JP2008541513A - 高感度ファイバ適合光音響センサ - Google Patents

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Abstract

音響センサは、共振周波数および共振線形を持つ少なくとも1つの光学共鳴を有する少なくとも1つの光子結晶構造を含む。音響センサは、少なくとも1つの光子結晶構造を実質的に包囲し、少なくとも1つの光子結晶構造に機械的に結合された筺体をさらに含む。共振周波数および共振線形の少なくとも1つは、筺体に入射する音波に応答する。
【選択図】図1

Description

関連出願
本出願は、2005年4月29日に出願され、米国仮特許出願第60/676,700号の利益を主張し、参照することによってその全体を本書に組み込むものとする。
発明の背景
発明の分野
本出願は、一般に、音響センサシステムに関し、より詳細には、光ファイバ適合音響センサシステムに関する。
関連技術の説明
ファブリ・ペロー干渉キャビティの2枚の鏡の相対変位に基づいた音響圧力測定を提供する様々な光ファイバセンサシステムが従来開示されている。例えば、M.Yu et al.,“Acoustic Measurements Using a Fiber
Optic Sensor System,” J.Intelligent Mat‘l Systems and Structures,vol.14,pages 409−414(July 2003)(M.ユーら、「光ファイバセンサシステムを用いた音響測定」、ジャーナルオブインテリジェントマテリアルシステムズアンドストラクチャーズ14巻、409〜414頁(2003年7月));K.Totsu et al.,“Ultra−Miniature Fiber−Optic Pressure Sensor Using White Light Interferometry,”J.Micromech.Microeng.,vol.15,pages 71−75(2005)(K.トーツら、「白色光干渉計を用いた超小型光ファイバ圧力センサ」、ジャーナルオブミクロメカニカルミクロエンジニア15巻、71〜75頁(2005年));W.B.Spillman,Jr.et al.,“Moving Fiber−Optic Hydrophone,”Optics Lett.,vol.5,no.1,pages 30−31(January 1980)(W.B.スピルマンJr.ら、「移動光ファイバ水中聴音機」、オプティクスレター5巻、No.1、30〜31頁(1980年1月));K.Kardirvel et al.,“Design and
Characterization of MEMS Optical Microphone for Aeroacoustic Measurement,”42nd AIAA Aerospace Sciences Meeting and Exhibit,5−8 January 2004,Reno,Nevada(K.カルディベルら、「航空音響測定用MEMS光マイクロホンの設計および特性」、第42回AIAA航空宇宙科学会議および展示、2004年1月5〜8日、リノ、ネバダ);J.A.Bucaro et al.,“Miniature,High Performance,Low−Cost Fiber Optic Microphone,”J.Acoust.Soc.Am.,vol.118,no.3,part 1,pages 1406−1413(September 2005)(J.A.ブカロら、「小型高機能で低コストなファイバ光マイクロホン」、ジャーナルオブアコースティックソサエティオブアメリカ118巻、No.3、パート1、1406〜1413(2005年9月);T.K.Gangopadhyay et al.,“Modeling and Analysis of an Extrinsic Fabry−Perot Interferometer Cavity,”Appl.Optics,vol.44,no.16,pages 312−3196(1 June 2005)(T.K.ガンゴパドヘイら、「外部ファブリ・ペロー干渉計キャビティのモデリングおよび分析」アプライドオプティ
クス44巻、No.16、312〜3196頁(2005年6月1日));およびP.J.Kuzmenko,“Experimental Performance of a
Miniature Fabry−Perot Fiber Optic Hydrophone,”Proceedings of 8th Optical Fiber Sensors Conference,Monterey,California,January 29−31,1992,pages 354−357(P.J.クズメンコ、「小型ファブリ・ペロー光ファイバ水中聴音機の実験的性能」、第8回光ファイバセンサ会議会報、カリフォルニア州モンテレー、1992年1月29〜31日、354〜357頁)を参照。
光子結晶スラブ(PCS)は、空間的で周期的に変化する屈折率を有する光子結晶構造である。PCSは、PCS内に強く閉じ込められているが、周期的に変化する屈折率による位相整合メカニズムを介して入射光に結合される、ガイドされた共振光学モードを示す。これらのガイドされた共振モードは、典型的に、滑らかに変化する背景上に置かれた鋭いファーノ線形として、透過または反射スペクトルにおいて明らかである。例えば、M.Kanskar et al,“Observation of leaky slab
modes in an air−bridged semiconductor waveguide with a two−dimensional photonic
lattice,”Appl.Phys.Lett.,vol.70,page 1438(1997)(M.カンスカーら、「二次元光子格子を有するエアブリッジ半導体導波管における漏えいスラブモードの観察」(アプライドフィジックスレター70巻、1438頁(1997年));V.N.Astratov et al.,“Resonant coupling of near−infrared radiation to
photonic band structure waveguides,”J.Lightwave Technol.,vol.17,page 2050(1999)(V.N.アストラトブら、「光子バンド構造導波管への近赤外線の共振カップリング」ジャーナルオブライトウェイブテクノロジー17巻、2050頁(1999年));およびS.Fan and J.D.Joannopoulos,“Analysis of
guided resonances in photonic crystal slabs,”Phys.Rev.B,vol.65,page 235112(2002)(S.ファンおよびJ.D.ジョアノプロス、「光子結晶スラブにおけるガイドされた共振の分析」、フィジカルレビューB65巻、235112頁(2002年)。そのようなガイドされた共振モードは、発光ダイオードおよびレーザにおいて、光学フィルタまたは鏡として従来使用されてきた。
発明の概要
特定の実施形態において、音響センサは、共振周波数および共振線形を持つ少なくとも1つの光学共鳴を有する少なくとも1つの光子結晶構造を含む。音響センサは、少なくとも1つの光子結晶構造を実質的に包囲し、少なくとも1つの光子結晶構造に機械的に結合された筺体をさらに含む。共振周波数および共振線形の少なくとも1つは、筺体に入射する音波に応答する。
特定の実施形態では、方法は、音波を検知する。方法は、共振周波数および共振線形を持つ少なくとも1つの光学共鳴を有する少なくとも1つの光子結晶構造を含むセンサを準備するステップを含む。センサは、少なくとも1つの光子結晶構造を実質的に包囲し、少なくとも1つの光子結晶構造に機械的に結合された筺体をさらに含む。共振周波数および共振線形の少なくとも1つは、筺体に入射する音波に応答する。方法は、さらに、センサを音波にさらすステップを含む。方法は、音波によって引き起こされる共振周波数および
共振線形の少なくとも1つの変化を検知するステップをさらに含む。
例としての実施形態の詳細な説明
圧電変換器の感度に匹敵する感度を達成するために十分な線質係数を有する現代の光共振器は、典型的には大きく、作製、取り付け、整列および作動するのに実用的でない。対照的に、本書に記載した特定の実施形態は、従来の光キャビティのものより小さい桁の口径を持つ光子結晶スラブ(PCS)構造によって形成された光共振器に基づく音響センサを含む。そのような実施形態の小さな大きさによって、約10kHzより大きな周波数用の圧電/容量変位センサの感度に匹敵する感度がもたらされる。一対のPCSを含む光子結晶構造を使用して、ノッチおよび帯域通過透過および反射フィルタを提供することができ、そのような構造は、様々な用途(例えば、石油探索、海中音波検知)に適合する音響センサシステムで利用することができる。
PCS構造は、多重層誘電体スタックと同様に、フィルタおよび鏡として従来使用されてきた。しかし、PCS構造は、多重層鏡に対して、単一誘電体層である、微小電気機械システム(MEMS)と適合性がある、多層スタックで達成するのが困難または不可能であり、形状的媒介変数によって制御することができる独特の特性を有する、などのいくつかの長所を有するが、それらに限定されない。例えば、PCS構造は、広範囲の波長(例えば、約30ナノメータより大きな波長の範囲で99%を超える透過において観察された消光)にわたって高反射率を有することができ、約5000のQを有することが観察された鋭い共振を持つテレコム波長(例えば、1540ナノメータ)で効率的なフィルタとして使用することができる。さらに、PCS構造は、平面偏光をそのスピン偏光成分に分ける円偏光ビームスプリッタとして使用することができる。また、小さな複屈折性の導入によって、PCS構造は、デュアル1/4波長位相差ベースの偏光ビームスプリッタの役割をすることができ、それは、反射と透過によって入射波を2つの直交性偏光に等しく分ける。
図1は、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての音響センサ10を概略的に図示する。音響センサ10は、共振周波数および共振線形を持つ少なくとも1つの光学共鳴を有する少なくとも1つの光子結晶構造20を含む。音響センサ10は、少なくとも1つの光子結晶構造20を実質的に包囲し、少なくとも1つの光子結晶構造20に機械的に結合された筺体30をさらに含む。少なくとも1つの光子結晶構造20の共振周波数および共振線形の少なくとも1つは、筺体30に入射する音波40に応答する。図1で図示するように、特定の実施形態では、音響センサ10は、少なくとも1つの光子結晶構造20に光学的に結合された光ファイバ50をさらに含む。
単一PCS構造
特定の実施形態では、少なくとも1つの光子結晶構造20は、PCS70を含み、その例を図2Aに概略的に図示する。PCS70は、第1の材料72と、PCS70内の領域74の配列を含む。領域74は、第1の材料72の屈折率と異なる屈折率を有する第2の材料76を含む。図2AのPCS70は、厚みTを有し、実質的に平面の構成を有する。
特定の実施形態において、第1の材料72は、固体誘電材料を含み、その例としては、シリコン、シリカ、窒化ケイ素、セラミックスおよびプラスチックが挙げられるが、それらに限定されない。特定の実施形態では、第1の材料72は、固体半導体材料を含み、その例としては、シリコン、ゲルマニウム、リン化インジウム、ヒ化ガリウムまたは他のIII−V半導体材料が挙げられるが、それらに限定されない。特定の実施形態では、第2の材料76は、気体(例えば、空気)を含む。特定の実施形態では、第2の材料76は、液体を含み、その例としては、水、イソプロパノール、エタノール、メタノールおよび他
のアルコールが挙げられるが、それらに限定されない。
特定の実施形態では、PCS70の厚みTは、約100ナノメータ〜約1000ナノメータの範囲にある。特定の実施形態では、PCS70は、実質的に正方形の形状を有し、一方、他の実施形態では、PCS70は、実質的に円形、長方形、六角形、楕円、または他の形状を有する。
特定の実施形態では、領域74は、約100ナノメータ〜約1500ナノメータの範囲で、PCS70と実質的に平行な方向に最大幅を有する。特定の実施形態では、領域74は、実質的に円形の形状を有し、一方、特定の他の実施形態では、領域74は、実質的に楕円、長円形、正方形、長方形、三角形、五角形、六角形、半円、または他の形状を有する。
特定の実施形態では、領域74の配列は、実質的に2次元的な周期的配置を有する。PCS70と概ね平行な2つの異なる方向の配置の周期性は、特定の実施形態においては実質的に同一であり、特定の他の実施形態では、周期性は異なる。特定の実施形態では、最も近接する領域74間の中心間距離は、約100ナノメータ〜約1550ナノメータの範囲にある。特定の実施形態では、領域74の配列の実質的に2次元的に周期的な配置は、正方形であり、一方、特定の他の実施形態では、実質的に2次元的に周期的な配置は、長方形、三角形、正方形、菱形、傾斜しているもの、または六角形である。他の実質的に2次元的に周期的な配置も、本書に記載した特定の実施形態と適合する。
特定の実施形態では、領域74は、PCS70の厚みを貫いて少なくとも部分的に延在し、第2の材料76を含み、PCS70内で実質的に2次元的に周期的な配置を有する複数の穴を含む。例えば、図2Aは、本書に記載した特定の実施形態による、PCS70の厚みを完全に貫いて延在し、実質的に正方形の配置を有する実質的に円形の穴を含む領域の配列74を有する例としてのPCS70を概略的に図示する。図2Bは、そのような例としてのPCS70の一部の走査電子顕微鏡写真を図示する。図2Cは、本書に記載した特定の他の実施形態による、PCS70の厚みTを部分的にのみ貫いて延在することで、PCS70の厚みT未満の深さDを有する、実質的に円形の穴を含む領域74の実質的に正方形の配列を有する他の例としてのPCS70を概略的に図示する。
図2Dは、本書に記載した特定の他の実施形態による、PCS70と実質的に平行な平面において、実質的円形断面を有する突出部78(例えば、柱)の実質的に正方形の配置を有する他の例としてのPCS70を概略的に図示する。突出部78は、約100ナノメータ〜約1000ナノメータの範囲でPCS70上に高さHを有する。特定の実施形態では、高さHは厚みTより大きく、一方、特定の他の実施形態では、高さHは、厚みT以下である。特定の実施形態では、突出部78は、PCS70の基礎部分と同じ材料を含み、一方、特定の他の実施形態では、突出部78は、異なる材料(例えば、PCS70はシリコン酸化物を含み、突出部78はシリコンを含む)を含む。特定の実施形態では、PCS70は、誘電材料(例えば、シリコン、シリカ、窒化ケイ素、セラミックス、プラスチック)、または半導体材料(例えば、シリコン、ゲルマニウム、リン化インジウム、ヒ化ガリウム、または他のIII−V半導体)を含む。特定の実施形態では、突出部78は、誘電材料(例えば、シリコン、シリカ、窒化ケイ素、セラミックス、プラスチック)、または半導体材料(例えば、シリコン、ゲルマニウム、リン化インジウム、ヒ化ガリウム、または他のIII−V半導体)を含む。突出部78の他の形状、大きさおよび配置も、本書に記載した特定の実施形態と適合する。
図2Eおよび2Fは、実質的に1次元的に周期的な配置(例えば、1次元の回折格子)を持つ複数の長尺状の領域74を有する他の例としてのスラブ70の断面図を概略的に図
示する。図2Eおよび2Fにおいて、領域74は、断面図に対して実質的に垂直な方向に延在する。特定の実施形態では、隣接領域74間の間隔は、約100ナノメータ〜約1550ナノメータの間の範囲にある。特定の実施形態では、領域74の幅は、約100ナノメータ〜約1500ナノメータの範囲にある。特定の実施形態では、隣接領域74間の中心間距離は、約100ナノメータ〜約1550ナノメータの範囲にある。
