JP2008543809A - 胃酸分泌阻害剤としてのスピロイミダゾナフチリジン誘導体 - Google Patents

胃酸分泌阻害剤としてのスピロイミダゾナフチリジン誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(1)で示され、その式中、置換基及び記号が発明の詳細な説明中に定義される化合物を提供する。該化合物は、胃酸の分泌を阻害する。

Description

本発明は、医薬品の製造のための有効化合物として製薬工業において使用される新規化合物に関する。
背景技術
米国特許第4,468,400号は、イミダゾピリジン骨格に縮合された種々の環系を有する三環式のイミダゾ[1,2−a]ピリジンを記載しており、該化合物はペプチド潰瘍疾患(peptide ulcer disorder)を治療するのに適していると言われている。国際特許出願WO98/42707号(米国特許第6,197,783号に相当する)、WO98/54188号(米国特許第6,160,119号に相当する)、WO00/17200号(米国特許第6,436,953号及び同第6,696,460号に相当する)、WO00/26217号(米国特許第6,384,048号に相当する)、WO00/63211号(米国特許第6,503,923号に相当する)、WO01/72756号、WO01/72754号(米国特許第6,916,825号に相当する)、WO01/72755(米国特許第6,936,623号に相当する)、WO01/72757号(米国特許第6,696,461号に相当する)、WO02/34749号(米国特許第6,869,949号に相当する)、WO03/014120号、WO03/016310号、WO03/014123号、WO03/068774号、WO03/091253号、WO05/058325号、WO05/090358号及びWO05/077949号は、非常に特定の置換型を有する三環式のイミダゾピリジン誘導体を開示しており、前記化合物は、同様に、胃腸疾患の治療のために適していると示されている。
本発明の技術的課題の開示
胃酸分泌をH+/K+−ATPアーゼの遮断により阻害する全体の一連の化合物は先行技術から公知である。プロトンポンプインヒビター(PPI)として呼称される化合物、例えばオメプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾール又はラベプラゾールは、H+/K+−ATPアーゼに不可逆的に結合する。PPIは、既に長期にわたり治療薬として利用されている。可逆的プロトンポンプインヒビター(rPPI)又はアシッドポンプアンタゴニスト(APA)又はカリウム拮抗性アシッドブロッカー(P−CAB)と呼称される新規の化合物クラスは、H+/K+−ATPアーゼに可逆的に結合する。rPPI、APA及びP−CABは20年以上知られていて、多くの企業がその開発に携わっているが、どのrPPI、APA又はP−CABも現在でも治療に利用されていない。従って、本発明の基礎を成す技術的課題は、治療に使用できるアシッドポンプアンタゴニストを提供することである。
技術的解決
本発明は、式1
Figure 2008543809
[式中、
R1は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、C3〜C7−シクロアルキル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、C2〜C4−アルケニル、C2〜C4−アルキニル、フルオロ−C1〜C4−アルキル又はヒドロキシ−C1〜C4−アルキルであり、
R2は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、C3〜C7−シクロアルキル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、ハロゲン、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、C2〜C4−アルケニル、C2〜C4−アルキニル、フルオロ−C1〜C4−アルキル、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ−C1〜C4−アルキル又はシアノメチルであり、
R3は、水素、ハロゲン、フルオロ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−アルケニル、C2〜C4−アルキニル、カルボキシル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、フルオロ−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、ヒドロキシル、C1〜C7−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルキルカルボニル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキルカルボニル又はC1〜C4−アルコキシカルボニルであり、かつ
R32は、水素、C1〜C7−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ヒドロキシピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、アゼチジノ基、ヒドロキシアゼチジノ基、フルオロアゼチジノ基、アジリジノ基、N−C1〜C4−アルキルピペラジノ基又はモルホリノ基であり、
R4及びR5は、水素、C1〜C4−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシ、C2〜C4−アルケニルオキシ、C1〜C4−アルキルカルボニル、カルボキシル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、カルボキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C4−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、ハロ−C1〜C4−アルコキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ、C1〜C4−アルキルカルボニルアミノ、C1〜C4−アルコキシカルボニルアミノ、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニルアミノ又はスルホニルからなる群から選択される同一又は異なる置換基である]で示される化合物並びにそれらの塩に関する。
1〜C4−アルキルは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基を表す。挙げられる例は、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、プロピル基、イソプロピル基、エチル基及びメチル基である。
3〜C7−シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを表し、そのうちシクロプロピル、シクロブチル及びシクロペンチルが有利である。
3〜C7−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルは、前記のC3〜C7−シクロアルキル基の1つによって置換されている前記のC1〜C4−アルキル基の1つを表す。挙げられる例は、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチル及びシクロヘキシルエチル基である。
1〜C4−アルコキシは、酸素原子の他に1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基を有する基を表す。挙げられる例は、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ及び、有利にはエトキシ基及びメトキシ基である。
1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキルは、前記のC1〜C4−アルコキシ基の1つにより置換された前記のC1〜C4−アルキル基の1つを表す。挙げられる例は、メトキシメチル基、メトキシエチル基、特に2−メトキシエチル基、エトキシエチル基、特に2−エトキシエチル基、及びブトキシエチル基、特に2−ブトキシエチル基である。
1〜C4−アルコキシカルボニル(−CO−C1〜C4−アルコキシ)は、前記のC1〜C4−アルコキシ基の1つが結合されたカルボニル基を表す。挙げられる例は、メトキシカルボニル(CH3O−C(O)−)及びエトキシカルボニル(CH3CH2O−C(O)−)基である。
2〜C4−アルケニルは、2〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルケニル基を表す。挙げられる例は、2−ブテニル、3−ブテニル、1−プロペニル及び2−プロペニル基(アリル基)である。
2〜C4−アルキニルは、2〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキニル基を表す。挙げられる例は、2−ブチニル、3−ブチニル、及び有利に2−プロピニル基(プロパルギル基)である。
フルオロ−C1〜C4−アルキルは、1つ又は複数のフッ素原子により置換されている前記のC1〜C4−アルキル基の1つを表す。挙げられる例は、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基又は2,2,2−トリフルオロエチル基である。
ヒドロキシ−C1〜C4−アルキルは、ヒドロキシル基で置換された前記のC1〜C4−アルキル基の1つを表す。挙げられる例は、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、(2S)−2−ヒドロキシプロピル基及び(2R)−2−ヒドロキシプロピル基である。本発明の範囲内でのヒドロキシ−C1〜C4−アルキルは、例えば2個以上のヒドロキシ基によって置換されたC1〜C4−アルキル基であると解される。挙げられる例は、3,4−ジ−ヒドロキシブチル基、特に2,3−ジヒドロキシプロピル基である。
本発明の意味上の範囲内ではハロゲンは臭素、塩素及びフッ素である。
モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ基は、窒素原子の他に、前記のC1〜C4−アルキル基の1つ又は2つを含有する。ジ−C1〜C4−アルキルアミノが好ましく、ジメチル−、ジエチル−もしくはジイソプロピルアミノが特に好ましい。
モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ−C1〜C4−アルキルは、前記のモノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ基の1つによって置換されている前記のC1〜C4−アルキル基の1つを表す。有利なモノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ−C1〜C4−アルキル基は、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノメチル基である。挙げられる例は、ジメチルアミノメチル(CH32N−CH2基である。
1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシは、他のC1〜C4−アルコキシ基により置換された前記のC1〜C4−アルコキシ基の1つを表す。挙げられる例は、2−(メトキシ)エトキシ(CH3−O−CH2−CH2−O−)及び2−(エトキシ)エトキシ(CH3−CH2−O−CH2−CH2−O−)基である。
1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキルは、前記のC1〜C4−アルコキシ基の1つにより置換された前記のC1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル基の1つを表す。挙げられる例は、2−(メトキシ)エトキシメチル(CH3−O−CH2−CH2−O−CH2−)基である。
フルオロ−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキルは、フルオロ−C1〜C4−アルコキシ基により置換された前記のC1〜C4−アルキル基の1つを表す。この場合、フルオロ−C1〜C4−アルコキシは、1個又はそれ以上のフッ素原子によって置換された前記のC1〜C4−アルコキシ基の1つを表す。フッ素置換されたC1〜C4−アルコキシ基の挙げられる例は、2−フルオロエトキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロポキシ基、2−トリフルオロメチル−2−プロポキシ基、1,1,1−トリフルオロ−2−プロポキシ基、ペルフルオロ−t−ブトキシ基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブトキシ基、4,4,4−トリフルオロ−1−ブトキシ基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ基、ペルフルオロエトキシ基又は1,2,2−トリフルオロエトキシ基であり、特に1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基又はトリフルオロメトキシ基及び有利にジフルオロメトキシ基である。挙げられるフルオロ−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル基の例は、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシメチル基、2,2,2−トリフルオロエトキシメチル基、トリフルオロメトキシメチル基、2−フルオロエトキシエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシエチル基、2,2,2−トリフルオロエトキシエチル基、トリフルオロメトキシエチル基であり、有利にはジフルオロメトキシメチル基及びジフルオロメトキシエチル基である。
1〜C4−アルキルカルボニルは、カルボニル基の他に前記のC1〜C4−アルキル基の1つを有する基を表す。挙げられる例は、アセチル基である。
1〜C4−アルキルカルボニル−C1〜C4−アルキルは、C1〜C4−アルキルカルボニル基によって置換された前記のC1〜C4−アルキル基を表す。挙げられる例は、2−オキソプロピル基、2−オキソブチル基、2−オキソペンチル基、3−オキソブチル基又は3−オキソペンチル基である。
ヒドロキシ−C1〜C4−アルコキシは、ヒドロキシル基で置換された前記のC1〜C4−アルコキシ基を表す。挙げられる有利な例は、2−ヒドロキシエトキシ基である。
2〜C4−アルケニルオキシは、酸素原子の他に前記のC2〜C4−アルケニル基の1つを有する基を表す。挙げられる例は、2−ブテニルオキシ、3−ブテニルオキシ、1−プロペニルオキシ及び2−プロペニルオキシ基(アリルオキシ基)である。
カルボキシ−C1〜C4−アルキルは、カルボキシル基により置換されたC1〜C4−アルキル基を表す。挙げられる例は、カルボキシメチル及び2−カルボキシエチル基である。
1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C4−アルキルは、前記のC1〜C4−アルコキシカルボニル基の1つによって置換されているC1〜C4−アルキル基を表す。挙げられる例は、メトキシカルボニルメチル基及びエトキシカルボニルメチル基である。
ハロゲン−C1〜C4−アルコキシは、完全にもしくは主にハロゲンにより置換されているC1〜C4−アルコキシ基を表す。本願明細書中の"主に"とは、C1〜C4−アルコキシ基中の水素原子の半分より多くがハロゲン原子により置換されていることを意味する。ハロゲン−C1〜C4−アルコキシ基は、第一に塩素及び/又は殊にフッ素置換されたC1〜C4−アルコキシ基である。ハロゲン置換されたC1〜C4−アルコキシ基の挙げられる例は、2,2,2−トリクロロエトキシ、ヘキサクロロイソプロポキシ、ペンタクロロイソプロポキシ、1,1,1−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロ−2−プロポキシ、1,1,1−トリクロロ−2−メチル−2−プロポキシ、1,1,1−トリクロロ−2−プロポキシ、3−ブロモ−1,1,1−トリフルオロ−2−プロポキシ、3−ブロモ−1,1,1−トリフルオロ−2−ブトキシ、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブトキシ、クロロジフルオロメトキシ、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロポキシ、2−トリフルオロメチル−2−プロポキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−プロポキシ、ペルフルオロ−t−ブトキシ、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブトキシ、4,4,4−トリフルオロ−1−ブトキシ、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ、ペルフルオロエトキシ、1,2,2−トリフルオロエトキシ、特に1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、トリフルオロメトキシ及び有利にはジフルオロメトキシ基である。
モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノは、上記のC1〜C4−アルキル基からの又は2個の同じ又は異なる基により置換されたアミノ基を表す。挙げられる例は、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基及びジイソプロピルアミノ基である。
1〜C4−アルキルカルボニルは、カルボニル基の他に前記のC1〜C4−アルキル基の1つを有する基を表す。挙げられる例は、アセチル基である。
1〜C4−アルキルカルボニルアミノは、C1〜C4−アルキルカルボニル基が結合しているアミノ基を表す。挙げられる例は、プロピオニルアミノ(C37C(O)NH−)基及びアセチルアミノ(アセトアミド、CH3C(O)NH−)基である。
1〜C4−アルコキシカルボニルアミノは、上記のC1〜C4−アルコキシカルボニル基の1つにより置換されたアミノ基を表す。挙げられる例は、エトキシカルボニルアミノ基及びメトキシカルボニルアミノ基である。
1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニルは、前記のC1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシ基の1つと結合するカルボニル基を表す。挙げられる例は、2−(メトキシ)エトキシカルボニル(CH3−O−CH2CH2−O−CO−)及び2−(エトキシ)エトキシカルボニル(CH3CH2−O−CH2CH2−O−CO−)基である。
1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニルアミノは、上記のC1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニル基の1つにより置換されたアミノ基を表す。挙げられる例は、2−(メトキシ)エトキシカルボニルアミノ基及び2−(エトキシ)エトキシカルボニルアミノ基である。
ヒドロキシピロリジノは、ヒドロキシ基によって置換されたピロリジノ基を表す。挙げられる例は、2−ヒドロキシピロリジノ基及び3−ヒドロキシピロリジノ基である。
ヒドロキシアゼチジノは、ヒドロキシ基によって置換されたアゼチジノ基を表す。挙げられるものは、3−ヒドロキシアゼチジノ基である。
フルオロアゼチジノは、フルオロ原子によって置換されたアゼチジノ基を表す。挙げられる例は、(2S)−及び(2R)−フルオロアゼチジノ基、特に3−フルオロアゼチジノ基である。
N−C1〜C4−アルキルピペラジノは、ピペラジノ窒素原子の1つが、前記のC1〜C4−アルキル基の1つによって置換されているピペラジノ基を表す。挙げられる例は、4−メチルピペラジノ基、4−エチルピペラジノ基及び4−イソプロピルピペラジノ基である。
式1の化合物の可能な塩は、(置換基に依存して)特に全ての酸付加塩である。薬学で慣用に使用される無機酸及び有機酸の薬理学的に認容性の塩を特に挙げることができる。これらの好適なものは、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、酢酸、クエン酸、D−グルコン酸、安息香酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、酪酸、スルホサリチル酸、マレイン酸、ラウリン酸、リンゴ酸、マロン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、酒石酸、エンボン酸、ステアリン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸又は3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸などの酸との水溶性又は非水溶性の酸付加塩であり、前記酸は、この酸が一塩基酸であるか又は多塩基酸であるかに依存して、及びどの塩が所望であるかに依存して、塩の製造において等モル量比又は等モルではない量比で使用される。
