JP2008536921A - アルコール及び/又は刺激物質の乱用を治療するための選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、アルコール及び/又は刺激物質の乱用を治療するために、GABAA塩素イオンチャネルの活性を直接的又は間接的に選択的に調節する化合物の種類由来の薬学的組成物を使用する方法及び治療に関する。本発明は、総合治療計画におけるアルコール及び/又は刺激物質の乱用に関連する症状を緩和する方法及びプロトコルにも関する。さらに詳細には、本発明はアルコール及び/又は精神刺激薬の依存、これに関連する離脱症状、及びこれに関連する渇望を治療するための、フルマゼニル等の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの使用に関する。
Description
本発明は、アルコール及び/又は精神刺激物質の乱用を治療するGABAA塩素イオンチャネルの活性を直接的又は間接的に選択的に調節する種類の化合物由来の薬学的組成物を使用する方法及び方法論に関し、この乱用には、限定はされないが、物質の使用、中毒、有害であるにも関わらず連続的に物質を使用すること、強迫的な物質の使用、渇望、精神的依存、身体依存、耐性、物質の使用の不適応パターン、物質の使用による没頭、及び/又は使用中断の際の離脱症状の発生を個体が制御できないことを明らかにする様々な身体的状態及び心理的状態が含まれる。本発明は、総合的治療計画において、上記アルコール及び刺激物質の乱用に伴う症状を緩和する方法及びシステムにも関する。さらに詳細には、本発明はアルコール及び/又は精神刺激物質の乱用、これに伴う離脱症状、及びこれに伴う渇望を治療するためのフルマゼニル等の化合物の使用に関する。
アルコール及び刺激物質の乱用障害は、米国の人々に破壊的な経済的及び社会的影響を与えている。アルコール及び刺激物質の依存は、多要因の神経疾患である。このような薬剤の使用は、中脳辺縁系報酬回路の活性化の提示される最終的な一般経路によって脳の多くの神経伝達回路に影響を与え、この一般経路は、ドーパミン放出の増大を介して媒介される。長期間これらの薬剤への曝露が繰り返されることにより、受容体後シグナル伝達系における神経伝達回路及び適応の修正が引き起こされる。このニューロンの修正の効果は2倍である。最初に、報酬経路を活性化する自然報酬の能力の低減により、意欲及び気分が落ち込み、より多くの薬剤を取り込む衝動が高まる。次に、ストレスの大きい事象又は薬剤に関連した若しくは気分に関連したきっかけ(cue)への曝露によって刺激される場合に、薬剤に対する渇望を刺激するように作用する薬剤経験に関する長期持続記憶が形成される。
多くの個人において、神経学的プロセシングに対するアルコールの任意の長期的効果が明らかになる前であっても、先天的な神経化学的異常により、物質依存又は常習行為をしやすくなる。しかし、長期にわたる過剰飲酒により、脳機能の障害が引き起こされ、脳の前頭野及び前頭前野において脳構造が変化する可能性があり、このことは認知に関連する。したがって、認知力及び判断力の障害が永続的なものになる可能性がある。
アルコールは、ドーパミン回路の鍵となる2つの受容体、GABAA受容体及びNMDA受容体の活性を変更することによって、中脳辺縁系ドーパミン回路に影響を与える。GABA(ガンマ−アミノ酪酸(gamma-aminobutryic acid))は、皮質及び基底核等の脳の領域における有力な抑制性伝達物質である神経伝達物質である。NMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸)受容体は、グルタミン酸神経伝達物質の放出によって活性化し、且つ当該物質の放出に関与するリガンド依存性イオンチャネルであり、これは脳の重要な興奮性の伝達物質である。中脳辺縁系ドーパミン回路に対する正の効果により、神経病態生理学的報酬の自己強化サイクルが形成され、これにより個体をアルコール依存にする。アルコールが、GABAA受容体部位と結び付くことによって、安静時のシナプス後塩素イオンチャネルに対する塩素イオンチャネルのイオンの流れを増大させる。ベンゾジアゼピンは同様の効果を有する。
アルコールへの急性曝露により、NMDAの上方制御及びGABA作動性(GABA-ergic)システムの下方制御がもたらされる。曝露を繰り返すことにより、アルコールとベンゾジアゼピンとの間の交差耐性及び交差依存がもたらされる。その結果、アルコール依存症の
人が離脱しようと試みると、ストレスを感じ、GABAAの下向きの調節が起こり、離脱症状の重症度が増大する。
人が離脱しようと試みると、ストレスを感じ、GABAAの下向きの調節が起こり、離脱症状の重症度が増大する。
したがって、アルコール依存症者が禁酒を始めるか、又はアルコール消費を止めようと試みると、渇望等の離脱症状が現れる可能性があり、これにより、アルコール消費を止めることを失敗することが多い。従来のアルコールの離脱症状としては、不安、振戦、睡眠困難、脈圧及び血圧の上昇、吐き気、及び嘔吐が挙げられる。場合によっては、離脱症状がより重度になり、発作、幻覚症、重度の振戦を伴う幻覚(又は「振戦せん妄」(DT))、及び体温調節困難等の合併症を引き起こす可能性がある。これらの合併症は致命的になる可能性が高い。典型的な事例において、離脱症状は以前のアルコール消費の6〜12時間後に現れ始める。アルコールの離脱症状は以前のアルコール消費の6〜48時間後に発生する可能性がある。
精神刺激薬は中枢神経系の刺激薬の1種類であり、コカイン、クラックコカイン、エフェドリン、デキストロアンフェタミン(一般的にアンフェタミンと呼ばれる)、メタンフェタミン、及びフェンメトラジン等のアンフェタミン、メチレノジオキシアンフェタミン(MDA)、及びメチレノジオキシメタンフェタミン(MDMA又は「エクスタシー」)、並びにこれらの類似体が挙げられる。アンフェタミン様薬剤は、ノルアドレナリン作動性シナプス、ドーパミン作動性シナプス及びセロトニン作動性シナプスの間接的な作用アゴニストとして分類され、これにより、神経伝達物質の再取り込み及びモノアミンオキシダーゼ(MAO)酵素の両方の阻害がもたらされる。これらは、ノルアドレナリン及びドーパミンの輸送の競合的阻害剤であり、高用量ではセロトニンの再取り込みも阻害する。これらにより、カルシウム非依存性のドーパミン及びノルアドレナリンの放出が引き起こされる。
刺激薬は、ドーパミン作動性回路、ベータ−アドレナリン作動性回路、セロトニン作動性回路、グルタミン酸作動性回路、GABA作動性回路を含む多くの神経回路に作用し、最終的にドーパミン機能障害がもたらされる。最後には、GABAAの機能性が損なわれる。
より少ない用量では、刺激薬により、陶酔感、エネルギーの増大、疲労の減少、及び知力の増大がもたらされる。用量が増えると、人は振戦、情緒不安定、情動不安、被刺激性、並びに被害妄想及び恐慌の感情を感じ始める。より多くの用量では、人は強い不安、被害妄想、幻覚、高血圧、頻脈、異常高熱、呼吸障害、心不全、及び発作を感じる。
精神刺激薬の乱用を止めようとする人の従来の離脱症状としては、憂鬱感、疲労、ありありとした不快な夢、睡眠困難又は過剰睡眠、食欲増大、不安、及び動揺が挙げられる。精神刺激薬に対する渇望が特に顕著であり、年とまではいかないまでも何ヶ月間にわたって再発する可能性がある。「正常な」気分の回復及び喜びを感じる能力は、神経伝達物質の欠乏又は変更のために多くの時間を要する可能性がある。
アルコール及び精神刺激物質の乱用は、カロリー及びタンパク質の栄養失調並びにエネルギー消費の崩壊をもたらす食物選択及び食物摂取の変化に関与することが多い。結果として起こる栄養失調は、食物摂取の欠損、吸収不良、タンパク質の代謝回転の増大、肝臓疾患、薬剤中毒の強度、拒食症、及び質の悪い飲食物の消費に関する。さらに、社会の繋がり及び家庭の繋がりの乱れ自体が栄養不良を引き起こす可能性がある。次に、栄養失調は、免疫機能障害に関連する。したがって、物質の依存を治療する場合、正常な生理的機能の回復及び維持を重要な目的と見なすことができる。アルコール物質の乱用の効果的な治療には、乱用を引き起こし、且つ悪化させる神経障害、栄養障害、心理社会的障害に取り組む必要がある。
アルコール依存の慣習的な治療としては、ビタミンB及びビタミンCの複合体、ベンゾジアゼピン(動揺を抑え、離脱症状を和らげる)、及び場合によってはジスルフィラム(アルコールの使用を妨げる)の投与が挙げられる。従来の薬学的解毒は、離脱の動揺を低減するためにアルコールをアルコールと薬学的に同様の物質に置き換えることを伴う。解毒は3〜5日かかる可能性があり、潜在的な依存形成薬剤による鎮静を伴い、一般的に患者にとっては不快である。
アルコール及び/又は精神刺激薬(コカイン等)に対する離脱及び渇望を管理する伝統的な治療としては、動揺又は不安が存在する場合のベンゾジアゼピン(例えば、ロラゼパン(lorezepam))、永続的な鬱状態を治療する抗鬱剤、及び脳のドーパミンを増大させるドーパミンアゴニストの投与が挙げられ得る。しかし、これらの治療は成功率が限定され、脱落率が高い。脱落は、患者が治療中に脱落する時、及び患者が治療後に再発する時等の治療の早期中止に関するいくつかの様々な種類の治療事象を言うことができる。
アルコール依存の治療のために存在する様々な薬理学的治療の概説は、「物質使用障害の患者の治療のための実施指針:アルコール、コカイン、及びオピオイド」(米国精神医学会の物質使用疾患に関する研究グループにより発行され、Am. J. Psychiatry 152:11, November 1995 Supplementで発行されている)に見ることができる。アルコール依存の治療の最新の概説は、Mayo-Smith他(JAMA Jul. 9, 1997, Vol. 278, No.2)によって作られ、ベンゾジアゼピン(アルプラゾラム、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム又はオキサゼパム)がアルコール依存の治療に好適な薬剤である一方で、ベータ−遮断薬(プロプラノロール)、神経安定薬(クロルプロマジン及びプロマジン)、クロジニン及びカルバマゼピンはコアジュバント治療に使用することができるが、これらの使用は単独治療としては推奨されていないことを示すとして結論付けている。ベンゾジアゼピンは、抗不安剤(抗不安薬)及び睡眠導入剤として主に使用される、潜在的な催眠作用及び鎮静作用を有する任意の群の化学的に同様の向精神剤である。これらの薬剤の副作用としては、薬剤の中断の際の精神運動機能障害、健忘、陶酔、依存、及び治療前よりも一時的に悪化する反発(すなわち、症状の再発)が挙げられ得る。
或る特定の従来使用において、イミダゾベンゾジアゼピン誘導体であるフルマゼニルは、中枢神経系におけるベンゾジアゼピンの作用に拮抗する。したがって従来の用量では、フルマゼニル[エチル8−フルオロ−5,6−ジヒドロ−5−メチル−6−オキソ−4H−イミダゾール[1,5−a][1,4]ベンゾジアゼピン−3−カルボキシレート]は、ベンゾジアゼピン受容体を介して中枢神経系に与える効果を選択的に遮断するベンゾジアゼピンアンタゴニストとして作用する。この活性原則は、ベンゾジアゼピンの中心となる鎮静効果を中和することが示され、そのため、従来は麻酔で使用され、入院患者においてベンゾジアゼピンで誘導され、且つ維持される一般的な麻酔を終わらせるか、又は入院患者基準又は外来患者基準で短期間の診断手順又は治療手順を受ける患者におけるベンゾジアゼピンによって与えられる鎮痛を止める。
幾つかの臨床研究により、アルコール離脱症状の反転におけるフルマゼニルの役割が研究されている。Gerra他(1991)(Current Therapeutic Research, Vol. 50, 1, pp 62-66)は、11人の選択されたアルコール依存症者(肝硬変、代謝性疾患、痙攣、他の物質に対する中毒、又は精神疾患ではなかった)への48時間中6時間ごとの生理食塩水における持続点滴による4用量(0.5mg)に分けられた2mg/日のフルマゼニルの静脈内(IV)投与を記載している。0.5mgのフルマゼニルの使用は、上記活性原則を含む医薬品の提示に基づいているが、関連の受容体の占拠レベルに関するヒトで行われた研究には基づいていない。フルマゼニルは、6時間ごとに0.5mgの速度で投与した(すなわち、0.08mg/1時間のフルマゼニル)。Gerra他によって行われた試験では、実情
とはかけ離れた幾つかの特徴が与えられ、例えばこの試験は、わずかなサンプル(11人)の選択患者で行われ、これらの患者が肝硬変、代謝性疾患、他の物質(コカイン、ヘロイン等)に対する中毒、及び/又は精神疾患であり得ることが比較的通例であることから、病理の代表であるとは見なされない。さらに、Gerra他は、薬剤の投与前又は後のいずれかで、依存又は渇望の評価に関するデータを提示してはいない。しかし最も重要なことには、Gerra他が長期間にわたる非常に少量のフルマゼニルの投与を開示しており、これはアルコール依存の治療に特には効果的ではなかった。
とはかけ離れた幾つかの特徴が与えられ、例えばこの試験は、わずかなサンプル(11人)の選択患者で行われ、これらの患者が肝硬変、代謝性疾患、他の物質(コカイン、ヘロイン等)に対する中毒、及び/又は精神疾患であり得ることが比較的通例であることから、病理の代表であるとは見なされない。さらに、Gerra他は、薬剤の投与前又は後のいずれかで、依存又は渇望の評価に関するデータを提示してはいない。しかし最も重要なことには、Gerra他が長期間にわたる非常に少量のフルマゼニルの投与を開示しており、これはアルコール依存の治療に特には効果的ではなかった。
Nutt他(「アルコール及びアルコール依存症」, 1993, Suppl. 2, pp 337-341. Pergamon Press Ltd.; Neuropschychopharmacology, 1994, Vol. 10, 35, part 1, Suppl., p. 85f)は、急性脱離症状段階における静脈内で2mgのフルマゼニルを1分間8人のアルコール依存症者へ投与することを記載している。フルマゼニルの投与後に得られた結果は、幾つかの場合、離脱症状(特に汗及び不安)が即時に悪化したので、余り満足のいくものではなかった。他の場合において、離脱症状は消失するが、数時間後に再発する。フルマゼニルは、非常に迅速に代謝し取り除かれるので、2mgの単一用量での比較的高用量のフルマゼニルの1分間の静脈内投与には、このような用量が望ましくない副作用を誘発するため幾つかの欠点があり、投与されたフルマゼニルの大部分は薬理応答がなく、不必要な費用がかかる。
その上、幾つかの場合、フルマゼニルの投与後に患者の血圧又は心拍数のいずれかにおける有意な変化が観察されず、離脱症状(特に、汗及び不安)の即時の悪化が観察され、非常にわずかの非代表的な患者サンプルを使用して試験が行われたので、Gerra他及びNutt他によって得られた結果は決定的なものではない。
Sheryl S. Moy(Skipper Bowles Center for Alcohol Studies, Department of Psychiatry and UNC Neuroscience Center)による2つの論文で、研究者等は、ラットにおけるエタノール離脱により生じる不安を遮断するためのフルマゼニルの使用を開示している。Moy他(2000)によれば、エタノール離脱症状のラットモデルにおいて、フルマゼニルは社会的相互作用試験の間、阻害等の不安惹起する離脱の影響を無効にすることができ(File他、1989, 1992)、高架式十字迷路におけるオープンアーム探索が低減した(Moy他、1997)。さらに、Moy他(2000)及びUzbay他(1995)において、フルマゼニルがラットにおける長時間のエタノール曝露からの離脱により誘導された動揺及び常同的行動を抑えることができることが報告された。用量はラットモデルについては与えられたが、ヒトの用量レベルに簡単に移すことはできない。さらに、従来技術は、従来のベンゾジアゼピン治療モデルにおけるフルマゼニルの使用を教示しており、これには離脱症状を緩和するために、エタノール使用を大量のベンゾジアゼピンに置き換えることが要求される。
しかし、アルコール離脱及びアルコール中毒の治療における開示された全てのフルマゼニルの使用は、長時間にわたる、大量のフルマゼニルの単一投与又は非常に少量のフルマゼニルの継続した投与のいずれかに頼っている。さらに、開示された管理レジメンは、精神刺激物質の乱用を治療するためにフルマゼニル又はフルマゼニルに代表される化合物の種類の使用に全く適応していない。さらに、アルコール及び/又は精神刺激薬の依存に対する従来の治療は成功が限られており、望ましくない副作用が起こることが多い。治療結果を改善し、再発の危険性を軽減することができる新規のアプローチが必要とされる。したがって、アルコール及び/又は精神刺激物質の乱用を治療するための治療方法論の改善が望まれる。
さらに、アルコール及び精神刺激薬の離脱症状及び渇望を制御する従来の治療は成功が限られており、望ましくない副作用が起こることが多い。したがって、アルコール及び/又は精神刺激物質の乱用により引き起こされる渇望及び離脱症状を制御するための治療方
法論の改善が望まれる。
法論の改善が望まれる。
アルコール及び/又は精神刺激物質の乱用を治療するための方法論及びプロトコルの改善も望まれており、これにより患者の脱落率が低減される。
本発明は、フルマゼニル(これに限定されない)等のGABAA塩素イオンチャネルの活性を直接的又は間接的に選択的に調節し、且つアルコール及び/又は精神刺激物質の乱用の症状を効果的に取り除くのに要求される期間が短い化合物の種類の安全で効果的な投与に基づく、アルコール及び/又は精神刺激物質の乱用を治療する様々な方法及びプロトコルに関する。本明細書中に定義されるように、GABAA塩素イオンチャネルの活性を選択的に調節する化合物の種類(本明細書中では選択的塩素イオンチャネルモジュレーターと呼ばれる)は、塩素イオンチャネルの活性の選択的調節を含むように意図され、フルオキセチンベンゾジアゼピン等のGABAA受容体の完全なアゴニストを含まない。さらに、本明細書中に定義されるように、物質の乱用という用語は、アルコール及び/又は刺激物質の使用、有害であるにも関わらず連続的にアルコール及び/又は刺激物質を使用すること、中毒、強迫的なアルコール及び/又は刺激物質の使用、渇望、精神的依存、身体依存、耐性、アルコール及び/又は刺激物質の使用の不適応パターン、アルコール及び/又は刺激物質の使用への没頭、並びに/或いは使用中断の際の離脱症状に対する、個体の制御障害を明らかにする様々な身体的状態及び心理的状態を言及するのに使用される。
