JP2008542464A - ホスホン酸ビニルモノマー由来の構造制御された共重合体、その合成方法、および、その利用 - Google Patents

ホスホン酸ビニルモノマー由来の構造制御された共重合体、その合成方法、および、その利用 Download PDF

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Abstract

本発明は、ホスホン酸ビニル基以外のエチレン性不飽和を有するモノマーの混合物(A0)を重合することにより得られたブロックAを少なくとも一つと、エチレン性不飽和を有するモノマーの混合物であって、ホスホン酸ビニル基を一つ以上有するモノマーB1の1種以上で50モル%以上を占める混合物(B0)を重合することにより得られたブロックBを少なくとも一つ含む構造制御された共重合体に関する。本発明は、又、ホスホン酸ビニル基以外のエチレン性不飽和を有するモノマーの混合物(A0)を重合することにより得られたブロックAを少なくとも一つと、エチレン性不飽和を有するモノマーの混合物であって、ホスホン酸ビニル基を一つ以上有するモノマーB1の1種以上で50モル%以上を占める混合物(B0)を重合することにより得られたブロックBを少なくとも一つ含む構造制御された共重合体の合成方法に関する。さらに、本発明は、上記共重合体をスケール防止剤、分散剤、乳化剤、または表面改質剤として使用することに関する。

Description

本発明の目的は、ホスホン酸ビニル基以外のエチレン性不飽和を有するモノマーの混合物(A0)を重合することにより得られたブロックAを少なくとも一つと、エチレン性不飽和を有するモノマーの混合物であって、ホスホン酸ビニル基を一つ以上有するモノマーB1の1種以上で50モル%以上を占める混合物(B0)を重合することにより得られたブロックBを少なくとも一つ含む構造制御された共重合体である。
本発明の別の目的は、ホスホン酸ビニル基以外のエチレン性不飽和を有するモノマーの混合物(A0)を重合することにより得られたブロックAを少なくとも一つと、エチレン性不飽和を有するモノマーの混合物であって、ホスホン酸ビニル基を一つ以上有するモノマーB1の1種以上で50モル%以上を占める混合物(B0)を重合することにより得られたブロックBを少なくとも一つ含む構造制御された共重合体の合成方法である。
また本発明に別の目的は、本発明の共重合体をスケール防止剤、分散剤、乳化剤、または表面改質剤として利用することである。
本発明によれば、構造制御された共重合体は、ジブロック、トリブロックなどのブロック重合体、グラフト重合体、スター重合体、ミクロゲル、または、架橋密度が様々に制御され、ミクロゲルコアを含んだ架橋されたブロック(M.Destarac、B.BavouzetおよびD.Taton、国際公開第2004/014535号パンフレット、ロディア シミ(Rhodia Chimie)に示された共重合体など)を有する共重合体である。
ここで、「ホスホン酸ビニル基を有するモノマー」は、本発明においては、ビニルホスホン酸基、または、アルキルエステルアナログを少なくとも一つ有するモノマーを指す。
特に、モノマーは下記の化学式(1)からなるホスホン酸ビニル基を有する。
Figure 2008542464
式中、
−Yは、水素原子、1〜6個の炭素原子をもつアルキル基、シアノ基、フェニル基、エステル基(−COOR)、アセテート基(−OCOR’)、ホスホン酸、ホスホン酸メチル、ホスホン酸エチルまたはホスホン酸イソプロピルから選択される基であり;
−RおよびR’は、同一でも異なっていてもよく、1〜12個の炭素原子をもつアルキル基、好ましくは、1〜6個の炭素原子をもつアルキル基であり;
−R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または、1〜6個の炭素原子をもち随意にハロゲン原子で置換されているアルキル基である。
ここで、「ハロゲン原子」とは、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素を意味し、好ましくは、塩素を使用すれば良い。
本発明におけるブロックとしては、ホモ重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、または、組成勾配共重合体を挙げることができる。
構造制御された共重合体を合成する技術的な選択のひとつとして「リビング」ラジカル重合(“living”またはcontrolled radical polymerization)が挙げられる。
構造制御された共重合体は、様々な産業に利用することができ、特に、分散、乳化、テクスチャリング、または表面改質剤として利用することができる。
さらに、ホスホン酸基を有した(共)重合体は、スケール防止剤、腐食防止剤、色素またはペースト顔料などの様々な分野で、その特有な機能のために、産業上で利用できるようになっている。
従って、ホスホン酸化された官能基PO3R1R2、特にホスホン酸官能基PO3H2を含んだ複合構造を有する共重合体の合成が産業上重要な挑戦であることは明白である。
また技術的に重要な挑戦であることは、また、以下の2つの理由による。
一つめの理由としては、ホスホン酸化された官能基PO3R1R2を有する産業上利用可能なモノマーの範囲が制限されていることである。主要なものとしては、ビニルホスホン酸、ビニルホスホン酸ジメチルエステル、ビニルホスホン酸ビス(2−クロロエチル)エステル、ビニリデンジホスホン酸、またはビニリデンジホスホン酸テトライソプロピルエステルなどのビニルモノマーが挙げられる。
また、上記の挙げたモノマーのホスホン酸またはホスホン酸化された機能と組み合わさったその低い反応活性ゆえに、「リビング」ラジカル重合(“living”またはcontrolled radical polymerization)に利用されるとき、主成分となるからである。
そのような理由で、現在までは、ホスホン酸塩官能基を含有するモノマーからのホモ重合体または共重合体の合成は、従来のラジカル形式で、すなわちアンコントロールメカニズム(uncontrolled mechanism)で行われてきた。
ホスホン酸官能基(PO3H2)は、しばしば、重合反応中、適当なモノマー(Boutevin,B.他、Polym. Bull.、1993、30、243)、または適当な移動剤(transfer agents)(Boutevin,B.他、Macromol.Chem.Phys.、2002、203、1049)により導入され、対応するエステルの加水分解により得ることができる。
ホスホン酸官能基(PO3H2)の重合体との直接結合については非常にわずかな研究でしか扱われていない。例えば、以下に述べるVPAによる、ラジカル開始剤による(Herwig,W ;Duersch,W ;Engelhardt,F.米国特許第4696987号明細書)または、例えばメタクリル酸によるランダム共重合(Riegel,U; Gohla,W; Grosse,J; Engelhardt,F; 米国特許第4749758号明細書)によるビニルホスホン酸の重合反応の例が挙げられる。GB2293605の書類では、VPAによる重合反応と、アクリル酸とのランダム共重合について開示されている。Likewise,R.Paddaなどらは、(Phosphorus、Sulfur and Silicon and the Related Elements、2002年、177(6−7)、1697)において、ジホスホン酸モノマーのビニリデンジホスホン酸のランダム共重合について開示している。テロマーに関しては、つまり、末端が制御された重合体のことであるが、これはPO3H2で修飾されたものであり、ローディアがジホスホン酸(ジ(PO3H2))末端を有するポリアクリル酸(PAA)などの重合体を合成するために開発した技術である(Davisなど、国際公開第2004/078662号パンフレット)。
ホスホン酸またはホスホン酸化された官能基を有する重合体は、一般的に、ホモ重合体、ランダム重合体であり、実際、テロマーはその末端でホスホン酸化されており、これらの重合体は、従来のラジカル形式で、すなわちアンコントロールメカニズム(uncontrolled mechanism)で得られることは、明白である。
