以下では、添付した図面を参照して、本発明を詳しく説明することにする。
図1は、本発明に係る同期および非同期移動通信網の構成を説明するためのブロック図である。
図1を参照すれば、非同期網のWCDMA網100は、移動通信端末400と無線通信を行う無線局101および前記無線局101を制御する無線局制御機(以下「RNC」と称する)102と、前記RNC102と接続されて移動通信端末400の移動性を管理するサービングGPRSサービスノード(Serving GPRS Service Node、以下「SGSN」と称する)103と、GPRS網105を介して前記パケットサービス制御およびパケットデータ伝送を行う中継装置である非同期通信網データサービス関門ノード(Gateway GPRS Supporting Node、以下「GGSN」と称する)106を含む。
また、前記RNC102には呼交換を行う交換機(以下「MSC」と称する)104が接続され、前記MSC104は信号交換のためのナンバーセブン信号網(NO.7信号網)107と接続される。前記ナンバーセブン信号網107には短文メッセージをサービスする短文メッセージサービスセンタ(以下「SMSC」と称する)108と、加入者の位置情報を管理するためのホーム位置登録機(以下「HLR」と称する)110が接続される。
一方、同期網のCDMA2000網200は、移動通信端末400と無線通信を行う基地局(以下「BTS」と称する)201と、前記BTS201を制御する基地局制御機(以下「BSC」と称する)202と、前記BSC202と接続されてパケットデータサービスを提供するパケットデータサービスノード(Packet Data Service Node、以下「PDSN」と称する)204と前記PDSN204に接続されてインターネット接続サービスを行うデータコアネットワーク(Data Core Network、以下「DCN」と称する)209と、前記BSC202と接続され、交換を行う交換機(以下「MSC」と称する)203とを含んで構成される。
前記MSC203は信号交換のためのナンバーセブン信号網(No.7信号網)205と接続される。前記ナンバーセブン信号網205には短文メッセージをサービスする短文メッセージサービスセンタ(以下「SMSC」と称する)206と、加入者の位置情報を管理するためのホーム位置登録機(以下「HLR」と称する)208が接続される。
本実施形態において、前記同期網200および非同期網100は、各々加入者情報と位置情報とを管理するためのHLR110,208を備えているが、1つのHLR(デュアルスタックホーム位置登録機)を用いて同期網200および非同期網100の加入者情報および位置情報を共有するようにすることもできる。
上記のような移動通信網で、本発明の移動通信端末400は非同期網100と同期網200との間に相互接続され、2つのシステムの信号処理状況を伝送して処理する。
図2は、本発明に係るデュアルバンド移動通信端末の構成を説明するためのブロック図である。
図2を参照すれば、本発明に係るデュアルバンド移動通信端末400は、同期式移動通信と非同期式移動通信のいずれも支援するものとして、それぞれのプロトコルスタックを有するようになる。
このような本発明に係る移動通信端末400は、大きく分けて同期移動通信網200および非同期移動通信網100との電波送受信のためのアンテナ410と、同期式通信のための同期無線装置430と、非同期式通信のための非同期無線装置420と、同期式および非同期式通信時の共通するリソースを提供するための共通モジュール440とを含む。
前記同期無線装置430は、送受信電波を定められた周波数帯域に分離する同期無線送信部432および同期無線受信部433と、同期移動通信網との無線区間プロトコルを処理する同期モデム部434とを含み、前記同期無線送信部432および同期無線受信部433の一側は、それぞれの周波数を区分して処理するバンドパスフィルタとして動作するデュプレクサ431を介してアンテナ410と接続されて、他側は前記同期モデム部434と接続される。
また、非同期無線装置420もまた送受信電波を定めた周波数帯域に分離する非同期無線送信部422および非同期無線受信部423と、非同期移動通信網との無線区間プロトコルを処理する非同期モデム部424とを含み、前記非同期無線送信部422および非同期無線受信部423の一側は、それぞれの周波数を区分して処理するバンドパスフィルタとして動作するデュプレクサ421を介してアンテナ410と接続され、他側は非同期モデム部424と接続される。
