JP2008539238A - 治療用二機能性化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、一般に、炎症性疾患および増殖性疾患を処置するためのシステムおよび方法に関し、このシステムおよび方法は、脂肪酸代謝および解糖の両方を阻害する二機能性化合物を使用することによってMDR腫瘍細胞の処置を可能にする。したがって、本発明は、脂肪酸代謝インヒビターを解糖インヒビターに連結する。より具体的には、本発明は、オキシランカルボン酸化合物の機能性を有する部分をグルコース誘導体の機能性を有する部分に連結している新規二機能性化合物を提供する。特定の実施形態において、本発明は、エトモキシルの機能性を有する部分を2−デオキシ−D−グルコースの機能性を有する部分に連結している二機能性化合物を提供する。

Description

(発明の分野)
本発明は、一般に、ヒトの炎症性疾患および増殖性疾患を処置するためのシステムおよび方法に関する。
(背景)
正常組織は、細胞分裂および細胞死の工程を発生し、そして正常組織は、それらの工程によって維持される。増加した細胞分裂に関連する疾患としては、癌およびアテローム硬化症が挙げられる。癌の処置において、化学療法および/または放射線治療などによる初期の処置が、著しい数の腫瘍細胞を破壊するのに有効であるが、その後に新しいラウンドの治療が試みられる場合に、処置に対する耐性が増加する新たに検出される腫瘍の形成を増大するその処置に耐性である少数の腫瘍細胞だけを残す結果となることが、一般的に観察される。化学療法薬の「カクテル」の人気の高まりは、破壊がさらに困難な多剤耐性(「MDR」)腫瘍細胞を生じる。薬物による処置の選択圧下において薬物感受性腫瘍細胞は、同じ腫瘍細胞型の薬物耐性バージョンに発展する。獲得性または固有のいずれかの薬物耐性は、癌による死亡の主な原因である。
MDR腫瘍細胞に対処するための方法が提唱されているが、それは、このような細胞を完全に排除し、そしてMDR腫瘍を有する患者に対して治癒を提供することにおいて、実用的で明らかな臨床的成功を伴っていない。例えば、LampdisおよびPriebe、発明の名称「Cancer Chemotherapy with 2−Deoxy−D−Glucose」である特許文献1(その全体が本明細書中に参考として援用される)において、解糖インヒビターのクラスは、腫瘍の中心にある嫌気性細胞(anaerobic cell)を攻撃することによる固形腫瘍の処置における標準的な化学療法プロトコルと組み合わせた使用に関して記載される。Pizer、TownsendおよびKuhajda、発明の名称「Treating cancer by increasing intracellular malonyl CoA levels」である特許文献2(2002年12月12日、その全体が本明細書中に参考として援用される)において、脂肪酸代謝は、例えば、エトモキシル(etomoxir)によるカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ−1の阻害によって操作される。
米国特許第6,670,330号明細書 米国特許出願公開第20020187534号明細書
(発明の要旨)
本発明は、一般に、炎症性疾患および増殖性疾患を処置するためのシステムおよび方法に関し、このシステムおよび方法は、脂肪酸代謝および解糖の両方を阻害する二機能性化合物を使用することによってMDR腫瘍細胞の処置を可能にする。したがって、本発明は、脂肪酸代謝インヒビターを解糖インヒビターに連結する。より具体的には、本発明は、オキシランカルボン酸化合物の機能性を有する部分をグルコース誘導体の機能性を有する部分に連結している新規二機能性化合物を提供する。特定の実施形態において、本発明は、エトモキシルの機能性を有する部分を2−デオキシ−D−グルコースの機能性を有する部分に連結するしている二機能性化合物を提供する。
1つの組の実施形態において、本発明は、単独または薬学的に受容可能なキャリアとの組み合わせにおいて、特有の二機能性化合物を提供する。別の組の実施形態において、本発明は、1種以上の二機能性化合物を作製する方法を提供する。
別の組の実施形態において、本発明は、単独の二機能性化合物または癌を処置するための他の処置因子(treating agent)と組み合わせた二機能性化合物に細胞を曝すことを含む。別の組の実施形態において、本発明は、単独の二機能性化合物または創傷治癒を向上させるための創傷治癒プロセスを刺激する他の処置因子と組み合わせた二機能性化合物に細胞を曝すことを包含する。
本発明の他の利点および新規の特徴は、添付の図面と組み合わせて考慮した場合に、本発明の種々の非限定的な実施形態についての以下の詳細な説明から明らかとなる。本明細書および参考として援用される文書が矛盾する開示および/または相反する開示を含む場合、本明細書が支配する。
(詳細な説明)
本発明は、細胞は細胞に適用されるストレスの性質および程度に依存して機能するようになるそれらが利用可能な多くの異なる代謝経路を有すること、細胞のアポトーシスは標的細胞が免疫系によって認識されるので著しい程度に至ること、およびMDR細胞は免疫系から著しく見えない程度になることを認識することによって前進する。本発明は、ヒトの炎症性疾患および増殖性疾患(例えば、癌、自己免疫、心疾患、および慢性感染症)を処置するために、不完全な細胞、組織または器官の細胞代謝経路、および免疫系を標的する。本方法はまた、本明細書中で、神経の再生、移植、および創傷治癒を含む組織の再生において有用である。
身体における全ての細胞は、炭水化物、タンパク質、および脂質を異なる割合でエネルギーとして使用する。細胞の燃料の選択肢(その代謝ストラテジー)は、その活性化または分化の段階に依存して変化する。例えば、迅速に分裂する細胞は、分化していない細胞とは異なるエネルギーを必要とする。同じことが、ストレス下における細胞または感染している細胞についても当てはまる。薬物耐性細胞は、ストレス(化学療法または放射線のストレスを含む)の条件下において脂肪を燃焼する能力によって特徴付けられる特有の代謝ストラテジーを有する。細胞が迅速に分裂する場合、それらは、非常に高い速度でグルコースを使用するが、ストレスの条件下において、細胞は、可能な場合、保護ストラテジーとして、より大きな割合で脂肪を使用する。呼吸、酸素の使用、および外部ストレスは、細胞に対して損傷を引き起こす種々の毒性副産物(フリーラジカルを含む)をもたらし得る。腫瘍細胞は、このような副産物に対する保護ストラテジーとして脂肪を燃焼させるタンパク質をアップレギュレートする。免疫系は、個々の細胞の代謝段階をモニタリングし得、そして不適切な段階でそれらを破壊し得る。しかし、腫瘍細胞は、それらの代謝ストラテジーをその細胞を免疫系から見えないようにすることによって腫瘍細胞を保護するものへと変化させることでこの監視から生存し得る。
脂肪酸代謝を阻害することによって、その細胞は、グルコース代謝を再開し、したがってその細胞表面上にUCPおよび/またはFasを示して免疫系から見えるようになる。したがって、本発明は、一般に、優勢な代謝経路(脂肪酸代謝および解糖)を標的する部分を有する二機能性化合物を使用して炎症性疾患および増殖性疾患を処置するためのシステムおよび方法に関する。より具体的には、上記二機能性化合物は、それぞれ、グルコース誘導体の機能性を有する部分に連結されているオキシランカルボン酸化合物の機能性を有する部分を含む。好ましい実施形態において、上記二機能性化合物は、それぞれ、2−デオキシ−D−グルコースの機能性を有する部分に連結されるエトモキシルの機能性を有する部分を有する。
脱共役タンパク質(UCP)は、しばしば、迅速に分裂する細胞の原形質膜において発現される。細胞膜および細胞内の膜内におけるUCP発現を操作することによって、細胞の代謝の阻害および/または免疫学的応答が、生じる。本発明において、細胞は、脂肪酸代謝インヒビターの機能性を有する二機能性化合物に対する曝露によって、細胞表面Fasの量を増大するように操作され得る。
以下の出願は、本明細書中に参考として援用される:発明の名称「Systems and Methods for Treating Human Inflammatory and Proliferative Diseases,With a Combination of Fatty Acid Metabolism Inhibitors and Glycolytic Inhibitors and/or UCP and/or Fas antibodies」である米国仮特許出願第60/566,746号(2004年4月29日出願)、WO 2004/111199として公開された発明の名称「Systems and Methods for Treating Human Inflammatory and Proliferative Diseases、With UCP and/or Fas Antibody or Other Inhibitor,Optionally With a Fatty Acid Metabolism Inhibitors and/or Glucose Metabolism Inhibitor」である米国特許出願第11/031109号(2005年1月7日出願)、発明の名称「Systems and Methods for Treating Human Inflammatory and Proliferative Diseases and Wounds、With Fatty Acid Metabolism Inhibitors and/or Glycolytic Inhibitors」である国際特許出願第PCT/US2004/018612号(2004年6月11日出願)、およびWO 2000/78941として公開された発明の名称「Methods and Products for Manipulating Uncoupling protein Expression」である国際特許出願第PCT/US2000/17245(2000年6月22日出願)。
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、不定冠詞「1つ(a)」および「1つ(an)」は、逆のことが明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味することが理解されるべきである。
本明細書中で使用される場合、「または(or)」は、包括的かまたは、すなわち、少なくとも1つのを含むが、1つより多くの数または要素の一覧を含むと理解される。ただし、反対のことが明確に示される用語(例えば、「専らかまたは」または「厳密に1つの」)とは、厳密に1つの数または要素の一覧を含むことを指す。
本明細書中で使用される場合、「被験体」は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、霊長類、ラット、およびマウスが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のシステムおよび方法は、インビトロ、インビボ、およびエキソビボで哺乳動物の細胞増殖および細胞死を調節することにおいて広範な有用性を有する。本発明のインビトロ方法は、種々の目的のために有用である。例えば、本発明のシステムおよび方法は、推定上の化合物に対する曝露の際に細胞の分裂または死を受けるように本発明によって操作された細胞に接触させることによって、細胞分裂、癌、または細胞死に対する効果(例えば、予防効果)を有する薬物を同定するのに有用であり得る。
インビトロ方法に加えて、本発明の特定の方法は、被験体内の1種以上の細胞型を操作するために、被験体においてインビボまたはエキソビボで行われ得る。本明細書中で使用される場合、「エキソビボ」方法は、被験体からの細胞の単離、身体外での細胞の操作、および被験体への操作された細胞の再移植を包含する方法である。上記エキソビボ手順は、自己細胞または異種細胞において使用され得、そしてそのエキソビボ手順は、代表的に、自己細胞において使用される。いくつかの実施形態において、上記エキソビボ方法は、体液(例えば、末梢血または骨髄)から単離される細胞に対して行なわれるが、しかし、その細胞は、細胞の任意の供給源から単離され得る。被験体に戻される場合、その操作された細胞は、それが曝される処置に依存して、細胞の死または分裂についてプログラムされ得る。細胞のエキソビボ操作は、当該分野における数種の参考文献に記載されており、それらとしては、Engleman、Cytotechnology、25:1、1997、Van Schootenら、Molecular Medicine Today、June、255、1997、Steinman、Experimental Hematology、24:849、1996、およびGluckman、Cytokines,Cellular and Molecular Therapy、3:187、1997が挙げられる。本発明の細胞のエキソビボ活性化は、当該分野において公知である慣用のエキソビボ操作工程によって行われ得る。
インビボ方法もまた、当該分野において周知である。したがって、本発明は、治療目的および調査目的(例えば、特定の医学的なの経路または状態、生理学的なの経路または状態あるいは代謝の経路または状態の動物モデルまたはインビトロモデルにおいて試験すること)に有用である。
本発明は、脂肪酸代謝インヒビターとして機能する部分を解糖インヒビターとして機能する部分に連結するその最も一般的な形態で具現化される。図1を参照して、より具体的には、本発明は、二機能性化合物を含み、その二機能性化合物において、オキシランカルボン酸化合物の機能性を有する部分は、グルコース誘導体の機能性を有する部分に連結されている。
脂肪酸代謝インヒビターの本発明における機能性は、脂肪酸代謝経路内における反応(例えば、その経路内の酵素に触媒される反応)を阻害(例えば、予防するか、または少なくとも大きくその活性を減少させる)し得るオキシランカルボン酸化合物のものである。上記インヒビターは、例えば、酵素に結合してその酵素の作用を妨害すること(例えば、活性部位またはドッキング部位をブロックすること、酵素の立体配置を変化させること、酵素の活性部位に対して酵素基質と競合することなど)、および/または基質と反応するためにその酵素に必要な補酵素、補因子などと反応することによって、酵素を阻害し得る。脂肪酸代謝経路は、脂肪酸が細胞内でエネルギー(例えば、ATPの合成およびより単純な構造(例えば、CO、アシル基など)への脂肪酸の分解による)のために代謝される経路である。
脂肪酸代謝経路は、例えば、酵素(例えば、レダクターゼまたはイソメラーゼ)を使用する数種の酵素反応を含む。脂肪酸代謝経路内の酵素の特定の例としては、2,4−ジエノイル−CoAレダクターゼ、2,4−ジエノイル−CoAイソメラーゼ、ブチリルデヒドロゲナーゼなどが挙げられる。1つの組の実施形態において、上記脂肪酸代謝インヒビターは、脂肪酸代謝経路においてβ酸化反応を阻害し得るインヒビターである。別の組の実施形態において、上記インヒビターは、脂肪酸輸送体(例えば、脂肪酸を細胞に輸送するか、または代謝のために脂肪酸を細胞質からミトコンドリアに輸送する輸送体)に対するインヒビターであり、そのインヒビターは、脂肪酸代謝経路内の重要な工程と反応するか、もしくはそうでなければその工程を阻害するか、またはそのインヒビターは、ミトコンドリアにおけるエネルギー源としての脂肪酸のインヒビターであり得る。例えば、上記インヒビターは、中間体(例えば、ブチリルCoA、グルタリルCoA、またはイソバレリルCoA)の分解を阻害し得る。1つの実施形態において、上記インヒビターは、カルニチンの加水分解不可能なアナログである。
2,4−ジエノイル−CoAレダクターゼは、ポリ不飽和(polyunsaturated)脂肪酸の代謝に関与する還元反応を触媒する酵素である。脂肪酸は、ミトコンドリア内において2,4−ジエノイル−CoAレダクターゼに対する基質であり得る。いくつかの例において、脂肪酸は、脱共役タンパク質を介してミトコンドリアへと輸送され得る。さらに、上記脱共役タンパク質は、ミトコンドリアの代謝を増大させて、基質の利用能を増大させるβ酸化の処理量を増大させ得る。
2,4−ジエノイル−CoAイソメラーゼは、特定の脂肪酸の異性化を触媒する酵素である。特定のポリ不飽和脂肪酸の代謝における1つの工程は、反応性酸素中間体に対して保護的であり得る。したがって、基質、および2,4−ジエノイル−CoAイソメラーゼの活性に対するアンタゴニストを産生することによって、反応性酸素中間体の生成は、増強および/または減少し得る。次に、これは、特定の疾患状態(例えば、癌)に影響を及ぼし得る。
本明細書中で使用される場合、オキシランカルボン酸化合物の機能性を有する部分はまた細胞内の反応性酸素の細胞による生成を変化させるのに有用であることが、理解されるべきである。例えば、脂肪酸を代謝する細胞の能力を変化させることによって、反応性酸素を生成する細胞の能力もまた、影響され得る。なぜならば、反応性酸素中間体(「ROI」)を生成するための細胞についての1つの経路は、脂肪酸の代謝を介するものであるからである。細胞における反応性酸素の生成の変化は、細胞の免疫プロフィールの変化(すなわち、免疫細胞が細胞に応答する方法)に関連し得る。したがって、いくつかの場合において、細胞を脂肪酸代謝インヒビターに曝すこと、または細胞を脂肪酸代謝インヒビターから取り除くことは、反応性酸素の生成に影響を及ぼし得る。反応性酸素の生成の変化は、癌部位または創傷内における細胞の免疫プロフィールの変化が免疫系および/または他の創傷治癒工程を刺激し得るので、癌の処置および/または創傷治癒の増強に有用であり得る。
反応性酸素の生成の変化はまた、創傷内における細胞の免疫プロフィールの変化が創傷治癒工程を刺激し得るので、創傷治癒の増強に有用であり得る。
本発明の好ましい二機能性化合物は、オキシランカルボン酸化合物から誘導されるか、またはオキシランカルボン酸化合物として機能するように合成されるオキシランカルボン酸部分を有し、そのオキシランカルボン酸化合物は、式:
Figure 2008539238
を有し、RおよびRは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、1個〜4個の炭素原子のアルキル基、1個〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基を示し、Rは、水素原子または1個〜4個の炭素原子のアルキル基を示し、Yは、kが2〜8である(CH、またはグループ−O−(CH−を示し、mは、0、または1〜4の自然数であり、nは、2〜8の自然数であり、ここでmとnとの合計は、2〜8の自然数である。Rがハロゲン原子であり、Rが水素原子であり、mが0であり、かつnが6であるオキシランカルボン酸化合物は、より好ましく、そしてより具体的には、Rは、エチル基である。エトモキシル(すなわち、2−(6−(4−クロロフェノキシ)−ヘキシル)−オキシラン−2−カルボン酸エチルエステル)が、最も特に好ましい。
本明細書中で使用される場合、用語「ハロゲン」、または等価に「ハロゲン原子」は、化学の分野において使用されるその通常の意味を与えられる。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、およびアスタチンが挙げられる。好ましくは、本発明において使用されるハロゲン原子は、1以上のフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を含む。本発明の特定の実施形態において、上記構造内に見出されるハロゲン原子は、フッ素と塩素と臭素、フッ素と塩素、塩素と臭素、または単一の型のハロゲン原子である。
