためその断片をTEMに置く。
・ 必要なサンプリングのレベルを決定するために断片を検査する。
・ 適当なメーカーソフトウエアを使用してデジタルイメージを得る。
エチレン/プロピレンコポリマーのエチレン含有量は、以下の技術によりFTIRを用いて決定された。約150℃の温度でプレスされたポリマーの薄い均質フィルムが、Perkin Elmer Spectrum 2000赤外線分光光度計に装着された。600 cm-1から4000 cm-1の全範囲のサンプルのスペクトルが記録され、~1165 cm-1幅スペクトルのプロピレンの領域、及び-732 cm-1幅スペクトルのエチレンの領域が計算された。メチレン 振動幅(rocking band)の規準統合範囲は、名目上695 cm-1 から最小745 から775 cm-1 の範囲である。
プロピレンの幅は、規準値及び統合範囲は名目上1195 から1126 cm-1
の範囲である。重量%によるエチレン含有量は以下の式により計算された。
エチレン含有量(重量%%) = 72.698 - 86.495X + 13.696X2
ここでX=AR/(AR+1)及びARは〜1165 cm-1でのピークの領域と732 cm-1.でのピークの領域の比率である。
反応器内ポリマーブレンドの異なるポリマー種を分離するために溶媒抽出が用いられた。ポリマーブレンドがオイルを全く含んでいない場合は、分別は2段階連続溶媒抽出により実施された。その一つはシクロヘキサン抽出であり、他はキシレンソックスレー抽出である。シクロヘキサン溶媒抽出では、約0.3gのポリマーが60mlのシクロヘキサン中に入れられた。混合物は室温で連続して48時間攪拌された。真空下ろ過により、可溶部分(シクロヘキサン可溶部分と呼ぶ)が不溶材料(シクロヘキサン不溶部分と呼ぶ)から分離された。その後不溶材料はキシレンソックスレー抽出処理に付された。このステップにおいて、室温シクロヘキサン抽出による不溶材料は最初に約24時間掛けてキシレンで抽出された。キシレンに不溶な部分(キシレン不溶部分と呼ぶ)がろ過により回収され、これは少なくとも部分的に交差結合した第二のポリマーを含む抽出物である。残りの部分は室温まで冷却され、ガラス容器に入れられて24時間沈殿させた。沈殿した成分(キシレン沈殿物と呼ぶ)がろ過により回収され、そして可溶成分(キシレン可溶物と呼ぶ)がキシレン溶媒を蒸発させることにより回収された。パラフィン系オイル可塑剤等を含むブレンドの場合は、ブレンドからオイルを分離するために、他のソックスレー溶媒抽出ステップが、シクロヘキサン抽出及びキシレンソックスレー抽出の前に、アセトン及びシクロヘキサンの容量比が2:1の共沸混合物を使用してサンプル上で24時間実施された。キシレン不溶物のパーセントの計算には重合反応器から直接得られる成分のみを考慮している。オイルの含有量又は、他の反応器後の添加物は除いた。
ポリマーブレンドの物理的特性を測定するために、まずサンプルが~45 mLミキシングヘッドを持つブラベンダー溶融ミキサー(Brabender melt mixer)で混合された。ポリマーはブラベンダーミキサーで混合中に抗酸化剤で安定させた。ブラベンダーミキサーは100 rpm 及び180℃の温度で運転された。この温度での混合時間は5-10分であり、その後サンプルは混合室から取り出された。均質化されたサンプルは分析のため、Carver油圧プレス上でフィルムに圧縮成形された。約7gの均質化されたポリマーがTeflon(登録商標)被覆されたアルミニウムフォイルで裏地付けされた真ちゅうプラテン(brass platen)の間で成形された。4インチ x 4インチ (10.2 x 10.2 cm)の四角の口を持つ0.033 インチ(0.08cm)厚の中空溝(chase)が、サンプルの厚さを制御するのに用いられた。最小圧力で170℃又は、180℃で1分余熱した後、油圧負荷を次第に増し10,000 から15,000ポンドとし、そこで3分間そのまま保持した。続いてサンプル及び成形板が、プレスの水冷プラテンの間で10,000 から15,000ポンド負荷の下で3分間冷却された。板(plaque)は物理的特性試験をする前に平衡させるために最小24時間室温で置かれた。
β―リラクセーション(β relaxation)、損失係数(Loss Modulus (E"))及び貯蔵係数(Storage Modulus (E))が動的機械熱測定(dynamic mechanical thermal analysis (DMTA))により測定された。使用した機器はTA Instruments, New Castle, DEのRSA II, Rheometrics Solid Analyzer IIである。機器は張力モードで操作され、長方形に成形されたサンプルを使用した。サンプルの条件は: 0.1%ひずみ、1HZ周波数、及び分当り2℃の加熱速度で-135℃からサンプルの融点までの範囲をカバーするものであった。サンプルは約200℃で成形された。典型的なサンプルサイズは、23 mm 長さ x 6.4 mm 幅 x サンプルにより0.25 mmから0.7 mmの厚さであった。