上記において、アンテナ410は同期移動通信サービスのための周波数帯域と非同期移動通信サービスのための周波数帯域を同時に処理可能である。そして、共通モジュール440は同期モデム部434および非同期モデム部424を制御するための中央処理装置として動作し、マルチメディア機能を行うアプリケーションプロセッサ、メモリ、入出力部、その他応用処理部などを含む。
また、本発明の移動通信端末400には、ユーザインターフェース、付加サービス、移動性管理、接続/セッション制御、リソース制御、プロトコル処理のためのソフトウェアが搭載され、ユーザが各種応用サービスを用いることができるようにし、ハンドオーバを行い、移動通信網に合うようにプロトコル変換を行う。
図3は、本発明に係る移動通信端末の共通モジュールの構成を説明するためのブロック図である。
図3を参照すれば、本発明に係る移動通信端末の共通モジュール440は、前記同期無線装置430および非同期無線装置420の各モデム部424,434と接続される複数のデュアルポートラム(Dual Port RAM、以下「DPRAM」と称する)441,442と、前記DPRAM441,442と接続されて移動通信端末400の同期および非同期通信の全般的な制御とアプリケーションの実行を行うメインプロセッサ443を含む。前記メインプロセッサ443にはデータ格納のためのメモリ444と、周辺装置の接続のためのI/O装置445および電力制御のための電力制御モジュール(以下「PWM」と称する)446が接続される。
図4は、本発明の一実施形態に係る非同期移動通信網と同期移動通信網の領域に係る移動通信端末のハンドオーバを説明するための説明図である。
1つの移動通信網で、ハンドオーバ(またはハンドオフ)は移動通信端末が移動通信網のある1つのセルから他のセルに移動する場合にユーザが通話の切断なく通信することができるようにする技術を意味する。
図4を参照すれば、本発明は非同期移動通信網100と同期移動通信網200が混在した網におけるDBDM移動通信端末400のハンドオーバ方法を提供する。本実施形態において非同期移動通信網100の領域は同期移動通信網200の領域内に含まれる。
本発明において、非同期移動通信網100の領域では同期無線装置(CDMA2000)430がパーキングモードに設定され、非同期無線装置(WCDMA)420は活性化状態に設定される。また、同期移動通信網200の領域では非同期無線装置(VCDMA)420はパーキングモードに設定され、同期無線装置(CDMA2000)430は活性化状態に設定される。
図5は、本発明の一実施形態に係る移動通信端末の初期起動による接続過程を説明するためのフローチャートである。
図5を参照すれば、本発明に係る移動通信端末は、初期電源が投入(S10)されればメインプロセッサ443は優先的に非同期通信を選択する。このためにメインプロセッサ443は非同期無線装置420を活性化させ(S20)、同期無線装置430をパーキングモードに設定する(S30)。
ステップS20およびS30において、メインプロセッサ443は非同期無線装置420を活性化状態に設定し、同期無線装置430をパーキングさせた後に非同期移動通信網100に接続要請を行う(S40)。
ステップS40で非同期移動通信網100では前記接続要請により非同期HLR110に位置登録を要請して(S51)、非同期HLR110は位置登録にともなう応答を返信する(S52)。
非同期移動通信網100は、前記接続要請にともなう応答メッセージを移動通信端末400に伝送する(S60)。この時、応答メッセージには現在非同期移動通信網100が同期移動通信網200へのハンドオーバが可能であることを知らせる情報を含む。
移動通信端末400のメインプロセッサ443は、非同期無線装置420を介して前記ステップS60における応答を受信した後、接続設定が完了したことを知らせるメッセージを非同期移動通信網に伝送する(S71)。この時、メッセージには移動通信端末が同期移動通信網に接続できる同期無線装置430の情報を含む。
非同期移動通信網100は、前記ステップS71におけるメッセージを受信した後、非同期HLR110に前記移動通信端末の同期無線装置430の情報を格納(S72)する。この時、非同期HLR110は、前記ステップS72における情報を同期移動通信網のHLR208に伝送し(S73)、同期HLR208は、非同期HLR110から伝送される情報を格納(S74)することによってハンドオーバに備える。