図2Eに概略的に図示するように、特定の実施形態では、PCS70は、第2の材料76(例えば、空気または水)を含むPCS70内の谷または溝80を含む領域74を持つ第1の材料(例えば、シリカ、シリコン酸化物または窒化ケイ素などの誘電材料)を含む。特定の実施形態では、溝80は、PCS70の厚みTを完全に貫いて延在し、一方、特定の他の実施形態では、溝80は、PCS70の厚みTを部分的にのみ貫いて延在している。溝80の深さDは、約10ナノメータ〜約1000ナノメータの範囲にある。特定の実施形態では、溝80は、PCS70に実質的に垂直な平面において、概ね正方形、台形、曲線状、「U」形状、または三角形の断面を有する。溝80の他の形状および大きさも、本書に記載した特定の実施形態と適合する。
特定の他の実施形態では、図2Fで概略的に図示するように、領域74は、約10ナノメータ〜約1000ナノメータの範囲で、PCS70上に高さHを有する突出部82を含む。特定の実施形態の突出部82は、PCS70の基礎部分と同じ材料を含み、一方、特定の他の実施形態では、突出部82は、第1の材料72(例えば、PCS70は、シリコン酸化物を含み、一方、突出部82はシリコンを含む)とは異なる材料を含む。特定の実施形態では、PCS70は、誘電材料(例えば、シリコン、シリカ、窒化ケイ素、セラミックス、プラスチック)、または半導体材料(例えば、シリコン、ゲルマニウム、リン化インジウム、ヒ化ガリウムまたは他のIII−V半導体)を含む。特定の実施形態では、突出部82は、誘電材料(例えば、シリコン、シリカ、窒化ケイ素、セラミックス、プラスチック)または半導体材料(例えば、シリコン、ゲルマニウム、リン化インジウム、ヒ化ガリウムまたは他のIII−V半導体)を含む。特定の実施形態では、突出部82は、PCS70に実質的に垂直な平面において、概ね正方形、台形、曲線状、「U」形状または三角形の断面を有する。さらに、突出部82の他の形状および大きさも、本書に記載した特定の実施形態と適合する。
特定の実施形態では、少なくとも1つの光子結晶構造20は、共振周波数および共振線形を有する少なくとも1つの光学共鳴を示す単一のPCS70を含む。図3A〜3Cは、PCS70に実質的に垂直な方向で入射する光に関する、シミュレーションされた透過光パワースペクトル(右側に示される)における光学共鳴を示す例としてのPCS70(左側に示される)を概略的に図示する。図3A〜3Cにおいて、光学共鳴は、透過光パワースペクトルにおいて、くぼみとして示されている。図3A〜3Cのシミュレーションされた透過光パワースペクトルの水平軸は、(c/a)の単位であり、ここでcは真空中の光速度、aはPCS70の格子定数(例えば、穴の中心間の間隔)である。図3Aは力が加えられていない状態のPCS70を図示し、図3Bは圧縮力が加えられた状態のPCS70を図示し、図3Cは膨張力または伸長力が加えられた状態のPCS70を図示する。図3Aおよび3Bの比較によって示すように、圧縮力は、より高い周波数に向かって光学共鳴の周波数をシフトさせる。図3Aおよび3Cの比較によって示すように、膨張力は、より低い周波数に向かって光学共鳴の周波数をシフトさせる。
図4は、温度の関数としての例としてのPCS70への実質的に垂直な入射光に関して、測定された共振波長シフトを概略的に図示する。約25℃の温度Tについて、共振波長は約1431ナノメータであり、約450℃の温度Tについて、共振波長は約1434ナノメータであり、約800℃の温度Tについて、共振波長は約1436ナノメータである。PCS70の温度を変化させることによって、形状は熱膨張によって変化し、誘
電率も変化し、それらの両方は共振波長のシフトに寄与する。
図5は、PCS70に加えられた機械的な力の関数として、例としてのPCS70に実質的に垂直に入射する光に関する共振波長シフトを図示する。図5によって図示された測定について、例としてのPCS70の一端は、静止位置に固定して設けられ、PCS70の他端は、4ボルトのピークピーク電圧を使用して、4.7kHzで発振された圧電発振器に設けられた。一定の音響出力について異なる光波長に関して光出力の変化の相対感度は、概ねPCS70の光透過スペクトルの傾斜に従う。
同様のふるまいは、図6で概略的に図示した実験装置において、PCS70に関して観察された。図6で示すように、1cmの長さのPCS70の一端82は、静止位置に固定して設けられ(例えば、エポキシによって)、他端84は、PCS構造の周波数を低減するために使用される可動性片持ち梁の一端に固定して設けられた(例えば、エポキシによって)。片持ち梁に対向し、片持ち梁から約3cm離間されたオーディオスピーカ86を、10Vのピークピーク電圧を使用して、約500Hzで発振した。
図7Aおよび7Bは、本書に記載した特定の実施形態による、単一のPCS70を含む光子結晶構造20を有する例としての音響センサ10を概略的に図示する。PCS70は、第1の端部92が静止位置に固定して設けられ、第2の端部94が可動性膜96に固定して設けられた状態で設けられている。特定の実施形態では、膜96は、筺体30の一部である。光ファイバ50は、PCS70に実質的に垂直な方向の光をPCS70に照射するように位置付けされている。特定の実施形態では、PCS70によって反射された光が、光ファイバ50に再び入り、光センサ(不図示)によって検知され、一方、特定の他の実施形態では、PCS70を透過された光が、光センサ(不図示)によって検知される。特定の実施形態では、膜96に入射する音波40は、PCS70の平面に、(例えば、PCS70を伸長および圧縮することによって)力(例えば、負荷)を引き起こし、それによって、反射スペクトルまたは透過スペクトル、またはその両方によって検知されるように、PCS70の共振周波数および共振線形の少なくとも1つをシフトする。特定の他の実施形態では、PCS70は、膜96に入射する音波40が、PCS70を曲げることによってPCS70で負荷を引き起こすように、膜96に設けられている。そのような特定の実施形態では、共振について測定されたQは、約2500〜3000である。そのような特定の実施形態では、音響センサ10の対応する感度は、約1マイクロパスカル/Hz1/2であり、ダイナミックレンジは、PCS70の降伏強度によって約50デシベルに限定される。例としての実施形態では、PCS70に加えられた約1×10−5の理論負荷は、約1550ナノメータの波長で、透過パワーに10−3の変化をもたらす。
デュアルPCS構造
特定の実施形態では、図8で概略的に図示するように、光子結晶構造20は、第1のPCS100、および第1のPCS100と実質的に平行な第2のPCS102を含む。これらPCS100、102の各々は、単一のPCS構造について、上述するような物理的パラメータ(例えば、厚み、領域の大きさ、材料、周期性、配置)を有することができる。
特定の実施形態では、第1のPCS100と第2のPCS102との間に物理的接触はない。第1のPCS100および第2のPCS102は、入射音波40に応じて、互いに対して変位を受けることができる。特定の実施形態では、光は、PCS100、102に実質的に垂直な方向に、第1のPCS100および第2のPCS102に入射する。特定の実施形態では、図8で概略的に図示するように、光は光ファイバ50によってもたらされ、一方、特定の他の実施形態では、光はPCS100、102を照射する前に平行にされる。
図9は、一対のPCS(例えば、図8に示すように)を含む光子結晶構造20から測定された様々な正規化された透過スペクトルのプロットであり、透過スペクトルは各々、2つのPCS間での異なる手動変位に対応する。図9の測定された透過スペクトルは、互いに近接した2つのPCSおよびミクロンアクチュエータを使用して2つのスラブ間の変位を手動で変えることにより得られる。図9から分かるように、一対のPCSは、光学共鳴を示し、各光学共鳴は、共振周波数および共振線形を有し、共振周波数および共振線形の両方は、2つのPCS間の相対位置の変化に応答する。図9で示すように、一対のPCSの1つの例としての共振は、約1377ナノメータの中心波長で、約50ナノメータのチューニング帯域幅を有する。この共振は十分に鋭いので(例えば、25dBのピークフロア比で約0.5THz)、音響センサシステムで使用される。理論計算を、より鋭い共振を持つPCS構造を設計するために使用して、さらに高い感度を持つ音響センサシステムで使用することができる。
一対のPCSの共振周波数および共振線形は、両方とも、2つのPCS間の垂直の距離の変化および2つのPCSの横相対位置の変化に依存する。2つのPCSは、単一のPCSに類似する光学的ふるまいを示し、相対変位を通じて、光子結晶構造の形状および光学的特性を調整することができる。米国特許公開公報第US2004/0080726A1が、参照することによってその全体が本書に組み込まれ、入射光の周波数および2つのPCS間の変位の関数として、一対のPCSについての透過スペクトルの計算(例えば、時間的な結合モード理論計算および限差分時間領域シミュレーション)を開示している。これらの計算は、図9に示されるふるまいを複製する。
特定の実施形態では、2つのPCSは、互いに近接場で光学的に結合されるように、互いに十分に近づく(本書では、近接場構成と称する)。特定の実施形態では、PCSが、互いに光学的に結合されないが、キャビティ(本書では、ファブリ・ペロー構成と称する)を形成するように、2つのPCSは互いに離間されている。ファブリ・ペロー構成または近接場構成のいずれかにおいて、光学共鳴は、2つのPCS間の変位変化を伴って周波数(または波長)がシフトする。したがって、2つのPCS間の変位量は、所定の周波数(または波長)で、透過パワー(または反射パワー)を測定することによって検知することができる。一般に、近接場構成は、ファブリ・ペロー構成より周波数(または波長)の大きなシフトを発生させ、その結果、近接場構成は、ファブリ・ペロー構成より変位に対して高い感度を有する。
2つのPCSが近接場構成において互いに光学的に結合される特定の実施形態では、光学共鳴は、2つの共振へ分割される。分割量は、特定の実施形態において変位の尺度を提供する2つのPCS間の変位にしたがって変わる。図10A〜10Cは、第1のPCS100および第2のPCS102を含む光子結晶構造20の共振周波数の依存性を概略的に図示する。図10Aでは、単一のPCS70は、単一の光学共鳴モードを有する自身の透過スペクトルとともに概略的に示される。図10Bでは、近接場構成で結合された一対のPCS100、102が概略的に示され、透過スペクトルは、互いに分割された周波数を有する一対の光学共鳴モードを有する。図10Cでは、PCSの一方または両方が、2つのPCS100、102間の距離が減少するように、PCSに実質的に垂直な方向に変位され、それによって、2つのモードの周波数間の分割が増加するように、2つのモードの周波数をシフトする。
2つのPCSが、近接場構成で結合される特定の実施形態では、図11で概略的に図示するように、PCSと実質的に平行な方向に、PCSが互いに対して横方向に変位される場合、さらなる共振が透過スペクトルに現われる。以下により完全に検討するように、これらの共振は、二重PCS構造の鏡面対称を破壊することにより生成され、それは、入射
光を非縮退共振に結合することを可能にする。これらのさらなる共振は、2つのPCS間の垂直変位の関数として、周波数(または波長)がシフトする。これらのさらなる共振は、2つのPCSと平行な横変位の関数として、周波数(または波長)およびそれらの線形(例えば、線幅)もシフトする。特定の実施形態では、2つのPCSを光学的に結合することによって、線幅およびこれらのさらなる共振の周波数は、PCSに垂直でありPCSと平行である2つのPCS間の変位によって、有利に動的に調整することができる。特定の実施形態では、2つのPCS間のサブオングストローム変位(PCSに垂直または平行)は、感度の良好な共振波長で、透過または反射されたパワーの検知可能な変化を導入する。特定の実施形態では、電気的作動は、PCSと概ね平行な方向にPCSをシフトするために使用することができ、共振周波数の使用は、PCSに概ね垂直な方向に、PCS間の音波で引き起こされた変位によりシフトする。そのような特定の実施形態は、音響センサシステムで有利に使用される。
ファイバ適合性
典型的な光共振器またはフィルタの鋭い共振は、光の入射角に対して感度が良好である。典型的には、入射角へのこの感度を回避するために、入射光は、平面波に近似するように平行にされる。光源として光ファイバを使用する場合、光ファイバによって放射された光は、さらなる平行光学系およびさらなるファイバ−ファイバ結合ハードウェアを使用して、現代の光共振器用に典型的に平行にされる、ある角度配置を有する。
対照的に、本書に記載した特定の実施形態は、入射角の範囲にわたって光ビームの入射角に実質的に依存しない1つ以上の共振を有する。そのような特定の実施形態では、光ファイバによって放射された光は、PCSに入射する光の実質的な一部(例えば、50%より多い)が、そのような共振の共振周波数が変化しない入射角の範囲内にあるような角度配置を有する。そのような共振については、共振の線幅も、実質的に入射角に依存しない。そのような角度非感受性は、平行ビーム(例えば、平面波に近似する光による)によって共振が励起される必要がないことを示唆する。
共振が入射角に感度が良好でない特定の実施形態では、光ファイバによって放射された光の様々な角度成分は、すべて、同じ様式でPCS構造によって影響され、したがって、あたかも光が平行にされるかのように、音響センサは、ほぼ同一の様式でふるまう。そのような特定の実施形態では、共振が入射角に対して感度が良好でないので、光ファイバからの光は、光ファイバとPCS構造との間で平行光学系を干渉することなく、直接PCS構造に当たる。そのような特定の実施形態は、複雑な平行または結合成分を使用することを有利に回避し、それによって集積化および実装を単純化し、コストを低減する。
PCS構造のファイバ適合性により、本書に記載した特定の実施形態を、既存の普及しているファイバベースの音響センサシステムに容易に組み込むことが有利に可能となる。加えて、PCS構造の角度非感受性により、ファイバベースの光通信ネットワークに数種のフィルタを組み込むことが有利に促進される。
例としての実施形態では、横電場(TE)偏光光によって照射された窒化ケイ素PCSは、約695ナノメータの波長を持つ共振モードを有する。図12は、様々な入射角でPCSに入射するTE偏光光に対応する測定された透過スペクトルを図示する。図12に示すように、透過スペクトルは、入射角に依存する様々な特徴を有するが、約695ナノメータの共振モードは、TE偏光光の入射角に実質的に感度が良好でない。他の例としての実施形態では、窒化ケイ素PCSは、横磁場(TM)偏光光によって照射され、約770ナノメータの波長を持つ共振モードを示し、この共振は、TM偏光光の入射角に実質的に感度が良好でない。
音響センサ10が、少なくとも1つの光子結晶構造20(例えば図1で概略的に図示するように)に光学的に結合された光ファイバ50をさらに含む特定の実施形態では、光ファイバ50から放射された光は、少なくとも1つの光子結晶構造20に垂直な方向から、約10度以内の入射角の範囲で、少なくとも1つの光子結晶構造20に入射する。そのような特定の実施形態では、光は、光ファイバ50から放射されてから少なくとも1つの光子結晶構造20に達するまで平行にされない。
光学共鳴の調整
PCS内の特定の固有モードは無限の寿命を有し、したがって、垂直入射で外部放射に結合されない。したがって、光子結晶を利用する現代の光共振器システムでは、共振モードと入射波との間の対称ミスマッチにより、垂直入射平面波を持つ特定の共振(本書では非縮退共振と称する)に結合することは、一般に可能でない。この効果は、Pacradouni et al.,“Photonic band structure of dielectric membranes periodically textured in two dimensions,”Phys.Rev.B,vol.62,