「リビング」ラジカル重合(“living”もしくは controlled radical polymerization)には、原子移動ラジカル重合(ATRP)、ニトロキシタイプの安定ラジカルで制御されるラジカル重合(NMP)、ヨウ素変性移動重合(ITP)、可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)などが含まれてもよい。
ビニルモノマー、もしくは/または、形成される重合体のホスホン酸ユニットとエステルアナログは、重合を制御するATRP触媒(Cu、Ru、Fe、Ni)と強く相互作用する傾向を有している。
ビニルホスホン酸モノマー、または、エステルアナログから得られたラジカルの安定性が低いレベルにあることで、これらのモノマーの重合を「ニトロキシ」タイプの安定ラジカルで制御されるラジカル重合技術に伴う困難性と両立できるものとなった。
重合がRAFTタイプであるとき、特にRAFT移動剤がザンテートであるとき、ここで、ザンテート処理は、ザンテート交換を介した巨大分子をデザインするためのMADIX処理によるものであるが、VPAはアクリル酸とランダムに共重合する。P(acrylamide)-b-P(AA-stat-VPA)親水性ダブル共重合体はM.DestaracおよびD.Tatonによる“Direct Access to Phosphonic Acid-Containing Block Copolymers via MADIX”40th International Symposium on Macromolecules、MACRO 2004、Parisに従い合成される。また、P(BuA)-b-P(AA-stat-VPA)両親媒性共重合体は、国際公開第2003/076529号パンフレット、および、国際公開第2003/076531号パンフレットに従い合成される。
国際公開第2004/014535号パンフレット 米国特許第4696987号明細書 米国特許第4749758号明細書 英国特許第2293605号明細書 国際公開第2004/078662号パンフレット 国際公開第2003/076529号パンフレット 国際公開第2003/076531号パンフレット Boutevin,B.他、Polym. Bull.、1993、30、243 Boutevin,B.他、Macromol.Chem.Phys.、2002、203、1049 Phosphorus、Sulfur and Silicon and the Related Elements、2002年、177(6−7)、1697 Direct Access to Phosphonic Acid-Containing Block Copolymers via MADIX"40th International Symposium on Macromolecules、MACRO 2004、Paris
しかしながら、ここで重要なことは、上記で述べたMADIX重合全ての場合において、ブロック中のVPAの結合量が25モル%を超えないことである。
ブロック重合体の合成を成功させるためには、ビニルホスホン酸官能基を有するモノマーを高い割合で含有するブロックの中の一つが必要となる。
これは、ビニルホスホン酸モノマーは、一般的に反応混合物に含まれる共モノマーよりもかなり高額で、相対的に反応性の低いモノマーであるからでる。重合体中の特定の位置に、任意に、それを置換することができるような能力を有するということで、必要な特性を得るために、その使用を減らすことができ、またコストを下げることができる。
さらに、特に、得られる重合体をスケール防止剤として利用する場合、いくつか連続的にホスホン酸ビニルユニットを有している場合、さらに有利な効果を得ることが可能となる。
本発明の目的の一つは、ビニルホスホン酸官能基を有するモノマーからなり、ビニルホスホン酸官能基を高い含有率で含むブロックを少なくとも一つ有する構造制御された共重合体の合成方法を見出すことである。
この目的とその他の目的は、RAFTタイプの特定のラジカル重合の制御を使用して、出願人の会社によって達成した。これは、反応媒体の濃度、温度条件、ならびに開始剤およびチオカルボニルチオ制御剤(RS(C=S)Z)の濃度に関する反応条件の効果により、出願人である当社が上記の問題を解決したことによる。
本発明の主要な課題は、ホスホン酸ビニル基以外のエチレン性不飽和を有するモノマーの混合物(A0)を重合することにより得られたブロックAを少なくとも一つと、エチレン性不飽和を有するモノマーの混合物であって、ホスホン酸ビニル基を一つ以上有するモノマーB1の1種以上で50モル%以上を占める混合物(B0)を重合することにより得られたブロックBを少なくとも一つ含む構造制御された共重合体を提供することである。
本発明の別の課題は、ホスホン酸ビニル基以外のエチレン性不飽和を有するモノマーの混合物(A0)を重合することにより得られたブロックAを少なくとも一つと、エチレン性不飽和を有するモノマーの混合物であって、ホスホン酸ビニル基を一つ以上有するモノマーB1の1種以上で50モル%以上を占める混合物(B0)を重合することにより得られたブロックBを少なくとも一つ含む構造制御された共重合体の合成の過程を提供することである。
また本発明に別の課題は、本発明の共重合体をスケール防止剤、分散剤、乳化剤、または表面改質剤として利用することである。
本発明の構造制御された共重合体は、少なくとも一つのブロックAおよび少なくとも一つのブロックBを含む、ジブロック、トリブロックなどのブロック共重合体、グラフト共重合体、スター共重合体、ミクロゲルであって良い。
本発明のブロックAは、ホスホン酸ビニル基以外のエチレン性不飽和を有するモノマーの混合物(A0)を重合することにより得られる。ブロックBは、エチレン性不飽和を有するモノマーの混合物であって、ホスホン酸ビニル基を一つ以上有するモノマーB1の1種以上で50mol%以上を占める混合物(B0)を重合することにより得られる。
本発明のブロックは、ホモ重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、または、組成勾配共重合体であって良い。
本発明によれば、ブロックAとBの重量比は1:99〜99:1である。
ブロックAは、ホスホン酸ビニル基以外のエチレン性不飽和を有するモノマーの混合物(A0)を重合することにより得られる。A0基は、下記に記した親水性(h)または疎水性(H)モノマーから選択される。
親水性(h)モノマーについては以下の通りである:
−不飽和エチレンモノカルボン酸または不飽和エチレンジカルボン酸、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸もしくはフマル酸、およびそれらの誘導体、例えばモノアルキルエステル、好ましくは炭素数が1から4のアルコールとのモノアルキルエステル、及びアミド、例えばアクリルアミドまたはメタアクリルアミド
または、
−ウレイド基を有するエチレン性モノマー、例えばエチレン尿素エチルメタアクリルアミド、または、エチレン尿素エチルメタクリレート
−スルホン酸基を有するエチレン性モノマーまたは、そのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩、例えばビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、または、2−スルホエチレンメタクリレート
または、
−ボロン酸官能基を有するモノマー、例えばp−ビニルフェニルボロン酸
または、