このようなオキシランカルボン酸化合物の例は、以下である:2−(6−(4−クロロフェノキシ)−ヘキシル)−オキシラン−2−カルボン酸エチルエステル、2−(4−(3−クロロフェノキシ)−ブチル)−オキシラン−2−カルボン酸エチルエステル、2−(4−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−ブチル)−オキシラン−2−カルボン酸エチルエステル、2−(5−(4−クロロフェノキシ)−ペンチル)−オキシラン−2−カルボン酸エチルエステル、2−(6−(3,4−ジクロロフェノキシ)−ヘキシル)−オキシラン−2−カルボン酸エチルエステル、2−(6−(4−フルオロフェノキシ)−ヘキシル)−オキシラン−2−カルボン酸エチルエステル、および2−(6−フェノキシヘキシル)−オキシラン−2−カルボン酸エチルエステル、対応するオキシランカルボン酸、およびそれらの薬理学的に受容可能な塩。エトモキシル(すなわち、2−(6−(4−クロロフェノキシ)−ヘキシル)−オキシラン−2−カルボン酸エチルエステル)を使用することが、最も特に好ましい。
上記オキシランカルボン酸化合物のいくつかは、市販の化合物であるか、市販の化合物から誘導されるか、あるいは当業者に公知でありかつ/または本明細書中に記載される慣用的な化学合成手順を使用してデノボで合成される。
本発明のいくつかの実施形態において、脂肪酸代謝インヒビターとして機能する部分は、本明細書中に記載されるホモログ、アナログ、誘導体、エナンチオマーおよび/もしくはその機能的に等価な組成物ならびに/または反応性酸素の細胞による生成を変化させ得る因子を含み得る。「機能的に等価な」とはまた、傷を受けているかもしくは癌(または本明細書中に記載される他の状態)の症状を示す被験体、癌に対して感受性であるかもしくは癌についての増大した危険性を有する被験体、または癌の症状を示さないが、癌の危険性を減少させること(例えば、ワクチン接種または予防的処置)が望まれる被験体などを処置し得る組成物をいう。親化合物とほぼ同程度有効であるかまたは親化合物よりも有効であるホモログ、アナログ、誘導体、エナンチオマーおよび/または機能的に等価な組成物もまた、本発明のシステムおよび方法における使用について意図される。このような組成物の合成は、代表的な化学修飾方法(例えば、当業者によって慣用的に実施される方法)によって達成され得る。
なお別の組の実施形態において、本発明は、脂肪酸代謝経路内に存在する酵素(例えば、2,4−ジエノイル−CoAレダクターゼまたは2,4−ジエノイル−CoAイソメラーゼ)をコードする領域に選択的に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用を包含する。したがって、1つの実施形態において、脂肪酸代謝インヒビターとして機能する部分は、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。
なお別の組の実施形態において、脂肪酸代謝インヒビターとして機能する部分としては、ドミナントネガティブな原形質膜ポリペプチドを含む。細胞におけるドミナントネガティブなポリペプチドの使用(例えば、発現)の最終結果は、脂肪酸代謝経路内に存在する機能的酵素の減少であり得る。当業者は、タンパク質または酵素のドミナントネガティブな改変体についての可能性を評価し得、そして1種以上のドミナントネガティブな改変体ポリペプチドを作製するために標準的な変異誘発技術を使用し得る。例えば、当業者は、部位特異的変異誘発、系統的(scanning)変異誘発、部分的な遺伝子の欠失または削除などによって、酵素コード領域の配列を改変し得る。例えば、米国特許第5,580,723号およびSambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989を参照のこと。次いで、当業者は、変異誘発されたポリペプチドの集団を、そのタンパク質または酵素の選択された活性の減少および/またはそのタンパク質または酵素のこのような活性の保持について試験し得る。タンパク質のドミナントネガティブな改変体を作製および試験するための他の類似する方法は、当業者に明らかである。
本発明の好ましい二機能性化合物は、2−デオキシ−D−グルコースのホモログ、アナログ、および/または誘導体として本明細書中に定義される2−デオキシグルコース化合物であるグルコース誘導体から誘導されるか、またはそのグルコース誘導体として機能するように合成される部分を有する。左旋性形態が優勢ではなく、かつ2−デオキシ−D−グルコースが好ましい一方で、用語「2−デオキシグルコース」は、とりわけ、2−デオキシ−D−グルコースおよび2−デオキシ−L−グルコース、またはそれらの混合物のいずれかを網羅することが意図される。一般に、好ましい二機能性化合物の解糖阻害部分がリコリティック(lycolytic)インヒビターから誘導されるかまたはリコリティックインヒビターとして機能するように合成されるグルコース誘導体は、式:
Figure 2008539238
を有し得、Rは、水酸基、ハロゲン原子、チオール基、またはCO−Rを示し、ここでRは、1個〜20個の炭素原子のアルキル基を示し、Rは、水素原子またはハロゲン原子を示し、R、RおよびRは、それぞれ、水酸基、ハロゲン原子、またはCO−Rを示し、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、水酸基であり、そしてXは、OまたはSを示す。そのハロゲン原子は、オキシランカルボン酸化合物に関して上記され、そしてR、R、R、およびRにおいて上記されるものである。そのハロゲン原子は、好ましくは、Fであり、そしてRは、好ましくは、C〜C15アルキル基である。
このような2−デオキシグルコース化合物の例は、以下である:2−デオキシ−D−グルコース、2−デオキシ−L−グルコース、2−ブロモ−D−グルコース、2−フルオロ−D−グルコース、2−ヨード−D−グルコース、6−フルオロ−D−グルコース、6−チオ−D−グルコース、7−グルコシルフルオリド、3−フルオロ−D−グルコース、4−フルオロ−D−グルコース、2−デオキシ−D−グルコースの1−O−プロピルエステル、2−デオキシ−D−グルコースの1−O−トリデシルエステル、2−デオキシ−D−グルコースの1−O−ペンタデシルエステル、2−デオキシ−D−グルコースの3−O−プロピルエステル、2−デオキシ−D−グルコースの3−O−トリデシルエステル、2−デオキシ−D−グルコースの3−O−ペンタデシルエステル、2−デオキシ−D−グルコースの4−O−プロピルエステル、2−デオキシ−D−グルコースの4−O−トリデシルエステル、2−デオキシ−D−グルコースの4−O−ペンタデシルエステル、2−デオキシ−D−グルコースの6−O−プロピルエステル、2−デオキシ−D−グルコースの6−O−トリデシルエステル、2−デオキシ−D−グルコースの6−O−ペンタデシルエステル、および5−チオ−D−グルコース、ならびにそれらの混合物。
図2を参照して、5つの二機能性化合物の一般形態(それぞれ、化合物(I)〜(V))が、示され、そしてそれぞれの特定の好ましい二機能性化合物が、それぞれ化合物(VI)〜(X)として図3に示され、それらの各々は、以下の実施例においてより詳細に言及される。
(実施例1)
本発明において、MDR腫瘍を処置するために、構造:
Figure 2008539238
を有し、Rは、水酸基、ハロゲン原子、チオール基、またはCO−Rを示し、ここでRは、1個〜20個の炭素原子のアルキル基を示し、Rは、水素原子またはハロゲン原子を示し、R、RおよびRは、それぞれ、水酸基、ハロゲン原子、またはCO−Rを示し、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、水酸基、RおよびRは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、1個〜4個の炭素原子のアルキル基、1個〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基を示し、Rは、水素原子または1個〜4個の炭素原子のアルキル基を示し、Xは、OまたはSを示し、Yは、kが2〜8である(CH、またはグループ−O−(CH−を示し、mは、0、または1〜4の自然数であり、nは、2〜8の自然数であり、ここでmとnとの合計は、2〜8の自然数であり、そしてZは、O、Sあるいはグループ(CH−O−(CHまたは(CH−S−(CHを示し、そしてpおよびqは、それぞれ、O、または1〜4の自然数である、図2の二機能性化合物(I)が使用され得る。
好ましい特定の二機能性化合物(I)は、化合物(VI)として図3に示され、それは、構造:
Figure 2008539238
を有する。
(実施例2)
本発明において、MDR腫瘍を処置するために、構造:
Figure 2008539238
を有し、Rは、水素原子またはハロゲン原子を示し、R、RおよびRは、それぞれ、水酸基、ハロゲン原子、またはCO−Rを示し、ここでRは、1個〜20個の炭素原子のアルキル基を示し、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、水酸基であり、Rは、水素原子または1個〜4個の炭素原子のアルキル基を示し、Xは、OまたはSを示し、そしてYは、kが2〜8である(CH、またはグループ−O−(CH−を示し、mは、0、または1〜4の自然数であり、nは、2〜8の自然数であり、ここでmとnとの合計は、2〜8の自然数である、図2の二機能性化合物(II)が使用され得る。
好ましい特定の二機能性化合物(II)は、化合物(VII)として図3に示され、それは、構造:
Figure 2008539238
を有する。
(実施例3)
本発明において、MDR腫瘍を処置するために、構造:
Figure 2008539238
を有し、Rは、水酸基、ハロゲン原子、チオール基、またはCO−Rを示し、ここでRは、1個〜20個の炭素原子のアルキル基を示し、Rは、水素原子またはハロゲン原子を示し、R、RおよびRは、それぞれ、水酸基、ハロゲン原子、またはCO−Rを示し、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、水酸基であり、RおよびRは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、1個〜4個の炭素原子のアルキル基、1個〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基を示し、Rは、水素原子または1個〜4個の炭素原子のアルキル基を示し、Xは、OまたはSを示し、そしてYは、kが2〜8である(CH、またはグループ−O(CH−を示し、mは、0、または1〜4の自然数であり、nは、2〜8の自然数であり、ここでmとnとの合計は、2〜8の自然数である、図2の二機能性化合物(III)が使用され得る。
好ましい特定の二機能性化合物(III)は、化合物(VIII)として図3に示され、構造:
Figure 2008539238
を有する。
(実施例4)
本発明において、MDR腫瘍を処置するために、構造:
Figure 2008539238
を有し、Rは、水酸基、ハロゲン原子、チオール基、またはCO−Rを示し、ここでRは、1個〜20個の炭素原子のアルキル基を示し、Rは、水素原子またはハロゲン原子を示し、R、RおよびRは、それぞれ、水酸基、ハロゲン原子、またはCO−Rを示し、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、水酸基であり、RおよびRは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、1個〜4個の炭素原子のアルキル基、1個〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基を示し、Rは、水素原子または1個〜4個の炭素原子のアルキル基を示し、Xは、OまたはSを示し、Yは、kが2〜8である(CH、またはグループ−O−(CH−を示し、mは、0、または1〜4の自然数であり、nは、2〜8の自然数であり、ここでmとnとの合計は、2〜8の自然数であり、そしてZは、O、Sあるいはグループ(CH−O−(CHまたは(CH−S−(CHを示し、そしてpおよびqは、それぞれ、0、または1〜4の自然数である、図2の二機能性化合物(IV)が使用され得る。
好ましい特定の二機能性化合物(IV)は、化合物(IX)として図3に示され、構造:
Figure 2008539238
を有する。
(実施例5)
本発明において、MDR腫瘍を処置するために、構造:
Figure 2008539238
を有し、Rは、水酸基、ハロゲン原子、チオール基、またはCO−Rを示し、ここでRは、1個〜20個の炭素原子のアルキル基を示し、Rは、水素原子またはハロゲン原子を示し、R、RおよびRは、それぞれ、水酸基、ハロゲン原子、またはCO−Rを示し、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、水酸基であり、RおよびRは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、1個〜4個の炭素原子のアルキル基、1個〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基を示し、Rは、水素原子または1個〜4個の炭素原子のアルキル基を示し、Xは、OまたはSを示し、そしてYは、kが2〜8である(CH、またはグループ−O−(CH−を示し、ここでmは、0、または1〜4の自然数であり、nは、2〜8の自然数であり、ここでmとnとの合計は、2〜8の自然数である、図2の二機能性化合物(V)が使用され得る。
好ましい特定の二機能性化合物(V)は、化合物(X)として図3に示され、構造:
Figure 2008539238
を有する。
(概括)
1つの局面において、本発明のシステムおよび方法は、癌、腫瘍、および代表的には制御されていない迅速に分裂する細胞集団を含む他の状態の処置において有用である。本明細書中で使用される場合、「迅速に分裂する細胞」は、有糸分裂による増殖を行なっている細胞である。このような細胞は、当該分野において周知であり、そしてその細胞としては、腫瘍細胞、癌細胞、リンパ球(T細胞またはB細胞)、細菌、および膵臓ベータ(β)細胞が挙げられる。そのシステムおよび方法は、腫瘍細胞を含む哺乳動物細胞の多くの型において細胞死を誘導するのに有用である。本明細書中で使用される場合、「腫瘍細胞」は、望ましくない有糸分裂による増殖を行なっている細胞である。腫瘍細胞は、本発明のインビトロの局面において使用される場合、被検体内の腫瘍から単離され得るか、または確立された細胞株の一部であり得る。
本明細書中で使用される場合、用語「細胞死」は、アポトーシスまたは細胞溶解のいずれかの工程をいうために使用される。アポトーシスおよび細胞溶解の両方において、細胞は、死ぬが、その工程は、細胞の異なる機構および/または異なる代謝段階によって生じる。アポトーシスは、細胞が縮小(shrinkage)および断片化を受け、細胞フラグメントの貧食作用を受ける細胞死の工程である。アポトーシスは、当該分野において周知であり、そして当該分野で認識される任意の方法によって評価され得る。例えば、アポトーシスは、生きている細胞と死んだ細胞との間を区別し得るフローサイトメトリーを使用して容易に決定され得る。
被験体における腫瘍細胞は、任意の型の癌の一部であり得る。癌としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:胆道の癌、膀胱癌、脳の癌(神経膠芽腫および髄芽細胞腫を含む)、乳癌、子宮頚癌、絨毛癌、結腸癌、子宮体癌、食道癌、胃癌、急性リンパ球性白血病および骨髄性白血病、多発骨髄腫、AlDS関連の白血病と成人T細胞白血病リンパ腫を含む血液学的な新生物、ボーエン病とパジェット病を含む上皮内新生物、肝癌、肺癌、ホジキン病とリンパ球性リンパ腫を含むリンパ腫、神経芽腫、扁平上皮癌を含む口腔癌、上皮細胞、間質細胞、胚細胞、および間葉細胞から生じるものを含む卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、直腸癌、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫および骨肉腫を含む肉腫、黒色腫、カポジ肉腫、基底細胞癌と扁平上皮癌を含む皮膚癌、セミノーマ、非セミノーマ、奇形腫、絨毛癌、間質腫瘍と胚細胞腫瘍のような胚腫瘍を含む精巣癌、甲状腺癌および髄様癌を含む甲状腺癌、ならびに腺癌とウィルムス腫瘍を含む腎臓癌。一般的に直面する癌としては、乳癌、前立腺癌、肺癌、卵巣癌、結腸直腸の癌、および脳の癌が挙げられる。一般に、癌を処置するための組成物の有効な量は、インサイチュで哺乳動物の癌細胞増殖を阻害するのに必要な量である。当業者は、抗癌剤の有効な量を評価する分野について十分に教育されている。
1つの組の実施形態において、本発明は、癌に対して感受性であるか、または癌の症状を示す被験体を処置する方法を包含する。いくつかの例において、上記癌は、薬剤耐性または多剤耐性である。本明細書中で使用される場合、「薬剤耐性癌」は、従来の一般に公知の癌治療に耐性である癌である。従来の癌治療の例は、薬剤(例えばメトトレキサート、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、パミドロン酸二ナトリウム、アナストロゾール、エクセメスタン、シクロホスファミド、エピルビシン、トレミフェン、レトロゾール、トラスツズマブ、メゲストロール、タモキシフェン、パクリタキセル、ドセタキセル、カペシタビン、酢酸ゴセレリンなど)による癌の治療を含む。「多剤耐性癌」は、1つより多くの型またはクラスの癌薬剤に抵抗する癌である(すなわち、その癌は、第1の作用機序を有する第1の薬物、および第2の作用機序を有する第2の薬物に抵抗し得る)。いくつかの例において、被験体は、他に、インヒビターによる処置に適用されない(例えば、その被験体は、肥満治療に適用されない)。
1つの局面において、任意の本明細書中に記載される本発明のシステムおよび方法は、癌処置の1つ以上の他の形態(例えば、抗癌剤、化学療法、放射線治療など)と組み合わせて使用され得る(例えば、同時か、または全体の処置手順の一部として)。用語「癌処置」は、本明細書中で使用される場合、以下を含み得るが、これらに限定されない:化学療法、放射線治療、補助的治療、ワクチン接種、またはこれらの方法の任意の組み合わせ。変化し得る癌処置の局面は、投薬量、投与のタイミングまたは治療の持続期間を含むが、これらに限定されず、そしてその癌処置は、投薬量、タイミング、または持続期間において変化し得る。癌に対する別の処置は、外科手術であり、その外科手術は、単独か、または任意の先の処置方法との組み合わせのいずれかで利用され得る。医療分野の当業者は、被験体に対して適切な処置を決定し得る。
