JP2008535436A - 音声データ処理方法および装置、プログラム要素ならびにコンピュータ可読媒体 - Google Patents

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Abstract

音声データ(101)を処理する装置(100)は、選択的に音声データ(101)の中間周波数帯域成分にフィルタ作用を加えるよう構成した中周波フィルタユニット(105)を備え、これにより、音声データ(101)の中間周波数帯域成分のうち互いに異なる周波数副成分の振幅をスケール補正し、ただし、スケール補正した振幅が、互いに異なる周波数副成分における元の振幅間の関係を反映するよう補正する。

Description

本発明は、音声データを処理する装置に関するものである。
本発明は、音声データを処理する方法に関するものである。
本発明は、プログラム要素に関するものである。
本発明は、コンピュータ可読媒体に関するものである。
電子娯楽装置は、ますます重要になっている。とくに、より多くのユーザーは、オーディオプレーヤや他の娯楽機器を、乗用車のような乗り物で使うために購入している。
従来技術による電子娯楽装置の特徴の一つは、音声データの可聴再生特性を、ユーザー定義に基づいて、例えばユーザー制御可能な音量調節またはイコライザによって、調整する機会があることである。この種の特徴は、既知のオーディオプレーヤに内蔵されている。従来技術によれば、ユーザーは、車載HiFi(高再現性)システムの補正を手動で行う。
特許文献1は、オーディオの正規化の方法を開示している。オーディオ(音声)ファイルを再生する要求を受信するとき、音量正規化パラメータをメディアライブラリまたはオーディオファイルから読み出すことができ、オーディオファイルを再生する時には、音量正規化パラメータを適用することができる。
米国特許出願公開第20040264714号明細書
本発明の目的は、音声データを処理する、適正音質で音声内容を再生することができるシステムを得るにある。
上述の目的を達成するために、本発明は、特許請求の範囲の独立請求項に記載の、オーディオデータ処理装置、オーディオデータ処理方法、プログラム要素及びコンピュータ可読媒体を提供する。
本発明の実施態様によれば、音声データ処理装置は、中周波フィルタユニットを有し、この中周波フィルタユニットは、音声データの中周波数帯域成分に選択的にフィルタ作用を加え、音声データの中周波数帯域成分における互いに異なる周波数副成分の振幅をスケール補正し、ただしスケール補正した振幅が互いに異なる周波数副成分における元の振幅間の関係を反映したものとなるよう補正する構成とする。
さらに、本発明の他の実施態様によれば、音声データ処理方法は、音声データの中周波数帯域成分に選択的にフィルタ作用を加えるステップを有し、このステップは、音声データの中周波数帯域成分における互いに異なる周波数副成分の振幅をスケール補正し、このスケール補正した振幅が異周波数副成分における元の振幅間の関係を反映したものとなる補正を行う。
また、本発明の他の実施態様によれば、コンピュータ可読媒体を設け、このコンピュータ可読媒体に、音声データを処理するコンピュータプログラムを記憶させ、このコンピュータプログラムは、プロセッサにより実行されるとき、前記方法ステップを制御又は実施し得るものとする。
さらに、本発明の他の実施態様によれば、音声データを処理するプログラム要素を設け、このプログラム要素は、プロセッサにより実行されるとき、前記方法ステップを制御又は実行し得るものとする。
本発明による音声データの処理は、コンピュータプログラム即ちソフトウェアにより、または、一個以上の特別な電子最適化回路即ちハードウェアを用いることにより、または、ハイブリッドフォーム即ちソフトウェアコンポーネントおよびハードウェアコンポーネントにより、実現することができる。
本発明の特徴的構成によれば、とくに、中周波フィルタユニットを設け、この中周波フィルタユニットが、音声データの中周波数帯域を操作する一種のイコライザとして作用するという利点を有することである。このフィルタは、中周波数帯域における副成分(例えばサブバンドまたは単一周波数)をそれぞれスケール補正する(とくにダウンスケール(縮小)する)ことができ、ただし、スケール補正した振幅が互いに異なる周波数副成分の元の振幅間の関係を反映したものとなるよう補正する。すなわち、副成分間の元の振幅差を、変更した振幅において少なくとも部分的に維持することができる。このように、互いに異なる副成分間の振幅関係が、再スケール補正手法によって考慮され、元の中周波数オーディオデータの音響特性を維持すると共に、音質を改善するように中周波数帯域を同時に調整することを可能にする。
本発明の実施態様によるスケール補正手法は、中周波数帯域を特定の所定振幅範囲内に確実に保つことができる。随意的に、中周波数領域とは異なる周波数領域に、同一のまたは他のフィルタリング手法によって、フィルタ作用を加えるまたは加えないようにする。中周波数帯域の再スケール補正の実行は、この周波数帯域副成分における元の振幅間の比例関係を維持するように行う。
このように、本発明の実施態様によれば、円滑で効率的な中音フィルタアルゴリズムを設け、このアルゴリズムは、自動的にイコライズ補正した音声内容を再生するときに、適切な聴取品質および自然な音を得ることができる。フィルタリングアルゴリズムは、適度な低い計算負担で実現することができる。処理した音声データから生じる音は自然な特性を有することができるが、これは、互いに異なる中音のサブ部分における元の振幅関係を少なくとも部分的に維持することができるからである。
本発明の実施態様によれば、とくに線形的スケール補正を伴う中音ブースト圧縮を用いた自動イコライズ補正を実現する。また、この構成によれば、車載HiFiシステムにおける補正を、自動で且つ高品質に実行することができる。