−以下から選択されるカチオン性モノマー:アミノアルキル(メタ)アクリレートまたはアミノアルキル(メタ)アクリルアミド;二級、三級若しくは四級アミンまたは窒素原子含有複素環を少なくとも一つ有するモノマー;ジアリルジアルキルアンモニウム塩;ただし、これらのモノマーは単独又は混合物で用いられ、塩の形でも用いられ、塩は、好ましくは、対イオンがハライド(例えば、塩化物イオン)になるように選択され、又は硫酸塩、硫酸水素塩、アルキル硫酸塩(例えば1〜6個の炭素原子を含むもの)、リン酸塩、クエン酸塩、ギ酸、酢酸塩であり、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジ(t-ブチル)アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド;エチレンイミン、ビニルアミン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン;トリメチルアンモニオエチル(メタ)アクリレートクロライド、トリメチルアンモニオエチルアクリレートメチルサルフェート、ベンジルジメチルアンモニオエチル(メタ)アクリレートクロライド、(4-ベンゾイルベンジル)ジメチルアンモニオエチルアクリレートクロライド、トリメチルアンモニオエチル(メタ)アクリルアミドクロライド、トリメチル(ビニルベンジル)アンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドの単独、またはこれらの混合物、またはこれらの対応する塩
または、
−ビニルアミンの環状アミド、例えば、N−ビニルピロリドンおよびビニルカプロラクタム
または、
−ポリビニルアルコール、例えばポリビニルアセテートの加水分解から得られるポリビニルアルコール
または、
−より一般的には、疎水性ブロックの化学修飾から得られる親水性重合体、例えば、ポリアルキルアクリレートの加水分解で得られたポリアクリル酸
から選択される。
アクリル酸(AA)、アクリルアミド(Am)、2−アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、スチレンスルホン酸(SS)、N-ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸(VSA)またはその混合物、およびポリビニルアセテートの加水分解から得られるビニルアルコールユニットまたはそれらの混合物から選択される親水性(h)モノマーであることが好ましい。
さらに、より好ましくは、アクリル酸(AA)またはアクリルアミド(Am)ユニットを使用すると良い。
疎水性(H)モノマーについては:
−スチレンから誘導したモノマー、例えばスチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレンまたはp-(t-ブチル)スチレン
または、
−炭素原子1〜12個、好ましくは炭素原子1〜8個をもち、随意にフッ化されているアルコールとのアクリル酸エステルまたはメタアクリル酸エステル、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、t-ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、またはイソブチルメタクリレート
−炭素原子3〜12個をもつビニルニトリル、好ましくはアクリロニトリルまたはメタアクリロニトリル
−カルボン酸のビニルエステル、例えば、ビニルアセテート(VAc)、ビニルベルサテート又はビニルプロピオネート、
−ハロゲン化ビニルまたはハロゲン化ビニリデン、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデンおよびフッ化ビニリデン
および
−ジエンモノマー、例えばブタジエンまたはイソプレン
から選択される。
好ましくは、本発明の構造制御された共重合体の疎水性(H)モノマーユニットとしては、アクリル酸と直鎖もしくは分枝鎖状の炭素原子数1〜8個、特に炭素原子数1〜4個のアルコールとのエステル(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート(BuA)、もしくは2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA))、フッ化アクリレート、スチレン誘導体(例えば、スチレン)、またはビニルアセテート(VAc)から選択されると良い。
本発明の好ましい形態としては、ブロックAは、ポリアクリル酸、または、ポリビニルアルコールである。
ポリアクリル酸は、アクリル酸モノマーの重合、または、メチルアクリレートもしくはブチルアクリレートなどのアルキルアクリレートタイプモノマーを加水分解して重合させることで得ることができる。
ポリビニルアルコールは、酢酸ビニルを加水分解して重合させることで得ることができる。
ブロックBに関しては、下記を含むモノマーの混合物(B0)の重合により得ることができる:
−ホスホン酸ビニル基を少なくとも一つ含有するモノマーB1を少なくとも一つ50〜100モル%含有し、
−上記定義されたA0からホスホン酸ビニル基を含まないモノマーB2を少なくとも一つ0〜50モル%含有する。
モノマーはホスホン酸ビニル基を少なくとも一つ有する下記の化学式(I)又はその混合物であり、
Figure 2008542464
式中、
−Yは、水素原子、1〜6個の炭素原子をもつアルキル基、シアノ基、フェニル基、エステル基(−COOR)、アセテート基(−OCOR’)、ホスホン酸、ホスホン酸メチル、ホスホン酸エチルまたはホスホン酸イソプロピルから選択される基であり;
−RおよびR’は、同一でも異なっていてもよく、1〜12個の炭素原子をもつアルキル基、好ましくは、1〜6個の炭素原子をもつアルキル基であり;
−R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または、1〜6個の炭素原子をもち随意にハロゲン原子で置換されているアルキル基である;
Yが水素原子以外のとき、それから、ブロックBはYが水素原子であるモノマーB1も含有すると理解できる。
ここで、「ハロゲン原子」とは、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素を意味し、好ましくは、塩素を使用すれば良い。
特に、本発明に使用するモノマーB1が、ビニルホスホン酸、ビニルホスホン酸のジメチルエステル、ビニルホスホン酸のビス(2−クロロエチル)エステル、ビニリデンジホスホン酸、ビニリデンジホスホン酸のテトライソプロピルエステル、α−スチレンホスホン酸、または、それらの混合物であると良い。
一つまたは二つのビニルホスホン酸官能基を有するモノマーB1は、モノマーB1が、遊離酸もしくは塩の形態であるか、または、任意に、ジシクロヘキシルアミンといったアミンで、部分的にもしくは完全に中和されている形態であっても良い。
本発明によると、好ましいモノマーB1は、ビニルホスホン酸である。
本発明のモノマーB2は、上記のモノマーA0から選択することができる。
好ましくは、モノマーB2は、アクリル酸、アクリルアミド、ビニルスルホン酸またはそれらの混合物から選択すると良い。
さらに好ましくは、モノマーB2は、アクリル酸であると良い。
一般的に、本発明の構造制御された共重合体は、平均分子量1000〜100000であり、さらに一般的には、4000〜50000である。また、多分散性インデックス(polydispersity index)は2.5より小さければ良いが、好ましくは1.3〜2.5、より好ましくは1.3〜2.0である。
ブロックBのブロックAに対する重量の割合は、B/(A+B)が好ましくは0.01〜0.5、より好ましくは0.02〜0.2となるようにすれば良い。
本発明の別の目的は、ホスホン酸ビニル基以外のエチレン性不飽和を有するモノマーの混合物(A0)を重合することにより得られたブロックAを少なくとも一つと、エチレン性不飽和を有するモノマーの混合物であって、ホスホン酸ビニル基を一つ以上有するモノマーB1の1種以上で50モル%以上を占める混合物(B0)を重合することにより得られたブロックBを少なくとも一つ含む構造制御された共重合体の合成方法であり、以下のステージを含む:
(a)制御ラジカル重合を実施することで、制御ラジカル重合反応において、制御剤として使用する官能性重合体を生成し、このステージは、下記のものを接触させることで実施される:
− エチレン性不飽和モノマー分子
− フリーラジカルの供給源
− 少なくとも一種の制御剤
(b)ステージ(a)に続いて、制御ラジカル重合の単一ステージ、または制御ラジカル重合の複数の連続的なステージが実施され、このステージでは、制御ラジカル重合を実行することで、制御ラジカル重合反応において、制御剤として使用する官能性ブロック共重合体を生成し、このステージは、下記のものを接触させることで実施される:
− 以前のステージとは異なるエチレン性不飽和モノマー分子
− フリーラジカルの供給源