本発明による式1の化合物の塩は、遊離の化合物を所望の酸を含有する適当な溶剤(例えばケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトン、エーテル、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又はジオキサン、塩素化炭化水素、塩化メチレン又はクロロホルム又は低分子量の脂肪族アルコール、例えばメタノール、エタノール又はイソプロパノール)中に、又は所望の酸がその後に添加される溶剤中に、必要に応じて加熱後に溶解させることによって得られる。酸は、塩の調製において、一塩基性もしくは多塩基性の酸のいずれであるかと、どの塩が所望されているかに依存して、等モルの定量比又はそれとは異なる比で使用することができる。それらの塩は、例えば溶剤の蒸発によって、又は冷却による沈殿によって、再沈殿によって、又は塩用の非溶剤による沈殿と、沈殿後の、例えば濾過による塩の分離によって得られる。
例えば、本発明による化合物の工業的規模での製造におけるプロセス生成物として最初に得ることができる薬理学的に非認容性の塩は、当業者に公知の方法によって薬理学的に認容性の塩に変換される。
本発明による化合物及びその塩は、例えばこれらが結晶形で単離される場合に種々の溶剤量を有してよいことは当業者には知られている。従ってまた本発明は、式1の化合物の全ての溶媒和物及び、特に全ての水和物、及びまた式1の化合物の塩の全ての溶媒和物及び、特に全ての水和物を包含する。
式1の化合物は、基本骨格の8位のスピロ炭素原子にキラル中心を有してよい。係るキラル中心の発生は、置換基R4及びR5の性質及び位置に依存する。キラル中心は、例えばR4がR5と異なる場合に生ずる。従って、本発明は、相互の全ての所望の混合比での、考えられる全ての立体異性体、例えば本発明の有利な対象である純粋な立体異性体に関する。
従って、本発明は、以下の式1の立体異性体全てに関する:
Figure 2008543809
本発明による式1の化合物並びに塩の純粋な立体異性体は、例えば不斉合成によって、合成においてキラル出発化合物を使用することによって、そして合成で得られる立体異性体混合物を分割することによって得ることができる。有利には、式1の化合物の純粋な立体異性体は、キラル出発化合物を使用することによって得られる。
式1の化合物の立体異性体混合物は、当業者に公知の方法によって純粋な立体異性体に分割することができる。有利には、その混合物は、クロマトグラフィー又は(分別)結晶化によって分離される。エナンチオマー混合物については、その分割は、有利には、キラル酸のようなキラル添加剤を添加することによってジアステレオマー塩を形成させ、引き続き該塩を分割して、その塩から所望の化合物を遊離させることによって行われる。選択的に、キラル補助試薬での誘導体化は、ジアステレオマー分離とキラル補助基の除去を引き続き行うことによって実施できる。更に、エナンチオマー混合物は、キラル分離カラムを使用してクロマトグラフィーによって分離することができる。エナンチオマー混合物の分離のためのもう一つの好適な方法は、酵素的分離である。
本発明の一実施態様(実施態様1)は、式1で示され、その式中、R3が水素である化合物並びにそれらの塩である。
本発明のもう一つの実施態様(実施態様2)は、式1で示され、その式中、
R3は、基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、ヒドロキシル、C1〜C7−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルキルカルボニル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキルカルボニル又はC1〜C4−アルコキシカルボニルであり、かつ
R32は、水素、C1〜C7−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ヒドロキシピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、アゼチジノ基、ヒドロキシアゼチジノ基、フルオロアゼチジノ基、アジリジノ基、N−C1〜C4−アルキルピペラジノ基又はモルホリノ基である、化合物並びにそれらの塩である。
本発明のもう一つの実施態様(実施態様3)は、式1で示され、その式中、
R3は、ハロゲン、フルオロ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−アルケニル、C2〜C4−アルキニル、カルボキシル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、フルオロ−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキルである、化合物並びにそれらの塩である。本発明のもう一つの実施態様(実施態様4)は、式1で示され、その式中、R4及びR5が、それぞれ水素である化合物並びにそれらの塩である。
本発明のもう一つの実施態様(実施態様5)は、式1で示され、その式中、R1がC1〜C4−アルキルである化合物並びにそれらの塩である。
本発明のもう一つの実施態様(実施態様6)は、式1で示され、その式中、R2が水素又はC1〜C4−アルキルである化合物並びにそれらの塩である。
本発明のもう一つの実施態様(実施態様7)は、式1で示され、その式中、R1がメチルである化合物並びにそれらの塩である。
本発明のもう一つの実施態様(実施態様8)は、式1で示され、その式中、R2が水素又はメチルである化合物並びにそれらの塩である。
強調されるべき本発明の一実施態様(実施態様9)は、式1で示され、その式中、R1がメチルであり、R2が水素又はメチルである化合物並びにそれらの塩である。
また、本発明は、式1で示され、その式中、
R1は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、C3〜C7−シクロアルキル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、C2〜C4−アルケニル、C2〜C4−アルキニル、フルオロ−C1〜C4−アルキル又はヒドロキシ−C1〜C4−アルキルであり、
R2は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、C3〜C7−シクロアルキル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、ハロゲン、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、C2〜C4−アルケニル、C2〜C4−アルキニル、フルオロ−C1〜C4−アルキル、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ−C1〜C4−アルキル又はシアノメチルであり、
R3は、水素、ハロゲン、フルオロ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−アルケニル、C2〜C4−アルキニル、カルボキシル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、フルオロ−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、ヒドロキシル、C1〜C7−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルキルカルボニル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキルカルボニル又はC1〜C4−アルコキシカルボニルであり、かつ
R32は、水素、C1〜C7−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ヒドロキシピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、アゼチジノ基、ヒドロキシアゼチジノ基、アジリジノ基、N−C1〜C4−アルキルピペラジノ基又はモルホリノ基であり、
R4及びR5は、水素、C1〜C4−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシ、C2〜C4−アルケニルオキシ、C1〜C4−アルキルカルボニル、カルボキシル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、カルボキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C4−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、ハロ−C1〜C4−アルコキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ、C1〜C4−アルキルカルボニルアミノ、C1〜C4−アルコキシカルボニルアミノ、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニルアミノ又はスルホニルからなる群から選択される同一又は異なる置換基である、化合物並びにそれらの塩に関する。
挙げられるべき式1の化合物は、式中、
R1は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、C3〜C7−シクロアルキル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又はヒドロキシル−C1〜C4−アルキルであり、
R2は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、ハロゲン、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、C2〜C4−アルケニル、C2〜C4−アルキニル又はフルオロ−C1〜C4−アルキルであり、