アルコール及び/又は精神刺激物質の乱用を治療する方法及びプロトコルを提供することが本発明の別の目的であり、これは、当該治療を必要とする患者へ、塩素イオンチャネルの活性を直接的又は間接的に選択的に調節する治療に有効な量の化合物を投与することを含み、アルコール及び/又は精神刺激物質の乱用を治療するのに上記治療的に有効な量に達するまで、所定の速度で複数の用量で投与される。
アルコール及び/又は精神刺激薬に対する中毒による渇望及び離脱症状を軽減する方法及びプロトコルを提供することが本発明の別の目的であり、これは、当該治療を必要とする患者へ、塩素イオンチャネルの活性を直接的又は間接的に選択的に調節する治療に有効な量の化合物を投与することを含み、当該治療に有効な量の投与によりアルコール及び精神刺激物質に対する中毒による渇望及び離脱症状が軽減されるまで、所定の速度で複数の用量で投与される。
渇望を制御し、離脱症状を軽減させ、アルコール及び/又は精神刺激薬に対する中毒を治療する方法論を提供することが本発明の別の目的である。フルマゼニル(これに限定されない)等の、塩素イオンチャネルの活性を直接的又は間接的に選択的に調節する化合物を、渇望及び離脱症状を制御するのに治療に有効な量で投与することが本発明のさらに別の目的である。さらに、本発明による方法論により、認知機能の改善も見られる。
アルコール及び/又は精神刺激薬の中毒の治療を受ける患者のための患者の脱落率を低減する方法論及びプロトコルを提供することが本発明のさらに別の目的である。本発明は、塩素イオンチャネルの活性を直接的又は間接的に選択的に調節する化合物を治療に有効な量で投与することを含み、これにより従来の治療に比べて患者の回復率が高くなる。これはさらに患者の脱落率を低くする。
任意には、所定の速度で複数用量による治療に有効な量のフルマゼニルを投与することが本発明の別の目的であり、これにより患者の脱落率が有意に減少し、患者の副作用が少なくなる。
本発明は、フルマゼニル(これに限定されない)等の、塩素イオンチャネルの活性を直接的又は間接的に選択的に調節し、且つアルコール及び/又は精神刺激物質の乱用の症状を効果的に取り除くのに要求される期間が短い化合物の種類の安全で効果的な投与に基づく、アルコール及び/又は精神刺激物質の乱用を治療する方法及びプロトコルに関する。
本発明は、アルコール及び/又は刺激物質の乱用に対する回復プロセスを管理する総合的な治療アプローチを提供する。本発明の方法論はまた、入院患者治療の時間を低減し(2〜3日)、治療の完了率を改善し、渇望を低減し、現行のアルコール及び/又は物質の乱用の治療の選択肢に対する患者の再発率を低下させるように設計されている。
本開示で使用される場合、物質の乱用という用語は、アルコール及び/又は刺激物質の使用、有害であるにも関わらず連続的にアルコール及び/又は刺激物質を使用すること、強迫的なアルコール及び/又は刺激物質の使用、並びに/或いは渇望に対する個体の制御障害を明らかにする様々な身体的状態及び心理的状態を示すのに使用される。この用語は、心理的依存、身体依存、耐性、アルコール及び/又は刺激物質の使用の不適応パターン、アルコール及び/又は刺激物質の使用への没頭、並びに/或いは使用中断の際の離脱症状の発生を含むように意図される。
本開示で使用される場合、薬剤という用語は、薬学的組成物及び/又は薬物の処方又は非処方を示すように使用され、これには活性成分、及び任意には非活性成分、緩衝成分、又は安定化成分(当該薬学的組成物の投与形態に好適な薬学的に許容可能な担体又は賦形剤を含む)が含まれる。
特に、薬剤という用語は、脳のGABAA受容体に対する塩素イオンチャネルの活性(例えば、チャネルを通る塩化物イオンの流れ)を直接的又は間接的に選択的に調節する化合物の種類(「選択的塩素イオンチャネルモジュレーター」)を示すように使用される。当業者は、本明細書中に定義されるように、選択的塩素イオンチャネルモジュレーターという用語は塩素イオンチャネルの活性の選択的修飾を含むように意図され、ベンゾジアゼピン等のGABAA受容体の完全なアゴニストを含まないことを理解するであろう。
一実施形態において、選択的塩素イオンチャネルモジュレーターは、親和性が高いが、GABAA受容体部位において低い用量効力で作用する部分的アロステリックモジュレーターを含む。本発明の部分的アロステリックモジュレーターは、GABAA受容体部位との立体配座適合性に基づき、GABAA受容体部位と結合することができる。一実施形態では、本発明の部分的アロステリックモジュレーターは、GABAA受容体部位との結合を阻害することによって、内因性ベンゾジアゼピン逆アゴニストの影響を置換するか、修飾するか、又はそうでなければ制限することができる。別の実施形態では、本発明の部分的アロステリックモジュレーターは、高い親和性及び低い用量効力によりGABAA受容体に対する軽度の逆アゴニストの影響を有する。
別の実施形態において、選択的塩素イオンチャネルモジュレーターは、GABAA受容性をリセットするように作用し、それによりアルコールを必要とせずに受容性及び塩素イオンチャネルのイオンの流れを増大させる部分的アロステリックモジュレーターを含む。
別の実施形態において、選択的塩素イオンチャネルモジュレーターは、内因性ベンゾジアゼピン逆アゴニストの影響を置換するか、修飾するか、又はそうでなければ制限することによって、ジアゼパム結合阻害剤(DBI)等のGABAA受容体の部分的アゴニストとして機能し、内因性ベンゾジアゼピン逆アゴニストが存在しない場合、GABAA受容
体の逆アゴニストとして機能する組成物を含む。
体の逆アゴニストとして機能する組成物を含む。
別の実施形態において、選択的塩素イオンチャネルモジュレーターは、ベンゾジアゼピン逆アゴニストの影響を置換するか、修飾するか、又はそうでなければ制限することによって、ジアゼパム結合阻害剤(DBI)等のGABAA受容体の部分的アゴニストとして機能し、ベンゾジアゼピン逆アゴニストの非存在下で、GABAA受容体に実質的に影響を及ぼさない組成物を含む。
別の実施形態において、選択的塩素イオンチャネルモジュレーターは、或る特定のイミダゾベンゾジアゼピン、及びエチル8−フルオロ−5,6−ジヒドロ−5−メチル−6−オキソ−4H−イミダゾ−[1,5−a][1,4]ベンゾジアゼピン−3−カルボキシレートの誘導体を含み、これにはカルボン酸、エステル、塩化アシル、酸無水物、アミド、ニトリル、アルキル、アルカン、シクロアルカン、アルケン、アルコール、アルデヒド、ケトン、ベンゼン、フェニル、及びそれらの塩等のカルボン酸官能基における様々な置換物が含まれる。別の実施形態では、選択的塩素イオンチャネルモジュレーターは、フルマゼニル並びにカルボン酸、エステル、塩化アシル、酸無水物、アミド、ニトリル、アルキル、アルカン、シクロアルカン、アルケン、アルコール、アルデヒド、ケトン、ベンゼン、フェニル、及びそれらの塩を含む。
本開示で使用される場合、患者という用語は、任意の人種、国籍、年齢、生理学的素質、遺伝的素質、疾患素因、身長又は体重の、そして任意の疾患状態、症状又は病気を有する男性または女性の人間を示す。
選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの投与は、任意の適切な投与経路、例えば経口、吸入、直腸内、舌下、頬、経皮、経鼻又は非経口によって達成されることができ、これは、投与形態に適切な賦形剤を使用して配合されることが理解されるべきである。一実施形態では、選択的塩素イオンチャネルモジュレーターは静脈内(IV)で投与される。別の実施形態では、選択的塩素イオンチャネルモジュレーターは、注入ポンプを使用して投与される。別の実施形態では、選択的塩素イオンチャネルモジュレーターは、連続的な、又は医師によって管理された薬物送達を提供するシリンジポンプを使用して投与される。別の実施形態では、選択的塩素イオンチャネルモジュレーターは注入期間にわたって所定の用量を自動的に送達する充填済みシリンジから投与される。
本発明の方法及びプロセスはさらに、患者のデータを受け取り保存するデータレポジトリ、本発明の方法及びプロセスを含むプロトコル工程を保存するメモリ、当該プロトコル工程に関する患者のデータを評価するプロセッサ、他のコンピューティングデバイスとのネットワークを介して通信するネットワークインターフェース、及びユーザーに情報を送るディスプレイを有するコンピューターシステムで実行することができることが理解されるべきである。一実施形態では、特定のプロトコル工程を上記メモリに保存し、患者のデータと比較して、患者のデータに従ってどのプロトコル工程を適用すべきであるかを決定する。比較結果をネットワーク及び他のコンピューティングデバイス又はディスプレイを介してユーザーに知らせる。したがって、任意のハードウェアプラットフォームで作動するソフトウェアプログラムとして、本発明の方法論にアクセスし、調整して、通信を行う。
ここから、本発明の特定の実施形態が詳細に参照される。本発明は、特定の実施形態と共に記載されるが、本発明を1つの実施形態に限定するようには意図されない。
1.例示的な方法論への導入
図1に関して、本発明の治療方法論100は、アルコール依存の治療のために入院前(p
re-admittance)、入院、外来及び退院後基準で行われる複数の構成要素から成るシステムである。方法論は、アルコール離脱に関する、且つアルコール離脱後の渇望を低減するように、また依存患者が外来及び追跡治療の間、自制を保ち、有害な挙動を低減するのを助けるように設計される。方法論は、本項のアルコール依存の方法論に関連して広く記載されているが、このような方法論に限定されない。別々の方法論を精神刺激薬又はアルコール及び精神刺激薬の組み合わせの依存に対して行うことができる。さらに、入院患者治療設定に対して、外来患者治療設定に別個の方法論を与えることができる。
図1に関して、本発明の治療方法論100は、アルコール依存の治療のために入院前(p
re-admittance)、入院、外来及び退院後基準で行われる複数の構成要素から成るシステムである。方法論は、アルコール離脱に関する、且つアルコール離脱後の渇望を低減するように、また依存患者が外来及び追跡治療の間、自制を保ち、有害な挙動を低減するのを助けるように設計される。方法論は、本項のアルコール依存の方法論に関連して広く記載されているが、このような方法論に限定されない。別々の方法論を精神刺激薬又はアルコール及び精神刺激薬の組み合わせの依存に対して行うことができる。さらに、入院患者治療設定に対して、外来患者治療設定に別個の方法論を与えることができる。
図1に示されるように、アルコール依存の治療方法論100は、アルコール依存患者に対する、総合的且つ統合された神経学的アプローチ、生理学的アプローチ及び心理社会的アプローチを組合せて提供する複数の段階及び構成要素を有する。それぞれの構成要素は、慢性的なアルコール消費の特定の効果、及びアルコール離脱の対応する症状に対処するように選択されており、その目的は神経回路のバランスの回復である。この方法論は、肝臓障害等の特定の身体的損傷に対処するものではなく、アルコール依存に関連することが多い。したがって、この治療に使用される任意の薬剤と依存の治療に使用される薬剤との潜在的な相互作用を十分に考慮して、それぞれの患者が評価され、適切な治療が身体的損傷に対処するように設定されることが必須である。
本方法論を任意の患者に適用することができるが、患者は18歳以上であることが好ましい。また、患者は刺激薬又はアルコールに対する物質依存のDSM IV基準の少なくとも一部を満たすことが好ましい。DSM IV基準は当業者には既知であり、アルコール及び/又は刺激物質の使用の不適応パターンとして記載することができ、同じ12ヶ月間の任意の時点で発生する以下の任意のものにより明らかにされる臨床的に重要な苦痛又は障害をもたらす:
(1)以下のいずれかによって定義される、耐性
a.陶酔又は所望の効果を達成するために顕著に増加した量の物質への要求
b.同量の物質の連続使用による効果の顕著な低減
(2)以下のいずれかによって明示される、離脱
a.物質に対する特徴的な離脱症状
b.同じ(又は密接な関係がある)物質を離脱症状を和らげるか又は避けるために服用する
(3)意図されるよりもより大量に、又はより長期間、物質を服用することが多い(制御不能)
(4)物質の使用を削減又は制御する持続的な願望があるか又は不成功な努力をする(制御不能)
(5)物質を得るか、物質を使用するか、又はその影響から回復するのに必要な活動に多量の時間を費やす(没頭)
(6)物質の使用のために、重要な社会的活動、職業的活動、又は余暇活動が放棄されるか、又は減少する(悪影響にもかかわらず継続)
(7)物質によって引き起こされるか、又は悪化する可能性がある持続性若しくは再発性の身体的問題又は心理的問題を認識しているにもかかわらず物質の使用を継続する(悪影響)。
(1)以下のいずれかによって定義される、耐性
a.陶酔又は所望の効果を達成するために顕著に増加した量の物質への要求
b.同量の物質の連続使用による効果の顕著な低減
(2)以下のいずれかによって明示される、離脱
a.物質に対する特徴的な離脱症状
b.同じ(又は密接な関係がある)物質を離脱症状を和らげるか又は避けるために服用する
(3)意図されるよりもより大量に、又はより長期間、物質を服用することが多い(制御不能)
(4)物質の使用を削減又は制御する持続的な願望があるか又は不成功な努力をする(制御不能)
(5)物質を得るか、物質を使用するか、又はその影響から回復するのに必要な活動に多量の時間を費やす(没頭)
(6)物質の使用のために、重要な社会的活動、職業的活動、又は余暇活動が放棄されるか、又は減少する(悪影響にもかかわらず継続)
(7)物質によって引き起こされるか、又は悪化する可能性がある持続性若しくは再発性の身体的問題又は心理的問題を認識しているにもかかわらず物質の使用を継続する(悪影響)。
或る特定の排除基準が患者のスクリーニングに適用される必要があることをさらに留意すべきである。排除基準は外来患者治療計画又は入院患者治療計画に合わせることができる。例えば、患者が、1人のスクリーニング医師に対して、迅速な専門的評価及び治療を要求するという現在の医学的若しくは精神医学的問題があるか、1人のスクリーニング医師に対して、依頼人が方法論又は治療を行うスタッフに首尾よく協力することができないという現在の医学的若しくは精神医学的問題があるか、又は現在のベンゾジアゼピン及び他の鎮痛−催眠−抗不安薬を使用するか(尿中毒性は陰性でなければいけない)、又は抗
精神病薬物を服用する場合、アルコール又は刺激薬の依存に対する入院患者基準ではこの患者を治療しないことが好ましい。
精神病薬物を服用する場合、アルコール又は刺激薬の依存に対する入院患者基準ではこの患者を治療しないことが好ましい。
同様に、患者が、1人のスクリーニング医師に対して、迅速な専門的評価及び治療を要求するという現在の医学的若しくは精神医学的問題があるか、1人のスクリーニング医師に対して、依頼人が方法論に首尾よく協力することができないという現在の医学的若しくは精神医学的問題があるか、又は三環系抗鬱薬若しくはベンゾジアゼピンを現在服用している場合、アルコール依存に対して入院患者基準ではこの患者を治療しないことが好ましい。
アルコール(及び/又は精神刺激薬)依存に対する方法論のために入院した患者は最初に、栄養補助剤と共に2日間、精神安定のために薬物で治療し(これは解毒を含み得る)、これらの供給が(生理的アミノ酸及びタンパク質代謝回転等の)適切な代謝バランスを回復する身体能力を制限させないことを確実にする。その後の患者の管理は、任意に(しかし推奨される)社会心理学的及び/又は行動療法と組合せた、プロトコル構成要素による維持薬物療法を含み、これは以下に詳細に記載される。薬物療法と心理社会学的サポートとの複合効果は、離脱症状を最小限にし、再発を防ぐのを助け、また依存物質に対する渇望を低減するように設計される。現行の社会心理学的及び/又は行動療法は長期間の回復の可能性を最適化するように調整される。
2.例示的な方法論構成要素(100)
再び図1を参照すると、本発明の例示的な治療方法論100は、治療前段階、治療と同時段階、及び治療後段階を含み、これはさらにGABAA塩素イオンチャネルの活性を直接的又は間接的に選択的に調節し、アルコール及び/又は精神刺激薬に対する中毒を治療する化合物の種類由来の薬学的組成物を使用する例示的な方法論の様々な構成要素を含む。本明細書中に記載されるように、治療方法論100の個々の段階の特定の構成要素を参照する。しかし、方法論の各段階(治療前、治療と同時、及び治療後)を含む個々の構成要素を異なる順番で行うことができ、患者ごとに決定される必要があることに留意されたい。しがたって、特定の順番における方法論100の段階の個々の構成要素を適用する任意の参照は例示的であり、方法論100の適用が患者の評価された必要性に応じて変化し得ることを、当業者は理解すべきである。
再び図1を参照すると、本発明の例示的な治療方法論100は、治療前段階、治療と同時段階、及び治療後段階を含み、これはさらにGABAA塩素イオンチャネルの活性を直接的又は間接的に選択的に調節し、アルコール及び/又は精神刺激薬に対する中毒を治療する化合物の種類由来の薬学的組成物を使用する例示的な方法論の様々な構成要素を含む。本明細書中に記載されるように、治療方法論100の個々の段階の特定の構成要素を参照する。しかし、方法論の各段階(治療前、治療と同時、及び治療後)を含む個々の構成要素を異なる順番で行うことができ、患者ごとに決定される必要があることに留意されたい。しがたって、特定の順番における方法論100の段階の個々の構成要素を適用する任意の参照は例示的であり、方法論100の適用が患者の評価された必要性に応じて変化し得ることを、当業者は理解すべきである。
a.治療前(110)
再び図1を参照すると、本発明の治療プログラムに参加する(admittance)前に、それぞれの患者は治療前分析110を受ける必要がある。治療前分析110を使用して、患者が本発明の治療方法論に最適な候補であるか否かを確定することができる。さらに、治療前プロセス110を適用して、本発明の治療方法論100に参加する患者を準備することができる。一般的に治療前段階としては、全面的な身体検査110a、全面的な心理検査110b、CIWA評価110c、及び要求される薬物の決定110dが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の方法論100の治療前段階の構成要素は、以下により詳細に記載される。
