追加情報を有する信号とオーディオ‐ビデオ・コンテンツを表している放送信号を組合わせるための改善された方法を提供することが,本発明の目的である。請求項1の特徴部分に記述されているように,本発明による方法によって,この目的は達成される。当該方法は,放送されるオーディオ‐ビデオ・コンテンツを局所的に入手可能な情報から抽出された追加情報と組合わせ,従って,インターネット接続が利用出来なくとも,又はインターネット接続は在るが所望の目的には適切ではない場合でも,強化されたユーザ体験を可能にする。例えばサッカー試合の放送中に,放送制御シーケンスは,サッカーについての情報を有する局所的に利用可能な光ディスクを用いる。この場合,当該光ディスクから選手についての縮小された映像が(ピクチャ・イン・ピクチャ)表示されることが可能で,又はこの選手についての追加情報が抽出され,かつ表示されることが出来る。又は映画の途中で,俳優又は監督が登場する別の映画に付随している追加情報から,同じ俳優又は監督等々についての情報が抽出されてスクリーン上に表示することも出来る。この別の映画及び付随している情報は局所的に入手可能である。
好適な実施例が,請求項2の方法によって得られることが出来る。オーディオ‐ビデオ・コンテンツの放送者は,所与のエンドユーザシステムの利用可能なリソースについての事前の知識を持つことが出来ないので,エンドユーザシステムで適切な再生機が利用可能かチェックするチェックステップと,追加情報を格納している所望の媒体が利用可能かどうかを確認する確認ステップとを含むことは有益である。
第1の実施例において,チェックステップ及び確認ステップにおける,局所的に利用可能なリソースがあるかどうかの決定は,前記リソースについて双方向的にユーザに質問することによって行うことができる。これは適切な再生機及び所望の媒体を正しく確認するという問題を軽減する。
請求項4の方法による長所のために第2の実施例が使うことができる。前記チェックステップにおいて,エンドユーザシステム中に適切な再生機が存在するかをテストするためのテストシーケンスを実行することは,エンドユーザがエンドユーザシステムの正確な技術的詳細を知らないという問題を軽減する。例えばテストシーケンスは,エンドユーザシステムが所望の媒体から情報を読取る試みを促すシーケンスを有する。請求項5による好適な実施例において,前記テストシーケンスは放送信号中に在り,それゆえエンドユーザシステムの未知のリソースに頼ることを防ぐ。
より好適な実施例においては,前記チェックステップはエンドユーザシステムによって格納された情報をチェックし,エンドユーザシステム中に適切な再生機が存在するかどうかを決定するのに有効である。上記は,可搬型の媒体の場合は再生機に媒体が挿入されていないと,所望の媒体から情報を読取る試みが失敗するという前記第2の実施例の問題を未然に防ぐ。任意で,エンドユーザシステムにより格納された情報をチェックする代わりに,適切なコンテンツ再生機が利用可能かどうかを決めるのに有効な,エンドユーザシステムで使うことの出来る機能を実行することを,当該チェックステップは有することができる。
デジタル著作権管理(DRM)に関しては,著作権情報を有する媒体は{著作権}保護機能もまた有することが可能で,当該著作権情報を読取る試みを行う間は認証制御シーケンスのみが実行されればよい。従って上記制御シーケンスが,認証鍵に対応した情報を更に有することが出来るのは好都合である。これは,本方法の組合わせ出力ステップで,保護されている著作権情報の使用を可能にする。
前記組合わせ出力ステップ中で使われる追加情報の特定部分,又は追加情報の一部を使用するモードを,前記組合わせ出力ステップにおいてエンドユーザが選べることが望ましい。
本発明は,請求項12によるエンドユーザシステムも含んでいる。再生手段の存在を確認するために使われる確認手段は,放送された制御シーケンスが,利用可能な再生手段を如何にして信頼性良く確認するかという問題を解決する。請求項13の手段による前記エンドユーザシステムの第1の実施例において,再生手段の確認は,適切な再生機が使用可能かどうかの情報を局所的に格納する手段によって実現される。エンドユーザシステムの第2の実施例によれば,実行手段が実行された場合にエンドユーザシステム中に適切なコンテンツ再生機が存在するかどうかを決定するための機能実行手段によって,前記確認は実現される。コストのかかるハードウエアの変更を避け,ファームウエアによって実施が容易であるという長所を,両実施例は備える。