本発明の一態様によれば、スピーカシステムによって再生される音声データを、補正アルゴリズムによって処理して、聴取品質を向上することができる。これらアルゴリズムによれば、信号経路に挿入する必要があるフィルタを算出して、聴取位置で適切な音質を得ることができる。このフィルタを、音声データの互いに異なる周波数帯域それぞれのために調整することができる。
本発明によれば、とくに、中音の補正を行うことができる。用語「中音(mid-range)」は、とくに音声周波数の中央のバンド(帯域)を示し、例えば約310Hzから約8kHzまでの間の周波数、より詳細には700Hzから4kHzまでの範囲の周波数をカバーする。周波数の中音とは、元の周波数スペクトルを低周波数領域(これを必要に応じて、さらに2つのサブ領域に分割することができる)、中周波数領域および高周波数領域に分割することにより定義することもできる。すなわち、用語「中音周波数」を、低周波数領域と高周波数領域との間にはさまれる周波数帯域として定義することができる。中周波数領域を、低周波数および高周波数と別個のフィルタリングアルゴリズムにより処理する。
特許文献2によれば、中音周波数バンドは、500Hz〜5kHz間の周波数をカバーする。
米国特許第6381344号明細書
本発明の一実施態様による中音補正は、簡単に全中音を一定のブースト目標レベル(例えば3dB)に設定することができる。しかし、より改善した解決策は、中音ブーストレベルを制限するが、互いに異なる中音周波数サブバンド間の相互比例関係を維持することができる。さらに改善した解決策は、中音域におけるダウンスケール(縮小)係数を線形的にスケール補正することができる。
随意的に、中音フィルタリングに加えて、低音(低周波数)および高音(高周波数)帯域も、同様に最適化することができる。低音領域の超低周波数に対して、カットを実行することができる。高めの低音周波数を、ブースト制限(例えば8dB)に調整することができる。高音周波数は、一定値(例えば、車載音響システムのフロントスピーカに対しては3dB、また、車載音響システムのリヤスピーカに対しては−3dB)に固定することができる。
本発明の実施態様によれば、高反射面を有する狭い車室内において、自動イコライズ補正を行うことができる。これら音響環境において、音場は音源の特殊な位置に大きな影響を受ける。本発明によれば、とくに中音周波数に対して、バランスのとれた鮮明な音を得ることができる。本発明によるシステムの例示的な適用分野は、限られたコンパートメント、例えば車両室、のスピーカシステムである。
本発明の一態様によれば、相互比例関係を維持する中音ブースト圧縮および線形スケール補正を有するオートイコライザを設ける。このように、オーディオイコライザを設け、線形スケール補正技術を使用して中音をブーストする(押し上げる)ことができる。
本発明の一実施態様による中音ブースト圧縮手法は、スペクトルデータを操作して(本発明の実施例によれば、時間領域データのスペクトルデータは操作しない)、クリッピングを防ぐことによってまず音量を増大することを最終目的としない。これとは逆に、本発明のシステムの最終目的は、イコライズ補正した音を形成するとともに、FFT(高速フーリエ変換)ビン、すなわちスペクトルバンド、間の相互比例関係を維持することである。
本発明によれば、自動スピーカイコライズ補正は、とくに自動中音ブースト圧縮が可能である。したがって、スピーカ(例えば拡声器)によって再生される音を著しく改善することができる。
本発明の一実施態様によるシステムは、このように自動イコライズ補正を、とくに自動車において、可能にする。このために、フィルタは、互いに異なる周波数領域をそれぞれ異なる手法で処理するよう構成する。フィルタのパラメータを決定するために、システムが実装される音響環境において音を測定して、このシステムによって音をイコライズ補正するようフィルタ適合を行う。本発明による装置のフィルタを、車内のドライバ位置、または交換運転手の位置に対して調整することができる。代案として、車内の全搭乗者の全位置を補間(内挿)することでフィルタ適合を行うことができ、この結果、平均的に最適化された音を車内の全搭乗者に、種々の必要条件の間で折り合いをとりながら、もたらすフィルタが得られる。
自動車製造業者が車内で音響特性を測定して、一度フィルタ計算を実行することがあり得る。その時、計算して最適化したフィルタを、車内でフィルタ構成を変えずに、実装する。代案として、車載オーディオシステムは、ユーザーにデフォルト値としてのフィルタパラメータを調整する機会を提供することができる。このために、ユーザーを調整手順に沿って、例えばユーザーが目標値を構成条件のパラメータに入力可能なユーザーインターフェースによって、案内を受ける。つぎに、フィルタ計算を、ユーザー定義の仕様を考慮して実行することができる。さらに、ユーザーは、必要に応じて、フィルタ最適化手法を繰り返すことができて、例えばフィルタパラメータを変更した構成条件に適応させることができる。本発明の他の実施態様により、マイクロフォンが車内の一ヶ所またはそれ以上の特定位置、例えばドライバ位置の近傍、で音を検出し、フィルタパラメータのオンライン適応又はリアルタイム適応を自己適応で行うシステムを設ける。
特許請求の範囲の従属請求項には、本発明の他の実施形態について記載する。
次に、音声データを処理する装置の実施例を説明する。これら実施例も、音声データを処理する方法、コンピュータ可読媒体、および、プログラム要素に適用することができる。
この装置において、中周波フィルタユニットは、音声データの中周波数帯域成分に選択的にフィルタ作用を加え、これにより、音声データの中周波数帯域成分における互いに異なる周波数副成分の振幅をダウンスケール補正(縮小)し、ただし、ダウンスケール補正(縮小)した振幅が互いに異なる周波数副成分における元の振幅間の関係又は比例関係を反映したものとなる補正を行う構成とする。すなわち、中周波数帯域をダウンスケール補正(縮小)することによって、中周波数音声成分を強調しすぎて、聞こえが悪い音または変な音になることを防止することができる。従って、この実施形態は、中周波数成分の振幅の制限、および中音領域における互いに異なるサブ周波数バンド間の関係の維持をともに実現する。