R3は、水素、ハロゲン、フルオロ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−アルケニル、C2〜C4−アルキニル、カルボキシル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、フルオロ−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、ヒドロキシル、C1〜C7−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルキルカルボニル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキルカルボニル又はC1〜C4−アルコキシカルボニルであり、かつ
R32は、水素、C1〜C7−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ヒドロキシピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、アゼチジノ基、ヒドロキシアゼチジノ基、フルオロアゼチジノ基、アジリジノ基、N−C1〜C4−アルキルピペラジノ基又はモルホリノ基であり、
R4及びR5は、水素、C1〜C4−アルキル又はハロゲンからなる群から選択される同一又は異なる置換基である、化合物並びにそれらの塩である。
また、挙げられるべき式1の化合物は、式中、
R1は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、C3〜C7−シクロアルキル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又はヒドロキシル−C1〜C4−アルキルであり、
R2は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、ハロゲン、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、C2〜C4−アルケニル、C2〜C4−アルキニル又はフルオロ−C1〜C4−アルキルであり、
R3は、水素、ハロゲン、フルオロ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−アルケニル、C2〜C4−アルキニル、カルボキシル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、フルオロ−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、ヒドロキシル、C1〜C7−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルキルカルボニル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキルカルボニル又はC1〜C4−アルコキシカルボニルであり、かつ
R32は、水素、C1〜C7−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ヒドロキシピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、アゼチジノ基、ヒドロキシアゼチジノ基、アジリジノ基、N−C1〜C4−アルキルピペラジノ基又はモルホリノ基であり、
R4及びR5は、水素、C1〜C4−アルキル又はハロゲンからなる群から選択される同一又は異なる置換基である、化合物並びにそれらの塩である。
特に挙げられるべき式1の化合物は、式中、
R1は、水素、C1〜C4−アルキル又はヒドロキシ−C1〜C4−アルキルであり、
R2は、水素、C1〜C4−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル又はハロゲンであり、
R3は、水素、カルボキシル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、ヒドロキシル、C1〜C7−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルキルカルボニル−C1〜C4−アルキルであり、かつ
R32は、水素、C1〜C7−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ヒドロキシピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、アゼチジノ基、ヒドロキシアゼチジノ基、フルオロアゼチジノ基、アジリジノ基、N−C1〜C4−アルキルピペラジノ基又はモルホリノ基であり、
R4及びR5は、水素、C1〜C4−アルキル又はハロゲンからなる群から選択される同一又は異なる置換基である、化合物並びにそれらの塩である。
また、特に挙げられるべき式1の化合物は、式中、
R1は、水素、C1〜C4−アルキル又はヒドロキシ−C1〜C4−アルキルであり、
R2は、水素、C1〜C4−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル又はハロゲンであり、
R3は、水素、カルボキシル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、ヒドロキシル、C1〜C7−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルキルカルボニル−C1〜C4−アルキルであり、かつ
R32は、水素、C1〜C7−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ヒドロキシピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、アゼチジノ基、ヒドロキシアゼチジノ基、アジリジノ基、N−C1〜C4−アルキルピペラジノ基又はモルホリノ基であり、
R4及びR5は、水素、C1〜C4−アルキル又はハロゲンからなる群から選択される同一又は異なる置換基である、化合物並びにそれらの塩である。
強調されるべき式1の化合物は、式中、
R1は、C1〜C4−アルキルであり、
R2は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R3は、水素、カルボキシル、C1〜C4−アルコキシカルボニル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、水素、ヒドロキシル、C1〜C7−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルキルカルボニル−C1〜C4−アルキルであり、かつ
R32は、水素、C1〜C7−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキルであるか、又は
R31及びR32は、一緒になって、両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ヒドロキシピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、アゼチジノ基、ヒドロキシアゼチジノ基、フルオロアゼチジノ基、アジリジノ基、N−C1〜C4−アルキルピペラジノ基又はモルホリノ基であり、
R4及びR5は、それぞれ水素である、化合物並びにそれらの塩である。
また強調されるべき式1の化合物は、式中、
R1は、C1〜C4−アルキルであり、
R2は、C1〜C4−アルキルであり、
R3は、水素、カルボキシル、C1〜C4−アルコキシカルボニル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
R31は、C1〜C7−アルキルであり、かつ
R32は、水素であり、
R4及びR5は、それぞれ水素である、化合物並びにそれらの塩である。
特に強調されるべき式1の化合物は、式中、
R1は、C1〜C4−アルキルであり、
R2は、C1〜C4−アルキルであり、
R3は、水素であり、
R4及びR5は、それぞれ水素である、化合物並びにそれらの塩である。
本発明による好ましい例は、式1で示され、その式中、R1、R2、R3、R4及びR5が、表Aに示される意味を有する化合物(Me=CH3、Et=C25)並びにこれらの化合物の塩である。これらの化合物は、例として最終生成物として記載されるか、又は例えば以下に記載される方法工程を使用して同様に製造することができる。
表A:
Figure 2008543809
Figure 2008543809
本発明による化合物は、例として記載される化合物並びにこれらの化合物の塩である。
本発明による化合物を、例えば以下に示す反応式に従って、相応する出発化合物から合成することができる。合成を、当業者に公知の方法で、例えば以下の実施例においてより詳細に記載されているように実施する。
反応式1に概説されるように、式1の化合物は、相応の式2の化合物中のカルボニル基を、当業者に広く知られた方法によって、例えばトリエチルシラン/トリフルオロ酢酸を使用するか(West他著のJ.Org.Chem.1973,38,2675−2681)又は、水素化アルミニウムリチウムを使用して、R3がこの条件下で還元され得ない場合に、例えばR3=水素である場合に、還元することによって得ることができる。
反応式1
Figure 2008543809
式2の化合物は、例えば反応式2に概説するようにして製造することができる。第一工程において、式3のケトンを、式4のスピロ−アミノ酸誘導体(式中、Yは、好適な離脱基、例えばC1〜C4−アルコキシ基、例えばエトキシ基)と反応させて、式5の化合物を得る。第二工程において、式5の化合物を、標準的手順によって、好適な酸化剤(例えばクロラニル又は2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン)を使用して酸化させて、式2の化合物を得る。
反応式2
Figure 2008543809
式3のケトンは、当業者に公知であるか(とりわけ、国際特許出願WO02/34749号、WO01/72748号、WO01/72757号から又はAngew.Chem.Int.Ed.Engl.1996,35,545から)、又は前記ケトンは、当業者に公知の同様の方法工程を使用して製造することができる。
反応式3に概説されるように、一般式4の所望のβ−アミノ酸誘導体は、式5で示され、その式中、Yが好適な離脱基、例えばC1〜C4−アルコキシ基、例えばエトキシ基である相応のβ−ヒドロキシ酸から、当業者に広く知られた方法によって、例えばRitter反応によって、例えばOrg.React.1969,17,213に記載される方法と同様にして製造することができる。式5の化合物は、当業者に公知である、例えばJ.Chem.Soc.1960,4115から公知であり、又は前記化合物は、同様の方法工程を使用して製造することができる。アセトニトリルをRitter反応において使用すれば、式4*で示され、PGがアセチルであるβ−アミノ酸が得られる。式4*の化合物中の保護基PGを、次いで、アミノ官能基から、当業者に公知の方法によって開裂することができる、例えばPGがアセチル基である場合には、前記保護基は、酸加水分解によって開裂して、式4の化合物を得ることができる。基Yは、当業者に公知の標準的手順によって、例えばエステル化によって任意の他の基Yに変換することができる。