Tan δはE”/E'の比率である。これらのDMTAの実験の結果より、貯蔵係数(storage modulus)(E')及び損失係数(loss modulus (E"))が収集された。貯蔵係数は弾性反応又は材料のエネルギー保存能力を測定するものであり、損失係数は、粘性反応又は材料のエネルギー発散能力を測定するものである。E"/E'の比率(=tanδ)は材料に関する減衰能力(damping ability)の測定数値を与えるものである。エネルギー消散メカニズム(すなわち、リラクセーションモード)はtan δのピークとして現れ、温度の関数としてE’の低下に関連する。モールドプロセスによるばらつきのためのE’の報告値に関連する不確定度は±10%のオーダーであると予想される。
ショアー硬度はDurometerを用いて、23℃でISO 868により決定された。
極限引張強さ、極限伸び及び100%モジュラスの様な応力―ひずみ特性は、ISO 37によりInstron試験装置を用いて23℃で2mm厚の圧縮成形板で測定された。
圧縮永久歪試験はISO 815 Aに従い測定された。
残留伸びはISO 2285に従い測定された。
オイルスエル(oil swell)(オイルゲイン (oil gain))は圧縮成形された板から金型でカットされたサンプルを、ASTM D 471に従いIRM No.3溶液に24 時間 125℃で浸した後決定された。
実験室毛細管粘度(laboratory capillary viscosity (LCR))は、ASTM D 3835-02に従い実験室毛細管流量計、Dynisco Capillary 流量計を用いて30:1 L/D(長さ/直径)比、せん断速度1200 l/秒、204℃の温度で測定された。実験室毛細管流量計の入口角は180度、筒直径9.55 mmである。加熱時間は6分である。
実施例1
ポリマーブレンドは、第一段階でプロピレンを重合しホモポリマーを生成し、第一段階で生成されたホモポリマーの存在下で、第二段階でジエン交差結合剤のみならず、プロピレン及びエチレンを共重合する2段階重合反応により生成された。重合は攪拌機、温度制御のための外部水/スチームジャケット、乾燥窒素、エチレン、プロピレンの供給制御装置、及び他の溶媒、触媒及び捕捉剤溶液を導入するための隔壁導入口を供えた1リットル オートクレーブ反応器中で実施された。反応器はまず熱したトルエンを用いて洗浄され、その後乾燥された後使用前に完全に脱気された。全ての溶媒及びモノマーは600℃で活性化された1リットル塩基アルミナカラムを通し、それに続いて、反応器に送られる前に600℃で活性化された分子篩カラム、又はSelexsorb CDカラムを通して精製された。
重合の第一段階では、トリイソブチル アルミニウム(triisobutyl aluminum (TIBAL))(ヘキサン中の25 重量%、Sigma- Aldrichより購入)溶液がまず反応器に加えられた。その後触媒溶液が溶媒を用いてカニューレにより反応器に導入された。溶媒(希釈剤)及びプロピレンが連続して反応器に加えられた。これらは全て室温で行われた。その後混合物は攪拌され所望の温度まで加熱された。重合の第一段階は、所望の量のプロピレンが生成されたときに終了し、これは反応中に反応器の圧力をモニターすることにより決定された。その後、反応器は未反応プロピレン及び溶媒を大気に逃がし、反応器中の不活性雰囲気が第二段階で重合を継続して行える様維持できるように反応器圧力が約80 psig (544 kPa)になるまで減圧された。
重合の第二段階では、プロピレンが第一段階で生成された混合物に加えられた。混合物はその後攪拌され、所望の反応温度に加熱された。エチレン及びジエンが連続して反応器に加えられた。重合反応中反応器圧力を相対的に一定に保つために必要に応じてエチレンが供給された。反応中エチレンの消費は質量流量計を用いてモニターされた。重合反応は、所望量のゴムが生成されたときに終了した。その後、反応器は冷却され、未反応モノマー及び溶媒(希釈剤)は大気中に排出された。結果の混合物は、大半は溶媒、ポリマー及び未反応モノマーを含むものであるが、回収箱に回収され、まず、覆いの中で空気乾燥され殆んどの溶媒を蒸発させ、その後真空炉で約90℃の温度で約12時間乾燥させた。
第二重合段階で1,9−デカジエンがジエン交差結合剤として使用された。1,9−デカジエンはSigma- Aldrichから調達し、まず窒素下高温で活性化されたアルミナカラムを通し、それに続いて、窒素下高温で活性化された分子篩のカラムを通して精製された。
トルエン中で1:1のモル比率で、N,N-ジメチルアニリウム テトラキス(ペルフルオロフェニル)ホウ酸塩(N,N-dimethylamlinium tetrakis (pentafluorophenyl) borate)により事前に活性化されたラック−ジメチルシリル−bis(2 −メチル, 4-フェニルインデニル)ジルコニウム ジメチル(Rac-dimethylsilyl bis(2 -methyl, 4-phenylindenyl) zirconium dimethyl)触媒が第一段階の反応器に供給された。同じ触媒が重合の第二段階で使用された。実験の条件、使用された触媒、得られたポリマーブレンドの特性の詳細は以下の表1Aに記載されている。
