JP2008533118A - ペプチド安定化化合物とスクリーニング方法 - Google Patents

ペプチド安定化化合物とスクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

生物学的活性ペプチドとの組み合わせで、該生物学的活性ペプチドのイン・ヴィヴォでのプロテアーゼ消失半減期を増大させることが可能なペプチド安定化化合物が提供される。前記ペプチド安定化化合物は、好ましくは、生物学的活性ペプチドとの抱合時に、タンパク分解に対する耐性を与えるペプチド配列として構成される。又、イン・ヴィトロ生成ライブラリーから新規なタンパク分解耐性化合物を選択するための方法と、それによって同定される安定化化合物を含む薬用組成物も提供される。

Description

本発明は、タンパク分解に対して耐性を有するペプチド安定化物質と称される新規な化合物に関連する。具体的態様において、本発明は、ペプチド安定化成分と、生物学的活性分子などの生理活性成分とを含むハイブリッド分子を含む組成物に関する。前記活性成分は、診断又は治療目的のために有用な分子を含むことができる。
生理活性ペプチドは、生物学的活性を誘発する小さなペプチドである。これまで、平均サイズが20のアミノ酸である500以上のこのようなペプチドが同定され、そして、特徴付けられている。それらは、多様な天然又は非天然系から単離され、多種多様な作用を示すものであり、医学の分野における治療剤として、そして、基礎及び応用研究の両方における診断ツールとして利用されてきた。これらのペプチドの作用態様が決定されている場合、それは生理活性ペプチドと特定のタンパク質標的との間の相互作用によるものであることが判っている。ほとんどの場合、これらの生理活性ペプチドは、極端に高い特異性で、そのタンパク質標的に結合し、それを不活性化させることによって作用する。最近、自然発生ペプチドが特定のタンパク質標的に結合してその活性を調節する際立った能力により、新規や薬用物質として合成由来生理活性ペプチドの使用が益々注目を集めている。
新規な生理活性ペプチドは、従来、2つの異なるイン・ヴィトロ方法を使用することによって設計されてきた。その第1の方法は、6〜10のアミノ酸のペプチドのランダム化ライブラリーを化学合成することによって候補ペプチドを作成するものである(ジェイ・アイクラー(J. Eichler)ほか,Med. Res. Rev. 15:481-496 (1995);ケイ・ラム(K. Lam),Anticancer Drug Des. 12:145-167 (1996);エム・レブル(M. Lebl)ほか,Methods Enzymol. 289:336-392 (1997))。第2の方法では、ランダム化オリゴヌクレオチドライブラリーを、遥かに大きなサイズペプチドを、バクテリオファージの表面上で発現させることを可能にするPf線維状ファージ遺伝子にクローニングすることによって候補ペプチドを合成する(エイチ・ローマン(H. Lowman),Ann. Rev. Biophys. Biomol. Struct. 26:401-424 (1997);ジー・スミス(G. Smith)ほか,Meth. Enz. 217:228-257 (1993))。これまで、最大で長さが38のアミノ酸のランダム化ペプチドライブラリーが作成されており、この系を利用することによって更に長いペプチドが恐らく作成可能となるであろう。これらの戦略のいずれかを使用して作成されるペプチドライブラリーは、次に、通常は、事前に選択された基質結合タンパク質標的と混合される。結合するペプチドが溶離し、それらの配列が決定される。この情報から、新規なペプチドが合成され、それらの生物学的性質が決定される。
ファージディスプレイは、制約されたペプチドライブラリーと制約されないペプチドライブラリーとを生成するための手段を提供する(デヴリン(Devlin)ほか,(1990) Science 249:404-406;クウィルラ(Cwirla)ほか,(1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:6378-6382;ローマン(Lowman)(1997) Ann. Rev. Biophys. Biomol. Struct. 26:401-424)。これらのライブラリーは、特定の標的分子に結合可能な合成ペプチドを同定し選択するために使用することができる。ファージディスプレイと化学合成ライブラリーとは共に、10−10の範囲で生成可能なライブラリーのサイズによって限定される。この限定によって、時間のかかるその後の成熟無しで、比較的親和性の低いペプチドが単離されてきた。この限定によって、mRNAディスプレイを含むライブラリのイン・ヴィトロ生成のための技術が開発された(ロバーツ・アンド・スゾスタック(Roberts & Szostak),Proc. Natl. Acad. Sci, USA 94, 12297-12302 (1997)),リボソームディスプレイ(マッテアキス)(Matttheakis)ほか,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91, 9022-9026 (1994)) そしてCISディスプレイ(オーデグリップ(Odegrip)ほか,Proc. Natl. Acad. Sci USA 101 2806-2810 (2004))。これらのライブラリーは、それらの方法によって生成されるライブラリーのサイズは、ファージディスプレイの場合に可能なものの2〜3倍の大きさである点において、ファージディスプレイライブラリーよりも優れている。しかしながら、これらは、プロテアーゼ耐性及び生理活性性質との組み合わせを有するペプチドの単離においてはファージディスプレイと大差ないことが示されている。
これらのイン・ヴィトロ方法は有望ではあるが、合成由来ペプチドの使用は、まだ、医薬品産業において主流とはなっていない。まだ残っている主要な障害は、宿主内でのプロテアーゼおよび/又はペプチダーゼによる潜在的ペプチド薬剤の不都合な劣化によって示される、対象生物系内におけるペプチドの不安定化障害である。これまでにペプチドの劣化の問題に対処するために使用されてきた方法として、自然発生L-アミノ酸ではなくD-アミノ酸又は修飾アミノ酸を使用する方法(例えば、ジェイ・エイクラー(J. Eichler)ほか,Med. Res Rev. 15:481-496 (1995);エル・サンダース(L. Sanders),Eur. J. Drug Metabol. Pharmacokinetics 15:95-102 (1990))、環化ペプチドを使用する方法(例えば、アール・エグルトン(R. Egleton)ほか,Peptides 18:第1431〜1439頁(1997年))、プロテアーゼ耐性ウイルス性粒子の単離(国際公開9958655号)、そして、ペプチドが患者内においてその標的に達する前に、ペプチドの劣化を防止する増強送達システムの開発(例えば、エル・ウェアリー(L. Wearley),Crit. Rev. Ther. Drug Carrier Syst. 8:第331〜394頁(1991年);エル・サンダース(L. Sanders)、Eur. J. Drug Metabol. Pharmacokinetics 15:第95〜102頁(1990年))がある。ペプチドを安定化し、それによって、選択された生体系(例えば患者)内におけるそれらの望ましくない劣化を防止するこれらの方法は、有望なものではあるが、ペプチド薬剤及び薬剤候補をルーチング的に確実に安定化する方法は残っていない。更に、既存の安定化及び送達方法の多くは、新規で有用な生理活性ペプチドのスクリーニングと開発にそのまま利用することは出来ない。