反応式4:
Figure 2008543809
前記の反応式により得られる化合物の誘導体化(例えばある基R3を別の基R3に変換すること、又はヒドロキシル基をアルコキシ基又はエステル基に変換すること)が必要であれば、それは同様に自体公知のように実施される。例えば、式1で示され、その式中、R3が−CO−NR31R32である化合物が望ましいのであれば、好適な誘導体化は、自体公知のように(例えばエステル又はカルボン酸をアミドに変換する)、有利には式1の化合物の段階で又はその任意の中間体の段階で実施することができる。
上記に概説される反応工程は、例えば実施例でより詳細に記載されるような自体公知の方法で実施される。
更に、本発明は、上記の式2及び5で示される化合物であって、本発明による式1の化合物の製造方法における中間体である化合物に関する。R1、R2、R3、R4、R5は、式1の化合物についてと同様の定義である。
当業者はその知識に基づいて、本発明の明細書中に示され記載されたこれらの合成経路に基づいて、本発明による化合物に関して他の可能な合成経路をどのように見いだすかを知っている。本発明に記載される全ての合成経路並びに全ての他の可能な合成経路も、本発明の部分である。
優れた効果
本発明による化合物の優れた胃保護作用及び胃酸分泌阻害作用を動物実験モデルによる検査において示すことができる。実施例では、以下に記載するモデルで検査した本発明による式1の化合物に、これらの化合物の番号に相応する番号を付した。
潅流されるラット胃に対する分泌阻害作用の試験
以下の第A表に、インビボでの、十二指腸内投与後の潅流されるラット胃のペンタガストリンにより刺激される酸分泌に対する本発明による式1の化合物の影響を示す。
表A
Figure 2008543809
方法
麻酔処理したラット(CDラット、メス、200〜250g;1.5g/kg i.m.ウレタン)の腹部を気管切開後に正中上腹部切開により開放し、かつPVCカテーテルを経口により食道に固定し、かつチューブの端部がちょうど胃管腔に設置されるように幽門を介してもう1つのカテーテルを固定した。幽門から通るカテーテルは側方の開放部を通って外側の右腹壁に通じていた。
完全に洗浄した後(約50〜100ml)、暖かい(37℃)生理NaCl溶液を連続的に胃に通過させた(0.5ml/分、pH6.8〜6.9;Braun−Unita I)。pH(pHメーター632、ガラス電極EA147;φ=5mm、Metrohm)及び、新たに調製した0.01NのNaOH溶液で滴定し、pH7(Dosimat 665 Metrohm)とすることにより、分泌されたHClをそのつど15分間隔で回収された流出液において測定した。
胃液分泌を、同時に、手術(つまり2つの予備的なフラクションの測定後)の終了の約30分後に静脈内ペンタガストリン(左大腿静脈)の1μg/kg(=1.65ml/h)の連続的な注入により刺激した。試験すべき物質を十二指腸内に液体体積2.5ml/kgでペンタガストリンの連続的な注入の開始60分後に投与した。動物の体温を赤外線の照射及び加熱パッドにより一定の37.8〜38℃に維持した(自動、直腸温度センサによる無段制御)。
発明の実施様式
以下の実施例は本発明をより詳細に説明するものであり、それを制限するものではない。同様に製造方法が明記されていない式1Iの他の化合物は、同様に又は当業者に公知の方法で慣用の処理技術を用いて製造できる。省略形のminは分を表し、hは時間を表し、かつm.p.は融点を表す。
I. 式1の最終化合物
1. 2,3−ジメチル−1′,3′,7,10−テトラヒドロ−8H−スピロ[イミダゾ[1,2−h]−1,7−ナフチリジン−9,2′−インデン]
0.7g(2.2ミリモル9の2,3−ジメチル−1′,3′−ジヒドロ−8H−スピロ[イミダゾ[1,2−h]−1,7−ナフチリジン−9,2′−インデン]−7(10H)−オンを12mlのテトラヒドロフラン中に入れた懸濁液に、4.4ml(4.4ミリモル)の水素化アルミニウムリチウム(ジエチルエーテル中1M)を0℃でゆっくりと添加した。2時間後に、該反応混合物を0.17mlの水で、0.2mlの水性水酸化ナトリウム(10%)で、そして0.5mlの水で加水分解した。無水の硫酸マグネシウムを添加し、そして該混合物を濾過した。濾液を蒸発させ、そして残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)によって精製した。酢酸エチル/ジエチルエーテルからの結晶化によって、270mg(40%)の表題化合物が、無色の固体(融点175〜176℃)として得られた。
2. メチル 2,3−ジメチル−1′,3′,7,10−テトラヒドロ−8H−スピロ[イミダゾ[1,2−h]−1,7−ナフチリジン−9,2′−インデン]−6−カルボキシレート
0.42g(1.12ミリモル)のメチル 2,3−ジメチル−7−オキソ−1′,3′,7,10−テトラヒドロ−8H−スピロ[イミダゾ[1,2−h]−1,7−ナフチリジン−9,2′−インデン]−6−カルボキシレートを5.5mlのトリフルオロ酢酸中に溶かした溶液に、1.1ml(6.9ミリモル)のトリエチルシランを添加し、そして該混合物を40℃で一晩撹拌した。更に0.3mlのトリエチルシラン量を添加し、そして撹拌を40℃で24時間にわたり継続した。該反応混合物を蒸発させ、飽和水性炭酸水素ナトリウムで中和し、そして酢酸エチルで抽出した。有機層を分離させ、無水の硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして真空中で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル/トリエチルアミン 2:8:1)によって精製し、かつ酢酸エチル/n−ヘプタンから結晶化させることで、0.34g(84%)の表題化合物が、ほぼ無色の固体(融点188〜189℃)として得られた。
3. 2,3−ジメチル−1′,3′,7,10−テトラヒドロ−8H−スピロ[イミダゾ[1,2−h]−1,7−ナフチリジン−9,2′−インデン]−6−カルボン酸
150mg(0.42ミリモル)のメチル 2,3−ジメチル−1′,3′,7,10−テトラヒドロ−8H−スピロ[イミダゾ[1,2−h]−1,7−ナフチリジン−9,2′−インデン]−6−カルボキシレート及び415mg(3.7ミリモル)のカリウム t−ブトキシドを15mlのt−ブタノール中に溶かした溶液を、50℃に加熱した。1時間後に、該混合物を蒸発乾涸させ、2mlの水中に溶解させ、そして10%の塩酸で中和した。沈殿物を回収し、真空中で五酸化リン上で乾燥させることで、105mg(72%)の表題化合物が、ベージュ色の固体(融点>300℃)として得られた。
4. N,2,3−トリメチル−1′,3′,7,10−テトラヒドロ−8H−スピロ[イミダゾ[1,2−h]−1,7−ナフチリジン−9,2′−インデン]−6−カルボキサミド
90mg(0.26ミリモル)の2,3−ジメチル−1′,3′,7,10−テトラヒドロ−8H−スピロ[イミダゾ[1,2−h]−1,7−ナフチリジン−9,2′−インデン]−6−カルボン酸を4mlのテトラヒドロフラン中に入れた懸濁液に、1.04g(6.4ミリモル)のN,N′−カルボニルジイミダゾールを添加し、そして該混合物を加熱還流させた。6時間後に、0.5ml(3.5ミリモル)のメチルアミン(N,N−ジメチルホルムアミド中7M)を、0℃で添加した。30分後に、該反応混合物を、飽和水性塩化アンモニウムとジクロロメタンとの間で分離させた。有機層を飽和水性炭酸水素ナトリウムで洗浄し、無水の硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させた。残留物を酢酸エチル/ヘプタンから結晶化させることで、39mg(42%)の表題化合物が無色の固体(融点157〜158℃)として得られた。
II. 出発化合物
A. 2,3−ジメチル−1′,3′,7,10−テトラヒドロ−5H−スピロ[イミダゾ[1,2−h]−1,7−ナフチリジン−9,2′−インデン]−7(8H)−オン
3.8g(17ミリモル)のエチル(2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)アセテート、[その塩酸塩であるエチル(2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)アセテート塩酸塩(実施例K)から、トリエチルアミンでの処理によって遊離される]、3.2g(20ミリモル)の2,3−ジメチル−8−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン及び200mgのp−トルエンスルホン酸一水和物を80mlのキシレン中に入れた混合物を、還流下に16時間にわたって、ディーン・スターク・トラップで水を除去しながら加熱した。該反応混合物を、室温にまで冷却させ、そして80mlのテトラヒドロフランで希釈した。−40℃で、25ml(25ミリモル)のリチウム ビス(トリメチルシリルアミド)(テトラヒドロフラン中1M)を、5分間の間で滴加し、そして該混合物を室温に加温させた。該反応混合物を、60mlの飽和水性塩化アンモニウムで加水分解させ、そしてジクロロメタンで抽出した。有機層を分離させ、そして無水の硫酸ナトリウム上で乾燥させた。真空中で濃縮して、形成された沈殿物を回収し、キシレンとヘプタンですすぐことで、3.0g(55%)の表題化合物が黄色の固体(融点232〜233℃)として得られた。
B. 2,3−ジメチル−1′,3′−ジヒドロ−8H−スピロ[イミダゾ[1,2−h]−1,7−ナフチリジン−9,2′−インデン]−7(10H)−オン
3.0g(9.4ミリモル)の2,3−ジメチル−1′,3′,6,10−テトラヒドロ−5H−スピロ[イミダゾ[1,2−h]−1,7−ナフチリジン−9,2′−インデン]−7(8H)−オンを50mlのジクロロメタン中に溶かした溶液に、2.56g(11.3ミリモル)の2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノンを0℃で添加し、そして該混合物を、室温に加温させた。2時間後に、追加の2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン(0.3g、1.4ミリモル)を添加し、そして該混合物を一晩撹拌した。該混合物を、500mlのジクロロメタンで希釈し、そして1Nの水性水酸化ナトリウムで洗浄した(3×500ml)。有機層を分離させ、無水の硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして真空中で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)によって精製することで、0.9g(30%)の表題化合物が、黄色の固体(融点288〜290℃)として得られた。