他の実施形態によれば、中周波フィルタは、音声データの中周波数帯域成分に選択的にフィルタ作用を加え、これにより、音声データの中周波数帯域成分における互いに異なる周波数副成分としての1/3オクターブバンドの振幅をスケール補正し、ただしスケール補正した振幅が1/3オクターブバンドにおける元の振幅間の関係を反映したものとなるよう補正する構成とする。各オクターブを3つのバンドに分割ことによって、処理リソースに対して十分にきめ細かく、しかも中音フィルタリングの容認できる複雑性を得ることができる。このことによれば、フィルタパラメータの、リアルタイム処理および自己適応アップデートも可能になる。この手法をとることによれば、高速計算手順および十分高度な分析がともに可能になる。しかし、1/3オクターブの選択範囲は十分に細かく容認可能な複雑性を有しているが、この選択範囲は確実に、所望または必要に応じて、より細かくまたはより粗くすることができる。
また、中周波フィルタユニットは、選択的に音声データの中周波数帯域成分にフィルタ作用を加えることができ、これにより、音声データの中周波数帯域成分における互いに異なる周波数副成分の振幅を、互いに異なる周波数副成分の振幅間の比例関係を保ちながらスケール補正し得るものとする。互いに異なるサブバンド間の比例関係または相対強度比を保持することによって、音が原音から大きく変更されず、聴取者(リスナ)の音響的体験に悪影響を及ぼすことがなくなる。
また、この装置はスケール補正ユニットを有し、このスケール補正ユニットは、音声データの中周波数帯域成分における異なる周波数副成分の振幅をスケール補正するための係数を、計算する構成とする。この場合、異周波数副成分の最大振幅を推定して、推定した最大振幅および振幅上限値を示す所定閾値に基づいて、異なる中音周波数サブバンドのうちどれが最も高い音声振幅を有するかを、最初に決定する。つぎに、この最も高い振幅を最大限に許容可能な閾値と比較し、もし閾値を超えたときは、振幅を減少して、この再スケール補正した振幅が所定閾値を超えないようにする。このようなダウンスケール補正係数を、中音領域の全周波数サブバンドに対して用いてダウンスケール補正するが、元の比例関係は維持される。
更に、上述の実施形態に関して、中周波フィルタユニットは、音声データの中周波数帯域成分に選択的にフィルタ作用を加え、音声データの中周波数帯域成分における全ての互いに異なる周波数副成分の振幅を算出したスケール補正係数に従ってダウンスケール補正(縮小)する構成とする。すなわち、スケール補正係数を適用して、全ての異なる中周波数サブバンドの成分をダウンスケール補正することができる。
とくに、中周波フィルタは、音声データの中周波数帯域成分に選択的にフィルタ作用を加える、音声データの中周波数帯域成分における異周波数副成分の振幅を算出したスケール補正係数に従って対数的にダウンスケール補正(縮小)する。
また、この装置は、予め算出したスケール補正係数を各異周波数副成分に応じてそれぞれ調整する構成としたスケール補正係数調整ユニットを随意に有するものとすることができる。換言すれば、基本的な共通のスケール補正係数を算出した後に、この共通スケール補正係数を中音領域の各サブ周波数バンドに応じてそれぞれ調整し、処理した音声データが再生されるときにはその音声データの主観的クオリティをより改善するとともに、分析を洗練することができる。特に、スケール補正係数調整ユニットは、算出したスケール補正係数を異周波数副成分に応じて線形的にスケール補正することによって算出したスケール補正係数を調整する構成とする。これら線形的にスケール補正する技術は、サブバンドの周波数を、特定のサブ領域の調整済みスケール補正係数値に影響を与えるパラメータとして認識する。
例えば、スケール補正係数調整ユニットは、算出したスケール補正係数を調整し得る構成とし、ただし、その調整したスケール補正係数は、第1の周波数副成分は第2の周波数副成分より高周波数として、第2周波数副成分よりも第1周波数副成分の方がより高くなるよう調整する構成とする。この実施形態によれば、サブ範囲の周波数が高いほど、スケール補正係数は大きくなる。特に、調整したスケール補正係数は、各サブ範囲の周波数に線形的に依存する。
また、中周波フィルタユニットは、中周波数帯域としての約0.3kHz〜約8kHz間における周波数帯域の、音声データの成分に選択的にフィルタ作用を加えることができる。しかし、上述の周波数帯域は例示的なものであり、より低周波数またはより高周波数に広げることができる。
本発明の実施形態による装置は、更に高周波フィルタユニットを備えることができ、この高周波フィルタユニットは、音声データの高周波数帯域成分に選択的にフィルタ作用を加え、音声データの高周波数帯域成分における互いに異なる周波数副成分の振幅を一定の所定値に固定する。すなわち、中音より上の全ての周波数寄与を、固定の振幅値に設定することができる。このようにする理由は、例えば8kHz以上の高周波数では多くの場合、バランスのよい補正を行って音色を安定させる必要がないからである。従って、比較的強制的な制限値を、これらのブーストレベルに課すことができる。この手法は、高周波数の補正値計算を、コンピュータに対する負荷を低減して行い、従って極めて高速に行うことができる。この高周波フィルタユニットは、中周波数帯域より上の周波数帯域の、オーディオデータの成分に選択的にフィルタ作用を加えることができる。高周波数領域は、約8kHz以上の全ての周波数寄与を網羅することができる。
付加的に又は代案として、この装置は超低周波フィルタユニットを備えることができ、この超低周波フィルタユニットは、音声データの超低周波数帯域成分に選択的にフィルタ作用を加え、超低周波数帯域成分をカットする構成とする。超低周波数、例えば約40Hz以下の周波数は、スピーカシステムでは再生不可能である。したがって、これらの周波数値は、単純にフィルタ除去することができる。その結果、信号経路におけるいかなる超低周波フィルタをも省略することができる。この超低周波フィルタユニットは、約40Hz以下の周波数帯域の、音声データの成分を選択的にフィルタ除去することができる。