− 以前のステージで得られた機能性高分子
上記のステージ(a)および(b)の一方により、ホスホン酸ビニル基を有するブロックであるブロックBを生成し、また、上記のステージ(a)および(b)のもう一方により、他のブロック、この場合ブロックAを生成し、
ステージ(a)および(b)において使用されるエチレン性不飽和モノマーは上記の構造制御された共重合体を得るための適切なモノマーから選択され、ここで、
− 媒体中のモノマーの混合物B0の濃度は、固体のレベルが50%を超えるように、好ましくは60%超えるように、より好ましくは70%を超えるようにし、固体のレベルは以下の方法によって定義される:
0を最初のブロックとして重合する場合、B0の重量/(B0+溶媒)の重量;
0を二つ目のブロックとして重合する場合、(A0+B0)の重量/(A0+B0+溶媒)の重量であり;
− 開始剤の累積または総濃度は、モノマー混合物B0に対して0.5〜20モル%である。
用語「以前のステージとは異なるエチレン性不飽和モノマー分子」とは、具体的に、以前のステージで使用したモノマー分子とは異なるモノマー分子少なくとも一つという意味であると理解できる。言い換えれば、ステージ(b)においてモノマーの混合物を使用する時には、以前のステージで使用したモノマーとは異なるモノマーを少なくとも一つ使用すれば良いということである。ある実施例によると、ステージ(b)のモノマーは全て以前のステージで使用されたモノマーと異なる。
ブロックBの分子量は、一般的に10000以下であり、好ましくは、5000以下、より好ましくは2000以下である。
開始剤の濃度と、その導入方法は、モノマーB0のコンバージョンの割合が高いことと、可能な限り低くしたいアンコントロールチェーンのレベルとの妥協点を得られるように定義する。
従って、モノマーB0に関して、開始剤の累積または総濃度が、0.5〜20モル%となるように、モノマーB1を好ましくは容器の端部に、反応開始の時バッチとして、スポット(spotwise)で、連続的に、または半連続的に、導入する。
モノマーB0固体のレベルは、通常の制御ラジカル重合条件よりも高くして行う。
最終的には、ブロックBの分子量は、重合を満足にコントロールできるように決定すれば良い。
本発明の製造の実施に使用される制御剤は、チオカルボニルチオ化合物RS(C=S)Zから選択することができる。
本発明の製造の実施に使用される制御剤は、ジチオエステル、チオエーテル−チオン、トリチオ炭酸塩、ジチオカルバミン酸塩(N,N−ジアルキルジチオカルバミン酸塩、ジチオカルバジン酸塩、およびザンテートを含む)から選択することができる。
制御剤としてより好ましいのは、N,N−ジアルキルジチオカルバミン酸塩、ジチオカルバジン酸塩、およびザンテートから選択される化合物である。
制御剤としてさらに好ましいのは、ザンテートから選択される化合物である。
ザンテートは以下の化学式(II)で表される。
Figure 2008542464
ここで、
− Rは、
− HまたはCl;
− アルキル基、アリール基、アルケニル基、 または、アルキニル基、;
− 飽和炭素環または不飽和炭素環、任意に芳香族炭素環;
− 飽和複素環または不飽和複素環、任意に芳香族複素環;
− アルキルチオ基;
− アルコキシルカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、アシルオキシ基、またはカルバモイル基;
− シアノ基、ジアルキルホスホナト基、ジアリールホスホナト基、ジアルキルホスファナト基、または、ジアリ−ルホスファナト基;
− 重合体チェーン;
− (R2)O、または(R2)(R'2)N基、
ここでR2およびR'2は独立であるか、または異なる基であり、
− アルキル基、アシル基、アリール基、アルケニル基、またはアルキニル基;
− 飽和炭素環または不飽和炭素環、任意に芳香族炭素環;
− 飽和複素環または不飽和複素環、任意に芳香族複素環;であり、
および
-R1は、:
− アルキル基、アシル基、アリール基、アルケニル基、またはアルキニル基;
− 飽和炭素環または不飽和炭素環、任意に芳香族炭素環;
− 飽和複素環または不飽和複素環、任意に芳香族複素環;
− 重合体チェーン;
であり、
式(II)の化合物で特に有利な制御剤の一つは、Rがエチル基であり。R1が(メトキシカルボニル)エチル基である。
重合は、溶媒中、分散状態の媒体中で、特にバルク条件で実施することができる。
重合を液体中で行う場合、前記の溶媒は、適切な場合、エチルアセテート、またはエタノール、イソプロパノールもしくはそれらの水との混合物などのから選択されるアルコールである。
水、または水/アルコール溶液で重合を実施することは、発明の好ましい実施例を構成する。
アクリル酸(AA)、アクリルアミド(Am)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、およびスチレンスルホン酸(SS)タイプなどの親水性モノマーを使用する状況で、および/または、n-ブチルアクリレート、または2-エチルヘキシルアクリレートなどの疎水性モノマーを使用する状況では、水、アルコール、または水/アルコール媒体は、より推奨される。
本発明の構造制御された共重合体は様々な産業に利用することができる。それらは、特に、スケール防止剤、分散剤、無機表面改質剤(ガラス、金属、セラミック)、乳化剤、または防蝕剤に使用することができる。
下記に実施例を記すが、本発明はこれに限定されるわけではない。
パート1.ザンテートによるビニルホスホン酸(VPA)のラジカル重合
ビニルホスホン酸(VPA)のラジカル重合は、水/エタノール(重量比85/15)の混合物中、70℃で行い、O-エチルS-(1-(メトキシカルボニル)エチル)ザンテート(CH3CHCO2CH3)S(C=S)OEt(以下X1とも記す)存在下、アゾビス(シアノペンタン酸)(ACP)により開始した。これは、重合終了時点で理論的なDPn値が、それぞれ、10になるように(実施例1)および30になるように(実施例2)ザンテートの開始濃度を2種類用意して行った。モノマーの完全なコンバージョンを目標とし、固体レベルは70%である。
これらの反応の動態の研究を以下に示す:
31P NMRによる分析では、経時的に、ビニルホスホン酸(VPA)のコンバージョンが増加し、18時間経過後、実施例1では75%、実施例2では83%がコンバージョンされた。
− ガスクロマトグラフィーによる分析では、ザンテートは重合の最初の相、少なくとも、ビニルホスホン酸(VPA)が約20%コンバージョンされたとき、消費されたことが見出された。
なお、重要なことは、迅速なザンテートの消費は主に、化学分解によるものではなく、反応媒体の酸性度の高いpHのためであるということだ。これは、実施例2とラジカル開始剤がないことを除いて同様の条件である実施例3の反応の実施によっても証明された。18時間で重合は観察されなかったが、ザンテートは2時間で9%、5時間で18%分解した。ビニルホスホン酸(VPA)存在下、70℃での、ザンテートの分解は、実質的に直線的な時間関数として、変化している(表1)。
Figure 2008542464
これらの結果より、ビニルホスホン酸(VPA)の重合におけるザンテートの反応性は、実際、アクリルモノマー、アクリルアミドモノマー、または、スチレンモノマーの重合よりも、高いということが結論付けられる。
UV検出器を有したGPC分析により、実施例1および2の重合体鎖末端のザンテートフラグメントS(C=S)OEtの存在を測定することができる。ザンテートがなしで合成したポリ(ビニルホスホン酸)(P(VPA))と比較し、GPC/UVクロマトグラフのある特定の領域の強度が100倍を超えるからである。
DOSY NMR分析
実施例1および2のP(VPA)のDOSY NMR分析によって、重合体は以下の式を有した鎖を主に有していることが示された:
Figure 2008542464
実施例1の重合体の2D DOSY NMR分析によると、ザンテート末端の硫黄のOCH2に付随するザンテート鎖末端の存在により確認される「リビング(living)」な形のポリ(ビニルホスホン酸)に主に対応する大きい反応の存在を観察することができた。
実施例2においては、得られた2D DOSY NMRのチャートを実施例1のポリ(ビニルホスホン酸)のチャートと比較したところ、同様のタイプの存在が視認された。
