JP2008534683A - 過剰増殖性疾患の治療のためのピロロ[2,3−d]イミダゾール - Google Patents

過剰増殖性疾患の治療のためのピロロ[2,3−d]イミダゾール Download PDF

Info

Publication number
JP2008534683A
JP2008534683A JP2008505388A JP2008505388A JP2008534683A JP 2008534683 A JP2008534683 A JP 2008534683A JP 2008505388 A JP2008505388 A JP 2008505388A JP 2008505388 A JP2008505388 A JP 2008505388A JP 2008534683 A JP2008534683 A JP 2008534683A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkyl
cancer
pharmaceutically acceptable
oxide
acceptable salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008505388A
Other languages
English (en)
Inventor
クルー,アンドリユー・フイリツプ
ドン,ハン−チン
パニカー,ビジヨイ
Original Assignee
オーエスアイ・ファーマスーティカルズ・インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by オーエスアイ・ファーマスーティカルズ・インコーポレーテッド filed Critical オーエスアイ・ファーマスーティカルズ・インコーポレーテッド
Publication of JP2008534683A publication Critical patent/JP2008534683A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D487/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00
    • C07D487/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D487/04Ortho-condensed systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system

Landscapes

  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

式(I)
Figure 2008534683

又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドは、腫瘍及び癌の治療において有用である。

Description

本発明は、ピロロ[2,3−d]イミダゾール化合物に関する。特に、本発明は、c−Kit癌原遺伝子(KIT、CD−117、幹細胞因子受容体、肥満細胞増殖因子受容体としても知られる。)の阻害剤であるピロロ[2,3−d]イミダゾール化合物に関する。
c−Kit癌原遺伝子は、胚形成、メラニン形成、血球新生において、並びに肥満細胞症、胃腸性腫瘍及び他の固形腫瘍及びAMLを含むある種の白血病の発病において重要であると考えられている。従って、c−Kit受容体の阻害剤である新規化合物を開発することが望ましい。
過剰増殖性疾患(癌)のための現行の治療法の多くは、DNA合成を阻害する化合物を利用する。このような化合物の作用機序は、細胞、特に迅速に分裂している腫瘍細胞への毒性があることである。従って、前記化合物の幅広い毒性は、対象患者に対して問題となり得る。しかしながら、抗癌作用の選択性を増強させ、それにより有害な副作用を低下させようする試みのために、DNA合成の阻害以外によって作用する抗癌剤に対する他のアプローチが探索されてきた。
細胞が、そのDNAの一部を癌遺伝子(すなわち、活性化されると、悪性腫瘍細胞の形成に至る遺伝子)へと形質転換することによって癌性となり得ることは公知である。多くの癌原遺伝子は、細胞の形質転換を生じ得る異常型タンパク質−チロシンキナーゼであるタンパク質をコードする。異なる経路によって、正常な癌原性チロシンキナーゼの過剰発現も、増殖性疾患をもたらすことが可能であり、悪性表現型に至る場合もある。あるいは、同一細胞種内での受容体型チロシンキナーゼ及びその同族体リガンドの同時発現も、悪性の形質転換に至り得る。
受容体チロシンキナーゼは、細胞膜を貫き、i)(幹細胞因子(SLF)、造血幹細胞因子(SLF)又は肥満細胞増殖因子(MGF)としても知られる)KITリガンドなどの増殖因子のための細胞外結合ドメイン、ii)膜貫通ドメイン、及びiii)タンパク質中の特異的チロシン残基をリン酸化するためのキナーゼとして機能する細胞内部分、を有する大きな酵素である。KITリガンドのKITチロシンキナーゼへの結合は、受容体のホモ二量体化、KITチロシンキナーゼ活性の活性化及び様々なタンパク質基質のその後のリン酸化をもたらし、タンパク質基質の多くは、細胞内シグナル伝達のエフェクターである。これらの事象によって、増強された細胞増殖がもたらされ、又は増強された細胞の生存を促進することが可能である。幾つかの受容体型キナーゼで、受容体ヘテロ二量体化も生じ得る。
乳癌、頭部及び頸部癌、結腸癌、直腸癌又は胃癌などの胃腸癌、白血病、並びに卵巣癌、気管支癌、肺癌又は膵臓癌などのヒトの一般的な癌において、このようなキナーゼが頻繁に異常に発現することは公知である。肥満細胞症/肥満細胞性白血病、胃腸間質性腫瘍(GIST)、小細胞肺癌(SCLC)、副鼻腔ナチュラルキラー/T細胞リンパ腫、精巣癌(セミノーマ)、甲状腺癌、悪性黒色腫、卵巣癌、腺様嚢胞癌、急性骨髄性白血病(AML)、乳癌、小児T細胞急性リンパ芽球性白血病、血管肉腫、未分化大細胞型リンパ腫、子宮内膜癌及び前立腺癌などの幅広い多様なヒト悪性腫瘍において、KITキナーゼ発現が文献に記載されている。KITのキナーゼ活性は、乳癌、SCLC、GIST、胚細胞性腫瘍、肥満細胞性白血病、神経芽細胞腫、AML、黒色腫及び卵巣癌など、幾つものこれらの腫瘍及びその他の腫瘍の病態生理学に関与していると推定されてきた。
腫瘍細胞におけるKIT活性化の幾つものメカニズムが報告されてきており、活性化している突然変異、受容体キナーゼのリガンドによる受容体キナーゼの自己分泌及び傍分泌活性化、タンパク質−チロシンホスファターゼ活性の喪失並びに他のキナーゼによる交差活性化が含まれる。活性化している突然変異によって開始される形質転換メカニズムは、二量体形成及びキナーゼドメインの固有活性の増加を含むと考えられており、何れも、リガンド非依存性の恒常的なキナーゼの活性化をもたらし、おそらく変化した基質特異性をもたらす。Kitタンパク質の30超の活性化している突然変異は、ヒトの高度に悪性の腫瘍と関係付けられてきた。
従って、受容体チロシンキナーゼの阻害剤が、哺乳類癌細胞の成長の選択的な阻害剤として有用であることが認識されてきた。例えば、BCR−ABL融合遺伝子産物のキナーゼ活性を阻害する2−フェニルピリミジンチロシンキナーゼ阻害剤であるGleevecTM(イマチニブメシラート又はSTI571としても知られる。)は、CMLの治療のために、米国食品医薬品局によって最近認可された。GleevecTMは、BCR−ABLキナーゼを阻害することに加え、KITキナーゼ及びPDGF受容体キナーゼも阻害するが、KITキナーゼの全ての突然変異イソフォームに対して有効であるわけではない。MO7eヒト白血病細胞のKitリガンドにより刺激される成長は、GleevecTMによって阻害され、GleevecTMは、これらの条件下でアポトーシスも誘導する。対照的に、MO7eヒト白血病細胞のGM−CSFにより刺激される成長は、GleenvecTMによって影響を受けない。さらに、GleevecTMを使用して、KITキナーゼが細胞の形質転換に関与する疾病であるGISTの患者を治療するための最近の臨床研究では、患者の多くが顕著な改善を示した。
これらの研究は、その成長がKITキナーゼ活性に依存する腫瘍を、KITキナーゼ阻害剤がいかに治療できるかを示す。他のキナーゼ阻害剤はさらにより大きなキナーゼ選択性を示す。例えば、4−アニリノキナゾリン化合物であるTarcevaTMは、高い強度を有するEGF受容体型キナーゼのみを阻害するが、おそらく、これらの受容体がEGF受容体とヘテロ二量体を形成する事実によって、他の受容体型キナーゼのシグナル伝達を阻害できる。
上述のものなどの抗癌性化合物は本分野に対して多大な貢献をしているが、改善された抗癌性医薬品に対する継続的な要求が存在し、より良好な選択性若しくは作用強度を有するか、又は毒性若しくは副作用が低下した、新規化合物を開発することが望ましい。
式(I)
Figure 2008534683
によって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはNオキシドは、腫瘍及び癌の治療において有用である。
本発明は、式(I)
Figure 2008534683
によって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドに関する。
(Aは、C0−6アルキル又は−NR11であり、
Eは、−CO、-CONR1221、−C(R)OR212又は−C(R)NR12であり、
Dは、アリール又はヘタリールであり、
Gは、C0−6アルキル、ハロゲン、場合によって置換されるシクリル、場合によって置換されるヘテロシクリル、−OR22、−NR1322、−CN、又は−CFであり、
、R11、R12、R212、及びR13は、各々独立に、C0−6アルキル、−COR14、−CONR1415又は−S(O)NR1415であり、
14及びR15は、各々独立に、C0−6アルキル、−CO(C0−6アルキル)、−CON(C0−6アルキル)(C0−6アルキル)又は−S(O)N(C0−6アルキル)(C0−6アルキル)であり、
及びR22は、各々独立に、ヘテロシクリルで場合によって置換されたC1−8アルキル、−C0−8アルキル−C3−8シクロアルキル、−C2−8アルキル−O−C0−8アルキル、−C2−8アルキル−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C2−8アルキル−S(O)0−2−C0−8アルキル、又はC0−8アルキル、シクリル若しくは置換されたシクリル置換体で場合によって置換されたヘテロシクリルであり、
21は、ヘテロシクリルで場合によって置換されたC0−8アルキルであり、R21は、−C0−8アルキル−C3−8シクロアルキル、−C2−8アルキル−O−C0−8アルキル、−C2−8アルキル−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、又は−C2−8アルキル−S(O)0−2−C0−8アルキル、又はR21は、C0−8アルキル、シクリル若しくは置換されたシクリル置換体で場合によって置換されたヘテロシクリルであり、
及びRは、各々独立に、C0−8アルキル若しくはC3−8シクロアルキルであり、
又はR及びRは、それらが結合するCとともに、環の節に0ないし4個のN、O、S、SO若しくはSOを場合によって含有する飽和若しくは部分的に不飽和の3ないし10員環を形成し、但し、N、O若しくはS原子のいずれも、環の節において互いに隣接して配置されず、並びに
n及びmは、互いに独立に、0、1、又は2である。)
ある態様において、本発明は、AがC0−6アルキルであり、及び他の変数が式(I)に関して上述のとおりである、式(I)によって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドに関する。
この一つの態様のある実施形態において、本発明は、AがC0−6アルキルであり、Eは−COであり、及び他の変数が式(I)に関して上述のとおりである、式(I)によって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドに関する。