本発明の他の実施形態によれば、この装置は低周波フィルタユニットを備えることができ、この低周波フィルタユニットは、音声データの低周波数帯域成分に選択的にフィルタ作用を加え、超低周波数帯域成分は、所定最大閾値を超えていない振幅は変化させないように、また、所定最大閾値を超えている振幅は最大閾値まで減少させるよう調整する構成とする。このような低周波フィルタユニットは、超低周波数帯域と中周波数帯域(例えば40Hz〜310Hz)との間における周波数寄与に対してフィルタ作用を加えるまたは操作を加える構成とし、最大振幅を超えない場合はフィルタプロセスによる影響を受けない。しかし、この場合、振幅は所定値に制限される。
本発明の装置は、処理した処理したデータを再生するための再生ユニットを有するものとすることができる。換言すれば、入力した音声データを、装置に供給してフィルタによって処理した後に、再生ユニットに処理した出力音声データとして出力し、処理した音声データをリスナに聴き取れるように再生する。このように、処理した音声データを再生する手段は、スピーカまたはヘッドホンとすることができる。
本発明のシステムの主な適用分野は、音声データを処理する分野である。しかしながら、このシステムを、音声データに加えて、例えばビジュアルコンテンツに関連する付加的なデータを処理する計画に組み込むことができる。このように、本発明はビデオデータ処理システムの枠組みの中で実現することができる。
本発明の装置を、乗り物オーディオシステム、携帯オーディオプレーヤ、携帯ビデオプレーヤ、ヘッドマウントディスプレイ、携帯電話、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、ハードディスク搭載のメディアプレーヤ、インターネット無線装置、一般の娯楽機器およびMP3プレーヤからなるグループのうちの一装置として実現することができる。用語「乗り物オーディオシステム」は、車、バン、トラック、船、飛行機または電車などの、あらゆる種の乗り物に、搭載する又は搭載することに適した、あらゆるオーディオシステムを示す。しかしながら、好ましい適用分野は特別な音響環境が存在する乗用車であり、このような乗用車の特別な音響環境において本発明のシステムによって特によく処理することができる上述の装置は本発明の主な適用分野に関するものであるが、あらゆる適用が可能である。
上記態様および本発明の他の態様は、以下に記載する実施例より明らかにし、これら実施例を参照して説明する。
電子娯楽機器は、ますます重要となっている。特に、より多くのユーザーが、オーディオプレーヤや他の娯楽装置を、乗用車のような乗り物で使うために購入している。
先行技術による電子娯楽機器の特徴の1つは、オーディオデータの可聴再生の特性を、ユーザーが定義したように、例えば、ユーザーが制御可能な音量調節またはイコライザによって、調整する機会があることである。この種の特徴は、周知のオーディオプレーヤには組み込まれている。先行技術によれば、ユーザーは、自動車内でHiFi(高再現性)システムの補正を手動で行う。
特許文献1は、オーディオの正規化の方法を開示している。オーディオファイルを再生する要求を受信するとき、音量正規化パラメータをメディアライブラリまたはオーディオファイルから読み出すことができ、オーディオファイルを再生する時には、音量正規化パラメータを適用することができる。
図面は線図的に示す。異なる図面において、類似のまたは同一の要素には同じ参照符号を付けて示す。
以下、図1を参照して、入力音声データ101を処理する、本発明の一実施例による装置100の略図を説明する。装置100は、再生すべき音声内容を、入力音声データ101を含めて記憶する記憶装置102を有する。この場合、記憶装置102はCDプレーヤ内に挿入するよう設計する。しかし、記憶装置102は、MP3ファイルを記憶するハードディスク、またはその同種のものであってもよい。
入力音声データ101を、出力音声データ109を得るための複数のフィルタユニットに供給する。これらフィルタユニットは、詳しくは、随意の超低周波フィルタユニット103、低周波フィルタユニット104、中周波フィルタユニット105、および高周波フィルタユニット106である。
超低周波フィルタユニット103は、入力音声データ101のうち40Hz未満の周波数帯域に選択的にフィルタ作用を加え、これらの超低周波数寄与部分をカットつまり除去するよう構成する。この超低周波数帯域成分は、多くの場合、出力音声データ109にあまり寄与しないので(スピーカ110はこの周波数帯域における音声の寄与を再生することができないことがあるため)、超低周波フィルタユニット103は図1では省略可能に示す。しかし、超低周波数の寄与を再生可能な再生ユニットを設ける場合、または、超低周波数帯域における寄与を出力音声データ109において実現する場合は、この超低周波フィルタユニット103をそれに応じて適合させることができる。
低周波フィルタユニット104は、入力音声データ101の成分のうち40Hz〜310Hzまでの周波数帯域に選択的にフィルタ作用を加えるよう構成する。この周波数領域において、低周波フィルタユニット104は、選択的に入力音声データ101の低周波数帯域成分にフィルタをかけて、低周波数帯域成分を調整する。より詳細には、寄与部分の振幅が例えば8dBの最大閾値を超えないとき、この寄与部分を一定に保つが、が、寄与部分の振幅が最大閾値を超えるとき、この寄与部分の振幅を8dBの最大閾値まで減少する。