C. メチル 2,3−ジメチル−7−オキソ−1′,3′,6,7,8,10−ヘキサヒドロ−5H−スピロ[イミダゾ[1,2−h]−1,7−ナフチリジン−9,2′−インデン]−6−カルボキシレート
9.0g(41ミリモル)のエチル(2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)アセテート、[その塩酸塩であるエチル(2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)アセテート塩酸塩(実施例K)から、トリエチルアミンでの処理によって遊離される]、7.63g(34.3ミリモル)のメチル 2,3−ジメチル−8−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシレート及び250mgのp−トルエンスルホン酸一水和物を250mlの脱ガスされたキシレン中に入れた混合物を、還流下に3日間にわたって、ディーン・スターク・トラップで水を除去しながら加熱した。該反応混合物を室温にまで冷却し、そして蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)によって精製し、そして酢酸エチル/n−ヘプタンから再結晶化させることで、1.3g(10%)の表題化合物が、黄色の固体(融点185〜186℃)として得られた。
D. メチル 2,3−ジメチル−7−オキソ−1′,3′,7,10−テトラヒドロ−8H−スピロ[イミダゾ[1,2−h]−1,7−ナフチリジン−9,2′−インデン]−6−カルボキシレート
1.3g(3.44ミリモル)のメチル 2,3−ジメチル−7−オキソ−1′,3′,6,7,8,10−ヘキサヒドロ−5H−スピロ[イミダゾ[1,2−h]−1,7−ナフチリジン−9,2′−インデン]−6−カルボキシレートを、100mlの酢酸エチル中に45〜50℃で溶解させた。この溶液に、7.8g(34.4ミリモル)の2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノンを、室温で6時間の期間にわたって少しずつ添加した。該反応混合物に、200mlの水と50mlの2Nの水性水酸化カリウムを添加した。この混合物を、酢酸エチルで抽出し、そしてその有機層を飽和水性炭酸水素ナトリウムで洗浄した。有機層を無水の硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして真空中で濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)によって精製し、そして酢酸エチル/n−ヘプタンから結晶化させることで、0.49g(38%)の表題化合物が淡緑色の固体として得られた。
1H−NMR(CDCl3):2.34(s,3H,CH3)、2.36(s,3H,CH3)、2.92(m,2H)、3.24(s,4H)、3.95(s,3H,OCH3)、6.22(bs,1H,NH)、7.19(m,4H)、7.31(s,1H)。
E. 8−(ベンジルオキシ)−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸
6.5gのエチル 8−(ベンジルオキシ)−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシレートを200mlのジオキサン中に溶かした溶液に、15mlの6Nの水性水酸化ナトリウムを添加し、そして該混合物を100℃に加熱した。20分後に、200mlの水及び35mlの4Nの塩酸を添加することで、懸濁液が得られ、それを15分間撹拌した。沈殿物を回収し、水で洗浄し、そして真空中で乾燥させることで、5.74g(92%)の表題化合物が、融点191〜193℃の無色の固体として得られた。
F. メチル 8−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシレート
139.6gの8−(ベンジルオキシ)−2,3−ジメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸の溶液を、活性炭上パラジウム20g上で水素化する(80〜100バール、80℃)。反応が完了した後に、触媒を濾別し、そして濾液を蒸発させることで、固体が得られ、それを500mlのメタノール中に懸濁させる。この懸濁液を、41mlの塩化チオニルを500mlのメタノール中に入れた溶液に0℃で添加する。室温で30分後に、該混合物を60℃に4時間にわたって加熱する。溶剤を蒸発させ、そして残留物をジクロロメタンと飽和水性炭酸水素ナトリウムとの間で分離させる。有機層を分離し、無水の硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして蒸発させることで、71.4g(78%)の表題化合物が、無色の固体(95%純度、融点186〜187℃)として得られる。
G. メチル 2,3−ジメチル−8−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシレート
0.22gのメチル 8−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシレートを10mlのクロロホルム中に溶かした溶液に、0.9gの酸化マンガン(IV)を添加する。9時間後に、該混合物を、セライトをつうじて濾過し、そして濾液を蒸発させる。残留物をジイソプロピルエーテルで擦ることで、0.16g(72%)の融点156〜157℃の表題化合物が得られる。
H. エチル (2−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)アセテート
リチウム ジイソプロピルアミドをヘプタン/テトラヒドロフラン中に溶かした溶液(305ml、0.55モル)を、−75℃に冷却し、そして55ml(0.56モル)の酢酸エチルを、温度を−75℃未満に保ちながら滴加した。添加が完了した後に、該混合物を−75℃で30分間撹拌した。36.5g(0.27モル)の2−インダノンを90mlのテトラヒドロフラン中に溶かした溶液を、温度を−75℃に保ちながら滴加した。該混合物を、温度を−12℃に高めながら60分間撹拌した。該混合物を、200mlのテトラヒドロフラン/水(1:1)でクエンチングし、そして500mlの飽和水性塩化アンモニウム溶液を添加した。該混合物を、5Nの塩酸で酸性化し、そしてt−ブチルメチルエーテルで抽出した(2×500ml)。有機層を無水の硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして真空中で濃縮した。残留物を、蒸留により123〜130℃及び0.5mmHgで精製することで、31.2g(52%)の表題化合物が得られた。
1H−NMR(CDCl3):1.30(t,J=7.1Hz,3H)、2.76(s,2H)、3.02(d,J=16.1Hz,2H)、3.15(d,J=16.1Hz,2H)、3.71(s,1H,OH)、4.21(q,J=7.1Hz,2H),7.18(m,4H)。
I. エチル [2−(アセチルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]アセテート
75g(0.34モル)のエチル(2−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)アセテートを1.5Lのアセトニトリル中に溶かした溶液を、5℃に冷却した。67mlのクロロスルホン酸を、温度を14℃に上昇させながら滴加した。次いで、該反応混合物を周囲温度で5時間にわたり撹拌した。該混合物を、水(10L)中に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。有機層を真空中で濃縮することで、47.7g(54%)の表題化合物(融点72〜73℃)が得られた。
J. (2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)酢酸塩酸塩
23.5g(90ミリモル)のエチル[2−(アセチルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]アセテートを200mlの5Nの塩酸中に溶かした溶液を、一晩還流させた。該混合物を蒸発乾涸させ、そして残留物を酢酸エチルと混合した。得られた固体を濾過によって回収することで、12.4g(61%)の表題化合物(融点176〜178℃)が得られた。
K. エチル (2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)アセテート塩酸塩
12.4g(55ミリモル)の(2−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)酢酸塩酸塩を250mlのエタノール中に溶かした溶液を、0〜5℃に冷却し、そして7.5mlの塩化チオニルを20分の間で滴加した。該混合物を3時間にわたり還流させ、真空中で濃縮することで、17g(定量的)の表題化合物(融点188〜190℃)が得られた。
産業上利用可能性
式1の化合物並びにそれらの製剤学的に認容性の塩(=本発明による有効化合物)は、それらを産業上利用可能にする有用な薬理学的特性を有する。殊に、式1の化合物及びその塩は、温血動物、殊にヒトにおいて、胃酸分泌の著しい阻害及び優れた胃及び腸の保護作用又は治療作用を示す。この関連において、本発明による有効化合物は、作用の高い選択性、迅速な作用開始、作用の有利な持続、投与による作用期間の効果的な制御、特に良好な抗分泌効力、重篤な副作用の不在及び広い治療範囲により特徴付けられる。
"胃及び腸の保護又は治療"とは、この関連において、胃腸疾患、殊に、例えば微生物(例えばヘリコバクターピロリ)、細菌毒素、医薬品(例えばある種の抗炎症薬及び抗リウマチ薬、例えばNSAID類及びCOX阻害剤類)、化学薬品(例えばエタノール)、胃酸又はストレス環境により引き起こされ得る胃腸炎症疾患及び損傷(例えば逆流性食道炎、胃炎、胃酸過多又は医薬品に関連する機能性消化不良及び、消化性潰瘍[消化性潰瘍出血、胃潰瘍、、十二指腸潰瘍])の予防、治療及び補修治療の意味であると解釈される。