再び図1を参照すると、本発明の治療プログラムに参加する(admittance)前に、それぞれの患者は治療前分析110を受ける必要がある。治療前分析110を使用して、患者が本発明の治療方法論に最適な候補であるか否かを確定することができる。さらに、治療前プロセス110を適用して、本発明の治療方法論100に参加する患者を準備することができる。一般的に治療前段階としては、全面的な身体検査110a、全面的な心理検査110b、CIWA評価110c、及び要求される薬物の決定110dが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の方法論100の治療前段階の構成要素は、以下により詳細に記載される。
i.全面的な身体検査(110a)
治療を開始する前に、患者は全面的な健康診断を受けることが好ましい。患者は全血球数算定、生化学的プロファイル(例えば、クレアチニン、グルコース、血中尿素窒素(BUN)、コレステロール(HDL及びLDL)、トリグリセリド、アルカリホスファターゼ、LDH(乳酸脱水素酵素)、及び総タンパク質)、肝機能検査(GOT、GPT、GGT、ビリルビン)、心電図、及び必要であれば妊娠検査及びX線検査を得るためにモニタリングすることが好ましい。排除基準を適用し、他の急性の病気又は非代償性の病気が患者内に存在していないことを確実にし、また患者が、フルマゼニル又は別の選択的塩素
イオンチャネルモジュレーター(使用している場合)と禁忌である薬剤を必要としていないか、又は現在服用していないことを確認する。
治療を開始する前に、患者は全面的な健康診断を受けることが好ましい。患者は全血球数算定、生化学的プロファイル(例えば、クレアチニン、グルコース、血中尿素窒素(BUN)、コレステロール(HDL及びLDL)、トリグリセリド、アルカリホスファターゼ、LDH(乳酸脱水素酵素)、及び総タンパク質)、肝機能検査(GOT、GPT、GGT、ビリルビン)、心電図、及び必要であれば妊娠検査及びX線検査を得るためにモニタリングすることが好ましい。排除基準を適用し、他の急性の病気又は非代償性の病気が患者内に存在していないことを確実にし、また患者が、フルマゼニル又は別の選択的塩素
イオンチャネルモジュレーター(使用している場合)と禁忌である薬剤を必要としていないか、又は現在服用していないことを確認する。
ii.全面的な心理検査(110b)
また治療を開始する前に、患者は全面的な心理健康診断を受けることが好ましい。
また治療を開始する前に、患者は全面的な心理健康診断を受けることが好ましい。
iii.離脱総体症状(110c)
選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの投与の前後で、CIWA−A評価(Adinoff他、Medical Toxicology 3:172-196(1988))並びに心拍数及び血圧を利用して、離脱総体症状を測定する必要がある。
選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの投与の前後で、CIWA−A評価(Adinoff他、Medical Toxicology 3:172-196(1988))並びに心拍数及び血圧を利用して、離脱総体症状を測定する必要がある。
iv.要求される薬物の決定(110d)
主治医は、患者がアルコール中毒又は精神刺激薬中毒以外の任意の症状又は疾患と診断された場合、この疾患のための薬物を受けるべきかを治療前に判断する必要がある。例えば、動脈性高血圧と診断された患者は、適切な薬物を処方されるか、又は任意の現存の薬物を継続する必要がある。
主治医は、患者がアルコール中毒又は精神刺激薬中毒以外の任意の症状又は疾患と診断された場合、この疾患のための薬物を受けるべきかを治療前に判断する必要がある。例えば、動脈性高血圧と診断された患者は、適切な薬物を処方されるか、又は任意の現存の薬物を継続する必要がある。
b.治療中(120)
再び図1を参照すると、患者が本発明の治療プログラムに参加する場合、それから患者は本発明の治療方法論100の治療中段階120を開始する。治療中、患者は薬学的組成物120aが投与され、処方された食事120bに従い、運動レジメン120cを守り、入院患者療法の集会120dに参加することが好ましい。治療方法論100の治療中段階の例示的な構成要素は、以下により詳細に記載されるが、このような選択肢に限定されない。
再び図1を参照すると、患者が本発明の治療プログラムに参加する場合、それから患者は本発明の治療方法論100の治療中段階120を開始する。治療中、患者は薬学的組成物120aが投与され、処方された食事120bに従い、運動レジメン120cを守り、入院患者療法の集会120dに参加することが好ましい。治療方法論100の治療中段階の例示的な構成要素は、以下により詳細に記載されるが、このような選択肢に限定されない。
i.薬学的組成物(120a)
本発明の方法論のように、ベンゾジアゼピンアンタゴニストと共に様々な薬学的化合物を治療中に投与することができる。これらを以下に列挙する。
本発明の方法論のように、ベンゾジアゼピンアンタゴニストと共に様々な薬学的化合物を治療中に投与することができる。これらを以下に列挙する。
1.選択的塩素イオンチャネルモジュレーター
一実施形態において、選択的塩素イオンチャネルモジュレーターのフルマゼニルは、GABAA受容体の活性を効果的に調節し、従来の離脱症状の重症度を最小限にするように機能するため、使用される。フルマゼニルの使用により、ニューロンのGABAA活性及びエタノールへの慢性曝露によるその後のドーパミン機能不全における変化を正常化し得る。特に、本明細書中で提示される新規性のある本発明に従い使用する場合、フルマゼニルは抗不安薬であり、したがって重要な離脱症状を改善し、渇望を低減する。
一実施形態において、選択的塩素イオンチャネルモジュレーターのフルマゼニルは、GABAA受容体の活性を効果的に調節し、従来の離脱症状の重症度を最小限にするように機能するため、使用される。フルマゼニルの使用により、ニューロンのGABAA活性及びエタノールへの慢性曝露によるその後のドーパミン機能不全における変化を正常化し得る。特に、本明細書中で提示される新規性のある本発明に従い使用する場合、フルマゼニルは抗不安薬であり、したがって重要な離脱症状を改善し、渇望を低減する。
2.ガバペンチン
a.ガバペンチンの使用
ガバペンチンは、癲癇を患う患者に一般的に処方される抗不安薬及び抗痙攣薬であり(脳のグルタミン酸濃度を効率的に低減する)、社会的不安障害及び強迫神経症等の不安障害の治療にも使用されている。ガバペンチンは、フルマゼニルがGABA及びグルタミン酸の伝達を正常にすることを助け、したがってGABAのトーン(tone)を高めるのを補う。
a.ガバペンチンの使用
ガバペンチンは、癲癇を患う患者に一般的に処方される抗不安薬及び抗痙攣薬であり(脳のグルタミン酸濃度を効率的に低減する)、社会的不安障害及び強迫神経症等の不安障害の治療にも使用されている。ガバペンチンは、フルマゼニルがGABA及びグルタミン酸の伝達を正常にすることを助け、したがってGABAのトーン(tone)を高めるのを補う。
ガバペンチンは、元々GABAの構造類似体として設計された。ガバペンチンは、カルシウムNチャネル遮断薬として作用する可能性がある。ガバペンチンは、1)NMDA/グルタミン酸作動性のトーンを低減すること、及び2)脱離状態における上方制御されたNMDA活性により、低減されたGABA作動性のトーンを補うのを間接的に助けることによって、NMDA介在性伝達を調節するシナプス後効果も示す。ガバペンチンは、睡眠
の質及び量の改善並びに不安状態の改善を提供する。上記の質の結果として、ガバペンチンが離脱症状を減少する。
の質及び量の改善並びに不安状態の改善を提供する。上記の質の結果として、ガバペンチンが離脱症状を減少する。
b.ガバペンチンの使用の鍵となる薬理安全性の考察
患者にガバペンチンを投与する前に、相互作用及び禁忌に関して患者を評価することが必須である。ガバペンチンは、癲癇発作(部分)の治療における補助療法において、及びヘルペス後神経痛の管理に使用されるべきである。ガバペンチンはほとんど代謝されず、排出半減期5〜7時間で変わらず分泌される。ガバペンチンの使用から考えられる副作用は、眩暈、眠気、CNS抑制の他の症状/徴候、吐き気、運動失調、振戦、及び末梢浮腫である。癲癇の人において、突然の中止により発作の頻度が増加する可能性がある。臨床的に重要な薬剤の相互作用は文献で報告されていない。
患者にガバペンチンを投与する前に、相互作用及び禁忌に関して患者を評価することが必須である。ガバペンチンは、癲癇発作(部分)の治療における補助療法において、及びヘルペス後神経痛の管理に使用されるべきである。ガバペンチンはほとんど代謝されず、排出半減期5〜7時間で変わらず分泌される。ガバペンチンの使用から考えられる副作用は、眩暈、眠気、CNS抑制の他の症状/徴候、吐き気、運動失調、振戦、及び末梢浮腫である。癲癇の人において、突然の中止により発作の頻度が増加する可能性がある。臨床的に重要な薬剤の相互作用は文献で報告されていない。
3.ヒドロキシジンHCl
H1ヒスタミン受容体アンタゴニストであるヒドロキシジンは、一般化した不安障害の治療に、並びに入院患者治療及び(必要であれば)退院後治癒の両方の最初の段階中に、物質の依存からの離脱の管理における使用に用いられる。ヒドロキシジンは制吐及び骨格筋の弛緩という利点も有し、鎮静薬として使用することができる。この鎮静効果は、アルコール依存から回復する患者に多く見られる不眠症の一因となる睡眠呼吸障害及び周期的脚運動の増大を治療するのに有用であり得る。これは、何人かの患者でその後のアルコール依存の再発に大いに関係がある進行中の不眠症に対処することを助ける。
H1ヒスタミン受容体アンタゴニストであるヒドロキシジンは、一般化した不安障害の治療に、並びに入院患者治療及び(必要であれば)退院後治癒の両方の最初の段階中に、物質の依存からの離脱の管理における使用に用いられる。ヒドロキシジンは制吐及び骨格筋の弛緩という利点も有し、鎮静薬として使用することができる。この鎮静効果は、アルコール依存から回復する患者に多く見られる不眠症の一因となる睡眠呼吸障害及び周期的脚運動の増大を治療するのに有用であり得る。これは、何人かの患者でその後のアルコール依存の再発に大いに関係がある進行中の不眠症に対処することを助ける。
ヒドロキシジンは迅速に吸収され、経口投与後15〜30分以内に効果をもたらす。さらに、ヒドロキシジンは抗不安、制吐、弛緩、及び様々な他の特性を介した物質の離脱プロセスを補助する。他の鎮静剤又は精神安定剤の効果は、ヒドロキシジンの投与により相乗的に高められ得ることを留意すべきである。例示的な薬剤としては、Atarax及びVistarilという商品名の薬学的組成物が挙げられる。
4.ビタミンB
a.強化ビタミンB複合体
慢性的なアルコール消費により、幾つかのビタミン、特にビタミンB(ストレスビタミンとしても知られる)のレベルが枯渇する。食物をエネルギーに変換し、皮膚及び肝臓等の組織の完全性を維持し、肉体的ストレス又は感情的ストレスと闘うために、これらのビタミンは身体にとって必要である。アルコール依存患者の管理の一部としてのビタミンB複合体の投与が、ウェルニッケ−コルサコフ症候群及びアルコール依存症により誘導される認知障害の危険性を改善するのを助けることができる。本発明は好ましくは、医学的に有益である限り、方法論により安定である間、及び退院後、毎日、強化ビタミンB複合体(チアミン−B1、リボフラビン−B2、ナイアシン−B3、ピリドキシン−B6、葉酸−B9、シアノコバラミン−B12、パントテン酸、及びビオチン)の栄養補助剤を患者に与えることを含む。
a.強化ビタミンB複合体
慢性的なアルコール消費により、幾つかのビタミン、特にビタミンB(ストレスビタミンとしても知られる)のレベルが枯渇する。食物をエネルギーに変換し、皮膚及び肝臓等の組織の完全性を維持し、肉体的ストレス又は感情的ストレスと闘うために、これらのビタミンは身体にとって必要である。アルコール依存患者の管理の一部としてのビタミンB複合体の投与が、ウェルニッケ−コルサコフ症候群及びアルコール依存症により誘導される認知障害の危険性を改善するのを助けることができる。本発明は好ましくは、医学的に有益である限り、方法論により安定である間、及び退院後、毎日、強化ビタミンB複合体(チアミン−B1、リボフラビン−B2、ナイアシン−B3、ピリドキシン−B6、葉酸−B9、シアノコバラミン−B12、パントテン酸、及びビオチン)の栄養補助剤を患者に与えることを含む。
b.静脈内でのビタミンB補充
アルコールの乱用者は、貧しい食事、胃炎、十二指腸炎、頻繁な嘔吐、身体的な病気、及び体重減少によって悪化される、悪い栄養状態を有する傾向がある。したがって、非経口ビタミンの必要性が存在する。経口治療からのチアミン吸収は変化する傾向があり、腸内のアルコールが吸収を妨害する。このように、アルコール依存において潜在的に大きなチアミン欠損が存在している。経口投与は、維持要求に適合する可能性が低い。チアミンはアルコール依存におけるナトリウム輸送を低減する。さらに、チアミンはGABAの鍵となる代謝作用の触媒である。
アルコールの乱用者は、貧しい食事、胃炎、十二指腸炎、頻繁な嘔吐、身体的な病気、及び体重減少によって悪化される、悪い栄養状態を有する傾向がある。したがって、非経口ビタミンの必要性が存在する。経口治療からのチアミン吸収は変化する傾向があり、腸内のアルコールが吸収を妨害する。このように、アルコール依存において潜在的に大きなチアミン欠損が存在している。経口投与は、維持要求に適合する可能性が低い。チアミンはアルコール依存におけるナトリウム輸送を低減する。さらに、チアミンはGABAの鍵となる代謝作用の触媒である。
5.タンパク質補助飲料
慢性的なアルコールの消費により、身体全体の代謝率が増大し、アルコール依存の被験者は骨格筋の合成及び骨格筋量を低減している可能性が高い。アルコールは、骨格筋(これに限定されない)を含む組織範囲でタンパク質合成を低減する。このことにより、心臓、肝臓及び腎臓等の重要な臓器及び組織からのタンパク質の純損失及び重要な臓器及び組織における機能障害を引き起こす可能性がある。これらの影響に対抗するために、方法論により入院患者が安定している間、患者に毎日タンパク質補助飲料を与えることが好ましい。さらに、血清アミノ酸(チロシン及びトリプトファン等)のレベルが増大することにより、基質がドーパミン及びセロトニン等の神経伝達物質のレベルにおけるアルコール誘導性変更及び離脱誘導性変更を再建することを助ける。
慢性的なアルコールの消費により、身体全体の代謝率が増大し、アルコール依存の被験者は骨格筋の合成及び骨格筋量を低減している可能性が高い。アルコールは、骨格筋(これに限定されない)を含む組織範囲でタンパク質合成を低減する。このことにより、心臓、肝臓及び腎臓等の重要な臓器及び組織からのタンパク質の純損失及び重要な臓器及び組織における機能障害を引き起こす可能性がある。これらの影響に対抗するために、方法論により入院患者が安定している間、患者に毎日タンパク質補助飲料を与えることが好ましい。さらに、血清アミノ酸(チロシン及びトリプトファン等)のレベルが増大することにより、基質がドーパミン及びセロトニン等の神経伝達物質のレベルにおけるアルコール誘導性変更及び離脱誘導性変更を再建することを助ける。
6.グルタミン
グルタミンは、身体に最も豊富なアミノ酸であり、免疫系細胞等の活発に複製する細胞に必須の栄養素である。グルタミンは、グルタミン酸及びGABAの両方に対する前駆体でもある。骨格筋において、グルタミンは最も豊富なアミノ酸であり、その枯渇は、グルタミン補充によって逆行させることができるプロセスである筋肉量の損失に関係している。
グルタミンは、身体に最も豊富なアミノ酸であり、免疫系細胞等の活発に複製する細胞に必須の栄養素である。グルタミンは、グルタミン酸及びGABAの両方に対する前駆体でもある。骨格筋において、グルタミンは最も豊富なアミノ酸であり、その枯渇は、グルタミン補充によって逆行させることができるプロセスである筋肉量の損失に関係している。
アルコールは先天性免疫系に直接影響を与える。アルコールは、病原体に対する一次応答を遅らせることによって、依存患者を感染及び敗血症にかかりやすくする。アルコールを離脱することが直ちにこの影響を覆すことにはならない。栄養補助剤として与えられるグルタミンは方法論の重要な部分である。グルタミン補充により、免疫系に燃料が迅速に供給され、おそらくは免疫機能が高まる。グルタミン補充は、グルタミンの血漿レベル及び筋肉レベルが回復するのを助け、このことが、アルコール依存患者に一般的に見られるタンパク質の損失を覆すのを助けることができる。
ii.食事(120b)
最初の検査結果に応じて、共通の食事計画又は患者特有の食事計画を方法論と組み合わせて、適宜適用することができる。
最初の検査結果に応じて、共通の食事計画又は患者特有の食事計画を方法論と組み合わせて、適宜適用することができる。
iii.運動(120c)
最初の検査結果に応じて、共通の運動プログラム又は患者特有の運動プログラムを方法論と組み合わせて、適宜適用することができる。
最初の検査結果に応じて、共通の運動プログラム又は患者特有の運動プログラムを方法論と組み合わせて、適宜適用することができる。
iv.入院患者療法(120d)
認知行動療法の構造的プログラムをこの方法論で実行することが好ましい。個体の心理療法は、認知の再構築、作業療法、再発の防止、並びに患者の社会生活、家庭生活、労働生活、私生活及び余暇生活を更生させる目的のストレス低減等の複数の治療介入に焦点を当てている。
認知行動療法の構造的プログラムをこの方法論で実行することが好ましい。個体の心理療法は、認知の再構築、作業療法、再発の防止、並びに患者の社会生活、家庭生活、労働生活、私生活及び余暇生活を更生させる目的のストレス低減等の複数の治療介入に焦点を当てている。
c.治療後(130)
再び図1を参照すると、患者が本発明の方法論100の治療中段階を首尾よく完了させた後に、それぞれの患者に続く治療後レジメン130を処方する。このレジメンとしては、薬学的組成物130a、CIWA評価130b、外来患者療法130c、食事プログラム130d、及び運動レジメン130eの適用が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の方法論100の治療後段階の構成要素は、以下により詳細に記載される。