また、図1は、中周波フィルタユニット105を示し、この中周波フィルタユニット105は、選択的に入力オーディオデータ101の中周波数帯域成分、特に310Hz〜8kHzの範囲における周波数帯域寄与に、フィルタ作用を加え、これにより、入力音声データ101の中周波数帯域成分における互いに異なる周波数副成分の振幅を拡縮し、ただし、このときスケール補正した振幅が、互いに異なる周波数副成分における元の振幅間の関係または比例を反映してスケール補正するよう構成する。例えば、中周波数を所定数のサブバンドまたは区間、例えば15個の区間に分割ことができる。そのとき、15個の区間における振幅をスケール補正(例えば、縮小)して、元の関係をほぼ維持する。このために、中周波数帯域を1/3のオクターブバンドに分割し、例えば、縮小を行い、この縮小は、互いに異なる周波数副成分の振幅間の比率を維持するようにする。
とくに、中周波フィルタユニット105はスケール補正ユニット107を設けることができ、このスケール補正ユニット107は、互いに異なる周波数副成分における最大振幅、および振幅上限値を示す所定閾値に基づき、入力音声データ101の中周波数帯域成分における互いに異なる周波数副成分の振幅をスケール補正するための補正倍率を算出するよう構成する。例えば、15個のうちどの周波数バンドが最大振幅を有するかを算定する。つぎに、この振幅を、所定閾値と算定した最大振幅との比率に基づいて決定し得る特定縮小係数で縮小補正する。
それから、補正係数調整ユニット(108)は、さらに、補正係数(例えば4)を調整し、算出した補正係数を15個の周波数副成分のそれぞれに応じて個別に調整する。これは、互いに異なる周波数副成分のための算出した補正係数を線形的にスケール補正することにより実行することができる。この方法を、より詳細に以下に説明する。
高周波フィルタユニット106は、音声データ101の高周波数帯域成分、例えば8kHz以上の周波数成分に、選択的にフィルタ作用を加え、これにより、音声データ101の高周波数帯域成分における互いに異なる周波数副成分の振幅を、一定の所定値、例えば3dBに固定するよう構成する。
フィルタユニット103〜106によってフィルタ作用を加えた寄与分をまとめて、出力音声データ109としてスピーカ110に供給し、例えば車内環境において、処理した音声データ109を聴き取れるように再生することができる。
以下に、本発明によるシステムの一実施例を、図2〜図16につき、より詳細に説明する。
本発明の一態様によれば、スピーカシステムを音声イコライズ(自動補正)するように設計したアルゴリズムを設ける。これは、車室内で使用するために実装することができるが、本発明はこの用途に限定するものではない。車室内では、音場は音源の通常とは異なる位置によって大きく影響を受ける。また、車室の容積が小さいこと、およびいくつかの表面が良く反射することにより顕著な共鳴が生じ、これにより、周波数応答が大きく変動する。
以下に、図2には、本発明の一実施例によるアルゴリズム200を、線図的に示す。
アルゴリズム200は、2個の部分、すなわち、測定および測定調整部201と、ならびに、これに続く、逆フィルタ計算部およびフィルタ調整部202と、を有する。
まず、測定および測定調整部201を、より詳細に説明する。チャネル毎に、48kHzでサンプリングされた白色雑音(ホワイトノイズ)信号を、対応するスピーカによって再生し、また、マイクロフォンを介して聴取位置で記録することができる。この記録をアルゴリズム200の他の部分に通過させ、このアルゴリズム部分は、二次バターワース高域(ハイパス)フィルタによって、直流(DC)寄与を除去するために40Hzでカットオフして、記録にフィルタ作用を加える。この後に、ノイズの発生と解析すべき最初の有用サンプルと間の時間遅延を推定する。ここで、代表的でないサンプルを除去することができる。
以下に、逆フィルタ計算およびフィルタ調整部202を、より詳細に説明する。まず、FFT(高速フーリエ変換)計算および基準計算を実行することができる。チャネル(例えば通常の車において4つ)毎に、高速フーリエ変換(FFT)を計算する。FFT長を16.384ポイントで設定する。この周波数分解能(±3Hz)は、適切なローエンド精度を得るのに必要である。
図3は、「左フロントスピーカ‐マイクロフォン(ドライバ位置)」における伝達関数のFFTを示すグラフ300である。グラフ300の横軸301に沿って、周波数をHzの対数目盛りでプロットする。振幅をdBで、グラフ300の縦軸302に沿ってプロットする。
基準(例えば0dB)を決定するために、FFTは、50Hz〜1000Hz間のエネルギーの平均値を用いてスケール補正することができる。この周波数帯域のエネルギーは、頭付近にあるマイクロフォンから独立している。
図4に、スケール補正した「左フロントスピーカ‐ドライバ位置」の伝達関数のグラフ400を示す。
正確なローエンド分解能に必要な比較的大きいFFT長は、正確ではあるが不要なハイエンド分解能を含むことを意味する。大きなハイエンド分解能を有する調整フィルタは、起こり得る鋭いピークの発生により「リンギング(ringing)」を生じることは避けられない。従って、FFTを、25Hz〜20kHzの範囲における複数の1/3オクターブに分割する。最初の1/3オクターブ値は、25Hz、31.5Hz、40Hz、50Hzおよび63Hzとすることができる。これは、なぜ3Hzの周波数分解能を事前に選択するのが適切であるかの理由を説明するものである。
図5は、1/3オクターブバンドでスケール補正した「左フロントのスピーカ‐マイクロフォン」伝達関数を示すグラフ500である。
以下に、逆フィルタ計算をより詳細に説明する。
信号部分内に挿入され、聴取位置でフラットな応答特性にする必要があるフィルタは、図5に示す伝達関数の反転とすることができる。この「生」反転を、図6のグラフ600で示す。
次に、低周波数補正を説明する。
図1のフィルタ103,104は、低周波数補正を実現することができる。しかし、超低周波フィルタ103を信号経路から省略することができ、これは、調整(イコライズ)フィルタはスピーカシステムが再生不可能な周波数を強調する必要はないからである。その代わりに、信号を12dBで、25Hz、31.5Hzおよび40Hzのバンドにおいてカットすることができる。これにより信号にヘッドルーム(無歪限界)の余裕が得られる。調整(イコライズ)する必要があるスピーカ応答特性に基づいて、低周波バンドをいくぶんカットする必要がある。また、大きなブーストレベルを減少して波形歪を防ぐ必要がある。最大低音のブーストレベルを調整することができる。デフォルトとして、値を8dBにセットして、低音ブーストを250Hzまでに制限することができる。