従って、生物学的活性ペプチドを安定化する方法と新規なペプチド安定化化合物を同定する方法とが、求められている。そのような方法は、ペプチド薬剤の開発の分野において非常に必要とされている進歩を提供するものとなるであろう。
これら及びその他の本発明の、利用法、特徴及び利点はここに提供される教示内容から当業者にとって明らかになるであろう。
発明の要旨
第1の態様において、本発明は、複数のペプチドを含むイン・ヴィトロ生成ライブラリーから新規なタンパク分解耐性化合物(ペプチド安定化物質と称する)を選択する方法を提供し、本方法は、以下の工程:
(a)複数の核酸構築物(nucleic acid constructs)を発現させる工程、ここで、各核酸構築物は、以下を含むハイブリッドペプチドをコードする:
(i)生理活性成分;そして、
(ii)推定ペプチド安定化成分;
(b)前記発現ハイブリッドペプチドを単数又は複数のプロテアーゼに曝す工程;
(c)前記発現ハイブリッドペプチドを、前記生理活性成分と検出可能な様式で相互作用可能な標的分子に曝す工程;そして、
(d)もし、標的分子と、前記発現ハイブリッドペプチドの単数又は複数の前記生理活性成分との間に検出可能な相互作用がある場合、前記単数又は複数の発現ハイブリッドペプチドを、ペプチド安定化化合物を含むものとして同定する工程、とを含む。
本発明の前記ペプチド安定化ライブラリーは、例えばペプチド、又は自然発生又は非自然発生アミノ酸からなるペプチドミメティックス(mimetics)及びペプチドアナログなどのペプチド誘導体から構成することができる。本発明によれば、本発明によって単離される前記ペプチド安定化物質は、例えば、トリプシンやトロンビン等といった酵素によるタンパク分解に対して耐性を有する非自然発生アミノ酸配列である。好ましくは、前記ペプチド安定化物質は、約6〜30のアミノ酸残基、より好ましくは、約7〜25のアミノ酸残基、最も好ましくは、約8〜20のアミノ酸残基の非自然発生アミノ酸配列である。
或いは、本発明は、ペプチド安定化成分と生理活性成分とを含むハイブリッド分子を形成する、ペプチド安定化物質と生理活性ペプチドとの組み合わせの選択に関する。前記ペプチド安定化成分のプロテアーゼ耐性によって、前記ハイブリッド分子のプロテアーゼ消失時間半減期(protease elimination time half time (or half lief)が増大する。
本発明によって、そのような化合物は、好ましくは、所望の酵素最適活性条件下において30分間以上、好ましくは、3時間以上、のプロテアーゼ消失半減期のために、所望のプロテアーゼ又はペプチダーゼによるタンパク分解に対して耐性を有するものであって、かつ、好ましくは、偶発的な(incidental)酵素によるタンパク分解に対して耐性を有するもの、が選択される。そのような化合物の具体例としては、直鎖又は環状ペプチド、好ましくは、約8〜20のアミノ酸の長さのもの、そして、それらの組み合わせ、オプションとして、そのN末端又はC末端又はその両方において修飾されたもの、更に、それらの塩、誘導体、機能的アナログ、配列の末端にアミノ酸又はポリペプチドを備える伸長ペプチド鎖、がある。
本発明の一好適実施例によれば、イン・ヴィトロ生成核酸−ペプチド安定化物質のライブラリーは、適当な方法によって生成され、生理活性分子に融合され、所望のペプチダーゼ又はプロテアーゼの存在下において前記生理活性分子標的との結合に対して選択される。その後、前記標的に対して結合可能で、前記所望のプロテアーゼ又はペプチダーゼに対して耐性を有するライブラリーメンバーが回収され、特徴付けられる。本発明によれば、前記所望のペプチダーゼ又はプロテアーゼは、前記生理活性標的に対する結合の前、結合中、又は結合後に、前記ライブラリーに添加される。オプションとして、本発明は、それぞれのハイブリッド分子の消失時間半減期を増加させる様々な生理活性成分に連結(link)できるペプチド安定化成分を提供する。本発明は、2つ以上のペプチド安定化成分と1つの生理活性成分、或いは、当業者によって想到可能なその他任意の組み合わせ、を有するハイブリッドリガンドの選択を提供する。
本発明によれば、前記生理活性成分がその生理活性成分配列内に前記ペプチド安定化成分を組み込んだ状態で含む、ハイブリッド分子を選択することができる。
従って、本発明の具体的実施例において、以下の方法によって、生理活性成分ペプチド配列由来の配列ライブラリーからタンパク分解耐性ハイブリッド分子を選択することができる;
(a)複数の核酸構築物(nucleic acid constructs)を発現させる工程、ここで、各核酸構築物は、以下を含む生理活性ペプチド配列に由来するハイブリッドペプチドをコードする;
(i)生理活性成分;そして、
(ii)推定ペプチド安定化成分;
(b)前記発現ハイブリッドペプチドを単数又は複数のプロテアーゼに曝す工程;
(c)前記発現ハイブリッドペプチドを、前記生理活性成分と検出可能な様式で相互作用可能な標的分子に曝す工程;そして、
(d)もし、標的分子と、前記発現ハイブリッドペプチドの単数又は複数の前記生理活性成分との間に検出可能な相互作用がある場合、前記単数又は複数の発現ハイブリッドペプチドを、ペプチド安定化化合物を含むものとして同定する工程、とを含む。
本発明の前記生理活性ペプチドは、イン・ヴィトロ合成核酸コードライブラリーに組み込むことが可能な治療又は診断用薬剤として有用な全ての化合物を含む。生理活性ペプチドの非限定的具体例は、その内のほんの僅かのものだけを挙げると、酵素、ホルモン、サイトカイン、抗体又は抗体フラグメント、抗体によって認識されるペプチドフラグメント、鎮痛剤、下熱剤、抗炎症剤、抗生剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、心血管治療剤、腎機能と電解質代謝に影響を与える薬剤、中枢神経に作用する薬剤、化学療法剤、が含まれる。
本発明によれば、ペプチド安定化成分と生理活性ペプチド成分とを含む前記ハイブリッド分子は、前記活性成分は含むが前記ペプチド安定化成分は含まない同じ生理活性ペプチドと比較して、改善された薬物動態的及び薬力学的性質を有する。前記ハイブリッドの改善された薬物動態的及び薬力学的性質は、それによって、低投与量薬用製剤及び新規な薬用組成物を提供する。本発明は、前記ハイブリッド分子の治療及び診断用途を含む新規な組成物の使用方法を提供する。