そして、非同期移動通信網100はステップS71にともなう応答メッセージを移動通信端末400に伝送する(S80)。
これにより、移動通信端末400と非同期移動通信網100との接続設定が完了するが、移動通信端末400は接続設定を確認するために、現在接続設定確認情報を含むメッセージを非同期移動通信網100に伝送する(S90)。
これにより、非同期移動通信網100は、前記接続設定確認情報を承認するメッセージを移動通信端末400に伝送(S100)することによって、すべての接続設定が完了する。
図6は、本発明に係る移動通信端末の非同期通信網から同期通信網へのハンドオーバを説明するための概略的なグラフである。
図6は、移動通信端末400が非同期移動通信網100に接続した後、非同期移動通信網100の領域を脱して同期移動通信網200の領域に進入する過程を説明したものであるが、図面に示したΔRは、非同期移動通信網100の領域と同期移動通信網200の領域が重なる区間を示す。
図面に示すように、領域が重なる区間であるΔRにおいて非同期移動通信網の信号が所定値(V1)以下に低くなる状態で同期移動通信網の信号を受信すれば、移動通信端末400は現在パーキングされている同期無線装置430を活性化させるが、この時は非同期/同期無線装置420,430のいずれもが活性化状態となる。
前記活性化後に非同期移動通信網の信号の強さがハンドオーバのために予め設定された基準値(V2)以下になれば、移動通信端末は同期移動通信網にハンドオーバを行って移動通信端末は活性化している非同期無線装置420をパーキングするように制御する、
図7は、図6にともなうハンドオーバを説明するためのフローチャートである。
図7を参照すれば、移動通信端末400が非同期移動通信網100の領域に位置するようになれば、メインプロセッサ443は非同期無線装置420を活性化させて同期無線装置430はパーキングモードに設定する(S110)。
そして、移動通信端末400のメインプロセッサ443は、非同期移動通信網100の信号が所定値(V1)以下に低下するかを判断する(S120)。
前記ステップS120において、非同期移動通信網200の信号が所定値以下に低下したと判断すれば、移動通信端末400が非同期移動通信網100の領域から同期移動通信網200の領域に移動すると判断してメインプロセッサ443はパーキングモードの同期無線装置430を活性化して同期移動通信網200と接続設定を行う(S141)。これにより、同期移動通信網200の同期HLR208への位置登録が発生する(S142)。この時、同期HLR208は、図5に示したステップS74で格納した情報に基づいて移動通信端末400のハンドオーバ情報を参照する。
そして、移動通信端末400は、非同期無線装置420を介して受信される非同期移動通信網100の信号がハンドオーバのために予め設定された基準値(V2)以下であるかを判断する(S150)。
ステップS150において、非同期移動通信網100の信号が予め設定された基準値(V2)以下と判断すれば、ステップS141で設定した同期移動通信網200との接続を活性化させる(S160)。
そして、非同期移動通信網との現在接続を解除して(S170)、非同期無線装置420をパーキングモードに制御(S180)することによって、非同期移動通信網から同期移動通信網へのハンドオーバが完了する。
前記過程で説明した非同期HLR110と同期HLR208は1つのHLR、すなわち1つのデュアルスタックホーム位置登録機で実現することもできる。
図8は、本発明の他の実施形態に係るハンドオーバ方法を説明するためのフローチャートであって、特に、移動通信端末400が非同期移動通信網100と接続されて通話をしている状態で、移動通信端末400が同期領域に移動する場合に移動通信端末400の同期無線装置430をトラフィック状態に切り替えることによってハンドオーバする場合を示す。