結論
ザンテート、およびビニルホスホン酸(VPA)モノマーの減少を速度論的にモニターした結果からと同様に、GPC分析とDOSY NMR分析の組み合わせ分析によって、MADIX重合により、実際に予想通りのコントロール重合体が得られていることがわかった。
実施例1
40gのビニルホスホン酸、3gのエタノール、19.4gの水、および7.71gのO-エチル S-(1-(メトキシカルボニル)エチル)ザンテート (CH3CHCO2CH3)S(C=S)OEt(X1)を、アルゴン雰囲気下、マグネチック攪拌器と還流冷却器を有した250mlの2首の丸底フラスコに入れた。溶液は70℃とし、5.19gのアゾビス(シアノペンタン酸)を混合物に加えた。この温度で6時間経過した後、さらに5.19gのアゾビス(シアノペンタン酸)を加えた。12時間反応させた。反応終了時に、GC分析(表1)、31P NMR分析(表1)、DOSY NMR分析、およびGPC分析を行った。Mnの測定は、分子量分布が部分的に重なるクロマトグラフィピークを有するビニルホスホン酸(VPA)残基の存在によって不可能であった。
実施例2
40gのビニルホスホン酸、3gのエタノール、17.5gの水、および2.57gのO-エチル S-(1-(メトキシカルボニル)エチル)ザンテート (CH3CHCO2CH3)S(C=S)OEt(X1)を、アルゴン雰囲気下、マグネチック攪拌器と還流冷却器を有した250mlの2首の丸底ガラスフラスコに入れた。溶液は70℃とし、5.19gのアゾビス(シアノペンタン酸)を混合物に加えた。この温度で6時間経過した後、さらに5.19gのアゾビス(シアノペンタン酸)を加えた。12時間反応させた。反応終了時に、GC分析(表1)、31P NMR分析(表1),DOSY NMR分析、およびGPC分析を行った。Mnの測定は、分子量分布が部分的に重なるクロマトグラフィピークを有するビニルホスホン酸(VPA)残基の存在によって不可能であった。
パート2.一つのブロックがポリ(ビニルホスホン酸)(P(VPA))であるジブロック共重合体のMADIXによる合成
ビニルホスホン酸重合のコントロールされた性質を確認することができたので、この方法によりジブロック共重合体を合成することが課題となる。
研究を行っている間に、必要なジブロック共重合体を合成するための鍵となるパラメーターは、2つのブロックの合成の順番であることが明白になってきた。アクリル酸/ビニルホスホン酸(AA/VPA)の組み合わせについて、以下に述べる。
なお、GPCによる重合のコントロールされた性質を明確に示すためには、ターゲットとなる低いDPn値を意識的に選択するべきである。
実施例3
第1ブロックとしてのポリ(ビニルホスホン酸)(P(VPA))
O-エチルS-(1-(メトキシカルボニル)エチル)ザンテートX1の存在下で、ビニルホスホン酸(VPA)のオリゴマーを合成した。VPAとザンテートの濃度は、DPn値の理論値が5となるように選択する。
反応は、70%の固体レベルの水/エタノール(重量比73/27)の混合物中、70℃で行い、アゾビス(シアノペンタン酸)(ACP)により開始した。18時間反応させた後、ビニルホスホン酸(VPA)のコンバージョンの割合は、77%(31P NMR)であった。また、ザンテートのコンバージョンの割合は、100%(ガスクロマトグラフィー)であった。ポリエチレンオキサイド(PEO)キャリブレーションを伴った水中でのGPC分析によると、Mnは670g/molで、Mw/Mnは1.96であった。290nmのUV検出器から得られたクロマトグラムには、重合体鎖末端のザンテートの存在を示す非常に強い反応が見られた。
ザンテート末端を有するポリ(ビニルホスホン酸)(P(VPA) -X 1 )存在下でのAAの重合
アクリル酸の量は、重合がコントロールできると仮定して、ポリアクリル酸(PAA)ブロックが平均で20モノマーユニット含むように、選択する。重合は、20%の固体レベル中、70℃で行い、アゾビス(シアノペンタン酸)(ACP)により開始し、6時間行った。アクリル酸はすべてコンバージョンされた(重量測定法)。GPC分析によると、重合体の2つの群の存在が示された:290nmのUV光の下、殆ど吸収がみられない高分子量の重合体は、ポリアクリル酸(PAA)ホモ重合体である。また、他方は、ザンテート末端を有するポリ(ビニルホスホン酸)(P(VPA))-X1に対応するものである。
言い換えれば、ザンテート末端を有するポリ(ビニルホスホン酸)オリゴマーP(VPA)-X1は、アクリル酸(AA)重合中には反応しない、移動剤である。最終的には、ポリアクリル酸(PAA)およびポリ(ビニルホスホン酸)(P(VPA))のホモ重合体ブレンドを得ることができる。
実施例4:ポリアクリル酸-b-ポリ(ビニルホスホン酸)P(AA)-b-P(VPA)ジブロックの合成
第1ブロックとしてのポリアクリル酸P(AA)
20gのアクリル酸(AA)、5.79gのX1、0.44gのACP、40.8gの水、および16.2gのエタノールをマグネチック攪拌器と還流冷却器を有した2首の丸底ガラスフラスコ中で6時間、70℃で熱した。その結果、GPC分析により確認されたが、末端がザンテート化され、Mnがコントロールされたポリアクリル酸P(AA)を得ることできた。
ザンテート末端を有したポリアクリル酸(P(AA)X)存在下でのビニルホスホン酸 (VPA)の重合
ビニルホスホン酸(VPA)の量は、重合がコントロールできると仮定して、ポリ(ビニルホスホン酸)(P(VPA))ブロックが平均で20モノマーユニット含むように、選択する。ロータリー蒸発装置により固体が85%となるまで濃縮した第一のブロックであるポリアクリル酸(PAA)溶液3gを、7gのビニルホスホン酸(VPA)、4.6gの水、および1.16gのエタノールと混合した。0.93gのアゾビス(シアノペンタン酸)(ACP)を加えた。反応は70℃で行った。6時間反応させた後、再び、0.93gのアゾビス(シアノペンタン酸)(ACP)を加えた。18時間後、反応を停止した。得られた物質はGPCで分析した。
図1は、第一のポリアクリル酸(PAA)ブロック、および最終の共重合体のRIクロマトグラムの重ね合わせを示したものである。図2は、第一のポリアクリル酸(PAA)ブロック、および最終の共重合体の290nmにおけるUV検出の重ね合わせである。図1においては、クロマトグラフ上で、反応していないビニルホスホン酸(VPA)のピーク(〜31分)が見て取れる。さらに、重合体鎖の複数の群が存在しないこと、および、最初のブロックと最終生成物の間のピークのウェイト(weight)が移動したことにより、ジブロック共重合体を実際に得られたということが証明された。図2に示した結果と共に、これは、その単一の分布により、リビング鎖に関する群のピークのウェイト(weight)(UV)が、(ビニルホスホン酸)(P(VPA))ブロックの合成に伴って、増加するということを示している。
PAA-X1およびPAA-P(VPA)-X1ジブロックのRIクロマトグラムの重ね合わせを示したものである。 PAA-X1およびPAA-P(VPA)-X1ジブロックのUVクロマトグラムの重ね合わせを示したものである。

Claims (38)

  1. ホスホン酸ビニル基以外のエチレン性不飽和を有するモノマーの混合物(A0)を重合することにより得られたブロックAを少なくとも一つと、エチレン性不飽和を有するモノマーの混合物であって、ホスホン酸ビニル基を一つ以上有するモノマーB1の1種以上で50モル%以上を占める混合物(B0)を重合することにより得られたブロックBを少なくとも一つ含む構造制御された共重合体。
  2. モノマーの混合物A0が、下記に記した親水性(h)または疎水性(H)モノマーから選択されるモノマーを1種以上含有していることを特徴とする請求項1に記載の共重合体。
    親水性(h)モノマーは:
    −不飽和エチレンモノカルボン酸または不飽和エチレンジカルボン酸、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸もしくはフマル酸、およびそれらの誘導体、例えばモノアルキルエステル、好ましくは炭素数が1から4のアルコールとのモノアルキルエステル、及びアミド、例えばアクリルアミドまたはメタアクリルアミド