低音調整の結果は、低音ブースト調整を示す図7のグラフ700のように表われる。
次に、中音の補正を説明する。
図7は、約700Hz〜約4kHz間の周波数領域における、回避すべき大きい中音ブーストを示す。直接的な解決策は、ブーストレベルを強制抑止することであろう。試聴テストでレベルを最大で3dBにすべきだということが分かっている。ここで、フィルタを調整(イコライズ)フィルタの代わりに簡単な中音ブーストとする。これを図8のグラフ800に示す。換言すれば、図8は、700Hzから4kHzまでの領域の中音レンジを強制抑止したグラフ800を示す。
この場合、音はより鮮明となるが、あまりバランスがよくない。理論上、補正の目的は聴取位置でのフラットな伝達関数を得ることである。このことは、大きなブーストレベルによって、得られないことが多い。とくに、イコライズ調整は、近接する周波数または周波数バンドの振幅差を、わずかな補正によりフラットにすることができる。
これを、理論上のイコライズ調整と実際のイコライズ調整を示す図9に例示する。
図9における第1のグラフ900は、元の伝達関数を示す。
第2のグラフ901は、理論上のイコライズ調整に関する伝達関数を示す。
第3のグラフ902は、実際のイコライズ調整に関する伝達関数を示す。
以下に、相互比例関係を維持する中音ブースト圧縮を説明する。
特別なシステムを準備し、このシステムは、1/3オクターブバンド間の相互比例関係を維持することにより、中音ブーストレベルを制限(特に圧縮)するものである。この手順は自動化することができ、手順を以下に説明する。
最大(中音)ブーストを、310Hz〜8kHz間の帯域中で検索する。この最大値を、3dBに設定した標準目標値と比較して、全中音域に対する縮小係数を求める。例えば、図7を参照すると、最大中音ブーストは12dB(1.25kHz)である。縮小倍率を、12/3=4と算出することができる。
ここで全中音域を、この係数により対数的に縮小する。これは実際にブーストレベルの圧縮であるが、その理由は、対数領域の一目盛りが線形領域のn乗根に対応するからである。大きいブーストを小さいブーストより多く減少するとともに、相互比例関係を維持することができる。24dB(16)は6dB(2)になり、6dB(2)は1.5dB(1.2)になる。
図10に示すグラフ1000は、上述の中音スケール補正の結果を示す。
しかし、図10に示す中音ブースト圧縮または中音の補正は、より一層最適化することができるが、それはとくに、以下の2つの理由からである。
第1に、310Hzバンドをスケール補正するとともに、250Hzバンドはスケール補正しない。250Hzバンドおよび310Hzバンドを10dB増やす必要があると仮定する。中音スケール補正により、310Hzは、例えば2.5dBにスケール補正されてしまう。そのとき、遷移ブーストレベルの差が大きくなり過ぎる。
第2に、強く音を出す前に、知覚的に中音低域を中音高域よりも押し上げることができるからである。従って、中音低域ブーストレベルを中音高域ブーストレベルと同程度に減少する必要はなくなり、このような方法で「フラットな」音を得ることができる。
以下に、線形スケール補正を伴う中音ブースト圧縮を説明する。
上述の態様により、ダウンスケール補正(縮小)係数で中音域を線形的にスケール補正可能な調整システムを導入することができる。中音域は310Hzと8kHzとの間に設定され、これは合計15個の周波数バンド(310Hz〜400Hz、400Hz〜500Hz、500Hz〜630Hz、…、5000Hz〜6300Hz、6300Hz〜8000Hz)を含む。
元の縮小係数は、以下の公式を使用してバンドに適用することができる。
「バンド毎の縮小係数=1+(縮小係数−1)×バンド番号/バンド数」
固定縮小係数を4と仮定すると、これは以下のようになる。
310Hzのバンドに対しては、縮小係数は、1+(4−1)×1/15=18/15、
400Hzのバンドに対しては、縮小係数は、1+(4−1)×2/15=21/15、
8kHzのバンドに対しては、縮小係数は、1+(4−1)×15/15=60/15=4、となる。
310Hzのバンドは縮小されるが、あまり縮小はされない。このように、250Hzのバンドからの元の転換は、ほぼ不変とすることができる。また、中音高域は中音低域よりもブーストされず、あまり強く音を出さないようにすることができる。
これは、公称最大ブーストが8kHzで起こるときのみ、元の目標値に達することができることを意味している。すなわち、縮小係数がその最大値に達するのは8kHzであるからである。実際には、ほとんどのスピーカシステムは、より高周波数の方に自然なロールオフを行うことから、最大ブーストレベルがこれらの高周波数で起こる可能性は非常に高い。よって全体的には、中音高域に対して得られる最大ブーストレベルは、想定した目標値とあまり異ならない。
図11は、線形的スケール補正を伴う中音圧縮を示すグラフ1100である。
視覚的に図11と図10を比較することはあまり容易ではないが、これは、700Hz以下ではブーストが行われていないからである(周波数の刻み断片は圧縮されず、そのままである)。
これより、図12〜図14によるプロットは、中音低域における線形スケール補正の作用を示した実施例を示す。元のフィルタを、右チャネル伝達関数の測定から算出する。図12は、中音圧縮を含まないグラフ1200である。中音圧縮なしでは、音がやかましく(大きいブーストレベルに)なる。図13は、中音圧縮を例示するグラフ1300である。中音圧縮ありでは、中音の高域はよく調和しているが、中音の低域はまだ改良することができる。