この一つの態様の別の実施形態において、本発明は、AがC0−6アルキルであり、Eが−CONR1221であり、及び他の変数が式(I)に関して上述のとおりである、式(I)によって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドに関する。
この一つの態様のさらに別の実施形態において、本発明は、AがC0−6アルキルであり、Eが−C(R)OR212であり、及び他の変数が式(I)に関して上述のとおりである、式(I)によって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドに関する。
この一つの態様のさらに別の実施形態において、本発明は、AがC0−6アルキルであり、Eが−C(R)NR12であり、及び他の変数が式(I)に関して上述のとおりである、式(I)によって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドに関する。
第二の態様において、本発明は、式(I)によって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドに関し、式中AはNR11であり、他の変数は式(I)に関して上述のとおりである。
第三の態様において、本発明は、Dがアリールである、式(I)によって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドに関する。
この第三の態様のある実施形態において、本発明は、Dがアリールであり、GがC0−6アルキルであり、及び他の変数が式(I)に関して上述のとおりである、式(I)によって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドに関する。
この第三の態様の別の実施形態において、本発明は、Dがアリールであり、Gがハロゲンであり、他の変数が式(I)に関して上述のとおりである。式(I)によって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドに関する。
この第三の態様のさらに別の実施形態において、本発明は、Dがアリールであり、Gが場合によって置換されるヘテロシクリルであり、及び他の変数が式(I)に関して上述のとおりである、式(I)によって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドに関する。
本発明の化合物には、
Figure 2008534683
又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドが含まれる。
本明細書で使用される場合、別段の記載がなければ、「アルキル」及び接頭辞「アルク」を有する他の基は、例えば、アルコキシ、アルカニル、アルケニル、アルキニルなどの、直鎖又は分岐鎖又はそれらの組み合わせであり得る炭素鎖を意味する。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルなどが含まれる。「アルケニル」、「アルキニル」及び他の類似用語には、少なくとも1つの不飽和炭素−炭素結合を有する炭素鎖が含まれる。
本明細書で使用されるように、「C0−6アルキル」は、0ないし6個の炭素、すなわち、直鎖又は分岐鎖の立体配置にある0、1、2、3、4、5又は6個の炭素を有するアルキルを意味するために使用される。アルキルが末端基の場合には、炭素を有さないアルキルは水素である。アルキルが架橋(接続)基の場合には、炭素を有さないアルキルは直接の結合である。
「シクロアルキル」、「炭素環式環」、「環状」又は「シクリル」という用語は、複素原子を含有しない、3ないし10員の単環式又は多環式の芳香族、部分的芳香族又は非芳香族環の炭素環を意味し、単環式、二環式及び三環式の飽和炭素環並びに縮合及び架橋された系を含む。このような縮合された環系には、ベンゾ融合された炭素環などの縮合された環系を形成するための、ベンゼン環などの部分的に又は完全に不飽和である1つの環が含まれ得る。シクロアルキルには、スピロ縮合された環系のような縮合された環系が含まれる。シクロアルキル及び炭素環式環の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3−8シクロアルキル、及びデカヒドロナフタレン、アダマンタン、インダニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンなどが含まれる。
「ハロゲン」という用語には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が含まれる。「カルバモイル」という用語は、特に別段の記載がなければ、−C(O)−NH−又は−NH−C(O)−を意味する。
「アリール」という用語は、化学者に周知である。好ましいアリール基は、フェニル及びナフチルである。
「ヘタリール」という用語は、化学者に周知である。本用語には、酸素及び硫黄が互いに隣接していない、酸素、硫黄及び窒素から選択される1ないし4個の複素原子を含有する5員又は6員のヘテロアリール環が含まれる。このようなヘテロアリール環の例は、フリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルである。「ヘタリール」という用語には、ベンゾ縮合されたヘタリールを形成するためのベンゼン環などの部分的に又は完全に不飽和の縮合された炭素環式環系を有するヘタリール環が含まれる。例えば、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、キノキサリンなどである。
別段の記載がなければ、「複素環式環」、「複素環」、「複素環の」及び「ヘテロシクリル」という用語は等価であり、環状であるが、N、O及びS(並びにN及びSオキシド)から独立して選択される1つ又はそれ以上の原子も含有する環状として定義される(但し、このような誘導体が適切で、安定した結合価を呈し、及びO−O、S(O)−S(O)、S(O)−O結合(n=0ないし2である。)を含有する部分を除外する。)。本用語には、酸素、硫黄及び窒素から選択される1つ又は2つの複素原子を含有する4ないし8員の飽和環が含まれる。複素環式環の例には、アゼチジン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、オキセパン、オキソカン、チエタン、チアゾリジン、オキサゾリジン、オキサゼチジン、ピラゾリジン、イソキサゾリジン、イソチアゾリジン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、チエパン、チオカン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、[1,3]ジオキサン、オキサゾリジン、ピペラジン、ホモピペラジン、モルフォリン、チオモルフォリンなどが含まれる。複素環式環の他の例には、硫黄含有環の酸化された形態が含まれる。従って、テトラヒドロチオフェン−1−オキシド、テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、チオモルフォリン−1−オキシド、チオモルフォリン−1,1−ジオキシド、テトラヒドロチオピラン−1−オキシド、テトラヒドロチオピラン−1,1−ジオキシド、チアゾリジン−1−オキシド、チアゾリジン−1,1−ジオキシドも複素環式環であると考えられる。「複素環式」という用語も、het−het縮合された系などの縮合された環系を含み、ベンゾ縮合された複素環を形成するためのベンゼン環などの部分的に又は完全に不飽和である炭素環式環を含むことが可能である。例えば、3,4−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリンなどである。
本明細書に記載されている化合物は、1つ又はそれ以上の不斉中心を含有し得、従ってジアステレオマー及び光学異性体を生じさせ得る。本発明には、このような可能性のある全てのジアステレオマー及びそれらのラセミ混合物、実質的に純粋な分離されたそれらの鏡像異性体、可能性のある全ての幾何学的異性体並びに医薬として許容されるそれらの塩が含まれる。上述の式Iは、特定の位置に確定的な立体化学を有さずに示されている。本発明には、式Iの全ての立体異性体及び医薬として許容されるその塩が含まれる。さらに、立体異性体の混合物及び単離された特異的な立体異性体も含まれる。このような化合物を調製するために使用される合成手法の間に、又は当業者に公知のラセミ化若しくはエピマー化を使用する際に、このような手法の生成物は立体異性体の混合物であり得る。
本発明は、医薬として許容される担体と組み合わせて式1の化合物から構成される医薬組成物も包含する。好ましくは、前記組成物は、医薬として許容される担体と、上述のとおりの式Iの化合物(又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシド)の非毒性治療的有効量とを含む。
さらに、この好ましい実施形態内で、本発明は、医薬として許容される担体と、上述のとおりの式Iの化合物(又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシド)の非毒性治療的有効量とを含む、タンパク質の野生型又は突然変異体形態であり得るc−Kitキナーゼの阻害による疾病の治療のための医薬組成物を包含する。
本発明の化合物及び組成物は、例えばヒトなどの哺乳類を治療するために効果的である。
「医薬として許容される塩」という用語は、医薬として許容される非毒性の塩基又は酸から調製される塩を指す。本発明の化合物が酸性である場合には、その対応する塩は、無機塩基及び有機塩基を含む医薬として許容される非毒性塩基から都合よく調製できる。このような無機塩基由来の塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(ic及びous)、三価鉄、二価鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(ic及びous)、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩が含まれる。特に好ましいのは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウムの塩である。医薬として許容される有機非毒性塩基由来の塩には、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミン及び環状アミン、並びに天然に存在する置換されたアミン及び合成された置換されたアミンなどの置換されたアミンが含まれる。塩が形成され得る他の医薬として許容される有機非毒性塩基には、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N’,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルフォリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソピロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルフォリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン残基、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどのイオン交換樹脂が含まれる。
本発明の化合物が塩基性である場合には、その対応する塩は、無機及び有機酸を含む医薬として許容される無毒の酸から都合よく調製できる。このような酸には、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸(pamoic acid)、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが含まれる。特に好ましいのは、クエン酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、酒石酸である。