    または、
    −ウレイド基を有するエチレン性モノマー、例えばエチレン尿素エチルメタアクリルアミド、または、エチレン尿素エチルメタクリレート
    または、
    −スルホン酸基を有するエチレン性モノマーまたは、そのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩、例えばビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、または、2−スルホエチレンメタクリレート
    または、
    −ボロン酸官能基を有するモノマー、例えばp−ビニルフェニルボロン酸
    または、
    −以下から選択されるカチオン性モノマー:アミノアルキル(メタ)アクリレートまたはアミノアルキル(メタ)アクリルアミド;二級、三級若しくは四級アミンまたは窒素原子含有複素環を少なくとも一つ有するモノマー;ジアリルジアルキルアンモニウム塩;ただし、これらのモノマーは単独又は混合物で用いられ、塩の形でも用いられ、塩は、好ましくは、対イオンがハライド(例えば、塩化物イオン)になるように選択され、又は硫酸塩、硫酸水素塩、アルキル硫酸塩(例えば1〜6個の炭素原子を含むもの)、リン酸塩、クエン酸塩、ギ酸、酢酸塩であり、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジ(t-ブチル)アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド;エチレンイミン、ビニルアミン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン;トリメチルアンモニオエチル(メタ)アクリレート クロライド、トリメチルアンモニオエチルアクリレートメチルサルフェート、ベンジルジメチルアンモニオエチル(メタ)アクリレートクロライド、(4-ベンゾイルベンジル)ジメチルアンモニオエチルアクリレートクロライド、トリメチルアンモニオエチル(メタ)アクリルアミドクロライド、トリメチル(ビニルベンジル)アンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドの単独、またはこれらの混合物、またはこれらの対応する塩
    または、
    −環状ビニルアミン、例えば、N−ビニルピロリドンおよびビニルカプロラクタム
    または、
    −ポリビニルアルコール、例えばポリビニルアセテートの加水分解から得られるポリビニルアルコール
    または、
    −より一般的には、疎水性ブロックの化学修飾から得られる親水性重合体、例えば、ポリアルキルアクリレートの加水分解で得られたポリアクリル酸
    から選択される。
    疎水性(H)モノマーは:
    −スチレンから誘導したモノマー、例えばスチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレンまたはp-(t-ブチル)スチレン
    または、
    −炭素原子1〜12個、好ましくは炭素原子1〜8個をもち、随意にフッ化されているアルコールとのアクリル酸エステルまたはメタアクリル酸エステル、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、t-ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、またはイソブチルメタクリレート
    −炭素原子3〜12個をもつビニルニトリル、好ましくはアクリロニトリルまたはメタアクリロニトリル
    −カルボン酸のビニルエステル、例えば、ビニルアセテート、ビニルベルサテート又はビニルプロピオネート、
    −ハロゲン化ビニルまたはハロゲン化ビニリデン、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデンおよびフッ化ビニリデン
    および
    −ジエンモノマー、例えばブタジエンまたはイソプレン
    から選択される。
  3. モノマーの混合物A0が、下記に記した親水性(h)モノマーまたは疎水性モノマー(H)から選択されるモノマーを少なくとも一つ含有していることを特徴とする請求項1または2に記載の共重合体。
    親水性(h)モノマーは、
    アクリル酸(AA)、アクリルアミド(Am)、2−アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、スチレンスルホン酸(SS)、N-ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸(VSA)、ポリビニルアセテートの加水分解から得られるビニルアルコールユニット、またはそれらの混合物から選択され;
    疎水性(H)モノマーは、
    アクリル酸と直鎖もしくは分枝鎖状の炭素原子数1〜8個、特に炭素原子数1〜4個のアルコールとのエステル(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート(BuA)、もしくは2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA))、フッ化アクリレート、スチレン誘導体(例えば、スチレン)、またはビニルアセテート(VAc)から選択される。
  4. ブロックAが、ポリビニルアルコールブロックまたはポリアクリル酸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の共重合体。
  5. モノマーの混合物A0が、アクリル酸(AA)、またはアクリルアミドから選択されるモノマーを少なくとも一つ含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の共重合体。
  6. 混合物(B0)が
    −ホスホン酸ビニル基を有するモノマーB1の1種以上を50〜100モル%と、
    −請求項2〜4のいずれか一項に記載の(A0)のモノマーから選択されたモノマーB2の1種以上を0〜50モル%、
    含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の共重合体。
  7. モノマーB1は下記の化学式(I)の化合物またはその混合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の共重合体:
    Figure 2008542464
    式中、
    −Yは、水素原子、1〜6個の炭素原子をもつアルキル基、シアノ基、フェニル基、エステル基(−COOR)、アセテート基(−OCOR’)、ホスホン酸、ホスホン酸メチル、ホスホン酸エチルまたはホスホン酸イソプロピルから選択される基であり;
    −RおよびR’は、同一でも異なっていてもよく、1〜12個の炭素原子をもつアルキル基、好ましくは、1〜6個の炭素原子をもつアルキル基であり;
    −R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または、1〜6個の炭素原子をもち随意にハロゲン原子で置換されているアルキル基である;
    ただし、Yが水素原子以外のとき、ブロックBはYが水素原子であるモノマーB1も含有する。
  8. モノマーB1が、ビニルホスホン酸、ビニルホスホン酸のジメチルエステル、ビニルホスホン酸のビス(2−クロロエチル)エステル、ビニリデンジホスホン酸、ビニリデンジホスホン酸のテトライソプロピルエステル、α−スチレンホスホン酸、または、それらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の共重合体。
  9. モノマーB1が、遊離酸もしくは塩の形態であるか、または、任意に、ジシクロヘキシルアミンといったアミンで、部分的にもしくは完全に中和されている形態であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の共重合体。
  10. モノマーB1が、ビニルホスホン酸であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の共重合体。