本発明は,請求項15による伝送システムも含んでいる。放送されるオーディオ‐ビデオ・コンテンツと,局所的に格納されている情報から取出した追加情報を組合わせた出力を供給することにより,強化されたユーザ体験を当該伝送システムは可能にする。これゆえ,インターネット接続が利用出来なくとも,強化されたユーザ体験をこの伝送システムは可能にする。改善された実施例は,請求項16の方法によって得られる。オーディオ‐ビデオ・コンテンツの放送者は所与のエンドユーザシステムの利用可能なリソースについての事前知識を持つことが出来ないので,局所的に格納された情報を再生するための適切な再生機が在るかどうかを決定し,所望の媒体が在るかどうかを確認するのを,エンドユーザシステムの制御手段が可能にすることは好都合である。
本発明はまた,請求項21による放送信号に対応する信号も含んでいる。
本発明はまた,請求項17によるコンピュータアプリケーション格納製品も含んでいる。
本発明のこれらの及び他の態様は以下に述べられている実施例から明らかにされ,これらの実施例を参照して説明されることであろう。
本発明の特徴及び長所は添付の図を参照して理解されよう。
図1は,デジタルビデオ放送(DVB)プラットフォームで考えられている典型的なデジタル伝送システムを示す。デジタル伝送システムは,放送送信システム(10)と,エンドユーザシステム(20)と,好ましくはオープンインターネットである情報サーバ(40)とを有する。これらの構成要素は,幾つかの伝送チャンネル(31,32,33)を介して互いに接続されている。放送送信システムの詳細及びエンドユーザシステムの詳細は,図2及び図4の各々で更に論じられよう。
図2は典型的な放送送信システム(10)を示す。コンテンツプロバイダ(101)は放送されるべきオーディオ‐ビデオ・コンテンツを供給する。コンプレッサ(102)は前記オーディオ‐ビデオ・コンテンツをMPEG2ストリーム(MPEG2) に圧縮する。任意で,スクランブラ(103)は,コンテンツ鍵の制御の下,このMPEG2ストリームを暗号化することによりスクランブルすることが出来,次に当該MPEG2ストリームをマルチプレクサ(104)へ送る。このMPEG2ストリームに加えて,一つかそれ以上のスクランブルされた,又はされていないデータストリーム(DS)及び他のデジタル信号 も,マルチプレクサ(104)はデータプロバイダ(105)から受け取ることが出来る。前記データプロバイダ(105)は,前記コンテンツプロバイダ(101)と同一でもよい。図1に戻って,例えばインターネットウェブサイトである情報サーバ(40)からも,例えばTCP-IPのような既知の伝送プロトコルを介して既知の伝送チャンネルによりデータストリーム(DS)の一部を取出してもよい。図2に戻って,マルチプレクサ(104)は,スクランブルされた,又はされていないMPEG2ストリームと,一つ又はそれ以上のデータストリーム(DS)とを時間多重により一つのトランスポートストリーム(TS)に組み立てる。このスクランブリング及び多重化は別々のユニットで遂行されることが出来,望むならば異なる場所で遂行されるてもよい。トラスポートストリーム(TS) は,トランスミッタ(106)に供給される。
典型的な放送送信システム(10)は,多チャンネルシステムとして動作し,そこではマルチプレクサ(104)は幾つもの(平行している)ソースから受領した情報を扱うことが出来,そして同マルチプレクサは対応する数のチャンネルに従った情報,又は別々のトランスポートストリームに多重化された情報を放送するトランスミッタ(106)と相互に連携することを意味する。オーディオ‐ビデオ・コンテンツに加えて,メッセージ,アプリケーション,又はデジタルデータの何か他の種類のものも,幾つかの又は全てのこれらのサービス/チャンネルに,オーディオ‐ビデオ・コンテンツと組み合わせて導入することが出来る。斯様なトランスポートストリーム(TS)は,ネームサービスで当業者に知られてもいる,一つかそれ以上のタイプのストリームを有し,各々のサービスは一つかそれ以上のサービス構成要素を有する。サービス構成要素は,マルチメディアに対してモノメディア(単一メディア)要素としても知られている。サービス構成要素の例は,ビデオのエレメンタリストリームとか,オーディオのエレメンタリストリームとか,字幕の構成要素とか,JavaTMアプリケーション(Xlet)とか,又は他のデータタイプである。トランスポートストリーム(TS)は,一つかそれ以上のエレメナタリストリーム及び/又はデータの時間多重により形成される。