1つの実施形態において、癌処置は、抗癌剤または抗癌薬(例えば、一般に公知の抗癌剤または抗癌薬)による処置を含み得る。適切な抗癌剤および抗癌薬の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:20−エピ−1,25ジヒドロキシビタミンD3、4−イポメアノール(ipomeanol)、5−エチニルウラシル、9−ジヒドロタキソール、アビラテロン(abiraterone)、アシビシン(acivicin)、アクラルビシン、塩酸アコダゾール、アクロニン、アシルフルベン(acylfulvene)、アデシフェノール(adecypenol)、アドゼレシン、アルデスロイキン、オールtkアンタゴニスト、アルトレタミン、アンバムスチン、アンボマイシン(ambomycin)、酢酸アメタントロン、アミドクス(amidox)、アミフォスチン、アミノグルテチミド、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレライド(anagrelide)、アナストロゾール、アンドログラフォライド(andrographolide)、新脈管形成インヒビター、アンタゴニストD、アンタゴニストG、アンタレリクス(antarelix)、アントラマイシン(anthramycin)、抗背側化形態発生タンパク質−1、抗エストロゲン、抗新生物薬、アンチセンスのオリゴヌクレオチド、グリシン酸アフィディコリン、アポトーシスの遺伝子調節因子、アポトーシスの調節装置、アプリン酸、ARA−CDP−DL−PTBA、アルギニンデアミナーゼ、アスパラギナーゼ、アスペルリン(asperlin)、アスラクリン(asulacrine)、アタメスタン(atamestane)、アトリムスチン、アキシナスタチン(axinastatin)1、アキシナスタチン2、アキシナスタチン3、アザシチジン、アザセトロン、アザトキシン(azatoxin)、アザチロシン、アゼテパ(azetepa)、アゾトマイシン(azotomycin)、バッカチンIII誘導体、バラノール(balanol)、バチマスタット、ベンゾクロリン(benzochlorin)、ベンゾデパ(benzodepa)、ベンゾイルスタウロスポリン、βラクタム誘導体、β−アレチン(alethine)、ベタクラマイシン(betaclamycin)B、ベツリン酸、BFGFインヒビター、ビカルタミド、ビスアントレン(bisantrene)、塩酸ビスアントレン、ビスアジリジニルスペルミン(bisaziridinylspermine)、ビスナフィド、ビスナフィドジメシラート、ビストラテン(bistratene)A、ビセレシン、ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、BRC/ABLアンタゴニスト、ブレフラート(breflate)、ベレキナル(brequinar)ナトリウム、ブロピリミン、ブドチタン、ブスルファン、ブチオニンスルホキシミン、カクチノマイシン、カルシポトリオール、カルフォスチンC、カルステロン、カンプトテシン誘導体、カナリアポックスIL−2、カペシタビン、カラセミド、カルベチマー、カルボプラチン、カルボキサミド−アミノトリアゾール、カルボキシアミドトリアゾール、カレスト(carest)M3、カルムスチン、カーン(carn)700、軟骨由来インヒビター(cartilage derived inhibitor)、塩酸カルビシン、カルゼレシン、カゼインキナーゼインヒビター、カスタノスペルミン、セクロピンB、セデフィンゴール(cedefingol)、セトロレリクス、クロラムブシル、クロリン、クロロキノサリンスルホンアミド、シカプロスト、シロレマイシン(cirolemycin)、シスプラチン、シス−ポルフィリン、クラドリビン、クロミフェンアナログ、クロトリマゾール、コルリスマイシン(collismycin)A、コルリスマイシンB、コンブレタスタチンA4、コンブレタスタチンアナログ、コナゲニン、クランベシジン(crambescidin)816、クリスナトール、クリスナトールメシラート、クリプトフィシン(cryptophycin)8、クリプトフィシンA誘導体、クラシン(curacin)A、シクロペンタントラキノン(cyclopentanthraquinone)、シクロホスファミド、シクロプラタム(cycloplatam)、シペマイシン(cypemycin)、シタラビン、シタラビンオクフォスファート、細胞溶解因子、サイトスタチン(cytostatin)、ダカルバジン、ダクリキシマブ(dacliximab)、ダクチノマイシン、塩酸ダウノルビシン、デシタビン、デヒドロダイデムニン(dehydrodidemnin)B、デスロレリン(deslorelin)、デキシフォスファミド(dexifosfamide)、デキソルマプラチン、デクスラゾキサン、デクスベラパミル、デザグアニン、デザグアニンメシラート、ジアジクォン、ディデムニン(didemnin)B、ディドックス(didox)、ジエチルノルスペルミン(diethylnorspermine)、ジヒドロ−5−アザシチジン、ジオキシマイシン(dioxamycin)、ジフェニルスピロムスチン、ドセタキセル、ドコサノール、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシン、ドロロキシフェン、クエン酸ドロロキシフェン、プロピオン酸ドロモスタノロン、ドロナビノール、デュアゾマイシン(duazomycin)、デュオカルマイシンSA、エブセレン、エコムスチン、エダトレキサート、エデルホシン、エドレコロマブ、エフロルニチン、塩酸エフロルニチン、エレメン、エルサミトルシン(elsamitrucin)、エミテフール(emitefur)、エンロプラチン、エンプロマート、エプロピジン、エピルビシン、塩酸エピルビシン、プリステライド、エルブロゾール(erbulozole)、赤血球遺伝子治療ベクターシステム、塩酸エソルビシン(esorubicin)、エストラムスチン、エストラムスチンアナログ、リン酸エストラムスチンナトリウム、エストロゲン作動筋、エストロゲンアゴニスト、エタニダゾール、エトポシド、リン酸エトポシド、エトプリン(etoprine)、エクセメスタン、ファドロゾール、塩酸ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フィナステリド、フラボピリドール(flavopiridol)、フレゼラスチン、フロクスウリジン、フルアステロン(fluasterone)、フルダラビン、リン酸フルダラビン、塩酸フルオロダウノルニシン(fluorodaunorunicin)、フルオロウラシル、フルオロシタビン、ホルフォニメクス、ホルメスタン、ホスキドン、ホストリエシン、ホストリエシンナトリウム、ホテムスチン、ガドリニウムテキサフィリン、硝酸ガリウム、ガロシタビン、ガニレリックス、ゼラチナーゼインヒビターs、ゲムシタビン、塩酸ゲムシタビン、グルタチオンインヒビター、ヘプスルファム(hepsulfam)、ヘレグリン、ヘキサメチレンビスアセタミド、ヒドロキシ尿素、ヒペリシン、イバンドロン酸、イダルビシン、塩酸イダルビシン、イドキシフェン、イドラマントン、イホスファミド、イルモホシン、イロマスタット、イミダゾアクリドン、イミキモッド、免疫刺激性ペプチドs、インスリン様増殖因子−1受容体インヒビター、インターフェロンアゴニスト、インターフェロンα−2A、インターフェロンα−2B、インターフェロンα−N1、インターフェロンα−N3、インターフェロンβ−IA、インターフェロンγ−IB、インターフェロン、インターロイキン、イオベングアン、ヨードドキソルビシン、イプロプラチン、イリノテカン、塩酸イリノテカン、イロプラクト(iroplact)、イルソグラジン、イソベンガゾール(isobengazole)、イソホモハリコンドリン(isohomohalicondrin)B、イタセトロン、ジャスプラキノリド、カハラリド(kahalalide)F、ラメラリン−Nトリアセテート、ランレオチド、ランレオチドアセテート、レナマイシン、レノグラスチム、硫酸レンチナン、レプトールスタチン、レトロゾール、白血病阻害因子、白血球αインターフェロン、酢酸リュープロリド、リュープロリド/エストロゲン/プロゲステロン、リュープロレリン、レバミゾール、リアロゾール(liarozole)、塩酸リアロゾール、直鎖ポリアミンアナログ、親油性二糖類ペプチド、親油性白金錯体、リスソクリンアミド(lissoclinamide)7、ロバプラチン、ロンブリシン、ロメトレゾール(lometrexol)、ロメトレゾールナトリウム、ロムスチン、ロニダミン、ロソキサントロン、塩酸ロソキサントロン、ロバスタチン、ロキソリビン、リューロテカン(lurtotecan)、ルテチウムテキサフィリン、リソフィリン(lysofylline)、溶解ペプチド、マイタンシン、マンノスタチン(mannostatin)A、マリマスタット、マソプロコール、マスピン、マトリライシンインヒビター、マトリックスメタロプロテイナーゼインヒビター、マイタンシン、塩酸メクロレタミン、酢酸メゲストロール、メレンゲストール(melengestrol)アセテート、メルファラン、メノガリル、メルバロン(merbarone)、メルカプトプリン、メテレリン(meterelin)、メチオニナーゼ、メトトレキサート、メトトレキサート・ナトリウム、メトクロプラミド、メトプリン(metoprine)、メツレデパ、微細藻類プロテインキナーゼCインヒビター、MIFインヒビター、ミフェプリストン、ミルテフォシン、ミスマッチ二本鎖RNA、ミチンドミド、マイトカルシン(mitocarcin)、マイトクロミン(mitocromin)、マイトジリン(mitogillin)、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトマルシン、ミトマイシン、ミトマイシンアナログ、メトナフィド、ミトスペル(mitosper)、ミトーテン、マイトトキシン(mitotoxin)、線維芽細胞増殖因子−サポリン(saporin)、ミトキサントロン、塩酸ミトザントロン、モファロテン、モルグラモスチム、モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、一リン酸化脂質a/マイコバクテリウム細胞壁SK、モピダモール、多剤耐性遺伝子インヒビター、多発性腫瘍抑制因子−1ベースの治療、マスタード系抗癌薬剤、ミカペロキシド(mycaperoxide)B、ミコバクテリウム細胞壁抽出物、ミコフェノール酸、ミリアポロン(myriaporone)、n−アセチルジナリン(acetyldinaline)、ナファレリン、ナグレスチプ(nagrestip)、ナロキソン/ペンタゾシン、ナパビン(napavin)、ナフテルピン(naphterpin)、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ネモルビシン(nemorubicin)、ネリドロン酸、中性エンドペプチダーゼ、ニルタミド、ニサマイシン(nisamycin)、一酸化窒素調節因子、窒素酸化物抗酸化物質、ニトルリン(nitrullyn)、ノコダゾール、ノガラマイシン、n−ベンズアミド誘導体、O6−ベンジルグアニン、オクトレオチド、オキセノン(okicenone)、オリゴヌクレオチド、オナプリストン、オンダンセトロン、オラシン(oracin)、経口サイトカイン誘導物質、オルマプラチン、オスタテロン、オキサリプラチン、オキサウノマイシン(oxaunomycin)、オキシスラン、パクリタキセル、パクリタキセルアナログ、パクリタキセル誘導体、パラウアミン(palauamine)、パルミトイルリゾキシン、パミドロン酸、パナキシトリオール(panaxytriol)、パノミフェン、パラバクチン(parabactin)、パゼリプチン、ペガスパルガーゼ、ペルデシン、ペリオマイシン(peliomycin)、ペンタムスチン(pentamustine)、ペントサンポリサルフェートナトリウム、ペントスタチン、ペントロゾール(pentrozole)、硫酸ペプロマイシン、ペルフルブロン、ペルホスファミド、ペリリルアルコール、フェナジノマイシン、フェニルアセテート、ホスファターゼイ
ンヒビター、ピシバニール、塩酸ピロカルピン、ピポブロマン、ピポスルファン、ピラルビシン、ピリトレキシム(piritrexim)、塩酸ピロキサントロン、プラセチン(placetin)A、プラセチンB、プラスミノゲン活性化因子インヒビター、白金錯体、白金化合物、白金−トリアミン複合体、プリカマイシン、プロメスタン(plomestane)、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、塩酸プロカルバジン、プロピルビス−アクリドン、プロスタグランジンJ2、前立腺癌抗アンドロゲン、プロテアソームインヒビター、プロテインAベースの免疫調節因子、プロテインキナーゼCインヒビター、チロシンホスファターゼインヒビター、プリンヌクレオシドホスホリラーゼインヒビター、プロマイシン、塩酸プロマイシン、プルプリン、ピラゾフリン(pyrazofurin)、ピラゾロアクリジン(pyrazoloacridine)、ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン結合体、RAFアンタゴニスト、ラルチトレキセド、ラモセトロン、RASファルネシルタンパク質トランスフェラーゼインヒビター、RASインヒビター、RAS−GAPインヒビター、ジメチル化レテリプチン、エチドロン酸レニウムRE186、リゾキシン、リボプリン、リボザイム、RIIレチナミド、RNAi、ログレチミド(rogletimide)、ロヒツキン(rohitukine)、ロムルチド、ロキニメックス、ルビギノン(rubiginone)B1、ルボキシル(ruboxyl)、サフィンゴール(safingol)、塩酸サフィンゴール、サイントピン(saintopin)、sarcnu、サルコフィトール(sarcophytol)A、サルグラモスチン、SDI 1模倣物(mimetic)、セムスチン、老化由来のインヒビター1、センスオリゴヌクレオチド、シグナル伝達インヒビター、シグナル伝達調節因子、シムトラゼン(simtrazene)、一本鎖抗原結合タンパク質、シゾフィラン、ソブゾキサン、ボロカプタートナトリウム、・フェニル酢酸ナトリウム、ソルベロール(solverol)、ソマトメジン結合タンパク質、ソネルミン(sonermin)、スパルフォセート(sparfosate)ナトリウム、スパルホス酸、スパルソマイシン、スピカマイシン(spicamycin)D、塩酸スピロゲルマニウム、スピロムスチン、スピロプラチン、スプレノペンチン(splenopentin)、スポンギスタチン(spongistatin)1、スクアラミン、幹細胞インヒビター、幹細胞分裂インヒビター、スチピアミド(stipiamide)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ストロメライシンインヒビター、スルフモシン(sulfmosine)、スロフェヌル(sulofenur)、超活性血管作用性腸管ペプチドアンタゴニスト、スラジスタ(suradista)、スラミン、スウェインソニン、合成グリコサミノグリカン、タリソマイシン(talisomycin)、タリムスチン(tallimustine)、タモキシフェンメチオジド、タウロムスチン、タザロテン、テコガランナトリウム、テガフール、テルラピリウム(tellurapyrylium)、テロメラーゼインヒビター、塩酸テロキサントン、テモポルフィン、テモゾロマイド、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、テトラクロロデカオキシド、テトラゾミン(tetrazomine)、タリブラスチン(thaliblastine)、サリドマイド、チアミプリン(thiamiprine)、チオコラリン(thiocoraline)、チオグアニン、チオテパ、トロンボポエチン、トロンボポエチン模倣物、thymalFasin、サイモポイエチンレセプターアゴニスト、チモトリナン、甲状腺刺激ホルモン、チアゾフリン、錫エチルエチオプルプリン(etiopurpurin)、チラパザミン、二塩化チタノセン、塩酸トポテカン、トプセチン(topsentin)、トレミフェン、クエン酸トレミフェン、全能性幹細胞因子、翻訳インヒビター、酢酸トレストロン、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリシビン、リン酸トリシビン、トリメトレキサート、グルクロン酸トリメトレキサート、トリプトレリン、トロピセトロン、塩酸ツブロゾール、ツロステリド、チロシンキナーゼインヒビター、チロホスチン、UBCインヒビター、ウベニメクス、ウラシルマスタード、ウレデパ、尿生殖洞由来の増殖阻害因子、ウロキナーゼレセプターアンタゴニスト、バプレオチド、バリオリン(variolin)B、ベラレソール、ベラミン(veramine)、ベルジン(verdins)、ベルテポルフィン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシン、硫酸ビンデシン、硫酸ビネピジン、硫酸ビングリシネート(vinglycinate)、硫酸ビンレウロシン(vinleurosine)、ビノレルビン、酒石酸ビノレルビン、硫酸ビンロシジン(vinrosidine)、ビンキサルチン(vinxaltine)、硫酸ビンゾリジン(vinzolidine)、バイタクシン(vitaxin)、ボロゾール、ザノテロン(zanoterone)、ゼニプラチン、ジラスコルブ、ジノスタチン、ジノスタチンスチマラマーおよび塩酸ゾルビシン、ならびにそれらの塩、ホモログ、アナログ、誘導体、エナンチオマーおよび/または機能的に等価な組成物。
1つの組の実施形態において、細胞が、腫瘍(例えば、被験体由来の腫瘍、インビトロで増殖する腫瘍など)から取り出され得、そして本明細書中に記載されるシステムおよび方法に対していくつかの様式で曝され得る。適切な曝露後に、その曝された細胞は、被験体に導入され得る。1つの実施形態において、上記細胞の曝露は、例えば、被験体の免疫系が腫瘍細胞を認識し得るようないくつかの様式で腫瘍細胞の免疫学的プロフィールを変化させ得る。上記被験体の免疫系は、上記曝された細胞と相互作用した後、その被験体内に存在する腫瘍を認識し、したがって癌を減少させ得る。被験体が腫瘍を有する場合、上記細胞は、その腫瘍に注射され得るか、その腫瘍の近傍に注射され得るか、そして/またはその腫瘍から離れた身体の領域において全身的もしくは局所的に送達され得る。いくつかの例において、腫瘍が、被験体から除去され得、次いで上記曝された細胞が、例えば、腫瘍の除去においてもたらされた腔、または身体内の別の部位に挿入され得る。必要に応じて、他の癌処置方法(例えば、放射線または従来の抗癌剤に対する曝露)もまた、これらの方法と組み合わせて使用され得る。いくつかの例において、上記被験体は、癌または腫瘍を有さない可能性があるが、上記細胞は、将来の癌および/または他の制御されていない細胞増殖に対する抗体を産生するように免疫系を刺激する(すなわち、癌および/または他の制御されていない細胞増殖からその被験体を「免疫化する」)ために注射され得る。
いくつかの癌において、細胞は、抗原性であり、そして免疫系によって標的され得る。したがって、本発明のシステムおよび方法と癌医薬(特に、癌免疫療法剤として分類されるもの)とを組み合わせた適用は、癌抗原に対する特定の免疫応答を刺激するのに非常に有用であり得る。「癌抗原」は、本明細書中で使用される場合、腫瘍または癌の細胞表面と結合する化合物(例えば、ペプチド)であり、そしてそれは、MHC分子の構成(context)において抗原提示細胞上に発現される場合に免疫応答を誘起し得る。癌抗原(例えば、癌ワクチンに存在するか、または癌免疫療法剤を調製するために使用されるもの)は、例えば、Cohenら、Cancer Research、54:1055、1994に記載されるような癌細胞の粗抽出物から調製され得るか、または組換え技術を使用して抗原を部分的に精製することによって調製され得るか、または公知の抗原のデノボ合成であり得る。癌抗原は、特定の抗原の免疫原部分の形態で使用され得るか、またはいくつかの例において、全細胞または腫瘍塊が、上記抗原として使用され得る。このような抗原は、組換え、または当該分野において公知である任意の他の手段によって単離または調製され得る。