本発明の医薬組成物は、活性成分としての式Iによって表される化合物(又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシド)、医薬として許容される担体を含み、他の治療成分又はアジュバントを場合によって含む。前記組成物には、経口投与、直腸投与、局所投与、非経口投与(皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与を含む。)に適した組成物が含まれるが、適用されるいずれの場合においても、最も適した経路は、特定の宿主並びに活性成分が投与されている疾患の性質及び重度に依存する。医薬組成物は、単位剤形で都合よく付与され得、薬学の分野で周知の方法のいずれによっても調製され得る。
実際、式Iによって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドは、慣用の薬学的配合技術に従って、医薬担体との緊密な混合物中の活性成分として混ぜ合わせることが可能である。前記担体は、投与に対して望ましい調製の形態に応じて、多様な形態を取り得る。例えば、経口用又は非経口用(静脈内用を含む。)である。従って、本発明の医薬組成物は、活性成分の所定の量を各々含有するカプセル、オブラート、錠剤などの経口投与に適した分離した単位として付与され得る。さらに、前記組成物は、粉末として、顆粒として、溶液として、水性液体中の懸濁液として、非水性液体として、水中油乳剤として、油中水液体乳剤として付与され得る。上記一般的な剤形に加え、式Iによって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドは、徐放性手段及び/又は送達装置によっても投与され得る。前記組成物は、薬学の方法のいずれによっても調製され得る。一般的に、このような方法には、前記活性成分を、1つ又はそれ以上の必要な成分を構成する担体と組み合わせる工程が含まれる。一般的に、前記組成物は、活性成分を、液体担体又は細かく分割された固体担体又はその両者と均一かつ緊密に混合することによって調製される。前記生成物は、次いで、望ましい形状へと都合よく成形され得る。
従って、本発明の医薬組成物は、医薬として許容される担体及び式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドを含み得る。式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドは、1つ又はそれ以上の他の治療的に活性な化合物と組み合わせた医薬組成物中にも含まれ得る。
本発明の医薬組成物には、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドを含有する医薬として許容されるリポソーム製剤が含まれる。
使用される医薬担体は、例えば、固体、液体又は気体であり得る。固体担体の例には、乳糖、テラアルバ、ショ糖、滑石、ゼラチン、アガー、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸が含まれる。液体担体の例は、糖シロップ、ピーナツ油、オリーブ油及び水である。気体担体の例には、二酸化炭素及び窒素が含まれる。
経口剤形のための組成物を調製する上で、都合のよいあらゆる薬学的媒体が採用され得る。例えば、水、グリコール、油、アルコール、香料、保存料、着色料などを、懸濁液、エリキシル及び溶液などの経口液体調製物を形成するために使用することができるが、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などは、粉末、カプセル及び錠剤などの経口固体調製物を形成するために使用し得る。投与の簡便さのため、錠剤及びカプセルは、固体医薬担体が採用される好ましい経口用量単位である。必要に応じて、錠剤は、標準的な水性又は非水性技術によってコーティングされ得る。
本発明の組成物を含有する錠剤は、場合によって、1つ又はそれ以上の付属的な成分又はアジュバントとともに、圧縮又は成形することによって調製され得る。圧縮された錠剤は、場合によって、結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、表面活性剤、分散剤又は他のこのような賦形剤とともに混合された、粉末又は顆粒などの自由流動形態の活性成分を、適切な機械の中で圧縮することによって調製され得る。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤、例えばトウモロコシデンプン又はアルギン酸などの造粒剤及び崩壊剤、例えば、デンプン、ゼラチン又はアカシアなどの結合剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又は滑石などの潤滑剤であり得る。錠剤はコーティングされ得ないか、又は胃腸管における崩壊及び吸収を遅延させる公知の技術によってコーティングされ得、これにより、より長時間にわたって持続した作用を提供する。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料が使用され得る。
硬質ゼラチンカプセルにおいて、活性成分は、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリンなどの不活性固体希釈剤と混合される。軟質ゼラチンカプセルにおいて、活性成分は、水又は油媒体、例えばピーナツ油、液体パラフィン、オリーブ油などと混合される。錠剤は、適切な機械の中で成形することによって成形され得、粉末化された化合物の混合物は、不活性液体希釈剤で湿潤化される。各錠剤は、好ましくは、活性成分約0.05mgないし約5gを含有し、各オブラート又はカプセルは、好ましくは、活性成分約0.05mgないし約5gを含有する。
例えば、ヒトへの経口投与用の製剤は、活性成分約0.5mgないし約5gを含有し得、組成物全体の約5%から約95%までを変動し得る担体材料の適切かつ都合のよい量とともに配合される。単位剤形は、一般的に、活性成分約1mgないし約2gを含有し、典型的には25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mg又は1000mgを含有する。
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、水中の活性化合物の溶液又は懸濁液として調製され得る。例えば、ヒドロキシプロピルセルロースなどの適切な界面活性剤が含まれ得る。分散液は、油中でのグリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物中にも調製され得る。さらに、微生物の有害な生育を防止するために、保存料が含まれ得る。
注入可能用途に適した本発明の医薬組成物には、滅菌済み水性溶液又は分散液が含まれる。さらに、組成物は、このような滅菌済みの注入可能な溶液又は分散液の即時調製のための滅菌済み粉末の形態であり得る。何れの場合においても、最終的な注入可能な形態は、滅菌済みでなければならず、簡便な注入可能性のために効果的な流体でなければならない。医薬組成物は、製造及び保存の条件下で安定でなければならず、従って、好ましくは、細菌及び菌類などの微生物の夾雑作用に対して防腐されるべきである。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、植物油、及びそれらの適切な混合物を含有する、溶媒又は分散液媒体であり得る。
本発明の医薬組成物は、例えば、エアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、散布剤など、局所使用に適した形態であり得る。さらに、前記組成物は、経皮装置において使用するのに適した形態であり得る。これらの製剤は、本発明の式Iによって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドを利用して、慣用の加工方法を介して調製され得る。一例として、クリーム又は軟膏は、前記化合物の約5重量%ないし約10重量%とともに、親水性材料と水とを混合することによって調製され、望ましい稠度を有するクリーム又は軟膏を与える。
本発明の医薬組成物は、担体が固体である、直腸投与に適した形態であり得る。混合物は、単位用量坐薬を形成することが好ましい。適切な担体には、ココアバター及び、本分野で一般的に使用される他の材料が含まれる。前記坐薬は、まず前記組成物を、軟化又は融解した担体と混合した後、鋳型の中で冷却し成形することによって都合よく形成され得る。
上述の担体成分に加えて、上述の医薬製剤には、適切なように、希釈剤、緩衝液、香料、結合剤、界面活性剤、増粘剤、潤滑剤、(抗酸化剤を含む)保存料などが含まれ得る。さらに、企図されるレシピエントの血液と等張の製剤にするように、他のアジュバントを含めることが可能である。式Iによって記載される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドを含有する組成物は、粉末又は液体濃縮物の形態でも調製され得る。
一般的に、1日あたり約0.01ないし約750mg/体重kg、あるいは患者につき1日あたり約0.5mgないし約75gでの用量レベルは、上記症状の治療において有用である。例えば、乳癌、頭部及び頸部癌、結腸癌、直腸癌又は胃癌などの胃腸癌は、体重1kgあたり1日あたり化合物約0.01ないし500mg、あるいは患者あたり1日あたり約0.5mgないし約50gの投与によって効果的に治療され得る。
同様に、白血病、卵巣癌、気管支癌、肺癌及び膵臓癌は、体重1kgあたり1日あたり化合物約0.01ないし500mg、あるいは患者あたり1日あたり約0.5mgないし約50gの投与によって効果的に治療され得る。
肥満細胞症/肥満細胞性白血病、胃腸間質性腫瘍(GIST)、小細胞肺癌(SCLC)、副鼻腔ナチュラルキラー/T細胞リンパ腫、精巣癌(セミノーマ)、甲状腺癌、悪性黒色腫、卵巣癌、腺様嚢胞癌、急性骨髄性白血病(AML)、乳癌、小児T細胞急性リンパ芽球性白血病、血管肉腫、未分化大細胞型リンパ腫、子宮内膜癌及び前立腺癌は、体重1kgあたり1日あたり前記化合物約0.01ないし500mg、あるいは患者あたり1日あたり約0.5mgないし約50gの投与によって効果的に治療され得る。
しかしながら、いずれかの特定の患者のための特異的用量レベルは、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与時刻、投与経路、排泄経路、薬物の組み合わせ及び治療を受けている特定の疾病の重度を含む、多様な因子に依存することが理解される。
本発明の化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドは、他の癌治療化合物とも効果的に投与され得る。例えば、細胞傷害性薬物及び血管新生阻害剤は、本発明の化合物との有利な共同作用剤であり得る。従って、本発明には、式Iによって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドと、細胞傷害性薬物又は血管新生阻害剤とを含む組成物が含まれる。それぞれの量は、単独で治療的に有効であり得、この場合には、付加的な効果によって、単一療法による治療に対して耐性のある癌を克服できる。何れの量も、特に重度の患者における副作用を最小化するために、治療量以下であることも可能である。
癌の治療が癌の種類に依存することが理解される。例えば、肺癌は、治療される結腸癌又は乳癌とは、一次治療として異なって治療される。肺癌内でさえ、例えば、一次治療は、二次治療とは異なり、順に、二次治療は三次治療とは異なる。新たに診断された患者は、シスプラチン含有療法で治療され得る。それが失敗に至った場合、タキサンなどの二次治療へと移行する。最終的に、それが失敗である場合、第三治療としてチロシンキナーゼであるEGFR阻害剤を服用し得る。さらに、規制上の認可工程は、国によって異なり得る。従って、受理される治療法は、国ごとに異なり得る。それにもかかわらず、本発明の化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドは、このような他の癌治療化合物とともに又は組み合わせて、有益に同時投与され得る。このような他の化合物には、例えば、様々な細胞傷害性薬物(アルキル化剤、DNAトポイソメラーゼ阻害剤、代謝拮抗物質、チューブリン結合剤)、血管新生阻害剤、並びにTarcevaなどのキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体及び癌ワクチンなどの治療法の他の異なる形態が含まれる。本発明の化合物と有益に同時投与され得るような他の化合物には、ドキソルビシン、ビンクリスチン、シスプラチン、カルボプラチン、ゲムシタビン、タキサンが含まれる。このように、本発明の組成物は、式1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシド、抗悪性腫瘍薬、抗腫瘍薬、抗血管新生薬又は化学療法薬を含む。