page 4204 (2000年)(パクラドウニら、「2次元で周期的に織り目加工された誘電膜の光子バンド構造」、フィジカルレビューB62巻、4204頁(2000年))によって実験的に観察され、Paddon and Young,“Two−dimensional vector−coupled−mode theory for textured planar waveguides,”Phys.Rev.B,vol.61,page 2090(2000)(パドンおよびヤング、「織り目加工された平面導波路に関する2次元ベクトル結合モード理論」、フィジカルレビューB61巻、2090頁(2000年))によって理論的に検討された。グループ理論主張を用いて、Ochiai and Sakoda,“Dispersion relation
and optical transmittance of a hexagonal photonic crystal slab,”Phys.Rev.B,vol.63,page 125107(2001)(オチアイおよびサコダ、「六角形光子結晶スラブの分散関係および光透過率」、フィジカルレビューB63巻,125107頁(2001年))は、これらの共振が外部放射を持つ対称ミスマッチにより結合されないことを示した。
しかし、測定およびグループ理論計算は、鏡面対称を欠くPCSにおいて、これらの非縮退共振に結合されることが可能なことを示す。以下により完全に記載するように、シミュレーションおよび実験結果は、そのような非縮退共振を、PCS構造の鏡面対称を破壊し、格子配列の周期性を破壊または単位セル(例えば、正方形の格子配列の)の鏡面対称を破壊することにより確かに励起できることを示す。さらに、非対称(例えば、PCS構造の穴の非対称な領域の大きさ)の程度を調節することにより、そのような共振の鋭さ(例えば、線幅、線質係数)を制御することが可能である。特定の実施形態では、これらの共振の線質係数は、有限最小から無限に調整できる。源のスペクトルの線幅より鋭い共振は、一般には実際に役に立たず、したがって、特定の実施形態では、調整は、有限最小から有限最大(入射光の線幅によって決定されるように)までなされる。
そのようなPCS構造は、レーザにおいて、モード選択および線幅制御のための用途を有することが予想され、音響センサシステムの感度を有利に向上および制御することにより、音響センサの用途に使用されることとなる。本書に記載した特定の実施形態は、他の係数によって課された限界まで音響センサシステムの感度を有利に向上し、したがって、PCS構造は限定要素ではない。より低い感度が望ましい特定の実施形態では(例えば、ダイナミックレンジを向上する)、PCS構造が、限定要素であるように、音響センサシステムの感度が低くされる。特定の実施形態では、鏡面対称の欠如は、三角形の格子配列または他の格子配列形状を持つPCS構造について、または一般的に任意の種類の光共振
器システムについて実施される。
特定の実施形態では、垂直入射平面波に結合されない対称な構造を持つPCSの非縮退共振は、鏡面対称が欠けているPCS構造で励起される。特定の実施形態では、PCS構造の鏡面対称の1つ以上は、非縮退共振への結合を可能とするために、有利に破壊または除去される。特定の実施形態では、これらの非縮退共振への結合は、非対称の程度を選択することにより有利に制御される。特定の実施形態では、少なくとも1つの光子結晶構造は、対称軸を有し、少なくとも1つの光子結晶構造に垂直に入射する光は、対称軸に実質的に垂直な方向に偏光される。特定の他の実施形態では、垂直入射光は、対称軸と実質的に平行な方向に偏光される。
特定の実施形態では、PCS構造の非対称は、穴の実質的に周期的な配置での非対称によって生成される。図13A〜13Dは、実質的に周期的な配置の少なくとも1つの光子結晶欠陥を有する例としてのPCS構造を概略的に図示する。図13AのPCS構造は、穴の欠損を含む光子結晶欠陥を有し、そのような光子結晶欠陥は、水平軸および鉛直軸に対して鏡面対称を有する。特定の実施形態では、PCS構造は、PCS構造の他の穴と比較して、低減された大きさまたは増大された大きさを持つ少なくとも1つの穴を含む。特定の実施形態では、この低減された大きさまたは増大された大きさの穴は、実質的に周期的な配置の予期される格子位置にあり、一方、他の実施形態では、予期された格子位置から変位されている。特定の他の実施形態では、この低減された大きさまたは増大された大きさの穴は、欠損穴の位置の近くにある。例えば、図13Bは、低減された大きさを有し、欠損穴の位置に隣接する穴を持つPCS構造を概略的に図示する。図13Cは、実質的に周期的な配置の予期された格子位置からわずかにずれるように欠損穴の位置に隣接する穴を示す。図13Dは、それ自体が欠陥の役割をする鏡面対称を欠く穴を示す。特定の他の実施形態では、PCS構造の一部の誘電率は、鏡面対称を破壊するために低減または増大される。例えば、PCS構造の穴の少なくとも1つは、第1の材料または第2の材料の屈折率と異なる屈折率を有する第3の材料を含むことができる。図13B、13Cおよび13Dの光子結晶欠陥は、水平軸に対して鏡面対称を欠く。鏡面対称を破壊する様々な可能性は、図13A〜13Dで概略的に図示するものに限定されないが、本書に記載した実施形態に適合する。図13A〜13Dは、複数の穴を含むPCS構造の点から記載されているが、当業者は、複数の突出部を含むPCS構造が、同様のふるまいを示すであろうことを認識する。
図14Aおよび14Bは、本書に記載した特定の実施形態に適合するPCS構造での鏡面対称の破壊のための例としての実施を概略的に図示する。図14Aで示すPCS構造は、水平軸および鉛直軸の両方に対して鏡面対称を有する。図14Bで示すPCS構造は、水平軸に対して鏡面対称を欠く。
図15は、PCS単位セルの鏡面対称の1つ以上を破壊または除去するいくつかの例としての穴構造を概略的に図示する。図15で概略的に図示する各構造は、水平軸に対して鏡面対称を欠く一方、鉛直軸に対して鏡面対称を有する。図15に概略的に図示した構造に加えて、本書に記載した実施形態に適合する無限数の穴形状がある。
図16Aは、周期的な正方形の格子配置上に円形対称穴152を有するPCSの単位セル150を概略的に図示する。図16Aの破線は、PCSの様々な鏡面対称軸154を示す。図16B〜16Eは、PCSの様々な共振モードと、水平方向(x偏光)で偏光された平面波および鉛直方向(y偏光)で偏光された平面波とのドット積を概略的に図示する。図16Bおよび16Cで概略的に図示したドット積は、0に等しくなく、したがって、これらの2つの共振モードは、入射平面波に結合される。しかし、図16Dおよび16Eで概略的に図示したドット積は、0に等しく、したがって、この共振モードは入射平面波
に結合されず、非縮退共振である。
特定の実施形態では、PCS構造の鏡面対称の1つ以上は、破壊または除去される。そのような特定の実施形態では、PCSの穴の周期的な配列の単位セルの鏡面対称の1つ以上が除去される。図17Aは、周期的な正方形の格子配置上に穴162を有するPCSの例としての単位セル160を概略的に図示し、ここで、各穴162は、穴162の一方の側に小領域163を含む。図17Aの領域163は、一般に、正方形の形状を有し、一方、特定の他の実施形態では、領域163は、他の形状(例えば、三角形、長方形、不規則)を有する。図17Aで示すように、「X」によってマークされた水平破線によって示すように、穴162は、水平軸164に対して鏡面対称を有さないが、穴162は、鉛直軸165に対して鏡面対称を維持する。図16Aの円形対称穴150と比較して、領域163は、単位セル160の鏡面対称の1つを除去し、それによって、非縮退共振の対称を変化させる。図17Bおよび17Cで概略的に図示するように、領域163は、図16Dおよび16Eで概略的に図示する共振モードを非対称共振モードとなるように修正し、これは、偶対称共振モードおよび奇対称共振モードの合計に同一とすることができる。図17Dで概略的に図示するように、この奇対称共振モードとy偏光を持つ入射平面波とのドット積は、非ゼロであり、この奇対称共振モードが、入射平面波に結合できることを示す。したがって、非対称穴162による共振モードの対称の変化は、垂直入射平面波を使用して、非縮退共振への結合を可能にする。
図18Aは、4つの鏡面対称軸154を有する図16Aの円形対称穴152を持つPCS単位セル150を概略的に図示する。図18Bは、PCS構造の2つの二重縮退共振(E(1)およびE(2))、および4つの非縮退共振(A、A、B、B)を概略的に図示し、図18Cは、x偏光(e)、y偏光(e)入射平面波、および対応する電場を概略的に図示する。図18Aの穴152は、PCS70に沿う第1の軸(例えば、σ)およびPCS70に沿う第2の軸(例えば、σ)に対して鏡面対称を有する実質的に対称な形状を有し、第2の軸は、第1の軸に実質的に垂直である。ドット積E(1)・eおよびE(2)・eは、非0であり、図18Bのこれらの二重縮退共振がy偏光入射平面波およびx偏光入射平面波にそれぞれ結合することを示す。ドット積A、A、B、B、A、A、BおよびBは、各々0に等しく、図18Bのこれらの非縮退共振が、x偏光入射平面波またはy偏光入射平面波に結合されていないことを示す。
特定の実施形態では、非縮退共振への結合は、穴の非対称の程度を有利に選択することにより制御することができる。図18Dは、一方の側に領域163を持つ非対称穴162を持つPCS単位セル160を概略的に図示する。非対称穴162は、PCS70に沿って1つの軸に対して鏡面対称を欠く実質的に非対称な形状を有する。例えば、図18Dで示すように、穴162は、水平軸に対して鏡面対称が破壊され、回転対称が破壊され、PCS70に沿って鉛直軸165に対して鏡面対称を有し、鉛直軸165は、水平軸に実質的に垂直である。図18Eは、2つの鏡面対称軸174を維持するように位置付けられた2つの類似の領域173を有する穴172を持つPCS単位セル170を概略的に図示しており、回転対称は破壊されたままである。図18Eに対応するPCS構造は、鋭い非縮退共振の励起の原因は鏡面対称の破壊であることを実証するために使用することができる。以下により完全に記載するように、回転対称のみが破壊されているPCS構造に関して(例えば、楕円の穴に関して)、非縮退共振は、垂直入射平面波に結合されないままである。
図19Aおよび19Bは、穴の伸長に対してそれぞれ垂直および平行な偏光に関して、これらの3つの異なる穴形状についての透過スペクトルの有限差分時間領域シミュレーション(FDTD)を示す。図19Aおよび19Bの透過スペクトルは、円形穴、鏡面非対
称穴、および回転非対称穴を持つPCS構造を通る垂直入射透過に相当する。
シミュレーションは、おおまかに光周波数のSiまたはGaAsの誘電率に相当する12の誘電率についてなされる。PCS厚みは、0.75aに選択され、ここでaは、周期的構造の格子定数である。穴の円形部分の半径は0.4aに選択され、四角形状の領域の幅は、0.025aに選択された。図19Aおよび19Bから分かるように、非縮退共振によるさらなる鋭い特徴(矢印で示す)は、鏡面対称を欠くPCS構造にのみ存在する。これらのさらなる共振の各々は、一方の偏光についてのみ現われ、他方については現われないことにより、これらの共振の非縮退の性質を実証する。
特定の実施形態では、穴の非対称の大きさは、垂直入射平面波に所望量の結合を提供するために選択される。図20Aおよび20Bは、穴の伸長に対してそれぞれ垂直および平行な偏光を持つ入射光用の透過スペクトルのFDTDシミュレーションを示す。これらの共振の線質係数が制御できることを示すために、伸長の大きさは、0.05aに100%増加された。図19Aおよび19Bと図20Aおよび20Bとを比較して示すように、非縮退共振の強度および線幅は、非対称の増加につれて増加した。このふるまいも、増大する非対称を持つPCS構造から測定された。
実際の構造において分析とシミュレーションの結果が観察できることを実証するために、図18A、18Dおよび18Eに概ね対応する3つのPCS構造が、独立しているシリコン膜上に作製された。図21A〜21Cはそれぞれ、円形対称穴、鏡面非対称穴、および回転非対称穴を持つPCS構造の走査電子顕微鏡像である。図21D〜21Fはそれぞれ、円形対称穴、鏡面非対称穴および回転非対称穴の走査電子顕微鏡像である。これらのSEM像を覆う円形ラインは、非対称を生成するPCS構造の小さな穴の伸長を見やすくする。PCSの材料は、シリコンであり、PCSの厚みは約450ナノメータであり、格子配列の周期は約1000ナノメータであり、穴の直径は約450ナノメータであった。
図22Aおよび22Bは、穴の伸長に対してそれぞれ垂直および平行な偏光に関する3つの異なるPCS構造についての透過スペクトルの実験測定値を示す。PCS構造の3つのすべてにおいて、矢印(DDと冠する)で示すように、鋭い二重縮退モードが、両方の偏光について観察される。矢印によって示されていないより広い二重縮退共振も存在する。図22Aで示すように、鏡面非対称PCS構造(図21Bおよび図21Eに対応する)についてのさらなる比較的鋭い共振があり、この共振は、1つの偏光(穴の伸長に垂直)についてのみ存在し、非縮退(NDと冠する)を示す。対称なPCS構造(図21Aおよび図21Dに対応する)の場合にさえ、2つの偏光についての透過スペクトルに小さな差がある。この小さな差は、電子ビーム露光およびPCS構造を形成するために用いられる後続の作製工程による1方向の格子配列の小さな伸長による。しかし、この状況は、非縮退共振の観察にとって不可欠ではない。
図22Aおよび22Bに示した測定された鋭い共振は、作製に関連する障害による共振の悪化によって理想化計算が変化するほどに(1つの線幅の範囲において0〜100%透過の間で変化する)大きな透過範囲にわたって変化しない。本書に記載した測定値は、100ミクロン×100ミクロンの大きさの比較的大きな格子配列に関し、ここで、障害の影響は、鋭い共振について重要な役割を果たし得る。有限なスポットの大きさを持つ入射光の角度成分は、鋭い共振を悪化させ得る他の影響である。レーザ用のものなどの単一の欠陥キャビティについて、非縮退共振は、はるかにより支配的になり得る(例えば、それらは0〜100%で変化し得る)。
鏡面非対称のPCS構造(図21Bおよび図21Eに対応する)でのみ非縮退共振が現われることを図示するために、図23は、より大きな波長範囲上で、図22Aの垂直偏光
の場合についての透過スペクトルを図示する。これらの共振の非縮退の性質は、それらの固有に高い線質係数がリソグラフィー的に制御できる単純な形状的パラメータによって調整できるという事実と併せて、レーザにおいてモード選択および線幅制御のための音響検出システムおよび装置を含む多様な用途を可能にする。そのような構造は、センサ用途において、非常に鋭いフィルタとしても使用される。
音響センサシステム
図24は、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての音響センサシステム200を概略的に図示する。特定の実施形態では、音響センサシステム200は、共振周波数および共振線形を持つ少なくとも1つの光学共鳴を有する少なくとも1つの光子結晶構造20を含む。音響センサシステム200は、少なくとも1つの光子結晶構造20を実質的に包囲し、少なくとも1つの光子結晶構造20に機械的に結合された筺体30をさらに含む。少なくとも1つの光子結晶構造20の共振周波数および共振線形の少なくとも1つは、筺体30に入射する音波40に応答する。図24で図示するように、特定の実施形態では、音響センサシステム200は、少なくとも1つの光子結晶構造20に光学的に結合された光ファイバ50をさらに含む。