本発明のシステムおよび方法は、特定の症例において、免疫療法剤と組み合わせて使用され得る。免疫療法の目標は、確立された腫瘍に対する被験体の免疫応答を増大させることである。免疫療法の1つの方法は、アジュバントの使用を含む。アジュバント(微生物(例えば、bacillus Calmette−Guerin)に由来する物質)は、免疫応答を高め、そして動物において腫瘍に対する耐性を増強し得る。免疫療法剤は、しばしば、癌抗原に特異的に結合するか、そうでなければ癌抗原を認識する抗体または抗体フラグメントに由来する医薬である。このような因子の結合は、免疫応答(例えば、抗原特異的免疫応答)を促進し得る。抗体ベースの免疫療法は、癌細胞の細胞表面に結合することによって機能し得、その結合は、癌細胞を攻撃する内因性の免疫系を刺激し得る。
本明細書中で使用される場合、「癌抗原」は、癌細胞によって発現される抗原として広範に定義される。その抗原は、癌細胞の細胞表面にて発現され得る。多くの場合において、その抗原は、正常細胞によって発現されないか、または少なくとも癌細胞中と同じレベルまたは濃度において発現されない抗原である。例として、いくつかの癌抗原は、正常細胞において通常はサイレントであり(すなわち、発現されない)、いくつかは、分化の特定の段階においてのみ発現され、そして他のものは、一時的にのみ発現される(例えば、胚抗原および胎児抗原)。他の癌抗原は、変異細胞遺伝子(例えば、オンコジーン(例えば、活性化rasオンコジーン)、サプレッサー遺伝子(例えば、変異p53)、内部欠失または染色体転座によってもたらされる融合タンパク質などによってコードされる。さらに他の癌抗原は、ウイルス遺伝子(例えば、RNA腫瘍ウイルスおよびDNA腫瘍ウイルスにおいて保有されるもの)によってコードされ得る。正常細胞および癌細胞における癌抗原の示唆的な発現は、いくつかの場合において癌細胞を標的するために利用され得る。本明細書中で使用される場合、用語「癌抗原」および「腫瘍抗原」は、交換可能に使用される。
免疫監視機構の理論は、免疫系のプライム(prime)機能が腫瘍形成の前に新生物性細胞を検出および排除するということである。この理論の基本原理は、癌細胞が、正常細胞とは抗原的に異なり、したがって免疫学的に不適合な同種移植片の拒絶を引き起こすものと同様の免疫反応を誘起し得るということである。研究は、腫瘍細胞が、抗原のそれらの発現において、質的または量的に異なることを確認した。例えば、「腫瘍特異的抗原」は、腫瘍細胞に特異的に関連するが、正常細胞に特異的に関連しない抗原である。腫瘍特異的抗原の例は、DNAウイルスまたはRNAウイルスの両方によって誘導される腫瘍中のウイルス抗原である。「腫瘍関連」抗原は、腫瘍細胞および正常細胞の両方に存在するが、腫瘍細胞において異なる量または異なる形態で存在する。このような抗原の例は、腫瘍胎児抗原(例えば、癌胎児抗原)、分化抗原(例えば、T抗原およびTn抗原)、およびオンコジーン産物(例えば、HER/neu)である。
インビトロおよびインビボで腫瘍標的を殺し得る異なる型の細胞が、同定されている:ナチュラルキラー細胞(NK細胞)、細胞溶解性Tリンパ球(CTL)、リンホカイン活性化キラー細胞(LAK)、および活性化マクロファージ。NK細胞は、特定の抗原に対して以前に感作されていない腫瘍細胞を殺し得、そしてその活性は、標的細胞上の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)によってコードされるクラスI抗原の存在を必要としない。NK細胞は、発生期の腫瘍の制御および転移増殖の制御に関与すると考えられる。NK細胞とは対照的に、CTLは、それらが腫瘍抗原にに対して感作された後、そして標的抗原がMHCクラスIをも発現する腫瘍細胞上に発現される場合にのみ、腫瘍細胞を殺し得る。CTLは、移植された腫瘍の拒絶およびDNAウイルスによって引き起こされる腫瘍の拒絶において、エフェクター細胞であると考えられる。LAK細胞は、NK集団おおびCTL集団とは異なるヌルリンパ球のサブセットである。活性化マクロファージは、一旦活性化されると、抗原依存的でもMHC制限的でもない様式で、腫瘍細胞を殺し得る。活性化マクロファージは、それらが浸潤する腫瘍の増殖速度を減少させると考えられる。インビトロアッセイは、他の免疫機構(例えば、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害反応)、および抗体と補体とによる溶解を同定した。しかし、これらの免疫エフェクター機能は、インビボでのNK、CTL、LAK、およびマクロファージの機能よりもインビボでは重要でないと考えられる(概説については、Piessens、「Tumor Immunology」、Scientific American Medicine、第2巻、Scientific American Books、p.1−13、1996を参照のこと)。
1つの実施形態において、免疫療法剤は、癌細胞に対する毒性物質の特異的標的化のために送達系として機能し得る。例えば、その免疫療法剤は、リシン(例えば、トウゴマ由来)などの毒素、カリチアマイシン、マイタンシノイド(maytansinoid)、放射性同位体(例えば、ヨウ素−131およびイットリウム−90)、化学療法剤、および/または生物学的応答改変因子に結合体化され得る。この方法において、上記毒性物質は、癌の領域に濃縮され得、そして正常細胞に対する非特異的毒性は、最小化され得る。
別の実施形態において、上記免疫療法剤は、脈管構造の結合に関し得る(例えば、内皮細胞に結合するもの)。これは、固形腫瘍が一般に生存するために新たに形成された血管に依存し、したがってほとんどの腫瘍が新たな血管の増殖を漸加および刺激し得るからである。結果として、多くの癌医薬の1つのストラテジーは、腫瘍に栄養を供給する血管および/またはこのような血管を支持する結合組織(または間質)を攻撃することである。
別の組の実施形態において、本発明のシステムおよび方法とアポトーシス性化学療法剤とを組み合わせた適用が、使用され得る。「アポトーシス性化学療法剤」は、本明細書中で使用される場合、迅速に分裂する細胞においてアポトーシスを誘導するために種々の機構によって機能する分子を含む。アポトーシス性化学療法剤は、当業者に周知である化学療法剤のクラスである。化学療法剤としては、Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics、第8版、McGraw−Hill,Inc. Health Professions Division、1990の第52章、「Antineoplastic Agents」(Paul CalabresiおよびBruce A.Chabner)、およびそれに対する序論、p.1202−1263(本明細書中に参考として援用される)に開示される薬剤が挙げられる。適切な化学療法剤は、種々の作用基序を有し得る。適切な化学療法剤のクラスとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(a)アルキル化剤(例えば、ナイトロジェンマスタード(メクロレタミン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル)、エチレンイミンおよびメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラミン、チオテパ)、アルキルスルホネート(例えば、ブスルファン)、ニトロソ尿素類(例えば、カルムスチン(これは、BCNUとしても公知である)、ロムスチン(これは、CCNUとしても公知である)、セムスチン(これは、メチル−CCNUとしても公知である)、クロロゾチシン(chlorozoticin)、ストレプトゾシン)、およびトリアジン(例えば、ジカルバジン(これは、DTICとしても公知である)、(b)代謝アゴニスト(例えば、葉酸アナログ(例えば、メトトレキサート)メルカプトプリン、6‐チオグアニン、ペントスタチン)、ピリミジンアナログ(例えば、5−フルオロウラシルフロクスウリジン、シタラビン、ならびにアザウリジンおよびそのプロドラッグ形態アザリビン)、およびプリンアナログならびに関連した物質(c)天然産物(例えば、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン)、エピポドフィロトキシン(epipodophylotoxin)(例えば、エトポシド、テニポシド)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(これは、アクチノマイシンDとしても公知である)、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン、マイトマイシン、エピルビシン(これは、4−エピドキソルビシンである)、イダルビシン(これは、4−ジメトキシダウノルビシンである)、ミトキサントロン)、酵素(L−アスパラギナーゼ)、および生物学的応答改変因子(例えば、インターフェロンα))、(d)種々の薬剤(例えば、白金配位錯体(例えば、シスプラチン、カルボプラチン)、置換尿素(例えば、ヒドロキシ尿素)、メチルヒドラジン(methylhydiazine)誘導体(例えば、プロカルバジン)、副腎皮質(adreocortical)抑制剤(例えば、ミトーテン、アミノグルテチミド)、タキソール)、(e)ホルモンおよびアンタゴニスト(例えば、副腎皮質ステロイド(プレドニゾンなど)、プロゲスチン(例えば、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルべステロール(diethyestilbestrol)、エチニルエストラジオールなど)、抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン)、アンドロゲン(例えば、プロピオン酸テストステロン、フルオキシメステロンなど)、抗アンドロゲン(例えば、フルタミド)、およびゴナドトロピン放出ホルモンアナログ(例えば、リュープロリド))、および(f)DNA損傷化合物(例えば、アドリアマイシン)。本発明のシステムおよび方法と腫瘍細胞の増殖を阻害するのに有効なアポトーシス性化学療法剤とを組み合わせた適用は、いくつかの場合において腫瘍細胞のアポトーシスを誘導するのに有効な量である。
なお別の組の実施形態において、本発明のシステムおよび方法は、癌ワクチンと組み合わせて使用され得る。癌ワクチンは、癌細胞に対する内因性の免疫応答を刺激することが意図される医薬である。現在生産されるワクチンは、体液性免疫系(すなわち、抗体依存性免疫応答)を優勢に活性化する。他のワクチンは、現在、開発において、腫瘍細胞を殺し得る細胞傷害性Tリンパ球を含む細胞媒介性免疫系の活性化に集中している。癌ワクチンは、一般に、抗原提示細胞(例えば、マクロファージおよび樹状細胞)および/または他の免疫細胞(例えば、T細胞、B細胞、およびNK細胞)の両方に対する癌抗原の提示を増強する。
癌ワクチンは、数種の形態のうちの1つをとり得るが、それらの目的は、抗原提示細胞(APC)よるこのような抗原の内因性の処理およびMHCクラスI分子の構成において細胞表面上の抗原提示の最終的な提示を容易にするために、癌抗原および/または癌関連抗原をAPCに送達することである。癌ワクチンの1つの形態は、全細胞ワクチンであり、その全細胞ワクチンは、被験体から取り出され、エキソビボで処理され、次いでその被験体中に全細胞として再導入される癌細胞の調製物である。腫瘍細胞の溶解物はまた、特定の場合において、免疫応答を誘発するために癌ワクチンとして使用され得る。癌ワクチンの別の形態は、ペプチドワクチンであり、そのペプチドワクチンは、T細胞を活性化するために癌特異的低分子タンパク質または癌関連低分子タンパク質を使用する。癌関連タンパク質は、癌細胞によって独占的に発現されないタンパク質である(すなわち、他の正常細胞は、依然としてこれらの抗原を発現し得る)。しかし、癌関連抗原の発現は、一般に、特定の型の癌によって、一貫してアップレギュレートされる。癌ワクチンのなお別の形態は、樹状細胞ワクチンであり、その樹状細胞ワクチンは、インビトロで癌抗原または癌関連抗原に曝された樹状細胞全体を含む。樹状細胞の溶解物または膜分画もまた、いくつかの例において癌ワクチンとして使用され得る。樹状細胞ワクチンは、直接的に抗原提示細胞を活性化し得る。癌ワクチンの他の非限定的な例としては、ガングリオシドワクチン、熱ショックタンパク質ワクチン、ウイルス性ワクチンおよび細菌性ワクチン、ならびに核酸ワクチンが挙げられる。
いくつかの実施形態において、癌ワクチンは、アジュバントと一緒に使用され得る。アジュバントは、被験体の免疫系を活性化する物質であり、そして本発明のあらゆるシステムまたは方法において補助療法として使用され得る。アジュバントとしては、例えば、ミョウバン、QS−Stimulon(Aquila)、MF−59(Chiron)、Detox(Ribi)、Optivax(Vaxcels)およびLeIF(Corixa)が挙げられる。
他の癌ワクチンは、他の免疫系細胞に対する有効な抗原提示のために、インビトロで癌抗原に曝され、その抗原を処理し、そしてMHC分子の構成においてそれらの細胞表面に癌抗原を発現し得る樹状細胞の形態をとる。
本発明は、さらに別の局面において、迅速に分裂する細胞に関連する他の疾患(例えば、慢性関節リウマチまたは強皮症)を処置するにの有用である。慢性関節リウマチは、その初期段階において滑膜細胞の迅速な分裂と関連する。この工程は、パンヌス形成と称される。その迅速に分裂する細胞は、組織の硬化を生じる骨細胞を殺す物質を産生する。
別の局面において、本発明のシステムおよび方法は、被験体において創傷を処置するのに有用である。本明細書中で使用される場合、用語「創傷」は、皮膚の創傷および組織の創傷を記載するために使用される。「皮膚の創傷」は、皮膚に対する直接的な傷害によって引き起こされる皮膚組織の連続性の破壊として本明細書中で定義される。皮膚の創傷は、一般に、数種の分類によって特徴付けられ、その分類としては、穿刺、切開(外科的手順、切除、断裂、擦過、萎縮性の皮膚または壊死性の創傷によってもたらされるものを含む)、および火傷が挙げられる。本発明のシステムおよび方法は、皮膚の全ての創傷の治癒を増強するのに有用である。
「組織の創傷」は、本明細書中で使用される場合、内部の器官(例えば、血管、腸、結腸など)に対する創傷である。本発明のシステムおよび方法は、組織の創傷が天然に生じるかまたは外科手術の結果として生じるかにかかわらず、組織の創傷において創傷治癒工程を増強するのに有用である。例えば、動脈の修復の間に、動脈は、可能な限り迅速に塞がれ(sealed)、そして創傷治癒が促進されることが必要とされる。本発明のシステムおよび方法は、多くの場合においてその工程を促進(speed up)し得る。本発明はまた、結腸における損傷した組織の処置に特に有用であり得る。損傷した結腸の創傷治癒の促進に加えて、いくつかの場合において、本発明のシステムおよび方法は、抗微生物効果を提供し得る。
本発明に従って処理される細胞は、創傷を処置するために使用され得る。例えば、エキソビボの細胞は、包帯または他の基材、および創傷上に配置され、少なくとも部分的に創傷を覆う基材に付着され得る。いくつかの場合において、包帯または他の基材は、例えば、接着剤の使用によって上記被験体に接着され得る。適切な接着剤は、当業者によって選択され得、いくつかの適切な接着剤は、下でさらに記載される。
本発明のシステムおよび方法はまた、さらなる治療的に受容可能な薬剤および/または薬理学的に受容可能な薬剤を含み得る。例えば、上記組成物または方法は、創傷の処置のために他の薬剤(例えば、デクスパンテノール、増殖因子、酵素またはホルモン、ポビドンヨード、脂肪酸(例えば、塩化セチルピリジニウム)、抗生物質、および鎮痛剤など)を含み得る。いくつかの実施形態において、上記組成物はまた、増殖因子を含み得る。増殖因子としては、線維芽細胞増殖因子(FGF)、FGF−1、FGF−2、FGF−4、血小板由来増殖因子(PDGF)、インシュリン結合性増殖因子(IGF)、IGF−1、IGF−2、上皮増殖因子(EGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)、TGF−α、TGF−β、軟骨誘発因子−Aおよび軟骨誘発因子−B、類骨誘導因子、オステオゲニン(osteogenin)ならびに他の骨増殖因子、コラーゲン増殖因子、ヘパリン結合性増殖因子−1もしくはヘパリン結合性増殖因子−2ならびに/またはそれら生物学的に活性な誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。上記組成物はまた、いくつかの実施形態において消毒剤を含み得る。
別の局面において、本発明のシステムおよび方法は、特定の抗原性免疫応答に関連した障害を処置または予防するのに有用である。したがって、本発明のいくつかの実施形態において、上記方法は、自己免疫疾患の危険性を有するか、または自己免疫疾患を患う哺乳動物を処置するために使用される。自己免疫疾患は、宿主の免疫応答が、不完全であり、そして個体の独自の抗原または成分に対する特定の免疫応答の産生をもたらす障害である。自己免疫疾患において、個体の独自の抗体は、宿主組織と反応するか、または自己免疫疾患において、免疫エフェクターT細胞が、内因性の自己ペプチドに対して自己反応性であり、そして組織の破壊を引き起こす。MHCクラスII対立遺伝子が種々の自己免疫疾患に対する感受性における主要な遺伝的要素として機能することは、十分に確立される。T細胞によって認識される構造物(自己免疫性を引き起こす細胞)は、クラスII MHC分子および抗原性ペプチドから構成される複合体である。T細胞が、宿主の独自の遺伝子産物に由来する宿主のクラスII MHC分子−ペプチド複合体と反応する場合、自己免疫疾患が、生じ得る。これらのクラスII MHC/ペプチド複合体が、形成されることから阻害される場合、自己免疫応答は、減少するか、または抑制され、したがってその自己免疫応答は、本発明によって阻害される。自己免疫障害のペプチド−抗原は、自己抗原である。クラスII MHC/ペプチド複合体が役割を果たすあらゆる自己免疫疾患は、本発明の方法によって処置され得る。このような自己免疫疾患としては、若年発症糖尿病(インスリン依存性)、多発性硬化症、尋常性天疱瘡、グレーブス病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス(SLE)、セリアック病の慢性関節リウマチおよび橋本甲状腺炎が挙げられるが、これらに限定されない。本発明は、自己免疫疾患の発症に対する個体の感受性を決定するための方法を包含する。本明細書中で使用される場合、「自己免疫疾患に対する感受性」は、自己免疫疾患の発症の平均よりも少なくとも大きい可能性、およびいくつかの実施形態において、少なくとも約10%より大きい可能性を示す。したがって、本発明はまた、関連した細胞死を減少させるように自己免疫疾患を有する被験体を処置するためのシステムおよび方法を包含する。
インビトロで哺乳動物細胞と一緒に使用した場合、特定のシステムおよび方法は、MHC分子内において特定の抗原に関する有用性を有し得る。クラスII分子において特定の抗原負荷を有する細胞は、種々の分析アッセイおよび診断アッセイにおいて有用性を有する。これらの細胞はまた、治療剤として有用である。例えば、上記細胞は、免疫応答を研究するため、あるいは抗原特異的免疫応答の阻害または促進に対する推定上の薬物の効果をスクリーニングするために、培養物において使用され得る。さらに、上記細胞は、抗原特異的T細胞応答を促進するために、哺乳動物被験体に投与され得る。被験体に投与した場合、上記細胞の表面上のクラスII MHC/抗原複合体は、免疫カスケードを含む内因性のT細胞と相互作用し得、したがって抗原特異的免疫応答をもたらし得る。いくつかの実施形態において、インビトロで操作された細胞は、エキソビボで同じ被験体から単離された。