Figure 2008544066
上の表1Aに記載のTg値は、反応器で生成されたポリマーブレンド中のエラストマー成分に関するものである。この数値はエラストマー成分の非結晶質性を示す。プロピレン成分−主にキシレン沈殿部分に存在する−のTgは通常約0℃であり、これは半結晶質プロピレンホモポリマーに典型的である。
実施例1Aで生成された反応器中ブレンドの形態が、上に記載の手順によりAFMを用いて検討された。その結果を図1Aに示す。均質固体状の形態が観察された。
実施例1の製品のひずみ−応力特性を表1Bに示す。
Figure 2008544066
実施例2
重合は、実施例1で用いたと同様の2リットルオートクレーブ反応器中で実施された。重合の第一段階では、3mlのトリ−n−オクチルアルミニウム(tri-n-octylaluminum (TNOA))(ヘキサン中25重量%、Sigma Aldrich)溶液がまず反応器に加えられた。続いて、溶媒(希釈液)及びプロピレンが反応器に加えられた。これらは全て室温で実施された。その後混合物は攪拌され、第一段階の重合のため所望の温度に加熱された。その後触媒溶液は追加のプロピレンを用いて反応器にカニューレにより注入された。重合の第一段階は、所望の量のプロピレンが生成されたときに終了した。その後、反応器は第二重合段階のための所望の温度まで加熱された。約6-12 mlの空気が、第一段階の重合で用いられた触媒を一部不活性化するため100mlの追加溶媒と共に反応器に注入された。第二段階の重合の前に触媒−空気の良好な接触を行わせるために、反応媒体は約8 ~ 15分間適確に混合状態にされた。その後反応器はエチレンにより約400 psigに加圧された。その後、ジエン、追加の捕捉剤(TNOA又はTEAL)及び第二の触媒溶液が続けて反応器に加えられた。更にエチレンが反応器に供給され、エチレンは、第二の重合反応中反応器圧力を相対的に一定に保つために必要に応じて供給された。第二の重合反応は所望の量のゴムが生成されたときに終了した。その後、反応器は冷却され、未反応モノマー及び溶媒(希釈剤)が大気中に排出された。結果の混合物は、大半が溶媒、ポリマー及び未反応モノマーを含むものであるが、回収箱に回収されまず覆いの中で空気乾燥され殆んどの溶媒を蒸発させ、その後真空炉で約90℃の温度で約12時間乾燥させた。
ラック−ジメチルシリル−bis(2 −メチル, 4-フェニルインデニル)ジルコニウム ジメチル(Rac-dimethylsilyl bis(2 -methyl, 4-phenylindenyl) zirconium dimethyl)触媒(触媒A)が、第一段階においてプロピレンを生成するために用いられ、 [di(p-トリエチルシリルフェニル)メチレン]](シクロペンタジエニル) (3,8-di-t- ブチルフルオレニル)ハフニウムジメチル([di(p-triethylsilylphenyl) methylene] (cyclopentadienyl) (3,8-di-t- butylfluorenyl)hafhium dimethyl) 触媒(触媒B)(Albemarleより入手)が、第二段階でエチレンプロピレンジエンゴムを生成するために用いられた。触媒は両方ともジメチルアニリウム テトラキス(ペルフルオロフェニル-2-ナフチル)ホウ酸塩(dimethylamlinium tetrakis (pentafluorophenyl-2-naphtyl) borate)によりトルエン中で1:1のモル比率で事前活性化された。この実験条件、使用された触媒及び得られたポリマーブレンドの特性の詳細は以下の表2Aに記載されている。
Figure 2008544066
実施例2で生成されたブレンドのサンプルはブラベンダーミキサーにより高温で約30%のパラフィン系オイル(Paralux 6001R, Chevron Oil Corporationより入手)と混合させ、及び板に圧縮成形され、熱可塑性エラストマーとしての使用試験を行った。水素化ケイ素は、水素化ケイ素の機能を持つポリシロキサンであった。硬化及び非硬化ブレンドの性能データは表2Bに示す。
Figure 2008544066
本発明は特定の実施の態様に関連して説明されているが、当業者であれば本発明から、本明細書に必ずしも記載されていない変形された態様での実施が可能であろう。この理由より、本発明の範囲を定めるにあたっては特許請求の範囲のみを参照すべきである。本明細書に記載の全ての文献は、この明細書の記載と矛盾しない範囲においてその優先権の基礎となる文献、及び試験手順を含み、参照により本明細書に組み入れられる。同様に、「含む」(comprising)の用語の意味はオーストラリア法との関係においては「含む」(including)と同義語であると考えられる。