以下に、図14を参照して、線形スケール補正を伴う中音圧縮を示すグラフ1400を説明する。
中音圧縮および線形スケール補正を行うと、最適な中音の補正を達成することができる。中音低域における最もフラットな音を、相互比例関係を維持する圧縮で、低音に向かう完全なクロスオーバー(ブースト)を伴うことにより、達成することができる。中音高域において、ピークおよびディップを線形スケール補正により巧妙に比例させて平準化して、よくバランスのとれた、やかましくない音になる。周波数の刻み断片は不変とする。
以下に、図15のグラフ1500を参照して、高周波数補正を説明する。
8kHz以上では、バランスのよい補正を行い、音色を安定させる必要がある。したがって、強制抑止をこれらのブーストレベルに課すことができる。8kHz以上での小さいブーストは、ステレオ音像を劇的に広げることができる。車中では、フロントスピーカはリヤスピーカと同様に通常のステレオで再生するので、固定的高音(トレブル)強調をフロントチャネルに(必要に応じて)行い、固定的高音(トレブル)カットをリヤチャネルに行うことができる。これによりリスナ側の前方に音像を引き寄せる。
フロントチャネルにおけるブーストを+3dBに固定して、リヤチャネルにおけるカットは-3dBに固定する(前後のチャネル間で6dBの差異を与える)ことができる。
図15のグラフ1500は、上述の(フロントチャネルに対する)高周波数補正を示す。図16は、本発明における上述の実施例によるフィルタ操作の概要を示すグラフ1600である。
周波数領域は、低音領域1601、中音領域1602および高音領域1603に分割する。低音領域1601は、さらに超低周波数域と低周波数域とに分割する。低音領域1601を参照すると、超低周波数域は(−12dBで)カットする。低周波数域を最大8dBのブースト制限により操作する。中音領域1602においては、線形スケール補正を伴う中音圧縮を実行する。高音領域1603においては、振幅を、車のフロントスピーカでは+3dB、リヤスピーカでは−3dBに固定する。
用語「備える(comprising)」とは、他の素子または他のステップを除外するものではなく、また「単数(a)」も複数の場合を除外するものではないことを注意されたい。また、異なる実施例に記載の素子を組合せてもよい。
また、特許請求の範囲の参照符号は、請求の範囲を制限するものではないことに留意されたい。
入力音声データを処理する、本発明の実施例による装置の線図的説明図である。 本発明の実施例によるアルゴリズムを示す線図的説明図である。 伝達関数のFFTを示すグラフである。 図3を拡大・縮小した伝達関数を示すグラフである。 図3を、1/3オクターブバンドでスケール補正した伝達関数を示すグラフである。 図5の「生」反転を示すグラフである。 図6の低音ブースト調整の結果を示すグラフである。 図7から中音領域を制限した結果を示すグラフである。 線図900は、元の伝達関数を示すグラフであり、線図901は、理論上の補正に関する伝達関数を示すグラフであり、線図902は、実際の補正に関する伝達関数を示すグラフである。 図7の中音スケール補正の結果を示すグラフである。 線形スケール補正を伴う中音圧縮を示すグラフである。 中音圧縮を含まないグラフである。 中音圧縮を示すグラフである。 線形スケール補正を伴う中音圧縮を示すグラフである。 高周波数補正の結果を示すグラフである。 本発明の実施例によるフィルタ操作の概要を示すグラフである。

Claims (22)

  1. 音声データを処理する装置において、中周波フィルタユニットを有し、この中周波フィルタユニットは、前記音声データの中周波数帯域成分に選択的にフィルタ作用を加え、前記音声データの前記中周波数帯域成分における互いに異なる周波数副成分の振幅をスケール補正し、ただしこのスケール補正した前記振幅が前記互いに異なる周波数副成分における元の振幅間の関係を反映したものとなるよう補正する構成としたことを特徴とする音声データ処理装置。
  2. 請求項1に記載の音声データ処理装置において、前記中周波フィルタユニットは、選択的に前記音声データの前記中周波数帯域成分にフィルタ作用を加えることにより、前記音声データの前記中周波数帯域成分における前記互いに異なる周波数副成分の前記振幅を縮小するよう構成したことを特徴とする音声データ処理装置。
  3. 請求項1に記載の音声データ処理装置において、前記中周波フィルタユニットは、選択的に前記音声データの前記中周波数帯域成分にフィルタ作用を加えることにより、前記データの前記中周波数帯域成分における前記互いに異なる周波数副成分としての1/3オクターブバンドにわたる前記振幅をスケール補正し、ただしスケール補正した前記振幅に前記1/3オクターブバンドにおける元の振幅間の関係を反映するよう補正する構成としたことを特徴とする音声データ処理装置。
  4. 請求項1に記載のデータ処理装置において、前記中周波フィルタユニットは、選択的に前記音声データの前記中周波数帯域成分にフィルタ作用を加えることにより、前記音声データの前記中周波数帯域成分における前記互いに異なる周波数副成分の前記振幅を、前記互いに異なる周波数副成分の振幅間の比例関係を維持してスケール補正する構成としたことを特徴とする音声データ処理装置。
  5. 請求項1に記載の音声データ処理装置において、スケール補正ユニットを備え、このスケール補正ユニットは、前記互いに異なる周波数副成分の最大振幅を推定することにより、推定した最大振幅と上限値を示す所定閾値とに基づき、前記入力音声データの前記中周波数帯域成分における前記互いに異なる周波数副成分の前記振幅をスケール補正のためのスケール補正係数を算出することを特徴とする音声データ処理装置。
  6. 請求項5に記載の音声データ処理装置において、前記中周波フィルタユニットは、選択的に前記音声データの前記中周波数帯域成分にフィルタ作用を加えることにより、前記音声データの前記中周波数帯域成分における全ての前記互いに異なる周波数副成分の前記振幅を、前記算出したスケール補正係数に従って縮小することを特徴とする音声データ処理装置。