用語"胃腸疾患"とは、一般知識によれば、
A)制限されないが胸やけ及び/又は逆流が含まれる症状の胃食道逆流疾患(GERD)。
B)制限されないが酸関連喘息、気管支炎、咽頭炎及び睡眠障害が含まれるGERDの他の食道外症状発現。
C)制限されないが気道疾患、例えば喘息、気管支炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患)が含まれる診断未確定の逆流及び/又は吸入に結びつきうる他の疾患。
D)その根絶が胃腸疾患の治療に重要な役割を担うヘリコバクター・ピロリ感染。
を含む。
E)更に、"胃腸疾患"は、酸分泌に関連すると思われる他の胃腸症状、例えばゾーリンガー・エリソン症候群、急性上部胃腸出血、悪心、化学療法もしくは術後状態による嘔吐、ストレス性潰瘍、IBD(炎症性腸疾患)及び、特にIBS(過敏性腸症候群)を含む。
その優れた特性において、本発明による有効化合物は、驚異的にも、抗潰瘍発生特性及び抗分泌特性が確定された種々のモデルにおける先行技術から公知の化合物に明確に勝ることが判明した。その特性のため、本発明による有効化合物は、ヒト医学及び獣医学における使用に顕著に適当であり、その際、前記化合物は殊に胃及び/又は腸及び/又は上部消化管の疾患、特に前記の疾患の治療及び/又は予防のために使用される。
従って本発明の他の課題は、上記疾患の治療及び/又は予防において使用するための本発明による有効化合物である。
本発明は同様に、前記の疾患の治療及び/又は予防のために使用される医薬品の製造のための、本発明による有効化合物の使用に関する。
本発明は更に、上記疾患を治療及び/又は予防するための本発明による有効化合物の使用を含む。
本発明の更なる態様は、1種又は複数種の本発明による有効化合物を含有する医薬品である。
医薬品として、本発明による有効化合物は、そのままで又は好ましくは好適な医薬品賦形剤と組み合わせて、錠剤、被覆錠剤(例えばフィルムコート錠剤)、多単位粒子系錠剤、カプセル剤、坐剤、顆粒剤、粉剤(例えば凍結乾燥された化合物)、ペレット剤、パッチ剤(例えばTTS[経皮治療システム])、エマルジョン剤、懸濁液剤又は液剤の形態で使用される。有効化合物の含有率は、好ましくは0.1〜95質量%(最終投与形中の質量%)、有利には1〜60質量%である。賦形剤の好適な選択によって、有効化合物に及び/又は所望の作用の開始及び/又は期間に適合された医薬投与形(例えば持続放出形又は遅延放出形)を得ることができる。
本発明による有効化合物は、経口的、非経口的(例えば静脈内)、直腸内で又は経皮的に投与することができる。経口投与又は静脈内投与が好ましい。
所望の医薬製剤に適した賦形剤又は賦形剤の組合せは、当業者に、その専門知識に基づいて知られており、かつ1種以上の補助成分から構成される。溶剤、酸化防止剤、安定剤、界面活性剤、錯化剤(例えばシクロデキストリン)の他に、以下の賦形剤を例として挙げることができる:経口投与のためには、ゲル化剤、消泡剤、可塑剤、吸着剤、湿潤剤、着色剤、フレーバー、甘味料及び/又は打錠賦形剤(例えば担体、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、被覆剤);静脈内投与のためには、分散剤、乳化剤、保存剤、可溶化剤、緩衝物質及び/又は等張性調節物質。経皮的投与のためには、当業者は、賦形剤、例えば溶剤、ゲル化剤、ポリマー、浸透促進剤、接着剤、マトリクス物質及び/又は湿潤剤を選択しうる。
一般に、ヒト医学において、経口投与の場合、約0.01〜約20、有利には0.02〜5、特に0.02〜1.5mg/体重kgの日用量で、所望の結果を達成するために適切である場合には複数の、有利には1〜2の個別の投与量の形で有効化合物を投与することが好ましいと判明した。非経口的治療の場合には、類似の、又は(殊に活性化合物を静脈投与する場合には)概してより低い用量を使用することができる。更に、投与の頻度は、間欠的な投与、毎週の投与、毎月の投与、より一層まれな投与(例えばインプラント)に適合させることができる。当業者は自身の専門知識に基づいて、そのつど必要とされる活性化合物の最適な用量及び投与方法を容易に決定することができる。
該医薬品は、適宜、単位剤形で存在してよく、製剤科学分野でよく知られた任意の方法によって製造できる。全ての方法は、本発明による有効化合物を、賦形剤又は賦形剤の組合せ物と連係させる工程を含む。一般に、製剤は、本発明による有効化合物と液状の賦形剤又は微細な固形の賦形剤又はその両者とを一様にかつ密接に連係させ、次いで必要であれば、該生成物を所望の医薬品に製剤化することによって製造される。
本発明による有効化合物又はそれらの医薬品調剤は、他のグループの薬剤からの1種以上の薬理学的な有効成分[組み合わせ相手]と組み合わせて使用することもできる。"組合せ物"は、本発明による有効化合物と組み合わせ相手の両者を、別々に、連続的に、同時に又は時間的にずらして使用するために供給することと解される。組合せ物は、通常は、相加的もしくは超相加的な意義において当初の作用を高める目的及び/又は組み合わせ相手の副作用を排除もしくは減少させる目的で、又はより迅速な作用開始及びより早期の症状緩和を獲得する目的で設計される。該組合せ物中に含まれる薬剤の好適な医薬製剤を選択することによって、成分の薬剤放出プロフィールを、所望の効果に厳密に適合させることができる。例えばある化合物の放出とその作用の開始は、もう一方の化合物の放出よりも時間的に前である。
組合せ物は、例えば全ての有効化合物を含有する組成物(例えば固定組合せ物)又は全ての有効化合物の別々の調剤を含む小分けキットであってよい。
"固定組合せ物"は、第一の有効成分と第二の有効成分とが1つの単位用量中に又は単一物中に一緒に存在する組合せ物として定義される。"固定組合せ物"の一例は、前記の第一の有効成分と前記の第二の有効成分とが、例えば一製剤中に同時の投与のために混合物で存在する医薬組成物である。"固定組合せ物"のもう一つの例は、前記の第一の有効成分と前記の第二の有効成分とが、混合されることなく1つの単位中に存在する医薬組成物である。
"小分けキット"は、前記の第一の有効成分と前記の第二の有効成分とが1単位より多くで存在する組合せ物として定義される。"小分けキット"の一例は、前記の第一の有効成分と前記の第二の有効成分とが別々に存在する組合せ物である。小分けキットの成分は、別々に、連続的に、同時に又は時間的にずらして投与してよい。
"他のグループの薬剤"は、例えば、トランキライザー(例えばベンゾジアゼピン類、例えばジアゼパムのグループ)、鎮痙剤(例えば臭化ブチルスコポラミニウム[ブスコパン(登録商標)]、抗コリン作用薬(例えば硫酸アトロピン、ピレンゼピン、トルテロジン)、痛覚低減剤又は正常化剤(例えばパラセタモール、テトラカイン又はプロカイン又は、特にオキセタカイン)及び、適宜、また酵素、ビタミン、微量元素又はアミノ酸を含むと解される。
この関連において強調されるべきものは、特に、本発明による有効化合物と、胃酸を緩衝もしくは中和する医薬品(例えばマガルドレート、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム又は他の制酸剤)との組合せ物、又は殊に酸分泌を阻害もしくは低減する医薬品、例えば
(I)ヒスタミン−H2ブロッカー類[例えばシメチジン、ランチジン]、又は
(II)プロトンポンプインヒビター[例えばオメプラゾール、エソメプラゾール、パントプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、テナトプラゾール、イラプラゾール、レミノプラゾール、全てはそれらの塩及びエナンチオマーを含む]、又は
(III)他のカリウム競合型酸ブロッカー[例えばソラプラザン及びそれらの立体異性体、リナプラザン、レバプラザン、全てはそれらの塩を含む]、又は
(IV)いわゆる末梢性抗コリン作用薬(例えばピレンゼピン)との組合せ物、ガストリンアンタゴニスト、例えばCCK2アンタゴニスト(コレストシストキニン2受容体アンタゴニスト)との組合せ物である。
挙げられるべき重要な組合せ物は、抗細菌作用を有する物質及び、特に殺細菌作用を有する物質又はそれらの組合せ物との組合せ物である。これらの組み合わせ相手は、特に、その根絶が胃腸疾患の治療に重要な役割を担うヘリコバクター・ピロリ感染の制御に有用である。好適な抗細菌作用を有する活性な組み合わせ相手としては、例えば
(A)セファロスポリン類、例えばシフロキシマキセチル
(B)ペニシリン類、例えばアモキシシリン、アンピシリン
(C)テトラサイクリン類、例えばテトラサイクリンそれ自体、ドキシサイクリン
(D)β−ラクタマーゼインヒビター、例えばクラブラン酸
(E)マクロライド系抗生物質、例えばエリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン
(F)リファマイシン類、例えばリファマイシンそれ自体
(G)グリコシド系抗生物質、例えばゲンタマイシン、ストレプトマイシン
(H)ジャイレースインヒビター、例えばシプロフロキサキシン、ガチフロキサシン、モキシフロキサシン
(I)オキサゾリジン類、例えばリネゾリド
(J)ニトロフラン類又はニトロイミダゾール類、例えばメトロニダゾール、チニダゾール、ニトロフラントイン
(K)ビスマス塩、例えば次クエン酸ビスマス
(L)他の抗細菌作用を有する物質
並びに(A)〜(L)から選択される物質の組合せ物、例えばクラリスロマイシン+メトロニダゾールを挙げることができる。2種の組み合わせ相手を使用することが好ましい。アモキシシリン、クラリスロマイシン及びメトロニダゾールから選択される2種類の組み合わせ相手を使用することが好ましい。好ましい一例は、アモキシシリンとクラリスロマイシンの使用である。
それらの胃及び腸の保護もしくは治療に関する優れた活性の点において、本発明による有効化合物は、特に、"薬剤性消化不良"を引き起こすことが知られる又は一定の潰瘍発生効力を有することが知られる薬剤、例えばアセチルサリチル酸、一定の抗炎症剤及び抗リウマチ剤、例えばNSAID類(非ステロイド系抗炎症薬、例えばエトフェナメート、ジクロフェナク、インドメタシン、イブプロフェン、ピロキシカム、ナプロキセン、メロキシカム)、経口ステロイド、ビスホスホネート(例えばアレンドロネート)、又はさらにNO放出性NSAID類、COX−2インヒビター(例えばセレコキシブ、ルミラコキシブ)との自由組合せ物もしくは固定組合せ物に適している。