特定の実施形態では、音響センサシステム200は、液体(例えば、海水)または他の媒体における動作と適合する。図24で概略的に図示するように、音波40は、音響センサシステム200に衝突し、音響センサシステム200によって検知される。
図24で概略的に図示する実施形態では、少なくとも1つの光子結晶構造20は、互いに光学的に結合され、互いに近接する2つのPCS70a、70bを含む(本書では二重PCS構造と称する)。特定の実施形態では、2つのPCS70a、70bは、互いに実質的に平行である。特定の実施形態では、2つのPCS70a、70bは、近接場構成で互いに光学的に結合される。特定の他の実施形態では、2つのPCS70a、70bは、近接場構成で光学的に結合されるのではなく、単純なファブリ・ペローキャビティ(つまり、ファブリ・ペロー構成)を形成するように、さらに離間される。特定の実施形態では、2つのPCS70a、70b間の鉛直距離が変えられる場合、光子結晶構造20の共振は、周波数(および対応する波長)が変化する。本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての光子結晶構造20は、“Displacement−sensitive photonic crystal structures based on guided resonance in photonic crystal slabs,” W.Suh et al.,Appl.Phys.Lett.vol.82,No.13,pages 1999−2001(1999)(「光子結晶スラブ中のガイドされた共振に基づく変位に敏感な光子結晶構造」、W.ズールら、アプライドフィジックスレター82巻、No.13、1999〜2001頁(1999年))および米国特許公開公報第US2004/0080726A1号に記載されており、参照することによってその全体を本書に組み込むものとする。
特定の実施形態では、PCS70a、70bは、少なくとも1つの光子結晶構造20に加えられる力に応じて、互いに対して移動(例えば、可動PCS70bは、非可動PCS70aに対して移動する)を経験する。図24で概略的に図示する実施形態では、光子結晶構造20のPCS70a、70bは、光ファイバ50のファイバコア52から放射された光によって照射される。PCS70a、70bが互いに対して鉛直方向に移動する場合、光子結晶構造20によって支持される鋭い光学共鳴の周波数(および対応する波長)は、個々のPCS70a、70bのガイドされた共振間の変化された光学結合よりシフトする。このシフトは、光子結晶構造20から反射またはこれを透過した光の強度または位相の変化をもたらし、2つのPCS70a、70b間の相対変位を測定するために観測可能な量を提供する。
特定の実施形態では、筺体30は、1つ以上の支持体212および可動部220を含む構造210を含む。筺体30は、光ファイバ50に結合されるように構成されたカプラ230をさらに含む。可動部220は、1つ以上の支持体212によってカプラ230に機械的に結合されている。特定の実施形態の光ファイバ50は、カプラ230の開口を貫通し、ファイバコア52は、光子結晶構造20に近接して、これに光学的に結合されている。
構造210、可動部220および支持体212の例としての材料は、結晶シリコン、ポリシリコン、シリカ、窒化ケイ素、セラミックス、プラスチック、アモルファスダイヤモンド、ゲルマニウム、リン化インジウム、ヒ化ガリウム、金属、および金属合金が挙げられるが、それらに限定されない。カプラ230の例としての材料は、結晶シリコン、パイレックス(登録商標)ガラス、クオーツ、ポリシリコン、シリカ、窒化ケイ素、セラミックス、プラスチック、アモルファスダイヤモンド、ゲルマニウム、リン化インジウム、ヒ化ガリウム、金属および金属合金が挙げられるが、それらに限定されない。
特定の実施形態では、カプラ230は、光ファイバ50が、光を放射して光子結晶構造20を照射する、光学的透過部232(例えば、穴、窓、光学的透過膜)を含む。光学的透過部232は、ファイバコア52によって放射された光が、光子結晶構造20を照射することを可能にし、光子結晶構造20によって反射された光が、ファイバコア52によって受光されることを可能にする。
可動部220は、可動部220に入射する音波40の圧力調整に応じて移動するように構成されている(例えば、図24で双頭の矢印によって示すように)。図24で概略的に図示する実施形態では、一方のPCS70a(例えば、光ファイバ50に近いほうのPCS)は、概ね静止しており、他方のPCS70b(例えば、光ファイバ50から遠いほうのPCS)が、構造210の可動部220に取り付けられている。特定の他の実施形態では、PCS70bが概ね静止しており、PCS70aが可動部220に取り付けられている。
特定の実施形態では、PCS70bの移動は、PCS70aに実質的に垂直な方向に成分を有し、ここで移動はPCS70a、70b間の距離を変化させる。図24で概略的に図示する実施形態では、構造210に取り付けられたPCS70bは、同時に、入射音波40に応じて移動することとなり、その結果、音波40は、2つのPCS70a、70b間の距離を調整する。このように、反射率(例えば、反射光のパワー)および/または光子結晶構造20の透過率(例えば、透過光のパワー)は、入射音波40によって調整される。光子結晶構造20から反射された光信号は、光ファイバ50に透過し戻され、反射された信号パワーを測定する検知器(不図示)に向けられる。特定の実施形態では、反射光の位相は、反射光のパワーの代わりに測定される。特定の実施形態では、PCS70bの移動は、PCS70aと実質的に平行な方向に成分を有する。
特定の実施形態では、光子結晶構造20の感度(例えば、入射音圧の単位当たりの検知された反射パワーの変化)は、二重PCS光子結晶構造20の共振周波数(または波長)の1つからわずかにオフセットされた周波数(または波長)を有する信号を利用することにより有利に増加される。極めて高い感度を利用する特定の実施形態では、PCS70a、70bは、例えば、本書に記載するようにPCS70a、70bの少なくとも1つの鏡面対称を破壊することによって、極めて鋭い共振を有するように設計される。
特定の実施形態では、音響センサ構造200の機械的特性(例えば、機械的共振周波数、ばね定数)は、構造210の可動部220および1つ以上の支持体212の両方に依存
する。特定の実施形態では、可動部220は、音波40によって可動部220の変位に応じて復元力を付与することにより、機械的ばねとして機能を果たす。特定の他の実施形態では、支持体212は、音波40による可動部220の変位に応じて復元力を付与することにより、機械的ばねとして機能を果たす。構造210または支持体212のための他のばね設計を利用する他の実施形態も、本書に記載した実施形態と適合する。
特定の実施形態では、音響センサシステム200は、それが動作する媒体(例えば、海水)における静水圧変化に感度が良好でない。例として、特定の実施形態の音響センサシステム200は、海水の表面に、または海水表面下数フィートで動作可能である。特定の実施形態では、筺体30は、筺体30内の内部領域250と筺体30の外側の外部領域260との間で、少なくとも1つの圧力水路240を含む。特定の実施形態では、少なくとも1つの圧力水路240は、筺体30の可動部220を含む。そのような特定の実施形態では、可動部220は、圧力差を除くために移動することにより、内部領域250と外部領域260との間の圧力差に応答する弾性膜を含む。特定の実施形態では、支持体210は、可動部220に復元力を付与し、可動部220を移動させることにより、可動部にわたる圧力差に応答して圧力差を低減する。特定の実施形態の少なくとも1つの圧力水路240は、内部領域250と外部領域260との間の静水圧を均一にするローパス・フィルタとして機能を果たす。
特定の実施形態では、少なくとも1つの圧力水路240は、筺体30を貫く穴を含み、この穴は、内部領域250を外部領域260と流体的に結合する。そのような特定の実施形態では、内部領域250は、外部領域260を満たすのと同一の音波40の媒体(例えば、海水)で満たされており、媒体は自由に内部領域250と外部領域260との間を流れる。特定の実施形態では、少なくとも1つの圧力水路240は、筺体30を貫く穴と、少なくとも1つの圧力水路240を密閉して外部領域260から内部領域250を流体的に隔離する弾性膜とを含む。特定の実施形態の膜は、圧力差を低減するために移動することにより、内部領域250と外部領域260との間の圧力差に反応し、それによって、媒体(例えば、海水)が、音響センサシステム200に入らないようにしながら、音響センサシステム200の内外の圧力を均一にするローパス・フィルタの役割をなお果たす。腐食性であり汚くなり得る媒体(例えば、海水)に光子結晶構造20または音響センサシステム200の他の内部構成要素を露出しないことが望ましいような特定の実施形態では、膜は有利に、音波40の媒体が、筺体30内の内部領域250に入らないようにする。膜の例としての材料は、窒化ケイ素またはゴムが挙げられるが、それらに限定されない。
特定の実施形態では、音響センサシステム200は、より良好な性能および信頼性のために他の構造構成要素を含む。これらの他の構造構成要素は、音響センサシステム200の動作にとって重要ではない。特定の実施形態では、音響センサシステム200は、音響センサシステム200に入射する大きな振幅の圧力波に応じて、2つのPCS70a、70b間の接触を回避するように位置付けられた1つ以上のスペーサ270を含み、それによって、有利に2つのPCS70a、70b間の静止摩擦力を回避する。特定の実施形態のスペーサ270は、2つのPCS70a、70b間の最小の離間を画成する安全構造として機能を果たし、それによって、2つのPCS70a、70bが、互いに接触およびくっつくことを防ぐ。スペーサ270の例としての材料は、結晶シリコン、ポリシリコン、窒化ケイ素、酸化ケイ素、アモルファスダイヤモンド、セラミックス、プラスチック、ゲルマニウム、リン化インジウム、ヒ化ガリウム、金属および金属合金が挙げられるが、それらに限定されない。特定の実施形態では、アモルファスダイヤモンドは疎水性なので使用され、2つのPCS70a、70bのくっつきの予防を促進する。
PCS70a、70bを囲む媒体上の光子結晶構造20の光学的特性の感度により、特定の実施形態では、音響センサシステム200が置かれた媒体(例えば、水)は、音響セ
ンサシステム200内の領域280から有利に遮られる。そのような特定の実施形態では、光子結晶構造20のPCS70a、70bは、気体(例えば、空気)内で動作する。特定の実施形態では、筺体30は、液体を含み、かつ少なくとも1つの光子結晶構造20の外側にある領域(例えば、内部領域250)を画成し、少なくとも1つの光子結晶構造20を含み、かつ実質的に液体がない領域280を画成する。液体は、スペーサ270下の開口を通って領域280に侵入することができてもよいが、特定の実施形態では、領域280内の気体の圧力およびスペーサ270下の開口の小さな大きさは共に、ともすれば音響センサシステム200の動作を悪化させ得る領域280への液体の侵入を防ぐために有利に選択される。特定の実施形態では、領域280から液体を妨げるように構成された疎水性表面を光子結晶構造20の少なくとも一部に設けることにより、領域280からの液体の排除をさらに有利に向上させる。
図25は、第2の筺体310を含む例としての音響センサシステム200を概略的に図示する。特定の実施形態の第2の筺体310は、筺体30に機械的に結合され、脱イオン水、イソプロパノールまたは空気を含むがこれらに限定されない非腐食液または気体を含む。そのような特定の実施形態は、音波40が測定されている媒体(例えば、海水)からの腐食や他の損傷から音響センサシステム200の様々な構成要素を有利に保護する。
特定の実施形態では、第2の筺体310は、入射音波40による圧力調整が、第2の筺体310内の媒体(例えば、気体または液体)にトランスレートされるように、第2の筺体310内外の圧力を均一にするのに十分なほどに弾性である。そのような特定の実施形態では、第2の筺体310は、バルーンを含む。特定の他の実施形態では、第2の筺体310は、固定部および弾性膜を含む。
図26は、第2の筺体310内の光子結晶構造20を保護する第2の筺体310を有する他の例としての音響センサシステム200を概略的に図示する。特定の実施形態では、光子結晶構造20は、内部領域250および外部領域260内に清浄で、非腐食性で、損傷を与えない液体または気体を持つ、第2の筺体310内に密閉される。そのような特定の実施形態では、光子結晶構造20の可動性PCS70bは、筺体30の可動部220の上に直に存在する。
図27は、単一のPCS70を含む光子結晶構造20を含む例としての音響センサシステム200を概略的に図示する。音響センサシステム200は、光ファイバ50によって放射された光を少なくとも部分的に透過し、少なくとも部分的に反射する金属層320を含む。特定の実施形態では、金属層320は、光ファイバ50の端部上の金属被覆である。特定の実施形態では、PCS70および金属層320は、金属層320に対するPCS70の変位に感度の良好なファブリ・ペロー干渉キャビティを形成する。特定の実施形態では、金属層320は、光ファイバ50上の薄い付着層(例えば、約4ナノメータの厚みを持つクロム層またはチタン層)、および付着層上の約5ナノメータ〜約50ナノメータの範囲の厚みを有する金または銀の層を含む。特定の他の実施形態では、金属層320は、光ファイバ50上の、約5ナノメータ〜約50ナノメータの範囲の厚みを有するアルミニウム層を含む。特定の他の実施形態では、他の金属および金属合金を使用することができる。特定の実施形態では、金属層320を利用することで、装置の作製工程が簡単になる。
図28は、単一のPCS70を含む光子結晶構造20を含む例としての音響センサシステム200を概略的に図示する。音響センサシステム200は、光ファイバ50の端部またはその近傍にブラッグ格子をさらに含む。特定の実施形態では、ブラッグ格子は、光ファイバ50の端部またはその近傍に置かれ、数マイクロメートルの厚みである回折格子を含む。特定の他の実施形態では、図28で概略的に図示するように、ブラッグ格子は、光
ファイバ50の一部であるファイバブラッグ回折格子330を含む。ファイバブラッグ回折格子330は、光ファイバ50によって放射された光を少なくとも部分的に透過し、少なくとも部分的に反射する。特定の実施形態では、PCS70およびファイバブラッグ回折格子330は、ファイバブラッグ回折格子330に対するPCS70の変位に感度の良好なファブリ・ペロー干渉キャビティを形成する。典型的には、ファイバブラッグ回折格子は、数百ナノメータのピッチおよび数百マイクロメートルから数ミリメートルに及ぶ全長を有する。特定の実施形態のファイバブラッグ回折格子は、ピコメータから数ナノメータまで及ぶ波長帯域幅で、数パーセントからほとんど100%までの反射率をもたらす。以下に、単一のPCS70およびファイバブラッグ回折格子330のそのような組み合わせの光学的特性を、より完全に記載する。本書に記載した特定の実施形態に適合するファイバブラッグ回折格子330は市販されており、そのようなファイバブラッグ回折格子を使用することによって、音響センサシステム200の作製を簡易化することができる。
図29は、光ファイバ50の一端に結合された音響センサシステム200の例としての構成の斜視図を概略的に図示する。音響センサシステム200は、可動部220および圧力水路240(例えば、穴)を持つ構造210およびカプラ230を有する筺体30を含む。音響センサシステムおよび光ファイバの他の構成も、本書に記載した実施形態と適合する。