トランスミッタ(106)は,トランスポートストリームを放送信号(BS)の形で放送する。図1に示されている伝送システムに戻ると,例えばCATVケーブル,又はIEEE 1394 として良く知られる配信チャンネルを用いて,アナログ又はデジタルの形式にて,前記放送信号(BS)はエンドユーザシステム(20)に供給される。前記の放送信号(BS)の配信は幾つかの伝送チャンネル(31),例えば衛星とか,地上波放送を介してとか,有線伝送,及び/又は衛星と有線との組み合わせを経由して行ってもよい。オーディオ‐ビデオ・コンテンツを有する放送信号(BS)を配信システムを介して配信する団体は,時々ネットワークプロバイダと呼ばれる。
本発明が実行される典型的なエンドユーザシステム(20)の例は,セットトップボックス(STB),デジタル多用途ディスク(DVD)及び/又はブルーレイディスク(BD) 再生機能を備えるデジタルTVセット,又はホームメディアサーバの名前でも知られるコンピュータに基づいた娯楽システムを有する。前記エンドユーザシステム(20)は,欧州のMHP(Multimedia Home Platform),又は米国のDase Platformのような規定された公開プラットフォームに好ましくは準拠する。これらの公のプラットフォームは,エンドユーザシステムによって認識され及び実行されることが出来る幾つかのタイプのアプリケーションを規定している。例えば,欧州のMHPプラットフォームは,アプリケーションがJavaTMアプリケーションとして含まれ得ると特定しており,斯様なアプリケーションは当業者にはXletという名前で知られている。
本発明を実行するためには必要ないが,情報を情報サーバ(40)からダウンロードするために,TCP-IPのような既知のコミュニケーションプロトコル,好ましくはインターネットを,典型的なエンドユーザシステム(20)は使うことが出来,例えば有線,又は電話/ADSL/ISDN線のような既知のコミュニケーションチャンネル(32)上で当該ダウンロードを行う。
図3は,本発明の実施例による伝送システムを概観的に示す。伝送システムは,オーディオ‐ビデオ・コンテンツとデータストリームとを有する放送信号(BS)を発生するための放送システム(11),例えば地上波放送,有線伝送及び/又は衛星と有線とを組み合わせた伝送チャンネル(30)並びに,エンドユーザシステム(20)を有する。可能とは言え,前記エンドユーザシステム(20)と前記放送システム(11)とが,既知の伝送チャンネル(図3には示されず)を介して情報サーバ(図3には示されず)に接続されている必要はない。前記エンドユーザシステムは,放送信号(BS)からオーディオ‐ビデオ・コンテンツ及びデータストリームを取出すためのレシーバ(21)と,データストリーム中に含まれているアプリケーションを実行するコントローラ(22)と,媒体(25)から情報,例えばオーディオ‐ビデオ・コンテンツを取出すための再生機(24)と,放映装置(23)(例えばディスプレイ及びスピーカ)とを有する。
本発明が実行されるであろうエンドユーザシステム(20)の更なる詳細は,図4を参照して論じられるであろう。チューナ(201)は放送システムにより伝送された放送信号(BS)を受信し,そして別々の弁別可能なラジオ周波数(RF)帯を抽出し,通常はMPEG2トランスポートストリームを得る。デマルチプレクサ(202)は前記MPEG2ストリームをデータストリーム(203),オーディオストリーム(204),ビデオストリーム(205)及び字幕ストリーム(206)にスプライスする。前記オーディオストリーム,ビデオストリーム,及び字幕ストリーム(204, 205, 206)は,特定のオペレーティングシステム(OS)経由でエンドユーザシステムの全てのソフトウエアモジュールとハードウエアモジュールとを制御しているコントローラ(208)へ供給される。このオーディオ‐ビデオ・コンテンツは,アクセス許可を決定し,かつデータを復号する条件付アクセス・サブ‐システム(図4には示されず)を通されてもよい。前記コントローラ(208)は,オーディオストリーム(204)及びビデオストリーム(205)を,ビデオ放映装置(215)及びオーディオ装置(216)(例えば各々,ディスプレイ及びスピーカ)に適当な信号に変換する。通常は透明な背景を持つイメージファイルのストリームである前記字幕ストリーム(206)もまた,前記ビデオ放映装置(215)に直接アクセスする専用放映エンジンへと直接送られてもよい。