本発明は、比較的短いプロテアーゼ消失半減期を有する生理活性ペプチドによってプロテアーゼ消失半減期を増加させるペプチド安定化物質の組み合わせに関する。これらの組み合わせは、本発明が前記生理活性ペプチドのイン・ヴィトロ利用に関連する場合における前記生理活性ペプチドの治療又は診断効果の改善、例えば、前記生理活性化合物のプロテアーゼ消失半減期の増大等を含む、種々の目的を念頭に置いて、選択される。一般に、前記ペプチド安定化物質を生理活性ペプチドに融合又は化学連結(chemically linking(即ち、抱合(conjugating))することによって、増大したプロテアーゼ消失半減期を有する組成物が提供される。
従って、本発明の別の態様は、上述した方法によって同定される少なくとも1つのペプチド安定化化合物と、生理活性分子、適当な担体とを含む薬用組成物を提供する。本発明の薬用組成物は、規制基準に合致するように製剤され、経口、静脈内、鼻腔内、局所、又はその他の標準経路で投与することができる。前記薬用組成物は、錠剤、丸剤、ローション剤、ゲル、液体、散剤、坐剤、懸濁剤、スプレー、リポソーム、微粒子、その他公知の適当な形態のものとすることができる。
本発明の更に別の態様は、生理活性ペプチド分子に対してタンパク分解耐性を付与する方法であって、上述した方法によって同定されたペプチド安定化化合物を、前記生理活性ペプチド分子に連結させる工程、を含む方法を提供する。
ここに挙げられるすべての参考文献の全体を合体させる。特に別定義されない限り、ここに使用される全ての技術及び科学用語は、本発明が属する技術の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。
図面の簡単な説明
図1は、例1のトロンビン耐性ペプチドライブラリーにおいてペプチド安定化配列を同定するのに使用される構築物の図を示す。X−X−Xは、FLAGエピトープとトロンビン開裂部位を分離するランダムな12マーのペプチドライブラリーを示している。矢印は、潜在的なトロンビン(Pro-Arg)及びトリプシン開裂部位(Lys又はArg)を示している。
図2は、5ラウンドの選択後のトロンビン耐性ペプチドを示す。値は、百分率として表された((トロンビンとのインキュベーション後のOD450nm読み取り値)/(トロンビン無しでのインキュベーション後のOD450nm読み取り値))を表す。100%は、トロンビン開裂からの完全な保護作用を示す。対照バーは、配列番号2に示されるペプチドに関して観察された耐性である。
図3は、トリプシン耐性ペプチドを示す。A.トリプシンとインキュベートされた非選択ライブラリーペプチド、B:トリプシン無しでインキュベートされた非選択ライブラリーペプチド、C:トリプシンとインキュベートされたラウンド5トロンビン選択ペプチド、D:トリプシン無しでインキュベートされたラウンド5トロンビン選択ペプチド。
図4は、例2のトリプシン/キモトリプシン耐性ペプチドライブラリーにおいてペプチド安定化配列を同定するのに使用される構築物の図を示す。
図5は、キモトリプシン/トリプシン処理(CT)又はプロテアーゼ処理無し(NP)での、抗−FLAG抗体上で選択された、例2のラウンド1−4からのPCR回収物の臭化エチジウム染色アガロースゲル写真を示す。
図6は、例2によるライブラリー構築に使用されるPCRプライマーの核酸配列を示す。
詳細な説明
ここに使用される「ペプチド」、「ペプチド安定化物質」、「生理活性ペプチド」、及び「ハイブリッド分子」という用語は、直鎖において互いに結合された複数のアミノ酸を示している。従って、ここで使用される「ペプチド」、「ペプチド安定化物質」、「生理活性ペプチド」、及び「ハイブリッド分子」という用語は、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチドを含む。ジペプチドは2つのアミノ酸を含み、トリペプチドは3つのアミノ酸を含み、オリゴペプチドという用語は、通常、2から約50又はそれ以上のアミノ酸を有するペプチドを記載するのに使用される。約50以上のペプチドは、しばしば、ポリペプチド又はタンパク質と呼ばれる。本発明の目的のために、「ペプチド」、「ペプチド安定化物質」、「生理活性ペプチド」及び「ハイブリッド分子」という用語は、なんら特定の数のアミノ酸に限定されるものではない。但し、好ましくは、それらは、約2〜約50のアミノ酸、より好ましくは、約2〜約40のアミノ酸、最も好ましくは、約2〜約20のアミノ酸、を含む。
ここで使用される、「ペプチド安定化物質」、「生理活性ペプチド」及び「ハイブリッド分子」という用語は、自然発生又は非自然発生アミノ酸残基を含むことができる上述したようなアミノ酸配列である。したがって、特定のアミノ酸又はペプチドの構造を模倣する非アミノ酸化学構造を含む、所謂、「ペプチドミメティックス(mimietics)」及び「ペプチドアナログ」は、本発明の文脈においてペプチド安定化物質でありうる。そのようなミメティックス又はアナログは、一般に、それらのペプチド対応物に見られるように適当な空間配置に存在するサイズ、電荷、又は疎水性などの類似の物理学的特性を示すものとして特徴付けられる。ペプチドミメティックス化合物の1の具体例は、単数又は複数のアミノ酸間のアミド結合が、例えば、炭素-炭素結合、又はその他周知の結合によって置き換えられている化合物である(例えば、Sawyer, in Peptide Based Drug Design pp. 378-422 (ACS, Washington D.C. 1995)を参照)。
従って、本発明の範囲内における「アミノ酸」という用語は、その最も広い意味で使用され、自然発生L.アルファ−アミノ酸、又は残基を含んでいることを意味している。自然発生アミノ酸に対して一般的に使用されている一文字及び三文字略称がここで使用される(レーリンガー,エイ・エル(Lehninger, A. AL.),Biochemistry, 2d ed. pp.71-92, (1975), Worth Publishers, New York)。標準一文字コードと標準三文字コードとの間の対応関係は当業者に周知であり、ここでそれらを再現すると、A=Ala;C=Cys;D=Asp;E=Glu;F Phe;G=Gly;H His;I=Ile;K=Lys;L=Leu;M=Met;N=Asn;P=Pro;Q=Gln;R=Arg;S=Ser;T=Thr,V=Val;W=Trp;Y=Tyrである。前記用語は、D−アミノ酸と、更に、アミノ酸アナログ、ノルロイシン等の通常はタンパク質に組み込まれない自然発生アミノ酸、アミノ酸の特徴的なものとして当業者に知られている性質を有する化学合成化合物等の、化学的に改変されたアミノ酸をも含む。例えば、天然Phe又はProと同じペプチド化合物の立体構造制約(conformational restriction)を許容するフェニルアラニン又はプロリンのアナログ又はミメティックスが前記アミノ酸の定義内に含まれる。そのようなアナログ及びミメティックスを、ここでアミノ酸の「機能的等価物」と称する。アミノ酸のその他の具体例は、ここに参考文献として合体させるRoberts and Vellaccio The Peptides : Analysis, Synthesis, Biology, Gross and Meiehofer, eds. Vol. 5, p.341, Academic Press, Inc., N.Y. 1983にリストされている。