本書に記載した音響センサシステム200の特定の実施形態は、標準のファイバに基づくセンサシステムに対して様々な利点をもたらす。特定の実施形態では、音響センサシステム200は、MEMS作製技術によってもたらされる可撓性により、より高い周波数動作を有利に達成する。そのような特定の実施形態では、音響センサシステム200は、10kHzより高い周波数という、現代の音響ファイバセンサシステムでは得難い範囲で動作するように設計されており、特定の実施形態では、約50kHzまでの周波数で動作することができる。特定の実施形態では、本書に記載したPCSに基づく音響センサシステムは、現代の音響ファイバセンサシステムよりも高い周波数で有利により感度が良い。特定の実施形態では、音響センサシステム200は、高感度(例えば、30マイクロパスカル/Hz1/2未満に感度が良い)を有利にもたらす。特定の実施形態では、音響センサシステム200は、リソグラフィー技術(以下により完全に記載するように)を使用して、基板(例えば、チップ)上に作製できる光子結晶構造20を含み、それによって、大量生産と低コストを促進し、ファイバに適合できる。特定の実施形態では、音響センサシステム200を作製するMEMS作製技術の利用は、大きさが小さく、軽量でコンパクトな音響センサシステムを有利にもたらす。特定の実施形態では、本書に記載したPCSに基づく音響センサシステムのコンパクト化によって、有利にそれらの展開が促進される。特定の実施形態では、本書に記載したPCSに基づく音響センサシステムは、入射光の偏光に感度が良好でないように有利に設計することができ、それによって、偏光で引き起こされた信号フェージングの補償の必要性が取り除かれる。
作製
特定の実施形態では、音響センサシステム200の様々な構成要素を形成するために、表面マイクロマシニング技術およびバルクマイクロマシニング技術を、作製工程フローで使用する。本書に記載した実施形態に適合するリソグラフィー技術としては、光リソグラフィー、電子線リソグラフィー、ナノインプリンティング技術、および微小電気機械システム(MEMS)作製と概ね適合する他の技術が挙げられるが、それらに限定されない。本書に記載した実施形態に適合する表面マイクロマシニング技術としては、膜堆積、ドライエッチング、ウェットエッチング、エピタキシャル成長、ウエハボンディング、および犠牲放出が挙げられるが、それらに限定されない。本書に記載した実施形態に適合するバルクマイクロマシニング技術としては、異方性または等方性の大規模反応性イオンエッチング、KOH(水酸化カリウム)またはTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を
使用する異方性ウェットエッチング、および等方性ウェットエッチングが挙げられるが、それらに限定されない。
図30A〜30Qは、音響センサシステム200の構成要素について、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての作製工程フローを概略的に図示する。異なる工程ステップ、工程ステップ数および/または工程ステップの順序を持つ他の多くの作製工程フローも、本書に記載した特定の実施形態に適合し、どの工程フローを使用するべきかの選択は、典型的には、使用のために利用可能な設備のタイプに依存する。図30Aで概略的に図示するように、作製のための出発材料は、(100)結晶方向および約500ミクロンの厚みを持つ基板510、約1ミクロンの厚みを有する基板510上の酸化層520、および約10ミクロンの厚みを持つ酸化膜510上のシリコン層530を有するシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウエハ500である。ウエハ500のための他の材料も、本書に記載した特定の実施形態と適合する。
図30Bで概略的に図示するように、SOIウエハ500を酸化して、シリコン層530上に厚みが約1ミクロンの酸化層540を形成する。図30Cで概略的に図示するように、シリコン層530まで酸化層540をエッチングして(例えば、第1のマスクを使用することによって)、互いから酸化層540の様々な部分を隔離することによって、酸化層540をパターン化する。図30Dで概略的に図示するように、酸化層540の一部を、さらに約500ナノメータほどエッチングする(例えば、第2のマスクの使用によって)。
図30Eで概略的に図示するように、シリコン層520を、酸化膜510までエッチングする。図30Fで概略的に図示するように、酸化膜530を約500ナノメータエッチングし、それによって、酸化層540の一部を取り除く。図30Gで概略的に図示するように、シリコン層530の一部を約5ミクロンエッチングする。図30Hで概略的に図示するように、酸化層540を取り除く。
図30Iで概略的に図示するように、少なくとも一方の面上に酸化層610を有するシリコンウエハ600を、酸化層610をシリコン層530に接触させた状態で、SOIウエハ500に接合する。特定の実施形態では、酸化層610の厚みは約10ミクロンである。特定の実施形態では、シリコン層530に接触していないシリコンウエハ600の面を研ぐか磨いて、酸化層610の頂部に約10ミクロンの厚みを有するシリコン層620を生成する。
図30Jで概略的に図示するように、シリコン層620をパターン化して位置合わせマークを可視化し、MEMS構造を形成する。特定の実施形態では、このパターニングは、第3のマスクを使用するステップと、酸化層610までシリコン層620をエッチングするステップとを含む。
図30Kで概略的に図示するように、シリコン層620上に酸化層630を形成し(例えば、第4のマスクを使用して堆積され、パターン化され、フッ化水素でエッチングして)、酸化層632をシリコン層510上に形成する。特定の実施形態では、酸化層630および酸化層632の各々の厚みは、約2ミクロンである。図30Lで概略的に図示するように、他の酸化層640を、酸化層630およびシリコン層620の露出部上に形成し、他の酸化層642を酸化層632上に形成する。特定の実施形態では、酸化層640および酸化層642の各々の厚みは、約2ミクロンである。
図30Mで概略的に図示するように、酸化層642、酸化層632およびシリコン層510を貫いてアパチャ650をエッチングし、酸化層520で止まることによって、SO
Iウエハ500をパターン化する(例えば、第5のマスクを使用して)。図30Nで概略的に図示するように、酸化層520の一部をエッチングで取り去り、シリコン層530で止まることによって、アパチャを拡張し、酸化層640をエッチングで取り去る。特定の実施形態では、酸化層642、酸化層632、シリコン層532、酸化層520および酸化層640のエッチングを、同じエッチングステップの間に行う。特定の実施形態では、得られた構造を個々のチップに分離し、後続の工程ステップをチップの規模で行う。
図30Oで概略的に図示するように、アパチャ650を貫いてシリコン層530の一部の制御されたエッチングを行い(例えば、アパチャ650は、シリコン層530を自己整合しマスクする)、酸化層630の一部を貫いてシリコン層620の一部の制御されたエッチングを行う。特定の実施形態では、シリコン層530の残りの部分660の厚みは、約450ナノメータであり、シリコン層620の残りの部分670の厚みは、約450ナノメータである。これらの残りの部分660、670は、音響センサシステム200の光子結晶スラブ70a、70bのためのシリコン基板として機能を果たす。特定の実施形態では、酸化層632を取り除く。
図30Pで概略的に図示するように、光子結晶構造20の格子をパターニングによって形成して(例えば、PMMAコーティング、電子ビーム露光、エッチングおよびレジスト除去によって)、2つの光子結晶スラブ70a、70bを形成し、図30Qで概略的に図示するように、酸化層610を除去する。特定の実施形態では、2つのPCS70a、70bを、同じ形状的パラメータで自己整合させる。特定の実施形態では、シリコン層530由来の部分670の真下の酸化層610による有害な応力の影響を回避するために、フッ化水素酸を使用して、格子をパターン化する前に、膜の部分から酸化層610を除去することができる。格子を画成するために、Raith150電子線リソグラフィーツールを使用することができる。特定の実施形態では、膜上に光子結晶格子を転写するための主要なマスキング材料は、496,000の相対分子質量のポリメチルメタクリレート(PMMA)の単一層であり、高解像度で高電流ポジ・レジストである。露出したパターンをメチルイソブチルケトンおよびイソプロピルアルコールの1:2溶液中で現像し、次いで、SFとCHClFのプラズマを使用して、プラズマエッチャーで異方性エッチングして、90°近いサイドウォールをもたらす。単一のマスキング材料は、複製可能で、良好に分解される構造をもたらす。特定の実施形態では、個々の光子結晶スラブ70a、70bの大きさは、約100ミクロン×100ミクロンである。同様の作製方法を、窒化ケイ素やシリコン酸化物などの他の材料に適合させることができる。
特定の実施形態では、100ミクロン×100ミクロンの独立のシリコンPCS70a、70bを作成するために、異方性エッチングを使用して厚みが500ミクロンの基板510を貫くエッチングを行い、幅が808ミクロンの正方形アパチャ650を、SOIウエハ500の背部に形成する。表面張力を低減するために、1%のイソプロピルアルコールを含む水中に30%KOHの異方性腐食液を使用することで、滑らかにエッチングされた表面を持つ良好に画成された構造を達成することができる。
ダイヤフラムの力学の分析
音響センサシステム200の可動部220および弾性部(例えば、第2の筺体310)の力学は、本書に記載した様々な実施形態の性能に影響する。これらの力学を、音響センサシステム200の様々な構成について以下に分析する。以下の計算は、本書に記載した様々な実施形態の動作について幾分の洞察をもたらすが、限定を意図しない。
A.ダイヤフラムの自由振動
厚みh、密度ρを持つ伸張されたダイヤフラムの横方向変位uについての運動の式を以下のように表すことができる。
Figure 2008541513
例えば、I.Ladabaum et al.,“Surface micromachined capacitive ultrasonic transducers,”Ultrasonics,Ferroelectrics and Frequency
Control,IEEE Transactions,vol.45,issue 3,pages 678−690(May 1998)(I.ラダバウムら、「表面マイクロマシニングされた容量性超音波振動子」、フェロエレクトリックスアンドフリクエンシーコントロール、IEEEトランザクション45巻3号、678〜690頁(1998年5月);M.Yu,“Fiber−Optic Sensor Systems for Acoustic Measurements,”Ph.D.Dissertation,University of Maryland,College Park,MD.(M.ユー、「音響測定のための光ファイバセンサシステム」、博士論文、メリーランド大学、カレッジパーク、メリーランド)参照。ここでσは残留応力、Dは以下のように定義された曲げ剛性である。
Figure 2008541513
ここで、Eはヤング率で、vはポアソン比である。式(1)は、少量の横方向変位にのみ適用可能であることに注目すべきである。偏差が大きい場合、式は非線形になる。
半径aを持つ固定円形ダイヤフラムについて、解u(r,θ,t)=u(r,θ)eJωtを仮定すると、式(1)は、以下のようになる。
Figure 2008541513
それは、以下の式の解を有する。
Figure 2008541513
ここでJ()は、第1の種類の次数mのベッセル関数であり、I()は、第1の種類の次数mの変形ベッセル関数である。
Figure 2008541513
境界条件は、u(a,θ)=0および−∂/∂r u(a,θ)=0である。これらの条
件は、次の固有値方程式になる。
Figure 2008541513
それは、式(5)とともに解くことができ、以下のようにまとめることができる。
Figure 2008541513
ここで、κは、κ=α√hσ/Dとして定義された有用な「テンションパラメータ」である。
各m=0,1,2・・・の式(6)および(7)の解は、αmnとβmnとして表わすことができ、ここで、n=1,2,3・・・は、n次平方根を表す。境界条件は、次のような固有モードを与える。
Figure 2008541513
ここで、モードの固有振動数は、次のような式(5)によって求められる。
Figure 2008541513
B.ダイヤフラムの強制発振
強制され減衰されたダイヤフラムについて、運動方程式は、以下のようになる。
Figure 2008541513
ここで、bは減衰係数、Pはダイヤフラム表面に印加された圧力である。λacoustic>>aである小型マイクロホンの場合、圧力波は平面波になることとなり、したがって、P(r,θ,t)=P(t)=Pjωtである。
自由振動の問題との類似点により、本願発明者らは、以下の式の解を期待する。
Figure 2008541513
ここで、umnは、自由振動の問題からのモードであり、Amnは、モード関与因子である。式(10)に式(11)を代入すると、以下がもたらされる。
Figure 2008541513
左辺の第2項は、式(3)から与えられる。したがって、式(12)は、以下にようになる。
Figure 2008541513
この式を解くために、固有モードの直交性を利用することができ、それは、以下のようである。
Figure 2008541513
直交性を使用して、式(13)の左辺は、以下のようになる。
Figure 2008541513
一方、右辺は、以下のようになる。
Figure 2008541513
したがって、
Figure 2008541513
入射圧力波は、単に、m=0でラジアルノードのみ(ポーラノードはない)を有するモードに結合される。したがって、指数mを落とすことができ、その結果、指数nのみを使用する。
この場合、固有値方程式(6)は、以下に変形する。
Figure 2008541513
また、式(8)の固有モードは、以下のようになる。
Figure 2008541513
その結果、モード関与因子Aについての式は、以下のようになる。
Figure 2008541513
ここで、Q=hρω/bは、n次モードの線質係数であり、定数Uは、以下である。
Figure 2008541513
式A(t)=Aj(ωt+φn)の解を仮定すると、式(17)は、以下を与える。
Figure 2008541513
したがって、本願発明者らは、次のような変位を得る。
Figure 2008541513
これは、任意の周波数に対する一般解である。低周波について、その結果、ω<<ωである。
Figure 2008541513
これは、共振より下の周波数で、圧力平面波によって振動される伸張されたダイヤフラムの横方向変位についての一般解である。
C.膜と板の特別な場合についての解
異なる2つの種類の構造は、窒化ケイ素および結晶シリコンからなるダイヤフラムであり、興味深い。これらの2つの材料の機械的特性により、以下に検討するように、ダイヤフラムの解は、閉形式を有する。
C.1 膜の解
膜は、残留応力が支配的な、例えば、κ→∞のダイヤフラムである。膜構造は、κ>20について良好な近似であり、通常、高い残留応力を有する窒化ケイ素ダイヤフラムの場合である。この場合、β→κ/a→∞なので、固有値方程式(15)は、単に、J(αa)=0になる。表記を簡単にするために、(αa=Z)であり、ここで、ZはJ(x)のn次ゼロを示す。
また、式(16)の固有モードは、u(r)=CJ(zr/a)になり、その結果、以下のようになる。
Figure 2008541513
一方、式(9)の固有振動数は、以下のようになる。
Figure 2008541513
式(20)の一般解でこれらを使用すると以下のようになる。
Figure 2008541513
この式の閉形式を求めるために、2つの異なる減衰条件b=0およびb→∞が検討される。