再び図1を参照すると、患者が本発明の方法論100の治療中段階を首尾よく完了させた後に、それぞれの患者に続く治療後レジメン130を処方する。このレジメンとしては、薬学的組成物130a、CIWA評価130b、外来患者療法130c、食事プログラム130d、及び運動レジメン130eの適用が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の方法論100の治療後段階の構成要素は、以下により詳細に記載される。
i.薬学的組成物(130a)
病院から退院する前、1つ若しくは複数の以下の組成物又は薬剤が処方される。好ましくは、この組成物又は薬剤は、患者の順守及び利便性を高くすることができる経口形態で投与され得る。本明細書中に記載の任意の薬剤が本発明が実施される権限内では利用可能
ではない範囲では、同等の機能を有する薬剤を使用することができることを理解すべきである。
病院から退院する前、1つ若しくは複数の以下の組成物又は薬剤が処方される。好ましくは、この組成物又は薬剤は、患者の順守及び利便性を高くすることができる経口形態で投与され得る。本明細書中に記載の任意の薬剤が本発明が実施される権限内では利用可能
ではない範囲では、同等の機能を有する薬剤を使用することができることを理解すべきである。
1.ビタミンB
a.強化ビタミンB複合体
慢性的なアルコール消費により、幾つかのビタミン、特にビタミンB(ストレスビタミンとしても知られる)のレベルが枯渇する。食物をエネルギーに変換し、皮膚及び肝臓等の組織の完全性を維持し、肉体的ストレス又は感情的ストレスと闘うために、これらのビタミンは身体にとって必要である。アルコール依存患者の管理の一部としてのビタミンB複合体の投与が、ウェルニッケ−コルサコフ症候群及びアルコール依存症により誘導される認知障害の危険性を改善するのを助けることができる。本発明は好ましくは、医学的に有益である限り、方法論により安定である間、及び退院後、毎日、強化ビタミンB複合体(チアミン−B1、リボフラビン−B2、ナイアシン−B3、ピリドキシン−B6、葉酸−B9、シアノコバラミン−B12、パントテン酸、及びビオチン)の栄養補助剤を患者に与えることを含む。
a.強化ビタミンB複合体
慢性的なアルコール消費により、幾つかのビタミン、特にビタミンB(ストレスビタミンとしても知られる)のレベルが枯渇する。食物をエネルギーに変換し、皮膚及び肝臓等の組織の完全性を維持し、肉体的ストレス又は感情的ストレスと闘うために、これらのビタミンは身体にとって必要である。アルコール依存患者の管理の一部としてのビタミンB複合体の投与が、ウェルニッケ−コルサコフ症候群及びアルコール依存症により誘導される認知障害の危険性を改善するのを助けることができる。本発明は好ましくは、医学的に有益である限り、方法論により安定である間、及び退院後、毎日、強化ビタミンB複合体(チアミン−B1、リボフラビン−B2、ナイアシン−B3、ピリドキシン−B6、葉酸−B9、シアノコバラミン−B12、パントテン酸、及びビオチン)の栄養補助剤を患者に与えることを含む。
b.静脈内でのビタミンB補充
アルコールの乱用者は、貧しい食事、胃炎、十二指腸炎、頻繁な嘔吐、身体的な病気、及び体重減少によって悪化される、悪い栄養状態を有する傾向がある。したがって、非経口ビタミンの必要性が存在する。経口治療からのチアミン吸収は変化する傾向があり、腸内のアルコールが吸収を妨害する。このように、アルコール依存において潜在的に大きなチアミン欠損が存在している。経口投与は、維持要求に適合する可能性が低い。チアミンはアルコール依存におけるナトリウム輸送を低減する。さらに、チアミンはGABAの鍵となる代謝作用の触媒である。
アルコールの乱用者は、貧しい食事、胃炎、十二指腸炎、頻繁な嘔吐、身体的な病気、及び体重減少によって悪化される、悪い栄養状態を有する傾向がある。したがって、非経口ビタミンの必要性が存在する。経口治療からのチアミン吸収は変化する傾向があり、腸内のアルコールが吸収を妨害する。このように、アルコール依存において潜在的に大きなチアミン欠損が存在している。経口投与は、維持要求に適合する可能性が低い。チアミンはアルコール依存におけるナトリウム輸送を低減する。さらに、チアミンはGABAの鍵となる代謝作用の触媒である。
2.ピラセタム
ピラセタムは、既知の毒性又は中毒性がないCNS(中枢神経系)刺激薬である。ピラセタムはアルコール離脱を患う患者において認知機能を改善する補助剤として使用される。ピラセタムは本方法論では以下の用量で処方されるのが好ましい:1週間毎朝3g、その後1ヶ月間1日2回800mg。
ピラセタムは、既知の毒性又は中毒性がないCNS(中枢神経系)刺激薬である。ピラセタムはアルコール離脱を患う患者において認知機能を改善する補助剤として使用される。ピラセタムは本方法論では以下の用量で処方されるのが好ましい:1週間毎朝3g、その後1ヶ月間1日2回800mg。
3.フルオキセチン
塩酸フルオキセチンは、経口投与の抗鬱剤であり、三環系、四環系、又は他の利用可能な抗鬱剤とは化学的に無関係である。(±)−N−メチル−3−フェニル−3−[(a,a,a−トリフルオロ−p−トリル)−オキシ]プロピルアミンハイドロクロライドと指定される。本方法論の一部として、アルコール及び/又は精神刺激薬の依存に関する不安及び鬱の症状を治療するのに使用される。推奨される用量は2ヶ月間毎朝フルオキセチン10〜20mgであるが、患者基準ごとに増減させてもよい。
塩酸フルオキセチンは、経口投与の抗鬱剤であり、三環系、四環系、又は他の利用可能な抗鬱剤とは化学的に無関係である。(±)−N−メチル−3−フェニル−3−[(a,a,a−トリフルオロ−p−トリル)−オキシ]プロピルアミンハイドロクロライドと指定される。本方法論の一部として、アルコール及び/又は精神刺激薬の依存に関する不安及び鬱の症状を治療するのに使用される。推奨される用量は2ヶ月間毎朝フルオキセチン10〜20mgであるが、患者基準ごとに増減させてもよい。
4.クロメチアゾール
クロメチアゾール(又はクロルメチアゾール)の推奨される用量は、1週間朝晩の両方において約200mg、及びさらに詳細には約192mgであり、2週目の間に排除される。
クロメチアゾール(又はクロルメチアゾール)の推奨される用量は、1週間朝晩の両方において約200mg、及びさらに詳細には約192mgであり、2週目の間に排除される。
5.ジスルフィラム
肝臓のアルデヒド脱水素酵素の阻害剤であるジスルフィラムは、血中アセトアルデヒド濃度を増大させ、続いてアセトアルデヒド症候群の症状を誘導する。これらの症状としては、嘔吐、衰弱、精神錯乱、頭部の血管拡張、及び拍動性頭痛が挙げられる(これらに限定されない)。この薬剤は、退院後6ヶ月間、本方法論において使用され、アルコール消費とは反対の関連を誘導し、したがって回復プロセスを維持するのを助ける。一実施形態
では、用量は、医学的に有益である限り、毎朝250mgである。
肝臓のアルデヒド脱水素酵素の阻害剤であるジスルフィラムは、血中アセトアルデヒド濃度を増大させ、続いてアセトアルデヒド症候群の症状を誘導する。これらの症状としては、嘔吐、衰弱、精神錯乱、頭部の血管拡張、及び拍動性頭痛が挙げられる(これらに限定されない)。この薬剤は、退院後6ヶ月間、本方法論において使用され、アルコール消費とは反対の関連を誘導し、したがって回復プロセスを維持するのを助ける。一実施形態
では、用量は、医学的に有益である限り、毎朝250mgである。
6.ガバペンチン
a.ガバペンチンの使用
ガバペンチンは、癲癇を患う患者に一般的に処方される抗不安薬及び抗痙攣薬であり(脳のグルタミン酸濃度を効率的に低減する)、社会的不安障害及び強迫神経症等の不安障害治療に使用することができる。ガバペンチンは、フルマゼニルがGABA及びグルタミン酸の伝達を正常化することを助け、したがってGABAのトーンを高めるのを補う。
a.ガバペンチンの使用
ガバペンチンは、癲癇を患う患者に一般的に処方される抗不安薬及び抗痙攣薬であり(脳のグルタミン酸濃度を効率的に低減する)、社会的不安障害及び強迫神経症等の不安障害治療に使用することができる。ガバペンチンは、フルマゼニルがGABA及びグルタミン酸の伝達を正常化することを助け、したがってGABAのトーンを高めるのを補う。
ガバペンチンは、元々GABAの構造類似体として設計された。ガバペンチンは、カルシウムNチャネル遮断薬として作用するようである。ガバペンチンは、1)NMDA/グルタミン酸作動性のトーンを低減すること、及び2)脱離状態における上方制御されたNMDA活性により、低減されたGABA作動性のトーンを補うのを間接的に助けることによって、NMDA介在性伝達を調節するシナプス後効果も示す。ガバペンチンは、睡眠の質及び量の改善並びに不安状態の改善を提供する。上記の質の結果として、ガバペンチンが離脱症状を減少する。
b.ガバペンチンの使用の鍵となる薬理安全性の考察
患者にガバペンチンを投与する前に、相互作用及び禁忌に関して患者を評価することが必須である。ガバペンチンは、癲癇発作(部分)の治療における補助療法において、及びヘルペス後神経痛の管理に使用されるべきである。ガバペンチンはほとんど代謝されず、排出半減期5〜7時間で変わらず排出される。ガバペンチンの使用から考えられる副作用は、眩暈、眠気、CNS抑制の他の症状/徴候、吐き気、運動失調、振戦、及び末梢浮腫である。癲癇の人において、突然の中止により発作の頻度が増加する可能性がある。臨床的に有意な薬剤の相互作用は文献で報告されていない。
患者にガバペンチンを投与する前に、相互作用及び禁忌に関して患者を評価することが必須である。ガバペンチンは、癲癇発作(部分)の治療における補助療法において、及びヘルペス後神経痛の管理に使用されるべきである。ガバペンチンはほとんど代謝されず、排出半減期5〜7時間で変わらず排出される。ガバペンチンの使用から考えられる副作用は、眩暈、眠気、CNS抑制の他の症状/徴候、吐き気、運動失調、振戦、及び末梢浮腫である。癲癇の人において、突然の中止により発作の頻度が増加する可能性がある。臨床的に有意な薬剤の相互作用は文献で報告されていない。
7.他の薬剤
適宜、最終の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの投与後、非刺激剤を投与することができる。詳細には、最後のフルマゼニル治療の後に、非ベンゾジアゼピンであるバルビツール系薬剤又は直接的な塩素イオンチャネル効果を有する薬剤を投与することができる。
適宜、最終の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの投与後、非刺激剤を投与することができる。詳細には、最後のフルマゼニル治療の後に、非ベンゾジアゼピンであるバルビツール系薬剤又は直接的な塩素イオンチャネル効果を有する薬剤を投与することができる。
ii.離脱総体症状(130b)
フルマゼニルの投与の前後で、CIWA−A評価(Adinoff他、Medical Toxicology 3:172-196(1988))並びに心拍数及び血圧を利用して、離脱総体症状を測定する必要がある。
フルマゼニルの投与の前後で、CIWA−A評価(Adinoff他、Medical Toxicology 3:172-196(1988))並びに心拍数及び血圧を利用して、離脱総体症状を測定する必要がある。
iii.外来患者療法(130c)
薬理学的アプローチを選んだ場合、心理療法/行動療法及びカウンセリングは、アルコール及び/又は刺激物質の依存の治療の成功には必須であり得る。したがって、この方法論は、継続治癒プログラムを介して回復プロセスを継続する患者に対する、薬物療法及び誘因を含む維持プログラムも提供する。この方法論は行動療法の代わりとしては考慮されず、治癒ではない。アルコール及び/又は刺激物質の依存の複雑性のために、患者は薬理学的介入と行動介入との組み合わせから最も利益を得る。
薬理学的アプローチを選んだ場合、心理療法/行動療法及びカウンセリングは、アルコール及び/又は刺激物質の依存の治療の成功には必須であり得る。したがって、この方法論は、継続治癒プログラムを介して回復プロセスを継続する患者に対する、薬物療法及び誘因を含む維持プログラムも提供する。この方法論は行動療法の代わりとしては考慮されず、治癒ではない。アルコール及び/又は刺激物質の依存の複雑性のために、患者は薬理学的介入と行動介入との組み合わせから最も利益を得る。
治療プログラムの一部として、患者は、頻度を減少させながら9ヶ月間外来患者治療センターに通うように指示されることが好ましい(最初の3ヶ月間は1週間に1回、次の3ヶ月間は2週間ごとに1回、及びその次の3ヶ月間は1ヶ月に1回)。
同様に、認知行動療法の半構造の追跡治療(semi-structured follow-up)を行うことが好ましい。個体の心理療法及び家庭の心理療法は、認知の再構築、作業療法、再発の防止
、並びに患者の社会生活、家庭生活、労働生活、私生活及び余暇生活を更生させる目的のストレス低減を含む複数の治療介入に焦点を当てている。
、並びに患者の社会生活、家庭生活、労働生活、私生活及び余暇生活を更生させる目的のストレス低減を含む複数の治療介入に焦点を当てている。
iv.食事(130d)
最初の検査結果に応じて、共通の食事計画又は患者特有の食事計画を方法論と組み合わせて、適宜適用することができる。
最初の検査結果に応じて、共通の食事計画又は患者特有の食事計画を方法論と組み合わせて、適宜適用することができる。
v.運動(130e)
最初の検査結果に応じて、共通の運動プログラム又は患者特有の運動プログラムを方法論と組み合わせて、適宜適用することができる。
最初の検査結果に応じて、共通の運動プログラム又は患者特有の運動プログラムを方法論と組み合わせて、適宜適用することができる。
3.方法論の実施形態
ここから、本発明の方法及びプロトコルの特定の実施形態及び実施例に対して詳細に言及される。本発明は、特定の実施形態と組合せて記載されているが、本発明は1つの実施形態に限定するように意図されない。さらに、上記の方法論の構成要素の多くの組み合わせが可能であり、したがって、本発明は提示されるそのような実施例に限定されない。
ここから、本発明の方法及びプロトコルの特定の実施形態及び実施例に対して詳細に言及される。本発明は、特定の実施形態と組合せて記載されているが、本発明は1つの実施形態に限定するように意図されない。さらに、上記の方法論の構成要素の多くの組み合わせが可能であり、したがって、本発明は提示されるそのような実施例に限定されない。
1つの特定の実施形態において、本発明は、アルコール及び/又は精神刺激薬の依存の治療のための方法論における、治療に有効な量の薬剤、すなわちフルマゼニル(これに限定されない)等の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの使用に関する。さらに詳細には、本発明は治療方法論の一部として所定の期間、複数の用量でフルマゼニルを使用することに関する。本発明に従って投与される場合、治療に有効な量の薬剤が患者において維持され、これによりアルコールに対する渇望を有意に低減する。本発明の方法論は、大きな副作用なしでフルマゼニルを投与することも提供する。
このように、一実施形態では、アルコール及び/精神刺激薬の乱用を治療する方法が提供され、これには、0.5mg/日〜10mg/日、詳細には1.0〜3.0mg/日、及びさらに詳細には1.5〜2.5mg/日の治療に有効な量のフルマゼニルを当該治療の必要性がある患者へ投与することを含み、これはフルマゼニルがアルコール及び/精神刺激薬の依存を治療するための上記治療に有効な量に達するまで、0.2〜0.3mgの複数の用量にフルマゼニルが分けられ、所定の期間又は間隔中の投与が意図される。一実施形態では、所定の期間は、1〜15分の範囲であり、フルマゼニルの「1用量当たり」の量は0.1〜0.3mgである。
当業者は、単一用量は量が様々であり得るということ、及び単一用量間の時間間隔は長さが様々であり得ることを理解している、但し、送達される全用量は0.5mg/日〜10.0mg/日の範囲であり、単一用量は、比較的一致した時間間隔で送達される。したがって、時間間隔は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、若しくは25分又はこれらの端数の範囲であり得る。時間間隔で分けられたそれぞれの期間に送達される用量は、0.1〜0.3mg又はその端数であってもよく、送達される全薬剤は10.0mg/日未満であることが好ましいことを留意されたい。したがって本発明は、実質的に一致した時間間隔で送達される複数の逐次的用量の送達を提供する。
フルマゼニルの従来の使用には、短期間にわたる単回投与又はさらに多くの投与のいずれかが含まれ、麻酔、意識化鎮静、又はベンゾジアゼピン過剰投与を扱うことに関する。さらに、Rocheによって市販されているフルマゼニルのブランド名であるロマジコン(Romazicon)がアルコール、バルビツール系鎮静薬及び交差耐性鎮静薬に対する離脱症状の管理を複雑にしていることが明らかに示され、神経系に対して悪影響があり、これにより動揺及び不安の増大が引き起こされることが示された。麻酔及び意識の鎮静を扱うための単回
投与では、ロマジコンを0.2mg〜1mgの用量で使用し、次の投与は20分以上後に行うことが従来推奨されている。反復治療では、1mgの用量を5分間にわたって、最大3mgの用量を15分間にわたって送達することができる。ベンゾジアゼピンの過剰投与の状況下において、6分以内に3mgの用量が投与されるといったように、短期間にわたりより多くの用量を投与することができる。当業者は、本発明に対して、この投与レジメンが、(12〜24時間にわたって)延長された期間、血流中でフルマゼニルの存在を維持することができないか、又は任意の所定の時間に過剰量のフルマゼニルを提供できないことを理解している。さらに、このようなフルマゼニルの従来の使用は、アルコール又は刺激薬の依存の治療には指向してはいない。
投与では、ロマジコンを0.2mg〜1mgの用量で使用し、次の投与は20分以上後に行うことが従来推奨されている。反復治療では、1mgの用量を5分間にわたって、最大3mgの用量を15分間にわたって送達することができる。ベンゾジアゼピンの過剰投与の状況下において、6分以内に3mgの用量が投与されるといったように、短期間にわたりより多くの用量を投与することができる。当業者は、本発明に対して、この投与レジメンが、(12〜24時間にわたって)延長された期間、血流中でフルマゼニルの存在を維持することができないか、又は任意の所定の時間に過剰量のフルマゼニルを提供できないことを理解している。さらに、このようなフルマゼニルの従来の使用は、アルコール又は刺激薬の依存の治療には指向してはいない。