本発明の文脈内に使用される、ペプチド安定化物質は、生理活性ペプチドに「抱合(conjugated)」することができる。ここで前記用語「抱合(conjugated)」は、当該分野において公知のすべての付着又は連合(joining)の方法を含むその最も広い意味で使用される。例えば、ペプチド安定化物質は、生理活性ペプチドのC−又はN−末端のアミノ酸伸長部とされる。更に、生理活性ペプチドとペプチド安定化物質との間に、短いアミノ酸リンカー配列を介在させることができる。このシナリオにおいて、前記ペプチド安定化物質、任意のリンカー及び生理活性ペプチドは、短いポリペプチドをコードする任意のリンカー配列、及び前記ペプチド安定化物質をコードする配列が、操作可能に連結した(核酸配列が隣接してリーディングフレーム内に存在するという意味において)生理活性ペプチドをコードする配列、を含む核酸によってコードされるであろう。この典型的なシナリオにおいて、前記ペプチド安定化物質は、任意にリンカー配列を介して前記生理活性ペプチドに「抱合(conjugated)」されていると見なされる。本発明によれば、前記ペプチド安定化アミノ酸配列によって、勿論、そのペプチド安定化アミノ酸配列の挿入によって前記生理活性ペプチドの機能が妨害されないことを条件として、前記生理活性ペプチドアミノ酸配列の一部を中断又は置換してもよい。任意に、本発明は、前記ペプチド安定化物質をコード化する配列によって中断され、かつ、該配列に作動可能に連結した生理活性ペプチドをコードする配列を含む核酸によってコード可能な「抱合体(conjugate)」を提供する。本発明は、更に、前記ペプチドが、リンカー配列を介して、例えば、前記生理活性ペプチド又はその他の治療用化合物へ、任意に、化学結合によって連結されるハイブリッド分子を提供する。典型的には、前記ペプチド安定化物質は、前記生理活性ペプチドの活性を妨害しない生理活性ペプチドの中間のどこかにあるアミノ酸の側鎖を介して生理活性ペプチドに連結される。ここでも、また、前記ペプチドは前記生理活性ペプチドに「抱合(conjugated)」されていると見なされる。
「プロテアーゼ消失半減期」は、Goodman and Gillman‘s The Pharmaceutical Basis of Therapeutics 21-25 (Alfred Goodman Gilman, Louis S. Goodman, and Alfred Gilman, eds., 6thed. 1980)における記載と、同様に使用される。簡単に説明すると、前記用語は、タンパク分解活性による薬物消失時間の量的測定を含むことを意味する。大半の薬物の消失は指数関数的(即ち、一次速度論に従う)であり、その理由は、薬物濃度は通常、消失過程の飽和のために必要とされる濃度に近づくことがないからである。指数関数的過程の速度は、その速度定数k、単位時間当たりの画分変化(fractional change)を表す、又は、その半減期、t1/2、過程の50%の完了に必要とされる時間を表す、によって表される。これらの2つの定数の単位は、時間−1(time-1)と時間(time)である。反応の一次速度定数と半減期は、単純関係であり(k×t1/2=0.693)、従って、相互交換可能である。一次消失反応速度論によれば、薬物の一定画分が毎単位時間に失われるので、時間に対する薬物濃度の対数値のプロットは、初期分布相後(即ち、薬物の吸収と分布が完了した後)、常時、直線的である。プロテアーゼ又はペプチダーゼ活性による薬物消失の半減期は、そのようなグラフから正確に決定することができる。
本発明は、ペプチド生理活性及び安定性に関してイン・ヴィトロ生成されたライブラリーの同時的なスクリーニングを可能にすることによって、ペプチド薬物の開発技術における大きな進歩を示す。
複数のペプチドをコードするイン・ヴィトロ生成核酸ライブラリーが、合成され、単数又は複数の所望のプロテアーゼ又はペプチダーゼの存在下で標的に対する結合について選択される。前記標的に結合することができない、より重要には、前記所望のプロテアーゼ又はペプチダーゼの存在下において前記標的に結合することができないライブラリーメンバーが、洗浄又は当業者に知られているその他の方法によって除去される。ペプチド安定化成分と生理活性ペプチド成分とをコードするライブラリーメンバーは標的に結合したまま残る。次に、ペプチド安定化物質及び生理活性ペプチドライブラリーメンバーをコードするこれらの標的結合ハイブリッド分子を回収し、それらを個々に、対応の核酸配列を決定し、コードされたハイブリッド分子を発現又は合成して生理活性ペプチド標的結合及び前記ペプチド安定化成分における所望のプロテアーゼ又はペプチダーゼ耐性を確認することによって特徴付ける。任意に、本発明は、驚くべきことに、前記所望のプロテアーゼ又はペプチダーゼの単数又は複数の公知の開裂部位をまだ保持するものでありながら、前記ペプチド安定化成分による、プロテアーゼ又はペプチドダーゼによる開裂に対する耐性を有するハイブリッド分子を提供する。
本発明によれば、複数のペプチドと、それらとは別の生理活性ペプチドとをコードするイン・ヴィトロ生成核酸ライブラリーが、前記生理活性ペプチドのプロテアーゼ開裂によってコード核酸、生理活性ペプチド及びライブラリーペプチド間の連鎖(linkage)が破壊される状態で合成される。前記ライブラリーは、単数又は複数の所望のプロテアーゼ又はペプチダーゼの存在下における前記生理活性ペプチド標的に対する結合に関して選択される。前記標的に結合することができない、または、より重要には、前記所望のプロテアーゼ又はペプチダーゼの存在下において開裂から生理活性ペプチドを保護できないライブラリーメンバーが、洗浄又は当業者に知られているその他の方法によって除去される。次に、ペプチド安定化物質及び生理活性ペプチドライブラリーメンバーをコードするこれらの標的結合ハイブリッド分子を回収し、それを個々に、対応の核酸の配列を決定し、コードされたハイブリッド分子を発現又は合成して生理活性ペプチド標的結合及び前記ペプチド安定化成分における所望のプロテアーゼ又はペプチダーゼ耐性を確認することによって特徴付ける。本発明によれば、単離されたいくらかのペプチド安定化成分は、選択において使用されない他の生理活性ペプチドを保護すると予想されます。任意に、本発明によって単離されたペプチド安定化成分のいくつかは、例1に記載のトロンビン耐性ペプチド安定化成分のいくつがトリプシンに対しても耐性を有するということから驚くべく立証されるように、前記選択に使用されなかったペプチダーゼ及びプロテアーゼに対して、この、またはその他の生理活性ペプチドを保護するものと予期される。例1に記載されるペプチド安定化成分のいくつかは、生理活性ペプチドのタンパク分解壊変を防止することに有用性を有する。例えば、本発明のペプチド安定化成分を生理活性ペプチド副甲状腺ホルモンに抱合させて、プロテアーゼ耐性の高い本発明のハイブリッド分子を作り出すことができる。そのようなハイブリッド分子は、プロテアーゼ耐性の増大と生理活性の延長から生じる骨粗鬆症の治療用の改善された薬用組成物としての有用性を有する。