C.1.a 膜の解−無視できる減衰の場合
b=0については、式(21)の変位は以下のようになる。
Figure 2008541513
それは、フーリエ−ベッセル級数と認めることができる。間隔x=(0、1)の関数は、以下のようなフーリエ−ベッセル級数で展開することができる。
Figure 2008541513
ここで、係数Cは以下のように与えられる。
Figure 2008541513
積分を検討すると、
Figure 2008541513
閉形式で無視できる減衰のための変位は、以下のように表すことができる。
Figure 2008541513
この解も、他の報告と一致している。例えば、W.P.Eaton et al.,“A
new analytical solution for diaphragm deflection and its application to a surface micromachined pressure sensor,”Int‘l Conf.on Modeling and Simulation of Microsystems,1999(W.P.イートンら、「ダイヤフラム偏差に関する新しい解析解および表面マイクロマシニングされた圧力センサへの適用」、マイクロシステムのモデリングおよびシミュレーションに関する国際会議、1999年)参照。式(22)が、r=(0,a)の全体の範囲に適用可能な正確な解であることに注意されたい。
C.1.b 膜の解−強い減衰の場合
b→∞については、式(21)の変位は、以下のようになる。
Figure 2008541513
積分を検討すると、
Figure 2008541513
閉形式で強い減衰のための変位は、以下のように表すことができる。
Figure 2008541513
したがって、減衰が非常に強い場合、膜は顕著に曲がることなく、全体として移動する傾向がある。
C.2 板の解
板は、曲げ剛性が支配的なダイヤフラムであり、例えば、κ=0である。板構造は、κ<2について良好な近似であり、通常、非常に低い残留応力を有する結晶シリコンダイヤフラムについての場合である。
この場合、β=αであるので、固有値方程式(15)は、以下のようになる。
Figure 2008541513
Figure 2008541513
Figure 2008541513
他方、式(9)の固有振動数は、以下のようになる。
Figure 2008541513
式(20)の一般解でこれらを使用すると、以下のようになる。
Figure 2008541513
この式の閉形式を求めるために、b=0およびb→∞という2つの異なる減衰条件が検討される。
C.2.a 板の解−無視できる減衰の場合
b=0については、式(24)の変位は、以下のようになる。
Figure 2008541513
Figure 2008541513
この直交性を使用すると、間隔x=(0,1)の関数は、以下のように展開することができる。
Figure 2008541513
ここで、この場合、係数Cが以下のように与えられる。
Figure 2008541513
計算は以下を示す。
Figure 2008541513
したがって、閉形式で無視できる減衰についての変位は、以下のように表すことができる。
Figure 2008541513
これは、r=(0,a)の全範囲に適用可能な正確な解であることに注目されたい。また、この解は他の報告と一致している。例えば、W.P.Eaton et al.,“A
new analytical solution for diaphragm deflection and its application to a surface micromachined pressure sensor,”Int‘l Conf.on Modeling and Simulation of Microsystems,1999(W.P.イートンら、「ダイヤフラム偏差に関する新しい解析解および表面マイクロマシニングされた圧力センサへの適用」、マイクロシステムのモデリングおよびシミュレーションに関する国際会議、1999年)参照。r=0からr=aまでの減衰は、より迅速に膜の場合と比較されることが注目される。
C.2.b 板の解−強い減衰の場合
b→∞については、式(21)の変位は、以下のようになる。
Figure 2008541513
計算は以下を示す。
Figure 2008541513
したがって、閉形式で強い減衰についての変位は、以下のように表すことができる。
Figure 2008541513
したがって、膜の場合のように、減衰が非常に強い場合、板は顕著に曲がることなく、全体として移動する傾向がある。
D.周囲媒体の機械インピーダンスの影響
機械インピーダンスの計算は、周囲媒体(空気や水など)および減衰が、ダイヤフラムの変位にどのように影響するかの理解を促進できる。機械インピーダンスZは、圧力対速度、すなわち、Z=P/υの比率として定義される。ここで検討する場合、υ(r)=jωu(r)である。ダイヤフラムのインピーダンスを計算するために、集中速度を使用する。
Figure 2008541513
その結果、
Figure 2008541513
その結果、式(22)を使用して、膜によって近似できるダイヤフラムのインピーダンスは、以下のとおりである。
Figure 2008541513
同様に、式(25)を使用して、板によって近似できるダイヤフラムのインピーダンスは、以下のとおりである。
Figure 2008541513
式(23)または式(26)を使用して確認することができるように、減衰によるインピーダンスは、ちょうどZ=bになる。減衰インピーダンスが実数であるということは、それがシステムの散逸損失の原因であることを意味する。
周囲媒体のインピーダンスを計算するために、音波中の粒子の変位に関する式を使用することができる。
Figure 2008541513
ここで、ρは媒体の密度、υは音波の速度である(媒体中で変位された粒子の速度と混同されない)。式(29)を使用すると、周囲媒体のインピーダンスは、以下のように表すことができる。
Figure 2008541513
すると、システムのインピーダンスの合計は、ダイヤフラムのインピーダンス、減衰インピーダンスおよび周囲媒体のインピーダンスの合計になる。
Figure 2008541513
ダイヤフラムの合計変位は、この合計インピーダンス値に依存する。インピーダンスのうちの1つが、他のものよりはるかに大きければ、ダイヤフラム変位は、それによって支配される。例えば、膜インピーダンスが支配的、つまりZ>>Z,Zの場合、変位はちょうど式(22)または式(25)でのように、無視できる減衰下でのダイヤフラム変位である。減衰インピーダンスが支配的、つまりZ>>Z,Zである場合、変位はちょうど式(23)または式(26)でのように、広い減衰条件下でのダイヤフラム変位である。周囲媒体のインピーダンスが支配的、つまりZ>>Z,Zである場合、変位はちょうど式(29)でのように、音波での粒子の変位である。
E.インピーダンスに関する数値
例としてのシステムとして、円形ダイヤフラムは、窒化ケイ素または結晶シリコンからなり、典型的なSMF−28シングルモードファイバ(例えば、62.5ミクロン)の半径を有しており、ファイバの端部から距離dほど離間される。表1には、計算で使用される様々なパラメータおよび定数の値が与えられる。
Figure 2008541513
前段で与えられた式以外に、式は、減衰を計算するために使用することができる。減衰の計算は、通常複雑であり、全体形状に強く依存する。しかし、それでも減衰の推定をすることはできる。ダイヤフラムおよびファイバ端部への近接のために、支配的減衰は、以下のように推定できるスクイーズ膜減衰となる。
Figure 2008541513
ここで、μは媒体の動粘性係数、A=πaは板の面積、dはギャップ長である(例えば、M.Andrews et al.,“A comparison of squeeze−film theory with measurements on a microstructure,Sensors and Actuators A,vol.36,pages 79−87(1993)(M.アンドリュースら、スクイーズ膜理論と微細構造での測定との比較、センサアンドアクチュエータA、36巻、79〜87頁(1993年))参照)。
表1の値を使用して、
Figure 2008541513
Figure 2008541513
同様に、インピーダンス方程式(27)、(28)および(30)の表1で値を使用する。
Figure 2008541513
Figure 2008541513
Figure 2008541513
Figure 2008541513
Figure 2008541513
これらの結果は、与えられた次元について、膜のインピーダンスが、減衰および水インピーダンスに匹敵することを示す。より大きなダイヤフラムの直径は、より有利な結果をもたらす。この場合、κ≒13の張力パラメータ値が、膜として窒化物ダイヤフラムをモデル化するのに不十分であるので、50%より大きなダイヤフラムの半径は、窒化ケイ素の計算をより正確にする。また、減衰インピーダンスは、圧力を均一にする穴の大きさおよび位置などの注意深い設計によって低減することができる。
これらの結果は、空気および水中のダイヤフラムの変位に関する最初の仮定が不正確だったことを示し、これらの計算は、空気または水動作のいずれかについて、より有利なセンサの設計をなすために使用することができる。
ファイバ・ファブリ・ペローに基づく音響センサの設計
上記に導出された式は、音響センサシステムに関する最適パラメータを求めるために使用することができる。図31は、可動性反射素子(例えば、膜)および光ファイバの例としての構成を概略的に図示する。最適化される主なパラメータは、図31で概略的に示され、キャビティ長(L)、膜の半径(a)、およびファイバ端部の反射率(R)および
膜鏡の反射率(R)である。
第1ステップとして、これらのパラメータの限定または範囲は、計算することができる。膜の半径aは少なくともファイバの半径と等しいことが好ましく、約62.5ミクロンであり、その結果、膜のインピーダンスは、センサの感圧性を限定するように、過度に大きくならない。膜の大きさは、コンパクトで頑丈なセンサを提供するのに十分に小さなことが好ましい。したがって、膜の直径は、有利には約300ミクロンを超えず、それを超えると大きく脆弱になる。
以下に示す理由で、膜鏡の反射率Rは、できるだけ大きい(例えば、R〜1)ことが好ましく、光子結晶鏡を持つ特定の実施形態で達成される。ファイバ端部の反射率(R)は、できるだけ小さいことが好ましい。以下にこの理由をより完全に論じる。また、金属または誘電体の高度に反射する鏡をファイバの端部上に置くことは通常困難であるので、ファイバ端部で小さな反射率を使用することが好ましい。また、ファイバブラッグ鏡を使用する場合、前記で説明したように、その長さは、小さな反射率を要求することにより低減されることが好ましい。
キャビティ長Lに対する限定を計算するために、いくつかの係数を検討する。機械的視点から大きな長さを有することが有利である。これは、より小さな減衰をもたらすからである。しかし、光学的特性を検討する場合、以下に計算するように、キャビティ長には特定の限定がある。
共振の対比は、鏡反射率の増加とともに減少する傾向があり、その結果、非常に高い反射率については、可視共振がほとんどないように見える。この効果は、ファブリ・ペローの鏡のバランスを保つことにより回避することができる。実際、計算するように、十分な対比は、以下を有することにより回復することができる。
Figure 2008541513
ここで、z=πw /λ=kw /2は、レイリー範囲であり、ビームが著しく分岐しない特性長である。
また、変位に対する最大感度は、全面反射が、非対称共振のより急な側で、R=P/P=1/2である点において生じる。その点では、感度は、次の有効な反射率を有する正規ファブリ・ペローの感度に等しい。
Figure 2008541513
点R=1/2の正規ファブリ・ペローの変位σ=∂R/∂Lに対する感度は、以下のように計算される。
Figure 2008541513
ここで、K=4Reff/(l−Reffである。
上記の関係は、最大Lを計算するために使用することができる。この計算値は、必要な感度を達成するために使用される最小反射率Reffに依存する。最良のシナリオに関する最小必要反射率は、ショット雑音限界にある騒音レベルに相当し、水のインピーダンスは、支配的であり、その結果、膜は水粒子で変位する。
圧力と水変位との関係、以下のように表される。
Figure 2008541513
値υwater=1482m/s、ρwater=998kg/m、ならびにセンサに必要とされる数ω=2π×30kHzおよびP=30μPa/√Hzを使用する。
Figure 2008541513
騒音レベルがショット雑音限界にある場合、最小の検知可能な変位は、次のとおりである。
Figure 2008541513
上記数をΔLminに代入し、値P=1mW、λ=l550nm、η=0.9を使用し、Reffを解く。
Figure 2008541513
これは、最良の条件下で所望の感度を達成するための最小有効反射率である。この値は、最大キャビティ長を計算するために使用することができる。上記式Reff=Rm2−L/2z0を使用し、R〜1を要する。
Figure 2008541513
これは、水中での最大キャビティ長であり、ファイバ・ファブリ・ペローの光学的特性によって課された制限である。この数は、正規SMF−28ファイバについて計算されたレイリーの範囲の差により、空気中でより小さい(7.21ミクロン)。
キャビティ長の他の制限は、動作波長の半分の倍数であるということであり、特定の実施形態では、λ=1550nmである。
主なパラメータ:キャビティ長(L)、膜の半径(a)、およびファイバ端部の反射率(R)および膜鏡の反射率(R)に関する制限のこの知識でもって、値を最適化することができる。
これらのパラメータを最適化するために、装置の機械的特性を検討する。力学計算では、次のインピーダンス値を、パラメータa=62.5μm(=SMF−28ファイバの半径)およびL=1μmに関して求めた。
Figure 2008541513
Figure 2008541513
Figure 2008541513
3つのインピーダンスは同じオーダーであり、膜の変位は水粒子の変位に対して係数fで低減されることを意味する。ここで、
Figure 2008541513
これらのインピーダンス値で、膜は水粒子の変位の約22%によって変位する。この数は、感知装置に関して約90%にまで有利に接近する。この結果を達成するために、水中での減衰、および場合によりシリコン板のインピーダンスは、以下を有するように有利に低減される。
Figure 2008541513
本願発明者らが検討する必要のある式は、次のとおりである。
Figure 2008541513
全面的なインピーダンスを低減するために、bwaterは、より大きな寄与を有するので、Lはaを変化させることなく増加することができる。そのような場合、ZSiは変化せず、その結果、有利に以下のようになる。
Figure 2008541513
したがって、長さは有利に以下のようになる。
Figure 2008541513
キャビティ長は、動作波長の半分の倍数であるので、これに最も近い数は、6×1.55μm/2=4.65μmであり、なおLmax=948μmの範囲内にある。キャビティ長L=4.65μmを使用して、低減係数はf=0.9=90%である。a=62.5μmは、この計算において変化しないままなので、他の2つの設計パラメータRおよびRは、依然として最適化される。
膜の変位は次のとおりである。
Figure 2008541513
これは、Reff=0.958およびR=ReffL/2z0=0.980、ならびにR=R−L/z0=0.936をもたらす。