本発明のシステムおよび方法はまた、インビボで哺乳動物被験体を処置して抗原特異的免疫応答を誘導するために使用され得る。任意の外来抗原に対する抗原特異的免疫応答をもたらすことは、それがその哺乳動物宿主に対して病理学的状態および/または任意の損傷を引き起こし得るか否かにかかわらず有用である。用語「外来抗原」または「抗原」は、宿主において免疫応答を惹起し得る分子をいうために同意語として使用され、ここでその抗原は、上で定義されるような自己抗原ではない。したがって、これらの用語は、特に、自己抗原を除外する。自己抗原は、自己免疫障害のペプチド−抗原をいうために本明細書中で使用される。自己抗原に対する免疫応答は、自己免疫障害をもたらす。しかし、用語「自己抗原」は、外来性として宿主によって認識され、そして自己免疫疾患に関連しない癌抗原のような抗原を含まない。したがって、用語「抗原」は、特に、自己抗原を除外し、そして広範に、外来性であるとして宿主免疫系に認識される任意の型の分子(例えば、宿主または外来細胞に関連する)を含む。抗原としては、癌抗原および微生物抗原が挙げられるが、これらに限定されず、そして細胞、細胞抽出物、多糖類、多糖類結合体、脂質、糖脂質、炭水化物、ペプチド、タンパク質、ウイルス、ウイルス抽出物などから構成され得る。「癌抗原」は、本明細書中で使用される場合、腫瘍または癌の細胞表面と結合し、そしてクラスII MHC分子の構成において抗原提示細胞の表面上に発現した場合に免疫応答を惹起し得る化合物である。癌または腫瘍としては、上に記載されるものが挙げられる。
癌抗原としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:Melan−A/MART−1、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)、アデノシンデアミナーゼ結合タンパク質(AD Abp)、シクロフィリンb、直腸結腸関連抗原(CRC)−−CO17−1A/GA733、癌胎児抗原(CEA)ならびにその免疫原性エピトープCAP−1およびCAP−2、etv6、aml1、前立腺特異的抗原(PSA)ならびにその免疫原性エピトープPSA−1、PSA−2、およびPSA−3、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、T細胞レセプター/CD3−ζ鎖、腫瘍抗原のMAGEファミリー(例えば、MAGE−A1、MAGE−A2、MAGE−A3、MAGE−A4、MAGE−A5、MAGE−A6、MAGE−A7、MAGE−A8、MAGE−A9、MAGE−Al0、MAGE−A1l、MAGE−A12、MAGE−Xp2(MAGE−B2)、MAGE−Xp3(MAGE−B3)、MAGE−Xp4(MAGE−B4)、MAGE−C1、MAGE−C2、MAGE−C3、MAGE−C4、MAGE−C5)、腫瘍抗原のGAGEファミリー(例えば、GAGE−1、GAGE−2、GAGE−3、GAGE−4、GAGE−5、GAGE−6、GAGE−7、GAGE−8、GAGE−9)、BAGE、RAGE、LAGE−1、NAG、GnT−V、MUM−I、CDK4、チロシナーゼ、p53、MUCファミリー、HER2/neu、p21ras、RCAS1、α−フェトプロテイン、E−カドヘリン、α−カテニン、β−カテニンおよびγ−カテニン、p120ctn、gpl00Pmel117、PRAME、NY−ESO−1、脳グリコーゲンホスホリラーゼ、SSX−1、SSX−2(HOM−MEL−40)、SSX−1、SSX−4、SSX−5、SCP−1およびCT−7、cdc27、大腸腺腫タンパク質(APC)、フォドリン(fodrin)、P1A、コネキシン37、Ig−イディオタイプ、pl5、gp75、GM2およびGD2ガングリオシド、ウイルス産物(例えば、ひとぱぴろーまウイルスタンパク質)、腫瘍抗原のSmadファミリー、lmp−1、EBVにコードされた核抗原(EBNA)−1、またはc−erbB−2。
いくつかの実施形態において、免疫による認識を回避する癌および腫瘍ならびにこのような腫瘍に関連する腫瘍抗原(しかし、独占的ではない)としては、以下が挙げられる:急性リンパ性白血病(etv6、aml1、サイクロフィリンb)、B細胞系リンパ腫(免疫グロブリン−イディオタイプ)、神経膠腫(E−カドヘリン、α−カテニン、β−カテニン、γ−カテニン、p120ctn)、膀胱癌(p21ras)、胆道癌(p21ras)、乳癌(MUCファミリー、HER2/neu、c−erbB−2)、子宮頸癌(P53遺伝子(p21ras))、結腸癌(p21ras、HER2/neu、c−erbB−2、MUCファミリー)、結腸直腸の癌(結腸直腸関連抗原(CRC)−−CO17−1A/GA733(APC))、絨毛癌(CEA)、上皮細胞の癌(サイクロフィリンb)、胃癌(HER2/neu、c−erbB−2、ga733糖タンパク質)、肝細胞癌(α−フェトプロテイン)、ホジキンリンパ腫(LMP−1、EBNA−I)、肺癌(CEA、MAGE−3、NY−ESO−1)、リンパ系細胞由来の白血病(サイクロフィリンb)、黒色腫(p15タンパク質、gp75、腫瘍胎児抗原、GM2ガングリオシドおよびGD2ガングリオシド)、骨髄腫(MUCファミリー、p21ras)、非小細胞肺癌(HER2/neu、c−erbB−2)、鼻咽頭癌(LMP−1、EBNA−1)、卵巣癌(MUCファミリー、HER2/neu、c−erbB−2)、前立腺癌(前立腺特異的抗原(PSA)ならびにその免疫原性エピトープPSA−1、PSA−2およびPSA−3、PSMA、HER2/neu、c−erbB−2)、膵臓癌(p21ras、MUCファミリー、HER2/neu、c−erbB−2、ga733糖タンパク質)、腎臓(HER2/neu、c−erbB−2)、子宮頚および食道の扁平上皮癌(ウィルス産物(例えば、ヒトパピローマウイルスタンパク質)、精巣癌(NY−ESO−1)、T細胞白血病(HTLV−Iエピトープ)、ならびに黒色腫(Melan−A/MART−1、cdc27、MAGE−3、p21ras、gp100Pmel117)。
MHCクラスI分子およびMHCクラスII分子の両方に結合する腫瘍抗原の例については、以下を参照のこと:
Figure 2008539238
Figure 2008539238
これらの抗原および他の抗原は、PCT出願第PCT/US98/18601号に開示される。
本発明のシステムおよび方法はまた、アレルギー応答の危険性を有するか、またはアレルギー応答を患う哺乳動物を処置するのに有用である。「アレルギー応答」は、本明細書中で使用される場合、特定の抗原に対する宿主の免疫応答が不必要または不相応であり、病理をもたらす障害である。アレルギー応答は、部分的に、T細胞が特定のクラスII MHC/ペプチド複合体を認識し、そして免疫応答のカスケードを誘発することに起因して生じ得る。クラスII MHC/ペプチド複合体が、形成されることから阻害される場合、上記アレルギー応答は、減少するか、または抑制される。クラスII MHC/ペプチド複合体が役割を果たすあらゆるアレルギー応答は、本発明の方法に従って処置され得る。アレルギー応答から生じるアレルギーとしては、花粉、ブタクサ、甲殻類、家畜(例えば、ネコおよびイヌ)、B−ベノムなどに対するアレルギーが挙げられるが、これらに限定されない。アレルギー応答は、喘息をもたらす。アレルギー性喘息応答はまた、用語「アレルギー応答」の定義内に含まれる。本発明のシステムおよび方法によって重篤であるかまたは生命を脅かすアレルギー応答(例えば、喘息発作またはアナフィラキシーショックの間に生じるもの)を処置することが、特に望ましい。
別の局面において、本発明のシステムおよび方法はまた、臓器移植または組織移植片を受けたか、または受けようとする哺乳動物を処置するのに有用である。組織移植(例えば、腎臓、肺、肝臓、心臓)または植皮において、ドナーとレシピエントとの間のクラスII MHC遺伝子型(HLA型)が一致しない場合、重篤な「同種間免疫応答」が、ドナー細胞の表面上に抗原性ペプチドを提示する非自己または同種間のクラスII MHC分子の存在から生じるドナー組織に対して存在し得る。
本発明のシステムおよび方法は、なお別の局面において、炎症性の疾患および状態を有する哺乳動物を処置するのに有用である。「炎症性の疾患または状態」とは、本明細書中で使用される場合、傷害または感染の部位における局所炎症によって特徴付けられる任意の状態をいい、そして自己免疫疾患、感染による炎症性状態の特定の形態、臓器移植または他の移植による望ましくない好中球の活性特性および好ましくない好中球の活性化によって特徴付けられる実質的に任意の他の状態を含む。これらの状態としては、髄膜炎、脳水腫、関節炎、腎炎、成人呼吸促進症候群、膵炎、筋炎、神経炎、結合組織病、静脈炎、動脈炎、脈管炎、アレルギー、アナフィラキシー、エールリヒア症、痛風、臓器移植および/または潰瘍性大腸炎が挙げられるが、これらに限定されない。
1つの局面において、本発明の組成物はまた、他の治療(例えば、放射線治療)と組み合わせて使用され得る。治療の組み合わせが、所望の結果を達成するのに有効な量で使用される場合、細胞増殖の阻害はより少なくなり得る。これは、高濃度の個々の治療に関連する任意の副作用を減少させる得るか、または排除し得る。1つの例は、本発明の1種以上の組成物と放射線治療との組み合わせである。いくつかの例において、上記放射線治療はまた、原形質膜におけるUCPの阻害に寄与し得る。放射線に感受性の細胞は、原形質膜においてUCPを発現する細胞であり、そして放射線抵抗性の細胞は、原形質膜UCPを発現しない。本発明はまた、いくつかの例において、原形質膜においてUCP発現を誘導し、そして放射線によってそれらを処置することによって放射線抵抗性の細胞を処置するシステムおよび方法を包含する。
必要に応じて、いくつかの実施形態において、標的化する機構は、特定の細胞、腫瘍、創傷に対して本発明の1種以上の組成物を標的性にするために使用され得る。多くの例において、上記組成物の投与の効力および特異性を増大させて関係のない細胞を損傷または破壊し得る効果を回避するために細胞を特異的に標的することが、望ましい。したがって、標的細胞に対して特異的にこのような薬物を送達し得る送達系が、提供される。その送達系は、処置の効力を増大させ得、そしてこのような処置の関連する「副作用」を減少させ得る。
薬物および他の組成物を標的細胞(例えば、癌細胞または創傷内の細胞)に対して標的性にする方法は、当該分野において周知である。標的性にする1つの方法は、抗体またはレセプターによる標的化を包含する。レセプターまたは抗体による標的化は、所望の標的細胞表面上に発現されるレセプターまたは細胞表面分子(例えば、UCP)に対する親和性を有するリガンドまたは抗体に対して本発明の化合物を連結することを包含する。このアプローチを使用して、本発明の組成物は、細胞表面上におけるリガンド−レセプター複合体または抗体−細胞表面抗原複合体の形成後に標的細胞に接着することが意図される。細胞を標的するために使用されるレセプターまたは抗体の型は、標的される特定の細胞型に依存する。標的分子は、ペプチド結合または他の型の結合(例えば、スルフヒドリル結合またはジスルフィド結合)によって結合され得る。標的性分子は、例えば、米国特許第5,849,718号、および多くの他の参考文献に記載される。
一般に、上記標的性部分は、本発明の組成物にカップリングされ得る。その分子は、(例えば、結合体化によって)互いに直接的にカップリングされても、互いに間接的にカップリングされてもよく、例えば、その標的性部分は、リポソームの表面上にあり、そして本発明の1種以上の組成物は、そのリポソーム内に含まれる。それらの分子が、互いに共有結合される場合、上記標的性部分は、標的性部分の標的特異性を保存する様式で、本発明の化合物に共有結合されても非共有結合されてもよい。本明細書中で使用される場合、「連結される」または「連結」は、任意の生化学的手段によって互いに結合される2つの実体を意味する。上記連結はそれが実質的に本発明の組成物の有効性または標的性部分の結合特異性を損なわないような性質のものであることが、重要である。これらのパラメータを保つことに留意して、上記連結は共有結合であることは、好ましい一方で、共有結合または非共有結合である当業者に公知である任意の連結が使用され得る。連結のこのような手段および方法は、当業者に周知である。
本発明に従う連結は、直接的な連結である必要はない。本発明の組成物は、官能化された基を伴って提供されてそれらの連結を容易にし得るか、そして/または連結基は、それらの間に挿入されて、それらの連結を容易にし得る。いくつかの例において、本発明の成分は、単一の工程で合成され得、それによってその組成物は、単一の実体と見なされる。例えば、腫瘍細胞に特異的な標的性部分は、VCPインヒビターおよび本発明の脂肪酸代謝インヒビターと一緒に合成され得る。これらの改変および他の改変は、本発明によって包含されることが意図される。
共有結合の特定の例は、二官能性架橋分子が使用され得るものを含む。架橋分子は、結合体化される分子の性質に依存してホモ官能性またはヘテロ二機能性であり得る。ホモ二官能性架橋因子は、2つの同一の反応基を有する。ヘテロ二官能性架橋因子は、連続した結合体化反応を可能にする2つの異なる反応基を有する。種々の型の市販の架橋因子は、以下の群の1つ以上と反応性である:第1級アミン、第2級アミン、スルフヒドリル、カルボキシル、カルボニルおよび炭水化物。
結合体化の非共有結合方法はまた、いくつかの場合において標的性部分および組成物を結合するために使用され得る。非共有結合的な結合体化は、疎水性相互作用、イオン性相互作用、インターカレーション、核酸の深いほうの溝または浅い方の溝に対する結合、および他の親和性相互作用を含む直接的手段または間接的手段によって達成され得る。
共有結合は、生理学的環境において切断不可能であっても、生理学的環境において切断可能であってもよい(例えば、ジスルフィド結合を含むリンカー)。このような分子は、分解に抵抗し得るか、そして/または異なる細胞内輸送機構に供され得る。当業者は、過度な実験を行なうことなく、所与の適用に対する本発明の標的性部分および組成物を連結するための好ましい結合を確認し得、その好ましい結合は、連結される分子の化学的特性および結合の好ましい特徴に基づく。
間接的結合に関して、上記標的性部分は、特定の細胞型に対して標的化される粒子(例えば、リポソーム)の部分であり得る。次に、リポソームは、本発明の組成物を含み得る。本発明の組成物を含むリポソームの製造は、文献に十分に記載される。例についての多くは、出発成分としてのコレステロール性分子および/またはリン脂質に基づく。それらは、天然の膜成分から合成的に得られ得るか、または天然の膜成分から単離され得る。実質的に任意の疎水性物質が、使用され得、その疎水性物質としては、コレステロール性分子、リン脂質および脂肪酸(中程度の鎖長(すなわち、12個〜20個の炭素)が好ましい(例えば、長さが14個と18個との間の炭素からなる天然に存在する脂肪酸))が挙げられる。これらの分子は、リポソームを細胞に対して標的性にするために、例えば、リポソームの膜に挿入する脂肪親和性アンカーによって本発明の1種以上の組成物に結合され得、そしてその組成物は、リポソームの表面上に係留(tether)される。他の場合において、本発明の1種以上の組成物は、リポソームの内部に存在し得る。
本発明の組成物の各々(またはそれらの部分)は、必要に応じて、1つの局面において送達系またはベクターと結合され得る。その最も広い意味において、「ベクター」は、(1)標的細胞に対する組成物の送達または(2)標的細胞による組成物の取り込み(取り込みが重要である場合)を容易にし得る任意のビヒクルである。必要に応じて、「標的性リガンド」(原形質膜を標的する分子に加えてか、またはそれと同じく)は、その表面上に標的性リガンドに対する同族(cognate)のレセプターを発現する細胞に、ベクターを選択的に送達するために、そのベクターに結合され得る。この様式において、上記ベクター(本発明の1種以上の組成物を含む)は、例えば、腫瘍、創傷などにおいて細胞に対して選択的に送達され得る。一般に、本発明において有用なベクターは、2つの分類に分けられる:コロイド分散システムおよび生物学的ベクター。本発明の組成物の標的細胞による取り込みを容易にするために使用され得る組成物の他の例としては、リン酸カルシウムおよび細胞内輸送の他の化学的媒介物質、マイクロインジェクション組成物、ならびにエレクトロポレーションが挙げられる。
一般に、本発明において有用なベクターとしては、プラスミド、ファージミド、ウイルス、UCPおよび/またはFasのインヒビター核酸配列の挿入または組み込みによって操作されたウイルスまたは細菌の供給源に由来する他のビヒクルが挙げられるが、これらに限定されない。ウイルスベクターとしては、以下のウイルスのいずれかに由来する核酸配列が挙げられるが、これらに限定されない:レトロウイルス(例えば、モロニーマウス白血病ウイルス、ハーベイマウス肉腫ウイルス、マウス乳癌ウイルス、およびラウス肉腫ウイルス)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、SV40型ウイルス、ポリオーマウイルス、エプスタイン−バーウイルス、パピローマウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポリオウイルス、およびRNAウイルス(例えば、レトロウイルス)。上で挙げられていないが当該分野で公知である他のベクターを、容易に利用し得る。
いくつかの場合において、ウイルスベクターは、必須でない遺伝子が目的とする遺伝子によって置換されている非細胞変性性の真核生物ウイルスに基づく。非細胞変性性のウイルスとしては、レトロウイルスが挙げられ、その生活環は、宿主細胞DNAへのその後のプロウイルスの組み込みによってDNA中へのゲノムウイルスRNAの逆転写を含む。レトロウイルスは、ヒト遺伝子治療の試行について承認されている。複製欠損(すなわち、所望のタンパク質の合成を指揮し得るが、感染性粒子を製造できない)であるレトロウイルスが、最も有用である。このような遺伝的に変化したレトロウイルス発現ベクターは、インビボでの遺伝子の高効率の導入に対する一般的な有用性を有する。複製欠損レトロウイルスを産生するための標準的なプロトコル(プラスミドへの外因性遺伝物質の組み込みの工程、プラスミドによるパッケージング細胞株のトランスフェクションの工程、パッケージング細胞株による組換えレトロウイルスの産生の工程、組織培養培地からのウイルス粒子の回収の工程、およびウイルス粒子による標的細胞の感染の工程を含む)は、文献(例えば、Kriegler、Gene Transfer and Expression、A Laboratory Manual、W.H.Freeman,Co.、1990およびMurry編、Methods in Molecular Biology、第7巻、Humana Press,Inc.、1991)に提供される。