本発明の化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシドは、癌療法とは別に、他の癌治療化合物ともに効果的に投与され得る。例えば、有害な副作用を緩和するのに効果的な治療薬が、本発明の化合物との有利な共同作用剤であり得る。
I. 無傷の細胞におけるc−Kitの阻害に関するアッセイ
当初ヒト小細胞肺癌から得られたH526細胞系(ATCC#CRL−5811)を使用する細胞ベースのELISAアッセイにおいて、c−Kitのチロシンキナーゼ活性を阻害する化合物の能力を測定した。本アッセイは、H526細胞において内因的に発現する野生型c−Kit受容体タンパク質のリガンド刺激性チロシンリン酸化を遮断する化合物の能力を測定する。c−Kit受容体チロシンキナーゼに対するリガンドである幹細胞因子(SCF)の添加前に、細胞を、様々な濃度の化合物と事前温置する。次に、細胞可溶化液を調製し、c−Kit抗体でコーティングした96ウェルELISAプレート上でc−Kitタンパク質を捕捉する。次に、捕捉されたタンパク質内のリン酸化されたチロシン残基のみを認識する抗体の結合度の定量化によって、前記受容体タンパク質のリン酸化チロシン含有量をモニターする。使用される抗体は、共有結合した受容体酵素(例、西洋ワサビペルオキシダーゼ、HRP)を有し、それにより、リン酸化されたc−Kitに対する抗体の結合が、適切なHRP基質との温置によって定量的に測定できる。
使用される原試薬は、次のとおりである。
細胞可溶化緩衝液:
50mMトリス−HCl、pH7.4
150mM NaCl
10%グリセロール
1%トリトンX−100
0.5mM EDTA
1μg/mLロイペプチン
1μg/mLアプロチニン
1mMオルトバナジン酸ナトリウム
抗c−Kit抗体:
50mM炭酸水素ナトリウム、pH9中の0.5μg/mL抗c−Kit Ab−3(Lab Vision、カタログ番号MS289P1)。
ELISAアッセイプレート:
抗c−Kit抗体100μLを96ウェルMicrolite−2プレート(Dynex、カタログ番号7417)の各ウェルへ添加した後、37℃で2時間温置することによって、ELISAアッセイプレートを調製する。次に、前記ウェルを300μLの洗浄緩衝液で2回洗浄する。
プレート洗浄緩衝液:
0.5%トゥイーン20含有PBS(PBST)
細胞アッセイ培地:
0.1%BSA含有RPMI
pY20−HRP:
0.5%トゥイーン20、5%BSA、1mMオルトバナジン酸ナトリウムを含有する、PBS中の25ng/mL pY20−HRP(Calbiochem、カタログ番号525320)
HRP基質:
化学発光検出試薬(Pierce、カタログ番号37075)
アッセイプロトコール:
10%ウシ胎仔血清含有RPMI中で生育するH526細胞の培養物を遠心分離により回収し、PBSで2回洗浄し、細胞アッセイ培地中に懸濁した。次に、100μL細胞アッセイ培地中で1ウェルあたり7.5×10個の細胞で、細胞をV底96ウェルプレートへと分配した。
細胞アッセイ培地中での希釈によって、化合物希釈物を10mMのDMSO原液から調製し、前記アッセイにおけるDMSOの最終濃度は0.1%であった。化合物温置ウェルへ、検査化合物50μLを添加し(化合物は、0.1nMと100μMとの間の濃度でアッセイされる。)、陽性対照ウェル及び陰性対照ウェルへ、0.1%DMSOを含有する50μL細胞アッセイ培地を添加した。次に、細胞を、化合物とともに37℃で3時間温置した。次に、SCF(R&D Systems、カタログ番号255−SC−010)を添加し、Kit受容体を刺激し、そのチロシンリン酸化を誘導した。次に、細胞アッセイ培地中のSCFの1.6μg/mL溶液10μLを、陰性対照ウェルを除く全てのウェルへ添加し、細胞を37℃でさらに15分間温置した。氷冷したPBSの添加後、前記プレートを1000rpmで5分間遠心分離し、培地を吸引除去し、1ウェルあたり120μLの氷冷細胞可溶化緩衝液の添加によって、細胞ペレットを可溶化した。前記プレートを氷上で20分間保持した後、細胞可溶化液100μLを各ウェルからELISAアッセイプレートのウェルへと転移し、4℃で16時間温置した。
ELISAプレート中の細胞可溶化液の温置後、ウェルを300μLの洗浄緩衝液で4回洗浄した後、リン酸化チロシン検出抗体pY20−HRP100μLを各ウェルへ添加し、プレートを室温で2時間温置した。次に、前記ウェルを300μLの洗浄緩衝液で4回洗浄した。次に、化学発光HRP基質50μLを各ウェルへ添加し、前記プレートへ結合した抗リン酸化チロシン−HRP結合体の量を発光測定により定量化した。
化合物の存在下で得られるアッセイシグナルと、陽性対照及び陰性対照のアッセイシグナル(SCFの存在下又は不存在下で温置される細胞であり、化合物は添加されていない。)との比較によって、c−Kit受容体チロシンリン酸化の阻害の程度を、化合物の濃度の範囲にわたって測定できる。これらの阻害値を、シグモイド形の用量−反応阻害曲線へフィッティングし、IC50値(すなわち、c-Kitタンパク質のSCF誘発性チロシンリン酸化を最大50%阻害する化合物の濃度)を測定した。
II.活性化されたc−Kitキナーゼのベンチアッセイ
c−KitチロシンキナーゼドメインをコードするcDNAをK562細胞から単離し、GST(グルタチオンS−トランスフェラーゼ)との融合タンパク質として、昆虫細胞におけるタンパク質発現のためのバキュロウィルス発現ベクターへとクローン化した。精製後、前記酵素をATPとともに温置し、チロシンリン酸化され、活性化された酵素の形態を生じ、c−Kitチロシンキナーゼドメインによって外因性基質のリン酸化を阻害する化合物の能力を測定するためにキナーゼアッセイで使用した。
c−Kitタンパク質のリン酸化
使用される試薬は次のとおりであった。
カラム緩衝液:
50mM HEPES、pH7.4
125mM NaCl
10%グリセロール
1mg/mL BSA
2mM DTT
200μM NaVO
リン酸化緩衝液:
50mM HEPES、pH7.4
125mM NaCl
24mM MgCl
1mM MnCl
1%グリセロール
200μM NaVO
2mM DTT
2mM ATP
75μLの精製されたGST−Kitチロシンキナーゼタンパク質(約150μg)を、225μLのリン酸化緩衝液とともに30℃で1時間温置する。低温室で、カラム緩衝液25mLを使用して、脱塩カラム(例えば、Pharmacia PD−10カラム)を平衡化する。リン酸化されたタンパク質をカラムへ適用した後、合計2.5mLに等しくなるのに十分なカラム緩衝液(この場合、2.2mL)を適用した。次に、リン酸化されたKitタンパク質を3.5mLカラム緩衝液で溶出し、3.5mLグリセロールを含有するチューブへと回収した(グリセロールの最終濃度50%)。混合した後、一定分量を−20℃又は−70℃で保存する。
ATP存在下で、外因性基質(ポリGlu:Tyr)のチロシン残基をリン酸化するc−Kitの能力を測定するELISAベースのアッセイにおいて、キナーゼ活性を測定する。c−Kitとの温置後に基質内のリン酸化したチロシン残基のみを認識する抗体の結合度の定量化によって、基質のリン酸化をモニターする。使用される抗体は、共有結合したリポーター酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、HRP)を有し、これにより、リン酸化された基質に対する抗体の結合が、適切なHRP基質(例、ABTS)との温置によって定量的に測定できる。
使用される原試薬は、次のとおりである。
13.3μg/mL PGTストック溶液: 66.7μLの10mg/mL PGTを50mLのPBSへ添加する。
1倍濃度の洗浄緩衝液:20倍濃度の洗浄緩衝液(KPL カタログ番号50−63−00)を1倍濃度へ、HOを使用して希釈する。
アッセイ緩衝液:
50mM Hepes、pH7.4
125mM NaCl
24mM MgCl
1mM MnCl
1%グリセロール
200μMバナジン酸塩―使用直前に添加する。
2mM DTT―使用直前に添加する。
アッセイ緩衝液+ATP: 75mMのATP5.8μLをアッセイ緩衝液12mLへ添加する。
活性化されたGST−c−kit(TK): アッセイ緩衝液中で1:500に希釈する。
ブロッキング緩衝液:
0.5%トゥイーン20、3%BSAを含有するPBS
200μMバナジン酸塩―使用直前に添加する。
pY20−HRP:
pY20−HRPの100μg/mLストック6.2μLをブロッキング緩衝液10mLへ添加する。
ABTS基質: KPL 3 50−66−06、提供されるとおり使用。
アッセイプロトコール
94ウェルイムロン−4マイクロタイタープレートの各ウェルを13.3μg/mLのPGTストック溶液75μLでコーティングし、37℃で一晩温置し、250μLの1倍濃度の洗浄緩衝液で1回洗浄する。
陰性対照ウェルへ、(ATPを含有しない)アッセイ緩衝液50μLを添加し、全ての他のウェルは50μLのアッセイ緩衝液+ATPを含有する。陽性対照ウェル及び陰性対照ウェルへ、10μLの5%DMSOを添加し、他のウェルは、5%DSMOに溶解した(10nMと100μMとの間の濃度にある)検査化合物10μLを含有する。
活性化されたGST−c−Kit30μLを添加してアッセイを開始し、室温で30分間温置した後、0.5MのEDTA50μL/ウェルの添加によって停止した。前記プレートを1倍濃度の洗浄緩衝液で3回洗浄した後、ブロッキング緩衝液中のリン酸化チロシン特異的抗体−HRP結合体(例えば、pY20−HRP、Calbiochem)75μLを添加する。前記プレートを室温で2時間温置した後、1倍濃度の洗浄緩衝液で3回洗浄する。次に、ABTS基質100μLを添加し、前記プレートを室温で30分間温置し、1%SDS100μLの添加により反応を停止する。マイクロタイタープレートリーダーで405/490nMでのODを測定することによって反応を定量化する。
化合物の存在下で得られるアッセイシグナルと、(ATPの存在下又は不存在下にあり、化合物が添加されていない)対照のアッセイシグナルとの比較によって、キナーゼ活性の阻害の程度を、化合物の濃度の範囲にわたって測定できる。これらの阻害値を、シグモイド形の用量−反応阻害曲線へフィッティングさせ、IC50値(すなわち、c-Kitタンパク質チロシンキナーゼ活性を50%まで阻害する化合物の濃度)を測定した。
本発明の実施例は、アッセイIにおいて測定されたように、10μMと0.4nMの値のIC50値で、無傷のH526細胞中におけるKitのSCF誘発性チロシンリン酸化のレベルを低下させたか、又はアッセイIIにおいて、10μM化合物濃度で、ポリ(Glu:Tyr)をリン酸化するKitの能力を少なくとも50%まで低下させた。
実験
本発明の実施例は、次の手法に従って及び次のスキームに示される方法によって調製された。適切な溶媒、温度、圧力及び他の反応条件は、当業者によって容易に選択され得る。同様に、適切な出発材料は、市販されているか又は当業者によって容易に調製され得る。
出発材料の適切な選択を通じて、具体的に示されるものとは別の官能性を標的分子中に含め得る。この工程を通じて、最終的な官能性を直接入手できない場合には、又は最終的な分子を構築するためのその後の化学反応の間に、このような官能性が損なわれ得る場合には、別の官能性を使用してもよく、その後、方法によって最終的な望ましい官能性へと変換され得、この流れの時点で、当業者によって容易に測定され得る。