本発明の治療方法論において、フルマゼニルは、少量では患者に安全に投与し、フルマゼニルがアルコール及び/又は精神刺激薬の依存を治療するのに効果的な量に達するまで、所定の期間/間隔で複数の投与を適用することができる。したがって、より少ない用量でフルマゼニルを投与し、所望の治療応答を得ることが可能であり、これにより(適用された1回の用量につき投与される薬剤の量を低減する結果として)患者における副次的効果の危険性を軽減させる。
さらに、本発明の投与方法は、アルコール及び/又は精神刺激薬の離脱の症状を治療し、且つ当該薬剤の不必要な消費を低減し、これによって、患者の生活の利便性及び質を向上すると共にコストを低減するフルマゼニルのより良好な使用を提供し、非常に短期間でアルコール及び/又は精神刺激薬の依存を治療する。
本発明により提供されるアルコール依存を治療する方法は、治療が開始されるとき、急性の病気又は非代償性の病気でないか、又はフルマゼニル等の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターに禁忌である薬剤を服用していない任意の患者に適用可能である。一般的に、本発明により提供されるアルコール及び/又は精神刺激薬の依存を治療する方法は、上記で詳細に記載されたように、全面的な身体検査及び心理検査から開始される。フルマゼニルの投与の前後で、アルコールの離脱症状、心拍数及び血圧を評価した。患者が軽度〜中程度の不安を示す場合、上記のように、フルマゼニルの投与前に適切な治療剤、例えば、クロメチアゾールを投与することが可能である。
治療プログラムの一部として、入院患者治療が完了したら、患者は薬理学的治療を継続し、また療法士による集会を継続し、その進行を評価する必要がある。治療は、反構造の治療レジメンにより補足され、患者の認知行動をモニタリングする。別の実施形態によれば、アルコール依存患者は、48時間の外来患者基準に基づいて治療してもよい。
上記では入院患者治療に対して言及されているが、上記に記載されたような患者基準が満たされている場合、外来患者治療レジメンが可能であることを理解すべきである。外来患者治療方法論及び入院患者治療方法論の両方で臨床一覧離脱評価(Clinical Inventory Withdrawal Assessments)(CIWA−Ar)を離脱の評価に用いる必要があることをさらに理解すべきである。
例えば、入院アルコール依存治療に関して、以下のCIWA評価指針を使用することができる。
外来アルコール依存患者治療のために、以下のCIWA評価指針を使用することができる。
ここで図2を参照すると、アルコール離脱を治療する第1の例示的な方法論200において、患者は上記の治療前レジメン210を受ける。これには、全面的な身体検査210a、全面的な心理検査210b、CIWA評価210c、及び要求される薬物の決定210dが含まれ得る。
治療段階220の1日目220aに、患者は、静脈内注入を介したフルマゼニルを含む薬学的組成物221aを受け、最終的に1回の投与間隔当たり全量2mgを送達する。患者はさらに、1日2回ヒドロキシジン50mg±25mg(必要に応じて)を受ける。患者はさらに、強化ビタミンB複合体を毎日、及びタンパク質補助飲料を毎朝受ける。
治療の2日目220bに、患者は、静脈内注入を介したフルマゼニルを含む薬学的組成物221bを受け、最終的に1回の投与間隔当たり全量2mgを送達する。患者はさらに、1日2回ヒドロキシジン50mg±25mg(必要に応じて)を受ける。患者はさらに、強化ビタミンB複合体を毎日、及びタンパク質補助飲料を毎朝受ける。
治療の間も、患者に食事計画222、運動レジメン223、及び入院患者療法224を処方し得る。
退院後の治療後段階230において、患者は、1週間、就寝前又は睡眠中に、ヒドロキシジン50mgを含む様々な薬学的組成物230aを受け、次の1週間、患者は就寝前又は睡眠中に、ヒドロキシジン25mgを受ける。患者は2週間毎日、1日当たり最大1500mgまで漸増されるグルタミン及び強化ビタミンB複合体も受ける。また患者は、さらなる治療後オプションを受けてもよく、これにはCIWA評価230b、外来患者療法230c、食事レジメン230d、及び運動レジメン230eが含まれる。
ここで図3を参照すると、アルコール離脱を治療する第2の例示的な方法論300において、患者は上記の治療前レジメン310を受ける。これには、全面的な身体検査310a、全面的な心理検査310b、CIWA評価310c、及び要求される薬物の決定310dが含まれ得る。
治療段階330の1日目330aに、患者は、静脈内注入を介したフルマゼニルを含む様々な薬学的組成物321aを受け、最終的に1回の投与間隔当たり全量2mgを送達する。患者はさらに、日中にヒドロキシジン50mg及び就寝前又は夕方にヒドロキシジン50mgを受ける。患者はさらに、静脈内でビタミンB複合体、及び経口で300mgの用量でガバペンチンを受ける。
治療段階330の2日目330bに、患者は、静脈内注入を介したフルマゼニルを含む様々な薬学的組成物321bを受け、最終的に1回の投与間隔当たり全量2mgを送達する。患者はさらに、日中にヒドロキシジン50mg及び就寝前又は夕方にヒドロキシジン50mgを受ける。患者はさらに、昼及び夕方又は就寝前に静脈内でビタミンB複合体、及び経口で300mgの用量でガバペンチンを受ける。
さらに、治療段階320の間、患者に食事計画322、運動レジメン323、及び入院患者療法324を処方し得る。
退院後、治療後段階330の1、2日間、患者は、就寝前又は夕方に、ヒドロキシジン50mgを含む薬学的組成物330aを受ける。30日間、患者は昼及び夕方又は睡眠中に、900mgの用量でガバペンチンを受け、それから0まで漸減する。1週間毎日、患者はビタミンB100も受ける。また患者はCIWA評価330b、外来患者療法330c、食事計画330d、及び運動レジメン330eを適宜受けてもよい。
ここで図4を参照すると、アルコール離脱を治療する第3の例示的な方法論400において、患者は上記の治療前レジメン410を受ける。これには、全面的な身体検査410a、全面的な心理検査410b、CIWA評価410c、及び要求される薬物の決定410dが含まれ得る。
治療段階420の間、患者はCIWA評価及び50mgの用量でのヒドロキシジンの投与を含む治療前手順421を受ける。治療段階420の1日目422aに、1回目の点滴423aを患者に投与する。1回目の点滴には、2時間にわたってビタミンB1、ビタミ
ンB6、ビタミンB12、ビタミンB複合体、及びフルマゼニル2mgが含まれる。1回目の点滴の後、患者は、一般的に昼遅くから夕方にかけての治療後手順424を受け、これには、夕方又は就寝前のCIWA評価、300mgの用量でのガバペンチンの投与、及び50mgの用量でのヒドロキシジンの投与が含まれる。
ンB6、ビタミンB12、ビタミンB複合体、及びフルマゼニル2mgが含まれる。1回目の点滴の後、患者は、一般的に昼遅くから夕方にかけての治療後手順424を受け、これには、夕方又は就寝前のCIWA評価、300mgの用量でのガバペンチンの投与、及び50mgの用量でのヒドロキシジンの投与が含まれる。
治療段階420の2日目422bに、患者はCIWA評価及び50mgの用量でのヒドロキシジンの投与を含む治療前手順421を受ける。次に、2回目の点滴423bを患者に投与する。2回目の点滴には、2時間にわたってビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンB複合体、及びフルマゼニル2mgが含まれる。2回目の点滴の後、患者は、一般的に昼遅くから夕方にかけての治療後手順424を受け、これには、夕方又は就寝前のCIWA評価、300mgの用量でのガバペンチンの投与、及び50mgの用量でのヒドロキシジンの投与が含まれる。
適宜、治療中段階420には、食事計画425、運動レジメン426、及び入院患者療法427も含まれ得る。
退院後、患者をCIWA評価430b及び患者の病状に基づいてモニタリングする。適宜、患者の病状及び/又はCIWA評価により保証されている場合、退院前に患者は2日目422bと同様の3日目422cの治療420を受ける。
退院時、治療後段階430において、患者は、1日目及び2日目の就寝前に、ヒドロキシジン50mgを含む薬学的組成物430aが与えられる。患者は以下の量のガバペンチンも与えられる(1日目300mg、2日目600mg、3〜30日目900mg、0まで漸減する)。1週間毎日、患者は経口でビタミンB100複合体も与えられる。適宜、患者は外来患者療法430c、食事計画430d、及び運動レジメン430eが処方され得る。
ここで図5を参照すると、刺激薬離脱を治療する第1の例示的な方法論500において、患者は上記の治療前レジメン510を受ける。治療前レジメン510には、全面的な身体検査510a、全面的な心理検査510b、CIWA評価510c、及び要求される薬物の決定510dが含まれ得る。
治療段階520の1日目520a、2日目520b、及び3日目520cに、患者は、静脈内注入を介したフルマゼニルを含む薬学的組成物521を受け、最終的に1回の投与間隔当たり全量2mgを送達する。患者はさらに、1日2回ヒドロキシジン50mg±25mg(必要に応じて)を受ける。患者はさらに、強化ビタミンB複合体を毎日、及びタンパク質補助飲料を毎朝受ける。
この治療レジメン520、好ましくは1日目520a及び2日目520bのみを3週間後に繰り返す(522)。治療段階520の両方の期間、患者に食事計画523、運動レジメン524、及び入院患者療法525を処方し得る。
治療後段階530において、患者は、退院後、薬学的組成物530aを受け、これには1週間の就寝前又は睡眠中のヒドロキシジン50mg、次の1週間の就寝前又は睡眠中のヒドロキシジン25mgが含まれる。患者は2週間毎日、1日当たり最大1500mgまで漸増されるグルタミン及び強化ビタミンB複合体も受ける。患者はさらに6ヶ月間、1日当たり最大1200mgまで漸増されるガバペンチンを受ける。このレジメンは、1回目の治療から3週間経過した後に、上記のように、2回目の治療522を割り込ませて、それから再開させる。
ここで図6を参照すると、刺激薬離脱を治療する第2の例示的な方法論600において、患者は上記の治療前レジメン610を受ける。治療前レジメン610には、全面的な身体検査610a、全面的な心理検査610b、CIWA評価610c、及び要求される薬物の決定610dが含まれ得る。
治療段階620の1日目620a、2日目620b、及び3日目620cに、患者は、静脈内注入を介したフルマゼニルを含む薬学的組成物621を受け、最終的に1回の投与間隔当たり全量2mgを送達する。患者はさらに、ヒドロキシジン50mgを受ける。患者はさらに、強化ビタミンB複合体を毎日、及び300mgの用量でガバペンチンを受ける。
この治療レジメン620、好ましくは1日目620a及び2日目620bのみを3週間後に繰り返す(622)。治療段階620の両方の期間、患者に食事計画623、運動レジメン624、及び入院患者療法625を処方し得る。
治療後段階630において、退院後、患者は薬学的組成物630aを受け、これには30日間1日当たり最大400mgまで漸増し、0まで低減するガバペンチンが含まれる。患者は毎日、強化ビタミンB100複合体及び複数のアミノ酸補助剤も受ける。このレジメンは、1回目の治療から3週間経過した後に、上記のように、2回目の治療を割り込ませて、それから再開させる。治療後630の間、必要であれば、患者はCIWA評価630b、外来患者療法630c、食事計画630d、及び運動レジメン630eも受けることができる。
別の例示的な方法論において、患者は、アルコール依存における入院患者基準に基づいて治療される。好ましくは、この治療方法論において、一連の実施される治療エピソード間の間隔は、12時間以上24時間以下である必要がある。患者の治療の進行に応じて、患者は例示的なCIWA−Ar評価指針において上記されるように、入院患者滞在3日目に行われる必要がある付加的な治療を要求してもよい。
特に禁忌を示さない限り、1日目に、患者に経口でヒドロキシジンHCL50を50mg投与する。少なくとも1時間後、フルマゼニル等の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターを投与する。選択的塩素イオンチャネルモジュレーターを点滴する前に、2つの輸液バッグを準備する。第1の輸液バックには、500ccの1/2標準生理食塩水(NS)が含まれ、これにチアミン、ピリドキシン及び他のビタミン成分が添加される。第2の輸液バッグには、ラインを洗浄するため、及びその後の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの投与のための500ccの1/2NSが含まれる。100mgのチアミン、25mgのピリドキシン、及び5ccのMVIを第1の輸液バッグに添加することが好ましい。第1の輸液バッグは、肘静脈窩(antecubital fossa)の静脈に取り付けることによって、125cc/時間(NTE 150cc/時間)で患者に投与される。静脈ラインには、ラインの洗浄及びその後の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの投与のための二方活栓(stopcock)の使用がさらに含まれるべきである。二方活栓を使用して、患者へと続くラインでさらなる色が見られなくなるまで、ラインを1/2NSで洗浄する必要がある。
ラインを洗浄したら、選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの投与を開始することができる。選択的塩素イオンチャネルモジュレーターがフルマゼニルの場合、全用量2mgがそれぞれの治療エピソードで与えられる。薬物は静脈ボーラスによって以下のように与えられる必要がある:a)3分ごとに0.1mgで2回の投与、b)3分ごとに0.2mgで2回の投与、そしてc)全用量2mgが与えられるまで2分ごとに0.3mg。用量を増やすか、又は投与間の時間を減らすときに何らかの不快症状が観察されるか、又は
報告される場合、薬剤の投与を不快症状が出る前のレベルに戻すか、又は開始レベルにまで戻す必要がある。一実施形態では、フルマゼニル投与の全用量は、アルコール依存症者に対しては4mg(2回の治療エピソード)、及びさらなる治療が必要な患者に対しては6mg(例えば入院3日目)である。フルマゼニルの投与のパラメータは、場合によって変更することができる。量を2mg用量より高くするか、又は1回の投与当たり0.3mgよりも高くすることができる。さらに、投与間の期間をわずかに増減させることができる。フルマゼニル投与が完了し、ラインを1/2NSで洗浄すると、ビタミン注入を再び開始することができる。患者はフルマゼニル投与後3時間はモニタリングする必要があり、その間CIWA−Ar評価を繰り返して行う必要がある。
報告される場合、薬剤の投与を不快症状が出る前のレベルに戻すか、又は開始レベルにまで戻す必要がある。一実施形態では、フルマゼニル投与の全用量は、アルコール依存症者に対しては4mg(2回の治療エピソード)、及びさらなる治療が必要な患者に対しては6mg(例えば入院3日目)である。フルマゼニルの投与のパラメータは、場合によって変更することができる。量を2mg用量より高くするか、又は1回の投与当たり0.3mgよりも高くすることができる。さらに、投与間の期間をわずかに増減させることができる。フルマゼニル投与が完了し、ラインを1/2NSで洗浄すると、ビタミン注入を再び開始することができる。患者はフルマゼニル投与後3時間はモニタリングする必要があり、その間CIWA−Ar評価を繰り返して行う必要がある。
以下の表3及び表4において、この特定の方法論の例に対するさらなる詳細が与えられる。
別の例示的な方法論において、患者は、アルコール依存における外来患者基準に基づいて治療される。好ましくは、この治療方法論において、一連の実施される治療エピソード間の間隔は、12時間以上24時間以下である必要がある。
特に禁忌を示さない限り、1日目に、患者に経口でヒドロキシジンHCL50を50mg投与する。少なくとも1時間後、フルマゼニル等の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターを投与する。選択的塩素イオンチャネルモジュレーターを点滴する前に、2つの輸液バッグを準備する。第1の輸液バックには、500ccの1/2標準生理食塩水(NS)が含まれ、これにチアミン、ピリドキシン及び他のビタミン成分が添加される。第2の輸液バッグには、ラインを洗浄するため、及びその後の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの投与のための500ccの1/2NSが含まれる。100mgのチアミン、25mgのピリドキシン、及び5ccのMVIを第1の輸液バッグに添加することが好ましい。第1の輸液バッグは、肘静脈窩の静脈に取り付けることによって、125cc/時間(NTE 150cc/時間)で患者に投与される。静脈ラインには、ラインの洗浄及びその後の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの投与のための二方活栓の使用がさらに含まれる。二方活栓を使用して、患者へと続くラインでさらなる色が見られなくなるまで、ラインを1/2NSで洗浄する必要がある。
ラインを洗浄したら、選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの投与を開始することができる。選択的塩素イオンチャネルモジュレーターがフルマゼニルの場合、全用量2mgがそれぞれの治療エピソードで与えられる。薬物は静脈ボーラスによって以下のように与えられる必要がある:a)3分ごとに0.1mgで2回の投与、b)3分ごとに0.2mgで2回の投与、そしてc)全用量2mgが与えられるまで2分ごとに0.3mg。用量を増やすか、又は投与間の時間を減らすときに何らかの不快症状が観察されるか、又は報告される場合、薬剤の投与を不快症状が出る前のレベルに戻すか、又は開始レベルにまで戻す必要がある。一実施形態では、フルマゼニル投与の全用量は、アルコール依存症者に対しては4mg(2回の治療エピソード)である。フルマゼニルの投与のパラメータは、場合によって変更することができる。量を2mg用量より高くするか、又は1回の投与当たり0.3mgより高くすることができる。さらに、投与間の期間をわずかに増減させることができる。フルマゼニル投与が完了し、ラインを1/2NSで洗浄すると、ビタミン注入を再び開始することができる。患者はフルマゼニル投与後3時間はモニタリングする必要があり、その間CIWA−Ar評価を繰り返して行う必要がある。