特定の用途に有用なウイルスは、二本鎖DNAウイルスであるアデノ随伴ウイルスである。アデノ随伴ウイルスは、複製欠損であるように設計され得、そして多くの場合において広範な細胞型および細胞種に感染し得る。それは、特定の利点(例えば、熱および脂質溶媒に対する安定性、多様な系列(造血細胞を含む)の細胞における高い導入頻度、および重感染阻害の欠如)をさらに有し、したがって複数の連続した導入を可能にする。報告によると、アデノ随伴ウイルスは、部位特異的様式でヒト細胞DNAに組み込まれ得、それによって挿入突然変異の可能性、およびレトロウイルス感染の挿入された遺伝子の発現特性の変動性を最小化し得る。さらに、野生型アデノ随伴ウイルス感染は、組織培養において選択圧の非存在下において100より多くの継代について追跡され、これは、アデノ随伴ウイルスゲノムの組み込みが比較的安定な事象であることを意味する。アデノ随伴ウイルスはまた、外部染色体様式で機能し得る。
他の適切なベクターとしては、プラスミドベクターが挙げられる。プラスミドベクターは、当該分野において広範に記載されており、そして当業者に周知である。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989を参照のこと。プラスミドベクターは、宿主ゲノムで複製できないことおよび宿主ゲノム中に組み込めないことに起因してインビボで遺伝子を細胞に送達することに関して特に有益であることが見出されている。しかし、宿主細胞と適合可能なプロモーターを有するこれらのプラスミドは、そのプラスミド内に作動可能にコードされた遺伝子からペプチドを発現し得る。いくつかの一般的に使用されるプラスミドとしては、pBR322、pUC18、pUC19、pRC/CMV、SV40、およびpBlueScriptが挙げられる。他のプラスミドは、当業者に周知である。さらに、プラスミドは、DNAの特定のフラグメントを除去および付加するために制限酵素および/またはライゲーション反応を使用して、特別に設計され得る。
遺伝子保有プラスミドは細菌を使用してインビボで細胞に送達され得ることもまた、見出されている。細菌(例えば、Salmonella)の改変形態は、プラスミドによってトランスフェクトされ得、したがっていくつかの場合において送達ビヒクルとして使用され得る。細菌性送達ビヒクルは、経口または他の投与手段によって宿主被験体に投与され得る。上記細菌は、いくつかの例において、腸のバリアーを通過し得る。高レベルの発現が、この方法論を使用して確立されている。
小型化(compaction)因子がまた、単独か、または本発明のベクターと組み合わせて使用され得る。「小型化因子」とは、本明細書中で使用される場合、核酸の負の電荷を中和し、それによって核酸の微細な顆粒への小型化を可能にする因子(例えば、ヒストン)をいう。核酸の小型化は、標的細胞による核酸の取り込みを容易にする。上記小型化因子は、すなわち、細胞によってより効率的に取り込まれる形態で組成物を送達するために単独で使用され得るか、またはより好ましくは、上記のベクターの1種以上と組み合わせて使用され得る。
1つの局面において、本発明は、任意の本明細書中に記載される組成物を被験体に投与する方法を提供する。投与された場合、上記組成物は、薬学的に受容可能な処方物として治療的に有効であり薬学的に受容可能な量で適用される。本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に受容可能な」は、その通常の意味を与えられる。薬学的に受容可能な組成物は、一般に、その処方物の他の物質と適合可能であり、そしてその組成物は、一般に、被験体に対して有害ではない。本発明の任意の組成物は、治療的に有効な用量で被検体に投与され得る。上記被検体に対する用量は、治療的に有効な量の1種以上の活性化合物がその被験体内の活動部位に到達するようなものであり得る。本明細書中で使用される場合、「治療的に有効な」または「有効な」用量は、処置されるべき特定の状態の発症を遅延させるか、処置されるべき特定の状態の進行を阻害するか、処置されるべき特定の状態の発症または進行を完全に休止させるか、処置されるべき特定の状態を診断するか、あるいは医学的に望ましい結果を達成するのに必要な量(すなわち、処置されるべき特定の状態を少なくとも部分的に妨げるか、逆転するか、低下させるか、減少させるか、改善するか、あるいは抑制するすることが可能な量)を意味する。治療的に有効な量は、個体に基づいて決定され得、そして少なくとも部分的に、哺乳動物の種、哺乳動物の齢、性別、大きさ、および健康、使用される組成、使用される送達系の型、疾患の重篤度に対する投与の時間、および単一用量レジメン、複数用量レジメン、または徐放用量レジメンが使用されるか否かの検討に基づく。治療的に有効な量は、このような要素を用い、そして慣用に過ぎない実験を使用して当業者によって決定され得る。
用語「処置する」、「処置される」、「処置すること(treating)」などとは、本明細書中で使用される場合、被験体に対する本発明のシステムおよび方法の適用をいい、それは、例えば、癌もしくは創傷を排除するかもしくは少なくとも制御するためか、そして/または癌もしくは創傷の重篤度を減少させるために、癌の発症もしくはさらなる発症に対する被験体の抵抗性を増大させ得る。本発明の薬学的調製物は、有効な量で被験体に投与される。被験体に投与した場合、有効な量は、処置されるべき特定の常対および所望の帰結に依存する。治療的に有効な用量は、例えば、要素(例えば、下でさらに記載されるもの)を用い、そして慣用に過ぎない実験を使用して当業者によって決定され得る。
被験体に対する本発明のシステムおよび方法の適用において、投薬量、投薬計画、投与経路などは、これらのシステムおよび方法の公知の活性に影響を及ぼすように選択され得る。投薬量は、投与の様式に依存して、局所または全身の所望の薬物レベルを達成するために適切に調整され得る。上記用量は、1日あたり1回または数回で与えられ得る。一例として、1日量が必要とされる場合、1日量は、約0.01mg/kg/日〜約1000mg/kg/日であり得、そしていくつかの実施形態において、約0.1〜約100mg/kg/日または約1mg/kg/日〜約10mg/kg/日であり得る。非経口投与は、いくつかの場合において、経口用量と比較して、1日あたり一桁〜数桁低い用量であり得る。例えば、活性化合物の投薬量は、非経口的に投与される場合、約0.1μg/kg/日〜約10mg/kg/日の間であり得、そしていくつかの実施形態において、約1μg/kg/日〜約1mg/kg/日または約0.01mg/kg/日〜約0.1mg/kg/日であり得る。
いくつかの実施形態において、上記組成物の活性化合物の濃度は、全身投与される場合、体重70kgの成人に対して1日あたり約1.0mg〜約2000mgの用量である。他の実施形態において、上記用量は、約10mg/70kg/日〜約1000mg/70kg/日である。なお他の実施形態において、上記用量は、約100mg/70kg/日〜約500mg/70kg/日である。局所に適用される場合、その濃度は、軟膏または他の基剤の1gあたり約0.1mg〜約500mg、基剤の1gあたり約1.0mg〜約100mg、または基剤の1gあたり約30mg〜約70mgであり得る。特定の濃度は、使用される特定の組成物に部分的に依存する。なぜならば、その組成物いくつかは、他のものよりも有効であるからである。実際に投与される組成物の投薬濃度は、少なくとも部分的に、処置されるべき特定の障害、作用部位において望まれる組成物の最終濃度、投与の方法、特定の組成物の効力、特定の組成物の寿命、および疾患の重篤度に対する投与のタイミングに依存する。好ましくは、投薬形態は、それが上記哺乳動物に対して実質的に有害に作用しないようなものである。
投薬量は、いくつかの場合において、被験体内で任意の潜在的に有害なな副作用を回避または最小化しつつ、最大量で与えられ得る。実際に投与される投薬量は、活動部位において望まれる最終濃度、被験体に対する投与の方法、組成物の効力、被験体内における組成物の寿命、投与の様式および/またはタイミング、同時処置(例えば、カクテルにおけるような)の効果などのような要素に依存し得る。送達される用量はまた、被験体に関連する状態に依存し得、そしていくつかの場合において被験体間で変動し得る。例えば、年齢、性別、体重、サイズ、環境、身体状態、癌または創傷の活動部位、あるいは被験体の健康の現在の状態もまた、必要とされる用量および/または活動部位における組成物の濃度に影響し得る。投薬におけるバリエーションが、異なる個体の間、または異なる日の同じ個体内でさえで起こり得る。これらの要素は、当業者に周知であり、そして慣用に過ぎない実験によって取り組まれ得る。最大用量(信頼できる医学的判断に従って、最も高い安全な用量)が使用されることが、好ましい。
特定の被験体の応答がこのような用量において不十分である事象において、さらに高い用量(または異なる、より局所的な送達経路による、効果としてより高い用量)が、被験体の耐用性が許容する程度まで使用され得る。1日あたりの複数用量がまた、いくつかの場合において、被験体内または被験体の活動部位内の適切な全身レベルを達成するために企図される。特定の例において、投薬量、投薬計画、投与経路などが、本明細書中に記載されるように選択され得、それによって組成物の治療的に有効なレベルが、提供される。
癌が処置されるべき特定の実施形態において、本発明の組成物は、癌の家族歴を有する被験体、または癌についての遺伝的素因を有する被験体に投与される。他の実施形態において、上記組成物は、特定の年齢に達している被験体、または癌を発症する可能性がより高い被験体に投与される。なお他の実施形態において、上記組成物は、癌(例えば、早期癌または進行癌)の症状を示す被験体に投与される。さらに他の実施形態において、上記組成物は、予防措置として被験体に投与され得る。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、人口統計または疫学研究に基づく被験体、または特定の分野または経歴にある被験体に投与され得る。
被験体に対する本発明の組成物の投与は、その組成物をその標的に到達させる任意の医学的に受容可能な方法によって達成され得る。選択される特定の様式は、当然に、先に記載されるもののような要素(例えば、特定の組成物、処置されるべき被験体の状態の重篤度、治療効力のために必要とされる投薬量など)に依存する。本明細書中で使用される場合、処置の「医学的に受容可能な」様式は、臨床的に受容不可能な有害作用を引き起こさずに被験体内で上記組成物の活性化合物の有効なレベルをもたらし得る様式である。投与は、処置されるべき状態に依存して、限局(すなわち、特定の領域、生理学的な系、組織、器官、または細胞型に)されても、全身性であってもよい。例えば、上記組成物は、経口、膣、直腸、口腔粘膜(buccally)、肺、局所、鼻、経皮で投与され得るか、非経口注射または移植によって投与され得るか、外科的投与または標的に対する適切な接近が達成される投与の任意の他の方法によって投与され得る。本発明と一緒に使用され得る非経口の様式(modality)の例としては、静脈内、皮内、皮下、腔内(intracavity)、筋肉内、腹腔内、硬膜外、または鞘内が挙げられる。移植の様式の例としては、任意の移植可能な薬物送達系または注射可能な薬物送達系が挙げられる。経口投与は、被験体および投薬計画についての利便性に起因して、いくつかの実施形態において好まれ得る。経口投与に適した組成物は、分離した単位(例えば、ハードカプセルまたはソフトカプセル、丸剤、カシェ剤、錠剤、トローチ剤、あるいは口内錠(各々は、所定の量の上記組成物を含む))として与えられ得る。本発明と一緒に使用するのに適した他の経口組成物としては、水性または非水性の液体における溶液または懸濁液(例えば、シロップ剤、エリキシル剤、または乳剤)が挙げられる。1つの組の実施形態において、上記組成物は、食物または飲料を強化するために使用され得る。
注射は、例えば、静脈内、皮内、皮下、筋肉内、または腹腔内であり得る。例えば、上記インヒビターは、多発性硬化症の処置のために静脈内または筋肉内に注射され得るか、あるいは関節炎性疾患の処置のために関節に直接注射され得るか、あるいは尋常性天疱瘡の処置のために病変に直接注射され得る。上記組成物は、例えば、感染症の処置または予防のために皮内に注射され得る。いくつかの実施形態において、上記注射は、複数の位置にて与えられ得る。移植は、移植可能な薬物送達系(例えば、マイクロスフェア、ヒドロゲル、ポリマー性レザバ、コレステロール性マトリックス、ポリマー性システム(例えば、マトリックス浸食システムおよび/またはマトリックス拡散システムならびに非ポリマー性システム(例えば、圧縮したペレット、融合したペレット、または部分的に融合したペレット)))を挿入することを包含する。全身投与のために、リポソームに上記組成物を封入することが、有用であり得る。
吸入は、吸入器中のアエロゾルをによって、単独かまたは吸収され得るキャリアに結合されたかのいずれかである上記組成物を投与することを包含する。
一般に、本発明の組成物は、拡散の方法またはより好ましくは、ポリマー性マトリックスの分解によって、生体浸食可能(bioerodible)な移植片を使用して送達され得る。生分解性送達系を形成するために使用され得る例示の合成ポリマーとしては、以下が挙げられる:ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレン、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリアルキレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリビニルハライド、ポリビニルピロリドン、ポリグリコリド、ポリシロキサン、ポリウレタンおよびそのコポリマー、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、アクリルエステルとメタクリルエステルとのポリマー、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、カルボキシエチルセルロース、セルローストリアセテート、硫酸セルロースナトリウム塩、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリビニルアセテート、塩化ポリビニル、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、および乳酸とグリコール酸とのポリマー、ポリ無水物、ポリ(オルト)エステル、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、およびポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)、ならびに天然ポリマー(例えば、アルギネートおよび他の多糖類(デキストランおよびセルロースを含む)、コラーゲン、その化学的誘導体(置換、化学基(例えば、アルキル、アルキレン)の付加、水酸化、酸化、および当業者によって慣用的に行なわれる他の改変)、アルブミンおよび他の親水性タンパク質、ゼインおよび他のプロラミンならびに疎水性タンパク質)、それらのコポリマーならびに混合物。一般に、これらの物質は、酵素的加水分解またはインビボでの水に対する曝露、表面または大部分の浸食のいずれかよって分解する。非生分解性ポリマーの例としては、エチレンビニルアセテート、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアミド、それらのコポリマーおよび混合物が挙げられる。
いくつかの場合における特定の目的とする生体接着(bioadhesive)ポリマーとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:Sawhneyら、Macromolecules、26:581−587、1993(その教示は、本明細書中に援用される)によって記載された生体浸食可能なヒドロゲル、ならびにポリヒアルロン酸、カゼイン、ゼラチン、グルチン(glutin)、ポリ無水物、ポリアクリル酸、アルギネート、キトサン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、およびポリ(オクタデシルアクリレート)。
本発明のシステムおよび方法は、本発明の組成物を標的細胞(例えば、腫瘍細胞)に到達させる任意の方法によって適用され得る。これらの方法としては、例えば、注射、注入、沈着(deposition)、移植、肛門または膣の坐剤(supposition)、経口摂取、吸入、局所投与、または上記インヒビターによる標的細胞に対する接近が得られる投与の任意の他の方法が挙げられる。いくつかの実施形態において、皮膚における高濃度のAPCに起因して、局所投与が好ましい。局所投与を達成するための1つの方法としては、経皮投与(例えば、イオン導入)が挙げられる。イオン導入による透過は、特定のパッチに依存して、破壊されていない皮膚を通して数時間〜数日間〜数週間の期間にわたって持続的に化合物を送達する市販のパッチを使用することによって、達成され得る。この方法は、皮膚を通して比較的高濃度において上記組成物の制御された送達を可能にする。イオン導入パッチの1つの例は、General Medical Company of Los Angeles、CAによって販売されるLECTRO PATCHTMである。そのパッチは、組成物を含むレザバの電気刺激を使用して皮膚を横切って持続的かまたは周期的に投与され得る異なる濃度の投薬量を提供する。局所投与はまた、表皮投与を含み、それは、刺激に対する免疫応答を惹起するのに十分な、表皮の最も外側の層の機械的刺激または化学的刺激を包含する。その刺激は、刺激部位にAPCを誘引し、それらのAPCは、次いで、上記組成物を取り込み得る。機械的刺激の1つの例は、尖叉(tyne)含有デバイスである。このようなデバイスは、皮膚を刺激し、そして同時に薬物を送達する尖叉を含む(例えば、Pasteur Merieux of Lyon、Franceによって製造されるMONO VACCTM)。上記デバイスは、一方の末端にシリンジプランジャーを含み、そして他方の末端に尖叉ディスク(tyne disk)を含む。上記尖叉ディスクは、表皮細胞の最も外側の層を引っ掻き得るいくつかの狭い直径の尖叉ディスクを支持する。化学的刺激は、例えば、ケラチン溶解剤(例えば、サリチル酸)を含み、そしてその化学的刺激は、単独かまたは他の刺激(例えば、機械的刺激)と組み合わせて使用され得る。
本発明の特定の実施形態において、本発明の組成物の投与は、特定の期間(例えば、数時間、数日間、数週間、数ヶ月間、または数年間)にわたる上記組成物に対する連続的な曝露を生じるように設計され得る。これは、例えば、上に記載される方法のうちの1つによる本発明の組成物の反復投与および/またはその組成物が通常は反復投与を伴わずに長期間にわたって送達される持続放出送達系もしくは徐放送達系によって達成され得る。このような送達系を使用した上記組成物の投与は、例えば、経口投薬形態、ボーラス注射、経皮パッチまたは皮下移植片によるものであり得る。上記組成物の濃度を実質的に一定に維持することは、いくつかの場合において所望され得る。