例えば、このような変換の網羅的でないリストには、次の変換が含まれる。OMe→OH(BBr)、NH→Cl(NaNO、CuCl)、Br→CN(Pd(dba)、Zn(CN)、DPPF)、Me→COH(KMnO)、COH→COMe(MeOH、HSO)、OH→Oアルキル(ハロゲン化アルキル、塩基)、COH→CONR’R”(EDC、HOAt、DIPEA、HNR’R”)、Br→COMe(Pd(dba)、DPPF、CO(g)、MeOH)、Br→COH(tBuLi、CO)、Ar−H→Ar−Br(NBS)、CN→COH(濃HSO)、Br→NR’R”(Pd(dba)、DPPF、HNR’R”)。
Figure 2008534683
合成手法
トシルメチルイソシアニドとヘミアミナル3(4−ブロモアニリン(2)のグリオキサル酸エチル(1)への付加によって生じる。)との縮合を通じて、1−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸エチル(4)を構築した。−40℃で、エステル4をLiAlHで還元し、得られたアルコール5をMnOで酸化して、1−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−5−カルブアルデヒド(6)を供給し、これをアジド酢酸エチルと縮合し、α,β−不飽和エステル7を得た。次に、p−キシレン中での還流における7の熱環化によって、ピロロ[2,3−d]イミダゾール殻8を形成した。8の加水分解によって、1−(4−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸(9)が得られ、これは、様々なアミン、例えば2−メトキシエチルアミンと結合されてアミド10を付与し得る。
実験: 化学作用及び実施例
1−(4−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸エチル
Figure 2008534683
MeOH(100mL)中の4−ブロモアニリン(8.6g、50mmol)の溶液へ、グリオキサル酸エチル(12mL、60mmol、トルエン中50%)を添加し、得られた混合物を、還流しながら3.5時間加熱した。次に、混合物を真空濃縮し、得られた残渣を無水エタノール(100mL)で再構成し、トシルメチルイソシアニド(14.6g、75mmol)及び炭酸カリウム(13.8g、100mmol)で処理した。得られた混合物を、65℃で4時間加熱した後、室温まで冷却し、水(500mL)中に注ぎ、得られた固体をろ過により回収した。このように単離された粗材料を酢酸エチル/ヘキサンから結晶化し、純粋な3−(4−ブロモフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(4)を得た。MS(ES):m/z 295/297 (1/1)[MH]。H NMR(CDCl,400MHz):δ=1.27(t,J=7.1Hz,3H),4.22(q,J=7.1Hz,2H),7.22(d,J=8.7Hz,2H),7.61(d,J=8.7Hz,2H),7.65(d,J=0.9Hz,1H),7.85(d,J=0.9Hz,1H)。
無水THF中の3−(4−ブロモフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(4)(590mg、2.0mmol)の溶液へ、水素化アルミニウムリチウム(2.4mL、2.4mmol、THF中1.0M)を、−40℃で窒素下で滴加し、得られた混合物を、1時間かけて、−20℃までゆっくり加温した。次に、反応混合物を、−20℃で飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)で急冷し、酢酸エチル(40mL)で希釈した。懸濁液をろ過し、ろ液を塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮すると、[3−(4−ブロモフェニル)−3H−イミダゾール−4−イル]−メタノール(5)を生じた。MS(ES):m/z 253/255 (1/1)[MH]。H NMR(CDCl,400MHz):δ=2.25(br s,1H),4.56(s,2H),7.14(s,1H),7.40(d,J=8.8Hz,2H),7.63(s,1H),7.64(d,J=8.8Hz,2H)。
無水塩化メチレン(30mL)中の[3−(4−ブロモフェニル)−3H−イミダゾール−4−イル]−メタノール(5)(500mg、2.0mmol)の溶液へ、MnO(1.74g、20.0mmol)を添加し、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。次に、セライトを通じて懸濁液をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して3−(4−ブロモフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルブアルデヒド(6)を得た。MS(ES):m/z 251/253 (1/1)[MH]。H NMR(CDCl,400MHz):δ=7.24(d,J=8.7Hz,2H),7.64(d,J=8.7Hz,2H),7.77(s,1H),7.94(s,1H),9.78(s,1H)。
市販のアジド酢酸エチルの34%塩化メチレン溶液(6.6mL,21.6mmol)を真空濃縮し、残渣を無水エタノール(100mL)中で再構成し、得られた溶液を3−(4−ブロモフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルブアルデヒド(6)(2.7g,10.8mmol)で処理した。混合物を0℃へ冷却し、カリウムエトキシド溶液(5.1mL,13.0mmol,24%(w/w)EtOH溶液)で滴下して処理し、混合物を0℃で5時間撹拌した。得られた白色固体をろ過により回収し、空気乾燥させると、2−アジド−3−[3−(4−ブロモフェニル)−3H−イミダゾール−4−イル]アクリル酸エチル(7)を生じた。LC−MS(ES):m/z 362/364 (1/1)[MH]。H NMR(CDCl,400MHz): δ=1.31(t,J=7.1Hz,3H),4.30(q,J=7.1Hz,2H),6.52(d,J=0.7Hz,1H),7.19(d,J=8.7Hz,2H),7.67(s,1H),7.68(d,J=8.7Hz,2H),8.03(d,J=0.7Hz,1H)。
p−キシレン(10mL)中の2−アジド−3−[3−(4−ブロモフェニル)−3H−イミダゾール−4−イル]アクリル酸エチル(7)(240mg)の懸濁液を、窒素下で30分間還流加熱した。次に、混合物を室温まで冷却し、得られた白色固体をろ過により回収し、ヘキサンで洗浄し、空気乾燥させると、1−(4−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸エチル(実施例1)を生じた。LC−MS(ES):m/z 334/336(1/1)[MH]。H NMR(CDCl,400MHz):δ=1.40(t,J=7.1Hz,3H),4.38(q,J=7.1Hz,2H),6.94(d,J=1.6Hz,1H),7.43(d,J=8.8Hz,2H),7.65(d,J=8.8Hz,2H),7.93(s,1H),8.99(br s,1H)。
エチル1−フェニル−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボキシラート
Figure 2008534683
エタノール(10mL)及び酢酸エチル(10mL)中の、1−(4−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸エチル(実施例1)(50mg)及び10%Pd−C(100mg)の懸濁液を、大気圧で16時間、水素付加した。セライトを通じてのろ過により、触媒を除去し、ろ液を真空濃縮すると、エチル1−フェニル−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボキシラート(実施例2)を生じた。LC−MS(ES):m/z 256[MH]。H NMR(DMSO−d6,400MHz):δ=1.46(t,J=7.1Hz,3H),4.42(q,J=7.1Hz,2H),7.22(d,J=1.0Hz,1H),7.48(m,1H),7.69(m,2H),7.94(m,2H),8.73(s,1H),12.28(br s,1H)。
1−(4−ブロモフェニル)−N−(2−メトキシエチル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボキサミド
Figure 2008534683
エタノール(3mL)中の1−(4−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸エチル(実施例1)(95mg)の懸濁液へ、3NのNaOH1mLを添加し、混合物を6時間還流加熱した後、混合物を室温まで冷却し、3NのHClでpH=3へと酸性化した。得られた灰白色の固体をろ過により回収すると、1−(4−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸を生じた。LC−MS(ES):m/z 306/308 (1/1)[MH]。H NMR(DMSO−d6,400MHz):δ=7.18(d,J=1.0Hz,1H),7.86(d,J=9.0Hz,2H),7.92(d,J=9.0Hz,2H),8.69(s,1H),12.15(s,1H,NH)。
無水THF(3mL)中の、1−(4−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸(70mg、0.23mmol)、CDI(75mg、0.46mmol)及びDIPEA(0.1mL)の混合物を、60℃で1時間撹拌した後、2−メトキシエチルアミン(0.1mL)で処理した。60℃でさらに2時間後、混合物を減圧下で濃縮し、残渣を水(5mL)中に懸濁し、固体をろ過により回収し、水で洗浄すると、1−(4−ブロモフェニル)−N−(2−メトキシエチル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボキサミド(実施例3)が得られた。LC−MS(ES):m/z 363/365(1/1)[MH]。H NMR(CDCl,400MHz):δ=3.41(s,3H),3.57(t,J=4.9Hz,2H),3.67(ほぼq,J=4.9Hz,2H),6.34(br s,1H,CONH),6.60(s,1H),7.42(d,J=8.7Hz,2H),7.64(d,J=8.7Hz,2H),7.88(s,1H),9.32(br s,1H,NH)。
N−(2−メトキシエチル)−1−フェニル−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボキサミド
Figure 2008534683
実施例2に関して上述の同一手法を使用して、1−(4−ブロモフェニル)−N−(2−メトキシエチル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボキサミド(実施例3)を水素付加し、N−(2−メトキシエチル)−1−フェニル−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボキサミドを得た。LC−MS(ES):m/z 285[MH]。
[1−(3−チエン−3−イルフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−イル]メタノール
Figure 2008534683