以下の表5において、この特定の方法論の例に対するさらなる詳細が与えられる。
別の例示的な方法論において、患者は、刺激剤依存における入院患者基準又は外来患者基準に基づいて治療される。好ましくは、この治療方法論において、一連の実施される治療エピソード間の間隔は、12時間以上24時間以下である必要がある。
特に禁忌を示さない限り、1日目に、患者に経口でヒドロキシジンHCL50を50mg投与する。少なくとも1時間後、フルマゼニル等の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターを投与する。選択的塩素イオンチャネルモジュレーターを点滴する前に、2つの輸液バッグを準備する。第1の輸液バックには、500ccの1/2標準生理食塩水(NS)が含まれ、これにチアミン、ピリドキシン及び他のビタミン成分が添加される。第2の輸液バッグには、ラインを洗浄するため、及びその後の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの投与のための500ccの1/2NSが含まれる。100mgのチアミン、25mgのピリドキシン、及び5ccのMVIを第1の輸液バッグに添加することが好ましい。第1の輸液バッグは、肘静脈窩の静脈に取り付けることによって、125cc/時間(NTE 150cc/時間)で患者に投与される。静脈ラインには、ラインの洗浄及びその後の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの投与のための二方活栓の使用がさらに含まれるべきである。二方活栓を使用して、患者へと続くラインでさらなる色が見られなくなるまで、ラインを1/2NSで洗浄する必要がある。
ラインを洗浄したら、選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの投与を開始することができる。選択的塩素イオンチャネルモジュレーターがフルマゼニルの場合、全用量2mgがそれぞれの治療エピソードで与えられる。薬物は静脈ボーラスによって以下のように与えられる必要がある:a)3分ごとに0.1mgで2回の投与、b)3分ごとに0.2mgで2回の投与、そしてc)全用量2mgが与えられるまで2分ごとに0.3mg。用量を増やすか、又は投与間の時間を減らすときに何らかの不快症状が観察されるか、又は報告される場合、薬剤の投与を不快症状が出る前のレベルに戻すか、又は開始レベルにまで戻す必要がある。一実施形態では、フルマゼニル投与の全用量は、1回目の治療サイクルでは6mg(3回の治療エピソード)、及び2回目の治療サイクルでは4mg(2回の治療エピソード)である。フルマゼニルの投与のパラメータは、場合によって変更することができる。量を2mg用量より高くするか、又は1回の投与当たり0.3mgより高くすることができる。さらに、投与間の期間をわずかに増減させることができる。フルマゼニル投与が完了し、ラインを1/2NSで洗浄すると、ビタミン注入を再び開始することができる。患者はフルマゼニル投与後3時間はモニタリングする必要があり、その間CI
WA−Ar評価を繰り返して行う必要がある。
WA−Ar評価を繰り返して行う必要がある。
以下の表6及び表7において、この特定の方法論の例に対するさらなる詳細が与えられる。
別の例示的な方法論において、患者を刺激薬の乱用に対して入院患者基準若しくは外来患者基準に基づいて、又は刺激薬及びアルコールの乱用に対して入院患者基準若しくは外来患者基準に基づいて治療する。
患者を適切にスクリーニングし、入院患者治療のための治療施設に入院させた後、患者は3日の期間にわたる一連の治療を含む1回目の治療サイクルを受ける。1日目に、患者にヒドロキシジン及び選択的塩素イオンチャネルモジュレーター、好ましくはフルマゼニルを投与する。一実施形態では、フルマゼニル点滴の1時間前に患者に経口でヒドロキシジンHCL50mgを投与する。施術医師がヒドロキシジンHCL投与及びその後の全ての薬物の投与回数を記録する。
2つの輸液バッグを準備する。第1の輸液バッグには、500ccのリンガー乳酸溶液が含まれ、これにチアミン及びマルチビタミン成分が添加される。第2の輸液バッグには、フルマゼニル投与後にラインを洗浄するための500ccのリンガー乳酸溶液が含まれる。第1の輸液バッグに、チアミン250mg及び5ccのMVIバイアルを添加する。フルマゼニルの各投与後のラインの洗浄、及びその後のフルマゼニルの投与のために二方活栓を使用して静脈にIVを挿入する。ヘパリンロックは、入院状態で入院患者に取り付けることができる。静脈内へのビタミン注入は、200〜250cc/時間の速度で投与される。施術医師が、注入前及びフルマゼニル投与後3〜5分ごとに患者の脈、血圧及び呼吸数をとり、記録することが好ましい。
施術医師は、二方活栓を使用し、ビタミンの流れを止めて、患者へと続くラインでさらなる色が見られなくなるまで、患者へと続くラインをリンガー乳酸溶液で洗浄する必要がある。それから、フルマゼニルを下記のように投与し、フルマゼニルの各投与後、リンガー乳酸溶液でラインを洗浄する必要がある。
自由に流れる静脈内注入において、フルマゼニルは以下のように約1分間、静脈を介して投与する必要がある:
3分ごとに0.1mgで2回の投与、
3分ごとに0.2mgで2回の投与、そして
全用量2mgが与えられるまで2分ごとに0.3mg。
3分ごとに0.1mgで2回の投与、
3分ごとに0.2mgで2回の投与、そして
全用量2mgが与えられるまで2分ごとに0.3mg。
用量を増やすか、又は投与間の時間を減らすときに何らかの不快症状が観察されるか、又は報告される場合、薬剤の投与を不快症状が出る前のレベルに戻すか、又は開始レベルにまで戻す必要がある。フルマゼニル投与の標準的な全用量は、1回目の治療サイクルでは6mg、及び2回目の治療サイクルでは4mgであり、全用量は10mg与えられる。
フルマゼニルの投与が完了すると、ビタミン注入を継続することができる。患者は、フルマゼニル投与後3時間、医学的にモニタリングすべきである。モニタリングプロセス中、刺激薬及びアルコールの依存の組み合わせを治療する場合、CIWA−Ar評価を継続する必要がある。
就寝前に、患者に経口でガバペンチン300mg、及び施術医師が患者の睡眠にヒドロキシジンHCLが必要であると判断した場合、就寝前にヒドロキシジンHCLを投与する。
2日目に、上記で詳述したように、患者にヒドロキシジン及びフルマゼニルを投与する。就寝前に、患者に経口でガバペンチン600mg、及び睡眠に必要であれば、経口でヒドロキシジンHCL50mgを投与する。
3日目に、上記で詳述したように、患者にヒドロキシジン及びフルマゼニルを投与する。患者は、就寝前にガバペンチン900mg、及び睡眠に必要であれば、経口でヒドロキシジンHCL50mgを服用することを指示される。その後、患者は、必要であれば、就寝前にガバペンチン1200mg、及び睡眠に必要であれば、経口でヒドロキシジンHCL50mgを服用することを指示される。退院前に、患者は以下の薬物を処方される:ヒドロキシジンHCL(1週間就寝前に経口で50mg)、ガバペンチン(1回目の治療サイクルの翌日から開始して、次の治療サイクルまでの間、就寝前に1200mgを服用すべきであり、2回目の治療サイクル後1週間1200mgで継続し、それから0に漸減させる)、マルチビタミン(1ヶ月間経口で1日1回)、及びチアミン(1ヶ月間経口で毎日250mg)。
好ましくは21〜28日の期間の後、患者を2回目の治療サイクルで再評価する。一実施形態では、予め設定された期間(例えば28日)治療に従事することができない患者で1回目の治療サイクルを再び開始する。患者を刺激薬及びアルコールの依存の組み合わせについて治療している場合、CIWA−Arを使用して再評価を行う。適切な場合、それから患者は1日当たり1200mgのガバペンチンをこの2回目の治療サイクルを通して継続するように指示される。
患者が外来患者基準に基づいて治療される場合、患者を適切にスクリーニングした後、患者は3日の期間にわたる一連の治療を含む1回目の治療サイクルを受ける。1日目に、患者にヒドロキシジン及び選択的塩素イオンチャネルモジュレーター、好ましくはフルマゼニルを投与する。一実施形態では、上記のような様式でフルマゼニルを注入する1時間前に患者に経口でヒドロキシジンHCL50mgを投与する。注入が完了した後、患者に経口でガバペンチン300mgを投与し、刺激薬及びアルコールの依存の組み合わせについて治療している場合、CIWA−Ar評価を繰り返す。CIWA−ARの値が6未満である場合、患者は解放される可能性がある。患者に50mgのヒドロキシジンHCLが提供され、睡眠に必要であれば、就寝前に服用するという指示が与えられる。
2日目に、患者にヒドロキシジン及び選択的塩素イオンチャネルモジュレーター、好ましくはフルマゼニルを投与する。一実施形態では、上記のような様式でフルマゼニルを注入する1時間前に患者に経口でヒドロキシジンHCL50mgを投与する。注入が完了した後、患者に経口でガバペンチン600mgを投与し、刺激薬及びアルコールの依存の組み合わせについて治療している場合、CIWA−Ar評価を繰り返す。CIWA−ARの値が6未満である場合、患者は解放される可能性がある。患者に50mgのヒドロキシジンHCLが提供され、睡眠に必要であれば、就寝前に服用するという指示が与えられる。
3日目に、患者にヒドロキシジン及び選択的塩素イオンチャネルモジュレーター、好ましくはフルマゼニルを投与する。一実施形態では、上記のような様式でフルマゼニルを注入する1時間前に患者に経口でヒドロキシジンHCL50mgを投与する。注入が完了した後、患者に経口でガバペンチン900mgを投与し、刺激薬及びアルコールの依存の組み合わせについて治療している場合、CIWA−Ar評価を繰り返す。CIWA−ARの値が6未満である場合、患者は解放される可能性がある。
治療3日目の終わりに、患者は以下の薬物を処方される:ヒドロキシジンHCL(1週間就寝前に経口で50mg)、ガバペンチン(1回目の治療サイクルの翌日から開始して、次の治療サイクルまでの間、就寝前に1200mgを服用すべきであり、2回目の治療サイクル後1週間1200mgで継続し、それから0に漸減させる)、マルチビタミン(1ヶ月間経口で1日1回)、及びチアミン(1ヶ月間経口で毎日250mg)。
好ましくは21〜28日の期間の後、患者を2回目の治療サイクルで再評価する。一実施形態では、予め設定された期間(例えば28日)治療に従事することができない患者で1回目の治療サイクルを再び開始する。患者を刺激薬及びアルコールの依存の組み合わせについて治療している場合、CIWA−Arを使用して再評価を行う。
以下の表8及び表9において、この特定の方法論の例に対するさらなる詳細が与えられる。
別の例示的な方法論において、患者をアルコールの乱用に対して入院患者基準に基づいて治療する。患者を適切にスクリーニングし、入院患者治療のための治療施設に入院させた後、患者は2〜3日の期間にわたる一連の治療を含む1回目の治療サイクルを受ける。好ましくは、治療エピソード間の間隔は12時間以上30時間以下である必要がある。
1日目に、患者にヒドロキシジン及び選択的塩素イオンチャネルモジュレーター、好ましくはフルマゼニルを投与する。一実施形態では、フルマゼニル点滴の1時間前に患者に経口でヒドロキシジンHCL50mgを投与する。施術医師がヒドロキシジンHCL投与及びその後の全ての薬物の投与回数を記録する。
2つの輸液バッグを準備する。第1の輸液バッグには、500ccのリンガー乳酸溶液が含まれ、これにチアミン及びマルチビタミン成分が添加される。第2の輸液バッグには、フルマゼニル投与後にラインを洗浄するための500ccのリンガー乳酸溶液が含まれる。第1の輸液バッグに、チアミン100mg及び5ccのMVIバイアルを添加する。フルマゼニルの各投与後のラインの洗浄、及びその後のフルマゼニルの投与のために二方活栓を使用して静脈にIVを挿入する。ヘパリンロックは、入院状態で入院患者に取り付けることができる。静脈内へのビタミン注入は、150〜200cc/時間の速度で投与される。施術医師が、注入前及びフルマゼニル投与後3〜5分ごとに患者の脈、血圧及び呼吸数をとり、記録することが好ましい。
施術医師は、二方活栓を使用し、ビタミンの流れを止めて、患者へと続くラインでさらなる色が見られなくなるまで、患者へと続くラインをリンガー乳酸溶液で洗浄する必要がある。それから、フルマゼニルを下記のように投与し、フルマゼニルの各投与後、リンガー乳酸溶液でラインを洗浄する必要がある。
自由に流れる静脈内注入において、フルマゼニルは以下のように約1分間、静脈を介して投与する必要がある:
3分ごとに0.1mgで2回の投与、
3分ごとに0.2mgで2回の投与、そして
全用量2mgが与えられるまで2分ごとに0.3mg。
3分ごとに0.1mgで2回の投与、
3分ごとに0.2mgで2回の投与、そして
全用量2mgが与えられるまで2分ごとに0.3mg。
用量を増やすか、又は投与間の時間を減らすときに何らかの不快症状が観察されるか、又は報告される場合、薬剤の投与を不快症状が出る前のレベルに戻すか、又は開始レベルにまで戻す必要がある。フルマゼニル投与の標準的な全用量は、2回の治療エピソード(1日目及び2日目の治療)では4mg、及び3回の治療エピソード(1日目、2日目及び3日目の治療)では6mgである。
フルマゼニルの投与が完了すると、ビタミン注入を継続することができる。患者は、フルマゼニル投与後3時間、医学的にモニタリングすべきである。モニタリングプロセス中、CIWA−Ar評価を継続する必要がある。
就寝前(例えば、だいたい午後9時)に、患者に経口でガバペンチン300mg、及び経口で就寝前にヒドロキシジンHCL50mgを投与する。また患者は、CIWA−Arで評価する。
2日目に、上記で詳述したように、患者にヒドロキシジン及びフルマゼニルを投与する。患者に退院前に経口でガバペンチン600mg、及び就寝前に経口でヒドロキシジンHCL50mgを投与する。患者のCIWA−Arの値に応じて、3日目の治療が必要であり得る患者もいる。3回目の治療エピソード(すなわち、3日目)が必要である場合、患
者に午後9時前に経口でガバペンチン600mg、退院前に経口でガバペンチン900mgを投与する。
者に午後9時前に経口でガバペンチン600mg、退院前に経口でガバペンチン900mgを投与する。
治療最終日の終わりに、患者は以下の薬物を処方される:ヒドロキシジンHCL(1週間就寝前に経口で50mg)、ガバペンチン(1回目の治療サイクルの翌日から開始して、30日間、就寝前に経口で900mg、31〜33日目、就寝前に経口で600mg、及び34〜37日目、就寝前に経口で300mg)、マルチビタミン(1ヶ月間経口で1日1回)、及びチアミン(1ヶ月間経口で毎日100mg)。
別の例示的な方法論において、患者をアルコールの乱用に対して外来患者基準に基づいて治療する。患者を適切にスクリーニングした後、患者は2日の期間にわたる一連の治療を含む1回目の治療サイクルを受ける。好ましくは、治療エピソード間の間隔は12時間以上30時間以下である必要がある。
1日目に、患者にヒドロキシジン及び選択的塩素イオンチャネルモジュレーター、好ましくはフルマゼニルを投与する。一実施形態では、フルマゼニル点滴の1時間前に患者に経口でヒドロキシジンHCL50mgを投与する。施術医師がヒドロキシジンHCL投与及びその後の全ての薬物の投与回数を記録する。
2つの輸液バッグを準備する。第1の輸液バッグには、500ccのリンガー乳酸溶液が含まれ、これにチアミン及びマルチビタミン成分が添加される。第2の輸液バッグには、フルマゼニル投与後にラインを洗浄するための500ccのリンガー乳酸溶液が含まれる。第1の輸液バッグに、チアミン100mg及び5ccのMVIバイアルを添加する。フルマゼニルの各投与後のラインの洗浄、及びその後のフルマゼニルの投与のために二方活栓を使用して静脈にIVを挿入する。ヘパリンロックは、入院状態で入院患者に取り付けることができる。静脈内へのビタミン注入は、150〜200cc/時間の速度で投与される。施術医師が、注入前及びフルマゼニル投与後3〜5分ごとに患者の脈、血圧及び呼吸数をとり、記録することが好ましい。
施術医師は、二方活栓を使用し、ビタミンの流れを止めて、患者へと続くラインでさらなる色が見られなくなるまで、患者へと続くラインをリンガー乳酸溶液で洗浄する必要がある。それから、フルマゼニルを下記のように投与し、フルマゼニルの各投与後、リンガー乳酸溶液でラインを洗浄する必要がある。
自由に流れる静脈内注入において、フルマゼニルは以下のように約1分間、静脈を介して投与する必要がある:
3分ごとに0.1mgで2回の投与、
3分ごとに0.2mgで2回の投与、そして
全用量2mgが与えられるまで2分ごとに0.3mg。
3分ごとに0.1mgで2回の投与、
3分ごとに0.2mgで2回の投与、そして
全用量2mgが与えられるまで2分ごとに0.3mg。
用量を増やすか、又は投与間の時間を減らすときに何らかの不快症状が観察されるか、又は報告される場合、薬剤の投与を不快症状が出る前のレベルに戻すか、又は開始レベルにまで戻す必要がある。フルマゼニル投与の標準的な全用量は、2回の治療エピソード(1日目及び2日目の治療)では4mgである。
フルマゼニルの投与が完了すると、ビタミン注入を継続することができる。患者は、フルマゼニル投与後3時間、医学的にモニタリングすべきである。モニタリングプロセス中、CIWA−Ar評価を継続する必要がある。
1回目の治療サイクル後に患者を解放する前に、患者をCIWA−Arで評価し、値が6未満であった場合に解放する。患者に経口でガバペンチン300mgを投与する。また患者は、就寝前に経口でヒドロキシジンHCL50mgを服用するように指示される。
2日目に、上記で詳述したように、患者にヒドロキシジン及びフルマゼニルを投与する。患者をCIWA−Arを使用して評価し、退院前に、経口でガバペンチン600mgを投与する。
治療最終日の終わりに、患者は以下の薬物を処方される:ヒドロキシジンHCL(1週間就寝前に経口で50mg)、ガバペンチン(1回目の治療サイクルの翌日から開始して、30日間、就寝前に経口で900mg、31〜33日目、就寝前に経口で600mg、及び34〜37日目、就寝前に経口で300mg)、マルチビタミン(1ヶ月間経口で1日1回)、及びチアミン(1ヶ月間経口で毎日100mg)。