任意に、例1に記載されているもののような、本発明によって単離されたペプチド安定化成分をコードする核酸プールのいくつかは、生理活性ペプチドのタンパク分解壊変を防止することに有用性を有する。例えば、例1に記載される第4又は第5ラウンドの選択からの本発明のペプチド安定化成分が濃縮された核酸プールを、いずれかの生理活性ペプチドをコードする核酸に融合させて、本発明のハイブリッド分子を作り出すことができる。所望の生理活性ペプチドに最も適したペプチド安定化成分のために、そのようプールを、本発明の前記手段、又は、当業者に知られているいずれかの方法、によって更にスクリーニングすることができる。
本発明は、生理活性ペプチド中の任意の1つの位置において、ライブラリーの大半が前記生理活性ペプチド中に存在する実際のアミノ酸をコードするように、既存の生理活性ペプチド配列に基づくバイアス化イン・ヴィトロ核酸−ペプチドライブラリー(biased in vitro nucleic acid-peptide library)を提供する。三ヌクレオチド突然変異誘発(Sondek & Shorle, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:3581-3585)を使用するヌクレオチド使用のバイアス化(Wolf & Kim, Protein Sci. 8:680-688(1999))などの、化学的DNAオリゴヌクレオチド合成及びPCRでそのようなライブラリーを生成するための多くの方法が、当業者に知られており、そして、これらを全てのイン・ヴィトロディスプレイライブラリー法に適用することができる。単数又は複数の所望のプロテアーゼ又はペプチダーゼの存在下における前記生理活性ペプチド標的への結合について、前記ライブラリーを選択する。前記標的に結合することができない、より重要には、前記所望のプロテアーゼ又はペプチダーゼの存在下において前記生理活性ペプチドを開裂から保護することができないライブラリーメンバーが、洗浄又は当業者に知られているその他の方法によって除去される。次に、ペプチド安定化物質及び生理活性ペプチドライブラリーメンバーをコードするこれらの標的結合ハイブリッド分子を回収し、それらを個々に、対応の核酸の配列を決定し、コードされたハイブリッド分子を発現又は合成して生理活性ペプチド標的結合及び前記ペプチド安定化成分における所望のプロテアーゼ又はペプチダーゼ耐性を確認することによって特徴付ける。本発明によれば、前記ペプチド安定化成分は、前記生理活性ペプチド成分内、又はそれに抱合した状態で見つけられる。任意に、2つ以上のペプチド安定化成分は、前記生理活性ペプチド成分内でコードすることができる。したがって、本発明は、ハイブリッド分子のサイズを、元の生理活性成分のサイズから変えることなく、生理活性成分の生理活性を保護又は強化するペプチド安定化成分を提供する。前記生理活性成分に由来する本発明のハイブリッド分子は、患者における延長又は強化された生理活性を通して、改良された治療剤としての有用性を有する。前記延長又は強化された生理活性は、前記ペプチド安定化成分に由来するものである。
任意に、本発明は、前記ペプチド安定化成分を前記ハイブリッド分子へ組み込む結果として、経口投与用に適した、ここに単離されるプロテアーゼ耐性ハイブリッド分子を提供する。好ましくは、前記経口投与ハイブリッド分子は、自然発生L−アミノ酸のみから構成される。前記ハイブリッド分子は、任意に、アミド化、カルボキシル化、又は、当業者に知られているその他のそのような方法によって、N又はC末端において修飾することができる。非限定的な具体例として、本発明のハイブリッド分子に組み込まれた場合にL-アミノ酸のみから成るWO−A−0215923(アテローム性動脈硬化症治療用)に記載されたものなどの生理活性ペプチドが、経口投与用に適したものとされるであろう。WO−A−0215923の生理活性成分に由来する本発明のそのようなハイブリッド分子は、患者における延長された生理活性を通して改良された治療剤としての有用性を有するものとなるであろう。前記延長された生理活性は、本発明の前記ペプチド安定化成分に由来するものである。従って、本発明の同定されたハイブリッド分子は、心臓病の予防用の薬用組成物としての有用性を持ちうるものであり、静脈内投与、筋肉内注射、より好ましくは、経口投与することが可能である。
また、ここに記載の「ペプチド安定化物質」のバリアントを使用することも可能である。多くのバリアントが可能である。バリアントは、調製後、例えば、ELISA等の結合アッセイを使用して、そのプロテアーゼ耐性について試験することができる。1つのタイプのバリアントは、ここに記載の「ペプチド安定化物質」の切断(truncation)である。この例において、前記バリアントは、N又はC末端から「ペプチド安定化物質」の単数又は複数のアミノ酸を除去することによって調製される。いくつかの場合において、一連のそのようなバリアントが調製され、試験される。これら一連の試験からの情報を使用して、「ペプチド安定化物質」中のプロテアーゼ耐性に必須である領域を決定するのに利用することができる。一連の内部削除又は挿入も、同様に構築、試験することができる。
別のタイプのバリアントは、置換体である。その一例において、前記「ペプチド安定化物質」にアラニンスキャニングを行い、安定化活性に貢献する残基を同定する。別の例においては、単数又は複数の位置における置換体のライブラリーを構成する。このライブラリーを、非バイアス化(unbiased)、又は、特に、複数の位置が変化する場合には、元の残基に向けてバイアス化することができる。いくつかの場合において、前記置換体は、保存的置換体(conservative substitutions)に限定される。
関連するタイプのバリアントは、単数又は複数の非自然発生アミノ酸を含む「ペプチド安定化物質」である。そのようなバリアントリガンドは、化学合成によって作り出すことができる。単数又は複数位置を、非自然発生アミノ酸によって置換することができる。いくつかの場合において、置換されたアミノ酸を、もとの自然発生残基(例えば、脂肪族、荷電、塩基性、酸性、芳香族、親水性)又は、もとの残基の同配体、に化学的に関連させることができる。
又、非ペプチド連鎖(linkage)、及びその他の化学修飾を含むことも可能である。例えば、前記「ペプチド安定化物質」の一部又は全部を、ペプチドミメティックス(peptidomimetic)、例えば、ペプトイド、として合成することができる(例えば、サイモン(Simon)ほか(1992)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:9367-71とホーウェル(Horwell)(1995)Trends Biotechnol. 13:132-4を参照)。ペプチドは、単数又は複数(例えば全部)のそのような非加水分解性結合を含むことができる。多くの非加水分解性ペプチド結合が、そのような結合を含むペプチドの合成手順ととともに、知られている。非加水分解性結合の具体例としては、以下のものがある。--[CHNH]--還元アミドペプチド結合、--[COCH]--ケトメチレンペプチド結合、--[CH(CN)NH]--(シアノメチレン)アミノペプチド結合、--[CHCH(OH)]--ヒドロキシエチレンペプチド結合、--[CHO]-ペプチド結合、及び--[CHS]--チオメチレンペプチド結合(例えば、米国特許第6,172,043号を参照)。