  11. モノマーB2が、アクリル酸、アクリルアミド、ビニルスルホン酸またはそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の共重合体。
  12. モノマーB2が、アクリル酸であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の共重合体。
  13. 平均分子量が1000〜100000であり、好ましくは、4000〜50000であり、多分散性インデックスが1.3〜2.5であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の共重合体。
  14. ブロックAとBの比が1:99〜99:1であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の共重合体。
  15. ホスホン酸ビニル基以外のエチレン性不飽和を有するモノマーの混合物(A0)を重合することにより得られたブロックAを少なくとも一つと、エチレン性不飽和を有するモノマーの混合物であって、ホスホン酸ビニル基を一つ以上有するモノマーB1の1種以上で50モル%以上を占める混合物(B0)を重合することにより得られたブロックBを少なくとも一つ含む構造制御された共重合体を合成する方法であって、以下のステージを含む方法:
    (a)制御ラジカル重合を実施することで、制御ラジカル重合反応において、制御剤として使用する官能性重合体を生成し、このステージは、下記のものを接触させることで実施される:
    − エチレン性不飽和モノマー分子
    − フリーラジカルの供給源
    − 少なくとも一種の制御剤
    (b)ステージ(a)に続いて、制御ラジカル重合の単一ステージ、または制御ラジカル重合の複数の連続的なステージが実施され、このステージでは、制御ラジカル重合を実行することで、制御ラジカル重合反応において、制御剤として使用する官能性ブロック共重合体を生成し、このステージは、下記のものを接触させることで実施される:
    − 以前のステージとは異なるエチレン性不飽和モノマー分子
    − フリーラジカルの供給源
    − 以前のステージで得られた機能性高分子
    上記のステージ(a)および(b)の一方により、ホスホン酸ビニル基を有するブロックであるブロックBを生成し、また、上記のステージ(a)および(b)のもう一方により、他のブロック、この場合ブロックAを生成し、
    ステージ(a)および(b)において使用されるエチレン性不飽和モノマーは上記の構造制御された共重合体を得るための適切なモノマーから選択され、ここで、
    − 媒体中のモノマーの混合物B0の濃度は、固体のレベルが50%を超えるように、好ましくは60%超えるように、より好ましくは70%を超えるようにし、固体のレベルは以下の方法によって定義される:
    0を最初のブロックとして重合する場合、B0の重量/(B0+溶媒)の重量;
    0を二つ目のブロックとして重合する場合、(A0+B0)の重量/(A0+B0+溶媒)の重量であり;
    − 開始剤の累積または総濃度は、モノマー混合物B0に対して0.5〜20モル%である。
  16. 制御剤が、チオカルボニルチオ化合物RS(C=S)Zから選択されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 制御剤が、ジチオエステル、チオエーテル−チオン、トリチオカーボネート、ジチオカルバメート(N,N−ジアルキルジチオカルバメート、ジチオカルバザート、およびザンテートを含む)から選択されることを特徴とする請求項15または16に記載の方法。
  18. 制御剤が、N,N−ジアルキルジチオカルバメート、ジチオカルバザート、およびザンテートから選択されることを特徴とする請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 制御剤が、ザンテートから選択されることを特徴とする請求項15〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 制御剤は下記の化学式(II)の化合物であることを特徴とする請求項15〜19のいずれか一項に記載の方法:
    Figure 2008542464
    ここで、
    − Rは、
    − HまたはCl;
    − アルキル基、アリール基、アルケニル基、 または、アルキニル基、;
    − 飽和炭素環または不飽和炭素環、任意に芳香族炭素環;
    − 飽和複素環または不飽和複素環、任意に芳香族複素環;
    − アルキルチオ基;
    − アルコキシルカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、アシルオキシ基、またはカルバモイル基;
    − シアノ基、ジアルキルホスホナト基、ジアリールホスホナト基、ジアルキルホスファナト基、または、ジアリ−ルホスファナト基;
    − 重合体チェーン;
    − (R2)O、または(R2)(R'2)N基、
    ここでR2およびR'2は独立であるか、または異なる基であり、
    − アルキル基、アシル基、アリール基、アルケニル基、またはアルキニル基;
    − 飽和炭素環または不飽和炭素環、任意に芳香族炭素環;
    − 飽和複素環または不飽和複素環、任意に芳香族複素環;であり、
    および
    -R1は、:
    − アルキル基、アシル基、アリール基、アルケニル基、またはアルキニル基;
    − 飽和炭素環または不飽和炭素環、任意に芳香族炭素環;
    − 飽和複素環または不飽和複素環、任意に芳香族複素環;
    − 重合体チェーン;
    である。
  21. 制御剤はRがエチル基であり、R1が(メトキシカルボニル)エチル基である式(II)の化合物であることを特徴とする請求項20の方法。
  22. モノマーの混合物A0が、下記に記した親水性(h)または疎水性(H)モノマーから選択されるモノマーを1種以上含有していることを特徴とする請求項15〜21のいずれか一項に記載の方法。
    親水性(h)モノマーは:
    −不飽和エチレンモノカルボン酸または不飽和エチレンジカルボン酸、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸もしくはフマル酸、およびそれらの誘導体、例えばモノアルキルエステル、好ましくは炭素数が1から4のアルコールとのモノアルキルエステル、及びアミド、例えばアクリルアミドまたはメタアクリルアミド
    または、
    −ウレイド基を有するエチレン性モノマー、例えばエチレン尿素エチルメタアクリルアミド、または、エチレン尿素エチルメタクリレート
    −スルホン酸基を有するエチレン性モノマーまたは、そのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩、例えばビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、または、2−スルホエチレンメタクリレート
    または、
    −ボロン酸官能基を有するモノマー、例えばp−ビニルフェニルボロン酸
    または、
    −以下から選択されるカチオン性モノマー:アミノアルキル(メタ)アクリレートまたはアミノアルキル(メタ)アクリルアミド;二級、三級若しくは四級アミンまたは窒素原子含有複素環を少なくとも一つ有するモノマー;ジアリルジアルキルアンモニウム塩;ただし、これらのモノマーは単独又は混合物で用いられ、塩の形でも用いられ、塩は、好ましくは、対イオンがハライド(例えば、塩化物イオン)になるように選択され、又は硫酸塩、硫酸水素塩、アルキル硫酸塩(例えば1〜6個の炭素原子を含むもの)、リン酸塩、クエン酸塩、ギ酸、酢酸塩であり、例えばジメチルアミノエチル (メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジ(t-ブチル)アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド;エチレンイミン、ビニルアミン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン;トリメチルアンモニオエチル (メタ)アクリレート クロライド、トリメチルアンモニオエチルアクリレートメチルサルフェート、ベンジルジメチルアンモニオエチル(メタ)アクリレート クロライド、(4-ベンゾイルベンジル)ジメチルアンモニオエチルアクリレートクロライド、トリメチルアンモニオエチル(メタ)アクリルアミドクロライド、トリメチル(ビニルベンジル)アンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドの単独、またはこれらの混合物、またはこれらの対応する塩