1−(3−ブロモフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸エチル(334mg、1mmol、第一の工程で3−ブロモアニリンを使用する以外は、実施例1に記載の手法に従って調製)と3−チオフェンボロン酸(256mg、2mmol)との混合物を含有するフラスコを脱気し、窒素大気下に配置した。これに、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(173.3mg、0.15mmol)を一度に迅速に添加した後、1,4−ジオキサンの溶液(5mL)及び炭酸ナトリウム水溶液(2M、3mL)の溶液を脱気した。反応混合物を、85℃で窒素下で24時間加熱した後、これを冷却し、ろ過し、真空濃縮した。MeOH:CHCl[0%→2%]で溶出するシリカゲル上でのクロマトグラフィーに、得られた粗材料をかけると、1−(3−チエン−3−イルフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸エチル329mg(97.5%)を生じた。H NMR(400MHz,CDCl):δ=8.02(s,1H),7.75−7.72(m,1H),7.58−7.53(m,3H),7.48−7.41(m,3H),6.98(d,J=1.2Hz,1H),4.37(q,J=7.2Hz,2H),1.40(t,J=7.2Hz,3H)。MS(ES+):m/z 338.13(100)[MH]。
無水THF(9mL)中の1−(3−チエン−3−イルフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸エチル(300mg、0.89mmol)の溶液へ、水素化アルミニウムリチウム(1.07mL、1.07mmol、THF中1.0M)を、−40℃で窒素下で滴下して添加した。得られた溶液を−20℃で1時間にわたってゆっくり加温させた後、飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)で反応を停止し、酢酸エチル(40mL)で希釈した。セライトを通じて懸濁液をろ過し、ろ液を飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮した。このように単離された粗材料を、MeOH:CHCl(0%→1%→2%)で溶出するシリカゲル上でのクロマトグラフィーへかけると、[1−(3−チエン−3−イルフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−イル]メタノール(実施例5)40.6mg(15.5%)が得られた。H NMR(400MHz,CDCl):δ=9.46(s,1H),7.76(s,1H),7.67(t,J=2.0Hz,1H),7.51−7.49(m,1H),7.47−7.45(m,1H),7.44−7.41(m,2H),7.39−7.35(m,2H),6.16(d,J=1.2Hz,1H),4.75(s,2H)。MS(ES+):m/z 296.17(100)[MH]。
N−メチル−1−(3−チエン−3−イルフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボキサミド
Figure 2008534683
無水THF(10mL)中の1−(3−チエン−3−イルフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸エチル(500mg、1.5mmol、実施例5のための手法において記載されているとおりに調製)の撹拌した溶液へ、水酸化ナトリウム水溶液(HO4mL中の416mg、10.4mmol)を添加し、混合物を16時間還流加熱した。この後、冷却した混合物を2MのHClでpH6へ酸性化し、得られた沈殿物をろ過により回収し、水及びヘキサンで洗浄した。ろ液を容積の約半分まで濃縮し、酢酸エチル(2×75mL)で抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空蒸発させると、褐色の固体を生じた。この固体を合わせて、MeOH:CHCl(10%→25%)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、1−(3−チエン−3−イルフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸312.7mg(68%)を生じた。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ=8.39(s,1H),8.07(d,2.4Hz,1H),8.04−8.02(m,1H),7.72−7.69(m,3H),7.69−7.57(m,3H),6.66(br s,1H)。MS(ES+):m/z 338.13(100)[MH]。
無水DMF(1.5mL)中の1−(3−チエン−3−イルフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸(60mg、0.2mmol)、EDC(44.6mg、0.97mmol)及びDMAP(7.1mg、0.06mmol)の溶液を、室温で窒素下で30分間撹拌した。次に、メチルアミン(0.5mL、0.97mmol、THF中の2M溶液)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌させた。この後、水(5mL)を混合物へ添加し、DCM(3×15mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(5×10mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮し、得られた粗材料を、調製用TLC(CHCl中の5%MeOH)により精製すると、N−メチル−1−(3−チエン−3−イルフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボキサミド(実施例6)2.7mg(4.3%)を生じた。H NMR(400MHz,CDCl):δ=7.95(br s,1H),7.73−7.71(m,1H),7.57−7.42(m,6H),6.59(br s,1H),3.02(d,J=5.2Hz,3H)。MS(ES+):m/z 323.31(100)[MH]。
N,N−ジメチル−1−(3−チエン−3−イルフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボキサミド
Figure 2008534683
メチルアミンの代わりにジメチルアミンを利用することを除き、実施例6に記載の手法に従って調製した。H NMR(400MHz,CDCl):δ=7.94(s,1H),7.74−7.71(m,1H),7.59−7.53(m,3H),7.48−7.42(m,3H),6.60(d,J=1.6Hz,1H),3.29(br s,6H)。MS(ES+):m/z 337.29(100)[MH]。
N−(ピリジン−4−イルメチル)−1−(3−チエン−3−イルフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボキサミド
Figure 2008534683
メチルアミンの代わりに4−アミノメチルピリジンを利用することを除き、実施例6に記載の手法に従って調製した。H NMR(400MHz,CDCl):δ=7.97(s,1H),7.77−7.68(m,2H),7.64−7.42(m,7H),6.66−6.56(m,2H),2.66−2.60(m,2H)。MS(ES+):m/z 400.29(100)[MH]。
N−[2−(4−モルフォリノ)エチル]−1−(3−チエン−3−イルフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボキサミド
Figure 2008534683
メチルアミンの代わりに2−モルフォリノエチルアミンを利用することを除き、実施例6に記載の手法に従って調製した。H NMR(400MHz,CDCl):δ=8.60−8.56(m,2H),7.99(br s,1H),7.73−7.71(m,1H),7.57−7.54(m,3H),7.47−7.41(m,3H),7.30−7.27(m,3H),6.68(br s,1H),6.37−6.30(m,1H),4.68(d,J=6.4Hz,2H),3.49(s,4H)。MS(ES+):m/z 422.30(100)[MH]。
メチル1−(3−チエン−3−イルフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボキシラート
Figure 2008534683
メタノール(10mL)中の1−(3−チエン−3−イルフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボン酸(200mg、0.65mmol、実施例6のための手法に記載されているとおりに調製)の撹拌した溶液へ、濃硫酸(5滴)を添加した。溶液を36時間還流加熱した後、室温へ冷却し、炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)で塩基性化し、CHCl(2×40mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮した。得られた残渣を、MeOH:CHCl(0%→1%)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって2回精製すると、メチル1−(3−チエン−3−イルフェニル)−1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール−5−カルボキシラート(実施例10)63.4mg(30.3%)を生じた。H NMR(400MHz,CDCl):δ=10.11(br s,1H),8.08(s,1H),7.76−7.74(m,1H),7.58−7.51(m,3H),7.47−7.42(m,3H),6.99(d,J=1.6Hz,1H),3.93(s,3H)。MS(ES+):m/z 324.23(100)[MH]。
定義:EDC=塩酸エチルジメチルアミノプロピルカルボジイミド、HOAt=1−ヒドロキシアザベンゾトリアゾール、HOBt=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、CDI=1,1’−カルボニルジイミダゾール、TBTU=テトラフルオロホウ酸O−ベンゾトリアゾールーN,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム、HATU=ヘキサフルオロリン酸アザベンゾトリアゾリル−N,N,N’,N’,−テトラメチルウロニウム、DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン、TEA=トリエチルアミン、DMF=N,N−ジメチルホルムアミド、NMP=N−メチルピロリジノン、DCM=ジクロロメタン、DMAP=4−ジメチルアミノピリジン、TFA=トリフルオロ酢酸、Boc=tブトキシカルボニル、Fmoc=フルオレニルメチルオキシカルボニル、DMSO=ジメチルスルホキシド、AcOH=酢酸、OMs=OSOMe、OTs=OSO−(4−Me)Ph、OTf=OSOCF、DPPF=,Pd(dba)、NBS=N−ブロモサクシニミド、HCl(aq)=塩酸、DMA=N,N−ジメチルアセトアミド、MeOH=メタノール、EtOH=エタノール、HOAc=酢酸、EtOAc=酢酸エチル、THF=テトラヒドロフラン、hplc=高速液体クロマトグラフィー、PS−TFP=ポリスチレンにより支持されるテトラフルオロフェノール樹脂、PS−HOBt=ポリスチレンにより支持される1−ヒドロキシベンゾトリアゾール樹脂、DIC=1,3−ジイソプロピルカルボジイミド、IMS=工業用メチル化アルコール、NMM=N−メチルモルフォリン、Pd/C=炭素上のパラジウム、Pd(PPh=テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、CsCO=炭酸セシウム、Pd(dba)=トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、BINAP=1,1’−ビナフチル、Pd(OAc)=酢酸パラジウム(II)、KCO=炭酸カリウム、MeCN=アセトニトリル、DCC=1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、HPLC=高速液体クロマトグラフィー、rt又はr.t.=室温、MTP=マイクロタイタープレート、min=分、h=時、d=日。
本発明の実施例は、上述のアッセイにおいて測定されたように、4μMと0.027μMとの間のIC50値で、無傷のH526細胞におけるKitのSCF誘発性チロシンリン酸化のレベルを低下させた。