前記欧州マルチメディアプラットフォーム(MHP)は,如何にアプリケーションがエンドユーザシステム上で実行されるかを解説している公開フォーラムを開催している。前記エンドユーザシステム上で走るJavaTM仮想マシンによって実行されるJavaTMアプリケーションが適切なアプリケーションであると,このプラットフォームは特定している。これは,エンドユーザシステム(20)によって実行される何らかのアプリケーションと,当該エンドユーザシステム(20)の特定のシステムリソースとの間に存在している,当業者においてはアプリケーションマネージャの名前で知られる概念レイヤに相当する。従って,例えば高級又は低級STB,一体型デジタルTV又はホームメディアサーバのような特定のエンドユーザシステム(20)に関係なく,アプリケーションが,どのようなデジタルビデオ放送(DVB)に準拠したネットワーク上に運ばれることも,当該アプリケーションマネージャは許容する。
データストリーム(203)及びエンドユーザシステムによる前記データストリームの扱いの両方が,公開されている欧州マルチメディアホームプラットフォーム(MHP)に準拠することが好ましい。従って,データストリーム中に在るアプリケーションは,Xletの名前で知られる特定のJavaTMアプリケーションである。前記デマルチプレクサ(202)によって出力されるデータストリーム(203)は前記アプリケーションマネージャ(207)へ供給される。このデータストリーム(203)中に在るいかなるアプリケーションも,前記アプリケーションマネージャ(207)によって実行されよう。
前記エンドユーザシステムは媒体の再生機/録画機(209)もまた有することが出来る。この機器は,例えばブルーレイディスク(BD),又はデジタル多用途ディスク(DVD)プレイヤ及び/又はレコーダ,ハードディスク又は何か他の適切な装置である。前記媒体再生機(209)は,符号化された情報ストリーム,例えばMPEG2ストリームを,例えば光ディスク又はハードディスクのような格納媒体から抽出して,別々のオーディオストリーム(212),ビデオストリーム(213),字幕ストリーム(214)及びデータストリーム(211)にスプライスする。前記オーディオストリーム(212)と,ビデオストリーム(213)と,字幕ストリーム(214)とが前記コントローラ(208)へ供給される一方,このデータストリーム(211)は前記アプリケーションマネージャ(207)へ供給される。
前記媒体再生機(209)の情報検索機能が,前記データストリーム(203)中に在る放送アプリケーションによってアクセスされることができるとき,有益な実施例が得られる。例えば,ブルーレイディスク(BD)再生機/記録機は,JavaTMアプリケーションを実行することが出来, GEM(Globally Executable MHP)の名前で知られている公開されているソフトウエアプラットフォーム中で特定されているJavaTMアプリケーションの幾つかを少なくとも実行することが出来る,と期待されている。
放送されているオーディオ‐ビデオ・コンテンツと追加情報とを組合わせる本発明の実施例による方法は,図5に更に説明され,そしてこの方法は以下のステップを有する。コンテンツプロバイダから受け取ったオーディオ‐ビデオ・コンテンツは,圧縮ステップ(501)にてMPEG2ストリームに圧縮される。任意で,このMPEG2ストリームはステップ(502)での暗号化鍵を用いて同ストリームを暗号化することによりスクランブルされてもよい。多重化ステップ(503)において,マルチプレクサは前記MPEG2ストリームと,一つかそれ以上のスクランブルされた,又はスクランブルされていないデータストリームと,データプロバイダからの他のデジタル信号とを多重化する。局所的に格納された情報が使用出来るよう意図されている前記アプリケーションは,トランスポートストリームへの多重化ステップに含まれる。このトランスポートストリームが,放送ステップ(60)において送信機により放送される。エンドユーザシステムは,この放送された信号を受信し,そして同調可能なRF帯を同調ステップ(701)で抽出する。デマルチプレクス・ステップ(702)において,アプリケーションデータと,オーディオ‐ビデオ・コンテンツ部分とがデマルチプレクサによって分離される。例えば,MHPに準拠したシステムの場合,抽出された前記アプリケーションデータは,実行ステップ(80)にて前記アプリケーションマネージャに搭載されているJavaTMの仮想マシンによって実行されるJavaTM Xletである。従って,このJavaTM Xletの実行は,放送されるオーディオ‐ビデオ・コンテンツを出力すること及び局所的な媒体から抽出された追加情報を出力することの両方を有する前記組み合わせ出力のステップ(90)となる。例えば,局所的な媒体から抽出されて組み合わせた出力は,ピクチャ‐イン‐ピクチャとして再生することも出来るし,又は追加文字情報の文字表示として再生することも出来る。好ましくは,この追加情報の放映は,前記オーディオ‐ビデオ・コンテンツの放映と同時に行う。