本発明による使用に適した他の送達系としては、時間放出(time−release)システム、遅延放出(delayed release)システム、持続放出システム、または徐放送達システムが挙げられる。このようなシステムは、多くの症例におい反復投与を回避し得、被験体および医師に対する利便性を増大させる。多くの型の放出送達系が、利用可能であり、そして当業者に公知である。それらとしては、例えば、ポリ乳酸および/またはポリグリコール酸、ポリ無水物、ポリカプロラクトン、シュウ酸共重合体(copolyoxalate)、ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリヒドロキシ酪酸、および/またはこれらの組み合わせなどのポリマーベースのシステムが挙げられる。薬物を含む上述のポリマーのマイクロカプセルは、例えば、米国特許第5,075,109号に記載される。他の例としては、脂質ベース(ステロール(例えば、コレステロール、コレステロールエステル)、および脂肪酸または中性脂肪(例えば、モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリド)を含む)である非ポリマー性システム、ヒドロゲル放出システム、リポソームベースのシステム、リン脂質ベースのシステム、シラスティックシステム(silastic system)、ペプチドベースのシステム、ワックスコーティング、従来の結合剤および賦形剤を使用した圧縮錠、または部分的に融合した移植片が挙げられる。特定の例としては、組成物がマトリックス内にある形態で含まれる浸食システム(例えば、米国特許第4,452,775号、同第4,675,189号、同第5,736,152号、同第4,667,014号、同第4,748,034号および同第5,239,660号に記載されるようなもの)、または活性成分が放出速度を制御する拡散システム(例えば、米国特許第3,832,253号、同第3,854,480号、同第5,133,974号および同第5,407,686号に記載されるようなもの)が挙げられるが、これらに限定されない。上記処方物は、例えば、マイクロスフェア、ヒドロゲル、ポリマー性レザバ、コレステロール性マトリックス、またはポリマー性システムとして存在し得る。いくつかの実施形態において、上記システムは、例えば、上記組成物を含む処方物の拡散または浸食/分解の速度の制御によって、その組成物の持続放出または徐放を生じさせ得る。さらに、ポンプベースのハードウェア送達系が、いくつかの場合において本発明の1つ以上の実施形態を送達するために使用され得る。
放出が破裂において生じるシステムの例としては、例えば、組成物がポリマー性マトリックス中に封入されるリポソーム中に捕捉されるシステム、特定の刺激(例えば、温度、pH、光、または分解酵素)に対して感受性であるリポソームおよび組成物がマイクロカプセルコア分解酵素と一緒に、イオン的にコートされたマイクロカプセルによって封入される分解システムが挙げられる。インヒビターの放出が緩徐でありかつ持続的であるシステムの例としては、例えば、組成物がマトリックス内にある形態で含まれる浸食システムおよび組成物が、例えば、ポリマーによって制御された速度にて透過する浸出システムが挙げられる。このような持続放出システムは、例えば、ペレット、またはカプセルの形態にあり得る。
長期放出移植片の使用は、本発明のいくつかの実施形態において特に適切であり得る。「長期放出」は、本明細書中で使用される場合、上記組成物を含む移植片が、いくつかの場合において、少なくとも30日間または45日間、そして好ましくは少なくとも60日間または90日間あるいはそれより長く治療的に有効なレベルの組成物を送達するように構築および準備されることを意味する。長期放出移植片は、当業者に周知であり、そしてその長期放出移植片としては、上に記載される放出システムのいくつかが挙げられる。
本発明の特定の実施形態において、組成物は、例えば、リポソーム中にに組み込まれるか、ポリマー放出システム中に組み込まれるか、または液体に懸濁されるような適切な薬学的に受容可能なキャリア(例えば、溶解した形態またはコロイド分散システム中のようなコロイド形態)を含み得る。一般に、本発明に使用するのに適した薬学的に受容可能なキャリアは、当業者に周知である。本明細書中で使用される場合、「薬学的に受容可能なキャリア」とは、投与される活性化合物の生物学的活性の有効性をあまり妨げないが、例えば、使用前に組成物内の活性化合物を安定化または保護するために処方成分として使用される非毒性物質をいう。用語「キャリア」は、組成物の適用を容易にするため本発明の1種以上の活性化合物と合わせられる天然または合成の有機成分または無機成分を示す。上記キャリアは、所望の薬学的効力を実質的に損なう相互作用が存在しないような様式で、本発明の1種以上の活性化合物と、そして互いに混合(co−mingle)、または他の方法で混合(mix)され得る。上記キャリアは、その用途に依存して、可溶性であっても不溶性であってもよい。周知のキャリアの例としては、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然セルロースおよび改変型セルロース、ポリアクリルアミド、アガロースならびにマグネタイトが挙げられる。上記キャリアの性質は、可溶性または不溶性のいずれかであり得る。当業者は、他の適切なキャリアについて理解しているか、または慣用的な実験のみを使用してそのようなキャリアを確認し得る。
本明細書中で使用される場合、「コロイド分散システム」とは、細菌学的供給源またはウイルスの供給源に由来する分子以外の天然分子または合成分子をいい、それらは、被験体において上記組成物を送達し、そして放出し得るコロイド分散システムとしては、巨大分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ、ならびに水中油型エマルジョン、ミセル、混合ミセルおよびリポソームを含む脂質ベースのシステムが挙げられる。本発明の好ましいコロイドシステムは、リポソームである。リポソームは、インビボまたはインビトロで送達ベクターとして有用な人工の膜小胞である。大きさが0.2〜4.0μmの範囲内の大型一重膜小胞(LUV)が、大型の巨大分子を含有する水性緩衝液を封入し得ることが分かっており、そしてこれらの巨大分子は、生物学的に活性な形態で細胞に送達され得る(Fraleyら、Trends Biochem.Sci、6:77、1981)。
トランスフェクションのための脂質処方物は、QIAGENから市販されている、例えば、EFFECTENETM(特有のDNA凝縮エンハンサーを有する非リポソーム脂質)およびSUPER−FECTTM(新規の代理デンドリマー技術)、ならびにGibco BRLから市販されている、例えば、N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)−プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド(DOTMA)およびジメチルジオクタデシルアンモニウムブロマイド(DDAB)のようなカチオン性脂質で形成される、LIPOFECTINTMおよびLIPOFECTACETMである。リポソームを作製する方法は、当該分野で周知であり、多くの刊行物に記載されている。いくつかのリポソームは、Gregoriadis,G.、Trends in Biotechnology 3:235−241(1985)(これは、本明細書中に参考として援用される)による総説記事に記載された。
1つの実施形態において、上記ビヒクルは、哺乳動物レシピエントへの移植に適した生体適合性の微小粒子であるかまたは移植片である。本方法に従って有用である例示の生体浸食可能な移植片は、PCT国際出願番号PCT/US/03307(公開番号WO 95/24929、発明の名称「Polymeric Gene delivery System」)に記載される。PCT/US/03307は、適切なプロモーターの制御下に、外来性遺伝子を収容するための生体適合性の、好ましくは生分解性のポリマー性マトリックスについて記載する。ポリマー性マトリックスを使用して、被験体における外来性遺伝子の持続放出を達成する。本発明に従って、本明細書中に記載される本発明の組成物は、PCT/US/03307に開示される生体適合性(必要に応じて、生分解性のポリマー性マトリックス内に封入または分散され得る。
ポリマー性マトリックスは、例えば、ミクロスフェア(ここで、固体ポリマー性マトリックス中に組成物が分散される)またはマイクロカプセル(ここで、組成物がポリマーシェルのコアに蓄えられる)のような微小粒子の形態である。組成物を収容するためのポリマー性マトリックスの他の形態としては、フィルム、コーティング、ゲル、移植片およびステントが挙げられる。ポリマー性マトリックスデバイスのサイズおよび組成は、このマトリックスが導入される組織において好ましい放出動力学をもたらすように選択され得る。ポリマー性マトリックスのサイズはまた、使用される送達方法、代表的には組織内への注入または鼻および/もしくは肺領域へのエアロゾルによる懸濁剤の投与に従って選択され得る。エアロゾル経路が使用される場合、ポリマー性マトリックスおよび組成物は、界面活性剤のビヒクルに包含される。ポリマー性マトリックス組成物は、好ましい分解速度を有するように、そして/または生体接着性である物質から形成されるようにも選択され、例えば、マトリックスが損傷を受けた鼻および/または肺表面に投与される場合、移入の有効性をさらに増加し得る。このマトリックス組成物はまた、分解しないように、しかしむしろ長期間にわたる拡散によって放出するように選択され得る。別の実施形態において、上記マトリックスは、経口送達に適した生体適合性のミクロスフェアである。このようなミクロスフェアは、Chickeringら、Biotech.and Bioeng.(1996)52:96〜101およびMathiowitzら、Nature(1997)386:410〜414に開示される。
非生物分解性のポリマー性マトリックスおよび生物分解性ポリマー性マトリックスの両方が、被験体に本発明の組成物を送達するために使用され得る。このようなポリマーは、天然ポリマーであっても合成ポリマーであってもよい。そのポリマーは、一般に、放出が望まれる期間(ほぼ数時間〜1年間以上)に基づいて選択され得る。代表的に、数時間と3〜12ヶ月間との間の範囲の期間にわたる放出が、望ましい。上記ポリマーは、必要に応じて、水を約90重量%まで吸収し、そしてさらに、必要に応じて、多価イオンまたは他のポリマーと架橋され得る形態である。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、薬学的に受容可能なキャリアを、処方成分(例えば、塩、キャリア、緩衝剤、乳化剤、希釈剤、賦形剤、キレート剤、フィラー、乾燥剤、酸化防止剤、抗菌剤、保存剤、結合剤、充填剤(bulking agent)、シリカ、可溶化剤、または安定化剤)と一緒に含み得る。例えば、処方物が液体である場合、上記キャリアは、溶媒、部分的な溶媒、または非溶媒であり得、そして水性または有機物ベース(organically based)であり得る。適切な処方成分の例としては、希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、カオリン、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウム)、造粒剤(granulating agent)および崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸(algenic acid)、結合剤(例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルク)、時間遅延物質(time−delay material)(例えば、モノステアリン酸グリセロールまたはジステアリン酸グリセロール)、懸濁化剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン)、分散剤または湿潤剤(例えば、レシチンまたは他の天然に存在するホスファチド)、増粘剤(例えば、セチルアルコールまたは蜜蝋)、緩衝剤(例えば、酢酸およびその塩、クエン酸およびその塩、ホウ酸およびその塩、またはリン酸およびその塩)、あるいは保存剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、パラベン、またはチメロサール)が挙げられる。適切なキャリアの濃度は、慣用に過ぎない実験を使用して当業者によって決定され得る。本発明の組成物は、固体形態、半固体形態、液体形態または気体形態にある調製物(例えば、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、散剤、顆粒剤、軟膏剤、溶液、沈着物(depository)、吸入剤または注射剤)へと処方され得る。当業者は、適切な処方成分について理解しているか、または慣用的な実験のみを使用してそのような処方成分を確認し得る。
調製物は、滅菌した水性または非水性の溶液、懸濁液およびエマルションを含み、その調製物は、特定の実施形態において被験体の血液と等張であり得る。非水性溶媒の例は、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油、ゴマ油、ヤシ油、落花生油、ピーナッツ油)、鉱油、注射可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)、または不揮発性油(合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含む)である。水性キャリアとしては、水、アルコール/水性溶液、エマルションまたは懸濁液(生理食塩水および緩衝化された媒体を含む)が挙げられる。非経口ビヒクルとしては、塩化ナトリウム溶液、1,3−ブタンジオール、リンゲルデキストロース、デキストロースと塩化ナトリウム、ラクテイテッドリンゲル液(lactated Ringer’s)または不揮発性油が挙げられる。静脈内ビヒクルとしては、流体と栄養補給物、電解質補給物(例えば、リンゲルデキストロースに基づいたもの)などが挙げられる。保存剤および他の添加剤、例えば、抗菌剤、酸化防止剤、キレート剤および不活性ガスなども存在していてもよい。さらに、滅菌した不揮発性油は、溶媒または懸濁化媒体として適宜使用される。この目的のために、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性の不揮発性油が、使用され得る。さらに、脂肪酸(例えば、オレイン酸)は、注射剤の調製において使用され得る。経口投与、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与などに適したキャリア処方物は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Coに見出され得る。当業者は、過度な実験を行うことなく、本発明の組成物を調製および処方するために種々のパラメータを容易に決定し得る。
いくつかの実施形態において、本発明は、活性化合物を、1種以上の補助成分を構成し得る適切なキャリアとの会合または接触させることによって本発明の組成物を形成する工程を包含する。最終組成物は、任意の適切な技術(例えば、組成物を液体キャリア、微細に分離したキャリアまたはその両方(必要に応じて、先に記載されるような1種以上の処方成分)と均一かつ密接に会合させ、次いで、必要に応じて、その産物を成形すること)によって調製され得る。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、薬学的に受容可能な塩として存在し得る。用語「薬学的に受容可能な塩」は、組成物内に見出される特定の化合物および望まれる処置様式に依存して、例えば、酸または塩基と組み合わせて調製された組成物の塩を含む。薬学的に受容可能な塩は、アルカリ金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、またはカリウム塩)、またはアルカリ土類金属塩(例えば、ベリリウム塩、マグネシウム塩またはカルシウム塩)として与えられ得る。塩を形成するために使用され得る適切な塩基の例としては、アンモニウム塩基、または無機物(mineral)の塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなど)が挙げられる。塩を形成するために使用され得る適切な酸の例としては、無機酸または無機物の酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸(monohydrogencarbonic acid)、リン酸、一水素リン酸(monohydrogenphosphoric acid)、二水素リン酸(dihydrogenphosphoric acid)、硫酸、一水素硫酸(monohydrogensulfuric acid)、亜リン酸などが挙げられる。他の適切な酸としては、有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トシルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタスルホン酸、グルクロン酸、カラクツロン酸、サリチル酸、葉酸、ナフタレン−2−スルホン酸など)が挙げられる。なお他の適切な酸としては、アミノ酸(例えば、アルギン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸など)が挙げられる。
1つの局面において、本発明は、キットにおいて任意の上述の組成物を提供し、そのキットは、必要に応じて、上記組成物の使用(例えば、癌または創傷の処置)のための指示書を備える。すなわち、上記キットは、癌または創傷に関与する本明細書中に開示される任意の生物学的機構または化学的機構に参加するための組成物の使用の説明書を備える。上記キットは、症状とは対照的に、病理の処置における癌または創傷の活性の説明書をさらに備え得る。上記キットは、本明細書中で考察されるような組成物の使用の説明書を備え得る。上記キットはまた、本発明の2種以上の組成物の組み合わせの使用についての指示書、または本発明の組成物と、癌、創傷などの処置について示される1種以上の他の化合物との組み合わせの使用についての指示書を備え得る。指示書はまた、先に記載されるような任意の適切な技術(例えば、経口、静脈内、ポンプまたは移植可能な送達デバイスか、あるいは薬物送達の別の公知の経路を介する)によって上記組成物を投与するために提供され得る。
本発明はまた、別の局面において、本明細書中に記載される任意のシステムまたは方法による癌、創傷などの処置の促進を包含する。いくつかの実施形態において、本発明の1種以上の組成物は、癌または創傷の処置のために奨励され得るか、または癌または創傷の処置についての指示書を含む。いくつかの例において、本発明は、本発明が癌、創傷などを処置し得る本発明の組成物のいずれか1つ、ならびにそのホモログ、アナログ、誘導体、エナンチオマーおよび機能的に等価な組成物の投与によって癌、創傷などの予防または処置を促進することを包含する方法を提供する。本明細書中で使用される場合、「奨励される」は、ビジネスを行う全ての方法を含む、その方法は、癌または創傷の処置に関する本発明の組成物に関連する、教育、病院および他の臨床上の指示、医薬品販売を含む製薬産業の活動、ならびに任意の形態の文書、口頭および電子通信を含む任意の広告または他の宣伝活動を含む、「指示」は、奨励の構成要素を定義し得、そして代表的に、本発明の組成物の包装における文書の指示またはそれに付随する文書の指示を含む指示はまた、任意の様式で提供される任意の口頭によるかまたは電子的な指示を含み得る。「キット」は、代表的に、本発明の1種以上の組成物およびその指示書、その組成物のホモログ、アナログ、誘導体、エナンチオマーおよび機能的に等価な組成物を含むパッケージを定義するが、それは、本発明の組成物、および臨床の専門家がその指示書が特定の組成物に関連することを明確に認識するような様式でその組成物に関して提供される任意の形態の指示書を備え得る。