したがって、30kHzで、30μPa/√Hzの感度をもたらす例としての設計用パラメータは、次のとおりである。a=62.5ミクロン、L=4.65ミクロン、R=0.980およびR=0.936。他の値も本書に記載した特定の実施形態と適合する。
ファイバブラッグ回折格子と比較されたファブリ・ペローに基づく音響センサ
音響センサとして使用される単純なファブリ・ペロー構造は、光子結晶鏡およびファイバブラッグ回折格子(例えば、図28で示すように)で、または本書で記載するように、たった2枚の光子結晶鏡で構成することができる。そのようなセンサの感度は、基本ファブリ・ペロー式から計算することができる(例えば、Thomson et al.,“A Fabry−Perot acoustic surface vibration
detector−application to acoustic holography,”J.Phys.D:Appl.Phys.,Vol.6,page 677(1973)(トムソンら、「音響ホログラフィへのファブリ・ペローの音響表面振動検知器の適用」、ジャーナルオブフィジックスD:アプライドフィジックス6巻、677頁(1973年)参照)。特定の実施形態では、ファブリ・ペローキャビティを形成する鏡は両方とも、高い反射率Rを有する。そして、K=4R/(l−R)およびφ=2πL/λについて、Lは鏡間隔であり、反射パワーPと入射パワーPとの関係を以下のように計算することができる。
Figure 2008541513
そして、変位Lに対する感度σは、次のとおりである。
Figure 2008541513
最大感度を求めるために、式(32)はdσ/dL=0について解かれ、ここで、これはφ=(3K)−1/2+mπを満足し、K>>1に留意する。この結果は、最高感度が共振の側にあると明示しており、予期されるものである。この値を使用すると、最大感度は、以下のように表すことができる。
Figure 2008541513
したがって、レーザの線幅が、ファブリ・ペロー共振の線幅よりはるかに小さければ、最大感度は鏡の反射率にのみ依存する。L<<c/Δvlaserπ√Kであり、Δvlaserが単一モードレーザ(または多重モードレーザの周波数の広がり)の線幅であるなら、この条件は満足される。したがって、感度の高い測定については、レーザΔvlaserの線幅は、ファブリ・ペロー共振ΔvF−P=c/Lπ√Kの線幅よりはるかに小さくなるように有利に選択され、これはキャビティ長Lに依存する。よって、最大感度に関する式(33)は、レーザ線幅に依存するファブリ・ペローキャビティについての最大キャビティ長に制限を課す。
1ミリワットなどの十分に大きなレーザパワーについて、支配的な雑音は、フォトダイオードショット電流になる。反射されたパワーを測定するフォトダイオードの平均電流は、I=Peη/hvになり、ここでηはフォトダイオードの量子効率である。式(31)から計算された最大感度点で、P=P/4である。この電流は、ショット雑音電流を生じさせる。
Figure 2008541513
ここでΔfは、電子システム帯域幅である。
ピーク振幅ΔLの小さな鏡変位については、フォトダイオードの信号電流は次のとおりである。
Figure 2008541513
ΔPは、式(2)を使用して以下となるように計算することができる。
Figure 2008541513
したがって、ΔP=σPΔLである。
式(33)で与えられた最大感度で動作して、式(35)の信号電流式内の式(36)のパワー信号は以下のとおり。
Figure 2008541513
ここからSN比は、以下のように表すことができる。
Figure 2008541513
そして、単位SN比に関して、システムの検知感度は次のとおりである。
Figure 2008541513
エラー 5値P=1mW、λ=1500nm、η=0.9および適度の反射率R=0.99を使用して、ΔLmin=2.25・10−8nm/√Hzの値が得られる。感度は鏡の反射率によって増加することができる。例えば、R=0.999の反射率は、約10倍良好な感度をもたらす。実験値は理論限界より約1オーダー低いことが以前に報告されているので、下記計算の全体にわたって、Δlmin=10−6nm/√Hzの値が使用される。
式(33)で与えられた感度は、鏡反射率にのみ依存する。キャビティの長さが、感度に重大な役割を果たすであろうことが予期され、その結果、はるかに小さな感度が長いキャビティによってもたらされる。式(33)が、キャビティ長Lおよび共振線幅Δv1/2に関して記載されるなら、以下のとおりである。
Figure 2008541513
これは予期された結果である。感度は長さが増加するとともに減少する。また、予想通り、共振がそれほど急峻にならないので、感度は線幅が増加するとともに減少する。しかし、高い反射率鏡を持つファブリ・ペローキャビティでは、共振線幅はLに依存し、その結果、共振はより長いキャビティ長についてより鋭くなる。
Figure 2008541513
(例えば、P.Yeh,“Optical Waves in Layered Media,”(Wiley,New York,1988)(P.イエ、「階層状の媒体中の光波」(ウィリー、ニューヨーク、1988年)参照)。したがって、感度式(40)のLへの依存は無効になり、その結果、鏡反射率は支配的な寄与をもたらす(それが高い限り)。したがって、そのような特定の実施形態では、重要な基準は、レーザ線幅がファブリ・ペロー共振線幅よりはるかに小さくあるべきであるということである。
ダイナミックレンジを計算するために、最小の検知可能な長さは公知であり、したがって、最大長さシフトが計算されることとなる。ファブリ・ペローキャビティについて、L=定数・λ、したがって、
Figure 2008541513
したがって、最大シフトは、ΔLmax=(L/λ)Δ/λmaxである。検知することができる最大波長シフトは、ファブリ・ペロー共振の線幅の4分の1である。したがって、最大の検知可能なキャビティ長変化は、式(41)を使用して以下のとおりである。
Figure 2008541513
したがって、ダイナミックレンジは、次のとおりである。
Figure 2008541513
これは、ダイナミックレンジが、反射率またはキャビティ長などのファブリ・ペロー・パラメータに依存しないことを示す。上で使用される値について、約130dB(20log)のダイナミックレンジが生じる。再び、予測されるよりも1オーダー少ない感度(10−6nm/√Hz)を仮定して、ダイナミックレンジは、そのとき約110dBである。このダイナミックレンジは変位測定に関してであるが、変位は圧力に比例するので、圧力についても当てはまる。
これらの結果を単一ファイバブラッグ回折格子と比較するために、そのようなファイバの1片を伸長することにより、同じ値を得ることが可能かどうか知ることが望ましい。図32は、波長の関数としての光学共鳴のグラフである。第1ステップとして、一般的な鋭い共振に関する感度が計算され、これは図32に示される。単純な形状から、本願発明者らは、以下の関係を得る。
Figure 2008541513
ファブリ・ペローキャビティと同様に、共振波長および距離が互いに比例する場合、式(42)は有効であり、感度は、以下のように表すことができる。
Figure 2008541513
この式を検証するために、ファブリ・ペローキャビティについての式を、次のものを得るために使用することができる。
Figure 2008541513
これは式(33)に非常に近く、したがって式(45)および(46)を検証する。
感度についての一般式を有し、ファイバブラッグ回折格子についての感度を計算することができる。そのような構造の共振波長は、次のとおりである。
Figure 2008541513
ここで、neffは有効屈折率、Lは回折格子の合計長さ、Nは層の数である(例えば、Kersey et al.,“Fiber grating sensors,”J.Lightwave Technol.,vol.15,no.8,page 1442(1997)(カージーら、「ファイバ回折格子センサ」、ジャーナルオブライトウェイブテクノロジー15巻、No.8、1442頁(1997年)参照)。そのような構造がΔLによって伸長される場合、波長は以下のものによってシフトする。
Figure 2008541513
ここで係数0.78は、光弾性効果によるファイバ指数の変化に由来する。したがって、
Figure 2008541513
これは式(42)がそのオーダーに有効なことを示し、式(46)もそのオーダーに有効
であることを意味する。したがって、式(46)のL・Δλ1/2が同じならば、ファブリ・ペローキャビティおよびファイバブラッグ回折格子の感度は、与えられた波長について同じオーダーである。
例えば、市販のファイバブラッグ格子は、約5センチメートルの長さの格子について約1500ナノメータ、0.02ピコメータの線幅で動作し、構造はL・Δλ1/2=10nmを与える。一方、ファブリ・ペローキャビティについて、式(11)を使用する。
Figure 2008541513
ファブリ・ペローキャビティについて同じ数(例えば、L・Δλ1/2=10nm)を得るために、R≒0.998の反射率を使用する。したがって、そのような市販のファイバブラッグ回折格子は、高い反射率鏡を持つファブリ・ペローキャビティの同じ感度を有するように思われる。
ファブリ・ペローキャビティのこの分析では、レーザの線幅が、ファブリ・ペロー共振の線幅よりはるかに小さいと仮定された。レーザの線幅は、共振線幅よりも1〜2オーダー小さいべきであり、したがって、レーザは、平均してあまり感度が良好でない領域上にない。小さなキャビティ長を使用する場合、ファブリ・ペロー共振線幅は大きく、したがって、レーザはそれほど狭い必要がない。しかし、キャビティ長が大きい場合、ファブリ・ペロー共振はより鋭くなり、したがって、より狭いレーザを使用して、短いファブリ・ペローキャビティで達成された同じ感度を達成する。レーザが非常に狭くなければならないこの時点において、主な問題が生じる。
例えば、0.02ピコメータの線幅について上記の場合を検討する。計算された感度を達成するために、10−3〜10−4ピコメータの狭いレーザを使用する。レーザがこれほど狭い場合、他のノイズ源は、ショット雑音に対して支配的になる。そのような狭いレーザについて最も重要な雑音のうちの1つは、自走周波数雑音である。実際、あらかじめ安定化したレーザを使用してこの雑音を低減することによって、2つのファイバブラッグ回折格子によって形成された25ミリメートルの長さを越えるファブリ・ペローについて、10−5nm/√Hzの感度を得ることができることが、以前実験的に示された(Chow et al.,“Ultra resolution fiber sensor
using a pre−stabilized diode laser,”page CPDA9,Post−deadline CLEO 2005(2005)(チョウら、「あらかじめ安定化したダイオードレーザを使用する超高分解能ファイバセンサ」、CPDA9頁、Post−deadline CLEO2005(2005年)参照)。この報告された値は、同じ構造について、感度を限定した基本ショット雑音よりちょうど約1オーダー低い。したがって、この場合には非常に良好なレーザを使用するので、長いキャビティ長で高感度を得ることはより難しい。しかし、これらの結果は、鏡として2つの薄い光子結晶スラブを使用するファブリ・ペローセンサに関してと同様に、図28に示すファイバブラッグ回折格子構造のついて有望なはずである。
様々な実施形態を上述した。本発明をこれらの具体的な実施形態を参照して記載したが、記載は、本発明の例示であることが意図され、限定することを意図しない。添付の請求項で定義するように、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正および応用が当業者に着想されるであろう。
本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての音響センサを概略的に図示する。 光子結晶スラブを完全に貫いて延びる実質的に円形の穴の実質的に正方形の配列を有する例としての光子結晶スラブ(PCS)を概略的に図示する。 例としてのPCSの一部の走査電子顕微鏡写真を図示する。 PCSを部分的にのみ貫いて延びる実質的に円形の穴の実質的に正方形の配列を有する他の例としてのPCSを概略的に図示する。 突出部の実質的に正方形の配置を有する他の例としてのPCSを概略的に図示する。 実質的に1次元的な周期的配置で複数の長尺形の領域を有する他の例としてのPCSの断面図を概略的に図示する。 実質的に1次元的な周期的配置で複数の長尺形の領域を有する他の例としてのPCSの断面図を概略的に図示する。 A−Cは、PCSに実質的に垂直な方向に入射する光に関して、シミュレーションされた透過光パワースペクトルにおいて光学共鳴を示す例としてのPCSを概略的に図示する。 温度の関数として、例としてのPCSに実質的に垂直に入射する光に関して、測定された共振波長シフトを概略的に図示する。 PCSに加えられた機械的な力の関数として、例としてのPCSに実質的に垂直に入射する光に関する共振波長シフトを図示する。 音響スピーカに近接する1cmの長さのPCSの実験構成を概略的に図示する。 単一のPCSを有する例としての音響センサを概略的に図示する。 単一のPCSを有する例としての音響センサを概略的に図示する。 第1のPCSと、第1のPCSに実質的に平行である第2のPCSとを含む例としての光子結晶構造を概略的に図示する。 一対のPCSを含む光子結晶構造から測定された、様々な正規化された透過スペクトルのプロットである。 A−Cは、第1のPCSと、第2のPCSとを含む光子結晶構造の共振周波数の依存性を概略的に図示する。 PCSが互いに横方向に移動された場合、近接場構成で結合された2つのPCSの透過スペクトルを概略的に図示する。 様々な入射角でPCSに入射するTE偏光光に対応する測定された透過スペクトルを図示する。 少なくとも1つの光子結晶欠陥を有する例としてのPCS構造を概略的に図示する。 少なくとも1つの光子結晶欠陥を有する例としてのPCS構造を概略的に図示する。 少なくとも1つの光子結晶欠陥を有する例としてのPCS構造を概略的に図示する。 少なくとも1つの光子結晶欠陥を有する例としてのPCS構造を概略的に図示する。 本書に記載した特定の実施形態に適合するPCS構造において、鏡面対称破壊に関する例としての実施を概略的に図示する。 本書に記載した特定の実施形態に適合するPCS構造において、鏡面対称破壊に関する例としての実施を概略的に図示する。 PCS単位セルの鏡面対称の1つ以上を破壊または取り除くいくつかの例としての穴構造を概略的に図示する。 周期的正方形格子配置上に円形対称穴を有するPCSの単位セルを概略的に図示する。 PCSの様々な共振モードと、水平方向に偏光された平面波(x偏光)および鉛直方向に偏光された平面波(y偏光)とのドット積を概略的に図示する。 PCSの様々な共振モードと、水平方向に偏光された平面波(x偏光)および鉛直方向に偏光された平面波(y偏光)とのドット積を概略的に図示する。 PCSの様々な共振モードと、水平方向に偏光された平面波(x偏光)および鉛直方向に偏光された平面波(y偏光)とのドット積を概略的に図示する。 PCSの様々な共振モードと、水平方向に偏光された平面波(x偏光)および鉛直方向に偏光された平面波(y偏光)とのドット積を概略的に図示する。 周期的な正方形格子配置上に穴を有するPCSの例としての単位セルを概略的に図示し、各穴は、穴の一方の側へ向かう小領域を含む。 図17AのPCSの非対称共振モードを概略的に図示する。 図17AのPCSの非対称共振モードを概略的に図示する。 奇対称共振モードとy偏光を持つ入射平面波とのドット積を概略的に図示する。 4つの鏡面対称軸を有する、図16Aの円形対称穴を持つPCS単位セルを概略的に図示する。 