先ず、移動通信端末400の非同期モジュール120が活性化して、非同期モデム部424と非同期移動通信網100が接続されて通話をしている状態で(S201)、移動通信端末が同期領域に移動し、ハンドオーバ条件を満足するようになれば、非同期移動通信網100は同期移動通信網200のコア網に移動通信端末400の接続環境を切り替えることを要請する(Relocation Required, S202)。この時、移動通信端末400の識別番号を共に伝送し、コア網はIS−41に定義されたMAP(Mobi1e Application Part)メッセージを用いて交換機(MSC)にハンドオフを要請する(FACDIR2、S203)。
これにより、交換機(MSC)は基地局(BTS)にハンドオフを要請して(Handoff Request)、基地局(BTS)が交換機(MSC)に応答信号(Handoff Req Ack)を伝送した後(S204,S205)、移動通信端末400の同期モジュール120に含まれた同期モデム部434に前方向トラフィック伝送のための前方向基本チャネル(Forward Fundamental Channel;F−FCH)を介してヌル(NULL)フレームを伝送(null F-FCH frames, S206)することによって、前方向チャネルが割り当てられるようになる。このように、同期移動通信網200でハンドオーバの準備が完了すれば、同期移動通信網200の交換機(MSC)はコア網を介して非同期移動通信網100に接続切り替え要請に対する応答信号(facdir2, Relocation Command)を伝送する(S207,S208)。
以後、非同期移動通信網100は、移動通信端末400の非同期モデム部424にハンドオーバを指示するが(HANDOVER FROM UTRAN COMMAND, S209)、このメッセージには同期移動通信網関連のメッセージが含まれ、特にチャネル割当のための情報が含まれるようになる。チャネル割当情報(channel assignment)は、非同期モデム部424から同期モデム部434に伝送され、同期モデム部434がハンドオーバを予め準備できるようにする(S210)。また、非同期移動通信網100が非同期モデム部424にハンドオーバを指示するステップ(S209)で同期移動通信網200のハンドオーバメッセージ(Universal handoff direction message)を共に伝送してハンドオーバが進められるようにする。
このように、同期モデム部434がチャネル割当メッセージおよびハンドオーバメッセージを受信することによって同期無線装置430が同期移動通信網200との通信準備過程を行い(S211)、通信準備過程が完了すればこれを非同期モデム部424に通報する(call connected, S212)。
移動通信端末400の同期無線装置430が同期移動通信網との通信準備を完了すれば、非同期モデム部424と同期モデム部434との間にモード切り替えがなされ(S213)、同期モデム部434が同期移動通信網の基地局(BTS)に逆方向基本チャネル(Reverse Fundamental Channel;R−FCH)を介してフレームを伝送し(R-FCH frames, S214)、これにより、移動通信端末400と同期移動通信網200との間に接続がなされる(S215)。
以後、基地局(BTS)は交換機(MSC)を介してコア網にハンドオフを完了したことを通報(Handoff Complete, MSONCH)し(S216,S217)、コア網は非同期移動通信網100に非同期モデム部424との呼を解除することを要請する(Iu Release Command, S218)。これにより、非同期移動通信網100が非同期モデム部424との接続を終了して、呼の解除が完了したことをコア網に報告(Uu Rel. Complete)することによって(S219)、非同期移動通信網100から同期移動通信網200へのハンドオーバが完了するようになる。
図9は、図8に示した同期モデム部における通信準備過程の詳細フローチャートである。非同期モデム部424からチャネル割当情報を受信した同期モデム部434は、スイッチオンおよびワームアップ過程を介して活性化し(S301)、パイロットチャネルおよび同期チャネルを獲得する(S302,S303)。パイロットチャネルを獲得することによって、同期移動通信網の基地局と端末機間の同期化がなされ、同期チャネルを獲得することによってタイミング情報、その他のシステム情報などを基地局から受信することになる。
これにより、移動通信端末400の同期無線装置430が遊休状態を経てトラフィック状態に遷移するようになり(S304,S305)、同期移動通信網200と接続がなされるようになっている。