別の例示的な方法論において、患者は、アルコール依存について治療される。好ましくは、この治療方法論において、一連の実施される治療エピソード間の間隔は、12時間以上24時間以下である必要がある。
特に禁忌を示さない限り、1日目に、患者に経口でヒドロキシジンHCL50を50mg投与する。少なくとも1時間後、フルマゼニル等の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターを投与する。選択的塩素イオンチャネルモジュレーターを点滴する前に、2つの輸液バッグを準備する。第1の輸液バックには、500ccの1/2標準生理食塩水(NS)が含まれ、これにチアミン、ピリドキシン及び他のビタミン成分が添加される。第2の輸液バッグには、ラインを洗浄するため、及びその後の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの投与のための500ccの1/2NSが含まれる。100mgのチアミン、25mgのピリドキシン、及び5ccのMVIを第1の輸液バッグに添加することが好ましい。第1の輸液バッグは、肘静脈窩の静脈に取り付けることによって、125cc/時間(NTE 150cc/時間)で患者に投与される。静脈ラインには、ラインの洗浄及び
その後の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの投与のための二方活栓の使用がさらに含まれる。二方活栓を使用して、患者へと続くラインでさらなる色が見られなくなるまで、ラインを1/2NSで洗浄する必要がある。
その後の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの投与のための二方活栓の使用がさらに含まれる。二方活栓を使用して、患者へと続くラインでさらなる色が見られなくなるまで、ラインを1/2NSで洗浄する必要がある。
ラインを洗浄したら、選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの投与を開始することができる。選択的塩素イオンチャネルモジュレーターがフルマゼニルの場合、全用量2mgがそれぞれの治療エピソードで与えられる。薬物は静脈ボーラスによって以下のように与えられる必要がある:a)3分ごとに0.1mgで2回の投与、b)3分ごとに0.2mgで2回の投与、そしてc)全用量2mgが与えられるまで2分ごとに0.3mg。用量を増やすか、又は投与間の時間を減らすときに何らかの不快症状が観察されるか、又は報告される場合、薬剤の投与を不快症状が出る前のレベルに戻すか、又は開始レベルにまで戻す必要がある。一実施形態では、フルマゼニル投与の全用量は、1回目の治療サイクルでは6mg(3回の治療エピソード)、及び2回目の治療サイクルでは4mg(2回の治療エピソード)である。フルマゼニルの投与のパラメータは、場合によって変更することができる。量を2mg用量より高くするか、又は1回の投与当たり0.3mgより高くすることができる。さらに、投与間の期間をわずかに増減させることができる。フルマゼニル投与が完了し、ラインを1/2NSで洗浄すると、ビタミン注入を再び開始することができる。患者はフルマゼニル投与後3時間はモニタリングする必要があり、その間CIWA−Ar評価を繰り返して行う必要がある。
表7及び表8において、この特定の方法論の例に対するさらなる詳細が与えられる。
本発明の別の実施形態において、アルコール及び刺激薬に対する渇望を治療するために、フルマゼニル等の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの使用及び投与する方法論を提供する。上記の一般的な方法論に従って投与する場合、治療に有効な量の化合物を患者で維持し、それによりアルコール及び刺激薬に対する渇望を有意に低減する。本発明はまた、大きな副作用なしでフルマゼニルを投与することを提供する。
本発明の別の実施形態において、精神刺激薬の渇望の治療のための、フルマゼニル等の治療に有効な量の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの使用及び投与に関する方法論が与えられ、これにより解毒中の離脱症状を低減し、精神刺激薬の中毒を治療して、認知能力、精神的明晰、及び集中力が改善させる。本発明の方法論に従って投与される場合、治療に有効な量の薬剤が患者で維持されることによって、精神刺激薬に対する渇望が有意に低減される。
本発明はまた、離脱症状を低減するため、また場合によって取り除くため、及び一般的に精神刺激薬に対する中毒を治療するための選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの投与を提供する。好ましくは、精神刺激薬に対する渇望を低減するための治療に有効な量が投与されるまで、フルマゼニル等の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの種類における薬剤を所定の期間、複数の用量で投与する。
本発明の別の実施形態において、治療の投与中及び治療後の両方の患者の脱落率を低減するために、フルマゼニル等の治療に有効な量の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターを使用及び投与する方法論を記載する。本発明の方法論に従って投与される場合、治療に有効な量の化合物が患者で維持されることによって、アルコール及び或る特定の刺激薬に対する渇望を有意に低減し、これにより、患者の脱落率がより低くなる。またこのような投与により、より副作用の小さいフルマゼニルの投与が与えられる。これらの低い用量レベルであっても、この治療は患者の脱落率を低減するのに効果的であり、一方で治療にも効果的である。
以下の実施例は本発明を明示するものであり、本発明の範囲を限定するものとは見なされるべきではない。
所定期間で複数の用量でのフルマゼニルによる患者の治療
1.1 実験プロトコル
64人(51人の男性及び13人の女性)のアルコール依存者が自発的に、アルコールの使用を止めさせる治療プログラムに参加した。患者には適切な情報が与えられ、対応するインフォームド・コンセントフォームを患者から得た。離脱症状のより良好な評価ができるように、治療を行う午前中にアルコールを飲まないように患者に警告した。表14は、アルコール使用に関して治療した患者の特徴を要約している。
1.1 実験プロトコル
64人(51人の男性及び13人の女性)のアルコール依存者が自発的に、アルコールの使用を止めさせる治療プログラムに参加した。患者には適切な情報が与えられ、対応するインフォームド・コンセントフォームを患者から得た。離脱症状のより良好な評価ができるように、治療を行う午前中にアルコールを飲まないように患者に警告した。表14は、アルコール使用に関して治療した患者の特徴を要約している。
治療を開始する前に、患者は全面的な身体検査及び全面的な心理検査を受けた。午前の間中の患者のモニタリングには、全血球数算定、生化学的プロファイル(クレアチニン、グルコース、血中尿素窒素(BUN)、コレステロール(HDL及びLDL)、トリグリセリド、アルカリホスファターゼ、LDH(乳酸脱水素酵素)、及び総タンパク質)、肝機能検査(GOT、GPT、GGT、ビリルビン)、心電図、並びに必要であれば妊娠検査及びX線検査が含まれた。適用される排除基準には、急性の病気又は非代償性の病気、及びフルマゼニルに禁忌である任意の薬剤の服用が含まれた。入院前の問診後に排除された患者はおらず、試験を行った。1人の患者の心臓の病状を確認するまで、その患者の入院を先延ばしにした。
フルマゼニルの投与前後で、CIWA−A評価(Adinoff他、Medical Toxicology 3: 172-196(1998))、並びに心拍数及び血圧を使用して離脱症状を測定した。表15は、入院中に行われる治療プロトコルを示す。
フルマゼニルを3分ごとに0.2mgの用量(最大で全量2mg/日)で投与した。この1回の投与量は、他の医薬品又は精神病理学による離脱又は相互作用に関する副作用を最小限に抑えるように定めた。
顕著な不安を示した患者に、フルマゼニル投与の30分前に、さらに192mgの用量のクロメチアゾールを投与した。
病院から退院する前に、以下の薬剤を処方した:
ビタミンB複合体:朝食中に1回の用量及び昼食中に1回の用量で1ヶ月;
ピラセタム、又は薬理学的に等価である薬物:朝食中に1回の用量で1週間3g、及び朝食中に1回の用量及び昼食中に1回の用量で1ヶ月間800mg;
フルオキセチン:朝食中に1回の用量で2ヶ月間20mg;
クロメチアゾール:朝食中に1回の用量及び夕食中に1回の用量で1週間192mg、並びにその後第2週に用量を排除;
ジスルフィラム:朝食中に1回の用量で250mg。
ビタミンB複合体:朝食中に1回の用量及び昼食中に1回の用量で1ヶ月;
ピラセタム、又は薬理学的に等価である薬物:朝食中に1回の用量で1週間3g、及び朝食中に1回の用量及び昼食中に1回の用量で1ヶ月間800mg;
フルオキセチン:朝食中に1回の用量で2ヶ月間20mg;
クロメチアゾール:朝食中に1回の用量及び夕食中に1回の用量で1週間192mg、並びにその後第2週に用量を排除;
ジスルフィラム:朝食中に1回の用量で250mg。
治療プログラムの一部として、患者は、頻度を減少させながら9ヶ月間外来患者治療センターに通うように指示された(最初の3ヶ月間は1週間に1回、次の3ヶ月間は2週間ごとに1回、及びその次の3ヶ月間は1ヶ月に1回)。
同様に、認知行動療法の半構造の追跡治療を行った。個人の心理療法及び家庭の心理療法は、4つの主要な治療介入(認知の再構築、作業療法、再発の防止、及びストレス低減)に焦点を当てていて、患者の社会生活、家庭生活、労働生活、私生活及び余暇生活の更生を目指した。
1.2 結果
64人の治療患者の中で、3人の患者において、フルマゼニルの1回目の投与を中断し、翌日まで先送りにした:患者の1人は、明らかにアルコール中毒であり、精神錯乱の著
しい増大が示され、もう1人は末端の振戦が大幅に増大し、残りの1人はベンゾジアゼピンに対しても中毒であり、不安の有意な増大が示された。もう1つのグループの3人の患者は、集中治療室におけるプロポフォールによる鎮静下でフルマゼニルの1回目の投与を受けた。
64人の治療患者の中で、3人の患者において、フルマゼニルの1回目の投与を中断し、翌日まで先送りにした:患者の1人は、明らかにアルコール中毒であり、精神錯乱の著
しい増大が示され、もう1人は末端の振戦が大幅に増大し、残りの1人はベンゾジアゼピンに対しても中毒であり、不安の有意な増大が示された。もう1つのグループの3人の患者は、集中治療室におけるプロポフォールによる鎮静下でフルマゼニルの1回目の投与を受けた。
約10%の患者が、フルマゼニルの投与の間又は直後に頭痛を訴え、数分後、又はメタミゾールマグネシウムの投与後に消失した。
1.3 1回目のフルマゼニルの投与後の結果
55人の患者のCIWA−Aの値は、47.3%が有意に低減し(t:−7.713、p<0.000)、40.0%が変化せず、12.7%が有意に増大した(t:2.511、p<0.046)ことを示した(3人の患者において、最も大きい増大を示し、治療を中断した)。
55人の患者のCIWA−Aの値は、47.3%が有意に低減し(t:−7.713、p<0.000)、40.0%が変化せず、12.7%が有意に増大した(t:2.511、p<0.046)ことを示した(3人の患者において、最も大きい増大を示し、治療を中断した)。
55人の患者の心拍数値は、50.9%が有意に低減し(t:−8.820、p<0.000)、40.0%が変化せず、9.1%が有意に増大した(t:4.750、p<0.009)ことを示した。
53人の患者の最高血圧値は、47.2%が有意に低減し(t:−9.908、p<0.000)、37.7%が変化せず、15.1%が有意に増大した(t:4.314、p<0.004)ことを示した。
53人の患者の最低血圧値は、34%が有意に低減し(t:−9.220、p<0.000)、47.2%が変化せず、18.9%が有意に増大した(t:5.511、p<0.000)ことを示した。
1.4 2回目のフルマゼニルの投与後の結果
58人の患者のCIWA−Aの値は、36.2%が有意に低減し(t:−5.363、p<0.000)、55.2%が変化せず、8.6%が有意に増大した(t:4.000、p<0.016)ことを示した。
58人の患者のCIWA−Aの値は、36.2%が有意に低減し(t:−5.363、p<0.000)、55.2%が変化せず、8.6%が有意に増大した(t:4.000、p<0.016)ことを示した。
55人の患者の心拍数値は、41.8%が有意に低減し(t:−8.523、p<0.000)、58.2%が変化しなかったことを示した。
56人の患者の最高血圧値は、28.6%が有意に低減し(t:−7.596、p<0.000)、55.4%が変化せず、16.1%が有意に増大した(t:4.612、p<0.002)ことを示した。
56人の患者の最低血圧値は、28.6%が有意に低減し(t:−6.325、p<0.000)、51.8%が変化せず(n=29)、19.6%が有意に増大した(t:6.640、p<0.000)ことを示した。
表16は、(18時間の終わりにおいて)治療の前後で得られた結果を統計的に要約している。表17は、追跡治療のデータを要約している。
食欲及び睡眠等の精神生理学的機能は、入院中非常に迅速に回復した。入院2日目、患者は午後の間に病院の外で数時間過ごすことが許可された。何人かの患者は病院の外で夕食を取った。もっとも特筆すべき結果は、患者の大多数からのアルコールを飲むことに対する不安及び欲望がなくなったという自発的な口頭報告である。
アルコール依存を治療するためのフルマゼニルを投与する方法論の改善
プロトコルを開始する前に、患者は全面的な身体検査及び全面的な心理検査を受けた。患者のモニタリングには、全血球数算定、生化学的プロファイル(クレアチニン、グルコース、血中尿素窒素(BUN)、コレステロール(HDL及びLDL)、トリグリセリド、アルカリホスファターゼ、LDH(乳酸脱水素酵素)、及び総タンパク質)、肝機能検査(GOT、GPT、GGT、ビリルビン)、心電図、並びに必要であれば妊娠検査及びX線検査が含まれた。適用される排除基準には、急性の病気又は非代償性の病気、及びフルマゼニルに禁忌である任意の薬剤の服用が含まれた。入院前の問診後に排除された患者はおらず、試験を行った。
プロトコルを開始する前に、患者は全面的な身体検査及び全面的な心理検査を受けた。患者のモニタリングには、全血球数算定、生化学的プロファイル(クレアチニン、グルコース、血中尿素窒素(BUN)、コレステロール(HDL及びLDL)、トリグリセリド、アルカリホスファターゼ、LDH(乳酸脱水素酵素)、及び総タンパク質)、肝機能検査(GOT、GPT、GGT、ビリルビン)、心電図、並びに必要であれば妊娠検査及びX線検査が含まれた。適用される排除基準には、急性の病気又は非代償性の病気、及びフルマゼニルに禁忌である任意の薬剤の服用が含まれた。入院前の問診後に排除された患者はおらず、試験を行った。
さらに、精神障害と診断された患者は抗精神病薬物を受けた。動脈性高血圧と診断された患者は適切な薬物を処方されるか、又は任意の現行の薬物を継続するように指示された。
その後、患者に2回の投与の間、3分ごとに0.1mgのフルマゼニルを静脈内投与した。患者が何ら不快症状を感じなかった場合、それから用量を2分ごとに最大0.3mgまで増大させた。投与したフルマゼニルの総用量は、アルコール依存のための治療過程にわたって、1日当たり最大3.0mgであった。
患者は、アミノ酸、栄養素、及びビタミンも投与された。患者のストレス及び/又は不快症状を低減するために、常習性のない鎮静薬も投与された。
プロトコルの投与の後に、患者は6〜24ヶ月の外来患者治療(最初の2ヶ月間は1週間に1回、次の4ヶ月間は2週間ごと、その次の6ヶ月間は1ヶ月に1回、及び最後の12ヶ月は2ヶ月ごとに1回)を受けた。患者に応じて、外来患者治療には、認知行動療法の半構造の追跡治療、例えば認知の再構築、ネットワーク療法、再発防止、及びストレス低減が挙げられ得る個人の心理療法及び家庭の心理療法が含まれた。
アルコール依存を治療するためにフルマゼニルを投与する方法論の改善
本発明のこの実施形態によれば、このような実施例に関する限りでは、アルコールに対
する渇望を治療するプロトコルが以下の表に記載されている。
本発明のこの実施形態によれば、このような実施例に関する限りでは、アルコールに対
する渇望を治療するプロトコルが以下の表に記載されている。
退院時、以下のものを投与することができる:ジスルフィラム250mg(6ヶ月間は毎日)、グルタミン酸500mg(1日1回を1日、1日2回を1日、その後2週間は1日3回)、ビタミンB複合体(毎日)、並びにAtarax50mg(1週間就寝前)、及び25mg(その後1週間就寝前)。
コカイン依存を治療するためのフルマゼニルを投与する方法論の改善
プロトコルを開始する前に、患者は全面的な身体検査及び全面的な心理検査を受けた。患者のモニタリングには、全血球数算定、生化学的プロファイル(クレアチニン、グルコース、尿素、コレステロール(HDL及びLDL)、トリグリセリド、アルカリホスファターゼ、LDH(乳酸脱水素酵素)、及び総タンパク質)、肝機能検査(GOT、GPT、GGT、ビリルビン)、心電図、及び正当な理由があれば、妊娠検査及びX線検査が含まれた。適用される排除基準には、急性の病気又は非代償性の病気、並びにフルマゼニルに禁忌である任意の薬剤の服用が含まれる。入院前の問診後に排除された患者はおらず、試験を行った。
プロトコルを開始する前に、患者は全面的な身体検査及び全面的な心理検査を受けた。患者のモニタリングには、全血球数算定、生化学的プロファイル(クレアチニン、グルコース、尿素、コレステロール(HDL及びLDL)、トリグリセリド、アルカリホスファターゼ、LDH(乳酸脱水素酵素)、及び総タンパク質)、肝機能検査(GOT、GPT、GGT、ビリルビン)、心電図、及び正当な理由があれば、妊娠検査及びX線検査が含まれた。適用される排除基準には、急性の病気又は非代償性の病気、並びにフルマゼニルに禁忌である任意の薬剤の服用が含まれる。入院前の問診後に排除された患者はおらず、試験を行った。
さらに、精神障害と診断された患者は抗精神病薬物を受けた。動脈性高血圧と診断された患者は適切な薬物を処方されるか、又は任意の現行の薬物を継続するように指示された。