本発明の実施例による実行ステップ(80)及び組合わせ出力ステップ(90)の方法の詳細は,図6を参照して更に説明される。
ステップ(801)において,前記アプリケーションマネージャにより放送アプリケーションの実行が開始される。チェックステップ(802)において,エンドユーザシステムへの適切な再生リソースの有無がチェックされる。このチェックステップ(802)の詳細な実施例は,更に論じられよう。本方法は決定ステップ(803)へと進む。適切な再生リソースが見つからない場合,本方法は標準放映ステップ(901)へと進む。標準放映ステップ(901)は,前記放送されるアプリケーションに含まれるデータコンテンツを使うか,又はインターネットからダウンロードされたデータコンテンツを使うという双方向の部分を含むかも知れないが,しかし,当該標準放映ステップ(901)は,局所的に格納された情報を使うことはないことに留意すべきである。例えばブルーレイディスク(BD)再生機のような適切な再生リソースが確認された場合,本方法は局所的な情報を格納している利用可能な媒体の確認に進む。前記利用可能な媒体が所望の情報を含んでいる場合は,本方法は組み合わせ放映のステップ(902)へ進む。前記格納された情報が利用可能になる前に,特定の媒体はアプリケーションの認証を必要とするかも知れないという事実に鑑みて,前記組み合わせ放映ステップ(902)は認可チェックのステップ(814)により先行され得ることに留意すべきである。例えば,ブルーレイディスク(BD)再生機の場合,所望のBDディスクが再生されるときは,認証されたアプリケーションのみを実行することが出来るという可能性がある。決定ステップ(805)に戻って,もしも現在利用可能な媒体が所望のものではない場合,エンドユーザシステム(806)のファームウエアメモリ中に利用可能な媒体タイトルのリストが存在するかどうかのチェックに,前記アプリケーションは進む。例えば,ブルーレイディスク(BD)再生機の場合,斯様な利用可能な媒体タイトルのリストはファームウエアメモリの中に維持されている。ステップ(810)においてもしも斯様なリストが利用可能な場合,当該リスト中に所望のタイトルが存在するかがチェックされる。本方法は決定ステップ(811)へと進む。もしタイトルが決定ステップ(811)で見つからない場合,又はタイトルリストが決定ステップ(807)で見つからなかった場合,本方法はユーザへ質問するステップ(808)へ進む。この質問ステップにおいて,ユーザは所望の媒体タイトルが局所的に利用可能かどうか尋ねられる。もしも前記ユーザが所望の媒体タイトルは無いと示した場合,前記決定ステップ(809)は標準放映ステップ(901)へと続く。もしもユーザが所望の媒体タイトルは在ると示した場合,前記決定ステップ(809)は媒体の挿入ステップ(812)へと続き,ユーザは対応するメディアを{再生機に}挿入するよう求められる。元に戻り,ステップ(810)において,もしも所望のタイトルがリスト中に見つかった場合,対応する決定ステップ(811)は前記媒体挿入ステップ(812)へ続く。待機ステップ(813)において,アプリケーションは当該所望の媒体が挿入されるのを待つ。この媒体が挿入された後,任意で前記認証鍵がステップ(814)でチェックされ,そして局所的に格納された情報と放送されるコンテンツとが組み合わされた放映が,組合わせステップ(902)で実行される。
前記チェックステップ(802)の詳細な実施例に関して,前記放送信号を提供している団体(ネットワークプロバイダ)が,どんな特定の再生リソースがエンドユーザシステムにあるかを知ることが出来ないという事実,及び再生リソースの確認方法が開示されていないという事実に,本発明で解決されている技術的な課題は関係する。例えば,公開されている前記Globally Executable MHP (GEM)規格の現在の実施は,いかなる方法,機能,及び/又は,放送アプリケーションがどのような特定の再生リソースがエンドユーザシステムにあるのかを決定するのを可能にするかも知れないシステム特性も特定していない。