図1Aは実施例1で生成されたポリマーブレンドの原子間力顕微鏡写真(atomic force micrographs (AFM))である(像のサイズは20x20ミクロン)。 図1Bは実施例1で生成された反応器内ブレンドのDMTAから得られたtanδ対温度の軌跡を示す。 図2Aは実施例2で生成されたポリマーブレンドの原子間力顕微鏡写真(atomic force micrographs (AFM))である(像のサイズは20x20ミクロン)。

Claims (19)

  1. 均質ポリマーブレンドであって:
    (a)少なくとも30%の結晶化度を持つ熱可塑性第一のポリマー、及び
    (b)5%より大きい結晶化度を持つ第二のポリマーであり、少なくとも部分的に交差結合しているポリマー
    を含む。
  2. 第二のポリマーが熱可塑性第一のポリマーよりも結晶化度が低い、請求項1記載のポリマーブレンドである。
  3. 第二のポリマーと熱可塑性第一のポリマーの結晶化度の差が20%未満である、請求項1又は2に記載のポリマーブレンド。
  4. 前記熱可塑性第一のポリマーがC2からC20オレフィンのポリマーである請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリマーブレンド。
  5. 前記熱可塑性第一のポリマーがプロピレンのポリマーであり、ポリマー重量の0から約5%がアルファーオレフィンである請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリマーブレンド。
  6. 熱可塑性第一のポリマーが約100℃乃至約170℃の間の融点を持つ請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポリマーブレンド。
  7. 熱可塑性第一のポリマーのメルトフローレートが2000dg/分以下、好ましくは100dg/分以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のポリマーブレンド。
  8. 第二のポリマーが、少なくとも一つのC2 から C20オレフィン及び少なくとも一つのポリエンを含む複数のコモノマーから生成される請求項1乃至7のいずれか1項に記載のポリマーブレンド。
  9. 前記少なくとも一つのポリエンが少なくとも2つの重合可能な不飽和基を持つ請求項8に記載のポリマーブレンド。
  10. 第二のポリマーがプロピレン及び2から15重量%の一以上のC2及び/又はC4 から C10 アルファーオレフィンコモノマー、好ましくはエチレンを含む請求項1乃至9のいずれか1項に記載のポリマーブレンド。
  11. 少なくとも4重量%のポリマーブレンドがキシレン中で不溶である請求項1乃至10のいずれか1項に記載のポリマーブレンド。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載のポリマーブレンドを生成するプロセスであって、前記プロセスは:
    (i) 少なくとも一つの第一のモノマーを重合させて熱可塑性第一のポリマーを生成し;及び
    (ii) 前記第一のポリマーの少なくとも一部を、少なくとも一つの第二のモノマー及び少なくとも一つのポリエンと、前記第二のモノマーを重合させて第二のポリマーを生成し、同時に第二のポリマーを交差結合させるに十分な条件下で接触させ、前記の接触(ii)による製品は、キシレン中で不溶な部分を少なくとも一部含む、
    ことを含む前記プロセス。
  13. 前記重合(i)は触媒の存在下で実施され、及び前記接触(ii)は同じ触媒の存在下で実施される請求項12に記載のプロセス。
  14. 前記重合(i)は第一の触媒の存在下で実施され、前記接触(ii)は第一の触媒と異なる第二の触媒の存在下で実施される請求項12に記載のプロセス。
  15. 前記重合(i)が、少なくとも一つの触媒成分と少なくとも一つの活性剤を含む単一部位触媒の存在下で実施される請求項12乃至14のいずれか1項に記載のプロセス。
  16. (i)で生成される第一のポリマーが少なくとも0.01%の末端不飽和を持つ請求項12乃至15のいずれか1項に記載のプロセス。
  17. (ii)が第一のポリマーの少なくとも一部を、少なくとも15重量%の一以上のC3からC20オレフィン、及び少なくとも0.0001重量%の少なくとも一つの前記ポリエンを含むモノマー混合物に接触させることを含む請求項12乃至16のいずれか1項に記載のプロセス。
  18. 請求項12乃至16のいずれか1項に記載のプロセスであって、更に(ii)で生成される製品を硬化ステップを経させ、キシレン中で不溶な第二のポリマーの量を増加させることを含む前記プロセス。
  19. 前記硬化ステップに続いて、キシレン中で不溶な前記第二のポリマーの量が、前記ポリマーブレンドの少なくとも10重量%である請求項18に記載のプロセス。
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