Claims (24)

  1. 式(I)
    Figure 2008534683
    によって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはN−オキシド。
    (Aは、C0−6アルキル又は−NR11であり、
    Eは、−CO、-CONR1221、−C(R)OR212又は−C(R)NR12であり、
    Dは、アリール又はヘタリールであり、
    Gは、C0−6アルキル、ハロゲン、場合によって置換されるシクリル、場合によって置換されるヘテロシクリル、−OR22、−NR1322、−CN、又は−CFであり、
    、R11、R12、R212、及びR13は、各々独立に、C0−6アルキル、−COR14、−CONR1415又は−S(O)NR1415であり、
    14及びR15は、各々独立に、C0−6アルキル、−CO(C0−6アルキル)、−CON(C0−6アルキル)(C0−6アルキル)又は−S(O)N(C0−6アルキル)(C0−6アルキル)であり、
    及びR22は、各々独立に、ヘテロシクリルで場合によって置換されたC1−8アルキル、−C0−8アルキル−C3−8シクロアルキル、−C2−8アルキル−O−C0−8アルキル、−C2−8アルキル−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C2−8アルキル−S(O)0−2−C0−8アルキル、又はC0−8アルキル、シクリル若しくは置換されたシクリル置換体で場合によって置換されたヘテロシクリルであり、
    21は、ヘテロシクリルで場合によって置換されたC0−8アルキルであり、R21は、−C0−8アルキル−C3−8シクロアルキル、−C2−8アルキル−O−C0−8アルキル、−C2−8アルキル−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、又は−C2−8アルキル−S(O)0−2−C0−8アルキル、又はR21は、C0−8アルキル、シクリル若しくは置換されたシクリル置換体で場合によって置換されたヘテロシクリルであり、
    及びRは、各々独立に、C0−8アルキル若しくはC3−8シクロアルキルであり、
    又はR及びRは、それらが結合するCとともに、環の節に0ないし4個のN、O、S、SO若しくはSOを場合によって含有する飽和若しくは部分的に不飽和の3ないし10員環を形成し、但し、N、O若しくはS原子のいずれも、環の節において互いに隣接して配置されず、並びに
    n及びmは、互いに独立に、0、1、又は2である。)
  2. AがC0−6アルキルである、請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはNオキシド。
  3. Eが−COである、請求項2に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはNオキシド。
  4. Eが−CONR1221である、請求項2に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはNオキシド。
  5. Eが−C(R)OR212である、請求項2に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはNオキシド。
  6. Eが−C(R)NR12である、請求項2に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはNオキシド。
  7. Aが−NR11である、請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはNオキシド。
  8. Dがアリールである、請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはNオキシド。
  9. GがC0−6アルキルである化合物、請求項8に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはNオキシド。
  10. Gがハロゲンである、請求項8に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはNオキシド。
  11. Gが場合によって置換されるヘテロシクリルである、請求項8に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはNオキシド。
  12. 請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはNオキシドと、及び医薬として許容される担体とを含む、組成物。
  13. 請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはNオキシドと、及び抗悪性腫瘍薬、抗腫瘍薬、抗血管新生薬又は化学療法薬とを含む、組成物。
  14. 請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはNオキシドと、及び細胞傷害性癌治療薬とを含む、組成物。
  15. 請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはNオキシドと、及び血管新生阻害性癌治療薬とを含む、組成物。
  16. Figure 2008534683
    からなる化合物又は医薬として許容されるその塩若しくはNオキシド。
  17. 請求項1に記載の化合物の有効量を投与する工程を含む、過剰増殖性疾患の治療方法。
  18. 抗悪性腫瘍薬、抗腫瘍薬、抗血管新生薬又は化学療法薬を投与する工程をさらに含む、請求項17に記載の方法。
  19. 過剰増殖性疾患が、乳癌、頭部癌又は頸部癌である、請求項17に記載の方法。
  20. 過剰増殖性疾患が胃腸癌である、請求項17に記載の方法。
  21. 過剰増殖性疾患が白血病である、請求項17に記載の方法。
  22. 過剰増殖性疾患が、卵巣癌、気管支癌、肺癌又は膵臓癌である、請求項17に記載の方法。
  23. 過剰増殖性疾患が、小細胞肺癌又は結腸癌である、請求項17に記載の方法。
  24. 過剰増殖性疾患が、副鼻腔ナチュラルキラー/T細胞リンパ腫、精巣癌(セミノーマ)、甲状腺癌、悪性黒色腫、卵巣癌、腺様嚢胞癌、急性骨髄性白血病(AML)、乳癌、小児T細胞急性リンパ芽球性白血病、血管肉腫、未分化大細胞型リンパ腫、子宮内膜癌又は前立腺癌である、請求項17に記載の方法。
JP2008505388A 2005-04-04 2006-03-30 過剰増殖性疾患の治療のためのピロロ[2,3−d]イミダゾール Pending JP2008534683A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US66794905P 2005-04-04 2005-04-04
PCT/US2006/011961 WO2006107756A1 (en) 2005-04-04 2006-03-30 Pyrrolo [2,3-d] imidazoles for the treatment of hyperproliferative disorders