患者に2回の投与の間、3分ごとに0.1mgのフルマゼニルを投与した。患者が何ら不快症状を感じなかった場合、それから用量を2分ごとに最大0.3mgまで増大させた。投与したフルマゼニルの総用量は、治療過程にわたって、1日当たり最大3mgであった。
患者は、アミノ酸、栄養素、及びビタミンも選択的に投与された。患者のストレス及び
/又は不快症状を低減するために、常習性のない鎮静薬も投与された。プロトコルの投与の後に、患者は6〜24ヶ月の外来患者治療(最初の2ヶ月間は1週間に1回、次の4ヶ月間は2週間ごと、その次の6ヶ月間は1ヶ月に1回、及び最後の12ヶ月は2ヶ月ごとに1回)を受けた。患者に応じて、外来患者治療には、認知行動療法の半構造の追跡治療(follow-)、例えば認知の再構築、ネットワーク療法、再発防止、及びストレス低減が挙げられ得る個人の心理療法及び家庭の心理療法が含まれた。
/又は不快症状を低減するために、常習性のない鎮静薬も投与された。プロトコルの投与の後に、患者は6〜24ヶ月の外来患者治療(最初の2ヶ月間は1週間に1回、次の4ヶ月間は2週間ごと、その次の6ヶ月間は1ヶ月に1回、及び最後の12ヶ月は2ヶ月ごとに1回)を受けた。患者に応じて、外来患者治療には、認知行動療法の半構造の追跡治療(follow-)、例えば認知の再構築、ネットワーク療法、再発防止、及びストレス低減が挙げられ得る個人の心理療法及び家庭の心理療法が含まれた。
コカイン依存を治療するためにフルマゼニルを投与する方法論の改善
本発明のこの実施形態によれば、このような実施例に関する限りでは、コカインに対する渇望を治療するプロトコルが以下の表に記載されている。
本発明のこの実施形態によれば、このような実施例に関する限りでは、コカインに対する渇望を治療するプロトコルが以下の表に記載されている。
退院時、以下のものを投与することができる:ニューロンチン400mg(1日1回(朝))を1日、その後1日2回(朝及び就寝前)を1日、その後1日3回を6ヶ月間継続(中断するために1週間に400mgずつ減らす))、グルタミン酸500mg(1日1回を1日、1日2回を1日、その後2週間は1日3回)、ビタミンB複合体(毎日)、並びにAtarax50mg(1週間就寝前)、及び25mg(その後1週間就寝前)。
アルコール離脱の治療のためにフルマゼニルを投与する方法論の強化
以下の実施例は、アルコール依存の治療のための、フルマゼニルを投与する強化されたプロトコルの一実施形態のものである。プロトコルの強化は、GABAA受容体イオノフォア複合体の標識化に焦点を当てて行っている。本実施形態は、1)緊急に薬物の解毒が必要な患者のトリアージ(triage)のため、及び2)プロトコル治療の急性段階の間中、症状に基づいた追跡を与えるために、CIWAに基づいたアルゴリズムを採用している。プロトコルの強化により、脱離に関する睡眠障害及び不安も軽減される。さらに、プロトコルの強化により、GABAトーン及びGABA伝達を相乗的に高める鍵となる補因子が与えられる。
以下の実施例は、アルコール依存の治療のための、フルマゼニルを投与する強化されたプロトコルの一実施形態のものである。プロトコルの強化は、GABAA受容体イオノフォア複合体の標識化に焦点を当てて行っている。本実施形態は、1)緊急に薬物の解毒が必要な患者のトリアージ(triage)のため、及び2)プロトコル治療の急性段階の間中、症状に基づいた追跡を与えるために、CIWAに基づいたアルゴリズムを採用している。プロトコルの強化により、脱離に関する睡眠障害及び不安も軽減される。さらに、プロトコルの強化により、GABAトーン及びGABA伝達を相乗的に高める鍵となる補因子が与えられる。
アルコール離脱を治療する例示的な強化されたプロトコルにおいて、患者は上記の治療
前レジメンを受ける。治療の1日目に、患者は静脈内注入を介してフルマゼニルを受け、最終的に1回の投与間隔当たり全量2mgが送達される。患者はさらに、日中50mgのヒドロキシジン、及び就寝前又は夕方に50mgのヒドロキシジンを受ける。患者はさらに、強化ビタミンB複合体及び300mgの用量でガバペンチンを受ける。
前レジメンを受ける。治療の1日目に、患者は静脈内注入を介してフルマゼニルを受け、最終的に1回の投与間隔当たり全量2mgが送達される。患者はさらに、日中50mgのヒドロキシジン、及び就寝前又は夕方に50mgのヒドロキシジンを受ける。患者はさらに、強化ビタミンB複合体及び300mgの用量でガバペンチンを受ける。
治療の2日目に、患者は静脈内注入を介してフルマゼニルを受け、最終的に1回の投与間隔当たり全量2mgが送達される。患者はさらに、日中50mgのヒドロキシジン、及び就寝前又は夕方に50mgのヒドロキシジンを受ける。患者はさらに、強化ビタミンB複合体を毎日、並びに300mgの用量でガバペンチンを昼及び夕方又は就寝前に受ける。
退院後1日目及び2日目、患者は就寝前又は夕方に50mgのヒドロキシジンを受ける。30日間、患者は昼及び夕方又は就寝前に900mgの用量でガバペンチンを受け、それから0まで漸減する。1週間毎日、患者はビタミンB複合体も受ける。
アルコール離脱の治療のためにフルマゼニルを投与する方法論の強化
アルコール離脱を治療する第3の例示的な方法論において、患者はCIWA評価及び50mgの用量でのヒドロキシジンの投与を含む治療前手順を受ける。治療の1日目に、1回目の点滴が患者に投与される。1回目の点滴には、2時間にわたってビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンB複合体、及びフルマゼニル2mgが含まれる。1回目の点滴の後、患者は、一般的に昼遅くから夕方にかけての治療後手順を受け、これには、夕方又は就寝前のCIWA評価、300mgの用量でのガバペンチンの投与、及び50mgの用量でのヒドロキシジンの投与が含まれる。
アルコール離脱を治療する第3の例示的な方法論において、患者はCIWA評価及び50mgの用量でのヒドロキシジンの投与を含む治療前手順を受ける。治療の1日目に、1回目の点滴が患者に投与される。1回目の点滴には、2時間にわたってビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンB複合体、及びフルマゼニル2mgが含まれる。1回目の点滴の後、患者は、一般的に昼遅くから夕方にかけての治療後手順を受け、これには、夕方又は就寝前のCIWA評価、300mgの用量でのガバペンチンの投与、及び50mgの用量でのヒドロキシジンの投与が含まれる。
治療の2日目に、患者はCIWA評価及び50mgの用量でのヒドロキシジンの投与を含む治療前手順を受ける。それから、2回目の点滴を患者に投与する。2回目の点滴には、2時間にわたってビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンB複合体、及びフルマゼニル2mgが含まれる。2回目の点滴の後、患者は、一般的に昼遅くから夕方にかけての治療後手順を受け、これには、夕方又は就寝前のCIWA評価、300mgの用量でのガバペンチンの投与、及び50mgの用量でのヒドロキシジンの投与が含まれる。
退院後、患者をCIWA評価及び患者の病状に基づいてモニタリングする。任意選択で、患者の病状及び/又はCIWA評価から正当である場合、退院前に患者は2日目と同様の3日目の治療を受ける。
退院後、患者には、1日目及び2日目の就寝前に、ヒドロキシジン50mgが与えられる。また患者は以下の量のガバペンチンが与えられ:1日目300mg、2日目600mg、3〜30日目900mg、0まで漸減する。また1週間毎日、患者は経口でビタミンB100複合体が与えられる。
刺激薬離脱の治療のためにフルマゼニルを投与する方法論の強化
以下の実施例は、精神刺激薬依存の治療のために、フルマゼニルを投与する強化された方法論の一実施形態のものである。方法論の強化は、GABAA受容体イオノフォア複合体の標的化に焦点を当てて行っている。本実施形態は、栄養成分の合理化(streamlining)を可能にする。さらに、方法論の強化により、脱離に関する睡眠障害及び不安も軽減される。方法論の強化により、GABAトーン及びGABA伝達を相乗的に高める鍵となる補因子も与えられる。
以下の実施例は、精神刺激薬依存の治療のために、フルマゼニルを投与する強化された方法論の一実施形態のものである。方法論の強化は、GABAA受容体イオノフォア複合体の標的化に焦点を当てて行っている。本実施形態は、栄養成分の合理化(streamlining)を可能にする。さらに、方法論の強化により、脱離に関する睡眠障害及び不安も軽減される。方法論の強化により、GABAトーン及びGABA伝達を相乗的に高める鍵となる補因子も与えられる。
刺激薬脱離を治療する第1の例示的な強化された方法論において、患者は上記の治療前レジメンを受ける。治療の1日目、2日目、及び3日目に、患者は静脈内注入を介してフルマゼニルを受け、最終的に1回の投与間隔当たり全量2mgが送達される。患者はさらに、要求され得る場合に、1日2回ヒドロキシジン50mg±25mgを受ける。患者はさらに、強化ビタミンB複合体を毎日、及びタンパク質補助飲料を毎朝受ける。このレジメン、好ましくは1日目及び2日目のみを3週間後に繰り返す。
退院後1週間、患者は、就寝前又は睡眠中に、ヒドロキシジン50mgを受け、次の週、患者は就寝前又は睡眠中に、ヒドロキシジン25mgを受ける。患者は2週間毎日、1日当たり最大1500mgまで漸増されたグルタミン及び強化ビタミンB複合体も受ける。また患者はさらに6ヶ月間、1日当たり最大1200mgまで漸増されたガバペンチンを受ける。このレジメンは、1回目の治療から3週間経過した後に、上記のように、2回目の治療に割り込ませて、それから再開させる。
刺激薬脱離の治療のためにフルマゼニルを投与する方法論の強化
刺激薬脱離を治療する第2の例示的な方法論において、患者は上記の治療前レジメンを受ける。治療の1日目、2日目、及び3日目に、患者は静脈内注入を介してフルマゼニルを受け、最終的に1回の投与間隔当たり全量2mgが送達される。患者はさらに、ヒドロキシジン50mgを受ける。患者はさらに、強化ビタミンB複合体を毎日、及び300mgの用量でガバペンチンを受ける。このレジメン、好ましくは1日目及び2日目のみを3週間後に繰り返す。
刺激薬脱離を治療する第2の例示的な方法論において、患者は上記の治療前レジメンを受ける。治療の1日目、2日目、及び3日目に、患者は静脈内注入を介してフルマゼニルを受け、最終的に1回の投与間隔当たり全量2mgが送達される。患者はさらに、ヒドロキシジン50mgを受ける。患者はさらに、強化ビタミンB複合体を毎日、及び300mgの用量でガバペンチンを受ける。このレジメン、好ましくは1日目及び2日目のみを3週間後に繰り返す。
退院後、患者は、30日間1日当たり最大400mgまで漸増したガバペンチンを受け、0まで低減する。患者は毎日、強化ビタミンB100複合体及び複数のアミノ酸補助剤も受ける。このレジメンは、1回目の治療から3週間経過した後に、上記のように、2回目の治療に割り込ませて、それから再開させる。
上記の実施例は、本発明のシステムの多くの適用の例示にすぎない。本発明の幾つかの実施形態のみが本明細書中に記載されているが、本発明は、本発明の精神又は範囲を逸脱することなく、多くの他の特定の形態で具体化され得ることを理解すべきである。したがって、本発明の実施例及び実施形態は、限定的ではなく例示的であると考えるべきであり、本発明は本明細書中で与えられる詳細に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内で修正することができる。
本発明のこれらの及び他の特徴及び欠点は、添付の図面に関連して考慮する場合、以下の詳細な説明を参照することによってより良好に理解される。
GABAA塩素イオンチャネルの活性を直接的又は間接的に選択的に調節する化合物の種類由来の薬学的組成物を使用し、アルコール及び/又は精神刺激薬の乱用を治療する例示的な方法論の様々な治療前段階、治療と同時段階、及び治療後段階を示すフローチャートである。
アルコール物質の乱用を治療する例示的な方法論の第1の実施形態を示すフローチャートである。
アルコール物質の乱用を治療する例示的な方法論の第2の実施形態を示すフローチャートである。
アルコール物質の乱用を治療する例示的な方法論の第3の実施形態を示すフローチャートである。
刺激物質の乱用を治療する例示的な方法論の第1の実施形態を示すフローチャートである。
刺激物質の乱用を治療する例示的な方法論の第2の実施形態を示すフローチャートである。
Claims (30)
- アルコール又は刺激物質の乱用の治療のための薬剤の調製における選択的塩素イオンチャネルモジュレーターの使用。
- 前記選択的塩素イオンチャネルモジュレーターがフルマゼニルである、請求項1に記載の使用。
- 前記フルマゼニルが約1.0〜3.0mg/日の量で投与される、請求項2に記載の使用。
- 前記フルマゼニルが約1.5〜2.5mg/日の量で投与される、請求項2に記載の使用。
- 前記選択的塩素イオンチャネルモジュレーターが、GABAA受容体の部分的アロステリックモジュレーターである、請求項1に記載の使用。
- 前記部分的アロステリックモジュレーターが、GABAA受容体に高い用量効力かつ、低い最大効力で作用する、請求項5に記載の使用。
- 前記部分的アロステリックモジュレーターが、GABAA受容体の受容性をリセットし、塩素イオンチャネルのイオンの流れを増大させる、請求項5に記載の使用。
- 前記選択的塩素イオンチャネルモジュレーターが、GABAA受容体の部分的アゴニストである、請求項1に記載の使用。
- 前記選択的塩素イオンチャネルモジュレーターが、イミダゾベンゾジアゼピン、又はエチル8−フルオロ−5,6−ジヒドロ−5−メチル−6−オキソ−4H−イミダゾ−[1,5−a][1,4]ベンゾジアゼピン−3−カルボキシレートの誘導体のうちの少なくとも一方である、請求項1に記載の使用。
- 前記刺激物質がコカイン、クラックコカイン、エフェドリン、アンフェタミン、デキストロアンフェタミン、フェンメトラジン、MDA、MDMA及びそれらの類似体から選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
- 前記刺激物質がメタンフェタミンである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
- アルコール又は刺激物質の乱用を治療する方法であって、
患者を治療前レジメンで評価する工程と、
治療に有効な量の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターを投与する工程と、
治療の間、該患者をモニタリングする工程と、
該選択的塩素イオンチャネルモジュレーターに加えて、該患者に治療用化合物を処方する工程と、
該患者に外来患者レジメンを処方する工程と
を含む、方法。 - 前記患者を評価する工程が、全面的な身体検査、全面的な心理的検査、CIWA評価、又は必要薬物の決定のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
- 前記選択的塩素イオンチャネルモジュレーターがフルマゼニルである、請求項12に記
載の方法。 - 前記治療に有効な量のフルマゼニルが約1.0〜3.0mg/日の量である、請求項14に記載の方法。
- 前記治療に有効な量のフルマゼニルが約1.5〜2.5mg/日の量である、請求項14に記載の方法。
- 前記治療用化合物が、強化ビタミンB複合体、ヒドロキシジン、又はガバペンチンのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
- 前記外来患者レジメンが食事療法、運動療法又は認知療法のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
- 前記選択的塩素イオンチャネルモジュレーターが、GABAA受容体の部分的アロステリックモジュレーターである、請求項12に記載の方法。
- 前記部分的アロステリックモジュレーターが、前記GABAA受容体に高い用量効力かつ、低い最大効力で作用する、請求項19に記載の方法。
- 前記部分的アロステリックモジュレーターが、前記GABAA受容体の受容性をリセットし、塩素イオンチャネルのイオンの流れを増大させる、請求項19に記載の方法。
- 前記選択的塩素イオンチャネルモジュレーターが、GABAAサブユニットの変化をリセットする、請求項12に記載の方法。
- 前記選択的塩素イオンチャネルモジュレーターが、GABAA受容体の部分的アゴニストである、請求項12に記載の方法。
- 前記選択的塩素イオンチャネルモジュレーターが、イミダゾベンゾジアゼピン、又はエチル8−フルオロ−5,6−ジヒドロ−5−メチル−6−オキソ−4H−イミダゾ−[1,5−a][1,4]ベンゾジアゼピン−3−カルボキシレートの誘導体のうちの少なくとも一方である、請求項12に記載の方法。
- 前記外来患者レジメンが薬学的組成物を提供することを含む、請求項12に記載の方法。
- 前記薬学的組成物が、ヒドロキシジン、グルタミン、強化ビタミンB複合体、アミノ酸補助剤又はガバペンチンのうちの少なくとも1つを含む、請求項25に記載の方法。
- 治療に有効な量の選択的塩素イオンチャネルモジュレーターを投与する工程、治療の間、前記患者をモニタリングする工程、及び前記選択的塩素イオンチャネルモジュレーターに加えて、前記患者に治療用化合物を処方する工程が最初の治療の3週間後に繰り返される、請求項12に記載の方法。
- 患者を評価する工程と、
治療に有効な量のフルマゼニルを投与する工程であって、該治療に有効な量が3mg/日未満であり、20分以下の期間にわたり0.4mg以下の個々の用量で送達される、工程と、
治療の間、前記患者をモニタリングする工程と、
前記選択的塩素イオンチャネルモジュレーターに加えて、前記患者に治療用化合物を処方する工程と、
前記患者に外来患者レジメンを処方する工程と
を含む、請求項12に記載の方法。 - 前記刺激物質がコカイン、クラックコカイン、エフェドリン、アンフェタミン、デキストロアンフェタミン、フェンメトラジン、MDA、MDMA及びそれらの類似体から選択される、請求項12〜28のいずれか1項に記載の方法。
- 前記刺激物質がメタンフェタミンである、請求項12〜28のいずれか1項に記載の方法。
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