    または、
    −ポリビニルアルコール、例えばポリビニルアセテートの加水分解から得られるポリビニルアルコール
    または、
    −より一般的には、疎水性ブロックの化学修飾から得られる親水性重合体、例えば、ポリアルキルアクリレートの加水分解で得られたポリアクリル酸
    または、
    −ビニルアミンの環状アミド、例えば、N−ビニルピロリドンおよびビニルカプロラクタム
    から選択される。
    疎水性(H)モノマーは:
    −スチレンから誘導したモノマー、例えばスチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレンまたはp-(t-ブチル)スチレン
    または、
    −炭素原子1〜12個、好ましくは炭素原子1〜8個をもち、随意にフッ化されているアルコールとのアクリル酸エステルまたはメタアクリル酸エステル、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、t-ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、またはイソブチルメタクリレート
    −炭素原子3〜12個をもつビニルニトリル、好ましくはアクリロニトリルまたはメタアクリロニトリル
    −カルボン酸のビニルエステル、例えば、ビニルアセテート、ビニルベルサテート又はビニルプロピオネート、
    −ハロゲン化ビニルまたはハロゲン化ビニリデン、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデンおよびフッ化ビニリデン
    または
    −ジエンモノマー、例えばブタジエンまたはイソプレン
    から選択される。
  23. モノマーの混合物A0が、下記に記したモノマーから選択されるモノマーを少なくとも一つ含有していることを特徴とする請求項15〜22のいずれか一項に記載の方法。
    親水性(h)モノマーは、
    アクリル酸(AA)、アクリルアミド(Am)、2−アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、スチレンスルホン酸(SS)、N-ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸(VSA)、ポリビニルアセテートの加水分解から得られるビニルアルコールユニット、またはそれらの混合物から選択され;
    疎水性(H)モノマーは、
    アクリル酸と直鎖もしくは分枝鎖状の炭素原子数1〜8個、特に炭素原子数1〜4個のアルコールとのエステル(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート(BuA)、もしくは2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA))、フッ化アクリレート、スチレンスチレン誘導体(例えば、スチレン)、またはビニルアセテート(VAc)から選択される。
  24. モノマーの混合物A0が、アクリル酸(AA)、またはアクリルアミドから選択されるモノマーを少なくとも一つ含有していることを特徴とする請求項15〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 混合物(B0)が
    −ホスホン酸ビニル基を有するモノマーB1の1種以上を50〜100モル%と、
    −請求項21〜23のいずれか一項に記載の(A0)のモノマーから選択されたモノマーB2の1種以上を0〜50モル%、
    含有することを特徴とする請求項15〜23のいずれか一項に記載の方法。
  26. モノマーB1は下記の化学式(I)の化合物またはその混合物であることを特徴とする請求項15〜25のいずれか一項に記載の方法:
    Figure 2008542464
    式中、
    −Yは、水素原子、1〜6個の炭素原子をもつアルキル基、シアノ基、フェニル基、エステル基(−COOR)、アセテート基(−OCOR’)、ホスホン酸、ホスホン酸メチル、ホスホン酸エチルまたはホスホン酸イソプロピルから選択される基であり;
    −RおよびR’は、同一でも異なっていてもよく、1〜12個の炭素原子をもつアルキル基、好ましくは、1〜6個の炭素原子をもつアルキル基であり;
    −R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または、1〜6個の炭素原子をもち随意にハロゲン原子で置換されているアルキル基である;
    ただし、Yが水素原子以外のとき、ブロックBはYが水素原子であるモノマーB1も含有する。
  27. モノマーB1が、ビニルホスホン酸、ビニルホスホン酸のジメチルエステル、ビニルホスホン酸のビス(2−クロロエチル)エステル、ビニリデンジホスホン酸、ビニリデンジホスホン酸のテトライソプロピルエステル、α−スチレンホスホン酸、または、それらの混合物から選択されることを特徴とする請求項15〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. モノマーB1が、遊離酸もしくは塩の形態であるか、または、任意に、ジシクロヘキシルアミンといったアミンで、部分的にもしくは完全に中和されている形態であることを特徴とする請求項15〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. モノマーB1が、ビニルホスホン酸であることを特徴とする請求項15〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. モノマーB2が、アクリル酸、アクリルアミド、ビニルスルホン酸またはそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項15〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. モノマーB2が、アクリル酸であることを特徴とする請求項15〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 重合を、特にバルク条件で、水−アルコール混合物といった溶媒中または分散媒中で、行うことを特徴とする請求項15〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記の溶媒は、エチルアセテート、または、エタノール、イソプロパノールもしくは、それらの水との混合物から選択されるアルコールであることを特徴とする請求項32に記載の方法。
  34. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の共重合体のスケール防止剤としての使用。
  35. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の共重合体の分散剤としての使用。
  36. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の共重合体の乳化剤としての使用。
  37. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の共重合体の無機表面改質剤としての使用。
  38. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の共重合体の防蝕剤としての使用。
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