本出願人によって使用される下記の手順は、サムブルック,ジェイ(Sambrook, J.)ほか,1989前出:アガロースゲル上での制限酵素消化産物の分析とリン酸緩衝食塩水の調製、に記載されている。
汎用試薬を、SIGMA-Aldrich Ltd(Poole, Dorset, U.K.)から購入した。オリゴヌクレオチドを、Eurogentec Ltd(Southampton, U.K.)から入手した。アミノ酸と、S30抽出物を、Promega Ltd.(Southampton, Hampshire, U.K.)から入手した。プロテアーゼは、SIGMA-Aldrich(Poole, Dorset, U.K.)又はNovagen(Nottingham, U.K.)から購入した。Vent及びTaq DNAポリメラーゼは、New England Biolabs(Cambridgeshire, U.K.)から入手した。抗ヒトIgK抗体はImmunologicals Direct Ltd(Oxfordshire, U.K.)そしてM2及び抗FLAGポリクローナルは、SIGMA-Aldrich Ltd(Poole, Dorset, U.K.)から入手した。
例1.トロンビンとトリプシンによる開裂から保護するペプチド安定化物質の同定
本発明を例示するために、トロンビン耐性プロテアーゼペプチドを、下記を含むように構築されたtacプロモーターの制御下で、RepAに遺伝的に融合されたN末端cisディスプレイライブラリーから選択した。即ち、図1に図示されているように、
a.抗−FLAG抗体に結合可能なFLAGペプチド成分(生理活性ペプチド1)、そして、
b.トロンビン耐性ペプチド安定化成分をそこから選択可能な12アミノ酸ランダムライブラリー、そして、
c.トロンビンプロテアーゼによって開裂可能な4アミノ酸成分(生理活性ペプチド2)。
ライブラリー構築とイン・ヴィトロ転写と翻訳とをオーデグリップ(Odegrip)ほか(Proc. Natl. Acad. Sci USA 101 2806-2810(2004))に記載されるように行った。tac−FLAG−NNB−トロンビン開裂部位−RepA−CIS−ori PCR構築物を、プライマーTRL(配列番号1)でのPCRによって、前記tacプロモーターに、FLAGエピトープと12−merのNNBライブラリー(ここで、Nは、いずれのヌクレオチドであってよい、そしてBは、C、T又はG)と、その後に、トロンビン開裂配列(GPRSをコード、ここで“R”=P1)を付加することによって調製し、次に、それを、前記RepA−CIS−ori領域にライゲーションし、その後PCR増幅を行った。イン・ヴィトロ転写と翻訳を、E.coli S−30ライセートシステム(30)中で、30分間まで30℃で行い、その後、ブロッキング緩衝液(PBS中、2% BSA,0.1mg/mlニシン精子DNA)で希釈した。典型的には、2μgの直鎖状DNAを、50μlのS−30ライセート毎に添加した。ビオチン化抗FLAG(M2)(SIGMA)抗体を最終濃度1μg/mlまで添加した。ヒトトロンビン(SIGMA)を、最終濃度0.1unit/mlまで添加した。選択工程のラウンド1、2及び3において、溶液を、25℃で2時間インキュベートし、ラウンド4及び5では37℃で2時間インキュベートした。ストレプトアビジン被覆Dynal M280常磁性ビーズを溶液50μl/mlで添加し、PBS/0.1%−Tween−20でよく洗浄する前に、室温で10分間インキュベートした。DNAを溶出し、精製し、N末端ライブラリー領域を増幅し、上述したようにRepA−CISと再び組み合わせて、次のラウンドの選択のためのインプットDNAを作成した。選択がうまくゆくためには、前記生理活性ペプチドトロンビン基質配列を、前記ランダムライブラリー領域においてコードされるペプチド安定化物質によって開裂から保護しなければならない。
第5ラウンドの選択から回収されたDNAを、PCRを使用して増幅し、精製し、NotIとNcoIで消化した。次に、前記DNAを、同様に消化されたM13 gpIII ファージミドベクターにライゲーションし、E.coli XL−1ブルー細胞に形質転換し、2%グルコース、2×TY,100μg/mlアンピシリンプレート上に載置した。個々のコロニーを従来記載されている(オーデグリップ(Odegrip)ほか、Proc. Natl. Acad. Sci USA 101 2806-2810 (2004年))ようにファージ粒子の産生のために成長させた。NUNC Maxisorpプレートを、4℃で一晩PBS中100ng/ウェルの抗FLAG M2抗体で被覆した。結合したファージをPBS,+/−ヒトトロンビン(0.1unit/ml)中の2%BSA中で1時間インキュベートして、ELISAアッセイを行った。前記アッセイを、SureBlue TMBペルオキシダーゼ基質(Insight Biotechnology, Middlesex, UK)によって展開し(developed)、450nmで読み取った。
5ラウンドの選択後、トロンビンに対するある範囲の耐性が見られ(図2)、第5ラウンドで選択されたペプチドはすべて、トロンビン中での1時間のインキュベーションの後に抗FLAG結合が無い対照FLAGエピトープ−トロンビン基質配列DYKDDDRSGGSGLGRSG(配列番号2)よりも高い耐性を有していた。配列分析によって、ほぼ全てのペプチド(70%)が、トロンビン開裂部位(配列番号3〜配列番号27)を保持しており、前記ライブラリーメンバペプチドがトロンビン基質ペプチドを開裂から保護していることを示していると、証明した。
偶発的な(incidental)プロテアーゼに対する耐性を調べるために、未選択ライブラリーからの、又は、5ラウンドのトロンビン耐性選択後からの94のクローンを、トリプシン−アガロースで、25℃で2時間インキュベートし、その後、抗FLAG抗体(該抗体はトリプシン感応性であり、したがって別のインキュベーション工程)に対するELISAによって分析した。トリプシンは、Rの後、またはKの後、開裂し、そうして、前記FLAGエピトープに固定された2つのトリプシン部位とトロンビン基質配列である。トリプシン耐性の選択は行わず、FLAGエピトープはトリプシン開裂を受けることから、トリプシンに対するたとえ部分的な耐性でも驚くべきことである。そのような耐性がトロンビン耐性に関して選択されたラウンド5のペプチドに観察されたが、非選択ライブラリーペプチドにおいては観察されなかった(図3)。驚くべきことに、前記ペプチド安定化成分のいくつかは生理活性ペプチドを偶発的なプロテアーゼによる開裂から保護することができる(表1を参照)。
例2.キモトリプシン及びトリプシンによる開裂に対して保護するペプチド安定化物質の濃縮の実証
本発明を更に例示するために、プロテアーゼ耐性ペプチドを、下記を含むように構築されたtacプロモーターの制御下で、RepAに遺伝子的に融合された混合長N末端cisディスプレイライブラリーから選択した。即ち、図4に図示されているように、
a.抗−FLAG抗体(に結合可能なFLAGペプチド成分生理活性ペプチド1)、そして、
b.プロテアーゼ耐性ペプチド安定化成分をそこから選択可能な12、9及び6のランダムなアミノ酸を含む混合ライブラリー、そして、