本明細書中に記載されるキットはまた、本発明の組成物および先に記載される他の成分を収容し得る1つ以上の容器を収容し得る。上記キットはまた、いくつかの場合において、上記組成物を混合するか、希釈するか、および/または投与するための指示書を含み得る。上記キットはまた、1種以上の溶媒、界面活性剤、保存剤および/または希釈剤(例えば、通常の生理食塩水(0.9% NaCl)、または5%デキストロース)を含む他の容器ならびに混合、希釈または上記成分をこのような処置を必要とする被験体に投与のための容器を備え得る。
上記キットの組成物は、任意の適切な形態(例えば、液体の溶液または乾燥した粉末)として提供され得る。提供される組成物が乾燥粉末である場合、その組成物は、適切な溶媒の添加によって再構成され得、その溶媒もまた、提供され得る。上記組成物の液体形態が使用される実施形態において、その液体形態は、使用するために再構成され得るか、または準備され得る。上記溶媒は、組成物内の活性化合物および使用または投与の様式に依存する。適切な溶媒は、例えば、先に記載される通り周知であり、そしてその溶媒は、文献において利用可能である。上記溶媒は、化合物および使用または投与の様式に依存する。
本発明のいくつかの実施形態が、本明細書中に記載および例示されている一方で、当業者は、本明細書中に記載される機能を実施し、そして/あるいは結果および/または利点の1つ以上を得るために種々の他の手段および/または構造物を容易に想起し、そしてこのようなバリエーションまたは改変の各々は、本発明の範囲内であると考えられる。より一般的には、当業者は、本明細書中に記載される全てのパラメータ、寸法、物質、および構成が例示であることを意味すること、ならびに実際のパラメータ、寸法、物質、および構成が本発明の教示が用いられる特定の用途に依存することを容易に理解する。当業者は、本明細書中に記載される本発明の特定の実施形態に対する多くの等価物を認識するか、またはそれを慣用に過ぎない実験を用いて確認し得る。したがって、上述の実施形態が単なる例として与えられること、および本発明が、添付の特許請求の範囲およびそれに対する等価物の範囲内において具体的に記載されそして/または主張されるものとは別の方法で実施され得ることが、理解されるべきである。本発明は、本明細書中に記載されるそれぞれの個々の特徴、システム、物質および/または方法に関する。さらに、2つ以上のこのような特徴、システム、物品、物質および/または方法の任意の組み合わせは、このような特徴、システム、物品、物質および/または方法が相互に矛盾しない場合、本発明の範囲内に含まれる。
全ての定義は、本明細書中で使用される場合、本開示の目的のためだけにある。これらの定義は、本開示に関連するか関連しないかにかかわらず、必ずしも他の共有に係る特許および/または特許出願に帰属するべきではない。上記定義は、本明細書中で使用される場合、辞書の定義、参考として援用される文書における定義、および/または定義された用語の通常の意味を支配することが認識されるべきである。
逆のことが明確に示されない限り、1つより多い行為を含む本明細書中で主張されるあらゆる方法において、その方法の行為の順序が必ずしもその方法の行為が示される順序に限定されるわけではないこともまた、理解されるべきである。
特許請求の範囲および上記の明細書において、全ての移行句(例えば、「含むこと(comprising)」、「含むこと(including)」、「保有すること(carrying)」、「有すること(having)」、「有すること(containing)」、「含むこと(involving)」、「保つこと(holding)」などは、制限がない(すなわち、包含するが、それに限定されないことを意味する)と理解されるべきである。移行句「からなる(consisting of)」および「本質的〜からなる(consisting essentially of)」だけは、米国特許商標局の米国特許審査便覧、第2111.03節に示されるように、それぞれ、閉じられた移行句または半分閉じられた移行句である。
図1は、本発明の二機能性化合物の概略図である。 図2は、本発明の二機能性化合物の5つの実施形態の一般化学構造を示す。 図3は、本発明の5種の特定の二機能性化合物の化学構造を示す。

Claims (29)

  1. 細胞を治療的に受容可能な量の二機能性化合物に曝す工程であって、該二機能性化合物において、脂肪酸代謝インヒビターの機能性を有する部分が、解糖インヒビターの機能性を有する部分に連結されている、工程を包含する、方法。
  2. 前記二機能性化合物において、前記脂肪酸代謝インヒビターの機能性を有する部分が、オキシランカルボン酸化合物の機能性を有する部分を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記二機能性化合物において、前記解糖インヒビターの機能性を有する部分が、グルコース誘導体の機能性を有する部分を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記二機能性化合物において、前記脂肪酸代謝インヒビターの機能性を有する部分が、オキシランカルボン酸化合物の機能性を有する部分を含み、かつ該二機能性化合物において、前記解糖インヒビターの機能性を有する部分が、グルコース誘導体の機能性を有する部分を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有し、Rは、水酸基、ハロゲン原子、チオール基、またはCO−Rを示し、ここでRは、1個〜20個の炭素原子のアルキル基を示し、Rは、水素原子またはハロゲン原子を示し、R、RおよびRは、それぞれ、水酸基、ハロゲン原子、またはCO−Rを示し、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、水酸基であり、RおよびRは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、1個〜4個の炭素原子のアルキル基、1個〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基を示し、Rは、水素原子または1個〜4個の炭素原子のアルキル基を示し、Xは、OまたはSを示し、Yは、kが2〜8である(CH、またはグループ−O−(CH−を示し、mは、0、または1〜4の自然数であり、nは、2〜8の自然数であり、ここでmとnとの合計は、2〜8の自然数であり、そしてZは、を示しO、Sあるいはグループ(CH−O−(CHまたは(CH−S−(CH、そしてpおよびqは、それぞれ、0または自然数である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有する、請求項4に記載の方法。
  7. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有し、Rは、水素原子またはハロゲン原子を示し、R、RおよびRは、それぞれ、水酸基、ハロゲン原子、またはCO−Rを示し、ここでRは、1個〜20個の炭素原子のアルキル基を示し、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、水酸基であり、Rは、水素原子または1個〜4個の炭素原子のアルキル基を示し、Xは、OまたはSを示し、そしてYは、kが2〜8である(CH、またはグループ−O−(CH−を示し、mは、0、または1〜4の自然数であり、nは、2〜8の自然数であり、ここでmとnとの合計は、2〜8の自然数である、請求項4に記載の方法。
  8. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有する、請求項4に記載の方法。
  9. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有し、Rは、水酸基、ハロゲン原子、チオール基、またはCO−Rを示し、ここでRは、1個〜20個の炭素原子のアルキル基を示し、Rは、水素原子またはハロゲン原子を示し、R、RおよびRは、それぞれ、水酸基、ハロゲン原子、またはCO−Rを示し、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、水酸基であり、RおよびRは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子を示し、1個〜4個の炭素原子のアルキル基、1個〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基、Rは、水素原子または1個〜4個の炭素原子のアルキル基を示し、Xは、OまたはSを示し、そしてYは、kが2〜8である(CH、またはグループ−O−(CH−を示し、mは、0、または1〜4の自然数であり、nは、2〜8の自然数であり、ここでmとnとの合計は、2〜8の自然数である、請求項4に記載の方法。
  10. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有する、請求項4に記載の方法。
  11. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有し、Rは、水酸基、ハロゲン原子、チオール基、またはCO−Rを示し、ここでRは、1個〜20個の炭素原子のアルキル基を示し、Rは、水素原子またはハロゲン原子を示し、R、RおよびRは、それぞれ、水酸基、ハロゲン原子、またはCO−Rを示し、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、水酸基であり、RおよびRは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、1個〜4個の炭素原子のアルキル基、1個〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基を示し、Rは、水素原子または1個〜4個の炭素原子のアルキル基を示し、Xは、OまたはSを示し、Yは、kが2〜8である(CH、またはグループ−O−(CH−を示し、mは、0、または1〜4の自然数であり、nは、2〜8の自然数であり、ここでmとnとの合計は、2〜8の自然数であり、そしてZは、O、Sあるいはグループ(CH−O−(CHまたは(CH)P−S−(CHを示し、そしてpおよびqは、それぞれ、0または自然数である、請求項4に記載の方法。
  12. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有する、請求項4に記載の方法。
  13. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有し、Rは、水酸基、ハロゲン原子、チオール基、またはCO−Rを示し、ここでRは、1個〜20個の炭素原子のアルキル基を示し、Rは、水素原子またはハロゲン原子を示し、R、RおよびRは、それぞれ、水酸基、ハロゲン原子、またはCO−Rを示し、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、水酸基であり、RおよびRは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、1個〜4個の炭素原子のアルキル基、1個〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基を示し、Rは、水素原子または1個〜4個の炭素原子のアルキル基を示し、Xは、OまたはSを示し、そしてYは、kが2〜8である(CH、またはグループ−O−(CHを示し、mは、0、または1〜4の自然数であり、nは、2〜8の自然数であり、ここでmとnとの合計は、2〜8の自然数である、請求項4に記載の方法。
  14. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有する、請求項4に記載の方法。
  15. 二機能性化合物であって、脂肪酸代謝インヒビターの機能性を有する部分が、解糖インヒビターの機能性を有する部分に連結されている、二機能性化合物を含有する、組成物。
  16. 前記二機能性化合物において、前記脂肪酸代謝インヒビターの機能性を有する部分が、オキシランカルボン酸化合物の機能性を有する部分を含む、請求項15に記載の組成物。
  17. 前記二機能性化合物において、前記解糖インヒビターの機能性を有する部分が、グルコース誘導体の機能性を有する部分を含む、請求項15に記載の組成物。
  18. 前記二機能性化合物において、前記脂肪酸代謝インヒビターの機能性を有する部分が、オキシランカルボン酸化合物の機能性を有する部分を含み、かつ該二機能性化合物において、前記解糖インヒビターの機能性を有する部分が、グルコース誘導体の機能性を有する部分を含む、請求項15に記載の組成物。
  19. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有し、Rは、水酸基、ハロゲン原子、チオール基、またはCO−Rを示し、ここでRは、1個〜20個の炭素原子のアルキル基を示し、Rは、水素原子またはハロゲン原子を示し、R、RおよびRは、それぞれ、水酸基、ハロゲン原子、またはCO−Rを示し、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、水酸基であり、RおよびRは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、1個〜4個の炭素原子のアルキル基、1個〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基を示し、Rは、水素原子または1個〜4個の炭素原子のアルキル基を示し、Xは、OまたはSを示し、Yは、kが2〜8である(CH、またはグループ−O−(CH−を示し、mは、0、または1〜4の自然数であり、nは、2〜8の自然数であり、ここでmとnとの合計は、2〜8の自然数であり、そしてZは、O、Sあるいはグループ(CH−O−(CHまたは(CH)P−S−(CHを示し、そしてpおよびqは、それぞれ、0、または1〜4の自然数である、請求項18に記載の組成物。
  20. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有する、請求項18に記載の組成物。
  21. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有し、Rは、水素原子またはハロゲン原子を示し、R、RおよびRは、それぞれ、水酸基、ハロゲン原子、またはCO−Rを示し、ここでRは、1個〜20個の炭素原子のアルキル基を示し、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、水酸基であり、Rは、水素原子または1個〜4個の炭素原子のアルキル基を示し、Xは、OまたはSを示し、そしてYは、kが2〜8である(CH、またはグループ−O−(CH−を示し、mは、0、または1〜4の自然数であり、nは、2〜8の自然数であり、ここでmとnとの合計は、2〜8の自然数である、請求項18に記載の組成物。
  22. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有する、請求項18に記載の組成物。
  23. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有し、Rは、水酸基、ハロゲン原子、チオール基、またはCO−Rを示し、ここでRは、1個〜20個の炭素原子のアルキル基を示し、Rは、水素原子またはハロゲン原子を示し、R、RおよびRは、それぞれ、水酸基、ハロゲン原子、またはCO−Rを示し、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、水酸基であり、RおよびRは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、1個〜4個の炭素原子のアルキル基、1個〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基を示し、Rは、水素原子または1個〜4個の炭素原子のアルキル基を示し、Xは、OまたはSを示し、そしてYは、kが2〜8である(CH、またはグループ−O−(CH−を示し、mは、0、または1〜4の自然数であり、nは、2〜8の自然数であり、ここでmとnとの合計は、2〜8の自然数である、請求項18に記載の組成物。
  24. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有する、請求項18に記載の組成物。
  25. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有し、Rは、水酸基、ハロゲン原子、チオール基、またはCO−Rを示し、ここでRは、1個〜20個の炭素原子のアルキル基を示し、Rは、水素原子またはハロゲン原子を示し、R、RおよびRは、それぞれ、水酸基、ハロゲン原子、またはCO−Rを示し、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、水酸基であり、RおよびRは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、1個〜4個の炭素原子のアルキル基、1個〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基を示し、Rは、水素原子または1個〜4個の炭素原子のアルキル基を示し、Xは、OまたはSを示し、Yは、kが2〜8である(CH、またはグループ−O−(CH−を示し、mは、0、または1〜4の自然数であり、nは、2〜8の自然数であり、ここでmとnとの合計は、2〜8の自然数であり、そしてZは、O、Sあるいはグループ(CH−O−(CHまたは(CH)P−S−(CHを示し、そしてpおよびqは、それぞれ、0、または1〜4の自然数である、請求項18に記載の組成物。
  26. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有する、請求項18に記載の組成物。
  27. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有し、Rは、水酸基、ハロゲン原子、チオール基、またはCO−Rを示し、ここでRは、1個〜20個の炭素原子のアルキル基を示し、Rは、水素原子またはハロゲン原子を示し、R、RおよびRは、それぞれ、水酸基、ハロゲン原子、またはCO−Rを示し、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、水酸基であり、RおよびRは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、1個〜4個の炭素原子のアルキル基、1個〜4個の炭素原子のアルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基、Rは、水素原子または1個〜4個の炭素原子のアルキル基を示し、Xは、OまたはSを示し、そしてYは、kが2〜8である(CH、またはグループ−O−(CH−を示し、ここでmは、0、または1〜4の自然数であり、nは、2〜8の自然数であり、ここでmとnとの合計は、2〜8の自然数である、請求項18に記載の組成物。
  28. 前記二機能性化合物は、構造:
    Figure 2008539238
    を有する、請求項18に記載の組成物。
  29. 薬学的に受容可能なキャリアとの組み合わせにおいて存在する、請求項18に記載の組成物。
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