  7. 請求項5に記載の音声データ処理装置において、前記中周波フィルタユニットは、選択的に前記音声データの前記中周波数帯域成分にフィルタ作用を加えることにより、前記音声データの前記中周波数帯域成分における前記互いに異なる周波数副成分の前記振幅を、前記算出したスケール補正係数に従って対数的に縮小することを特徴とする音声データ処理装置。
  8. 請求項5に記載の音声データ処理装置において、前記算出したスケール補正係数を、各前記互いに異なる周波数副成分に応じて個別に調整することによう構成したスケール補正係数調整ユニットを有することを特徴とする音声データ処理装置。
  9. 請求項8に記載の音声データ処理装置において、前記スケール補正係数調整ユニットを適応して、前記算出したスケール補正係数を前記互いに異なる周波数副成分に応じて線形的にスケール補正することによって、前記算出したスケール補正係数を調整することを特徴とする音声データ処理装置。
  10. 請求項8に記載の音声データ処理装置において、前記スケール補正係数調整ユニットは、前記算出したスケール補正係数を調整することで、調整した前記スケール補正係数は、前記第1の周波数副成分は前記第2の周波数副成分より高周波数として、第2の周波数副成分よりも第1の周波数副成分の方が高くなるように構成したことを特徴とする音声データ処理装置。
  11. 請求項1に記載の音声データ処理装置において、前記中周波数フィルタユニット(105)は、前記中周波数帯域としての約0.3kHz〜約8kHzの範囲における周波数帯域の、前記音声データの成分に選択的にフィルタ作用を加える構成としたことを特徴とする音声データ処理装置。
  12. 請求項1に記載の音声データ処理装置において、高周波フィルタユニットを備え、この高周波フィルタユニットは、選択的に前記音声データの高周波数帯域成分にフィルタ作用を加え、前記音声データの前記高周波数帯域成分における互いに異なる周波数副成分の振幅を一定の所定値に固定する構成としたことを特徴とする音声データ処理装置。
  13. 請求項12に記載の音声データ処理装置において、前記高周波フィルタユニットは、前記中周波数帯域より上の周波数帯域の、前記音声データの成分に選択的にフィルタ作用を加える構成としたことを特徴とする音声データ処理装置。
  14. 請求項1に記載の音声データ処理装置において、超低周波フィルタユニットを備え、この超低周波フィルタユニットは、選択的に前記音声データの超低周波数帯域成分にフィルタ作用を加え、前記超低周波数帯域成分をカットする構成としたことを特徴とする音声データ処理装置。
  15. 請求項14に記載の音声データ処理装置において、前記超低周波フィルタユニットは、約0.04kHz以下の周波数帯域の、前記音声データの成分に選択的にフィルタ作用を加える構成としたことを特徴とする音声データ処理装置。
  16. 請求項1に記載の音声データ処理装置において、低周波フィルタユニットを備え、この低周波フィルタユニットは、選択的に前記音声データの低周波数帯域成分にフィルタ作用を加え、前記低周波数帯域成分は、所定の最大閾値を超えていない振幅を変化させないように、および、所定の最大閾値を超えている振幅を該最大閾値まで減少するように、調整する構成としたことを特徴とする音声データ処理装置。
  17. 請求項16に記載の音声データ処理装置において、前記低周波フィルタユニットは、前記超低周波数帯域から前記中周波数帯域までの間における周波数帯域の、前記音声データの成分に選択的にフィルタ作用を加えることを特徴とする音声データ処理装置。
  18. 請求項1に記載の音声データ処理装置において、処理した音声データを再生することに適した再生ユニットを備えたことを特徴とする音声データ処理装置。
  19. 請求項1に記載の音声データ処理装置において、乗り物オーディオシステム、携帯オーディオプレーヤ、携帯ビデオプレーヤ、ヘッドマウントディスプレイ、携帯電話、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、ハードディスク搭載のメディアプレーヤ、インターネット無線装置、一般の娯楽機器およびMP3プレーヤ等からなるグループから選択した一装置として実現したことを特徴とする音声データ処理装置。
  20. 音声データを処理する方法において、前記オーディオデータの中周波数帯域成分に選択的にフィルタ作用を加えることにより、前記音声データの前記中周波数帯域成分における互いに異なる周波数副成分の振幅をスケール補正し、だだしスケール補正した前記振幅が前記互いに異なる周波数副成分における元の振幅間の関係を反映したものとなる補正を行うステップを有することを特徴とする音声データ処理方法。
  21. 音声データを処理するコンピュータプログラムを記憶し、このコンピュータプログラムは、プロセッサにより実行されるとき、以下のステップを制御および実施する、すなわち、選択的に前記音声データの中周波数帯域成分に選択的にフィルタ作用を加え、前記音声データの前記中周波数帯域成分における互いに異なる周波数副成分の振幅をスケール補正して、スケール補正した前記振幅が前記互いに異なる周波数副成分における元の振幅間の関係を反映したものとなるよう補正するステップを行うようにしたことを特徴とするコンピュータ可読媒体。
  22. 音声データ(101)を処理するプログラム要素であって、このプログラム要素は、プロセッサにより実行されるとき、以下のステップを制御および実施する、すなわち、前記音声データの中周波数帯域成分に選択的にフィルタ作用を加え、前記音声データの前記中周波数帯域成分における互いに異なる周波数副成分の振幅をスケール補正して、スケール補正した前記振幅に前記互いに異なる周波数副成分における元の振幅間の関係を反映させるステップを行うようにしたことを特徴とするプログラム要素。
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