更に、本発明による有効化合物は、運動性調整薬又は運動性調節薬(例えばモサプリド、テガセロド、イトプリド、メトクロプラミドのような胃前駆運動物質)との、殊に一過性下部食道括約筋弛緩(TLESR)の発生を低減もしくは清浄化する医薬品、例えばGABA−Bアゴニスト(例えばバクロフェン、(2R)−3−アミノ−2−フルオロプロピルホスフィン酸)又はアロステリックGABA−Bアゴニスト(例えば3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−β,β−ジメチルベンゼンプロパノール)、GABA−B再吸収インヒビター(例えばチアガビン)、代謝型グルタミン酸受容体タイプ5(mGluR5)アンタゴニスト(例えば2−メチル−6−(フェニルエチニル)ピリジン塩酸塩)、CB2(カンナビノイド受容体)アゴニスト(例えば[(3R)−2,3−ジヒドロ−5−メチル−3−(4−モルホリニル−メチル)ピロロ[1,2,3,de]−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル]−1−ナフタレニル−メタノンメシル酸塩)との自由組合せ物もしくは固定組合せ物に適している。IBS又はIBDの治療に使用される医薬品、例えば5−HT4受容体アゴニスト、例えばモサプリド、テガセロド;5−HT3受容体アンタゴニスト、例えばアロセトロン、シランセトロン;NK2アンタゴニスト、例えばサレズタント、ネパズタント;κ−オピエートアゴニスト、例えばフェドトジンは、また好適な組み合わせ相手である。
また好適な組み合わせ相手は、気道治療薬、例えば酸関連の喘息及び気管支炎の治療のための気道治療薬を含む。幾らかの場合には、組み合わせ相手として睡眠補助薬(例えばゾルピデム[Bikalm(登録商標)]を使用することは、例えばGERD誘発性の睡眠障害の治療のために合理的なことがある。

Claims (11)

  1. 式1
    Figure 2008543809
    [式中、
    R1は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、C3〜C7−シクロアルキル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、C2〜C4−アルケニル、C2〜C4−アルキニル、フルオロ−C1〜C4−アルキル又はヒドロキシ−C1〜C4−アルキルであり、
    R2は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、C3〜C7−シクロアルキル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、ハロゲン、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、C2〜C4−アルケニル、C2〜C4−アルキニル、フルオロ−C1〜C4−アルキル、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ−C1〜C4−アルキル又はシアノメチルであり、
    R3は、水素、ハロゲン、フルオロ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−アルケニル、C2〜C4−アルキニル、カルボキシル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、フルオロ−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
    R31は、水素、ヒドロキシル、C1〜C7−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルキルカルボニル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキルカルボニル又はC1〜C4−アルコキシカルボニルであり、かつ
    R32は、水素、C1〜C7−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキルであるか、又は
    R31及びR32は、一緒になって、両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ヒドロキシピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、アゼチジノ基、ヒドロキシアゼチジノ基、フルオロアゼチジノ基、アジリジノ基、N−C1〜C4−アルキルピペラジノ基又はモルホリノ基であり、
    R4及びR5は、水素、C1〜C4−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシ、C2〜C4−アルケニルオキシ、C1〜C4−アルキルカルボニル、カルボキシル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、カルボキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C4−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、ハロ−C1〜C4−アルコキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ、C1〜C4−アルキルカルボニルアミノ、C1〜C4−アルコキシカルボニルアミノ、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニルアミノ又はスルホニルからなる群から選択される同一又は異なる置換基である]で示される化合物並びにそれらの塩。
  2. 式1で示され、式中、
    R1は、水素、C1〜C4−アルキル又はヒドロキシ−C1〜C4−アルキルであり、
    R2は、水素、C1〜C4−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル又はハロゲンであり、
    R3は、水素、カルボキシル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
    R31は、水素、ヒドロキシル、C1〜C7−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルキルカルボニル−C1〜C4−アルキルであり、かつ
    R32は、水素、C1〜C7−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキルであるか、又は
    R31及びR32は、一緒になって、両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ヒドロキシピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、アゼチジノ基、ヒドロキシアゼチジノ基、フルオロアゼチジノ基、アジリジノ基、N−C1〜C4−アルキルピペラジノ基又はモルホリノ基であり、
    R4及びR5は、水素、C1〜C4−アルキル又はハロゲンからなる群から選択される同一又は異なる置換基である、請求項1に記載の化合物並びにそれらの塩。
  3. 式1で示され、式中、
    R1は、C1〜C4−アルキルであり、
    R2は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
    R3は、水素、カルボキシル、C1〜C4−アルコキシカルボニル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
    R31は、水素、ヒドロキシル、C1〜C7−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルキルカルボニル−C1〜C4−アルキルであり、かつ
    R32は、水素、C1〜C7−アルキル、ヒドロキシ−C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキルであるか、又は
    R31及びR32は、一緒になって、両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジノ基、ヒドロキシピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、アゼチジノ基、ヒドロキシアゼチジノ基、フルオロアゼチジノ基、アジリジノ基、N−C1〜C4−アルキルピペラジノ基又はモルホリノ基であり、
    R4及びR5は、それぞれ水素である、請求項1に記載の化合物並びにそれらの塩。
  4. 式1で示され、式中、
    R1は、C1〜C4−アルキルであり、
    R2は、C1〜C4−アルキルであり、
    R3は、水素、カルボキシル、C1〜C4−アルコキシカルボニル又は基−CO−NR31R32であり、その際、
    R31は、C1〜C7−アルキルであり、かつ
    R32は、水素であり、
    R4及びR5は、それぞれ水素である、請求項1に記載の化合物並びにそれらの塩。
  5. 式1で示され、式中、
    R1は、C1〜C4−アルキルであり、
    R2は、C1〜C4−アルキルであり、
    R3は、水素であり、
    R4及びR5は、それぞれ水素である、請求項1に記載の化合物並びにそれらの塩。
  6. 式1で示され、式中、置換基R1、R2、R3、R4及びR5が、以下の表
    Figure 2008543809
    Figure 2008543809
    に示される意味を有し、その際、MeがCH3であり、かつEtがC25である、請求項1に記載の化合物並びにそれらの塩。
  7. 式5
    Figure 2008543809
    [式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、請求項1において式1の化合物について定義されたものである]で示される化合物。
  8. 式2
    Figure 2008543809
    [式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、請求項1において式1の化合物について定義されたものである]で示される化合物。
  9. 請求項1から6までのいずれか1項に記載の化合物を、胃腸疾患の治療及び/又は予防のために使用される医薬品の製造のために用いる使用。
  10. 請求項1から6までのいずれか1項に記載の1種以上の化合物及び/又はそれらの製剤学的に認容性の塩を、慣用の医薬品助剤及び/又は賦形剤と一緒に含有する医薬品。
  11. 請求項1から6までのいずれか1項に記載の化合物並びにそれらの製剤学的に認容性の塩を、胃腸疾患の予防及び/又は治療のために用いる使用。
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