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008534683A true JP2008534683A (ja) 2008-08-28

Family

ID=36685603

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008505388A Pending JP2008534683A (ja) 2005-04-04 2006-03-30 過剰増殖性疾患の治療のためのピロロ[2,3−d]イミダゾール

Country Status (7)

Country Link
US (1) US7498354B2 (ja)
EP (1) EP1883638A1 (ja)
JP (1) JP2008534683A (ja)
AR (1) AR056303A1 (ja)
CA (1) CA2602532A1 (ja)
TW (1) TW200718703A (ja)
WO (1) WO2006107756A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2298772A1 (en) * 2006-10-18 2011-03-23 Takeda Pharmaceutical Company Limited Fused heterocyclic compounds
WO2019196111A1 (zh) * 2018-04-13 2019-10-17 上海交通大学医学院附属瑞金医院 杂芳基酰胺类化合物的抗肿瘤多药耐药性、治疗癌症的用途和蛋白质-药物分子复合物

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07306508A (ja) * 1994-05-13 1995-11-21 Konica Corp 写真用カプラー
WO2005021531A1 (en) * 2003-08-21 2005-03-10 Osi Pharmaceuticals, Inc. N-substituted benzimidazolyl c-kit inhibitors

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07306508A (ja) * 1994-05-13 1995-11-21 Konica Corp 写真用カプラー
WO2005021531A1 (en) * 2003-08-21 2005-03-10 Osi Pharmaceuticals, Inc. N-substituted benzimidazolyl c-kit inhibitors

Also Published As

Publication number Publication date
AR056303A1 (es) 2007-10-03
US20060223799A1 (en) 2006-10-05
CA2602532A1 (en) 2006-10-12
EP1883638A1 (en) 2008-02-06
US7498354B2 (en) 2009-03-03
WO2006107756A1 (en) 2006-10-12
TW200718703A (en) 2007-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4795237B2 (ja) N−置換ピラゾリル−アミジル−ベンズイミダゾリルc−Kit阻害剤
US7767673B2 (en) N-substituted imidazopyridine c-Kit inhibitors
US7485658B2 (en) N-substituted pyrazolyl-amidyl-benzimidazolyl c-Kit inhibitors
US6653320B2 (en) Imidazopyridine derivatives
US20070232669A1 (en) N-phenylbenzotriazolyl c-kit inhibitors
EP1658289B1 (en) 3-substituted imidazopyridine-derivatives as c-kit inhibitors
KR102274755B1 (ko) Perk 저해제로서의 신규한 n―(2,3―디히드로―1h―피롤로[2,3―b]피리딘―5―일)―4―퀴나졸린아민 및 n―(2,3―디히드로―1h―인돌―5―일)―4―퀴나졸린아민 유도체
MX2011006171A (es) Compuestos de carbazol carboxamida utiles como inhibidores de cinasa.
EA027563B1 (ru) Пиридопиразины, обладающие противораковой активностью через ингибирование fgfr киназ
WO2016011979A1 (zh) 2,4-二取代7H-吡咯并[2,3-d]嘧啶衍生物、其制法与医药上的用途
JP2008521903A (ja) N置換されたベンズイミダゾリルC−kit阻害剤及びコンビナトリアルベンゾイミダゾールライブラリー
JP2013512952A (ja) インドールコアを含有する複素環化合物
KR20160034384A (ko) 인돌 및 피롤의 유도체, 이의 제조 방법 및 이를 함유하는 약제 조성물
CA3162253A1 (en) Inhibitors of enl/af9 yeats
KR20200013718A (ko) 바닌 억제제로서의 헤테로방향족 화합물
CN113454081A (zh) 咪唑并吡啶基化合物及其用于治疗增生性疾病的用途
JP2022500418A (ja) 受容体相互作用タンパク質キナーゼ1阻害剤(ripk1)としての1h−インダゾールカルボキサミド
US7498354B2 (en) Pyrrolo[2,3-D]imidazoles for the treatment of hyperproliferative disorders
CN111875583A (zh) 三氮唑衍生物及其制备方法和用途
EP4066895A1 (en) Compound having lysophosphatidic acid receptor agonistic activity and pharmaceutical use of said compound

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120124

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120703