c.トリプシンとキモトリプシンを含む多数のプロテアーゼによって開裂可能な9アミノ酸成分(生理活性ペプチド2)。
ライブラリー構築とイン・ヴィトロ転写と翻訳とをオーデグリップ(Odegrip)ほか(Proc. Natl. Acad. Sci USA 101 2806-2810 (2004))に記載されるように行った。tac−FLAG−NNB−プロテアーゼ開裂部位−RepA−CIS−ori PCR構築物を、FLAGエピトープと、12−mer、9−mer又は6−mer NNBライブラリー(ここで、Nは、いずれのヌクレオチドであってよく、そしてBは、C、T又はG)と、その後に、プロテアーゼ開裂配列(FSGPRTLTYをコード、ここで“R”=トリプシンとトロンビンに対するP1、“F”及び“Y”=キモトリプシンに対するP1)とを、プライマー309、310、又は311(配列番号34〜36)でのPCRによってtacプロモーターに付加することによって調製し、次に、そのそれぞれを、前記RepA−CIS−ori領域にライゲーションし、その後PCR増幅を行った。各構築物からの同量の産物を混合して、プロテアーゼ耐性ペプチド安定化成分内に12、9又は6のアミノ酸をコードするライブラリーを生成した。イン・ヴィトロ転写と翻訳を、例1と同様に行った。これらをブロッキング緩衝液(PBS中、2% BSA,0.1mg/ml ニシン精子DNA)で1:10に希釈し、その後、1/10の量の10×トロンビン消化緩衝液(200mM Tris−HCl pH8.4、1.5M NaCl、25mM CaCl)を添加した。選択ラウンド1によって、150μlのS−30ライセート中に9μgの直鎖状DNAが発現し、その後のラウンドにおいては、5μgのDNAと100μlのライセートを使用した。それぞれアガロースビーズ(SIGMA)上に固定されたキモトリプシンとトリプシンとを添加し、その後、反転(inversion)の混合で室温にて2時間のインキュベートすることによってプロテアーゼ消化を行った。ラウンド1では、0.8unitのキモトリプシンと1.0unitのトリプシンが使用され、ラウンド2、3及び4ではそれぞれ、0.4unitと0.5unit、0.6unitと0.75unit、そして、0.8unitと1.0unitが使用された。遠心分離によってプロテアーゼを除去し、その上清に、例1に記載したように、ビオチン化抗FLAG(M2)(SIGMA)抗体とストレプトアビジン被覆Dynal M280常磁性ビーズとを使用する選択を行った。これらの選択においてトロンビン消化は省略した。DNA溶出、生成、及びその後のラウンドの選択のための再組み立ては実質的に例1に記載したものと同様であった。
ラウンド1〜4後に生成された等量のライブラリーDNAの発現とプロテアーゼ消化後のプロテアーゼ耐性産物の回収の比較は、プロテアーゼ耐性ペプチド安定化成分の選択と濃縮を実証している。選択のラウンド1〜4後に生成されたライブラリーDNAの等量(3.2μg)を、100μlのライセート中で発現させ上述したように希釈した。そのそれぞれを2つのアリコットに分け、各アリコットに対して、0.4unitのキモトリプシン−アガロースと、0.5unitのトリプシン−アガロースとを添加した。インキュベーション、プロテアーゼの除去、そして、上述した、ビオチン化抗FLAG(M2)(SIGMA)抗体とストレプトアビジン被覆Dynal M280常磁性ビーズを使用した保護されたペプチドの選択の後、PCRによって回収された産物に対してアガロースゲル電気泳動を行った(図5)。プロテアーゼ消化無しでは、ラウンド1〜4からのDNAからほぼ等量の産物が生成され、発現、選択、及びこの材料からの回収に差異を示さなかった。プロテアーゼ消化有りの場合は、ラウンド1はその存在においてよりも遥かに少ない産物を生成する。しかしながら、その後のラウンドでは、この差は小さくなり、ラウンド4の材料から生成された産物は、プロテアーゼ消化有りと無しとの両方においてほぼ同等であるように見えた。このことは、ライブラリー内における生理活性ペプチドのプロテアーゼ耐性を安定化することが可能な物質の濃縮を実証するものである。
ここにおいて本発明の特定の実施例について説明してきたが、これは具体例として例示の目的のみのために成されたものである。上述した実施例は、添付した特許請求の範囲に関して限定的なものであることを意図するものではない。本発明者等によって、特許請求の範囲に定義された本発明の要旨及び範囲から逸脱することなく、本発明に対して種々の置換、改造及び改変を行うことが可能であると予想される。
Figure 2008533118
Figure 2008533118
例1のトロンビン耐性ペプチドライブラリーにおいてペプチド安定化配列を同定するのに使用される構築物を示す図であり、X−X−Xは、FLAGエピトープとトロンビン開裂部位を分離するランダムな12マーのペプチドライブラリーを示し、潜在的なトロンビン(Pro-Arg)及びトリプシン開裂部位(Lys又はArg)を示している。 5ラウンドの選択後のトロンビン耐性ペプチドを示す図であり、値は、百分率として表された((トロンビンとのインキュベーション後のOD450nm読み取り値)/(トロンビン無しでのインキュベーション後のOD450nm読み取り値))を表し、100%は、トロンビン開裂からの完全な保護作用を示す。対照バーは、配列番号2に示されるペプチドに関して観察された耐性である。 トリプシン耐性ペプチドを示す図であり、A.トリプシンとインキュベートされた非選択ライブラリーペプチド、B:トリプシン無しでインキュベートされた非選択ライブラリーペプチド、C:トリプシンとインキュベートされたラウンド5トロンビン選択ペプチド、D:トリプシン無しでインキュベートされたラウンド5トロンビン選択ペプチド。 例2のトリプシン/キモトリプシン耐性ペプチドライブラリーにおいてペプチド安定化配列を同定するのに使用される構築物を示す図。 キモトリプシン/トリプシン処理(CT)又はプロテアーゼ処理無し(NP)での、抗−FLAG抗体上で選択された、例2のラウンド1−4からのPCR回収物の臭化エチジウム染色アガロースゲル写真。 例2によるライブラリー構築に使用されるPCRプライマーの核酸配列を示す図。

Claims (19)

  1. イン・ヴィトロでペプチド安定化化合物を同定する方法であって、以下の工程;
    (a)複数の核酸構築物を発現する工程、ここで、各核酸構築物は、以下を含むハイブリッドペプチドをコードする;
    (i)生理活性成分;そして、
    (ii)推定ペプチド安定化成分;
    (b)前記発現ハイブリッドペプチドを単数又は複数のプロテアーゼに曝す工程;
    (c)前記発現ハイブリッドペプチドを、前記生理活性成分と検出可能に相互作用可能な標的分子に曝す工程;そして
    (d)もし、前記標的分子と単数又は複数の前記発現ハイブリッドペプチドの前記生理活性成分との間に検出可能な相互作用が発生した場合は、前記単数又は複数の発現ハイブリッドペプチドを、ペプチド安定化化合物を含むものとして同定する工程、を含む方法。