図18AのPCS構造の2つの二重縮退共振および4つの非縮退共振を概略的に図示する。 x偏光された入射平面波およびy偏光された入射平面波ならびに対応する電場を概略的に図示する。 水平軸の回りで鏡面対称を外している非対称穴を持つPCS単位セルを概略的に図示する。 回転非対称穴を持つPCS単位セルを概略的に図示する。 穴伸長に対してそれぞれ垂直および平行な偏光に関して、図18A、18D、18Eの3つの異なる穴形状に関する透過スペクトルの有限差分時間領域シミュレーション(FDTD)を示す。 穴伸長に対してそれぞれ垂直および平行な偏光に関して、図18A、18D、18Eの3つの異なる穴形状に関する透過スペクトルの有限差分時間領域シミュレーション(FDTD)を示す。 穴伸長に対してそれぞれ垂直および平行な偏光を持つ入射光に関する透過スペクトルのFDTDシミュレーションを示す。 穴伸長に対してそれぞれ垂直および平行な偏光を持つ入射光に関する透過スペクトルのFDTDシミュレーションを示す。 円形対称穴、鏡面非対称穴および回転非対称穴をそれぞれ持つPCS構造の走査電子顕微鏡像である。 円形対称穴、鏡面非対称穴および回転非対称穴をそれぞれ持つPCS構造の走査電子顕微鏡像である。 円形対称穴、鏡面非対称穴および回転非対称穴をそれぞれ持つPCS構造の走査電子顕微鏡像である。 それぞれ、円形対称穴、鏡面非対称穴および回転非対称穴の走査電子顕微鏡像である。 それぞれ、円形対称穴、鏡面非対称穴および回転非対称穴の走査電子顕微鏡像である。 それぞれ、円形対称穴、鏡面非対称穴および回転非対称穴の走査電子顕微鏡像である。 穴伸長に対してそれぞれ垂直および平行な偏光に関して、3つの異なるPCS構造に関する透過スペクトルの実験的測定を示す。 穴伸長に対してそれぞれ垂直および平行な偏光に関して、3つの異なるPCS構造に関する透過スペクトルの実験的測定を示す。 より大きな波長範囲での図22Aの垂直偏光の場合に関する透過スペクトルを図示する。 本書に記載した特定の実施形態に適合する筺体を有する例としての音響センサシステムを概略的に図示する。 本書に記載した特定の実施形態に適合する第2の筺体を有する例としての音響センサシステムを概略的に図示する。 本書に記載した特定の実施形態に適合する第2の筺体を有する他の例としての音響センサシステムを概略的に図示する。 本書に記載した特定の実施形態に適合する、光ファイバ上の金属層および単一のPCSを有する例としての音響センサシステムを概略的に図示する。 本書に記載した特定の実施形態に適合する、ファイバブラッグ回折格子および単一のPCSを有する例としての音響センサシステムを概略的に図示する。 光ファイバの一端に結合された音響センサシステムの例としての構成の斜視図を概略的に図示する。 音響センサシステムの構成要素に関して、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての組立て工程フローを概略的に図示する。 音響センサシステムの構成要素に関して、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての組立て工程フローを概略的に図示する。 音響センサシステムの構成要素に関して、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての組立て工程フローを概略的に図示する。 音響センサシステムの構成要素に関して、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての組立て工程フローを概略的に図示する。 音響センサシステムの構成要素に関して、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての組立て工程フローを概略的に図示する。 音響センサシステムの構成要素に関して、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての組立て工程フローを概略的に図示する。 音響センサシステムの構成要素に関して、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての組立て工程フローを概略的に図示する。 音響センサシステムの構成要素に関して、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての組立て工程フローを概略的に図示する。 音響センサシステムの構成要素に関して、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての組立て工程フローを概略的に図示する。 音響センサシステムの構成要素に関して、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての組立て工程フローを概略的に図示する。 音響センサシステムの構成要素に関して、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての組立て工程フローを概略的に図示する。 音響センサシステムの構成要素に関して、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての組立て工程フローを概略的に図示する。 音響センサシステムの構成要素に関して、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての組立て工程フローを概略的に図示する。 音響センサシステムの構成要素に関して、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての組立て工程フローを概略的に図示する。 音響センサシステムの構成要素に関して、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての組立て工程フローを概略的に図示する。 音響センサシステムの構成要素に関して、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての組立て工程フローを概略的に図示する。 音響センサシステムの構成要素に関して、本書に記載した特定の実施形態に適合する例としての組立て工程フローを概略的に図示する。 可動性反射素子(例えば、膜)および光ファイバの例としての構成を概略的に図示する。 波長の関数としての光学共鳴のグラフである。

Claims (41)

  1. 共振周波数および共振線形を持つ少なくとも1つの光学共鳴を有する少なくとも1つの光子結晶構造と、
    前記少なくとも1つの光子結晶構造を実質的に包囲し、前記少なくとも1つの光子結晶構造に機械的に結合された筺体と、を含む音響センサであって、
    前記共振周波数および前記共振線形の少なくとも1つは、前記筺体に入射する音波に応答する、音響センサ。
  2. 前記音響センサは、前記少なくとも1つの光子結晶構造に光学的に結合された光ファイバをさらに含む、請求項1に記載の音響センサ。
  3. 前記光ファイバから放射された光は、前記少なくとも1つの光子結晶構造に垂直な方向から約10度以内の入射角の範囲で、前記少なくとも1つの光子結晶構造に入射する、請求項2に記載の音響センサ。
  4. 前記光は、前記光ファイバから放射されてから前記少なくとも1つの光子結晶構造に達するまで平行にされない、請求項3に記載の音響センサ。
  5. 前記少なくとも1つの光子結晶構造は、実質的に平面の構成を有する光子結晶スラブと、前記光子結晶スラブと前記光ファイバとの間の金属層と、を含み、
    前記金属層は、前記光ファイバによって放射された光を少なくとも部分的に透過する、請求項2に記載の音響センサ。
  6. 前記金属層は、前記光ファイバの一端上の金属被覆を含む、請求項5に記載の音響センサ。
  7. 前記金属層は、前記光子結晶スラブに実質的に平行である、請求項5に記載の音響センサ。
  8. 前記少なくとも1つの光子結晶構造は、実質的に平面の構成を有する光子結晶スラブと、ファイバブラッグ回折格子とを含む、請求項2に記載の音響センサ。
  9. 前記光ファイバは、前記ファイバブラッグ回折格子を含む、請求項7に記載の音響センサ。
  10. 前記少なくとも1つの光子結晶構造は、実質的に平面の構成を有する光子結晶スラブを含み、前記スラブは、第1の材料およびその上の突出部の実質的に周期的な配列を含む、請求項1に記載の音響センサ。
  11. 前記少なくとも1つの光子結晶構造は、厚みおよび実質的に平面の構成を有する少なくとも1つの光子結晶スラブを含み、前記スラブは、第1の材料と、前記スラブ内の領域の配列と、を含み、各領域は、前記第1の材料の屈折率と異なる屈折率を有する第2の材料を含む、請求項1に記載の音響センサ。
  12. 前記領域の配列は、前記スラブの前記厚みを少なくとも部分的に貫いて延在し、かつ前記第2の材料を含む、複数の穴を含み、前記複数の穴は、前記スラブ内に実質的に周期的な配置を有する、請求項11に記載の音響センサ。
  13. 前記第1の材料は固体誘電材料を含み、前記第2の材料は空気を含む、請求項12に記
    載の音響センサ。
  14. 前記第1の材料は固体誘電材料を含み、前記第2の材料は水を含む、請求項12に記載の音響センサ。
  15. 前記領域の配列は、実質的に円形の穴の実質的に正方形の配列を含む、請求項12に記載の音響センサ。
  16. 前記複数の穴の各穴は、前記光子結晶スラブに沿った第1の軸および前記光子結晶スラブに沿った第2の軸に対して鏡面対称を有する実質的に対称な形状を有し、前記第2の軸は、前記第1の軸に実質的に垂直である、請求項12に記載の音響センサ。
  17. 前記複数の穴の各穴は、前記光子結晶スラブに沿った第1の軸に対して鏡面対称を欠く実質的に非対称の形状を有する、請求項12に記載の音響センサ。
  18. 前記複数の穴の各穴は、前記光子結晶スラブに沿った第2の軸に対して鏡面対称を有し、前記第2の軸は前記第1の軸に実質的に垂直である、請求項17に記載の音響センサ。
  19. 前記実質的に周期的な配置は欠陥を有する、請求項12に記載の音響センサ。
  20. 前記欠陥は欠損穴、前記複数の穴のうちの他の穴とは異なる大きさを有する穴、前記複数の穴のうちの他の穴とは異なる形状を有する穴、前記第1の材料もしくは前記第2の材料の前記屈折率とは異なる屈折率を有する第3の材料を含む穴、または前記実質的に周期的な配置の予期された位置から変位された穴を含む、請求項19に記載の音響センサ。
  21. 前記少なくとも1つの光子結晶構造は、前記筺体に入射する音波が、前記少なくとも1つの光学共鳴の前記共振周波数および前記共振線形の少なくとも1つを変化させる前記少なくとも1つの光子結晶構造に加えられる力を引き起こすように、前記筺体に機械的に結合される、請求項1に記載の音響センサ。
  22. 前記少なくとも1つの光子結晶構造は、伸長、圧縮、または曲げによって、単一の光子結晶スラブに加えられる力に応答する前記単一の光子結晶スラブを含む、請求項21に記載の音響センサ。
  23. 前記少なくとも1つの光子結晶構造は、一対の光子結晶スラブを含み、前記一対の光子結晶スラブは、前記音響センサに固定して設けられた第1の光子結晶スラブと、前記音響センサ内に可動的に設けられた第2の光子結晶スラブとを含み、前記第2の光子結晶スラブは、前記第1の光子結晶スラブと実質的に平行で、前記第1の光子結晶スラブに光学的に結合され、
    前記第2の光子結晶スラブは、前記少なくとも1つの光子結晶構造に加えられる前記力に応じて、前記第1の光子結晶スラブに対する移動を経験する、請求項21に記載の音響センサ。
  24. 前記第2の光子結晶スラブの前記移動は、前記第1の光子結晶スラブに実質的に垂直な方向に成分を有し、前記移動は、前記第1の光子結晶スラブと前記第2の光子結晶スラブとの距離を変化させる、請求項23に記載の音響センサ。
  25. 前記第2の光子結晶スラブの前記移動は、前記第1の光子結晶スラブに実質的に平行な方向に成分を有する、請求項23に記載の音響センサ。
  26. 前記筺体は、前記筺体内の内部領域と前記筺体の外側の外部領域との間に少なくとも1つの圧力水路を含む、請求項1に記載の音響センサ。
  27. 前記少なくとも1つの圧力水路は、前記筺体を貫く穴を含み、前記穴は、前記内部領域を前記外部領域と流体的に結合する、請求項26に記載の音響センサ。
  28. 前記少なくとも1つの圧力水路は、前記内部領域と前記外部領域との間に弾性膜を含み、前記膜は、圧力差を低減するために移動することによって、前記内部領域と前記外部領域との前記圧力差に応答する、請求項26に記載の音響センサ。
  29. 前記少なくとも1つの圧力水路は、前記内部領域と前記外部領域との間の前記筺体の可動部と、前記可動部に機械的に結合された支持構造とを含み、前記支持構造は、前記可動部に復元力をもたらし、圧力差を低減するために前記可動部を移動させることによって、前記可動部にわたって前記圧力差に応答する、請求項26に記載の音響センサ。
  30. 前記筺体は、前記少なくとも1つの光子結晶構造を含む第1の領域および前記少なくとも1つの光子結晶構造の外の第2の領域を画成し、
    前記第2の領域は液体を含み、前記第1の領域は液体が実質的にない、請求項1に記載の音響センサ。
  31. 前記筺体の少なくとも一部は、前記第1の領域から液体を制限するように構成された疎水性表面を含む、請求項30に記載の音響センサ。
  32. 前記第1の領域は気体を含み、前記第2の領域は水を含む、請求項30に記載の音響センサ。
  33. 音波を検知する方法であって、
    共振周波数および共振線形を持つ少なくとも1つの光学共鳴を有する少なくとも1つの光子結晶構造を含むセンサと、前記少なくとも1つの光子結晶構造を実質的に包囲し、前記少なくとも1つの光子結晶構造に機械的に結合された筺体とを準備するステップであって、前記共振周波数および前記共振線形の少なくとも1つは、前記筺体に入射する音波に応答するステップと、
    前記センサを音波にさらすステップと、
    前記音波によって引き起こされる前記共振周波数および前記共振線形の少なくとも1つの変化を検知するステップと、を含む方法。
  34. 前記共振周波数および前記共振線形の少なくとも1つの変化を検知するステップは、前記少なくとも1つの光子結晶構造に光を照射するステップと、前記少なくとも1つの光子結晶構造から反射された光、前記少なくとも1つの光子結晶構造を透過した光、または前記少なくとも1つの光子結晶構造から反射された光および前記少なくとも1つの光子結晶構造を透過した光の両方を検出するステップと、を含む、請求項33に記載の方法。
  35. 前記少なくとも1つの光子結晶構造は対称軸を有し、前記光は前記対称軸に実質的に垂直な方向に偏光される、請求項34に記載の方法。
  36. 前記少なくとも1つの光子結晶構造は対称軸を有しており、前記光は前記対称軸に実質的に平行な方向に偏光される、請求項34に記載の方法。
  37. 前記光は前記共振周波数からの周波数オフセットを有する、請求項34に記載の方法。
  38. 前記光は前記光子結晶構造に光学的に結合された光ファイバによって放射される、請求項34に記載の方法。
  39. 前記光ファイバによって放射された前記光は、前記光ファイバと前記光子結晶構造との間の平行光学系を透過されることなく、前記光子結晶構造を照射する、請求項38に記載の方法。
  40. 前記光子結晶構造は、前記光子結晶スラブに沿った第1の軸に対して鏡面対称を欠く光子結晶スラブを含み、前記光は前記光子結晶スラブに垂直入射する、請求項34に記載の方法。
  41. 前記光子結晶スラブは、前記光子結晶スラブに沿った第2の軸に対して鏡面対称を有し、前記第2の軸は、前記第1の軸に実質的に垂直である、請求項40に記載の方法。
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