本方法の第1の実施例において,本方法の前記チェックステップ(802)は,ポップアップウィンドウを介してユーザに,エンドユーザシステムに利用できる特定の再生リソースについて双方向に質問することを有する。当該ユーザからの入力(回答)に基づいて,ステップ(803)で前記方法は標準放映ステップ(901)に進むか,さもなければ,当該方法は媒体のチェックステップ(804)を続ける。
本方法の第2の,より好都合な実施例においては,前記チェックステップ(802)が,対応する再生機能を直接実行することにより特定の媒体タイプの再生を直接試みることを有する。エンドユーザはエンドユーザシステムの正確な技術的詳細を知らないという問題を,第2の実施例は軽減する。例えば,MHPに準拠したシステムの場合,前記チェックステップが所望のタイプの媒体の再生を試みることに相当するだろう。もしも前記再生機能がエラーを返した場合は,所望のタイプの再生リソースが無いことを意味し,全ての媒体タイプが調べられるか,又は適切な媒体再生リソースが見つかるまで,前記アプリケーションは他の媒体タイプに対する再生を試みることを繰り返す。もしも適切な媒体が見つからない場合,決定ステップ(803)で本方法は標準放映ステップ(901)に進むか,さもなければ媒体チェックステップ(804)を続ける。より好都合な実施例においては,前記特定の再生機能は,放送されるデータストリーム内に在る放送されるアプリケーション中に含まれる。
本方法の第3の実施例において,当該方法の前記チェックステップ(802)は,エンドユーザシステムの新規な識別特性を使った放送アプリケーションを有する。例えば,利用可能なシステムリソースに関する情報が前記エンドユーザシステムのファームウエアメモリに加えられる。システム特性として当業者には知られたソフトウエア手段にて,これは実行されてもよい。システムリソースに関する情報はエンドユーザシステムの製造者によってシステムの販売前に含めてもよいし,又は当該情報はファームウエア・アップデートによって後日提供されてもよい。本発明による前記方法の説明に戻って,ある実施例においては,このファームウエアメモリは前記チェックステップ(802)にて前記放送されるアプリケーションによって検査され,そして再生機器が識別される。
前記チェックステップ(802)の代替の実施例は、利用可能なリソースの識別が出来るエンドユーザシステム識別手段を加えることである。この識別手段の付加は、識別機能として当業者には既知のソフトウエアによって組み込まれてもよい。この機能が実行されると、当該機能は利用可能なリソースに関する情報を出力する。識別手段は、エンドユーザシステムの製造者によってシステムの販売前に含めてもよいし,又は同手段はファームウエア・アップデートによって後日提供されてもよい。本発明による前記方法の説明に戻って、代替の実施例においては前記放送されるアプリケーションが前記チェックステップ(802)中の識別機能を呼び出し、そして利用可能なシステムリソースが識別される。
特定のタイプの取り出し可能な媒体(例えばBD-ROMディスク)から情報を読もうと前記アプリケーションが試み、しかも対応するタイプの媒体がコンテンツ再生機中に挿入されていない事例に,前記第2の実施例に対応する方法が陥るという問題を、チェックステップ(802)に対するこれらの実施例は軽減する。
上述された実施例は、本発明を制限するというよりはむしろ例示していると意味されることに留意すべきであろう。そして当業者は添付の請求項の範囲から逸脱することなく沢山の代替の実施例を設計することが可能であろう。請求項においては、いかなる参照記号も当該請求項を制限するものとして解釈されるべきではない。動詞「有する」及び「含む」及びこれらの活用形の使用は、請求項中に明示された以外の要素、又はステップの存在を排除するものではない。ある要素に前置する冠詞「a」又は「an」は、斯様な要素の複数の存在を排除するものではない。本発明はいくつかの別個の要素を有するハードウエアによって組込まれることが出来、及び本発明は適切にプログラムされたコンピュータによって組込まれることが出来る。コンピュータプログラムはオプティカルストレージのような適切な媒体に格納され/配布されることが出来、又はハードウエア部品と共に供給されることが出来る。しかし同プログラムはインターネット経由、又は有線又は無線の電話回線経由で配布されるような他の形態でも配布可能である。幾つかの手段を列挙しているシステムの請求項/装置の請求項/機器の請求項において、これらの手段の幾つかは、同一の項目のハードウエア又はソフトウエアにより実施されることが出来る。特定の手段が、互いに異なる独立した請求項中に繰り返される単なる事実は、これらの手段の組合せが長所のために使われることは出来ないことを示しているわけでなない。