  2. 前記工程(d)の前記単数又は複数の発現ハイブリッドペプチドを、対応の核酸構築物と相関させ、それによって、前記ペプチド安定化化合物の核酸配列を同定する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記工程(b)及び工程(c)が、まず、前記工程(c)を、次に前記工程(b)の順序で、又は、同時に、行われる請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記ペプチド安定化成分が、長さが2〜20残基のアミノ酸配列を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ペプチド安定化成分が、前記生理活性成分内に含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記生理活性成分が、酵素、ホルモン、サイトカイン、抗体、抗体フラグメント、鎮痛剤、下熱剤、抗炎症剤、抗生剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、心血管治療剤、腎機能と電解質代謝に影響を与える薬剤、中枢神経に作用する薬剤、化学療法剤から成るグループから選択される1つ又は複数を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法によって同定されるペプチド安定化化合物。
  8. HYPPPSTPYTTD(配列番号3);PTPTNPPQSAAD(配列番号4);
    ESPRPPARPPND(配列番号5);NHPTTNDGPSVK(配列番号6);
    PNRNFQQNTNHN(配列番号7);PATNPHTNSNAN (配列番号8);
    HNVNPNQPHNDT(配列番号9);VPTSTYAITDPT(配列番号10);
    PTMTRPSNTEAE(配列番号11);PTPSHSTHRDPE(配列番号12);
    HPHHPSNQAPTD(配列番号13);AAPDETTTPNRD(配列番号14);
    VNFAATSSNDRD(配列番号15);HDGRPPQHHHPH(配列番号16);
    MTMGTRPTRDTH(配列番号17);VNKQTTASQAHH(配列番号18)
    TNFSKDEQPTPD(配列番号19);GRPATAPCTHGN(配列番号20);
    DRSRASTRRDRH(配列番号21);SRHRTNAGETDH(配列番号22);
    ATGPIPHTPQGS(配列番号23);TDPPANDNAQPH(配列番号24);
    RFVSDHNITAAD(配列番号25);QPHNHPRPIKQH(配列番号26);
    ITPPDNSHTPDE(配列番号27);HGHSPSDNANTR(配列番号28);
    HCVHEPQTKHES(配列番号29);PSCPNKQDPTHD(配列番号30);
    TDCSHNPTDPCE(配列番号31);RAGELGAPADPD(配列番号32);及び、
    QKPNHDTERELD(配列番号33)、から成るグループから選択されるペプチド安定化化合物。
  9. 生理活性成分と、請求項7又は8に記載の単数又は複数のペプチド安定化化合物から選択されるペプチド安定化化合物とを含む生物学的活性ペプチド。
  10. 前記生理活性成分が、酵素、ホルモン、サイトカイン、抗体、抗体フラグメント、鎮痛剤、下熱剤、抗炎症剤、抗生剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、心血管治療剤、腎機能と電解質代謝に影響を与える薬剤、中枢神経に作用する薬剤、化学療法剤、から成るグループから選択される請求項9に記載の生物学的活性ペプチド。
  11. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法によって同定される少なくとも1つのペプチド安定化化合物と、生理活性分子と、適当な担体とを含む薬用組成物。
  12. 前記ペプチド安定化化合物が、
    HYPPPSTPYTTD(配列番号3);PTPTNPPQSAAD(配列番号4);
    ESPRPPARPPND(配列番号5);NHPTTNDGPSVK(配列番号6);
    PNRNFQQNTNHN(配列番号7);PATNPHTNSNAN (配列番号8);
    HNVNPNQPHNDT(配列番号9);VPTSTYAITDPT(配列番号10);
    PTMTRPSNTEAE(配列番号11);PTPSHSTHRDPE(配列番号12);
    HPHHPSNQAPTD(配列番号13);AAPDETTTPNRD(配列番号14);
    VNFAATSSNDRD(配列番号15);HDGRPPQHHHPH(配列番号16);
    MTMGTRPTRDTH(配列番号17);VNKQTTASQAHH(配列番号18)
    TNFSKDEQPTPD(配列番号19);GRPATAPCTHGN(配列番号20);
    DRSRASTRRDRH(配列番号21);SRHRTNAGETDH(配列番号22);
    ATGPIPHTPQGS(配列番号23);TDPPANDNAQPH(配列番号24);
    RFVSDHNITAAD(配列番号25);QPHNHPRPIKQH(配列番号26);
    ITPPDNSHTPDE(配列番号27);HGHSPSDNANTR(配列番号28);
    HCVHEPQTKHES(配列番号29);PSCPNKQDPTHD(配列番号30);
    TDCSHNPTDPCE(配列番号31);RAGELGAPADPD(配列番号32);及び、QKPNHDTERELD(配列番号33)、から成るグループから選択される請求項11に記載の薬用組成物。
  13. 前記生理活性分子が、酵素、ホルモン、サイトカイン、抗体、抗体フラグメント、鎮痛剤、下熱剤、抗炎症剤、抗生剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、心血管治療剤、腎機能と電解質代謝に影響を与える薬剤、中枢神経に作用する薬剤、化学療法剤、から成るグループから選択される請求項11又は12に記載の薬用組成物。
  14. 前記ペプチド安定化化合物が、前記生理活性分子に付加される請求項11〜13のいずれか一項に記載の薬用組成物。
  15. 前記ペプチド安定化化合物が、前記生理活性分子内に構成される請求項11〜13のいずれか一項に記載の薬用組成物。
  16. 前記組成物が、経口投与に適している請求項11〜15のいずれか一項に記載の薬用組成物。
  17. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法によって同定されたペプチド安定化化合物を、生理活性ペプチド分子に連結(link)させる工程、を含む生理活性ペプチド分子にタンパク分解耐性を付与する方法。
  18. 前記ペプチド安定化化合物が、前記生理活性分子に抱合(conjugate)させた請求項17に記載の方法。
  19. 前記ペプチド安定化化合物が、前記生理活性分子を遺伝学的に融合させた請求項17に記載の方法。
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